(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058066
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】光起電力フレーム、光起電力モジュール及び光起電力フレームの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02S 30/10 20140101AFI20220404BHJP
【FI】
H02S30/10
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020178161
(22)【出願日】2020-10-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】202011061500.8
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519095533
【氏名又は名称】ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】宮欣欣
(72)【発明者】
【氏名】郭志球
(72)【発明者】
【氏名】劉俊輝
(72)【発明者】
【氏名】張沢輝
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151JA09
(57)【要約】
【課題】本発明の実施例は、光起電力モジュールの技術分野に関し、光起電力フレーム、光起電力モジュール及び光起電力フレームの製造方法が開示される。
【解決手段】前記光起電力フレームは、上支持部、下支持部及び横辺部を備え、前記上支持部と前記横辺部は取り囲んで係合溝を形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、前記光起電力フレームは炭素鋼板材を処理してから成形されるものである。本発明の実施例に係る光起電力フレーム、光起電力モジュール及び光起電力フレームの製造方法は、光起電力フレームの生産効率を向上させ、生産コストを低減すると共に、光起電力フレームの安定性を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上支持部、下支持部及び横辺部を備え、前記上支持部と前記横辺部は取り囲んで係合溝を形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、
光起電力フレームは炭素鋼板材を処理してから成形されるものであることを特徴とする光起電力フレーム。
【請求項2】
前記炭素鋼板材には、炭素を含み、炭素の質量分率は0.04%~0.25%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項3】
炭素鋼板材には、シリコン、マンガン、リン又は硫黄の少なくとも1つをさらに含み、シリコンの質量分率は0.5%以下であり、マンガンの質量分率は0.6%以下であり、リンの質量分率は0.1%以下であり、硫黄の質量分率は0.045%以下であることを特徴とする請求項2に記載の光起電力フレーム。
【請求項4】
前記炭素鋼板材の強度は200MPa~600MPaの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項5】
前記炭素鋼板材の破断伸び率は15%~36%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項6】
第1側辺部及び第2側辺部をさらに備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は取り囲んで前記係合溝を形成し、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続することを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項7】
前記上支持部と前記下支持部を接続する第3側辺部をさらに備え、前記第3側辺部、前記第1側辺部、前記上支持部及び前記下支持部は取り囲んで閉合キャビティを形成することを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項8】
少なくとも前記上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆う耐候性保護層をさらに備え、前記耐候性保護層は合金めっき層又は有機膜層を含むことを特徴とする請求項7に記載の光起電力フレーム。
【請求項9】
前記耐候性保護層は前記閉合キャビティの少なくとも一部の内壁面を覆っており、前記内壁面は、前記第1側辺部が前記第3側辺部に向かう表面である第1面と、前記第3側辺部が前記第1側辺部に向かう表面である第2面と、前記上支持部が前記下支持部に向かう表面である第3面と、前記下支持部が前記上支持部に向かう表面である第4面とを含み、前記耐候性保護層は前記第1面と前記第2面のみを覆うことを特徴とする請求項8に記載の光起電力フレーム。
【請求項10】
前記耐候性保護層は、前記上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆う第1耐候性保護層と、前記閉合キャビティの少なくとも一部の内壁面を覆い、且つ厚さが前記第1耐候性保護層の厚さよりも小さい第2耐候性保護層とを含むことを特徴とする請求項8に記載の光起電力フレーム。
【請求項11】
前記第1耐候性保護層の重量は、20g/m2~500g/m2の範囲内にあり、前記第2耐候性保護層の重量は、0g/m2~500g/m2の範囲内にあることを特徴とする請求項10に記載の光起電力フレーム。
【請求項12】
前記第2側辺部は、対向する第1内面と第1外面を含み、前記第1内面は前記係合溝の内壁であり、前記横辺部は、対向する第2内面と第2外面を含み、前記第2内面は前記上支持部に向かい、前記上支持部は、対向する第3内面と第3外面を含み、前記第3内面は前記横辺部に向かい、前記耐候性保護層は、前記第1内面、前記第2内面及び前記第3内面を覆う第1保護層と、前記第1外面、前記第2外面及び前記第3外面を覆い、厚さが前記第1保護層の厚さよりも大きい第2保護層とを含むことを特徴とする請求項8に記載の光起電力フレーム。
【請求項13】
前記閉合キャビティ内に充填される発泡層をさらに備え、前記発泡層の材料は有機発泡材料又は無機発泡材料であることを特徴とする請求項7に記載の光起電力フレーム。
【請求項14】
前記閉合キャビティの内壁面に位置する補強用リブをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の光起電力フレーム。
【請求項15】
前記光起電力フレームが炭素鋼板材を処理してから成形されることは、前記光起電力フレームが前記炭素鋼板材を押し出すことで展延成形されることを含むことを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項16】
前記光起電力フレームが炭素鋼板材を処理してから成形されることは、前記光起電力フレームが前記炭素鋼板材に対して冷間曲げを行うことで成形されることを含むことを特徴とする請求項15に記載の光起電力フレーム。
【請求項17】
前記光起電力フレームが炭素鋼板材を処理してから成形されることは、前記炭素鋼板材が複数の折り曲げ予定部を含み、前記光起電力フレームが前記炭素鋼板材の前記折り曲げ予定部を折り曲げることで成形されることを含み、
前記炭素鋼板材は対向するように設置された天面及び底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は前記第1方向と同じであることを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項18】
前記折り曲げ予定部は1つの前記溝を含み、前記溝は前記第1方向に沿って前記炭素鋼板材の一端から他端まで延在していることを特徴とする請求項17に記載の光起電力フレーム。
【請求項19】
前記折り曲げ予定部は複数の前記溝を含み、複数の前記溝は前記第1方向に沿って間隔をあけて設置されていることを特徴とする請求項18に記載の光起電力フレーム。
【請求項20】
前記炭素鋼板材は、前記天面と前記底面を接続する第1側面と第2側面を含み、前記第1側面は前記第2側面と対向しており、前記溝は少なくとも、前記第1側面を貫通する第1溝と、前記第2側面を貫通する第2溝とを含むことを特徴とする請求項19に記載の光起電力フレーム。
【請求項21】
前記溝の底部が折り曲げ予定部内に位置し、前記溝の深さと隣接する前記折り曲げ予定部の間の前記炭素鋼板材の厚さの比は0.5~1であることを特徴とする請求項20に記載の光起電力フレーム。
【請求項22】
隣接する2つの接続部を接続する折り曲げ部をさらに備え、複数の前記接続部は、順次に接続されており、前記上支持部、前記下支持部、前記第1側辺部、前記第2側辺部及び前記横辺部を構成することに用いられ、前記折り曲げ部は当接する2つの側面を含み、前記折り曲げ部と複数の前記接続部は一体に成形されることを特徴とする請求項19に記載の光起電力フレーム。
【請求項23】
前記折り曲げ部の当接する2つの側面は互いに貼り合わせており、又は、前記折り曲げ部の当接する2つの側面は、互いに貼り合わせた2つの接触面と、前記接触面毎に接続される接続面とを含み、2つの対向する前記接続面の間に隙間を有することを特徴とする請求項22に記載の光起電力フレーム。
【請求項24】
各前記接続部はいずれも単層の炭素鋼板材から構成され、又は、少なくとも2つの隣接する前記接続部は重なり部を有し、前記重なり部は少なくとも2層の炭素鋼板材から構成されることを特徴とする請求項22に記載の光起電力フレーム。
【請求項25】
前記折り曲げ部の当接する2つの側面は予め定めた方法で補強され、前記予め定めた方法は溶接固定、かしめ固定又はほぞ穴とほぞ固定のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項22に記載の光起電力フレーム。
【請求項26】
前記炭素鋼板材の厚さは0.2mm~2mmの範囲内にあることを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項27】
前記上支持部の厚さ、前記下支持部の厚さ、前記第1側辺部の厚さ、前記第2側辺部の厚さ及び前記横辺部の厚さのいずれか1つはフレームの厚さであり、前記フレームの厚さと前記炭素鋼板材の厚さの比は1~4の範囲内にあることを特徴とする請求項26に記載の光起電力フレーム。
【請求項28】
前記上支持部、前記下支持部、前記第1側辺部、前記第2側辺部及び前記横辺部のうち、任意の隣接する両者の間の夾角は20~160度の範囲内にあることを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項29】
積層構造及び請求項1~28のいずれか一項に記載の光起電力フレームを備え、積層構造は、順次に積層されたパネル、第1接着フィルム、電池シート、第2接着フィルム及びバックシートを含むことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項30】
前記バックシートは、ガラス又は有機バックシートを含むことを特徴とする請求項29に記載の光起電力モジュール。
【請求項31】
前記パネルは隣接する長辺及び短辺を含み、前記長辺の長さは2m以上であり、前記短辺の長さは1m以上であることを特徴とする請求項29に記載の光起電力モジュール。
【請求項32】
炭素鋼板材を提供することと、前記炭素鋼板材を処理してから成形し、光起電力フレームを形成することとを備え、
前記光起電力フレームは、上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部及び横辺部を備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は取り囲んで係合溝を形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続することを特徴とする光起電力フレームの製造方法。
【請求項33】
前記処理は圧延冷間曲げ工程を採用することを特徴とする請求項32に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項34】
前記炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部を含み、前記炭素鋼板材は、対向するように設置された天面及び底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は前記第1方向と同じであり、
前記処理は、前記折り曲げ予定部を折り曲げて、前記光起電力フレームを形成することを含むことを特徴とする請求項32に記載の光起電力フレームの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、光起電力モジュールの技術分野に関し、特に光起電力フレーム、光起電力モジュール及び光起電力フレームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、光起電力モジュールの周辺にフレームが取り付けられ、ソーラセルの積層体の周縁がフレームの切欠内に収容され、光起電力モジュールはそのフレームを介してホルダーに取り付けられている。光起電力モジュールのフレームはモジュールの強度を高め、且つモジュールの周縁を封止する機能を果たす。
【0003】
現在、光起電力モジュールのの発展に適応させるために、形状が様々な光起電力フレームが登場している。しかしながら、既存の光起電力フレームは、その製造プロセスが比較的に複雑であり、コストが高く、品質を向上させる必要もある。従って、如何にして製品の外形と構成の要求を満たし、余計な工程、プロセスを増加させることなく、光起電力フレームの品質を向上させるかは、太陽光発電組立体の設計及び製造過程において解決すべき課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、光起電力フレームの生産効率を向上させ、生産コストを低減すると共に、光起電力フレームの安定性を向上させることができる光起電力フレーム、光起電力モジュール及び光起電力フレームの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の実施例には、光起電力フレームが提供され、前記光起電力フレームは、上支持部、下支持部及び横辺部を備え、前記上支持部と前記横辺部は取り囲んで係合溝を形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、前記光起電力フレームは炭素鋼板材を処理してから成形されるものである。
【0006】
また、前記炭素鋼板材には、炭素を含み、炭素の質量分率は0.04%~0.25%の範囲内にある。
【0007】
また、炭素鋼板材には、シリコン、マンガン、リン又は硫黄の少なくとも1つをさらに含み、シリコンの質量分率は0.5%以下であり、マンガンの質量分率は0.6%以下であり、リンの質量分率は0.1%以下であり、硫黄の質量分率は0.045%以下である。
【0008】
また、前記炭素鋼板材の強度は200MPa~600MPaの範囲内にある。
【0009】
また、前記炭素鋼板材の破断伸び率は15%~36%の範囲内にある。
【0010】
また、前記光起電力フレームは、第1側辺部及び第2側辺部をさらに備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は取り囲んで前記係合溝を形成し、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続する。
【0011】
また、前記光起電力フレームは、前記上支持部と前記下支持部を接続する第3側辺部をさらに備え、前記第3側辺部、前記第1側辺部、前記上支持部及び前記下支持部は取り囲んで閉合キャビティを形成する。
【0012】
また、前記光起電力フレームは、少なくとも前記上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆う耐候性保護層をさらに備え、前記耐候性保護層は合金めっき層又は有機膜層を含む。
【0013】
また、前記耐候性保護層は前記閉合キャビティの少なくとも一部の内壁面を覆っており、前記内壁面は、前記第1側辺部が前記第3側辺部に向かう表面である第1面と、前記第3側辺部が前記第1側辺部に向かう表面である第2面と、前記上支持部が前記下支持部に向かう表面である第3面と、前記下支持部が前記上支持部に向かう表面である第4面とを含み、前記耐候性保護層は前記第1面と前記第2面のみを覆う。
【0014】
また、前記耐候性保護層は、前記上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆う第1耐候性保護層と、前記閉合キャビティの少なくとも一部の内壁面を覆い、且つ厚さが前記第1耐候性保護層の厚さよりも小さい第2耐候性保護層とを含む。
【0015】
また、前記第2側辺部は、対向する第1内面と第1外面を含み、前記第1内面は前記係合溝の内壁であり、前記横辺部は、対向する第2内面と第2外面を含み、前記第2内面は前記上支持部に向かい、前記上支持部は、対向する第3内面と第3外面を含み、前記第3内面は前記横辺部に向かい、前記耐候性保護層は、前記第1内面、前記第2内面及び前記第3内面を覆う第1保護層と、前記第1外面、前記第2外面及び前記第3外面を覆い、厚さが前記第1保護層の厚さよりも大きい第2保護層とを含む。
【0016】
また、前記光起電力フレームは、前記閉合キャビティ内に充填される発泡層をさらに備え、前記発泡層の材料は有機発泡材料又は無機発泡材料である。
【0017】
また、前記光起電力フレームは、前記閉合キャビティの内壁面に位置する補強用リブをさらに備える。
【0018】
また、前記光起電力フレームが炭素鋼板材を処理してから成形されることは、前記光起電力フレームが前記炭素鋼板材を押し出すことで展延成形されることを含む。
【0019】
また、前記光起電力フレームが炭素鋼板材を処理してから成形されることは、前記光起電力フレームが前記炭素鋼板材に対して冷間曲げを行うことで成形されることを含む。
【0020】
また、前記光起電力フレームが炭素鋼板材を処理してから成形されることは、前記炭素鋼板材が複数の折り曲げ予定部を含み、前記光起電力フレームが前記炭素鋼板材の前記折り曲げ予定部を折り曲げることで成形されることを含み、前記炭素鋼板材は対向するように設置された天面及び底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は前記第1方向と同じである。
【0021】
また、前記折り曲げ予定部は1つの前記溝を含み、前記溝は前記第1方向に沿って前記炭素鋼板材の一端から他端まで延在している。
【0022】
また、前記折り曲げ予定部は複数の前記溝を含み、複数の前記溝は前記第1方向に沿って間隔をあけて設置されている。
【0023】
また、前記炭素鋼板材は、前記天面と前記底面を接続する第1側面と第2側面を含み、前記第1側面は前記第2側面と対向しており、前記溝は少なくとも、前記第1側面を貫通する第1溝と、前記第2側面を貫通する第2溝とを含む。
【0024】
また、前記光起電力フレームは、隣接する2つの接続部を接続する折り曲げ部をさらに備え、複数の前記接続部は、順次に接続されており、前記上支持部、前記下支持部、前記第1側辺部、前記第2側辺部及び前記横辺部を構成することに用いられ、前記折り曲げ部は当接する2つの側面を含み、前記折り曲げ部と複数の前記接続部は一体に成形される。
【0025】
また、前記折り曲げ部の当接する2つの側面は互いに貼り合わせており、又は、前記折り曲げ部の当接する2つの側面は、互いに貼り合わせた2つの接触面と、前記接触面毎に接続される接続面とを含み、2つの対向する前記接続面の間に隙間を有する。
【0026】
また、各前記接続部はいずれも単層の炭素鋼板材から構成され、又は、少なくとも2つの隣接する前記接続部は重なり部を有し、前記重なり部は少なくとも2層の炭素鋼板材から構成される。
【0027】
また、前記折り曲げ部の当接する2つの側面は予め定めた方法で補強され、前記予め定めた方法は溶接固定、かしめ固定又はほぞ穴とほぞ固定のうちの1つ又は複数を含む。
【0028】
また、前記炭素鋼板材の厚さは0.2mm~2mmの範囲内にある。
【0029】
また、前記上支持部の厚さ、前記下支持部の厚さ、前記第1側辺部の厚さ、前記第2側辺部の厚さ及び前記横辺部の厚さのいずれか1つはフレームの厚さであり、前記フレームの厚さと前記炭素鋼板材の厚さの比は1~4の範囲内にある。
【0030】
また、前記上支持部、前記下支持部、前記第1側辺部、前記第2側辺部及び前記横辺部のうち、任意の隣接する両者の間の夾角は20~160度の範囲内にある。
【0031】
それに対応して、本発明の実施例には、光起電力モジュールがさらに提供され、前記光起電力フレーム及び積層構造を備え、積層構造は、順次に積層されたパネル、第1接着フィルム、電池シート、第2接着フィルム及びバックシートを含む。
【0032】
また、前記バックシートは、ガラス又は有機バックシートを含む。
【0033】
また、前記パネルは隣接する長辺及び短辺を含み、前記長辺の長さは2m以上であり、前記短辺の長さは1m以上である。
【0034】
それに対応して、本発明の実施例には、光起電力フレームの製造方法がさらに提供され、前記光起電力フレームの製造方法は、炭素鋼板材を提供することと、炭素鋼板材を処理してから成形し、光起電力フレームを形成することとを備える光起電力フレームの製造方法であって、前記光起電力フレームは、上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部及び横辺部を備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は取り囲んで係合溝を形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続する。
【0035】
また、前記処理は圧延冷間曲げ工程を採用する。
【0036】
また、前記炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部を含み、前記炭素鋼板材は、対向するように設置された天面及び底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は前記第1方向と同じであり、前記処理は、前記折り曲げ予定部を折り曲げて、前記光起電力フレームを形成することを含む。
【発明の効果】
【0037】
従来技術と比べて、本発明の実施例に提供された技術案は以下の利点を有する。
【0038】
炭素鋼板材を処理してから光起電力フレームを成形することにより、炭素鋼板材の強度がアルミ材の強度の3倍以上に達することができるため、光起電力フレームの構造強度を補強し、光起電力フレームの安定性を向上させる。なお、光起電力フレームの構造強度が高いため、本発明は大型の光起電力モジュールに適応させるように光起電力フレームの高さをより高くする必要がなく、光起電力フレームの厚さ及び重量を効果的に低減することができ、光起電力フレームの生産効率を向上させ、光起電力フレームの生産コストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
1つ又は複数の実施例を対応する添付図面の図によって例示的に説明する。これらの例示的な説明は実施例を限定するものではなく、図面において同じ符号を有する要素は類似する要素として表され、特に説明しない限り、添付図面の図は比例的制限を構成しない。
【0040】
【
図1】
図1は本発明の第1実施例に係る光起電力フレームの断面図である。
【
図2】
図2は本発明の第1実施例に係る光起電力フレームの別の断面図である。
【
図3】
図3は本発明の第2実施例に係る光起電力フレームの断面図である。
【
図4】
図4は本発明の第2実施例に係る別の構造を有する光起電力フレームの断面図である。
【
図5】
図5は本発明の第2実施例に係る別の構造を有する光起電力フレームの断面図である。
【
図6】
図6は本発明の第2実施例に係る別の構造を有する光起電力フレームの断面図である。
【
図7】
図7は本発明の第2実施例に係る別の構造を有する光起電力フレームの断面図である。
【
図8】
図8は本発明の第3実施例に係る光起電力フレームの断面図である。
【
図9】
図9は本発明の第4実施例に係る光起電力フレームの断面図である。
【
図10】
図10は本発明の第5実施例に係る光起電力フレームの断面図である。
【
図11】
図11は本発明の第6実施例に係る板材の構成を示す図である。
【
図18】
図18は本発明の第7実施例に係る第1光起電力フレームの構成を示す図である。
【
図19】
図19は本発明の第7実施例に係る第2光起電力フレームの構成を示す図である。
【
図20】
図20は本発明の第7実施例に係る第3光起電力フレームの構成を示す図である。
【
図21】
図21は本発明の第7実施例に係る光起電力フレームの折り曲げ部の第1拡大図である。
【
図22】
図22は本発明の第7実施例に係る光起電力フレームの折り曲げ部の第2拡大図である。
【
図23】
図23は本発明の第7実施例に係る光起電力フレームの第1側面図である。
【
図24】
図24は本発明の第7実施例に係る光起電力フレームの第2側面図である。
【
図25】
図25は本発明の第7実施例に係る光起電力フレームの第3側面図である。
【
図26】
図26は本発明の第8実施例に係る光起電力フレームの製造方法を示すフローチャートである。
【
図27】
図27は本発明の第8実施例に係る光起電力フレームの製造方法における各ステップに対応する構成を示す図である。
【
図28】
図28は本発明の実施例に係る光起電力モジュールの一部の立体構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
背景技術から、光起電力フレームの製造効率が低く、コストが高いことが分かる。
【0042】
分析した結果、主な原因は下記の通りである。
従来のアルミ製のフレームの強度が制限されている。光起電力モジュールの発展史を通して、光起電力モジュールのサイズは250*175*25mmから現在の1950*995*45mmに変更され、即ち、光起電力モジュールのサイズは増加しており、且つ将来より大きなサイズに発展していくだろう。光起電力モジュールのサイズの増加に伴って、アルミ製の光起電力モジュールのフレームのサイズもフレームの断面積が大きくなり、厚さが厚くなる方向へ進んでしまう。この現象を生じさせてしまう本質的な原因は、アルミ材料それ自体の強度が低く、モジュールのサイズが大きくなった場合、アルミ合金を利用して形材を作製すると、モジュールのフレームの断面を、断面積がより大きくて厚さがより厚い構造で補強する必要がある。断面積がより大きくて厚さがより厚い構造を利用するため、使用コストを増加させてしまう。
【0043】
上記の問題を解決するために、本発明の実施例には、光起電力フレーム、光起電力モジュール及び光起電力フレームの製造方法が提供される。本発明の実施例に係る光起電力フレームは炭素鋼板材を処理してから成形されるものである。上記の板材を用いて光起電力フレームを製造することは、光起電力フレームの製造効率を向上させ、生産コストを低減すると共に、光起電力フレームの安定性を向上させることができ、産業チェーン全体の生産及び供給の実現に有利である。
【0044】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面を組み合わせて本発明の各実施例を詳細に説明する。しかしながら、当業者が理解できるように、本発明の各実施例において、読者に本発明をよりよく理解させるために多くの技術的細部まで記載されている。ただし、これらの技術的細部及び以下の各実施例に基づく種々の変更と修正がなくても、本発明の保護しようとする技術案を実現することができる。
【0045】
本発明の第1実施例は光起電力フレームに関し、具体的な構造は
図1に示しており、
上支持部1、下支持部2及び横辺部5を備え、上支持部1と横辺部5は取り囲んで係合溝10を形成し、上支持部1は係合溝10に向かう載置面101を有し、下支持部2は上支持部1と対向して設置され、横辺部5は上支持部1の下支持部2から離れた側に配置され、光起電力フレームは炭素鋼板材を処理してから成形されるものである。
【0046】
具体的に、
図1に示されるように、光起電力フレームは、第1側辺部3、第2側辺部4及び第3側辺部7をさらに備え、上支持部1、第2側辺部4及び横辺部5は取り囲んで上記の係合溝10を形成し、第1側辺部3は上支持部1と下支持部2を接続し、第3側辺部7は上支持部1と下支持部2を接続し、第3側辺部7、第1側辺部3、上支持部1及び下支持部2は取り囲んで閉合キャビティ20を形成する。標記及び区分を容易にするために、
図1において破線で隣接する構造を隔て、後続の図面において破線が示されていない。
【0047】
図1に示されるように、下支持部2と上支持部1の長さは同じであり、当該光起電力フレームはC辺のない光起電力フレームである。
【0048】
図2を参照すると、
図2は本実施例の光起電力フレームの別の断面図である。光起電力フレームは、第3側辺部7をさらに備え、第3側辺部7は上支持部1と下支持部2を接続し、第3側辺部は下支持部2の一方側の周縁と接続されており、第1側辺部3と下支持部2との接続箇所は下支持部2の他方側の周縁と間隔をあけている。具体的に、
図2に示される光起電力フレームはC付きの光起電力フレームであり(
図2に示されるように、下支持部2の長さは上支持部1の長さよりも大きい)、
図1に示される光起電力フレームはCのない光起電力フレームであり、本実施例では、光起電力フレームの構成を具体的に限定せず、実際の必要に応じて異なる構成の光起電力フレームを設計することができ、光起電力フレームが炭素鋼板材を処理してから成形されることを確保すればよい。
【0049】
なお、他の実施例では、光起電力フレームはS型フレームであってもよく、即ち、光起電力フレームは上記の第3側辺部を設けなくてもよい。
【0050】
本実施例の炭素鋼板材には、炭素を含み、炭素の質量分率は0.04%~0.25%の範囲内にある。炭素鋼板材における炭素の含有量が低すぎると、炭素鋼板材の強度が弱くなり、光起電力フレームの構造強度の要求を満たすことが困難になる。炭素鋼板材における炭素の含有量が高すぎると、炭素鋼板材に対する塩水噴霧腐食の速度が増加し、光起電力フレームの品質保証期間の要求を満たすことが困難になる。このような炭素含有量の範囲内にある炭素鋼板材を採用して光起電力フレームを製造することにより、光起電力フレームの強度は設計要求を満たすことができると共に、光起電力フレームの品質保証期間に影響しない。本実施例の炭素鋼板材における炭素含有量の質量分率は0.12%、0.13%であることが好ましく、このような炭素含有量の数値である炭素鋼板材を採用して光起電力フレームを製造することにより、光起電力フレームの強度をより強くし、品質保証期間を長くすることができる。
【0051】
また、炭素鋼板材には、シリコン、マンガン、リン又は硫黄の少なくとも1つを含んでもよく、シリコンの質量分率は0.5%以下であり、マンガンの質量分率は0.6%以下であり、リンの質量分率は0.1%以下であり、硫黄の質量分率は0.045%以下である。
【0052】
具体的に、炭素鋼板材に少量の硫黄又はリンを含むことで、炭素鋼板材の強度及び硬度を向上させ、炭素鋼板材の成形加工性能を改良することができ、例えば、炭素鋼板材の冷間曲げ成形性能、折り曲げ性能又は切断加工性能を改良することができる。硫黄又はリンの含有量が高すぎると、炭素鋼板材の靭性を相応的に低下させてしまい、靭性が低下してしまうと、脆性破断の問題が発生し易くなる。従って、リンの質量分率は0.1%以下であり、例えば0.01%、0.05%、0.08%であり、硫黄の質量分率は0.045%以下であり、例えば0.015%、0.02%、0.04%である。上記の含有量のリン又は硫黄を混在させることで、炭素鋼板材の強度及び硬度を向上させると共に、炭素鋼板材の靭性が低すぎることを回避する。炭素鋼板材の製造過程において、マンガン又はシリコンを脱酸剤として添加すると、酸化鉄を鉄に還元し、炭素鋼板材が脆くなることを防止することができる。なお、適量のマンガン又はシリコンにより固溶強化の機能を果たすことができる。固溶強化とは、純金属を適切に合金化した後に強度及び硬度を増加させることである。固溶強化の機能により、炭素鋼板材の強度及び硬度を向上させ、炭素鋼板材の性能を優れたものにし、冷間曲げ成形又は溝掘り曲げ成形により性能が優れた光起電力フレームを製造することにより有利であり、成形の過程における破断等の問題の発生をさらに回避する。マンガン又はシリコンの含有量が高すぎると、炭素鋼板材の耐食性及び溶接性能を低下させてしまう。このため、本実施例では、シリコンの質量分率は0.5%以下であり、例えば0.1%、0.25%、0.4%であり、マンガンの質量分率は0.6%以下であり、例えば0.01%、0.4%、0.5%である。上記の含有量のマンガン又はシリコンを混在させることで、炭素鋼板材の良好な強度及び硬度の特性を確保することに加え、炭素鋼板材も良好な耐食性及び溶接性能を有する。
【0053】
なお、上記した質量分率(mass fraction)とは、化合物における各原子の相対原子質量(増倍率)と式量の比であり、即ちある元素のある物質における割合である。例えば、炭素の質量分率は、炭素の炭素鋼板材における割合である。
【0054】
好ましくは、炭素鋼板材の強度は200MPa~600MPaの範囲内にある。炭素鋼板材の強度は即ち炭素鋼板材の破断及び過度の変形に対する力学性能である。このような強度範囲内にある炭素鋼板材を採用することで、製造された光起電力フレームは設計の要求を満たすことができ、外力による変形を容易に生じさせなくなり、光起電力フレームの安定性を向上させる。本実施例の炭素鋼板材の強度は300MPa、400MPaであることが好ましく、このような強度の炭素鋼板材を用いて光起電力フレームを製造することにより、光起電力フレームの安定性をより向上させることができる。
【0055】
より好ましくは、炭素鋼板材の破断伸び率は15%~36%の範囲内にある。炭素鋼板材は外力により破断してしまう場合、引っ張られた後に伸びた長さと引っ張られる前の長さとの比は即ち炭素鋼板材の破断伸び率である。このような破断伸び率の範囲内にある炭素鋼板材を採用することで、製造された光起電力フレームは設計の要求を満たすことができ、ある程度の変形能力を持たせ、僅かな変形が発生した後に破断せず、光起電力フレームの安定性を向上させる。本実施例の炭素鋼板材の破断伸び率は25%、26%であることが好ましく、このような破断伸び率を有する炭素鋼板材を採用して光起電力フレームを製造することにより、光起電力フレームの安定性をより向上させることができる。
【0056】
本発明の実施例は、関連技術と比べて、炭素鋼板材を処理してから光起電力フレームを成形することにより、炭素鋼板材の強度がアルミ材の強度の3倍以上に達することができるため、光起電力フレームの構造強度を補強し、光起電力フレームの安定性を向上させる。なお、光起電力フレームの構造強度が高いため、本発明は大型の光起電力モジュールに適応させるように光起電力フレームの高さをより高くする必要がなく、光起電力フレームの厚み及び重量を効果的に低減することができ、光起電力フレームの生産効率を向上させ、光起電力フレームの生産コストを低減する。
【0057】
本実施例における炭素鋼板材の厚さは0.2mm~2mmの範囲内にある。このような厚さの範囲内にある炭素鋼板材は、光起電力フレームの生産コストを低減すると共に、光起電力フレームの強度を確保することができる。本実施例の炭素鋼板材の厚さは0.6~1mmであることが好ましく、このような厚さの範囲内にある炭素鋼板材を用いて光起電力フレームを製造することにより、光起電力フレームの強度を確保すると共に、光起電力フレームの生産コストを可及的に削減することができる。
【0058】
上支持部1の厚さ、下支持部2の厚さ、第1側辺部3の厚さ、第2側辺部4の厚さ及び横辺部5の厚さのいずれか1つはフレームの厚さであり、フレームの厚さと炭素鋼板材の厚さの比は1~4の範囲内にある。つまり、本実施例では、光起電力フレームが成形された後に各箇所のフレームの厚さが同じであることに限らず、上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4及び横辺部5の厚さと炭素鋼板材の厚さの比は1~4の範囲内にあるように、圧延により炭素鋼板材を折り畳み、押し出すことができる。このような構造の設置により、光起電力フレームの形状、構造を多様化し、異なる設計の要求を満たすことができる。なお、実際の応用において、光起電力フレームの具体的な構造は上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4及び横辺部5を有することに限らず、他の構造を有してもよい。光起電力フレームは他の構造を有する場合、当該構造のフレームの厚さと炭素鋼板材の厚さの比も1~4の範囲内にある。
【0059】
具体的には、上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4及び横辺部5のうち、任意の隣接する2つの間の夾角は20~160度の範囲内にある。このような構造の設置により、光起電力フレームの形状、構造を多様化し、異なる設計の要求を満たすことができる。
【0060】
理解できるように、本実施例における光起電力フレームは炭素鋼板材を処理してから成形されるものである。具体的に、光起電力フレームは炭素鋼板材を押し出すことで展延成形されるものである。このようにして、光起電力フレームの製造工程が簡単になり、コストが低く、製造過程は無公害である。具体的に、光起電力フレームは前記炭素鋼板材に対して冷間曲げを行うことで成形されるものである。冷間曲げ加工とは、常温において炭素鋼板材を機器で一定の形状及び寸法の形材に曲げることであり、その利点としては、作製できない各種類の超薄型、超幅広、複雑な形状の形材を製造、転造することができ、金属材料を節約し、製品の機械的特性が優れている。通常の冷間曲げ加工方法として、ロール曲げ、プレス曲げ、引き抜き曲げ、折り曲げが挙げられる。
【0061】
本発明の第2実施例は、光起電力フレームに関し、本実施例は第1実施例に基づいてさらに改良したものであり、具体的な改良点として、本実施例における光起電力フレームは耐候性保護層をさらに備え、耐候性保護層は少なくとも上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆い、これによって、光起電力フレームの確実性をさらに向上させる。
【0062】
図3を参照すると、
図3は光起電力フレームの構造を示す図である。耐候性保護層6は上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4及び横辺部5の外面を覆い、耐候性保護層6は合金めっき層又は有機膜層を含む。このような構造の設置により、炭素鋼が外部環境と接触することを回避でき、光起電力フレームは外部の水、酸素又は他の物質によって腐食されにくくなり、光起電力フレームの使用寿命を延ばし、炭素鋼板材に対する容易な腐食及び寿命の問題を根本的に解決する。
【0063】
なお、
図3に示される上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4又は横辺部5の外面はいずれも耐候性保護層6によって覆われているが、実際の応用において、耐候性保護層6は、上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4又は横辺部5のうち外部環境と接触する面のみを覆ってもよく(例えば、上支持部1、下支持部2及び横辺部5のみを覆ってもよく)、これによって、光起電力フレームは外部の水、酸素又は他の物質によって腐食されにくくなり、光起電力フレームの使用寿命を延ばすと共に、光起電力フレームの生産コストを低減する。
【0064】
図4~
図7に示されるように、要求を満たす光起電力フレームを得られるように、本実施例の耐候性保護層6の位置、厚さはいずれも実際の必要に応じて設定されることができる。
【0065】
図4を参照すると、
図4は、実行可能な実施例における光起電力フレームの断面図である。光起電力フレームは第3側辺部7をさらに備え、第3側辺部7は上支持部1と下支持部2を接続し、第3側辺部7、第1側辺部3、上支持部7及び下支持部2は取り囲んで閉合キャビティ20を形成し、耐候性保護層6は閉合キャビティ30の内壁面も覆う。
【0066】
光起電力フレームは通常中空構造であり、即ち、閉合キャビティ20も外部環境と接触するため、閉合キャビティ20の内壁面を耐候性保護層6で覆うことにより、閉合キャビティ20の内壁面も外部の水、酸素又は他の物質によって腐食されることなく、光起電力フレームの使用寿命をさらに延ばす。
【0067】
理解できるように、
図4に示される光起電力フレームにおいて、耐候性保護層6は閉合キャビティ20の全ての内壁面を覆っているが、実際の応用において、耐候性保護層6は閉合キャビティ20の一部の内壁面のみを覆ってもよく、具体的な構造は
図4に示されている。
【0068】
図5を参照すると、内壁面201は、第1側辺部3が第3側辺部7に向かう表面である第1面201Aと、第3側辺部7が第1側辺部3に向かう表面である第2面201Bと、上支持部1が下支持部2に向かう表面である第3面201Cと、下支持部2が上支持部1に向かう表面である第4面201Dとを含み、耐候性保護層6は第1面201Aと第2面201Bのみを覆う。
【0069】
一般的に言えば、光起電力フレームの第1面201Aと第2面201Bの表面積が第3面201Cと第4面201Dの表面積よりも大きいため、第1面201Aと第2面201Bと外部環境との接触面がより大きくなり、外部の水、酸素又は他の物質によって腐食されやすくなる。第1面201Aと第2面201Bのみを耐候性保護層6で覆うように設置されることで、内壁面201が外部の水、酸素又は他の物質によって腐食されにくいことを確保し、光起電力フレームの使用寿命を延ばすと共に、光起電力フレームの生産コストを低減する。
【0070】
図6を参照すると、耐候性保護層6は、上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4又は横辺部5の外面を覆う第1耐候性保護層61と、閉合キャビティ20の内壁面201を覆い、且つ厚さが第1耐候性保護層61の厚さよりも小さい第2耐候性保護層62とを含む。内壁面201と比べて、光起電力フレームの外面は外部の水、酸素又は他の物質によって腐食されやすく、耐候性保護層6は、その厚さが厚いほど保護能力も強いが、その生産コストがより高くなる。従って、このような構造の設置により、光起電力フレームの外面、内壁面201が外部の水、酸素又は他の物質によって腐食されないことを確保すると共に、光起電力フレームの生産コストをさらに削減する。
【0071】
理解できるように、
図6に示される上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4及び横辺部5の外面はいずれも耐候性保護層6によって覆われているが、実際の応用において、耐候性保護層6は上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4及び横辺部5のうち外部環境と接触する外面のみを覆ってもよく、
図6に示される耐候性保護層6は、閉合キャビティ20の全ての内壁面201を覆っているが、実際の応用において、耐候性保護層6は、閉合キャビティ20の一部の内壁面201のみを覆ってもよい。
【0072】
本実施例における第1耐候性保護層61の重量は、20g/m2~500g/m2の範囲内にある。このようにして、第1耐候性保護層61が外部の水、酸素又は他の物質を遮断することを確保すると共に、第1耐候性保護層61の生産コストを効果的に抑えることができ、第1耐候性保護層61が厚すぎることによって光起電力フレームの性能を損なってしまうことはない。第1耐候性保護層61の重量は260g/m2又は900g/m2であることが好ましく、このような重量の範囲内にある第1耐候性保護層61の場合、第1耐候性保護層61が外部の水、酸素又は他の物質を遮断することを確保すると共に、第1耐候性保護層61の生産コストを可及的に削減することができる。
【0073】
本実施例における第2耐候性保護層62の重量は、0g/m2~500g/m2の範囲内にある。このようにして、第2耐候性保護層62が外部の水、酸素又は他の物質を遮断することを確保すると共に、第2耐候性保護層62の生産コストを効果的に抑えることができる。第2耐候性保護層62の重量は240g/m2又は250g/m2であることが好ましく、このような重量の範囲内にある第2耐候性保護層62の場合、第2耐候性保護層62の厚さが第1耐候性保護層61の厚さを超えることなく、第2耐候性保護層62が外部の水、酸素又は他の物質を遮断することを確保すると共に、第2耐候性保護層62の生産コストを可及的に削減することができる。
【0074】
図7を参照すると、第2側辺部4は、対向する第1内面41と第1外面42を含み、第1内面41は係合溝10の内壁であり、横辺部5は、対向する第2内面51と第2外面52を含み、第2内面51は上支持部1に向かい、上支持部1は、対向する第3内面11と第3外面12を含み、第3内面11は横辺部5に向かい、耐候性保護層6は、第1内面41、第2内面51及び第3内面11を覆う第1保護層601と、第1外面42、第2外面52及び第3外面12を覆い、厚さが第1保護層601の厚さよりも大きい第2保護層602とを含む。係合溝10が通常光起電力モジュールを係合保持するために使用されるため、即ち、係合溝10の内壁が光起電力モジュールと接触するため、係合溝10の内壁に設けられた第2保護層602は摩耗されてしまい、第2保護層602の機能を損なってしまう。このような構造の設置により、第2保護層602は後で光起電力モジュールと接触して摩耗されたとしても、しかるべき保護機能(即ち、外部の水、酸素又は他の物質が係合溝10の内壁と接触することを遮断する)を果たすことが可能であり、光起電力フレームの確実性をさらに向上させる。
【0075】
図4~
図7を合わせて参照すると、耐候性保護層6は合金めっき層であり、上記の合金めっき層の材料は、亜鉛メッキ、亜鉛アルミニウム合金めっき又は亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっきのいずれか1つ又は複数を含む。なお、本実施例の耐候性保護層6は有機膜層であってもよく、上記の有機膜層の材料は、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、またはシラン変性ポリマーのいずれか1つ又は複数を含む。
【0076】
本発明の第3実施例は、光起電力フレームに関し、本実施例は第1実施例に基づいてさらに改良したものであり、具体的な改良点として、光起電力フレームは閉合キャビティ20をさらに備え、閉合キャビティ20内に発泡層20Aが充填されており、これによって、光起電力フレームの安定性をさらに向上させる。
【0077】
図8を参照すると、光起電力フレームは第3側辺部7を備え、第3側辺部7は上支持部1と下支持部2を接続し、第3側辺部7、第1側辺部3、上支持部1及び下支持部2は取り囲んで閉合キャビティ20を形成し、発泡層20Aは閉合キャビティ20内に充填されている。閉合キャビティ20内に強度が高くて接着性能が優れた発泡層20Aを充填することにより、当該発泡層20Aは炭素鋼材質の光起電力フレームと共に力を受け、光起電力フレームの降伏強度をさらに高める。
【0078】
そのうち、発泡層20Aの材料は有機発泡材料又は無機発泡材料であり、硬質ポリウレタンフォームプラスチック又は不飽和ポリエステルプラスチックで製造されることが好ましく、不飽和ポリエステルプラスチックはAとBという2つの成分を含み、A成分は、不飽和ポリエステル樹脂、増粘剤、開始剤及び充填剤を含み、B成分はガラス繊維粗砂又はガラス繊維フェルトである。
【0079】
具体的に言えば、本発明におけるポリウレタンフォームプラスチックは硬質ウレタンフォームとも呼ばれ、軽量、高強度等の優れた性能を有し、且つ寸法の安定性が良好であり、接着力が強く、鋼、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属、木材、コンクリート、アスファルト等の殆どのプラスチック材料に対して接着強度が優れている。また、硬質ポリウレタンの閉孔率は95%以上であり、疎水性材料に該当し、これによって、本実施例における光起電力フレームは防湿、防水性能を有する。さらに、ポリウレタンは難燃剤が添加された後に難燃の自己消火性材料であり、その軟化点は250℃以上に達することができ、本実施例にける光起電力フレームは耐火、難燃、耐高温性能を有する。
【0080】
図8に示される発泡層20Aの体積と閉合キャビティ20の容積の比は略100%に等しく、即ち、発泡層20Aは閉合キャビティ20を一杯まで充填しているが、実際の応用において、発泡層20Aは閉合キャビティ20を一杯まで充填しなくてもよく、発泡層20Aの体積と閉合キャビティ20の容積の比は60%~100%の範囲内にある。このようにして、光起電力フレームの降伏強度を高めると共に、光起電力フレームの生産コストを低減することができる。発泡層20Aの体積と閉合キャビティ20の容積の比は80%又は85%であることが好ましく、閉合キャビティ20内にこのような容積の比の発泡層20Aを有することで、光起電性フレームの降伏強度がより大きくなり、製造コストが低くなる。
【0081】
本発明の第4実施例は光起電力フレームに関し、本実施例は第1実施例に基づいてさらに改良したものであり、具体的な改良点として、光起電力フレームは閉合キャビティ20と補強用リブ20Bをさらに備え、補強用リブ20Bは閉合キャビティ20の内壁面に位置し、これによって、光起電力フレームの安定性をさらに向上させる。
【0082】
図9を参照すると、補強用リブ20Bは、第1頂角と第2頂角を接続する第1補強用リブであって、第1頂角は第1側辺部3と上支持部1によって囲まれた夾角であり、第2頂角は第3側辺部7と下支持部2によって囲まれた夾角である第1補強用リブ20B1と、第3頂角と第4頂角を接続する第2補強用リブであって、第3頂角は第1側辺部3と下支持部2によって囲まれた夾角であり、第4頂角は第3側辺部7と上支持部1によって囲まれた夾角である第2補強用リブ20B2とを含む。「X」字形の補強用リブ20Bを設けることで、光起電力フレームの強度をさらに高め、外力による中空の閉合キャビティ20の変形を防止することができる。
【0083】
本実施例における補強用リブ20Bの数量及び配置位置は上記に限らない。閉合キャビティ20内に設置された、閉合キャビティ20の強度を増大することができる補強用リブ20Bの他の位置、数は実際の必要に応じて設定されることができ、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0084】
本発明の第5実施例は光起電力フレームに関し、本実施例は第1実施例に基づいてさらに改良したものであり、具体的な改良点として、光起電力フレームは閉合キャビティ20と突起20Cをさらに備え、突起20Cは閉合キャビティ20の内壁面201に位置し、これによって、光起電力フレームの強度をさらに高める。
【0085】
図10を参照すると、突起20Cは、第1側辺部3の第3側辺部7に向かう表面に設置される第1突起20C1と、第3側辺部7の第1側辺部3に向かう表面に設置される第2突起20C2とを含む。理解できるように、
図9に示される突起20Cは第1側辺部3の第3側辺部7に向かう表面、及び第3側辺部7の第1側辺部3に向かう表面のみに設置されているが、実際の応用において、突起20Cの配置位置はこれに限らず、閉合キャビティにおける他の全ての表面に設置されてもよく、本実施例では、これに対して具体的に限定しない。
【0086】
好ましくは、複数の第1突起20C1は第1側辺部3の第3側辺部7に向かう表面に間隔をあけて設置されており、複数の第2突起は第3側辺部7の第1側辺部1に向かう表面に間隔をあけて設置されている。このような構造の設置により、第1側辺部3及び/又は第3側辺部7は均一に力を受け、光起電力フレームの安定性をさらに向上させることができる。
【0087】
より好ましくは、第1突起20C1の数は上記の第2突起20C2の数と同じである。このような構造の設置により、光起電力フレームの両側は均一に力を受け、光起電力フレームの安定性をさらに向上させる。
【0088】
本発明の第6実施例は炭素鋼板材に関し、本実施例は第1実施例に基づいてさらに改良したものであり、具体的な改良点として、本実施例において、炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部80を含み、光起電力フレームは炭素鋼板材の折り曲げ予定部8をを折り曲げることで成形されるものである。このようにして、光起電力フレームの生産効率を向上させ、光起電力フレームの製造プロセスを簡略化することができる。
【0089】
図11~
図17を参照すると、本実施例において、炭素鋼板材は、対向するように設置された天面81と底面82を含み、折り曲げ予定部80は天面81から底面82に向かって凹んだ少なくとも1つの溝83を含み、各折り曲げ予定部80の延在方向は第1方向であり、溝83の天部開口の延在方向は第1方向と同じである。
【0090】
以下、図面を組み合わせて具体的に説明する。
【0091】
図11を参照すると、
図11は、炭素鋼板材の一部の立体構造を示す図である。炭素鋼板材の材料は、鋼材である。鋼材は炭素鋼であり、炭素の含有量によって、鋼材の硬度が異なる。
【0092】
炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部80を含む。光起電力フレームを形成する過程において、炭素鋼板材を折り曲げ予定部80に沿って折り曲げる。炭素鋼板材における折り曲げ予定部80の数は光起電力フレームの具体的な構造により設定されることができ、隣接する折り曲げ予定部80の間の距離は光起電力フレームの各辺の長さによって設定されることができる。
【0093】
図11及び
図12を合わせて参照すると、
図12は、
図11における折り曲げ予定部80が第1方向に沿った第1断面図である。1つの例では、折り曲げ予定部80は1つの溝83を含み、溝83は第1方向に沿って炭素鋼板材の一端から他端まで延在している。即ち、1つの折り曲げ予定部80は1つの溝83に対応し、且つ溝83は炭素鋼板材に跨っている。即ち、溝83の天部開口の長さは炭素鋼板材の第1方向に沿った幅と同じである。
【0094】
溝83が折り曲げ予定部80内に占める空間が大きいため、炭素鋼板材は容易に折り曲げられて成形される。鋼材等の硬質材料である炭素鋼板材は、炭素鋼板材の両端に跨っている溝83を採用することが好適である。
【0095】
溝83の底部は折り曲げ予定部80内に位置し、溝83の深さcと隣接する折り曲げ予定部80の間の炭素鋼板材の厚さfの比は0.2~0.6、例えば0.3、0.5である。その比がこの範囲内にあると、折り曲げ予定部80の一定の強度を確保し、炭素鋼板材の破断を回避することができると共に、折り曲げ予定部80を折り曲げやすいことを確保することができる。
【0096】
また、理解できるように、炭素鋼板材に跨っている単一の溝83は炭素鋼板材の天面81と底面82を貫通することができない。さもなければ、炭素鋼板材は一体に成形されるものではない。
【0097】
溝83の真向かう折り曲げ予定部80の厚さeは1.2~4mmである。厚さeが大きすぎると、屈曲できないという問題が発生しやすくなり、厚さeが小さすぎると、折れやすいという問題が発生しやすくなる、上記の厚さの範囲内にある折り曲げ予定部80は良好な強度及び靭性を兼ね備えており、上記の2つの問題を回避することができる。
【0098】
図13を参照すると、
図13は
図11における折り曲げ予定部80が第1方向に沿った第2断面図である。別の例において、折り曲げ予定部80は1つの溝83を有するが、溝83は炭素鋼板材に跨っておらず、即ち、第1方向において炭素鋼板材の両端に開口がない。このように、折り曲げた角度が大きすぎたり、折り曲げた力が大きすぎたりすることによって、炭素鋼板材が破断してしまうことを回避することができる。
【0099】
図11、
図14~
図16を合わせて参照すると、
図14~
図16は
図11における最上部に位置する折り曲げ予定部80が第1方向に沿った4つの異なる断面図である。具体的に、折り曲げ予定部80は間隔をあけて設置された少なくとも2つの溝83を含み、間隔をあけて設置された溝83の配列方向は第1方向と同じである。複数の溝83が隣接して設置されるため、隣接する溝83の間の炭素鋼板材は依然として十分な厚みを有し、折り曲げ予定部80の高い強度を確保し、折り曲げ予定部80の破断を回避することができる。
【0100】
なお、第1方向において、溝83の天部開口の長さbは隣接する溝83の間の距離aよりも小さい。隣接する溝83の間の炭素鋼板材が高い強度を有するため、隣接する溝83の間の距離aが大きい場合、折り曲げ予定部80の高い強度を確保することができる。具体的に、炭素鋼板材の第1方向に沿った幅が20mm~400mm範囲内にあり、1つの溝83及び溝83の間の炭素鋼板材を1セットのユニット構造とし、1つの折り曲げ予定部80に対してnセットの当該ユニット構造を有し、(a+b)*Nは炭素鋼板材の第1方向に沿った幅と同じであり、そのうち、a/bは100%未満であり、Nは2~20であり、例えば、Nは2.5(即ち、2セットのユニット構造及び1セットのユニット構造のうちの1つの溝83又は溝83の間の炭素鋼板材を有する)、5、10等であってもよい。
【0101】
折り曲げ予定部80は間隔をあけて設置された少なくとも2つの溝83を有する技術案については、以下の幾つかの例を含む。
【0102】
例1、
図11及び
図14を合わせて参照すると、炭素鋼板材は天面81と底面82を接続する第1側面801と第2側面802をさらに含み、第1側面801は第2側面802と対向しており、溝83は少なくとも、第1側面801を貫通する第1溝831と、第2側面802を貫通する第2溝832とを含む。このように、折り曲げ予定部80を折り曲げる際に、折り曲げ予定部80の両端は良好な平坦性を維持し、見栄えを向上させることができる。
【0103】
また、溝83の底部が折り曲げ予定部80内に位置し、溝83の深さcと隣接する折り曲げ予定部80の間の炭素鋼板材の厚さfの比が0.5~1である。炭素鋼板材に跨っている溝83と比べて、間隔をあけて設置された溝83の深さcと隣接する折り曲げ予定部80の間の炭素鋼板材の厚さfの比はより大きい。このように設計される理由は、間隔をあけて設置された溝83の間の炭素鋼板材の強度が高くて、折り曲げにくいことである。溝83の深さと隣接する折り曲げ予定部80の間の炭素鋼板材の厚さの比が0.5未満である場合、折り曲げ予定部80全体が折り曲げられにくくなる。従って、それに対応して溝83を深くし、溝83の対応する折り曲げ予定部80の厚みが小さくなり、折り曲げ予定部80全体を折り曲げ易くすることができる。
【0104】
例2、
図11及び
図15を合わせて参照すると、溝83は第1側面801と第2側面802を貫通していない。
【0105】
例3、
図11及び
図16を合わせて参照すると、溝83は折り曲げ予定部80の天面81と底面82を貫通する。溝83の深さと炭素鋼板材の厚さの比を考慮する必要がないため、製造工程の難易度を軽減する。
【0106】
図11及び
図17を合わせて参照すると、
図17は、
図11における折り曲げ予定部80の第1方向に垂直な方向に沿った断面構造を示す図である。第1方向に垂直な断面において、溝83の断面形状は逆三角形又は逆台形を含み、溝83の天部開口は溝83の底部開口よりも大きい。
【0107】
逆台形である溝83、即ち溝83の底部に一定の幅dが残されており、一定の幅を設定することで炭素鋼板材の元の変形量を容易に保持し、炭素鋼板材は折り曲げられる過程において組み合わせるための一定の空間を有し、固定及び屈曲に寄与する。
【0108】
溝83の底部開口の幅dは4~10mmであり、当該幅の範囲にある開口は炭素鋼板材が折り曲げられた時の変形量に最も近い。残された幅dが10mmを超える場合、折り曲げ予定部80が折り曲げられた後に、溝83の対向する側壁の間に大きすぎる隙間が残されてしまう恐れがある。
【0109】
第1方向に垂直な断面において、溝83の対向する側壁の間の夾角は20度~160度の範囲内にある。このような角度の範囲を設計することで、形状が異なる光起電力フレームを製造することができ、例えば、平行四辺形、三角系、菱形及び他の不規則な形状が挙げられ、様々な形状の光起電力フレームは異なる応用シーンに適用されることができ、例えば、平行四辺形、三角形又は菱形の光起電力フレームは建物統合型太陽光発電(BIPV、Building Integrated Photovoltaic)に適用されることができる。例えば、溝83の対向する側壁の間の夾角が90度である場合、折り曲げ予定部80が折り曲げられた後に、溝83の対向する側部は互いに貼り合わせて、90度の夾角を形成することができる。溝83の対向する側壁の間の夾角が60度である場合、折り曲げ予定部80が折り曲げられた後に、溝83の対向する側部は互いに貼り合わせて、120度の夾角を形成することができる。
【0110】
第1方向に垂直な断面において、溝83の対向する側辺の長さの差は0~15mmの範囲内にある。即ち、対向する側辺の長さは異なってもよく、一方の側辺の長さが長辺のキャビティ範囲内にあり、他方の側辺の長さは短辺のキャビティ範囲内にある。炭素鋼板材が折り曲げられて成形された後に、一定の固定方法、例えば溶接又はかしめが必要である。対向する側辺の長さの差が閾値を超えると、最終的に形成された光起電力フレームの堅固性を損なってしまい、4辺の固定及び装着に不利であり、脱落したり壊れたりしやすくなる。対向する側辺の長さの差は15mmの閾値の範囲内にあることによって、最終的に形成された光起電力フレームの良好な安定性を確保することができる。
【0111】
好ましくは、溝83の対向する側辺の長さは等しい。このように、最終的に形成された光起電力フレームの見栄えを向上させることができ、装着及び包装輸送の過程において受けた力が均一になり、変形の発生を回避することができる。
【0112】
以上により、本実施例に係る炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部80と折り曲げ予定部80に位置する溝83とを含む。このように、折り曲げ予定部80を折り曲げることで、一体化された光起電力フレームを形成することができる。また、光起電力フレームのサイズ及び形状によって、溝83の数及びタイプを変更することができる。このように、光起電力フレームの製造の自動化、生産効率を向上させることができる。
【0113】
本発明の第7実施例には、光起電力フレームが提供され、本実施例の光起電力フレームは第6実施例の炭素鋼板材によって製造されることができる。
図18~
図25は光起電力フレームの構造を示す図である。光起電力フレームは、順次に接続された複数の接続部30と折り曲げ部9とを備え、接続部30は上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4及び横辺部5を構成することに用いられ、上支持部1、第2側辺部4及び横辺部5は取り囲んで係合溝を形成し、上支持部1は係合溝に向かう載置面を有し、下支持部2は上支持部1と対向して設置され、第1側辺部3と上支持部1及び下支持部2とは取り囲んで閉合キャビティ20を形成し、第1側辺部3と第2側辺部4はそれぞれ上支持部1の対向する両側に位置し、折り曲げ部9は隣接する2つの接続部30を接続し、折り曲げ部9は当接する2つの側面90を含み、順次に接続された接続部30及び折り曲げ部9は一体に成形される。
【0114】
以下、図面を組み合わせて具体的に説明する。
【0115】
図21及び
図22は光起電力フレームの折り曲げ部の拡大図である。
図21を参照すると、折り曲げ部9の当接する2つの側面90は互いに貼り合わせる。この場合、2つの側面90の間の接触面積が大きくなり、折り曲げ部9の堅固性が良好である。
【0116】
図22を参照すると、折り曲げ部9の当接する2つの側面90は、互いに貼り合わせる2つの接触面901と、接触面901毎に接続される接続面902とを含み、2つの対向する接続面902の間に隙間を有する。それに対応して、隙間の中に接着材を充填して折り曲げ部9の堅固性を向上させることができる。
【0117】
不規則な光起電力フレームについて、接続部30の間の夾角の角度が異なっており、異なる夾角に対して異なる折り曲げ予定部80(
図11を参照)を製造する場合、工程が複雑になり、コストが高くなる。従って、同じタイプの折り曲げ予定部80を製造することができ、不規則な光起電力フレームを形成した後に、一部の折り曲げ部9の2つの側面90は隙間を有し、一部の折り曲げ部9の2つの側面90は互いに貼り合わせ、隙間のある一部の折り曲げ部9に接着材を充填する。このように、工程を簡略化し、コストを低減することができると共に、光起電力フレームの堅固性を向上させることができる。
【0118】
図18~
図20は光起電力フレームの3つの立体構造を示す図である。
図18~
図20を参照すると、上支持部1、第2側辺部4及び横辺部5は取り囲んで係合溝を形成し、係合溝は光起電力パネルを載置することに用いられ、上支持部1の載置面は光起電力パネルを支持する。
【0119】
図18を参照すると、第1側辺部3と上支持部1及び下支持部2とは取り囲んで閉合キャビティ20を形成し、当該閉合キャビティ20は開放式のキャビティであり、任意の2つの隣接する接続部30の間に折り曲げ部9が設置されている。開放式のキャビティを有する光起電力フレームの構造が簡単であり、コストが低い。
【0120】
各接続部30はいずれも単層シート構造であり、工程を簡略化し、材料を節約し、コストを低減することができる。
【0121】
図19及び
図20を合わせて参照すると、接続部30は、上支持部1と下支持部2を接続して取り囲んで閉鎖式の閉合キャビティ20を形成する第3側辺部7をさらに備え、折り曲げ9は第3側辺部7と上支持部1の間及び/又は第1側辺部3と下支持部2の間にも設置される。
【0122】
閉鎖式の閉合キャビティ20はその内部の充填物を保護することができ、光起電力フレームの強度を補強することができる。また、第3側辺部7も支持の機能を果たし、光起電力フレームは変形しにくくなる。
【0123】
さらに、
図19を参照すると、上支持部1は単層構造である。従って、材料消耗量は少なく、構造が簡単である。
【0124】
図20を参照すると、上支持部1は第1部分と第2部分に分けられている。第1部分は、閉合キャビティ20に対応し、且つ単層シート構造であり、第2部分は、閉合キャビティ20外にあり、且つ二重シート構造である。従って、上支持部1と光起電力パネルとの接触面積が大きくなり、安定性がより良好である。
【0125】
下支持部2、上支持部1、第1側辺部3及び第3側辺部7のうち、任意の隣接する両者の間の夾角は20度~160度である。このように、光起電力フレームは様々な形状、例えば平行四辺形、三角形、菱形及び他の不規則な形状を有することができ、形状が様々な光起電力フレームは建物に適用でき、見栄えを向上させることができる。
【0126】
少なくとも2つの隣接する接続部30は重なり部分を有し、重なり部分は二重シート構造である。光起電力フレームが一体に成形されるため、配置が複雑な光起電力フレームについて、重なる方法を採用して、板材トを2つに切断することを回避し、工程のステップを低減することができる。また、二重シート構造も光起電力フレームの強度を高めることができる。
【0127】
上支持部1、下支持部2、第1側辺部3、第2側辺部4又は横辺部5のうちの一方は、首尾に位置する2つの接続部30が当接して構成される。即ち、光起電力フレームの閉鎖箇所は2つの接続部30が当接して構成される。このように、閉鎖箇所の堅固性を確保し、光起電力フレームの変形の発生を回避することができる。
【0128】
第1側辺部3、第3側辺部7、下支持部2は光起電力フレーム全体を支持するため、上支持部1、第2側辺部4又は横辺部5等の載置作用が弱い接続部30を閉鎖箇所として選択する場合、光起電力フレームは変形しにくくなる。
【0129】
光起電力フレームの折り曲げ方法に関する技術案について、以下の幾つかの例を含む。
【0130】
例1、
図23を参照すると、
図23は光起電力フレームの第1側面図である。折り曲げの始点は第1側辺部3にあり、終点は横辺部5にあり、又は、折り曲げの始点は横辺部5にあり、終点は第1側辺部3にある。
【0131】
2本の破線の対応する接続部30(
図18~
図20を参照)は二重シート構造であり、1本の破線の対応する接続部30は単層シート構造である。
【0132】
例1において、第3側辺部7及び下支持部2は二重シート構造であり、光起電力フレームの強度が高い。また、光起電力フレーム全体は1枚の板材で一体に成形され、このように、製造時間を短縮し、工程の難易度を軽減することができる。
【0133】
例2、
図24を参照すると、
図24は光起電力フレームの第2側面図である。
図24の光起電力フレームの配置は
図23の光起電力フレームの配置と同じであるが、相違点は、折り畳まれた順序と接続部30(
図18~
図20を参照)の層数が異なることにある。
【0134】
具体的に、例2において、折り曲げの始点は第1側辺部3にあり、終点は下支持部2にあり、又は、折り曲げの始点は下支持部2にあり、終点は第1側辺部3にある。
【0135】
それに対応して、第2側辺部4及び横辺部5は二重シート構造であり、第2側辺部4及び横辺部5の長さが短いため、第2側辺部4及び横辺部5は二重シート構造であっても、光起電力フレームに消耗された板材も少ない。
【0136】
例3、
図25を参照すると、
図25は光起電力フレームの第3側面図である。接続部30は、第3側辺部7にそれぞれ接続される第1接続部301と第2接続部302をさらに含み、第1接続部301、第3側辺部7及び第2接続部302は取り囲んで押えブロック領域を形成し、折り曲げ部9はさらに第1接続部301と第3側辺部7の間及び/又は第2接続部302と第3側辺部7の間に設置される。押えブロック領域は光起電力フレームを固定することに用いられ、光起電力フレームの倒壊を防止することができる。
【0137】
第1接続部301と第2接続部302は二重シート構造である。第1接続部301と第2接続部302は光起電力フレームを固定する機能を果たすため、第1接続部301と第2接続部302は二重シート構造を採用するとより堅固になり、光起電力フレームの倒壊を防止する。
【0138】
折り曲げの始点は下支持部2にあり、折り曲げの終点は第1側辺部3にあり、又は、折り曲げの始点は第1側辺部3にあり、折り曲げの終点は下支持部2にある。なお、横辺部5及び第2側辺部4も二重シート構造である。
【0139】
なお、本実施例に係る光起電力フレームの具体的な構造は上記した幾つかの例に限らず、板材本体が折り曲げ予定部に沿って折り曲げられて形成された光起電力フレームはいずれも本実施例の範囲内に含まれる。
【0140】
光起電力フレームは補強部材(図示せず)をさらに備え、補強部材は折り曲げ部9の当接する2つの側面を貫通する。補強部材は、溶接補強部材、かしめ補強部材又はほぞ穴とほぞ補強部材を含む。補強部材は折り曲げ部9の堅固性を向上させ、光起電力フレームの変形を回避することができる。
【0141】
以上により、本実施例に係る光起電力フレームは、順次に接続された接続部30と隣接する接続部30を接続する折り曲げ部9とを備え、接続部30は折り曲げ部9と一体に成形される。このように、光起電力フレームの生産効率を向上させ、生産コストを低減することができる。また、一部の二重構造が設置された接続部30により折り曲げ部9を補強し、閉合キャビティ20を充填する等の方法によって、光起電力フレーム全体の強度及び堅固性を向上させることができる。
【0142】
本発明の第8実施例には、光起電力フレームの製造方法が提供され、具体的なプロセスは、
図26に示されており、
S801:炭素鋼板材を提供する。
【0143】
具体的には、本実施例の炭素鋼板材における炭素の含有量は0.04%~0.25%の範囲内にある。炭素鋼板材における炭素の含有量が低すぎると、炭素鋼板材の強度が弱くなり、光起電力フレームの構造強度の要求を満たすことが困難になり、炭素鋼板材における炭素の含有量が高すぎると、炭素鋼板材に対する塩水噴霧腐食の速度が増加し、光起電力フレームの品質保証期間の要求を満たすことが困難になる。このような炭素含有量の範囲内にある炭素鋼板材を採用して光起電力フレームを製造することにより、光起電力フレームの強度は設計要求を満たすことができると共に、光起電力フレームの品質保証期間に影響しない。
【0144】
炭素鋼板材の強度は200MPa~600MPaの範囲内にある。炭素鋼板材の強度は即ち炭素鋼板材の破断及び過度の変形に対する力学性能である。このような強度範囲内にある炭素鋼板材を採用することで、製造された光起電力フレームは設計の要求を満たすことができ、外力による変形を容易に生じさせなくなり、光起電力フレームの安定性を向上させる。
【0145】
炭素鋼板材の破断伸び率は15%~36%の範囲内にある。炭素鋼板材は外力により破断してしまう場合、引っ張られた後に伸びた長さと引っ張られる前の長さとの比は即ち炭素鋼板材の破断伸び率である。このような破断伸び率の範囲内にある炭素鋼板材を採用することで、製造された光起電力フレームは設計の要求を満たすことができ、ある程度の変形能力を持たせ、僅かな変形が発生した後に破断せず、光起電力フレームの安定性を向上させる。
【0146】
S802:炭素鋼板材を処理してから成形し、光起電力フレームを形成する。
【0147】
具体的には、前記光起電力フレームは、上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部及び横辺部を備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は取り囲んで係合溝を形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続する。
【0148】
理解できるように、本実施例における光起電力フレームは上記の構造に限らず、他の構造を含んでもよく、上記した実施例に具体的に記載されているため、重複を避けるために、ここで再び説明しない。
【0149】
本実施例において、炭素鋼板材を処理してから成形し、具体的に、炭素鋼板材に対して圧延冷間曲げ工程を行って光起電力フレームを形成する。このようにして、光起電力フレームの製造方法が簡単になり、コストが低く、製造過程は無公害である。
【0150】
より好ましくは、本実施例の炭素鋼板材は、複数の折り曲げ予定部を含んでもよく、前記炭素鋼板材は、対向するように設置された天面と底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は第1方向と同じである。前記処理は、前記折り曲げ予定部を折り曲げて、前記光起電力フレームを形成することを含む。このような構造の設置により、炭素鋼板材を容易に折り曲げ、光起電力フレームの製造の難易度を軽減する。
【0151】
図27は製造方法の各ステップに対応する構造を示す図である。
【0152】
図27(A)を参照して、第1実施例の板材を提供する。
【0153】
板材の製造方法は、必要な光起電力フレームの形態により、板材本体に必要な折り曲げ予定部の数及び隣接する折り曲げ予定部の間隔を設定する。さらに、折り曲げ予定部における溝の形状及び数を設定する。板材本体をレーザー切断し、折り曲げ予定部及び折り曲げ予定部に位置する溝を形成する。折り曲げ予定部を形成した後に、必要なモジュールのサイズによって、板材を切断する。このように、第1実施例における板材を製造することができる。残りの板材本体は依然として継続して別の光起電力フレームを形成することができる。
【0154】
図27(B)~(D)を参照して、板材における折り曲げ予定部に沿って折り曲げ、順次に接続された複数の接続部及び折り曲げ部を形成し、折り曲げ部は隣接する2つの接続部を接続し、折り曲げ部は当接する2つの側面を含み、順次に接続された複数の接続部及び折り曲げ部は一体に成形される。
【0155】
折り曲げの方法はプレス成形であってもよい。また、折り曲げる前に、折り曲げ予定部の靭性を向上させるように、折り曲げ予定部を加熱することもできる。
【0156】
折り曲げられた後に、折り曲げ部を補強し、例えば、溶接(電気抵抗溶接とアルゴナーク溶接等の方法を選択できる)、かしめ、ほぞ穴とほぞ等の接続、組立の方案により、光起電力フレームが散乱することを回避することができる。
【0157】
また、板材の強度を高めるように、発泡ポリウレタン等の有機材料をキャビティに充填して押し出してもよい。このステップにおいて、ポリウレタンの発泡温度を満たす必要があり、温度が低すぎると、ポリウレタンが発泡の要求を満たすように、日照りや加熱板による加熱等の方法で環境の温度を上昇させることができる。
【0158】
以上により、本実施例に係る光起電力フレームの製造方法は一体化された切断方法を採用し、切断された板材を折り曲げて、光起電力フレームを形成する。このように、生産能率の向上に有利であり、光起電力フレーム製造の完全な自動化を実現することに有利である。
【0159】
それに対応して、本発明の実施例には、光起電力モジュールがさらに提供され、積層構造及び上記のいずれか1つの実施例に係る光起電力フレームを備え、そのうち、積層構造は、順次に積層されたパネル、第1接着フィルム、電池シート、第2接着フィルム及びバックシートを含み、光起電力フレームの載置面は積層構造を載置する。
【0160】
図28は光起電力モジュールの一部の立体構造を示す図であり、光起電力モジュールは光起電力フレーム102及び積層構造101を備え、光起電力フレーム102の係合溝10が積層構造101を係合保持することで、積層構造101は光起電力フレーム02に安定的に固定され、光起電力モジュールの安定性を向上させる。
【0161】
光起電力モジュールは、積層構造101と係合溝10との間の隙間領域を充填するための充填部10を備えてもよい。なお、充填部10は、光起電力フレームの他の領域を充填してもよく、これによって、光起電力フレームの安定性をさらに向上させることができる。
【0162】
図29は、
図28における積層構造の断面構成を示す図であり、積層構造101は、順次に積層された、パネル101Aと、第1接着フィルム101Bと、電池シート101Cと、第2接着フィルム101Dと、バックシート101Eとを含み、そのうち、パネル101Aは、電池シート101Cの受光面に位置し、隣接する電池シート101が積層されている。バックシート101Eは、ガラスまたは有機バックシートであってもよい。
【0163】
図30は、
図28における積層構造の別の断面構成を示す図であり、隣接する電池シート101同士は積層されておらず、半田付けテープ101Fを介して電気的接続を実現することができる。
【0164】
1つの例では、積層構造101は単一ガラスモジュールであってもよく、即ち、パネル101Aはガラスであり、バックシート101Eは有機バックシート又は不透明のバックシートである。
【0165】
別の例では、積層構造101は二重ガラスモジュールであってもよく、即ち、パネル101Aとバックシート101Eはいずれもガラスである。
【0166】
別の例では、パネル101Aは隣接する長辺及び短辺を含み、長辺の長さは2m以上であり、短辺の長さは1m以上であり、当該積層構造101は大型モジュールとして定義されることができる。
【0167】
透明なバックシートモジュール及び大型モジュールの構造強度が限られているため、外力により損傷しやすくなる。上述した実施例に係る光起電力フレームと積層構造101を組み合わせて光起電力モジュールを形成することで、光起電力モジュールが構造強度の悪いバックシート又はパネルを有する場合に、光起電力フレームは良好な支持機能を果たし、外力によるバックシート又はパネルの損傷を回避し、光起電力モジュールの確実性を向上させることができる。
【0168】
当業者が理解できるように。上記の各実施例は、本発明を実現するための具体的な実施例であるが、実際の応用において、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形式及び細部で種々の変更を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力フレームであって、
上支持部、下支持部及び横辺部を備え、前記上支持部と前記横辺部は係合溝を取り囲むように形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、
前記光起電力フレームは炭素鋼板材を素材とするものであり、
前記光起電力フレームは、第1側辺部及び第2側辺部をさらに備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は前記係合溝を取り囲むように形成され、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続し、
前記光起電力フレームは、前記上支持部と前記下支持部を接続する第3側辺部をさらに備え、前記第3側辺部、前記第1側辺部、前記上支持部及び前記下支持部は閉合キャビティを取り囲むように形成された
ことを特徴とする光起電力フレーム。
【請求項2】
前記炭素鋼板材には、炭素を含み、炭素の質量分率は0.04%~0.25%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項3】
炭素鋼板材には、シリコン、マンガン、リン又は硫黄の少なくとも1つをさらに含み、シリコンの質量分率は0.5%以下であり、マンガンの質量分率は0.6%以下であり、リンの質量分率は0.1%以下であり、硫黄の質量分率は0.045%以下であることを特徴とする請求項2に記載の光起電力フレーム。
【請求項4】
前記炭素鋼板材の強度は200MPa~600MPaの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項5】
前記炭素鋼板材の破断伸び率は15%~36%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項6】
少なくとも前記上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆う耐候性保護層をさらに備え、前記耐候性保護層は合金めっき層又は有機膜層を含むことを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項7】
前記耐候性保護層は前記閉合キャビティの少なくとも一部の内壁面を覆っており、前記内壁面は、前記第1側辺部が前記第3側辺部に向かう表面である第1面と、前記第3側辺部が前記第1側辺部に向かう表面である第2面と、前記上支持部が前記下支持部に向かう表面である第3面と、前記下支持部が前記上支持部に向かう表面である第4面とを含み、前記第1面と前記第2面の表面積が前記第3面と前記第4面の表面積よりも大きく、前記耐候性保護層は前記第1面と前記第2面のみを覆うことを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項8】
前記耐候性保護層は、前記上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆う第1耐候性保護層と、前記閉合キャビティの少なくとも一部の内壁面を覆い、且つ厚さが前記第1耐候性保護層の厚さよりも小さい第2耐候性保護層とを含むことを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項9】
前記第1耐候性保護層の1平方メートルあたりの質量は、20g/m²~500g/m²の範囲内にあり、前記第2耐候性保護層の1平方メートルあたりの質量は、0g/m²~500g/m²の範囲内にあるが、0g/m²を含まないことを特徴とする請求項8に記載の光起電力フレーム。
【請求項10】
前記第2側辺部は、対向する第1内面と第1外面を含み、前記第1内面は前記係合溝の内壁であり、前記横辺部は、対向する第2内面と第2外面を含み、前記第2内面は前記上支持部に向かい、前記上支持部は、対向する第3内面と第3外面を含み、前記第3内面は前記横辺部に向かい、前記耐候性保護層は、前記第1内面、前記第2内面及び前記第3内面を覆う第1保護層と、前記第1外面及び前記第2外面を覆い、厚さが前記第1保護層の厚さよりも大きい第2保護層とを含むことを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項11】
前記閉合キャビティ内に充填される発泡層をさらに備え、前記発泡層の材料は有機発泡材料又は無機発泡材料であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項12】
前記閉合キャビティの内壁面に位置する補強用リブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項13】
積層構造及び請求項1~12のいずれか一項に記載の光起電力フレームを備え、積層構造は、順次に積層されたパネル、第1接着フィルム、電池シート、第2接着フィルム及びバックシートを含むことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項14】
前記バックシートは、ガラス又は有機バックシートを含むことを特徴とする請求項13に記載の光起電力モジュール。
【請求項15】
前記パネルは隣接する長辺及び短辺を含み、前記長辺の長さは2m以上であり、前記短辺の長さは1m以上であることを特徴とする請求項13に記載の光起電力モジュール。
【請求項16】
炭素鋼板材を提供することと、前記炭素鋼板材を成形して、光起電力フレームを形成することとを備え、
前記光起電力フレームは、上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部及び横辺部を備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は係合溝を取り囲むように形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、
前記光起電力フレームは、第1側辺部及び第2側辺部をさらに備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は前記係合溝を取り囲むように形成し、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続し、
前記光起電力フレームは、前記上支持部と前記下支持部を接続する第3側辺部をさらに備え、前記第3側辺部、前記第1側辺部、前記上支持部及び前記下支持部は閉合キャビティを取り囲むように形成する
ことを特徴とする光起電力フレームの製造方法。
【請求項17】
前記炭素鋼板材は圧延冷間曲げ工程により成形されることを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項18】
前記炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部を含み、前記炭素鋼板材は、対向するように設置された天面及び底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は前記第1方向と同じであり、
前記折り曲げ予定部を折り曲げることにより、前記光起電力フレームを形成することを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項19】
前記光起電力フレームは前記炭素鋼板材を押し出すことで展延成形されることを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項20】
前記光起電力フレームは前記炭素鋼板材に対して冷間曲げを行うことで成形されることを特徴とする請求項19に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項21】
前記炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部を含み、前記光起電力フレームは前記炭素鋼板材の前記折り曲げ予定部を折り曲げることで成形され、
前記炭素鋼板材は対向するように設置された天面及び底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は前記第1方向と同じであることを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項22】
前記折り曲げ予定部は1つの前記溝を含み、前記溝は前記第1方向に沿って前記炭素鋼板材の一端から他端まで延在していることを特徴とする請求項21に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項23】
前記折り曲げ予定部は複数の前記溝を含み、複数の前記溝は前記第1方向に沿って間隔をあけて設置されていることを特徴とする請求項22に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項24】
前記炭素鋼板材は、前記天面と前記底面を接続する第1側面と第2側面を含み、前記第1側面は前記第2側面と対向しており、前記溝は少なくとも、前記第1側面を貫通する第1溝と、前記第2側面を貫通する第2溝とを含むことを特徴とする請求項23に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項25】
前記溝の底部が折り曲げ予定部内に位置し、前記溝の深さと隣接する前記折り曲げ予定部の間の前記炭素鋼板材の厚さの比は0.5~1であることを特徴とする請求項24に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項26】
前記光起電力フレームは、複数の折り曲げ部をさらに備え、各前記折り曲げ部は隣接する2つの接続部を接続し、複数の前記接続部は、順次に接続されており、前記上支持部、前記下支持部、前記第1側辺部、前記第2側辺部及び前記横辺部を構成することに用いられ、各前記折り曲げ部は当接する2つの側面を含み、前記折り曲げ部と複数の前記接続部は一体に成形されることを特徴とする請求項23に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項27】
前記折り曲げ部の当接する2つの側面は互いに貼り合わせており、又は、前記折り曲げ部の当接する2つの側面は、互いに貼り合わせた2つの接触面と、前記接触面毎に接続される接続面とを含み、2つの対向する前記接続面の間に隙間を有することを特徴とする請求項26に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項28】
各前記接続部はいずれも単層の炭素鋼板材から構成され、又は、少なくとも2つの隣接する前記接続部は重なり部を有し、前記重なり部は少なくとも2層の炭素鋼板材から構成されることを特徴とする請求項26に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項29】
前記折り曲げ部の当接する2つの側面は予め定めた方法で補強され、前記予め定めた方法は溶接固定、かしめ固定又はほぞ穴とほぞ固定のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項26に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項30】
前記炭素鋼板材の厚さは0.2mm~2mmの範囲内にあることを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項31】
前記上支持部の厚さ、前記下支持部の厚さ、前記第1側辺部の厚さ、前記第2側辺部の厚さ及び前記横辺部の厚さのいずれか1つはフレームの厚さであり、前記フレームの厚さと前記炭素鋼板材の厚さの比は1~4の範囲内にあることを特徴とする請求項30に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項32】
前記上支持部、前記下支持部、前記第1側辺部、前記第2側辺部及び前記横辺部のうち、任意の隣接する両者の間の夾角は20~160度の範囲内にあることを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2021-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力フレームであって、
上支持部、下支持部及び横辺部を備え、前記上支持部と前記横辺部は係合溝を取り囲むように形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、
前記光起電力フレームは炭素鋼板材を素材とするものであり、
前記光起電力フレームは、第1側辺部及び第2側辺部をさらに備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は前記係合溝を取り囲むように形成され、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続し、
前記光起電力フレームは、前記上支持部と前記下支持部を接続する第3側辺部をさらに備え、前記第3側辺部、前記第1側辺部、前記上支持部及び前記下支持部は閉合キャビティを取り囲むように形成された
ことを特徴とする光起電力フレーム。
【請求項2】
前記炭素鋼板材には、炭素を含み、炭素の質量分率は0.04%~0.25%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項3】
炭素鋼板材には、シリコン、マンガン、リン又は硫黄の少なくとも1つをさらに含み、シリコンの質量分率は0.5%以下であり、マンガンの質量分率は0.6%以下であり、リンの質量分率は0.1%以下であり、硫黄の質量分率は0.045%以下であることを特徴とする請求項2に記載の光起電力フレーム。
【請求項4】
前記炭素鋼板材の強度は200MPa~600MPaの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項5】
前記炭素鋼板材の破断伸び率は15%~36%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項6】
少なくとも前記上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆う耐候性保護層をさらに備え、前記耐候性保護層は合金めっき層又は有機膜層を含むことを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項7】
前記耐候性保護層は前記閉合キャビティの少なくとも一部の内壁面を覆っており、前記内壁面は、前記第1側辺部が前記第3側辺部に向かう表面である第1面と、前記第3側辺部が前記第1側辺部に向かう表面である第2面と、前記上支持部が前記下支持部に向かう表面である第3面と、前記下支持部が前記上支持部に向かう表面である第4面とを含み、前記第1面と前記第2面の表面積が前記第3面と前記第4面の表面積よりも大きく、前記耐候性保護層は前記第1面と前記第2面のみを覆うことを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項8】
前記耐候性保護層は、前記上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆う第1耐候性保護層と、前記閉合キャビティの少なくとも一部の内壁面を覆い、且つ厚さが前記第1耐候性保護層の厚さよりも小さい第2耐候性保護層とを含むことを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項9】
前記第1耐候性保護層の1平方メートルあたりの質量は、20g/m2~500g/m2の範囲内にあり、前記第2耐候性保護層の1平方メートルあたりの質量は、0g/m2~500g/m2の範囲内にあるが、0g/m
2
を含まないことを特徴とする請求項8に記載の光起電力フレーム。
【請求項10】
前記第2側辺部は、対向する第1内面と第1外面を含み、前記第1内面は前記係合溝の内壁であり、前記横辺部は、対向する第2内面と第2外面を含み、前記第2内面は前記上支持部に向かい、前記上支持部は、対向する第3内面と第3外面を含み、前記第3内面は前記横辺部に向かい、前記耐候性保護層は、前記第1内面、前記第2内面及び前記第3内面を覆う第1保護層と、前記第1外面及び前記第2外面を覆い、厚さが前記第1保護層の厚さよりも大きい第2保護層とを含むことを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項11】
前記閉合キャビティ内に充填される発泡層をさらに備え、前記発泡層の材料は有機発泡材料又は無機発泡材料であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項12】
前記閉合キャビティの内壁面に位置する補強用リブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項13】
積層構造及び請求項1~12のいずれか一項に記載の光起電力フレームを備え、積層構造は、順次に積層されたパネル、第1接着フィルム、電池シート、第2接着フィルム及びバックシートを含むことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項14】
前記バックシートは、ガラス又は有機バックシートを含むことを特徴とする請求項13に記載の光起電力モジュール。
【請求項15】
前記パネルは隣接する長辺及び短辺を含み、前記長辺の長さは2m以上であり、前記短辺の長さは1m以上であることを特徴とする請求項13に記載の光起電力モジュール。
【請求項16】
炭素鋼板材を提供することと、前記炭素鋼板材を成形して、光起電力フレームを形成することとを備え、
前記光起電力フレームは、上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部及び横辺部を備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は係合溝を取り囲むように形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、
前記光起電力フレームは、第1側辺部及び第2側辺部をさらに備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は前記係合溝を取り囲むように形成し、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続し、
前記光起電力フレームは、前記上支持部と前記下支持部を接続する第3側辺部をさらに備え、前記第3側辺部、前記第1側辺部、前記上支持部及び前記下支持部は閉合キャビティを取り囲むように形成する
ことを特徴とする光起電力フレームの製造方法。
【請求項17】
前記炭素鋼板材は圧延冷間曲げ工程により成形されることを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項18】
前記炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部を含み、前記炭素鋼板材は、対向するように設置された天面及び底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は前記第1方向と同じであり、
前記折り曲げ予定部を折り曲げることにより、前記光起電力フレームを形成することを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項19】
前記光起電力フレームは前記炭素鋼板材を押し出すことで展延成形されることを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項20】
前記光起電力フレームは前記炭素鋼板材に対して冷間曲げを行うことで成形されることを特徴とする請求項19に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項21】
前記炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部を含み、前記光起電力フレームは前記炭素鋼板材の前記折り曲げ予定部を折り曲げることで成形され、
前記炭素鋼板材は対向するように設置された天面及び底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は前記第1方向と同じであることを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項22】
前記折り曲げ予定部は1つの前記溝を含み、前記溝は前記第1方向に沿って前記炭素鋼板材の一端から他端まで延在していることを特徴とする請求項21に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項23】
前記折り曲げ予定部は複数の前記溝を含み、複数の前記溝は前記第1方向に沿って間隔をあけて設置されていることを特徴とする請求項22に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項24】
前記炭素鋼板材は、前記天面と前記底面を接続する第1側面と第2側面を含み、前記第1側面は前記第2側面と対向しており、前記溝は少なくとも、前記第1側面を貫通する第1溝と、前記第2側面を貫通する第2溝とを含むことを特徴とする請求項23に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項25】
前記溝の底部が折り曲げ予定部内に位置し、前記溝の深さと隣接する前記折り曲げ予定部の間の前記炭素鋼板材の厚さの比は0.5~1であることを特徴とする請求項24に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項26】
前記光起電力フレームは、複数の折り曲げ部をさらに備え、各前記折り曲げ部は隣接する2つの接続部を接続し、複数の前記接続部は、順次に接続されており、前記上支持部、前記下支持部、前記第1側辺部、前記第2側辺部及び前記横辺部を構成することに用いられ、各前記折り曲げ部は当接する2つの側面を含み、前記折り曲げ部と複数の前記接続部は一体に成形されることを特徴とする請求項23に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項27】
前記折り曲げ部の当接する2つの側面は互いに貼り合わせており、又は、前記折り曲げ部の当接する2つの側面は、互いに貼り合わせた2つの接触面と、前記接触面毎に接続される接続面とを含み、2つの対向する前記接続面の間に隙間を有することを特徴とする請求項26に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項28】
各前記接続部はいずれも単層の炭素鋼板材から構成され、又は、少なくとも2つの隣接する前記接続部は重なり部を有し、前記重なり部は少なくとも2層の炭素鋼板材から構成されることを特徴とする請求項26に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項29】
前記折り曲げ部の当接する2つの側面は予め定めた方法で補強され、前記予め定めた方法は溶接固定、かしめ固定又はほぞ穴とほぞ固定のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項26に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項30】
前記炭素鋼板材の厚さは0.2mm~2mmの範囲内にあることを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項31】
前記上支持部の厚さ、前記下支持部の厚さ、前記第1側辺部の厚さ、前記第2側辺部の厚さ及び前記横辺部の厚さのいずれか1つはフレームの厚さであり、前記フレームの厚さと前記炭素鋼板材の厚さの比は1~4の範囲内にあることを特徴とする請求項30に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項32】
前記上支持部、前記下支持部、前記第1側辺部、前記第2側辺部及び前記横辺部のうち、任意の隣接する両者の間の夾角は20~160度の範囲内にあることを特徴とする請求項16に記載の光起電力フレームの製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力フレームであって、
上支持部、下支持部及び横辺部を備え、前記上支持部と前記横辺部は係合溝を取り囲むように形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、
前記光起電力フレームは炭素鋼板材を素材とするものであり、
前記光起電力フレームは、第1側辺部及び第2側辺部をさらに備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は前記係合溝を取り囲むように形成され、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続し、
前記光起電力フレームは、前記上支持部と前記下支持部を接続する第3側辺部をさらに備え、前記第3側辺部、前記第1側辺部、前記上支持部及び前記下支持部は閉合キャビティを取り囲むように形成され、
前記炭素鋼板材には、炭素を含み、炭素の質量分率は0.04%~0.25%の範囲内にあり、
前記光起電力フレームは耐候性保護層をさらに含み、前記耐候性保護層は前記閉合キャビティの少なくとも一部の内壁面を覆っており、前記内壁面は、前記第1側辺部が前記第3側辺部に向かう表面である第1面と、前記第3側辺部が前記第1側辺部に向かう表面である第2面と、前記上支持部が前記下支持部に向かう表面である第3面と、前記下支持部が前記上支持部に向かう表面である第4面とを含み、前記第1面と前記第2面の表面積が前記第3面と前記第4面の表面積よりも大きく、前記耐候性保護層は前記第1面と前記第2面のみを覆う
ことを特徴とする光起電力フレーム。
【請求項2】
炭素鋼板材には、シリコン、マンガン、リン又は硫黄の少なくとも1つをさらに含み、シリコンの質量分率は0.5%以下であり、マンガンの質量分率は0.6%以下であり、リンの質量分率は0.1%以下であり、硫黄の質量分率は0.045%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項3】
前記炭素鋼板材の強度は200MPa~600MPaの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項4】
前記炭素鋼板材の破断伸び率は15%~36%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項5】
少なくとも前記上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆う前記耐候性保護層は合金めっき層又は有機膜層を含むことを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項6】
前記耐候性保護層は、前記上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部又は横辺部のうちの少なくとも1つの外面を覆う第1耐候性保護層と、前記第1面と前記第2面を覆い、且つ厚さが前記第1耐候性保護層の厚さよりも小さい第2耐候性保護層とを含むことを特徴とする請求項5に記載の光起電力フレーム。
【請求項7】
前記第1耐候性保護層の1平方メートルあたりの質量は、20g/m2~500g/m2の範囲内にあり、前記第2耐候性保護層の1平方メートルあたりの質量は、0g/m2~500g/m2の範囲内にあるが、0g/m2を含まないことを特徴とする請求項6に記載の光起電力フレーム。
【請求項8】
前記第2側辺部は、対向する第1内面と第1外面を含み、前記第1内面は前記係合溝の内壁であり、前記横辺部は、対向する第2内面と第2外面を含み、前記第2内面は前記上支持部に向かい、前記上支持部は、対向する第3内面と第3外面を含み、前記第3内面は前記横辺部に向かい、前記耐候性保護層は、前記第1内面、前記第2内面及び前記第3内面を覆う第1保護層と、前記第1外面及び前記第2外面を覆い、厚さが前記第1保護層の厚さよりも大きい第2保護層とを含むことを特徴とする請求項5に記載の光起電力フレーム。
【請求項9】
前記閉合キャビティ内に充填される発泡層をさらに備え、前記発泡層の材料は有機発泡材料又は無機発泡材料であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項10】
前記閉合キャビティの内壁面に位置する補強用リブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光起電力フレーム。
【請求項11】
積層構造及び請求項1~10のいずれか一項に記載の光起電力フレームを備え、積層構造は、順次に積層されたパネル、第1接着フィルム、電池シート、第2接着フィルム及びバックシートを含むことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項12】
前記バックシートは、ガラス又は有機バックシートを含むことを特徴とする請求項11に記載の光起電力モジュール。
【請求項13】
前記パネルは隣接する長辺及び短辺を含み、前記長辺の長さは2m以上であり、前記短辺の長さは1m以上であることを特徴とする請求項11に記載の光起電力モジュール。
【請求項14】
炭素鋼板材を提供することと、前記炭素鋼板材を成形して、光起電力フレームを形成することとを備え、
前記光起電力フレームは、上支持部、下支持部、第1側辺部、第2側辺部及び横辺部を備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は係合溝を取り囲むように形成し、前記上支持部は前記係合溝に向かう載置面を有し、前記下支持部は前記上支持部と対向して設置され、前記横辺部は前記上支持部の前記下支持部から離れた側に配置され、
前記光起電力フレームは、第1側辺部及び第2側辺部をさらに備え、前記上支持部、前記第2側辺部及び前記横辺部は前記係合溝を取り囲むように形成し、前記第1側辺部は前記上支持部と前記下支持部を接続し、
前記光起電力フレームは、前記上支持部と前記下支持部を接続する第3側辺部をさらに備え、前記第3側辺部、前記第1側辺部、前記上支持部及び前記下支持部は閉合キャビティを取り囲むように形成し、
前記炭素鋼板材には、炭素を含み、炭素の質量分率は0.04%~0.25%の範囲内にあり、
前記光起電力フレームは耐候性保護層をさらに含み、前記耐候性保護層は前記閉合キャビティの少なくとも一部の内壁面を覆っており、前記内壁面は、前記第1側辺部が前記第3側辺部に向かう表面である第1面と、前記第3側辺部が前記第1側辺部に向かう表面である第2面と、前記上支持部が前記下支持部に向かう表面である第3面と、前記下支持部が前記上支持部に向かう表面である第4面とを含み、前記第1面と前記第2面の表面積が前記第3面と前記第4面の表面積よりも大きく、前記耐候性保護層は前記第1面と前記第2面のみを覆う
ことを特徴とする光起電力フレームの製造方法。
【請求項15】
前記炭素鋼板材は圧延冷間曲げ工程により成形されることを特徴とする請求項14に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項16】
前記炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部を含み、前記炭素鋼板材は、対向するように設置された天面及び底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は前記第1方向と同じであり、
前記折り曲げ予定部を折り曲げることにより、前記光起電力フレームを形成することを特徴とする請求項14に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項17】
前記光起電力フレームは前記炭素鋼板材を押し出すことで展延成形されることを特徴とする請求項14に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項18】
前記光起電力フレームは前記炭素鋼板材に対して冷間曲げを行うことで成形されることを特徴とする請求項17に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項19】
前記炭素鋼板材は複数の折り曲げ予定部を含み、前記光起電力フレームは前記炭素鋼板材の前記折り曲げ予定部を折り曲げることで成形され、
前記炭素鋼板材は対向するように設置された天面及び底面を含み、前記折り曲げ予定部は前記天面から前記底面に向かって凹んだ少なくとも1つの溝を含み、各前記折り曲げ予定部の延在方向は第1方向であり、前記溝の天部開口の延在方向は前記第1方向と同じであることを特徴とする請求項14に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項20】
前記折り曲げ予定部は1つの前記溝を含み、前記溝は前記第1方向に沿って前記炭素鋼板材の一端から他端まで延在していることを特徴とする請求項19に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項21】
前記折り曲げ予定部は複数の前記溝を含み、複数の前記溝は前記第1方向に沿って間隔をあけて設置されていることを特徴とする請求項19に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項22】
前記炭素鋼板材は、前記天面と前記底面を接続する第1側面と第2側面を含み、前記第1側面は前記第2側面と対向しており、前記溝は少なくとも、前記第1側面を貫通する第1溝と、前記第2側面を貫通する第2溝とを含むことを特徴とする請求項21に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項23】
前記溝の底部が折り曲げ予定部内に位置し、前記溝の深さと隣接する前記折り曲げ予定部の間の前記炭素鋼板材の厚さの比は0.5~1であることを特徴とする請求項22に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項24】
前記光起電力フレームは、複数の折り曲げ部をさらに備え、各前記折り曲げ部は隣接する2つの接続部を接続し、複数の前記接続部は、順次に接続されており、前記上支持部、前記下支持部、前記第1側辺部、前記第2側辺部、前記横辺部の複数の接続部、隣接する2つの接続部を接続して複数の前記接続部を順次に接続させる折り曲げ部をそれぞれに構成することに用いられ、各前記折り曲げ部は、折り曲げた後の当接する2つの側面を含み、前記折り曲げ部と複数の前記接続部は一体に成形されることを特徴とする請求項21に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項25】
前記折り曲げ部を折り曲げた後、2つの側面を当接して互いに貼り合わせており、又は、前記折り曲げ部を折り曲げた後の当接する2つの側面は、折り曲げた後の互いに貼り合わせた2つの接触面と、前記接触面毎に接続される接続面とを含み、折り曲げた後の2つの対向する前記接続面の間に隙間を有し、各側面は一つの接触面と一つの接続面を有することを特徴とする請求項24に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項26】
各前記接続部はいずれも単層の炭素鋼板材から構成され、又は、少なくとも2つの隣接する前記接続部は重なり部を有し、前記重なり部は少なくとも2層の炭素鋼板材から構成されることを特徴とする請求項24に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項27】
前記折り曲げ部の当接する2つの側面は予め定めた方法で補強され、前記予め定めた方法は溶接固定、かしめ固定又はほぞ穴とほぞ固定のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項24に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項28】
前記炭素鋼板材の厚さは0.2mm~2mmの範囲内にあることを特徴とする請求項14に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項29】
前記上支持部の厚さ、前記下支持部の厚さ、前記第1側辺部の厚さ、前記第2側辺部の厚さ及び前記横辺部の厚さのいずれか1つはフレームの厚さであり、前記フレームの厚さと前記炭素鋼板材の厚さの比は1~4の範囲内にあることを特徴とする請求項28に記載の光起電力フレームの製造方法。
【請求項30】
前記上支持部、前記下支持部、前記第1側辺部、前記第2側辺部及び前記横辺部のうち、任意の隣接する両者の間の夾角は20~160度の範囲内にあることを特徴とする請求項14に記載の光起電力フレームの製造方法。