(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057836
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
G03G21/18 164
G03G21/18 185
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020166289
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】板橋 奈緒
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA28
2H171HA06
2H171HA08
2H171HA09
2H171HA23
2H171JA23
2H171JA38
2H171JA39
2H171JA40
2H171JA50
2H171JA51
2H171KA04
2H171KA05
2H171KA17
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA29
2H171LA07
2H171MA02
2H171MA03
2H171MA07
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB32
2H171QB35
2H171WA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カートリッジを着脱可能なドロワであって、カートリッジをロックするためのラッチを有するドロワを備えた画像形成装置において、カートリッジ電極がラッチをまたがずに、本体電極と電気的に接続可能な構成とする。
【解決手段】カートリッジは、カートリッジがドロワ100に装着され、かつラッチ130がロック位置に位置する状態で、ドロワ100が本体筐体に装着されたとき、中継電極を介して本体電極と電気的に接続可能なカートリッジ電極を有し、中継電極は、ラッチ130に配置される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体電極を有する本体筐体と、
現像ローラを有するカートリッジと、
第1方向について前記本体筐体に対して移動可能なドロワであって、前記第1方向に延びる回動軸について、前記カートリッジを前記ドロワにロックするロック位置と、前記カートリッジの前記ドロワへのロックを解除する解除位置と、の間を回動可能なラッチと、中継電極と、を有するドロワと、を備え、
前記カートリッジは、前記カートリッジが前記ドロワに装着され、かつ前記ラッチが前記ロック位置に位置する状態で、前記ドロワが前記本体筐体に装着されたとき、前記中継電極を介して前記本体電極と電気的に接続可能なカートリッジ電極を有し、
前記中継電極は、前記ラッチに配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記本体電極は、メモリ本体電極を有し、
前記中継電極は、メモリ中継電極を有し、
前記カートリッジ電極は、前記カートリッジが前記ドロワに装着され、かつ前記ラッチが前記ロック位置に位置する状態で、前記ドロワが前記本体筐体に装着されたとき、前記メモリ中継電極を介して前記メモリ本体電極と電気的に接続可能なICチップを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ドロワは、前記ラッチがロック位置に位置し、かつ、前記ドロワが前記本体筐体に装着された状態で前記メモリ本体電極と電気的に接続可能なコネクタであって、前記メモリ中継電極と電気的に接続されているコネクタを有し、
前記コネクタは、前記ラッチに配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記コネクタは、前記第1方向における前記ラッチの一端部に配置されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ドロワは、前記メモリ中継電極と前記コネクタを電気的に接続する導線を有し、
前記導線は、前記ラッチに配置されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ICチップは、メモリと、前記メモリと電気的に接続されるメモリ電極と、を有し、
前記メモリ電極は、下向きであることを特徴とする請求項2から請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記メモリ電極は、前記現像ローラの回転軸が延びる第2方向において、前記カートリッジの端部から離れた位置に位置することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記本体電極は、現像本体電極を有し、
前記中継電極は、現像中継電極を有し、
前記カートリッジ電極は、前記現像ローラと電気的に接続される現像電極であって、前記現像中継電極を介して前記現像本体電極と電気的に接続可能な現像電極を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記カートリッジは、供給ローラを有し、
前記本体電極は、供給本体電極を有し、
前記中継電極は、供給中継電極を有し、
前記カートリッジ電極は、前記供給ローラと電気的に接続される供給電極であって、前記供給中継電極を介して前記供給本体電極と電気的に接続可能な供給電極を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記カートリッジは、感光ドラムを有し、
前記本体電極は、ドラム本体電極を有し、
前記中継電極は、ドラム中継電極を有し、
前記カートリッジ電極は、前記感光ドラムと電気的に接続されるドラムアースであって、前記ドラム中継電極を介して前記ドラム本体電極と電気的に接続可能なドラムアースを有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記カートリッジは、前記感光ドラムを帯電させる帯電ローラを有し、
前記本体電極は、帯電本体電極を有し、
前記中継電極は、帯電中継電極を有し、
前記カートリッジ電極は、前記帯電ローラと電気的に接続される帯電電極であって、前記帯電中継電極を介して前記帯電本体電極と電気的に接続可能な帯電電極を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記本体電極は、メモリ本体電極を有し、
前記中継電極は、メモリ中継電極と、プロセス中継電極と、を有し、
前記カートリッジ電極は、前記メモリ中継電極と電気的に接続可能なメモリ電極と、前記プロセス中継電極と電気的に接続可能なカートリッジプロセス電極と、を有し、
前記ドロワは、
前記ラッチがロック位置に位置し、かつ、前記ドロワが前記本体筐体に装着された状態で前記メモリ本体電極と電気的に接続可能なコネクタであって、前記メモリ中継電極と電気的に接続されているコネクタと、
前記メモリ中継電極と前記コネクタを電気的に接続する導線と、
を有し、
前記導線は、前記プロセス中継電極と前記ラッチの間に位置し、前記プロセス中継電極と交差することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記プロセス中継電極は、前記カートリッジ電極と接触する第1接点と、前記本体電極と接触する第2接点と、前記第1電極と前記第2電極とをつなぐ中継部を有し、
前記導線は、前記ラッチと前記中継部との間に位置することを特徴とする請求項12に記載の画像形成値。
【請求項14】
前記ドロワは、複数の前記カートリッジを着脱可能であり、
前記ラッチは、複数の前記カートリッジに対応した複数の前記メモリ中継電極を有し、
前記導線は、複数の前記メモリ中継電極と、1つの前記コネクタとを電気的に接続可能であることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドロワを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像ローラを有するカートリッジを着脱可能に支持するドロワが知られている。ドロワは、画像形成装置の本体筐体に対して移動可能に支持されている。ユーザが本体筐体に対してカートリッジを着脱する際は、ユーザは、まず、ドロワを本体筐体から引き出す。その後、ユーザは、ドロワに対してカートリッジを着脱する。ユーザは、カートリッジをドロワに装着した後、ドロワを本体筐体に装着する。カートリッジは、画像形成装置の使用時において、本体筐体から電力を供給される。例えば、画像形成を行う際には、カートリッジの現像ローラは、本体筐体の本体電極から現像電圧を印加される。
【0003】
特許文献1の技術では、カートリッジは、本体筐体の本体電極と電気的に接続可能なカートリッジ電極を有する。カートリッジ電極は、現像ローラと電気的に接続されている現像電極や、カートリッジに関する情報を記憶するメモリと電気的に接続されているメモリ電極など、を含む。カートリッジがドロワに装着された状態でドロワを本体筐体に装着し、本体筐体のカバーを閉じると、カートリッジ電極は、本体筐体の本体電極と直接接触する。これにより、カートリッジ電極は、本体電極と電気的に接続される。また、ドロワは、現像ローラの軸方向におけるカートリッジの端部に、カートリッジをドロワに対してロックするためのラッチを有する。ラッチによって、カートリッジはドロワに対してロックされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0142348号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の開示においては、カートリッジ電極と本体電極とを直接接触させるために、カートリッジ電極は、ラッチをまたぐ必要があった。言い換えると、カートリッジ電極を、カートリッジの筐体からラッチの厚さの分だけ突出させる必要があった。そのため、ユーザがカートリッジを扱う際に、突出したカートリッジ電極に触れてしまい、カートリッジ電極を傷つけてしまう恐れがあった。
【0006】
本開示は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、カートリッジを着脱可能に支持するドロワであって、ラッチを有するドロワを備えた画像形成装置において、カートリッジ電極がラッチをまたがずに本体電極と電気的に接続可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するための本開示は、本体電極を有する本体筐体と、現像ローラを有するカートリッジと、本体筐体内と、本体筐体外との間で、第1方向について移動可能なドロワであって、第1方向に延びる回動軸について、カートリッジをドロワにロックするロック位置と、カートリッジのドロワへのロックを解除する解除位置と、の間を回動可能なラッチと、中継電極と、を有するドロワと、を備えた画像形成装置である。
【0008】
カートリッジは、カートリッジがドロワに装着され、かつラッチがロック位置に位置する状態で、ドロワが本体筐体に装着されたとき、中継電極を介して本体電極と電気的に接続可能なカートリッジ電極を有し、中継電極は、ラッチに配置されている。
【0009】
この構成によれば、ラッチに配置された中継電極を介してカートリッジのカートリッジ電極と本体電極とが電気的に接続可能なので、カートリッジ電極が、ラッチをまたがなくてよい。
【0010】
また、本体電極はメモリ本体電極を有し、中継電極はメモリ中継電極を有し、カートリッジ電極は、カートリッジがドロワに装着され、かつラッチがロック位置に位置する状態で、ドロワが本体筐体に装着されたとき、メモリ中継電極を介してメモリ本体電極と電気的に接続可能なICチップを有する構成とすることができる。
【0011】
この構成によれば、ラッチに配置されたメモリ中継電極を介してカートリッジのICチップとメモリ本体電極とが電気的に接続可能なので、ICチップが、ラッチをまたがなくてよい。
【0012】
また、ドロワは、ラッチがロック位置に位置し、かつ、ドロワが本体筐体に装着された状態でメモリ本体電極と接触可能なコネクタであって、メモリ中継電極と電気的に接続されているコネクタを有し、コネクタは、ラッチに配置された構成とすることができる。
【0013】
また、コネクタは、第1方向におけるラッチの一端部に配置された構成とすることができる。
【0014】
また、ドロワは、メモリ中継電極とコネクタとを電気的に接続する導線を有し、同線は、ラッチに配置された構成とすることができる。
【0015】
この構成によれば、コネクタと、メモリ中継電極と、導線が、いずれもラッチに配置されるため、ラッチの回動に干渉しない。
【0016】
また、ICチップは、メモリと、メモリと電気的に接続されるメモリ電極と、を有し、メモリ電極は下向きである構成とすることができる。
【0017】
また、メモリ電極は、現像ローラの回動軸が延びる第2方向において、カートリッジの端部から突出した構成とすることができる。
【0018】
この構成によれば、メモリ電極をメモリ中継電極と電気的に接続させやすい。
【0019】
また、本体電極は現像本体電極を有し、中継電極は現像中継電極を有し、カートリッジ電極は、現像ローラと電気的に接続される現像電極であって、現像中継電極を介して現像本体電極と電気的に接続可能な現像電極を有する構成とすることができる。
【0020】
この構成によれば、ラッチに配置された現像中継電極を介してカートリッジの現像電極と現像本体電極とが電気的に接続可能なので、現像電極がラッチをまたがなくてよい。
【0021】
また、本体電極は供給本体電極を有し、中継電極は供給中継電極を有し、カートリッジ電極は、供給ローラと電気的に接続される供給電極であって、供給中継電極を介して供給本体電極と電気的に接続可能な供給電極を有する構成とすることができる。
【0022】
この構成によれば、ラッチに配置された供給中継電極を介してカートリッジの供給電極と供給本体電極とが電気的に接続可能なので、供給電極がラッチをまたがなくてよい。
【0023】
また、本体電極はドラム本体電極を有し、中継電極はドラム中継電極を有し、カートリッジ電極は、感光ドラムと電気的に接続されるドラムアースであって、ドラム中継電極を介してドラム本体電極と電気的に接続可能なドラムアースを有する構成とすることができる。
【0024】
この構成によれば、ラッチに配置されたドラム中継電極を介してカートリッジのドラムアースとドラム本体電極とが電気的に接続可能なので、ドラムアースがラッチをまたがなくてよい。
【0025】
また、本体電極は帯電本体電極を有し、中継電極は帯電中継電極を有し、カートリッジ電極は、帯電ローラと電気的に接続される帯電電極であって、帯電中継電極を介して帯電本体電極と電気的に接続可能な帯電電極を有する構成とすることができる。
【0026】
この構成によれば、ラッチに配置された帯電中継電極を介してカートリッジの帯電電極と帯電本体電極とが電気的に接続可能なので、帯電電極がラッチをまたがなくてよい。
【0027】
また、本体電極はメモリ本体電極を有し、中継電極はメモリ中継電極とプロセス中継電極と、を有し、カートリッジ電極はメモリ中継電極と電気的に接続可能なメモリ電極と、プロセス中継電極と電気的に接続可能なカートリッジプロセス電極と、を有し、ドロワは、ラッチがロック位置に位置し、かつ、ドロワが本体筐体に装着された状態でメモリ本体電極と電気的に接続可能なコネクタであって、メモリ中継電極と電気的に接続されているコネクタと、メモリ中継電極とコネクタを電気的に接続する導線と、を有し、導線は、プロセス中継電極とラッチの間に位置し、プロセス中継電極と交差する構成であってもよい。
【0028】
また、プロセス中継電極は、カートリッジ電極と接触する第1接点と、本体電極と接触する第2接点と、第1接点と第2接点とをつなぐ中継部を有し、導線は、ラッチと中継部との間に位置する構成であってもよい。
【0029】
この構成によれば、導線がプロセス中継電極によってラッチから外れづらい。
【0030】
また、ドロワは、複数の前記カートリッジを着脱可能であり、ラッチは、複数の前記カートリッジに対応した複数のメモリ中継電極を有し、導線は、複数の前記メモリ中継電極と、1つのコネクタとを電気的に接続する構成であってもよい。
【0031】
この構成によれば、複数のメモリ電極を、導線によって1つのコネクタに中継することで、本体電極との接点を1か所にまとめることができる。
【発明の効果】
【0032】
本開示によれば、カートリッジのカートリッジ電極と、本体筐体の本体電極とを、中継電極を介して電気的に接続させることで、カートリッジ電極は、ラッチをまたがずに、本体電極と電気的に接続可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図2】実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【
図3】第2方向から見た、ドロワと転写装置と本体筐体の関係を表す断面図であって、(a)直動カムが第1位置に位置する状態と、(b)直動カムが第2位置に位置する状態を示す図である。
【
図4】第2方向から見たカートリッジの断面図である。
【
図5】第2方向の一端側から見たカートリッジの斜視図である。
【
図6】第2方向の他端側から見たカートリッジの斜視図である。
【
図7】ラッチがロック解除位置に位置する状態のドロワの斜視図である。
【
図8】第2方向の他端側から見たカートリッジの斜視図である。
【
図9】第2方向の一端側から見たカートリッジの斜視図である。
【
図10】カートリッジをドロワに装着した状態の側面図である。
【
図11】カートリッジを第2方向から見た時の模式図であって、(a)当接状態と、(b)離間状態を示す図である。
【
図12】カバーの開閉動作に連動した、中間転写ベルトと感光ドラムの当接と離間を示す図であって、(a)中間転写ベルトが離間位置に位置する状態と、(b)中間転写ベルトが当接位置に位置する状態を示す図である。
【
図13】変形例に係るカートリッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本開示の実施の形態について、適宜図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、本体筐体10内と本体筐体10外との間のドロワ100の移動方向を、第1方向とする。また、現像ローラ62の軸方向を、第2方向とする。第1方向は、第2方向と交差する。好ましくは、第1方向は、第2方向と直行する。また、カートリッジ20のドロワ100に対する着脱方向を、第3方向とする。第3方向は、第2方向と第1方向と交差する。好ましくは、第3方向は、第2方向と第1方向と直行する。また、第3方向において、上、下、という表現も適宜使用する。例えば、
図2に示すように、第3方向において、露光ユニットSUは、ドロワ100の上側に位置し、中間転写ベルト73は、ドロワ100の下側に位置する。
【0035】
(1)画像形成装置1の概要
図1、
図2、
図3に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、転写装置70と、ドロワ100と、を備える。
【0036】
本体筐体10は、カバー11と、開口12と、レバー13と、本体電極14と、を有する。
【0037】
カバー11は、第1方向における本体筐体10の一端側に位置する。カバー11は、開口12を閉じる閉位置と、開口12を開ける開位置と、の間を移動可能である。
【0038】
レバー13は、第1方向における本体筐体10の他端側に位置する。レバー13は、ドロワ100の下に位置する。レバー13は第2方向に延びるレバー軸X3について、回動可能である。
【0039】
本体電極14は、後述するドロワ100の中継電極160を介して、カートリッジ20のカートリッジ電極33と電気的に接続される。本体電極14は、プロセス本体電極15と、メモリ本体電極16と、を有する。
【0040】
プロセス本体電極15は、本体筐体10内に位置する。プロセス本体電極15は、第2方向において、本体筐体10の一端部に位置する。言い換えると、プロセス本体電極15は、ドロワ100を装着した場合、第2方向において、ドロワ100の中継電極160が位置する端部と同じ側に位置する。
【0041】
メモリ本体電極16は、本体筐体10内に位置する。メモリ本体電極16は、第1方向において、本体筐体10の一端部に位置する。言い換えると、メモリ本体電極16は、ドロワ100を本体筐体10内に装着した場合、第1方向において、ドロワ100のコネクタ141が位置する端部と同じ側に位置する。
【0042】
転写装置70は、第3方向において、ドロワ100の下側に位置する。言い換えると、転写装置70は、第3方向において、ドロワ100に対して本体筐体10の上面18と反対側に位置する。転写装置70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、中間転写ベルト73と、複数の一次転写ローラ74と、を有する。駆動ローラ71は、第1方向において、従動ローラ72と離れて位置する。中間転写ベルト73は、無端状のベルトである。中間転写ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72の間に張られている。一次転写ローラ74は、中間転写ベルト73の内側に位置する。一次転写ローラ74は、後述する感光ドラム32との間で中間転写ベルト73を挟む。本実施形態では、転写装置70が有する一次転写ローラ74の数は、4つである。ただし、後述する感光ドラム32の数と同じ数であれば、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0043】
ドロワ100は、本体筐体10内と本体筐体10外との間で、第1方向に移動可能である。
図1では、ドロワ100が、本体筐体10外に位置している。複数のカートリッジ20は、ドロワ100に対して、個別に着脱可能である。複数のカートリッジ20は、ドロワ100に装着された状態で、ドロワ100とともに本体筐体10に装着可能である。カートリッジ20は、カートリッジ筐体31と、感光ドラム32と、ICチップ36と、帯電ローラ35と、現像筐体41と、現像ローラ42と、供給ローラ45と、を有する。複数のカートリッジ20は、ドロワ100に装着された状態で、第1方向において間隔をあけて並んで位置する。
【0044】
複数のカートリッジ20は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤を収容する。本実施形態のドロワ100に装着されるカートリッジ20の数は、4つである。より具体的には、カートリッジ20は、第1カートリッジ20aと、第2カートリッジ20bと、第3カートリッジ20cと、第4カートリッジ20dと、を有する。第1カートリッジ20aは、第1感光ドラム32aと、第1現像ローラ42aと、を有する。第2カートリッジ20bは、第2感光ドラム32bと、第2現像ローラ42bと、を有する。第3カートリッジ20cは、第3感光ドラム32cと、第3現像ローラ42cと、を有する。第4カートリッジ20dは、第4感光ドラム32dと、第4現像ローラ42dと、を有する。ただし、ドロワ100に装着されるカートリッジ20の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0045】
画像形成装置1は、次のようなプロセスで画像形成を行う。
【0046】
図4に示すように、画像形成装置1は、帯電ローラ35に帯電電圧を印加した状態で、帯電ローラ35を感光ドラム32と接触させながら回転させることで、感光ドラム32の表面を帯電する。次に、画像形成装置1は、露光装置SU(
図2参照)によって、感光ドラム32の表面を露光することで静電潜像を形成する。それらの動作と並行して、画像形成装置1は、供給ローラ45に供給電圧を印加し、現像筐体41内の現像剤を供給ローラ45から現像ローラ42に供給する。現像ローラ42に現像電圧を印加することで、現像ローラ42の現像剤が、感光ドラム32の露光された部分に付着し、感光ドラム32上に現像剤像が形成される。そして、画像形成装置1は、現像剤像を有する感光ドラム32と一次転写ローラ74との間で、中間転写ベルト73を挟むことで、中間転写ベルト73に現像剤像を転写する。中間転写ベルト73に転写された現像剤像は、駆動ローラ71に向けて搬送され、駆動ローラ71と本体筐体10の二次転写ローラ19との間でシートを挟むことで、シートに現像剤像を転写する。現像剤像を転写されたシートは、本体筐体10の定着装置80によって現像剤像が定着され、本体筐体10の上面18に排出される。
【0047】
(2)カートリッジ20の詳細
図4、
図5、
図6に示すように、カートリッジ20は、第1ユニット30と、第2ユニット40と、を有する。
【0048】
(2-1)第1ユニット30
第1ユニット30は、カートリッジ筐体31と、感光ドラム32と、ドラムカップリング32aと、カートリッジ電極33と、帯電ローラ35と、ICチップ36と、を有する。
【0049】
カートリッジ筐体31は、絶縁性の樹脂からなる。カートリッジ筐体31は、感光ドラム32を回転可能に支持する。カートリッジ筐体31は、第2方向における感光ドラム32の一端部を回転可能に支持する第1ボス31aと、第2方向における感光ドラム32の他端部を回転可能に支持する第2ボス31bと、後述する第2ユニット40の現像カップリング40aを回転可能に支持する第3ボス31cと、を有する。第1ボス31aは、第2方向において、カートリッジ筐体31の一端部から突出している。第2ボス31bは、第2方向において、カートリッジ筐体31の他端部から突出している。第3ボス31cは、第2方向において、カートリッジ筐体31の他端部から突出している。
【0050】
カートリッジ筐体31は、第2方向に延びる回動軸について、第2ユニット40を第1ユニット30に対して回動可能に支持する。
【0051】
感光ドラム32は、第2方向に延びるドラム軸X1について回転可能である。感光ドラム32は、金属製の素管と、素管の表面に塗布された感光層と、を有している。素管は、後述するドラムアース34cと電気的に接続されている。これにより、感光層が帯電された場合、感光層の表面と素管の間に電位差が生まれ、電界が生じる。
【0052】
ドラムカップリング32aは、第2方向における感光ドラム32の他端部に位置する。感光ドラム32は、ドラムカップリング32aを介して、本体筐体10から回転力を受け、回転する。
【0053】
カートリッジ電極33は、第2方向において、カートリッジ筐体31の一端部に位置する。カートリッジ電極33は、プロセス電極34と、ICチップ36と、を有する。カートリッジ電極33は、後述する中継電極160と電気的に接続され、中継電極160を介して、本体筐体10と電気的に接続される。
【0054】
プロセス電極34は、現像電極34aと、供給電極34bと、ドラムアース34cと、帯電電極34dと、を有する。現像電極34aは、現像ローラ42と電気的に接続される。供給電極34bは、供給ローラ45と電気的に接続される。ドラムアース34cは、感光ドラム32の素管と電気的に接続される。帯電電極34dは、帯電ローラ35と電気的に接続される。プロセス電極34は、露出しており、後述する中継電極160と接触可能である。
【0055】
ICチップ36は、メモリ36aと、メモリ電極36bと、を有する。メモリ36aは、カートリッジ20に関する情報を記憶可能である。具体的には、メモリ36aは、カートリッジ20が新品か否かの情報や、使用した現像剤量の情報、カートリッジ20が収容している現像剤の色の情報などを記憶可能である。メモリ電極36bは、メモリ36aと電気的に接続される。メモリ電極36bは、露出しており、後述する中継電極160と接触可能である。
【0056】
(2-2)第2ユニット40
第2ユニット40は、現像カップリング40aと、現像筐体41と、現像ローラ42と、カム受け溝43と、アジテータ44と、と、供給ローラ45と、弾性部材の一例としての押圧ばね21と、を有する。
【0057】
現像カップリング40aは、第2方向における第2ユニット40の他端部に位置する。現像カップリング40aは第2方向に延びる回動軸である現像カップリング軸X3について回動可能である。現像カップリング40aは本体筐体10から回転力を受け、回転する。現像ローラ42は、現像カップリング40aから、図示しないギアを介して回転力を受け、回転する。また、アジテータ44は、現像カップリング40aから、図示しないギアを介して回転力を受け、回転する。また、供給ローラ45は、現像カップリング40aから、図示しないギアを介して回転力を受け、回転する。
【0058】
現像筐体41は、現像剤を収容する。現像筐体41は、第2方向において、カートリッジ筐体31の一端部とカートリッジ筐体31の他端部との間に位置する。
【0059】
現像ローラ42は、供給ローラ45に供給された現像剤を、感光ドラム32の静電潜像に付着させる。この時、現像ローラ42には、現像電極34aによって、現像電圧が印加される。
【0060】
カム受け溝43は、後述するドロワ100の直動カム170と接触する。カム受け溝43は、第2ユニット40の下側に位置する。言い換えると、カム受け溝43は、第2ユニット40の第3方向における他端部に位置する。言い換えると、カートリッジ20は、第3方向における他端部にカム受け溝43を有する。
【0061】
アジテータ44は、現像筐体41の内部に位置し、第2方向に延びるアジテータ軸X4について回転することで、現像筐体41に収容された現像剤を攪拌する。
【0062】
供給ローラ45は、現像筐体41内に位置し、現像剤を現像ローラ42に供給する。この時、供給ローラ45には、供給電極34bによって、供給電圧が印加される。
【0063】
図11に示すように、第2ユニット40は、現像ローラ42を感光ドラム32に接触させる接触位置と、現像ローラ42を感光ドラム32から離間させる離間位置と、を第1ユニット30に対して回動可能である。なお、現像カップリング40aが第3ボス31cに支持されているため、第2ユニット40は、第1ユニット30に対して、現像カップリング軸X3(
図6参照)について回動する。
【0064】
押圧ばね21は、現像ローラ42を感光ドラム32に向けて押圧する部材である。押圧ばね21は、現像筐体41の外表面に位置し、第1ユニット30と接触する。押圧ばね21は、現像ローラ32が感光ドラム32に当接するよう現像筐体41を押圧する。そのため、カートリッジ20に対して外力が加わらない場合(以後、通常時という)は、現像ローラ42は、感光ドラム32と接触している。言い換えると、通常時は、第2ユニット32は、接触位置に位置する。
【0065】
なお、第2ユニット40が回動しても、現像電極34aと現像ローラ42の電極との電気的な接続は、維持される。具体的には、現像電極34aの接点の面積は、現像ローラ42の電極の接点の面積よりも大きい。そのため、第2ユニット40が回動すると、現像ローラ42の電極は、現像電極34aと擦れながら移動する。これにより、第2ユニット40が回動しても、現像ローラ42の電極は、現像電極34aと電気的な接続が維持される。また、第2ユニット40が回動しても、供給電極34bと、供給ローラ45の電極の電気的な接続は、維持される。具体的には、供給電極34bの接点の面積は、供給ローラ45の電極の接点の面積よりも大きい。そのため、第2ユニット40が回動すると、供給ローラ45の電極は、供給電極34bと擦れながら移動する、これにより、第2ユニット40が回動しても、供給ローラ45の電極は、供給電極34bと電気的な接続が維持される。
【0066】
(3)ドロワ100の詳細
図7、
図8、
図9に示すように、ドロワ100は、第1サイドフレーム110と、第2サイドフレーム120と、ラッチ130と、中継電極160と、直動カム170と、を有する。
【0067】
(3-1)第1サイドフレーム110、第2サイドフレーム120
第1サイドフレーム110は、第2方向におけるドロワ100の一端部に位置する。第1サイドフレーム110は、第1ガイド溝111を有する。第1ガイド溝111は、カートリッジ20をドロワ100に着脱する場合に、第2方向におけるカートリッジ20の一端部をガイドする。具体的には、第1ガイド溝111は、第1ボス31aをガイドする。
【0068】
第2サイドフレーム120は、第2方向におけるカートリッジ20の他端部に位置する。第2サイドフレーム120は、第2ガイド溝121と第3ガイド溝122を有する。第2ガイド溝121と第3ガイド溝は、第2方向におけるカートリッジ20の他端部をガイドする。具体的には、第2ガイド溝121は、第2ボス31bをガイドする。第3ガイド溝122は、第3ボス31cをガイドする。
【0069】
(3-2)ラッチ130
ラッチ130は、カートリッジ20の第2方向における端部が挿入されることを許容する複数の穴131を有する。より具体的には、カートリッジ20がドロワに装着された状態で、ラッチ130を後述するロック位置に位置させた場合、カートリッジ20の第1ボス31a、第2ボス31b、第3ボス31cが、それぞれ挿入されることを許容する複数の穴131を有する。
【0070】
ラッチ130は、第1方向に延びる回動軸について、カートリッジ20をドロワ100にロックするロック位置と、カートリッジ20のドロワ100へのロックを解除する解除位置と、の間を回動可能である。カートリッジ20がドロワ100に装着された状態で、ラッチ130が解除位置にある場合、カートリッジ20は、ドロワ100に対して着脱可能である。カートリッジ20がドロワ100に装着された状態で、ラッチ130がロック位置に位置する場合、カートリッジ20は、ドロワ100にロックされ、ドロワ100に対して着脱ができなくなる。より具体的には、カートリッジ20がドロワ100に装着された状態で、ラッチ130がロック位置に位置する場合、カートリッジ20の第2方向における端部は、穴131に挿入される。これにより、ラッチ130は、カートリッジ20がドロワ100から外れることを規制する。
【0071】
ラッチ130は、第1ラッチ140と、第2ラッチ150と、を有する。第1ラッチ140は、第2方向において、ドロワ100の一端部に位置する。第1ラッチ140は、第1サイドフレームに位置する。第2ラッチ150は、第2方向において、ドロワ100の他端部に位置する。第2ラッチ150は、第2サイドフレームに位置する。
【0072】
第1ラッチ140は、本体筐体10のメモリ本体電極16と電気的に接続可能なコネクタ141と、コネクタ141と後述するメモリ中継電極161とを電気的に接続する導線142と、溝143と、を有する。
【0073】
コネクタ141は、第1方向において第1ラッチ140の一端部に位置する。コネクタ141は、ドロワ100を本体筐体10に装着されると、本体筐体10のメモリ本体電極16と電気的に接続される。なお、本実施形態では、コネクタ141は、第1ラッチに対して、第3方向に移動可能に支持されている。これにより、コネクタ141は、本体筐体10のメモリ本体電極16と接続する場合に、位置の誤差を吸収することが可能である。
【0074】
導線142は、メモリ中継電極161に電気的に接続する。導線142は、第1ラッチ140の回転中心と反対側の端部に位置する。
【0075】
溝143は、第1ラッチ140の回動中心と反対側の端部に位置する。導線142は、第1ラッチ140の溝143の中に位置する。導線142が溝143の中に位置する状態で、導線142は、後述するプロセス中継電極162の中継部165と第1ラッチ140との間に位置する。
【0076】
なお、本実施形態では、ラッチ130は、メモリ中継電極161を4つ有する。そのため、それぞれのメモリ中継電極161に対応するように、導線142は、4セット設けられている。4セットの導線142は、互いに電気的に接続されない状態で、1つのコネクタ141に接続される。ただし、本実施形態で、1セットの導線142とは、1つのICチップ36と情報をやり取りするのに必要な複数の導線のことを指す。
【0077】
(3-3)中継電極160
中継電極160は、第1ラッチ140に位置する。言い換えると、中継電極160は、ラッチ130に位置する。
【0078】
なお、本実施形態では、ドロワ100に対して装着されるカートリッジ20の数が4つであるため、ドロワ100は、中継電極160を4つ有する。より具体的には、ドロワ100は、後述するメモリ中継電極161と、現像中継電極162aと、供給中継電極162bと、ドラム中継電極162cと、帯電中継電極162dと、をそれぞれ4つずつ有している。ただし、本実施形態では、各中継電極160は、同様に構成されているため、以下の説明では、1つのカートリッジ20に対応する各中継電極160について説明する。
【0079】
中継電極160は、メモリ中継電極161と、プロセス中継電極162と、を有する。
【0080】
メモリ中継電極161は、カートリッジ20がドロワ100に装着され、かつ、ラッチ130がロック位置に位置する状態で、メモリ電極36bと接触する。メモリ中継電極161は、第1ラッチ140のコネクタ141と導線142を介して電気的に接続されている。コネクタ141は、本体筐体10のメモリ本体電極16と電気的に接続可能である。ドロワ100が本体筐体10に装着されると、コネクタ141を介して、メモリ中継電極161は、本体筐体10の本体メモリ電極と電気的に接続される。したがって、カートリッジ20がドロワ100に装着され、かつ、ラッチ130がロック位置に位置する状態で、ドロワ100が本体筐体10に装着された場合、メモリ電極36bは、メモリ中継電極161を介して、本体筐体10の本体メモリ電極と電気的に接続される。
【0081】
メモリ中継電極161は、第1ラッチ140がロック位置に位置する状態で、メモリ中継電極161の接点は上向きである。言い換えると、第1ラッチ140がロック位置に位置する場合、メモリ中継電極161の接点は、カートリッジ20をドロワ100から外す方向を向いている。第1ラッチ140がロック位置に位置する場合、メモリ中継電極161の接点は、第3方向において、第1ラッチ140の回転軸と反対の端部に位置する。カートリッジ20がドロワ100に装着され、第1ラッチ140がロック位置に位置する状態で、メモリ電極36bは、メモリ中継電極161と接触する。これにより、メモリ中継電極161は、メモリ電極36bと電気的に接続可能である。
【0082】
プロセス中継電極162は、第1ラッチ140を挟む。カートリッジ20がドロワ100に装着され、かつ、ラッチ130がロック位置に位置する状態で、プロセス中継電極162は、プロセス電極34と接触する。これにより、プロセス中継電極162は、プロセス電極34と電気的に接続される。また、カートリッジ20がドロワ100に装着され、かつ、ラッチ130がロック位置に位置する状態で、プロセス中継電極162は、プロセス本体電極15と接触する。これにより、プロセス中継電極162は、プロセス本体電極15に電気的に接続可能である。
【0083】
プロセス中継電極162は、現像中継電極162aと、供給中継電極162bと、ドラム中継電極162cと、帯電中継電極162dと、を有する。また、プロセス本体電極15は、現像本体電極15aと、供給本体電極15bと、ドラム本体電極15cと、帯電本体電極15dと、を有する。中継電極160は、カートリッジ20がドロワ100に装着され、かつ、ラッチ130がロック位置に位置する状態で、本体電極14と接触することで、電気的に接続可能である。
【0084】
より具体的には、現像中継電極162aは、第1現像接点163aと、第2現像接点164aと、を有する。供給中継電極162bは、第1供給接点163bと、第2供給接点164bと、を有する。ドラム中継電極162cは、第1ドラム接点163cと、第2ドラム接点164cと、を有する。帯電中継電極162dは、第1帯電接点163dと、第2ドラム接点164dと、を有する。なお、第1現像接点163aと、第1供給接点163bと、第1ドラム接点163cと、帯電中継電極162dとは、第1接点163の一例である。また、第2現像接点164aと、第2供給接点164bと、第2ドラム接点164cと、第2ドラム接点164dとは、第2接点164の一例である。
【0085】
第1現像接点163aは、現像電極34aと接触することで、現像電極34aと電気的に接続可能である。第1供給接点163bは、供給電極34bと接触することで、供給電極34bと電気的に接続可能である。第1ドラム接点163cは、ドラムアース34cと接触することで、ドラムアース34cと電気的に接続可能である。第1帯電接点163dは、帯電電極34dと接触することで、帯電電極34dと電気的に接続可能である。
【0086】
また、第2現像接点164aは、現像本体電極15aと接触することで、現像本体電極15aと電気的に接続可能である。第2供給接点164bは、供給本体電極15bと接触することで、供給本体電極15bと電気的に接続可能である。第2ドラム接点164cは、ドラム本体電極15cと接触することで、ドラム本体電極15cと電気的に接続可能である。第2ドラム接点164dは、帯電本体電極15dと接触することで、帯電本体電極15dと電気的に接続可能である。
【0087】
これにより、現像電極34aと現像本体電極15aは、現像中継電極162aを介して電気的に接続可能である。また、供給電極34bと供給本体電極15bは、供給中継電極162bを介して電気的に接続可能である。また、ドラムアース34cとドラム本体電極15cは、ドラム中継電極162cを介して電気的に接続可能である。また、帯電電極34dと帯電本体電極15dは、帯電中継電極162dを介して電気的に接続可能である。
【0088】
(3-4)直動カム170
直動カム170はPOMからなる。直動カム170は、第3方向において、ドロワの下端部に位置する。言い換えると、ドロワ100を本体筐体に装着した場合に、第3方向において、中間転写ベルト73に近い方のドロワ100の端部に位置する。
【0089】
本実施形態では、ドロワ100は、直動カム170を2つ有する。1つ目の直動カム170は、第2方向において、感光ドラム32の感光層と第1ボス31aとの間に位置する。2つ目の直動カム170は、第2方向において、感光ドラム32の感光層と第2ボス31bとの間に位置する。直動カム170は、感光ドラム32、第1ボス31a、および第2ボス31bと、接触しない用に構成されている。
【0090】
直動カム170は、ドロワ100に対して移動可能に支持される。本実施形態では、直動カム170は、第1サイドフレーム110の図示しないスナップフィットによって、第1サイドフレーム110から外れないように支持される。
【0091】
図3に示すように、直動カム170は、ドロワ100に対して第1方向に直動可能である。直動カム170は、第1位置(
図3(a)参照)と第2位置(
図3(b)参照)との間を直動可能である。
【0092】
直動カム170は、カートリッジ20がドロワ100に装着された状態で、カートリッジ20と接触する。より具体的には、直動カム170は、凸部171を有する。カートリッジ20をドロワ100に装着すると、凸部171はカートリッジ20のカム受け溝43に嵌まる。凸部171は、先端が細くなるように構成されている。これにより、凸部171は、カム受け溝43に嵌まりやすい。凸部171がカム受け溝43に嵌まった状態で、直動カム170が第1方向に直動すると、カム受け溝43が凸部171から、力を受ける。第1ユニット30はラッチ130によってドロワ100に対して固定されているため、力を受けた第2ユニット40が、第1ユニット30に対して回動する。第2ユニット40は、アジテータ軸X2について回動する。直動カム170が第1位置に位置する場合は、感光ドラム32は、現像ローラ42と接触し、直動カム170が第2位置に位置する場合は、感光ドラム32は、現像ローラ42と離間する。具体的には、直動カム170が第1位置に位置する場合は、第2ユニット40が、感光ドラム32と現像ローラ42とが接触する位置に位置する。直動カム170が直動して第2位置に位置すると、第2ユニット40が回動して、現像ローラ42は、感光ドラム32から離間する。そのため、直動カム170が第1位置から第2位置に直動した場合、第2ユニット40が、現像ローラ42と感光ドラム32が接触する接触位置から、現像ローラ42と感光ドラム32が離間する離間位置に回動する。また、直動カム170が、第2位置から第1位置に直動した場合も同様に、第2ユニット40が、現像ローラ42と感光ドラム32とが離間した離間位置から、現像ローラ42と感光ドラム32とが接触する接触位置に回動する。
【0093】
ドロワ100を本体筐体10に装着する場合、直動カム170は本体筐体10と接触する。
【0094】
直動カム170は、第1方向の一端部に凹部172を有する。本体筐体10のレバー13は、凹部172に嵌まる。レバー13は、第2方向に延びるレバー軸X3について回動可能である。直動カム170は、レバー13の回動に伴い、第1位置と第2位置との間を直動する。より具体的には、レバー13は、本体筐体10からの力を受ける受け部13aと、凹部172に嵌まり、直動カム170と接触する押圧部13bとを有する。受け部13aが本体筐体10から力F(
図3参照)を受けると、レバー13は回動し、押圧部13bが、凹部172を介して直動カム170を第1方向に押圧する。そのため、直動カム170が第2位置に移動する。なお、本実施形態では、本体筐体10のソレノイド(図示しない)によって、レバー13に力Fを付与している。受け部13aが本体筐体10から力Fを受けていない場合は、カートリッジ20の押圧部材21によって、現像ローラ42が感光ドラム32に向けて押圧される方向に第2ユニット40が回動する。その結果、直動カム170は、第2ユニット40によって付勢され、第1位置に回動する。
(4)カートリッジ20とドロワ100の本体筐体10への装着
初めに、中間転写ベルト73と感光ドラム32の接触と離間の動作について説明する。
【0095】
中間転写ベルト73は、カバー11の開閉動作に連動して移動可能である。中間転写ベルト73の移動に関して、
図12を参照して説明する。カバー11は、従動ローラ72の従動ローラシャフト72aと接触する。カバー11は、斜面11aを有する。斜面11aと従動ローラシャフト72aが接触した状態で、カバー11が回転することで、従動ローラシャフト72aが、第3方向に移動する。これにより、従動ローラ72が、第3方向に移動する。その結果、中間転写ベルト73は、カバー11の開閉動作に連動して移動する。より詳細には、駆動ローラ71が本体筐体10に対して固定された状態で、従動ローラ72が、本体筐体10に対して移動する。そのため、中間転写ベルト73は、駆動ローラ71を回動中心として回動する。これにより、中間転写ベルト73は、カートリッジ20がドロワ100に装着された状態で、カバー11の開閉動作に連動して、感光ドラム32と接触する接触位置と、感光ドラム32と離間する離間位置と、を移動可能である。これにより、中間転写ベルト73は、カバー11が開位置に位置する場合は、接触位置に位置し、カバー11が閉位置に位置する場合は、離間位置に位置する。また、この場合、一次転写ローラ74は、中間転写ベルト73と接触した状態を維持しながら移動する。中間転写ベルト73が感光ドラム32と接触した場合、中間転写ベルト73は、感光ドラム32と一次転写ローラ74によって挟まれる。
【0096】
次に、カートリッジ20をドロワ100に装着してから、ドロワ100を本体筐体10に装着し、カバー11を閉位置に移動させた場合の、一連の動作について説明する。
【0097】
ユーザは、カバー11を開位置に位置させた状態で、ドロワ100を本体筐体10から引き出し、ラッチ130を解除位置に位置させ、カートリッジ20の着脱を行う。カートリッジ20は、ドロワ100に装着する場合、ドロワ100の第1ガイド溝111、第2ガイド溝121、第3ガイド溝122によってガイドされ、第1方向においてドロワ100に対して位置決めされる。複数のカートリッジ20の装着が完了したら、ラッチ130をロック位置に位置させる。複数のカートリッジ20は、プロセス中継電極162がカートリッジ電極33に接触する過程で、第2方向に押圧される。これにより、カートリッジ20は、ドロワ10に対して、第2方向において位置決めされる。ドロワ100を本体筐体10に装着すると、コネクタ141は、メモリ本体電極16と接続される。
【0098】
図12に示すように、カバー11を閉位置に移動させると、その過程で、従動ローラ72が、カバー11によって持ち上げられる。これにより、転写装置70は、ドロワ100に対して上方に持ち上げられる。言い換えると、転写装置70は、第3方向において、ドロワ100に向けて移動する。より具体的には、従動ローラ72がカバー11の斜面11aによって持ち上げられることにより、中間転写ベルト73は、ドロワ100に向けて移動する。これにより、中間転写ベルト73は、感光ドラム32と接触する。更に、従動ローラ72がカバー11によって持ち上げられると、感光ドラム32は、中間転写ベルト73によって押圧される。そのため、カートリッジ20は、ドロワ100に対して上方に持ち上がる。これにより、第1ボス31aが、ラッチ130の穴131の縁132に接触する。より具体的には、第1ボス31aが、穴131の縁132のくさび形部132aに接触する。これにより、第3方向において、カートリッジ20は、ドロワ100に対して位置決めされる。第1ボス31aがラッチ130のくさび形部132aに接触した状態で、カートリッジ20が更に持ち上げられると、ドロワ100が、第3方向において持ち上げられる。その結果、ドロワ100の突出部101が、本体筐体10と接触する。
【0099】
(5)作用効果
(1)以上説明した本開示の一実施形態によれば、ドロワ100が有する直動カム170によって、カートリッジ20は、感光ドラム32と現像ローラ42の接触と離間を行うことができる。これによって、直動カム170は、ドロワ100に装着される第1カートリッジ20との位置決めを容易に行うことができる。
【0100】
(2)また、本開示の一実施形態によれば、第1カートリッジ20aと第2カートリッジ20bは、直動カム170によって、第1感光ドラム32aと第1現像ローラ42aの接触と離間と、第2感光ドラム32bと第2現像ローラ42bの接触と離間を、まとめて行うことができる。これにより、シンプルな構成で、複数の感光ドラム32と対応する複数の現像ローラ42の接触と離間を行うことができる。
【0101】
(3)また、本開示の一実施形態によれば、直動カム170が直動すると、現像ローラ42を有する第2ユニット40が回動することで、現像ローラ42が感光ドラム32と接触する位置と離間する位置とを移動可能である。これにより、感光ドラム32を動かさないため、中間転写ベルト73に感光ドラム32上の現像剤像を転写する際の位置が、変化してしまう可能性を低くすることができる。
【0102】
(4)また、本開示の一実施形態によれば、直動カム170の凸部170が第2ユニット40のカム受け溝43に嵌まる構成のため、カートリッジ20と直動カム170を接触させるために、カートリッジ20に突出物を持たせる必要がない。
【0103】
(5)また、本開示の一実施形態によれば、カートリッジ20の第2方向における端部に位置するラッチ130によって、カートリッジ20をドロワ100に対してロックすることができる。これにより、カートリッジ20がドロワ100から外れることを抑制できる。
【0104】
(6)また、本開示の一実施形態によれば、カートリッジ20の第2方向における端部に位置するラッチ130によって、カートリッジ20の第1ユニット30をドロワ100に対してロックすることができる。これにより、第1ユニット30がドロワ100に対してロックされた状態で、第2ユニット40のみを回動させやすくなり、感光ドラム32と現像ローラ42の接触と離間を行いやすくなる。
【0105】
(7)また、本開示の一実施形態によれば、直動カム170がドロワ100の第3方向における下端部に位置するため、カートリッジ20をドロワ100に装着したときに、同時にカートリッジ20が直動カム170と接触可能である。これにより、直動カム170は、ドロワ100に装着されるカートリッジ20との位置決めを容易に行うことができる。
【0106】
(8)また、本開示の一実施形態によれば、レバー13に筐体10から力が加わらない場合には、押圧ばね21によって、現像ローラ42が感光ドラム32に押圧する方向に力がかかる。そのため、直動カム170はカートリッジ20を介して、第1位置に位置するように押圧される。これにより、感光ドラム32と現像ローラ42を離間させる必要がないときは、感光ドラム32と現像ローラ42は常に接触した状態で維持される。これにより、感光ドラム32と現像ローラ42を離間させるときのみに、直動カムを第2位置に移動させればよく、シンプルな構成にすることができる。
【0107】
(9)また、本開示の一実施形態によれば、レバー13は凹部から離れて位置する第1回動位置に位置する状態で、ドロワ100を本体筐体10に対して装着可能なため、ドロワ100とレバー13は干渉しない構成とすることができる。また、ドロワ100が本体筐体10に装着された状態で、レバー13を第2回動位置に回動させることで、直動カム170を第1位置から第2位置に直動させることが可能である。
【0108】
(10)また、本開示の一実施形態によれば、ドロワ100が装着された状態で、レバー13に本体筐体10から力を加えているときのみ、直動カム170は第2位置に位置し、レバー13に本体筐体10から力を加えていないときは、直動カム170は第1位置に位置する。これにより、感光ドラム32と現像ローラ42を離間させるときのみ、レバー13を操作すればよく、シンプルな構成にすることができる。
【0109】
(6)変形例
以上に本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、適宜変形して実施することが可能である。
【0110】
例えば、一実施形態では、メモリ電極は、下向きの構成としたが、
図13に示すように、メモリ電極は、第2方向において、カートリッジの外側を向く構成であってもよい。この場合、メモリ中継電極は、第2方向において、ドロワの内側を向く構成となる。そのため、メモリ中継電極は、メモリ電極と電気的に接続することが可能となる。
【0111】
また、一実施形態では、ドロワは直動カムを2つ有する構成であったが、1つであってもよい。
【0112】
また、一実施形態では、帯電ローラによって感光ドラムの帯電を行っていたが、スコロトロン帯電器によって感光ドラムの帯電を行ってもよい。
【0113】
また、一実施形態では、各カートリッジ電極、具体的には、メモリ電極、現像電極、供給電極、ドラムアース、帯電電極のいずれも、中継電極を介して、本体電極と電気的に接続される構成としたが、中継電極を介していなくてもよい。例えば、メモリ電極のみ、本体電極と直接接触させ、電気的に接続される構成としてもよい。
【0114】
また、一実施形態では、プロセス中継電極は、ラッチを挟む構成としたが、ラッチが穴を有し、プロセス中継電極は、ラッチの穴に挿入される構成であってもよい。
【0115】
また、一実施形態では、1つのラッチが複数のカートリッジをまとめてロックする構成としたが、1つのラッチが1つのカートリッジのみをロックする構成であってもよい。
【0116】
また、一実施形態では、カートリッジの第2方向における両端部をロックする構成としたが、片方の端部のみをロックする構成であってもよい。
【0117】
また、一実施形態では、カートリッジ筐体が、カートリッジ電極を有する構成としたが、カートリッジは、第2方向における第1ユニットの一端部と第2方向における第2ユニットの一端部とを支持する第1サイドカバーと、第2方向における第1ユニットの他端部と第2方向における第2ユニットの他端部とを支持する第2サイドカバーと、を有し、第1サイドカバーが、カートリッジ電極を有する構成であってもよい。また、第2サイドカバーが、第2ボスと第3ボスを有する構成であってもよい。この場合、第1サイドカバーに、第1ユニットと第2ユニットの第2方向における一端部を取り付けたのちに、第2カバーを第1ユニットと第2ユニットの他端部を取り付けることで、カートリッジを組み立てることができるので、カートリッジの組み立てが容易である。
【0118】
また、一実施形態では、複数のカートリッジについて、カートリッジ電極の配置が同一である構成としたが、複数のカートリッジについて配置が異なっていてもよい。この場合、中継電極の配置や形状を適宜変えることで、カートリッジ電極と本体電極とを電気的に接続することが可能である。
【0119】
また、一実施形態では、第2ユニットは、押圧ばねによって押圧されていたが、押圧ばねに限らず、引きばねや板バネなどの弾性部材であってもよい。また、弾性部材は、現像ローラのシャフトを直接押圧する構成であってもよい。
【0120】
また、上述の一実施形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0121】
1 画像形成装置
10 本体筐体
14 本体電極
20 カートリッジ
30 第1ユニット
32 感光ドラム
36 ICチップ
40 第2ユニット
42 現像ローラ
70 転写装置
100 ドロワ
130 ラッチ
160 中継電極
170 直動カム