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特開2022-57540バイオフィードバックシステム、バイオフィードバック方法、及び、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057540
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】バイオフィードバックシステム、バイオフィードバック方法、及び、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/389 20210101AFI20220404BHJP
【FI】
A61B5/04 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165854
(22)【出願日】2020-09-30
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和二年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、研究成果展開事業、センター・オブ・イノベーションプログラム『運動の生活カルチャー化により活力ある未来をつくるアクティブ・フォー・オール拠点』委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】岡田 志麻
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝英
(72)【発明者】
【氏名】小林 達矢
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA04
4C127BB03
4C127DD07
4C127GG15
4C127HH06
4C127JJ03
(57)【要約】
【課題】運動負荷以外の要素も考慮してユーザの運動に基づく出力を行うバイオフィードバックシステムを提供する。
【解決手段】バイオフィードバックシステム100は、ユーザの筋電を測定する筋電センサ30から入力される筋電信号を用いた演算を実行するバイオフィードバックシステムであって、演算は、入力された筋電信号と他の信号とに基づき、ユーザの運動に応じた出力信号を生成する、ことを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの筋電を測定する筋電センサから入力される筋電信号を用いた演算を実行するバイオフィードバックシステムであって、
前記演算は、
前記入力された筋電信号と他の信号とに基づき、前記ユーザの運動に応じた出力信号を生成する、ことを含む
バイオフィードバックシステム。
【請求項2】
前記他の信号は、前記ユーザの身体の部位の形状の検出結果に基づく信号を含む
請求項1に記載のバイオフィードバックシステム。
【請求項3】
前記部位の形状は、前記部位の角度を含む
請求項2に記載のバイオフィードバックシステム。
【請求項4】
前記他の信号は、特定のリズムを示す信号を含む
請求項1に記載のバイオフィードバックシステム。
【請求項5】
出力データごとに出力条件を予め規定しておき、
前記出力条件は、前記ユーザの動作タイミングの判定基準である前記筋電信号の値の閾値と、前記出力データごとに規定された前記特定のリズムからの前記動作タイミングの許容範囲と、を含む
請求項4に記載のバイオフィードバックシステム。
【請求項6】
前記他の信号は、前記ユーザとは異なる第2のユーザの筋電信号を測定する、前記筋電センサとは異なる第2の筋電センサから得られる第2の筋電信号を含む
請求項1に記載のバイオフィードバックシステム。
【請求項7】
出力データごとに出力条件を予め規定しておき、
前記出力条件は、動作タイミングの判定基準である前記筋電信号の値の閾値と、前記出力データごとに規定された前記第2のユーザの前記動作タイミングからの、前記ユーザの前記動作タイミングの許容範囲と、を含む
請求項6に記載のバイオフィードバックシステム。
【請求項8】
前記出力信号は音声出力を行わせる信号を含む
請求項1~6のいずれか一項に記載のバイオフィードバックシステム。
【請求項9】
ユーザの筋電を測定する筋電センサから入力される筋電信号を用いたバイオフィードバック方法であって、
前記入力された筋電信号と他の信号とに基づき、前記ユーザの運動に応じた出力信号を生成する、ことを含む
バイオフィードバック方法。
【請求項10】
コンピュータに、ユーザの筋電を測定する筋電センサから入力される筋電信号を用いた演算を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記演算は、
前記入力された筋電信号と他の信号とに基づき、前記ユーザの運動に応じた出力信号を生成する、ことを含む
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バイオフィードバックシステム、バイオフィードバック方法、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2011-56243号公報(以下、特許文献1)にも開示されているように、筋電信号を用いたバイオフィードバックシステムが知られている。バイオフィードバックシステムで用いられる筋電信号は、皮膚表面に設置された電極を用いて生体から直接検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-56243号公報
【発明の概要】
【0004】
筋電信号の値は、ユーザの運動負荷の測定に用いることができる。しかしながら、運動負荷以外の要素をさらに加えてユーザの運動を評価したい場合もある。
【0005】
本開示は、運動負荷以外の要素も考慮してユーザの運動に基づく出力を行うバイオフィードバックシステム、バイオフィードバック方法、及び、コンピュータプログラムを提供するものである。
【0006】
ある実施の形態に従うと、バイオフィードバックシステムは、ユーザの筋電を測定する筋電センサから入力される筋電信号を用いた演算を実行するバイオフィードバックシステムであって、演算は、入力された筋電信号と他の信号とに基づき、ユーザの運動に応じた出力信号を生成する、ことを含む。
【0007】
他の実施の形態に従うと、バイオフィードバック方法は、ユーザの筋電を測定する筋電センサから入力される筋電信号を用いたバイオフィードバック方法であって、入力された筋電信号と他の信号とに基づき、ユーザの運動に応じた出力信号を生成する、ことを含む。
【0008】
他の実施の形態に従うと、コンピュータプログラムは、コンピュータに、ユーザの筋電を測定する筋電センサから入力される筋電信号を用いた演算を実行させるコンピュータプログラムであって、演算は、入力された筋電信号と他の信号とに基づき、ユーザの運動に応じた出力信号を生成する、ことを含む。
【0009】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係るバイオフィードバックシステムの構成の概略図である。
図2図2は、バイオフィードバックシステムに含まれる演算装置の構成を表した概略ブロック図である。
図3図3は、パルス生成処理を説明するための図である。
図4図4は、音ごとに設定された出力条件を説明するための図である。
図5図5は、第1の実施の形態に係るバイオフィードバックシステムでのバイオフィードバック方法を表したフローチャートである。
図6図6は、第2の実施の形態に係る演算装置での音認識処理を説明するための図である。
図7図7は、第2の実施の形態に係るバイオフィードバックシステムでのバイオフィードバック方法を表したフローチャートである。
図8図8は、第3の実施の形態に係る演算装置での音認識処理を説明するための図である。
図9図9は、第3の実施の形態に係るバイオフィードバックシステムでのバイオフィードバック方法を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1.バイオフィードバックシステム、バイオフィードバック方法、及び、コンピュータプログラムの概要>
【0012】
(1)実施の形態に係るバイオフィードバックシステムは、ユーザの筋電を測定する筋電センサから入力される筋電信号を用いた演算を実行するバイオフィードバックシステムであって、演算は、入力された筋電信号と他の信号とに基づき、ユーザの運動に応じた出力信号を生成する、ことを含む。
【0013】
筋電信号によってユーザの運動負荷が測定される。ここでの運動とは、筋活動を伴う動作を指す。筋電信号と他の信号とに基づき出力信号を識別することによって、運動負荷以外の要素も考慮してユーザの運動に基づく出力を行うことができる。
【0014】
(2)好ましくは、他の信号は、ユーザの身体の部位の形状の検出結果に基づく信号を含む。これにより、運動負荷とユーザの身体の部位の形状とに基づいてユーザの運動に応じた出力を行うことができる。そのため、例えば、適切な運動負荷であり、かつ、適切な部位の形状であるか否か、に基づいた出力が行われる。
【0015】
(3)好ましくは、部位の形状は、部位の角度を含む。これにより、特に適切な角度であるか否か、に基づいた出力が行われる。
【0016】
(4)好ましくは、他の信号は、特定のリズムを示す信号を含む。これにより、運動負荷と特定のリズムとに基づいてユーザの運動に応じた出力を行うことができる。そのため、例えば、適切な運動負荷であること、かつ、特定のリズムとの関係を出力によって知ることができる。
【0017】
(5)好ましくは、出力データごとに出力条件を予め規定しておき、出力条件は、ユーザの動作タイミングの判定基準である筋電信号の値の閾値と、出力データごとに規定された特定のリズムからの動作タイミングの許容範囲と、を含む。これにより、運動負荷と、特定のリズムとに基づいた出力が行われる。
【0018】
(6)好ましくは、他の信号は、ユーザとは異なる第2のユーザの筋電信号を測定する、筋電センサとは異なる第2の筋電センサから得られる第2の筋電信号を含む。これにより、運動負荷と他の筋電センサから得られる筋電信号とに基づいてユーザの運動に応じた出力を行うことができる。そのため、例えば、適切な運動負荷であること、及び、他の筋電センサから得られる筋電信号との関係に基づいた出力が行われる。
【0019】
(7)好ましくは、出力データごとに出力条件を予め規定しておき、出力条件は、動作タイミングの判定基準である筋電信号の値の閾値と、出力データごとに規定された第2のユーザの動作タイミングからの、ユーザの動作タイミングの許容範囲と、を含む。これにより、運動負荷と、ユーザの動作タイミングと第2のユーザの動作タイミングとの関係に基づいた出力が行われる。
【0020】
(8)好ましくは、出力信号は音声出力を行わせる信号を含む。これにより、音声出力によって、運動負荷以外の要素も考慮したユーザの運動に関する情報を知ることができる。
【0021】
(9)実施の形態に係るバイオフィードバック方法は、ユーザの筋電を測定する筋電センサから入力される筋電信号を用いたバイオフィードバック方法であって、入力された筋電信号と他の信号とに基づき、ユーザの運動に応じた出力信号を生成することを含む。これにより、運動負荷以外の要素も考慮してユーザの運動に基づく出力を行うことができる。
【0022】
(10)実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、ユーザの筋電を測定する筋電センサから入力される筋電信号を用いた演算を実行させるコンピュータプログラムであって、演算は、入力された筋電信号と他の信号とに基づき、ユーザの運動に応じた出力信号を生成することを含む。これにより、汎用のコンピュータに(1)~(12)のバイオフィードバックシステムの演算を実行させることができる。
【0023】
<2.バイオフィードバックシステム、バイオフィードバック方法、及び、コンピュータプログラムの例>
【0024】
[第1の実施の形態]
【0025】
本実施の形態に係るバイオフィードバックシステム(以下、システムと略する)100は、被験者の生体情報として、被験者の行っている運動に応じた出力を行う。ここでの運動とは、筋活動を伴う動作であって、筋電信号によって運動負荷が測定されるものを指す。出力は、出力用のデータ(以下、出力データ)を出力することである。出力データは、例えば、音、画像、バイブレーションなどの所定の動作、これらの組み合わせ、などである。また、音は、言葉を音で表現した音声、言葉を伴わないベル音などの音、及び、その組み合わせ、などを含む。
【0026】
運動に応じた出力は、一例として、運動負荷を表す出力である。運動負荷を表す出力は、一例として、目標運動に対する乖離度合の出力であってもよい。乖離度合は、言い換えると、目標運動に対する一致度合でもある。又は、一致度合と乖離度合との両方であってもよい。これにより、ユーザに乖離度合い、又は、一致度合を報知する。
【0027】
目標運動とは、ある運動について、目標とする運動の状態を指す。運動の状態とは、運動量、運動時の姿勢、動作の速度、などである。運動時の姿勢は運動時の身体の形状であって、例えば、ランニング中の上体の角度、スクワット時の膝の角度などである。
【0028】
運動量や運動姿勢などの運動の状態は、特定の筋肉に対して負荷をかける。例えば、ジョギング中の上体が目標とする角度よりも前傾している場合、人体の背面側の負荷が目標とする角度時の負荷よりも高くなる。そのため、背面側の所定位置の筋電信号を上体が前傾していないか否かの判定に用いることができる。動作の速度についても同様に、筋電信号を判定に用いることができる。
【0029】
システム100は、例えば介護施設や保育施設などのケア施設における運動を伴うレクリエーション、音楽教室や特別支援教室などにおける、いわゆるリトミックなどと呼ばれる身体動作による音楽教育、集合又は遠隔で行われるフィットネス、音楽などの特定のリズムに合わせて行うダンスや行進などの動作時、などの運動を伴うシーンに用いられることが想定されている。そのようなシーンにおいて、本システム100は、運動中の被験者の運動と目標運動との一致度合に応じた出力を行う。又は、乖離度合に応じた出力を行ってもよいし、両方に応じてそれぞれの出力を行ってもよい。出力は例えば音声出力であって、一例として、目標運動に一致している場合や、乖離している場合に特定の音声を出力する。又は、一致している場合と乖離している場合とで、それぞれ異なる音声を出力する。
【0030】
図1を参照して、システム100は、筋電を測定する筋電センサ30と、筋電センサ30から入力される筋電信号を用いた演算を実行する演算装置10と、を含む。演算装置10は、例えば、スマートフォンなどの端末装置や、コンピュータなどであってよい。
【0031】
筋電センサ30は、被験者の身体Sに取り付け、取り付けられた部位にて身体Sの筋電を測定する。筋電センサ30は、測定部31と送信部32とを含む。
【0032】
測定部31は、図示しない電極を含む。電極は筋電センサ30の、身体Sに装着時に被検者の測定部位に直接接する外周面に配置される。これにより、身体Sの表面より筋電が測定される。送信部32は、測定結果を含む筋電信号を演算装置10に送信する。好ましくは、送信部32は演算装置10と無線通信を行って筋電信号を送信する。
【0033】
システム100は、さらに、他の信号を演算装置10に入力する装置を含む。第1の実施の形態に係るシステム100では、他の信号を演算装置10に入力する装置は、被験者の身体Sの部位の形状を検出する装置である。身体Sの部位の形状は、例えば、部位の角度である。角度を示す信号を演算装置10に入力する装置として、システム100は、角度センサ50を含む。
【0034】
角度センサ50は、被験者の身体Sに取り付け、取り付けられた部位の角度を測定する。角度センサ50は、測定部51と送信部52とを含む。測定部51での角度の測定方法は特定の方法に限定されない。例えば、角度の変化を静電容量の変化として測定するものであってもよい。送信部52は、測定された角度を示すセンサ信号を演算装置10に送信する。好ましくは、送信部52は演算装置10と無線通信を行ってセンサ信号を送信する。
【0035】
好ましくは、システム100は、さらに、被験者の身体Sに関する測定を行うセンサ70を含む。身体Sに関する測定は、筋電センサ30での筋電の測定に影響する身体Sの環境の測定であって、例えば、身体Sの表面の湿度、温度、粗さなどである。このような環境の条件によって筋電センサ30での筋電の測定が影響を受けるためである。センサ70は、一例として、湿度センサとする。センサ70もまた、測定された湿度を示すセンサ信号を演算装置10に送信する。好ましくは、この送信もまた、無線通信による送信である。
【0036】
演算装置10は、スマートフォンなどの端末装置や、インターネットなどの通信回線を介して接続されるサーバなどである。図2を参照して、演算装置10は、プロセッサ11とメモリ12とを有するコンピュータで構成される。メモリ12は、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。メモリ12は、プロセッサ11によって実行されるプログラム121を記憶している。
【0037】
メモリ12は、さらに、後述するプロセッサ11で実行される処理において用いられる1つまたは複数の閾値を記憶する閾値記憶部122を有している。一例として、閾値記憶部122には、複数の閾値TH1,TH2が記憶されている。また、メモリ12は、後述するプロセッサ11で実行される処理において用いられる条件を記憶する条件記憶部123を有している。
【0038】
演算装置10は、さらに、通信装置13を含む。通信装置13は、筋電センサ30や角度センサ50やセンサ70と通信する。好ましくは、通信装置13はこれらセンサと無線通信する。その場合、通信装置13は、例えば、無線通信モジュールである。通信装置13は、これらセンサから受信したセンサ信号をプロセッサ11に入力する。
【0039】
演算装置10は、さらに、出力装置の一例であるスピーカ14を含む。スピーカ14に替えて、又は加えて、ディスプレイを含んでもよい。また、カメラをさらに含み、カメラがセンサ70として機能してもよい。スピーカ14はプロセッサ11に接続され、プロセッサ11の制御に従って音声出力する。
【0040】
プロセッサ11は、メモリ12に記憶されているプログラム121を実行することで、筋電センサ30から入力される筋電信号を用いた演算を実行する。筋電信号を用いた演算は、筋電信号に基づく音声出力をスピーカ14に行わせる出力信号である音声信号を生成し、スピーカ14に出力させるための演算である。
【0041】
プロセッサ11が実行する演算は、パルス生成処理111を含む。パルス生成処理111は、筋電センサ30から得られる筋電信号の値を、設定された閾値との比較に基づいてパルス信号に変換する処理である。
【0042】
パルス生成処理111について、図3を用いて説明する。パルス生成処理111では、設定された閾値として、閾値記憶部122に記憶されている閾値を読み出して用いられる。具体的には、パルス生成処理111は、筋電センサ30からの筋電信号の値より得られる波形と、閾値記憶部122に記憶されている閾値とを比較し、閾値を超えている期間をオン期間、超えていない期間をオフ期間とすることによって、筋電センサ30から得られる筋電信号の値をパルス信号に変換する。
【0043】
閾値記憶部122に記憶されている閾値は、図2に示されたように、閾値TH1,TH2の複数であってもよい。この場合、パルス生成処理111では、閾値TH1,TH2の少なくとも1つを用いてパルス信号を生成する。以降の説明では、一例として、図3に示されるように、パルス生成処理111は、筋電センサ30からの筋電信号より得られる、波形SGで表されるセンサ値と、閾値記憶部122に記憶されている閾値TH1,TH2それぞれとを比較するものとする。
【0044】
閾値TH1,TH2は、波形Mで表される、目標運動の実行時の筋電信号の値の時間変化に基づいて設定されるものである。一例として、閾値TH1は、図3に示されたように、波形Mのピーク値Pである。閾値TH2は、目標運動の実行時の筋電信号の値に基づいて段階的に設けられており、一例として、閾値TH1の2倍の値である。段階的に複数の閾値が設定されることで、筋電信号によって表される被検者の運動の負荷を段階的に検出できる。
【0045】
なお、他の例として、パルス生成処理111では、閾値TH1,TH2のうちの1つ(例えば閾値TH1のみ)を用いてパルス信号を生成してもよいし、閾値TH1,TH2のうちの2以上を用いて1つの段階的に変化するパルス信号を生成してもよい。
【0046】
パルス生成処理111においてプロセッサ11は、波形Mに対して閾値TH1を用いて、パルス信号PU1を生成する。また、閾値TH2を用いてパルス信号PU2を生成する。パルス信号PU1は、波形Mのうち、閾値TH1を超える期間t11~t12,t13~t14,t15~t16,t17~t18をオン期間、超えない期間t12~t13,t14~t15,t16~t17,t18~t19をオフ期間としたパルス波形である。パルス信号PU2は、波形Mのうち、閾値TH2を超える期間t21~t22,t23~t24,t25~t26,t27~t28をオン期間、超えない期間t22~t23,t24~t25,t26~t27,t28~t29をオフ期間としたパルス波形である。
【0047】
筋電センサ30から入力された筋電信号に基づく波形SGは、一般的に周期ごとの振幅の変化が大きく、最大値などの特定の特徴値の変動が大きい。その点、閾値を用いてパルス信号を生成することで、周期ごとの変動が抑えられる。その結果、波形SGの特徴点を用いるよりも、後述する音識別処理112での判定精度を向上させることができる。
【0048】
プロセッサ11が実行する演算は、音識別処理112を含む。音識別処理112は、パルス信号に変換された筋電信号と他の信号とに基づいて対応する出力データを識別する、つまり、スピーカ14に出力させるべき音を識別する処理である。
【0049】
音識別処理112について、図4を用いて説明する。音識別処理112では、条件記憶部123に記憶されている条件を用いる。条件は、出力データ、つまり、音ごとに規定された出力条件であって、条件記憶部123には、音の識別データごとに出力条件が記憶されている。第1の実施の形態に係るシステム100では、出力条件は被験者の身体Sの部位の形状である。部位の形状は、例えば角度(関節角度)である。図4の例では、音の識別データとして音の名前ごとに、スクワット運動における膝の角度が出力条件として記憶されている。
【0050】
具体的には、図4を参照して、第1の条件C1は、角度α1に対して識別データ「ラ」に相当する440Hzである音の出力データを対応付けている。第2の条件C2は、角度α2に対して識別データ「シ」に相当する493.88Hzである音の出力データを対応付けている。第3の条件C3は、角度α3に対して識別データ「ド」に相当する493.88Hzである音の出力データを対応付けている。なお、角度α1~α3は、それぞれ、1つの角度に限定されず、角度の許容範囲であってもよい。
【0051】
また、条件は1つのみであってもよい。例えば、目標運動とする角度又はその角度の許容範囲のみ、音と対応付けた条件が用意されていてもよい。この場合、目標運動となった場合に音によって通知されることになり、音が出力されないときには目標運動から乖離していることが通知されていることになる。以下の他の実施の形態でも同様である。
【0052】
音識別処理112は、パルス生成処理111で生成されたパルス信号のオン期間に角度センサ50からのセンサ信号に示されるセンシング角度を第1の条件C1~第3の条件C3それぞれに規定される角度又は角度の許容範囲と比較することを含む。音識別処理112においてプロセッサ11は、センシング角度に相当する角度又は含む許容範囲に該当する条件を識別し、その条件に示されている出力データを出力する音と識別する。
【0053】
プロセッサ11が実行する演算は、信号生成処理113を含む。信号生成処理113は、音識別処理112によって識別された出力データである音をスピーカ14に出力させるための音声信号を生成する処理である。
【0054】
プロセッサ11が実行する演算は、出力制御処理114を含む。出力制御処理114は、音識別処理112で識別された音をスピーカ14に出力させる制御を行う処理である。具体的に、出力制御処理114は、信号生成処理113で生成した音声信号をスピーカ14に渡し、音声信号に基づく音出力を指示する処理である。
【0055】
好ましくは、プロセッサ11が実行する演算は、さらに、補正処理115を含む。補正処理115は、被験者の身体Sからセンサ70によって得られる測定値に応じて閾値記憶部122に記憶されている閾値TH1,TH2を補正する処理である。測定値は、一例として、身体S表面の湿度である。
【0056】
補正処理115は、一例として、予め記憶している補正式にセンサ70から得られた湿度を代入することによって補正後の閾値TH1,TH2を得る処理であってもよいし、実験などによって予め得られている湿度と閾値TH1,TH2の補正量との関係に基づいて補正量を得る処理であってもよい。
【0057】
図5を用いて、第1の実施の形態に係るシステム100でのバイオフィードバック方法について説明する。図5のフローチャートに示されるバイオフィードバック方法は、演算装置10のプロセッサ11がプログラム121を実行して各処理111~115を行うことで実現される。
【0058】
本システム100でのバイオフィードバック方法は、一例として介護施設などで被検者の運動を指導する場合に行われるものであって、図1に示されたように被検者の身体Sにセンサ30,50,70を取り付け、スマートフォンなどである演算装置10と通信可能な状態として行われる。演算装置10ではプログラム121が起動され、処理可能な状態となることで図5の処理が開始される。
【0059】
図5を参照して、プログラム121に従う処理を開始すると、プロセッサ11は、筋電センサ30からの筋電信号の入力を受け付ける(ステップS101)。ステップS101は、通信装置13が受信した、筋電センサ30から無線通信で送信される筋電信号を、通信装置13から受け取ることであってもよいし、すでに受け取ってメモリ12に記憶されている筋電信号をメモリ12から読み出すことであってもよい。
【0060】
また、プロセッサ11は、角度センサ50から角度を表すセンサ信号の入力を受け付ける(ステップS103)。角度センサ50からのセンサ信号もまた、メモリ12に記憶されていてもよい。なお、角度センサ50からのセンサ信号は、筋電信号との時間的な関係を示すデータに関連付けられている。一例として、筋電信号と角度センサ50からのセンサ信号とのいずれも、測定時を示すタイムスタンプが付加されている。これにより、後の処理において筋電信号とセンシング角度との時間的な関係を用いることができる。
【0061】
プロセッサ11は、ステップS101で入力した筋電信号からパルス信号を生成する(ステップS107)。ステップS107でのパルス信号の生成は、言い換えると、音を出力させるか否かの第1の判定、つまり、音を出力させる期間とさせない期間との判別に相当する。このとき、プロセッサ11は、閾値記憶部122から記憶されている閾値TH1,TH2を読み出して、図3に示されたように用いる。
【0062】
好ましくは、プロセッサ11は、ステップS107でパルス信号を生成するにあたって、用いる閾値TH1,TH2を、被験者の身体S表面の湿度など、身体Sから測定された値を用いて補正する(ステップS105)。これにより、ステップS107で生成されるパルス信号の精度を向上させることができる。なお、以降の第2、第3の実施の形態に係るバイオフィードバック方法においても、同様に補正を行ってもよい。
【0063】
ステップS107でパルス信号が生成されると、プロセッサ11は、ステップS103で角度センサ50から入力したセンサ信号に示されるセンシング角度を用いて音を識別する(ステップS109)。ステップS109での音の識別は、言い換えると、出力させる音を判定する第2の判定、つまり、出力させる音を決定することに相当する。ステップS109でプロセッサ11は、条件記憶部123に記憶されている条件を読み出して、ステップS107で生成したパルス信号のオン期間において測定されたセンシング角度が許容範囲となっている音を識別する。
【0064】
ステップS109で音が識別されると、プロセッサ11は、識別された音を出力させるための音声信号を生成する(ステップS111)。プロセッサ11、スピーカ14に音声信号を渡して出力を指示することで、スピーカ14からの音出力を行わせる(ステップS113)。
【0065】
以上のバイオフィードバック方法によって本システム100では、被験者の身体Sから得られた筋電信号をパルス信号化して演算に用いることで、筋電信号の値から得られる特徴量を用いるよりも、演算への筋電信号の値の変動の影響を抑えることができる。そのため、筋電信号の値に基づいてユーザの運動に応じた音を出力させることができる。
【0066】
また、以上のバイオフィードバック方法によって本システム100では、筋電信号に加えて身体Sの形状の検出結果に基づいた音を出力することができる。たとえ負荷の高い運動を行っていても、その運動が目標運動とする身体の形状とは異なる場合がある。例えば、図4の例において、スクワット時の目標運動の膝の角度が条件C2で表された角度α2であるとする。この場合、運動の負荷が目標運動の負荷以上で、かつ、膝の角度が角度α2であると、「シ」の音がスピーカ14から出力される。そのため、ユーザは、「シ」の音を聞くことで被検者のスクワットが目標運動に近いことを知ることができる。
【0067】
膝の角度が角度α2より大きかったり(条件C1)、小さかったり(条件C2)する場合、たとえ運動の負荷が目標運動の負荷以上であっても、目標運動の形状から乖離している。その場合、ユーザは、「シ」以外の「ラ」や「ド」の音を聞くことになり、音によって被験者のスクワットが目標運動から乖離していることを知ることができる。
【0068】
[第2の実施の形態]
【0069】
他の信号の他の例として、特定のリズムを示す信号であってもよい。第2の実施の形態に係るシステム100では、演算装置10は、例えば図示しない発振器を含み、又は、接続され、特定のリズムを示す信号の入力を受け付ける。この場合、演算装置10のプロセッサ11は、音識別処理112において、パルス信号のオン期間において、筋電信号から得られる運動のタイミングと、入力された特定のリズムと、に基づいて出力する音を認識する。
【0070】
詳しくは、図6を参照して、プロセッサ11は、音識別処理112において、一例として、パルス生成処理111で生成されたパルス信号のオン期間の開始のタイミングt11、t13、t15、t17を、筋電信号に基づくパルス信号から得られる運動のタイミングとする。プロセッサ11は、得られた上記のタイミングと、入力された特定のリズムに示されるタイミングT1,T2,T3,T4とを比較することによって、それぞれ、時間差s11~s14を得る。
【0071】
この場合、条件記憶部123に記憶されている条件は、音ごとに、特定のリズムに示されるタイミングからの時間差、又は、時間差の許容範囲を規定している。プロセッサ11は、時間差s11~s14に対応した条件によって規定される音を識別する。
【0072】
図7を用いて、第2の実施の形態に係るシステム100でのバイオフィードバック方法について説明する。図7を参照して、プログラム121に従う処理を開始すると、プロセッサ11は、筋電センサ30からの筋電信号の入力を受け付ける(ステップS201)。また、プロセッサ11は、リズム信号の入力を受け付ける(ステップS203)。ステップS203でプロセッサ11は、一例として、演算装置10に搭載された、図示しない発振器からリズム信号の入力を受け付ける。プロセッサ11は、ステップS201で入力した筋電信号からパルス信号を生成する(ステップS207)。
【0073】
第2の実施の形態に係るバイオフィードバック方法では、プロセッサ11は、ステップS207で生成したパルス信号のオン期間の特定のタイミングから、被験者の運動のタイミングを識別する。一例として、運動のタイミングをパルス信号のオン期間の開始時t11、t13、t15、t17とする。
【0074】
ステップS207でパルス信号が生成されると、プロセッサ11は、ステップS203で入力したリズム信号に示されるリズムに基づいて音を識別する(ステップS209)。ステップS209でプロセッサ11は、パルス信号から得られた運動のタイミングと、リズム信号に示されるリズムとを比較して、時間差s11~s14を得る。そして、プロセッサ11は、条件記憶部123に記憶されている条件の音ごとに規定する時間差の許容範囲のうちの、得られた時間差s11~s14を含む許容範囲が規定されている音を識別する。
【0075】
ステップS209で音が識別されると、プロセッサ11は、識別された音を出力させるための音声信号を生成する(ステップS211)。プロセッサ11、スピーカ14に音声信号を渡して出力を指示することで、スピーカ14からの音出力を行わせる(ステップS213)。
【0076】
以上のバイオフィードバック方法によって第2の実施の形態に係るシステム100では、筋電信号に加えて、特定のリズムに対する一致度合に応じて音を出力することができる。この場合の運動としては、例えば、ダンスなどの、音楽に合わせた動きが必要な運動が挙げられる。
【0077】
このような運動においては、たとえ負荷の高い運動を行っていても、その運動が目標運動とするリズムに一致していないと目標運動とは乖離している。この点、本システム100では、被験者の運動のタイミングのリズムからの乖離度合に応じた音が出力される。すなわち、音楽から得られたリズムに一致していたらそれを表す音がスピーカ14から出力される。逆に、リズムに一致していなかったらそれを表す音がスピーカ14から出力される。そのため、ユーザは、音によって被検者の運動のタイミングのリズムからの乖離度合を知ることができる。
【0078】
[第3の実施の形態]
【0079】
他の信号の他の例として、他の筋電センサからの筋電信号であってもよい。第3の実施の形態に係るシステム100では、演算装置10は、筋電センサ30とは異なる、図示しない他の筋電センサからの筋電信号の入力を受け付ける。
【0080】
この場合、演算装置10のプロセッサ11は、音識別処理112において、パルス信号のオン期間において、筋電信号から得られる運動のタイミングと、入力された他の筋電センサからの筋電信号から得られる運動のタイミングと、に基づいて出力する音を識別する。
【0081】
詳しくは、図8を参照して、プロセッサ11は、パルス生成処理111において、筋電センサ30から得られた筋電信号SG1からパルス信号PU1を生成するとともに、他の筋電センサから得られた筋電信号SG2から、同様にしてパルス信号PU3を生成する。ここで用いられる閾値TH1は、同一の閾値であってもよいし、筋電センサを取り付けた被験者や部位に応じた異なる閾値であってもよい。
【0082】
プロセッサ11は、音識別処理112において、一例として、パルス生成処理111で生成されたパルス信号PU1のオン期間の開始のタイミングt11、t13、t15、t17を、パルス信号PU1から得られる運動のタイミングとする。同様に、パルス信号PU3のオン期間の開始のタイミングt31、t33、t35、t37を、パルス信号PU3から得られる運動のタイミングとする。そして、プロセッサ11は、タイミングt11、t13、t15、t17を、それぞれ、タイミングt31、t33、t35、t37と比較する。プロセッサ11は、タイミングt11、t13、t15、t17とタイミングt31、t33、t35、t37とを比較することによって、それぞれ、時間差s21~s24を得る。
【0083】
この場合、条件記憶部123に記憶されている条件は、音ごとに、2つの筋電信号それぞれから得られた運動のタイミングの時間差、又は、時間差の許容範囲を規定している。プロセッサ11は、時間差s21~s24に対応した条件によって規定される音を識別する。
【0084】
図9を用いて、第3の実施の形態に係るシステム100でのバイオフィードバック方法について説明する。図9を参照して、プログラム121に従う処理を開始すると、プロセッサ11は、筋電センサ30からの筋電信号の入力を受け付けるとともに(ステップS301)、他の筋電センサからも筋電信号の入力を受け付ける(ステップS303)。プロセッサ11は、ステップS301,S303で入力した筋電信号からそれぞれパルス信号PU1,PU3を生成する(ステップS307)。
【0085】
ステップS307でパルス信号PU1,PU3が生成されると、プロセッサ11は、ステップS307で生成した両パルス信号PU1,PU3に基づいて音を識別する(ステップS309)。
【0086】
第3の実施の形態に係るバイオフィードバック方法では、プロセッサ11は、ステップS307で生成したパルス信号PU1,PU3のそれぞれのオン期間の特定のタイミングから運動のタイミングを識別する。一例として、パルス信号PU1から得られる運動のタイミングをt11、t13、t15、t17、パルス信号PU3から得られる運動のタイミングをt31、t33、t35、t37とする。
【0087】
ステップS309でプロセッサ11は、タイミングt11、t13、t15、t17とタイミングt31、t33、t35、t37とを比較することによって、それぞれ、時間差s21~s24を得る。そして、プロセッサ11は、条件記憶部123に記憶されている条件の音ごとに規定する時間差の許容範囲のうちの、得られた時間差s21~s24を含む許容範囲が規定されている音を識別する。
【0088】
ステップS309で音が識別されると、プロセッサ11は、認識された音を出力させるための音声信号を生成する(ステップS311)。プロセッサ11、スピーカ14に音声信号を渡して出力を指示することで、スピーカ14からの音出力を行わせる(ステップS313)。
【0089】
以上のバイオフィードバック方法によって第3の実施の形態に係るシステム100では、運動負荷と、複数の筋電信号で得られる運動のタイミングの一致度合と、に応じて音を出力することができる。
【0090】
使用方法の一例は、複数の被験者それぞれの身体に筋電センサを取り付け、それぞれの筋電信号を用いた演算を演算装置10で行うものである。この場合、システム100では、被験者による運動のタイミングの、他のユーザの運動のタイミングへの一致度合に応じて音が出力される。この場合の運動としては、ダンスや行進などタイミングを合わせた運動が想定される。
【0091】
使用方法の他の例は、同一の被験者の身体Sの複数個所に筋電センサを取り付け、それぞれの筋電信号を用いた演算を演算装置10で行うものである。この場合、システム100では、同一の被験者による運動において、対象となる部位の運動タイミングの他の部位の運動のタイミングへの一致度合に応じて音が出力される。この場合の運動としては、身体の複数部位の関連したタイミングでの動きが必要となる運動であって、例えば、運動のフォームや、ダンスの振り付けなどである。
【0092】
このような運動においては、たとえ負荷の高い運動を行っていても、その運動のタイミングが目標運動とするように他のユーザの運動のタイミングや、他の部位の運動のタイミングに一致していないと目標運動とは乖離している。この点、本システム100では、被験者の運動の目標運動からの乖離度合に応じた音が出力される。すなわち、他のユーザや他の部位の運動のタイミングに一致していたらそれを表す音がスピーカ14から出力される。逆に、他のユーザや他の部位の運動のタイミングに一致していなかったらそれを表す音がスピーカ14から出力される。そのため、ユーザは、音によって被検者の運動のタイミングの他のユーザや他の部位の運動のタイミングからの乖離度合を知ることができる。
【0093】
<3.付記>
開示された演算装置10の処理は、上の説明ではプロセッサ11がプログラム121を実行することによって実現されるものとしているが、少なくとも一部が回路素子その他のハードウェアによって実現されてもよい。
【0094】
演算装置10での処理を実現するプログラム121は、コンピュータ読取り可能である非一時的な記録媒体に記録されたプログラム製品として提供されてもよい。又は、プログラム121は、ネットワークを介したダウンロードによって提供されてもよい。
【0095】
演算装置10での処理を実現するプログラム121は、演算装置10での処理のためのプログラムコードを有する。プログラム121は、プログラム121が格納されたメモリ12に接続されたプロセッサ11によって読み取られ、実行される。
【0096】
演算装置10での処理を実現するプログラム121は、アプリケーションプログラムとして提供されてもよいし、その一部または全部が、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)に含まれていてもよい。
【0097】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0098】
10 :演算装置
11 :プロセッサ
12 :メモリ
13 :通信装置
14 :スピーカ
30 :筋電センサ
31 :測定部
32 :送信部
50 :角度センサ
51 :測定部
52 :送信部
70 :センサ
100 :システム
111 :パルス生成処理
112 :音識別処理
113 :信号生成処理
114 :出力制御処理
115 :補正処理
121 :プログラム
122 :閾値記憶部
123 :条件記憶部
C1 :第1の条件
C2 :第2の条件
C3 :第3の条件
M :波形
P :ピーク値
PU1 :パルス信号
PU2 :パルス信号
PU3 :パルス信号
S :身体
SG :波形
SG1 :筋電信号
SG2 :筋電信号
T1 :タイミング
T2 :タイミング
T3 :タイミング
T4 :タイミング
TH1 :閾値
TH2 :閾値
s11 :時間差
s12 :時間差
s13 :時間差
s14 :時間差
s21 :時間差
s22 :時間差
s23 :時間差
s24 :時間差
t11 :タイミング
t12 :タイミング
t13 :タイミング
t14 :タイミング
t15 :タイミング
t16 :タイミング
t17 :タイミング
t21 :タイミング
t22 :タイミング
t23 :タイミング
t24 :タイミング
t25 :タイミング
t26 :タイミング
t27 :タイミング
t31 :タイミング
t33 :タイミング
t34 :タイミング
t35 :タイミング
t36 :タイミング
t37 :タイミング
α1 :角度
α2 :角度
α3 :角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9