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特開2022-58288スライドトラックおよび関連するサスペンションストラットを設けたロータリーサスペンションスラストベアリング
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  • 特開-スライドトラックおよび関連するサスペンションストラットを設けたロータリーサスペンションスラストベアリング 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058288
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】スライドトラックおよび関連するサスペンションストラットを設けたロータリーサスペンションスラストベアリング
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/54 20060101AFI20220404BHJP
   F16F 9/32 20060101ALI20220404BHJP
   B60G 11/16 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
F16F9/54
F16F9/32 B
B60G11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021161062
(22)【出願日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】2010012
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】508275098
【氏名又は名称】エヌティエヌーエスエヌアール・ルルマン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マティアス,ペドロ
(72)【発明者】
【氏名】プロイ-ソラリ,ヴィンセント
【テーマコード(参考)】
3D301
3J069
【Fターム(参考)】
3D301AA74
3D301CA09
3D301DA08
3D301DA33
3D301DB17
3J069AA50
3J069CC02
3J069CC34
3J069DD47
(57)【要約】
【課題】従来技術の欠点を克服し、軸方向にコンパクトなロータリースラストベアリングを提案する。
【解決手段】ロータリースラストベアリング(18)は、少なくとも第1の上部環状スライドトラック(36)を設けた固定カバー(20)と、下部剛性回転支持体(22)とを備え、下部剛性回転支持体(22)は、コイルサスペンションばね(12)のための環状支持領域(46)と、第1の下部環状スライドトラック(56)とを備え、第1の下部環状スライドトラック(56)は、第1の上部スライドトラック(36)と共に、下部支持体(20)をカバー(20)に対して自由回転させながら、カバー(20)に適用される軸方向力を下部支持体(22)に伝達するのに適した第1のスライドベアリング(58)を生成している。環状支持領域(46)は、半径方向外側に、かつ第1のスライドベアリング(58)の上方の所定の距離に軸方向に、配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリーサスペンションスラストベアリング(18)であって、
前記ロータリースラストベアリング(18)の基準軸(100)および上方軸方向(102)を規定する少なくとも第1の上部環状スライドトラック(36)を設けた固定カバー(20)であって、前記第1の上部環状スライドトラック(36)が、前記上方軸方向(102)と反対方向に軸方向に回転され、前記カバー(20)は、半径方向外側に回転する第2の上部環状スライドトラック(40)を備える、固定カバー(20)と、
コイルサスペンションばね(12)および第1の下部環状スライドトラック(56)のための環状支持領域(46)を含む下部剛性回転支持体(22)であって、前記環状支持領域(46)が、前記上方軸方向(102)と反対方向に軸方向に回転され、前記第1の下部環状スライドトラック(56)は、前記第1の上部環状スライドトラック(36)と共に、前記下部支持体(20)を前記基準軸を中心に前記カバー(20)に対して自由回転させながら前記上方軸方向(102)と反対の下方軸方向に前記カバー(20)に適用される軸方向力を前記下部支持体(22)に伝達するのに適した第1のスライドベアリング(58)を生成するように、前記第1の上部環状スライドトラック(36)に面して配置され、かつ前記第1の上部環状スライドトラック(36)に向かって回転され、前記下部支持体(22)が、前記第2の上部環状スライドトラック(40)と共に、前記基準軸(100)を中心に前記カバー(20)に対して前記下部支持体(22)を半径方向に案内するために第2のスライドベアリング(62)を生成するように、前記第2の上部環状スライドトラック(40)に面して配置され、かつ前記第2の上部環状スライドトラック(40)に向かって回転される、第2の下部環状スライドトラック(60)を備える、下部剛性回転支持体(22)と、を備え、
前記環状支持領域(46)が、前記基準軸(100)および前記上方軸方向(102)に対して、半径方向外側に、かつ前記第1のスライドベアリング(58)の上の所定の距離に軸方向に配置されており、
前記第2のスライドベアリング(62)が、前記基準軸(100)および前記上方方向(102)に関して、前記第1のスライドベアリング(58)の上の所定の距離で軸方向に、かつ前記環状支持領域(46)と前記第1のスライドベアリング(58)との間で軸方向に形成されており、
前記第2のスライドベアリング(62)が、前記基準軸(100)に関して、前記環状支持領域(46)と前記第1のスライドベアリング(58)との間で軸方向に形成されていることを特徴とする、ロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項2】
前記第1の上部環状スライドトラック(36)が、第1の潤滑フィルムのみが介在して前記第1の下部環状スライドトラック(56)上にあることを特徴とする、請求項1に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項3】
以下の条件のうちの1つ以上を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18):
-前記第1の下部環状スライドトラック(56)および前記第1の上部環状スライドトラック(36)は、平坦である;
-前記第1の上部環状スライドトラック(36)および前記第1の下部環状スライドトラック(56)のうちのスライドトラックは、くぼみを有する。
【請求項4】
前記ロータリースラストベアリングが、少なくとも部分的に前記カバーのハウジング(31)に収容され、かつサスペンションショックアブソーバピストンロッド(14)に固定されるように意図されたフィルタカートリッジ(32)を備え、前記フィルタカートリッジ(32)が、前記基準軸(100)に垂直な突起面上にある前記フィルタカートリッジ(32)の直交突起が、前記基準軸(100)に垂直な突起面上にある前記第1のスライドベアリング(62)の直交突起と交差するように配置されていることと、前記基準軸(100)上にある前記フィルタカートリッジ(32)の直交突起が、前記基準軸(100)上にある前記第2のスライドベアリング(62)の直交突起と交差し、前記フィルタカートリッジが、前記基準軸(100)および前記上方向(102)に関して、前記第1のスライドベアリング(58)の上に軸方向に、かつ前記第2のスライドベアリング(62)の半径方向内側に配置されていることとを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング。
【請求項5】
前記カバーが、底壁(28)、および前記底壁(28)を取り囲み、かつ前記底壁(28)から前記上方軸方向(102)に突出する側壁(30)を形成する構造部(24)を備え、前記底壁(28)および前記側壁(30)が、前記フィルタカートリッジ(32)のために前記ハウジング(31)を区切っていることを特徴とする、請求項4に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング。
【請求項6】
前記構造部(24)はまた、車両本体に固定するためのインターフェース(26)を含むことを特徴とする、請求項5に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング。
【請求項7】
以下の条件のうちの1つ以上を満たすことを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18):
-前記第2の下部環状スライドトラック(60)および前記第2の上部環状スライドトラック(40)は、円筒形である;
-前記第2の上部スライドトラック(40)および前記第2の下部スライドトラック(60)のうちのスライドトラックは、くぼみを有する。
【請求項8】
前記下部支持体(22)が、軸方向に延び、半径方向外側に回転される第1の外部環状面(50)を有し、前記支持領域(46)の半径方向内側に配置されて、コイルばね(12)の半径方向センタリングを提供する、環状センタリング壁(48)と、半径方向内側に回転され、前記第2の下部スライドトラック(60)が形成される、内側環状面とを備えることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項9】
前記下部支持体(22)が、ショックダンパー(16)のための環状ベアリング壁(44)を備え、前記環状ベアリング壁(44)が、前記環状支持領域(46)の半径方向で内側に配置されており、前記第1の下部環状スライドトラック(56)が、前記環状ベアリング壁(44)の上面に形成されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項10】
前記下部支持体(22)が、前記環状支持領域(46)、前記第1の下部環状スライドトラック(56)、および適用可能であるならば、前記第2の下部スライドトラック(60)を形成する金属シートを含むことを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項11】
前記環状支持領域(46)と重なり合い、かつ前記環状支持領域(46)と前記コイルサスペンションばね(12)との間に介在するように意図された環状濾過部(54)も備えることを特徴とし、前記環状濾過部(54)が、好ましくは、機械的および/または化学的に、特に熱収縮、接着および/またはオーバーモールドによって、前記下部支持体(22)に接続されている、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項12】
以下の条件のうちの1つ以上を満たすことを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18):
-前記カバー(20)は、前記下部支持体(22)上に形成された内側環状座部(66)上にスライド接触する内側リングシール(64)を備え、前記内側リングシール(64)は、前記第1のスライドベアリング(58)の半径方向内側に配置されている;
-前記カバー(20)は、前記下部支持体(22)上に形成された外側環状座部(70)上にスライド接触する外側リングシール(68)を備え、前記外側リングシール(70)は、前記第1のスライドベアリング(58)の半径方向外側に配置され、適用可能である場合、前記第2のスライドベアリング(62)の外側に配置される。
【請求項13】
前記カバー(20)が、前記第1の上部環状スライドトラック(36)および前記第2の上部環状スライドトラック(40)が形成された少なくとも1つのガイド部(38、42、72)を備え、前記ガイド部が、ポリマー材料、好ましくは高密度ポリマー、好ましくは高密度ポリエチレン、好ましくは潤滑粒子を装填したものから形成されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項14】
前記カバーが、車両本体に固定するためのインターフェース(26)を備え、前記ガイド部分(38、42、72)が固定される構造部分(24)を備えることを特徴とする、請求項13に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項15】
前記カバー(20)および前記下部支持体(22)が、補完的な結合形状(68、70;80、82、168、170)を設け、前記基準軸(100)を中心とした前記カバー(20)に対する前記下部支持体(22)の回転に対抗することなく、前記軸方向での前記カバー(20)と前記下部支持体(22)との間の弾性結合を介した凝集を可能にすることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項16】
前記補完的な結合形状(68、70;80、82、168、170)が、前記基準軸(100)に対して、前記第1のスライドベアリング(58)の軸方向上方に配置されていることを特徴とする、請求項15に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項17】
前記補完的な結合形状(68、70;80、82、168、170)が、前記基準軸(100)に対して、環状支持領域(46)の軸方向下方に配置されていることを特徴とする、請求項15または16に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項18】
前記補完的な結合形状(80、82)が、前記基準軸(100)に対して、環状支持領域(46)の半径方向内側に配置されていることを特徴とする、請求項15~17のいずれか一項に記載のロータリーサスペンションスラストベアリング(18)。
【請求項19】
自動車ステアードホイールのためのサスペンションストラット(10)であって、コイルばね(12)を備え、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリースラストベアリング(18)も備え、前記支持領域(46)が、前記コイルばね(12)の上部コイル上に直接または介在する環状濾過部(54)と共に当接し、場合によっては、以下の特徴のうちの1つ以上を、好ましくは、満たすことを特徴とする、自動車ステアードホイールのためのサスペンションストラット(10):
-前記ロータリースラストベアリング(18)は、請求項6~8のいずれか一項に記載のものであり、前記サスペンションストラットは、ショックアブソーバピストンロッド(14)ロッドを有する伸縮性ショックアブソーバも含み、その一端は、前記ロータリーショックアブソーバ(18)の前記ハウジング(31)に収容されたフィルタカートリッジ(32)に固定されている;
-前記ロータリースラストベアリングは、請求項11に記載のものであり、前記サスペンションストラットは、前記環状ベアリング壁(44)と前記ショックアブソーバの本体との間に配置されたショックダンパー(16)も備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドトラックを設けたロータリーサスペンションスラストベアリングに関する。
【0002】
従来技術
車両ホイール、特にステアードホイール上で車体を支持するために、通常、コイルばねと、コイルばねの内部に収容された伸縮性ショックアブソーバとを含むサスペンションストラットが提供される。サスペンションストラットと車両の本体との間のインターフェースは、通常、ロータリースラストベアリングによって提供され、このロータリースラストベアリングは、本体に取り付けられることが意図された固定カバーと、固定カバーに対して回転するように案内され、コイルばねの上端に載置される下部回転支持体とを含む。回転ベアリングまたはスライドベアリングによって、下部回転支持体と固定カバーとの間の案内が生じる場合があり、第2のオプションは、かさばりが少ないことを証明する。このタイプのロータリーサスペンションスラストベアリングは、文書FR2803561に示されており、2つの反対側の平面環状スライドトラックによって形成されたスライドベアリングを有し、一方の平面環状スライドトラックはカバー上に形成され、他方は下部支持体上に形成され、下部支持体上に形成されたコイルばねのための環状支持領域のすぐ上において、スラストベアリングの回転軸から、コイルばねと同じ距離に位置している。また、ロータリースラストベアリングのカバーには、スラストベアリングが軸方向に比較的かさばるように、スライドベアリングの軸方向上方に配置されたオーバーモールドフィルタユニットが装備されている。
【0003】
概ね類似した構成を有するロータリーサスペンションスラストベアリングは、文書JP2001/099218に示されている。変形例によると、スライドベアリングのスライドトラックは、コイルばねのための支持領域の軸方向上方に維持されながら、支持領域よりもスラストベアリングの回転軸に近い。カバーは、伸縮性ショックアブソーバのピストンロッドの端部に固定するためのフィルタユニットのハウジングを形成する。コイルばねのための環状支持部は、軸方向でフィルタユニットから所定の距離にかつフィルタユニットの下に配置されており、ロータリースラストベアリングの軸方向コンパクト性は最適化されていない。
【0004】
文書US4969752およびUS8066435に示されているスライドベアリングを備えたロータリーサスペンションスラストベアリングはまた、カバーと車両の本体との間で、スライドベアリングの上に配置されたフィルタユニットを組み込んでおり、スライドベアリング自体は、コイルばねの当接領域の上の所定の距離に位置している。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、従来技術の欠点を克服し、軸方向にコンパクトなロータリースラストベアリングを提案することを目的とする。
【0006】
したがって、本発明の第1の態様によれば、ロータリーサスペンションスラストベアリングは、
-ロータリースラストベアリングの基準軸および上方軸方向を規定する少なくとも第1の上部環状スライドトラックを設けた固定カバーであって、第1の上部環状スライドトラックは、上方軸方向と反対方向に軸方向に回転され、カバーは、半径方向外側に回転する第2の上部環状スライドトラックを備える、固定カバーと、
-コイルサスペンションばねおよび第1の下部環状スライドトラックのための環状支持領域を含む下部剛性回転支持体であって、環状支持領域は、上方軸方向と反対方向に軸方向に回転され、第1の下部環状スライドトラックは、第1の上部環状スライドトラックと共に、下部支持体を基準軸を中心にカバーに対して自由回転させながら、上方軸方向と反対の下方軸方向にカバーに適用される軸方向力を下部支持体に伝達するのに適した第1のスライドベアリングを生成するように、第1の上部環状スライドトラックに面して配置され、かつ第1の上部環状スライドトラックに向かって回転され、環状支持領域は、基準軸に対してかつ上方軸方向に対して、半径方向外側に、かつ第1のスライドベアリングの上方の所定の距離に軸方向に、配置されている、下部剛性支持体とを備える。
【0007】
本発明によれば、下部支持体は、第2の下部環状スライドトラックと共に、基準軸を中心にカバーに対して下部支持体を半径方向に案内するための第2のスライドベアリングを生成するように、第2の上部環状スライドトラックに面して配置され、かつ第2の上部環状スライドトラックに向かって回転される、第2の下部環状スライドトラックを備える。第2のスライドベアリングは、基準軸および上方方向に関して、第1のスライドベアリングの上の所定の距離で軸方向に、かつ環状支持領域(46)と第1のスライドベアリング(58)との間で軸方向に形成されている。
【0008】
ロータリースラストベアリングは、第1のスライド軸受および環状支持領域により、カバーに適用される支持力をコイルばねに伝達することを可能にし、かつ環状支持領域に基準軸を中心とした回転自由度を与えることにより、その第1の機能を果たす。
【0009】
基準軸に対して環状支持領域に関して軸方向および半径方向にセットバックした第1のスライドベアリングを配置することによって、底壁の上に軸方向に、かつ環状支持領域の半径方向内側に配置された体積が提供され、これは、適用可能であるならばフィルタカートリッジを組み込んだ伸縮性ショックアブソーバのピストンロッドの端部を固定する機能を特に果たす場合がある。この体積は、環状支持領域と底壁との間の軸方向距離と共に増加し、好ましくは5mmより大きく、さらにより好ましくは10mmより大きい。
【0010】
第1の上部スライドトラックおよび第1の下部スライドトラックは、第1の上部スライドトラックおよび第1の下部スライドトラックに対して自由に回転するために、第1のスライドパッドが介在しながら互いに当接する場合がある。しかしながら、軸方向バルクを最小限に抑えるために、第1の上部環状スライドトラックが、第1の潤滑フィルムのみが介在しながら第1の下部環状スライドトラックに当接する配置が好ましい。
【0011】
より大きなコンパクト性のために、第2のスライドベアリングは、基準軸および上方方向に関して、第1のスライドベアリングの上の所定の距離で軸方向に、かつ環状支持領域と第1のスライドベアリングとの間で半径方向に形成されている。さらに、第2のスライドベアリングは、基準軸に関して、環状支持領域と第1のスライドベアリングとの間で軸方向に形成されている。
【0012】
好ましくは、以下の条件のうちの1つ以上が満たされる。
-第1の下部環状スライドトラックおよび第1の上部環状スライドトラックは平坦である;
【0013】
第1の上部環状スライドトラックおよび第1の下部環状スライドトラックのうちのスライドトラックは、くぼみを有する。特に有利な実施形態によれば、ロータリースラストベアリングが、少なくとも部分的にカバーのハウジングに収容され、かつサスペンションショックアブソーバピストンロッドに固定されるように意図されたフィルタカートリッジを備え、フィルタカートリッジが、基準軸に垂直な突起面上にあるフィルタカートリッジの直交突起が、基準軸に垂直な突起面上にある第1のスライドベアリングの直交突起と交差するように配置されており、基準軸上にあるフィルタカートリッジの直交突起が、基準軸上にある第2のスライドベアリングの直交突起と交差し、フィルタカートリッジが、基準軸および上方向に関して、第1のスライドベアリングの上に軸方向に、かつ第2のスライドベアリングの半径方向内側に配置されている。好ましくは、カバーが、底壁、および底壁を取り囲み、かつ底壁から上方軸方向に突出する側壁を形成する構造部を備え、底壁および側壁が、フィルタカートリッジのためにハウジングを区切っている。好ましくは、構造部はまた、車両本体に固定するためのインターフェースを備える。
【0014】
好ましくは、以下の条件のうちの1つ以上が満たされる。
-第2の下部環状スライドトラックおよび第2の上部環状スライドトラックは円筒形である;
-第2の上部スライドトラックおよび第2の下部スライドトラックのうちのスライドトラックは、くぼみを有する。
【0015】
一実施形態によれば、下部支持体は、軸方向に延び、半径方向外方へ回転される第1の外部環状面を有し、支持領域の半径方向内側に配置されて、コイルばねの半径方向センタリングを提供する、環状センタリング壁と、半径方向内側に回転され、第2の下部スライドトラックが形成される、内側環状面とを備える。
【0016】
一実施形態によれば、下部支持体は、ショックダンパーのための環状ベアリング壁を備え、環状ベアリング壁は、環状支持領域の半径方向で内側に配置されており、第1の下部環状スライドトラックは、環状ベアリング壁の上面に形成されている。ショックダンパーの機能は、伸縮性ショックアブソーバがサスペンションから完全に引き出されたときに衝撃エネルギーを吸収することである。誘発される減衰力は、下部支持体および第1のスライドベアリングにより車体に伝達される。
【0017】
一実施形態によれば、下部支持体が、環状支持領域、第1の下部環状スライドトラック、および適用可能であるならば、第2の下部スライドトラックを形成する金属シートを含む。適用可能である場合、金属シートは、環状センタリング壁および/または環状ベアリング壁を形成する。下部支持体は、適用可能である場合、この金属板のみで形成される場合がある。
【0018】
一実施形態によれば、ロータリーサスペンションスラストベアリングは、環状支持領域と重なり合い、かつ環状支持領域とコイルサスペンションばねとの間に介在するように意図された環状濾過部をも備え、環状濾過部は、好ましくは、機械的および/または化学的に、特に熱収縮、接着および/またはオーバーモールドによって、下部支持体に接続されている。
【0019】
第1のスライドベアリング、および適用可能である場合は第2のスライドベアリングを保護するために、次の条件のうちの1つ以上を満たすべきである:
-カバーは、下部支持体上に形成された内側環状座部上にスライド接触する内側リング座部を備え、内側リングシールは、第1のスライドベアリングの半径方向内側に配置されている;
-カバーは、下部支持体上に形成された外側環状座部上にスライド接触する外側リングシールを備え、外側リングシールは、第1のスライドベアリングの半径方向外側に配置され、適用可能である場合、第2のスライドベアリングの外側に配置される。
【0020】
適用可能である場合、外側または内側リングシールは、車両に取り付ける前にロータリーサスペンションスラストベアリングの凝集を与えるために、関連する環状座部と共に弾性カップリングを形成する場合がある。
【0021】
一実施形態によれば、カバーは、第1の上部環状スライドトラックが形成され、適用可能である場合、第2の上部環状スライドトラックが形成される少なくとも1つのガイド部分を備え、ガイド部分は、ポリマー材料、好ましくは高密度ポリマー、好ましくは高密度ポリエチレン、好ましくは潤滑粒子を装填したものから形成されている。適用可能である場合、カバーはプラスチック材料から形成された部品から製造される場合がある。あるいは、カバーは、車両本体に固定するためのインターフェースを備え、ガイド部分が固定される構造部品を含む場合がある。
【0022】
車両に取り付ける前のロータリースラストベアリングのための凝集を提供するために、カバーおよび下部支持体は、相補的な結合形状を設けている場合があり、これは、基準軸を中心としたカバーに対する下部支持体の回転に対抗することなく、軸方向においてカバーと下部支持体との間の弾性結合を通じた凝集を可能にする。相補的なカップリング形状は、基準軸に対して、第1のスライドベアリングの軸方向上方に、および/または環状支持領域(46)の軸方向下方に、および/または環状支持領域の半径方向内側に配置されてもよい。
【0023】
本発明の別の態様によれば、該発明は、コイルばねを備え、先行請求項のいずれか一項に記載のロータリースラストベアリングも備える、自動車ステアードホイールのためのサスペンションストラットに関し、支持領域は、コイルばねの上部コイルに直接または介在する管状濾過部分と共に当接している。
【0024】
好ましくは、サスペンションストラットはまた、ショックアブソーバピストンロッドを有する伸縮性ショックアブソーバを備え、その一端は、ロータリーショックアブソーバのハウジングに収容されたフィルタカートリッジに固定されている。
【0025】
好ましくは、サスペンションストラットはまた、環状ベアリング壁とショックアブソーバの本体との間に配置されたショックダンパーを備える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の説明を読むことによって顕在化するであろう。
図1】本発明の第1の実施形態によるロータリーサスペンションスラストベアリングを組み込んだ、自動車ステアードホイール用のサスペンションストラットの上部の軸方向断面である。
図2】本発明の第2の実施形態によるロータリーサスペンションスラストベアリングを組み込んだ、自動車ステアードホイール用のサスペンションストラットの上部の軸方向断面である。
図3図2のロータリーサスペンションスラストベアリングの特定の部分の分解等角図である。
図4】本発明の第3の実施形態によるロータリーサスペンションスラストベアリングを組み込んだ、自動車ステアードホイール用のサスペンションストラットの上部の軸方向断面である。
【0027】
より明確にするために、同じまたは類似の要素は、すべての図において、同じ参照符号で識別されている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、コイルばね12と、ショックアブソーバ本体内でスライドするショックアブソーバピストンロッド14を有する伸縮性ショックアブソーバと、伸縮性ショックアブソーバの圧縮ストロークの終わりに到達を減衰させるショックダンパー16を備える、自動車ステアードホイール用のサスペンションストラット10の上部を示す。これらの要素を車両の本体とインターフェースするために、サスペンションストラットはまた、ロータリースラストベアリング18を備え、ロータリースラストベアリング18は、車両本体に固定されることが意図された固定カバー20と、下部剛性回転支持体22とを備える。
【0029】
この第1の実施形態では、固定カバーは、構造環状部分24を備え、構造環状部分24は、車体に固定するためのインターフェース26と、底壁28と、底壁28を取り囲みかつ該底壁を前記固定インターフェース26に接続する管状側壁30を形成している。底壁28および管状側壁30は、共に、ショックアブソーバピストンロッド14の上端が固定されたフィルタカートリッジ32を収容するための中空部31を形成している。
【0030】
構造環状部分24は、特に、ポリマー材料、好ましくは高密度ポリマー、好ましくは高密度ポリエチレンから形成されてもよい。固定要素34、例えば、スリーブ、ナット、またはねじ付きロッドは、固定インターフェース26にオーバーモールドされるかまたは任意の他の手段で組み込まれてもよく、該要素が支持されるために受ける制約を可能にする任意の材料で作られてもよい。
【0031】
第1の上部環状スライドトラック36は、底壁28上に形成されており、ロータリースラストベアリング18の基準軸100および上方軸方向102を規定しており、第1の上部環状スライドトラック36は、上方軸方向102と反対方向に軸方向に回転される。第1の上部環状スライドトラック36は、構造環状部分24上に追加されたガイド部分38に形成されてもよく、例えば、構造環状部分24にオーバーモールドされ、接着され、結合され、または熱収縮されてもよい。あるいは、該第1の上部環状スライドトラックは、上方軸方向102と反対方向に軸方向に回転した底壁28の面によって直接形成されてもよい。
【0032】
第2の上部環状スライドトラック40は、管状壁30上に形成され、かつ半径方向外側に回転される。第2の上部環状スライドトラック40は、構造環状部分24上に追加されたガイド部分42に形成されてもよく、例えば、構造環状部分24にオーバーモールドされ、接着され、結合され、または熱収縮されてもよい。あるいは、該第2の上部環状スライドトラックは、半径方向外側に回転された管状壁30の面によって直接形成されてもよい。
【0033】
第1の上部環状スライドトラック36および第2の上部環状スライドトラック42が形成される1つまたは複数の部分は、好ましくは高密度ポリマー、好ましくは高密度ポリエチレンで作られ、好ましくは潤滑粒子が装填されるべきである。第1の上部環状スライドトラック36および第2の上部環状スライドトラック42が、構造環状部分24に追加されたガイド部38、42上に形成される場合、該構造環状部分は、適用可能であるならば低品位材料、例えばポリマー、特に高密度ポリマー、例えば高密度ポリエチレンから構成されてもよい。
【0034】
この実施形態では、下部支持部22は、剛性板金、好ましくは鋼または軽合金で作られた板金で作られた部分によって形成され、これは、カバー20の底壁28と重なり合う環状ベアリング壁44、上方方向102に環状ベアリング壁44からの距離で軸方向にコイルばね12の支持領域46を形成する平坦な環状周辺壁、およびカバーの管状壁30と重なり合う管状センタリング壁48を含み、これは、環状ベアリング壁44から上方軸方向102に突出して、環状ベアリング壁44を支持領域46に接続している。実質的に円筒形の管状センタリング壁48は、好ましくは、半径方向に外側に回転され、支持領域46の半径方向内側に配置されて、コイルばね12のために半径方向センタリングを提供する、円筒形の外側環状面50を有する。下部支持体22のベアリング壁44は、基準軸100に中心合わせされた、ショックアブソーバピストンロッド14によって横断される開口部52を備え、ショックアブソーバピストンロッド14を取り囲むショックスラストベアリング16の支持体を形成している。
【0035】
厳密には、下部支持体22に属さない任意の環状濾過部54は、環状支持領域46にわたってコイルばね12の力を分散する際の改善された均一性のために、および適用可能であるならば改善された音響および振動絶縁のために、環状支持体46とコイルばね12との間に介在させられてもよい。環状濾過部分54は、任意の適切な手段、特に熱収縮、接着、結合またはオーバーモールドによって、環状支持領域46と重なるように下部支持体22に固定されてもよい。あるいは、該環状濾過部分は、コイルばね12上でオーバーモールドされてもよい。
【0036】
下部支持体22は、第1の上部環状スライドトラック36と共に、基準軸100を中心に固定カバー20に対して自由に回転する下部回転支持体22を残しながら、上方軸方向102と反対の下方軸方向でカバー20に適用される軸方向の力を下部支持体22に伝達するのに適した第1のスライドベアリング58を生成するように、環状ベアリング壁44の上面によって直接形成され、第1の上部環状スライドトラック36に向かって回転され、かつ第1の上部環状スライドトラック36に直接向かって配置された、第1の下部環状スライドトラック56を備える。
【0037】
下部支持体22はまた、第2の上部環状スライドトラック40と共に、基準軸100の周りで固定カバー20に対して回転する下部支持体22を誘導する第2のスライドベアリング62を生成するように、環状センタリング壁48の面上に直接形成され、第2の上部環状スライドトラック40に向かって回転され、かつ第2の上部環状スライドトラック40に直接面するように配置された、第2の下部環状スライドトラック60を備える。
【0038】
十分に低い摩擦係数を得て、摩耗を制限するために、第1の下部環状スライドトラック56および第2の下部環状スライドトラック60は、低い粗さ係数Ra、好ましくは0.2未満を有するように生成され、これは、研磨することによって、または低い摩擦係数を得ることを可能にする低い粗さを有する材料で下部支持体22を形成する金属シートを少なくとも局所的に覆うことによって得られる場合がある。適用可能であるならば、金属シートは、低い摩擦係数を生成するのに役立つ低い粗さを有するこの材料の膜で完全にコーティングされてもよく、これは次いで、防食機能も果たす。あるいは、金属シートは、下部環状スライドトラック56、60以外の下部支持体22の部分に防食処理を施されてもよい。
【0039】
好ましくは、第1のスライドベアリング58は、第1の上部環状スライドトラック36と第1の下部環状スライドトラック56との間に配置され、固定カバー20および下部支持体22に対して自由に回転するパッドを含まない。言い換えると、第1の上部環状スライドトラック36と第1の下部環状スライドトラック56との間の支持体は、潤滑フィルムの配置のみで生成される。同様に、第2のスライドベアリング62は、第2の上部環状スライドトラック40と第2の下部環状スライドトラック60との間に配置され、固定カバー20および下部支持体22に対して自由に回転するパッドを含まない。言い換えると、第2の上部環状スライドトラック40と第2の下部環状スライドトラック60との間の半径方向支持体は、潤滑フィルムの配置のみで生成される。
【0040】
この実施形態では、第1の下部環状スライドトラック56および第1の上部環状スライドトラック36は平坦であるが、第2の下部環状摺動トラック60および第2の上部環状スライドトラック40は円筒形である。したがって、半径方向案内および軸方向支持部は、結合されていない。適用可能であるならば、第1の上部スライドトラック36および第1の下部スライドトラック56のうちのスライドトラックは、潤滑剤のリザーブを形成するためのくぼみを有してもよい。同様に、および同様の理由のために、第2の上部スライドトラック40および第2の下部スライドトラック60のうちの1つのスライドトラックは、くぼみを有してもよい。
【0041】
注目すべき方法では、環状支持領域46は、基準軸100および上方軸方向102に対して、半径方向外側に、かつ第1のスライドベアリング58の上方の距離に軸方向に配置されるが、第2のスライドベアリング62は、基準軸100および上方方向102に関して、第1のスライドベアリング58の上方の距離で半径方向外側および軸方向に、好ましくは、第1のスライドベアリング58と環状支持領域46との間で、および環状支持領域46と第1のスライドベアリング58との間で半径方向に形成される。これは、コイルばね12の上部コイルとショックアブソーバピストンロッド14の上部端部との間の軸方向距離が小さいように、フィルタカートリッジ32についてはハウジング31の軸方向、コイルばね12については支持領域46の軸方向での重なり合いにより、ロータリースラストベアリング18のための大きなコンパクト性をもたらす。この構成はまた、基準軸100に平行ではない力およびトルクの良好な伝達に遊離である。
【0042】
この実施形態では、固定カバー20は、下部支持体22上に形成された内側環状座部66上にスライド接触した内側リングシール64を含み、内側リングシール64および内側環状座部66は、第1のスライドベアリング58の半径方向内側に配置されている。カバー20はまた、下部支持体22上に形成された外部環状座部70上にスライド接触した外部リングシール68を含み、外部リングシール68および外部環状座部70は、第2のスライドベアリング62の半径方向外側に配置されている。内側64および外側68のリングシール、ならびに内側66および外側70の環状座部は、固定カバー20および下部支持体22と共に、第1のスライドベアリング58および第2のスライドベアリング62が配置されている外部汚染から保護された閉鎖体積を区切っている。座部70の外面は、この場合、円筒形であるが、適用可能であれば、外側リングシール68と弾性カップリングを形成するために、上部に向かって(方向102において)テーパーさせられていてもよい、好ましくはフレア状であってもよく、弾性カップリングは、ロータリースラストベアリング18を車両に取り付ける前に、ロータリースラストベアリングにまとまりを提供する。
【0043】
さらに、外側環状座部70は、環状内壁を形成しており、環状内壁は、軸方向下方に延在し、この環状内壁に対して環状固定部分54が当接し、これが、動作中のこの環状固定部分54の半径方向の移動を防止するのに役立つ。
【0044】
図2および3に示されるサスペンションストラット10のロータリーサスペンションスラストベアリング18は、基本的に、カバー20の構造部分24が、車両の本体に固定するためのインターフェース26を提供し、かつフィルタカートリッジ32のためのハウジング31を形成する金属シートであり、第1の実施形態のガイド部分38および42は、より剛性の低い材料で作られた単一のガイド部分72によって置き換えられ、その上に、第1の上部環状スライドトラック36、第2の上部環状スライドトラック40、内側リングシール64、および外側リングシール68が形成されている。ガイド部72は、ポリマー材料、好ましくは高密度ポリマー、好ましくは高密度ポリエチレン、好ましくは潤滑粒子を装填したものから形成されてもよい。
【0045】
ガイド部72は、任意の適切な手段によって、特に接着、溶接、接合、弾性結合、または熱収縮によって、またはさらには固定要素を使用して、構造部24に固定されてもよい。図2および図3は、構造部分24の管状部分30におけるガイド部分72の管状部分74の熱収縮を図示しており、ガイド部分72の管状部分74は、その半径方向外側面上に第2の環状スライドトラック40を形成している。より具体的には、ガイド部分72の管状部分74は、その内側半径面にボス76を有し、ボス76は、好ましくは、管状部分72の内側円周上に均一に分布し、半径方向内側に突出しており、管状部分30の円筒形外面、および構造部分24と干渉する。熱収縮中の第2の環状スライドトラック40の制御不能な変形を防止するために、ガイド部72の管状部分74は、その半径方向外側面に、ボス76に対応して内側凹部78を備え、内側凹部78の、基準軸の周りの角度幅は、第2の下部環状スライドトラック60と接触することなく管状壁74の局所変形を吸収するのに十分である。これらの内部凹部はまた、グリースまたは潤滑剤の貯蔵を補助する。
【0046】
この実施形態では、ガイド部72上に形成された弾性フック80が、軸方向でカバー20と下部支持部22を結合するために、弾性変形後、下部支持部22に形成されたボス82の下側に捕捉されて示されており、これは、基準軸100を中心とするカバー20に対する下部支持体22の回転に対抗しない。この結合は、配達とサスペンションストラットへの取り付けとの間に受ける場合がある操作を通じてそのまとまりを保持するために、ロータリースラストベアリング18を車両に取り付ける前に使用され、取り付け後はさらなる機能を有さない。また、これは、第1の実施形態で実施されてもよい。上述のように、同じ機能はまた、取り付け前に固定カバー20と下部回転支持体22との間の分離を防止するために、対応する座部70、66上の弾性変形によって捕捉されるシール68、64のうちの1つによって実行されてもよい。
【0047】
図4に示される変形例では、カバー20は、前の実施形態の外側リングシール68の代わりに、非接触ラビリンスシールを形成するように、下部支持体22上に形成された対応する外側環状面170に面し、かつそこから短い距離に配置された、外側スカート168を含む。適用可能であるならば、シール64およびその座部66は、非接触ラビリンスシールによって置き換えられてもよい。この実施形態では、カバー20は、弾性変形後、下部支持体22に形成されたボス82の下側に捕捉される、ガイド部72に形成された弾性フック80によって、および/またはカバー20の外側スカート168と、下部支持体22に形成された対応する外側環状面170との相補形状またはあるいは、外側スカート168の相補形状に類似のデバイスと、シール64およびその座部66の代替物として使用される対応する外側環状面170との相補形状によって、軸方向で下部支持体22に結合される場合がある。
【0048】
もちろん、図に示され、上記で論じられた実施例は、例示的および非限定的な目的のためにのみ与えられている。例示された異なる実施形態を互いに組み合わせて他の実施形態を提案することができることが明示的に提供される。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】