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特開2022-57276物件情報処理装置及び物件情報処理方法並びに物件情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057276
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】物件情報処理装置及び物件情報処理方法並びに物件情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20220404BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220404BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165443
(22)【出願日】2020-09-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和1年12月18日に、株式会社LIFULLのウェブサイト(https://lifull.com/news/16517/)にて、発明の概要を公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】399127832
【氏名又は名称】株式会社LIFULL
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100173510
【弁理士】
【氏名又は名称】美川 公司
(72)【発明者】
【氏名】地本 裕哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】広告の掲出の継続を確認すべき旨を、それを掲出した不動産業者に認識させる物件情報処理装置等を提供する。
【解決手段】物件情報処理サーバSVは、不動産物件についての広告の掲出状況の取得と、取得された掲出状況に基づいた当該掲出者たる不動産業者の数の取得と、不動産業者の数の時間的な変化に基づいた、広告の掲出の継続を確認する旨の成約確認メッセージの生成と、生成された成約確認メッセージの、当該広告の掲出中の不動産業者に対する提示の制御と、を行うシステム制御部を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産物件についての物件情報の、複数の掲出者による掲出状況の取得と、
前記取得された掲出状況に基づいた前記掲出者の数の取得と、
前記掲出者の数の時間的な変化に基づいた、前記物件情報の前記掲出者へ提示される提示情報であって当該物件情報の掲出の継続を確認する旨の提示情報の生成と、
前記生成された提示情報の、前記物件情報の前記掲出者に対する提示制御と、
を行うシステム制御部を備えることを特徴とする物件情報処理装置。
【請求項2】
前記システム制御部は、少なくとも前記掲出者の数の最大値に対応した閾値と、現在の前記掲出者の数と、に基づいた前記提示情報の前記生成を行うこと特徴とする請求項1に記載の物件情報処理装置。
【請求項3】
前記システム制御部は、前記掲出者の数の減少傾向の検出を更に行い、当該減少傾向が予め設定された減少傾向となった場合に、前記提示情報の前記生成を行うことを特徴とする請求項1に記載の物件情報処理装置。
【請求項4】
前記システム制御部は、掲出する前記物件情報の更新又は当該物件情報の掲出の停止が予め設定された基準を満たすように行われた前記掲出者の数に重み付けをした場合の前記変化に基づいた前記提示情報の前記生成を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の物件情報処理装置。
【請求項5】
前記システム制御部は、前記変化における前記掲出者の数が減少傾向になった後に増加傾向となったとき、前記提示情報の前記提示制御を停止することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の物件情報処理装置。
【請求項6】
不動産物件についての物件情報の、複数の掲出者による掲出状況を取得するステップと、
前記取得された掲出状況に基づいて前記掲出者の数を取得するステップと、
前記掲出者の数の時間的な変化に基づいて、前記物件情報の前記掲出者へ提示される提示情報であって当該物件情報の掲出の継続を確認する旨の提示情報を生成するステップと、
前記生成された提示情報の、前記物件情報の前記掲出者に対する提示を制御するステップと、
を含むことを特徴とする物件情報処理方法。
【請求項7】
前記提示情報を生成する前記ステップにおいては、少なくとも前記掲出者の数の最大値に対応した閾値と、現在の前記掲出者の数と、に基づいた前記提示情報を生成すること特徴とする請求項6に記載の物件情報処理方法。
【請求項8】
前記掲出者の数の減少傾向の検出するステップを更に含み、
前記提示情報を生成する前記ステップにおいては、当該減少傾向が予め設定された減少傾向となった場合に、前記提示情報の前記生成を行うことを特徴とする請求項6に記載の物件情報処理方法。
【請求項9】
前記提示情報を生成する前記ステップにおいては、掲出する前記物件情報の更新又は当該物件情報の掲出の停止が予め設定された基準を満たすように行われた前記掲出者の数にみ付けをした場合の前記変化に基づいて前記提示情報を生成することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の物件情報処理方法。
【請求項10】
前記変化における前記掲出者の数が減少傾向になった後に増加傾向となったとき、前記提示情報の前記提示制御を停止するステップを更に含むことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の物件情報処理方法。
【請求項11】
物件情報処理装置に含まれるコンピュータに、
不動産物件についての物件情報の、複数の掲出者による掲出状況を取得するステップと、
前記取得された掲出状況に基づいて前記掲出者の数を取得するステップと、
前記掲出者の数の時間的な変化に基づいて、前記物件情報の前記掲出者へ提示される提示情報であって当該物件情報の掲出の継続を確認する旨の提示情報を生成するステップと、
前記生成された提示情報の、前記物件情報の前記掲出者に対する提示を制御するステップと、
を実行させることを特徴とする物件情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物件についての広告の掲出者たる不動産業者に対する情報提示の処理を行う情報処理装置等の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
一般に、不動産等の物件の仲介等をその業務とする不動産業者が、自身が扱う物件の広告のいわゆる物件情報サイトへの掲出を希望する場合、その不動産業者は、その広告対象たる物件の内容を示す物件情報を、当該物件情報サイトに登録することで、当該広告の掲出を行う。この物件情報には、物件の種別、物件名、所在地、交通、築年数、階数、専有面積、外観画像、間取り情報及び取引内容(賃貸物件である場合の賃料や更新料等)等を示す情報が含まれている。物件情報サイトの管理者は、不動産業者から取得した物件情報を、自らが管理する物件情報サイトに掲載する。これにより、物件を探している一般のユーザは、当該物件情報サイトを介して物件情報が閲覧可能となる。この場合のユーザとは、例えば物件の賃貸を希望している一般のユーザである。なお、物件情報サイトに広告として一旦掲出された物件情報の当該掲出の停止(即ち、当該物件情報サイトのホームページ上からの削除)は、その広告を掲出した不動産業者により行うことが可能である。
【0003】
ここで、当該物件情報は、対応する物件の契約等に直接用いられることから、その正確性が求められ、例えば上記取引内容等が変更となった場合は、正確にそれが更新される必要がある。このとき、物件情報の当該正確性を高めるために用いられる従来の技術を開示している文献として、下記特許文献1が挙げられる。特許文献1に記載されている従来技術では、ある物件の物件情報について、既定の複数の項目の内容を不動産業者の物件情報から特定し、特定できない項目の内容を既存の物件情報データベースを用いて補完する構成とされている。
【0004】
一方、例えば、対応する物件が賃貸物件であってその賃貸契約が成立した場合(即ち成約した場合)には、当該成約の当事者以外は最早その賃貸契約を結ぶことができない状態となる。よってこの場合には、その賃貸物件についての上記物件情報を含む広告の物件情報サイトにおける掲出は、その掲出者たる不動産業者により速やかに停止される必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-27503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般に、一の不動産業者が広告の掲出の対象とする物件は、数百件又は数千件に上ることがある。よって、上記のような広告の掲出の停止等を不動産業者に任せている状態では、広告の掲出が適時に停止されるべき物件の当該掲出が継続されてしまっている場合もあり得る。この場合には、例えば実際には契約できない賃貸物件について契約しようとするユーザが現れることになり、これについては当該ユーザと不動産業者との間でのトラブルに発展する事態もあり得る。
【0007】
本発明は、広告の掲出の継続を確認すべき旨を、それを掲出した不動産業者に認識させることを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明では、先ず、不動産物件についての物件情報の、複数の掲出者による掲出状況が、物件情報処理サーバにより取得される。次に、取得された掲出状況に基づいた上記掲出者の数が、物件情報処理サーバにより取得される。次に、上記掲出者の数の時間的な変化に基づいた、物件情報の掲出者へ提示される提示情報であって当該物件情報の掲出の継続を確認する旨の提示情報が、物件情報処理サーバにより生成される。そして、生成された提示情報が、物件情報の掲出者に対して物件情報処理サーバにより提示される。これにより、物件情報の掲出者の数の時間的な変化に基づいて、掲出の継続を確認すべき物件情報を掲出者に認識させることができる。
【0009】
また、本発明において、少なくとも掲出者の数の最大値に対応した閾値と、現在の掲出者の数と、に基づいた提示情報の生成を行うように構成するとよい。これにより、既定の閾値との比較で必要な提示情報の生成及び提示を行うことができる。
【0010】
また、本発明において、掲出者の数の減少傾向の検出を更に行い、当該減少傾向が予め設定された減少傾向となった場合に提示情報の生成を行うように構成するとよい。これにより、掲出者の数の減少傾向に応じて適切に必要な提示情報の生成及び提示を行うことができる。
【0011】
また、本発明において、掲出する物件情報の更新又は当該物件情報の掲出の停止が予め設定された基準を満たすように行われた掲出者の数に重み付けをした場合の掲出者の数の変化に基づいた提示情報の生成を行うように構成するとよい。これにより、より蓋然性の高い状態で必要な提示情報の生成及び提示を行うことができる。
【0012】
また、本発明において、掲出者の数が減少傾向になった後に増加傾向となったとき、提示情報の提示を停止するように構成するとよい。これにより、不要となった提示情報が提示されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】物件管理データベース及び掲載数データベースに接続された物件情報処理サーバと、複数のユーザ端末と、複数の不動産業者端末と、それらを接続するネットワークと、からなる、本実施形態の物件情報処理システムの概要構成の一例を示す図である。
図2】(a)は本実施形態の物件管理データベースに登録されている情報の一例を示す図である。(b)は本実施形態の掲載数データベースに登録に登録されている情報の一例を示す図である。
図3】(a)は本実施形態の一物件における物件情報の掲載日数と掲載数の関係の第一例を示す図である。(b)は当該掲載日数と掲載数の関係の第二例を示す図である。
図4】本実施形態の物件情報掲載ページの一例を示す図である。
図5】本実施形態の成約確認メッセージ送信処理を示すフローチャートの一例を示す図である。
図6】本実施形態の成約確認メッセージを含む成約確認ページの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図1乃至図6を参照して、本発明の一実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、不動産物件の物件情報を含む広告の掲出状態の管理の処理を行う物件情報処理システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。この場合の不動産物件の広告は、ユーザ端末を使用するユーザが閲覧可能に、当該ユーザ端末において表示される物件情報掲載ページに掲出される不動産物件の広告である。なお以下の説明では、不動産物件を単に「物件」と称する。
【0015】
各ユーザ端末UT1乃至ユーザ端末UTn(nは自然数)を使用する各ユーザに対して、各不動産業者が取り扱う物件の物件情報をそれぞれ提示するため、図1及び図2(a)に例示される物件管理データベースDB1には、それぞれが物件IDにより識別される物件と、各物件を取り扱う不動産業者であって、それぞれが不動産業者IDにより識別される不動産業者と、が、関連付けて格納されている。これに加えて、物件管理データベースDB1には、物件ごとにその内容を示す物件情報、並びにその物件の空き状況及び広告としての掲載(掲出)状態が、広告としての更新日時に対応付けられて、不動産業者ごとに格納されている。なお、図2(a)に例示するように、通常、一つの物件は、複数の不動産業者により取り扱われる。以下の説明において、ユーザ端末UT1乃至ユーザ端末UTnに共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「ユーザ端末UT」と称する。
【0016】
ここで、本実施形態の物件情報掲載ページとしては、各ユーザからの表示要求に応じて、例えば図3に例示する物件情報掲載ページPが、当該表示要求が送信されたユーザ端末UTの図示しないディスプレイ上に表示される。この物件情報掲載ページPには、上記物件管理データベースDB1を参照することで、物件ごとの物件情報R1、物件情報R2、…、が、当該物件を取り扱う不動産業者の名称と共に含まれている。以下の説明において、物件情報R1、物件情報R2、…、に共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「物件情報R」と称する。物件情報Rには、図3に例示するように、物件の名称、外観又は内部を撮像した画像、賃料、所在地、間取り、交通等の各情報が含まれて表示される。これらに加えて、各物件情報Rには、当該物件情報Rにより名称等が示されている物件についてユーザが問合せをする場合に当該ユーザにより操作される電話ボタン、メッセージボタン、メールボタン並びに複数のチェックボックス及び送信ボタンを含む問合せ欄IQが含まれて表示される。
【0017】
また、ある物件について成約された場合、その物件についての広告の掲出は、上述したとおり、一般には、その物件を取り扱っている不動産会社により適時に停止される。このとき、その物件を取り扱っている不動産会社は、例えば予め設定された期間(例えば、一週間)ごとにその物件の管理会社に電話等による問合せをすること等により、その物件についての成約の有無を確認する。
【0018】
一方、各不動産業者端末HT1乃至不動産業者HTm(mは自然数)を使用する各不動産業者に対して、本実施形態の物件情報Rを含む広告の、上記物件情報掲載ページPへの掲出の確認(即ち、当該掲出を継続するか停止するかの確認)を行うため、図2(b)に例示される掲載数データベースDB2には、一の物件についての物件情報を含む当該広告の物件情報掲載ページPへの掲載数(換言すれば、その物件を取り扱っている不動産業者の数)が、日付ごとに、各物件の物件ID及びその広告を掲出している不動産業者に関連付けて格納されている。この掲載数データベースDB2については、日ごとに、その物件についての広告の掲載数等が、例えば物件管理データベースDB1を参照する物件情報処理サーバSVの図示しないシステム制御部により更新される。以下の説明において、不動産業者端末HT1乃至不動産業者端末HTnに共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「不動産業者端末HT」と称する。
【0019】
ここで、一の物件についての広告の掲載日数(換言すれば掲載日)とその掲載数との関係は、一般的には、当該物件ごとに、図4(a)に例示するような関係となる。図4(a)の例では、その物件の募集(換言すれば、広告の掲載)が開始された以降、日を追うごとに広告の掲載数(掲出数)が増えていき(即ち増加傾向となり)、その物件について成約した日を境に、今度は掲載数が減少していく(即ち減少傾向となる)。そして、最終的に、その物件についての広告は、物件情報掲載ページPには掲載されなくなることになる。このとき、成約以降に広告の掲載数が減少するのは、当該成約の旨をその物件の管理会社等に確認した不動産業者(その物件を取り扱う不動産業者)が、当該成約に起因して、徐々にその物件についての広告の掲出を停止することによる。
【0020】
他方、一の物件について、一旦は成約したものの、何らの理由でその成約がキャンセルされることで、その物件について新たな契約者(入居者)募集が可能となる場合がある。この場合の、当該物件についての広告の掲載数は、図4(b)に例示するように、最初に当該成約に伴って一旦減少傾向となるものの、上記成約キャンセルの後は、再度増加傾向に転じることになる。
【0021】
以上説明したような広告の掲出において、一つの不動産業者が取り扱う物件の数が増えてくると、上述したような、成約によりその掲載が停止されるべき広告が、そのまま残置されてしまう状況が発生することになる。本発明では、上記のような広告の残置が発生している場合に、その残置している広告の掲出者たる不動産業者の不動産業者端末HTに対して、本実施形態の成約確認メッセージを送信して表示させる。本実施形態の成約確認メッセージは、掲出が継続されている広告の対象となっている物件が成約されているか否かを、例えばその物件の管理者に確認することを促すメッセージである。
【0022】
図5のフローチャートを参照して、本発明の動作を説明する。物件情報処理サーバSVのシステム制御部は、成約確認メッセージの予め設定された送信タイミングの到来を監視している(ステップS1。ステップS1:NO)。上記送信タイミングとは、例えば不動産業者の日々の営業が始まる前のタイミング(例えば、毎日午前の予め設定された時刻等)である。ステップS1の監視において、成約確認メッセージの送信タイミングが到来した場合(ステップS1:YES)、システム制御部は、物件情報処理サーバSVの図示しないメモリに記録されている物件IDを初期化する(ステップS2)。次に、システム制御部は、その時点での物件IDにより識別される物件についての広告の掲載数を、物件管理データベースDB1及び掲載数データベースDB2を参照して確認する(ステップS3)。次に、システム制御部は、その物件についての広告に関し、予め設定された成約確認メッセージの送信基準を確認し(ステップS4)、その時点での、その物件についての広告に関する上記送信基準に合致しているか否かを判定する(ステップS5)。
【0023】
即ち、システム制御部は、その物件についての広告の掲載数(換言すれば、掲出している不動産業者の数)の変化を、例えば過去90日前まで遡って確認し、その変化(例えば図4(a)参照)において、当該遡った期間における掲載数の最大値となる日付を経過した後、当該最大値に対応して予め設定されている閾値TH以下となる減少傾向を有しているか否かを判定する(ステップS4、ステップS5)。この場合には、広告の掲載数が上記最大値となった直後のタイミングで、当該広告の対象となっている物件が成約されたことが推測される。そして、上記閾値THとしては、例えば、上記最大数の半分(50パーセント)の掲載数が好適である。
【0024】
ここで、当該閾値THの具体的な値(換言すれば、予測される成約のタイミングから本実施形態の成約確認メッセージを送信するまでの期間)としては、例えば、成約からその広告の掲出が停止されるまでの一般的な期間や、その物件の種別(マンションか、戸建てなのか等の種別)に応じて予め設定された値とされる。なお、閾値THとしては、掲載数ではなく、その最大値との関係における掲載率により設定されていてもよい。また、上記遡る期間(一例は90日)については、例えば、不動産物件としての特性(一度物件への居住を開始すると、短期間で退去することが考え難いこと等)や、成約後、不動産業者による広告の掲出の停止までの一般的な期間等を考慮して予め設定されている。
【0025】
そして、ステップS5の判定において、その物件についての成約確認メッセージの送信基準に合致していないと判定された場合(ステップS5:NO)、システム制御部は、後述するステップS7に移行する。一方、ステップS5の判定において、その物件についての成約確認メッセージの送信基準に合致していると判定された場合(ステップS5:YES)、システム制御部は、成約確認メッセージを含む成約確認ページを表示するためのページデータ等を、当該物件についての広告の掲載を継続している不動産業者の不動産業者端末HT宛に送信する(ステップS6)。このとき、当該物件についての広告の掲載を継続している不動産業者が複数ある場合、システム制御部は、それぞれの不動産業者端末HT宛に上記ページデータを送信する。
【0026】
上記ステップS6で送信される成約確認ページは、例えば、図6に例示される成約確認ページCPである。成約確認ページCPには、その物件についての本実施形態の成約確認メッセージMGや、その物件の例えば管理会社に対する成約の確認結果を不動産業者が入力する際に用いられる成約確認欄CK等が含まれて、その不動産業者の不動産業者端末HTの図示しないディスプレイに表示される。このとき、成約確認メッセージMG内には、その物件についての広告の掲載を停止した他の不動産業者の数(図6に例示する場合は12社)の表示が含まれている。この成約確認メッセージMGの表示により、その不動産業者端末HTを使用する不動産業者は、その物件についての成約確認の必要性を認識する。また、成約確認欄CKを用いることで、成約確認をした不動産業者は、簡単な操作で(即ち一クリック操作で)確認結果を入力することができる。なお、成約確認の結果、未だ契約可能な状態である(即ち、物件として空いている)ことが判明した場合、その旨が成約確認欄CKを用いて入力されると、システム制御部は、成約確認メッセージMG及び成約確認欄CKの表示が例えばグレーアウト表示に変更する。これにより、それ以上の成約確認が不要である旨を、成約確認ページCPが表示されている不動産業者端末HTを使用する不動産業者に認識させる。
【0027】
ステップS6で成約確認ページCPを表示させるためのページデータが送信されたら、次に、システム制御部は、その時点で物件管理データベースDB1に物件情報が格納されている物件の全てについて、上記ステップS2乃至ステップS6が実行されたか否かを確認する(ステップS7)。ステップS7の確認において、全ての物件について実行されている場合(ステップS7:YES)、システム制御部は、今回の(ステップS1:YES参照)本実施形態の成約確認メッセージ送信処理を終了する。一方、ステップS7の確認において、今回の本実施形態の成約確認メッセージ送信処理の対象となっていない物件が残っている場合(ステップS7:NO)、システム制御部は、物件IDを一物件分だけインクリメントし(ステップS8)、上記ステップS3に戻って、次の物件IDにより識別される物件を対象として、本実施形態の成約確認メッセージ送信処理を実行する。
【0028】
以上の本実施形態の成約確認メッセージ送信処理によれば、掲出の継続を確認すべき広告を、それを掲出した不動産業者に認識させることができる(図5ステップS6、図6参照)。また、既定の閾値との比較で必要な提示情報の生成及びその提示制御を行うことができる(図4参照)。
【0029】
なお、上記ステップS4の成約確認メッセージの送信基準の判定において、物件情報の更新等を適切に行う不動産業者の数に重み付けをして計数することにより、当該送信基準を満たしているか否かを判定してもよい。より具体的に、システム制御部は、例えば、重み付けの対象となる不動産業者の数を二倍又は三倍しつつ計数することにより、上記送信基準を満たしているか否かを判定してもよい。このような重み付けの対象となる不動産業者としては、例えば、過去における物件情報の更新や、停止されるべき広告の掲出の停止を規定通り行った不動産業者、又はその不動産業者が広告の掲出を停止したことに続いて他の不動産業者が同じ物件の広告の掲出を停止するような当該不動産業者が挙げられる。この場合には、より蓋然性の高い状態で必要な成約確認メッセージMGを含む成約確認ページCPを送信することができる。なお、重み付けの対象となった不動産業者については、例えばその広告の掲載料を割り引く等の特典を設けることにより、物件情報の更新及び広告の掲出の停止の判断を促進させることができる。
【0030】
また、一の物件についての広告の掲載日数と掲載数が減少傾向になった後に増加傾向となった場合(図4(b)参照)に、システム制御部は、上記ステップS4の成約確認メッセージの送信基準の判定において、当該送信基準に合致しなくなったと判定し、成約確認ページCPを表示するためのページデータ等の送信を止めてもよい。この場合には、成約確認ページCPが表示されることがなくなることで、もはや不要となった成約確認メッセージMGが表示されることを防止することができる。
【0031】
また、上記ステップS4の成約確認メッセージの送信基準の判定において、閾値THとの比較ではなく、掲載数の変化の傾向(即ち、増加傾向なのか減少傾向なのか、の傾向)を、例えばAI(Artificial Intelligence)や従来の傾向判定方法等を用いて判定し、掲載数の変化が予め設定された減少傾向となったことが日ごとに遡った確認により判明した場合に成約確認メッセージMGを含む成約確認ページCPを表示させてもよい。より具体的に、システム制御部は、例えば、一の物件についての広告の掲載数を日ごとに遡り、当該掲載数が減少傾向であることが判明した時点で成約確認メッセージMGを含む成約確認ページCPを表示させてもよい。この場合でも、掲載数の減少傾向に応じて適切に必要な成約確認ページCPを表示させることができる。
【0032】
なお、以上の実施形態では、不動産業者端末HT上に成約確認メッセージMGを表示させる態様で、広告の掲載の継続を不動産業者に確認させる構成としたが、これ以外に、例えば毎日定時の電子メールの送信により、広告の掲載を継続している不動産業者の不動産業者端末HTに対して成約確認メッセージを送信するように構成してもよい。この場合、当該電子メールの件名欄又は本文内に成約確認メッセージを含ませるのが好適である。
【0033】
また、以上の実施形態では、物件を取引の対象とする物件情報の処理に対して本発明を適用したが、これ以外に、例えば船舶や中古車等の車両等、その販売に当たってその情報の公開を伴うものの当該販売用の情報の処理に対して、本発明を適用することもできる。
【0034】
更に、以上の実施形態において、図5に示すフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いは、インターネット等のネットワークから取得して記録しておき、これらを汎用のマイクロコンピュータで読み出して実行することにより、その処理中にネットワークにアクセスすることなく、当該マイクロコンピュータを本実施形態のシステム制御部として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0035】
S 物件情報処理システム
P 物件情報掲載ページ
SV 物件情報処理サーバ
R1、R2 物件情報
IQ 問合せ欄
CP 成約確認ページ
MG 成約確認メッセージ
CK 成約確認欄
UT1、UT2、UTn ユーザ端末
HT1、HT2、HTm 不動産業者端末
DB1 物件管理データベース
DB2 掲載数データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6