(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058251
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】診療支援装置、診療支援システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 30/20 20180101AFI20220404BHJP
【FI】
G16H30/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158577
(22)【出願日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2020164353
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000177634
【氏名又は名称】参天製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100158414
【弁理士】
【氏名又は名称】秦野 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100191710
【弁理士】
【氏名又は名称】馬渡 洋介
(72)【発明者】
【氏名】大下 善弘
(72)【発明者】
【氏名】三砂 沙織
(72)【発明者】
【氏名】松井 暢
(72)【発明者】
【氏名】小野 幸毅
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】診療時に眼科疾患の正確な診断や患者説明を支援する診療支援装置、診療支援システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】診療支援システム1において、診療支援装置3は、画像を表示する表示部33と、ユーザの指令を入力する入力部34と、入力部34から指令を受け、表示部33に表示する画像を制御する制御部31とを備える。制御部31はさらに、患者の目を撮影した患者画像とドライアイの典型画像とを対比可能な状態で表示部33に表示させる制御を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
ユーザの指令を入力する入力部と、
前記入力部から前記指令を受け、前記表示部に表示する画像を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、患者の目を撮影した患者画像とドライアイの典型画像とを対比可能な状態で前記表示部に表示させる、診療支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、ドライアイの複数種類の症状にそれぞれ対応する複数のボタンを前記表示部に表示させ、前記複数のボタンのうち前記入力部を用いて前記ユーザに選択されたボタンに対応する症状の典型画像と前記患者画像とを並べて表示するように前記表示部を制御する、請求項1に記載の診療支援装置。
【請求項3】
前記複数のボタンは、前記複数種類の症状にそれぞれ対応する典型画像の縮小画像を含み、前記縮小画像は、前記ユーザに選択されると、前記患者画像と同じ倍率に拡大表示される、請求項2に記載の診療支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、ドライアイの複数種類の症状にそれぞれ対応する複数のボタンを前記表示部に表示させ、前記複数のボタンのうち前記入力部を用いて前記ユーザに選択されたボタンに対応する症状の説明画面を表示するように前記表示部を制御する、請求項1に記載の診療支援装置。
【請求項5】
前記患者画像および前記典型画像は、動画であり、
前記制御部は、前記表示部において前記患者画像の動画再生中に患者の目に検査用染色液を点眼してから涙液膜の一部が消失するまでの時間を計測するためのストップウオッチを前記患者画像と並べて表示するように前記表示部を制御する、請求項1に記載の診療支援装置。
【請求項6】
前記ストップウオッチは、前記患者画像の動画再生中に前記入力部を用いて前記ユーザから入力される計時開始指令に応じて計時を開始し、計時終了指令に応じて計時を終了する、請求項5に記載の診療支援装置。
【請求項7】
画像を表示する表示部と、
ユーザの指令を入力する入力部と、
前記入力部から前記指令を受け、前記表示部に表示する画像を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、患者の目を撮影した複数の患者画像を対比可能な状態で前記表示部に表示させ、
前記複数の患者画像は撮影時点が異なる、診療支援装置。
【請求項8】
画像を表示する表示部と、
ユーザの指令を入力する入力部と、
前記入力部から前記指令を受け、前記表示部に表示する画像を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、患者の目を撮影した患者画像と健常眼の典型画像とを対比可能な状態で前記表示部に表示させる、診療支援装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の診療支援装置と、
前記患者画像を蓄積するサーバとを備える診療支援システムであって、
前記制御部は、前記入力部からの入力に応じて前記患者画像を前記サーバから読み出すように構成される、診療支援システム。
【請求項10】
画像を表示する表示部およびユーザの指令を入力する入力部の制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記入力部から患者の目を撮影した患者画像を特定する指令を受ける処理と、
前記患者画像とドライアイの典型画像とを対比可能な状態で前記表示部に表示させる処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
画像を表示する表示部およびユーザの指令を入力する入力部の制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記入力部から患者の目を撮影した複数の患者画像を特定する指令を受ける処理と、
前記複数の患者画像を対比可能な状態で前記表示部に表示させる処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
画像を表示する表示部およびユーザの指令を入力する入力部の制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記入力部から患者の目を撮影した患者画像を特定する指令を受ける処理と、
前記患者画像と健常眼の典型画像とを対比可能な状態で前記表示部に表示させる処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、診療支援装置、診療支援システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、目の不快感を主訴とする患者が増加している。このような患者の眼科疾患には、たとえば、ドライアイがある。
【0003】
ドライアイは、様々な要因により涙が不安定になる疾患で、目の不快感や視機能の異常を生じ、目の表面に傷を伴うことがある。症状や原因が様々であるため、単なる一時的な不快感と区別がつけにくく、眼科医でなければ正しい診療および治療を行なうことが困難である。
【0004】
特開平7-136120号公報(特許文献1)は、ドライアイの簡易的診断を容易に行なうことができ、しかも簡単かつ安価に構成可能な眼科装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特開平7-136120号公報(特許文献1)に開示された眼科装置では、患者の目のカラー画像を記録するビデオテープレコーダーを備えており、それにより記録した画像を眼科医が観察した後にモニターに表示して検者が被検者に説明することもできる。
【0007】
しかしながら、画像がどのような眼科疾患の症状であるのかを理解することは、被検者にとって容易ではない。そのため、眼科医に画像を見せられても、治療の必要性または治療効果を実感できずに患者が治療を中断しがちであるという問題がある。
【0008】
本開示の実施の形態は、上記の問題を解決するためになされたものであって、診療時に眼科疾患の正確な診療を支援する診療支援装置、診療支援システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、診療支援装置に関する。診療支援装置は、画像を表示する表示部と、ユーザの指令を入力する入力部と、入力部から指令を受け、表示部に表示する画像を制御する制御部とを備える。制御部は、患者の目を撮影した患者画像とドライアイの典型画像とを対比可能な状態で表示部に表示させる。
【0010】
好ましくは、制御部は、ドライアイの複数種類の症状にそれぞれ対応する複数のボタンを表示部に表示させ、複数のボタンのうち入力部を用いてユーザに選択されたボタンに対応する症状の典型画像と患者画像とを並べて表示するように表示部を制御する。
【0011】
より好ましくは、複数のボタンは、複数種類の症状にそれぞれ対応する典型画像の縮小画像を含み、縮小画像は、ユーザに選択されると、患者画像と同じ倍率に拡大表示される。
【0012】
好ましくは、制御部は、ドライアイの複数種類の症状にそれぞれ対応する複数のボタンを表示部に表示させ、複数のボタンのうち入力部を用いてユーザに選択されたボタンに対応する症状の説明画面を表示するように表示部を制御する。
【0013】
好ましくは、患者画像および典型画像は、動画である。制御部は、表示部において患者画像の動画再生中に患者の目に検査用染色液を点眼してから涙液膜の一部が消失するまでの時間を計測するためのストップウオッチを患者画像と並べて表示するように表示部を制御する。
【0014】
より好ましくは、ストップウオッチは、患者画像の動画再生中に入力部を用いてユーザから入力される計時開始指令に応じて計時を開始し、計時終了指令に応じて計時を終了する。
【0015】
本開示は、他の局面では、画像を表示する表示部と、ユーザの指令を入力する入力部と、入力部から指令を受け、表示部に表示する画像を制御する制御部とを備える診療支援装置に関する。制御部は、患者の目を撮影した複数の患者画像を対比可能な状態で表示部に表示させ、複数の患者画像は撮影時点が異なる。
【0016】
本開示は、さらに他の局面では、画像を表示する表示部と、ユーザの指令を入力する入力部と、入力部から指令を受け、表示部に表示する画像を制御する制御部とを備える診療支援装置に関する。制御部は、患者の目を撮影した患者画像と健常眼の典型画像とを対比可能な状態で表示部に表示させる。
【0017】
本開示は、さらに他の局面では、診療支援システムに関する。診療支援システムは、上記いずれかの診療支援装置と、患者画像を蓄積するサーバとを備える。制御部は、入力部からの入力に応じて患者画像をサーバから読み出すように構成される。
【0018】
本開示は、さらに他の局面では、画像を表示する表示部およびユーザの指令を入力する入力部の制御をコンピュータに実行させるプログラムに関する。プログラムは、入力部から患者の目を撮影した患者画像を特定する指令を受ける処理と、患者画像とドライアイの典型画像とを対比可能な状態で表示部に表示させる処理とをコンピュータに実行させる。
【0019】
本開示は、さらに他の局面では、画像を表示する表示部およびユーザの指令を入力する入力部の制御をコンピュータに実行させるプログラムに関する。プログラムは、入力部から患者の目を撮影した複数の患者画像を特定する指令を受ける処理と、複数の患者画像を対比可能な状態で表示部に表示させる処理とをコンピュータに実行させる。
【0020】
本開示は、さらに他の局面では、画像を表示する表示部およびユーザの指令を入力する入力部の制御をコンピュータに実行させるプログラムに関する。プログラムは、入力部から患者の目を撮影した患者画像を特定する指令を受ける処理と、患者画像と健常眼の典型画像とを対比可能な状態で前記表示部に表示させる処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本開示の診療支援装置によれば、眼科疾患の典型画像と患者の目を撮影した患者画像とを対比可能な状態で表示部に表示させるので、眼科医の診療の支援となる。また、患者への症状の説明時にも患者が治療の必要性または治療効果を実感しやすいので、患者が治療を継続する意欲を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】診療支援システムの全体構成を示す図である。
【
図2】検査装置における患者画像の撮影処理を説明するためのフローチャートである。
【
図3】検査装置で実行されるアプリケーションプログラムのログイン画面の一例を示す図である。
【
図4】ログイン後のデフォルト画面の一例を示す図である。
【
図5】検査装置における患者画像の撮影画面の一例を示す図である。
【
図6】検査装置における患者画像の再生画面の一例を示す図である。
【
図7】検査装置における患者画像データのアップロード画面の一例を示す図である。
【
図8】患者画像をアップロード中の画面表示の一例を示す図である。
【
図9】患者画像のアップロードが完了した時点の画面表示の一例を示す図である。
【
図10】アップロードが失敗した場合の画面表示の一例を示す図である。
【
図11】片目のデータのみをアップロードした場合の画面表示の一例を示す図である。
【
図12】診療支援装置における患者画像の再生処理を説明するためのフローチャートである。
【
図14】動画再生処理の第1例を説明するためのフローチャートである。
【
図15】ストップウオッチ機能について説明するための画面例である。
【
図17】動画再生処理の第2例を説明するためのフローチャートである。
【
図19】患者画像と典型画像とを並べて表示する画面例である。
【
図20】医師によってなされた診断結果を患者に説明するための画面例である。
【
図21】動画再生処理の第3例を説明するためのフローチャートである。
【
図22】患者の過去データの一覧画面の一例を示す図である。
【
図23】最新の患者画像と過去の患者画像とを並べて表示する画面例である。
【
図24】健常眼と患者眼のデータを対比させて表示する画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0024】
[全体の構成]
図1は、診療支援システムの全体構成を示す図である。
図1に示す診療支援システム1は、検査装置2と、サーバ4と、診療支援装置3と、ネットワーク5とを備える。
【0025】
検査装置2は、患者の目の画像を撮影し、記録する。検査装置2は、制御部21と、メモリ22と、表示部23と、通信部24と、入力部25と、スリットランプ26と、カメラ27とを含む。検査装置2は、眼科医院などに配置される専用の検査装置であっても良いが、たとえば、スマートフォンなどにスリットランプを取付けて検査装置2として使用することもできる。
【0026】
検査装置2で撮影された患者の目の画像データは、ネットワーク5を経由してサーバ4に送信される。サーバ4は受信した画像データを記憶する。ネットワーク5は、有線であっても無線であっても良いが、たとえばスマートフォンを検査装置2として使用する場合は、無線であることが好ましい。たとえば、ドライアイの場合には、生体染色検査(フルオレセイン法など)によって検査用染色液を点眼し、検査装置2では涙液量検査(BUT:Break Up Time)などを診断できる動画が撮影される。
【0027】
サーバ4は、さらに、予め用意された眼科疾患の典型的な画像を記憶する。たとえば、ドライアイの場合には、サーバ4は、角膜上における涙層の複数種類の破壊パターン(Break Up Pattern)をそれぞれ示す複数の典型画像を記憶する。
【0028】
診療支援装置3は、制御部31と、メモリ32と、表示部33と、通信部34と、入力部35とを含む。診療支援装置3は、ネットワーク5を経由して通信部34においてサーバ4から患者の目を撮影した患者画像を受信する。眼科疾患の典型画像は、診療支援装置3にインストールされたアプリケーションソフトウエアの一部として予めメモリ32に記憶されている。なお、眼科疾患の典型画像をサーバ4から取得するようにしても良い。診療支援装置3は、入力部35からのリクエストに応じて患者画像と典型画像とを対比可能な状態で表示する。
【0029】
制御部21および31としては、たとえばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。メモリ22および32の各々は、たとえば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ、ハードディスクなどを含む。制御部21および31の各々は、ROMに格納されているプログラムをRAM等に展開して実行する。ROMに格納されるプログラムは、検査装置2または診療支援装置3としての処理手順が記されたプログラムである。制御部21および31は、これらのプログラムに従って、それぞれ検査装置2および診療支援装置3における機器の制御を実行する。この制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
【0030】
[検査装置の説明]
図2は、検査装置における患者画像の撮影処理を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS1において、制御部21は、ユーザに医療機関ID、患者IDおよび患者氏名の入力を要求する。たとえば、スマートフォンから検査用のアプリケーションプログラムを立ち上げると、ログイン画面がスマートフォンに表示される。
【0031】
図3は、検査装置で実行されるアプリケーションプログラムのログイン画面の一例を示す図である。医療機関IDとして、
図3の例ではメールアドレスが使用される。ログインのために入力欄61,62にメールアドレスとパスワードの入力が要求される。ログインボタン63をタップすると、図示しない患者のカルテ番号の登録画面に遷移し、カルテ番号が入力されると、その後表示部23の画面がログイン後のデフォルト画面に遷移する。以降の説明において、カルテ番号は、患者ID、カルテIDとも呼ばれる。
【0032】
図4は、ログイン後のデフォルト画面の一例を示す図である。ログイン中のアカウントのクリニック名を表示する領域64の横のマークをタップすると、プルダウンメニューが表示される。プルダウンメニューには、他の画面で開くFAQ、パスワード変更、ログアウトなどを選択するボタンが配置されている。左目、右目を選択するボタン65は、デフォルト画面では左目が選択されている。
【0033】
ボタン65の下部には画像表示領域66が表示され、さらにその下に患者のカルテ番号67と患者名68が表示され、ボタン69,70が表示される。ボタン69は、ログイン画面など前画面に戻るボタンである。ボタン70は、選択した画像をアップロードするボタンである。なお、
図4ではまだ画像が選択されていないのでボタン70は選択できないようにボタンの濃さが薄く表示されている。
【0034】
画像表示領域66は、まだ画像が選択されていない状況では、タップすると表示部23の画面が患者画像の撮影画面に遷移する。
【0035】
再び
図2に戻り、ステップS1に続いて、ステップS2では、スリットランプ26から患者の目にスリット光が照射され、患者の目の動画が撮影される。なお、撮影に先立ち、患者の目には、フルオレセインなどの検査用染色液が点眼される。
【0036】
図5は、検査装置における患者画像の撮影画面の一例を示す図である。
図5の画面の上部には、フラッシュのオン/オフを切替えるボタンを示す記号71が表示され、画面中央の領域72には、患者の目の画像が表示され、その下にはシャッターボタンを示す記号73と撮影をキャンセルするために選択する「キャンセル」という文字列74とが表示されている。また、領域72の下部には撮影時間を示す文字列75が表示されている。なお、ユーザは、静止画を撮影する場合には「写真」という文字列を選択し、動画を撮影する場合には「ビデオ」という文字列を選択する。
【0037】
再び
図2に戻り、ステップS2に続いて、ステップS3では、撮影した動画または静止画をユーザが確認し、ステップS4において確認した動画(または静止画)が診断のために使用できるか否かをユーザが判断する。
【0038】
図6は、検査装置における患者画像の再生画面の一例を示す図である。
図6の画面上部には、動画画像の再生時間経過にしたがって移動するスライダ76が表示され、画面中央の領域77には、患者画像(静止画または動画)が表示されており、患者画像の下には、この画像の動画の再生を選択する記号79と、動画の再撮影を選択するための「再撮影」という文字列78とが表示されている。
【0039】
スライダ76を操作することによって、領域77に表示される画像をスライダ76の位置に該当する画像に変更することができる。たとえば、0.1秒単位で画像変更ができるようにすると好ましい。領域77の下部の「ビデオを使用」という文字列80が選択されると、撮影した患者画像をアップロードすることができるように、表示部23の画面がアップロード画面に遷移する。
【0040】
ステップS4において、動画の内容に問題があり、ユーザから動画(または静止画)を再撮影する旨の入力(文字列78の選択)があった場合(S4でNO)、制御部21は再びステップS2の処理を実行する。一方、ステップS4において、ユーザから動画(または静止画)は問題がない旨の入力(文字列80の選択)があった場合(S4でYES)、制御部21はステップS5に処理を進め、患者IDと動画(または静止画)を含む患者データをネットワーク5経由でサーバ4にアップロードする。
【0041】
図7は、検査装置における患者画像データのアップロード画面の一例を示す図である。
図7のアップロード画面は、
図4のデフォルト画面において患者画像が選択された状態に該当する。アップロード画面には、「XXクリニック」という診察場所を選択する領域64と、撮影した患者画像を表示する画像表示領域66と、「撮影し直す」というやり直しを選択する文字列が表示されたボタン81と、カルテ番号67と、患者名68と、「アップロード」という患者のデータをサーバ4に送信するアクションを選択する文字列が表示されたボタン70とが配置されている。アップロードボタン70を選択すると、制御部21は、通信部24からネットワーク5を経由してサーバ4に患者データを送信する。ステップS4では、ユーザが画面の「アップロード」を選択する場合にYESに分岐し「撮影し直す」を選択する場合にNOに分岐する。
【0042】
図8は、患者画像をアップロード中の画面表示の一例を示す図である。
図7においてアップロードを指示するボタン70が選択されると、
図8のアップロード画面に遷移する。アップロード画面では、左目および右目の患者画像82とアップロードの進捗状況を示すプログレスバー83とが表示される。なお、「次の患者へ」という文字列が表示されたボタン84は、アップロードが完了した後に選択可能となる。
【0043】
図9は、患者画像のアップロードが完了した時点の画面表示の一例を示す図である。アップロードが完了すると、プログレスバー83は「アップロードが完了しました」という文字列85に変化し、「次の患者へ」という文字列が表示されたボタン84が選択可能となる。
【0044】
図10は、アップロードが失敗した場合の画面表示の一例を示す図である。アップロードが失敗すると、
図10に示すように、失敗した画像の下に「エラーが発生しました」という文字列86と、再アップロードを指示するボタン87が表示される。ボタン87を選択することによって、アップロードに失敗した画像を再アップロードすることができる。
【0045】
図11は、片目のデータのみをアップロードした場合の画面表示の一例を示す図である。
図10のように片目のデータがアップロードに失敗した場合にボタン84を選択してアップロードを指示すると、アップロードが完了後に
図11に示す画面に遷移する。なお、最初から片目のみ画像を撮影してアップロードした場合にも
図11の画面が表示される。
【0046】
ステップS5における患者データのアップロードが終了したら
図2のフローチャートの処理が終了する。なお、ステップS5の後に制御部21が一時的にメモリ22に記憶されていた患者IDおよび患者の目の動画(または静止画)をメモリ22から消去し、情報漏洩を防ぐようにしても良い。
【0047】
[診療支援装置の説明]
図12は、診療支援装置における患者画像の再生処理を説明するためのフローチャートである。
図1の診療支援装置3において、制御部31が
図12に示す処理を実行する。まずステップS11において、制御部31は、ユーザに対して診察者IDおよびパスワードの入力を要求する。診察者IDの入力があると、制御部31は、サーバ4にアクセスし、入力された診察者IDに対応する患者データを参照し、患者名および撮影日時を表示部33に一覧表示させる。
【0048】
図13は、患者データの一覧表示の画面例である。
図13の画面例では、「XXクリニック」で撮影された患者のデータが一覧表で表示され、患者氏名または患者IDを入力すると患者データを検索できるようになっている。また一覧表には、左から順に、患者ID、患者氏名、撮影日時が表示される領域が設けられている。ユーザは、一覧表の中から再生したい患者データを選択することにより、患者データを再生させる画面に表示を変更させることができる。患者データが選択されると、制御部31は、ステップS14において選択された患者の動画データをサーバ4から取得する。そして、ステップS15において、制御部31はサーバ4から取得した動画の再生表示を表示部33において実行する。ここで実行される動画再生処理にはいくつかの種類が考えられる。以下、順に動画再生処理のバリエーションについて説明する。
【0049】
図14は、動画再生処理の第1例を説明するためのフローチャートである。この第1例の処理では、主としてストップウオッチ機能について説明する。まずステップS21において、制御部31は、表示部33に患者画像を表示し、ストップウオッチボタンを表示する。
【0050】
図15は、ストップウオッチ機能について説明するための画面例である。
図15に示した画面において、特にストップウオッチ機能に関係する左半分について説明する。左半分の画面には、患者画像を再生する患者画像領域211と、ストップウオッチの領域261が上下に配置されている。患者画像領域211の下部には、再生中に一時停止を指示するマーク212が表示され、マークの横には、再生時間と再生総時間とが示され、再生の進行度合いを示す丸印が横に延びる直線上に配置されているスライダ213が表示されている。
【0051】
ステップS22においてユーザ(診察者)が再生指示を入力すると、ステップS23に処理が進められ動画が再生開始される。再生中に時間が進むにつれて画面に表示されている再生時間が増加し、スライダ213における丸印の直線上の位置は左から右へ向けて移動する。
【0052】
ドライアイの症状には、涙がたくさん出ても、涙の質が良くないために目の表面がすぐ乾くという症状がある。このような症状を診断するためには、涙の質を調べる検査が行なわれる。この検査では、目を開いてから目の表面の涙の膜が破壊されるまでの時間(BUT:Break Up Time)を測定する。BUTが規定時間よりも短い場合、ドライアイが疑われる。診察者は、患者動画の再生画像を見ながら、瞬きをした瞬間から涙の膜が破壊されるまでの時間を計測する。
【0053】
制御部31は、診察者がストップウオッチボタンを操作したことを検出すると(S24でYES)、ステップS25において計時を開始する。時間が進むにつれてストップウオッチ領域261に表示されている時間表示が増加する。そして、制御部31は、診察者が再びストップウオッチボタンを操作したことを検出すると(S26でYES)、ステップS27において計時を終了する。その後、ステップS28において再生総時間に達した場合または再生終了操作が行なわれた場合に再生が終了し、制御は、
図7のフローチャートに戻る。ストップウオッチ機能を使用すれば、診察者は、瞬きをした瞬間に計時をスタートし、涙の膜が破壊された瞬間に計時を停止する操作を画面上で簡単に行なうことができるので、BUTを簡単かつ正確に計測することができる。
【0054】
図16は、
図15に示した画面の変形例である。左目、右目の両方のデータがある場合には、
図16に示すように、左目、右目を選択するボタン65を表示し患者画像領域211に表示する画像を切替えられるようにしても良い。
【0055】
図17は、動画再生処理の第2例を説明するためのフローチャートである。この第2例の処理では、主として患者画像とドライアイの典型画像とを対比可能な形で再生表示する機能について説明する。まずステップS31において、制御部31は、診療支援装置3のメモリ32に予め記憶されているデータベースから典型画像データを取得する。典型画像データは、静止画データと動画データとを含む。静止画データは、アプリケーションプログラム上のサムネイル表示に使用される。また動画データは、後にユーザが選択したサムネイルの再生動画の表示に使用される。なお、通信部34からネットワーク5を経由してサーバ4にアクセスし、典型画像データを取得しても良い。
【0056】
続いて、ステップS32において、制御部31は、表示部33に患者画像を表示し、ドライアイ典型画像の選択ボタンを表示する。
図15の右半分の領域には、患者IDと患者氏名と撮影日時が表示され、その下にドライアイの涙膜の消失時に観測される5種類の涙膜の破壊パターンの画像241~245が表示されている。5種類のパターンは、Area,Line,Spot,Dimple,Randomと呼ばれている。各画像の左下には再生を指示するマークが配置されている。患者データとともに、各破壊パターンの動画の簡略データが同時に取得されているので、診察者が再生を指示すると、該当の破壊パターンの小さな動画が再生される。
【0057】
ステップS33において、制御部31は、画面上に表示された破壊パターンの5つの典型画像のいずれか診察者に選択されたか否かを判断し、選択されていた場合(S33でYES)、ステップS34において制御部31は、患者画像と典型画像とを並べて表示および再生する。なお、制御部31は、ステップS33において選択された画像に対応する動画または静止画のより詳細なデータを、ステップS34においてデータベースまたはサーバ4からさらに取得して表示するようにしても良い。
【0058】
図18は、典型画像の選択時の画面例である。
図12では、
図10の画面のボタン231~236のうちから破壊パターン名Areaを示すボタン231が選択されチェックマークが表示されている。
【0059】
図19は、患者画像と典型画像とを並べて表示する画面例である。
図19の左半分の領域211には患者画像が表示され、ストップウオッチ領域261がその下に表示されている。一方右半分の領域221には診察者が選択した破壊パターンの典型画像が表示される。ストップウオッチ領域261の再生ボタンを選択すると、診察者は、患者画像と典型画像とを並べた状態で同時に再生し比較することができる。このため、ドライアイの型を容易に判断することができる。
【0060】
図17に戻って、診察者が患者画像と典型画像とを比較して、診断が確定した場合(S35でYES)、ステップS35では、診察者の操作に応じて制御部31は、表示部33に説明用画面を表示する。たとえば、
図16または
図18の画面において、診察者は、Area示すボタン231を選択しているのでチェックマークが表示されている。この状態で、「患者説明画面へ」という表示がされたボタン272を選択すると、説明用の画面が表示部33に表示される。診察者は、説明用画面を用いて患者に現在の患者の目の状況を説明することができる。
【0061】
図20は、医師によってなされた診断結果を患者に説明するための画面例である。
図18では涙液減少型の破壊パターンであるAreaを示すボタン231が選択されていたので、
図20に示すような、水分不足型のドライアイの説明画面が表示部33に表示される。この画面例では、領域251の左半分に健康な目の涙層と目の表面状態とが模式図で表示され、領域251の右半分にドライアイの涙層と目の表面状態とが模式図で表示されている。このような図とともに説明を受けると、患者は診察者の説明に納得しやすくなる。
【0062】
このように、本実施の形態の診療支援装置3は、診断を支援するだけでなく、患者への説明の支援も行なう。すなわち、診療支援システム1および診療支援装置3は、診療の一つとして、診断支援または患者への説明支援を行なうものを含む。
【0063】
図21は、動画再生処理の第3例を説明するためのフローチャートである。
図17に示した処理では、患者画像とドライアイの典型画像とを並べて表示して、診断または患者の疾患理解促進のための参照資料として役立てていたが、
図21に示す処理のように過去の患者画像と現在の患者画像とを並べて表示することにより、ドライアイの症状の治療の効果を診断したり、患者への疾患説明に役立てたりすることもできる。
【0064】
まずステップS41において、制御部31は、表示部33に最新の患者画像を表示し、過去の患者画像のデータを選択可能とするように表示部33に選択ボタンを表示する。たとえば、
図16の表示画面では、最新画像を表示した場合に患者の過去データがデータベースに存在する場合は、動画履歴ボタン271が表示され選択可能となる。この場合は、動画履歴ボタン271が選択されると過去データの一覧が表示部33に表示される。
【0065】
図22は、患者の過去データの一覧画面の一例を示す図である。カルテ番号67および患者名68が表示された下に、5日分の測定データおよび診断結果が表示されている。各データにおいて、左から順に測定日時、ブレイクパターン、BUT、チェック、選択の表示がされる。
【0066】
ブレイクパターンの表示欄には、診断者が診断した結果の左眼、右眼のブレイクパターンが表示される。BUTの表示欄には、診断者がストップウオッチ機能などを使用して計測した左眼、右眼のBUTが表示される。チェック欄は、過去動画の内、後日チェックをしたいデータに印を付けるために使用される。選択欄は、次画面で再生する過去データを選択するのに使用される。
【0067】
ステップS42において、診察者が過去の患者画像を選択した場合(S42でYES)、制御部31は、ステップS43において診察者が選択した患者画像のデータをサーバ4から取得する。そしてステップS44において患者画像の最新画像と過去画像とを表示部33に並べて表示または再生する。
【0068】
図23は、最新の患者画像と過去の患者画像とを並べて表示する画面例である。
図23では、左半分には2020年7月1日に撮影された最新の患者画像が表示され、右半分には2020年6月23日に撮影された過去の患者画像が表示されている。
図23において、ボタン65によって右目画像の比較、左目画像の比較を切替えることができる。診察者は2つの画像を比較することによって、治療の効果を判断することができる。また、画像を患者に示すことにより、治療の効果を患者に実感させることもできる。
【0069】
以上の説明において、ドライアイの典型画像は、予めアプリケーションソフトの作成者によって準備され診療支援装置3に記憶されているとした。ただし、サーバ運用者がドライアイの典型画像を準備し、サーバから随時配布し、適宜、最新の情報に基づいて典型画像を差し替えるようにしても良い。
【0070】
また、眼科疾患の一例としてドライアイについて説明したが、本開示の診療支援システムおよび診療支援装置は、他の眼科疾患の診療の支援にも使用することもできる。
【0071】
(まとめ)
図1に示すように、本実施の形態に開示される診療支援装置3は、画像を表示する表示部33と、ユーザの指令を入力する入力部35と、入力部35から指令を受け、表示部33に表示する画像を制御する制御部31とを備える。
図13に示すように、制御部31は、患者の目を撮影した患者画像領域211とドライアイの典型画像領域221とを対比可能な状態で表示部33に表示させる。なお、対比される患者画像とドライアイの典型画像は、本実施の形態では動画であったが、動画、静止画のいずれであっても良い。
【0072】
このように、診療支援装置3は、患者画像領域211と典型画像領域221とに患者画像を対比しやすい状態で表示するため、診察者が眼科疾患を正確に診断することができる。
【0073】
なお、
図19では、1画面中に患者画像領域211と典型画像領域221とを表示しているが、2つの画像をそれぞれ2つの画面に表示しても良い。
【0074】
好ましくは、制御部31は、たとえば
図15に示すように、ドライアイの複数種類の症状にそれぞれ対応する複数のボタン231~235を表示部33に表示させ、複数のボタン231~235のうち入力部35を用いてユーザに選択されたボタンに対応する症状の典型画像と患者画像とを並べて表示するように表示部33を制御する。
【0075】
このように制御することによって、医師は、複数種類の症状の動画の再生をいろいろ試しながら比較し、患者の症状が複数種類の症状のいずれに該当するのかを判断することができる。また、医師は、判断された患者の症状に応じてより適切な薬剤を処方することが可能となる。
【0076】
より好ましくは、複数のボタン231~235は、複数種類の症状にそれぞれ対応する典型画像の縮小画像241~245を含む。
図19に示すように、縮小画像241~245は、ユーザに選択されると、患者画像領域211と同じ倍率に拡大表示される。
【0077】
このように縮小画像がボタン中に表示されるため、医師にとって複数の典型画像とボタンとの対応がわかりやすい。
【0078】
好ましくは、制御部31は、たとえば
図18に示すように、ドライアイの複数種類の症状にそれぞれ対応する複数のボタン231~235を表示部33に表示させる。制御部31は、複数のボタン231~235のうち入力部35を用いてユーザに選択された(チェックマークが表示されている)ボタンに対応する症状の説明画面を
図20に示すように領域251に表示するように表示部33を制御する。
【0079】
このように、診察時に必要に応じて説明画面が表示されるので、医師が患者に病状を説明するために大変便利である。
【0080】
好ましくは、患者画像領域211および典型画像領域221に表示される画像は、動画である。制御部31は、表示部33において患者画像領域211の動画再生中に患者の目に検査用染色液を点眼してから涙液膜の一部が消失するまでの時間を計測するためのストップウオッチ領域261を
図15等に示すように患者画像領域211の動画と並べて表示するように表示部33を制御する。
【0081】
このように、患者画像とストップウオッチが並べて表示されるため、医師が患者画像とストップウオッチとを同時に見ることができる。
【0082】
より好ましくは、ストップウオッチ領域261に表示されるストップウオッチは、患者画像領域211の動画再生中に入力部35を用いてユーザから入力される計時開始指令に応じて計時を開始し、計時終了指令に応じて計時を終了する。
【0083】
このように、動画を再生しながらストップウオッチで時間を計測できるため、医師は正確なBUTを計測することができる。
【0084】
本開示は、他の局面では、診療支援システム1に関する。
図1に示すように診療支援システム1は、上記いずれかの診療支援装置3と、患者画像領域211に表示する患者画像データと典型画像領域221に表示する典型画像データとを蓄積するサーバ4とを備える。制御部31は、入力部35からの入力に応じて患者画像データおよび典型画像データをサーバ4から読み出すように構成される。
【0085】
本開示は、他の局面では、画像を表示する表示部33およびユーザの指令を入力する入力部35の制御をコンピュータである制御部31に実行させるプログラムに関する。プログラムは、入力部35から患者の目を撮影した患者画像データを特定する指令を受ける処理と、患者画像データとドライアイの典型画像データとを対比可能な状態で表示部33に表示させる処理とをコンピュータに実行させる。
【0086】
(変形例1)
本実施の形態では、対比されるのは、患者画像とドライアイの典型画像であったが、
図21~
図23に示したように、今回撮影した患者画像401と前回撮影した患者画像402のように、撮影時点が異なる複数の患者画像401,402を対比して表示するようにしても良い。これにより、治療効果を時系列で確認することができる。この場合の変形例は、画像を表示する表示部33と、ユーザの指令を入力する入力部35と、入力部35から指令を受け、表示部33に表示する画像を制御する制御部31とを備える診療支援装置に関する。制御部31は、
図23に示したように、患者の目を撮影した複数の患者画像401,402を対比可能な状態で表示部33に表示させる。これら複数の患者画像401,402は撮影時点が異なる。
【0087】
この変形例は、他の局面では、画像を表示する表示部33およびユーザの指令を入力する入力部35の制御をコンピュータに実行させるプログラムに関する。プログラムは、入力部35から患者の目を撮影した複数の患者画像401,402を特定する指令を受ける処理と、複数の患者画像401,402を対比可能な状態で表示部33に表示させる処理とをコンピュータ(CPU31)に実行させる。
【0088】
(変形例2)
本実施の形態では、対比されるのは、患者画像とドライアイの典型画像であったが、ドライアイの典型画像に代えて健常眼の典型画像を対比させても良い。
図24は、健常眼と患者眼のデータを対比させて表示する画面の一例である。これにより、患者が自身の症状の理解をするのに役立てることができる。この場合の変形例は、画像を表示する表示部33と、ユーザの指令を入力する入力部35と、入力部35から前記指令を受け、表示部33に表示する画像を制御する制御部31とを備える診療支援装置に関する。制御部31は、患者の目を撮影した患者画像401と健常眼の典型画像402とを対比可能な状態で表示部33に表示させる。
【0089】
この変形例は、他の局面では、画像を表示する表示部33およびユーザの指令を入力する入力部35の制御をコンピュータに実行させるプログラムに関する。プログラムは、入力部35から患者の目を撮影した患者画像を特定する指令を受ける処理と、患者画像401と健常眼の典型画像402とを対比可能な状態で表示部33に表示させる処理とをコンピュータ(CPU31)に実行させる。
【0090】
なお、以上説明したような診断結果をクリニック毎に集計できるようにしても良い。
図25は、集計画面の一例を示す図である。たとえば、期間を入力し、絞り込みボタンを選択すると、
図25の画面例のように、指定された期間における全患者数、初診数、再診数が表示されると共に、診断結果として、各ブレイクパターンと該当数が表示されるようにしても良い。
【0091】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0092】
1 診療支援システム、2 検査装置、3 診療支援装置、4 サーバ、5 ネットワーク、21,31 制御部、22,32 メモリ、23,33 表示部、24,34 通信部、25,35 入力部、26 スリットランプ、27 カメラ、211 患者画像領域、221 典型画像領域、65,69,70,81,84,87,231~235,271 ボタン、241~245 縮小画像、76,213 スライダ、83 プログレスバー、251 説明画面、261 ストップウオッチ領域。