(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057622
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G21/16 176
G03G21/16 195
G03G21/16 109
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020165975
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】橋本 洋平
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA04
2H171FA13
2H171FA22
2H171GA03
2H171GA04
2H171KA12
2H171LA04
2H171LA08
2H171LA13
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB14
2H171QB32
2H171QB41
2H171QC05
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA15
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171SA32
(57)【要約】
【課題】コストの増大を抑制しつつ、小さなスペースで、搬送ローラに対する駆動の伝達を解除できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】
画像形成装置1は、搬送ローラ11と、モータ13と、ギア列14と、移動部材15と、カム19とを備える。カム19は、現像ローラ72Yを接触位置と離間位置との間で移動させる。搬送ローラ11は、定着装置9を通ったシートSを、感光ドラム4Yに向けて搬送する。ギア列14は、モータ13からの動力を搬送ローラ11に伝える伝達状態と、モータ13から搬送ローラ11への動力の伝達を解除する伝達解除状態とに切り替え可能である。移動部材15は、カム19の移動に連動して、ギア列14を伝達状態にする第1位置と、ギア列14を伝達解除状態にする第2位置との間を移動可能である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、
前記感光ドラムと接触する接触位置と、前記感光ドラムから離れる離間位置との間を移動可能な現像ローラと、
シートを搬送するベルトを有し、前記感光ドラム上のトナーを前記シートに転写する転写装置と、
トナーを前記シートに定着させる定着装置と、
前記定着装置を通った前記シートを前記感光ドラムに向けて搬送する搬送ローラと、
モータと、
前記モータからの動力を前記搬送ローラに伝える伝達状態と、前記モータから前記搬送ローラへの動力の伝達を解除する伝達解除状態とに切り替え可能なギア列と、
前記ギア列を伝達状態にする第1位置と、前記ギア列を伝達解除状態にする第2位置との間を移動可能な移動部材と、
前記現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させるカムと、
を備え、
前記移動部材は、前記カムの移動に連動して、前記第1位置と前記第2位置との間を移動可能であることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記カムは、
前記現像ローラを前記接触位置に位置させ、かつ、前記移動部材を前記第1位置に位置させるカム第1位置と、
前記現像ローラを前記接触位置に位置させ、かつ、前記移動部材を前記第2位置に位置させるカム第2位置と、
前記現像ローラを前記離間位置に位置させ、かつ、前記移動部材を前記第1位置に位置させるカム第3位置と、
前記現像ローラを前記離間位置に位置させ、かつ、前記移動部材を前記第2位置に位置させるカム第4位置と、
の間を移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カムは、
前記カムが前記カム第1位置に位置した状態で、前記移動部材を前記第1位置に位置させる第1カム面と、
前記カムが前記カム第2位置に位置した状態で、前記移動部材が前記第2位置に位置することを許容する第2カム面と、
前記カムが前記カム第3位置に位置した状態で、前記移動部材を前記第1位置に位置させる第3カム面と、
前記カムが前記カム第4位置に位置した状態で、前記移動部材が前記第2位置に位置することを許容する第4カム面と、
を有することを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2カム面と前記第4カム面とは、連続していることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カムは、前記カムの移動方向に延び、
前記第1カム面、前記第2カム面、前記第3カム面、および、前記第4カム面は、前記カムの前記移動方向に並び、かつ、前記カムの前記移動方向に延びることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
さらに、
第2感光ドラムと、
前記第2感光ドラムと接触する第2接触位置と、前記第2感光ドラムから離れる第2離間位置との間を移動可能な第2現像ローラと、
を備え、
前記カムが前記カム第1位置に位置した状態、前記カムが前記カム第2位置に位置した状態、前記カムが前記カム第3位置に位置した状態、および、前記カムが前記カム第4位置に位置した状態で、前記カムは、前記第2現像ローラを前記第2接触位置に位置させることを特徴とする、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記モータは、
シャフトと、
前記シャフトとともに回転可能なギアであって、前記ギア列と噛み合うギアであり、前記シートに画像が印刷される場合、第1方向に回転し、前記定着装置を通った前記シートが前記感光ドラムに搬送される場合、前記第1方向とは反対の第2方向に回転するギアと、を有し、
前記画像形成装置は、前記モータからの動力を前記カムに伝える第2ギア列を、さらに有し、
前記カムが前記カム第1位置から前記カム第3位置に移動する場合、前記モータは、前記第2方向に回転することを特徴とする、請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2ギア列は、クラッチを有することを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ギア列は、差動ギアを有し、
前記移動部材が前記第1位置に位置した状態で、前記移動部材は、前記差動ギアと噛み合うことにより、前記ギア列を前記伝達状態にし、
前記移動部材が前記第2位置に位置した状態で、前記移動部材は、前記差動ギアから離れることにより、前記ギア列を前記伝達解除状態にすることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1位置に位置する前記移動部材を前記第2位置に向けて押圧するバネを、さらに備えることを特徴とする、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置は、前記定着装置から前記感光ドラムへ向かう前記シートが通る再搬送経路を、さらに有し、
前記搬送ローラは、前記搬送経路内に位置することを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、感光ドラムと、定着装置と、搬送ローラと、ギア列とを備える。画像形成装置がシートの両面に印刷する場合に、搬送ローラは、定着装置を通ったシートを、感光ドラムに向けて搬送する。ギア列は、モータからの動力を搬送ローラに伝える(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような画像形成装置では、例えば、画像形成装置がシートの片面だけに印刷する場合のように、搬送ローラを回転させる必要が無い場合においても、搬送ローラが回転してしまう。
【0005】
そこで、搬送ローラを回転させる必要が無い場合に搬送ローラの回転を停止させるために、搬送ローラに対する駆動の伝達を解除する機構を設けることが望まれる。また、そのような機構を、コストの増大を抑制しつつ、小さなスペースに設けることが望まれる。
【0006】
本開示の目的は、コストの増大を抑制しつつ、小さなスペースで、搬送ローラに対する駆動の伝達を解除できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の画像形成装置は、感光ドラムと、現像ローラと、転写装置と、定着装置と、搬送ローラと、モータと、ギア列と、移動部材と、カムとを備える。
【0008】
現像ローラは、接触位置と離間位置との間を移動可能である。現像ローラが接触位置に位置した状態で、現像ローラは、感光ドラムと接触する。現像ローラが離間位置に位置した状態で、現像ローラは、感光ドラムから離れる。転写装置は、ベルトを有する。ベルトは、シートを搬送する。転写装置は、感光ドラム上のトナーをシートに転写する。定着装置は、トナーをシートに定着させる。搬送ローラは、定着装置を通ったシートを、感光ドラムに向けて搬送する。
【0009】
ギア列は、伝達状態と伝達解除状態とに切り替え可能である。ギア列が伝達状態である場合、ギア列は、モータからの動力を搬送ローラに伝える。ギア列が伝達解除状態である場合、ギア列は、モータから搬送ローラへの動力の伝達を解除する。
【0010】
移動部材は、第1位置と第2位置との間を移動可能である。移動部材が第1位置に位置した状態で、移動部材は、ギア列を伝達状態にする。移動部材が第2位置に位置した状態で、移動部材は、ギア列を伝達解除状態にする。
【0011】
カムは、現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる。
【0012】
移動部材は、カムの移動に連動して、第1位置と第2位置との間を移動可能である。
【0013】
このような構成によれば、現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるカムを利用して、移動部材を第1位置と第2位置との間で移動させることができる。
【0014】
そのため、部品点数の増加を抑制しつつ、第1位置と第2位置との間で移動可能な移動部材を設けるという簡易な構成で、搬送ローラに対する駆動の伝達を解除できる。
【0015】
その結果、コストの増大を抑制しつつ、小さなスペースで、搬送ローラに対する駆動の伝達を解除できる。
【0016】
(2)カムは、カム第1位置と、カム第2位置と、カム第3位置と、カム第4位置との間を移動可能であってもよい。カムがカム第1位置に位置した状態で、カムは、現像ローラを接触位置に位置させ、かつ、移動部材を第1位置に位置させる。カムがカム第2位置に位置した状態で、カムは、現像ローラを接触位置に位置させ、かつ、移動部材を第2位置に位置させる。カムがカム第3位置に位置した状態で、カムは、現像ローラを離間位置に位置させ、かつ、移動部材を第1位置に位置させる。カムがカム第4位置に位置した状態で、カムは、現像ローラを離間位置に位置させ、かつ、移動部材を第2位置に位置させる。
【0017】
このような構成によれば、画像形成装置がシートの片面だけに印刷する場合に、カムをカム第2位置またはカム第4位置に位置させて、搬送ローラの回転を停止させることができる。
【0018】
(3)カムは、第1カム面と、第2カム面と、第3カム面と、第4カム面とを有してもよい。カムがカム第1位置に位置した状態で、第1カム面は、移動部材を第1位置に位置させる。カムがカム第2位置に位置した状態で、第2カム面は、移動部材が第2位置に位置することを許容する。カムがカム第3位置に位置した状態で、第3カム面は、移動部材を第1位置に位置させる。カムがカム第4位置に位置した状態で、第4カム面は、移動部材が第2位置に位置することを許容する。
【0019】
(4)第2カム面と第4カム面とは、連続していてもよい。
【0020】
このような構成によれば、移動部材を移動させずに、カムを、カム第2位置とカム第4位置との間で移動させることができる。
【0021】
そのため、カムをカム第2位置とカム第4位置との間で移動させるときに、カムを円滑に移動させることができる。
【0022】
(5)カムは、カムの移動方向に延びてもよい、第1カム面、第2カム面、第3カム面、および、第4カム面は、カムの移動方向に並び、かつ、カムの移動方向に延びる。
【0023】
(6)画像形成装置は、さらに、第2感光ドラムと第2現像ローラとを備えてもよい。第2現像ローラは、第2接触位置と第2離間位置との間を移動可能である。第2現像ローラが第2接触位置に位置した状態で、第2現像ローラは、第2感光ドラムと接触する。第2現像ローラが第2離間位置に位置した状態で、第2現像ローラは、第2感光ドラムから離れる。カムがカム第1位置に位置した状態、カムがカム第2位置に位置した状態、カムがカム第3位置に位置した状態、および、カムがカム第4位置に位置した状態で、カムは、第2現像ローラを第2接触位置に位置させてもよい。
【0024】
(7)モータは、シャフトとギアとを有する。ギアは、シャフトとともに回転可能である。ギアは、ギア列と噛み合う。シートに画像が印刷される場合、ギアは、第1方向に回転する。定着装置を通ったシートが感光ドラムに搬送される場合、ギアは、第1方向とは反対の第2方向に回転してもよい。画像形成装置は、第2ギア列を、さらに有してもよい。第2ギア列は、モータからの動力をカムに伝える。カムがカム第1位置からカム第3位置に移動する場合、モータは、第2方向に回転してもよい。
【0025】
(8)第2ギア列は、クラッチを有してもよい。
【0026】
(9)ギア列は、差動ギアを有してもよい。移動部材が第1位置に位置した状態で、移動部材は、差動ギアと噛み合うことにより、ギア列を伝達状態にする。移動部材が第2位置に位置した状態で、移動部材は、差動ギアから離れることにより、ギア列を伝達解除状態にする。
【0027】
(10)画像形成装置は、バネを、さらに備えてもよい。バネは、第1位置に位置する移動部材を第2位置に向けて押圧する。
【0028】
(11)画像形成装置は、定着装置から感光ドラムへ向かうシートが通る再搬送経路を、さらに有してもよい。搬送ローラは、搬送経路内に位置する。
【発明の効果】
【0029】
本開示の画像形成装置によれば、コストの増大を抑制しつつ、小さなスペースで、搬送ローラに対する駆動の伝達を解除できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、画像形成装置の概略構成図であって、多色印刷モードである状態を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示す画像形成装置であって、単色印刷モードである状態を示す。
【
図3】
図3は、
図1に示す画像形成装置であって、全ての現像ローラと感光ドラムとが離間した状態を示す。
【
図4】
図4は、カムと移動部材との連動を説明する説明図であって、カムがカム第1位置に位置した状態を示す。
【
図5】
図5は、
図4とともにカムと移動部材との連動を説明する説明図であって、カムがカム第2位置に位置した状態を示す。
【
図6】
図6は、
図4および
図5とともにカムと移動部材との連動を説明する説明図であって、カムがカム第3位置に位置した状態を示す。
【
図7】
図7は、
図4、
図5および
図6とともにカムと移動部材との連動を説明する説明図であって、カムがカム第4位置に位置した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
1.画像形成装置1の概略
図1を参照して、画像形成装置1の概略について説明する。
【0032】
画像形成装置1は、本体筐体2と、シート収容部3と、複数の感光ドラム4Y、4M、4C、4Kと、複数の帯電装置5Y、5M、5C、5Kと、露光装置6と、複数の現像装置7Y、7M、7C、7Kと、転写装置8と、定着装置9とを備える。
【0033】
1.1 本体筐体2
本体筐体2は、シート収容部3と、複数の感光ドラム4Y、4M、4C、4Kと、複数の帯電装置5Y、5M、5C、5Kと、露光装置6と、複数の現像装置7Y、7M、7C、7Kと、転写装置8と、定着装置9とを収容する。
【0034】
1.2 シート収容部3
シート収容部3は、シートSを収容可能である。シート収容部3内のシートSは、感光ドラム4Yに向けて搬送される。
【0035】
1.3 感光ドラム4Y、4M、4C、4K
感光ドラム4Y、4M、4C、4Kは、並び方向に並ぶ。
【0036】
感光ドラム4Yは、軸方向に延びる。軸方向は、並び方向と交差する。好ましくは、軸方向は、並び方向と直交する。感光ドラム4Yは、第1軸41Yについて回転可能である。第1軸41Yは、軸方向に延びる。
【0037】
感光ドラム4M、4C、4Kのそれぞれについての説明は、感光ドラム4Yについての説明と同様である。そのため、感光ドラム4M、4C、4Kのそれぞれについての説明は、省略される。
【0038】
1.4 帯電装置5Y、5M、5C、5K
帯電装置5Yは、感光ドラム4Yを帯電させる。帯電装置5Mは、感光ドラム4Mを帯電させる。帯電装置5Cは、感光ドラム4Cを帯電させる。帯電装置5Kは、感光ドラム4Kを帯電させる。帯電装置5Y、5M、5C、5Kのそれぞれは、スコロトロン型である。帯電装置5Y、5M、5C、5Kのそれぞれは、帯電ローラであってもよい。
【0039】
1.5 露光装置6
露光装置6は、感光ドラム4Y、4M、4C、4Kのそれぞれの周面を露光可能である。本実施形態では、露光装置6は、レーザースキャンユニットである。露光装置は、LEDアレイを有する露光ヘッドであってもよい。
【0040】
1.6 現像装置7Y、7M、7C、7K
現像装置7Yは、感光ドラム4Yにトナーを供給可能である。現像装置7Yは、現像筐体71Yと、現像ローラ72Yとを有する。すなわち、画像形成装置1は、現像ローラ72Yを備える。
【0041】
現像筐体71Yは、感光ドラム4Yに供給されるトナーを収容可能である。
【0042】
現像ローラ72Yは、現像筐体71Yに取り付けられている。現像ローラ72Yは、第2方向に延びる。現像ローラ72Yは、第2軸73Yについて回転可能である。第2軸73Yは、軸方向に延びる。
【0043】
現像ローラ72Yは、接触位置(
図1参照)と離間位置(
図2参照)との間を移動可能である。本実施形態では、現像ローラ72Yは、接触位置と離間位置との間を、現像筐体71Yとともに移動可能である。現像ローラ72Yが接触位置に位置した状態で、現像ローラ72Yは、感光ドラム4Yと接触する。現像ローラ72Yが接触位置に位置した状態で、現像ローラ72Yは、現像筐体71Y内のトナーを感光ドラム4Yに供給可能である。現像ローラ72Yが離間位置に位置した状態で、現像ローラ72Yは、感光ドラム4Yから離れる。
【0044】
現像装置7M、7C、7Kのそれぞれについての説明は、現像装置7Yについての説明と同様である。すなわち、画像形成装置1は、現像ローラ72Kを備える。現像ローラ72Kは、第2接触位置(
図1参照)と第2離間位置(
図3参照)との間を移動可能である。現像ローラ72Kが第2接触位置に位置した状態で、現像ローラ72Kは、感光ドラム4Kと接触する。現像ローラ72Kが第2離間位置に位置した状態で、現像ローラ72Kは、感光ドラム4Kから離れる。現像装置7M、7C、7Kのそれぞれについての説明は、省略される。
【0045】
なお、以下の説明において、
図1に示すように、現像ローラ72Yが感光ドラム4Yと接触し、現像ローラ72Mが感光ドラム4Mと接触し、現像ローラ72Cが感光ドラム4Cと接触し、現像ローラ72Kが感光ドラム4Kと接触した状態を、多色印刷モードと定義する。
図2に示すように、現像ローラ72Yが感光ドラム4Yから離間し、現像ローラ72Mが感光ドラム4Mから離間し、現像ローラ72Cが感光ドラム4Cから離間し、現像ローラ72Kが感光ドラム4Kと接触した状態を、単色印刷モードと定義する。
【0046】
1.7 転写装置8
図1に示すように、画像形成装置1が多色印刷モードである場合、転写装置8は、感光ドラム4Y、4M、4C、4Kのそれぞれの上のトナーをシートSに転写する。詳しくは、転写装置8は、ベルト81と、複数の転写ローラ82Y、82M、82C、82Kとを有する。
【0047】
ベルト81は、感光ドラム4Y、4M、4C、4Kのそれぞれと接触する。ベルト81は、シート収容部3からのシートSを定着装置9に向けて搬送する。
【0048】
転写ローラ82Yは、感光ドラム4Y上のトナーを、ベルト81によって搬送されているシートSに転写する。転写ローラ82Mは、感光ドラム4M上のトナーを、ベルト81によって搬送されているシートSに転写する。転写ローラ82Cは、感光ドラム4C上のトナーを、ベルト81によって搬送されているシートSに転写する。転写ローラ82Kは、感光ドラム4K上のトナーを、ベルト81によって搬送されているシートSに転写する。
【0049】
1.8 定着装置9
定着装置9は、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧して、トナーをシートSに定着させる。定着装置9を通過したシートSは、再搬送経路10に入らない場合、本体筐体2の上面に排出される。再搬送経路10については、後で説明する。
【0050】
2.画像形成装置1の詳細
図1に示すように、画像形成装置1は、再搬送経路10を有する。画像形成装置1は、複数の搬送ローラ11と、レジストローラ12と、モータ13(
図4参照)と、ギア列14(
図4参照)と、移動部材15(
図4参照)と、バネ16(
図4参照)と、複数の第1離間レバー17Y、17M、17C、17Kと、複数の第2離間レバー18Y、18M、18C、18Kと、カム19(
図4参照)と、第2ギア列20(
図2参照)とを備える。
【0051】
2.1 再搬送経路10
再搬送経路10は、定着装置9から感光ドラム4Yへ向かうシートSが通る経路である。詳しくは、画像形成装置1がシートSの両面に印刷する場合、シートSは、定着装置9を通過した後、シートSの後端から、再搬送経路10に入る。再搬送経路10に入ったシートSは、再搬送経路10を通って、レジストローラ12へ搬送される。
【0052】
2.2 搬送ローラ11
複数の搬送ローラ11は、再搬送経路10内に位置する。複数の搬送ローラ11のそれぞれは、定着装置9を通ったシートSを、感光ドラム4Yに向けて搬送する。詳しくは、複数の搬送ローラ11のそれぞれは、定着装置9を通ったシートSを、レジストローラ12に向けて搬送する。
【0053】
2.3 レジストローラ12
レジストローラ12は、シート収容部3からのシートS、または、再搬送経路10を通ったシートSを、一旦止めて、感光ドラム4Yに向けて搬送する。
【0054】
2.4 モータ13
図4に示すように、モータ13は、シャフト131とギア132とを有する。ギア132は、シャフト131とともに回転可能である。モータ13は、本体筐体2内に位置する。シートSに画像が印刷される場合、モータ13は、シャフト131を第1方向に回転させる。これにより、シートSに画像が印刷される場合、ギア132は、第1方向に回転する。定着装置9を通ったシートSが感光ドラム4Yに搬送される場合、モータ13は、シャフト131を第2方向に回転させる。これにより、定着装置9を通ったシートSが感光ドラム4Yに搬送される場合、ギア132は、第2方向に回転する。第2方向は、第1方向とは反対の方向である。ギア132は、ギア列14と噛み合う。
【0055】
2.5 ギア列14
ギア列14は、本体筐体2内に位置する。ギア列14は、伝達状態(
図4または
図6参照)と伝達解除状態(
図5または
図7参照)とに切り替え可能である。ギア列14が伝達状態である場合、ギア列14は、モータ13からの動力を、複数の搬送ローラ11のそれぞれに伝える。ギア列14が伝達解除状態である場合、ギア列14は、モータ13から複数の搬送ローラ11のそれぞれへの動力の伝達を解除する。
【0056】
詳しくは、ギア列14は、アイドルギア141と、差動ギア142と、アイドルギア143とを有する。
【0057】
2.5.1 アイドルギア141
アイドルギア141は、モータ13からの動力を受けて回転する。
【0058】
2.5.2 差動ギア142
差動ギア142は、遊星歯車機構を有する。
図8に示すように、差動ギア142は、第1ギア142Aと、第2ギア142Bと、第3ギア142Cとを有する。
【0059】
第1ギア142Aは、遊星歯車機構の太陽ギアとともに回転可能である。第1ギア142Aは、アイドルギア141と噛み合う。第1ギア142Aは、軸142Dについて回転可能である。本実施形態では、軸142Dは、軸方向に延びる。
【0060】
第2ギア142Bは、遊星歯車機構の遊星キャリアとともに回転可能である。第2ギア142Bは、軸142Dが延びる方向において、第1ギア142Aから離れて位置する。第3ギア142Cの回転が停止している状態で、第2ギア142Bは、第1ギア142Aとともに回転可能である。第2ギア142Bが第1ギア142Aとともに回転することにより、ギア列14は、伝達状態になる。第3ギア142Cが回転している状態で、第2ギア142Bの回転は、停止する。第2ギア142Bの回転が停止することにより、ギア列14は、伝達解除状態になる。
【0061】
第3ギア142Cは、遊星歯車機構の内歯車とともに回転可能である。第3ギア142Cは、軸142Dが延びる方向において、第1ギア142Aと第2ギア142Bとの間に位置する。
【0062】
2.5.3 アイドルギア143
アイドルギア143は、差動ギア142の第2ギア142Bと噛み合う。アイドルギア143は、図示しないギア列を介して、複数の搬送ローラ11のそれぞれに動力を伝える。
【0063】
2.6 移動部材15
図4に示すように、移動部材15は、本体筐体2内に位置する。移動部材15は、ギア列14とカム19との間に位置する。移動部材15は、第1位置(
図4または
図6参照)と第2位置(
図5または
図7参照)との間を移動可能である。移動部材15は、第1位置と第2位置との間を、軸150について回転可能である。本実施形態では、軸150は、軸方向に延びる。移動部材15が第1位置に位置した状態で、移動部材15は、ギア列14を伝達状態にする。移動部材15が第2位置に位置した状態で、移動部材15は、ギア列14を伝達解除状態にする。
【0064】
詳しくは、移動部材15は、レバーである。
図8に示すように、移動部材15は、ギア歯151と、突起152とを有する。
【0065】
2.6.1 ギア歯151
ギア歯151は、軸150から離れて位置する。移動部材15が第1位置に位置した状態で、ギア歯151は、差動ギア142の第3ギア142Cと噛み合う。ギア歯151が差動ギア142の第3ギア142Cと噛み合うことにより、第3ギア142Cの回転は、停止する。これにより、第2ギア142Bが第1ギア142Aとともに回転し、ギア列14は、伝達状態になる。つまり、移動部材15が第1位置に位置した状態で、移動部材15は、差動ギア142と噛み合うことにより、ギア列14を伝達状態にする。
【0066】
一方、移動部材15が第2位置(
図5または
図7参照)に位置した状態で、ギア歯151は、差動ギア142の第3ギア142Cから離れる。ギア歯151が差動ギア142の第3ギア142Cから離れることにより、第3ギア142Cは、回転可能になる。これにより、第2ギア142Bの回転が停止し、ギア列14は、伝達解除状態になる。つまり、移動部材15が第2位置に位置した状態で、移動部材15は、差動ギア142から離れることにより、ギア列14を伝達解除状態にする。
【0067】
2.6.2 突起152
突起152は、軸150から離れて位置する。突起152は、ギア歯151からも離れて位置する。突起152は、カム19のカム面193A、193B、193C、193D、193E、193F(
図4参照)と接触可能である。カム面193A、193B、193C、193D、193E、193Fについては、後で説明する。
【0068】
2.7 バネ16
バネ16は、本体筐体2内に位置する。バネ16は、第1位置に位置する移動部材15を第2位置に向けて押圧する。バネ16は、例えば、トーションばねである。
【0069】
2.8 第1離間レバー17Y、17M、17C、17K
第1離間レバー17Yは、現像ローラ72Yを感光ドラム4Yから離間させる。詳しくは、第1離間レバー17Yは、第1押圧位置(
図6または
図7参照)と第1押圧解除位置(
図4または
図5参照)との間を移動可能である。第1離間レバー17Yは、第1押圧位置と第1押圧解除位置との間を、軸170について回動可能である。本実施形態では、軸170は、軸方向に延びる。
【0070】
第1離間レバー17Yが第1押圧解除位置から第1押圧位置に移動することにより、第1離間レバー17Yは、現像筐体71Yを、現像ローラ72Yが感光ドラム4Yから離れる方向に押圧する。第1離間レバー17Yが第1押圧位置に位置した状態で、現像ローラ72Yは、離間位置に位置する。
【0071】
第1離間レバー17Yが第1押圧位置から第1押圧解除位置に移動することにより、第1離間レバー17Yは、現像筐体71Yの突起711Yが感光ドラム4Yに近づく方向へ移動することを許容する。第1離間レバー17Yが第1押圧解除位置に位置した状態で、現像ローラ72Yは、接触位置に位置する。
【0072】
図4に示すように、第1離間レバー17Yは、第1端部171と、第2端部172とを有する。第1端部171は、軸170から離れて位置する。第1離間レバー17Yが第1押圧位置(
図5または
図7参照)に位置した状態で、第1端部171は、現像筐体71Yの突起711Yと接触する。第2端部172は、軸170および第1端部171から離れて位置する。
【0073】
第1離間レバー17M、17C、17Kについての説明は、第1離間レバー17Yと同様である。そのため、第1離間レバー17M、17C、17Kについての説明は、省略される。
【0074】
2.9 第2離間レバー18Y、18M、18C、18K
第2離間レバー18Yは、第1離間レバー17Yを第1押圧解除位置から第1押圧位置へ移動させる。詳しくは、第2離間レバー18Yは、第2押圧位置(
図6または
図7参照)と第2押圧解除位置(
図4または
図5参照)との間を移動可能である。第2離間レバー18Yは、第2押圧位置と第2押圧解除位置との間を、軸180について回動可能である。本実施形態では、軸180は、軸方向に延びる。
【0075】
第2離間レバー18Yが第2押圧解除位置から第2押圧位置に移動することにより、第2離間レバー18Yは、第1離間レバー17Yを、第1押圧解除位置から第1押圧位置に向けて押圧する。第2離間レバー18Yが第2押圧位置に位置した状態で、第1離間レバー17Yは、第1押圧位置に位置する。
【0076】
第2離間レバー18Yが第2押圧位置から第2押圧解除位置に移動することにより、第2離間レバー18Yは、第1離間レバー17Yが第1押圧位置から第1押圧解除位置に移動することを許容する。第2離間レバー18Yが第2押圧解除位置に位置した状態で、第1離間レバー17Yは、第1押圧解除位置に位置する。
【0077】
図4に示すように、第2離間レバー18Yは、第1端部181と、第2端部182と、突起183とを有する。第1端部181は、軸180から離れて位置する。第2離間レバー18Yが第2押圧位置(
図5または
図7参照)に位置した状態で、第1端部181は、第1離間レバー17Yの第2端部172と接触する。第2端部182は、軸180および第1端部181から離れて位置する。突起183は、第2端部182に位置する。突起183は、軸180が延びる方向に延びる。
【0078】
第2離間レバー18M、18C、18Kについての説明は、第2離間レバー18Yと同様である。そのため、第2離間レバー18M、18C、18Kについての説明は、省略される。
【0079】
2.10 カム19
カム19は、本体筐体2内に位置する。カム19は、第2離間レバー18Yを第2押圧位置と第2押圧解除位置との間で移動させることにより、現像ローラ72Yを接触位置と離間位置との間で移動させる。カム19は、現像ローラ72Yを接触位置と離間位置との間で移動させるとともに、移動部材15を第1位置と第2位置との間で移動させる。つまり、移動部材15は、カム19の移動に連動して、第1位置と第2位置との間を移動可能である。
【0080】
カム19は、カム第1位置(
図4参照)と、カム第2位置(
図5参照)と、カム第3位置(
図6参照)と、カム第4位置(
図7参照)との間を移動可能である。本実施形態では、カム19は、並び方向に移動可能である。カム19がカム第1位置に位置した状態で、カム19は、現像ローラ72Yを接触位置に位置させ、かつ、移動部材15を第1位置に位置させる。カム19がカム第2位置に位置した状態で、カム19は、現像ローラ72Yを接触位置に位置させ、かつ、移動部材15を第2位置に位置させる。カム19がカム第3位置に位置した状態で、カム19は、現像ローラ72Yを離間位置に位置させ、かつ、移動部材15を第1位置に位置させる。カム19がカム第4位置に位置した状態で、カム19は、現像ローラ72Yを離間位置に位置させ、かつ、移動部材15を第2位置に位置させる。
【0081】
なお、カム19がカム第1位置に位置した状態、カム19がカム第2位置に位置した状態、カム19がカム第3位置に位置した状態、および、カム19がカム第4位置に位置した状態で、カム19は、現像ローラ72Kを第2接触位置に位置させる。
【0082】
カム19は、カム19の移動方向に延びる。カム19は、カム19の移動方向において、第1端部E1と、第2端部E2とを有する。第2端部E2は、カム19の移動方向において、第1端部E1から離れて位置する。カム19は、平面190と、複数の溝191Y、191M、191C、191Kと、ラックギア192と、複数のカム面193A、193B、193C、193D、193E、193Fとを有する。
【0083】
2.10.1 平面190
平面190は、交差方向におけるカム19の一方側の表面である。交差方向は、カム19の移動方向および軸方向と交差する。好ましくは、交差方向は、カム19の移動方向および軸方向と直交する。平面190は、カム19の移動方向に延びる。
【0084】
図6および
図7に示すように、第2離間レバー18Yが第2押圧位置に位置した状態で、第2離間レバー18Yの突起183は、平面190と接触する。
【0085】
2.10.2 溝191Y、191M、191C、191K
溝191Y、191M、191C、191Kは、カム19の移動方向において、第1端部E1と第2端部E2との間に位置する。溝191Y、191M、191C、191Kは、カム19の移動方向にならぶ。
【0086】
図4および
図5に示すように、溝191Yは、交差方向に延びる。第2離間レバー18Yが第2押圧解除位置に位置した状態で、第2離間レバー18Yの突起183は、溝191Yに嵌まる。
【0087】
溝191M、191C、191Kについての説明は、溝191Yについての説明と同様である。そのため、溝191M、191C、191Kについての説明は、省略される。
【0088】
2.10.3 ラックギア192
ラックギア192は、カム19の第1端部E1に位置する。ラックギア192は、カム19の移動方向に延びる。
【0089】
2.10.4 カム面193A、193B、193C、193D、193E、193F
カム面193A、193B、193C、193D、193E、193Fは、交差方向におけるカム19の他方側の表面である。カム面193A、193B、193C、193D、193E、193Fは、交差方向において、平面190から離れて位置する。カム面193A、193B、193C、193D、193E、193Fは、カム19の移動方向に並ぶ。
【0090】
カム面193Aは、カム19の移動方向において、ラックギア192と、カム19の第2端部E2との間に位置する。カム面193Aは、カム19の移動方向に延びる。カム面193Aは、平面である。カム19がカム第1位置に位置した状態で、カム面193Aは、移動部材15を第1位置に位置させる。カム19がカム第1位置に位置し、移動部材15が第1位置に位置した状態で、カム面193Aは、移動部材15の突起152と接触する。
【0091】
カム面193Bは、カム19の移動方向において、カム面193Aから離れて位置する。本実施形態では、カム面193Bは、カム19の移動方向において、カム面193Aと、カム19の第2端部E2との間に位置する。カム面193Bは、交差方向において、カム面193Aから離れて位置する。カム面193Bは、交差方向において、平面190とカム面193Aとの間に位置する。カム面193Bは、カム19の移動方向に延びる。カム面193Bは、平面である。カム19がカム第2位置に位置した状態で、カム面193Bは、移動部材15が第2位置に位置することを許容する。本実施形態では、カム19がカム第2位置に位置し、移動部材15が第2位置に位置した状態で、カム面193Bは、移動部材15の突起152と接触する。なお、カム19がカム第2位置に位置し、移動部材15が第2位置に位置した状態で、カム面193Bは、移動部材15の突起152に対して、間隔をあけて向かい合っていてもよい。
【0092】
カム面193Cは、カム19の移動方向において、カム面193Aおよびカム面193Bから離れて位置する。本実施形態では、カム面193Cは、カム19の移動方向において、カム面193Bと、カム19の第2端部E2との間に位置する。カム面193Cは、カム19の移動方向に延びる。カム面193Cは、平面である。カム19がカム第3位置に位置した状態で、カム面193Cは、移動部材15を第1位置に位置させる。カム19がカム第3位置に位置し、移動部材15が第1位置に位置した状態で、カム面193Cは、移動部材15の突起152と接触する。
【0093】
カム面193Dは、カム19の移動方向において、カム面193A、カム面193B、カム面193Cから離れて位置する。本実施形態では、カム面193Dは、カム19の移動方向において、カム面193Bとカム面193Cとの間に位置する。本実施形態では、カム面193Dは、カム面193Bと連続している。カム面193Dは、交差方向において、カム面193Cから離れて位置する。カム面193Dは、交差方向において、平面190とカム面193Cとの間に位置する。カム面193Dは、カム19の移動方向に延びる。カム面193Dは、平面である。カム19がカム第4位置に位置した状態で、カム面193Dは、移動部材15が第2位置に位置することを許容する。本実施形態では、カム19がカム第4位置に位置し、移動部材15が第2位置に位置した状態で、カム面193Dは、移動部材15の突起152と接触する。なお、カム19がカム第4位置に位置し、移動部材15が第2位置に位置した状態で、カム面193Dは、移動部材15の突起152に対して、間隔をあけて向かい合っていてもよい。
【0094】
カム面193Eは、カム19の移動方向において、カム面193Aとカム面193Bとの間に位置する。カム面193Eは、傾斜面である。カム面193Eは、カム19の移動方向に対して傾斜する。カム面193Eの一端は、カム面193Aと接続する。カム面193Eの他端は、カム面193Bと接続する。
【0095】
カム面193Fは、カム19の移動方向において、カム面193Cとカム面193Dとの間に位置する。カム面193Fは、傾斜面である。カム面193Fは、カム19の移動方向に対して傾斜する。カム面193Fの一端は、カム面193Cと接続する。カム面193Fの他端は、カム面193Dと接続する。
【0096】
2.11 第2ギア列20
第2ギア列20は、本体筐体2内に位置する。第2ギア列20は、モータ13からの動力をカム19のラックギア192に伝える。これにより、カム19は、モータ13からの動力によって移動可能である。第2ギア列20は、クラッチ201を有する。
【0097】
クラッチ201は、第2伝達状態と第2伝達解除状態とに切り替え可能である。クラッチ201が第2伝達状態である場合、クラッチ201は、モータ13からカム19へ動力を伝達可能である。クラッチ201が第2伝達解除状態である場合、クラッチ201は、モータ13からカム19への動力の伝達を解除する。
【0098】
3.画像形成装置1の動作
次に、
図1、および、
図4から
図7を参照して、画像形成装置1の動作を説明する。
【0099】
3.1 多色印刷モードの両面印刷
図4に示すように、画像形成装置1が多色印刷モードの両面印刷を実行する場合、カム19は、カム第1位置に位置する。カム19がカム第1位置に位置することにより、移動部材15は、第1位置に位置する。移動部材15が第1位置に位置することにより、ギア列14は、伝達状態になる。これにより、モータ13からの動力は、複数の搬送ローラ11に伝わる。
【0100】
次に、
図1に示すように、画像形成装置1は、シートSの第1面に画像を形成する。このとき、画像形成装置1は、クラッチ201(
図4参照)が第2伝達解除状態である状態で、モータ13(
図4参照)を駆動させて、ギア132(
図4参照)を第1方向に回転させる。そして、画像形成装置1は、シートSが定着装置9を通過するタイミングで、モータ13(
図4参照)を停止させる。
【0101】
次に、画像形成装置1は、定着装置9を通過したシートSを、再搬送経路10により、レジストローラ12へ搬送する。このとき、画像形成装置1は、クラッチ201(
図4参照)が第2伝達解除状態である状態で、モータ13(
図4参照)を駆動させて、ギア132(
図4参照)を第2方向に回転させる。すると、複数の搬送ローラ11が回転して、シートSは、再搬送経路10内をレジストローラ12に向けて搬送される。そして、シートSがレジストローラ12に到達すると、画像形成装置1は、モータ13(
図4参照)を停止させる。
【0102】
次に、画像形成装置1は、シートSの第2面に画像を形成する。第2面は、第1面とは反対側の面である。このとき、画像形成装置1は、クラッチ201(
図4参照)が第2伝達解除状態である状態で、モータ13(
図4参照)を駆動させて、ギア132(
図4参照)を第1方向に回転させる。すると、再搬送経路10内のシートSは、レジストローラ12により、感光ドラム4Yに向けて搬送される。
【0103】
第1面および第2面に画像が形成されたシートSは、上記したように、本体筐体2の上面に排出される。
【0104】
3.2 多色印刷モードの片面印刷
図4および
図5に示すように、画像形成装置1は、多色印刷モードの両面印刷(
図4参照)から、多色印刷モードの片面印刷(
図5参照)に切り替える場合、クラッチ201を第2伝達状態にして、モータ13を駆動させて、ギア132を第2方向に回転させる。すると、カム19は、カム第1位置からカム第2位置へ移動する。そして、画像形成装置1は、カム19がカム第2位置に位置するタイミングで、クラッチ201を第2伝達解除状態にして、モータ13を停止させる。カム19がカム第2位置に位置することにより、移動部材15は、第2位置に位置する。移動部材15が第2位置に位置することにより、ギア列14は、伝達解除状態になる。これにより、モータ13からの動力は、複数の搬送ローラ11に伝わらない。
【0105】
次に、
図1に示すように、画像形成装置1は、シートSの第1面に画像を形成する。このとき、画像形成装置1は、クラッチ201(
図5参照)が第2伝達解除状態である状態で、モータ13(
図5参照)を駆動させて、ギア132(
図5参照)を第1方向に回転させる。
【0106】
第1面に画像が形成されたシートSは、上記したように、本体筐体2の上面に排出される。
【0107】
3.3 単色印刷モードの両面印刷
図4および
図6に示すように、画像形成装置1は、多色印刷モードの両面印刷(
図4参照)から、単色印刷モードの両面印刷(
図6参照)に切り替える場合、クラッチ201を第2伝達状態にして、モータ13を駆動させて、ギア132を第2方向に回転させる。つまり、カム19がカム第1位置からカム第3位置に移動する場合、モータ13は、第2方向に回転する。そして、画像形成装置1は、カム19がカム第3位置に位置するタイミングで、クラッチ201を第2伝達解除状態にして、モータ13を停止させる。カム19がカム第3位置に位置することにより、移動部材15は、第1位置に位置する。移動部材15が第1位置に位置することにより、ギア列14は、伝達状態になる。これにより、モータ13からの動力は、複数の搬送ローラ11に伝わる。
【0108】
次に、画像形成装置1は、多色印刷モードの両面印刷と同様にして、シートSの第1面および第2面に画像を形成する。
【0109】
3.4 単色印刷モードの片面印刷
図4および
図7に示すように、画像形成装置1は、多色印刷モードの両面印刷(
図4参照)から、単色印刷モードの片面印刷(
図7参照)に切り替える場合、クラッチ201を第2伝達状態にして、モータ13を駆動させて、ギア132を第2方向に回転させる。そして、画像形成装置1は、カム19がカム第4位置に位置するタイミングで、クラッチ201を第2伝達解除状態にして、モータ13を停止させる。カム19がカム第4位置に位置することにより、移動部材15は、第2位置に位置する。移動部材15が第2位置に位置することにより、ギア列14は、伝達解除状態になる。これにより、モータ13からの動力は、複数の搬送ローラ11に伝わらない。
【0110】
次に、画像形成装置1は、多色印刷モードの片面印刷と同様にして、シートSの第1面に画像を形成する。
【0111】
3.作用効果
(1)画像形成装置1によれば、
図4から
図7に示すように、現像ローラ72Yを接触位置と離間位置との間で移動させるカム19を利用して、移動部材15を第1位置と第2位置との間で移動させることができる。
【0112】
そのため、部品点数の増加を抑制しつつ、第1位置と第2位置との間で移動可能な移動部材15を設けるという簡易な構成で、複数の搬送ローラ11に対する駆動の伝達を解除できる。
【0113】
その結果、コストの増大を抑制しつつ、小さなスペースで、複数の搬送ローラ11に対する駆動の伝達を解除できる。
【0114】
(2)画像形成装置1によれば、
図5または
図7に示すように、画像形成装置1がシートSの片面だけに印刷する場合に、カム19をカム第2位置(
図5参照)またはカム第4位置(
図7参照)に位置させて、複数の搬送ローラ11の回転を停止させることができる。
【0115】
(3)画像形成装置1によれば、
図4に示すように、カム面193Bとカム面193Dとは、連続している。
【0116】
そのため、
図5および
図7に示すように、移動部材15を移動させずに、カム19を、カム第2位置(
図5参照)とカム第4位置(
図7参照)との間で移動させることができる。
【0117】
その結果、カム19をカム第2位置とカム第4位置との間で移動させるときに、カム19を円滑に移動させることができる。
【0118】
言い換えると、多色印刷モードの片面印刷(
図5参照)と、単色印刷モードの片面印刷(
図7参照)とを切り替えるときに、カム19を円滑に移動させることができる。
【0119】
4.変形例
図9に示すように、カム面193Bとカム面193Dとは、連続していなくてもよい。カム面193Cは、カム面193Bとカム面193Dとの間に位置していてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 画像形成装置
2 本体筐体
4Y 感光ドラム
4K 感光ドラム(第2感光ドラム)
8 転写装置
9 定着装置
10 再搬送経路
11 搬送ローラ
13 モータ
14 ギア列
15 移動部材
16 バネ
19 カム
20 第2ギア列
72Y 現像ローラ
72K 現像ローラ(第2現像ローラ)
81 ベルト
131 シャフト
132 ギア
142 差動ギア
193A カム面(第1カム面)
193B カム面(第2カム面)
193C カム面(第3カム面)
193D カム面(第4カム面)
201 クラッチ
S シート