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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057520
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】建築用部材仮置き具
(51)【国際特許分類】
   B62B 1/12 20060101AFI20220404BHJP
   B62B 1/26 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
B62B1/12
B62B1/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165822
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】馬場 峰雄
(72)【発明者】
【氏名】南川 達浩
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA35
3D050BB01
3D050DD03
3D050EE04
3D050EE13
3D050FF04
(57)【要約】
【課題】建築用部材を仮置きし、仮置きした建築用部材をそのまま移動させることが可能な建築用部材仮置き具を提供する。
【解決手段】建築用部材仮置き具1は、建築用部材Bを下方から支持する支持部材10と、支持部材10に対して回動可能に取り付けられ、支持部材10よりも上方に突出している突出位置と、突出位置から下方側へ回転した回転位置との間で回動する回動部材30と、回動部材30に対して取り付けられ、建築用部材仮置き具1を水平方向に移動させるために回転する車輪43とを備えている。回動部材30が突出位置に位置するとき、支持部材10が地面に設置されており、回動部材が回転位置に位置するときには、車輪43が地面に設置され、建築用部材仮置き具1が移動可能となっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築用部材を仮置きするために用いられ、前記建築用部材を仮置きした状態で水平方向に移動させることが可能な建築用部材仮置き具であって、
前記建築用部材を下方から支持する支持部材と、
前記支持部材に対して回動可能に取り付けられ、第1の位置と、前記第1の位置から下方側又は上方側へ回転した第2の位置との間で回動する回動部材と、
前記回動部材に対して取り付けられ、前記建築用部材仮置き具を水平方向に移動させるために回転する車輪と、を備え、
前記回動部材が前記第1の位置に位置するとき、前記支持部材が、前記建築用部材仮置き具が設置された設置面上に設置され、
前記回動部材が前記第2の位置に位置するときには、前記車輪が前記設置面上に設置され、前記建築用部材仮置き具が前記設置面上を移動可能となっていることを特徴とする建築用部材仮置き具。
【請求項2】
前記回動部材が前記第1の位置に位置するとき、前記回動部材及び前記車輪が前記設置面よりも上方に位置し、
前記回動部材が前記第2の位置に位置するときには、前記支持部材が前記設置面よりも上方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の建築用部材仮置き具。
【請求項3】
前記第1の位置は、前記回動部材が前記支持部材よりも上方に突出している突出位置であって、前記第2の位置は、前記回動部材が前記突出位置から下方側に回転した回転位置であって、
前記回動部材は、前記支持部材の長尺方向の両端部にそれぞれ取り付けられ、前記支持部材に対して垂直方向に長尺となるように延びており、
一対の前記回動部材が、前記突出位置に位置するときに前記建築用部材を間に挟むように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建築用部材仮置き具。
【請求項4】
前記建築用部材仮置き具は、前記車輪を有するキャスターを備え、
前記回動部材は、前記支持部材に対して回動軸を介して取り付けられ、
前記キャスターは、
前記回動部材の外面のうち、前記回動部材が前記回転位置に位置するときに前記設置面と対向する面に取り付けられ、かつ、
前記対向する面のうち、前記回動軸側に位置する部分に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の建築用部材仮置き具。
【請求項5】
前記回動部材の延出端部には、前記回動部材を回転させる際に用いられる棒状又は中空状の回転用治具を係合するための係合部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の建築用部材仮置き具。
【請求項6】
前記回動部材及び前記支持部材の一方には、前記回動部材が前記回転位置に位置するときに前記回動部材及び前記支持部材の他方に当接することで、前記回動部材を前記回転位置から前記突出位置へ移動することを規制する規制部材が形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の建築用部材仮置き具。
【請求項7】
前記規制部材は、
前記回動部材の外面のうち、前記支持部材と対向する面に形成され、前記回動部材から前記支持部材へ突出するように設けられ、
前記支持部材の外面のうち、前記回動部材が前記回転位置に位置するときに前記回動部材の先端側に位置する側面に当接可能となっていることを特徴とする請求項6に記載の建築用部材仮置き具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用部材仮置き具に係り、特に、建築用部材を仮置きするために用いられ、当該建築用部材を仮置きした状態で水平方向に移動させることが可能な建築用部材仮置き具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場から施工現場に運搬された建築用パネルや建築用ボード等の建築用部材は、施工現場に据え付けられたレッカー等によって積み下ろされ、施工現場に用意された資材保管庫等に保管される。
その際に、建築用部材を仮置きするための仮置き具(例えば、厘木)が用いられている。当該仮置き具を用いることで、建築用部材が床面上に直接触れることがなく、建築用部材の品質を維持することができる。また建築用部材をフォークリフト等で容易に持ち上げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-59254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、施工現場では、仮置きした建築用部材をそのまま別の場所へ移動させたいという要望があり、例えば、仮置きした建築用部材を人力で移動させることが可能な工夫が求められていた。
なお、建築用部材を仮置きするための仮置き具ではないものの、例えば特許文献1に記載の運搬具を用いることで、建築用部材を人力で移動させることはできる。また、ストッパーを利用することで、運搬具の移動を規制することもできる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、建築用部材を仮置きすることができ、仮置きした建築用部材をそのまま移動させることが可能な建築用部材仮置き具を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、建築用部材を移動させた後は、当該建築用部材をそのまま仮置きすることが可能な建築用部材仮置き具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明の建築用部材仮置き具によれば、建築用部材を仮置きするために用いられ、前記建築用部材を仮置きした状態で水平方向に移動させることが可能な建築用部材仮置き具であって、前記建築用部材を下方から支持する支持部材と、前記支持部材に対して回動可能に取り付けられ、第1の位置と、前記第1の位置から下方側又は上方側へ回転した第2の位置との間で回動する回動部材と、前記回動部材に対して取り付けられ、前記建築用部材仮置き具を水平方向に移動させるために回転する車輪と、を備え、前記回動部材が前記第1の位置に位置するとき、前記支持部材が、前記建築用部材仮置き具が設置された設置面上に設置され、前記回動部材が前記第2の位置に位置するときには、前記車輪が前記設置面上に設置され、前記建築用部材仮置き具が前記設置面上を移動可能となっていること、により解決される。
上記構成により、シンプルな構成で、建築用部材を仮置きすることができ、仮置きした建築用部材をそのまま移動させることが可能な建築用部材仮置き具を実現できる。
また、建築用部材を移動させた後は、当該建築用部材をそのまま仮置きすることが可能な建築用部材仮置き具も実現できる。
詳しく述べると、上記仮置き具であれば、回動部材が「第1の位置」に位置するとき、支持部材が、建築用部材仮置き具が設置された設置面上に設置されるため、当該支持部材によって建築用部材を仮置きしておくことができる。
そして、回動部材が「第2の位置」に位置するときには、車輪が設置面上に設置され、建築用部材仮置き具が設置面上を移動可能となっているため、仮置きした建築用部材をそのまま移動させることができる。
そして、回動部材が「第2の位置」から「第1の位置」に再び戻ることで、移動させた建築用部材を再び仮置きすることもできる。
【0007】
このとき、前記回動部材が前記第1の位置に位置するとき、前記回動部材及び前記車輪が前記設置面よりも上方に位置し、前記回動部材が前記第2の位置に位置するときには、前記支持部材が前記設置面よりも上方に位置していると良い。
上記構成により、回動部材が「第1の位置」に位置するときには、建築用部材を安定して仮置きしておくことができる。
また、回動部材が「第2の位置」に位置するときには、例えば人力によって建築用部材を円滑に移動させることができる。
【0008】
このとき、前記第1の位置は、前記回動部材が前記支持部材よりも上方に突出している突出位置であって、前記第2の位置は、前記回動部材が前記突出位置から下方側に回転した回転位置であって、前記回動部材は、前記支持部材の長尺方向の両端部にそれぞれ取り付けられ、前記支持部材に対して垂直方向に長尺となるように延びており、一対の前記回動部材が、前記突出位置に位置するときに前記建築用部材を間に挟むように設けられていると良い。
上記構成により、回動部材が「突出位置」に位置するときには、建築用部材をより安定して仮置きすることができる。
特に、一対の回動部材が、「突出位置」に位置するときに建築用部材を間に挟むように設けられているため、建築用部材を好適に保持することができる。その結果、建築用部材を安定して保管することができる。
【0009】
このとき、前記建築用部材仮置き具は、前記車輪を有するキャスターを備え、前記回動部材は、前記支持部材に対して回動軸を介して取り付けられ、前記キャスターは、前記回動部材の外面のうち、前記回動部材が前記回転位置に位置するときに前記設置面と対向する面に取り付けられ、かつ、前記対向する面のうち、前記回動軸側に位置する部分に配置されていると良い。
上記構成により、回動部材を「突出位置」から「回転位置」へ容易に回転させることができ、キャスター(車輪)を設置面から浮かせた移動不能状態から、設置面上に設置した移動可能状態へ容易に切り替えることができる。
詳しく述べると、上記仮置き具を移動可能とするためには、キャスター(車輪)を支持部材よりも下方に押し入れて設置面上に着地させ、ジャッキのように建築用部材及び支持部材を持ち上げる作業が必要になるところ、上記構成であれば、てこの原理を利用してキャスターを容易に設置面上に設置させることができる。
すなわち、回動軸が「支点」、キャスター(車輪)が「作用点」、回動部材の延出端部が「力点」となって、キャスターを容易に設置させることができる。
【0010】
このとき、前記回動部材の延出端部には、前記回動部材を回転させる際に用いられる棒状又は中空状の回転用治具を係合するための係合部が形成されていると良い。
上記構成により、回転用治具を用いてキャスター(車輪)を容易に設置面上に設置させることができる。すなわち、回転用治具が「力点」となって容易に作業することができる。
【0011】
このとき、前記回動部材及び前記支持部材の一方には、前記回動部材が前記回転位置に位置するときに前記回動部材及び前記支持部材の他方に当接することで、前記回動部材を前記回転位置から前記突出位置へ移動することを規制する規制部材が形成されていると良い。
上記構成により、回動部材が「回転位置」に位置するときに、建築用部材を安定させて水平方向に移動させることができる。
【0012】
このとき、前記規制部材は、前記回動部材の外面のうち、前記支持部材と対向する面に形成され、前記回動部材から前記支持部材へ突出するように設けられ、前記支持部材の外面のうち、前記回動部材が前記回転位置に位置するときに前記回動部材の先端側に位置する側面に当接可能となっていると良い。
上記構成により、回動部材が「突出位置」又は「回転位置」に位置するときに、規制部材が、建築用部材や設置面に当接してしまうこと、あるいは他の構成部品と干渉してしまうことを避けることができる。
具体的には、規制部材が、支持部材の上面に当接可能となっている場合には、建築用部材に当接してしまう虞がある。また、規制部材が、支持部材の底面に当接可能となっている場合には、キャスターと干渉する虞がある。あるいは、規制部材が、支持部材の内側面に当接可能となっている場合には、回動部材が「突出位置」にいるときに、設置面に当接してしまう虞がある。
【発明の効果】
【0013】
本発明の建築用部材仮置き具によれば、建築用部材を仮置きすることができ、仮置きした建築用部材をそのまま移動させることが可能となる。
また、建築用部材を移動させた後は、当該建築用部材をそのまま仮置きすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の建築用部材仮置き具(仮置き具)を示す斜視図であって、回動部材が突出位置にいる状態を示す図である。
図2】仮置き具を示す斜視図であって、回動部材が回転位置にいる状態を示す図である。
図3】仮置き具の分解斜視図である。
図4】仮置き具の正面図であって、回動部材が突出位置にいる状態を示す図である。
図5A】仮置き具の側面図であって、回動部材が突出位置にいる状態を示す図である。
図5B】回動部材が突出位置から回転位置へ移動している状態を示す図である。
図5C】回動部材が回転位置にいる状態を示す図である。
図6A】仮置き具の上面図であって、回動部材が回転位置におり、規制部材が回動部材を規制していない状態を示す図である。
図6B】規制部材が回動部材を規制した状態を示す図である。
図7A】第2の実施形態であって、回動部材が第1の位置にいる状態を示す図である。
図7B】回動部材が第1の位置から第2の位置へ移動している状態を示す図である。
図7C】回動部材が第2の位置にいる状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図1図7Cを参照して説明する。
本実施形態は、建築用部材を仮置きするために用いられ、当該建築用部材を仮置きした状態で水平方向に移動させることが可能な建築用部材仮置き具であって、建築用部材を下方から支持する支持部材と、支持部材に対して回動可能に取り付けられ、支持部材よりも上方に突出している「突出位置」と、突出位置から下方側へ回転した「回転位置」との間で回動する回動部材と、回動部材に対して取り付けられ、建築用部材仮置き具を水平方向に移動させるために回転する車輪と、を備えており、回動部材が「突出位置」に位置するとき、支持部材が、建築用部材仮置き具が設置された設置面(地面)上に設置され、回動部材が「回転位置」に位置するときには、車輪が設置面上に設置され、建築用部材仮置き具が設置面上を移動可能となっていることを主な特徴とする発明に関するものである。
なお、建築用部材仮置き具について以下、仮置き具と呼ぶこととする。
【0016】
本実施形態の仮置き具1は、図1図4に示すように、建築用部材Bを仮置きするための支持具としての機能と、仮置きした建築用部材Bを水平方向(2次元方向)に移動させるための移動具としての機能を兼ね備えたものであって、例えば、施工現場において建築用部材Bを一時的に保管しておくために用いられる。
仮置き具1は、例えば厘木のように、建築用部材Bの長尺方向に所定の間隔を空けて一対となるように地面に設置され、建築用部材Bを地面から浮かせた状態で下方から支持するものである。
なお、建築用部材Bは、各種建物に用いられる部材であって、外壁パネルや屋根パネル、腰壁パネル等の建築用パネルや、建築用ボード等を含むものである。
【0017】
仮置き具1は、建築用部材Bを下方から支持する支持部材10と、支持部材10の長尺方向の両端部に軸支される回動軸20と、支持部材10に対して回動軸20を介して回動可能に取り付けられる回動部材30と、回動部材30に取り付けられ、仮置き具1を水平方向に移動させるためのキャスター40と、回動部材30に取り付けられ、回動部材30の回転移動を規制する規制部材50と、から主に構成されている。
仮置き具1は、図1に示すように回動部材30が「突出位置」にいるとき、建築用部材Bを下方から支持する支持具となる。また、図2に示すように回動部材30が「回転位置」にいるとき、建築用部材Bを水平方向に移動させる移動具となる。
【0018】
支持部材10は、仮置き具1の本体となる部材であって、例えば、金属製の角パイプが加工された長尺体からなり、建築用部材Bの幅方向に沿って延びており、建築用部材Bよりもやや外側に突出するように配置されている。
詳しく述べると、支持部材10は、中空状の本体部11と、本体部11の長尺方向の両端部にそれぞれ取り付けられ、回動部材30に当接可能な左右の端部プレート12と、各端部プレート12の内側面に取り付けられ、回動軸20を軸支するナット部材13と、を有している。
【0019】
回動軸20は、回動部材30の軸となるネジ付き軸ボルトであって、支持部材10の長尺方向に沿って延びており、回動部材30及び端部プレート12を貫通し、ナット部材13に螺合されている。
【0020】
回動部材30は、仮置き具1を支持具と移動具の間で切り替える部材であって、例えば、金属製の角パイプが加工された部材からなり、支持部材10に対して垂直方向に長尺となるように延びている。
回動部材30は、図5A‐Cに示すように、支持部材10よりも上方に突出している「突出位置」と、突出位置から下方側へ回転した「回転位置」との間で回動することができる。
回動部材30が図1図5Aに示す「突出位置」に位置するとき、支持部材10が地面に設置され、回動部材30及びキャスター40が地面よりも上方に位置している。
一方で、回動部材30が図2図5Cに示す「回転位置」に位置するとき、支持部材10及び回動部材30が地面よりも上方に位置し、キャスター40(車輪43)が地面に設置されている。
【0021】
回動部材30の基端部の外側面には、回動軸20を貫通するための貫通穴31が形成されている。
また回動部材30の延出端部には、回動部材30を回転させる際に用いられる棒状の回転用治具60を係合するための係合穴部32(係合部)が形成されている。
係合穴部32は、中空状の回動部材30の形状をそのまま利用した中空穴である。
【0022】
キャスター40は、図1図3に示すように、仮置き具1を移動させるための部材であって、支持部材10の幅方向に沿って回転移動可能な回転体である。
キャスター40は、建築用部材Bを移動させるために建築用部材Bの四隅に相当する位置に配置されている。
【0023】
キャスター40は、回動部材30の外面に取り付けられ、回動部材30に対して垂直に突出しているキャスター本体41と、キャスター本体41を貫通して軸支され、キャスター本体41とは直交する方向に延びている車軸42と、キャスター本体41に対して車軸42を中心として回転可能な車輪43と、から主に構成されている。
上記構成により、仮置き具1は、回動部材30が「回転位置」にいるときに、キャスター40を回転させることで地面上を移動することができる。
【0024】
キャスター40は、図3図5Cに示すように、回動部材30の外面のうち、回動部材30が「回転位置」に位置するときに地面と対向する面に取り付けられている。また、当該対向する面のうち、回動軸20側に位置する端部に配置されている。
【0025】
規制部材50は、図4図6A、Bに示すように、回動部材30を「回転位置」から「突出位置」へ移動することを規制するストッパー部材(突起部材)である。
規制部材50は、回動部材30の外面に取り付けられており、回動部材30から支持部材10へ突出するように設けられている。そして、回動部材30が「回転位置」に位置するときに支持部材10に当接可能となっている。
詳しく述べると、規制部材50は、回動部材30の外面のうち、支持部材10と対向する対向面に形成されている。そして、支持部材10の外面のうち、回動部材30が「回転位置」に位置するときに回動部材30の先端側に位置する外側面に当接可能となっている。
【0026】
規制部材50は、図6A、Bに示すように、回動軸20の螺合位置(取り付け位置)に応じて、回動部材30を回転可能とする「規制解除位置」と、回動部材30を回転不能とする「規制位置」との間で切り替わる構成となっている。
すなわち、回動軸20が図6Aに示す「第1螺合位置」に位置するとき、規制部材50は「規制解除位置」に位置し、支持部材10とは当接しない構成となっている。
そして、回動軸20が図6Bに示す「第2螺合位置」に位置するときには、規制部材50は「規制位置」に位置し、支持部材10に当接する構成となっている。
【0027】
回転用治具60は、図5A-Cに示すように、回動部材30の係合穴部32に係合させて、回動部材30を回転させるための棒状の治具である。
回転用治具60を利用することで、作業者が回動部材30を「突出位置」から「回転位置」へ容易に回転移動させることができる。
詳しく述べると、仮置き具1を水平移動可能とするためには、キャスター40(車輪43)を支持部材10よりも下方に押し入れて地面に着地させ、ジャッキのように建築用部材B及び支持部材10を持ち上げる作業が必要になる。このとき、上記構成であれば、てこの原理を利用してキャスター40を容易に設置面上に設置させることができる。
すなわち、回動軸20が「支点」、キャスター40(車輪43)が「作用点」、回転用治具60が「力点」となって、キャスター40を容易に地面に設置させることができる。
【0028】
上記構成において、図1に示すように、回動部材30が「突出位置」に位置するときに、一対の回動部材30が建築用部材Bを間に挟み込むように設けられている。
そのため、建築用部材Bを安定して仮置きしておくことができる。
【0029】
また上記構成において、図5Aに示すように、回動部材30が「突出位置」に位置するときに、側面視において回動部材30が鉛直方向よりもやや外側に傾いて配置されている。詳しく述べると、回動部材30が、鉛直方向よりもキャスター40が取り付けられた側にやや傾いて配置されている。
そのため、回動部材30(係合穴部32)に対して回転用治具60を係合し易くすることができる。また、回転用治具60を用いて回動部材30を回転操作し易くすることができる。
【0030】
また上記構成において、図2に示すように、回動部材30が、支持部材10に対して回動軸20を介して着脱可能となるように取り付けられている。
そのため、例えば、建築用部材Bを比較的長い間仮置きする場合には、仮置き具1から回動軸20及び回動部材30を一旦取り外し、支持部材10のみとすることができる。
そして、建築用部材Bを移動させたいときに、支持部材10に対して回動軸20及び回動部材30を装着することができる。
【0031】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、図1、2に示すように、回動部材30が「突出位置」にいるときに、支持部材10が地面に設置されており、回動部材30が「突出位置」から下方側へ回転した「回転位置」にいるときに、車輪43が地面に設置される構成となっているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、支持部材10が地面に設置されているときに、回動部材30が必ずしも上方に突出していなくても良く、「突出位置」の代わりに所定の「第1の位置」としても良い。
また、回動部材30が「突出位置」から下方側へ回転したときに、車輪43が地面に設置される構成でなくても良く、所定の「第1の位置」から上方側へ回転したときに、車輪43が地面に設置される構成としても良い。具体的には、図7A-Cに示す実施形態が考えられる。
以上を踏まえると、回動部材30が「第1の位置」と、第1の位置から下方側又は上方側へ回転した「第2の位置」との間で回動する部材であって、回動部材30が「第1の位置」に位置するときに支持部材10が地面に設置されており、回動部材30が「第2の位置」に位置するときに車輪43が地面に設置されている構成となっていれば良い。
【0032】
上記実施形態では、図5Aに示すように、回動部材30が「突出位置」にいるときに、回動部材30及び車輪43が地面から浮いた状態となっているが、特に限定されることなく、回動部材30及び車輪43が地面に接していても良い。
また、図5Cに示すように、回動部材30が「回転位置」にいるときに、支持部材10が地面から浮いた状態となっているが、特に限定されることなく、支持部材10が地面に当接していても良い。
【0033】
上記実施形態では、図3に示すように、車輪43が、円形状の車輪となっているが、特に限定されることなく、例えば球状の車輪等であっても良い。球状の車輪であれば自在に向きを変えて回転可能となるため、仮置き具1が前後移動、横移動及び斜め移動することができる。
【0034】
上記実施形態では、図2、3に示すように、回動部材30が、支持部材10の長尺方向の両端部に一対となって取り付けられているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、回動部材30が、支持部材10の長尺方向の中央部に1つ取り付けられていても良いし、支持部材の長尺方向において所定の間隔を空けて複数取り付けられていても良い。
【0035】
上記実施形態では、主として本発明に係る建築用部材仮置き具に関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
1 仮置き具(建築用部材仮置き具)
10 支持部材
11 本体部
12 端部プレート
13 ナット部材
20 回動軸
30 回動部材
31 貫通穴
32 係合穴部(係合部)
40 キャスター
41 キャスター本体
42 車軸
43 車輪
50 規制部材
60 回転用治具
B 建築用部材
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C