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特開2022-57263ガスボンベ交換時の人的エラー防止装置
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  • 特開-ガスボンベ交換時の人的エラー防止装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057263
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】ガスボンベ交換時の人的エラー防止装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/00 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
F17C13/00 301Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165424
(22)【出願日】2020-09-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】519435348
【氏名又は名称】株式会社ジー・キューブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 賢治
(72)【発明者】
【氏名】賀内 亮
(72)【発明者】
【氏名】小林 健彦
(72)【発明者】
【氏名】高末 真次
(72)【発明者】
【氏名】竹内 辰美
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB16
3E172BA01
3E172BB12
3E172CA12
3E172DA90
3E172KA03
3E172KA12
3E172KA29
(57)【要約】
【課題】ガス供給システムにおけるガスボンベ交換時に発生し得る人的エラーを防止する装置を提供する。
【解決手段】ガスボンベ15の口金部分15aを被覆し得る被覆板2と、被覆板を支持して、被覆板が口金部分を被覆し、作業者による口金部分へのアクセスを妨げる第1の位置と、被覆板が口金部分を露出させ、作業者による口金部分へのアクセスを許容する第2の位置との間で運動させ得るエアシリンダ3と、エアシリンダ駆動部と、エアシリンダを支持し、ガスボンベに着脱自在に取り付けられる固定部5を備える。エアシリンダ駆動部は、ガス供給システムの制御部に接続され、常時は被覆板に第1の位置をとらせるが、制御部からガスボンベ交換許可信号を受けたとき、被覆板に第2の位置をとらせる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスボンベ、前記ガスボンベに接続されたガス配管系、および前記ガスボンベからの前記ガス配管系を通じたガスの供給を制御する制御部を有し、前記制御部が前記ガスボンベの交換の許否を判定するガス供給システムにおいて使用される、ガスボンベ交換時の人的エラーを防止する装置であって、
前記ガスボンベの口金部分を被覆し得る被覆板と、
前記被覆板を支持して、前記被覆板が前記口金部分を被覆し、作業者による前記口金部分へのアクセスを妨げる第1の位置と、前記被覆板が前記口金部分を露出させ、前記作業者による前記口金部分へのアクセスを許容する第2の位置との間で運動させ得るアクチュエータと、
アクチュエータ駆動部と、
前記アクチュエータを支持し、前記前記ガスボンベに着脱自在に取り付けられる固定部と、を備え、
前記アクチュエータ駆動部は、前記ガス供給システムの前記制御部に接続され、常時は前記被覆板に前記第1の位置をとらせるが、前記制御部からガスボンベ交換許可信号を受けたとき、前記被覆板に前記第2の位置をとらせるものであることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記被覆板を前記第1および前記第2の位置間において直線運動させるリニアアクチュエータからなっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記リニアアクチュエータは、前記ガスボンベの中心軸に関し前記口金部分の反対側において、前記口金部分の中心軸に平行にのびるエアシリンダからなり、
前記エアシリンダのロッドに前記被覆板が取り付けられ、前記ロッドが伸長したとき前記被覆板が前記第1の位置をとるが、前記ロッドが収縮したとき前記被覆板は前記第2の位置をとり、
前記アクチュエータ駆動部は、
エア供給源と、
前記エア供給源から前記エアシリンダにエアを供給するエア供給管と、
前記エア供給管に設けられた電磁弁と、を有していることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記固定部は、
前記ガスボンベの容器本体の上部に着脱自在に取り付けるためのアタッチメントと、
前記アタッチメントに取り付けられ、前記リニアアクチュエータを、前記ガスボンベの中心軸に平行な方向、および前記口金部分の中心軸に平行な方向、および前記ガスボンベの中心軸と前記口金部分の中心軸の双方に直交する方向のそれぞれにおいて位置調節可能に支持する支持機構と、を有していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記アタッチメントは、
平板状をなし、外周に半円弧状凹部を有する固定部材と、
半円弧状の平板からなり、凹状の側縁が前記固定部材の前記半円弧状凹部に対向する配置で、一端において前記固定部材に旋回可能に取り付けられ、他端が前記固定部材に当接して、前記固定部材の前記半円弧状凹部との間に前記ガスボンベの前記容器本体の上部の径に対応する径の開口を形成する閉位置と、前記他端が前記固定部材から離間した開位置をとり得る可動部材と、を有し、
前記アタッチメントは、さらに、
前記可動部材の他端および前記固定部材に設けられ、前記可動部材が前記閉位置をとり、前記ガスボンベの前記容器本体の上部が前記固定部材および前記可動部材間に挟持された状態で、前記可動部材の前記他端を前記固定部材に固定するための固定機構を有していることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記支持機構は、
前記アタッチメントの前記固定部材に突設され、前記固定部材の表裏面に平行にのびる第1のスライドガイドと、
前記第1のスライドガイドにスライド可能にかつ前記第1のスライドガイド上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第1のスライダと、
前記第1のスライダに設けられ、前記固定部材の表裏面に垂直な方向にのびる第2のスライドガイドと、
前記第2のスライドガイドにスライド可能にかつ前記第2のスライドガイド上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第2のスライダと、
前記第2のスライダに設けられ、前記第1および前記第2のスライドガイドに直交してのびる第3のスライドガイドと、
前記第3のスライドガイドにスライド可能にかつ前記第3のスライドガイド上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第3のスライダと、を有し、
前記リニアアクチュエータが前記第3のスライダに取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスボンベ、ガスボンベに接続されたガス配管系、およびガスボンベからのガス配管系を通じたガスの供給を制御する制御部を有し、制御部がガスボンベの交換の許否を判定するガス供給システムにおいて使用される、ガスボンベ交換時の人的エラーを防止する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程においては、モノシラン(S)、アルシン(A)、ホスフィン(PH)、ジボラン(B)および三フッ化窒素(NF)等の有毒ガス、自己反応性ガス、可燃性ガス等の危険性を有するガスが多用されている。
【0003】
これらのガスはガスボンベに充填された状態で供給され、ガスボンベは、通常、ガス漏れ時等の安全を確保するため、ガス供給システムのシリンダキャビネットに収容された状態で使用される。
そして、ガス供給システムによって、シリンダキャビネットのガスボンベからガスが半導体製造装置のプロセスチャンバ等に供給される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ガス供給システムは、また、それぞれシリンダキャビネットのガスボンベに開閉弁や減圧弁等を介して分岐接続されたガス供給配管、パージ配管および不活性ガス配管を有し、ガス供給配管を通じてプロセスチャンバ等へのガス供給が行われる。
【0005】
ガス供給配管、パージ配管および不活性ガス配管には、それぞれ、開閉弁、減圧弁、流量制御器および計測器(圧力計、流量計)等が設けられ、ガス供給システムの制御部が、計測器の測定値をモニタリングしつつ、開閉弁および流量制御器等を制御し、それによって、プロセスチャンバ等へのガスの供給がガス供給システムによって自動的になされる。
【0006】
また、通常、シリンダキャビネットには同一種類のガスに対してガスボンベが2本ずつ備えられるとともに、ガスボンベのガス残量が制御部によって監視され、一方のガスボンベの残量が所定値に達したとき、制御部がガスの供給を当該一方のガスボンベから他方のガスボンベに切り替えることによって、ガスの連続供給が行われるようになっている。
【0007】
ところで、供給されるガスには危険性を有するガスが多種類含まれているので、このガス供給システムの制御部によるガスの供給の切り替えは、次のようになされる。
【0008】
すなわち、制御部は、ガスボンベのガス残量が所定値に達したとき、当該ガスボンベに関係するガス管路部分を開閉弁(の閉止)によってガス供給配管から隔離した後、予備のガスボンベに関係するガス管路部分を開閉弁(の開放)によってガス配管に接続する。
【0009】
その後、制御部は、ガス供給配管から隔離したガスボンベおよび管路部分について、パージ配管および不活性ガス配管を通じてパージを行い、ガスボンベおよびガス管路部分内のガスを不活性ガス(窒素等)によって置き換える。
【0010】
そして、制御部は、パージが完了したとき、ガスボンベの交換可能と判定し、それを作業者に知らせるために、操作パネルまたはモニター盤のランプを点灯(点滅)させる。
【0011】
作業者は、ランプの点灯(点滅)によって指示された交換対象のガスボンベにアクセスし、その口金を緩めてガスボンベをガス配管から取り外し、当該ガスボンベを新たなガスボンベと交換し、新たなガスボンベの口金にガス配管を接続して口金を締める。
それによって、ガスボンベの交換作業が完了する。
【0012】
しかしながら、パージが完了した交換対象のガスボンベと、ガス供給中の新しいガスボンベとは互いに隣接して配置されており、また、交換対象のガスボンベを操作パネルまたはモニター盤のランプの点灯(点滅)によって確認するだけなので、作業者が、勘違いや不注意によって、隣接する2本のガスボンベのうちのどちらが交換対象のガスボンベであるかの判断を誤り、ガス供給中のガスボンベの口金を緩め、事故を引き起こしてしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】実公平5-17520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の課題は、ガス供給システムにおけるガスボンベ交換時に発生し得る人的エラーを防止する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明によれば、ガスボンベ、前記ガスボンベに接続されたガス配管系、および前記ガスボンベからの前記ガス配管系を通じたガスの供給を制御する制御部を有し、前記制御部が前記ガスボンベの交換の許否を判定するガス供給システムにおいて使用される、ガスボンベ交換時の人的エラーを防止する装置であって、前記ガスボンベの口金部分を被覆し得る被覆板と、前記被覆板を支持して、前記被覆板が前記口金部分を被覆し、作業者による前記口金部分へのアクセスを妨げる第1の位置と、前記被覆板が前記口金部分を露出させ、前記作業者による前記口金部分へのアクセスを許容する第2の位置との間で運動させ得るアクチュエータと、アクチュエータ駆動部と、前記アクチュエータを支持し、前記前記ガスボンベに着脱自在に取り付けられる固定部と、を備え、前記アクチュエータ駆動部は、前記ガス供給システムの前記制御部に接続され、常時は前記被覆板に前記第1の位置をとらせるが、前記制御部からガスボンベ交換許可信号を受けたとき、前記被覆板に前記第2の位置をとらせるものであることを特徴とする装置が提供される。
【0016】
本発明の好ましい実施例によれば、前記アクチュエータは、前記被覆板を前記第1および前記第2の位置間において直線運動させるリニアアクチュエータからなっている。
【0017】
本発明の別の好ましい実施例によれば、前記リニアアクチュエータは、前記ガスボンベの中心軸に関し前記口金部分の反対側において、前記口金部分の中心軸に平行にのびるエアシリンダからなり、前記エアシリンダのロッドに前記被覆板が取り付けられ、前記ロッドが伸長したとき前記被覆板が前記第1の位置をとるが、前記ロッドが収縮したとき前記被覆板は前記第2の位置をとり、前記アクチュエータ駆動部は、エア供給源と、前記エア供給源から前記エアシリンダにエアを供給するエア供給管と、前記エア供給管に設けられた電磁弁と、を有している。
【0018】
本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記固定部は、前記ガスボンベの容器本体の上部に着脱自在に取り付けるためのアタッチメントと、前記アタッチメントに取り付けられ、前記リニアアクチュエータを、前記ガスボンベの中心軸に平行な方向、および前記口金部分の中心軸に平行な方向、および前記ガスボンベの中心軸と前記口金部分の中心軸の双方に直交する方向のそれぞれにおいて位置調節可能に支持する支持機構と、を有している。
【0019】
本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記アタッチメントは、平板状をなし、外周に半円弧状凹部を有する固定部材と、半円弧状の平板からなり、凹状の側縁が前記固定部材の前記半円弧状凹部に対向する配置で、一端において前記固定部材に旋回可能に取り付けられ、他端が前記固定部材に当接して、前記固定部材の前記半円弧状凹部との間に前記ガスボンベの前記容器本体の上部の径に対応する径の開口を形成する閉位置と、前記他端が前記固定部材から離間した開位置をとり得る可動部材と、を有し、前記アタッチメントは、さらに、前記可動部材の他端および前記固定部材に設けられ、前記可動部材が前記閉位置をとり、前記ガスボンベの前記容器本体の上部が前記固定部材および前記可動部材間に挟持された状態で、前記可動部材の前記他端を前記固定部材に固定するための固定機構を有している。
【0020】
本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記支持機構は、前記アタッチメントの前記固定部材に突設され、前記固定部材の表裏面に平行にのびる第1のスライドガイドと、前記第1のスライドガイドにスライド可能にかつ前記第1のスライドガイド上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第1のスライダと、前記第1のスライダに設けられ、前記固定部材の表裏面に垂直な方向にのびる第2のスライドガイドと、前記第2のスライドガイドにスライド可能にかつ前記第2のスライドガイド上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第2のスライダと、前記第2のスライダに設けられ、前記第1および前記第2のスライドガイドに直交してのびる第3のスライドガイドと、前記第3のスライドガイドにスライド可能にかつ前記第3のスライドガイド上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第3のスライダと、を有し、前記リニアアクチュエータが前記第3のスライダに取り付けられている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ガスボンベの口金部分を被覆し得る被覆板と、被覆板を支持して、被覆板が口金部分を被覆し、作業者による口金部分へのアクセスを妨げる第1の位置と、被覆板が口金部分を露出させ、作業者による口金部分へのアクセスを許容する第2の位置との間で運動させるアクチュエータと、アクチュエータ駆動部と、アクチュエータを支持し、ガスボンベに着脱自在に取り付けられる固定部を備えた。
【0022】
そして、アクチュエータ駆動部をガス供給システムの制御部に接続し、常時は被覆板に第1の位置をとらせるが、制御部からガスボンベ交換許可信号を受けたとき、被覆板に第2の位置をとらせるようにした。
【0023】
こうして、常時(ガスボンベの交換が不可のとき)はガスボンベの口金部分を被覆板によって被覆し、作業者が口金部分にアクセスできないようにする一方、ガスボンベの交換が必要となり、かつガスボンベの交換作業のためのパージが完了し、関係するガスボンベおよびガス管路部分内の危険なガスが不活性ガスと入れ替えられたときに、被覆板による口金部分の被覆を解除し、作業者が口金部分にアクセスできるようにしたことによって、ガスボンベ交換時の人的なエラーを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の1実施例による、ガスボンベ交換時の人的エラー防止装置の主要部を示す斜視図である。
図2図1のガスボンベ交換時の人的エラー防止装置の動作を説明する図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
図3図1のガスボンベ交換時の人的エラー防止装置の動作を説明する図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
図4図1のガスボンベ交換時の人的エラー防止装置のアタッチメントの動作を説明する平面図である。
図5図1のガスボンベ交換時の人的エラー防止装置のエアシリンダ駆動部の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の構成を好ましい実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の1実施例によるガスボンベ交換時の人的エラー防止装置の主要部を示す斜視図であり、図2および図3は、図1のガスボンベ交換時の人的エラー防止装置の動作を説明する図であり、それぞれの(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【0026】
また、図4は、図1のガスボンベ交換時の人的エラー防止装置のアタッチメントの動作を説明する平面図であり、図5は、図1のガスボンベ交換時の人的エラー防止装置のエアシリンダ駆動部の概略構成を示すブロック図である。
【0027】
図1図5を参照して、本発明のガスボンベ交換時の人的エラー防止装置1は、ガスボンベ15、ガスボンベ15に接続されたガス配管系(図示されない)、およびガスボンベ15からのガス配管系を通じたガスの供給を制御する制御部16を有し、制御部16がガスボンベ15の交換の許否を判定するガス供給システム17において使用される。
【0028】
図1図4を参照して、本発明のガスボンベ交換時の人的エラー防止装置1は、ガスボンベ15の口金部分15aを被覆し得る被覆板2と、被覆板2を支持して、被覆板2が口金部分15aを被覆し、作業者による口金部分15aへのアクセスを妨げる第1の位置(図2参照)と、被覆板2が口金部分15aを露出させ、作業者による口金部分15aへのアクセスを許容する第2の位置(図3参照)との間で運動させるエアシリンダ3と、エアシリンダ駆動部4と、エアシリンダ3を支持し、ガスボンベ15に着脱自在に取り付けられる固定部5と、を備えている。
【0029】
エアシリンダ3は、ガスボンベ15の中心軸Yに関し口金部分15aの反対側において、口金部分15aの中心軸Xに平行に配置されている。
エアシリンダ駆動部4は、エア供給源6と、エア供給源6からエアシリンダ3にエアを供給するエア供給管7と、エア供給管7に設けられ、ガス供給システム17の制御部16に接続された電磁弁8と、エア供給管7における電磁弁8およびエアシリンダ3間に設けられたスピードコントローラ9とを有している。
スピードコントローラ9は、エアシリンダ3のロッド3aの伸縮運動の速度を制御する機能を有している。
【0030】
そして、エアシリンダ3のロッド3aに被覆板2が取り付けられ、ロッド3aが伸縮運動することによって、被覆板2が第1および第2の位置間において直線運動するようになっている。
【0031】
なお、この実施例では、被覆板2の駆動手段として、エアシリンダ3およびエアシリンダ駆動部4を備えたが、それらの代わりに、適当な別のリニアアクチュエータおよび当該リニアアクチュエータの駆動部を備えることもできる。
【0032】
固定部5は、ガスボンベ15の容器本体15bの上部に着脱自在に取り付けるためのアタッチメント10と、アタッチメント10に取り付けられ、エアシリンダ3を、ガスボンベ15の中心軸Yに平行な方向、および口金部分15aの中心軸Xに平行な方向、およびガスボンベ15の中心軸Yと口金部分15aの中心軸Xの双方に直交する方向のそれぞれにおいて位置調節可能に支持する支持機構11とを有している。
【0033】
アタッチメント10は、平板状をなし、外周に半円弧状凹部を有する固定部材12と、半円弧状の平板からなり、凹状の側縁が固定部材12の半円弧状凹部に対向する配置で、一端13aにおいて固定部材12に旋回可能に取り付けられ、他端13bが固定部材12に当接して、固定部材12の半円弧状凹部との間にガスボンベ15の容器本体15aの上部の径に対応する径の開口を形成する閉位置(図4(B)参照)と、他端13bが固定部材12から離間した開位置(図4(A)参照)をとり得る可動部材13とを有している。
【0034】
アタッチメント10は、さらに、可動部材13の他端13bおよび固定部材12に設けられ、可動部材13が閉位置をとり、ガスボンベ15の容器本体15bの上部が固定部材12および可動部材13間に挟持された状態で(図4(B)参照)、可動部材13の他端13bを固定部材12に固定するための固定機構14を有している。
【0035】
支持機構11は、アタッチメント10の固定部材12に突設され、固定部材12の表裏面に平行にのびる第1のスライドガイド11aと、第1のスライドガイド11aにスライド可能にかつ第1のスライドガイド11a上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第1のスライダ11bと、第1のスライダ11aに設けられ、固定部材12の表裏面に垂直な方向にのびる第2のスライドガイド11cと、第2のスライドガイド11cにスライド可能にかつ第2のスライドガイド11c上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第2のスライダ11dと、第2のスライダ11dに設けられ、第1および第2のスライドガイド11a、11cに直交してのびる第3のスライドガイド11eと、第3のスライドガイド11eにスライド可能にかつ第3のスライドガイド11e上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられたエアシリンダホルダー(第3のスライダ)11fとを有している。
そして、エアシリンダ3がエアシリンダホルダー11fに取り付けられている。
【0036】
こうして、それぞれ口金部分15aの位置が異なる複数のガスボンベ15が備えられる場合であっても、この支持機構11によって、容易に、被覆板2が第1の位置において口金部分15aを確実に被覆し得るように被覆板2の位置合わせをすることができる。
【0037】
固定部5は、アタッチメント10を、直立状態で設置されたガスボンベ15の容器本体15aの上部に対し、水平に、かつ第1のスライドガイド11a、よってエアシリンダ3がガスボンベ15の口金部分15aの中心軸Xに平行になる配置で固定することによって、ガスボンベ15に取り付けられる。
【0038】
そして、支持機構11の第1および第2のスライダ11b、11d、およびエアシリンダホルダー11fの位置が、図2に示すように、エアシリンダ3のロッド3aが伸長したとき被覆板2が第1の位置をとるが、図3に示すように、エアシリンダ3のロッド3aが収縮したときは被覆板2が第2の位置をとるように調節される。
【0039】
次に、本発明のガスボンベ交換時の人的エラー防止装置1の動作を説明する。
ガス供給システム17の制御部16は、ガスボンベ15が設置され、ガス配管系に接続されたとき、装置1のエアシリンダ駆動部4の電磁弁8にOFF信号を送信する。
【0040】
それによって、電磁弁8のポートが駆動され、エアシリンダ3のロッド3aが伸長し、被覆板2が第1の位置をとる(図2参照)。それと同時に、制御部16はガスボンベ15からのガスの供給を開始する。
電磁弁8のポートは、制御部16から電磁弁8にガスボンベ交換許可信号(ON信号)が送信されるまで駆動状態にある。
【0041】
その後、ガスボンベ15のガス残量が所定値に達したとき、制御部16は、ガスボンベ15に関係するガス管路部分をガス配管系から隔離し、隔離したガスボンベ15および管路部分についてパージを行い、ガスボンベおよびガス管路部分内のガスを不活性ガス(窒素等)によって置き換える。
【0042】
パージが完了したとき、制御部16は、電磁弁8にガスボンベ交換許可信号(ON信号)を送信する。
それによって、電磁弁8のポートの駆動が停止され、エアシリンダ3のロッド3aが収縮し、被覆板2が第2の位置をとる(図3参照)。
そして、作業員によるガスボンベ15の交換作業が開始される。
【0043】
本発明によれば、ガスボンベ15の口金部分15aを被覆し得る被覆板2と、被覆板2を支持して、被覆板2が口金部分15aを被覆し、作業者による口金部分15aへのアクセスを妨げる第1の位置と、被覆板2が口金部分15aを露出させ、作業者による口金部分15aへのアクセスを許容する第2の位置との間で運動させるエアシリンダ3と、エアシリンダ駆動部4と、エアシリンダ3を支持し、ガスボンベ15に着脱自在に取り付けられる固定部5を備えた。
【0044】
そして、エアシリンダ駆動部4をガス供給システム17の制御部16に接続し、常時は被覆板2に第1の位置をとらせるが、制御部16からガスボンベ交換許可信号を受けたとき、被覆板2に第2の位置をとらせるようにした。
【0045】
こうして、常時(ガスボンベ15の交換が不可のとき)はガスボンベ15の口金部分15aを被覆板2によって被覆し、作業者が口金部分15aにアクセスできないようにする一方、ガスボンベ15の交換が必要となり、かつガスボンベ15の交換作業のためのパージが完了し、関係するガスボンベ15およびガス管路部分内の危険なガスが不活性ガスと入れ替えられたときに、被覆板2による口金部分15aの被覆を解除し、作業者が口金部分15aにアクセスできるようにしたことによって、ガスボンベ交換時の人的なエラーを確実に防止することができる。
【0046】
この効果は、特に、ガス供給システム17が同一種類のガスに対しガスボンベを2本ずつ備え、各2本のガスボンベが互いに隣接して設置され、片方のガスボンベの残量が所定値に達したとき他方のガスボンベに自動的に切り替えられる場合に絶大である。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明の構成は上記実施例に限定されず、当業者が本願の特許請求の範囲に記載された構成の範囲内で種々の変形例を案出し得ることは言うまでもない。
【0048】
例えば、上記実施例では、被覆板2の駆動手段としてエアシリンダ(リニアアクチュエータ)3を備え、被覆板を第1および第2の位置間において直線運動させているが、その代わりに、例えば、被覆板を、垂直面内において、1点のまわりに第1および第2の位置間で旋回運動させるアクチュエータを備えることもできる。
【0049】
また、例えば、上記実施例では、固定部5がガスボンベ15の容器本体15bの上部に着脱自在に取り付けられるが、固定部5をガスボンベ15の別の位置に着脱自在に取り付ける構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0050】
1 ガスボンベ交換時の人的エラー防止装置
2 被覆板
3 エアシリンダ
3a ロッド
4 エアシリンダ駆動部
5 固定部
6 エア供給源
7 エア供給管
8 電磁弁
9 スピードコントローラ
10 アタッチメント
11 支持機構
11a 第1のスライドガイド
11b 第1のスライダ
11c 第2のスライドガイド
11d 第2のスライダ
11e 第3のスライドガイド
11f エアシリンダホルダー(第3のスライダ)
12 固定部材
13 可動部材
13a 一端
13b 他端
14 固定機構
15 ガスボンベ
15a 口金部分
15b 容器本体
16 制御部
17 ガス供給システム
X 口金部分の中心軸
Y ガスボンベの中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスボンベ、前記ガスボンベに接続されたガス配管系、および前記ガスボンベからの前記ガス配管系を通じたガスの供給を制御する制御部を有し、前記制御部が前記ガスボンベの交換の許否を判定するガス供給システムにおいて使用される、ガスボンベ交換時の人的エラーを防止する装置であって、
前記ガスボンベの口金部分を被覆し得る被覆板と、
前記被覆板を支持して、前記被覆板が前記口金部分を被覆し、作業者による前記口金部分へのアクセスを妨げる第1の位置と、前記被覆板が前記口金部分を露出させ、前記作業者による前記口金部分へのアクセスを許容する第2の位置との間で直線運動させ得るリニアアクチュエータと、
アクチュエータ駆動部と、
前記リニアアクチュエータを支持し、前記前記ガスボンベに着脱自在に取り付けられる固定部と、を備え、
前記固定部は、
前記ガスボンベの容器本体の上部に着脱自在に取り付けるためのアタッチメントと、
前記アタッチメントに取り付けられ、前記リニアアクチュエータを、前記ガスボンベの中心軸に平行な方向、および前記口金部分の中心軸に平行な方向、および前記ガスボンベの中心軸と前記口金部分の中心軸の双方に直交する方向のそれぞれにおいて位置調節可能に支持する支持機構と、を有し、
前記アクチュエータ駆動部は、前記ガス供給システムの前記制御部に接続され、常時は前記被覆板に前記第1の位置をとらせるが、前記制御部からガスボンベ交換許可信号を受けたとき、前記被覆板に前記第2の位置をとらせるものであることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記リニアアクチュエータは、前記ガスボンベの中心軸に関し前記口金部分の反対側において、前記口金部分の中心軸に平行にのびるエアシリンダからなり、
前記エアシリンダのロッドに前記被覆板が取り付けられ、前記ロッドが伸長したとき前記被覆板が前記第1の位置をとるが、前記ロッドが収縮したとき前記被覆板は前記第2の位置をとり、
前記アクチュエータ駆動部は、
エア供給源と、
前記エア供給源から前記エアシリンダにエアを供給するエア供給管と、
前記エア供給管に設けられた電磁弁と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アタッチメントは、
平板状をなし、外周に半円弧状凹部を有する固定部材と、
半円弧状の平板からなり、凹状の側縁が前記固定部材の前記半円弧状凹部に対向する配置で、一端において前記固定部材に旋回可能に取り付けられ、他端が前記固定部材に当接して、前記固定部材の前記半円弧状凹部との間に前記ガスボンベの前記容器本体の上部の径に対応する径の開口を形成する閉位置と、前記他端が前記固定部材から離間した開位置をとり得る可動部材と、を有し、
前記アタッチメントは、さらに、
前記可動部材の他端および前記固定部材に設けられ、前記可動部材が前記閉位置をとり、前記ガスボンベの前記容器本体の上部が前記固定部材および前記可動部材間に挟持された状態で、前記可動部材の前記他端を前記固定部材に固定するための固定機構を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記支持機構は、
前記アタッチメントの前記固定部材に突設され、前記固定部材の表裏面に平行にのびる第1のスライドガイドと、
前記第1のスライドガイドにスライド可能にかつ前記第1のスライドガイド上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第1のスライダと、
前記第1のスライダに設けられ、前記固定部材の表裏面に垂直な方向にのびる第2のスライドガイドと、
前記第2のスライドガイドにスライド可能にかつ前記第2のスライドガイド上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第2のスライダと、
前記第2のスライダに設けられ、前記第1および前記第2のスライドガイドに直交してのびる第3のスライドガイドと、
前記第3のスライドガイドにスライド可能にかつ前記第3のスライドガイド上の所望の位置に一時的に固定可能に取り付けられた第3のスライダと、を有し、
前記リニアアクチュエータが前記第3のスライダに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明によれば、ガスボンベ、前記ガスボンベに接続されたガス配管系、および前記ガスボンベからの前記ガス配管系を通じたガスの供給を制御する制御部を有し、前記制御部が前記ガスボンベの交換の許否を判定するガス供給システムにおいて使用される、ガスボンベ交換時の人的エラーを防止する装置であって、前記ガスボンベの口金部分を被覆し得る被覆板と、前記被覆板を支持して、前記被覆板が前記口金部分を被覆し、作業者による前記口金部分へのアクセスを妨げる第1の位置と、前記被覆板が前記口金部分を露出させ、前記作業者による前記口金部分へのアクセスを許容する第2の位置との間で直線運動させ得るリニアアクチュエータと、アクチュエータ駆動部と、前記リニアアクチュエータを支持し、前記前記ガスボンベに着脱自在に取り付けられる固定部と、を備え、前記固定部は、前記ガスボンベの容器本体の上部に着脱自在に取り付けるためのアタッチメントと、前記アタッチメントに取り付けられ、前記リニアアクチュエータを、前記ガスボンベの中心軸に平行な方向、および前記口金部分の中心軸に平行な方向、および前記ガスボンベの中心軸と前記口金部分の中心軸の双方に直交する方向のそれぞれにおいて位置調節可能に支持する支持機構と、を有し、前記アクチュエータ駆動部は、前記ガス供給システムの前記制御部に接続され、常時は前記被覆板に前記第1の位置をとらせるが、前記制御部からガスボンベ交換許可信号を受けたとき、前記被覆板に前記第2の位置をとらせるものであることを特徴とする装置が提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明の好ましい実施例によれば、前記リニアアクチュエータは、前記ガスボンベの中心軸に関し前記口金部分の反対側において、前記口金部分の中心軸に平行にのびるエアシリンダからなり、前記エアシリンダのロッドに前記被覆板が取り付けられ、前記ロッドが伸長したとき前記被覆板が前記第1の位置をとるが、前記ロッドが収縮したとき前記被覆板は前記第2の位置をとり、前記アクチュエータ駆動部は、エア供給源と、前記エア供給源から前記エアシリンダにエアを供給するエア供給管と、前記エア供給管に設けられた電磁弁と、を有している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明の別の好ましい実施例によれば、前記アタッチメントは、平板状をなし、外周に半円弧状凹部を有する固定部材と、半円弧状の平板からなり、凹状の側縁が前記固定部材の前記半円弧状凹部に対向する配置で、一端において前記固定部材に旋回可能に取り付けられ、他端が前記固定部材に当接して、前記固定部材の前記半円弧状凹部との間に前記ガスボンベの前記容器本体の上部の径に対応する径の開口を形成する閉位置と、前記他端が前記固定部材から離間した開位置をとり得る可動部材と、を有し、前記アタッチメントは、さらに、前記可動部材の他端および前記固定部材に設けられ、前記可動部材が前記閉位置をとり、前記ガスボンベの前記容器本体の上部が前記固定部材および前記可動部材間に挟持された状態で、前記可動部材の前記他端を前記固定部材に固定するための固定機構を有している。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本発明によれば、ガスボンベの口金部分を被覆し得る被覆板と、被覆板を支持して、被覆板が口金部分を被覆し、作業者による口金部分へのアクセスを妨げる第1の位置と、被覆板が口金部分を露出させ、作業者による口金部分へのアクセスを許容する第2の位置との間で直線運動させるリニアアクチュエータと、アクチュエータ駆動部と、リニアアクチュエータを支持し、ガスボンベに着脱自在に取り付けられる固定部を備えた。さらには、固定部が、ガスボンベの容器本体の上部に着脱自在に取り付けるためのアタッチメントと、アタッチメントに取り付けられ、リニアアクチュエータを、ガスボンベの中心軸に平行な方向、および口金部分の中心軸に平行な方向、およびガスボンベの中心軸と口金部分の中心軸の双方に直交する方向のそれぞれにおいて位置調節可能に支持する支持機構とを有するようにした。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
本発明によれば、ガスボンベ15の口金部分15aを被覆し得る被覆板2と、被覆板2を支持して、被覆板2が口金部分15aを被覆し、作業者による口金部分15aへのアクセスを妨げる第1の位置と、被覆板2が口金部分15aを露出させ、作業者による口金部分15aへのアクセスを許容する第2の位置との間で運動させるエアシリンダ3と、エアシリンダ駆動部4と、エアシリンダ3を支持し、ガスボンベ15に着脱自在に取り付けられる固定部5を備えた。さらには、固定部5が、ガスボンベ15の容器本体15bの上部に着脱自在に取り付けるためのアタッチメント10と、アタッチメント10に取り付けられ、エアシリンダ3を、ガスボンベ15の中心軸Yに平行な方向、および口金部分15aの中心軸Xに平行な方向、およびガスボンベの中心軸Yと口金部分の中心軸Xの双方に直交する方向のそれぞれにおいて位置調節可能に支持する支持機構11とを有するようにした。