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  • 特開-搬送装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057391
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20220404BHJP
   B65H 20/02 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
B65H5/06 B
B65H20/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165620
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山田 玄英
【テーマコード(参考)】
3F049
3F103
【Fターム(参考)】
3F049CA02
3F049DA12
3F049LA15
3F049LB08
3F103AA03
3F103BA34
(57)【要約】
【課題】シーラント層を有するフィルムをシーラント層同士を対向させた形で重ね、積層する装置において、搬送のためのニップロールによってシーラント層同士が密着して剥離しにくい現象を起こすことを回避することが可能な密着防止ニップロールを設けた、搬送装置の提供。
【解決手段】プラスチックフィルムを基材としてシーラント層を有する積層体を、シーラント層同士を対向させて重ね、搬送する搬送装置において、搬送装置には、一対のニップロールが設けてあり、搬送はこの一対のニップロールの回転によって行われ、このうち、少なくとも一方のニップロールの表面は周方向に不連続、かつ幅方向に不連続な凸部が形成されており、この一対のニップロールは回転中、常に表面のいずれかの部分で積層体をニップしていることを特徴とする、搬送装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムを基材としてシーラント層を有する積層体を、シーラント層同士を対向させて重ね、搬送する搬送装置において、
搬送装置には、一対のニップロールが設けてあり、
搬送はこの一対のニップロールの回転によって行われるのであって、
このうち、少なくとも一方のニップロールの表面は周方向に不連続、かつ幅方向に不連続な凸部が形成されており、
この一対のニップロールは回転中、常に表面のいずれかの部分で積層体をニップしていることを特徴とする、搬送装置。
【請求項2】
前記ニップロールの表面の凹凸は、周方向及び、幅方向に部分的に分離して形成された複数の凹凸であることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記ニップロールの表面の凹凸は、周方向、幅方向ともにランダムに形成された凹凸であることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記ニップロールの表面の凹凸は、格子状に形成された凹凸であることを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項5】
前記ニップロールの表面の凹凸は、凸部に対する凹部の深さの差が、30μm以上の凹凸であることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関するものである。特にシーラント層を有するフィルムをシーラント層同士を対向させた形で重ね、積層などの加工をする装置において、搬送のためのニップロールが、シーラント層同士が密着して剥離しにくい現象を起こすことを回避することが可能な、密着防止ニップロールを有する搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、プラスチックフィルムを基材として、シーラント層を有する積層体から包装袋を製袋して包装袋とすることができる。この場合にはシーラント層同士を対向させて重ねて、シールして製袋する方法が知られている。
【0003】
ここに挙げた例の包装袋は、プラスチックフィルム単層で構成される場合のみならず、他のプラスチックフィルムや樹脂層、金属箔などとの積層体として、内容物による要求品質に応じた層構成や材料設計が可能であることが特徴のひとつであって、様々な用途に幅広く用いられている。また、性能面でもコスト面などでも、ガラス瓶や缶などに比べて有利である場合が多い。
【0004】
特に最近では、プラスチックやガラス製のボトルを使い捨てにすることを、やめる動きが広がっている。コストの点もさることながら、マイクロプラスチックの問題が提起されるなど環境保護の観点からも、詰め替え用の容器を用いることで廃棄物を削減する動きが顕著になっている。
【0005】
たとえば、プラスチックフィルムを基材とした、シーラント層を有する液体用包装袋は、柔軟性に富み、内容物の充填前には平坦にたたまれていて、場所を取らず、また使用した後においても、平たくたたんで容積を小さくすることが可能である。また、廃棄物として焼却することも可能である。
【0006】
このような利点を背景にして、プラスチックフィルムを基材としてシーラント層を有する積層体から形成される包装袋は、その機能性と利便性が評価され、近年特にその需要が高まっている。
【0007】
しかしながら、その製袋などの加工工程において、例えば3方シール袋や4方シール袋などの製袋工程において、シーラント層同士を対向させた状態で、積層体を搬送する場合があり、積層体を表裏からニップロールに挟み込んで搬送することが一般的に行われている。
【0008】
このとき、重ねられた積層体はニップロールによる挟み込みで加圧されるために、シーラント層同士が密着して、はがれにくくなる現象を起こすことがある。これは、積層体の状態が、ロールツーロールの場合でも、一枚ごとに分離された状態であっても同様である。
【0009】
このような、積層体のシーラント層同士が密着してはがれにくい状態は、例えば包装袋の場合には、開口部の開口性や、内容物の充填性に支障をきたす原因の一つとなっている。
【0010】
特許文献1には、ウエブ搬送のためのニップロールのロール表面に周面を一周する溝を形成したロールによる剥離容易な積層シートの製造方法が提案されているが、溝の深さに
よって、非接着領域、疑似接着領域を同時に形成しようとするもので、目的が異なっており、この方法では流れ方向に連続してニップされる、ストライプ状の連続した領域が存在して、必ずしも開口部の開口性や、内容物の充填性の大幅な改善がなされるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9-290452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、シーラント層を有するフィルムをシーラント層同士を対向させた形で重ね、積層する装置において、搬送のためのニップロールによってシーラント層同士が密着して剥離しにくい現象を起こすことを回避することが可能な密着防止ニップロールを設けた、搬送装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
プラスチックフィルムを基材としてシーラント層を有する積層体を、シーラント層同士を対向させて重ね、搬送する搬送装置において、
搬送装置には、一対のニップロールが設けてあり、
搬送はこの一対のニップロールの回転によって行われるのであって、
このうち、少なくとも一方のニップロールの表面は周方向に不連続、かつ幅方向に不連続な凸部が形成されており、
この一対のニップロールは回転中、常に表面のいずれかの部分で積層体をニップしていることを特徴とする、搬送装置
である。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、
前記ニップロールの表面の凹凸は、周方向及び、幅方向に部分的に分離して形成された複数の凹凸であることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置である。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、
前記ニップロールの表面の凹凸は、周方向、幅方向ともにランダムに形成された凹凸であることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置
である。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、
前記ニップロールの表面の凹凸は、格子状に形成された凹凸であることを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の搬送装置
である。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、
前記ニップロールの表面の凹凸は、凸部に対する凹部の深さの差が、30μm以上の凹凸であることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載の搬送装置
である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、シーラント層を有するフィルムをシーラント層同士を対向させた形で重ね、積層する装置において、搬送のためのニップロールによってシーラント層同士が密
着して剥離しにくい現象を起こすことを回避することが可能な、密着防止ニップロールを設けた、搬送装置の提供が可能である。
【0019】
すなわち、搬送装置には、積層体を搬送するための一対のニップロールが設けてあり、このうち、少なくとも一方のニップロールの表面は周方向に不連続、かつ幅方向に不連続な凸部が形成されていることによって、ニップロールによる加圧によってシーラント層同士が密着して剥離しにくい現象が全面的に発生することを回避、防止することが可能である。
【0020】
また、この一対のニップロールは回転中、常に表面のいずれかの部分で積層体をニップしていることによって、積層体の張力を安定させることができ、より安定した搬送が可能になる。
【0021】
特に請求項2に記載の発明によれば、ニップロールの表面の凹凸は、周方向及び、幅方向に部分的に分離して形成された複数の凹凸であることによって、すなわち、凹凸を複数にすることによって、ニップの偏りをより平準化することが可能となる。
【0022】
また、一対のニップロールは回転中、常に表面のいずれかの部分で、搬送される積層体をニップしている状態にあることを可能にし、積層体の張力を安定させ、搬送をより安定して行うことが可能である。
【0023】
また、周方向に分離した複数の凹凸を形成していることによっては、凹部分にはニップロールによる圧力が加わらないため、ウエブの流れ方向において、連続して剥離しにくい現象が発生することを防止することができる。
【0024】
特に、請求項3に記載の発明によれば、ニップロールの表面の凹凸は、周方向、幅方向ともにランダムに形成された凹凸であることによって、搬送のための張力の発生を、より偏りなく均一なものにすることが可能である。
【0025】
したがって安定した搬送、またニップロールによって発生する恐れのある、シーラント層同士が密着して剥離しにくい現象の部分的な偏りを防止することが可能で、より安定して、シーラント層同士が密着して剥離しにくい現象を回避する効果を得ることができる。
【0026】
特に請求項4に記載の発明によれば、ニップロールの表面の凹凸は、格子状に形成された凹凸であることによって、搬送のための張力の発生をより偏りなく均一なものにすることが可能である。
【0027】
したがって安定した搬送、またニップロールによって発生する恐れのある、シーラント層同士が密着して剥離しにくい現象の偏りを防止することが可能で、より安定して、シーラント層同士が密着して剥離しにくい現象を回避する効果を得ることができる。
【0028】
特に請求項5に記載の発明によれば、ニップロールの表面の凹凸は、凸部に対する凹部の深さが、30μm以上の凹凸であることが、本発明の課題解決により効果的である。
【0029】
すなわち30μm以上の凹凸である場合には、ニップロールによる加圧部と非加圧部が明確であって、ニップロールによって発生する恐れのある、シーラント層同士が密着して剥離しにくい現象を回避することに対してより効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は本発明による搬送装置の一実施態様のうち、ニップロールの部分を説明するための斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を図を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0032】
図1は本発明による搬送装置の一実施態様のうち、ニップロールの部分を説明するための斜視模式図である。
【0033】
本発明は、プラスチックフィルムを基材としてシーラント層を有する積層体を、シーラント層同士を対向させて重ね、搬送する搬送装置である。
【0034】
搬送は、回転する一対のニップロールに、シーラント層同士を対向させて重ねた積層体を、例えば連続したウエブ状、あるいは、個々に分離された状態で、挟んで搬送することが一般に行われている。
【0035】
このような、搬送装置の例として、プラスチックフィルムを基材としてシーラント層を有する積層体を、シーラント層同士を対向させて重ね、包装袋に製袋して、搬送する搬送装置がある。例えばシーラント層同士を、長手方向に合掌張りとし、さらに開口部を残してシールする製袋方法や、開口部を残して3辺をシールする、三方シールと呼ばれるものもある。
【0036】
このとき積層体はニップロールによる挟み込みで加圧されるために、シーラント層同士が密着して、はがれにくくなる現象を起こすことがある。これは、搬送される積層体(30)の状態が、ロールツーロールが可能なウエブ状の場合でも、個々に分離された状態であっても同様である。
【0037】
開口部は、内容物充填のために未シール部となっており、内容物充填後にシールされ、包装袋は密封されるのであるが、その際に積層体のシーラント層同士が密着してはがれにくくなることは、充填の工程にとっては不都合であり、本発明はこの点を解決しようとするものである。
【0038】
図1において示す例では、ウエブ状の積層体(30)の例である。すなわち、ニップされた積層体(30)が、矢印(31)方向に搬送される状態を示している。
【0039】
本発明による搬送装置においては、少なくとも一方のニップロールの表面は周方向に不連続、かつ幅方向に不連続な凹凸が形成されており、この一対のニップロールは回転中、常に表面のいずれかの部分で、搬送される積層体(30)をニップしていることを特徴とするものである。
【0040】
図1において示す例では、一対のニップロールのうち、下側に位置するニップロール1(10)の表面はフラットであり、上側に位置するニップロール2(20)の表面には、凸部(21)が、周方向に不連続、かつ幅方向に不連続に設けてある例である。
【0041】
凹部(22)及び凸部(21)は相対的な高さの差によるものであって、その形成方法には特段の制約を設けるものではない。例えば、凸部(21)の形成によって、それより相対的に低い部分として凹部(22)とすることができる。あるいは、凹部(22)を形成することによって、それより相対的に高い部分として凸部(21)残して形成することができる。
【0042】
このように、凸部(21)が部分的に形成されていることによって、ニップロールによる挟み込みで加圧される部分もまた部分的なものとなり、シーラント層同士が密着して、はがれにくくなる現象が全面的に起こることはない。
【0043】
すなわち、ニップロールの凸部(21)によって、積層体(30)はニップされ、張力が発生して搬送が可能となり、ニップロールの凹部(22)によっては、加圧されることがないため、対向するシーラント層同士の密着が防止できるのである。
【0044】
したがって本発明による、このようなニップロールを設けた搬送装置においては、例えばシーラント層を有するフィルムをシーラント層同士を対向させた形で重ね、積層する装置において、搬送のためのニップロールによってシーラント層同士が密着して、全面的に剥離しにくい現象を起こすことを回避、防止することができる。
【0045】
また、本発明による搬送装置に設けられた、ニップロールの表面の凹凸は、ニップロールの周方向及び、幅方向に部分的に分離して形成された複数の凹凸とすることができる。すなわち、凹凸を複数にすることによって、ニップの偏りをより平準化することが可能となる。
【0046】
また、本発明による搬送装置に設けられた一対のニップロールは回転中、常に表面のいずれかの部分で、搬送される積層体(30)をニップしている状態にあることを可能して、搬送を連続して、より安定して行うことができる。
【0047】
また、ニップロールの表面の凹凸は、周方向、幅方向ともにランダムに形成された凹凸とすることもできる
【0048】
凹凸をランダムに形成することによって、搬送のための張力の発生をより偏りなく均一なものにすることが可能であり、安定した搬送、またニップロールによって発生する恐れのあるシーラント層同士が密着して剥離しにくい現象の偏りを防止することが可能で、より安定した効果を得ることができる。
【0049】
また、ニップロールの表面の凹凸は、格子状に形成された凹凸とすることができる。格子状の凹凸は、例えば市松模様であってもよく、碁盤目状の格子の目に従って、凹凸互い違いに並べた配列が可能である。あるいは、千鳥格子といった格子形状にするのでも構わない。
【0050】
我々は、本発明を鋭意検討する過程において、ニップロールの表面の凹凸は、凸部(21)に対する凹部(22)の深さの差が、30μm以上の凹凸であることが、本発明の課題解決により効果的であることを見出した。
【0051】
すなわち、凸部(21)に対する凹部(22)の深さの差が、30μm以上の凹凸である場合には、ニップロールによる加圧部と非加圧部が明確であって、ニップロールによってシーラント層同士が密着して剥離しにくい現象を起こすことを回避することに対してより効果的である。
【0052】
ニップロールは、その材料、全体の形態に特段の制約を設けるものではなく、一般には金属やFRPなどのロール芯の外側に、ゴム材質の層を設けたものが用いられる。
【0053】
ゴムの材質は、例えば天然ゴムのほか、ニトリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどが用いられ、積層体の材質や、搬送装置の加工目的によって、適宜選択し
て使うことができる。
【0054】
前述のように、ニップロール表面に対する凹凸の形成方法は、特段の限定を設けるものではなく、例えばゴムロールの表面に対して、回転刃やレーザーを用いて凹部(22)になる部分を削り取る方法もあり、化学的に除去して凹部(22)とすることも可能である。
【0055】
あるいは、凸部(21)を形成するために、例えばゴムシート、もしくはプラスチックシートなどを貼り付ける方法など、適宜選択して用いることができる。
【0056】
また、ここで、本発明による搬送装置が加工する、積層体(30)を構成する材料について説明を加える。
【0057】
プラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。
【0058】
特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。そのほか延伸ポリアミドフィルムを用いる場合には、積層体に突き刺しに対する強靭性や、衝撃に対する強靭性を付与することができる。
【0059】
またプラスチックフィルムは、接着剤層を介して他の層と積層して積層体とすることができる。積層体の層構成やその材料構成、厚さなどは、目的とする例えば包装袋に対する要求品質に応じて適宜設計することができる。
【0060】
シーラント層は、2枚の積層体をシーラント層同士が対向するように重ねて、加熱、加圧してヒートシールすることによって互いを接着させ、たとえば包装袋の場合にはその形態に製袋することを可能にする。
【0061】
シーラント層の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、等を使用することができる。
【0062】
また、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等も使用することができる。
【0063】
シーラント層の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、積層体上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、積層体の表面にシーラント層を形成することも可能である。
【0064】
このようにして、本発明によれば、シーラント層を有するフィルムをシーラント層同士を対向させた形で重ね、積層する装置において、搬送のためのニップロールによってシー
ラント層同士が密着して剥離しにくい現象を起こすことを回避することが可能な密着防止ニップロールを設けた、搬送装置の提供が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10・・・ニップロール1
20・・・ニップロール2
21・・・凸部
22・・・凹部
30・・・積層体
31・・・矢印
図1