(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057323
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】ドキュメント作成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 40/166 20200101AFI20220404BHJP
G06F 40/131 20200101ALI20220404BHJP
【FI】
G06F40/166
G06F40/131
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165508
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】512207191
【氏名又は名称】ナレッジオンデマンド株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】橋本 悦雄
(72)【発明者】
【氏名】荒井 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】市村 佳代子
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109QB11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】共用化される共通部分を有した複数の異なるドキュメント間で共通部分を修正、変更したときに、該当する同一箇所のみを一度に修正可能なドキュメント編集装置を提供する。
【解決手段】多岐にわたる複数仕様のドキュメントの共通部分を単位ドキュメントに分割管理して共用化し、類似の単位ドキュメントをグループ分けして管理、記憶し、編成ドキュメントに結合する単位ドキュメントの一覧である編成ドキュメント構成に基づいて、単位ドキュメントを1つの編成ドキュメントとしての集合体に結合又は1つの編成ドキュメントの電子ファイルに結合するドキュメント作成装置10であって、単位ドキュメントに埋め込まれたコンテントが単位ドキュメントの集合であるグループを参照する場合に、参照先であるグループに属し、かつ、編成ドキュメント構成に含まれるドキュメントを参照するように書き換える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位ドキュメントを結合して一つの編成ドキュメントを作成するドキュメント作成装置において、
定義された領域にコンテントが埋め込まれた単位ドキュメントをグループ分けして記憶する単位ドキュメント記憶部と、
前記単位ドキュメントから一つの編成ドキュメントを作成するために必要な単位ドキュメントの一覧である編成ドキュメント構成を記憶する構成記憶部と、
前記編成ドキュメント構成に基づいて、前記単位ドキュメント記憶部に記憶されている単位ドキュメントを取得し、該単位ドキュメントを結合することによって、1つの編成ドキュメントに結合するドキュメント結合処理部と、
前記結合された1つの編成ドキュメント内の単位ドキュメントを分析し、該1つの刊行編成ドキュメント内の単位ドキュメントに埋め込まれたコンテントが単位ドキュメントのグループを参照するグループ参照指示を含む場合に、該グループ参照指示を、参照先であるグループに属し、かつ、選択された刊行編成ドキュメント構成に含まれる単位ドキュメントを参照する単位ドキュメント参照指示に置換する参照先置換部と、
を具備することを特徴としたドキュメント作成装置。
【請求項2】
前記構成記憶部は複数の編成ドキュメント構成を記憶しており、
前記構成記憶部に記憶されている複数の編成ドキュメント構成から1つの編成ドキュメント構成を選択する構成選択部を更に具備し、
前記結合処理部は選択された編成ドキュメント構成に基づき単位ドキュメントを1つの編成ドキュメントとしての集合体、または1つの編成ドキュメントとしてファイル結合する請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項3】
前記構成記憶部に新たな編成ドキュメント構成が入力されたときに、前記結合処理部は、該入力された編成ドキュメント構成に基づき単位ドキュメントを新しい1つの編成ドキュメントに結合する請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項4】
前記編成ドキュメント構成は、前記編成ドキュメントを作成するために必要な単位ドキュメントが属するグループを含んでいる請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項5】
前記編成ドキュメント構成は、作成する単位ドキュメントのバージョン番号を含む請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項6】
前記編成ドキュメントは複数の単位ドキュメントを集合させた電子マニュアル、または電子マニュアルから生成される電子ファイルであり、請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項7】
前記構成記憶部に新たな編成ドキュメント構成が入力されたときに、前記新規単位ドキュメント生成部は、単位ドキュメントが不足している場合は該新規単位ドキュメントを生成する新規単位ドキュメント生成部を備える請求項3に記載のドキュメント作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、類似するコンテントを有する多数種類のドキュメントを作成するドキュメント作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用者毎に電子文書の閲覧、編集、作成承認に関する権限を示す利用者権限情報を管理し、1つの電子ファイルに対して複数の利用者が同時に編集を実行できないように制御する電子マニュアル出力システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工作機械のような機械製品を含む工業製品では、改良やユーザの特注によって同種の機械について複数のモデルが製造される。そうした場合、製品マニュアルは、異なる機械毎に異なる内容を有しているが、同種のモデル間では、かなり多くの部分が共通の内容で書かれている。然しながら、特許文献1の発明を含め従来技術では、製品ごとにマニュアルデータを生成、管理しているので、共通する内容の部分を修正する場合、製品数分の該当箇所を修正する必要がある。或いは従来の部品化されたドキュメントシステムの技術では、部品化された部品を修正したときに、その部品が共用されていた場合に、修正影響範囲の把握が難しく、実用的ではない。修正済み、未修正の管理も必要となる。
【0005】
また製品マニュアルには他文書や他項目、図への参照、リンク情報が盛り込まれていることが多い。従来のドキュメントシステムでは、参照先が異なる複数の類似文書があった場合、類似文書の数だけの参照先を含んだ参照元文書を作成しなくてはならない。
【0006】
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを目的としており、複数の類似文書の電子文書内の1つの共通部分を修正したときに、この内容部分を含む複数の電子文書に亘って修正が反映され、共通部分にリンク情報が含まれ、リンク先が異なっていても、共通部分を共用して、類似ドキュメントを効率よく管理できるようにしたドキュメント作成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、複数の単位ドキュメントを結合して一つの編成ドキュメントを作成するドキュメント作成装置において、定義された領域にコンテントが埋め込まれた単位ドキュメントをグループ分けして記憶する単位ドキュメント記憶部と、前記単位ドキュメントを結合して作成された編成ドキュメントを記憶する編成ドキュメント記憶部と、前記単位ドキュメントから編成ドキュメントを作成するために必要な単位ドキュメントの一覧である編成ドキュメント構成を記憶する構成記憶部と、前記編成ドキュメント構成に基づいて、前記単位ドキュメント記憶部に記憶されている単位ドキュメントを取得し、該単位ドキュメントを結合することによって、1つの編成ドキュメントに結合するドキュメント結合処理部と、前記編成ドキュメント構成を分析し、該1つの編成ドキュメント中の単位ドキュメントに埋め込まれたコンテントが単位ドキュメントのグループを参照するグループ参照指示を含む場合に、該グループ参照指示を、参照先であるグループに属し、かつ、選択された編成ドキュメント構成に含まれる単位ドキュメントを参照する単位ドキュメント参照指示に置換する参照先置換部とを具備するドキュメント作成装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、結合された1つの編成ドキュメント構成を分析して、この編成ドキュメント中の単位ドキュメントに埋め込まれたコンテントに含まれるグループ参照指示を、参照先である単位ドキュメントのグループに属し、かつ、選択された編成ドキュメント構成に含まれる単位ドキュメントを参照する単位ドキュメント参照指示に置換するようにしたので、単位ドキュメント中に埋め込まれたコンテントが、複数の編成ドキュメントにおいて、それぞれ異なる単位ドキュメントへの参照であっても、複数の単位ドキュメントを用意することなく、あるいは参照先のリンクを複数の編成ドキュメント内の単位ドキュメントへの参照に修正することなく、複数の編成ドキュメントで同じ単位ドキュメントを用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の好ましい実施形態によるドキュメント作成装置を示すブロック図である。
【
図2】本発明を適用する単位ドキュメント(電子文書)を説明するための略図である。
【
図3】
図1のドキュメント作成装置の単位ドキュメント記憶部と編成ドキュメント記憶部を含むドキュメント記憶部を説明するための略図である。
【
図4】類似の単位ドキュメントをグループ分類し、グループ内に分別された単位ドキュメントを説明するための略図である。
【
図6】編成ドキュメント構成をスプレッドシートで提供する一例を示す図である。
【
図7】編成ドキュメント構成により編成された後の単位ドキュメントの構成を示す図である。
【
図8】編成ドキュメントの生成方法を説明するための略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
本発明は、コンピュータシステム上で文書(電子文書)を作成するドキュメント作成装置に関する。本発明を適用するドキュメントまたは電子文書は、典型的には電子マニュアルを含むが、それ以外の電子文書であってもよい。電子マニュアルは、取扱い製品の操作や仕様等に関する説明について記載された電子またはその他の媒体による刊行物であり、取扱い説明書、操作説明書、仕様書、設計書等を含むことができる。
【0011】
図2を参照すると、単位ドキュメント100は、1または複数の(
図2の例では4つの)領域102、104、106、108を定義するブランク90の各領域に要素(エレメント)としてコンテント112、114、116、118を埋め込み、結合して構成されている。ブランク90は領域102、104、106、108に加えて、領域の外に要素を含んでもよい。領域の中に配置されるまたは領域の外に配置される要素(エレメント)は、通常、テキストや表或いはアイコンのような画像、動画などのコンテントであり、要素(エレメント)はリンク情報を含んでもよい。或いは組織や属性情報などの単位ドキュメントを生成するときの制御情報でも良い。
【0012】
単位ドキュメント100は、領域を待たず、最小単位のコンテントのみでもよいし、長大なコンテントでもよい。
また、ブランク、各領域、要素(エレメント)は独立して存在し、ブランクと各領域、各領域と要素(エレメント)、領域または要素(エレメント)の並び順が管理テーブルで関連付けられていれば、その記憶形態は問わない。
【0013】
図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるドキュメント作成装置10は、CPU(中央演算素子)、RAM(ランダムアクセスメモリ)やROM(リードオンリーメモリ)のようなメモリ装置、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)のような記憶デバイス、出入力ポート、および、これらを相互接続する双方向バスを含むコンピュータおよび関連するソフトウェアから構成することができ、構成選択部14、結合処理部16、参照先置換部18および記憶部28を主要な構成要素として具備している。
【0014】
ドキュメント作成装置10には、無線または有線通信手段、例えばLANやインターネットのようなネットワーク手段を介して、1または複数の、
図1の例では3つのユーザ端末30、32、34を接続することができる。ユーザ端末は、パーソナルコンピュータやタブレットとすることができる。
【0015】
記憶部28は、ドキュメント記憶部22、構成記憶部24および管理テーブル記憶部26を含む。ドキュメント記憶部22、構成記憶部24および管理テーブル記憶部26は、記憶部28を構成する記憶デバイスの記憶領域により構成される。
【0016】
図3を参照すると、ドキュメント記憶部22は単位ドキュメント記憶部20と編成ドキュメント記憶部21を含み、単位ドキュメント記憶部20には複数のグループ(グループI、グループII、…)を含む。グループは、コンテントが埋め込まれた単位ドキュメントに関連した電子ファイルを格納し分類、整理する保管場所であり、1または複数の電子ファイルへの参照を含む複数の単位ドキュメントが格納されたコンピュータファイルシステム構造により構成される。グループは、典型的には、コンピュータ装置におけるディレクトリまたはフォルダにより定義することができる。グループは、サブディレクトリまたはサブフォルダにより定義されるサブグループを含んだ階層構造としてもよい。或いは、データベースによりキーワードで複数の単位ドキュメントとの関連付けでグループを構成してもよい。
【0017】
グループは、類似作業や類似説明が記載されたコンテントを含む類似の単位ドキュメントで構成させることができる。あるいは、それらのグループを編成ドキュメントの構成に合わせたサブディレクトリによる階層構造にもできる。例えば、作成するドキュメントの目次の章や節に対応させて構成することできる。例えば、ドキュメントが工作機械の電子マニュアルの場合には、工作機械の操作説明や、各ユニットの保守、点検に関連した章や節に基づいてグループを構成することができる。グループは、例えば主軸、送り軸、工具マガジン、クーラント供給装置、操作盤といった工作機械を構成する各ユニット毎にグループを構成してもよい。
【0018】
例えば、
図4には「油量の点検:潤滑油」というグループを形成するフォルダ40、「油の補給:潤滑油」というグループを形成するフォルダ45のそれぞれに格納されている単位ドキュメントとしての電子ファイルが示されている。「油量の点検:潤滑油」グループは、油量を点検する方法を記載した類似の単位ドキュメントで構成されている。「油の補給:潤滑油」グループは、油を補給する方法を記載した類似の単位ドキュメントで構成されている。「油量の点検:潤滑油」というグループの各単位ドキュメントには、油量が正常でなかった場合に取るべき作業を記載したグループ45「油の補給:潤滑油」への参照、リンク先が設定されている。グループ45「油の補給:潤滑油」というグループの各単位ドキュメントには、補給の後に必要な点検方法を記載したグループ40「油量の点検:潤滑油」への参照、リンク先が設定されている。装置の種類や取り付け場所によって、点検方法は同じだが補給方法が異なる場合や、逆に補給方法は同じだが点検方法が異なる場合など、仕様が類似している場合には、点検方法と補給方法の組み合わせは数が多い。しかし、点検と補給の作業を分割して整理すると、共通の作業方法でまとめることができる場合が多い。各単位ドキュメントである電子ファイルには、それぞれ個別のファイル名が付されている。ファイル名は、例えば、(1)グループを表す文字列、(2)該グループを表す文字列に付した枝番、(3)コンテントの簡単な説明を組み合わせて作ることができる。枝番は、単位ドキュメントに埋め込まれたコンテンツの共通性を管理するための管理番号や、類似内容の差異を識別するための管理番号とすることができる。或いはバージョンに対応させて付することができる。ファイル名にバージョン情報を加えることにより、過去バージョンの単位ドキュメントを管理することができる。
【0019】
例えば、
図4の「AB123-45-001-a-001-03-02+油量の点検:潤滑油_■」というファイル名では、「AB123-45-001-a-001」がグループを表す文字列であり、「03-02」が枝番であり、「油量の点検:潤滑油_■_Supplier4」がコンテントの簡単な説明で、部分的にタイトルに使用してもよい。
【0020】
構成記憶部24は、編成ドキュメントに含まれる複数の単位ドキュメントを平面的並び、あるいはツリー構造の並びを含めた編成ドキュメント構成を記憶する。刊行編成ドキュメント構成は、例えば、
図6に示すようなスプレッドシートにより提供することができる。構成記憶部24は、複数の編成ドキュメント構成のベータベース情報、または複数のスプレッドシート電子ファイルを格納している。編成ドキュメント構成は、例えばスプレッドシート電子ファイルを、ユーザ端末30、32、34の入出力ポート、例えば、USBポートから構成記憶部24へ入力することができる。或いは構成記憶部24にユーザ端末30、32、34からアクセスし、編成ドキュメント構成のデータベースを作成または変更できる。
【0021】
構成記憶部24に入力された編成ドキュメント構成に基づき、単位ドキュメントをフォルダでの階層構造で管理する場合はドキュメント記憶部22で編成ドキュメント構成に含まれる単位ドキュメントを検索し、フォルダ内に該単位ドキュメントが存在しない場合は新規単位ドキュメント生成部11で単位ドキュメントを生成することができる。或いは、データベースで関連図付けする場合は
図1の管理テーブル記憶部26で検索し、単位ドキュメントが存在しない場合は新規単位ドキュメント生成部11で単位ドキュメントを生成することもできる。
【0022】
図6の編成ドキュメント構成50は、目次の章に相当する項目「1.オイルエア供給装置」、項目「2.自動グリス供給装置」および項目「3.油圧」を含む。項目「1.オイルエア供給装置」は、目次の節に相当する項目「1.1油量の点検:潤滑油」、項目「1.2油の補給:潤滑油」および項目「1.3フィルタエレメントの清掃:ラインフィルタ」を含む。項目「2.自動グリス供給装置」は、目次の節に相当する項目「2.1エア抜き:自動グリス供給装置」および項目「2.2カートリッジグリスの交換」を含む。項目「3.油圧」は、目次の節に相当する項目「3.1油量の点検作動油」、項目「3.2油の補給:作動油」および項目「3.3油の交換:作動油」を含む。
【0023】
編成ドキュメント構成50は、更に、各項目に対応する単位ドキュメントの電子ファイル名を含む。例えば、項目「1.1油量の点検:潤滑油」に対応する電子ファイルのファイル名は、グループを表す文字列「AB123-45-001-a-001」+枝番を表す文字列「03-02」+コンテントの簡単な説明である文字列「油量の点検:潤滑油_■_Supplier 4」を含む。
【0024】
オペレータが、ユーザ端末30、32、34を操作して構成選択部14にアクセスし、構成記憶部24に記憶されている複数の編成ドキュメント構成から1つの編成ドキュメント構成を選択する。構成選択部14は、ユーザ端末30、32、34からの指令に基づき、構成記憶部24に格納されている複数の編成ドキュメント構成から対応する1つの編成ドキュメント構成を抽出する。紙媒体に代表されるような1冊の刊行物の場合は、結合処理部16は、選択された編成ドキュメント構成に基づいて、単位ドキュメントまたは電子ファイルを単位ドキュメント記憶部22から抽出し、
図7に示すように、1つの編成ドキュメント500に結合する。
インターネット上に各単位ドキュメントを電子ファイルのまま管理する場合には、ファイルを一つのファイルに結合する必要はなく、単位ドキュメントのまま階層構造の情報で結合され、抽出された単位ドキュメントの関連性を持たせたHTMLファイルなどで編成ドキュメントを表現してもよい。
結合された編成ドキュメントは、ドキュメント記憶部内の編成ドキュメント記憶部21に記憶される。
【0025】
構成記憶部24に編成ドキュメント構成を入力したときに、オペレータがドキュメント構成選択処理を実行しなくとも、該入力された編成ドキュメント構成に基づいて、結合処理部16が上述のドキュメント結合処理を実行するようにしてもよい。
【0026】
図4のグループ45の「油の補給:潤滑油」での単位ドキュメント「AB123-45-001-e-001-01-01+油の補給:潤滑油_■仕様A」を例とした
図5を参照すると、単位ドキュメント120は、領域122、124、126、128、130を含んでいる。
領域122には、コンテントとして
<主作業>
・本作業は必ず電源を切ってから行ってください。
・本作業は保護手袋と安全めがねを装着して行ってください。
というテキストが埋め込まれている。
【0027】
領域124には、コンテントとして
【表1】
という表が埋め込まれている。
上記表において、「(油量の点検:潤滑油)」というテキスト部分には、
図4のグループ40、例えば、「油量の点検:潤滑油」という名称のフォルダを参照すべきとの参照指示またはリンク(グループ参照指示)が含まれている。
【0028】
領域126には、コンテントとして
【表2】
という表が埋め込まれている。
【0029】
領域128には、コンテントとして
・上記以外の推奨潤滑油については推奨冷却油/作動油/潤滑油を参照してください。
というテキストが埋め込まれており、「推奨冷却油/作動油/潤滑油」というテキスト部分には、推奨冷却油/作動油/潤滑油グループ、例えば「推奨冷却油/作動油/潤滑油」という名称のグループ(フォルダ)を参照すべきとの参照指示またはリンク(グループ参照指示)が含まれている。
【0030】
領域130には、コンテントとして
【表3】
という表が埋め込まれている。
上記表において、「各ユニットの位置」というテキスト部分には、ユニットの位置グループ、例えば、「各ユニットの位置」という名称のグループ(フォルダ)を参照すべきとの参照指示またはリンク(グループ参照指示)が含まれている。
【0031】
参照先置換部18は、単位ドキュメントに埋め込まれたコンテントに含まれるグループ参照指示を、選択された編成ドキュメント構成に含まれる単位ドキュメントを参照する参照指示に置換する。この参照先の置換または書き換えは、編成ドキュメント構成により抽出された単位ドキュメントを分析して、リンク属性またはリンクを表すタグの有無を検索し、リンク属性またはリンクを表すタグがあった場合、そこに記載されている参照先グループと同じグループに属する単位ドキュメントが抽出に使用した編成ドキュメント構成の中にあれば、グループ参照指示となるリンクを、同じグループの編成ドキュメント構成内に記載されている単位ドキュメント、またはファイルを参照するように書き換えことによって行うことができる。
【0032】
図8において、編成ドキュメントA(仕様a)811を生成する場合、編成ドキュメント構成801により、グループI600の中から単位ドキュメント601が、グループII700の中から単位ドキュメント701が抽出される。抽出された単位ドキュメント601と701を分析し、単位ドキュメント601にグループII700への参照先が見つかると、グループII700に属す単位ドキュメントがあるか編成ドキュメント構成801で確認し、単位ドキュメント701が見つかると、単位ドキュメント601に記載されているグループII700への参照先を、単位ドキュメント701への参照先に書き換えて単位ドキュメント611を生成し、編成ドキュメント811に結合して編成ドキュメント記憶部21に記憶する。同様に、編成ドキュメントB(仕様b)812には、単位ドキュメント601から生成された単位ドキュメント621が、編成ドキュメントC(仕様c)813には単位ドキュメント631が生成される。
【0033】
オペレータは、仕様a、仕様b、仕様c用の単位ドキュメント611、621、631をそれぞれ個別に作成する必要がなく、単位ドキュメント601のみを作成、修正、管理するだけでよい。
【0034】
なお、単位ドキュメントに記載されたグループ参照先に属す単位ドキュメントが該当編成ドキュメント構成になかった場合、エラーとしてオペレータに通知するメッセージをだすか、代替参照先を用意してその参照先に書き換えるか、あるいはリンク属性や参照タグを消去するなどができる。
【0035】
例えば、
図5の領域124に埋め込まれた表において「(油量の点検:潤滑油)」というテキスト部分に含まれる参照先グループ「油量の点検:潤滑油」という参照リンクがあった場合、
図4のグループ40へのグループ参照指示が、
図6の編成ドキュメント構成の項目「1.1油量の点検:潤滑油」の中に含まれる単位ドキュメントAB123-45-001-a-001-03-02油量の点検:潤滑油_■_Supplier 4を参照する単位ドキュメントへの参照指示に置換される。
【0036】
なお、新たに参照する単位ドキュメント(電子ファイル)は、
図4に示すように、グループ参照指示により参照されるグループ40と同じグループに格納されている。格納するグループは、フォルダでの階層構造の場合はグループとして管理されているフォルダでよいし、データベースで関連付けする場合は、
図1の管理テーブル記憶部26で検索できる。
【0037】
このように、選択された編成ドキュメント構成に基づいて、グループ参照指示を、参照先であるグループに属し、かつ、選択された編成ドキュメント構成に含まれる単位ドキュメントを参照する単位ドキュメント参照指示に置換することによって、他の編成ドキュメント内での単位ドキュメント中に埋め込まれたコンテントの参照先が、この編成ドキュメント内に含まれるのとは別の単位ドキュメントを参照している場合に、グループ参照指示を修正することなく、複数の編成ドキュメントで同じ単位ドキュメント、つまり単位ドキュメントに埋め込まれた同じコンテントを用いることが可能となる。つまり、コンテントにグループ参照指示のみを埋め込んでおけば、ドキュメント構成に基づいて、適切なコンテントが参照されるようになる。
【0038】
Webマニュアルのように、単位ドキュメントがそれぞれ個別の電子ファイルで記憶されるような場合には、参照先は単位ドキュメント(電子ファイル)のままとなり、編成ドキュメントを1つの電子ファイルに結合して一続きのドキュメントとする場合には、単位ドキュメントに埋め込まれたコンテント項目への参照となる。
【符号の説明】
【0039】
10 ドキュメント作成装置
12 権限管理部
14 構成選択部
16 結合処理部
18 参照先置換部
20 単位ドキュメント記憶部
21 編成ドキュメント記憶部
22 ドキュメント記憶部
24 構成記憶部
26 管理テーブル記憶部
28 記憶部
30、32、34 ユーザ端末
40 単位ドキュメントグループ
45 単位ドキュメントグループ
50 編成ドキュメント構成
90 ブランク
100 単位ドキュメント
102、104、106、108 領域
112、114、116、118 要素(エレメント)
120 単位ドキュメント
122、124、126、128、130 領域
500 編成ドキュメント
501、502、503、504、505 単位ドキュメント
600 単位ドキュメントグループ
601、602、603 単位ドキュメント
611、621、631 単位ドキュメント
700 単位ドキュメントグループ
701、702、703 単位ドキュメント
801、802、803 編成ドキュメント構成
811、812、813 編成ドキュメント
【手続補正書】
【提出日】2022-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
例えば、
図4の「AB123-45-001-a-001-03-02+油量の点検:潤滑油_■
_Supplier4」というファイル名では、「AB123-45-001-a-001」がグループを表す文字列であり、「03-02」が枝番であり、「油量の点検:潤滑油_■_Supplier4」がコンテントの簡単な説明で、部分的にタイトルに使用してもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
構成記憶部24は、編成ドキュメントに含まれる複数の単位ドキュメントを平面的並び、あるいはツリー構造の並びを含めた編成ドキュメント構成を記憶する
。編成ドキュメント構成は、例えば、
図6に示すようなスプレッドシートにより提供することができる。構成記憶部24は、複数の編成ドキュメント構成のベータベース情報、または複数のスプレッドシート電子ファイルを格納している。編成ドキュメント構成は、例えばスプレッドシート電子ファイルを、ユーザ端末30、32、34の入出力ポート、例えば、USBポートから構成記憶部24へ入力することができる。或いは構成記憶部24にユーザ端末30、32、34からアクセスし、編成ドキュメント構成のデータベースを作成または変更できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
オペレータが、ユーザ端末30、32、34を操作して構成選択部14にアクセスし、構成記憶部24に記憶されている複数の編成ドキュメント構成から1つの編成ドキュメント構成を選択する。構成選択部14は、ユーザ端末30、32、34からの指令に基づき、構成記憶部24に格納されている複数の編成ドキュメント構成から対応する1つの編成ドキュメント構成を抽出する。紙媒体に代表されるような1冊の刊行物の場合は、結合処理部16は、選択された編成ドキュメント構成に基づいて、単位ドキュメントまたは電子ファイル
をドキュメント記憶部22から抽出し、
図7に示すように、1つの編成ドキュメント500に結合する。
インターネット上に各単位ドキュメントを電子ファイルのまま管理する場合には、ファイルを一つのファイルに結合する必要はなく、単位ドキュメントのまま階層構造の情報で結合され、抽出された単位ドキュメントの関連性を持たせたHTMLファイルなどで編成ドキュメントを表現してもよい。
結合された編成ドキュメントは、ドキュメント記憶部内の編成ドキュメント記憶部21に記憶される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位ドキュメントを結合して一つの編成ドキュメントを作成するドキュメント作成装置において、
定義された領域にコンテントが埋め込まれた単位ドキュメントをグループ分けして記憶する単位ドキュメント記憶部と、
前記単位ドキュメントから一つの編成ドキュメントを作成するために必要な単位ドキュメントの一覧である編成ドキュメント構成を記憶する構成記憶部と、
前記編成ドキュメント構成に基づいて、前記単位ドキュメント記憶部に記憶されている単位ドキュメントを取得し、該単位ドキュメントを結合することによって、1つの編成ドキュメントに結合するドキュメント結合処理部と、
前記結合された1つの編成ドキュメント内の単位ドキュメントを分析し、該1つの編成ドキュメント内の単位ドキュメントに埋め込まれたコンテントが単位ドキュメントのグループを参照するグループ参照指示を含む場合に、該グループ参照指示を、参照先であるグループに属し、かつ、選択された編成ドキュメント構成に含まれる単位ドキュメントを参照する単位ドキュメント参照指示に置換する参照先置換部と、
を具備することを特徴としたドキュメント作成装置。
【請求項2】
前記構成記憶部は複数の編成ドキュメント構成を記憶しており、
前記構成記憶部に記憶されている複数の編成ドキュメント構成から1つの編成ドキュメント構成を選択する構成選択部を更に具備し、
前記結合処理部は選択された編成ドキュメント構成に基づき単位ドキュメントを1つの編成ドキュメントとしての集合体、または1つの編成ドキュメントとしてファイル結合する請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項3】
前記構成記憶部に新たな編成ドキュメント構成が入力されたときに、前記結合処理部は、該入力された編成ドキュメント構成に基づき単位ドキュメントを新しい1つの編成ドキュメントに結合する請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項4】
前記編成ドキュメント構成は、前記編成ドキュメントを作成するために必要な単位ドキュメント内のリンク属性またはリンク先を表わすタグの中に、参照先として他の単位ドキュメントが属するグループを表す情報を含んでいる請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項5】
前記編成ドキュメント構成は、作成する単位ドキュメントのバージョン番号を含む請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項6】
前記編成ドキュメントは複数の単位ドキュメントを集合させた電子マニュアル、または電子マニュアルから生成される電子ファイルであり、請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】