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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057881
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】おむつ装着装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/44 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
A61F5/44 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020166352
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】399071041
【氏名又は名称】月島倉庫株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090893
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 敏
(72)【発明者】
【氏名】北川 洋子
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CD10
4C098CE08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高齢者が使用することが多い、おむつを自立意識の高い高齢者が出来るだけ、他人の力を借りずに、装着できるおむつ装着装置を提供する。
【解決手段】突出部材32を設けた屈曲支持体20と、突出部材の前後動をバネ状支持部40に伝達する部材を設け、バネ状支持部には、バネ50等の伸縮部材を伸縮自在に装着したアーム部材(U字状アーム)46が設けられ、アーム部材は、曲部材(曲板)80を押圧自在に装着することで、突出部材と曲部材の先端部分80Hに装着されたおむつを容易に装着が可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突出部材を設けた屈曲支持体と、前記突出部材の前後動をバネ状支持部に伝達する部材を設け、前記バネ状支持部には、バネ等の伸縮部材を伸縮自在に装着したアーム部材が設けられ、前記アーム部材は、曲部材を押圧自在に装着することで、前記突出部材と前記曲部材の先端部分に装着されたおむつを容易に装着が可能であることを特徴とするおむつ装着装置。
【請求項2】
前記屈曲支持体の中心に屈曲部中心体が設け、その左右に右側板と左側板が設けて、前記屈曲部中心体の上部に前記突出部材を設け、前記突出部材の前後動を前記バネ状支持部に伝達する部材として前記屈曲部中心体が設けたことを特徴とする請求項1記載のおむつ装着装置。
【請求項3】
前記突出部材の上部にポリウレタン保護部等の身体接触部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のおむつ装着装置。
【請求項4】
前記アーム部材は、U字状アーム又は直線状アームであって、中間にバネ等の前記伸縮部材を設けた請求項1に記載のおむつ装着装置。
【請求項5】
前記曲部材は、曲板又は棒状の部材であって、前記アーム部材の押圧を受ける受部があることを特徴とする請求項1に記載のおむつ装着装置。
【請求項6】
前記バネ状支持部には、バネ支持体が設けられ、底部に支持板が接合し、その下方に受支持板を設けて、バネを前記支持板と前記受支持板間のU字状アームに環装した請求項1に記載のおむつ装着装置。
【請求項7】
前記受支持板は、基礎支持部の左右に広がる2つの拡幅板の拡幅が始まる部分に左右が固定され、前記2つの拡幅板は軸支された回動ロッドに連結し、前記回動ロッドを前記屈曲支持体に軸支したことを特徴とする請求項6に記載のおむつ装着装置。
【請求項8】
前記突出部材を設けた前記屈曲支持体であって、前記突出部材の前後動を前記バネ状支持部に伝達する部材として、前記突出部材を前記屈曲支持体の後方まで延設して、前記突出部材と前記バネ支持体と連結することで、前記突出部材の前後動を前記バネ状支持部に直接伝達したことを特徴とする請求項1に記載のおむつ装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者が使用することが多い、おむつを自立意識の高い高齢者が、出来るだけ、他人の力を借りずに、装着できる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、乳幼児の動きを効果的に抑制し、軽量でかさばらず携帯に便利なおむつ交換用補助具の提供するものであるが、屈曲復元性を備えた枠材3及び平坦に広げられ上記枠材3により周囲を縁取られた折りたたみ可能なシート5からなり、乳幼児をシートを利用しておむつをつける時に固定するものである。
【0003】
特許文献2は、介護者が患者のオムツを交換するために人の両足にパッド9を装着しそのパッドに釣り紐8を付け、これを持ち上げるための釣り棒2と、この釣り棒の上下動作をガイドする昇降ガイドフレーム1を備え、介護師が移動のとき自由に方向の変えられる駆動車輪1つを持つ電動走行台車6と、陰部の汚れを洗い流すシャワー装置13と、その汚水を吸引するトレイ10、タンク14、吸引モータと、ワンタッチで取り付け両足を持ち上げるパッドとを備えるオムツ交換リフターである。機械を使用した大がかりな装置である。
【0004】
特許文献3は、脚部2に立設した固定支柱3に、シリンダ装置4を介して昇降自在に設けられた昇降支柱5と、昇降支柱5の上部位置に支持された支持アーム6と、支持アーム6に外嵌された脚保持部8と、脚保持部8の長軸の端部側に上向き凸状の落下止め9を有し、更に、仰臥位、又は半座位(半仰臥位)等で脚保持部8に膝裏を載置し上昇された下肢が行う歩行に類似した屈伸動作を活かすリハビリ支援おむつ交換補助具1である。大がかりな機械である。
【0005】
特許文献4は、病院や家庭で寝たきり老人等のおむつを交換する場合、大掛かりな装置を必要とせず、一人でも容易に、且つ安全に交換することができるおむつの交換方法およびその器具であり、支軸を身体脚部の膝裏に配置させ、前記支軸の両端に設置された回動部を回転させ、支軸にて脚部を上昇させておむつを交換させるおむつの交換方法。身体脚部の膝裏周辺に配置される支軸(2)と、該支軸(2)の両端(3)に装着され、身体の両側に配置される回動部(10)とで構成されているおむつ交換器具である。寝たきりに人を対象としたものであり、本発明と異なる。
【0006】
特許文献5は、介護者が女性や高齢者等の弱者であっても、被介護者の体形に関係なく、被介護者のおむつ交換作業を無理なく行える。被介護者Mの腰部を挟んで略平行に配置された2つの基体2の長さ方向略中央で、かつ、上方へと所定高さ位置に、略水平で、かつ、基体2の長さ方向に略垂直な方向を向く回動軸を中心に一端を回動自在に容易に変形しない2つの昇降ロッド8を支持し、2つの昇降ロッド8の軸受4aから遠い側の端間に連結杆17を横架し、各昇降ロッド8に2つの脚受部31を内側に向かって略水平に支持し、脚受部31に被介護者Mの膝下を支持して連結杆17を上方へと引き上げて被介護者Mの腰部を上げた状態でアーム21の回動を固定して被介護者Mのおむつを交換する。
【0007】
高齢者が寝ておむつ交換を行うものであり、本発明と異なる。
【0008】
特許文献6は、脱落ガード付ベット・布団などに装置を設置して、腕力の弱い老いた女性でも苦労なく短時間に腰部を浮かせ、大人のおむつを交換する補助装置に関するものであり、脱落ガード付ベット・布団などの敷布団15の上に空気袋3付敷物2を敷く、ベース板7は敷き布団の下に設置し、両足を各足支え台4に乗せる。空気袋3に空気を送り込みまたは、帯状の敷物9を小型ウインチ10で巻上げ身体の腰部を浮かせ、大人のおむつを交換する。高齢者が腰を浮かせておむつの交換をするものである。
【0009】
以上の特許文献1乃至6は、本件発明のように自立を目指す高齢者が自立できる状態で使用するものではない点で異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005-46356号公報
【特許文献2】特開2011-11028号公報
【特許文献3】実用新案登録第3115283号公報
【特許文献4】特開2003-70819公報
【特許文献5】特開2001-293023公報
【特許文献6】特開平10-229994公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、おむつを容易に装着が可能なおむつ装着装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の構成は、突出部材を設けた屈曲支持体と、突出部材の前後動をバネ状支持部に伝達する部材を設け、バネ状支持部には、バネ等の伸縮部材を伸縮自在に装着したアーム部材が設けられ、アーム部材は、曲部材を押圧自在に装着することで、突出部材と曲部材の先端部分に装着されたおむつを容易に装着が可能なおむつ装着装置とする。
【0013】
屈曲支持体の中心に屈曲部中心体が設け、その左右に右側板と左側板が設けて、屈曲部中心体の上部に突出部材を設け、突出部材の前後動をバネ状支持部に伝達する部材として屈曲部中心体が設けた。
【0014】
突出部材の上部にポリウレタン保護部等の身体接触部を設ける。
【0015】
アーム部材は、U字状アーム又は直線状アームであって、中間にバネ等の伸縮部材を設ける。
【0016】
曲部材は、曲板又は棒状の部材であって、アーム部材の押圧を受ける受部がある。
【0017】
バネ状支持部には、バネ支持体が設けられ、底部に支持板が接合し、その下方に受支持板を設けて、バネを支持板と受支持板間のU字状アームに環装した。
【0018】
受支持板は、基礎支持部の左右に広がる2つの拡幅板の拡幅が始まる部分に左右が固定され、2つの拡幅板は軸支された回動ロッドに連結し、回動ロッドを屈曲支持体に軸支した。
【0019】
突出部材を設けた屈曲支持体であって、突出部材の前後動をバネ状支持部に伝達する部材として、突出部材を屈曲支持体の後方まで延設して、突出部材とバネ支持体と連結することで、突出部材の前後動をバネ状支持部に直接伝達した。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の突出部材を設けた屈曲支持体と、突出部材の前後動をバネ状支持部に伝達する部材を設け、バネ状支持部には、バネ等の伸縮部材を伸縮自在に装着したアーム部材が設けられ、アーム部材は、曲部材を押圧自在に装着することで、突出部材と曲部材の先端部分に装着されたおむつを容易に装着が可能になった。
【0021】
請求項2に記載の屈曲支持体は、中心に屈曲部中心体が設けられ、左右に右側板と左側板が設けて屈曲部中心体の上部に突出部材を設け、突出部材の前後動をバネ状支持部に伝達する部材として屈曲部中心体が設けたので、おむつを容易に装着が可能になった。
【0022】
請求項3に記載の突出部材の上部にポリウレタン保護部等の身体接触部を設けると、人体の腰部分がおむつ装着装置に装着する場合に、腰部分の負担を軽減する。
【0023】
請求項4のアーム部材は、U字状アーム又は直線状アームであって、中間にバネ等の伸縮部材を設けると、人体が屈曲支持体を押圧した場合にも、押圧を解除すれば、最初の状態にバネで戻り、回数を重ねて使用する時には、便利である。
【0024】
請求項5の曲部材は、曲板又は棒状の部材であって、アーム部材の押圧を受ける受部がある場合には、アーム部材の押圧を曲部材の先端に容易に伝達できる。
【0025】
請求項6のバネ状支持部には、バネ支持体が設けられ、底部に支持板が接合し、その下方に受支持板を設けて、バネを支持板と受支持板間のU字状アームに環装して設けたので、押圧を解除すれば、最初の状態にバネで戻り、回数を重ねて使用する時には、便利である。
【0026】
請求項7の受支持板は、基礎支持部の左右に広がる2つの拡幅板の拡幅が始まる部分に左右が固定され、2つの拡幅板は軸支された回動ロッドに連結し、回動ロッドを屈曲支持体に軸支したので、人体の押圧を屈曲支持体にした場合は、確実に屈曲支持体の両サイドを屈曲させることが出来る。
【0027】
請求項8の突出部材を設けた屈曲支持体は、突出部材の前後動をバネ状支持部に伝達する部材として、突出部材を屈曲支持体の後方まで延設して、突出部材とバネ支持体と連結することで、突出部材の前後動をバネ状支持部に直接伝達したので、伝達がより直接的になった。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1(A)は、本発明のおむつ装着装置10の正面図、 図1(B)は、図1(A)の左側面図である。
図2図1の実施例で、右側板と左側板がY字状になって、突出部材が人体の後方に押圧された状態の本発明のおむつ装着装置10の正面図、 図2(B)は、図2(A)の左側面図である。
図3図2(A)の状態の斜視図である。
図4】曲板の斜視図である。
図5図5(A)は、本発明のおむつ装着装置を壁に、横設した状態で、人体が、屈曲支持体の突出部材に腰の部分を押圧する前の状態を表した説明図である。図5(B)は、本発明のおむつ装着装置を壁に、横設した状態で、人体が、屈曲支持体の突出部材に腰の部分を押圧して押し込んだ状態を表した説明図である。
図6】本件発明のおむつ装着装置の変形実施例1であり、図6(A)は、人体を突出部材に押圧していない状態の説明図であり、図6(B)は、人体を突出部材に押圧した状態の説明図である。
図7】本件発明のおむつ装着装置の変形実施例2であり、図7(A)は、人体を突出部材に押圧していない状態の平面図であり、図7(B)は、同(A)の正面図、図7(C)は、同(A)の左側面図である。
図8図7の変形実施例2であり、図8(A)は、人体を突出部材に押圧した状態の平面図であり、図8(B)は、同(A)の正面図、図8(C)は、同(A)の左側面図である。
図9図9(A)、図9(B)は本件発明のおむつ装着装置に装着するおむつの実施例を図示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明のおむつ装着装置10は、まず突出部材32を設けた屈曲支持体20と屈曲部中心体と接合したバネ状支持部40、バネ状支持部40のU字状アームを貫通接合した受支持板を含む基礎支持部60からなっており、基礎支持部に装着自在な曲板80を装着して、使用するものである。
【0030】
図1(A)は、本発明のおむつ装着装置10の正面図であり、上部は人体の腰部を支える屈曲支持体20が設けられている。屈曲支持体20の中心に屈曲部中心体22が設けられ、屈曲部中心体22は、左右に右側板28と左側板30が設けられている。屈曲部中心体22は左右に軸24及び軸26が設けられ、軸24には右側板28が、軸26には左側板30が連結している。このような構造により、屈曲支持体20は、右側板28と左側板30が上方に回動する構造になっている。
【0031】
屈曲部中心体22の上部には、下降自在な突出部材32に設けられている。突出部材の上には保護部材34が設けられ、人体の腰部に密着するようになっている。
【0032】
屈曲支持体20の屈曲部中心体22は、バネ状支持部40のバネ支持体42と接合しており、バネ支持体42はU字状アーム46が中心部を貫通しており、U字状アーム46は下方に吊持されている。又バネ支持体42は、底部に支持板44が接合しており、支持板44の左右は前記U字状アーム46が貫通している。このように、U字状アーム46は、上部でバネ支持体42、その下側で支持板44に接合支持されている。U字状アーム46は、支持板44の更に下方に受支持板48が横方向に設けられており、受支持板48の左右は、U字状アーム46が貫通している。
【0033】
U字状アーム46の左右の支持板44と受支持板48の間は、コイル状のバネ50、52が環装されており、バネ支持体42が、屈曲部中心体22と共に下降する場合は、バネ部の上下幅が縮むことになる。この場合U字状アーム46は下降し、後述する曲板80を押し下げることになる。
【0034】
受支持板48は、基礎支持部60の左右に広がる2つの拡幅板62、64の拡幅が始まる部分に、左右が固定されている。拡幅板62、64とその上部で回動ロッド66、68とは、回動軸70、72により軸支されている。回動ロッド66、68は、屈曲支持体20の左右の右側板28と左側板30の下部に設けられた接合部70、72に、回動軸74、76により軸支されている。
【0035】
バネ支持体42が、屈曲部中心体22と共に下降する場合は、回動ロッド66、68が内転し、右側板28と左側板30がY字状になる(図2参照)。
【0036】
図1(B)は、本発明のおむつ装着装置10の左側面図であり、ここで、基礎支持部に装着された曲板80は、一番高い位置で、U字状アーム46と接合しており、曲板80の先端部分80Hは、おむつ装着装置の装着前の位置に収まっている(後述)。
【0037】
図2(A)は、バネ支持体42が、屈曲部中心体22と共に下降する場合の本発明のおむつ装着装置10の正面図であり、右側板28と左側板30がY字状になっている。回動ロッド66、68が内転して、直立に近い状態になっている。この場合U字状アーム46は下降し、後述する曲板80を押し下げている。又、バネ支持体42が、屈曲部中心体22と共に下降するので、バネ部の上下幅が縮んでいる。曲板80は、低い位置でU字状アーム46と接合しており、曲板80の先端部分80Hは、おむつの装着が可能な位置まで、移動している(図2(B))。
【0038】
図3は、図2(A)の状態の斜視図である。右側板28と左側板30がY字状になっている。回動ロッド66、68が内転して、直立に近い状態になっている。この場合U字状アーム46は下降し、後述する曲板80を押し下げている。又、バネ支持体42が、屈曲部中心体22と共に下降するので、バネ部50、52の上下幅が縮んでいる。曲板80は、低い位置でU字状アーム46と接合している。
【0039】
ここで、曲板80の基部80Bには、端部から先端部分80H側に、切り欠き80Dが設けられており、この切り欠き80D幅は、2つの拡幅板62、64の内部がコの字状の部分に嵌合するようになっている。又、曲板80の基部80Bの下には、スポンジ82が載置されており、U字状アーム46は下降し、後述する曲板80を押し下げている時に緩衝の役割を果たしている。
【0040】
図4は、曲板80の斜視図であり、基部80Bには、端部から先端部分80H側に、切り欠き80Dが設けられていることを図示している。又先端部分80Hは、基部80Bの反対側である。
【0041】
図5(A)は、本発明のおむつ装着装置10を壁Wに、横設した状態を表しており、人体Hが、屈曲支持体20の突出部材32に腰の部分を押圧する前の状態を表している。この状態では、曲板80の先端部分80Hは、人体Hの中にまで侵入している状態ではなく、おむつOは、先端部分80Hと突出部材32の屈曲部中心体22との間に懸下されている。なお、本発明のおむつ装着装置10は、図1(A)の状態になっている。
【0042】
図5(B)は、本発明のおむつ装着装置10を壁Wに、横設した状態を表しており、人体Hが、屈曲支持体20の突出部材32に腰の部分を押圧して押し込んだ状態を表している。この状態では、曲板80の先端部分80Hは、人体H側に移動している状態であり、おむつOは、先端部分80Hと突出部材32の屈曲部中心体22との間に懸下されているが、先端部分80HのおむつOを手で握持して、装着できる状態になっている。なお、この状態では、右側板28と左側板30がY字状になっており、本発明のおむつ装着装置10は、図1(B)の状態になっている。
【0043】
(変形実施例1)
図6は、本件発明のおむつ装着装置10の別の実施例であり、屈曲部中心体22の部分が、突出部材140となっており、突出部材140は、中心軸114に軸支されている。そして中心軸114は、左右に分離したロッド110とロッド112と連結している。ロッド110とロッド112の他端は、支持部材118、120を立設して、軸部材122、124に軸支されている。支持部材118、120は、ベース部材130に固定されている。又ロッド110とロッド112の他端は、ウイング部材134、136の連結しており、ロッド110とウイング部材134の角度及びロッド112とウイング部材136の角度は、一定の角度に保持されている。又、ウイング部材134、136の外側は、柔軟で硬質のポリウレタン素材部145が、架橋されている。
【0044】
又、突出部材140の中心軸114が後方に移動し、図1の実施例のように、バネ状支持部を連接して、U字状アーム46を後方に移動させることで、曲板80を押し下げることが出来る。これにより、曲板の先端部分80Hは、人体側に移動することになり、先端部分80Hに装着されたおむつを使用できる。
【0045】
図6(A)は、人体Hが、本件発明のおむつ装着装置10に尻部分を接合した状態であり、図6(B)は、本件発明のおむつ装着装置10に尻部分を奥に押し込んだ状態を表している。ここでは、中心軸114が下降しており、ロッド110とロッド112がYの字になっている。
【0046】
(変形実施例2)
図7は、本件発明のおむつ装着装置10の別の実施例であり、図7(A)は、屈曲部中心体22の部分が、突出部材160となっており、突出部材160は、中心軸162に軸支されている。そして中心軸162は、左右に分離したロッド164とロッド166と連結している。ロッド164とロッド166の他端は、支持部材168、170を立設して、軸部材172、174に軸支されている。支持部材168、170は、ベース部材176に固定されている。又ロッド164とロッド166の他端は、ウイング部材182、184の連結しており、ロッド164とウイング部材182の角度及びロッド166とウイング部材184の角度は、一定の角度に保持されている。なお、突出部材160の上部には、支持板186の上にポリウレタン素材などからなる保護部材188が載置されている。又突出部材160の下方には、支持部178を設け、この内部には、図1と同様なバネ等の伸縮部材を伸縮自在に装着したアーム部材が設けたバネ状支持部を内蔵して、突出部材を後方に押圧した後、バネの復元力により当初の状態に復帰できるような構成を使用している。図7(C)のように、突出部材160により曲板の基部を後方に押圧でき、支点190により、図7C上では曲板80は、前後動する。
【0047】
支持板186の上部にはおむつOの上端を掛ける係止部186Tが立設されている。おむつOの下端は、曲板80の先端部分80Hに掛ける。
【0048】
曲板の基部80Bは、突出部材160の後端の皿状押圧部材161に係止されている。
【0049】
図8(A)(B)(C)は、図7の状態から突出部材を後方に押圧した状態を示した図面であり、、突出部材160が、後方に移動し、突出部材160の後端の皿状押圧部材161が、曲板の基部80Bを後方に押圧している状態であり、曲板80は、支点190により、図8(C)のように、曲板80の先端部分80Hが前方に移動する。おむつOは、曲板80の先端部分80Hが前方に移動する結果、おむつOを手で握持して、装着できる状態になっている。この時人体Hは、曲板80に跨った状態になっている。
【0050】
(変形実施例3)
本発明のおむつ装着装置10は、人体の腰部を支える屈曲支持体20とバネ状支持部40、基礎支持部60、更に基礎支持部に装着自在な曲板80を装着したものである。
【0051】
まず、人体の腰部を支える屈曲支持体20については、前記変形実施例1のように、突出部材140の中心軸114の左右に分離したロッド110とロッド112と、ポリウレタン素材部145が、別体で独立しているが、人体が身体接触部であるポリウレタン素材部145と突出部材140を人体の後方側に押し込むことで、突出部材140は後方に移動する。
【0052】
変形実施例2では、図示されていないが、突出部材160は、バネ状支持部40に連接して、U字状アーム46を後方に移動させることで、曲板80の基部80Bを押し下げることが出来る。これにより曲板80の先端部分80Hは、人体H側に移動することになる。
【0053】
なお図1のバネ状支持部40は、バネ支持体42とU字状アーム46の組み合わせからなるが、これに限定されず、例えば、単なる直線状アームを使用しても良い。
【0054】
図1では、U字状アーム46の左右の支持板44と受支持板48の間は、コイル状のバネ50、52が環装されているが、前述した直線状アームでも、コイル状のバネを装着することは出来る。バネを装着することで押圧が解除されるとアーム全体が、当初の状態、即ち押圧されていない状態に復帰できる。このように、バネ状支持部40は、アーム部材の一部にコイル状のバネを装着し、そのバネの上下を固定することで、アーム全体が押圧時と非押圧時でアームが前後動することになる。又バネは伸縮部材であるが、本発明ではバネ以外の伸縮部材でも使用可能である。
【0055】
U字状アーム46等のアーム部材が人体の後方側に押し込まれることで、曲板80の基部80Bを押し下げることが出来る。これにより、曲板の先端部分80Hは、人体側に移動することになり、先端部分80Hに装着されたおむつを使用できる。
【0056】
なお曲板は、切り欠き80Dにより、2つの拡幅板62、64の内部がコの字状の部分に嵌合するようになっているが、この切り欠き部分で曲板をバネ部材、あるいは上からロット等で固定する方法でも良い。曲板は平板の板状であるが、棒状でも良く、曲板80の基部80Bが、アーム部材が押し込まれた状態を受ける受板のような部材があれば良い。曲板のような曲部材は、ある程度曲がったものであれば、例えば、L字状であっても、曲部材の先端部分が、押圧後に人体に入り込めれば良いのであり、おむつの装着が可能なら形状は限定されない。
【0057】
図9(A)、図8(B)はおむつの実施例であり、図9(A)は、左右の伸縮帯SHを(I)、(II)で回して接合し、最後の下のリブRBを伸縮帯SHの中から外に装着して両面テープRFで接合するものであり、図9(B)は、股開きパンツPPに、おむつパッドOPを中に装着するタイプのものであり、何れも本件発明のおむつ装着装置10に使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
上述の実施形態では、突出部材を設けた屈曲支持体と、突出部材の前後動をバネ状支持部に伝達する部材を設け、バネ状支持部には、バネ等の伸縮部材を伸縮自在に装着したアーム部材が設けられ、アーム部材は、曲部材を押圧自在に装着することで、突出部材と曲部材の先端部分に装着されたおむつを容易に装着が可能なおむつ装着装置であり、介護施設や家庭において、高齢者のおむつ装着の需要に容易に答えることが出来るものであり、広く高齢者の自立支援に役立てられるものである。
【符号の説明】
【0059】
10 おむつ装着装置
20 屈曲支持体
22 屈曲部中心体
28 右側板
30 左側板
32 突出部材
34 保護部材
40 バネ状支持部
42 バネ支持体
44 支持板
46 U字状アーム
48 受支持板
50、52 バネ
60 基礎支持部
62、64 拡幅板
66、68 回動ロッド
80 曲板
80H 先端部分
80B 基部
80D 切り欠き
82 スポンジ
H 人体
O おむつ
W 壁
110、112 ロッド
118、120 支持部材
134、136 ウイング部材
140 突出部材
145 ポリウレタン素材部
160 突出部材
161 皿状押圧部材
162 中心軸
164、166 ロッド
168、170 支持部材
172、174 軸部材
176 ベース部材
182、184 ウイング部材
186 支持板
186T 係止部
188 保護部材
190 支点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9