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特開2022-58205導通検査用治具とプリント配線板の検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058205
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】導通検査用治具とプリント配線板の検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
G01R1/073 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021149279
(22)【出願日】2021-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2020165099
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(72)【発明者】
【氏名】森 隆之
(72)【発明者】
【氏名】武田 大志
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA03
2G011AA15
2G011AB01
2G011AB07
2G011AC21
2G011AE01
2G011AF07
(57)【要約】
【課題】 導通検査用治具の小型化
【解決手段】 実施形態の導通検査用治具110は、複数の第1開口12を有する第1部材10と、複数の第2開口22を有し、第1部材10上に位置する第2部材20と、第1部材10と第2部材20間に空間SPを形成するために第1部材10と第2部材20間に配置されている第3部材30と、第1開口12の一つと空間SPと第2開口22の一つを通るプローブ38、とを有する。そして、第3部材30は空間SPをほぼ囲んでいる
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1開口を有する第1部材と、
複数の第2開口を有し、前記第1部材上に位置する第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材間に空間を形成するために前記第1部材と前記第2部材間に配置されている第3部材と、
前記第1開口の一つと前記空間と前記第2開口の一つを通るプローブ、とからなる導通検査用治具であって、
前記第3部材は前記空間をほぼ囲んでいる。
【請求項2】
請求項1の導通検査用治具であって、前記第3部材で囲まれている前記空間は前記第3部材で完全に囲まれている。
【請求項3】
請求項1の導通検査用治具であって、前記第3部材の平面形状は略枠状である。
【請求項4】
請求項1の導通検査用治具であって、前記第3部材は複数の部材で形成される。
【請求項5】
請求項4の導通検査用治具であって、前記第3部材は第4部材と第5部材を含む。
【請求項6】
請求項5の導通検査用治具であって、前記第5部材は前記第4部材上に積層されていて、前記第4部材と前記第5部材の内、前記第4部材は前記第1部材に近い。
【請求項7】
請求項5の導通検査用治具であって、前記第4部材と前記第5部材との間に前記空間と外部を繋ぐ隙間が形成されるように、前記第3部材は前記第4部材と前記第5部材で形成されている。
【請求項8】
請求項5の導通検査用治具であって、前記第4部材と前記第5部材で前記空間と外部を繋ぐ開口が形成されるように、前記第3部材は前記第4部材と前記第5部材で形成されている。
【請求項9】
請求項1の導通検査用治具であって、前記第3部材は前記空間と外部を繋ぐ開口を有する。
【請求項10】
請求項1の導通検査用治具であって、前記第1部材は前記第2部材側に第1凹部を有し、前記第1凹部は前記空間の一部を形成する。
【請求項11】
請求項10の導通検査用治具であって、前記第1凹部は前記第1部材を部分的に除去することで形成される。
【請求項12】
請求項10の導通検査用治具であって、前記第1部材は枠と前記複数の第1開口を有するシートを積層することで形成される。
【請求項13】
請求項10の導通検査用治具であって、前記第2部材は前記第1部材側に第2凹部を有し、前記第2凹部は前記空間の一部を形成する。
【請求項14】
請求項13の導通検査用治具であって、前記第2凹部は前記第2部材を部分的に除去することで形成される。
【請求項15】
請求項13の導通検査用治具であって、前記第2部材は枠と前記複数の第2開口を有するシートを積層することで形成される。
【請求項16】
請求項1の導通検査用治具を用いてプリント配線板を検査すること、を含むプリント配線板の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導通検査用治具とプリント配線板の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板検査用治具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-309648号公報
【発明の概要】
【0004】
[特許文献1の課題]
特許文献1の図2に示されるように、特許文献1の基板検査用治具は、接触子と第一保持部と第二保持部と支柱を有している。そして、第1保持部と第2保持部間に支柱が配置されている。従って、第1保持部と支柱間の接触面積は小さいと考えられる。第2保持部と支柱間の接触面積は小さいと考えられる。そして、第1保持部と支柱をネジで固定することが考えられる。同様に、第2保持部と支柱をネジで固定することが考えられる。その場合、支柱の長さが短いと、第1保持部と支柱を固定するネジ(第1保持部用ネジ)と第2保持部と支柱を固定するネジ(第2保持部用ネジ)が干渉すると考えられる。例えば、第1保持部用ネジと第2保持部用ネジが衝突すると予想される。特許文献1の技術を用いて、支柱の長さを短くすることは困難であると考えられる。例えば、特許文献1の技術を用いて、基板検査用治具の小型化は難しいと推察される。支柱により第一保持部と第二保持部の間に空間が形成されている。そのため、特許文献1の技術を用いて、空間の距離を自由に決めることは難しいと考えられる。また、空間内に外部より異物が侵入すると推測される。異物は検査の精度を低くすると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る導通検査用治具は、複数の第1開口を有する第1部材と、複数の第2開口を有し、前記第1部材上に位置する第2部材と、前記第1部材と前記第2部材間に空間を形成するために前記第1部材と前記第2部材間に配置されている第3部材と、前記第1開口の一つと前記空間と前記第2開口の一つを通るプローブ、とを有する。そして、前記第3部材は前記空間をほぼ囲んでいる。
【0006】
[実施形態の効果]
本発明の実施形態の導通検査用治具は、第1部材と第2部材間に配置されている第3部材で、空間を形成する。そして、第3部材は空間をほぼ囲んでいる。そのため、第3部材の厚みを薄くすることができる。導通検査用治具を小型化することができる。空間内の清浄度を高くすることができる。高い精度で導通検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1(A)は電極の平面図であり、図1(B)はプリント配線板の断面図であり、図1(C)は参考例の導通検査用治具の断面図である。
図2図2は検査装置とプリント配線板を示す。
図3図3(A)は参考例の導通検査用治具を示し、図3(B)は第3部材の第1例の斜視図であり、図3(C)は第3部材の第2例の外壁を示し、図3(D)は第3部材の第3例の外壁を示す。
図4図4(A)は第3部材の第4例の上面を示し、図4(B)は第3部材の第5例の外壁を示し、図4(C)は第3部材の第6例の上面を示す。
図5】実施形態の改変例に係る導通検査用治具の断面図
図6図6(A)と図6(B)は隙間の例を示し、図6(C)は部材の組み合わせ方の例を示す。
図7図7(A)は第3部材の第7例の斜視図であり、図7(B)は第3部材の第7例の上面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
図2は、実施形態の検査装置100と検査対象のプリント配線板120を示す。検査装置100は、配線を有するプリント配線板120の電気的検査を行う。検査装置100は、導通検査用治具110を有する。導通検査用治具110は、第1部材10と第1部材10上に位置する第2部材20と第1部材10と第2部材20間に配置されている第3部材30と第2部材20と第3部材30と第1部材10を貫通するプローブ38で形成されている。プローブ38の数は複数である。検査装置100は、さらに、第1部材10下に端子62を有する基板60と端子62から延びているリード線44を有する。リード線44は図示されていないテスターに電気的に繋がっている。
【0009】
検査対象のプリント配線板120の例が図1(B)に示される。図1(B)は、プリント配線板120の断面を示す。プリント配線板120は複数の樹脂絶縁層1と複数の導体層2を含む。樹脂絶縁層1と導体層2は交互に積層されている。隣接する導体層2はビア導体3で接続される。プリント配線板120は表面Fと表面Fと反対側の裏面Sを有する。表面Fに複数の電極77を有する。図1(A)は電極77の平面図である。図1(A)には、隣接している2つの電極77が描かれている。図1(A)と図1(B)に隣接する電極77間のピッチPが示されている。ピッチPは隣接する電極77の中心間の距離である。
【0010】
図2に示されるように、プローブ38は一端38Tと一端38Tと反対側の他端38Eを有する。一端38Tは第2部材20から突出している。他端38Eは第1部材10から突出している。そして、図2に示されるように、検査時、プローブ38の一端38Tがプリント配線板120の電極77と電気的に繋がる。図1(B)に示されるように、プリント配線板120が電極77上にバンプ76を有すると、一端38Tはバンプ76と接触する。検査時、プローブ38の他端38Eが端子62に繋がる。
【0011】
プローブ38は、導電性ワイヤーとワイヤーの側面を被覆する絶縁膜で形成されている。プローブ38は可撓性を有する。
【0012】
図2に示されるように、第1部材10は複数の第1開口12を有する。第2部材20は複数の第2開口22を有する。第1部材10と第2部材20間に空間SPが形成されるように、第1部材10と第2部材20間に第3部材30が配置されている。空間SPの数は一つである。第3部材30は、空間SPの距離D1を制御する。第3部材30の厚み3Hにより、距離D1がほぼ制御される。第3部材30の厚み3Hは、1.5mm以上、10mm以下である。厚み3Hは、1.5mm以上、2.5mm以下であることが好ましい。小さな導体検査用治具110を提供することができる。プローブ38は、一つの第1開口12と空間SPと一つの第2開口22を通る。全てのプローブ38が空間SP内に収容されている。
【0013】
実施形態では、第1部材10と第2部材20間に空間SPをほぼ囲んでいる第3部材30が配置されている。第1部材10と第3部材30間の接触面積は第1面積である。第2部材20と第3部材30間の接触面積は第2面積である。
参考例の導通検査用治具が図1(C)に示される。参考例では、第1部材10と第2部材20間に支柱Pが配置されている。第1部材10と支柱P間の接触面積は第3面積である。第2部材20と支柱P間の接触面積は第4面積である。
第3部材30は空間SPをほぼ囲んでいる。そのため、第1面積と第3面積が比較されると、第1面積は第3面積より大きい。第2面積と第4面積が比較されると、第2面積は第4面積より大きい。第3部材30を用いることで、第1部材10と第3部材30間の接触面積を大きくすることができる。第2部材20と第3部材30間の接触面積を大きくすることができる。第3部材30を用いることで、空間SPの距離D1を高い精度で制御することができる。例えば、第1部材10と第2部材20の変形を抑制することができる。第1部材10と第2部材20の厚みを薄くすることができる。第1部材10の厚みを薄くすることで、第1部材10に形成する第1開口12の径を小さくすることが出来る。第2部材20の厚みを薄くすることで、第2部材20に形成する第2開口22の径を小さくすることが出来る。導通検査用治具110は、より多くのプローブ38を有することができる。隣接する第1開口12間の距離を小さくすることができる。隣接する第2開口22間の距離を小さくすることができる。実施形態の導通検査用治具110を用いることで、高密度なプリント配線板120を検査することができる。例えば、隣接する電極77間のピッチPが55μm以下であっても、実施形態の導通検査用治具110を用いることで、高い精度で導通検査が可能である。隣接する電極77間のピッチPが25μm以上であれば、実施形態の導通検査用治具110を用いて導通検査が可能である。
【0014】
図3(A)に示されるように、実施形態は、ネジSCにより、第1部材10と第3部材30を固定することができる。第2部材20と第3部材30をネジSCで固定することができる。図1(C)に示されるように、参考例は、ネジSCにより、第1部材10と支柱Pを固定することができる。第2部材20と支柱PをネジSCで固定することができる。図3(A)と図1(C)の例に用いられているネジSCは同じである。図1(C)では、第1部材10と支柱Pを固定するネジSCと第2部材20と支柱Pを固定するネジSCが衝突している。そのため、固定するには、支柱Pの長さを長くすることが必要である。それに対し、図3(A)では、第1部材10と第3部材30を固定するネジSCの位置と第2部材20と第3部材30を固定するネジSCの位置をずらすことができる。そのため、第3部材30が薄くても、第1部材10と第3部材30を固定することができる。第2部材20と第3部材30を固定することができる。実施形態によれば、第3部材30の厚みを薄くすることができる。そのため、導通検査用治具110の小型化が可能である。
【0015】
第3部材30は空間SPをほぼ囲んでいる。そのため、外部から空間SP内に異物が侵入しない。あるいは、外部から空間SP内に侵入する異物の数を少なくすることができる。そのため、プローブ38が密に配置されても、検査中、空間SP内でプローブ38が整列することができる。高密度なプリント配線板120を検査することができる。隣接する電極77間のピッチPが25μm以上、45μm以下であっても、態の導通検査用治具110を用いることで、高い精度で導通検査が可能である。
【0016】
続いて、第3部材30の例が示される。図3(B)は第1例であり、図3(C)は第2例であり、図3(D)は第3例であり、図4(A)は第4例であり、図4(B)は第5例であり、図4(C)は第6例である。
第3部材30は空間SPと面する内壁30Aと内壁30Aと反対側の外壁30Bを有する。外壁30Bは外部と面する。内壁30Aと外壁30B間に形成されている部材は側壁30Wである。第3部材30は上面Uと上面Uと反対側の下面Lを有する。上面Uは第2部材20に近い。下面Lは第1部材10に近い。上面Uと下面Lは、例えば、図3(B)と図3(C)に示されている。
【0017】
第3部材30の第1例と第2例は一つの部材で形成されている。第1例と第2例の上面Uは連続している。第1例と第2例の下面Lは連続している。
第3部材30の第3例と第4例、第5例、第6例は複数の部材40、50で形成されている。
【0018】
第3例では、複数の部材40、50を積層することで、第3部材30が形成される。各部材40、50の形は枠状である。
第4例と第5例、第6例では、複数の部材40、50を組み合わせることで、第3部材30が形成される。各部材40、50の形は枠状でない。
第3例では、各部材40、50が縦に置かれる。第4例と第5例、第6例では、各部材40、50が横に置かれる。
【0019】
第1例と第2例、第3例、第4例、第5例、第6例の第3部材30の平面形状は略枠状である。平面形状は上面Uの形状で代表される。あるいは、平面形状は下面Lの形状で代表される。
第1例と第2例、第3例、第4例、第5例の上面Uと下面Lは繋がっている。これらの例では、上面Uの形は完全な枠状である。下面Lの形は完全な枠状である。
第6例の上面Uは繋がっていない。第6例の下面Lは繋がっていない。第6例では、1つの部材40とその部材40の横に配置される部材50間に隙間32が形成されている。
【0020】
第3部材30の第1例の斜視図が図3(B)に示される。第3部材30の第1例は内壁30Aから外壁30Bまで延びている開口や隙間を有していない。第1例では、第3部材30で囲まれている空間SPは第3部材30で完全に囲まれている。第3部材30は、第3部材30内の空間SPを完全に囲んでいる。
【0021】
第3部材30の第2例の一つの外壁30Bが図3(C)に示される。図3(C)に示されるように、第3部材30の第2例は開口32fを有する。開口32fは内壁30Aから外壁30Bまで延びている。開口32fは空間SPと外部を繋いでいる。開口32fは上面Uに繋がっていない。さらに、開口32fは下面Lに繋がっていない。開口32fの数は複数である。開口32fは第3部材30の各側面30Sに一つ形成されている。側面30Sは外壁30Bを形成する。第2例では、第3部材30で囲まれている空間SPは第3部材30で、ほぼ、囲まれている。第3部材30は、第3部材30内の空間SPをほぼ囲んでいる。
【0022】
第3部材30の第3例の一つの外壁30Bが図3(D)に示される。第3部材30の第3例は第4部材40と第5部材50で形成されている。第4部材40上に第5部材50が積層されている。第4部材40と第5部材50の内、第4部材40は第1部材10に近い。第4部材40の形状と第5部材50の形状は同じである。第3例の空間SPの囲み方と第1例の空間SPの囲み方は同じである。
【0023】
第3部材30の第4例の上面Uが図4(A)に示される。第4例では、複数の部材40、50を組み合わせることで、第3部材30が形成される。第3部材30で囲まれている空間SPは第3部材30で完全に囲まれている。図4(A)では、第4部材40の横に第5部材50が配置されている。第4部材40と第5部材50が接している。
【0024】
第3部材30の第5例の一つの外壁30Bが図4(B)に示される。第5例では、複数の部材40、50を組み合わせることで、開口32fを有する第3部材30が形成される。例えば、開口32fは2つの部材40、50を繋げることで形成される。2つの部材40、50の境界上に開口32fは形成される。図4(B)では、開口32fが形成されるように、第3部材30は、第4部材40と第5部材50で形成されている。第4部材40と第5部材50の境界上に開口32fは形成される。第4部材40と第5部材50は凹部40dc、50dcを有する。第4部材40の凹部40dcと第5部材50の凹部50dcを繋げることで開口32fは形成される。第5例の開口32fと第2例の開口32fは同様である。第5例の空間SPの囲み方と第2例の空間SPの囲み方は同じである。
【0025】
第3部材30の第6例の上面Uが図4(C)に示される。第3部材30の第6例は空間SPと外部を繋ぐ隙間32を有する。図4(C)の例では、第4部材40と第5部材50との間に空間SPと外部を繋ぐ隙間32が形成されるように、第3部材30が第4部材40と第5部材50で形成されている。図4(C)では、隙間32は、内壁30Aから外壁30Bまで延びている。隙間32は、側壁30Wを貫通している。さらに、隙間32は、上面Uから下面Lまで延びている。隙間32の別例が図6(A)に示される。図6(A)の例では、隙間32は、上面Uから下面Lまで延びていない。隙間32は内壁30Aから外壁30Bまで延びている。隙間32は上面Uから上面Uと下面Lとの間の所定位置まで延びている。または、図6(B)に示されているように、隙間32は下面Lから上面Uと下面Lとの間の所定位置まで延びている。第6例では、第3部材30で囲まれている空間SPは第3部材30で、ほぼ、囲まれる。第3部材30は、第3部材30内の空間SPをほぼ囲んでいる。
【0026】
第3部材30の第7例の斜視図が図7(A)に示される。第3部材30の第7例の上面Uが図7(B)に示される。第7例では、複数の部材40、50を組み合わせることで、第3部材30が形成される。第3部材30で囲まれている空間SPは第3部材30で完全に囲まれている。第7例では、第4部材40の横に第5部材50が配置されている。第4部材40と第5部材50が接している。図7(A)と図7(B)に示されるように、第4部材40の大きさと第5部材50の大きさが異なる。第4部材40は第5部材50より大きい。図7(A)に示されるように、第7例の第3部材30は長い側壁30WLと短い側壁30WSを有する。第4部材40を形成する短い側壁30WSの大きさと第5部材50を形成する短い側壁30WSの大きさは同じである。第3部材30を形成する長い側壁30WLは第4部材40の側壁30Wと第5部材50の側壁30Wで形成されている。そして、第4部材40の側壁30Wの大きさと第5部材50の側壁30Wの大きさが異なる。第3部材を形成する長い側壁30WLは、異なる大きさの側壁30Wで形成されている。長い側壁30WLを形成する第4部材40の側壁30Wは長い側壁30WLを形成する第5部材50の側壁30Wより大きい。
【0027】
第3部材30は第1部材10と第2部材20を支えている。第3部材30が空間SPを完全に囲んでいると、第1部材10を支える部分を多くすることができる。第2部材20を支える部分を多くすることができる。第1部材10の変形量を小さくすることができる。第2部材20の変形量を小さくすることができる。空間SPの距離D1を制御することができる。
【0028】
第3部材30が開口32fや隙間32を有すると、空間SP内を観察することができる。開口32fや隙間32を介して、プローブ38が適切な第1開口12を通過しているかどうかを確認することができる。同様に、プローブ38が適切な第2開口22を通過しているかどうかを確認することができる。空間SP内でプローブ38が適切に配列しているかどうかを確認することができる。
【0029】
第4例と第5例、第6例、第7例では、各部材40が横に配置される。そのため、第3部材30を形成する各部材40、50のサイズは第3部材30のサイズより小さい。各部材40、50が加工されるとき、ひずみが小さい。小さなひずみを有する部材40、50を組み合わせることで、第3部材30が製造される。従って、第4例と第5例、第6例、第7例の第3部材30は、使用時、変形し難い。
【0030】
図6(C)に示されるように、第3部材30が複数の部材40、50で形成されるとき、第5部材50を第4部材40に嵌め込むことで第3部材30を形成することができる。
【0031】
第3部材30を樹脂製の材料で形成することが好ましい。第3部材30が複数の部材40、50で形成されるとき、各部材40、50は樹脂製の材料で形成される。第4部材40と第5部材50は樹脂製の材料で形成される。
【0032】
図2に示されるように、第1部材10は、第1凹部10Bと、第1凹部10Bを囲む枠10aと、第1凹部10Bと枠10aを覆うシート10bで形成されている。第1部材10が第1凹部10Bを有することで、第1凹部10B上のシート10bの厚みを薄くすることができる。第1開口12は第1凹部10B上のシート10bに形成される。第1開口12は第1凹部10B上のシート10bを貫通する。第1開口12の径を小さくすることができる。第1開口12を高密度に配置することができる。
枠10aとシート10bは一体的に形成されている。あるいは、枠10aとシート10bは別々に形成されている。前者は第1部材10の第1例であり、後者は第1部材10の第2例である。第1例では、1つのシート10bの中心部分を除去することで、第1凹部10Bを有する第1部材10が形成される。従って、シート10bと枠10aは連続している。枠10aはシート10bから延びている。第2例では、1つのシート10bと1つの枠10aが準備される。1つのシート10b上に1つの枠10aが積層される。第1例は強度の点で優れる。第2例は第1開口12の加工の点で優れる。
第1凹部10Bは第3部材30で囲まれている空間SPに繋がっている。第1凹部10Bは空間SPの一部を形成する。そのため、第3部材30の厚みが薄くても空間SPの距離D1を確保することできる。
第1部材10を形成する枠10aの平面形状と第3部材30の平面形状は同じである。シート10bは剛性を有する。
【0033】
第2部材20は、第2凹部20Bと、第2凹部20Bを囲む枠20aと、第2凹部20Bと枠20aを覆うシート20bで形成されている。第2部材20が第2凹部20Bを有することで、第2凹部20B上のシート20bの厚みを薄くすることができる。第2開口22は第2凹部20B上のシート20bに形成される。第2開口22は第2凹部20B上のシート20bを貫通する。第2開口22の径を小さくすることができる。第2開口22を高密度に配置することができる。
枠20aとシート20bは一体的に形成されている。あるいは、枠20aとシート20bは別々に形成されている。前者は第2部材20の第1例であり、後者は第2部材20の第2例である。第1例では、1つのシート20bの中心部分を除去することで、第2凹部20Bを有する第2部材20が形成される。従って、シート20bと枠20aは連続している。枠20aはシート20bから延びている。第2例では、1つのシート20bと1つの枠20aが準備される。1つのシート20b上に1つの枠20aが積層される。第1例は強度の点で優れる。第2例は第2開口22の加工の点で優れる。
第2凹部20Bは第3部材30で囲まれている空間SPに繋がっている。第2凹部20Bは空間SPの一部を形成する。そのため、第3部材30の厚みが薄くても空間SPの距離D1を確保することできる。
第2部材20を形成する枠20aの平面形状と第3部材30の平面形状は同じである。シート10bは剛性を有する。
【0034】
シート10bの厚み10Hとシート20bの厚み20Hは、0.15mm以上、0.35mm以下である。ピッチPが55μm以下であっても、シート10bに第1開口12を形成することができる。シート20bに第2開口22を形成することができる。
シート10bの厚み10Hとシート20bの厚み20Hは、0.15mm以上、0.25mm以下である。ピッチPが45μm以下であっても、シート10bに第1開口12を形成することができる。シート20bに第2開口22を形成することができる。
【0035】
図2に示されるように、一つのプローブは、一つの第1開口12と一つの第2開口22を通過する。第1開口12の直上に第2開口22は位置しない。プローブ38が斜めに配列されるように、第1開口12と第2開口22は配置されている。各プローブ38は同様に傾いている。検査の間、一端38Tがプリント配線板120の電極77、あるいは、バンプ76に当たり、他端38Eが端子62に当たる。その時、各プローブ38が同様に傾いているので、各プローブ38が同方向に撓む。全プローブ38は空間SP内で同方向に曲がる。
【0036】
空間SPの距離D1は3.5mm以上、12mm以下である。プローブ38が適切な第1開口12と適切な第2開口22を通る。ピッチPが小さくなると、プローブ38を細くする必要がある。プローブ38が細くなると、プローブ38の強度が小さくなる。プローブ38の強度が小さく、プローブ38の長さが長いと、空間SP内でプローブSP同士がからまる。しかしながら、ピッチPが25μm以上、45μmであっても、距離D1が6mm以上、10mm以下であると、適切な強度と適切な長さを有するプローブ38を使用することができる。ピッチPが25μm以上、45μm以下であっても、距離D1が6mm以上、10mm以下であれば、高い精度でプリント配線板120を検査することができる。
【0037】
[実施形態の改変例]
図5は実施形態の改変例に係る導通検査用治具110の断面図である。
改変例の導通検査用治具110は、複数の第1部材10A1、10A2、10A3、10A4、10A5と複数の第2部材20A1、20A2を有する。
第1部材10と第2部材20は第1面Xと第1面Xと反対側の第2面Yを有する。第1面Xはプリント配線板120に近く、第2面Yは端子62を有する基板60に近い。第1部材10と第2部材20は第1面Xから凹んでいる凹部と第2面Yから凹んでいる凹部を有することができる。両側に凹部を有することで、空間SPの距離D1を精度よく調整するこができる。例えば、距離D1は数十μm単位から数百μm単位で制御される。両側に凹部を有することで、シート10b、20bの厚みを薄くすることができる。プローブ38はシート10b、20bを通過する。
【符号の説明】
【0038】
10 :第1部材
10B :第1凹部
10a、20a :枠
10b、20b :シート
12 :第1開口
20 :第2部材
20B :第2凹部
22 :第2開口
30 :第3部材
38 :プローブ
40 :第4部材
50 :第5部材
100 :検査装置
110 :導通検査用治具
SP :空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7