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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058259
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】核酸検出キット及び核酸検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/447 20060101AFI20220404BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20220404BHJP
   G01N 35/10 20060101ALI20220404BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20220404BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALI20220404BHJP
   C12Q 1/6825 20180101ALI20220404BHJP
【FI】
G01N27/447 315D
G01N37/00 101
G01N35/10 A
C12M1/00 A
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6825 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159152
(22)【出願日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】63/138974
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/085385
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/085368
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202110652134.1
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520480382
【氏名又は名称】富佳生技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 裕民
(72)【発明者】
【氏名】蔡 佳樺
(72)【発明者】
【氏名】黄 川慈
【テーマコード(参考)】
2G058
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G058BB02
2G058BB09
2G058CC08
2G058EA11
2G058GA02
4B029AA07
4B029FA15
4B063QA05
4B063QQ41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】検出操作が簡単であり、効率が高く、コストが低く、検出柔軟性が高く、使用前に検出チップと電気泳動カートリッジ内における液体の不意な漏洩や混合を回避する。
【解決手段】核酸検出キット100及び核酸検出装置であって、核酸検出キット100は、カセット本体1と、検出チップと、電気泳動カートリッジと、遮断構造と、を含み、検出チップは、液出口を含むチャンネルを含み、電気泳動カートリッジは、カセット本体1内に設けられ、液出口は、電気泳動カートリッジとチャンネルとを連通させるためのものであり、遮断構造は、第1状態及び第2状態を含み、第1状態のとき、液出口のチャンネルに近い側に設けられ、チャンネルと電気泳動カートリッジを遮断し、第2状態のとき、液出口から離れることで、チャンネルと電気泳動カートリッジとを連通させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸検出キットであって、
カセット本体と、
前記カセット本体内に設けられる検出チップであって、前記検出チップは、第1カバープレートと、仕切り層と、第2カバープレートと、を含み、前記仕切り層の対向する2つの面がそれぞれ前記第1カバープレート及び前記第2カバープレートに隣接され、前記第1カバープレート、前記仕切り層及び前記第2カバープレートが囲むことで、液出口を含むチャンネルをなす検出チップと、
前記カセット本体内に設けられ、前記液出口を介して前記チャンネルと連通する電気泳動カートリッジと、
第1状態及び第2状態を含み、前記第1状態のとき、前記液出口の前記チャンネルに近い側に設けられ、前記チャンネルと前記電気泳動カートリッジを遮断し、前記第2状態のとき、前記液出口から離れることで、前記チャンネルと前記電気泳動カートリッジとを連通させる遮断構造と、を含む、ことを特徴とする核酸検出キット。
【請求項2】
前記電気泳動カートリッジは、接続装置を含み、前記チャンネルが前記接続装置を介して前記電気泳動カートリッジと連通し、前記接続装置は、前記液出口を経由して前記チャンネルに挿入される第1端を含み、前記遮断構造は、前記第1状態のとき、前記第1端を被覆する、ことを特徴とする請求項1に記載の核酸検出キット。
【請求項3】
前記遮断構造は、前記第1状態のとき、前記チャンネル内に設けられる遮断部と、前記第1端を経由して前記接続装置内に挿入される密封部と、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の核酸検出キット。
【請求項4】
前記遮断構造は、温度が0℃~35℃のときに、固体の前記第1状態にあり、
温度が35℃を超えるときに、溶融状態の前記第2状態にある、ことを特徴とする請求項1に記載の核酸検出キット。
【請求項5】
前記遮断構造の材質は、パラフィン、シリコーンワックス、植物系ワックス及びイボタロウのうちの1種又は複数種を含むワックス系物質を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の核酸検出キット。
【請求項6】
前記ワックス系物質の前記遮断構造における含有量は、60wt%以上である、ことを特徴とする請求項5に記載の核酸検出キット。
【請求項7】
前記電気泳動カートリッジは、電気泳動槽と、前記電気泳動槽の内部に設けられるゲル媒体と、前記ゲル媒体の一端に設けられる液注入槽と、をさらに含み、前記接続装置は、前記液注入槽内に挿入され前記第1端から離れる第2端を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の核酸検出キット。
【請求項8】
前記第1端は、前記チャンネルの延伸方向に平行する平面、又は、前記接続装置の中心軸と斜めに設けられる少なくとも1つの斜面を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の核酸検出キット。
【請求項9】
前記斜面と前記接続装置の中心軸との間の夾角は、45°~60°である、ことを特徴とする請求項8に記載の核酸検出キット。
【請求項10】
本体と、
前記本体に設けられる検出カセット取付溝と、
前記検出カセット取付溝に脱着可能に装着される請求項1~9のいずれかに記載の核酸検出キットと、を含む、ことを特徴とする核酸検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸検出キット及び核酸検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、分子診断、形態学、免疫学等に対する検出は、専門の実験室で行われることが多く、従来の検出過程は、中・大型検出装置で核酸増幅を行うステップ、電気泳動検出デバイスに、増幅された核酸を人工的に移行させて電気泳動検出を行うステップ、最後に電気泳動の検出結果を人工的に専用の蛍光分析器に移して結果分析を行うステップを一般的に含む。検出過程全体に必要な設備が複雑で体積が大きく、検出効率が低く、柔軟性が悪く、コストが高く、操作が煩雑であり、オペレータの専門レベルに要求が高く、熟練した技術者による操作が必要であり、ポータブルなホーム検出ができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に鑑み、上記欠点の少なくともの1つを克服するために、核酸検出キットを提供する必要がある。
【0004】
また、本願は、さらに、核酸検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、核酸検出キットを提供し、該核酸検出キットは、カセット本体と、検出チップと、電気泳動カートリッジと、遮断構造と、を含み、前記検出チップは、前記カセット本体内に設けられ、第1カバープレートと、仕切り層と、第2カバープレートとを含み、前記仕切り層の対向する2つの面がそれぞれ前記第1カバープレート及び前記第2カバープレートと接触し、前記第1カバープレート、前記仕切り層及び前記第2カバープレートが囲むことで、チャンネルをなし、前記チャンネルは、液出口を含む。前記電気泳動カートリッジは、前記カセット本体内に設けられ、前記液出口は、前記電気泳動カートリッジと前記チャンネルとを連通させるためのものであり、前記遮断構造は、第1状態及び第2状態を含み、前記遮断構造は、前記第1状態のとき、前記液出口の前記チャンネルに近い側に設けられ、前記チャンネルと前記電気泳動カートリッジを遮断し、前記第2状態のとき、前記液出口から離れることで、前記チャンネルと前記電気泳動カートリッジとを連通させる。
【0006】
本願の実施の形態では、前記電気泳動カートリッジは、接続装置を含み、前記チャンネルが前記接続装置を介して前記電気泳動カートリッジと連通し、前記接続装置は、前記液出口を経由して前記チャンネルに挿入される第1端を含み、前記遮断構造は、前記第1状態のとき、前記第1端を被覆する。
【0007】
本願の実施の形態では、前記遮断構造は、前記第1状態のとき、前記チャンネル内に設けられる遮断部と、前記第1端を経由して前記接続装置内に挿入される密封部と、を含む。
【0008】
本願の実施の形態では、前記遮断構造は、温度が0℃~35℃のときに、固体の前記第1状態にある。前記遮断構造は、温度が35℃を超えるときに、溶融状態の前記第2状態にある。
【0009】
本願の実施の形態では、前記遮断構造の材質は、パラフィン、シリコーンワックス、植物系ワックス及びイボタロウのうちの1種又は複数種を含むワックス系物質を含む。
【0010】
本願の実施の形態では、前記ワックス系物質の前記遮断構造における含有量は、60wt%以上である。
【0011】
本願の実施の形態では、前記電気泳動カートリッジは、電気泳動槽と、前記電気泳動槽の内部に設けられるゲル媒体と、前記ゲル媒体の一端に設けられる液注入槽と、をさらに含み、前記接続装置は、前記液注入槽内に挿入され前記第1端から離れる第2端を含む。
【0012】
本願の実施の形態では、前記第1端は、前記チャンネルの延伸方向に平行する平面、又は、前記接続装置の中心軸と斜めに設けられる少なくとも1つの斜面を含む。
【0013】
本願の実施の形態では、前記斜面と前記接続装置の中心軸との間の夾角は、45°~60°である。
【0014】
本発明は、核酸検出装置をさらに提供し、該核酸検出装置は、本体と、検出カセット取付溝と、以上に記載の核酸検出キットとを含む。前記検出カセット取付溝が前記本体に設けられ、前記核酸検出キットが前記検出カセット取付溝に脱着可能取り付けられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る核酸検出キットは、従来技術に比べて、核酸増幅反応と電気泳動検出とを統合することで、全体構造が簡単であり、検出操作が簡単であり、操作プロセスで専門性に対する要求が低く、検出効率が高く、検出コストを大幅に低減させ、また、検出プロセスの柔軟性が高く、固定された実験室で行われなくてもよく、核酸検出キットがポータブルであり、コミュニティでの検出又は家庭での検出を実現できる。遮断構造を設けることにより、核酸検出キットが移動したり、振動したりすることによる、検出チップ及び電気泳動槽内の液体の混合又は漏れを回避でき、核酸検出キットの信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のある実施の形態による核酸検出キットの構造模式図である。
図2】本発明のある実施の形態による核酸検出キットの他の角度の構造模式図である。
図3】本発明のある実施の形態による核酸検出キットの爆発図である。
図4】本発明のある実施の形態による核酸検出キットが箱体を取り除いた爆発図である。
図5】本発明のある実施の形態による検出チップの断面模式図である。
図6】本発明のある実施の形態による検出チップにおけるTFT駆動回路の構造模式図である。
図7】本発明のある実施の形態による電気泳動カセットの構造模式図である。
図8】本発明のある実施の形態における核酸増幅生成物を接続装置に介して電気泳動カセットに入れた模式図である。
図9】本発明の他の実施の形態における核酸増幅生成物を接続装置に介して電気泳動カセットに入れた模式図である。
図10】本発明のさらに他の実施の形態における核酸増幅生成物を接続装置に介して電気泳動カセットに入れた模式図である。
図11】本発明のある実施の形態に係る液出口に遮断構造が設けられる構造模式図である。
図12】本発明の他の実施の形態に係る液出口に遮断構造が設けられる構造模式図である。
図13】本発明のある実施の形態に係る核酸検出装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の発明を実施するための形態では、上記図面を組み合わせて本発明についてさらに説明する。以下、本発明の実施例の図面を組み合わせ、本発明の実施例の技術的解決手段について明瞭かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。
【0018】
なお、アセンブリが他のアセンブリに「固定」されると呼ばれる場合、他のアセンブリに直接位置してもよいし、又は、介在アセンブリが存在してもよい。1つのアセンブリが他のアセンブリに「接続」されると考えられる場合、他のアセンブリに直接接続されてもよいし、又は、介在アセンブリが同時に存在してもよい。1つのアセンブリが他のアセンブリ「に設けられる」と考えられる場合、他のアセンブリに直接設けられてもよいし、又は、介在アセンブリが同時に存在してもよい。本明細書で使用される「垂直」「水平」「左」「右」の用語及び類似する表現は、説明するためのものである。
【0019】
以下に説明されるシステムの実施の形態は、例示的なものに過ぎず、モジュール又は回路の区分は、論理機能区分に過ぎず、実際の実装においては他の区分であってよい。また、明らかに、「含む」という用語は他のユニットやステップを排除するものではなく、単数は複数を排除するものではない。システムについての請求項に記述された複数のユニット又は装置は、同じユニット又は装置によってソフトウェア又はハードウェアを介して実現されてもよい。第1、第2などの言葉は、名称を表すものであるが、いかなる特定の順序を示すものではない。
【0020】
別途定義がなされていない限り、本明細書において使用される技術・科学用語は、当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本発明の明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。本明細書で使用されるような、用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数の任意の及び全ての組合せを含む。
【0021】
図1図3図5に加え、図8は、本発明の実施例に係る核酸検出キット100であり、核酸検出キット100は、核酸検出を行うためのものである。核酸検出キット100は、カセット本体1と、検出チップ2と、電気泳動カートリッジ3と、コネクター4と、を含む。検出チップ2は、カセット本体1内に設けられ、第1カバープレート21と、仕切り層22と、第2カバープレート23と、を含み、仕切り層22の対向する2つの面がそれぞれ第1カバープレート21及び第2カバープレート23と接触し、第1カバープレート21、仕切り層22及び第2カバープレート23が囲むことで、検出液aを収納するためのチャンネル5をなす。電気泳動カートリッジ3は、カセット1本体内に設けられ且つチャンネル5と連通する。コネクター4は、それぞれ検出チップ2及び電気泳動カートリッジ3に電気的に接続され、外部制御基板に電気的に接続される。核酸検出キット100は、核酸増幅反応及び電気泳動検出を行うためのものであり、核酸サンプルを含む検出液aを検出チップ2のチャンネル5内に加える。なお、検出液aは、チャンネル5内においてビードの形で存在するものであり、検出液aは、チャンネル5内において核酸増幅反応して核酸増幅生成物bが得られ、核酸増幅生成物bは、検出チップ2から直接電気泳動カートリッジ3内に入って電気泳動検出を行い、最後に、核酸検出キット100と協働する画像収集装置は、電気泳動検出の蛍光写真である電気泳動カートリッジ3の画像を撮影する。本発明は、検出チップ2と電気泳動カートリッジ3とをカセット本体1内に集積することで、全体構造が簡単であり、複雑な大型装置が不要であり、コストが低く、検出液aは、核酸増幅終了後に直接電気泳動カートリッジ3に入って電気泳動検出を行うことができ、異なる検出段階のサンプルを移したり、受けたりする過程を簡略化し、検出効率を向上させる。
【0022】
図1図5を参照すると、カセット本体1は、第1ケース11と、第2ケース12と、第2ケース12に設けられる試料添加口13と、第1ケース11に設けられる検出窓14と、を含む。第1ケース11と第2ケース12が囲むことで、収容キャビティ(図示せず)をなし、検出チップ2、電気泳動カートリッジ3及びコネクター4がいずれも収容キャビティ内に収容される。試料添加口13は、検出チップ2に対応して設けられ、検出チップ2内に核酸サンプルを含む検出液aを加えるためのものである。検出窓14は、電気泳動カートリッジ3に対応して設けられ、画像収集装置は、検出窓14を介して電気泳動カートリッジ3の画像を収集できる。
【0023】
図3を参照すると、本実施の形態では、第1ケース11と第2ケース12とは、係合により接続され、また、第1ケース11と第2ケース12とは、係合された後に、四周にねじで締結されてもよく、第1ケース11と第2ケース12との接続堅牢性を向上させる。
【0024】
図1及び図2を参照すると、本実施の形態では、カセット本体1の側壁には、コネクター4が取り付けられる開口17がさらに設けられ、コネクター4全体は、収容キャビティ内に位置して開口17を介してカセット本体1から露出され、それにより、コネクター4と外部制御基板とを電気的に接続しやすくする。
【0025】
図2を参照すると、本実施の形態では、カセット本体1は、第1ケース11に設けられる係止溝15をさらに含み、核酸検出キット100を使用するときに、核酸検出装置内に取り付ける必要があるため、係止溝15を設計することで、核酸検出キット100を使用される核酸検出装置内に取り付けやすい。
【0026】
図1に加え、図13も参照すると、本実施の形態では、第2ケース12の収容キャビティから離れる側に指示マーカー18(たとえば矢印)がさらに設けられ、図13も参照すると、指示マーカー18は、核酸検出キット100を核酸検出装置200に挿入する挿入方向を指示するものであり、挿入エラーを回避する。
【0027】
図3を参照すると、本実施の形態では、カセット本体1内に複数の支持構造16が設けられ、検出チップ2、電気泳動カートリッジ3及びコネクター4は、構造設計上において厚さが異なり、従って、検出チップ2、電気泳動カートリッジ3及びコネクター4を支持し、検出チップ2と、電気泳動カートリッジ3と、コネクター4との間の接続安定性を向上させるために、カセット本体1内に取り付けるとき、高さが異なる複数の支持構造16を設計する必要がある。
【0028】
本実施の形態では、カセット本体1は、プラスチック材質であり、支持構造16、第1ケース11及び第2ケース12は、一体成形構造である。
【0029】
図4及び図5を参照すると、検出チップ2は、第1カバープレート21の第2カバープレート23に近い側に設けられる駆動回路24と、駆動回路24の第2カバープレート23に近い側に設けられる第1誘電体層26と、第2カバープレート23の第1カバープレート21に近い側に設けられる導電層25と、導電層25の第1カバープレート21に近い側に設けられる第2誘電体層27とをさらに含み、駆動回路24及び導電層25がいずれもコネクター4に電気的に接続され、駆動回路24及び導電層25を通電又は停電させることで、検出液aがチャンネル5内において規定されたルートに従って移動することを実現できる。
【0030】
図5及び図6に加え、図1も参照すると、本実施の形態では、駆動回路24は、アレイ状で配置される複数の駆動電極241と、コネクター4に電気的に接続され、すべての駆動電極241に電気的に接続される制御電極242と、を含む。具体的には、駆動回路24は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)駆動回路であり、検出液aが導電性を有するため、エレクトロウェッティング原理(Electrowetting-On-Dielectric、 EWOD)を組み合わせ、検出液aがチャンネル5内に従って移動することを実現できる。TFT原理を用い、ある駆動電極241と導電層25との間の回路を選択的にオンオフにすることができ、それにより、駆動電極241と導電層25との間の電圧を変えることで、検出液aと第1誘電体層26及び第2誘電体層27との間の湿潤特性を変え、さらに検出液aを制御してチャンネル5内において所定のルートに従って移動させる。図5に示すように、検出液aは、電極I、電極H及び電極G上において移動し、電極H上に位置するとき、電極Gと導電層25との間に電圧を印加し、電極Gに電圧Vdを印加し、同時に電極Hと導電層25との間の電圧を切断し、このとき、検出液aと第1誘電体層26及び第2誘電体層27との間の湿潤特性が変わることで、電極Hと検出液aとの間の液体固体接触角が大きくなり、電極Gと検出液aとの間の液体固体接触角が小さくなり、それにより、検出液aを電極Hから電極Gへ移動させる。
【0031】
本実施の形態では、第1誘電体層26及び第2誘電体層27は、いずれも絶縁撥水層であり、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン塗膜であってもよく、絶縁撥水作用を果たすことができるとともに、さらに検出液aを規定されたルートに従ってより順調に移動でき、移動中にビードが切り離されることを回避する。
【0032】
本実施の形態では、図5も参照すると、駆動回路24は、第1カバープレート21のチャンネル5に近い側に設けられる。具体的には、金属エッチング方法又はめっき方法を用いて駆動回路24を形成してもよい。
【0033】
本実施の形態では、制御電極242が第1カバープレート21の同じ縁に集積され、第1カバープレート21の制御電極242が設けられる側をコネクター4内に挿入することで、検出チップ2とコネクター4とを電気的に接続できる。
【0034】
図6に加え、図3及び図8も参照すると、駆動回路24は、異なる用途に応じて、それぞれ試料添加領域A、試薬貯蔵領域B、複数の核酸増幅領域C及び排液領域Dの複数の領域に分けられてもよい。検出チップ2は、試料添加領域Aに対応してチップ試料添加槽6がさらに設けられ、チップ試料添加槽6は、試料添加領域Aと連通し、また、第2カバープレート23における試料添加口13に対応し、試料添加口13から試料添加領域Aに検出液aを加える。試薬貯蔵領域Bは、蛍光試薬(たとえば蛍光染料又は蛍光プローブ)を貯蔵するためのものである。検出液aは、核酸増幅領域Cにおいて核酸増幅反応し、核酸増幅領域Cは、複数の領域を含むことができ、具体的な領域の数は、実際の検出ニーズに応じて決定されてもよい。排液領域Dは、液出口51を含み、チャンネル5が液出口51を介して電気泳動カートリッジ3と連通し、核酸増幅生成物bは、排液領域Dにおいて液出口51を経由して電気泳動カートリッジ3内に入って電気泳動検出を行うことができる。
【0035】
図5及び図6に加え、図8も参照すると、検出チップ2内における検出液aの具体的な移動ルートは、以下のとおりである。検出液aは、試料添加領域Aに入った後、駆動電極241の駆動下で規定されたルートに従って核酸増幅領域Cまで移動して増幅反応し、増幅反応終了後、増幅後の生成物は、試薬貯蔵領域Bまで移動して蛍光試薬と混合され、それにより、蛍光試薬が結合された核酸増幅生成物bが得られ、均一に混合された核酸増幅生成物bは、駆動電極241の駆動下で排液領域Dまで移動し、排液領域Dの液出口51を経由して電気泳動カートリッジ3に入る。
【0036】
本実施の形態では、核酸増幅領域Cの数は、2つであり、2つの前記核酸増幅領域Cの加熱温度が異なることで、検出液aの異なる温度での核酸増幅反応の異なる段階を実現できる。
【0037】
本実施の形態では、検出チップ2を組み立てるとき、蛍光試薬を試薬貯蔵領域B内に予めコーティングしており、その後、蛍光試薬を単独で加える必要がない。
【0038】
図3も参照すると、他の実施の形態では、蛍光試薬をこの後に加えて増幅生成物と混合してもよい。具体的には、検出チップ2には、試薬貯蔵領域Bに対応して試薬槽7が設けられ、核酸検出を行うとき、試薬槽7内に蛍光試薬を添加できる。この設計により、実際のニーズに応じて、蛍光試薬の種類を選択でき、核酸増幅反応の柔軟性を向上させる。
【0039】
図3図5及び図6を参照すると、検出チップ2は、第1カバープレート21及び/又は第2カバープレート23のチャンネル5から離れる側に設けられる加熱ユニット28をさらに含み、加熱ユニット28は、核酸増幅領域Cに対応して設けられ、検出液aを加熱するためのものである。加熱ユニット28は、コネクター4に電気的に接続され、加熱ユニット28によりチャンネル5の特定領域を加熱する。
【0040】
本実施の形態では、加熱ユニット28は、第1カバープレート21及び第2カバープレート23のチャンネル5から離れる側に設けられる。
【0041】
本実施の形態では、加熱ユニット28は、第1カバープレート21及び第2カバープレート23の表面に熱伝導接着剤を介して接着させる。
【0042】
図3及び図5を参照すると、本実施の形態では、第1カバープレート21及び第2カバープレート23は、いずれもガラス板であり、仕切り層22は、両面粘着性フレームであり、両面粘着性フレームを第1カバープレート21及び第2カバープレート23の縁に張り付けることで、密封されたチャンネル5を構成する。実際ニーズに応じて、異なる厚さの仕切り層22を設計することで整チャンネル5の容量を調整できる。
【0043】
本実施の形態では、検出チップ2を組み立てた後、チャンネル5内にシリコーンオイル(図示せず)を注入し、検出液aは、シリコーンオイル内に規定されたルートに従って移動する。
【0044】
図3図4図7及び図8を参照すると、電気泳動カートリッジ3は、電気泳動槽31と、電気泳動槽31の両端に設けられる電気泳動電極32と、電気泳動槽31の内部に設けられるゲル媒体33と、ゲル媒体33の一端に設けられる液注入槽34と、接続装置35と、前記電気泳動槽31内に設けられるぬれ液と、を含む。電気泳動電極32は、コネクター4に電気的に接続され、接続装置35は、第1端351と第2端352と、を含み、第1端351が液出口51を経由してチャンネル5内に挿入され、第2端352が液注入槽34内に挿入され、核酸増幅生成物bは、排液領域Dにおいて液出口51を経由して接続装置35に入り、さらにゲル媒体33の液注入槽34内に入り、それにより、電気泳動検出を行う。
【0045】
図3図4図7及び図8を参照すると、本実施の形態では、電気泳動槽31は、第1カバープレート21の第2カバープレート23から離れる側に位置し、且つ電気泳動槽31の開口が第1カバープレート21の一側に向き、且つ該電気泳動槽31の開口が第1カバープレート21に向く。電気泳動槽31は、透明底板311と、透明底板311に接続される複数の側壁312と、を含み、側壁312の透明底板311から離れる端が第1カバープレート21の下面と接触し、すなわち、電気泳動槽31は、第1カバープレート21を電気泳動槽31のカバープレートとして用いることで、電気泳動カートリッジ3を密封することを実現する。上記設計により、検出チップ2内のシリコーンオイルと電気泳動カートリッジ3内のぬれ液とは、高さ差ΔHが存在することで、チャンネル5内の核酸増幅生成物bが順調に電気泳動カートリッジ3内に入ることができ、また、この構造設計により、空間利用率を向上でき、核酸検出キット100全体の体積を低減させるに有利である。
【0046】
本実施の形態では、側壁312と第1カバープレート21との間にゴムシート(図示せず)が設けられることで、電気泳動カートリッジ3の密封性が向上される。
【0047】
図7を参照すると、電気泳動槽31は、透明底板311に設けられる複数の係止位置313をさらに含み、ゲル媒体33は、略矩形構造であり、複数の前記係止位置313の間に係止できる。係止位置313の設計により、ゲル媒体33の移動転位を防止でき、さらに電気泳動検出の精度を確保する。
【0048】
図3も参照すると、本実施の形態では、透明底板311は、電気泳動結果を観察できる透明ガラス板である。
【0049】
本実施の形態では、係止位置313の数は、4つであり、4つの係止位置313は、それぞれ矩形構造のゲル媒体33の4つの角に位置し、それにより、ゲル媒体33を固定する。
【0050】
再び図4を参照すると、電気泳動槽31は、第1カバープレート21の、電気泳動カートリッジ3に対応する位置に設けられる液注入孔36をさらに含み、液注入孔36を介して電気泳動槽31内にぬれ液(たとえばbuffer)を注入できる。
【0051】
図8図10に加え、図4も参照すると、接続装置35の第1端351が液出口51を経由してチャンネル5内に挿入され、液出口51が第1カバープレート21を貫通する。接続装置35は、毛細管であり、毛細管効果を用いることで、チャンネル5内の核酸増幅生成物bが電気泳動カートリッジ3のゲル媒体33内に入ることができる。図8に示すように、核酸増幅生成物bが順調に電気泳動カートリッジ3内に入るために、第1端351の端面をシリコーンオイルの液面と同一の水平面にする必要があり、すなわち、第1端351は、平面を含む。又は、図9及び図10に示すように、第1端351に少なくとも1つの斜面が設けられ、すなわち、第1端351が接続装置35の中心軸cに対応して斜めに設けられ、この場合、斜面の最低点とチャンネル5の下面との間に段差ΔHが存在し、シリコーンオイルの液面が斜面に位置することで、核酸増幅生成物bが順調に接続装置35内に入ることができる。接続装置35と検出チップ2の組み立て設計では、毛細管原理を用いることで、核酸増幅生成物bが順調に接続装置35内に入ることを確保するために、接続装置35内にぬれ液を十分に充填し、ぬれ液を排液領域Dでの核酸増幅生成物bのビードの表面と接触可能にし、連続的な液流を形成しなければならない。
【0052】
本実施の形態では、斜面と接続装置35の中心軸cとの間の夾角は、45°~60°であり、試験によれば、この角度範囲内において、核酸増幅生成物bが順調に接続装置35に入ってさらにゲル媒体33内に入ることができる。
【0053】
本実施の形態では、図9に示すように、接続装置35の第1端351の一側には、傾斜角度αが45°~60°の斜面が製造され、斜面の設計により、毛細管原理を用いることで、核酸増幅生成物bが順調に接続装置35内に入ってさらにゲル媒体33内に入ることができる。
【0054】
別の実施の形態では、図10に示すように、接続装置35の第1端351の対向する両側には、それぞれ傾斜角度αが45°~60°の斜面が製造され、2つの斜面の設計により、毛細管原理を用いることで、核酸増幅生成物bが順調に接続装置35内に入ってさらにゲル媒体33内に入ることができる。
【0055】
図4を参照すると、電気泳動電極32の一端が電気泳動槽31内に挿入され、他端がコネクター4に電気的に接続される。
【0056】
図3に加え、図8も参照すると、検出チップ2と電気泳動カートリッジ3との間に高さ差ΔHが存在し、通常の安定した状態で、電気泳動カートリッジ3内のぬれ液が接続装置35を介してチャンネル5内に入らない。接続装置35の第1端351の表面がちょうどシリコーンオイルの液面と同一の水平面にあり、安定した状態で、チャンネル5内のシリコーンオイルが接続装置35を介して電気泳動カートリッジ3内に入らない。しかし、核酸検出キット100は、輸送中に、傾斜したり、振動したり、内部圧力が変化したりすると、具体的には、高空低圧(0.2~0.7bar)及び振動テストで模擬でき、検出チップ2のチャンネル5内とチャンネル5外とに圧力差及び振動があるため、チャンネル5内のシリコーンオイルと電気泳動カートリッジ3内のぬれ液が漏れたり、混合されたりする現象が引き起こされ、核酸検出キット100の性能に深刻な影響を与え、さらに、核酸検出キット100を直接廃棄することさえ引き起こし得る。
【0057】
図11に加え、図1も参照すると、上記特殊な場合、チャンネル5内のシリコーンオイルと電気泳動カートリッジ3内のぬれ液が不意に漏れたり、両者が不意に混合したりすることを回避するために、本発明は、遮断構造8を追加することにより、上記問題を解決する。遮断構造8は、第1状態及び第2状態を含み、第1状態のとき、液出口51のチャンネル5に近い側に位置し、検出チップ2のチャンネル5と電気泳動カートリッジ3を遮断でき、第2状態のとき、液出口51から離れることで、チャンネル5と電気泳動カートリッジ3とを連通させる。状態を切り替え可能な遮断構造8を設けることにより、使用前に検出チップ2のチャンネル5内のシリコーンオイルと電気泳動カートリッジ3内のぬれ液が漏れたり、混合したりしないことを確保する。
【0058】
遮断構造8は、温度又は圧力又は溶剤などの異なる外部条件に応じて自体の状態を変更でき、本実施の形態では、温度の変化に応じて、遮断構造8の状態を変えることができる。
【0059】
本実施の形態では、遮断構造8は、温度が0℃~35℃のときに、固体の第1状態にある。遮断構造8は、温度が35℃を超えるときに、溶融状態の第2状態にある。
【0060】
本実施の形態では、遮断構造8は、接続装置35の第1端351を密封する必要がある。
【0061】
図12を参照すると、別の実施の形態では、より良好な密封作用を実現するために、遮断構造8は、第1状態のとき、遮断部81と密封部82と、を含むことができる。遮断部81は、チャンネル5内に設けられ、液出口51及び第1端351の開口を密封し、密封部82は、第1端351を経由して接続装置35内に挿入され、さらに密封作用を強化させる。密封部82は、第1カバープレート21の表面まで延伸し、略T字型の構造をなすことが最適である。この構造により、遮断構造8のチャンネル5及び接続装置35内の付着面積が大きくなり、外力のため、遮断構造8が不意に欠落し、密封できなくなることがない。
【0062】
本実施の形態では、遮断構造8は、パラフィン、シリコーンワックス、植物系ワックス及びイボタロウなどのうちの1種又は複数種、低温成形性を有するワックス状物質を主剤として用い、異なる流動性を有する溶剤を添加して混合して、遮断作用を有する高分子シール材を形成する。核酸検出キット100の組み立てでは、上記高分子シール材を液出口51のチャンネル5に近い側にコーティング又はコンマコートし、さらに上記遮断構造8を形成し、密封作用を実現する。パラフィンの分子式は、CnH2(n+2)であり(ただし、n=20~40)、天然又は人工石油のワックス含有留分を冷圧プレス又は溶剤脱ロウ、発汗などの方法で製造される。シリコーンワックスは、シロキサン(Si-O-Si)官能基とその他の有機材料をグラフトして再構築したワックスのような材料であり、一般的に、適度な硬度、親油性と疎水性を持ち、滑らかで、柔らかく、光沢のある効果がある。植物系ワックスとは、通常、脂肪酸、一価または二価の脂肪アルコール、およびより高い融点を持つ油性物質を指し、一般的に、木ロウ、大豆ロウ、パームワックス、ライスワックスなどがある。イボタロウオイルは、通常、鉱物オイル、液体パラフィンなどである。溶媒は、主剤に適合させることができる一般的な溶媒であり得る。
【0063】
本実施の形態では、高分子シール材の組成比は、ほぼ、溶剤 0~40wt%、主剤 60~100wt%であり、実際の必要に応じて調整することができる。
【0064】
本実施の形態では、高分子シール材は、80wt%~99wt%のパラフィン又はシリコーンワックス及び1wt%~2wt%の鉱物油又は潤滑油を含む。この高分子シール材で製造される遮断構造8は、核酸検出キット100が輸送などにおいて、溶解、落下、または変形しないことを保証するとともに、高空低圧での内圧差に耐えることができ、それにより、検出チップ2内のシリコーンオイルと電気泳動カートリッジ3内のぬれ液の不意な漏洩や混合を回避できる。
【0065】
本実施の形態では、上記高分子シール材の貯蔵環境の温度が一般的に0℃~35℃であり、核酸検出キット100を使用しない場合、遮断構造8は、第1状態(すなわち、固体)にある。この高分子シール材の溶融温度は、一般的に35℃~60℃であるか、性能要件に応じて上下に調整できるため、核酸増幅反応開始後に溶解することができ、遮断構造8は、第2状態(すなわち、溶融状態)になり、これにより、検出チップ2と電気泳動カートリッジ3とを連通させる。
【0066】
本発明の遮断構造8で用いられる高分子シール材は、核酸検出キット100の正常動作に影響を与えることなく、遮断の目的を実現できる。遮断構造8は、熔融後に液体になり、シリコーンオイルと比重の違いにより、シリコーンオイルの上に浮いたり、シリコーンオイルの下に沈んだりし、その成分は基本的に不活性物質であり、シリコーンオイルと反応しない。シリコーンオイルと混合しても、シリコーンオイルと上記高分子シール材は、C-H又はC-H-O-Si-O構造であるため、核酸検出キット100の生物学的反応に影響を与えない。電気泳動カートリッジ3内のぬれ液は、主に水性buffer液であり、油と水は混ざり合わないので、電気泳動カートリッジ3内の電気泳動検出プロセスに影響を与えない。
【0067】
本発明の上記遮断検出チップ2と電気泳動カートリッジ3の方法は、本願の核酸検出キット100の適用シーンに限られず、その他の関連する医療用生体検出装置又はセンサにも適用でき、2種の液体を分離し、2種の液体の不意な漏洩や混合を回避できる
【0068】
図13を参照すると、本発明は、核酸検出装置200をさらに提供し、核酸検出装置200は、本体201と、以上に記載の核酸検出キット100と、を含み、本体201に検出カセット取付溝202が設けられ、核酸検出キット100が検出カセット取付溝202内に取り付けられる。
【0069】
本発明に係る核酸検出キットは、従来技術に比べて、核酸増幅反応及び電気泳動検出を統合することで、全体構造が簡単であり、検出操作が簡単であり、操作プロセスで専門性に対する要求が低く、検出効率が高く、検出コストを大幅に低減させ、また、検出プロセスの柔軟性が高く、固定された実験室で行われなくてもよく、検出装置がポータブルであり、コミュニティでの検出又は家庭での検出を実現できる。遮断構造を設けることにより、核酸検出キットが移動したり、振動したりすることによる、検出チップ及び電気泳動槽内の液体の混合又は漏れを回避でき、核酸検出キットの信頼性を向上させる。
【符号の説明】
【0070】
核酸検出キット…100、カセット本体…1、第1ケース…11、第2ケース…12、試料添加口…13、検出窓…14、係止溝…15、支持構造…16、開口…17、指示マーカー…18、検出チップ…2、第1カバープレート…21、仕切り層…22、第2カバープレート…23、駆動回路…24、駆動電極…241、制御電極…242、導電層…25、第1誘電体層…26、第2誘電体層…27、加熱ユニット…28、チャンネル…5、液出口…51、電気泳動カートリッジ…3、電気泳動槽…31、透明底板…311、側壁…312、係止位置…313、電気泳動電極…32、ゲル媒体…33、液注入槽…34、接続装置…35、第1端…351、第2端…352、液注入孔…36、コネクター…4、チップ試料添加槽…6、試薬槽…7、遮断構造…8、遮断部…81、密封部…82、検出液…a、核酸増幅生成物…b、中心軸…c、試料添加領域…A、試薬貯蔵領域…B、核酸増幅領域…C、排液領域…D、核酸検出装置…200、本体…201、検出カセット取付溝…202、高さ差…ΔH1、段差…ΔH2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13