IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富佳生技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特開2022-58157核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス
<>
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図1
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図2
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図3
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図4
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図5
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図6
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図7
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図8
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図9
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図10
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図11
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図12
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図13
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図14
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図15
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図16
  • 特開-核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058157
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイス
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20220404BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20220404BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20220404BHJP
【FI】
C12M1/00 A
C12M1/34 Z
C12Q1/686 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105493
(22)【出願日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】63/085,368
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】520480382
【氏名又は名称】富佳生技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 志南
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA08
4B029BB20
4B029CC01
4B029FA12
4B029FA15
4B029GA08
4B029GB06
4B029GB10
4B063QA01
4B063QA18
4B063QA19
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR06
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR56
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS34
4B063QS36
4B063QS39
4B063QX01
4B063QX02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】全体構造が簡単であり、検出操作が簡便であり、作業プロセスに対し専門的な要求が低く、検出効率が高く、検出コストが極めて低減されている核酸検出デバイスを提供する。
【解決手段】筐体11、検出キット装着領域12、加熱領域13、サンプル充填領域14、画像採取装置を備え、前記検出キット装着領域は、前記筐体に設けられ、検出キットを装着し、前記加熱領域は、前記筐体に設けられ、検知液を収容するとともに前記検知液を加熱し、前記サンプル充填領域は、前記筐体に設けられ、前記検出キット装着領域に位置し、前記検出キット装着領域と連通し、前記検出キット装着領域にある前記検出キットに前記検知液を入れ、前記画像採取装置は、前記検出キット装着領域における前記サンプル充填領域から離れた一側に設けられ、前記検出キット装着領域内の前記検出キットの画像を採取することを特徴とする核酸検出ホスト10。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体、検出キット装着領域、加熱領域、サンプル充填領域、画像採取装置を備え、
前記検出キット装着領域は、前記筐体に設けられ、検出キットを装着し、
前記加熱領域は、前記筐体に設けられ、検知液を収容するとともに前記検知液を加熱し、
前記サンプル充填領域は、前記筐体に設けられ、前記検出キット装着領域に位置し、前記検出キット装着領域と連通し、前記検出キット装着領域にある前記検出キットに前記検知液を入れ、
前記画像採取装置は、前記検出キット装着領域における前記サンプル充填領域から離れた一側に設けられ、前記検出キット装着領域内の前記検出キットの画像を採取することを特徴とする核酸検出ホスト。
【請求項2】
前記検出キット装着領域は、装着槽と、前記装着槽における前記サンプル充填領域から近い一側壁に設けられた通孔と、前記装着槽における前記サンプル充填領域から遠い側に設けられた像取り口と、前記像取り口における前記サンプル充填領域から遠い側に設けられた固定ボックスと、前記装着槽における前記サンプル充填領域から遠い側に設けられた検出キット係合口と、および前記検出キット係合口における前記サンプル充填領域から遠い側に設けられた固定機構と、を備え、
前記固定機構は、前記検出キット係合口を通して前記検出キットと固定するためのものであり、
前記サンプル充填領域は、前記通孔を介して装着槽に連通し、前記画像採取装置は、前記固定ボックスに設けられ、前記像取り口を介して前記画像を採取することを特徴とする請求項1に記載の核酸検出ホスト。
【請求項3】
前記装着槽における前記サンプル充填領域に近い方の一端は、前記装着槽における前記サンプル充填領域に遠い方の一端よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の核酸検出ホスト。
【請求項4】
前記固定機構は、電磁弁および前記電磁弁における前記装着槽から近い側に設けられたトップブロックを備え、
前記トップブロックは、前記検出キット係合口に位置して、
前記電磁弁は、前記検出キットを固定又は開放するように、前記検出キット係合口を介して前記トップブロックを前記装着槽の内部に進入させることを駆動することを特徴とする請求項2に記載の核酸検出ホスト。
【請求項5】
前記加熱領域は、加熱槽と、前記加熱槽の底部に設けられた加熱装置とを含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸検出ホスト。
【請求項6】
前記検出キット装着領域に設けられ、前記検出カセットを感応する第1センサと、前記加熱領域に設けられ、前記検知液を感応する第2センサと、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の核酸検出ホスト。
【請求項7】
前記画像を表示するディスプレイと、前記検知液に対応する識別情報を採取するカメラと、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の核酸検出ホスト。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の核酸検出ホストであるホストと、
前記加熱領域に着脱可能に設けられ、前記検知液を収集して加熱する取集カップと、
前記取集カップまたは前記サンプル充填領域に着脱可能に設けられ、前記取集カップ内から前記検知液を定量で吸引し、前記サンプル充填領域を介して前記検出キットに前記検知液を入れるサンプル充填装置と、
前記サンプル充填領域に着脱可能に設けられ、前記検知液についてPCR増幅反応及び電気泳動検出を行うための検出キット装着領域に着脱可能に設けられる検出キットと、を備えることを特徴とする核酸検出デバイス。
【請求項9】
前記検出キットは、
箱体と、
前記箱体における前記サンプル充填領域に近い側に設けられたサンプル充填口と、
前記箱体内に設けられ、前記サンプル充填口を介して前記サンプル充填領域と連通する検出チップと、
前記箱体内に設けられ、前記検出チップと連通する電気泳動カセットと、
前記箱体における前記画像採取装置に近い側に設けられ、前記電気泳動カセットに対応する検出窓と、および
前記箱体内に設けられ、前記検出チップおよび前記電気泳動カセットにそれぞれ電気的に接続されたコネクタと、を備えることを特徴とする請求項8に記載の核酸検出デバイス。
【請求項10】
検出薬剤を収容する薬剤バッグをさらに備え、
前記検出薬剤と核酸サンプルは、前記検知液を形成することを特徴とする請求項8に記載の核酸検出デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、核酸検出ホスト、及び核酸検出デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の分子診断、形態学、免疫学的などに対する検出は、固定的な実験室で行われることが多く、検出に時間がかかり、検出効率が低く、柔軟性に劣り、いつでもどこでも検出することができないという問題があり、特に強感染性ウイルスを携帯している患者は、固定検出点に向かう途中で他人に感染しやすく、安全に懸念される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これを鑑みて、上記欠陥の少なくとも1つを克服するために、核酸検出ホストを提供することが必要となる。
また、本発明は、核酸検出デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、筐体、該筐体に設けられた検出キット装着領域と、加熱領域と、サンプル充填領域と画像採取装置と、を備える核酸検出ホストを提供する。該検出キット装着領域は検出キットを装着するためのものである。該加熱領域は該検知液を収容するとともに該検知液を加熱するためのものである。該サンプル充填領域は、該検出キット装着領域に設けられ、該検出キット装着領域と連通し、該サンプル充填は、該検出キット装着領域内にある該検出キットに該検知液を入れる。画像採取装置は、該検出キット装着領域から遠い側に設けられ、該検出キット装着領域内の該検出キットの画像を採取するためのものである。
【0005】
本願の実施形態において、該検出キット装着領域は、装着槽と、該装着槽における該サンプル充填領域から近い側の壁に設けられた通孔と、該装着槽におけるサンプル充填領域から遠い側に設けられた像取り口と、該像取り口における該サンプル充填領域から遠い側に設けられた固定ボックスと、該装着槽における該サンプル充填領域から遠い側に設けられた検出キット係合口と、および該検出キット係合口における該サンプル充填領域から遠い側に設けられた固定機構と、を備え、該固定機構は、該検出キット係合口を通して該検出キットと係合するためのものであり、該サンプル充填領域は、該通孔を介して装着槽に連通し、該画像採取装置は、該固定ボックスに設けられ、該像取り口を介して該画像を採取する。
【0006】
本願の実施形態において、該装着槽の該サンプル充填領域に近い方の端は、遠い方の端よりも高い。
【0007】
本願の実施形態において、該固定機構は、電磁弁および該電磁弁における該装着槽から近い側に設けられたトップブロックを備え、該トップブロックは該検出キット係合口に位置して、該電磁弁は、該検出キットを固定又は開放するように、検出キット係合口を介して該トップブロックを該装着槽の内部に進入させる。
【0008】
本願の実施形態において、該加熱領域は、加熱槽と、該加熱槽の底部に設けられた加熱装置とを含む。
【0009】
本願の実施形態において、該検出キット装着領域に設けられ、該検出カセットを感応する第1センサと、該加熱領域に設けられ、該検知液を感応する第2センサと、をさらに備える。
【0010】
本願の実施形態において、該核酸検出ホストは、該画像を表示するディスプレイと、該検知液に対応する識別情報を採取するカメラと、をさらに備える。
【0011】
本発明はまた、ホスト、取集カップ、サンプル充填装置、および検出キットを備える核酸検出デバイスを提供する。該ホストは、上記のような核酸検出ホストである。該取集カップは、該加熱領域に着脱可能に設けられ、該検知液を収集して加熱するためのものである。該サンプル充填装置は、該取集カップまたは該サンプル充填領域に着脱可能に設けられ、該取集カップ内から該検知液を定量で吸引し、該サンプル充填領域を介して該検出キットに該検知液を入れる。該検出キットは、該サンプル充填領域に着脱可能に設けられ、該検知液についてPCR増幅反応、及び電気泳動検出を行うためのものである。
【0012】
本願の実施形態において、該検出キットは、箱体、サンプル充填口、検出チップ、電気泳動カセット、検出窓およびコネクタを備える。該サンプル充填口は、該箱体における該サンプル充填領域に近い側に設けられる。該検出チップは、該箱体内に設けられ、該サンプル充填口を介して該サンプル充填領域と連通する。該電気泳動カセットは、該箱体内に設けられ、該検出チップと連通する。該検出窓は、該箱体における該画像採取装置に近い側に設けられ、該電気泳動カセットに対応する。該コネクタは、該箱体内に設けられ、該検出チップおよび該電気泳動カセットにそれぞれ電気的に接続される。
【発明の効果】
【0013】
従来よりも、本発明が提供する核酸検出デバイスは、ホストと検出キットの協働により、核酸のPCRを増幅と電気泳動検出を1つのデバイスに集積して行うことができ、全体構造が簡単であり、検出操作が簡便であり、作業プロセスが専門的な要求が低く、検出効率が高く、検出コストが極めて低減されている。また、検出プロセスは柔軟性が高く、固定の実験室で行なうことなく、検知設備はポータブルなため、コミュニティ検知やホーム検知を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る核酸検出ホストの構造模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る核酸検出ホストの内部構造模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係る核酸検出ホストの断面構造模式図である。
図4】本発明の一実施形態に係る固定機構の構造模式図である。
図5】本発明の一実施形態に係る検出キットと画像採取装置の構造模式図である。
図6】本発明の一実施形態に係る核酸検出デバイスの構造模式図である。
図7】本発明の一実施形態に係る検出キットの構造模式図である。
図8】本発明の一実施形態に係る検出キットの分解図である。
図9】本発明の一実施形態に係るサンプル充填装置の構成を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係るコレクトカップの構造模式図である。
図11】本発明の一実施形態に係る薬剤バッグの構造模式図である。
図12】本発明の一実施形態に係る核酸検出デバイスの検出プロセスを示す模式図である。
図13】本発明の一実施形態に係る核酸検出デバイスの検出プロセスを示す模式図である。
図14】本発明の一実施形態に係る核酸検出デバイスの検出プロセスを示す模式図である。
図15】本発明の一実施形態に係る核酸検出デバイスの検出プロセスを示す模式図である。
図16】本発明の一実施形態に係る核酸検出デバイスの検出プロセスを示す模式図である。
図17】本発明の一実施形態に係る核酸検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例中の図面を参照しながら、本発明の実施例中の技術案について明確かつ十全に記述するが、当然ながら、記述される実施例は本発明の一部の実施例であるにすぎず、すべての実施例ではない。
【0016】
説明を要するのは、アセンブリが他のアセンブリ「に固定される」と言われる場合、他のアセンブリ上に直接あってよく、あるいは、その中に存在するアセンブリであってもよい、という点である。1つのアセンブリが他のアセンブリに「接続される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接連結されてもよく、あるいは、その中に同時に存在するアセンブリでもあり得る。1つのアセンブリがもう1つのアセンブリ「に設けられる」とみなされる場合、もう1つのアセンブリ上に直接設けられてもよく、あるいは、その中に同時に存在するアセンブリでもあり得る。本文書で使用される「垂直な」、「水平な」、「左」、「右」という用語および類似した記述は、説明する目的のためのものにすぎない。
【0017】
以下に述べるシステムにおける実施の形態は模式的なものであり、上記モジュールや回路の区分は、単に論理的な機能区分であり、実際の実現において他の区分であり得る。さらに、単語の「含む」は他のユニット又はステップを除外せずに、単数形は複数形を除外しないことが分かる。システムの特許請求項に記載される複数のユニット又は装置はまた、ソフトウェア又はハードウェアを通じて1つのユニット又は装置によって実施されることもある。第1、第2などの単語は、名称を表すのに用いられ、特定の順序を表すものではない。
【0018】
別段の定めがない限り、本明細書で用いる全ての用語は、本発明の技術分野に属する技術者によって理解される通常の意味と同じ意味を有する。本明細書で用いる用語は、特定の実施形態を説明するだけの目的であり、本発明を限定することは意図しない。本明細書で用いられる場合、用語「及び/又は」は、1又は2以上の関連する列挙された要素のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0019】
なお、図1図2を参照して、本発明の実施例は、核酸検出ホスト10を提供し、核酸検出ホスト10は、筐体11と、筐体11に設けられた検出キット装着領域12と、加熱領域13と、サンプル充填領域14と、画像採取装置15と、コントローラ16と、を有し、コントローラ16は、加熱領域13と画像採取装置15とに電気的に接続される。
【0020】
当該加熱領域13は、被験者の核酸サンプルを収集し、核酸サンプルと検出薬剤(例えば、緩衝(buffer)液)を混合して検知液を形成する。この加熱領域13は、コントローラ16の制御下で、検知液の加熱も行う。このサンプル充填領域14は、当該検出キット装着領域12よりも上方に位置し、検出キット装着領域12と連通する。この検出キット装着領域12は、検出キット20を装着するためのものであり、この検出キット20と当該コントローラ16とが電気的に接続される。このサンプル充填領域14は、当該検出キット装着領域12内の検出キットに該検知液を注入し、検出キット20に検知液についてPCR増幅反応、及び電気泳動検出を行うためのものである。この画像採取装置15は、この検出キット装着領域12におけるサンプル充填領域14から遠い側に設けられ、コントローラ16の制御下で、この検出キット装着領域12内の検出キット20の画像を採取するためのものである。該画像は、電気泳動検出の蛍光写真であり、この蛍光写真から検出結果を得ることができる。
【0021】
図1を参照して、筐体11は、第1面111と、第1面111に対向して設けられた第2面112と、第1面111と第2面112とを接続する第1側壁113と、第1側壁113に対向して設けられた第2側壁114と、を備える。この検出キット装着領域12の開口は、第1側壁113に位置しており、検出キット20は、当該第1側壁113の開口を介して当該検出キット装着領域12内に放置される。このサンプル充填領域14及び加熱領域13の開口は、いずれも第1面111に位置している。
【0022】
図3を参照し、図1図2を組み合わせて参照して、この検出キット装着領域12は、装着槽121と、装着槽121におけるサンプル充填領域14から遠い側に設けられた像取り口122と、像取り口122における第2面112に近接する一側に設けられた固定ボックス123と、装着槽121におけるサンプル充填領域14から遠い側の面に設けられた検出キット係合口124と、検出キット係合口124における第2面112に近接する一側に設けられた固定機構125と、筐体11上に設けられ且つコントローラ16に電気的に接続された第1インダクタ126と、を含む。この検出キット20は、装着槽121内に挿入されており、固定機構125は、検出キット係合口124を通して検出キット20の底部に係合することで、検出キット20を装着槽121内に着脱可能に固定する。サンプル充填領域14は、通孔(図示せず)を介して装着槽121と連通し、さらに検出キット20にサンプルを追加する。画像採取装置15は、固定ボックス123内に設けられており、像取り口122を通して検出キット20の蛍光写真を採取することができる。第1インダクタ126は、検出キット20が装着槽121に挿入されたか否かを感知して信号をコントローラ16に伝えるためのものであり、そのコントローラ16は検出キット20を制御して核酸検出を行う。
【0023】
図3を参照し、図2を組み合わせて参照して、装着槽121は、傾斜設計された溝であり、具体的には、サンプル充填領域14に近い端が遠い端よりも高い。PCR反応過程に多くの気泡が発生し、発生した気泡が検出流路内に滞留すると、検出流路内の液玉の動作経路が気泡によって阻害され、液玉が移動不能になり、検出が失敗する。従って、装着槽121を傾斜して設計することにより、検出キット20を斜めに置かれることができ、PCR増幅反応が生じる端よりも検出キット20のサンプル充填端が高く、検出キット20内のPCR反応が生じる気泡が自然に上位へ移動することができ、検出キット20のサンプル充填端から自然に排出され、液玉の動作経路を阻害することがない。
【0024】
本実施形態では、装着槽121の形状は、検出キット20の形状に応じて設計され、具体的には、装着槽121は、略矩形溝である。
【0025】
図4を参照し、図2図7とを組み合わせて参照して、固定機構125は、1つの電磁弁1251、および電磁弁1251に設けられたトップブロック1252を備え、検出キット20の底面にトップブロック1252と係合する係合溝25が設けられ、トップブロック1252が検出キット係合口124に位置して、電磁弁1251がコントローラ16に電気的に接続される。検出キット20が装着槽121内に挿入されると、第1インダクタ126は、検出キット20に感応し、検出信号をコントローラ16に伝達し、コントローラ16は、電磁弁1251を制御して通電させ、さらに係合溝25内にトップブロック1252を押し上げて挿入し、検出キット20を固定する。テストが終了すると、コントローラ16は、電磁弁1251を制御して通電させ、さらにトップブロック1252を跳ね上げ、検出キット20を装着槽121からポップアップする。電磁弁1251と第1インダクタ126を設けることにより、検出キット20の自動ロックと自動ポップアップが可能となる。検出キット20の自動係合とポップアップは、他の係合によって実現されてもよいことが理解できる。
【0026】
図3を参照して、第1インダクタ126は、検出キット20が装着槽121に挿入またはポップアップしたか否かを検知するためのものであり、一方、第1インダクタ126の感応によりコントローラ16の自動起動プログラムが実現されてもよい。すなわち、検出キット20が装着槽121に挿入されたことが検出されると、検出を開始するプログラムが起動される。検出キット20のポップアップが検出されると、検出を終了するプログラムを起動させる。
【0027】
図3を参照して、像取り口122は、略矩形構造であり、サイズ設置においては、画像採取装置15が像取り口122から検出キット20の電気泳動検出により得られる完全な蛍光写真を採集できるような条件を満たす。
【0028】
図3図5を参照して、図1を組み合わせて参照して、固定ボックス123の横断面幅は、第1面111に近い端から遠い端まで次第に広くなる、すなわち、固定ボックス123は、略逆円錐状の漏斗構造になっている。固定ボックス123における第1面111に近い端は、像取り口122を介して装着槽121に連通しており、この固定ボックス123における第1面111から離れた一端には画像採取装置15が設けられ、この像取り口122の直下に画像採取装置15が位置している。
【0029】
図1図3とを参照して、本実施形態では、装着槽121の開口は、第1側壁113に位置し、該当開口を閉じる又は開けるために前バッフル115が設けられている。前バッフル115は、装着槽121の開口にスライド可能に設けられ、具体的には、前バッフル115は、第1側壁113に沿って第2面112に向かって移動してこの開口を開けるとともに、第1側壁113に沿って第1面111に向かって移動して開口を閉じてもよい。
【0030】
図2および図3を参照して、加熱領域13は、加熱槽131と、加熱槽131の底部に設けられた加熱装置132と、を備え、加熱装置132は、コントローラ16と電気的に接続されており、コントローラ16は、加熱装置132を制御して昇温を実現しながら、温度インダクタ(図示せず)と時間リレー(図示せず)により、加熱槽131の加熱温度と時間を検出することができる。本実施形態では、加熱装置132の加熱温度は95℃程度であり、加熱時間は、5分程度であり、加熱が完了してから冷却し、室温あるいはある具体的な温度(例えば40℃以下)まで冷却する。
【0031】
本実施形態において、加熱装置132は、アルミニウムブロック、銅ブロック又はその他の熱伝導材料で構成される。加熱槽131は、他の加熱装置(例えば、加熱糸、加熱コーティング、又は加熱シート等)によって加熱されてもよい。同時に、加熱領域13には、第2インダクタ(図示せず)が設けられており、第2インダクタは、コントローラ16に電気的に接続され、加熱槽131内に検知液を収容する容器が入れられているかどうかを感知し、感応信号をコントローラ16に伝達することで、コントローラ16が加熱を起動するために使用される。
【0032】
本実施形態において、加熱槽131の開口は、第1面111に位置しており、第1面111と平行な方向に沿った横断面が略楕円構造になっている。加熱槽131の形状は、実際に加熱する要求による容器の形状に応じて具体的に設計することができる。
【0033】
図3を参照すると、サンプル充填領域14は、サンプル充填槽141及びサンプル充填通路142とを含み、サンプル充填槽141の開口は、第1面111に位置し、前記サンプル充填通路142は、サンプル充填領域14を貫通して装着槽121に入り込み、且つ、サンプル充填通路142におけるサンプル充填槽141から離れた一端が装着槽121の検出キット20の表面に当接し、検知液は、サンプル充填槽141からサンプル充填通路142を介して装着槽121の検出キット20内に入る。
本実施形態では、このサンプル充填槽141は、具体的には漏斗状である。
【0034】
図5を参照し、図2を組み合わせて参照して、画像採取装置15は、コントローラ16と電気的に接続された光源(図示せず)及び画像採取器151を含む。この光源は、コントローラ16の制御により像取り口122に向けて光を出射するためのものであり、画像採取のために光源を提供する。この画像採取器151は、コントローラ16の制御下で、検出キット20の電気泳動検出により得られた蛍光写真を収集する。
【0035】
本実施形態では、画像採取装置15は、固定ボックス123内に収容され、当該固定ボックス123の側壁は、集光の目的を達成可能に傾斜して設けられ、光源から出射された光を像取り口122に集光させて、検出キット20の画像の収集を容易にする。なお、この固定ボックス123の内側壁には反射コート層が設けられており、光線を反射して、光線を像取り口122に反射して進入させることができる。
【0036】
図2図3及び図5を参照して、コントローラ16は、マスタ板161、給電板162、検出キット制御板163、及び画像採取制御板164を含む。そこで、当該給電板162は、マスタ板161、検出キット制御板163、及び画像採取制御板164に電気的に接続されて、機器全体へ給電する。検出キット制御板163は、検出キット20に電気的に接続されており、検出キット20の核酸検出過程を制御する。画像採取制御板164は、光源と画像採取器151とに電気的に接続され、光源の発光源を制御するとともに、画像採取器151による検出キット20の検出画像の採取を制御する。加熱装置132、第1インダクタ126および第2インダクタは、いずれもマスタ板161に電気的に接続される。
【0037】
本実施形態では、この画像採取制御板164は、画像処理器(図示せず)を含む。画像採取器151が採取した画像は、画像処理器に転送して処理され、処理後の画像がさらに出力される。
【0038】
本実施形態では、コントローラ16は、検出結果および検出プロセス情報等を格納するためのメモリ(図示せず)をさらに含む。
【0039】
図1図2を参照して、核酸検出ホスト10は、いずれもコントローラ16のマスタ板161と電気的に接続するディスプレイ17とカメラ18をさらに含む。このディスプレイ17は、操作インタフェースの表示、運転パラメータの設定および該画像の表示等のためのものである。このカメラ18は、ユーザ操作の流れを撮像するとともに、上記検知液に対応する関連情報(例えば、核酸サンプルの由来の情報)を採取することもできる。
【0040】
図2を参照して、この核酸検出ホスト10は、さらに、コントローラ16のマスタ板161に電気的に接続され且つホスト全体に放熱するための放熱装置19を含む。
【0041】
本実施形態において、放熱装置19は、放熱ファンである。この放熱装置19は、第2側壁114に設けられている。同時に、筐体11には、放熱通風口が複数箇所設けられて、ホスト内部の熱の排出が図られる。
【0042】
本発明は、核酸検出ホスト10が検出キット20と協働して、核酸のPCR増幅と電気泳動検出を実現し、ディスプレイ17に表示された結果が最終的な電気泳動検出結果とすることを表示する核酸検出ホスト10を提供する。この核酸検出ホスト10は、検知液の加熱、サンプル充填、検知、及び結果の出力を1つの機器内に集積し、全体構造が簡単で、ポータブルかつ検出柔軟性が高く、検知操作が便利で、かつ操作プロセスが簡単で専門的な要求が低く、ホーム検知を可能とする。
【0043】
図6を参照して、本発明は、上記のような核酸検出ホスト10と、検出キット20と、取集カップ30と、サンプル充填装置40とを含む核酸検出デバイス100をさらに提供する。検出キット20は、着脱可能に検出キット装着領域12に設けられ、加熱領域13には、取集カップ30が着脱可能に設けられ、サンプル充填領域14には、サンプル充填装置40が着脱可能に設けられ、取集カップ30には、サンプル充填装置40が着脱可能に固定されている。この取集カップ30は、検知液を載置するためのものであり、この加熱領域13内にも入れられ、加熱領域13内の加熱装置132に検知液を加熱させる。サンプル充填装置40は、取集カップ30内から検知液を定量的に吸い取り、検出キット20内にサンプル充填領域14から検知液を入れるものである。この検出キット20は、検知液に対してPCR増幅反応、及び電気泳動検出を行うためのものである。
【0044】
図7図8を参照し、図2図5を組み合わせて参照して、本願における検出キット20は、PCR増幅過程と電気泳動検出を集積して、検知液はPCR増幅終了後に直接電気泳動槽に入って電気泳動検出を行う。具体的には、この検出キット20は、箱体21と、サンプル充填口22と、検出チップ23と、電気泳動カセット24と、検出窓26と、コネクタ27とを含む。このサンプル充填口22は、箱体21におけるサンプル充填領域14に近い側に設けられており、サンプル充填通路142におけるサンプル充填槽141から離れた一端が当該サンプル充填口22に当接し、該サンプル充填口22は、該検出チップ23内に検知液を入れるためのものである。この検出チップ23と電気泳動カセットは、箱体21内部に設けられ、検出チップ23と電気泳動カセット24と連通し、検出チップ23は検知液をPCR増幅反応させるためのであり、電気泳動カセット24は増幅終了後の検知液を電気泳動検出するためのものである。この検出窓26が、箱体21における像取り口122から近い側に設けられ、電気泳動カセット24に対応し、画像採取装置15が、像取り口122と検出窓26とを介して、電気泳動カセット24の蛍光写真を採取する。検出キット装着領域12の固定機構125に係合する係合溝25は、その箱体21よりも画像採取装置15側に設けられている。このコネクタ27は、箱体21における検出キット制御板163に近い側に設けられ、検出キット制御板163に電気的に接続され、検出チップ23および電気泳動カセット24に電気的に接続される。電気泳動カセット24は検出チップ23と共に同一の箱体21内に設置され、核酸増幅反応が完了した後、自動的に電気泳動検出が可能となり、プロセスがスムーズになり、デバイスの交換が不要となり、サンプル充填制御が正確になる。検出キット20は、検出チップ23と電気泳動カセット24とを一つのカセットに集積し、サイズが小さいため、上述した携帯型の核酸検出デバイス100に適用される。
【0045】
本実施形態では、この検出キット20は使い捨て用品であり、検出サンプル毎に1つの検出キット20が使用されているため、検出キット20は洗浄フローが必要ない。
【0046】
本実施形態において、この検出キット20は、略立方体構造になっている。
【0047】
図10を参照し、図6を組み合わせて参照して、取集カップ30とサンプル充填装置40とが協働して使用され、両者が係合することにより連結され、取集カップ30は核酸サンプル(例えば、よだれ、またはその他の液体サンプル)を収集し、検出試薬と混合して検知液とし、加熱領域13を加熱するために使用される。サンプル充填装置40は、取集カップ30から検知液を定量的に吸引し、検出キット20内にサンプル充填領域14を介して入れるものである。
【0048】
本実施形態では、取集カップ30内部にテーパ溝が設けられており、取集カップ30内によだれが吐き込まれた後、テーパ溝の下方に集めて、少量の核酸試料の採取が容易となる。
【0049】
図9を参照して、サンプル充填装置40は、下ケース41、上ケース42、採液アセンブリ43及び押しボタン44を含む。そこで、上ケース42は、下ケース41に係合により移動可能に連結され、採液アセンブリ43は、下ケース41と上ケース42を貫通して設けられ、押しボタン44は、上ケース42の頂部に設けられている。採液アセンブリ43は、弾性バッグ構造を含む。採液が必要になると、押しボタン44を押すことで上ケース42が下ケース41に沿って下向きに移動し、上ケース42が採液アセンブリ43に圧力を加えて採液アセンブリ43を変形させて弾性カプセル内部の空気を排出し、さらに検知液を吸引し、採液が終了した後、採液アセンブリ43が上ケース42を押して自動的に元の位置に戻ることができる。液体を排出する必要があるとき、再び押しボタン44を押圧して上ケース42を下ケース41に対して下方に移動させ、さらに採液アセンブリ43を押圧して、弾性バッグ内の検知液を排出させる。弾性バッグの変形量を制御することで採液量を制御し、定量的な採液の目的を達成することができる。サンプル充填装置40は、全体構造が簡単で、コストが低く、操作が容易であり、定量採液の目的を達成することができる。別途定量採液を実現できるサンプル充填装置により液体の転移も可能であることも理解できる。
【0050】
図11を参照して、核酸検出デバイス100は、検出薬剤(例えば緩衝液)が貯留された薬剤バッグ50をさらに含み、検出薬剤は、薬剤バッグ50に定量的に入れられる。この薬剤バッグ50は、取集カップ30内に入れて、核酸サンプルと混合されて該検知液を形成することができる。
【0051】
本実施形態では、この薬剤バッグ50は、核酸検出に必要な薬剤を収容して取っ手を有する槽型構造であり、開口部を封止膜で封止する。使用時には、封止膜を引き裂き、取っ手を掴み、核酸サンプルを入れた取集カップ30内に薬剤を倒し込み、振とうしてから、取集カップ30を加熱槽131に入れて加熱する。
【0052】
検出前は、検出キット20、サンプル充填装置40、取集カップ30、及び薬剤バッグ50は、いずれも専用のパッケージに収納されており、検出キット20、サンプル充填装置40、取集カップ30、及び薬剤バッグ50ごとに1対1に対応する識別コード(例えば、QRコード)が設けられ、混同が回避される。同一ウイルスに対する検出は、使用される検出キット20及び薬剤バッグ50も同じであるため、取集カップ30のみに識別コード(例えば、QRコード)を設けて、採取される検出対象液の混同を回避することもできる。
【0053】
具体的には、カメラ18は、取集カップ30上のQRコードを採取し、QRコードの情報は、核酸試料の由来、または被験者の情報を含んでもよい。
【0054】
図17を参照して、本発明は、上記核酸検出デバイス100を用いて核酸検出を行う方法、具体的には、以下のステップを含む。
【0055】
ステップS11では、図12を参照して、パラメータが設定される。
【0056】
核酸検出ホスト10をオンにして、対応する検出パラメータを設定することもでき、具体的には、加熱領域13の加熱温度、加熱時間、検出キット20内のPCR増幅過程の各パラメータ、電気泳動検出の各パラメータなどを含むことができる。
【0057】
ステップS12において、図12を参照して、検出サンプル情報を入力し、録画を開始する。
【0058】
具体的には、カメラ18を開いて取集カップ30上のQRコードを収集し、検出過程を録画し、検出キット20、取集カップ30、及び薬剤バッグ50が収納されたパッケージを開き、取集カップ30上のQRコードをスキャンする。収集した情報および録画資料は、クライアントにアップロードして関係者に確認してもらう。
【0059】
ステップS13において、図13を参照して、検出キット20を検出キット装着領域12に挿入する。
【0060】
検出キット装着領域12の装着槽121に検出キット20を挿入し、検出キット20の挿入を検知すると、検出キット20を自動的にロックするとともに、検知フロー中の予熱過程を自動的に起動する。
【0061】
ステップS14において、図14を参照して、核酸サンプルを採取して検知液を形成し、この検知液を加熱する。
【0062】
本実施形態では、取集カップ30でよだれを集め、さらに薬剤バッグ50内の薬剤を取集カップ30内に倒し込み、薬剤バッグ50は取集カップ30の開口に逆に掛けられ、取集カップ30をカバーして3~5回上下に揺動させ、一般的には5回揺動すればよく、均一な検知液を得る。次に、検知液を載った取集カップ30を加熱領域13内に入れ、加熱領域13での第2インダクタが取集カップ30の投入を検知すると、次のステップを起動し、加熱を行う。一般的なプログラムで設定される加熱温度は90~100℃程度、3~8min程度加熱され、加熱後は室温あるいはある一定温度以下(例えば40℃以下)に冷却される。具体的には、温度インダクタとタイムリレーを用いて加熱温度および加熱時間を感知する。
【0063】
別の実施形態では、取集カップ30でよだれが集められた後、加熱領域13内に先に入れて加熱され、一般的なプログラムで設定される加熱温度は90~100℃程度、3~8min程度加熱され、加熱後は室温または一定温度以下(例えば40℃以下)に冷却され、冷却後、薬剤バッグ50内の薬剤が取集カップ30のよだれに入れて均一に検知液が混合される。
【0064】
ステップS15において、図15図16を参考して、検出キット20へ検知液を移送してPCR増幅反応と電気泳動検出を行う。
【0065】
取集カップ30内の検知液10~30μL(好ましくは20μL)は、サンプル充填装置40によって定量的に吸引され、検知液は、サンプル充填領域14を介して検出キット20の検出チップ23内に加えられる。具体的には、核酸サンプルを含む検知液は、検出チップ23内でPCR増幅反応を行い、増幅終了後に検出チップ23内の蛍光試薬と結合して蛍光基を持った生成物を形成し、生成物は検出チップ23から電気泳動カセット24に入り、電気泳動カセット24内で電気泳動検出を行う。
【0066】
ステップS16は、電気泳動検出の画像(蛍光写真)を採取して出力する。
【0067】
電気泳動検出完了後、画像採取装置15は、電気泳動カセット24の検出窓26を介して電気泳動の画像を採取し、画像を画像プロセッサで処理し、処理後の画像をディスプレイ17に表示してもよいし、検出結果をクライアントにアップロードし、関係者に閲覧させてもよい。
【0068】
ステップS17において、検出を終了する。
【0069】
取集カップ30、サンプル充填装置40、及び検出キット20は、核酸検出ホスト10から取り外され、パッケージ内に入れて回収される。
【0070】
従来よりも、本発明が提供する核酸検出デバイスは、ホストと検出キットの協働により、核酸のPCRを増幅と電気泳動検出を1つのデバイスに集積して行うことができ、全体構造が簡単であり、検出操作が簡便であり、作業プロセスが専門的な要求が低く、検出効率が高く、検出コストが極めて低減されている。また、検出プロセスは柔軟性が高く、固定の実験室で行なうことなく、検知設備はポータブルなため、コミュニティ検知やホーム検知を実現することができる。
【符号の説明】
【0071】
100 核酸検出ディスプレイ
10 核酸検出ホスト
11 筐体
111 第1面
112 第2面
113 第1側壁
114 第2側壁
115 前バッフル
12 検出キット装着領域
121 装着槽
122 像取り口
123 固定ボックス
124 検出キット係合口
125 固定機構
1251 電磁弁
1252 トップブロック
126 第1インダクタ
13 加熱領域
131 加熱槽
132 加熱装置
14 加熱領域
141 加熱槽
142 加熱装置
15 画像採取装置
151 画像採取器
16 コントローラ
161 マスタ板
162 給電板
163 検出キット制御板
164 画像採取制御板
17 ディスプレイ
18 カメラ
19 放熱装置
20 検出キット
21 箱体
22 サンプル充填口
23 検出チップ
24 電気泳動カセット
25 係合溝
26 検出窓
27 コネクタ
30 取集カップ
40 サンプル充填装置
41 下ケース
42 上ケース
43 採液アセンブリ
44 押しボタン
50 薬剤パック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17