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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057765
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】表示システム及び車両
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20220404BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
G06F3/0484 120
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020166176
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 雄一
【テーマコード(参考)】
3D344
5E555
【Fターム(参考)】
3D344AA16
3D344AA21
3D344AB01
3D344AD01
3D344AD05
5E555AA04
5E555AA74
5E555BA04
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC05
5E555CA17
5E555CB34
5E555CC01
5E555DB11
5E555DB18
5E555DC05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】車両に搭載された表示システムのユーザビリティを向上させる。
【解決手段】表示システム2は、鞍乗型の車両1に搭載されると共に、表示部20と、携帯端末30に通信可能に接続された通信部22とを備える。表示システム2は、車両1のハンドルスイッチ3に対する運転者の操作に応じて、表示部20の表示モードを第1表示モード又は第2表示モードに切り替え、第1表示モードにおいて、表示部20に車両1の走行情報を示すメータ表示画面を表示し、第2表示モードにおいて、表示部20にメータ表示画面とランチャー表示画面を表示する。ランチャー表示画面では、各々が携帯端末30の機能又は車両1の機能に関連付けられた複数のアイコンの少なくとも一部が所定方向に沿って並んで表示される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型の車両に搭載されると共に、表示部と、携帯端末に通信可能に接続された通信部とを備えた表示システムであって、
前記表示システムは、
前記車両のハンドルスイッチに対する運転者の操作に応じて、前記表示部の表示モードを第1表示モード又は第2表示モードに切り替え、
前記第1表示モードにおいて、前記表示部に前記車両の走行情報を示すメータ表示画面を表示し、
前記第2表示モードにおいて、前記表示部に前記メータ表示画面とランチャー表示画面を表示し、
前記ランチャー表示画面では、各々が前記携帯端末の機能又は前記車両の機能に関連付けられた複数のアイコンの少なくとも一部が所定方向に沿って並んで表示される、
表示システム。
【請求項2】
前記表示システムは、
前記ハンドルスイッチに対する前記運転者の一回の操作に応じて、前記表示部の表示モードを前記第1表示モード又は前記第2表示モードに切り替える、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記所定方向は、円周方向である、請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記表示モードが前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替わる場合に、前記第1表示モードでの前記メータ表示画面の表示位置が略維持された状態で前記ランチャー表示画面が前記メータ表示画面に重畳される、
請求項1から3のうちいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項5】
前記表示モードが前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替わる場合に、前記メータ表示画面のうち前記車両の速度情報が表示された速度表示領域が維持された状態で前記ランチャー表示画面が前記メータ表示画面に重畳される、
請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
前記表示モードが前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替わる場合に、前記メータ表示画面のうち前記車両の速度情報以外の前記車両の走行情報の表示位置が変更される、
請求項4又は5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記複数のアイコンは、前記ランチャー表示画面に表示される一以上のアイコンと、前記ランチャー表示画面に表示されない一以上のアイコンとを含む、
請求項1から6のうちいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項8】
前記表示システムは、
前記ハンドルスイッチに対する前記運転者の操作に応じて、前記複数のアイコンを前記所定方向に沿って移動させることで前記ランチャー表示画面に表示されるアイコンを変更する、
請求項1から7のうちいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項9】
前記運転者によって現在選択されているアイコンは、前記表示部の横方向において、前記ランチャー表示画面の中心に表示される、
請求項1から8のうちいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項10】
前記運転者によって現在選択されているアイコンは、前記表示部の縦方向において、前記車両の速度情報が表示された速度表示領域に対向している、
請求項1から9のうちいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項11】
前記ランチャー表示画面では、前記運転者によって現在選択されている第1アイコンと、前記運転者によって前回選択された第2アイコンと、前記運転者によって次回選択される第3アイコンが、前記所定方向に沿って並んで表示される、
請求項1から10のうちいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項12】
前記第1アイコンは、前記第2アイコンと前記第3アイコンとの間に配置されている、請求項11に記載の表示システム。
【請求項13】
前記表示システムは、前記第2表示モードにおいて、前記第1アイコンを強調表示する、
請求項11又は12に記載の表示システム。
【請求項14】
前記表示モードが前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替わる場合に、前記ランチャー表示画面が前記メータ表示画面内にスライドインする、
請求項1から13のうちいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項15】
前記表示モードが前記第2表示モードから前記第1表示モードに切り替わる場合に、前記ランチャー表示画面が前記メータ表示画面からスライドアウトする、
請求項1から14のうちいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項16】
前記第2表示モードにおいて、前記ハンドルスイッチが前記運転者によって一定期間の間操作されなかった場合に、前記表示モードが前記第2表示モードから前記第1表示モードに自動的に切り替わる、
請求項1から15のうちいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項17】
前記複数のアイコンは、互いに異なる機能に関連付けられている、請求項1から16のうちいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項18】
請求項1から17のうちいずれか一項に記載の表示システムを備えた鞍乗型の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、インフォテイメント情報が表示される表示部と車両の走行情報が表示されるアナログのメータユニットがそれぞれオートバイに搭載されたオートバイ用の表示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-171277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されたオートバイ用の表示システムでは、メータユニットと表示部が別々に車両に搭載されているため、運転者がインフォテイメント情報と車両の走行情報の両方を確認する場合には、運転者の視線移動が大きくなってしまう。このように、上記観点より表示システムのユーザビリティを改善する余地がある。
【0005】
本開示は、車両に搭載された表示システムのユーザビリティを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の表示システムは、鞍乗型の車両に搭載されると共に、表示部と、携帯端末に通信可能に接続された通信部とを備えている。
前記表示システムは、
前記車両のハンドルスイッチに対する運転者の操作に応じて、前記表示部の表示モードを第1表示モード又は第2表示モードに切り替え、
前記第1表示モードにおいて、前記表示部に前記車両の走行情報を示すメータ表示画面を表示し、
前記第2表示モードにおいて、前記表示部に前記メータ表示画面とランチャー表示画面を表示する。
前記ランチャー表示画面では、各々が前記携帯端末の機能又は前記車両の機能に関連付けられた複数のアイコンの少なくとも一部が所定方向に沿って並んで表示される。
【0007】
上記構成によれば、ハンドルスイッチに対する運転者の操作に応じて、表示部の表示モードをメータ表示画面が表示される第1表示モード又はメータ表示画面とランチャー表示画面が表示される第2表示モードに切り替えることができる。このように、ハンドルスイッチに対する運転者の操作に応じて、携帯端末の機能又は車両の機能に関連付けられたアイコンが表示されたランチャー表示画面を表示部に表示することができるので、表示システムのユーザビリティを向上させることができる。
【0008】
また、前記表示システムは、前記ハンドルスイッチに対する前記運転者の一回の操作に応じて、前記表示部の表示モードを前記第1表示モード又は前記第2表示モードに切り替えてもよい。
【0009】
上記構成によれば、ハンドルスイッチに対する運転者の一回の操作に応じて表示部の表示モードが切り替わるので、表示システムの利便性や操作性を向上させることができる。
【0010】
また、前記所定方向は、円周方向であってもよい。
【0011】
上記構成によれば、複数のアイコンが円周方向に沿って並んで表示されるので、ランチャー表示画面に表示されていないアイコンが存在することを運転者に想起させることができる。
【0012】
また、前記表示モードが前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替わる場合に、前記第1表示モードでの前記メータ表示画面の表示位置が略維持された状態で前記ランチャー表示画面が前記メータ表示画面に重畳されてもよい。
【0013】
上記構成によれば、表示モードが第1表示モードから第2表示モードに切り替わる場合にメータ表示画面の表示位置が略維持された状態でランチャー表示画面がメータ表示画面に重畳される。このように、表示モードが切り替わった際における運転者に与える違和感が軽減される。
【0014】
また、前記表示モードが前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替わる場合に、前記メータ表示画面のうち前記車両の速度情報が表示された速度表示領域が維持された状態で前記ランチャー表示画面が前記メータ表示画面に重畳されてもよい。
【0015】
上記構成によれば、表示モードが第1表示モードから第2表示モードに切り替わる場合に、速度表示領域が維持された状態でランチャー表示画面がメータ表示画面に重畳される。このように、表示モードが切り替わった際における運転者に与える違和感が軽減される。
【0016】
また、前記表示モードが前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替わる場合に、前記メータ表示画面のうち前記車両の速度情報以外の前記車両の走行情報の表示位置が変更されてもよい。
【0017】
上記構成によれば、速度情報以外の車両の走行情報の表示位置(例えば、燃料残量表示領域の位置等)が変更された場合であっても、運転者に大きな違和感を与えない。
【0018】
また、前記複数のアイコンは、前記ランチャー表示画面に表示される一以上のアイコンと、前記ランチャー表示画面に表示されない一以上のアイコンとを含んでもよい。
【0019】
上記構成によれば、ランチャー表示画面には全てのアイコンのうち一部が表示されるため、ランチャー表示画面に表示されたアイコンの視認性が向上する。さらに、表示システムが搭載される車両の機種に応じて、ランチャー表示画面に含まれるアイコンの個数が異なる場合が想定される。かかる場合であっても、ランチャー表示画面上には全てのアイコンのうち一部(例えば、3つのアイコン)が表示されるため、車両の機種に応じて、ランチャー表示画面のレイアウトを変更する必要がない。
【0020】
また、前記表示システムは、前記ハンドルスイッチに対する前記運転者の操作に応じて、前記複数のアイコンを前記所定方向に沿って移動させることで前記ランチャー表示画面に表示されるアイコンを変更してもよい。
【0021】
上記構成によれば、運転者はハンドルスイッチを操作することでランチャー表示画面に表示されたアイコンを所定方向に沿って移動させることができる。このように、表示システムの操作性を向上させることができる。
【0022】
また、前記運転者によって現在選択されているアイコンは、前記表示部の横方向において前記ランチャー表示画面の中心に表示されてもよい。
【0023】
上記構成によれば、運転者によって現在選択されているアイコンが、前記表示部の横方向においてランチャー表示画面の中心に表示されるので、当該現在選択されているアイコンの視認性が向上する。
【0024】
また、前記運転者によって現在選択されているアイコンは、前記表示部の縦方向において、前記車両の速度情報が表示された速度表示領域に対向してもよい。
【0025】
上記構成によれば、運転者によって現在選択されているアイコンが縦方向において速度表示領域に対向しているため、現在選択されているアイコンの視認性が向上する。
【0026】
また、前記ランチャー表示画面では、前記運転者によって現在選択されている第1アイコンと、前記運転者によって前回選択された第2アイコンと、前記運転者によって次回選択される第3アイコンが、前記所定方向に沿って並んで表示されてもよい。
【0027】
上記構成によれば、運転者によって現在選択されている第1アイコンと、運転者によって前回選択された第2アイコンと、運転者によって次回選択される第3アイコンがランチャー表示画面に表示されるので、表示システムの操作性が向上する。
【0028】
また、前記第1アイコンは、前記第2アイコンと前記第3アイコンとの間に配置されてもよい。
【0029】
上記構成によれば、第1アイコンが第2アイコンと第3アイコンとの間に配置されている。このように、運転者は、現在選択されているアイコンと、前回選択されたアイコンと、次回選択されるアイコンを直感的に把握することができるため、表示システムの操作性が向上する。
【0030】
また、前記表示システムは、前記第2表示モードにおいて、前記第1アイコンを強調表示してもよい。
【0031】
上記構成によれば、運転者は、現在選択されている第1アイコンを直ちに把握することができる。
【0032】
また、前記表示モードが前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替わる場合に、前記ランチャー表示画面が前記メータ表示画面内にスライドインしてもよい。
【0033】
上記構成によれば、運転者は、ランチャー表示画面のスライドイン動作を通じて、表示部の表示モードが第1表示モードから第2表示モードに切り替わることを直ちに把握することができる。
【0034】
また、前記表示モードが前記第2表示モードから前記第1表示モードに切り替わる場合に、前記ランチャー表示画面が前記メータ表示画面からスライドアウトしてもよい。
【0035】
上記構成によれば、運転者は、ランチャー表示画面のスライドアウト動作を通じて、表示部の表示モードが第2表示モードから第1表示モードに切り替わることを直ちに把握することができる。
【0036】
また、前記第2表示モードにおいて、前記ハンドルスイッチが前記運転者によって一定期間の間操作されなかった場合に、前記表示モードが前記第2表示モードから前記第1表示モードに自動的に切り替わってもよい。
【0037】
上記構成によれば、運転者からのハンドル操作が一定期間ない場合に、表示部の表示モードが第2表示モードから第1表示モードに自動的に切り替わるので、表示システムの操作性が向上する。
【0038】
また、前記複数のアイコンは、互いに異なる機能に関連付けられてもよい。
【0039】
上記構成によれば、複数のアイコンが互いに異なる機能に関連付けられているため、表示システムの操作性が向上する。
【0040】
上記表示システムを備えた鞍乗型の車両が提供されてもよい。
【発明の効果】
【0041】
本開示によれば、車両に搭載された表示システムのユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本実施形態に係る表示システムを備えた鞍乗型車両の前側部を示す図である。
図2】本実施形態に係る表示システムを含む鞍乗型車両のシステム構成図である。
図3】ハンドルスイッチの構成の一例を概略的に示す図である。
図4】表示部のスクリーン上に表示されたメータ表示画面の一例を示す図である。
図5】表示部のスクリーン上に表示されたメータ表示画面及びランチャー表示画面の一例を示す図である。
図6】ランチャー表示画面上に表示されたアイコンが移動する様子を示す図である。
図7】ランチャー表示画面上に表示されたアイコンが移動する様子を示す図である。
図8】強調表示されたアイコンの他の一例を示す図である。
図9】表示部のスクリーン上に表示されたメータ表示画面及び着信通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態という。)について図面を参照しながら説明する。本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0044】
最初に、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る表示システム2を備えた鞍乗型車両1(以下、単に車両1という。)の構成について以下に説明する。図1は、表示システム2を備えた車両1の前側部を示す図である。図2は、表示システム2を含む車両1のシステム構成図である。
【0045】
図1に示すように、車両1は、例えば、運転者が車体を傾動させることで旋回可能な自動二輪車である。車両1には、運転者に車両1の走行情報及びインフォテイメント情報を提示するための表示システム2が設けられている。表示システム2は、表示部20を備えている。表示部20は、車両1の前後方向において風よけスクリーン210とハンドル220との間に設けられていると共に、車両1の左右方向において左サイドミラー232と右サイドミラー233との間に設けられている。
【0046】
ハンドル220は、左ハンドル226と、右ハンドル227を有している。左ハンドル226にはハンドルスイッチ3とブレーキレバー225が設けられている。右ハンドル227には、アクセルとして機能するスロットルグリップ229及びブレーキレバー228が設けられている。ハンドル220の下方には車両1の駆動をオン又はオフするためのメインスイッチキー230が設けられている。
【0047】
尚、図1において、車両1は、スクータ型の自動二輪車として例示されているが、車両1のタイプはスクータに限定されるものではない。車両1は、スクータ以外のタイプの自動二輪車であってもよい。さらに、車両1は二輪車に限定されるものではなく、鞍乗型の三輪車又は四輪車であってもよい。
【0048】
次に、図2を参照して車両1のシステム構成図について以下に説明する。図2では、説明の便宜上、車両1を構成する構成要素の一部のみが図示されている。図2に示すように、車両1は、表示システム2と、ハンドルスイッチ3と、車両制御ユニット4と、車速センサ5と、駆動源6と、駆動源回転数センサ7と、冷却水温度センサ8と、燃料計センサ9とを備えている。表示システム2は、表示部20と、通信部22と、入出力インターフェース23と、制御部24とを備える。
【0049】
表示システム2は、車両制御ユニット4から車両1の走行情報データを受信した上で、車両1の走行情報(例えば、車両1の速度情報等)を表示するように構成されている。さらに、表示システム2は、運転者によって携帯された携帯端末30からインフォテイメント情報を受信した上で、当該受信したインフォテイメント情報を表示するように構成されている。また、表示システム2は、車両制御ユニット4から送信された車両1の走行情報データを携帯端末30に送信するように構成されてもよい。表示システム2は、SDL(Smart Device Link:登録商標)等の規格に基づいて携帯端末30に通信可能に接続されてもよい。
【0050】
表示部20は、上記したように、車両1の前側部に設けられている。表示部20は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイにより構成されている。通信部22は、携帯端末30に通信可能に接続されている。通信部22は、例えば、無線により携帯端末30に通信可能に接続された無線通信部として構成されてもよい。無線通信部は、高周波回路(RF回路)と、送受信アンテナとを有しており、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線通信規格に基づいて携帯端末30に接続されてもよい。また、通信部22は、USBケーブル等の有線ケーブルを介して携帯端末30に通信可能に接続されてもよい。
【0051】
携帯端末30は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット又はウェアラブルデバイスである。携帯端末30は、無線により無線基地局40に通信可能に接続されている。この点において、携帯端末30は、データ通信用のSIMカードを備えていると共に、第4世代(4G)又は第5世代(5G)移動通信システムを通じて無線基地局40に通信可能に接続されてもよい。携帯端末30は、無線基地局40、携帯端末用のコアネットワーク(図示せず)及びIP(Internet Protocol)ネットワーク50を介して外部サーバ60に接続されている。例えば、携帯端末30は、外部サーバ60からインフォテイメント情報(地図情報、音楽情報、メッセージ情報、天気情報など)を受信した上で、当該受信したインフォテイメント情報を表示システム2に送信してもよい。一方で、携帯端末30は、表示システム2から車両1の走行情報を受信した上で、当該受信した車両1の走行情報を外部サーバ60に送信してもよい。また、携帯端末30は、携帯端末30の現在位置情報を受信するGPS(Global Positioning System)システムを備えてもよい。携帯端末30は、外部サーバ60から受信した地図情報とGPSシステムによって取得された現在位置情報とを表示システム2に送信してもよい。
【0052】
入出力インターフェース23は、表示システム2と外部装置(例えば、ハンドルスイッチ3や車両制御ユニット4)とを接続するように構成されている。例えば、車両制御ユニット4は、CANケーブル等の通信ケーブルを介して入出力インターフェース23に接続されている。
【0053】
制御部24は、表示システム2に設けられた各構成要素を制御するように構成されている。制御部24は、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含むコンピュータシステムと、アクティブ素子及びパッシブ素子から構成される電子回路を含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)のうちの少なくとも一つを含む。メモリは、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)を含む。RAMは、VRAM(Video RAM)を含んでもよい。ROMは、フラッシュメモリを含んでもよい。プロセッサは、ROMに記憶された制御プログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。また、コンピュータシステムは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでもよい。
【0054】
制御部24は、車両制御ユニット4から車両1の走行情報を受信した上で、当該走行情報を表示部20に表示させる。また、制御部24は、携帯端末30からインフォテイメント情報を受信した上で、当該インフォテイメント情報を表示部20に表示させる。この点において、表示システム2の表示モードがプロジェクションモードである場合には、制御部24は、携帯端末30から送信された画像データを表示部20に表示させる。この場合、制御部24は、携帯端末30から送信された画像データを調整した上で、当該調整した画像データを表示部20に表示させてもよい。一方で、表示システム2の表示モードがテンプレートモードである場合には、制御部24は、携帯端末30から送信されたインフォテイメント情報とROMに保存されたテンプレート画像データに基づいて、画像データを生成した上で、当該生成した画像データを表示部20に表示させる。
【0055】
尚、図2に示す表示システム2は、単一のモジュールにより構成されてもよいし、互いに分離した2以上のモジュールにより構成されてもよい。
【0056】
ハンドルスイッチ3は、左ハンドル226に設けられており、運転者の操作に応じた操作信号を生成した上で、入出力インターフェース23を通じて当該操作信号を制御部24に送信するように構成されている。図3に示すように、ハンドルスイッチ3は、ハウジング39と、ホームボタン31と、決定ボタン32と、左ボタン34と、右ボタン35と、上ボタン33と、下ボタン36とを有してもよい。尚、図3に示すハンドルスイッチ3の構成は一例である点に留意されたい。
【0057】
車両制御ユニット4は、車両1の走行を制御するように構成されている。特に、車両制御ユニット4は、スロットルグリップやブレーキレバー等のHMI(Human Machine Interface)から出力されたアクセル操作信号やブレーキ操作信号に基づいて、駆動源6を制御するように構成されている。車両制御ユニット4は、例えば、少なくとも一つの電子制御ユニット(ECU)により構成されている。ECUは、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含むコンピュータシステムと、アクティブ素子及びパッシブ素子から構成される電子回路を含んでもよい。車両制御ユニット4は、車両1に設けられている各種センサから出力された検出信号をCAN通信ケーブルを通じて表示システム2に送信するように構成されている。
【0058】
車速センサ5は、車両1の速度を検出すると共に、車両1の速度を示す検出信号を車両制御ユニット4に送信するように構成されている。駆動源回転数センサ7は、駆動源6の回転数を検出すると共に、駆動源6の回転数を示す検出信号を車両制御ユニット4に送信するように構成されている。駆動源6は、車両1の駆動力を生成するように構成されており、エンジン及び/又はモータである。
【0059】
冷却水温度センサ8は、駆動源6を冷却する冷却水の温度を検出すると共に、冷却水の温度を示す検出信号を車両制御ユニット4に送信するように構成されている。尚、駆動源6が水冷式エンジンでない場合には冷却水温度センサ8は車両1に設けられなくてもよい。この場合には、冷却水温度センサ8に代わって、エンジン温度を検出するように構成されたエンジン温度センサが車両1に設けられてもよい。
【0060】
燃料計センサ9は、駆動源6の燃料残量(例えば、ガソリン残量)を検出すると共に、燃料残量を示す検出信号を表示システム2に送信するように構成されている。尚、駆動源6がモータである場合には燃料計センサ9の代わりにバッテリ残量を検出するバッテリ残量センサが車両1に設けられてもよい。
【0061】
(メータ表示画面100とランチャー表示画面130)
次に、図4及び図5を参照して、表示部20に表示されるメータ表示画面100及びランチャー表示画面130について以下に説明する。図4は、表示部20のスクリーン上に表示されたメータ表示画面100の一例を示す図である。図5は、表示部20のスクリーン上に表示されたメータ表示画面100及びランチャー表示画面130の一例を示す図である。
【0062】
以下の説明では、表示部20のスクリーンの横方向D1及び縦方向D2について適宜言及する場合がある。横方向D1と縦方向D2は互いに直交しているものとする。横方向D1は、図1に示す車両1の左右方向に平行であってもよいし、平行でなくてもよい。また、以下の説明では、表示システム2の制御主体は制御部24である。
【0063】
最初に、図4に示すメータ表示画面100について説明する。メータ表示画面100は、表示部20に表示される初期画面となる。制御部24は、表示部20の第1表示モードにおいて、表示部20に車両1の走行情報(例えば、車両の速度情報、駆動源6の回転数情報等)を示すメータ表示画面100を表示する。図4に示すように、メータ表示画面100では、車両1の速度情報を示す速度メータ121と、駆動源6の回転数を示すタコメータ120が表示される。
【0064】
メータ表示画面100では、冷却水の温度を示す冷却水温度メータ122と、駆動源6の燃料残量を示す燃料残量メータ123と、車両1の運転モードを示す運転モード表示マーク128がさらに表示される。また、複数のステータスバーアイコン124がメータ表示画面100に表示されてもよい。図4に示すように、ステータスバーアイコン124は、表示システム2に接続される携帯端末30に関連する情報(例えば、携帯端末30の通信状態やバッテリ残量を示す情報)を示してもよい。
【0065】
また、図4に示すように、メータ表示画面100には、車両1の走行距離を示すオドメータ等の他のメータも表示されているが、これらのメータについての説明はここでは割愛する。
【0066】
次に、運転者によってハンドルスイッチ3のホームボタン31が操作されると、図5に示すように表示部20のスクリーン上にメータ表示画面100とランチャー表示画面130が表示される。即ち、制御部24は、ホームボタン31に対する運転者の一回の操作(例えば、一回の短押し操作)に応じて、表示部20の表示モードを図4に示す第1表示モードを図5に示す第2表示モードに切り替える。表示部20の第2表示モードでは、図5に示すように、メータ表示画面100とランチャー表示画面130が表示部20に表示される。
【0067】
表示部20の表示モードが第1表示モードから第2表示モードに切り替わる場合に、ランチャー表示画面130が縦方向D2においてメータ表示画面100内にスライドインする。このように、運転者は、ランチャー表示画面130のスライドイン動作を通じて、表示部20の表示モードが第1表示モードから第2表示モードに切り替わることを直ちに把握することができる。
【0068】
また、第1表示モードでのメータ表示画面100の表示位置が略維持された状態でランチャー表示画面130がメータ表示画面100に重畳される。具体的には、図4及び図5に示すように、メータ表示画面100のうち速度メータ121の表示領域(速度表示領域の一例)及びタコメータ120の表示領域が維持された状態でランチャー表示画面130がメータ表示画面100に重畳される。その一方で、冷却水温度メータ122の表示位置と燃料残量メータ123の表示位置が変更されると共に、運転モード表示マーク128がランチャー表示画面130によって隠蔽される。この点において、冷却水温度メータ122及び燃料残量メータ123は、縦方向D2において表示部20のスクリーンの上端に向かって移動する。
【0069】
また、表示部20の表示モードが第2表示モードである状態において、運転者によってホームボタン31が再度操作されると、表示部20の表示モードが図5に示す第2表示モードから図4に示す第1表示モードに切り替わる。即ち、制御部24は、ホームボタン31に対する運転者の一回の短押し操作に応じて、表示部20の表示モードを図5に示す第2表示モードから図4に示す第1表示モードに切り替える。
【0070】
表示モードが第2表示モードから第1表示モードに切り替わる場合に、ランチャー表示画面130が縦方向D2においてメータ表示画面100からスライドアウトする。このように、運転者は、ランチャー表示画面130のスライドアウト動作を通じて、表示部20の表示モードが第2表示モードから第1表示モードに切り替わることを直ちに把握することができる。
【0071】
また、第2表示モードにおいてハンドルスイッチ3が運転者によって一定期間の間(例えば、5秒間)操作されなかった場合に、表示モードが第2表示モードから第1表示モードに自動的に切り替わってもよい。この場合、運転者からのハンドル操作が一定期間の間ない場合に、表示モードが第2表示モードから第1表示モードに自動的に切り替わるので、表示システム2の操作性が向上する。
【0072】
図5に示すように、ランチャー表示画面130では、3つのアイコンが円周方向(所定方向の一例)に沿って並んで表示される。ランチャー表示画面130に表示される複数のアイコンの各々は、携帯端末30の機能又は車両1の機能に関連付けられている。この点において、ランチャー表示画面130に表示される複数のアイコンの各々は、互いに異なる機能に関連付けられている。
【0073】
具体的には、図5に示すランチャー表示画面130では、3つのアイコン132a~132cが円周方向に沿って並んで配置されている。アイコン132aは、携帯端末30の電話機能に関連するアイコンである。アイコン132bは、携帯端末30のメモリにインストールされているアプリ情報に関連するアイコンである。アイコン132cは、車両1の風よけスクリーン210(図1参照)の高さ調整に関連するアイコンである。例えば、図5に示すようにアイコン132aが選択されている状態において運転者によってハンドルスイッチ3の決定ボタン32が操作されると、携帯端末30の電話機能に関する情報を示す表示画面が表示部20のスクリーン上に表示される。また、図6に示すようにアイコン132cが選択されている状態において運転者によってハンドルスイッチ3の上ボタン33が操作されると、風よけスクリーン210の高さを上げることができる。一方、アイコン132cが選択されている状態において運転者によってハンドルスイッチ3の下ボタン36が操作されると、風よけスクリーン210の高さを下げることができる。
【0074】
ランチャー表示画面130では、運転者によって現在選択されているアイコン132aが、横方向D2におけるランチャー表示画面130の中心に表示されている。さらに、運転者によって現在選択されているアイコン132aは、縦方向D1においてメータ表示画面100の速度メータ121の表示領域に対向している。このように、運転者によって現在選択されているアイコン132aの視認性が向上する。
【0075】
また、ランチャー表示画面130に表示される全てのアイコンのうち3つのアイコンのみ(図5では、アイコン132a~132c)がランチャー表示画面130上に表示される一方で、残りのアイコンはランチャー表示画面130上には表示されない。このように、ランチャー表示画面130には全てのアイコンのうち3つのアイコンのみが表示されるため、ランチャー表示画面130に表示されたアイコンの視認性が向上する。この点において、3つのアイコンが円周方向に沿って並んで表示されているので、ランチャー表示画面130に表示されていないアイコンが存在することを運転者に想起させることができる。さらに、表示システム2が搭載される車両1の機種に応じて、ランチャー表示画面130に含まれるアイコンの個数が異なる場合が想定される。かかる場合であっても、ランチャー表示画面130上には全てのアイコンのうち一部(本例では、3つのアイコン)が表示されるため、車両1の機種に応じて、ランチャー表示画面130のレイアウトを変更する必要がない。
【0076】
次に、図5から図7を参照して、ランチャー表示画面130に表示されるアイコンの移動について説明する。図6及び図7は、ランチャー表示画面130上に表示されたアイコンが移動する様子を示す図である。
【0077】
図5に示すように、アイコン132aが現在選択されている状態で運転者がハンドルスイッチ3の右ボタン35を押すことで、運転者により選択されるアイコンがアイコン132aからアイコン132cに変更される。このとき、図6に示すように、ランチャー表示画面130に表示されるアイコンが円周上に沿って反時計周りに移動する。特に、図5に示すアイコン132bがランチャー表示画面130からスライドアウトする一方で、車両1のハンドルグリップの温度調整に関連するアイコン132d(図6参照)がランチャー表示画面130にスライドインする。さらに、運転者によって選択されるアイコン132cが、横方向D1においてランチャー表示画面130の中心に配置される。
【0078】
さらに、図6に示すように、アイコン132cが現在選択されている状態で運転者がハンドルスイッチ3の右ボタン35を押すことで、運転者により選択されるアイコンがアイコン132cからアイコン132dに変更される。このとき、図7に示すように、ランチャー表示画面130に表示されるアイコンが円周上に沿って反時計周りに移動する。特に、図6に示すアイコン132aがランチャー表示画面130からスライドアウトする一方で、車両1のシートの温度調整に関連するアイコン132e(図7参照)がランチャー表示画面130にスライドインする。さらに、運転者によって選択されるアイコン132dが、横方向D1においてランチャー表示画面130の中心に配置される。
【0079】
このように、制御部24は、右ボタン35に対する運転者の操作に対応する操作信号をハンドルスイッチ3から受信する。その後、制御部24は、当該操作信号に応じてランチャー表示画面130に表示されるアイコンを円周方向に沿って移動させることでランチャー表示画面130に表示されるアイコンを変更する。
【0080】
また、図6に示すランチャー表示画面130では、アイコン132cは、運転者によって現在選択されているアイコン(第1アイコンの一例)に相当する。アイコン132aは、運転者によって前回選択されたアイコン(第2アイコンの一例)に相当する。アイコン132dは、運転者によって次回選択されるアイコン(第3アイコンの一例)に相当する。このように、運転者によって現在選択されているアイコンと、運転者によって前回選択されたアイコンと、運転者によって次回選択されるアイコンの3つのアイコンがランチャー表示画面130に表示されているので、表示システム2の操作性が向上する。さらに、現在選択されているアイコン132cが、横方向D1において、前回選択されたアイコン132aと次回選択されるアイコン132dとの間に配置されている。このため、運転者は、現在選択されているアイコンと、前回選択されたアイコンと、次回選択されるアイコンとを直感的に把握することができるため、表示システム2の操作性が向上する。
【0081】
尚、本例では、運転者によって右ボタン35が押されることでランチャー表示画面130に表示されるアイコンが円周上に沿って反時計周りに移動している。その一方で、運転者によって左ボタン34が押される場合には、ランチャー表示画面130に表示されるアイコンは、円周上に沿って時計周りに移動する。
【0082】
本実施形態によれば、ハンドルスイッチ3に対する運転者の操作に応じて、表示部20の表示モードをメータ表示画面100が表示される第1表示モード又はメータ表示画面100及びランチャー表示画面130が表示される第2表示モードに切り替えることができる。このように、ハンドルスイッチ3に対する運転者の操作に応じて、携帯端末30の機能又は車両1の機能に関連付けられたアイコンが表示されたランチャー表示画面130を表示部20に表示することができるので、表示システム2のユーザビリティを向上させることができる。
【0083】
また、本実施形態では、ホームボタン31に対する1回の短押し操作に応じて表示部20の表示モードが切り替わるので、表示システム2の利便性及び操作性を向上させることができる。
【0084】
また、表示部20の表示モードが第1表示モードから第2表示モードに切り替わる場合にメータ表示画面100の表示位置が略維持された状態でランチャー表示画面130がメータ表示画面100に重畳されるので、表示モードが切り替わった際に運転者に与える違和感が軽減される。この点において、少なくとも速度メータ121とタコメータ120の表示位置が維持されるので、運転者に与える違和感を軽減することができる。
【0085】
また、運転者はハンドルスイッチ3を操作することでランチャー表示画面130に表示されたアイコンを円周方向に沿って移動させることができるため、表示システム2の操作性を向上させることができる。
【0086】
本実施形態では、運転者によって現在選択されているアイコンは、横方向D1においてランチャー表示画面130の中心に表示されると共に、強調表示されている。この点において、図6に示すように、運転者によって選択されているアイコン132cのサイズは、図5に示すアイコン132cのサイズと比較して大きくなる。このように、運転者は、アイコンのサイズの変化を視認することで、現在選択されているアイコンを直ちに把握することができる。また、図8に示すように、表示システム2は、現在選択されているアイコン132aを囲むフレーム133をランチャー表示画面130上に表示することで、アイコン132aを強調表示してもよい。
【0087】
(着信通知画面140)
次に、図4及び図9を参照して、表示部20に表示される着信通知画面140について以下に説明する。図9は、表示部20のスクリーン上に表示されたメータ表示画面100及び着信通知画面140の一例を示す図である。
【0088】
最初に、制御部24は、携帯端末30から電話の着信を示す着信信号を受信した上で、当該着信信号に応じて表示部20のスクリーン上にメータ表示画面100と着信通知画面140とを表示する。即ち、制御部24は、着信信号の受信に応じて、表示部20の表示モードを図4に示す第1表示モードから図9に示す第3表示モードに切り替える。表示部20の第3表示モードでは、図9に示すように、表示部20のスクリーン上にメータ表示画面100と着信通知画面140が表示される。
【0089】
表示部20の表示モードが第1表示モードから第3表示モードに切り替わる場合に、着信通知画面140が縦方向D2においてメータ表示画面100内にスライドインする。このように、運転者は、着信通知画面140のスライドイン動作を通じて、表示部20の表示モードが第1表示モードから第3表示モードに切り替わることを直ちに把握することができる。
【0090】
また、第1表示モードでのメータ表示画面100の表示位置が略維持された状態で着信通知画面140がメータ表示画面100に重畳される。具体的には、図4及び図9に示すように、メータ表示画面100のうち速度メータ121の表示領域及びタコメータ120の表示領域が維持された状態で着信通知画面140がメータ表示画面100に重畳される。一方で、冷却水温度メータ122の表示位置と燃料残量メータ123の表示位置が変更されると共に、運転モード表示マーク128が着信通知画面140によって隠蔽される。この点において、冷却水温度メータ122及び燃料残量メータ123は、縦方向D2において表示部20のスクリーンの上端に向かって移動する。
【0091】
着信通知画面140では、着信応答アイコン142及び着信拒否アイコン143が表示される。運転者がハンドルスイッチ3の決定ボタン32を通じて着信応答アイコン142を操作する場合には、制御部24は、着信応答を示す着信応答信号を携帯端末30に送信する。その後、携帯端末30によって受信された発信者の音声データが表示システム2に送信されると共に、図示しないヘルメットに搭載されたヘッドフォンから音声が出力される。この場合、ヘルメットに搭載されたヘッドフォンは、通信部22と無線又は有線で接続されていてもよい。また、ヘルメットに搭載されたマイクから運転者の音声データが生成された上で、運転者の音声データが表示システム2を介して携帯端末30に送信される。一方、運転者がハンドルスイッチ3の決定ボタン32を通じて着信拒否アイコン143を操作する場合には、制御部24は、着信拒否を示す着信拒否信号を携帯端末30に送信する。
【0092】
着信応答アイコン142又は着信拒否アイコン143が選択された状態で運転者によって決定ボタン32が操作される場合、表示部20の表示モードが図9に示す第3表示モードから図4に示す第1表示モードに切り替わる。即ち、制御部24は、決定ボタン32に対する運転者の操作に応じて、表示部20の表示モードを図9に示す第3表示モードから図4に示す第1表示モードに切り替える。この場合、着信通知画面140が縦方向D2においてメータ表示画面100からスライドアウトしてもよい。
【0093】
本実施形態によれば、携帯端末30からの着信信号の受信に応じて、表示部20の表示モードをメータ表示画面100が表示される第1表示モードからメータ表示画面100及び着信通知画面140が表示される第3表示モードに切り替えることができる。このように、着信信号の受信に応じて、着信通知画面140を表示部20に表示することができるので、表示システム2のユーザビリティを向上させることができる。
【0094】
尚、本例では、着信通知画面140は、電話の着信を示すだけでなく、LINE(登録商標)、FACEBOOK(登録商標)又はTwitter(登録商標)等のSNS(Social Networking Service)からのテキストメッセージ又は音声通話の着信を示してもよい。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0096】
1:鞍乗型車両(車両)
2:表示システム
3:ハンドルスイッチ
4:車両制御ユニット
5:車速センサ
6:駆動源
7:駆動源回転数センサ
8:冷却水温度センサ
9:燃料計センサ
20:表示部
22:通信部
23:入出力インターフェース
24:制御部
30:携帯端末
31:ホームボタン
32:決定ボタン
33:上ボタン
34:左ボタン
35:右ボタン
36:下ボタン
39:ハウジング
40:無線基地局
50:IPネットワーク
60:外部サーバ
100:メータ表示画面
120:タコメータ
121:速度メータ
122:冷却水温度メータ
123:燃料残量メータ
128:運転モード表示マーク
130:ランチャー表示画面
132a~132e:アイコン
140:着信通知画面
142:着信応答アイコン
143:着信拒否アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9