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特開2022-58218乗用車における占有を検出するための無線センサアレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058218
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】乗用車における占有を検出するための無線センサアレイ
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/48 20060101AFI20220404BHJP
   H04B 1/59 20060101ALI20220404BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220404BHJP
   B60R 16/023 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
B60R22/48 105
H04B1/59
G06K7/10 264
B60R16/023 Z
B60R22/48 106
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021153423
(22)【出願日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】17/038,802
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519226506
【氏名又は名称】リテルフューズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジェィ クルーガー
(72)【発明者】
【氏名】セザール マルティネズ
(72)【発明者】
【氏名】シュドン ファン
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018QA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】座席の搭乗者が安全であることを、車両が動き出す前に運転者が認識し得るように監視/制御する。
【解決手段】占有検出システム100は、リーダモジュール106とトランスポンダモジュール104とマスタコントローラ116で構成される。リーダモジュール106は、トランスポンダモジュール104に電力を無線120で送信することと、信号をトランスポンダモジュール104から受信することとの両方が可能で、トランスポンダモジュール104は、バックルセンサ108、占有センサ112、又はその両方から受信する情報に基づいて信号を送信する。車両の各座席122にセットされるトランスポンダモジュール104は、ラッチされる/アンラッチされる信号を、バックルから取得し、この情報をリーダモジュール106を潜り抜け、メインコントローラ116に送信する。メインコントローラ116は、ユーザインタフェース通知を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内で使用するための占有検出システムであって、
マイクロコントローラを有するメインコントローラと、
バックルセンサワイヤによって、バックルセンサに連結されるトランスポンダモジュールと、
メインコントローラワイヤによって、前記メインコントローラに連結されるリーダモジュールであって、前記トランスポンダモジュールは、前記リーダモジュールと無線で通信する、リーダモジュールと
を備える占有検出システム。
【請求項2】
前記マイクロコントローラは、近距離無線通信(NFC)マイクロコントローラである、請求項1に記載の占有検出システム。
【請求項3】
前記トランスポンダモジュールは、近距離無線通信を用いて、前記リーダモジュールと無線で通信する、請求項2に記載の占有検出システム。
【請求項4】
前記メインコントローラは、マルチプレクサ及びリーダチップを更に有し、前記リーダモジュールは、前記リーダチップによって制御される、請求項1から3のいずれか一項に記載の占有検出システム。
【請求項5】
前記車両の座席上に配置される座席タグであって、前記座席タグは、マイクロチップを有し、前記トランスポンダモジュールは、前記マイクロチップによって制御される、座席タグを更に備える請求項4に記載の占有検出システム。
【請求項6】
前記トランスポンダモジュールに連結される第1のアンテナと、
前記リーダモジュールに連結される第2のアンテナであって、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、無線で通信する、第2のアンテナと
を更に備える請求項5に記載の占有検出システム。
【請求項7】
前記トランスポンダモジュールは、前記車両の前記座席内に配置され、前記トランスポンダモジュールは、前記座席タグの近くに位置付けられる、請求項5又は6に記載の占有検出システム。
【請求項8】
前記リーダモジュールは、前記車両の座席フレーム内に配置される、請求項7に記載の占有検出システム。
【請求項9】
ひとたび前記座席が前記座席フレーム内に配置されると、前記リーダモジュールと前記トランスポンダモジュールとは、互いに極めて近くにあり、前記極めて近くにあることは、近距離無線通信を可能にする、請求項8に記載の占有検出システム。
【請求項10】
車両内の占有を検出する方法であって、
リーダチップによって、読み取り要求コマンドをリーダモジュールに送信する段階であって、前記リーダモジュールは、前記車両の座席フレーム内に配置され、前記読み取り要求コマンドは、前記座席フレーム内に位置する座席の占有を検出する要求に応じる、段階と、
前記リーダモジュールによって、読み取り要求をトランスポンダモジュールに無線で供給する段階であって、前記読み取り要求は、前記読み取り要求コマンドに基づく、段階と
前記トランスポンダモジュールから、前記座席に係るセンサ情報を無線で受信する段階であって、前記車両のコントローラエリアネットワーク(CAN)システムは、前記センサ情報を受信する、段階と
を備える方法。
【請求項11】
前記リーダモジュールによって、前記センサ情報を前記リーダチップに送信する段階であって、前記リーダチップは、ワイヤによって、前記リーダモジュールに接続される、段階を更に備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記リーダチップによって、ローカル相互接続ネットワーク(LIN)トランシーバを用いて、前記センサ情報を、前記車両の前記CANシステムに送信する段階を更に備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リーダモジュールによって、前記読み取り要求を前記トランスポンダモジュールに無線で供給する段階は、前記リーダモジュールと前記トランスポンダモジュールとの間の近距離無線通信(NFC)を利用する段階を更に有する、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記リーダモジュールによって、前記読み取り要求を前記トランスポンダモジュールに無線で供給する段階は、
前記読み取り要求を伝送するために、前記リーダモジュールに連結される第1のアンテナを用いる段階と、
前記読み取り要求を受信するために、前記トランスポンダモジュールに連結される第2のアンテナを用いる段階と
を更に有する、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記リーダモジュールによって、前記トランスポンダモジュールに電力を無線で供給して、前記トランスポンダモジュールが運転することを可能にする段階を更に備える請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記トランスポンダモジュールによって、前記電力の第1の部分をバックルセンサに供給する段階であって、前記バックルセンサは、第1のワイヤによって、前記トランスポンダモジュールに連結され、前記電力の前記第1の部分は前記バックルセンサが運転することを可能にする、段階を更に備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記トランスポンダモジュールによって、前記電力の第2の部分を占有センサに無線で供給する段階であって、前記占有センサは、第2のワイヤによって、前記トランスポンダモジュールに連結され、前記電力の前記第2の部分は、前記占有センサが運転することを可能にする、段階を更に備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
電力を車両内のコンポーネントに供給する方法であって、
リーダチップによって、前記車両内のトランスポンダモジュールが再充電される必要があることのインジケーションを受信する段階と、
マルチプレクサを用いて、前記リーダチップによって、前記トランスポンダモジュールと関連付けられるリーダモジュールを選択する段階と、
前記リーダチップによって、電力供給コマンドを前記リーダモジュールに送信する段階であって、前記リーダモジュールは、前記車両の座席フレーム内に配置される、段階と、
前記リーダモジュールによって、電力を前記トランスポンダモジュールに無線で供給する段階と
を備える方法。
【請求項19】
前記トランスポンダモジュールによって、前記電力の第1の部分をバックルセンサに供給する段階であって、前記バックルセンサは、第1のワイヤによって、前記トランスポンダモジュールに接続される、段階を更に備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記トランスポンダモジュールによって、前記電力の第2の部分を占有センサに供給する段階であって、前記占有センサは、第2のワイヤによって前記トランスポンダモジュールに接続される、段階を更に備える請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、車両のセンシング技術、特に、乗用車内での無線占有センシングのための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車製造業者は、快適さ及びエンターテイメントのために、車両に対して多くの機能を追加する。故に、機能をサポートするためのインタフェースの数は増大する。シートベルトは、数十年間、車両内の標準機能となっている。
【0003】
乗用車には、座席が座席フレームから取り外されることを可能にするものがある。コントローラエリアネットワーク(CAN)として知られる車両バス規格は、車両内のデバイス同士の通信に用いられる。シートベルトの機能を、CANインタフェースと共に取り外され得る座席に組み込むことは、挑戦的なことであり得る。
【0004】
本改善が有用であり得るのは、これら及び他の考慮事項に対してである。
【発明の概要】
【0005】
この概要は、詳細な説明において以下で更に説明する概念の選択を簡略化された形態で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定するように意図されるわけでも、特許請求される主題の範囲の決定を助けるものとして意図されるわけでもない。
【0006】
車両内で用いるための占有検出システムの例示的な実施形態は開示される。占有検出システムは、マイクロコントローラを有するメインコントローラ、バックルセンサワイヤによってバックルセンサに接続されるトランスポンダモジュール、及びメインコントローラワイヤによってメインコントローラに接続されるリーダモジュールを含む。トランスポンダは、リーダモジュールと無線で通信する。
【0007】
車両内の占有を検出する方法の例示的な実施形態もまた、開示される。方法は、リーダチップによって、読み取り要求コマンドを、リーダモジュールに送信することで構成される。リーダモジュールは、車両の座席フレーム内に配置され、読み取り要求コマンドは、座席フレーム内に位置する座席の占有を検出する要求に応じる。リーダモジュールは、リーダチップからの読み取り要求コマンドに基づき、読み取り要求をトランスポンダモジュールに無線で供給する。リーダモジュールは、トランスポンダモジュールから、座席に係るセンサ情報を無線で受信する。センサ情報は、車両のコントローラエリアネットワーク(CAN)システムによって受信する。
【0008】
電力を車両内のコンポーネントに供給する方法の例示的な実施形態もまた開示される。方法は、リーダチップによって、車両内のトランスポンダモジュールが再充電される必要があることのインジケーションを受信する段階で構成される。リーダチップは、マルチプレクサを用いて、トランスポンダモジュールと関連付けられるリーダモジュールを選択する。その後、リーダチップは、電力供給コマンドをリーダモジュールに送信する。ここで、リーダモジュールは、前記車両の座席フレーム内に位置する。その後、リーダモジュールは、トランスポンダモジュールに電力を無線で供給する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的な実施形態による、車両内での占有検出のための占有検出システムを示す図である。
【0010】
図2】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムの配線されている部分を示す図である。
【0011】
図3】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムが実装され得る車両の考え得る座席フレームを示す図である。
【0012】
図4】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムの無線構成可能アレイを示す図である。
【0013】
図5】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムを実装する車両の単一の座席とそれぞれの座席フレームとを示す図である。
【0014】
図6】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムを実装する車両の座席アセンブリを示す斜視図である。
【0015】
図7A】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムのトランスポンダモジュールを示す側面図である。
図7B】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムのトランスポンダモジュールを示す斜視図である。
【0016】
図8A】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムのリーダモジュールを示す側面図である。
図8B】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムのリーダモジュールを示す斜視図である。
【0017】
図9】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムによって実行される電力オペレーションを示すフロー図である。
【0018】
図10】例示的な実施形態による、図1の占有検出システムによって実行される通信オペレーションを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書において、車両用の無線構成可能アレイを特徴とする占有検出のための占有検出システムを開示する。占有検出システムは、車両内で、センシングシステムとインタフェースで接続するメインコントローラで構成される。センシングシステムは、一連のリーダモジュール(受信機)と、トランスポンダモジュールとで構成される。リーダモジュールは、近距離無線通信(NFC)マイクロコントローラと、ローカル相互接続ネットワーク(LIN)トランシーバと統合されたマイクロチップとインタフェースで接続して、トランスポンダモジュールに電力を供給することと、占有及びバックルラッチ検知の情報をトランスポンダモジュールから受信することとの両方を行う。リーダの位置は、車両の製造要件に従ってカスタマイズされてよい。一連のNFCトランスポンダは、車両内のバックルラッチ及び占有センサに接続される。無線構成可能アレイを用いて、センサ電力は、リーダから、センサに無線で提供される。
【0020】
図1は、例示的な実施形態による、車両内での占有検出のための占有検出システム100の代表図である。占有検出システム100は、車両の運転者が、好ましくは車両が動き始める前に、車両内のすべての乗客がシートベルト(安全ベルト又は安全ハーネスとしても知られる)着用によって適切に固定されていることを保証することを可能にするように設計される。本明細書で用いられるように、「占有検出」への言及は、存在検出(乗客が車両の座席を占有しているか)、バックルスイッチ検出(シートベルトが係合されているか解除されているか)及び張力検出(占有中にシートベルトが適切な張力にあるか)のうち1又は複数を含むことを意味する。
【0021】
占有検出システム100は、占有検出を実行するためのセンシングシステム102を含む。センシングシステム102は、トランスポンダモジュール104と、受信機としても知られるリーダモジュール106とで構成される。トランスポンダモジュール104とリーダモジュール106との間の通信は、それぞれのアンテナ126及び128を介して行われる。2つのアンテナ126及び128は、これらの間の「無線接続」120に示されるように、互いに無線で通信する。例示的な実施形態において、この無線接続120は、互換性のあるデバイス間での短距離無線通信の一形態である近距離無線通信(NFC)プロトコルを利用する。NFCは、2つの電子デバイスが4cm以下の距離(約1.5インチ)にわたって通信を行うための通信プロトコルのセットである。別の実施形態において、2つのアンテナ126及び128は、NFCの他にも、いくつか例を挙げると、NFCがサブセットである無線周波数識別(RFID)、Bluetooth(登録商標) Low Energy(Beaconsとしても知られる)、クイックレスポンス(QR)コード、WiFi、Zigbee(登録商標)、Z-Wave、Light Fidelity(LiFi)、Ultrasonic、Chirpcast等のプロトコルを用いて通信する。
【0022】
占有検出システム100は、1又は複数の座席が取り外し可能であり得る車両において用いられる。開示される実施形態における車両は、それぞれの座席フレーム124に位置付けられる1又は複数の取り外し可能な座席122で構成され、座席フレーム124は、固定されている(車両の顧客/消費者によって取り外し可能でない)。占有検出システム100によって監視される座席の数は、限定されておらず、本明細書にて開示される原理は、いかなる座席数を有する車両に対しても機能し得る。例示的な実施形態において、リーダモジュール106が、座席フレーム124に位置する一方で、センシングシステム102のトランスポンダモジュール104は、車両の座席122内に位置する。示されるように、車両内部で座席122がそのそれぞれの座席フレーム124に完全に係合している場合、センシングシステム102の2つのモジュール104及び106は、極めて近くに位置付けられる。故にこれらの間の無線通信120が可能となる。
【0023】
例示的な実施形態において、センシングシステム102のトランスポンダモジュール104は、バックルセンサ108及び/又は占有センサ112に接続される。バックルセンサ108は、所与の座席122に関するバックルスイッチ130と張力132との両方に関して、データをトランスポンダモジュール104に提供し、これに対して、占有センサ112は、座席の存在検出(占有)に関して、データをトランスポンダモジュールに提供する。張力センシング132は、バックルセンサ108の一部分として示されるが、張力センシングは、必要に応じて、占有検出システム100によってサポートされるであろう別個のセンサ(不図示)によって実行されてよい。これらのデバイスは、それぞれのバックルセンサワイヤ110と占有センサワイヤ114とによって、トランスポンダに接続される。バックルセンサ108と占有センサ112との両方は、座席122に取り付けられる。このため、座席122が車両から取り外される場合、トランスポンダ104と、バックルセンサ108と、占有センサ112とは、バックルセンサワイヤ110と占有センサワイヤ114とに加えて同様に取り外される。故に、例示的な実施形態において、バックルセンサワイヤ110と占有センサワイヤ114とは、座席122をそのそれぞれの座席フレーム124から取り外す間、またその後に座席を座席フレームへ再度取り付ける間に、ワイヤを傷つけることを回避する方法で、座席122に固定可能に連結される。
【0024】
例示的な実施形態において、センシングシステム102のリーダモジュール106は、座席フレーム124に固着され、本明細書においてはマスタコントローラ又は制御ボックスとしても知られるメインコントローラ116に接続される。リーダモジュール106は、メインコントローラワイヤ118によって、メインコントローラ116に接続される。1つの実施形態において、メインコントローラ116は、マスタ車両制御部の近くに位置する、又はその一部分であり、マスタ車両制御部は、車両のダッシュボードの中、車両のグラブコンパートメントの背後、車両のステアリングコラムの近く、又は車両の1又は複数の座席122からある程度の距離がある他のどこかの位置にあってよい。車両の座席フレーム124は移動されないので、メインコントローラワイヤ118は、ワイヤと接続されるコンポーネントとを傷つけることを回避するように、座席フレームに固定可能に取り付けられ、視界から隠されてよい。更に、メインコントローラワイヤ118は、車両のすべての座席を、メインコントローラ116に接続する数々のワイヤ(不図示)のうちの1つであってよい。
【0025】
例示的な実施形態において、座席122のバックルセンサワイヤ110と占有センサワイヤ114とは、トランスポンダモジュール104と、それぞれ、バックルセンサ108との間、占有センサ112との間のポイントツーポイント接続を確立する。同様に、座席フレーム124のメインコントローラワイヤ118は、リーダモジュール106とメインコントローラ116との間のポイントツーポイント接続を確立する。第1の実施形態において、バックルセンサワイヤ110、占有センサワイヤ114及びメインコントローラワイヤ118は、無線周波数(RF)ケーブルを利用する。第2の実施形態において、バックルセンサワイヤ110、占有センサワイヤ114及びメインコントローラワイヤ118は、2本ワイヤのハーネスを利用する。例示的な実施形態において、バックルセンサワイヤ110、占有センサワイヤ114及びメインコントローラワイヤ118は、遮蔽保護を提供するために、保護ケーブルを含む。
【0026】
図2は、例示的な実施形態による、図1の占有検出システム100の配線されている部分200の代表図である。図1で紹介されたメインコントローラ116は、座席フレームのアレイにおいて座席フレーム124と関連付けられたリーダモジュール106に接続される。本例においては、9つの座席フレーム124a~124iと、9つのそれぞれのリーダモジュール106a~106iとが存在する。本明細書において説明される原理は、いかなる座席数を有する車両に対しても適用されてよい。そのそれぞれの座席フレーム124に関連付けられる各リーダモジュール106は、メインコントローラ116のマルチプレクサ202に接続される。メインコントローラ116は、マルチプレクサ202とマイクロコントローラ206との間に接続されるリーダチップ204を更に含む。例示的な実施形態において、マイクロコントローラ206は、NFCマイクロコントローラである。
【0027】
例示的な実施形態において、リーダチップ204によって制御されるマルチプレクサ202は、何らかの動作を実行する時点で、それぞれの座席フレーム124に関連付けられるリーダモジュール106のうちの1つを選択する。この動作は、電力をデバイスに送信すること、又はデバイスからデータを読み取ることとのいずれか一方であってよい。これらの動作は、以下に、図9及び図10においてより詳細に説明される。図1は、リーダモジュール106が座席フレーム124の一部分であることを示す。座席フレーム124a~124iのアレイにおいて、各座席フレームは、その別個のリーダモジュール106a~106iを有し、すべてのリーダモジュールは、メインコントローラ116に接続するメインコントローラワイヤ118によって、接続されることになる。リーダモジュール106a~106iのアレイは、故に、以下の図4において説明する無線構成可能アレイのためのフレームワークを提供する。
【0028】
例示的な実施形態において、メインコントローラ116のリーダチップ204とマイクロコントローラ206との両方は、リーダモジュールとトランスポンダモジュール(不図示)との間で行われる、それぞれのアンテナを介した通信に関与する。リーダチップ204は、電力を、それぞれのバックルセンサ108と占有センサ112とに加えて、そのそれぞれのトランスポンダモジュール104に供給するように、各リーダモジュール106に命令する。リーダチップ204はまた、そのそれぞれのトランスポンダモジュール104からデータを読み取るように、各リーダモジュール106に命令する。マイクロコントローラ206は、(アンテナ126及び128を用いて、)リーダモジュール106とそのそれぞれのトランスポンダモジュール104との間の無線通信を可能にする。マイクロコントローラ206が、NFCマイクロコントローラである場合、無線通信にNFCプロトコルを利用する。
【0029】
例示的な実施形態において、メインコントローラ116は、ローカル相互接続ネットワーク(LIN)マスタトランシーバ208と統合される。LINネットワークは、多数の内部ノードを中央制御モジュールに接続する単一のワイヤを利用する、シングルエンドのシリアルネットワークプロトコルである。複数のLINスレーブは単一のマスタスレーブによって制御されてよい。コントローラエリアネットワーク(CAN)バスは、マイクロコントローラとデバイスとが、ホストコンピュータなしで互いのアプリケーションと通信することを可能にするように設計された車両バス規格である。CANバスのサブバスとして運転する場合、LINネットワークは、マルチポイントの、低コストの、容易に実装される通信バスを提供する。車内の多くのシステム(例えば、ステアリングホイール、コンフォート、パワートレイン、ドア、座席)は、LINを用いて通信する。このため、LINバスは、車両における制御部にデータを伝達するために確立されたチャネルである。
【0030】
図3は、例示的な実施形態による、4つの座席フレーム124j~124lを有する車両300の図である。これらの4つの座席フレーム124j~124lは、これらの座席フレームに関連付けられるそれぞれの座席の搭乗者が安全であることを、車両が動き出す前に、運転者が認識し得るように、図1の占有検出システム100によって監視/制御されてよい。占有検出システム100は、車両内の無限の数の座席と共に運転してよい。
【0031】
図4は、例示的な実施形態による、図1の占有検出システム100の無線構成可能アレイ400の代表図である。図2の例示的な座席フレームのアレイについて続けると、無線構成可能アレイ400は、アンテナ(不図示)を介して互いに無線で通信する、連結されたトランスポンダモジュール104a~iと、それぞれのリーダモジュール106a~iとで構成される。リーダモジュール106a~iは、メインコントローラワイヤ118によってメインコントローラ116に接続されるが、リーダモジュール106a~iは、それぞれのトランスポンダモジュール104a~iに無線で「接続」される。メインコントローラ116は、デバイスの制御を容易にするためにLINマスタトランシーバ208とインタフェースで接続する。LINマスタトランシーバ208は、占有検出システム100によって収集された感覚データを取得し、データをLINバスを通じて、車両内の親システムに知らせるために送信する。その後、親システムは、適切な動作を行う。
【0032】
図5は、例示的な実施形態による、単一の座席122とそれぞれの座席フレーム124とを示す代表図500である。座席122は、図1において紹介されたアンテナ126と共に、座席タグ502及びマイクロチップ504を含み、これに対して、座席フレーム124は、アンテナ128(これも図1にある)のみを有する。アンテナ126は、リーダモジュール106(不図示)のアンテナ128と無線で通信するために、トランスポンダモジュール104(不図示)によって用いられ、マイクロチップ504は、上記トランスポンダモジュールの運転を制御する。例示的な実施形態において、座席タグ502は、トランスポンダモジュール104の非常に近くに位置する。また、座席フレームは、LINトランシーバ506とインタフェースで接続する。その後、LINトランシーバは、親システムの安全システムプロトコルと通信するために、車両システムとインタフェースで接続する。しばしば、LINデバイスは、クラスタに関連付けられる。LINクラスタは、単一の物理ケーブルを通じて接続される複数のLINノードとして定義される。一例として、車両の各座席フレーム124に接続されるLINトランシーバ506は、単一のLINクラスタであってよい。各クラスタは、車両内のCANバスへのゲートウェイを含むかもしれない。このようにして、データは、効率的な方法で、必要に応じて、車両全体に転送される。
【0033】
例示的な実施形態において、座席フレーム124と関連付けられるアンテナ128は、リーダモジュール106(不図示)の非常に近くに位置する。図2は、車両のすべての座席フレーム124がリーダチップ204を共有することを示す。マルチプレクサ202の動作によって、リーダチップ204は、選択されたリーダモジュール106の動作を、一度に一つずつ制御する。故に、例示的な実施形態において、各トランスポンダ104が、別個のマイクロチップ504によって制御されている間に、単一のリーダチップ204は、車両内のすべてのリーダモジュール106を制御する。
【0034】
故に、車両の各座席122は、座席タグ502を含む。例示的な実施形態において、座席タグ502のマイクロチップ504とアンテナ126は、バッテリ駆動式である。1つの実施形態において、電力は、Qインタフェース等の無線の機構を介して、マイクロチップ504とアンテナ126とに供給される。
【0035】
図6は、例示的な実施形態による、車両の座席アセンブリの代表図600である。座席122、占有センサ112、占有センサワイヤ114、センサバックルセンサ108、バックルセンサワイヤ110、トランスポンダモジュール104、リーダモジュール106、座席フレーム(レール)124、メインコントローラワイヤ118、及びメインコントローラ116(制御ボックスとしても知られる)は、図1において最初に紹介された。また、図面600は、シートベルトバックル602と座席脚部604とを示す。例示的な実施形態において、座席122が車両から取り外される場合、座席脚部604も取り外される。言い換えると、座席脚部604は、座席122に固定可能に取り付けられており、車両の消費者/所有者によって)取り外し可能でない。これにより、トランスポンダモジュール104が、車両のそれぞれの座席122と共にとどまることを保証する。
【0036】
他方で、リーダモジュール106は、座席フレーム124の一部分であり、そのレール部分が図面600において示されている。座席122は、座席フレーム124において定位置にある場合、トランスポンダモジュール104とリーダモジュール106とは、互いに極めて近くに位置付けられ、トランスポンダモジュールはリーダモジュールの「上方」にある。この極めて近くにあることにより、NFC等のプロトコルを用いて、2つのモジュールの間の無線通信を可能にできる。
【0037】
メインコントローラ116は、図面600内で示されるが、例示的な実施形態において、このメインコントローラは、座席122と座席フレーム124とからある程度の距離があり、メインコントローラワイヤ118によってリーダモジュール106に接続される。リーダチップ204とマイクロコントローラ206(図2)が、車両内に位置する複数の座席に対するリーダモジュール106を制御するので、メインコントローラ116は、例えば、車両において中心に位置してよい。
【0038】
図7A図7Bとは、例示的な実施形態による、トランスポンダモジュール104を示す。図7Aにおいて、トランスポンダモジュール104のためのトランスポンダハウジング702は、座席脚部604(図6)の2つの部分604A及び604Bの間に接続され、この2つの部分は、本例において、互いに平行である。部分604Aは、座席脚部であり、これに対して、部分604Bは、カーペット等の床部分である。座席122が車両から取り外される場合、座席脚部604Aは、同様に取り外されるが、床部分604Bは取り外されない。これにより、トランスポンダモジュール104は、座席122と共にとどまることが保証される。なぜなら、座席脚部604Aが座席(例えば図6を参照)に固着されるからである。トランスポンダハウジング702と床部分604Bとの間には、接続/アッセンブリが存在しない。トランスポンダハウジング702は、トランスポンダハウジングを座席脚部604に固定可能に連結するための、2つの異なるタイプの接続手段704Aと704Bを含む。1つの実施形態において、トランスポンダハウジング702は、嵌め込み機構を用いて、座席脚部604に接続される。第2の実施形態において、トランスポンダハウジング702は、ねじ込み機構を用いて、座席脚部604に接続される。第3実施形態において、トランスポンダハウジング702は、接着剤を用いて、座席脚部604に接続される。代替的な実施形態において、座席122は、中にトランスポンダモジュール104を置くこと及びカプセル化ができる既成のポケットを含む。本技術分野における当業者の設計者は、トランスポンダハウジングが座席脚部に固定可能に接続され得る複数の異なる方法を認識することであろう。
【0039】
図7Bにおいて、トランスポンダハウジング702は、図7Aの見方に対して、反転した(上下逆になった)ポジションで示される。トランスポンダハウジング702は、トランスポンダモジュール104が内部に置かれる開口706を示す。トランスポンダハウジング702は、トランスポンダモジュール104が開口706内にひとたび置かれると、バックルセンサワイヤ110と、(個別に制御される場合は)張力センサワイヤと、占有センサワイヤ114とが、モジュールと接続するために通り抜けてよい1又は複数の追加の開口(不図示)を含む。図1において、張力センシング132は、バックルスイッチセンシング130と共に、バックルセンサ108の一部分として示されるが、上記張力センシングは、必要に応じて、別個のセンサによって実行されてよい。例示的な実施形態において、モジュールがひとたび定位置にあると、カバー708は、トランスポンダモジュール104を覆って置かれる。1つの実施形態において、カバー708は、開口706を封止するのに用いられる封止材料である。第2の実施形態において、カバー708は、接着剤を用いて、トランスポンダモジュール104に固着される。第3実施形態において、カバーは存在せず、代わりに、トランスポンダモジュール104は、モジュールをトランスポンダハウジング702内の定位置に維持するために、接着剤によって覆われる、又は熱可塑性シェルに周囲が囲まれる。例示的な実施形態において、開口706は、およそトランスポンダモジュール104にカバー708を加えた大きさになるように形成され、これにより、ひとたび開口内部に入ると、モジュールとカバーとの滑り嵌めを確保する。
【0040】
図8A図8Bとは、例示的な実施形態による、リーダモジュール106を示す。図8Aにおいて、リーダモジュール106が、対応するトランスポンダモジュール104(図6)に沿って存在するように、リーダモジュール106のためのリーダハウジング802は、座席フレームレール124の内部に接続される。座席フレームレール124は、車両から取り外されないので、リーダハウジング802は、同様にそのままとどまり、これにより、リーダモジュール106が座席フレーム124と共にとどまることを確保する。リーダハウジング802は、リーダハウジングを座席フレームレール124に固定可能に連結するための2つの異なるタイプの接続手段804Aと804Bを含む。1つの実施形態において、リーダハウジング802は、嵌め込み機構を用いて、座席フレームレール124に接続される。第2の実施形態において、リーダハウジング802は、ねじ込み機構を用いて、座席フレームレール124に接続される。第3実施形態において、リーダハウジング802は、接着剤を用いて、座席フレームレール124に接続される。第4実施形態において、座席フレーム124は、中にリーダモジュール106を置くこと及びカプセル化ができる既成のポケットを含む。本技術分野における当業者の設計者は、リーダハウジングが座席フレームレールに固定可能に接続され得る複数の異なる方法を認識することであろう。
【0041】
図8Bにおいて、リーダハウジング802は、リーダモジュール106が内部に置かれる開口806を示す。リーダハウジング802は、リーダモジュール106がひとたび開口706内に置かれると、メインコントローラワイヤ118が、モジュールと接続するために通り抜けてよい追加の開口(不図示)を含む。例示的な実施形態において、モジュールがひとたび定位置にあると、カバー808は、トランスポンダモジュール104を覆って置かれる。1つの実施形態において、カバー808は、開口806の大きさに形づくられる、取り外し可能な材料である。第2の実施形態において、カバー808は、接着剤を用いて、リーダモジュール106に固着される。第3実施形態において、カバーは存在せず、代わりに、リーダモジュール106は、モジュールをリーダハウジング802内の定位置に維持するために、接着剤によって覆われる。例示的な実施形態において、開口806は、およそリーダモジュール106にカバー808を加えた大きさになるように形成され、これにより、ひとたび開口内部に入ると、モジュールとカバーとの滑り嵌めを確保する。
【0042】
[電力供給の仕組み]
【0043】
図9は、例示的な実施形態による、特定のコンポーネントに電力を供給するための、図1の占有検出システム100によって実行されるオペレーション900の特徴を描くフロー図である。オペレーション900は、電力が車両内のトランスポンダモジュール104のうちの1つに供給されるように要求することから開始する(ブロック902)。トランスポンダモジュール104、関連付けられるセンサ108、112のうち1又は複数が、電力不足にあり、再充電を必要としていてよい。又は、占有検出システム100は、車両内での、すべてのトランスポンダモジュールと、それらに関連付けられるセンサとに、電力を定期的に更新するプロトコルを有してよい。リーダチップ204は、マルチプレクサ202(図2)にトランスポンダモジュール104と関連付けられるリーダモジュール106を選択するように命令する(ブロック904)。次に、リーダチップ204は、電力供給コマンドを選択されたリーダモジュールに送信する(ブロック906)。電力供給コマンドは、リーダモジュール106に、そのそれぞれのトランスポンダモジュール104に、電力を無線で送信するように命令する。マイクロコントローラ206は、各リーダモジュール106とそのそれぞれのトランスポンダモジュール104との間の無線伝送を担う。1つの実施形態において、電力供給は、NFCプロトコルを用いて、達成される。リーダモジュール106は、このように、マイクロコントローラ206の助力を得て、トランスポンダモジュール104に無線で電力を供給する(ブロック908)。その後、トランスポンダモジュール104は、それぞれのワイヤ110及び114を介して、接続されたバックルセンサ108と占有センサ112とに、受け取った電力の一部を供給する(ブロック910)。これらのオペレーションは、車両内のすべてのトランスポンダモジュールに電力を供給するために繰り返されてよい。
【0044】
例示的な実施形態において、各リーダモジュール106と各トランスポンダモジュール104とは、無線周波数ID(RFID)等の、固有の識別子(ID)を有する。故に、各トランスポンダモジュール104が、極めて近くにあるリーダモジュール106と「関連付け」られているのにも関わらず、2つの座席が取り外されて、車両に戻されるときに入れ替わるとき等、2つのモジュール間の関連性が変化し得ることが考え得る。IDは、このように、車両内のトランスポンダとリーダモジュールとの間の通信の間に用いられる。
【0045】
[モジュール間の通信]
【0046】
図10は、例示的な実施形態による、モジュール間で通信を行うための、図1の占有検出システム100によって実行されるオペレーション1000の特徴を描くフロー図である。最初に、車両内の所与の座席に関する、占有及び/又はシートベルトバックルの状態に関する情報を取得するために要求される(ブロック1002)。リーダチップ204は、マルチプレクサ202(図2)に要求された座席に対するリーダモジュールを選択するように命令する(ブロック1004)。次に、リーダチップ204は、選択されたリーダモジュールに読み取り要求コマンドを伝送する(ブロック1006)。再度、マイクロコントローラ206は、リーダモジュール106とトランスポンダモジュール104との間の無線通信を制御する。故に、マイクロコントローラ206の助力を得て、選択されたリーダモジュール106は、そのそれぞれのトランスポンダモジュール104に無線で読み取り要求を供給する(ブロック1008)。
【0047】
どの座席122も、マイクロチップ504に加えて、トランスポンダモジュール104のためのアンテナ126を含む関連付けられた座席タグ502を有することを思い出されたい。リーダチップ204が、リーダモジュール106の運転を制御すること(電力がデバイスに供給されるのを可能にすること(図9)及びトランスポンダモジュール104からデータを読み取ること)と同様に、マイクロチップ504は、トランスポンダモジュール104の運転を制御する(リーダモジュール106にデータを供給する)。故に、マイクロチップ504は、リーダモジュール106から受信した読み取り要求を解釈し、読み取り要求をトランスポンダモジュール104に送信する(ブロック1010)。
【0048】
この時点で、トランスポンダモジュール104は、占有センサ112及び/又はバックルセンサ108の情報を読み取ることができる(ブロック1012)。バックルセンサ108の場合は、この情報は、「ラッチ」されていても、「アンラッチ」されていてもよく、「0」又は「1」で更に表現されてよい。ここで、「0」は「アンラッチ」されていること、「1」はラッチされていることを意味、又はこの逆を意味してよい。同様に、占有センサ112は、「0」を供給して、座席が占有されていないことを示唆、若しくは、「1」を供給して座席が占有されていることを示唆してよく、又はこれらの逆を示唆してよい。その後、トランスポンダモジュール104は、占有センサ112及び/又はバックルセンサ108の情報を、それ自体のIDと共に、選択されたリーダモジュール106に送信する(ブロック1014)。このオペレーションは、マイクロコントローラ206の助けとともに無線で実行される。例示的な実施形態において、トランスポンダモジュール104と、リーダモジュール106とは、互いに近接し、上で説明されるように、これらの間の無線通信は、NFCプロトコルを利用する。その後、リーダモジュール106は、情報をリーダチップ204に送信し、その後リーダチップ204は、LINバスを通じて、LINマスタトランシーバ208(図4)を介して、車両のCANネットワークに通信し(ブロック1016)、情報が表示される若しくは車両の運転者に供給されることを可能にする(ブロック1018)。
【0049】
本明細書にて開示される占有検出システムは、故に、互いに極めて近くにあるリーダモジュールとトランスポンダモジュールとで構成される、一連の接合された受信機のためのマスタコントローラで構成される。リーダモジュールは、トランスポンダモジュールに電力を無線で送信することと、信号をトランスポンダモジュールからの受信することとの両方が可能で、トランスポンダモジュールは、バックルセンサ、占有センサ又はその両方から受信する情報に基づいて信号を送信する。車両の各座席にセットされるトランスポンダモジュールは、ラッチされる/アンラッチされる信号を、バックルから取得し、この情報をリーダモジュールを潜り抜け、メインコントローラに送信する。メインコントローラは、車両とインタフェースで接続して、ユーザインタフェース通知を提供する。
【0050】
本明細書で使用する場合、単数で記載され「a」又は「an」という語に続く要素又は段階は、複数の要素又は段階を除外するものと明示的に記載されない限り、複数の要素又は段階を除外しないものと理解されたい。更に、本開示の「1つの実施形態」に対する言及は、記載された同じ特徴を組み込んださらなる実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図していない。
【0051】
本開示は特定の実施形態に言及しているが、添付の特許請求の範囲で定義されるように、本開示の領域及び範囲から逸脱することなく、記載されている実施形態に対して多数の修正、改変、及び変更を行うことが可能である。従って、本開示は、記載されている実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲の文言及びその均等物により定義される完全な範囲を有することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
【外国語明細書】