(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057522
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】床レベル測定装置及び床レベル測定プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 7/04 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
G01C7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165824
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】野村 勇樹
(57)【要約】
【課題】建物の床レベルを効率良く、精度良く測定可能な床レベル測定装置を提供する。
【解決手段】床レベル測定装置1は、建物の床を走行し、床レベルを測定する装置であって、閉路からなる走行経路の情報を取得する経路情報取得部と、走行経路上において複数の測定ポイントを決定する測定ポイント決定部と、測定ポイントにおいて床レベルを測定する床レベル測定部と、測定ポイントにおける床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出する床レベル補正部とを備えている。測定ポイント決定部は、繰り返し通る所定地点を基準地点とし、基準地点を基準測定ポイントとして決定する。床レベル測定部は、基準測定ポイントを繰り返し通るときにも床レベルを測定することとする。床レベル補正部は、基準測定ポイントにおける複数の床レベルの測定結果が等しくなるように補正し、補正後の床レベルを算出する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の床を走行経路に沿って走行し、床レベルを測定する床レベル測定装置であって、
閉路からなる前記走行経路の情報を取得する経路情報取得部と、
前記走行経路上において複数の測定ポイントを決定する測定ポイント決定部と、
前記測定ポイントにおいて前記床レベルを測定する床レベル測定部と、
前記測定ポイントにおける前記床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出する床レベル補正部と、を備え、
前記測定ポイント決定部は、前記走行経路において繰り返し通る所定地点を基準地点とし、前記基準地点を基準測定ポイントとして決定し、
前記床レベル測定部は、前記基準測定ポイントにおいて、前記基準測定ポイントを繰り返し通るときにも前記床レベルを測定することとし、
前記床レベル補正部は、前記基準測定ポイントにおける複数の前記床レベルの測定結果が等しくなるように補正して、前記補正後の床レベルを算出することを特徴とする床レベル測定装置。
【請求項2】
前記測定ポイント決定部は、
前記走行経路において所定の間隔毎に前記測定ポイントを決定し、かつ、
同じ地点となる走行開始地点及び走行終了地点を前記基準測定ポイントとして決定し、
前記床レベル補正部は、前記走行開始地点における前記床レベルの測定結果と、前記走行終了地点における前記床レベルの測定結果とが等しくなるように補正して、前記補正後の床レベルを算出することを特徴とする請求項1に記載の床レベル測定装置。
【請求項3】
前記床レベル測定装置は、傾斜センサを搭載した装置であって、
前記床レベル測定部は、
前記床レベル測定装置の進行方向に対する装置本体の傾斜角度を測定し、
前記装置本体の傾斜角度に基づいて、前記測定ポイントにおける前記床レベルを測定していることを特徴とする請求項1又は2に記載の床レベル測定装置。
【請求項4】
前記床レベル測定装置は、複数の距離センサを搭載した装置であって、
前記床レベル測定部は、
前記床レベル測定装置の進行方向において装置本体の前方部分と、前記装置本体の後方部分とにおける前記床との高さ距離をそれぞれ測定し、
それぞれの前記床との高さ距離に基づいて、前記測定ポイントにおける前記床レベルを測定していることを特徴とする請求項1又は2に記載の床レベル測定装置。
【請求項5】
前記経路情報取得部は、複数の閉路からなる前記走行経路の情報を取得し、
前記測定ポイント決定部は、前記走行経路上において前記閉路毎に前記基準地点を設定し、前記基準地点を前記基準測定ポイントとして決定し、
前記床レベル補正部は、前記閉路毎に前記測定ポイントにおける前記床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の床レベル測定装置。
【請求項6】
建物の床を走行経路に沿って走行し、床レベルを測定する床レベル測定装置としてのコンピュータに、
閉路からなる前記走行経路の情報を取得する経路情報取得処理と、
前記走行経路上において複数の測定ポイントを決定する測定ポイント決定処理と、
前記測定ポイントにおいて前記床レベルを測定する床レベル測定処理と、
前記測定ポイントにおける前記床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出する床レベル補正処理と、を実行させ、
前記測定ポイント決定処理では、前記走行経路において繰り返し通る所定地点を基準地点とし、前記基準地点を基準測定ポイントとして決定することとし、
前記床レベル測定処理では、前記基準測定ポイントにおいては、前記基準測定ポイントを繰り返し通るときにも前記床レベルを測定することとし、
前記床レベル補正処理では、前記基準測定ポイントにおける複数の前記床レベルの測定結果が等しくなるように補正して、前記補正後の床レベルを算出することを特徴とする床レベル測定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床レベル測定装置及び床レベル測定プログラムに係り、特に、建物の床を走行経路に沿って走行し、床レベルを測定する床レベル測定装置及び床レベル測定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物を建築するにあたって建物の床レベルを測定し、床レベルの施工精度を管理することが行われている。
建物の床レベルを測定する方法としては、作業者が測量機器を用いて測定する方法、3次元レーザースキャナーを用いて自動測定する方法、測量機器及び自律走行ロボットを用いて自動測定する方法等が挙げられる。
【0003】
そうしたなかで、近年、無人搬送車を利用した物流倉庫の自動化、大型化が急速に進められており、物流倉庫のような大型建物の床レベルを効率良く、精度良く、可能な限りコストを要さずに測定することが可能な技術が望まれている。
詳しく述べると、従来のように作業者が測量機器を用いて測定する方法では、精度良く床レベルを測定することはできるものの、作業者が掛かりきりで測定、記録する必要があって効率良く測定することができず、作業コストも高くなってしまう。また、3次元レーザースキャナーを用いた自動測定方法では、効率良く測定できるものの、測定誤差が比較的大きく、導入コストも高くなってしまう。
また、測量機器及び自律走行ロボットを用いた自動測定方法では、比較的精度良く測定できるものの、導入コストが高くなってしまう。そして、幾分効率良く測定できるものの、建物の構造によっては、測量機器と自立走行ロボットの間で柱が干渉してしまうため、測量機器の盛替え作業が必要とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の自律移動ロボットは、傾斜センサや距離センサを搭載しており、当該ロボットの前方にある床面の段差を検出し、床面の段差が基準量を越えた場合には走行不能と判定して停止する構成となっている。
そのため、自律移動ロボットが走行不能な領域に進入することを防止することができ、ロボットの転倒や衝突による故障を回避することができる。
【0006】
例えば、上記のような傾斜センサ(距離センサ)を搭載した移動ロボットを応用することで、建物の床レベルをより効率良く、精度良く測定することが可能な新規の床レベル測定装置を実現することが求められていた。
また、可能な限りコストを要さずに建物の床レベルを測定することが可能な床レベル測定装置が求められていた。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、建物の床レベルを効率良く、精度良く測定することが可能な新規の床レベル測定装置及び床レベル測定プログラムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、可能な限りコストを要さずに建物の床レベルを測定することが可能な床レベル測定装置及び床レベル測定プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明の床レベル測定装置によれば、建物の床を走行経路に沿って走行し、床レベルを測定する床レベル測定装置であって、閉路からなる前記走行経路の情報を取得する経路情報取得部と、前記走行経路上において複数の測定ポイントを決定する測定ポイント決定部と、前記測定ポイントにおいて前記床レベルを測定する床レベル測定部と、前記測定ポイントにおける前記床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出する床レベル補正部と、を備え、前記測定ポイント決定部は、前記走行経路において繰り返し通る所定地点を基準地点とし、前記基準地点を基準測定ポイントとして決定し、前記床レベル測定部は、前記基準測定ポイントにおいて、前記基準測定ポイントを繰り返し通るときにも前記床レベルを測定することとし、前記床レベル補正部は、前記基準測定ポイントにおける複数の前記床レベルの測定結果が等しくなるように補正して、前記補正後の床レベルを算出すること、により解決される。
【0009】
上記構成により、建物の床レベルを効率良く、精度良く測定することが可能な新規の床レベル測定装置を実現することができる。
詳しく述べると、上記床レベル測定装置が、経路情報取得部と、測定ポイント決定部と、床レベル測定部と、を備えているため、作業者が測定する必要がなく自動測定することができ、床レベルを効率良く測定することができる。
また、床レベル補正部をさらに備えているため、補正した床レベルを算出することで床レベルを精度良く測定することができる。
さらに、従来の測量機器を不要とし、シンプルな構成の床レベル測定装置とすることができるため、可能な限りコストを要さずに床レベルを測定できる。
さらに、測量機器を不要とすることで、測量機器の盛替え作業が不要となるため、より作業効率を高めて床レベルを測定できる。例えば、夜間に無人で走行させておけば、翌朝には建物の床レベルの測定を完了させることも可能である。
なお、「閉路」からなる走行経路としては、単純閉路のほか、途中地点を繰り返し通る閉路や、路同士が交差する閉路等であっても良い。単純閉路の場合には、走行開始地点(走行終了地点)が基準地点となる。
【0010】
このとき、前記測定ポイント決定部は、前記走行経路において所定の間隔毎に前記測定ポイントを決定し、かつ、同じ地点となる走行開始地点及び走行終了地点を前記基準測定ポイントとして決定し、前記床レベル補正部は、前記走行開始地点における前記床レベルの測定結果と、前記走行終了地点における前記床レベルの測定結果とが等しくなるように補正して、前記補正後の床レベルを算出すると良い。
上記構成により、床レベル測定装置が、例えば単純閉路からなる走行経路を走行し、補正後の床レベルを算出することができるため、床レベル測定装置が効率良く走行することができる。
また上記構成により、床レベル補正部が、走行開始地点と、走行終了地点とにおける床レベルの測定結果が等しくなるように補正することで、床レベルをより精度良く測定することができる。詳しく述べると、走行経路を走行している間に蓄積される初期設定の誤差を最適に補正することができ、また走行中の時間経過に伴って発生する温度ドリフトによる測定誤差を補正することもできる。
【0011】
このとき、前記床レベル測定装置は、傾斜センサを搭載した装置であって、前記床レベル測定部は、前記床レベル測定装置の進行方向に対する装置本体の傾斜角度を測定し、前記装置本体の傾斜角度に基づいて、前記測定ポイントにおける前記床レベルを測定していると良い。
上記構成により、傾斜センサを利用したシンプルな構成で、建物の床レベルを効率良く、精度良く測定することが可能な床レベル測定装置を実現することができる。
【0012】
あるいは、前記床レベル測定装置は、複数の距離センサを搭載した装置であって、前記床レベル測定部は、前記床レベル測定装置の進行方向において装置本体の前方部分と、前記装置本体の後方部分とにおける前記床との高さ距離をそれぞれ測定し、それぞれの前記床との高さ距離に基づいて、前記測定ポイントにおける前記床レベルを測定していると良い。
上記構成により、傾斜センサの代わりに距離センサを利用したシンプルな構成で、建物の床レベルを効率良く、精度良く測定可能な床レベル測定装置を実現することもできる。
【0013】
このとき、前記経路情報取得部は、複数の閉路からなる前記走行経路の情報を取得し、前記測定ポイント決定部は、前記走行経路上において前記閉路毎に前記基準地点を設定し、前記基準地点を前記基準測定ポイントとして決定し、前記床レベル補正部は、前記閉路毎に前記測定ポイントにおける前記床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出すると良い。
上記構成により、例えば建物の床の大きさに対応させて、床レベル測定装置の走行経路を複数の閉路に設定し、閉路毎に測定ポイントにおける床レベルの測定結果を補正し、補正後の床レベルを算出することができる。その結果、比較的大きな空間における床レベルを測定する場合であっても、当該床レベルを効率良く、精度良く測定することができる。
【0014】
また前記課題は、建物の床を走行経路に沿って走行し、床レベルを測定する床レベル測定装置としてのコンピュータに、閉路からなる前記走行経路の情報を取得する経路情報取得処理と、前記走行経路上において複数の測定ポイントを決定する測定ポイント決定処理と、前記測定ポイントにおいて前記床レベルを測定する床レベル測定処理と、前記測定ポイントにおける前記床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出する床レベル補正処理と、を実行させ、前記測定ポイント決定処理では、前記走行経路において繰り返し通る所定地点を基準地点とし、前記基準地点を基準測定ポイントとして決定することとし、前記床レベル測定処理では、前記基準測定ポイントにおいては、前記基準測定ポイントを繰り返し通るときにも前記床レベルを測定することとし、前記床レベル補正処理では、前記基準測定ポイントにおける複数の前記床レベルの測定結果が等しくなるように補正して、前記補正後の床レベルを算出することを特徴とする床レベル測定プログラムによっても解決される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の床レベル測定装置及び床レベル測定プログラムによれば、建物の床レベルを効率良く、精度良く測定することが可能となる。
また、可能な限りコストを要さずに建物の床レベルを測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態の床レベル測定システムの構成図である。
【
図2】床レベル測定装置、オペレータ端末のソフト構成図である。
【
図5】床レベル測定部による処理を説明する図である。
【
図6A】床レベル補正部による処理を説明する図である。
【
図6B】補正値を求める計算式を説明する図である。
【
図7】本実施形態の床レベル測定プログラムの処理を示すフロー図である。
【
図8A】第2実施形態の床レベル測定装置の斜視図である。
【
図8B】別の角度から見たときの床レベル測定装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態について
図1-
図8A、Bを参照して説明する。
本実施形態は、建物の床を走行経路に沿って走行し、床レベルを測定する床レベル測定装置であって、閉路からなる走行経路の情報を取得する経路情報取得部と、走行経路上において複数の測定ポイントを決定する測定ポイント決定部と、測定ポイントにおいて床レベルを測定する床レベル測定部と、測定ポイントにおける床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出する床レベル補正部とを備えており、上記測定ポイント決定部は、走行経路において繰り返し通る所定地点を基準地点とし、当該基準地点を基準測定ポイントとして決定し、上記床レベル測定部は、基準測定ポイントにおいて、基準測定ポイントを繰り返し通るときにも床レベルを測定することとし、上記床レベル補正部は、基準測定ポイントにおける複数の床レベルの測定結果が等しくなるように補正して、補正後の床レベルを算出することを主な特徴とする床レベル測定装置の発明に関するものである。
【0018】
本実施形態の床レベル測定装置1を含む床レベル測定システムSの構成を
図1に示す。
床レベル測定システムSは、建物の所定空間における床を所定の走行経路に沿って走行し、床レベルを測定する床レベル測定装置1と、床レベル測定装置1とネットワークを通じて接続され、床レベル測定装置1へ所定の走行経路に沿って走行させ、床レベルの測定作業を実行させるためのプログラムやデータを送信するオペレータ端末1000と、から主に構成されている。
「床レベルの測定作業」とは、例えば、建物の施工現場において床全体の床レベルを測定するために所定の間隔毎に測定ポイントを決定し、当該測定ポイントにおける床レベルを測定し、当該測定結果を図面に記録する作業である。そして、全ての測定結果が基準範囲内に収まっているか否かを確認する。
【0019】
床レベル測定装置1は、建物の床を自律移動し、自己位置を推定しながら床レベルの測定を行うロボットであって、オペレータ端末1000と情報データ通信を行い、オペレータ端末1000に記憶されている最新のプログラムやデータを読み込んで記憶しておくことができる。
「自己位置推定」とは、装置自身が現在どの場所にいるのか、どちらの方向を向いているのか、またはどれぐらいの速度で走行しているのか等、現在の装置の状態を各種センサ(例えば、ライダー)のデータから推定することを意味する。
床レベル測定装置1は、
図1に示すように、装置本体2と、走行ユニット3と、駆動ユニット4と、ライダー5と、傾斜センサ6と、プロセッサー7と、バッテリー8と、から主に構成されている。
【0020】
走行ユニット3は、装置本体2の下方に取り付けられており、床レベル測定装置1を2次元方向に移動させるための複数の車輪と、補助車輪とから主に構成されている。そして、駆動ユニット4から駆動動力を受けて回転することで、床レベル測定装置1を移動させることができる。
駆動ユニット4は、走行ユニット3を駆動させるための駆動モーターであって、装置本体2の下方に取り付けられており、プロセッサー7から受信した駆動命令に基づいて動作するものである。
【0021】
ライダー5は、照射方向を連続的に変化させながらレーザー光を照射し、対象部位からの反射光を受光することで、当該対象部位までの距離を測定し、2次元又は3次元の空間イメージングを行うレーザーレーダーである。
ライダー5は、装置本体2の上面に取り付けられており、ライダー5を利用することで、床レベル測定装置1の自己位置を推定することができる。
傾斜センサ6は、重力に基づいて対象物の勾配や傾斜角度を測定するセンサであって、装置本体2の上面の中央部に取り付けられており、床レベル測定装置1の進行方向に対する装置本体2の傾斜角度を測定することができる。
【0022】
プロセッサー7は、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM、RAM、及びHDDと、ホームネットワーク又はインターネットを通じて情報データの送受信を行う通信用インタフェースとを主に備えたものであって、装置本体2の上面に取り付けられている。
これらROM、HDD、及び外部記憶装置には、
図2に示すように、コンピュータとして必要な機能を果たすメインプログラムに加えて、床レベル測定プログラムが記憶されており、これらプログラムがCPUによって実行されることにより、床レベル測定装置1の機能が発揮されることになる。
バッテリー8は、駆動ユニット4、ライダー5、傾斜センサ6及びプロセッサー7と電気的に接続され、これら構成部品に電気を供給する板状の蓄電池であって、装置本体2の上面に取り付けられている。
【0023】
<床レベル測定装置1のソフト構成>
床レベル測定装置1は、
図2に示すように、機能面から説明すると、「図面データ」、「走行経路データ」のほか、各種プログラム及び各種データをオペレータ端末1000から読み込んで一時的に記憶しておく記憶部10と、閉路からなる走行経路の情報を取得する経路情報取得部11と、当該走行経路上において複数の測定ポイントを決定する測定ポイント決定部12と、当該測定ポイントにおいて床レベルを測定する床レベル測定部13と、当該測定ポイントにおける床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出する床レベル補正部14と、補正後の床レベルの算出結果を出力する床レベル出力部15と、を構成要素として備えている。
これらは、CPU、ROM、RAM、HDD、通信用インタフェース、及び各種プログラム等によって構成されている。
なお、オペレータ端末1000についても機能面から説明すると、各種プログラム及び各種情報データを保持して格納しておく記憶部1010と、床レベル測定装置1に向けて最新のプログラム及びデータを発信するデータ発信部1011と、データ受信部1012と、を主な構成要素として備えている。
【0024】
記憶部10に記憶される「図面データ」とは、
図3に示すように、2次元形状の設計図データであって、例えば、建物B内の部屋毎に作成されており、かつ、施工段階毎にそれぞれ作成されるものである。
「部屋」とは、建物B内において壁や間仕切り等によって隔てられた一空間を意味するほか、一空間又は複数の空間からなるフロア等を意味するものであっても良い。
なお、本実施例では建物Bの2次元形状を示す図面データを想定しているが、特に限定されることなく、3次元形状を示す図面データ、例えば建物のBIM(Building Information Modeling)データであっても良い。
【0025】
図3に示す「図面データ」には、床レベルの測定結果の情報が出力表示される。
詳しく述べると、建物B内の部屋毎に決められた「走行経路」の情報と、走行経路上において決定された「測定ポイント」の情報と、当該測定ポイントにおける「補正後の床レベル算出結果」の情報とが、それぞれ出力表示される。
【0026】
「走行経路データ」とは、
図4に示すように、床レベル測定装置1の走行経路を示すデータであって、例えば、建物B内の部屋毎に作成されるものである。
「走行経路」は、閉路からなる走行経路であって、部屋(部屋の床B1)の大きさに対応させて単数又は複数の閉路からなる走行経路が設定されることになる。
【0027】
図4に示す「走行経路データ」には、「走行経路」の情報と、走行経路上において決定された「測定ポイント」の情報とが含まれている。
具体的には、「走行経路」の情報として、計4カ所の矩形状の閉路が設定されており、各閉路が互いに間隔を空けて配置されており、各閉路の隅部が走行開始地点及び走行終了地点として設定されている。
詳しく述べると、建物Bの部屋にある柱B2に近接した位置が、閉路1の走行開始地点(走行終了地点)として設定されており、閉路1の走行が終了した後、閉路2、閉路3、閉路4の順に床レベル測定装置1が走行することになる。
このとき、床レベル測定装置1の走行距離を短くするために、閉路2の走行開始地点が閉路1に近接した隅部に設定されている。同様にして、閉路3、閉路4の走行開始地点(走行終了地点)が設定されている。
なお、
図4の本実施例では、閉路1、2が約5m×約1mの大きさであって、閉路3、4が約4m×約1mの大きさであって、閉路1と閉路2、閉路3と閉路4の間隔がそれぞれ約1mとなるように設定されている。
【0028】
また、「測定ポイント」の情報として、走行経路上の各閉路において所定の間隔毎に測定ポイントが決定されている。また、走行経路上の各閉路において同じ地点となる走行開始地点及び走行終了地点に「基準測定ポイント」が決められている。
なお、
図4の本実施例では、約0.5mの間隔毎に測定ポイントが決められている。
【0029】
経路情報取得部11は、オペレータ端末1000から、測定対象となる部屋の「走行経路データ」を取得するものであって、取得された走行経路データは、建物Bの部屋毎に分類されて記憶部10に記憶される。
【0030】
測定ポイント決定部12は、
図4に示すように、所定の走行経路上において所定の間隔毎に「測定ポイント」を決定し、かつ、同じ地点となる走行開始地点及び走行終了地点を「基準測定ポイント」として決定するものである(
図4に示す黒丸が基準測定ポイントに相当する)。
詳しく述べると、測定ポイント決定部12は、床レベル測定装置1の全長L(mm)に対応させて、走行開始地点から長さLmm毎に測定ポイントを決定している。
なお、所定の走行経路が、複数の閉路からなる走行経路である場合には、測定ポイント決定部12は、閉路毎に「基準測定ポイント」を決定する。
【0031】
床レベル測定部13は、
図5に示すように、測定ポイントにおいて床レベルを測定し、基準測定ポイントにおいては、基準測定ポイントを繰り返し通るときにも床レベルを測定するものである。
詳しく述べると、床レベル測定部13は、まず走行開始地点において床レベルを測定し、走行開始地点から所定の間隔毎に決められた測定ポイントにおいて床レベルを測定し、最後に走行終了地点(走行開始地点と同じ地点)において床レベルを測定するものである。
床レベルの具体的な測定方法について以下、詳しく説明する。
【0032】
床レベル測定部13は、具体的な機能部として、傾斜角度測定部13aと、床レベル演算部13bと、を有している。
傾斜角度測定部13aは、
図5の左側に示すように、走行開始地点(基準測定ポイント)から測定ポイント2までの「傾斜角度(1)」を測定するものである。なお、基準測定ポイントが測定ポイント1に相当する。
具体的には、床レベル測定装置1が、基準測定ポイント及び測定ポイント2上に位置するように配置された状態で、傾斜センサ6を利用して床レベル測定装置1の進行方向に対する「傾斜角度」を測定することで、上記傾斜角度(1)を求めることができる。
なお、床レベル測定装置1の全長Lが約500mmであって、当該全長Lに対応させて各測定ポイントの間隔も約500mmに設定されている。
そして、傾斜角度測定部13aは、床レベル測定装置1の走行経路に合わせて、測定ポイント2から測定ポイント3までの「傾斜角度(2)」、測定ポイント3から測定ポイント4までの「傾斜角度(3)」と順番に測定していく。そして、測定ポイント20から走行終了地点(基準測定ポイント)までの「傾斜角度(20)」を測定して終了する。
図5の左側に示す実施例を見ると、傾斜角度(1)の測定結果が-0.18°であって、傾斜角度(2)の測定結果が-0.01°であることが分かる。
【0033】
床レベル演算部13bは、
図5の右側に示すように、走行開始地点(基準測定ポイント)の床レベルを0.0mmと設定した上で、傾斜角度測定部13aによって測定された各傾斜角度(1)~(20)から、各測定ポイント1~21の床レベルを演算するものである。
詳しく述べると、走行開始地点(基準測定ポイント)から各傾斜角度(1)~(20)を積分していくことで各測定ポイント1~21の床レベルを演算する。
具体的には、測定ポイントn+1番目の「床レベルh
n+1」は、以下の数式1によって求められる。
【数1】
Lは床レベル測定装置1の全長(mm)を示し、θ
nはn番目の傾斜角度(°)を示す。
本実施例では、床レベルh
1=0.0mm、全長L=500mmに設定されている。
【0034】
図5の右側に示す実施例を見ると、基準測定ポイント(測定ポイント1)の床レベルが0.0mm、測定ポイント2の床レベルが0.3mmであることがわかる。また、基準測定ポイント(測定ポイント21)の床レベルが-38.4mmであることも分かる。
【0035】
図5に示す床レベルの測定結果は、床レベル測定装置1が走行している間に蓄積される初期設定の誤差や、走行中の時間経過に伴って発生する温度ドリフトによる測定誤差等によって真の床レベルの測定結果とはなっていない。
詳しく述べると、基準測定ポイント(測定ポイント1)の床レベルと、基準測定ポイント(測定ポイント21)の床レベルとの測定結果が本来であれば同じとなるものである。
そこで、これら床レベルの測定結果を補正し、真の床レベルを求める必要がある。
【0036】
床レベル補正部14は、
図6Aに示すように、各測定ポイントにおける床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出するものである。
詳しく述べると、床レベル補正部14は、走行開始地点(測定ポイント1)における床レベルの測定結果と、走行終了地点(測定ポイント21)における床レベルの測定結果とが等しくなるように補正して、補正後の床レベルを算出する。
【0037】
具体的には、傾斜角度測定部13aによって測定された各測定ポイントの傾斜角度(1)~(20)それぞれに対し「補正値c」を加算する。
図6Aの左側に示す実施例を見ると、「補正値c」が0.22°となっており、傾斜角度(1)の測定結果が-0.18°から+0.04°に補正されていることが分かる。
【0038】
そして、
図6Aの右側に示すように、床レベル演算部13bによる演算処理と同様に、走行開始地点(基準測定ポイント)の床レベルを0.0mmと設定した上で、補正後の傾斜角度(1)~(20)から、各測定ポイント1~21の床レベルを演算することで、補正後の床レベルを算出する。
具体的には、測定ポイントn+1番目の「補正後の床レベルh
n+1」は、以下の数式2によって求められる。
【数2】
cは補正値(°)を示す。
【0039】
図6Aの右側に示す実施例を見ると、基準測定ポイント(測定ポイント1)の補正後の床レベルが0.0mm、測定ポイント2の補正後の床レベルが-1.6mmから+0.3mmに補正されていることがわかる。
【0040】
本実施例において補正値cを求める方法は、以下の通りである(
図6B参照)。
「補正処理のルール」
本走行経路では、測定ポイント21番目に測定開始地点に戻る。
測定ポイント1番目と、測定ポイント21番目の数値が同じになるように補正値cを加算する。
「数値定義」
補正値:c
測定間隔=装置長さ:L(本実施例では500mm)
測定ポイントの番号:n
一閉路の測定ポイント数:m(本実施例では21)
n番目の傾斜角度:θ
n
測定開始地点の床レベル:h
1(本実施例では0.0mm)
「補正値の計算式」
測定ポイントn+1番目の床レベルh
n+1の数式
【数3】
補正値cの数式測定ポイントn+1番目の床レベルh
n+1の数式
【数4】
【0041】
上記のように、床レベル補正部14が、走行開始地点と、走行終了地点とにおける床レベルの測定結果が等しくなるように補正することで、床レベルを精度良く測定することができる。
詳しく述べると、走行経路を走行している間に蓄積される初期設定の誤差や、走行中の時間経過に伴って発生する温度ドリフトによる測定誤差等を補正することができる。
【0042】
床レベル出力部15は、床レベル補正部14によって算出された「補正後の床レベルの算出結果」をデータ出力するものである。
詳しく述べると、床レベル出力部15は、
図3に示すように、「図面データ」に補正後の床レベルの算出結果の情報を出力表示する。
その結果、「図面データ」には、床レベル測定装置1によって求められた真の床レベルの測定結果が反映されることになる。
なお、床レベル出力部15によるデータ出力の方法は、上記図面データへの出力に限定されることなく、オペレータ端末1000に向けてデータ出力しても良いし、不図示の印刷装置を用いて上記床レベルの測定結果を印刷することとしても良い。
【0043】
<床レベル測定プログラム>
次に、床レベル測定装置1で実行される床レベル測定プログラムの処理について、
図7
に基づいて説明する。
本実施形態の上記プログラムは、記憶部10を備えた床レベル測定装置1の機能的な構成要素として、上述した経路情報取得部11と、測定ポイント決定部12と、床レベル測定部13と、床レベル補正部14と、床レベル出力部15と、不図示の移動制御部と、を実現させるために各種プログラムを集約させたユーティリティプログラムであって、床レベル測定装置1のCPUがこの床レベル測定プログラムを実行する。
なお、上記プログラムは、作業者から作業の指示を受け付けて実行されるものである。
【0044】
図7に示す「床レベル測定処理フロー」では、まず、経路情報取得部11が、測定対象となる建物の床における走行経路の情報を取得するステップ1(ST01)から始まる。
具体的には、オペレータ端末1000から、測定対象となる建物の部屋の「走行経路データ」を取得する(
図4参照)。「走行経路データ」は、建物の部屋毎に分類されて記憶部10に記憶される。
【0045】
次に、ステップ2で、測定ポイント決定部12が、取得した走行経路データを参照して、走行経路上において所定の間隔毎に「測定ポイント」を決定し、かつ、同じ地点となる走行開始地点及び走行終了地点を「基準測定ポイント」として決定する(
図4参照)。
そして、ステップ3で、不図示の移動制御部の制御によって、床レベル測定装置1が基準測定ポイントまで移動する。
このとき、床レベル測定装置1の後輪が基準測定ポイント上に配置され、床レベル測定装置の前輪が測定ポイント1上に配置されることになる。
【0046】
次に、ステップ4で、床レベル測定部13が、測定ポイントにおいて床レベルを測定し、基準測定ポイントにおいては、基準測定ポイントを繰り返し通るときにも床レベルを測定する。
具体的には、床レベル測定装置1が単純閉路からなる走行経路上を1周することで、床レベル測定部13が、基準測定ポイント(測定開始地点)、各測定ポイント、基準測定ポイント(測定終了地点)の順に床レベルを測定する(
図4、
図5参照)。
【0047】
次に、ステップ5で、床レベル補正部14が、各測定ポイントにおける床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出する。
具体的には、
図6A、Bに示すように、走行開始地点(測定ポイント1)における床レベルの測定結果と、走行終了地点(測定ポイント21)における床レベルの測定結果とが等しくなるように補正して、補正後の床レベルを算出する。
最後に、ステップ6で、床レベル出力部15が、「補正後の床レベルの算出結果」をデータ出力する。
具体的には、
図3に示すように、「図面データ」に補正後の床レベルの算出結果の情報を出力表示する。
【0048】
上記ステップ1からステップ6を経て
図7のプロセスを終了する。
上記の床レベル測定プログラムの処理フローにより、建物の床レベルを効率良く、精度良く測定することが可能となる。また、可能な限りコストを要さずに建物の床レベルを測定することが可能となる。
【0049】
<床レベル測定装置の第2実施形態>
次に、床レベル測定装置の第2実施形態について、
図8A、Bに基づいて説明する。
なお、上述した床レベル測定装置1と重複する内容は説明を省略する。
【0050】
第2実施形態の床レベル測定装置101は、建物の床に取り付けられた磁気テープTを検出し、当該磁気テープTに沿って走行し、床レベルの測定を行うロボットである。
床レベル測定装置101は、装置本体102と、走行ユニット103と、駆動ユニット104と、磁気検出センサ105と、複数の距離センサ106と、プロセッサー107と、バッテリー108と、から主に構成されている。
【0051】
磁気検出センサ105は、磁気テープTを検出することで床レベル測定装置101を誘導し、所定の走行経路に沿って走行させるための磁気誘導用センサであって、装置本体の上面に取り付けられている。
距離センサ106は、レーザー光を照射し、対象部位からの反射光を受光することで、当該対象部位までの距離を測定するレーザーセンサである。
距離センサ106は、装置本体102の底面にジンバル(水平状態保持器)を介して取り付けられており、床レベル測定装置101の進行方向に所定の間隔を空けて一対に設けられている。
前側の距離センサ106は、装置本体102の前方部分と床の高さ距離d1を測定し、後ろ側の距離センサ106は、装置本体102の後方部分と床の高さ距離d2を測定する。
2つの距離センサ106を利用することで、床レベル測定装置101が、それぞれの床との高さ距離d1、d2の差分から、装置本体102の傾斜角度を測定することができる。
【0052】
上記構成であっても、床レベル測定装置1と同様に、補正した床レベルを算出することで床レベルを精度良く測定することができる。また、建物の床レベルを効率良く測定することができ、よりコストを要さずに建物の床レベルを測定することができる。
なお、床レベル測定装置101では、2つの距離センサ106を利用することで、床レベル測定装置1と同様に装置本体102の傾斜角度を測定することとしている。一方で、2つの距離センサ106の間隔を例えば500mmに設定することで、傾斜角度から床レベルを演算することなく、各測定ポイントの床レベルを直接測定することも可能である。
【0053】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、
図4に示すように、測定ポイント決定部12が、走行経路において所定の間隔毎に測定ポイントを決定しているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、建物の部屋及び床の形状、大きさに応じて測定ポイントを決定することとしても良い。
具体的には、床の四隅及び中央部においては間隔を狭めながら測定ポイントを決定し、その他の床部分については間隔を広げて測定ポイントを決定する等調整しても良い。
【0054】
上記実施形態では、
図4に示すように、測定ポイント決定部12が、走行経路上において走行開始地点(走行終了地点)を基準測定ポイントとして決定しているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、途中地点を繰り返し通る閉路や、路同士が交差する閉路からなる走行経路の場合には、走行経路上において繰り返し通る任意の地点を基準地点とし、当該基準地点を基準測定ポイントとして決定しても良い。
【0055】
上記実施形態では、
図6A、Bに示すように、床レベル補正部14が、一閉路毎に測定ポイントにおける床レベルの測定結果を補正して、補正後の床レベルを算出しているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、
図4に示す走行経路の場合において、閉路1、2をまとめたものを一閉路として床レベルの測定結果を補正しても良い。
具体的には、閉路1で求められた補正値を、閉路1及び閉路2で測定された床レベルの測定結果に適用させても良い。そうすることで、床レベル測定装置1の走行距離を幾分短くすることができ、より効率良く床レベルを測定できる。
一方で、本実施形態のように、床レベル補正部14が、一閉路毎に床レベルの測定結果を補正したほうが、より精度高く床レベルを測定することができる。
なお、
図4に示す走行経路の場合には、閉路1と閉路2の間に中間測定ポイントが存在する。当該中間ポイントにおける床レベルの測定結果には、閉路1で求められた補正値を適用させると良い。
【0056】
上記実施形態では、
図1に示すように、床レベル測定装置1が、傾斜センサ6を備えた構成となっているが、傾斜センサ6に限定されることなく変更可能である。
例えば、傾斜センサ6の代わりに
図8A、Bに示す距離センサ106を利用しても良いし、ジャイロセンサ(加速度センサ)、磁気センサ等の各種センサを利用しても良い。
また、床レベル測定装置1が、ライダー5を備えているが、ライダー5の代わりに
図8A、Bに示す磁気検出センサ105を利用しても良いし、その他のセンサを利用しても良い。
【0057】
上記実施形態では、主として本発明に係る床レベル測定装置及び床レベル測定プログラムに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0058】
S 床レベル測定システム
1、101 床レベル測定装置
2、102 装置本体
3、103 走行ユニット
4、104 駆動ユニット
5 ライダー
6 傾斜センサ
7、107 プロセッサー
8、108 バッテリー
10 記憶部
11 経路情報取得部
12 測定ポイント決定部
13 床レベル測定部
13a 傾斜角度測定部
13b 床レベル演算部
14 床レベル補正部
15 床レベル出力部
105 磁気検出センサ
106 距離センサ
1000 データサーバー
1010 記憶部
1011 データ発信部
1012 データ受信部
B 建物
B1 床
B2 柱
T 磁気テープ