(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058334
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】電力変換のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20220405BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021160981
(22)【出願日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】63/085,457
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517094840
【氏名又は名称】ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マタン アティアス
(72)【発明者】
【氏名】リロン ハー-シャイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】広範囲の入力電圧に対応した電力システムを提供する。
【解決手段】電力システム100AAは、直流(DC)入力を交流(AC)出力に変換するインバータを有する。インバータは、DC/ACモジュール120の入力部に接続された複数のコンデンサC+、C-を含む。電力システムは、インバータを収容するように構成されたハウジング122を含む。電圧制御回路108は、インバータのハウジング内のDC/ACモジュールの入力部の電圧を上昇させる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
直流(DC)入力を交流(AC)出力に変換するように構成されたインバータであって、前記インバータは、
前記DC入力を前記AC出力に変換するように構成されたDC/ACモジュール、ならびに
前記DC/ACモジュールの入力部に接続された複数のコンデンサであって、前記複数のコンデンサは、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを含む、複数のコンデンサ、を含む、インバータと、
前記DC/ACモジュールおよび前記複数のコンデンサを収容するように構成されたハウジングと、
前記第1のコンデンサの第1の端子、前記第2のコンデンサの第1の端子、および前記第1のコンデンサの第2の端子と前記第2のコンデンサの第2の端子との間の中点端子に接続された電圧制御回路と、を備え、
前記電圧制御回路は、前記インバータの前記ハウジング内の前記DC/ACモジュールの前記入力部の電圧を上昇させるように構成されている、システム。
【請求項2】
前記電圧制御回路は、前記DC入力をDC出力に変換するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記DC/ACモジュールは、複数の出力端子をさらに備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の出力端子は、少なくとも2つのAC相出力端子を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の出力端子は、中性出力端子を含む、請求項3または4に記載のシステム。
【請求項6】
前記中性出力端子は、接地電位に接続されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記電圧制御回路は、前記中性出力端子に関連して前記中点端子の電圧を制御するようにさらに構成されている、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のコンデンサの前記第1の端子および前記中点端子にそれぞれ接続された出力端子を含む電源をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記電圧制御回路は、前記電源の前記出力端子の各々において、接地電位に対してゼロまたは正の電圧を維持するようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電圧制御回路は、前記電源の前記出力端子の各々において、接地電位に対してゼロまたは負の電圧を維持するようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記電圧制御回路は、前記電源によって出力される電圧に対して、前記DC/ACモジュールの前記入力部の前記電圧を2倍にするように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、複数の構成モード間で切り替わるように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の構成モードは、接地電位超過電圧ブースト構成モード、接地電位未満電圧ブースト構成モード、および非電圧ブースト構成モードのうちの少なくとも2つを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の構成モード間で前記システムを切り替えるように構成された1つ以上のスイッチをさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
方法であって、
電圧制御回路の第1の出力端子をシステム電力デバイスの第1のコンデンサの第1の端子に接続することと、
前記電圧制御回路の第2の出力端子を前記システム電力デバイスの第2のコンデンサの第1の端子に接続することと、
前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間の第3の出力端子を、前記第1のコンデンサの第2の端子と前記第2のコンデンサの第2の端子との間の中点端子に接続することと、
前記システム電力デバイスのハウジング内の前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間の電圧を上昇させることと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換のためのシステム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換は、電気エネルギーを1つの形態から別の形態に変換するために行うことができる。電気エネルギーの電力変換には、電圧を別の電圧に変更すること、周波数を別の周波数に変更すること、交流(AC)と直流(DC)との間で変換することなどが含まれ得る。電力変換器は、電気エネルギーを変換するために使用されるデバイスである。電力変換の分類方法として、入力と出力が交流か直流かによるものがある。DCからDCへの変換器は、ある電圧レベルの直流電源から別の電圧レベルの直流電源に電力を変換することができる。所定の電源および所定の負荷に対して許可される電圧レベルを決定づける特定のルールが存在する場合がある。
【発明の概要】
【0003】
特定の特徴の簡略化された概要を以下に提示する。本概要は、広範囲の概説ではなく、主要なまたは重要な要素を特定することは意図していない。
【0004】
電力変換のためのシステム、装置、および方法が記載されている。
【0005】
いくつかの例では、電力変換は、直流(DC)入力を交流(AC)出力に変換するように構成されたインバータによって行われ得る。インバータは、DC/ACモジュールの入力部に直列に接続された複数のコンデンサを含み得る。システムは、インバータを収容するように構成されたハウジングを含み得る。変換器は、インバータのハウジング内のDC/ACモジュールの入力部の電圧を上昇させるように構成され得る。一例として、ハウジング内の電圧は、インバータのハウジング外で許可される電圧の閾値よりも大きくてもよい。
【0006】
いくつかの例では、システムは、インバータの中点端子の電圧を制御するように構成され得る。システムは、インバータの中性出力端子に従って電圧を制御するように構成され得る。システムは、インバータの正または負の入力端子に従って電圧を制御するように構成され得る。
【0007】
いくつかの例では、システムは、インバータの入力部に接続された電源の各出力端子において、接地電位に対して正の電圧または接地電位に対して負の電圧を維持するように構成され得る。
【0008】
いくつかの例では、システムは、異なる構成モード、例えば、接地電位超過電圧ブースト構成モード、接地電位未満電圧ブースト構成モード、非電圧ブースト構成モードなどの間で切り替わるように構成され得る。
【0009】
これらのおよび他の特徴および利点は、以降でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
いくつかの特徴は、添付の図面において、限定としてではなく、例として示されている。図面において、同様の数字は類似の要素を指す。
【
図1D】
図1Dは、複数の電力デバイスを有する電力システムを示す。
【
図1E】
図1Eは、複数の電力デバイスを有する電力システムを示す。
【
図2】
図2は、接地電位未満構成の電力システムを示す。
【
図5A】
図5Aは、電圧ブースト構成モードでの電力システムを示す。
【
図6A】
図6Aは、電圧ブースト構成モードでの電力システムを示す。
【
図7A】
図7Aは、電圧ブースト構成モードでの電力システムを示す。
【
図8A】
図8Aは、電圧ブースト構成モードでの電力システムを示す。
【
図9A】
図9Aは、接地電位超過構成モードでの電力システムを示す。
【
図12】
図12は、システム電力デバイスハウジングの内部に電圧制御回路を有する電力システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では、電力変換のためのシステム、装置、および方法が説明される。いくつかの例では、電力変換は、直流(DC)入力電力を交流(AC)出力電力に変換するように構成されたインバータを有する電力システムによって行われる。インバータは、DC/ACモジュールの入力部に直列に接続された複数のコンデンサを含み得る。システムは、インバータを収容するように構成されたハウジングを含み得る。ハウジングは、本明細書では「インバータのハウジング」とも呼ばれ、インバータの一部と見なされ得る。ハウジングは、インバータの変換器回路を収容し得る。変換器回路は、電力を変換するように構成され得る。変換器回路は、DC/ACモジュールを含み得る。電圧制御回路が、インバータのハウジング内のDC/ACモジュールの入力部の電圧を上昇させるように構成され得る。一例として、ハウジング内の電圧は、インバータのハウジング外で許可される電圧の閾値よりも大きくてもよい。電圧制御回路は、変換器を含み得る。
【0012】
いくつかの例では、システムは、インバータの複数のコンデンサ間の中点端子の電圧を制御するように構成され得る。複数のコンデンサは、互いにシリアル接続された複数の直列接続コンデンサであり得る。システムは、インバータの中性出力端子に従って電圧を制御するように構成され得る。
【0013】
いくつかの例では、電力システムは、インバータの入力部に接続された電源の各出力端子において、(例えば、接地電位に対して)正の電圧または(例えば、接地電位に対して)負の電圧のどちらかを維持するように構成され得る。例えば、場合によっては、電源の各出力端子は、接地に対して正の電圧電位に維持され得る。別の例として、電源の各出力端子は、接地に対して負の電圧電位に維持され得る。
【0014】
いくつかの例では、電力システムは、異なる構成モード、例えば、接地電位超過電圧ブースト構成モード、接地電位未満電圧ブースト構成モード、非電圧ブースト構成モードなどを切り替えるように構成され得る。接地電位超過電圧ブースト構成モードでは、システムは、接地基準に対して電源出力端子の両端の電圧を上昇させ、正の電圧電位を維持するように構成され得る。接地電位未満電圧ブースト構成モードでは、システムは、電源出力端子の両端の電圧を上昇させ、負の電圧電位を維持するように構成され得る。非電圧ブースト構成モードでは、システムは、電圧制御回路の少なくとも一部を切断し、したがって、インバータのハウジング内の電圧を上昇させないように構成され得る。
【0015】
本明細書で使用される「接地」および「接地電位」という用語は、基準電圧を指す場合がある。例えば、接地電位は、実際の接地電位(例えば、大地に電気的に接続されている)または仮想接地電位であり得る。
【0016】
添付の図面は、本明細書の一部を構成し、本開示の例を示す。図面に示され、および/または本明細書で考察される例は、非排他的であり、本開示を実施し得る方法には他の例もあることを理解されたい。
【0017】
本開示の主題は、図を参照して説明されているシステムおよび装置に拘束されないことに留意されたい。同等および/または変更された機能が、別の様式で統合され得るか、または分割され得、任意の適切な組み合わせで実装され得る。例えば、別個のユニットとして示されている(例えば、
図1Aに示されている)電源102および電力デバイス104は、それらの機能および/または構成要素が単一のユニットに組み合わせられてもよい。別の例として、(例えば、
図1Aに示されている)別個のユニットとして示されている電力デバイス104およびシステム電力デバイス110Aは、それらの機能および/または構成要素が単一のユニットに組み合わせられてもよい。別の例として、ハウジング122の内部に示されている1つ以上のスイッチSは、ハウジング122の外部に配置されてもよい。例えば、
図5Aおよび
図5Bのハウジング122の内部に示されているスイッチSAは、ハウジング122の外部に配置されてもよい。
【0018】
また、本開示の主題は、図に示されているフローチャートに拘束されず、示されている動作は、示されている順序から外れて起こり得ることにも留意されたい。例えば、連続して示されている動作は、実質的に同時にまたは逆の順序で実行されてもよい。フローチャートは、本明細書に示されている要素を参照して説明されるが、これは決して拘束するものではなく、動作は、本明細書に説明されるもの以外の要素によって行われ得ることにも留意されたい。
【0019】
様々な図における同様の参照または類似の参照は、本出願全体を通して同様の要素を指すことにも留意されたい。例えば、
図1Aに示される電圧制御回路108は、本明細書に説明され示される他の電圧制御回路と類似または同じであり得、逆もまた同様であることを理解されたい。本出願全体を通して、いくつかの一般的な参照は、特定の関連要素のいずれかを指すために使用される場合がある。例えば、電力システム100は、様々な電力システム(例えば、100AA、100AB、100B)のいずれかを指し、電力デバイス104は、様々な電力デバイスのいずれかを指し、システム電力デバイス110は、様々なシステム電力デバイス(例えば、110A、110B、110C、110D、110E、110F、110G、110H、110I、110J、110K、110L)などのいずれかを指し得る。
【0020】
本明細書の例に与えられているすべての数値は、例示のみを目的として提供されており、決して拘束するものではないことにも留意されたい。
【0021】
本明細書で使用される「実質的に」、「約」、および「閾値」という用語は、意図された目的または機能と同等である(例えば、許容される変形の範囲内の)変形を含む。特定の値または値の範囲は、本明細書では、「実質的に」、「約」、および「閾値」という用語が先行する数値で提示される。「実質的に」、「約」、および「閾値」という用語は、本明細書では、その用語が先行する正確な数、ならびにその用語が先行する数に近いか、またはほぼその数である数を文字通り補助するために使用される。ある数が、具体的に記載された数に近いか、またはほぼその数であるかを判断する際に、近いかまたは近似するが列挙されていない数も、それが提示される文脈において、具体的に記載された数と実質的に等しい数であり得る。
【0022】
本明細書で使用される「コントローラ」という用語は、コンピュータおよび/または他の適切な処理回路、ならびにメモリを含み得る。「コンピュータ」および「プロセッサ」という用語、ならびにその変形は、非限定的な例として、1つ以上のデジタル処理デバイス(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブル回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等)、1つ以上の処理デバイスを備えるか、もしくはそれらに動作可能に接続された1つ以上のデバイス、および/または制御ロジックを実装するアナログ回路を含む、データ処理能力を備えたあらゆる種類のハードウェアベースの電子デバイスをカバーすると広範に解釈されるべきである。「コンピュータ」または「プロセッサ」は、1つ以上のデジタル処理デバイスに動作可能に接続されたメモリおよび/またはハードウェアレジスタを含み得る。メモリおよび/またはハードウェアレジスタは、構成情報および/またはコンピュータ実行可能命令を格納することができ、これらは、1つ以上のデジタル処理デバイスによって読み取られて解釈されると、1つ以上のデジタル処理デバイスを含むシステムまたは装置に、本明細書に説明されているステップおよび動作を行わせる。本明細書で使用される「メモリ」または「データストレージデバイス」という用語は、本開示の主題に好適である任意の揮発性または不揮発性のコンピュータメモリをカバーすると広範に解釈されるべきである。上記には、非限定的な例として、本出願に開示された1つ以上のコントローラ116が含まれ得る。
【0023】
図1A~
図10Cは、本主題の例による、電圧制御回路108を有する様々な電力システム100の例を示す。
【0024】
ここで、本主題の例による電力システム100AAを示す
図1Aを参照する。電力システム100AAは、1つ以上の電源102を含み得る。本明細書では、1つ以上の電源102は、「複数の電源102」とも記載される場合があり、当該複数の電源102のそれぞれは、「電源102」と記載される場合がある。
【0025】
一例として、電力システム100AAは、光起電性(PV)電力システムであってもよく、電源102は、PV発電機であってもよい。例えば、各電源102は、1つ以上の光起電性セル、シリアル接続された光起電性セルの1つ以上のストリング、光起電性パネル、または1つ以上の光起電性パネルであり得る。一例として、電源102は、シリアル接続された光起電性電セルの直列接続または並列接続されたストリングを含み得る。また、一例として、電源102は、互いに直列接続および/または並列接続された光起電性パネルを含み得る。電源102は、本明細書では、PV発電機の文脈で説明されるが、「電源」という用語は、他のタイプの適切な電源、例えば、風力タービン、水力タービン、燃料電池、バッテリなどを含み得る。一例として、電源102がバッテリなどの蓄電装置であり得る場合には、電力システム100は、電源102を充電するために、電力システムの要素が電源102に電流を提供するように配置され得る。
【0026】
図1Aには、簡略化のために単一の電源102のみが示されているが、1つ以上の電源は、直列接続および/または並列接続で互いに接続された複数の電源102を含み得る。例えば、1つ以上の電源102は、電源102の複数のストリング(シリアルストリングまたは直列ストリングとも呼ばれる)を含み得、電源102の各ストリングは、互いに直列に接続された複数の電源102を含む。電源102のストリングの各々は、電源102の他のストリングに並列に接続され得る。
【0027】
図1Bを参照すると、複数の電源102が互いに直列に接続された電力システム100ABが示されている。複数の電源102は、電源102の直列ストリングと呼ばれることもある。電源102の直列ストリングは、電力デバイス104に接続されている。いくつかの例では、電源102の複数の直列ストリングを互いに並列に接続することができ、この並列接続を電力デバイス104に接続することができる。
【0028】
図1Cを参照すると、複数の電源102が互いに並列に接続された電力システム100ACが示されている。複数の電源102は、電力デバイス104に接続されている。
【0029】
図1Aに戻って参照すると、各電源102は、電源102を1つ以上の電力デバイス104または1つ以上のシステム電力デバイス110Aに接続するように構成された複数の出力端子103を含み得る。
図1Aの例では、電源102は、電力デバイス104に接続されている。電力デバイス104は、システム電力デバイス110Aに接続されている。システム電力デバイス110Aは、負荷112に接続されている。
図1Aでは、電源102の出力端子103は、電力デバイス104の入力端子105に接続されている。電力デバイス104の出力端子107は、バス106の端子DC+、DC-に接続されている。また、システム電力デバイス110Aの入力端子109も、バス106の端子DC+、DC-に接続されている。このようにして、電力デバイス104の出力端子107は、システム電力デバイス110Aの入力端子109に接続される。システム電力デバイス110Aの出力端子111は、負荷112に接続されている。
図1Aの例では、システム電力デバイスは、負荷112に接続された4つの出力端子111を有する。3つの異なる出力位相端子L1、L2、L3の各々に対する1つのそれぞれの出力端子111、および中性出力端子Nのための出力端子111である。簡単にするために、いくつかの出力端子111への参照は他の図から省略されている。バス106は、電力システム100の要素を接続するのを助ける導体であり得る。バス106は、電力システム100の要素間で電圧を分配するのを助けることができる。バス106は、1つ以上の物理的バスバーまたは他の導電要素に対応し得る。バス106は、電力システム100の複数の要素を接続するための複数の端子を含み得る。
【0030】
1つ以上の電源102は、互いに対して直列に、並列に、または他の何らかの組み合わせで、1つ以上のそれぞれの電力デバイス104に接続され得る。1つ以上の電力デバイス104は、本明細書では「電力デバイス(power devices)104」とも呼ばれ、1つ以上の電力デバイス104のそれぞれの電力デバイスは、本明細書では「電力デバイス(power device)104」とも呼ばれる。上記のように、各電力デバイス104は、1つ以上の電源102を電力デバイス104に接続するように構成された複数の入力端子105を含み得る。一例として、電源102が電荷を蓄積することができるデバイスであり得る場合には、電力デバイス104は、電源102を充電するために電源102に電流が供給され得るように配置された双方向性の電力デバイス104であり得る。つまり、いくつかの例では、電流は、電源102からの方向に、または電源102に向かう方向に、電力デバイス104を通って流れることができる。
【0031】
電力デバイス104は、例えば、1つ以上のDC-DC変換器(例えば、降圧変換器、昇圧変換器、降圧/昇圧変換器、降圧+昇圧変換器、またはそれらの組み合わせ)、DC-ACインバータ、マイクロインバータ、AC-DC整流器などを含み得る。上記のように、いくつかの例では、1つ以上の電力デバイス104は、システム電力デバイス110の内部(例えば、システム電力デバイス110のハウジング122の内部)であり得る。
【0032】
いくつかの例では、各電力デバイス104は、複数の変換器、パワーステージ、またはサブ変換器を含み得る。複数の変換器は、電力デバイス104の単一の共有ハウジングまたはエンクロージャ内に(すなわち、互いに同じハウジングまたはエンクロージャ内に)設置され得る。いくつかの例では、複数の変換器が、(例えば、電力デバイス104の単一の共有ハウジングまたはエンクロージャ内に設置され得る)同じプリント回路基板(PCB)上に設置され得る。
【0033】
1つ以上の電源102または1つ以上の電力デバイス104は、1つ以上のシステム電力デバイス110Aに接続され得る。1つ以上のシステム電力デバイスのハウジング122は、
図1Aに破線を使用して示されている。1つ以上のシステム電力デバイス110Aは、ハウジング122の内側に囲まれた要素を含み得る。本明細書では、1つ以上のシステム電力デバイス110Aは、「複数のシステム電力デバイス110A」と記載される場合がある、当該複数のシステム電力デバイス110Aのそれぞれは、「システム電力デバイス110A」と記載される場合がある。他の電力システム100のシステム電力デバイス110は、同様に記載され得る(例えば、複数のシステム電力デバイス110B、システム電力デバイス110Bなど)。電力デバイス104の出力部は、直列に、並列に、またはシリアル接続と並列接続との組み合わせで互いに接続され得る。例えば、電力デバイス104は、それらの出力部において互いに接続され得、第1の電力デバイスの少なくとも1つの出力端子が第2の電力デバイスの少なくとも1つの他の出力端子に接続されている。電力デバイス104は、直列接続で接続されて、電力デバイス104の直列ストリングが形成され得る。電力デバイス104の直列ストリングは、バス106(例えば、DCバス)を介して1つ以上のシステム電力デバイス110Aに接続され得る。DCバス106は、システム電力デバイス110Aの第1の入力端子に接続されたハイサイドと、システム電力デバイス110Aの第2の入力端子に接続されたローサイドとを有し得る。
図1Aには1つのシステム電力デバイス110Aが示されているが、複数のシステム電力デバイス110を同じ方法でバス106に接続することができる。
図1Aの例では、電力デバイス104は、DCバス106のハイサイドおよび端子DC+でシステム電力デバイス110Aの第1の入力部に接続されている。電力デバイス104は、DCバス106のローサイドおよび端子DC-でシステム電力デバイス110Aの第2の入力部に接続されている。
【0034】
図1Dを参照すると、複数の電力デバイス104がそれらの出力部で互いに直列に接続された(これは、電力デバイス104の直列ストリングとも呼ばれ得る)電力システム100ADが示されている。電力デバイス104の直列ストリングは、システム電力デバイス110Aに接続され得る。いくつかの例では、電力デバイス104の複数の直列ストリングを、1つ以上のシステム電力デバイス110Aに(例えば、バス106を介して)並列に接続することができる。簡単にするために、
図1Dでは、各電力デバイス104は、単一の電源102に接続されているものとして示されているが、いくつかの例では、上述したように、複数の電力デバイス104のうちの1つ以上の電力デバイス104を各々複数の電源102に接続することができる。
【0035】
図1Eを参照すると、複数の電力デバイス104がそれらの出力部で互いに並列に接続された電力システム100AEが示されている。複数の電力デバイス104は、例えば、バス106を介してシステム電力デバイス110Aに接続され得る。簡単にするために、
図1Eでは、各電力デバイス104は、単一の電源102に接続されているものとして示されているが、いくつかの例では、上述したように、複数の電力デバイス104のうちの1つ以上の電力デバイス104を複数の電源102に接続することができる。
【0036】
電力デバイス104が電力システムに含まれない場合、電源102は、電力デバイス104を1つ以上のシステム電力デバイス110Aに接続することに関して上で説明したものと類似する様式で、DCバス106を介して1つ以上のシステム電力デバイス110に直接接続され得る。
【0037】
図1Aに戻って参照すると、システム電力デバイス110は、例えば、1つ以上のDC-DC変換器(例えば、降圧変換器、昇圧変換器、降圧/昇圧変換器、および/または降圧+昇圧変換器、それらの組み合わせなど)、DC-ACインバータ、コンバイナおよび/または監視ボックスなどを含み得る。各システム電力デバイス110は、DC/ACモジュール120を含み得る。DC/ACモジュール120は、DC入力をAC出力に変換するように構成された回路を含み得る。例えば、システム電力デバイス110は、1つ以上の相のためのインバータ(例えば、一相インバータ、二相インバータ、三相インバータなど)を含み得る。上記のように、
図1Aに示される例では、システム電力デバイス110Aは、第1のAC相出力端子L1、第2のAC相出力端子L2、第3のAC相出力端子L3、および中性出力端子Nを含む4つの出力線を有する4つの出力端子111を有する。
【0038】
一例として、電源102がエネルギー蓄電デバイスであり得る場合には、システム電力デバイス110は、電源102を充電するために電源102に電流が供給され得るように配置された双方向性のシステム電力デバイス110であり得る。例えば、DC/ACモジュール120はまた、AC入力をDC出力に変換するように構成され得る。したがって、いくつかの例では、電流は、電源102からの方向に、または電源102に向かう方向に、システム電力デバイス110を通って流れることができる。
【0039】
各システム電力デバイス110は、DC/ACモジュール120の入力部の両端に接続され得る、C+およびC-を含む複数のコンデンサを含み得る。例えば、1つのコンデンサC+をDC/ACモジュール120の入力端子T4に接続することができ、別のコンデンサC-を、DC/ACモジュールの入力端子T3に接続することができる。コンデンサC+とコンデンサC-とは、端子T1で互いに接続することができる。端子T1は、本明細書では、中点端子Mまたは中点端子T1とも呼ばれ得る。本明細書で使用される「中点端子」という用語は、互いに直列に接続された複数のコンデンサの間に設置された端子を指す。簡単にするために、
図1Aには、2つのコンデンサ、C+およびC-のみが示されているが、システム電力デバイス110は、例えば、端子T4と端子T1との間に直列に接続された複数のコンデンサおよび/または(例えば、
図3に示されているように)端子T1と端子T3の間に直列に接続された複数のコンデンサを有することにより、2つよりも多いコンデンサを有してもよい。いくつかの例では、複数のコンデンサは、複数の並列接続されたコンデンサ(図示せず)を含み得る。
【0040】
ハウジング122は、システム電力デバイス110を含むように構成され得る。例えば、ハウジング122は、複数のコンデンサ(例えば、C+およびC-)およびシステム電力デバイス110のDC/ACモジュール120を保持するように構成されたエンクロージャであり得る。他の変形例では、ハウジング122は、電圧制御回路108、および/または電力デバイス104などの電力システム100の他の構成要素を保持するように構成され得る。一例として、
図12は、システム電力デバイス110Kおよび電圧制御回路108の両方がハウジング122の内部に設置され得る電力システム100Kを示している。そのような配置は、簡潔にするためにすべてのオプションが示されることなく、本明細書に示され、説明される他の電力システム100において可能であり得る。
【0041】
ハウジング122は、システム電力デバイス110の要素のうちの少なくともいくつかを物理的に取り囲み、包含するように構成された物理的構造であり得る。上記のように、ハウジング122はまた、システム100の少なくともいくつかの他の要素を取り囲むことができる。一例として、ハウジング122は、DC/ACモジュール120、複数のコンデンサC、1つ以上のスイッチなどを収容するように構成され得る。
【0042】
電圧制御回路108は、電圧を制御するように構成され得る。例えば、電圧制御回路108は、DC/ACモジュール120の入力端子T3およびT4間の電圧を調整するように構成され得る。電圧制御回路108は、DC/ACモジュール120への入力部の両端の電圧を実質的に2倍にするように構成され得る。例えば、DC/ACモジュール120の入力端子T3、T4間の電圧が、電圧制御回路108が動作していない状態で約400ボルトである場合、電圧制御回路108は、DC/ACモジュール120の入力端子T3およびT4間でその電圧を2倍の約800ボルトにするように構成され得る。電圧制御回路108は、特定の効率に従って電圧を上昇させるように構成され得る。電圧制御回路108はまた、システム電力デバイス110の中点Mの電圧を制御するように構成され得る。例えば、電圧制御回路108は、中性出力端子Nの電圧に従って中点Mの電圧を制御するように構成され得る。
【0043】
電圧制御回路108は、システム電力デバイス110に接続された複数の端子を含み得る。
図1Aに示される例では、電圧制御回路108は、端子T4に接続された第1の端子および端子T3に接続された第2の端子を含む、DC/ACモジュール120の入力部の両端に接続された複数の端子を含む。電圧制御回路108はまた、システム電力デバイス110Aの端子T2に接続された第3の端子を含む。端子T2は、複数のコンデンサC+およびC-の間の中点端子Mである端子T1に接続され、実質的に同じ電位であり得る。いくつかの例では、端子T1および端子T2は同じ端子であり得る。
【0044】
いくつかの例では、電圧制御回路108は、システム電力デバイス110に接続された電源102の各出力端子において、接地電位(例えば、中性点N)に対して正の電圧または負の電圧を維持するように構成され得る。例えば、両方の端子103の電圧は、接地電位に対して正の電圧であり得るか、または両方の端子103の電圧は、接地電位に対して負の電圧であり得る。いくつかの例では、接地電位は、実際の接地電位(例えば、地面に電気的に接続されている)または仮想接地電位であり得る。
図13は、システム電力デバイス110Lに接続されている中性点Nが、接地GNによって表される実際の大地電位に接続されている電力システム100Lを示している。そのような配置は、簡潔にするためにすべてのオプションが示されることなく、本明細書に示され、説明される他の電力システム100において可能であり得る。
【0045】
図1A~1Eに示される例では、電力システム100(例えば、100AA、100AB、100AC、100AD、100AE)は、電圧制御回路108が、電源102の各出力端子、および/またはバス106の各端子において、接地電位に対して正の電圧を維持するように構成されている、接地電位超過構成にあり得る。
図1Aに示されるように、接地電位超過構成では、システム電力デバイス110Aは、バス106の端子DC+および端子DC-を介して電源102および/または電力デバイス104に接続され得る。端子T4は端子DC+に接続され得、端子T2(および/または端子T1)は端子DC-に接続され得る。
図2に示される例では、電力システム100Bは、電圧制御回路108が電源102の各出力端子において、接地電位に対して負の電圧を維持するように構成されている、接地電位未満構成にあり得る。
図2に示されるように、接地電位未満構成では、システム電力デバイス110Bは、バス106の端子DC+および端子DC-を介して電源102および/または電力デバイス104に接続され得る。端子T2は端子DC+に接続され得、端子T3は端子DC-に接続され得る。
【0046】
図1Aを参照すると、DCバス106のハイサイドは、端子DC+を介して端子T4に接続され得、DCバス106のローサイドは、端子DC-を介して中点端子Mに接続され得る。この構成は、電圧制御回路108が、端子DC+の電圧および端子DC-の電圧を、接地電位(例えば、中性点N)に対してゼロおよび/または正の電圧として維持することを可能にし得る。
【0047】
電圧制御回路108は、参照により本明細書に組み込まれ、付録Aとして本明細書に添付される、米国特許出願第62/955,627号に説明される回路を含み得る。例えば、電圧制御回路108は、入力電圧を、入力電圧の値の約2倍の出力電圧に変換するように構成される電圧ダブラ回路を含み得る。
【0048】
電圧制御回路108は、例えば、1つ以上のDC-DC変換器(例えば、降圧変換器、昇圧変換器、降圧/昇圧変換器、降圧+昇圧変換器、それらの組み合わせ)、DC-ACインバータ、マイクロインバータ、AC-DC整流器などを含み得る。
【0049】
一例として、設計パラメータ(例えば、安全規制で指定されているか、または構成要素ワイヤ絶縁能力によって要求される)によって、システム電力デバイス110のハウジング122の外部の電圧が電圧閾値(例えば、バス106の端子DC+および端子DC-間で約600ボルトの電圧閾値)を超えないことが指定され得る。しかしながら、システム電力デバイス110の内部に入力される電圧が、比較的より大きな電圧(例えば、DC/ACモジュール120への入力部における端子T4および端子T3間の約800ボルト)であることが有利であり得る。システム電力デバイス100の内部に比較的より大きな電圧を提供することは、システム電力デバイス100がより高い効率で動作するのを助けることができる。電圧制御回路108は、DC/ACモジュール120への入力部の両端の電圧が、(例えば、バス106を介して)システム電力システム電力デバイス110への入力部に提供されるものよりも比較的より大きな電圧(例えば、約800ボルト)であるように、DC/ACモジュール120に入力される電圧を制御するように構成され得る。このようにして、電力システム100AAは、比較的高い電圧がシステム電力デバイス110のハウジング122の内部にあるので、システム電力デバイス110のDC/ACモジュール120への比較的高い入力電圧が存在するように構成され得る。このようにして、ハウジング122の外部の電圧は、電圧閾値(例えば、システム電力デバイス110の1つ以上の外部入力の電圧)を超えない。
【0050】
例えば、電圧制御回路108は、システム電力デバイス110のハウジング122の内部にある端子T4と端子T3との間の電圧を約800ボルト(例えば、電圧V43=約800ボルト)となるように制御するように構成され得る。電圧制御回路108はまた、端子DC+と端子DC-との間のDCバス106上の電圧を、例えば、端子T4および端子T3間の電圧の約半分であり得る、端子T4と端子T1との間の電圧(例えば、電圧VDC=電圧V41=約400ボルト)にほぼ等しくなるように制御するように構成され得る。この例では、端子T1と端子T3との間の電圧もまた、端子T4および端子T3間の電圧の約半分(例えば、電圧V13=約400ボルト)であり得る。電圧制御回路108はまた、システム電力デバイス110の中性出力線Nに関連して(例えば、等しい)中点端子T1の電圧を制御するように構成され得る。
【0051】
一例として、電圧制御回路108は、1つ以上の電源102および/または電力デバイス104がほぼ特定の電圧に到達するのを助けるように構成され得る。例えば、電圧制御回路108は、(例えば、
図1Bに示されるような)電源102の直列ストリング、(例えば、
図1Dに示されるような)電力デバイス104の直列ストリング、または電源102および電力デバイス104の混合を有する直列ストリングがほぼ特定の電圧に到達するのを助けるように構成され得る。特定の電圧は、閾値電圧であり得る。例えば、特定の電圧は、三相電力システムのために特定のAC電圧を生成するために必要とされるDC閾値電圧であり得る。例えば、三相電力システムは、約400ボルトのACを有する電力システムであり得、3線の各線が約230ボルトのACを有する。いくつかの例では、そのようなAC電圧を生成するためには、DC/ACモジュール120へのDC電圧入力は、比較的高いDC電圧(例えば、約600ボルトのDCまたは約800ボルトのDC)であり得る。電源102の直列ストリング、電力デバイス104の直列ストリング、または混合直列ストリングがその特定の電圧に到達するのを助ける必要がある場合、電圧制御回路108は、直列ストリングによって生成されるDC電圧をブーストするのを助けるように構成され得る。したがって、電圧制御回路108は、電圧制御回路108がなければ、比較的より長い直列ストリングによって生成され得る比較的より高い電圧に、比較的より短い直列ストリングが到達するのを助けることができる。例えば、システムが電圧制御回路108を有さず、その結果、約10~15個の電源102および/または電力デバイス104の比較的より長い直列ストリングを使用して特定の電圧に到達することができる場合、電圧制御回路108を含めることによって、電圧制御回路108の助けを借りて、約6~9個の電源102および/または電力デバイス104の比較的より短い直列ストリングを使用して特定の電圧に到達することができる。比較的より短い直列ストリングは、比較的より長い直列ストリングよりも、より少ない電源102および/またはより少ない電力デバイス104を有利に必要とし得る。
【0052】
上記のように、電圧制御回路108はまた、電源102の各出力端子の電圧が(例えば、中性線Nの)接地電位に対して正または負のいずれかとして維持されるように電圧を制御するように構成され得る。例えば、
図1Aに示される例では、電力システム100AAは、電源102の各出力端子において、接地電位に対して正の電圧を維持するように構成され得る。
図2に示される例では、電力システム100Bは、電源102の各出力端子において、接地電位に対して負の電圧を維持するように構成され得る。
【0053】
電源102の一方の出力端子の電圧が正であり、電源102の別の出力端子の電圧が負である場合、電源102(例えば、PVパネル)の電位誘発劣化(PID)の問題があり得る。しかしながら、電源102の出力端子103の各々を接地電位超過または接地電位未満に維持することによって、PIDは軽減される。
【0054】
PIDを軽減するために、電源102の出力端子103の各々を接地電位超過または接地電位未満に維持することは、電源101のうちの1つ以上の特性に依存し得る。例えば、電源102のうちの1つ以上は、光起電性パネルを接地電位に対してゼロを超過する電圧に維持することによってPIDが低減される特性を有する光起電性パネルであり得る。あるいは、電源102のうちの1つ以上は、光起電性パネルを接地電位に対してゼロ未満の電圧に維持することによってPIDが低減される特性を有する光起電性パネルであり得る。一例として、1つ以上の電源102は、電圧が接地電位以超過(正の電圧)に維持されるときに、より効率的に動作する1つ以上の光起電性パネルであり得る。あるいは、1つ以上の電源102は、電圧が接地電位未満(負の電圧)に維持されるときに、より効率的に動作する1つ以上の光起電性パネルであり得る。例えば、光起電性パネルは、シリコンよりも電子が1つ少ない(これにより、セルを正に帯電させ得る)ホウ素がドープされ得るp型セルを有するp型パネルであり得る。あるいは、光起電性パネルは、シリコンよりも電子が1つ多い(これにより、セルを負に帯電させ得る)リンでドープされ得るn型セルを有するn型パネルであり得る。例えば、正にドープされたシリコンセルを有するp型パネルp型セルは、PIDを軽減するために、接地電位超過の正の電圧に維持され(負の端子が接地電位に接続されている)、負にドープされたシリコンセルを有するn型パネルn型セルは、PIDを軽減するために、接地電位未満の負の電圧に維持され得る(正の端子が接地電位に接続されている)。いくつかの例では、システムは、p型パネルとn型パネルの両方を有し得、これらのパネルの電圧は、異なるパネルのタイプに応じて、接地電位超過または接地電位未満に維持され得る。いくつかの例では、単一のパネルがp型セルとn型セルの両方を有し得、それらのセルの電圧は、適宜に接地電位超過または接地電位未満に維持され得る。
【0055】
システム電力デバイス110は、1つ以上の負荷112に接続され得る。1つ以上の負荷112は、例えば、電気系統(例えば、AC電気系統)、蓄電デバイス(例えば、バッテリシステム)、抵抗デバイス(例えば、抵抗器)、誘導デバイス(例えば、モータ)などのうちの1つ以上を含み得る。
【0056】
電力システム100AAは、1つ以上のコントローラ116を含み得る。所定のコントローラ116は、1つ以上の他のコントローラ116、および/または電力システム100AAの1つ以上の他の要素との間で1つ以上の信号を送受信するように構成され得る。1つ以上の信号は、電力変換に関連する1つ以上の命令を含み得る。1つ以上のコントローラ116は、電力線通信(PLC)、ZIGBEE(商標)、Wi-Fiなどを含む任意の適切な通信方法およびデバイスを使用して通信するように構成され得る。電力システム100AAが複数のコントローラ116を含む場合、それらのコントローラ116のうちの1つ以上がマスターコントローラとして指定され得る。一例として、マスターコントローラの機能は、1つ以上のコントローラ116に含まれ得るか、または別個のハウジング内か、もしくは1つ以上の共通のハウジング(例えば、ハウジング122)に異なる組み合わせで配置され得る。例えば、電力デバイス104および/または電圧制御回路108は、複数のコントローラ116を有することができ、それらのコントローラ116のうちの1つ以上がマスターコントローラとして指定され得る。例えば、各電力デバイス104および/または電圧制御回路108は、外部の中央コントローラの有無にかかわらず独自のコントローラ116を有し得、それらの内部コントローラのうちの1つ以上がマスターコントローラとして指定され得る。場合によっては、システム電力デバイス110に含まれる1つ以上のコントローラ116がマスターコントローラとして指定され得る。簡単にするために、
図1Aは、電力デバイス104、電圧制御回路108、およびシステム電力デバイス110の外部に中央コントローラとしてのコントローラ116を示す。
【0057】
1つ以上のコントローラ116は、処理回路、および処理回路を制御し、データを格納するためのコンピュータ実行可能命令を格納するメモリを含み得る。1つ以上のコントローラ116は、データにアクセスして決定を行うように構成され得る。このデータは、電力システム100AAに関連する1つ以上のパラメータおよび/またはパラメータデータを含み得る。
【0058】
1つ以上のセンサ(図示せず)が、電力システム100AAに関連する1つ以上のパラメータおよび/またはパラメータデータを取得するように構成され得る。これらの1つ以上のパラメータは、例えば、電流、電圧、電力、温度、放射照度などを含み得る。
【0059】
上記のように、電力システム100AAの1つ以上のコントローラ116は、電力システム100AAの1つ以上の他の要素との間で信号として命令を送受信するように構成され得る。いくつかの例では、電力デバイス104、システム電力デバイス110、および/または1つ以上のセンサは、1つ以上のコントローラ116に通信可能および/または動作可能に接続され得る。例えば、1つ以上のセンサは、1つ以上のコントローラ116にデータを提供し得る。一例として、コントローラ116と電力システム100AAの他の要素との間の接続が
図1Aに示されている。
図1Aでは、コントローラと電力デバイス104、電圧制御回路108、およびシステム電力デバイス110A(例えば、DC/ACモジュール120)との間の接続が破線を使用して示されている。簡単にするために、1つ以上のコントローラ116と他の電力システム100の他の要素との間の接続は、他の図には示されていない。しかしながら、それらの電力システム100の1つ以上のコントローラ116は、例えば、電力デバイス104、電圧制御回路108、システム電力デバイス110、1つ以上のセンサ、1つ以上のスイッチなどに接続することができる。
【0060】
本明細書に示される電力システムのいくつかの例は、簡単にするために、コントローラ116および電力デバイス104を含まない場合があるが、それらは、
図1Aに示されるように含まれ得る。
【0061】
図2は、本主題の実施例による電力システム100Bを示す。電力システム100Bは、上記のように、電力システム100Bが接地電位未満構成で構成されていることを除いて、本明細書に示されている他の電力システム100と類似し得る。接地電位未満構成では、DCバス106のハイサイド(相対的に高い電圧を有する)は、端子DC+を介して中点端子Mに接続され得、DCバス106のローサイド(相対的に低い電圧を有する)は、端子DC-を介して端子T3に接続され得る。この構成は、電圧制御回路108が、端子DC+の電圧および端子DC-の電圧を、接地電位に対してゼロおよび/または負の電圧として維持するのを助けることができる。例えば、電圧制御回路108が、端子T4および端子T3間の電圧を約800ボルトに制御し、また、中性出力端子Nに関連して(例えば、等しく)中点端子T1の電圧を制御する場合、端子DC+と端子DC-との間のDCバス106上の電圧は、端子T4および端子T3間の電圧(例えば、電圧V43=約800ボルト)の約半分であり得る、端子T1と端子T3との間の電圧(例えば、電圧VDC=電圧V13=約400ボルト)にほぼ等しくあり得、その電圧は、中性出力Nの電圧(中点端子T1の電圧を制御するために使用され得る)に関連して負であるため、接地に関してゼロまたは負の電圧であり得る。この例では、端子T4と端子T1との間の電圧もまた、端子T4および端子T3間の電圧の約半分(例えば、電圧V41=約400ボルト)であり得、その電圧は、中性出力Nの電圧に関連して正であるため、接地に関して正の電圧であり得る。しかしながら、この例では、正の電圧V41は、電源102の出力端子103の電圧を正の電圧として維持するために使用されない。むしろ、負の電圧V13を使用して、電源102の出力端子103の電圧を負の電圧として維持する。
【0062】
図3は、電力システム100Cが複数のコンデンサX+Yを含むことを除いて、本明細書に示されている他の電力システム100と類似する電力システム100Cを示し、ここで、XおよびYは、任意の適切な数であり得るか、または同じまたは異なる数であり得る。一例として、端子T4と中点端子T1との間にシリアル接続された偶数個のコンデンサ(例えば、Xは偶数である)が存在し得る。類似して、端子T3と中点端子T1との間にシリアル接続された偶数個のコンデンサ(例えば、Yは偶数である)があり得る。電力システム100AAと類似して、電力システム100Cは、接地電位超過構成で構成されている。システム電力デバイス110Cの配置は、システム電力デバイス110Aの配置と類似し得る。
【0063】
図4は、電力システム100Dが電力システム100Bのように接地電位未満構成で構成され、電力システム100Cに配置されたように複数のコンデンサを有することを除いて、本明細書に示されている他の電力システム100と類似する電力システム100Dを示す。システム電力デバイス110Dの配置は、システム電力デバイス110Bの配置と類似し得る。
【0064】
いくつかの例では、電力システム100は、複数の構成モードで動作するように構成され得る。例えば、電力システムは、電圧ブースト構成モードと非電圧ブースト構成モードとの間で切り替わるように構成され得る。電圧ブースト構成モードでは、電圧制御回路108は、(例えば、DC/ACモジュール120の入力部の両端の、)システム電力デバイス110のハウジング122内の電圧を上昇させるように構成され得る。非電圧ブースト構成モードでは、電圧制御回路108は、システム電力デバイス110のハウジング122内の電圧を上昇させない場合がある。電圧ブースト構成モードでは、電力システム100は、中性出力端子Nの電圧に関連して中点端子T1の電圧を制御するように構成され得る。非電圧ブースト構成モードでは、電力システム100は、中性出力端子Nの電圧に関連して、中点端子T1ではない別の端子(例えば、端子T4または端子T3)の電圧を制御するように構成され得る。電力システム100は、PIDも軽減するために、中点端子T1ではない端子の電圧を調整するように構成され得る。例えば、非電圧ブースト構成モードでは、電力システム100は、接地に関して正の電圧または負の電圧であるように、端子T3または端子T4の電圧を調整するように構成され得る。スイッチは、電力システム100を異なる構成モード間で切り替えるように構成され得る。
【0065】
本明細書で使用される「スイッチ」という用語は、非永続的な方式で切り替えることができる任意の適切な可逆的スイッチング要素、または永続的な方式で切り替えることができる任意の適切な不可逆的スイッチング要素を指す。非永続的な方式で切り替えることができる可逆的スイッチング要素の例は、任意の適切なリレーまたはスイッチ、例えば、電界効果トランジスタ(FET)、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、シリコンカーバイド(SiC)スイッチ、窒化ガリウム(GaN)スイッチ、ダイオードなどであり得る。スイッチは、単投式、両投式などであり得る。「スイッチ」という用語はまた、電力システム100の異なる構成間で切り替える(例えば、機械的に再配置される)ことができる1つ以上のワイヤ(例えば、ジャンパワイヤまたはジャンプワイヤ)を含み得る。永続的な方式で切り替えることができる不可逆的スイッチング要素の例は、1つ以上の特定の電気的パラメータ(例えば、特定の閾値を超過する電圧および/または電流)に従って燃損または開放されるように構成されたヒューズまたはブレーカである。本明細書で使用される「燃損」または「飛ぶ」という用語は、ヒューズが1つ以上の特定の閾値電気的パラメータ(例えば、電圧、電流、電力など)に制限または定格されるように構成され得る状況を指し得る。閾値電気的パラメータを超える1つ以上の電気的パラメータがヒューズに適用される場合、ヒューズの少なくとも一部は、関連する電気的経路を開放するためにそれに応じて応答するように構成され得る(例えば、ヒューズの少なくとも一部が融解して、切断して、開回路要素などになり得る)。1つ以上のスイッチング要素は、構成モードを永続的または非永続的に設定するように構成され得る。
【0066】
図5Aおよび
図5Bは、本主題の例による電力システム100Eを示す。電力システム100Eは、電力システム100Eが複数の構成モード間で切り替わるように構成され得ることを除いて、本明細書に示されている他の電力システム100と類似し得る。スイッチSAは、端子DC-を端子T2または端子T3のいずれかに二者択一的に接続するように構成され得る。簡単にするために、
図5Aおよび
図5Bは、単一の電源102Bのみを示している。電源102Bは、上記で詳細に説明されたように、1つ以上の電源102および/または電力デバイス104の任意の適切な配置であり得る。例えば、電源102Bは、電力デバイス104のない電源102であり得る(例えば、電力システム100Eは、電力デバイス104を含まない場合がある)。別の例として、電源102Bは、電源102Bに組み込まれた1つ以上の統合された電力デバイス104を含み得る。本明細書に示されている、電力デバイス104を有する他の電力システム100もまた、電力デバイス104なしで配置され得、逆もまた同様である。そして、他の電力システム100もまた、電源102Bのみを示し得るが、1つ以上の電力デバイス104および/または追加の電源102が、電源102B内に統合され得る。
【0067】
図5Aは、電圧ブースト構成モードの電力システム100Eを示している。電圧ブースト構成モードでは、スイッチSAは、電圧制御回路108がハウジング122の内部の電圧を上昇させることができるように、端子DC-を端子T2に接続する。例えば、電圧制御回路108は、DC/ACモジュール120の両端の電圧(例えば、端子T4および端子T3間の電圧)を実質的に2倍にすることができる。電圧ブースト構成モードでは、電源102Bの出力端子103の電圧は、接地電位に対して等しいかまたは正として維持され得る。つまり、この例では、電力システム100Eは、接地電位超過構成にある。
図5Aに示される構成モードは、接地電位超過電圧ブースト構成モードと呼ばれることもある。電圧ブースト構成モードでは、電圧制御回路108はまた、中性出力端子Nに関連して(例えば、等しく)中点端子T1の電圧を制御するように構成され得る。電力システム100Eが電圧ブースト構成モードにあるときのシステム電力デバイス110Eの配置は、システム電力デバイス110Aの配置と類似し得る。
【0068】
図5Bは、非電圧ブースト構成モードの電力システム100Eを示している。非電圧ブースト構成モードでは、スイッチSAは、電圧制御回路108がハウジング122の内部の電圧を上昇させないように、端子DC-を端子T3に接続する。例えば、電圧制御回路108は、DC/ACモジュール120の両端の電圧を2倍にすることはできない。非電圧ブースト構成モードでは、電力システム100Eはまた、中性出力端子Nに対して端子T3の電圧または端子T4の電圧を制御するように構成され得る。例えば、非電圧ブースト構成モードでは、電源102Bの両方の出力端子103の電圧は、接地電位に関連して正として、または接地電位に関連して負として維持されてもされなくてもよい。
【0069】
一例として、スイッチSAがジャンパワイヤである場合、電圧ブースト構成モードでは、端子DC-は、ジャンパワイヤを介して端子T2に接続され得、非電圧ブースト構成モードでは、端子DC-は、ジャンパワイヤを介して端子T3に接続され得る。
【0070】
図6Aおよび
図6Bは、本主題の例による電力システム100Fを示す。電力システム100Fは、電力システム100Fが接地電位未満電圧ブースト構成モードと非電圧ブースト構成モードとの間で切り替わるように構成され得ることを除いて、本明細書に示されている他の電力システム100と類似し得る。スイッチSBは、端子DC+を端子T2または端子T4に二者択一的に接続するように構成され得る。
【0071】
図6Aは、電圧ブースト構成モードの電力システム100Fを示している。電圧ブースト構成モードでは、スイッチSBは、電圧制御回路108がハウジング122の内部の電圧を上昇させることができるように、端子DC+を端子T2に接続する。例えば、電圧制御回路108は、DC/ACモジュール120の両端の電圧を2倍にすることができる。電圧ブースト構成モードでは、電源102Bの出力端子103の電圧は、接地電位に関連して等しいかまたは負として維持され得る。つまり、この例では、電力システム100Fは、接地電位未満構成にある。
図6Aに示される構成モードは、接地電位未満電圧ブースト構成モードと呼ばれることもある。電圧ブースト構成モードでは、電圧制御回路108はまた、中性出力端子Nに対して(例えば、等しく)中点端子T1の電圧を制御するように構成され得る。電力システム100Fが電圧ブースト構成モードにあるときのシステム電力デバイス110Fの配置は、システム電力デバイス110Bの配置と類似し得る。
【0072】
図6Bは、非電圧ブースト構成モードの電力システム100Fを示している。非電圧ブースト構成モードでは、スイッチSBは、電圧制御回路108がハウジング122の内部の電圧を上昇させないように、端子DC+を端子T4に接続する。例えば、電圧制御回路108は、DC/ACモジュール120の両端の電圧を2倍にすることはできない。非電圧ブースト構成モードでは、電力システム100Fはまた、中性出力端子Nに関連して端子T3の電圧または端子T4の電圧を制御するように構成され得る。例えば、非電圧ブースト構成モードでは、電源102Bの両方の出力端子103の電圧は、接地電位に関連して正として、または接地電位に関連して負として維持されてもされなくてもよい。
【0073】
図7Aおよび
図7Bは、本主題の例による電力システム100Gを示す。電力システム100Gは、電力システム100Gが異なる構成モード間で電力システム100Gを切り替えるように構成された複数のスイッチS1およびS2を含み得ることを除いて、本明細書に示されている他の電力システム100と類似し得る。スイッチS1は、端子DC-を端子T2に二者択一的に接続するか、または端子DC-を端子T2から切断するように構成され得る。スイッチS2は、端子DC-を端子T3に二者択一的に接続するか、または端子DC-を端子T3から切断するように構成され得る。スイッチS1およびS2は、電力システム100Gを、接地電位超過構成モードであり得る電圧ブースト構成モードと非電圧ブースト構成モードとの間で交互に切り替えるように構成され得る。例えば、電力システム100Gは、
図7Aに示されるように、スイッチS1を「オン」に切り替えて閉回路を作成し、端子DC-を端子T2に接続し、かつスイッチS2を「オフ」に切り替えて端子DC-と端子T3との間を切断する(例えば、開回路を作成する)ことによって、電圧ブースト構成モードに切り替わるように構成され得る。電力システム100Gはまた、
図7Bに示されるように、スイッチS1を「オフ」に切り替えて端子DC-および端子T2を切断する(例えば、その間に開回路を作成する)ことによって、かつスイッチS2を「オン」に切り替えて閉回路を作成し、端子DC-と端子T3とを接続することによって、非電圧ブースト構成モードに切り替わるように構成され得る。スイッチS1およびS2は、2つの別個のスイッチであっても、端子DC-を端子T2または端子T3のいずれかに接続することを交互に行う単極双投スイッチに組み合わされてもよい。電力システム100Gが電圧ブースト構成モードにあるときのシステム電力デバイス110Gの配置は、システム電力デバイス110Aの配置と類似し得る。
【0074】
図8Aおよび
図8Bは、本主題の例による電力システム100Hを示す。電力システム100Hは、電力システム100Hが接地電位未満電圧ブースト構成モードであり得る電圧ブースト構成モードと非電圧ブースト構成モードとの間で電力システム100Hを切り替えるように構成された複数のスイッチS3およびS4を含み得ることを除いて、本明細書に示されている他の電力システム100と類似し得る。スイッチS3は、端子DC+を端子T2に接続するか、または端子DC+を端子T2から切断するように構成され得る。スイッチS4は、端子DC+を端子T4に接続するか、または端子DC+を端子T4から切断するように構成され得る。スイッチS3およびS4は、電力システム100Hを異なる構成モード間で交互に切り替えるように構成され得る。例えば、電力システム100Hは、(
図8Aに示されるように)スイッチS3を「オン」に切り替えて閉回路を作成し、端子DC+を端子T2に接続することによって、かつスイッチS4を「オフ」に切り替えて端子DC+を端子T4から切断する(例えば、その間に開回路を作成する)ことによって、電圧ブースト構成モードに切り替わるように構成され得る。電力システム100Hはまた、(
図8Bに示されるように)スイッチS3を「オフ」に切り替えて端子DC+を端子T2から切断する(例えば、その間に開回路を作成する)ことによって、かつスイッチS4を「オン」に切り替えて閉回路を作成し、端子DC+と端子T4とを接続することによって、非電圧ブースト構成モードに切り替わるように構成され得る。スイッチS3およびS4は、2つの別個のスイッチであっても、端子DC-を端子T2または端子T4のいずれかに接続することを交互に行う単極双投スイッチに組み合わされてもよい。電力システム100Hが電圧ブースト構成モードにあるときのシステム電力デバイス110Hの配置は、システム電力デバイス110Bの配置と類似し得る。
【0075】
図9A、
図9B、および
図9Cは、本主題の例による電力システム100Iを示す。電力システム100Iは、電力システム100Iが異なる構成モード、例えば、接地電位超過電圧ブースト構成モード、接地電位未満電圧ブースト構成モード、非電圧ブースト構成モードなどの間で電力システム100Iを切り替えるように構成された複数のスイッチS11、S12、S13、およびS14を含み得ることを除いて、本明細書に示されている他の電力システム100と類似し得る。スイッチS11は、端子DC-を端子T2に接続し、かつ端子DC-を端子T2から切断するように構成され得る。スイッチS12は、端子DC-を端子T3に接続し、かつ端子DC-を端子T3から切断するように構成され得る。スイッチS13は、端子DC+を端子T2に接続し、かつ端子DC+を端子T2から切断するように構成され得る。スイッチS14は、端子DC+を端子T4に接続し、かつ端子DC+を端子T4から切断するように構成され得る。スイッチS11、S12、S13およびS14は、電力システム100Iを異なる構成モード間で交互に切り替えるように構成され得る。例えば、電力システム100Iは、(
図9Aに示されるように)スイッチS11を「オン」に切り替えて閉回路を作成し、端子DC-を端子T2に接続することによって、スイッチS12を「オフ」に切り替えて端子DC-を端子T3から切断する(例えば、開回路を作成する)ことによって、スイッチS13を「オフ」に切り替えて端子DC+を端子T2から切断する(例えば、開回路を作成する)ことによって、かつスイッチS14を「オン」に切り替えて閉回路を作成し、端子DC+を端子T4に接続することによって、接地電位超過電圧ブースト構成モードに切り替わるように構成され得る。電力システム100Iはまた、(
図9Bに示されるように)スイッチS11を「オフ」に切り替えて端子DC-を端子T2から切断する(例えば、開回路を作成する)ことによって、スイッチS12を「オン」に切り替えて閉回路を作成し、端子DC-を端子T3に接続することによって、スイッチS13を「オン」に切り替えて閉回路を作成し、端子DC+を端子T2に接続することによって、かつスイッチS14を「オフ」に切り替えて、端子DC+を端子T4から切断する(例えば、開回路を作成する)ことによって、接地電位未満電圧ブースト構成モードに切り替わるように構成され得る。電力システム100Iはまた、(
図9Cに示されるように)スイッチS11を「オフ」に切り替えて端子DC-を端子T2から切断する(例えば、開回路を作成する)ことによって、スイッチS12を「オン」に切り替えて閉回路を作成し、端子DC-を端子T3に接続することによって、スイッチS13を「オフ」に切り替えて端子DC+を端子T2から切断する(例えば、開回路を作成する)ことによって、かつスイッチS14を「オン」に切り替えて閉回路を作成し、端子DC+を端子T4に接続することによって、被電圧ブースト構成モードに切り替わるように構成され得る。電力システム100Iが接地電位超過電圧ブースト構成モードにあるときのシステム電力デバイス110Iの配置は、システム電力デバイス110Aの配置と類似し得る。電力システム100Iが接地電位未満電圧ブースト構成モードにあるときのシステム電力デバイス110Iの配置は、システム電力デバイス110Bの配置と類似し得る。
【0076】
図10A、
図10B、および
図10Cは、本主題の例による電力システム100Jを示す。電力システム100Jは、電力システム100Jが異なる構成モード、例えば、接地電位超過電圧ブースト構成モード、接地電位未満電圧ブースト構成モード、非電圧ブースト構成モードなどの間で電力システム100Jを切り替えるように構成された1対のスイッチSCおよびSDを含み得ることを除いて、本明細書に示されている他の電力システム100と類似し得る。スイッチSCは、端子DC-を端子T2または端子T3のいずれかに二者択一的に接続するように構成され得る。スイッチSDは、端子DC+を端子T2または端子T4のいずれかに二者択一的に接続するように構成され得る。スイッチSCおよびSDは、電力システム100Jを異なる構成モード間で交互に切り替えるように構成され得る。例えば、電力システム100Jは、
図10Aに示されるように、スイッチSCを切り替えて閉回路を作成し、端子DC-を端子T2に接続(例えば、開回路を作成)し、端子DC-を端子T3から切断することによって、かつスイッチSDを切り替えて端子DC+を端子T2から切断(例えば、開回路を作成)し、それによってまた閉回路を作成し、端子DC+を端子T4に接続することによって、接地電位超過電圧ブースト構成モードに切り替わるように構成され得る。電力システム100Jはまた、
図10Bに示されるように、スイッチSCを切り替えて端子DC-を端子T2から切断(例えば、開回路を作成)し、それによって閉回路を作成し、端子DC-を端子T3に接続することによって、かつスイッチSDを切り替えて閉回路を作成し、端子DC+を端子T2に接続し、それによってまた端子DC+を端子T4から切断することによって、接地電位未満電圧ブースト構成モードに切り替わるように構成され得る。電力システム100Jはまた、
図10Cに示されるように、スイッチSCを切り替えて開回路を作成し、端子DC-を端子T2から切断する(それによってまた閉回路を作成し、端子DC-を端子T3に接続する)ことによって、かつスイッチSDを切り替えて開回路を作成し、端子DC+を端子T2から切断する(それによってまた閉回路を作成し、端子DC+を端子T4に接続する)ことによって、非電圧ブースト構成モードに切り替わるように構成され得る。電力システム100Jが接地電位超過電圧ブースト構成モードにあるときのシステム電力デバイス110Jの配置は、システム電力デバイス110Aの配置と類似し得る。電力システム100Jが接地電位未満電圧ブースト構成モードにあるときのシステム電力デバイス110Jの配置は、システム電力デバイス110Bの配置と類似し得る。
【0077】
いくつかの例では、電力システム100は、非電圧ブースト構成モードなしで、異なる電圧ブースト構成モード(例えば、接地電位超過または接地電位未満)間で切り替わるように構成され得る。
【0078】
電圧制御回路108は、システム電力デバイス110のAC出力部が接地されている(例えば、接地電位に接続された中性出力線Nがある)ので、PIDを軽減するように構成され得る。電力システム100はAC接地システムであるため、端子T1の電位は、接地電位に関連して約0ボルトに維持され得、電源102Bの両端の電圧は、接地に関連してほぼゼロもしくは完全に正(例えば、約+400ボルト)か、または接地に関連して約ゼロもしくは完全に負(例えば、約-400ボルト)のいずれかとして維持され得る。接地に関してほぼゼロまたは完全に負の電位は、特定の電源102(例えば、特定の光起電性モジュール)では有益であり得る。電源102の両端の電位は、ほぼ完全に接地超過またはほぼ完全に接地未満に維持されるので、PIDは軽減され得る。
【0079】
ACが接地されていない場合、電力システム100は、端子T1の電圧を約0ボルトに維持するのを助けるための追加の回路を含み得る。ACが接地されていないいくつかの場合、この追加の回路はPIDを軽減するように構成され得る。
【0080】
図11は、本主題の1つ以上の例による方法のフローチャート1100を示す。
【0081】
ステップ1102において、電力システム100は、第1の構成モードで構成される。例えば、電力システム100は、電圧ブースト構成モードまたは非電圧ブースト構成モードで構成され得る。電圧ブースト構成モードの場合、電力システム100は、接地電位超過構成モードまたは接地未満構成モードで構成され得る。
【0082】
ステップ1104において、電力システム100の構成モードを切り替えるべきかどうかの決定を行うことができる。このステップは、電力システムの1つ以上のコントローラおよびセンサを使用して行うことができる。例えば、センサは、電力システム100の構成モードを切り替えるべきかどうかを決定するのを助けるために使用することができる1つ以上のパラメータをコントローラ116に提供することができる。例えば、決定は、電力システム100の電圧に関連するパラメータに基づくことができる。
【0083】
ステップ1104において、電力システム100の構成モードを切り替えるべきではないとの決定である場合、プロセス1100は、ステップ1102に戻ることができる。
【0084】
ステップ1104において、電力システム100の構成モードを切り替えるべきであるという決定である場合、プロセス1100は、ステップ1106に進むことができる。
【0085】
ステップ1106において、電力システム100は、第2の構成モードで構成される。ステップ1106において、電力システム100は、第1の構成モードから第2の構成モードに切り替えられ得る。このステップは、電力システム100の1つ以上のスイッチおよび電圧制御回路108を使用して行うことができる。例えば、1つ以上のスイッチは、電力システム100の構成モードを変更するための命令を含む、1つ以上のコントローラ116から1つ以上の信号を取得することができる。例えば、1つ以上のスイッチは、構成モードを電圧ブースト構成モードまたは非電圧ブースト構成モードに切り替えるように構成され得る。電圧ブースト構成モードは、接地電位超過構成モードまたは接地未満構成モードであり得る。このようにして、電力システム100は、例えば、その時点でどの構成モードが最も有利であるかに応じて、異なる構成モード間で切り替えることができる。
【0086】
いくつかの例を上で説明したが、それらの例の特徴および/またはステップは、任意の所望の様態で結合、分割、省略、再配置、改変、および/または増強することができる。様々な変更、修正、および改良が当業者には容易に想起されるであろう。そのような変更、修正、および改良は、本明細書で明示的には述べられていないが、本明細書の一部であることが意図され、本開示の趣旨および範囲内にあることが意図される。したがって、前述の説明は、例示に過ぎず、限定的ではない。
【外国語明細書】