(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058312
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】システムおよびプログラム等
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220404BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220404BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
G06Q30/02 320
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162381
(22)【出願日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2020166079
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】上 三千洋
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】依藤 勇規
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
(72)【発明者】
【氏名】松田 直紀
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB08
5L049BB26
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】乗客に対するコンテンツの提供に関する技術を提供すること。
【解決手段】表示装置30は、乗り物である車両90の乗客Pから視認可能な位置に設けられた表示部と、乗客Pの乗車中に、乗客Pの属性または車両90の位置に応じたコンテンツを取得して、取得したコンテンツを前記表示部に表示する制御を行う制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新規
乗り物の中の人から視認可能な位置に設けられた表示部と、
前記人の乗車中に、前記人の属性または前記乗り物の位置に応じたコンテンツを前記表示部に表示する制御を行う制御部と、
を有するシステム。
【請求項2】
前記表示部は、前記人である乗客から視認可能な位置に設けられ、
前記制御部は、前記乗客の乗車中に、前記乗客の属性または前記乗り物の位置に応じたコンテンツを取得して、取得したコンテンツを前記表示部に表示する制御を行う
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記表示部は、前記乗り物の運転席または助手席の背面側に設けられている
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記乗り物は、利用料金の支払いが前記人である乗客に課される乗り物であり、
前記制御部は、前記コンテンツの表示の実績に応じて、前記利用料金を割り引くための制御を行う
請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記コンテンツの表示の実績に応じて、前記人である乗客に特典を付与するための制御を行う
請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記乗り物は、利用料金の支払いが前記人である乗客に課される乗り物であり、
前記制御部は、前記乗客による前記コンテンツの視聴の実績に応じて、前記利用料金を割り引くための制御を行う
請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御部は、前記人である乗客による前記コンテンツの視聴の実績に応じて、前記乗客に特典を付与するための制御を行う
請求項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記乗り物の位置に応じたコンテンツは、所定の商品を購入またはサービスの提供を受けられる施設に関する情報の表示である
請求項1から7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御部は、前記乗り物の目的地を示す目的地情報を取得して、前記目的地に応じたコンテンツを前記表示部に表示する制御を行う
請求項1から8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御部は、前記乗り物のルート案内に用いられるルート案内情報を取得して、前記ルート案内情報に応じたコンテンツを前記表示部に表示する制御を行う
請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御部は、前記乗り物の位置を表示する地図上または目的地までのルートを表示する地図上に、所定の商品を購入またはサービスの提供を受けられる施設の位置を表示し、
前記地図エリアの範囲内にある前記施設を、所定の優先順位に従って案内する表示をする制御を行う
請求項8から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記施設は、前記乗り物に燃料の補給を行うための補給所であり、
前記制御部は、前記目的地情報または前記ルート案内情報で特定される地図エリアの範囲に存在する前記補給所を、所定の優先順位に従って前記案内する表示をする制御を行う
請求項8から11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御部は、ルート案内機能で案内される前記乗り物のルート上にある前記補給所について前記案内する表示を行う
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記乗り物の燃料残量を特定する機能を有し、
前記制御部は、特定した前記燃料残量に応じて、前記案内する表示を変える制御を行う
請求項12または13に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御部は、前記燃料残量が基準より少ない場合に前記補給所について前記案内する表示を行う
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御部は、前記燃料残量が少ない場合は、前記補給所について前記案内する表示を行い、前記燃料残量が多い場合は、前記補給所について前記案内する表示を行わない制御を行う
請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御部は、前記目的地が遠い場合は、前記補給所について前記案内する表示をし、前記目的地が近い場合は、前記補給所について前記案内する表示をしない制御を行う
請求項14から16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御部は、前記ルート案内情報または前記目的地情報に基づき、高速道路を走行する可能性がある場合、前記高速道路に入る前のエリアで、前記補給所について前記案内する表示をする制御を行う
請求項12から17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記乗り物の燃料残量を特定する機能を有し、
前記制御部は、前記燃料残量に応じて、ルート案内機能で案内される前記乗り物のルート上以外の前記補給所について前記案内する表示を行う
請求項12から18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記制御部は、前記所定の優先順位に従った態様の表示として、優先順位の高い前記施設を優先表示し、優先順位の低い前記施設も表示する制御を行う
請求項11から19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記制御部は、複数の前記施設についての前記所定の商品の購入またはサービスの提供の対価として支払うべき金額を管理するウェブページから、前記金額に関する情報を取得して、前記案内する表示をする制御を行い、
前記案内する表示をしたいずれかの前記施設を前記人が利用したことを検知する機能と、
前記利用したことを検知した場合は、前記人に特典を付与する付与処理部と、を備える
請求項11から20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記付与処理部は、前記人が前記ウェブページを利用する際の第1の特典又は前記制御部を備える車載装置の製造業者または販売業者との取引に利用可能な第2の特典を付与する処理を行う
請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
撮影部と、前記撮影部で撮影した前記施設であって前記人が利用した施設の画像を前記ウェブページに投稿する機能を備える第2車載装置を備える
請求項21または22に記載のシステム。
【請求項24】
前記施設を利用した後、その施設の利用状況のデータを前記ウェブページに送信する機能と、
前記送信すると、前記人に所定の特典を付与する処理部を備える
請求項21から23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
前記施設は、前記乗り物に燃料の補給を行うための補給所であり、
前記施設の利用状況のデータを前記ウェブページに送信する機能は、実際にユーザが利用したときの価格に関する情報を送信する処理を行う
請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記補給所の看板に表示される価格を認識し、前記実際にユーザが利用したときの価格と異なる場合に、その実際にユーザが利用したときの価格を前記ウェブページに送信する機能を備える
請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記乗り物が前記施設に立ち寄った履歴を、第3車載装置の撮影部で撮影された画像とともに記録する機能と、
検索クエリを受信すると、前記検索クエリで指定された時刻や施設で撮影して記録しておいた画像を検索して、送信する機能とを有する
請求項11から26のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項28】
所定の通信料金が課される通信を行う通信部を備えた第4車載装置と、
前記案内する表示をしたいずれかの前記施設を前記人が利用したことを検知する機能と、
前記利用したことを検知した場合は、前記第4車載装置の前記通信料金を割り引くための処理を行う割引処理部を備える
請求項11から27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
コンピュータに、請求項1から28のいずれか1項に記載のシステムの機能を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムおよびプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばタクシーに設けられた表示装置に広告を表示する技術がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、乗員、例えば乗客に対するコンテンツの提供に関する技術を提供することである。また他の目的の一つは、乗員として運転者に対するコンテンツの提供に関する技術を提供することである。
【0005】
本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)乗り物の中の人から視認可能な位置に設けられた表示部と、前記人の乗車中に、前記人の属性または前記乗り物の位置に応じたコンテンツを前記表示部に表示する制御を行う制御部と、を有するシステムが提供される。
【0007】
このようにすると、乗り物の中の人に、その人の属性または前記乗り物の位置に応じたコンテンツを視認させることができる。乗り物の中の人に視認を促すことができるコンテンツを表示することができ、乗り物の走行中に例えば乗り物の中の人を退屈させなかったり、例えば有益な情報等を提供したりすることができる。
【0008】
(2)前記表示部は、前記人である乗客から視認可能な位置に設けられ、前記制御部は、前記乗客の乗車中に、前記乗客の属性または前記乗り物の位置に応じたコンテンツを取得して、取得したコンテンツを前記表示部に表示する制御を行うようにするとよい。
【0009】
このようにすると、乗り物の乗客から視認可能な位置に設けられた表示部と、前記乗客の乗車中に、前記乗客の属性または前記乗り物の位置に応じたコンテンツを取得して、取得したコンテンツを前記表示部に表示する制御を行う制御部と、を有するシステムが提供される。
【0010】
(3)前記表示部は、前記乗り物の運転席または助手席の背面側に設けられているとよい。
【0011】
このようにすると、タクシー等の乗り物の乗客は後部座席に座る機会が多いため、より乗客にコンテンツを視認させる機会を確保しやすくなる。
【0012】
(4)前記乗り物は、利用料金の支払いが前記人である乗客に課される乗り物であり、前記制御部は、前記コンテンツの表示の実績に応じて、前記利用料金を割り引くための制御を行うようにするとよい。
【0013】
このようにすると、乗り物の利用料金の割引を動機として乗り物の中の人にコンテンツの視認を促進できる。
【0014】
(5)前記制御部は、前記コンテンツの表示の実績に応じて、前記人である乗客に特典を付与するための制御を行うようにするとよい。
【0015】
このようにすると、特典が付与されることを動機として乗客のコンテンツの視認を促進できる。
【0016】
(5-1)車内を撮影するカメラからの映像に基づく乗客のコンテンツの視認の状況を取得する機能を備えるとよい。特に、車内を撮影するカメラからの映像に基づく乗客のコンテンツの視認の状況と、そのときの当該コンテンツの表示の状況を特定するための情報とを関連づけて記憶しておく機能を備えるとよい。車内を撮影するカメラからの映像に基づく乗客のコンテンツの視認の状況は、車内を撮影するカメラからの映像そのものとしてもよいが、車内を撮影するカメラからの映像から検出したユーザの視線を特定する情報としたり、車内を撮影するカメラからの映像から検出したユーザがコンテンツを視認しているか否かを示す情報としてもよい。また車外を撮影するカメラの映像とともにこれらの情報を関連づけて記憶するようにするとよい。このようにすれば、コンテンツに興味がなくコンテンツを視認していないのか、車外の景色や状況を視認するためコンテンツを視認していないのかを特定することが可能となり、コンテンツの魅力や、コンテンツが広告であれば広告の効果をより的確に測定することができる。
【0017】
(6)前記乗り物は、利用料金の支払いが前記人である乗客に課される乗り物であり、前記制御部は、前記乗客による前記コンテンツの視聴の実績に応じて、前記利用料金を割り引くための制御を行うようにするとよい。
【0018】
このようにすると、乗り物の利用料金の割引を動機として乗客のコンテンツの視認を促進できる。
【0019】
(7)前記制御部は、前記人である乗客による前記コンテンツの視聴の実績に応じて、前記乗客に特典を付与するための制御を行うようにするとよい。
【0020】
このようにすると、特典が付与されることを動機として乗客のコンテンツの視認を促進できる。
【0021】
(8)前記乗り物の位置に応じたコンテンツは、所定の商品を購入またはサービスの提供を受けられる施設に関する情報の表示とするとよい。
【0022】
このようにすると、乗り物の中の人は、商品を販売したりサービスを提供していたりする施設に関する情報を知ることができる。乗り物の位置に応じたコンテンツは、例えば、その乗り物の周囲に存在する施設等の情報とするとよい。このようにすると、乗り物の中の人にとっては、その周囲に存在する施設等についての情報などの有益な情報を知ることができる。施設に関する情報は、施設自体の案内、施設で販売される商品、施設で提供されるサービス等の案内などとするよい。
【0023】
(9)前記制御部は、前記乗り物の目的地を示す目的地情報を取得して、前記目的地に応じたコンテンツを前記表示部に表示する制御を行うとよい。
【0024】
このようにすると、乗客がこれから訪れる予定の目的地に応じたコンテンツを表示するため、乗客の興味を惹きやすい。
【0025】
また前記制御部は、前記乗り物の目的地を示す目的地情報を、前記乗り物に配置されたナビゲーションシステムとの通信により取得するとよい。
【0026】
このようにすると、多くの乗り物に設置されているナビゲーションシステムを利用して
目的地を特定し、それに応じたコンテンツを表示することができる。
【0027】
(10)前記制御部は、前記乗り物のルート案内に用いられるルート案内情報を取得して、前記ルート案内情報に応じたコンテンツを前記表示部に表示する制御を行うとよい。
【0028】
このようにすると、乗客がこれから目的地に向かう際に通過する地点に応じたコンテンツを表示するため、乗客の興味を惹きやすい。
【0029】
また前記制御部は、前記乗り物の目的地を示すルート案内情報を、前記乗り物に配置されたナビゲーションシステムとの通信により取得する制御を行うとよい。
【0030】
このようにすると、多くの乗り物に設置されているナビゲーションシステムを利用して
目的地を特定し、それに応じたコンテンツを表示することができる。
【0031】
(10-1)ルート案内情報に応じたコンテンツをユーザの持つスマートフォン等の端末で受け取るための情報を生成する機能を備えるとよい。当該生成した情報に基づいてユーザのスマートフォン等の端末で当該ルート案内情報に応じたコンテンツを受け取ることができる。したがって、ユーザは、車からユーザが降りても車でのルート案内情報に応じたコンテンツを受け取ることができる。特に、ルート案内情報に応じたコンテンツ及びルート案内情報に応じたコンテンツをスマートフォン等の端末で受け取るための情報はいずれもタクシー等の後部座席の前に設けた端末に表示するとよい。
【0032】
特にルート案内情報に応じたコンテンツは目的地付近の情報を含むとよい。また特にルート案内情報に応じたコンテンツは周辺の施設の情報を含むとよい。また特にルート案内情報に応じたコンテンツはルート情報とともに周辺の施設の情報を含むとよい。ルート案内情報に応じたコンテンツは後述する(11)の「案内」を含むとよい。
【0033】
ルート案内情報に応じたコンテンツをユーザの持つスマートフォン等の端末で受け取るための情報は、例えば、ユーザの持つスマートフォン等の端末で読み取り可能な符号化画像とするとよく、例えば、QRコード(登録商標)等の2次元コードやバーコードのようなカメラ等で光学的に読み取り可能な情報とするとよい。また、上記端末で受け取るための情報は、NFC等の近接通信又は非接触通信で読み取り可能な情報としてもよい。また、上記端末で受け取るための情報は、数字や文字のような人が読み取って端末に入力可能な情報としてもよい。これらの情報は、インターネットのURLの情報(アクセス先情報の一例)を備えるとよい。当該URLに端末からアクセスしたときに、ルート案内情報に応じたコンテンツがユーザに提供されるように、そのURLのサーバにその車内でそのとき提供したルート案内情報に応じたコンテンツを生成するための情報を車側からサーバへ送信する機能を備え、サーバはそのURLとその車内でそのとき提供したルート案内情報に応じたコンテンツを生成するための情報を受け取って両者を対応付けて記憶しておき、端末からそのURLにアクセスがあったときに、対応付けて記憶されているその車内でそのとき提供したルート案内情報に応じたコンテンツを生成するための情報に基づき、当該ルート案内情報に応じたコンテンツを生成してユーザの端末に送信する機能を備えるとよい。本明細書で「ルート案内情報に応じたコンテンツ」と記載している箇所は、「実際の走行ルートに応じたコンテンツ」に代えてもよい。このようにすれば、実際の走行ルートに応じたコンテンツが提供されることになるので、ユーザは車に乗っていたときの周囲の風景等とコンテンツとの関連性をより把握しやすくなる。
【0034】
さらに、ユーザが乗車時にドライブレコーダーで記録された映像をユーザが降車後にユーザのスマートフォン等の端末で閲覧するための情報をサーバへ送信する機能を備えるとよい。ドライブレコーダーから映像を取得し、ユーザが乗車してから、降車するまでの映像の範囲を、ユーザ側のドアの開閉信号を取得して特定する機能または映像からユーザの乗車・降車を認識する機能等によって特定し、その範囲の映像をサーバにアップロードして、そのサーバのアドレスをユーザの端末で取得するための情報を生成する機能を備えるとよい。そのサーバのアドレスをユーザの端末で取得するための情報は前述のルート案内情報に応じたコンテンツをユーザの持つスマートフォン等の端末で受け取るための情報と同様の情報とするとよい。例えばQRコード(登録商標)を生成し、ユーザのスマートフォン等の端末で読み取ってそのQRコード(登録商標)内のURLにアクセスするとスマートフォン等の端末で当該映像が再生される構成とするとよい。このURLと、ルート案内情報に応じたコンテンツをユーザの持つスマートフォン等の端末で受け取るための情報のURLは同じURLとし、ルート案内情報に応じたコンテンツとその乗車時の映像とをともに同一のページ内で出力する構成としてもよい。URLと当該映像データを特定する情報とその車内でそのとき提供したルート案内情報に応じたコンテンツを生成するための情報とを対応付けて記憶しておき、ユーザの端末からの当該URLへのアクセスがあったときにこれらの記憶された情報に基づいてその乗車時に生成したコンテンツの情報とその乗車時のドライブレコーダーの映像とをユーザの端末へ送信する機能を備えるとよい。
【0035】
(11)前記制御部は、前記乗り物の位置を表示する地図上または目的地までのルートを表示する地図上に、所定の商品を購入またはサービスの提供を受けられる施設の位置を表示し、前記地図エリアの範囲内にある前記施設を、所定の優先順位に従って案内する表示をする制御を行うとよい。
【0036】
このようにすると、優先順位の高い施設について案内する表示が地図上に表示されるため、乗り物の中の人であるユーザは、優先順位の高い施設を効率よく知ることができ、施設の位置を知ることができる。所定の商品やサービスは、例えば同じ種類の商品やサービスとするとよい。そのようにすると、例えば所定のエリア内に存在する同じ商品等を提供する施設を優先順位に従って表示することで、その商品等の提供を受けようとするユーザは、どの施設を利用するとよいかの比較が行える。
【0037】
(12)前記施設は、前記乗り物に燃料の補給を行うための補給所であり、前記制御部は、前記目的地情報または前記ルート案内情報で特定される地図エリアの範囲に存在する前記補給所を、所定の優先順位に従って前記案内する表示をする制御を行うとよい。
【0038】
このようにすると、優先順位に従って地図上に補給所を案内する表示がされる。乗り物の中の人は、地図エリア内の優先順位の高い補給所の位置や案内される内容を知ることができる。
【0039】
(13)前記制御部は、ルート案内機能で案内される前記乗り物のルート上にある前記補給所について前記案内する表示を行うとよい。
【0040】
このようにすると、乗り物の中の人は、ルート上に存在する補給所の案内表示を見ることができる。よって、乗り物の中の人は、迂回することなく目的地までのルート案内に従って走行することで到達できる補給所の存在を知ることができる。
【0041】
(14)前記乗り物の燃料残量を特定する機能を有し、前記制御部は、特定した前記燃料残量に応じて、前記案内する表示を変える制御を行うとよい。
【0042】
このようにすると、燃料残量に応じた適切な案内表示等を行える。例えば、燃料残量に応じて、燃料残量に応じて表示するエリアを変え、燃料残量が多い場合にはそもそも表示をしないなどの制御を行うとよい。
【0043】
(15)前記制御部は、前記燃料残量が基準より少ない場合に前記補給所について前記案内する表示を行うとよい。
【0044】
このようにすると、乗り物の中の人であるユーザは、燃料が少なく、補給所で燃料を補給する必要性が高い場合に、補給所の案内の表示を見ることができる。補給所は、所定の優先順位に従って表示される。よって、乗り物の中の人である運転者等は、そのとき有益な情報を効率よく知ることができる。
【0045】
(16)前記制御部は、前記燃料残量が少ない場合は、前記補給所について前記案内する表示を行い、前記燃料残量が多い場合は、前記補給所について前記案内する表示を行わない制御を行うとよい。
【0046】
このようにすると、燃料の補給が必要な状況の可能性がある場合には、地図エリア内に存在する補給所が優先順位に従って表示されるため、乗り物の中の人である運転者等のユーザは優先順位の高い補給所についての情報を容易に知ることができる。一方、燃料残量が多く燃料の補給が必要でない可能性が高い場合には、補給所について案内する表示を行わないことで、不要な情報を地図エリアに表示しない。その案内する表示を行うことで隠れてしまう情報を視認できる。
【0047】
(17)前記制御部は、前記目的地が遠い場合は、前記補給所について前記案内する表示をし、前記目的地が近い場合は、前記補給所について前記案内する表示をしない制御を行うとよい。
【0048】
このようにすると、乗り物の中の人であるユーザは、目的地までの距離に応じて、補給所についての案内が必要な場合に、その表示を見ることができる。例えば、目的地が遠い場合には、途中で燃料がなくなる可能性があるので、事前に補給所について案内する表示を行い、燃料補給を促し、また、優先順位の高い補給所を知らせる構成とするとよい。また、補給所を案内することで、例えば乗り物の中の人の運転者等に対し、燃料残量を確認させる契機付けを行うことができる。
【0049】
(18)前記制御部は、前記ルート案内情報または前記目的地情報に基づき、高速道路を走行する可能性がある場合、前記車両が前記高速道路に入る前のエリアで、前記補給所について前記案内する表示をする制御を行うとよい。
【0050】
このようにすると、乗り物の中の人であるユーザは、車両が高速道路に入る前のエリアに存在する優先順位の高い補給所を知ることができる。また、このように補給所を案内する表示を行うことで、例えば乗り物の中の人の運転者等に対し、燃料残量を確認させる契機付けを行うことができる。よって、高速道路上で燃料残量がなくなり、車両が走行できなくなる事態の発生を可及的に抑制できる。
【0051】
(19)前記乗り物の燃料残量を特定する機能を有し、前記制御部は、前記燃料残量に応じて、ルート案内機能で案内される前記乗り物のルート上以外の前記補給所について前記案内する表示を行うとよい。
【0052】
このようにすると、乗り物の中の人であるユーザは、燃料残量に応じて、地図エリアに存在する補給所の内のルート上以外の補給所についての案内の表示を見ることができる。例えば、燃料残量が多い場合には、例えば目的地までのルート上の補給所のみ案内する表示を行うとよい。運転者等は、例えばその表示された補給所の中から、案内された内容に従って所定の補給所を選択し、迂回することなく目的に向かって移動し、その移動途中でルート上に存在する選択した補給所で燃料補給が行える。また、燃料残量が少ない場合には、例えばルート外に存在する補給所を案内する表示も行うことで、例えば近くにある補給所の情報も知ることができる。運転者等は、ルート上とルート外の補給所について案内された情報から適切なものを選択し、選択した補給所に至り燃料を補給することができる。
【0053】
(20)前記制御部は、前記所定の優先順位に従った態様の表示として、優先順位の高い前記施設を優先表示し、優先順位の低い前記施設も表示する制御を行うとよい。
【0054】
このようにすると、乗り物の中の人であるユーザは、優先順位の高い施設の案内する表示を見ることができるとともに、優先順位の低い施設も見ることができる。優先順位の高い施設が目立つように表示されると、ユーザは、優先順位の高い施設を見逃すことなくそれについての情報を知ることができる。優先順位の高い施設を複数表示する構成としても良く、このようにすると選択の余地が広がる。さらにユーザが優先順位の低い施設を選択する余地が広がるため、ユーザにとっての施設の選択の自由度が上がる。優先順位は、例えば金額に基づいて行うとよく、燃料の補給所であれば、燃料の補給の対価である金額に基づいて行うとよく、例えば単位補給量当たりの価格(1リットル当たりの価格)とするとよい。また、金額に限らず、例えば、ルート上に存在する施設の優先順位を高くしたり、ルート外であっても迂回する距離が短かったり、現在一日買い物の優先度を高くしたりするとよい。
【0055】
(21)前記制御部は、複数の前記施設についての前記所定の商品の購入またはサービスの提供の対価として支払うべき金額を管理するウェブページから、前記金額に関する情報を取得して、前記案内する表示をする制御を行い、前記案内する表示をしたいずれかの前記施設を前記人が利用したことを検知する機能と、前記利用したことを検知した場合は、前記人に特典を付与する付与処理部を備えるとよい。
【0056】
このようにすると、車両の中の人は、施設を利用することで特典が付与されるので、施設を利用しようとする動機が高まる。特典は、例えばウェブページで利用可能なポイントその他の金銭的価値のあるものや、例えば特別なゲームができたり、コンテンツを取得できたりするなどの金銭的価値に限らないものなどとするとよい。
【0057】
(22)前記付与処理部は、前記人が前記ウェブページを利用する際の第1の特典又は前記制御部を備える車載装置の製造業者または販売業者との取引に利用可能な第2の特典を付与する処理を行うとよい。
【0058】
このようにすると、車載装置を搭載した車両の中の人は、人がウェブページを利用する際の第1の特典、又は所定の施設を利用することで車載装置の製造業者または販売業者との取引に利用可能な第2の特典が付与されるので、そのウェブページ又は施設を利用しようとする動機が高まる。第2の特典により、人は例えば車載装置の付属品その他の装置等を購入したり、特定のサービスを受けたりすることができる。
【0059】
(23)撮影部と、前記撮影部で撮影した前記施設であって前記人が利用した施設の画像を前記ウェブページに投稿する機能を備える第2車載装置を備えるとよい。
【0060】
このようにすると、ウェブページは実際に利用される施設の画像を集めることができ、提供する情報が増える。投稿により特典が得られる人は、積極的に施設を利用する意識が高まる。第2車載装置は、施設について案内する表示を行う車載装置と異なるものでもよいし、同じものでもよい。
【0061】
(24)前記施設を利用した後、その施設の利用状況のデータを前記ウェブページに送信する機能と、前記送信すると、前記人に所定の特典を付与する処理部を備えるとよい。
【0062】
このようにすると、ウェブページは、適正な正しい利用上記のデータを収集でき、また、利用した人は、特典が付与されるので正しい利用状況のデータを投稿しようとする意識が高まる。
【0063】
(25)前記施設は、前記乗り物に燃料の補給を行うための補給所であり、前記施設の利用状況のデータを前記ウェブページに送信する機能は、実際にユーザが利用したときの価格に関する情報を送信する処理を行うとよい。
【0064】
このようにすると、ウェブページは、補給所において実際にユーザが利用したときの価格を収集できる。例えば補給所では、燃料の価格を看板に表示している場合があるが、その看板に表示された価格が必ずしも実際の利用時に利用者が支払う価格と一致しているとは限らず、異なる場合がある。ウェブページは、このように実際に利用したときの価格を収集することで、より正しい情報を公開することができる。また、このようにして収集した価格に関する情報は、その後に車両側で表示される施設について案内する表示に反映されるとよい。施設の利用は、例えば施設が車両の燃料の補給所の場合、例えば燃料の補給や洗車その他のサービスの提供を受ける場合などがある。利用状況のデータは、例えば利用に伴い支払う価格に加え、その価格の適用条件などを関連付けるよい。
【0065】
(26)前記補給所の看板に表示される価格を認識し、前記実際にユーザが利用したときの価格と異なる場合に、その実際にユーザが利用したときの価格を前記ウェブページに送信する機能を備えるとよい。
【0066】
このようにすると、看板に表示される価格と、実際の価格が異なる場合の情報を効率よく収集できる。
【0067】
(27)前記乗り物が前記施設に立ち寄った履歴を、第3車載装置の撮影部で撮影された画像とともに記録する機能と、検索クエリを受信すると、前記検索クエリで指定された時刻や施設で撮影して記録しておいた画像を検索して、送信する機能とを有するとよい。
【0068】
このようにすると、施設に立ち寄った際に撮影した画像を記録保持し、後で要求された条件に一致する画像を検索し、送信することができる。例えばある日時におけるある施設で撮影した画像が必要な場合、各車載装置に対して一斉に検索クエリを送信することで、色々な画角の画像を収集できる可能性がある。例えば、係る施設に監視カメラが設置されている場合でも、監視カメラの死角から撮影されていない領域があった場合でも、車両の駐車位置と第3車載装置の撮影部の画角から、係る監視カメラで撮影されていない領域の画像を入手できる場合がある。この第3車載装置は、車載装置、第2車載装置のいずれかと同一の装置で構成してもよいし、別の装置で構成してもよい。
【0069】
(28)所定の通信料金が課される通信を行う通信部を備えた第4車載装置と、前記案内する表示をしたいずれかの前記施設を前記人が利用したことを検知する機能と、前記利用したことを検知した場合は、前記第4車載装置の前記通信料金を割り引くための処理を行う割引処理部を備えるとよい。
【0070】
このようにすると、所定の施設を利用することで通信料金が割り引かれると、積極的に施設を利用したいとする意識が高まり、実際の施設の利用に伴い通信料金が割引される。例えば第4車載装置で撮影した画像データを送信し、外部でその画像データを管理する場合、画像データの送信に伴い通信料金が発生することへの精神的や金銭的な負担を感じるユーザにとっても、通信料金が割引されるので負担が軽減する。この第4車載装置は、車載装置、第2車載装置、第3車載装置のいずれかと同一の装置で構成してもよいし、別の装置で構成してもよい。
【0071】
係るシステムは、また例えば、ウェブページを管理する会社等に第4車載装置を販売してもらい、第4車載装置とウェブページを利用する会員との紐付けを行い、その第4車載装置から直接或いは他の機器を用いてウェブページへ利用の通知を受け付けると、通信料金を割り引く処理を行うようにするとよい。通信料金の割引は、必ずしもウェブページを管理する会社側で行う必要は無く、例えば上記の利用に伴い利益を生じる会社等が行うようにしてもよい。
【0072】
(29)コンピュータに、上記いずれかに記載のシステムの機能を実現させるためにプログラムが提供されるとよい。
【0073】
上述した(1)から(29)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全てまたは一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成とするとよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(29)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしても、その場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらはよりよい構成の例を示しているものであって、これらの場合やときでない構成についても権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0074】
本発明によれば、以下に示す少なくとも1つの効果を奏する。例えば乗客や運転者等の車両の中の人に対するコンテンツの提供に関する技術を提供することができる。車両の中の人に、例えば乗り物の料金や施設利用料等の金銭的価値が課される技術を提供することができる。人に対し、ある行為に対しての特典としての金銭価値等を提供する技術を提供することができる。ある行為に対すると特典は、例えば、表示されるCMとかコンテンツを見たことへの特典や、施設を利用したことへの特典などがある。
【0075】
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【
図1】第1実施形態に係る表示装置の概要を説明する図である。
【
図2】第1実施形態に係る運転席を車両における背面側から見た様子を示す模式図である。
【
図3】第1実施形態に係る表示装置及びサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本例1-1の処理の流れを示すシーケンスチャート。
【
図5】本例1-2の処理の流れを示すシーケンスチャート。
【
図6】第2実施形態に係るナビゲーション装置の外観を示す図である。
【
図7】第2実施形態に係るナビゲーション装置のブロック図である。
【
図8】本例2-1の処理の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図9】本例2-2の処理の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図10】第3実施形態に係るナビゲーション装置のブロック図である。
【
図11】ナビゲーション装置が目的地までのルート検索を行った結果を表示部に表示した状態の一例を示す図である。
【
図12】本例3-1の処理の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図13】本例3-1を実施した結果の表示例等を説明する図である。
【
図14】本例3-7を実施した結果の表示例等を説明する図である。
【
図15】第4実施形態に係るシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、以下の説明で参照する各図において、各部材、各領域等を認識可能な大きさとするために、実際とは縮尺を異ならせている場合がある。
【0078】
以下に示す各実施形態は、例えば、乗り物の中の人から視認可能な位置に設けられた表示部と、前記人の乗車中に、前記人の属性または前記乗り物の位置に応じたコンテンツを前記表示部に表示する制御を行う制御部と、を有するシステムの一例である。
まず以下、本発明の乗り物をタクシーである車両90とした場合を説明する。乗り物は、レンタカー、ハイヤー等の人乗客が乗ることのある乗り物としてもよい。乗り物は、バスやリニアモーターカー、モノレール等の交通機関における乗り物としてもよい。乗り物は、船舶、飛行機などの車両以外の乗り物としてもよい。また、乗り物をタクシーである車両90の場合、乗り物の中の人は乗客とするとよい。
【0079】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のシステムの概要の説明図である。本実施形態のシステムの一例である表示装置30は、車両90に搭載されている。車両90は、乗客が乗る車両で、本実施形態ではタクシーである。車両90は、運転席91と、助手席92と、後部座席93とを有する。運転席91は、車両90を運転する運転者(ドライバー)Dが座る座席である。助手席92、および後部座席93は乗客(タクシーの利用者)が座る座席である。
図1の例では、後部座席93に乗客P1,P2,P3が座っており、助手席92に乗客P4が座っている。表示装置30は、運転席91に設けられている。
【0080】
図2は、運転席91を車両90における背面側(乗客P1側)から見た様子を示す模式図である。表示装置30は、運転席91の背面側から表示部32が露出するように、運転席91に設けられている。乗客P1,P2,P3は、表示部32に表示された画像を目視することができる。表示装置30は、乗客P1,P2,P3の少なくともいずれかを撮影可能な撮影部35を有する。撮影部35は、ユーザを撮影し、その撮影した画像からユーザの属性を判定するために用いられる。撮影部35は、撮影した画像からユーザの属性を判定可能なように、少なくともユーザの顔を撮影することが望ましい。なお、ユーザの属性を他の方法で判定できる場合、撮影部35が設けられていなくてもよい。制御部31は、例えば車両90に設置されたドライブレコーダーその他の車載カメラ(図示略)から、乗客P1~P4のいずれかを撮影した画像を取得してもよい。また、運転者Dが乗客を見てその属性を入力するための装置が設けられてもよい。この装置は、運転者D専用の端末でもよいし、ナビゲーションシステム等の車載機器でもよい。制御部31は、運転者Dが入力したユーザ属性のデータを取得するとよい。以下、乗客P1~P4の各々を特に区別する必要のないときは「乗客P」と総称する。本実施形態では、表示装置30が運転席91に設けられる場合を説明するが、これに代えて又は加えて、助手席92に設けられてもよい。この場合、表示装置30は、助手席92の背面側から表示部32が露出する。このようにすると、タクシー等の車両90の乗客は後部座席に座る機会が多いため、より乗客にコンテンツを視認させる機会を確保しやすくなる。表示装置30は、いずれかの乗客から表示部32を視認可能であれば、車両90の車室の天井等の、車両90の座席以外の位置に設けられてもよい。
【0081】
表示装置30は、サーバ装置40(
図3に示す。)と通信し、サーバ装置40との通信により取得したコンテンツを表示するコンテンツ表示機能を有する。サーバ装置40は、所定の事業者(例えば、車両90の管理会社やコンテンツプロバイダ)が管理、運用するコンテンツは、本実施形態では画像コンテンツで、視覚的に内容を把握することができるコンテンツである。コンテンツは、本実施形態では広告目的のコンテンツで、例えばCM(コマーシャル・メッセージ)である。コンテンツは、画像クーポンなどの金銭的価値を有するものを含んでいてもよい。金銭的価値は、後述する各種の特典に換えるとよい。
【0082】
図3は、表示装置30及びサーバ装置40の構成を示すブロック図である。入力受付部38は、本実施形態には関係のないものとする。制御部31は、例えば、演算処理回路、およびメモリを含むコンピュータである。演算処理回路は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはその他の演算処理回路を含む。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)またはその他の揮発性のメモリを含む。演算処理回路は、メモリにプログラムその他のデータを一時的に読み出して演算処理を行うことにより、各種の制御を行う。
【0083】
表示部32は、画像を表示する。表示部32は、例えば液晶ディスプレイであるが、有機ELその他の表示方式を採用した表示装置でもよい。記憶部33は、データを記憶する。記憶部33は、ハードディスクその他の補助記憶装置である。通信部34は、通信回線NWを介して外部装置と無線通信を行う。通信部34は、かかる無線通信を行うための通信回路及びアンテナ等を備える。外部装置は、例えばサーバ装置40である。通信回線NWは、例えば5Gの規格に準拠したネットワークで、高速通信が可能である。ただし、通信回線NWは、LTE、4G、その他の規格に準拠した回線でもよい。
【0084】
撮影部35は、撮影し、撮影した画像を生成する。撮影部35は、CMOS、CCDその他の撮像素子、及びレンズを有する。スピーカ36は、音声を出力する。スピーカ36は、乗客P1,P2,P3,P4が音声を聞くことができるように配置される。測位部37は、表示装置30の位置を測り、位置情報を生成する。表示装置30の位置は、実質的に車両90の位置である。測位部37は、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)の一つであるGPS(Global Positioning System)からの信号に基づき、車両の位置情報(緯度・軽度)を生成、取得する。測位部37は、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System:準天頂衛星システム)として、みちびきを併せて利用してもよい。また、5G通信の基地局装置からの信号に基づいて、位置情報を取得してもよい。
【0085】
サーバ装置40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43とを備える。制御部41は、サーバ装置40の各部を制御する。制御部41は、例えば、演算処理回路、およびメモリを含むコンピュータである。演算処理回路は、例えば、CPUその他の演算処理回路を含む。メモリは、例えば、RAMまたはその他の揮発性のメモリを含む。演算処理回路は、メモリにプログラムその他のデータを一時的に読み出して演算処理を行うことにより、各種の制御を行う。記憶部42は、データを記憶する。記憶部42は、ハードディスクその他の補助記憶装置である。通信部43は、通信回線NWを介して外部装置と通信を行う。通信部43は、通信回線NWを介して通信するための通信回路等を備える。
【0086】
記憶部42は、コンテンツを蓄積したコンテンツDB421を有する。コンテンツDB421には、例えば、乗客の属性と、その属性の乗客に配信する対象となるコンテンツとが対応付けて蓄積されている。乗客の属性は、例えば性別、年齢であるが、それ以外の属性であってもよい。コンテンツがCMを表す場合、コンテンツDB421では、例えば、20代の女性であれば化粧品のCMが、50代の男性であれば居酒屋のCMがそれぞれ対応付けられている。
【0087】
さらに、コンテンツDB421には、位置情報と、その位置情報が示す位置において配信する対象となるコンテンツとが対応付けて蓄積されている。コンテンツDB421には、位置情報と、その位置情報が示す位置付近の観光スポットや、飲食店等の店舗その他の施設に関するコンテンツとが対応付けられている。コンテンツDB421では、現在位置が東京タワー付近であれば、東京タワーやその周辺の観光案内や、付近のおすすめの飲食店のコマーシャルが対応付けられている。
【0088】
本実施形態の本例を説明する。
[1.効果的なコンテンツ(CM等)配信方式]
[1-1]乗客の属性を判定して表示装置30に配信すること
図4は、本例の処理の流れを示すシーケンスチャートである。表示装置30の制御部31は、乗客が乗車したと判定すると、この処理を開始する。乗客が乗車したことの判定方法は特に問わないが、運転者Dが所定の操作をしたことや、タクシーメーターによる利用料金の計測を開始したことを示す信号を表示装置30が取得可能な構成が採用されてもよい。
【0089】
制御部31は、乗客の属性を判定する(ステップS1)。制御部31は、例えば撮影部35が生成した画像を解析して、ユーザの属性を判定するとよい。この画像の解析のアルゴリズムは問わないが、例えば、深層学習を用いた方法、機械学習を用いた方法(パターンマッチング法等)の方法がある。次に、制御部31は、判定した属性を示す属性データを、通信部34を介してサーバ装置40に送信する(ステップS2)。
【0090】
サーバ装置40において、制御部41は、通信部43を介して属性データを取得する(ステップS3)。制御部41は、コンテンツDB421を参照し、取得した属性データが示す属性に対応付けて格納されたコンテンツを選択する(ステップS4)。制御部41は、取得した属性データが示す属性に対応付けて格納されたコンテンツが複数ある場合は、所定の規則に従って又はランダムに、いずれかのコンテンツを選択するとよい。例えば、制御部31は、事業者に支払うCM配信料金が多い企業等の業者のコンテンツから順に、優先的に選択するように構成されてもよい。制御部41は、選択したコンテンツを、通信部43を介して表示装置30に送信する(ステップS5)。表示装置30において、制御部31は、通信部34を介してコンテンツを取得すると(ステップS6)、取得した表示部32にコンテンツを表示させる(ステップS7)。乗客Pはこのコンテンツを視認する。通信回線NWが5Gに例示される高速回線であれば、サーバ装置40から配信されたコンテンツが即座に(例えば、ほぼリアルタイムに)表示装置30に表示される。
【0091】
コンテンツがCM等である場合、コンテンツ表示時間は15秒間等の短時間である。そこで、制御部41はコンテンツを順次選択して送信したり、複数のコンテンツを一括して送信したりするとよい。このようにすると、複数のコンテンツを連続的に表示することができる。表示装置30において制御部31は、一つのコンテンツの表示が完了すると、次のコンテンツを表示する。表示装置30は、乗客が車両90に乗車中の期間の全体または一部(例えば所定時間)において、コンテンツを順次表示するとよい。
【0092】
[1-2]現在位置に応じた表示装置30に配信すること
図5は、本例の処理の流れを示すシーケンスチャートである。表示装置30の制御部31は、乗客が車両90に乗車したと判定すると、この処理を開始するとよい。
【0093】
制御部31は、測位部37を用いて測位する(ステップS11)。次に、制御部31は、測位した位置を示す位置情報を、通信部34を介してサーバ装置40に送信する(ステップS12)。サーバ装置40において、制御部41は、通信部43を介して位置情報を取得する(ステップS13)。制御部41は、コンテンツDB421を参照し、取得した位置情報に対応付けて格納されたコンテンツを選択する(ステップS14)。制御部41は、取得した位置情報に対応付けて格納されたコンテンツが複数ある場合は、所定の規則に従って又はランダムに、いずれかのコンテンツを選択するとよい。コンテンツの選択方法については、S4の方法と同じでもよいし、異なっていてもよい。制御部41は、選択したコンテンツを、通信部43を介して表示装置30に送信する(ステップS15)。表示装置30において、制御部31は、通信部34を介してコンテンツを取得すると(ステップS16)、表示部32にコンテンツを表示する(ステップS17)。乗客Pはこのコンテンツを視認する。通信回線NWが5Gに例示される高速回線であれば、サーバ装置40から配信されたコンテンツが即座に(例えばほぼリアルタイムに)表示装置30に表示される。なお、本本例においても、制御部41はコンテンツを順次選択して送信したり、複数のコンテンツを一括して送信したりするとよい。
【0094】
以上の構成によると、車両90の乗客Pに、その乗客Pの属性または車両90の位置に応じたコンテンツを視認させることができる。例えば乗客Pに視認を促すことができるコンテンツを表示することができ、車両90の走行中に乗客を退屈させないようにすることができる。
【0095】
その一方で、CM等のコンテンツを強制的に見させられるのは乗客にとって煩わしく感じる可能性もある。そこで、車両90においては、利用料金運賃を安くするなどすれば乗客にもメリットが有るので成り立つと考えられる。このようにすると、乗り物の利用料金の割引を動機として乗客のコンテンツの視認を促進できる。運賃の値下げ分は、CMを依頼した企業や店舗等の業者が負担することが想定される。
【0096】
そこで例えば、表示装置30において制御部31は、通信部34を介してコンテンツの表示の実績のデータを、タクシーメーターその他のタクシーの利用料金を計算する装置に送信するようにしてもよい。この装置は、車両90の走行距離や走行時間に応じて正規に計算した利用料金(つまり正規料金)から、このコンテンツの表示の実績に応じた分だけ割引した利用料金を、乗客Pが支払うべき利用料金とするとよい。例えば、表示したコンテンツの数が多いほど割り引くようにしてもよいし、撮影部35で撮影した画像から乗客Pの視線方向を求め、表示部32に視線が向けられた時間をコンテンツの視認時間として、その視認時間が長いほど割引額を大きくしてもよい。コンテンツの表示の実績又は視聴の実績と、車両90の利用料金の割引との関係については、適宜決められているとよい。例えば、タクシーメーターは、この割引後の利用料金を表示する。利用料金の割引の計算は、表示装置30(制御部31)やその他の装置が行ってもよい。利用料金の割引に代えて又はこれに加えて、制御部31は表示部32に、コンテンツの表示の実績又は視聴の実績に応じた金銭的価値を有するコンテンツ(例えば画像クーポン)を表示させてもよい。金銭的価値は、後述する各種の特典に換えるとよい。
【0097】
車内を撮影するカメラからの映像に基づく乗客Pのコンテンツの視認の状況を取得する機能を備えるとよい。特に、制御部31は、車内を撮影するカメラからの映像に基づく乗客Pのコンテンツの視認の状況と、そのときの当該コンテンツの表示の状況を特定するための情報とを関連づけて記憶部33等に記憶しておく機能を備えるとよい。車内を撮影するカメラは、撮影部35などの本システム用のものを利用したり、ドライブレコーダー等の他の車載装置の撮影部を利用したりするとよい。
【0098】
車内を撮影するカメラからの映像に基づく乗客のコンテンツの視認の状況は、車内を撮影するカメラからの映像そのものとしてもよいが、車内を撮影するカメラからの映像から検出したユーザの視線を特定する情報としたり、車内を撮影するカメラからの映像から検出したユーザがコンテンツを視認しているか否かを示す情報としてもよい。また制御部31は、車外を撮影するカメラの映像とともにこれらの情報を関連づけて記憶部33等に記憶するようにするとよい。このようにすれば、コンテンツに興味がなくコンテンツを視認していないのか、車外の景色や状況を視認するためコンテンツを視認していないのかを特定することが可能となり、コンテンツの魅力や、コンテンツが広告であれば広告の効果をより的確に測定することができる。車外を撮影するカメラは、本システム用に設けてもよいが、ドライブレコーダー等の他の車載装置の撮影部を利用するとよい。
【0099】
[第2実施形態]
本実施形態では、表示装置30が車両に搭載されたナビゲーション装置10と連携する点で、上述した第1実施形態と相違する。表示装置30において、通信部34は、上述した第1実施形態の機能に加え、ナビゲーション装置10(ナビゲーションシステムの一例)と通信するための機能を有する。この通信は、有線及び無線のいずれでもよいが、無線であればWi-Fi(登録商標)等の無線LAN通信や、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信、またはその他の方式の無線通信等にするとよい。表示装置30の構成のうち、本実施形態で特に説明しない部分については、上述した第1実施形態と同じでよい。なお、表示装置30が測位部37を有しない構成であってもよい。ナビゲーション装置10は、車両90の運転席側に配置され、運転者Dが主として使用するものである。
【0100】
図6は、ナビゲーション装置10の外観を示す図である。
図7は、ナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、持ち運び可能な携帯型の装置本体2と、それを保持する取付部材たるクレードル3とを備える。装置本体2をクレードル3に装着することで、車載用のナビゲーション装置として機能し、クレードル3から取り外すことで携帯型のナビゲーション装置(PND)として機能する。もちろん、このように装置本体2がクレードル3から簡単に着脱できる構成を採らなくてもよい。装置本体2は、クレードル3に対して着脱自在に取り付けられる。装置本体2は、扁平な矩形状のケース本体4を備えている。そのケース本体4の前面には、表示部5が配置され、その表示部5上には表示部5のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネル8を備え、前面の両サイドには警報ランプ9を備えている。クレードル3は、装置本体2を保持するクレードル本体6と、車室内の所定の位置(ダッシュボード等)において、クレードル本体6を任意の姿勢で指示する台座部7と、を備えている。台座部7は、底面に設けた吸盤にて、ダッシュボードなどの上に吸着して固定される。台座部7とクレードル本体6とは、ボールジョイント等の連結機構を介して所定の角度範囲内で回転可能に連結される。ボールジョイントであるため、台座部7とクレードル本体6は、相対的に三次元方向の任意の角度範囲内で回転移動し、ジョイント部分における摩擦抵抗により任意の角度位置でその位置をとどめる。よって、クレードル本体6に取り付けられた装置本体2も、ダッシュボード上において任意の姿勢で配置することができる。さらにケース本体4の一方の側面には、SDメモリカード用スロット部21を備え、そのSDメモリカード用スロット部21に地図データなどが記録されたSDメモリカード22を挿入可能としている。また、ケース本体4のSDメモリカード用スロット部21を設けた側面には、DCジャック24を設けている。DCジャック24は、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。
【0101】
一方、SDメモリカード用スロット部21とは反対側の側面には、電源スイッチや、USB端子23を設けている。このUSB端子23を介してパソコンと接続し、ソフトウェアアプリケーションのバージョンアップなどを行うことができる。ケース本体4の内部には、以下の各機器・部品を配置している。ケース本体4の背面側内部には、マイクロ波受信器11を配置している。マイクロ波受信器11は、所定周波数帯のマイクロ波を受信するもので、その設定された周波数帯のマイクロ波を受信した場合に、その受信したマイクロ波の信号レベルを検出する。具体的には、その信号レベルであり電界強度に対応するRSSI電圧を利用する。上記の所定周波数帯は、たとえば車両速度測定装置から出射されるマイクロ波の周波数が含まれる周波数帯としている。また、ケース本体4の上面側内部には、GPS信号を受信し現在位置を求めるGPS受信器12を配置している。ケース本体4の前面側内部には、第2通信部14を配置する。第2通信部14は端末装置60(例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯電話機等)との間でデータの送受を行う。第2通信部14は、通信回線NW経由で通信してもよいが、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN通信や、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信、またはその他の方式の無線通信を行うようにしてもよい。さらに、ケース本体4内には、スピーカ20も内蔵されている。
【0102】
更に、本実施形態のナビゲーション装置10は、無線受信器13とリモコン受信器16を備えている。無線受信器13は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信器16は、リモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行う。無線受信器13は、飛来する所定周波数帯の無線を受信する。この所定周波数は、例えば、緊急車両が基地局に対して自車位置を通知する際に使用する無線の周波数帯とすることができる。本実施形態のナビゲーション装置は、ナビゲーション機能に加え、車両速度測定装置その他の交通監視ポイント等の目標物を検出する目標物検出装置としての目標物検出機能も備えている。これらのナビゲーション機能並びに目標物検出機能を含むすべての機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0103】
すなわち、制御部18は、上記の各種の入力機器(GPS受信器12、マイクロ波受信器11、無線受信器13、タッチパネル8、リモコン受信器16等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5,警報ランプ9,スピーカ20等)を利用して所定の情報・警報・メッセージを出力する。この所定の処理が、上記の各機能を実行するためのものであり、必要に応じてデータベース19や、SDメモリカード22にアクセスする。ここでデータベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお、データベース19には、出荷時に一定の目標物や地図その他の目標物検出やナビゲーションを行うために必要な情報が登録されており、その後に追加された目標物についてのデータ等は、所定の処理を経て更新することができる。この更新たのめの処理は、例えば、追加データが格納されたSDメモリカード22をSDメモリカード用スロット部21に装着すると共に、そのSDメモリカード22からデータベース19に転送することで行うことがある。また、このデータ更新は、第2通信部14を用いたり、USB端子23を介して接続されるパソコンその他の外部機器を用いたりすることで行うことができる。以上の構成のナビゲーション装置10において制御部18は、第2通信部14を用いて、表示装置30と通信する機能を有する。
【0104】
[2-1]ナビゲーション装置10に設定された目的地周辺の店舗等の施設に関するコンテンツ(CM等)を表示装置30に配信すること
【0105】
図8は、本例の処理の流れを示すシーケンスチャートである。制御部31は、通信部34を介してナビゲーション装置10と通信し、ナビゲーション装置10に設定された目的地を特定する情報(以下「目的地情報」という。)を取得する(ステップS21)。
【0106】
次に、制御部31は、目的地情報を、通信部34を介してサーバ装置40に送信する(ステップS22)。サーバ装置40において、制御部41は、通信部43を介して目的地情報を取得する(ステップS23)。制御部41は、コンテンツDB421を参照し、取得した目的地情報に応じた位置情報に対応付けて格納されたコンテンツを選択する(ステップS24)。目的地情報に応じた位置情報は、目的地情報が示す目的地と同じ位置を示す位置情報、又は目的地から所定距離範囲内の位置を示す位置情報とするとよく、目的地によって特定される位置を示すものであればよい。
【0107】
制御部41は、取得した目的地情報に応じた位置情報に対応付けて格納されたコンテンツが複数ある場合は、所定の規則に従って又はランダムに、いずれかのコンテンツを選択するとよい。この選択の方法は、ステップS4等と同じでもよいし、異なっていてもよい。制御部41は、選択したコンテンツを、通信部43を介して表示装置30に送信する(ステップS25)。表示装置30において、制御部31は、通信部34を介してコンテンツを取得すると(ステップS26)、表示部32にコンテンツを表示する(ステップS26)。乗客Pはこのコンテンツを視認する。本本例においても、制御部41はコンテンツを順次選択して送信してもよいし、複数のコンテンツを一括して送信してもよい。表示装置30において、制御部31は、一つのコンテンツの表示が完了すると次のコンテンツを表示する。表示装置30は、乗客が車両90に乗車中の期間の全体または一部(例えば所定時間)において、かかる処理を繰り返す。
【0108】
以上の構成によると、乗客Pがこれから訪れる予定の目的地に応じたコンテンツを表示するため、乗客Pの興味を惹きやすい。
【0109】
[2-2]ナビゲーション装置10に設定されたナビ出発地から目的地までに有る有名な老舗店等の施設に関するコンテンツ(CM等)を表示装置30に配信すること
【0110】
図9は、本例の処理の流れを示すシーケンスチャートである。制御部31は、通信部34を介してナビゲーション装置10と通信し、ナビゲーション装置10に設定されたルート案内の内容を特定する情報(以下、「ルート案内情報」という。)を取得する(ステップS31)。ルート案内情報は、例えば、車両90が走行予定のルートを特定する情報で、出発地、目的地及び経由地、並びに走行予定の道路などの情報を含むとよい。
【0111】
次に、制御部31は、ルート案内情報を、通信部34を介してサーバ装置40に送信する(ステップS32)。サーバ装置40において、制御部41は、通信部43を介してルート案内情報を取得する(ステップS33)。制御部41は、コンテンツDB421を参照し、取得したルート案内情報に応じたコンテンツを選択する(ステップS34)。ルート案内情報に応じた位置情報は、ルート案内情報が示す出発地、目的地及び経由地の少なくともいずれかの位置を示す位置情報、又は当該位置から所定距離範囲内の位置を示す位置情報とするとよい。また、ルート案内情報に応じた位置情報は、車両90が走行予定のルート上の位置から所定距離範囲内の位置を示す位置情報とするとよい。このように、ルート案内情報に応じた位置情報は、当該ルート案内情報によって特定される位置を示すものであればよい。
【0112】
制御部41は、取得したルート案内情報に応じたコンテンツが複数ある場合は、所定の規則に従って又はランダムに、いずれかのコンテンツを選択するとよい。選択の方法は、ステップS4等と同じでもよいし、異なっていてもよい。制御部41は、選択したコンテンツを、通信部43を介して表示装置30に送信する(ステップS35)。表示装置30において、制御部31は、通信部34を介してコンテンツを取得すると(ステップS36)、表示部32にコンテンツを表示する(ステップS37)。乗客Pはこのコンテンツを視認する。本本例においても、制御部41はコンテンツを順次選択して送信してもよいし、複数のコンテンツを一括して送信してもよい。表示装置30において、制御部31は、一つのコンテンツの表示が完了すると次のコンテンツを表示する。表示装置30は、乗客が車両90に乗車中の期間の全体または一部(例えば所定時間)において、かかる処理を繰り返す。
【0113】
本例では、表示装置30は、観光地においては、その場所の老舗店等のCMをコンテンツとして表示するとよい。
【0114】
以上の構成によると、乗客Pがこれから目的地に向かう際に通過する地点に応じたコンテンツを表示するため、乗客Pの興味を惹きやすい。
【0115】
表示装置30は、ルート案内情報に応じたコンテンツをユーザの持つスマートフォン等の端末装置で受け取るための情報を生成する機能を備えるとよい。表示装置30の制御部31は、コンテンツを受け取るための情報として、例えばユーザの持つスマートフォン等の端末で読み取り可能なQRコード(登録商標)等の2次元コードやバーコードのような符号化画像やその他のカメラ等で光学的に読み取り可能な情報を生成し、表示部32に表示する。この表示部32に表示する情報は、例えば、インターネットのURLの情報を備えるとよい。URLの情報は、アクセス先を指定するアクセス先情報の一例である。
【0116】
ユーザは、自己が保有するスマートフォン等の端末装置を操作する。これに伴い、端末装置は表示部32に表示された情報を読み取る。この情報がURLの情報を含む場合、端末装置は、ユーザ操作に従い当該URLで特定されるサーバにアクセスする。このサーバは、サーバ装置40としてもよいし、別のサーバとしてもよい。
【0117】
表示装置30の制御部31は、その車内でそのとき提供したルート案内情報に応じたコンテンツを生成するための情報を車側からそのURLのサーバへ送信する機能を備える。サーバはそのURLとその車内でそのとき提供したルート案内情報に応じたコンテンツを生成するための情報を受け取って両者を対応付けて記憶しておき、端末装置からそのURLにアクセスがあったときに、対応付けて記憶されているその車内でそのとき提供したルート案内情報に応じたコンテンツを生成するための情報に基づき当該ルート案内情報に応じたコンテンツを生成してユーザの端末に送信する機能を備える。そしてユーザのスマートフォン等の端末装置は、当該生成したコンテンツを受信し、再生する。したがって、ユーザは、車からユーザが降りても車でのルート案内情報に応じたコンテンツを受け取ることができる。このように、端末装置からサーバにアクセスしたときに、ルート案内情報に応じたコンテンツがユーザに提供される。
【0118】
上述した例では、スマートフォン等の端末装置に対してURL等のコンテンツを受け取るための情報は、制御部31が所定の情報を生成し表示部32に表示するようにしたが、例えば、数字や文字のような人が読み取り可能なものを表示部32に表示するようにしてもよい。この場合、ユーザが表示されたものを見て読み取り、スマートフォン等の端末装置に入力する。またNFC等で読み取り可能な情報としてもよい。
【0119】
上述した各例において、ルート案内情報に応じたコンテンツは目的地付近の情報を含むとよい。また特にルート案内情報に応じたコンテンツは周辺の施設の情報を含むとよい。また特にルート案内情報に応じたコンテンツはルート情報とともに周辺の施設の情報を含むとよい。ルート案内情報に応じたコンテンツは後述する第3実施形態以降の各例における「案内」を含むとよい。
【0120】
本システムは、ユーザが乗車時にドライブレコーダーで記録された映像をユーザが降車後にユーザのスマートフォン等の端末で閲覧するための情報をサーバへ送信する機能を備える。このサーバへ送信する機能は、ドライブレコーダーが備えてもよいし、ドライブレコーダーとは別の装置が備え、当該装置が、ドライブレコーダーから映像を取得し、ユーザが乗車してから、降車するまでの映像の範囲を、ユーザ側のドアの開閉信号を取得して特定する機能または映像からユーザの乗車・降車を認識する機能等によって特定し、その範囲の映像をサーバにアップロードする。そして、それらのアップロードする装置は、そのサーバのアドレスをユーザの端末装置で取得するための情報を生成する機能を備えるとよい。
【0121】
そのサーバのアドレスをユーザの端末で取得するための情報は前述のルート案内情報に応じたコンテンツをユーザの持つスマートフォン等の端末装置で受け取るための情報と同様の情報とするとよい。例えばQRコード(登録商標)等の情報を生成し、ユーザのスマートフォン等で読み取ってそのQRコード(登録商標)内のURLにアクセスするとスマートフォンで当該映像が再生される構成とするとよい。
【0122】
例えば、上述したように表示装置30の表示部32にQRコード(登録商標)等を表示し、スマートフォン等の端末装置でそのQRコード(登録商標)等を読み取り、QRコード(登録商標)等で表されるURLのサーバにアクセスすることで、ユーザが乗車時にドライブレコーダーで記録された映像コンテンツを端末装置で受け取ることができる。
【0123】
このURLと、ルート案内情報に応じたコンテンツをユーザの持つスマートフォン等の端末装置で受け取るための情報のURLは同じURLとし、ルート案内情報に応じたコンテンツとその乗車時の映像とをともに同一のページ内で出力する構成としてもよい。URLと当該映像データを特定する情報とその車内でそのとき提供したルート案内情報に応じたコンテンツを生成するための情報とを対応付けて記憶しておき、ユーザの端末装置からの当該URLへのアクセスがあったときにこれらの記憶された情報に基づいてその乗車時に生成したコンテンツの情報とその乗車時のドライブレコーダーの映像とをユーザの端末装置へ送信する機能を備えるとよい。
【0124】
[第3実施形態]
本実施形態では、乗り物の一つである車両の中の人が、例えばその車両の運転者等であり、その運転者等に対して所定のコンテンツを表示部に表示する制御部を備えたナビゲーションシステムである。本実施形態のナビゲーションシステムは、例えば
図10に示すナビゲーション装置10のように、装置内に実装された制御部18が入力された目的地までのルート探索をし、その探索した結果を表示部5に表示する機能を備えている。
【0125】
本実施形態で表示するコンテンツは、例えば車両の位置に応じたコンテンツであり、制御部18は、ナビゲーションシステムが表示する地図上に表示する機能を備えるとよい。特に、同じような商品サービスであって、価格が重要視されやすい商品サービスを提供する施設に関する施設情報をコンテンツとして提供する処理を行う機能を備える。施設情報を表示するタイミングは、例えばユーザの所定の操作に基づき行うとよく、所定の条件に従って自動的に行ってもよい。
【0126】
以下、価格が重要視されやすい商品の一例であるガソリンを販売する施設の一例であるガソリンスタンドに関する施設情報を表示する機能を備えたナビゲーション装置10に適用した例を説明する。
【0127】
本実施形態のナビゲーション装置10のブロック図は、例えば
図10に示すようにするとよい。
図10に示すように基本的な構成は、
図7に示す第2実施形態におけるナビゲーション装置10と同様である。各装置・機器・処理部等の機能は、第2実施形態と同様煮物については、同一符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0128】
本実施形態のナビゲーション装置10は、第3通信部25を備える。第3通信部25は、通信回線NWを介して外部装置と無線通信を行う。第3通信部25は、かかる無線通信を行うための通信回路及びアンテナ等を備える。外部装置は、例えばサーバ50である。通信回線NWは、例えば5Gの規格に準拠したネットワークで、高速通信が可能である。ただし、通信回線NWは、LTE、4G、その他の規格に準拠した回線でもよい。
【0129】
制御部18は、データベース19に記録された現在位置周辺の地図情報を読み出し、表示部5に随時表示する。制御部18は、タッチパネル8或いは別途用意された入力ボタン部等の入力手段の操作に伴い、表示部5に目的地設定ボタンを表示する機能を備える。制御部18は、タッチパネル8によって、目的地設定ボタンの表示位置に対応する位置の押下を検出すると、目的地設定処理を行う。目的地設定処理は、例えば以下のように実行される。制御部18は、例えば名称、電話番号、住所等の目的地を特定する特定情報を受け付ける処理を行い、受け付けた特定情報に基づきデータベース19にアクセスし、目的地の位置情報を取得する処理を行う。そして、制御部18は、取得した位置情報を目的地の位置情報として設定し、現在位置から目的地までの推奨経路を、データベース19に記憶している道路ネットワーク情報に基づいて求める処理を行う。この推奨経路の算出方法としては例えばダイクストラ法など公知の手法を用いるとよい。
【0130】
そして、制御部18は、算出した推奨経路を、周辺の地図とともに表示する。例えば、
図11に示すように、現在位置101から目的地102にいたるルート103を推奨経路として、所定の色(例えば青色)で表示する。なお、
図11では、図示の便宜上、ルート103を太い線で描画している。
【0131】
サーバ50は例えばウェブサーバとするとい。このサーバ50は、コンテンツとして、表示する施設情報であるガソリンスタンドに関する情報、例えば、存在する位置を特定する位置情報、ブランド、ガソリン価格情報、店舗名、住所、営業日、営業時間、給油方式(セルフ/有人)、などを関連付けて記憶保持する。ガソリン価格情報は、例えば、レギュラー、ハイオク、軽油などのガソリンの種類毎の価格とするとよく、さらに、正規価格と、会員価格などの値引きされた価格などを備えるとよい。位置情報は、例えば経度緯度とするとよい。このサーバ50は、例えば、複数のガソリンスタンド(燃料の補給所の一例)のガソリン価格を統括的に管理し、管理したガソリン価格を比較可能な方法で提供するガソリン価格比較サイトのウェブページを管理し、配信する。また、ガソリンスタンドのブランドは、そのブランドの名称と、そのブランドであることをユーザが認識(識別)できる画像であるロゴマークとを関連付けて登録するとよい。ロゴマークを表示すると、運転者等はどのブランドのガソリンスタンドかが一目でわかるとともに、実際に現地に行ったときに比較的遠くからロゴマークによりガソリンスタンドの存在を確認できるのでよい。
【0132】
[3-1]ナビゲーション装置10で探索された目的地へのルート103上に存在するガソリンスタンドの位置をガソリン価格とともに表示部5に表示すること(ルート上のガソリンスタンドを優先)
【0133】
図12は、本例の処理の流れを示すシーケンスチャートである。ナビゲーション装置10の制御部18は、探索した目的地までのルート案内の内容を特定する情報(以下、「ルート案内情報」という。)を、第3通信部25を介してサーバ50に送信する(ステップS41)。ルート案内情報は、例えば、車両90が走行予定のルートを特定する情報で、出発地、目的地及び経由地、並びに走行予定の道路などの情報を含むとよい。制御部18がサーバ50にルート案内情報を送信するタイミングは、例えば、目的地の入力に伴いナビゲーション機能によりルート探索を行い、ルートが決定された場合に自動的に行ってもよいが、例えばルート案内をしている走行中に行われるユーザの所定の操作や、例えばガソリン残量が少なくなったり、高速道路に入り口に近づくなど所定のガソリンスタンドを案内する表示を行った方がよい条件を満たした際に制御部18が行うとよい。
【0134】
サーバ50は、ルート案内情報を取得すると(ステップS42)、その取得したルート案内情報に応じたコンテンツを選択する(ステップS43)。すなわち、サーバ50は、ルート案内情報に応じた車両90が走行予定のルート103の道路沿いに存在するガソリンスタンドを抽出し、その抽出したガソリンスタンドに関する情報を取得する。その取得するガソリンスタンドに関する情報は、例えば、位置情報とブランドなどの当該ガソリンスタンドを特定する情報と、そこで販売されるガソリン価格情報等とするとよい。ガソリン価格情報は、例えば、ガソリンの単位補給量当たりの価格(円/リットル)を示すとよい。ルート上に存在するガソリンスタンドが複数存在する場合、その複数の全てのガソリンスタンドについての上記の情報を抽出し、ガソリンスタンド毎に関連付ける。
【0135】
サーバ50は、選択したコンテンツをナビゲーション装置10に通信回線NW経由で送信する(ステップS44)。ナビゲーション装置10において、制御部18は、通信回線NWを介してコンテンツを取得する(ステップS45)と、取得したコンテンツを表示部5に表示する(ステップS46)。このコンテンツの表示は、例えば
図13(a)に示すように、制御部18が、ナビゲーション機能により表示している地
図105上のガソリンスタンドの位置に行うとよい。制御部18は、例えば取得した位置情報に基づき、コンテンツを表示する位置を決定し、その位置に例えばガソリンスタンドを特定する特定情報106と、ガソリン価格107を関連付けて表示する。また、制御部18は、車両の現在位置に対応する地図上の位置に、自車位置アイコン108を表示する。
【0136】
制御部18が表示するガソリン価格107は、取得したガソリン価格情報のうち、ガソリン種別が「レギュラー」についての「正規価格」を表示するとよい。例えばレギュラーガソリンの正規価格が、ガソリンスタンド間での価格を比較する場合の基準とされることがあるので、運転者等は価格の比較がしやすい。
【0137】
現在位置の周囲に存在するガソリンスタンドが、例えば
図13(b)に示すようにルート外にも複数のガソリンスタンドが存在している場合に、制御部18は、
図13(b)に示すようにルート上に存在するガソリンスタンドA,B,Cのみを表示し、例えば、ルートに隣接しないガソリンスタンドと、ルート上の道路に隣接していても、反対車線沿いに設置されたガソリンスタンド(例えばD)は表示しないように処理する。
【0138】
このように制御部18は、ルート上に存在するガソリンスタンドを表示するので、運転者等は、目的地まで走行する道路沿いにガソリンスタンドがあるかが一目でわかる。例えば、表示された地図の表示領域内に、
図13(b)に示すようにルート以外の箇所にもガソリンスタンドが存在する場合に、周囲に存在するガソリンスタンドを均等に表示する場合に比べ、ルート上に存在するガソリンスタンドを見つけ易くなる。よって、例えば知らない土地を走行している時にガソリンを入れなければならない状況になった場合、このままルート通りに走行していてガソリンスタンドがあるのか否かを知ることができる。
【0139】
また本実施形態では、ガソリン価格107を合わせて表示するので、運転者等は、ルート上に存在する各ガソリンスタンドで販売されているガソリン価格を比較できる。例えば、何軒か先のガソリンスタンドの方が安いということが分かるので、運転者等は給油するガソリンスタンドを適切に決定することができる。例えば、
図13(a)に示す例では、ルート上に存在する3つのガソリンスタンドのうち、3番目のガソリンスタンドCが表示されたエリア内では一番安く、最初のガソリンスタンドAで給油する場合に比べ、1リットルあたり10円安いことがわかる。このように、ルート上に複数のガソリンスタンドが存在する場合に、それぞれを価格ととともに表示することで、車両のガソリン残量との兼ね合いもあるが、遠くても安いスタンドがあれば、近くのところで入れずに安いところまで移動して給油することができる。そして、係る遠いガソリンスタンドであってもルート上にあるガソリンスタンドのため無駄な走行をしないですむ。
【0140】
特定情報106は、図では、GS(a),GS(b),GS(c),……と文字で表記しているが、括弧内の小文字のアルファベットは、ガソリンスタンドのブランドを示すものである。例えばGS(a)は、aというブランド系列のガソリンスタンドを意味し、GS(b)は、bというブランド系列のガソリンスタンドを意味する。実際の特定情報106の表示は、例えば文字としてもよいが、各ブランドを表すロゴマークにするとよい。ロゴマークにすることで、運転者等は、一目でどのブランドのガソリンスタンドかを認識することができる。また、運転者等は、全てのブランドのロゴマークを知らない場合もあるが、少なくとも普段利用していたり、気に入ったりしているガソリンスタンドのロゴマークは知っている場合が多い。よって、地図上に表示されたロゴマークを見ることで、少なくとも普段利用等しているガソリンスタンドと同じブランドのガソリンスタンドであるか否かは認識できる。
【0141】
例えば、ある特定のブランドのガソリンスタンドでは、正規価格よりも安価な会員価格での給油が可能な場合、正規価格が高くても運転者が実際に支払う金額は安くなる場合がある。会員価格は、正規価格よりも○○円/リットル安い価格設定にしていることが多い。そして、運転者等は、会員価格がいくら安いかといった値引き情報を知っていることが多い。よって、運転者等は、各ガソリンスタンドの正規価格が表示されている場合、自己が会員になっているのと同じブランドのガソリンスタンドについては、表示された正規価格から所定額引いた金額を求め、その求めた金額と他のガソリンスタンドの正規価格と比較するとよい。
【0142】
制御部18が、ルート上にあるガソリンスタンドを案内する表示を行うタイミングは、例えば、サーバ50からガソリンスタンドに関する情報を取得するとそれに伴い表示するようにしてもよいし、情報は取得するが表示せず、例えば所定のボタン操作や画面タッチ等のソフトボタン操作に基づき表示するようにしてもよい。また、各種のタイミングで表示した場合に、ユーザ操作や所定時間の経過或いは所定距離走行後に施設に関する情報を非表示としたり、目立たない表示に切替えたりするとよい。このようにすると、施設に関する情報が表示し続けることによる煩わしさが解消される。これらは以下に示す各例においても同様である。
【0143】
また、サーバ50から取得するガソリンスタンドに関する情報は、ルート上に存在するガソリンスタンドのみではなく、ルート外や周囲に存在するガソリンスタンドに関する情報も取得するとよい。そしてルート外等に存在するガソリンスタンドに関する情報を取得し、表示部5に表示する際に制御部18が条件に合致するガソリンスタンドを特定し、表示するとよい。このようすると、車両がルートから外れて走行した場合にも表示内容の変更に対応したり、後述するように、ルート外のガソリンスタンドに関する情報も表示するものに対応したりできる。これらは以下に示す各例においても同様である。
【0144】
[3-2.ガソリン価格に基づく優先表示]
制御部18は、地図上のガソリンスタンドの位置に、ガソリンスタンドを特定する特定情報106と、ガソリン価格107を関連付けて表示するに際し、ガソリン価格が安いものが目立つように表示するとよい。例えば、ルート上に複数のガソリンスタンドが存在する場合、制御部18は、所定の基準価格よりも安いガソリン価格で販売しているガソリンスタンドについての特定情報106およびまたはガソリン価格107を、目立つ色、例えば赤色で表示したり、目立つ表示態様、例えばブリンキングで表示したり、大きく表示したりするとよい。所定の基準価格は、固定値でもよいが、例えば平均価格とするとよい。平均価格を基準価格にすると、平均よりも安いガソリン価格でガソリンを購入できる。平均価格は、例えば、上述したガソリン価格を取得するガソリン価格比較サイトから取得するとよい。
【0145】
また、安いガソリン価格は、基準値と比較するのではなく、或いはそれに加えて、制御部18は、表示される地図エリア内のルート上に存在するガソリンスタンドにおけるガソリン価格の安いものから所定数を選択して表示するとよい。このようにすると、一度に表示されるガソリンスタンドの数が、最大でも所定数となる。よって、運転者等は、安いガソリンスタンドを見落とすことなく、容易かつ直ぐに見つけることができ、安い価格で給油することができる。例えば、ガソリンスタンドが比較的密集しているエリアでは、走行中に多くのガソリンスタンドについてのガソリン価格107が表示される場合がある。すると、一度に表示される多数のガソリン価格107を比較し、どれが一番安い或いは比較的安いガソリンスタンドかを一目で認識するのは難しいことがあるが、表示数を制限することでそのような事態の発生を抑制できる。
【0146】
また、例えば地図の縮尺を調整し、広い範囲を表示した場合に、安いガソリンスタンドを所定数以下で表示することで、例えばガソリン残量を考慮した走行可能なエリア内に存在するガソリンスタンドの中で、安価なガソリンスタンドを効率よく見つけることができる。
【0147】
このように、ガソリン価格の安いガソリンスタンドを複数表示することで、周囲の安いガソリンスタンドがわかりやすく、選択の余地が広がる。また、制御部18は、例えば基準価格を超えるなど、安くないガソリンスタンドも表示するようにするとよい。このようにすると、選択の自由度が上がる。例えば、ガソリン価格が高くてもとにかく近いガソリンスタンドで給油したいとか、特定のグループ系列のガソリンスタンドで給油したいなどといった要求に応えることができる。この場合でも、制御部18は、例えば設定した基準価格よりも高い第2の基準価格を設定し、その第2の基準価格と比較し、あまり高いガソリン価格のガソリンスタンドは表示しないようにするとよい。
【0148】
また、制御部18は、ガソリン価格の安いガソリンスタンドを複数表示するに際し、安さの順番がわかるように表示するとよい。制御部18は、例えば、ガソリン価格が安いガソリンスタンドほど目立つように表示するとよい。目立つように表示するとは、例えば、安いガソリン価格で販売するガソリンスタンドほど大きく表示したり、ブリンキングしたり、表示色や表示の濃淡を変えたりするとよい。また、制御部18は、順位を数値で示したり、特定のマークを付加して表示したりするとよい。
【0149】
[3-3.車両のガソリン残量による表示制御]
本システムは、例えば乗り物である車両の燃料残量であるガソリン残量を特定する機能を有し、制御部18は、特定したガソリン残量に応じて、案内する表示を変える制御を行うとよい。例えば、制御部18は、特定したガソリン残量が基準より少ない場合にガソリンスタンドを案内する表示、例えばガソリンスタンドを特定する特定情報106と、ガソリン価格107を表示するとよい。また、特定したガソリン残量が基準よりも多い場合には、ガソリンスタンドを案内する表示を行わない制御を行うとよい。
【0150】
ガソリン残量を特定する機能は、例えばナビゲーション装置10に実装したり、外部から与えられるガソリン残量の情報を取得したりするとよい。外部から与えられるガソリン残量の情報は、例えば外部の装置・機器等が求めたガソリン残量や、車両側から出力される情報等とするとよい。
【0151】
ナビゲーション装置10に実装する場合、例えばOBD(On-Board Diagnostics)2コネクタから取得する車両情報から求めるとよい。例えば車両情報の中に、例えば燃料消費量に関する情報がある場合がある。そしてこの燃料消費量に関する情報が、例えば一定量が消費される毎に出力されるもの場合、その出力される信号をカウントすることで、消費燃料を算出する。また、制御部18は、ガソリンスタンドで給油する毎に給油量の入力を受け付ける機能を備えるとよい。この給油量の入力は、例えばユーザの手入力で行う方式、例えばレシートを読み込みOCR処理して給油量を認識する方式などを採るとよい。そして制御部18は、これらの入力情報に基づき適宜加減算処理することで、ガソリン残量を求めるとよい。また、給油情報は、例えば満タンのリッター数を記憶保持しておき、制御部18は、満タンと入力されると記憶保持したリッター数を現在のガソリン残量にセットし、以降、取得した車両情報に基づきガソリン残量を順次減算していく。満タンのリッター数は、例えばユーザが手入力によりセットしてもよいし、車種毎の満タンのリッター数を情報として保有し、ユーザが車種を登録すると、制御部18が入力された車種に関連付けられたリッター数を読み出し、セットするとよい。
【0152】
このような車両情報に基づきガソリン残量を求める機能は、ナビゲーション装置10の外部の装置・機器に持たせ、ナビゲーション装置10は、その外部装置・機器が求めたガソリン残量を取得するようにしてもよい。
【0153】
また、車両情報として、現在の車両のガソリン残量が出力される場合、その出力されるガソリン残量を用いて制御するとよい。車両情報から燃料消費量に関する情報を取得できない場合、例えば制御部18は、走行距離と燃費に基づき燃料消費量を求めるとよい。
【0154】
また、ドライブレコーダーその他の車載装置等に用いられる車室内を撮影するカメラ(例えば、車両の後方側から前方を撮影するカメラ)等を用いて車両のメーター表示部分を含むように撮影し、撮影した画像を解析し、メーターの針の位置やデジタル表示の場合の数値などからおおよその残量を求めるようにしてもよい。
【0155】
車内カメラは、例えばリヤカメラであってそのリヤカメラが外と車室内をとる2カメラとし、車室内を撮るカメラを利用するとよい。また天球カメラを水平方向で360度を撮るように設置し、1つのカメラを用いて車両のメーター表示部分を撮影可能とするようにするとよい。
【0156】
また、ガソリン残量(燃料残量)を特定することは、上述したように、ガソリン残量を数値により特定することだけでなく、ガソリン残量が相対的に多いか少ないかといった、残量の目安を特定することしてもよい。例えば、ガソリン残量を特定することは、所定の残量(基準)よりも多いか、又は少ないかを特定するものであってもよい。また、ガソリン残量を特定することは、例えば車両の走行時間又は/及び走行距離等から、残量の目安を特定してもよい。
【0157】
[3-3-1.ガソリン残量が少ない場合に案内をする表示を行うこと]
上述した構成において、制御部18は、ガソリン残量が少ない場合に例えば特定情報106とガソリン価格107のようにガソリンスタンドについて案内をする表示を行い、ガソリン残量が多い場合は、ガソリンスタンドについて案内をする表示を行わない制御をするとよい。
【0158】
このようにすると、給油が必要な状況ではガソリンスタンドの情報(位置、価格等)が地図エリア内の対応する位置に表示されるので、運転者等はそこから状況にあったガソリンスタンドを選択できる。一方、ガソリン残量が多い場合には給油が不要のため、不要な情報となるガソリンスタンドの特定情報106とガソリン価格107を表示しないことで、他の有用な情報を容易かつ確実に確認できる。
【0159】
例えば、制御部18は、ガソリン残量が少ない場合にガソリンスタンドについて案内をする表示を行うことは、直近の給油から、車両の走行距離が所定距離以上になったこと、又は/及び走行時間が所定時間以上になった場合に行ってもよい。例えば、車両の走行距離や走行時間を特定するデータについては、出願人である株式会社ユピテルが提供するリマインダー機能で使われるデータと共用されてもよい。このリマインダー機能は、車両の走行距離や走行時間に基づいて、オイル交換やタイヤ交換などのタイミングをユーザに案内する機能である。
【0160】
また、制御部18は、上述したようなガソリン残量(燃料残量)が相対的に多いか少ないかといった、残量の目安に基づいて、案内をする表示の制御をしてもよい。例えば、制御部18は、ガソリン残量が相対的に多い場合は案内をする表示をせず、少ない場合に案内をする表示をしてもよいが、ガソリン残量が相対的に少ない場合は多い場合よりも頻度を高くして案内の表示をしてもよい。また、制御部18は、ユーザの所定の操作画像の操作に応じて案内の表示をするのであれば、ガソリン残量が相対的に少ない場合は多い場合よりもその操作画像(例えばソフトボタン)を操作しやすい位置に表示してもよい。操作画像を操作しやすい位置に表示することは、例えば、トップ画面に表示する等、階層的に関連付けた複数の画面のうちの上位の階層の画面に表示するとしてもよいし、操作画像を大きく表示することであってもよく、ユーザが操作画像に気づきやすい表示や、操作負担の少ない表示とするとよい。
【0161】
[3-3-2.ガソリン残量が少ない場合にルート外のガソリンスタンドを案内する表示も行うこと]
制御部18は、ガソリン残量に応じて、ルート上以外に存在するガソリンスタンドについて案内する表示を行うか否かの制御を行うとよい。例えば、ガソリン残量が多い場合には、制御部18はルート上以外に存在するガソリンスタンドを案内する表示を行わずにルート上に存在するガソリンスタンドについて案内する表示、例えば特定情報106とガソリン価格107等を表示する。一方、ガソリン残量が少ない場合には、制御部18はルート上に加えルート外に存在するガソリンスタンドを案内する表示を行うとよい。
【0162】
このようにすると、ガソリン残量がある程度あり、走行可能な距離がある程度確保できる場合には、ルート上に存在するガソリンスタンドを案内する表示を行うことで、例えば迂回することなく目的地に向かって走行する途中で給油することができる。一方、ガソリン残量が少ない場合には、ルート外に存在するガソリンスタンドを案内する表示もあわせて行うことで、例えば、ある程度ガソリン残量が減ってきた場合に、ガス欠してしまうことを心配しながら運転することがいやで迂回しても給油して安心したい運転者にとっては、例えば近くに存在するガソリンスタンドを見つけることができる。
【0163】
制御部18は、ルート外にあるガソリンスタンドを案内する表示は、ルート上にあるガソリンスタンドを案内する表示よりも目立たない表示とするとよい。このようにすると、地図上に表示されたガソリンスタンドが、ルート上であるか否かが一目でわかり、ルート上にあるものが目立つ。よって、運手者等は、迂回しないで済むガソリンスタンドを見つけやすくなりつつ、迂回しても近いガソリンスタンドを見つけたいという要求を満たすことができる。目立つ表示としては、例えば、地図上に表示するガソリン価格や、ブランドマークや、ガソリンスタンド名等の情報を、目立つ表示をしないものよりも大きく表示すること、点滅させること、特定の色で表示すること等とするとよいが、人間にとって目につきやすい様々な表示方法を採りうる。
【0164】
また、特定したガソリン残量に応じて、案内する表示を変える制御を変える場合、3-3-1に記載したようにある基準に対して少ない場合にガソリンスタンドを案内する表示を行い、多い場合にガソリンスタンドを案内する表示を行わないというように表示の有無を切り換えるものに限らず、本例のように、いずれの場合もガソリンスタンドを案内する表示は行うものの、表示する内容を変えるようにするとよい。さらに、切り換える場合に、基準に対して多いか少ないかの2段階の切り換えではなく、例えば異なる基準を複数備え、3段階以上の切り換えを行う構成にするとよい。3段階以上の切り替えの場合に1つは案内の表示をしない制御を行うように構成するとよい。
【0165】
[3-3-3.ガソリン残量に基づく走行可能な距離に基づく表示制御]
制御部18は、ガソリン残量に基づいて走行可能な距離を求め、走行可能な距離に基づいて案内する表示内容を変更するとよい。走行可能な距離は、例えば、上述した車両情報から燃費情報を取得したり、一定量の燃料消費する際に走行した走行距離から燃費を算出したりするとよい。
【0166】
制御部18は、地図のエリア内に存在する各ガソリンスタンドまでの移動距離を求め、走行可能な距離よりも短い、走行可能エリア内のガソリンスタンドを抽出する。そして制御部18は、ルート上に存在するガソリンスタンドであって、走行可能距離の範囲内に存在するガソリンスタンドについての特定情報106とガソリン価格107を表示する。
【0167】
このようにすると、運転者等は例えば走行可能な範囲内で安いガソリン価格のガソリンスタンを見つけ、そこで給油することができる。例えば、遠くにある安いガソリンスタンドで給油すべく走行中にガス欠になってしまう事態の発生を可及的に抑制できる。
【0168】
また、制御部18は、ルート上に該当するガソリンスタンドが存在しない場合、ルート外であって走行可能距離の範囲内に存在するガソリンスタンドについて案内する表示を行うとよい。このようにすると、例えばルートを走行していてガソリンスタンドにたどり着けずにガス欠してしまうおそれを可及的に抑制できる。
【0169】
[3-4.目的地までの距離やルートに基づく表示制御]
[3-4-1.目的地が遠い場合に案内を表示し、近い場合に表示しないこと]
制御部18は、目的地が遠い場合は、ルート上のガソリンスタンドについて案内する表示の一例である特定情報106とガソリン価格107の表示を行い、目的地が近い場合は、係る表示を行わない制御を行うとよい。例えば、制御部18は、ルート案内情報に基づく当該ルートを走行した場合の走行距離が基準値よりも長い場合には、地図上のガソリンスタンドの位置に、そのガソリンスタンドについての特定情報106とガソリン価格107を表示し、基準値以下の場合にはそれらを表示しない制御を行う。
【0170】
目的地が遠い場合には、それに伴いガソリンの消費量も多くなる。ガソリン残量が多くても途中でガス欠になる場合があり、ガス欠にならなくてもガソリン残量がわずかになり、目的地周辺や、目的地に至る途中でガソリンスタンドを探す必要が生じたり、ガス欠を心配しながら運転をしたりする場合がある。目的地が遠いと、係る事態が発生する可能性が高くなるので、予め注意喚起を行うことができる。運転者等は、係る注意喚起に伴い、適度なタイミングで給油することができる。
【0171】
[3-4-2.高速道路の手前のエリアで、案内する表示を行うこと]
制御部18は、ルート案内情報または目的地情報に基づき、高速道路を走行する可能性がある場合、高速道路に入る前のエリアに存在するガソリンスタンドを案内する表示を行うとよい。この場合、該当するガソリンスタンドは、ルート上に存在するものに限定するとよく、ルート上に限定しない場合には、ルート上に存在するものが目立つように表示するとよい。
【0172】
制御部18は、ルート上に高速道路が存在する場合には、高速道路を走行する可能性があると判断するとよい。また、推奨するルートは高速道路を走行しない場合でも、例えば、現在値と目的地との間に高速道路が存在する場合には、可能性があると判断するとよい。
【0173】
このようにすると、高速道路の存在について運転者に対して注意喚起をすることができる。よって、高速道路を走行する距離とガソリン残量から高速道路に入る前に給油した方がよい場合であっても、運転者はうっかりして給油せずに高速道路に入ってしまうことを可及的に抑制できる。
【0174】
例えば、高速道路の入り口の手前側の地図のエリア内であって、ルート上に存在するガソリンスタンドが存在しない場合、制御部18は、ルート外のガソリンスタンドを案内する表示を行うとよい。このようにすると、運転者は、例えばナビゲーション装置10のルート案内に従って運転していて、そのまま給油することなく高速道路に入ってしまう可能性を低減できる。
【0175】
また、制御部18は、現在位置から高速道路に入るまでのルート上にガソリンスタンドが存在しない場合、そのことがわかるように報知する機能を備えるとよい。ルート上にガソリンスタンドが存在しないことかわかるように報知するのは、例えば「ここから高速道路入り口までガソリンスタンドはありません」などのメッセージを、表示部5にテキストで表示したり、音声で報知したりするとよい。
【0176】
このようにすると、運転者等は、ルート上にはガソリンスタンドがないことを知り、そのまま高速道路に乗るか、一旦迂回してガソリンを給油してから高速道路に乗るかを考え、選択することができる。よって、運転者等が、ルート上にガソリンスタンドがないことを気が付かずにそのまま高速道路に入ってしまい、途中でガス欠になったり、高速道路のサービスエリアで給油したりする事態を招くことを可及的に抑制できる。
【0177】
また、ルート案内情報または目的地情報に基づき、高速道路を走行する可能性がない場合、制御部18は、ガソリンスタンドを案内する表示を行わないように制御するとよい。
【0178】
[3-4-3.目的地情報に基づきガソリンスタンドを案内する表示を行うこと]
制御部18は、例えば目的地情報に基づき目的地が観光地や、都心のように比較的ガソリン価格が高い地域であったり、目的地が山間部や地方などガソリンスタンドの設置密度が低い地域の場合、制御部18は、例えばルート上のガソリンスタンドを案内する表示、例えば特定情報106とガソリン価格107の表示を行う制御をするとよい。例えば目的地に到達するまでに必要とするガソリン残量はあったとしても、目的地付近や帰りにガソリンを給油する費用が生じた場合に、必ずしもルート上にガソリンスタンドが存在しているとは限らないことがある。本例のように構成すると、目的地に行く前の現在位置周辺或いはルートを走行している適宜のタイミングでガソリンを給油していた方がよいか否かを検討することができる。また、係る事情に基づいてガソリンスタンドを案内する表示が行われていることを報知する機能を備えるとよい。
【0179】
また、目的地情報等に基づき、ガソリンスタンドを案内する表示を行っていることを報知する機能を備えるとよい。さらに、目的地が上述した条件を満たさない場合、制御部18は、ガソリンスタンドを案内する表示を行わないように制御するとよい。
【0180】
[3-5.ルート外も表示する]
制御部18は、地図のエリア内に存在するガソリンスタンドであって、例えばルート上のガソリンスタンドを案内する表示、例えば特定情報106とガソリン価格107の表示を行う制御をするとよい。ルート外のガソリンスタンドは表示しないようにするとよい。この場合に、ルート外のガソリンスタンドを案内する表示は行わないか、行った場合でも目立たないように表示するとよい。
【0181】
[3-6.営業中のものを表示]
制御部18は、取得した各ガソリンスタンドの営業日時に関する情報をサーチし、現在営業中のガソリンスタンドや、閉店間際のガソリンスタンドを報知し、閉店後のガソリンスタンドを案内する表示は、行わないか目立たないように表示するとよい。
【0182】
営業中か否かの判断は、制御部18は、現在時刻と各ガソリンスタンドの営業日時を比較して決定するとよい。また、離れた場所にあるガソリンスタンドに給油する場合、そこに到着するまでに時間がかかり、現在は営業中でも実際に到着した際には閉店している場合もある。そこで、例えば、カーナビゲーションシステムにおける目的地への到着時刻の予測処理と同様のアルゴリズムを用い、ガソリンスタンドを目的地とした到達予想時刻を求める。そして、制御部18は、求めた到達予測時刻が営業時間内であれば、案内する表示を行い、営業時間外であれば案内する表示を行わないか、異なる態様で表示するとよい。
【0183】
[3-7.ガソリン価格の詳細情報表示機能]
図13(a)などに示すように、上述した各例では、ガソリン価格107として、レギュラーガソリンについての正規価格を表示するようにしたが、例えば、制御部18は、異なる種類のガソリン価格や、会員価格などの値引きした価格等の詳細情報を表示する機能を備えるとよい。
【0184】
係る詳細情報を同時に地図上に表示するとかえってわかりにくくなるので、例えばガソリン価格107の部分がタッチされた場合、その関連するガソリンスタンドの詳細情報109を表示するとよい(
図14参照)。このようにすると、例えば運転者等が所定のブランドのガソリンスタンドの会員になっている場合、そのブランドのガソリンスタンドの会員価格を知ることができ、その他のブランドのガソリンスタンドの正規価格と比較することで、その運転者等にとって最も安価で給油できるガソリンスタンドを知ることができる。
【0185】
また、このように詳細情報を表示する場合、制御部18は、特定情報106を視認可能な状態のまま詳細情報109を表示するとよく、さらにどの特定情報106についての詳細情報109であるかがわかるように表示するとよい。特に、幹線道路などで複数のガソリンスタンドが併設されているような場合、押し間違いすることなく、所望のガソリンスタンドについての詳細情報109を表示しているかの確認ができる。
【0186】
[3-8.ガソリン価格以外の商品・サービス]
上述した各例では、車両の燃料としてガソリンを例に挙げて説明したが、電気自動車、水素自動車などに対応した電気、水素などの各種の燃料を提供する補給所についても同様に適用するとよい。
【0187】
また上述した各例では、ガソリンスタンドで販売されるガソリンの対価であるガソリン価格について表示する例を説明したが、ガソリンスタンドについての案内をする表示は、かかるガソリン価格に限られない。例えば、エンジンオイル交換の価格、灯油価格などガソリンスタンドで販売される商品であって、同種の商品がそれぞれ販売されるようにものとするとよい。また、サービスについての対価は、例えば洗車料金などがあり、機械洗車、手洗い洗車などの洗車方式の種類も関連付けて表示等するとよい。
【0188】
[第4実施形態]
[4.サーバ への情報提供]
システムは、ガソリンスタンドに関する情報を提供するサーバ50等に対し、情報提供をする機能を備えるとよい。
図15に示すように、ナビゲーション装置10は、サーバ50から施設の一例であるガソリンスタンドに関する情報として、そこで販売されている商品であるガソリンのガソリン価格等の情報を取得し、ナビゲーション装置10の表示部5にガソリンスタンドを案内する表示を行う。この処理機能は、上述した各実施形態と同様にするとよい。またサーバ50は、上記のガソリン価格の情報を提供するべく、複数のガソリンスタンドにおいて販売される商品の一つであるガソリンを購入する際の対価であるガソリン価格を一括して管理している。このサーバ50が管理するウェブページから、ナビゲーション装置10の制御部18が上述したようにガソリン価格の情報等を取得し、表示部5に表示する。
【0189】
またサーバ50は、ユーザ登録した会員から、ガソリン価格や、ガソリンスタンドの外観の写真などの投稿を受け付けることで、投稿した会員に対して所定の特典(第1の特典の一例)を与える機能を備える。この特典は会員にとってメリットのあるものとするとよく、これにより、会員が投稿しようとする意識、意欲がわくものとするとよい。例えば、特典は、サーバ50のウェブページで利用可能なポイント等とするとよい。このポイントは、例えば、所定の商品に交換できたり、電子マネー等に交換できたりするなどといった金銭的価値のあるものとするとよい。また、特典はこのように金銭的価値のあるものに限ることはなく、例えば、特別なゲームに参加できたり特別な映像等のコンテンツを取得できたり、サーバ50内でのステータスが得られるなどの何らかの価値をユーザに与えられるものであるとよい。サーバ50は、このような特典を与えるための付与処理部を備えるとよい。また、特典の付与は、限定グッズやプレゼント等の現物を付与することにより行われてもよい。また、映像等のコンテンツを付与する場合、サーバ50は、コンテンツを送信してもよいが、コンテンツを見られるサイトのログイン情報等を送付してもよい。ゲームの参加についても、サーバ50は、ゲーム自体をダウンロードするようにしてもよいが、ゲームに3がするためのログイン情報等を送付してもよい。
【0190】
付与処理部は、ポイントや電子マネー、ゲームや映像等のコンテンツ、ステータスの提供等の特典の付与を、電子的な処理によりユーザに付与する場合、そのユーザのアカウントやIDに関連付けて管理されているデータを、付与する特典に応じて更新する処理を行うとよい。特典を現物により付与する場合は、付与処理部は、その特典を付与するためのデータ(例えば、特典とユーザとの関係を特定するデータ)を所定の出力先(例えば、特典の発送を行う事業者のコンピュータ装置等)に出力する処理を行うとよい。
【0191】
[4-1.ガソリンスタンドの利用実績の投稿に伴う特典付与]
システムは、案内する表示をしたいずれかのガソリンスタンドを運転者等が利用したことを検知する機能を備える。この機能は、例えば制御部18が表示部5に表示した1または複数のガソリンスタンドに、給油を想定できる時間以上その場所に立ち寄った場合に利用したと検知するように構成するとよい。例えば、ナビゲーション装置10の制御部18は、現在位置がいずれかのガソリンスタンドに位置したときの時刻を記録する。そして、その状態で電源がOFFになり、次に電源がONになったときの現在時刻を取得し、先に記録した時刻から現在時刻までの経過時間を求め、その経過時間が基準値を超えた場合には、その施設であるガソリンスタンドを利用、すなわち給油したと検知するとよい。
【0192】
また、このような滞在時間に基づくものではなく、例えば、満タンや、何リットル給油したかの情報が入力されたことを検知した場合に、ガソリンスタンドを利用したと検知するとよい。また、このように具体的に給油したリットル数の入力をするのではなく、例えば所定のボタン操作やタッチ画面のタッチ操作などの所定のユーザ操作により、給油したことを検知するようにするとよい。
【0193】
例えば、制御部18は、ガソリンスタンドの利用を検知した場合、サーバ50に対し、利用を通知する。利用の通知は、例えば予めナビゲーション装置10に登録しておいたユーザを特定するユーザ特定情報と、利用したガソリンスタンドを特定する情報と、利用した日時情報等を関連付けて送信する。ユーザ特定情報は、例えばサーバ50に登録した際の会員IDなど、サーバ50を利用する際のユーザ情報に関連付けられるものとするとよい。
【0194】
サーバ50は、ナビゲーション装置10から送られてきた利用の通知を取得する。そしてサーバ50の付与処理部は、取得した通知の中のユーザ特定情報から、サーバ50に登録された会員を特定し、その会員に対する利用に基づく特典を付与する処理を行う。またサーバ50は、このようにして収集した各ガソリンスタンドの利用実績を、ガソリン価格とともに、或いはガソリン価格とは別に公開し、情報提供するとよい。このようにすると、それを見たユーザは、単純にガソリン価格の安さだけでなく、実際に利用頻度が高いガソリンスタンドを知ることで、利用するガソリンスタンドを決定する際の情報が増える。
【0195】
[4-2.ガソリンスタンドを撮影した画像の投稿に伴う特典付与]
さらに本実施形態では、第2車載装置の一例であるドライブレコーダー80を備え、例えば利用したガソリンスタンドを撮影した画像等を、サーバ50に投稿するように構成するとよい。撮影した画像は、例えば、ガソリンスタンドの外観、価格が表示されている看板、ガソリンスタンド内で駐停車しているときに撮影した画像などとするとよい。画像は、複数フレームからなる動画としてもよいし、静止画としてもよい。
【0196】
利用したガソリンスタンドの特定は、例えば、上述したガソリンスタンドを運転者等が利用したことを検知する機能を備えたナビゲーション装置10と通信することで行うとよい。例えば、ドライブレコーダー80は、ナビゲーション装置10と有線通信或いは無線通信で情報の送受を可能な構成をとる。そして、ナビゲーション装置10が、ガソリンスタンドの利用を検知すると、ナビゲーション装置10はドライブレコーダー80に検知情報を送信する。この検知情報は、例えば検知したことを通知するものや、利用したガソリンスタンドを特定する情報、例えば位置情報や利用した日時情報等を送るとよい。
【0197】
ドライブレコーダー80は、係る検知情報を受信すると、受信した検知情報に基づきドライブレコーダー80が録画したファイルから、所定の画像データ、動画データを読み出す。この所定の画像データや動画データの読み出しは、例えば、検知したことの通知を受けた場合には、ドライブレコーダー80の制御部が、その通知を受けたときを基準に一定期間前から通知を受けるまでに録画したデータを読み出すとよい。また、位置情報や日時情報等を受け取った場合、ドライブレコーダー80の制御部が、受け取った位置情報・日時情報に基づいて該当する位置で録画したデータを読み出すとよい。
【0198】
そしてドライブレコーダー80は、読み出した画像データや動画データを、ナビゲーション装置10に送る。ナビゲーション装置10は、受け取ったデータを、通信回線NWを経由してサーバ50に送る。なお、ドライブレコーダー80に通信機能を備えている場合、ドライブレコーダー80がサーバに送信するように構成するとよい。これにより、必要な画像データ等が自動的にサーバ50に投稿される。よって、運転者等は自らガソリンスタンドを撮影し、それをサーバ50に投稿する作業が不要となる。サーバ50は、画像データや動画データの投稿を受け付けると、サーバ50の付与処理部は、投稿した会員に対して所定の特典を付与する処理を行うとよい。
【0199】
また、ガソリンスタンドの利用の検知は、上述したようにナビゲーション装置10からの通知に基づくものに限らず、例えばドライブレコーダー80に利用を検知する機能を備え、その検知機能に基づいて上述した所定の処理、例えば画像データ等の投稿処理を行うとよい。ドライブレコーダー80で利用を検知する機能は、例えば撮影中の画像データに対して画像認識処理を行ってガソリンスタンドを検出し、その検出したガソリンスタンド内に進入していく画像を検出した場合には利用したと検知するとよい。画像認識処理は、例えばAIを利用するとよい。また、撮影中に常時画像認識処理をするのは負荷がかかるため、例えば一定時間以上同じ所に留まっているなど、立ち寄りの状態を検知した場合、そのとき或いはその直前に撮影した画像データに対して画像認識処理をするとよい。
【0200】
[4-3.ガソリンスタンドを利用した際の真のガソリン価格の投稿に伴う特典付与]
例えば、ガソリンスタンドでは、価格を表示した看板を立てている場合が多いが、その看板に表示された価格と実際の販売価格との間にずれが生じている場合がある。これは、看板に表示するのが正規価格で、会員になると会員価格が適用されて表示された正規価格よりも安いガソリン価格で給油できる場合や、そもそもガソリンスタンド間の競争からでかでかと表記しているとすぐに追随されてしまうのを避けるために看板の価格と実際の価格を異ならせている場合もある。よって、例えばガソリンスタンドの看板をカメラで撮影して得たガソリン価格は当てにならない場合がある。例えばサーバ50で公開・提供するガソリン価格情報が、看板の価格表示を信用しきった情報に基づいて行われると、実際の価格と乖離したものとなり、適正な情報提供が行えなくなる。
【0201】
そこで、このような事情を考慮し、看板の表示価格は違う場合があることを前提とし、給油した際のガソリン価格に関する情報をサーバ50に送信して投稿し、投稿に伴う特典を付与されるように構成するとよい。実際に給油した際のガソリン価格の提供を受けられるので、かかる投稿により集めたガソリン価格の情報は、実勢価格に即したものとなり、情報の信頼性が高まる。
【0202】
給油した際の正しい真のガソリン価格は、例えば、ユーザがスマートフォン等の端末装置60を操作し、ガソリンを入れた後にレシート等をスキャンしOCR処理をすることでガソリン価格を認識する。端末装置60は、実際に取引されたガソリン価格とともに、そのガソリン価格の適用を受けるための適用条件を関連付けるとよい。適用条件は、例えば値引きのない正規価格と、値引き価格の場合の値引きの種類とするとよい。この値引きの種類は、例えば会員値引き、ガソリンを入れる操作をするパネル部に値引きバーコードのクーポン券が備え付けてあり、そのバーコードを読み込ませるだけで数円下がるバーコード値引き、クレジットカード情報を登録したキーホルダー型決済を使用すると安くなるケース、系列店オリジナルのクレジットカードで決済すると安くなるケースなどがあり、それらの種類を登録する。また、値引きの種類は多数あるので、少なくとも一般の人が利用できるバーコード値引きと、特定の予め登録した人が利用できるものにわけて登録するとよい。
【0203】
サーバ50は、真のガソリン価格と値引きの種類を関連付けた投稿を受け付けると、値引きの種別毎にガソリン価格を管理し表示する。このようにすると、より正しい情報の価格を知ることができる。値引きされる条件も表示することで、自分は値引き価格で購入できるか否かがわかる。よって、値引きされたガソリン価格を見て安いと思って利用したら値引き対象ではなく思ったより高かったという思いをしなくて済む。また、一般の人が利用できるバーコード値引きがあるガソリンスタンドの場合、サーバ50ひいてはサーバ50からその情報を取得したナビゲーション装置10等がその情報をあわせて表示すると、運転者等は、バーコード値引きを忘れずに利用できる。
【0204】
また、特に、会員登録、キーホルダー型決済、特定のクレジットカードのように予め登録した人が利用できる値引きの場合、その種類もさらに細分化して登録するとよい。このように細分化して登録すると、運転者等は自分が利用できるか否かが、より正確に知ることができる。
【0205】
上述した端末装置60で読み取った値引きの種類と真のガソリン価格のサーバ50への投稿は、例えば、一旦ナビゲーション装置10に送り、ナビゲーション装置10の制御部18が、利用したガソリンスタンドを特定する情報や、ユーザ情報等をさらに関連付けた投稿情報を作成し、その投稿情報を通信回線NWを介してサーバ50に送るとよい。
【0206】
サーバ50は、係る投稿情報を受け付けると、上述したように値引きの種別毎にガソリン価格を管理し、要求に応じて表示したり情報を送信したりする。また、所定の処理部が、投稿した会員に対して所定の特典を付与するとよい。
【0207】
また、端末装置60で読み取ったガソリン価格を送る場合に、看板に表示されている価格を認識し、両者の価格が等しい場合には投稿せず、異なる場合に投稿する用に構成するとよい。表示されている価格は、例えば、上述したようにドライブレコーダー80で撮影した画像に基づき判断するとよい。
【0208】
また、上述したように、端末装置60を操作してレシートをスキャンして得たデータは信頼性が高い。一方、手打ち入力に基づく投稿を受け付けるようにすると、投稿したガソリン価格や適用条件が間違っているおそれがある。係る場合、サーバ50の会員であり、ランクの高い信用度の高い人からの情報のみを手打ち入力での投稿を受け付けるようにするとよい。
【0209】
サーバ50の管理者が、例えばドライブレコーダー80やナビゲーション装置10等の車載装置の製造業者や販売会社等から仕入れ、一般ユーザに販売するような販売方法を採る場合がある。係る場合、サーバ50の管理者を経由して販売された車載装置を特定する情報とその車載装置を使用するユーザの情報をサーバ50並びに製造業者や販売会社等が管理するサーバ70で記録保持する。
【0210】
サーバ50の付与処理部は、係る車載装置から投稿を受け付けた場合、サーバ70に対し、アカウントやID等のユーザを特定する情報とともに投稿があった旨或いは投稿内容を通知する機能を備えるとよい。係る通知を受けたサーバ70は、その車載装置を使用して投稿したユーザに対し、製造業者または販売業者との取引に利用可能なポイントや電子マネー等の第2の特典を付与する処理を行うとよい。そしてサーバ70の付与処理部は、第2の特典の付与を、例えば電子的な処理によりユーザに付与する場合、そのユーザのアカウントやIDに関連付けて管理されているデータを、付与する特典に応じて更新する処理を行うとよい。また、サーバ70が第2の特定の付与を行わず、サーバ50の付与処理部が第2の特定を付与する処理を行うとよい。サーバ50の付与処理部は、投稿したユーザに対し、製造業者または販売業者との取引に利用可能なクーポン情報の発行処理を行うとよい。
【0211】
このようにすることで、車載装置を購入したユーザは、ガソリンスタンドに訪れたり、給油をするなど利用したりすることで、各種の特典を得られる。よって、それらを積極的に利用等しようとする意識が高まり、利用促進につながる。
【0212】
また、ドライブレコーダー80が例えばLET、3G等の公衆回線を利用した通信機能を備えた通信型の場合、ドライブレコーダー80で収集したが画像データ等を直接サーバ50に送信し、投稿したり、その他のサーバ等に情報を送受したりすることができる。但し、その場合に通信料の負担増加という問題がある。例えば投稿して特典を受けても、通信料の負担の方が大きいと、積極的に投稿しようとする意欲が低下する。
【0213】
そこで、例えば投稿がされた場合に、それに応じて通信料を割り引くサービスを提供するとよい。割引サービスは、通信料金の決済に利用できるポイント等を付与してもよいし、例えば、サーバ70が通信料の決済も行う機能を備えさせ、ドライブレコーダー80の利用者に対してはサーバ70側から請求を行うようにし、かかる請求金額を投稿の状況に応じて減額する処理を行うように構成するとよい。そして、通信会社に対する支払いは、ユーザに対する請求金額と、投稿に応じて減額した金額分を合わせて行うようにするとよい。
また上述した各例では、サーバ50側でポイント処理その他の特典の付与を行うようにしたが、サーバ70側で行うようにしてもよい。
【0214】
[4-4.ガソリンスタンドを利用したことに伴う通信料金の値引き処理]
例えばドライブレコーダー80が所定の通信料金が課される通信を行う通信部を備えた車載装置であり、ナビゲーション装置10が案内する表示をしたいずれかの施設を利用したことを検知した場合、例えばサーバ50にその利用したことを通知する。サーバ50は、係る通知を受け付けると、上記の通信料金を割り引くための処理を行う割引処理部を備えるとよい。この値引き処理部は、例えば上述した特典を与える付与処理部と兼用し、値引き処理を特典の一つとして付与するようにしてもよい。
【0215】
このようにすると、例えば車載装置で撮影した画像データを送信し、外部でその画像データを管理したいなどの要求がある場合、画像データの送信に伴い通信料金が発生することへの精神的や金銭的な粉炭を感じるユーザもいる。このようなユーザにとって、所定の施設を利用することで通信料金が割り引かれると、積極的に施設を利用したいとする意識が高まり、実際の施設の利用に伴い通信料金が割引される。
【0216】
係るシステムは、また例えば、ウェブページを管理する会社等に車載装置を販売してもらい、車載装置とウェブページを利用する会員との紐付けを行い、その車載装置から直接或いは他の機器を用いてウェブページへ利用の通知を受け付けると、通信料金を割り引く処理を行うようにするとよい。通信料金の割引は、必ずしもウェブページを管理する会社側で行う必要は無く、例えば上記の利用に伴い利益を生じる会社等が行うようにしてもよい。
【0217】
[5.録画した画像データ等の提供機能]
ドライブレコーダー80は、例えば特定の施設に立ち寄った履歴を、撮影部で撮影された画像とともに記録する機能を備えるとよい。特定の施設は、例えば、ガソリンスタンドとするとよく、そのガソリンスタンドは、上述した各例で示すナビゲーション装置10で表示部5に表示したガソリンスタンドとするとよい。
【0218】
例えば
図15に示すように、ドライブレコーダー80とナビゲーション装置10が相互に通信して情報の送受を行える用に構成する。そして、例えばナビゲーション装置10から通知に基づき、或いはドライブレコーダー80が備える機能により、所定のガソリンスタンドに立ち寄ったことを検出すると、ドライブレコーダー80は、少なくとも立ち寄っている期間に撮影した画像を含むファイルを、立ち寄りの履歴情報と関連付けて所定の記録部に記録する。この記録は、ドライブレコーダー80が備えるSDメモリカード等の記録媒体や、外部装置や外部サーバ等に送信して記録するとよい。
【0219】
履歴情報は、例えば立ち寄った施設であるガソリンスタンドを特定する情報と立ち寄った日時情報を関連付けるとよい。また、立ち寄りの履歴と関連付けて記録する画像データは、例えばドライブレコーダー80のおける常時記録モードにおける記録領域と区別して記録するとよく、上書き禁止にするとよい。そして、ドライブレコーダー80は、直接またはナビゲーション装置10を経由して、検索クエリ(検索要求といってもよい。)を受信すると、その検索クエリで指定された時刻や施設で撮影して記録しておいた画像を検索して、検索クエリの発信元に返信する機能を備える。検索クエリは、例えば、「○月△日、12:00ごろ、○○ガソリンスタンド」といった、日時及び場所(例えば、ガソリンスタンド)を指定する情報を含むとよい。ドライブレコーダー80から画像を収集する画像収集サーバは、例えば、そのガソリンスタンドに立ち寄った履歴がある人のドライブレコーダー80、そのガソリンスタンドから所定距離範囲内に居住するユーザのドライブレコーダー80、そのガソリンスタンドから所定距離範囲内に現時点で存在するドライブレコーダー80、又はすべてのドライブレコーダー80に対して映像提供のコマンドを発行するとよい。画像収集サーバは、例えばサーバ装置40と同様のハードウェア構成を有するとよい。画像収集サーバは、例えば、警備会社や保険会社等の民間企業や公的機関により管理、運用されるとよい。
【0220】
また録画データを記録する際には、録画の日時や位置情報を関連付けて記録されることがある。そこで、具体的な○○ガソリンスタンドのように施設を特定する情報ではなく、日時情報と位置情報を送るようにしてもよい。そして、ドライブレコーダー80は、受信した情報に一致或いは近い録画データを有する場合、それ録画データを送信し、提供するようにしてもよい。
【0221】
また、立ち寄りの場所は、ガソリンスタンドに限ることはなく、あまり長くない一定時間以上留まった立ち寄り箇所で撮影した録画データを、立ち寄り履歴情報と関連付けて記録するとよい。このようにすると、例えば過去にいろいろ立ち寄った場所で、例えば犯罪がありその付近の映像が欲しいとした場合に、ドライブレコーダー80側に情報を問い合わせ、収集するシステムを構成することができる。このようにすると、例えば防犯カメラが設置されていないエリアでも、動画データ等を入手可能となる場合がある。
【0222】
また、ドライブレコーダー80は、例えば車両のバッテリーからの電源供給を受けて駆動し、例えば、エンジンがOFFしても車両のバッテリーから電源供給を継続され、所定時間継続して動作可能な状態を維持することができるように構成する。すなわち、エンジンOFFしてから、一定期間は録画を継続して行う。これにより、例えばガソリンスタンドにおいて車両のエンジンをOFFなどして給油中であっても、継続してドライブレコーダー80を動作させ、撮影した画像を記録する。
【0223】
立ち寄りは、比較的短い時間留まったような状態であり、例えば上記の車両のバッテリーから継続して電源供給を受ける場合、バッテリーの消耗が少なく、その後の車両の動作に影響を生じない程度の時間である。また、立ち寄りは、例えば、車両の燃料を補給する補給所に、燃料補給のために滞在する時間である。このように立ち寄りは、比較的短い時間である。
【0224】
このようにすると、ガソリンスタンド等に立ち寄った際に撮影した画像を記録保持し、後で要求された条件に一致する画像を検索し、送信することができる。例えばある日時のときのある施設で撮影した画像が必要な場合、各車載装置に対して一斉に検索クエリを送信することで、色々な画角の画像を収集できる可能性がある。ガソリンスタンドには、監視カメラが設置されている場合があっても、監視カメラの死角があり、撮影されていない領域がある。車両の立ち寄った際の位置とドライブレコーダー80の撮影エリアから、監視カメラの死角の領域の画像を入手できる場合がある。
【0225】
例えばガソリンスタンドでは、事故や盗難など事件が起こりやすい場合がある。このような場合、監視カメラの情報だけでなく、事件等の発生した時刻或いはその前後にそのガソリンスタンドを利用した車両に搭載されたドライブレコーダーの画像データを収集することができる。よって、様々な角度から撮影した画像を収集することで有益な情報を得られる。
【0226】
また、ドライブレコーダー80は、例えば、駐車監視モードで撮影する場合、給油中など、一定の時間同じ場所に留まっているので、ある時刻のガソリンスタンド付近の映像を見たいような場合に便利である。このように、ガソリンスタンドではある程度の時間は滞在するので、定点カメラのような画像が記録される。そして、駐車監視モードで録画しても、立ち寄りであって長時間は駐車していないため、車両のバッテリーの消耗は少ない。よって、継続して動作が可能となる。また、システムは、係る画像の提供により、サーバ50やサーバ70で利用可能なポイントその他の特典を付与する機能を備えるとよい。
【0227】
[6.ガソリンスタンド以外の施設等への適用等]
本発明は、同じような商品サービス提供する施設で、価格が重要視されやすい施設に適用するのに適している。上述した各例で説明したガソリン等を販売する施設であるガソリンスタンド以外にも、例えば、野菜等を販売する施設であるスーパーや、カレーとか定番メニューを販売する施設であるレストランなどがある。よって、同じ種類の商品サービスを提供する施設が一定距離内に複数ある場合には、その施設に関して、案内表示する機能を備えるとよい。
【0228】
優先順位に基づく案内の表示は、価格が重要視されやすいものでも価格に限定されるものではなく、例えば、人気のある施設、お気に入りの施設、会員カードの発行がある施設など、各種の条件に基づいて表示するとよい。
【0229】
また、案内する表示を行う際の情報は、例えば、インターネット上で公開されている情報、例えばスーパーの安売り情報や、ティッシュペーパーやトイレットペーパーその他の定番商品の価格検索、各種の商品の価格の比較サイトなどから取得するとよい。例えば、車両に乗ってからどこに買い物に行くかを決める場合もある。このような場合に、例えば、端末装置60を操作してネット検索して取得した情報を、ナビゲーション装置10に送り、表示部5に表示するとよい。また、表示部5に施設について案内する表示を行うに際し、各種の実施形態のように、表示部5にその施設で使用可能なクーポンを発券するとよい。クーポンは、例えば二次元バーコードなどを用いてスマートフォンで読み取り可能なものとするとよい。利用したユーザに対する特典ではなく、これから施設を利用しようとするユーザに対する特典の付与ともいえる。
【0230】
目的地に基づくルート探索が行われない場合、例えば、優先順位は、例えば価格すなわち安さを優先したり、現在位置からの距離を優先したりするとよい。そして、ナビゲーション装置10の制御部18は、距離優先か、安さ優先かがユーザが判断できるように地図エリアに表示するとよい。時間や燃料残量からの走行可能距離で許される範囲内で最安値を報知するとよい。
【0231】
ユーザへの情報の報知を表示としていたものの一部または全部を音声等で行ってもよい。また、例えば施設に関する情報の報知は、地図上に表示するものに限らず、テキスト情報で表示或いは音声で行ってもよい。
【0232】
上述した各例では、ナビゲーション装置10等の車載装置を用いて実施したが、車載装置に限ることはなく、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブル端末などの車内に持ち込まれる端末で実施しても良い。
【0233】
上述した第2車載装置の一例であるドライブレコーダー80、第3車載装置、第4車載装置、各種サーバ等の各装置につき、装置が実現していた各機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供されてもよい。このようなプログラムは、装置に内蔵されているフラッシュモリや、ハードディスク等の記憶装置、又は当該装置に着脱可能なSDカード等の外部記憶装置に記憶されており、当該装置のCPU等の演算処理装置により、当該装置のRAM等の記憶領域に読み出されて実行されることにより、当該プログラムの機能が実現されるようになっている。また、これら各機能は、ハードウェア資源、ソフトウェア資源又はこれらの組み合わせのいずれで実現されてもよい。
【0234】
本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0235】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0236】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。装置が画像を表示する場合は、その画像の全体または一部を含む意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
【符号の説明】
【0237】
2 :装置本体
3 :クレードル
4 :ケース本体
5 :表示部
6 :クレードル本体
7 :台座部
8 :タッチパネル
9 :警報ランプ
10 :ナビゲーション装置
11 :マイクロ波受信器
12 :GPS受信器
13 :無線受信器
14 :端末用通信部
16 :リモコン受信器
18 :制御部
19 :データベース
20 :スピーカ
21 :SDメモリカード用スロット部
22 :SDメモリカード
23 :USB端子
24 :DCジャック
30 :表示装置
31 :制御部
32 :表示部
33 :記憶部
34 :通信部
35 :撮影部
36 :スピーカ
37 :測位部
38 :入力受付部
40 :サーバ装置
41 :制御部
42 :記憶部
421 :コンテンツDB
43 :通信部
60 :端末装置
80 :ドライブレコーダー
90 :車両
91 :運転席
92 :助手席
93 :後部座席