(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058362
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】誘導型輸送経路訂正
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20220405BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220405BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20220405BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20220405BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20220405BHJP
B05C 9/12 20060101ALI20220405BHJP
B05C 13/02 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H01L21/68 F
H05B33/14 A
H05B33/10
H01L21/68 A
B05C5/00 101
B05C9/12
B05C13/02
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021204026
(22)【出願日】2021-12-16
(62)【分割の表示】P 2020043824の分割
【原出願日】2017-07-06
(31)【優先権主張番号】62/359,969
(32)【優先日】2016-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/459,402
(32)【優先日】2017-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/489,768
(32)【優先日】2017-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/642,188
(32)【優先日】2017-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【弁理士】
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】エリヤフ ブロンスキー
(72)【発明者】
【氏名】カール マティア
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ソウ-カン コー
(57)【要約】
【課題】好適な誘導型輸送経路訂正を提供すること。
【解決手段】プリンタは、電子製品のための製造プロセスの一部として、基板上に材料を堆積させ、少なくとも1つの輸送される構成要素は、堆積に影響を及ぼす誤差を受ける。本誤差は、例えば、「理想的な」運搬経路を提供し、それによって、誤差にもかかわらず、精密な液滴設置を可能にするために、構成要素の位置を均一化する変換器を使用して軽減される。一実施形態では、光学ガイド(例えば、レーザを使用する)が、所望の経路を画定するために使用され、構成要素に搭載されるセンサは、本経路からの偏差を動的に検出し、本偏差は、次いで、変換器を駆動し、即時に偏差に対抗するために使用される。本誤差訂正方式は、輸送誤差のタイプ以上のものを訂正するため、例えば、基板輸送経路、プリントヘッド輸送経路、および/または分割軸輸送非直交性の誤差を訂正するために適用されることができる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、「Guided Transport Path Correction」と題された、最初に指名された発明者Eliyahu Vronskyを代表して2017年7月5日に出願された米国特許出願第15/642188号、それぞれ「Transport Path Correction Techniques And Related Systems, Methods And Devices」と題された、最初に指名された発明者Digby Punを代表して2017年4月25日に出願された米国仮出願第62/489768号、および最初に指名された発明者Digby Punを代表して2016年7月8日に出願された米国仮出願第62/359969号、および「Precision Position Alignment, Calibration and Measurement in Printing And Manufacturing Systems」に関して最初に指名された発明者David C. Darrowを代表して2017年2月15日に出願された米国仮特許出願第62/459402号の利益を請求し、これらの出願はそれぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる。本開示はまた、以下の文書、すなわち、「Techniques for Print Ink Droplet Measurement And Control To Deposit Fluids Within Precise Tolerances」に関して第1の発明者Nahid Harjeeを代表して2014年7月24日に出願として出願された米国特許第9352561(USSN 14/340403)号、「Printing System Assemblies and Methods」に関して第1の発明者Robert B. Lowranceを代表して2015年6月12日に出願として出願された米国特許公開第20150360462(USSN 14/738785)号、「Techniques for Arrayed Printing of a Permanent Layer with Improved Speed and Accuracy」に関して最初に指名されたMichael Bakerを代表して2015年6月30日に出願として出願された米国特許公開第20150298153(USSN 14/788609)号、および「Ink-Based Layer Fabrication Using Halftoning To Control Thickness」に関して最初に指名された発明者Eliyahu Vronskyを代表して2014年8月12日に出願として出願された米国特許第8995022号も参照することによって組み込む。
【背景技術】
【0002】
あるタイプの工業プリンタは、精密製造に、例えば、電子デバイスの加工に適用されることができる。
【0003】
1つの非限定的実施例を挙げると、インクジェットプリンタが、電子ディスプレイデバイスまたは太陽電池パネルデバイスの1つ以上の超薄層を堆積させるために使用されることができる。この場合の「インク」は、所望の色の染料としてのインクの従来の概念と異なり、代わりに、若干拡散してともに混合するが、吸収されず、代わりに、構造、電磁、または光学的性質を完成したデバイスに付与することに役立つ意図的な層厚さを保つ離散液滴として堆積される有機モノマーであることができる。インクはまた、典型的には、半透明であるように意図的に作製され、結果として生じた層は、光を生成および/または透過させるために使用される。印刷によって堆積されるインクの連続コートが、次いで、用途に応じて、例えば、1~10ミクロンの非常に緊密に調整された厚さを有する恒久層を形成するように、定位置で処理される(例えば、紫外線を使用して硬化される、または別様に焼成または乾燥させられる)。これらのタイプのプロセスは、OLEDピクセルの正孔注入層(「HIL」)、正孔移送層(「HTL」)、正孔輸送層(「HTL」)、放出または発光層(「EML」)、電子輸送層(「ETL」)、電子注入層(「EIL」)、アノードまたはカソード層等の種々の導体、正孔遮断層、電子遮断層、偏光子、障壁層、プライマ、カプセル化層、および他のタイプの層を堆積させるために使用されることができる。参照された材料、プロセス、および層は、例示的にすぎない。1つの用途では、インクは、例えば、個々の微視的流体リザーバ内(例えば、「ウェル」内)の多くの個々の電子構成要素または構造のそれぞれの中に層を作成し、個々のディスプレイピクセルまたは太陽電池層を形成するように、堆積されることができる。別の用途では、インクは、巨視的次元を有し、例えば、(例えば、何百万ものピクセルを有するディスプレイ画面面積にまたがる)多くのそのような構造を被覆する、1つ以上のカプセル化層を形成するように、堆積されることができる。
【0004】
要求される精度は、非常に細かくあり得、例えば、有機発光ダイオード(「OLED」)ピクセルの薄い層を加工するための製造業者の仕様は、ピコリットルの分解能に(またはより高いレベルの精度にさえも)ピクセルウェル内の凝集流体堆積を特定し得る。仕様からの堆積流体の体積のわずかな局所変動さえも、問題を生じさせ得る。例えば、構造間(例えば、ピクセル間)のインク体積の変動は、人間の眼には顕著である色相の差または強度差または他の性能の相違を生じさせ得る。カプセル化または他の「巨視的」層では、そのような変動は、層機能を損ない得る(例えば、層は、不要な粒子状物質、酸素、または湿気に対して敏感な電子構成要素を確実に密閉しない場合がある)、または別様に観察可能な相違を生じさせ得る。デバイスがますます小さくなるにつれて、これらの問題は、さらに有意になる。典型的用途が、1~30ピコリットル(「pL」)の体積をそれぞれ有する、離散液滴を堆積させる何万個ものノズルを有する、プリンタを特徴とすることができ、プリントヘッドのための製造プロセスコーナが、動作不能なノズルおよび液滴サイズ、ノズル場所、液滴速度、または液滴降着位置の個々の誤差につながり、それによって、局所的インク体積送達変動を生じさせ得ることが考慮されるとき、所望の製造仕様を密接に辿る、薄い均質な層を生産することに非常に大きな課題があることを理解されたい。
【0005】
微細な精度を達成する際の誤差の1つの原因は、製造されている製品の規模に対する加工プロセスにおける機械的構成要素の使用に関する。非限定的実施例として、殆どのプリンタは、印刷を実施するために、1つ以上のプリントヘッド、基板、または両方を移動させる、機械的運搬システムを有する。いくつかのプリンタはまた、構成要素を回転またはオフセットする(例えば、プリントヘッドを移動または回転させ、ノズルの間の有効ピッチを変化させる)ための運搬システムを特徴とすることができ、これらの運搬システムはそれぞれ、微細な機械的または位置付け誤差を付与し得、ひいては、非一様性につながり得る。例えば、たとえこれらの運搬システムが、典型的には、高精度部品(例えば、精密トラックまたは縁ガイド)に依拠しても、それらは、製造に使用される輸送経路長の全体を通して、要求される精度および一様性を達成することを困難にする、ジッタまたは平行移動または回転不正確性(例えば、輸送経路内のミリメートル、ミクロン、またはより小さい規模の偏位)を依然として付与し得る。状況を提供すると、大型HDTV画面を加工するために使用される装置は、個々の液滴送達がナノメートル規模の座標に計画される、メートル幅×メートル長の基板上に極薄材料層を堆積させるように制御される、「部屋のサイズの」プリンタを特徴とし得る。そのような装置の中の輸送経路は、長さがメートルであることができる。そのようなシステム、例えば、プリントヘッドを交換するために使用される輸送経路システム、基板を整合させる、または点検するカメラアセンブリ、および他のタイプの可動部品において、ある形態の誤差を生じさせ得る、多くの他の機械的構成要素があることに留意されたい。そのようなシステムでは、非常に微細な精度の機械的部品でさえも、上記で参照されるナノメートル規模の座標に影響を及ぼす偏位を生成し得る。したがって、要求される層は、ますます薄くなり、要求される精度は、加工されている製品に対してますます小さくなり、潜在的な位置誤差の原因を慎重に制御および/または軽減することが、さらに必須になる。
【0006】
概して、これらのタイプの加工システムにおける位置および平行移動誤差を低減させるためのいくつかの従来の技法が存在する。第1に、基板は、プリンタ輸送と粗く整合され、次いで、(潜在的に、加工プロセス中に繰り返し)手動で細かく整合されることができる。そのようなプロセスは、時間がかかり、すなわち、概して、消費者製品を生産するための自動高速アセンブリライン型プロセスを有するという目標を妨げる。また、概して、そのような手動プロセスを用いて要求されるミクロンまたはナノメートル精度を取得することも極めて困難である。また、そのような技法を用いて十分に対処されることができない、いくつかの誤差、例えば、上記でちょうど導入されたような輸送経路の相違によって引き起こされる誤差(例えば、基板が整合された後に現れる誤差)もある。第2の実施例として、米国特許公開第20150298153号は、基板位置における微細な位置および/または回転誤差を測定し、例えば、印刷するために使用されるノズルを再び割り当てることによって、または別様にノズルを発射するために使用されるノズル駆動波形を変化させることによって、ソフトウェアにおいてこれらの誤差を訂正する、プロセスに関する。換言すると、一般的に言えば、これらの技法は、微細な位置および回転誤差と「共存」しようとし(それによって、印刷速度を保ち)、次いで、(例えば、誤差に依存するスキャン経路を再調節する必要なく、事前計画されたラスタを使用して)誤差を是正するように、使用されるノズル、およびこれらのノズルが電子的に制御される時間および方法を調節しようとする。しかしながら、ソフトウェアにおいて整合誤差を補償するという有用性にもかかわらず、ソフトウェアにおいて本誤差を測定および考慮し、何千ものノズルのための発射割当を再計算することは、かなりの計算リソースおよび時間を要し得る。
【0007】
必要とされるものは、製造装置の中の機械的システムにおいて、運動、回転、および位置誤差を訂正するための付加的技法である。なおもさらに、必要とされるものは、「理想的な」縁または輸送経路をシミュレーションするために製造システムの可動構成要素の誤差を訂正するための技法である。そのような技法は、精密製造プロセス、特に、説明されるタイプの印刷システムに適用された場合、ラスタ制御データを再レンダリングするためのかなりの計算リソースおよび時間の必要性を低減させ、全体的に、より単純および/またはより高速および/またはより正確な印刷プロセスにつながるであろう。本発明は、これらの必要性に対処し、さらなる関連利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、輸送経路107に沿って工業印刷システムを通して輸送される際の基板103を図示する。その右側で、
図1は、個別の回転および平行移動誤差(Δx、Δy、およびΔθ)を伴う2つの仮説的位置(103’および103”)における基板を示す。輸送経路誤差および関連付けられる基板回転および平行移動誤差は、解説を支援するために図面の尺度に対して誇張されているものとして見なされる。
【0009】
【
図2A】
図2Aは、機械的誤差を動的に訂正するシステム201の概略図である。第1の構成要素203は、(概して、本実施例では「y」軸と整合される)輸送経路206に沿って進行し、ミラー211/212およびセンサ208/209は、光学ガイド202(例えば、レーザビーム)からの偏差を検出し、第1の構成要素の進行中に、変換器216および217は、センサ208/209からの信号に応答して自動的に駆動され、機械的誤差にもかかわらず、第2の構成要素205が理想的な経路を辿るように、(例えば、x、z、および/またはθ等の1つ以上の次元内で)偏差を均一化する。
【0010】
【
図2B】
図2Bは、輸送される構成要素が輸送経路に沿って前進されるにつれて位置および/または回転誤差を訂正することと関連付けられる、フローチャートである。
【0011】
【
図3A】
図3Aは、微細な機械的調節を実施し、
図1に関連して(すなわち、本実施例では、基板を前進させる「グリッパ」の一部として)参照される誤差を訂正する、1つ以上の変換器を示す、概略図である。記述されるように、レーザ源319等の光学ガイドが、所望の経路を画定するために使用されることができ、本経路からの偏差は、1つ以上のセンサ320によって感知される。1つ以上の変換器「T」は、(本実施例では)基板が「完全に直線状」または「ジッタを含まない」輸送経路を進行するという結果を伴って、本偏差に応じて駆動される。
【0012】
【
図3B】
図3Bは、
図1と同様に機械的欠陥を有する輸送経路107を描写する。しかしながら、この場合、
図3Aに対して導入されるような変換器「T」は、グリッパが経路107上で前進するにつれて、基板位置および/または配向の微調整を実施するために使用される。結果は、仮想直線状縁323によって表されるように、基板が、ここで、「理想的な」運動(例えば、完全に直線状の「理想的な」縁および/またはジッタを含まない経路)に従って移動することである。
【0013】
【
図3C】
図3Cは、輸送経路誤差を訂正するための変換器「T」の使用を示すという点で、
図3Bに類似する。しかしながら、この場合、誤差はまた、この場合、矢印354の一般的方向に輸送されるにつれて、プリントヘッド(またはカメラまたは他のアセンブリ)の非理想的位置または配向を呈する、第2の輸送経路356から潜在的に生じる。
【0014】
【
図3D】
図3Dは、縁またはトラック356に沿ったプリントヘッドの運動を描写するという点で
図3Cに類似するが、図示されるように、プリントヘッドアセンブリはまた、ここでは、その独自の光学ガイド371および変換器センブリを有し、縁またはトラック356の誤差を軽減する微調整位置および回転訂正を提供し、結果は、プリントヘッドがまた、ここでは、仮想「理想的」経路325(または以下で議論されるであろうように369)を効果的に進行することである。
【0015】
【
図3E】
図3Eは、縁またはトラック356に沿ったプリントヘッドの運動を描写するという点で
図3Cに類似する。しかしながら、プリントヘッド輸送経路は、光学ガイドを有するが、プリントヘッドジッタに合致する訂正が、代わりに、別の輸送経路と関連付けられる変換器ベースの誤差訂正システム、この場合、グリッパと関連付けられる変換器によって適用される。
【0016】
【
図3F】
図3Fは、例えば、最大6つの異なる自由度(例えば、3つの平行移動自由度、およびヨー、ピッチ、および/またはロールを潜在的に含む)で補償対抗運動(または他の誤差軽減)を実施することによって、輸送経路誤差を訂正するための機構を示す、例証的略図である。
【0017】
【
図4A】
図4Aは、基板の平面図を提供し、ラスタまたはスキャンプロセスを示す。影付きの面積407が、単一のスキャン経路を表す一方で、透明な面積408は、別の経路を表す。図中の次元凡例によって示されるように、本実施例では、「x」軸が、クロススキャン次元に対応する一方で、「y」軸は、インスキャン次元に対応する。
【0018】
【
図4B】
図4Bは、そのうちの1つ(415)が制御された雰囲気内のプリンタを特徴とする、複数のモジュールを含む、加工機械の平面概略図を提供する。
【0019】
【
図4C】
図4Cは、工業印刷システムにおいて輸送経路誤差を動的に訂正する1つの方法431を図示する、ブロック図である。
【0020】
【
図5】
図5は、本明細書で導入される技法をそれぞれ独立して具現化することができる、一連の随意の層、製品、またはサービスを示す、例証的な図であり、例えば、これらの技法は、(数字503による)ソフトウェアの形態で、またはプリンタを制御して基板上に印刷する、または別様に誤差を訂正するために使用される、(数字507による)プリンタ制御データとして、または(例えば、数字511、513、515、または517によって例示されるように)これらの技法に依拠して作製される製品として実装されることができる。
【0021】
【
図6A】
図6Aは、
図4Bの印刷モジュールの内側のプリンタ等の工業プリンタの一実施形態の詳細な斜視図である。
【0022】
【
図6B】
図6Bは、グリッパの実施形態の詳細な斜視図である。
【0023】
【0024】
【0025】
【
図6E】
図6Eは、浮動式機械的枢動アセンブリの設計に重点を置いた、
図6B-6Dによって表される誤差訂正システムの概略斜視図である。
【0026】
【
図7A】
図7Aは、光学ガイド702がグリッパ703および基板704の直線状運動を確実にするために使用される、実施形態701を示す。
【0027】
【
図7B】
図7Bは、レーザ源および/または光再指向光学系が、グリッパのオフセット可能構成要素または輸送されている他の要素に搭載される、実施形態713を示す。
【0028】
【
図7C】
図7Cは、例えば、意図された経路723に対して経路誤差722を検出および/または訂正するように、センサ720が光源721を較正するために使用される、実施形態719を示す。
【0029】
【
図7D】
図7Dは、光源728が不適切に整合されている、実施形態727を示す。しかしながら、
図7Cの実施形態と異なり、誤った光学経路729と正しい光学経路730との間の偏差は、補償オフセットを実施するために(矢印アイコン732A/732Bによって表される)変換器を使用することによって、電子的に訂正される。これらのオフセットを制御する信号は、デジタルメモリの中に記憶され、システム動作中に読み出されることができる、または輸送される構成要素が正しい経路730を辿るように、輸送経路位置に応じて動的訂正に別様に追加されることができる。
【0030】
【
図7E】
図7Eは、ゼロ標的制御ループを実装する実施形態735を示す。センサ736A/736Bは、(この場合、「照準線」737A/737Bとレーザ源739からのビーム738との間の偏差によって表される)1つ以上の次元内の所望の経路からの偏差を動的に検出する。運動コントローラ741は、常に誤差をゼロに駆動するように、変換器742A/742Bを駆動するフィードバックを提供する。
【0031】
【
図7F】
図7Fは、変換器746A/746Bが、輸送されるオブジェクト(例えば、グリッパ747および基板748)を光学ガイド749に対して常に水平に維持するように駆動される、実施形態745を示す。この場合、センサ750A/750Bは、光学ガイド749からの基板および/またはグリッパの一部の偏差を検出し、2つの変換器746A/746Bを駆動し、高度におけるジッタを均一化する、または別様に高度を精密に制御する。
【0032】
【
図7G】
図7Gは、所与の輸送の方向に2つの平行運搬システム756A/756Bを使用する、実施形態755を示す。この場合、各運搬システムは、その独自の光学ガイド757A/757Bおよび変換器補償システム759A/759Bを有する。運搬システム756Bのうちの1つはまた、2つの運搬システム756A/756Bを整合および同期させるために使用される、光学ガイド766を生成する、別の光源765も搭載する。第2の運搬システム756A上の検出器767からの信号は、運搬システムの間の同期化を維持するように、運動コントローラ763にフィードされる。
【0033】
【
図7H】
図7Hは、2つの運搬システム772および773がそれぞれ、それらの独自のソース774/775および運動コントローラ780/781を有する、実施形態771を示す。結果は、各運動コントローラ780/781が、個別の(絶対位置座標)コマンド信号782/783を受信し、システム座標参照系に対して適切な位置を確立することができるように、誤差が一般的システム運動制御に対して透過的に訂正されることである。
【0034】
【
図7I】
図7Iは、2つの運搬システム788/789がそれぞれ、それらの独自のソース790/791およびセンサ対792A、B/793A、Bを有するが、1つだけのシステムが変換器ベースの誤差訂正システム(794A/B)を有する、実施形態787を示す。この場合、運動コントローラ795は、運搬システムのうちの1つ(789)が、他方の運搬システム788と関連付けられる誤差を補償するように、変換器制御信号796A/796Bを生成する。運搬システムおよび/または運搬システムの間の非直交性のいずれかに関する光学ガイドの整合の誤差等の非運動誤差もまた、訂正されることができる。
【0035】
【
図8A】
図8Aは、変換器「T」の2つの異なるセットを使用し、2つ以上の次元内で誤差を訂正する、アセンブリの断面図である。
【0036】
【
図8B】
図8Bは、変換器「T」の2つの異なるセットを使用し、2つ以上の次元内で誤差を訂正する、別のアセンブリの断面図である。
【0037】
列挙された請求項によって定義される主題は、添付図面と併せて熟読されるべきである、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、より深く理解され得る。請求項によって記載される技術の種々の実装を構築して使用することを可能にするように以下で立案される、1つ以上の特定の実施形態の本説明は、列挙された請求項を限定することではなく、それらの用途を例示することを意図している。前述の内容を限定することなく、本開示は、製造装置またはプリンタにおける輸送経路誤差を軽減するため、および/または再現可能印刷プロセスの一部として基板の1つ以上の製品のための薄膜を加工するための技法のいくつかの異なる実施例を提供する。種々の技法は、種々の形態で、例えば、プリンタまたは製造装置またはその構成要素の形態で、制御データ(例えば、事前算出された訂正データまたは変換器制御データ)の形態で、または(例えば、説明される技法に従って生産される1つ以上の層を有する)これらの技法の結果として加工される電子デバイスまたは他のデバイスの形態で、具現化されることができる。具体的実施例が提示されているが、本明細書に説明される原理はまた、他の方法、デバイス、およびシステムにも適用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示は、輸送経路誤差を訂正するため、および/または高度な位置正確性で基板上に
層を加工するための改良された技法を提供する。一実施形態では、これらの技法は、電子ディスプレイ、太陽電池パネルまたは別の電子デバイス、または実際には、任意の他のタイプの精密デバイスまたは製品の層を生産する、製造装置またはシステムに適用される。製造システムまたは加工システムは、運搬システムを含み、構成要素が、製造を支援するように輸送経路に沿って誘導されるであろう。経路長は、典型的には、要求される位置付け精度に対して極めて長い。典型的実装では、例えば、運搬経路長は、メートルであることができるが、要求される位置付けは、ミクロン規模またはさらに微細であり得る(例えば、ナノメートル規模またはより微細である)。精密な位置付けを支援するために、1つ以上のセンサが、1つ以上の次元内で、構成要素と光ビームとの間の偏差を検出するために使用される。1つ以上のセンサによって検出される偏差は、次いで、輸送経路と関連付けられる微細な機械的誤差にもかかわらず、構成要素が光学経路を追跡するという結果を伴って、1つ以上の変換器にフィードされ、偏差をオフセットするために使用される、位置訂正信号を導出するために使用される。一実施形態では、1つ以上のセンサは、変換器に位置および回転誤差を常に「ゼロにさせる」、フィードバックを提供する。
【0039】
より具体的には、これらの技法は、随意に、プリンタが精密な座標において基板上に材料を堆積させる、電子製品を加工するために使用される、プリンタに適用されることができる。これに関連する運搬システムは、プリンタによって使用される任意の機械的システム、例えば、基板を前進させるために使用されるグリッパ、(例えば、グリッパの運動に直交に)プリントヘッドを輸送するために使用されるプリントヘッド運動システム、カメラ運搬システム、飛行高度またはプリントヘッド高度調節システム、および他のタイプのアセンブリであることもできる。直後に続く議論では、これらの技法がグリッパ経路調節に適用される、実施例が述べられるであろう。本明細書に説明される技法は、グリッパ運搬システムに限定されることも、プリンタ全般の文脈に限定されることもないことを理解されたい。逆に、これらの技法は、随意に、所望に応じて、x、y、および/またはz位置のうちのいずれか、または関連付けられる回転自由度を制御するため等に、製造システム内の2つ以上の運搬システムまたは輸送システムに適用され得ることも理解されたい。以下で議論される一実施例では、これらの技法は、グリッパおよびプリントヘッド輸送経路のそれぞれに独立して適用され、x、y、および/またはz軸において精密な位置位置付けを提供するため、かつ印刷システム内の座標系直交性および精密な位置制御を確実にするために、輸送経路毎に位置フィードバックシステムと協調して使用される。
【0040】
一実施例では、メートル長×メートル幅のガラス基板が、「部屋のサイズの」プリンタの中に導入され、プリンタは、非常に精密な座標において(例えば、精密なナノメートルまたはサブナノメートル座標において)「インク」の個々の液滴を印刷するであろう。「高速」または「インスキャン」方向に沿って基板を前後に前進させる「グリッパ」と、「低速」または「クロススキャン」方向にプリントヘッドを移動させる(例えば、プリントヘッドは、基板がプリントヘッドの下で移動するにつれて、印刷が帯状に生じるように、その後に続くスキャンの間に再配置される)プリントヘッド運搬システムとを含む、2つの運搬システムが、液滴を位置付けるために使用される。変形例では、両方のシステムは、同時に移動されることができる、またはプリントヘッドまたは基板は、他方が2つ以上の次元内で移動している間に静止し得る。液滴降着場所は、典型的には、ピンホール、間隙、または他の欠陥を伴わない液体コートを形成するように、堆積液滴がガラス基板上でともに混合し、ギャップレス面積被覆を提供するように選択される。「インク」は、グラフィックスプリンタ用のインクの従来の観念と異なり、典型的には、無色である、または代替的に記述すると、材料の天然の色が重要ではない、比較的粘性の材料(例えば、有機モノマー)である。インクは、典型的には、吸収されず、完成した層が、具体的に所望される層厚さまたは他の具体的に所望される電子、磁気、光生成、構造、または類似性質を提供するように、限定された程度のみに拡散する。例えば、インクは、一実施形態では、有機モノマーであることができ、(いったん液滴が十分に混合すると)堆積コートは、次いで、ポリマー層を形成するために紫外線を使用して硬化される。液体コートは、いったん形成されると、次いで、ガラス基板上に加工されている電子製品の恒久または半恒久層を形成するように、硬質化、乾燥、硬化、発現、または別様に処理される(「処理される」)。これらの技法は、電子ディスプレイの個々のピクセルの光生成層、カプセル化層、および潜在的に他のタイプの層を堆積させるために使用されることができる。例えば、本明細書に開示される技法は、限定ではないが、「スマートウィンドウ」、および他のタイプの電子、光学、または他のデバイスのための精密コーティングの堆積を含む、多種多様な製造プロセスに適用されることができる。精密電子構成要素の層(例えば、ミクロンまたはナノメートル規模の構造)を形成するために使用されるとき、前述の実施例における液滴はそれぞれ、典型的には、非常に微細な位置座標において堆積されなければならず、例えば、多すぎるまたは少なすぎるインク、または不良な位置の液滴は、欠陥のある、または準最適な構成要素をもたらし得ることに留意されたい。精密機械的部品(例えば、トラックまたは縁ガイド)は、正確な運動を確実にすることに役立つために使用されるが、これらのシステムは、適切な液滴設置を妨害する機械的ジッタを依然としてもたらし得る。
【0041】
本明細書の実施形態では、本問題を訂正するために、運搬システム(例えば、グリッパ)は、運搬経路に沿って移動する第1の(または「トラック誘導型」)構成要素と、第2の(または「オフセット可能」)構成要素とを含む、2つの構成要素を有することができ、1つ以上の変換器が、第1の構成要素に対して第2の構成要素をオフセットするために使用される。例えば、第1の構成要素が、トラックを辿る一方で、第2の構成要素は、基板に係合するために使用される真空チャックを搭載する。他の実施形態では、他の技術が、基板に係合する、および/またはそれを輸送するために使用されることができる。第1の構成要素がジッタおよび誤差を受けると、本誤差が検出され、基板が理想的な経路を進行するように、第2の構成要素に誤差をオフセットさせる、変換器を駆動するために使用される。一実施形態では、これは、理想的な経路をマークするためにレーザビームおよび/または光学系および/または検出器を使用することによって達成され、第2の構成要素は、本マークされた理想的な経路からの第2の構成要素の偏差を検出するような様式で、これらの光学構成要素のうちの1つ以上のものを搭載する。検出される偏差は、変換器を即時に駆動し、その偏差に対抗するために使用される。一実装では、単純な2セル検出器が、1つの次元内で経路偏差を検出するために使用されることができる一方で、別の実装では、4セルまたはより複雑な設計が、2つ以上の次元内で誤差を検出するために使用されることができる。例えば、上記で提示される実施例との関連で、ガラス基板が、空気軸受上で(すなわち、ガス浮動式テーブルの上方で)支持されることができる一方で、グリッパは、吸引を使用し、基板に選択的に係合し、次いで、それを輸送することができる。グリッパの「第2の構成要素」は、一実施形態では、クロススキャン次元内で、および空気浮動式テーブルの上方の基板の飛行高度に合致するように(または別様にグリッパを均等化するように)高度に関して、オフセットされることができる。当然ながら、他の実装が、当業者に想起されるであろう。上記のように、本明細書に説明される技法は、多種多様な製造および/または運搬システムに適用されることができる(例えば、プリンタ、グリッパ、プリントヘッド、または類似構成要素への適用は、「最適」と見なされる)。
【0042】
誤差の原因が何であろうと(例えば、「再現可能」誤差または別様として運搬システムに起因するかどうかにかかわらず)、本明細書に説明される技法は、少なくとも輸送の方向に直交する1つ以上の次元内で、理想的な運動を受けるように、輸送されているものの位置を即時に訂正することに留意されたい。これらの技法は、例えば、各基板または各製品が微細な再現可能または非再現可能位置および/または配向誤差を受け得る、アセンブリライン型プロセスにおいて、精密な位置および/または配向制御が所望される場合に、特に有用である。
【0043】
誤差を訂正および/または軽減するために、一実施形態では、微細位置付け変換器が、機械的欠陥に対抗するように固定枢動点を伴わずに駆動される。これらの変換器は、基板位置および/または配向の微調整を実施し、それによって、少なくとも1つの次元内で機械的欠陥の効果に対抗する。このようにして、運搬システム(例えば、グリッパ、基板、プリントヘッド、カメラ、または他の輸送経路)は、機械的欠陥によって特徴付けられ続けるが、基板および/またはプリントヘッドの運動は、理想的な進行に近似するように行われる。一実施形態では、輸送経路が、実質的に線形であり、輸送が、第1の次元(例えば、「y」次元)に沿って実質的に起こる一方で、2つ以上の変換器はそれぞれ、独立して、独立した次元(例えば、「x」次元)内で線形オフセットを適用する。共通モードで駆動されると、これらの変換器は、基板の「x」次元位置に影響を及ぼす、運搬システムと関連付けられる欠陥のオフセットを可能にする。例えば、輸送されるものは、「y」次元内で仮想直線状縁を進行させられることができる。差分モードで駆動されると、輸送されるものはまた、輸送経路の機械的欠陥によって同様に引き起こされる配向誤差を訂正するように、「xy」面内で回転させられることもできる。3つ以上の変換器は、複数の次元内で誤差を同時に訂正し、例えば、以下でさらに議論されるであろうように、グリッパまたはプリントヘッド高度を「均等化」するために使用され得ることに留意されたい。
【0044】
基板上で電子デバイスを加工するために使用される分割軸システムでは、「グリッパ」は、第1の次元(例えば、「y」次元)に沿って基板を移動させるために使用されることができる。グリッパは、縁またはトラックに沿って乗設する第1の構成要素と、基板に係合および係止する第2の構成要素(典型的には、真空デバイス)とを有する。変換器は、2つ以上の個別の相互作用の点において第1の構成要素と第2の構成要素との間の選択的オフセットを提供し、上記で参照されるような共通モード変位および差分モード変位の両方を提供するように、これらの構成要素の間に動作可能に位置付けられることができる。第1の構成要素が、(例えば、第2の次元内で)運搬システムの機械的欠陥によって引き起こされる平行移動および回転偏位を受けると、変換器は、その次元内のこれらの偏位を正確に均一化するように駆動され、機械的誤差によって特徴付けられていない「仮想縁」または「仮想輸送経路」を第2の構成要素に本質的に提供する。誤差は、線形および非線形であり得、訂正は、それに対応して線形および非線形であり得ることに留意されたい。随意の実施形態では、本タイプのシステムは、プリンタまたは印刷システムで具現化されることができ、例えば、y次元は、基板輸送次元および/または「インスキャン」または「クロススキャン」次元のうちの一方であり、x次元は、プリントヘッド輸送次元および/または「インスキャン」または「クロススキャン」次元のうちの他方である。説明される基準枠は、恣意的であり、反転され得る、または他の基準枠または他の自由度と交換され得ることに留意されたい。
【0045】
記述されるように、製造システムの中に複数の輸送経路が存在し得、これらの技法は、これらの輸送経路のうちのいずれか1つまたはそれらの組み合わせに適用されることができ、1つの次元内の位置誤差(または回転誤差)または複数の次元内の誤差を訂正するように適用されることができる。いくつかの実施例が、本点を強調することに役立つであろう。
【0046】
第1に、1つの考慮される実装では、これらの技法は、グリッパが輸送経路に沿って移動するにつれて、基板位置におけるクロススキャン次元誤差を訂正するために使用される。グリッパは、上記で参照されるような第1および第2の構成要素と、少なくとも2つの相互作用点でこれらの構成要素を動作可能に結合する線形変換器とを有し、変換器は、「浮動式」枢動点を提供するように構造化される。第1の構成要素が運搬経路を進行すると、光学ガイドまたは所望の光学配向からの偏差が検出される。本検出された偏差から生成される信号は、偏差または誤差をゼロに駆動するように、クロススキャン次元内の平行移動オフセットまたは基板の回転調節を繰り返し提供する、「共通モード」および「差分モード」オフセットを提供するように、変換器を制御するために使用される。基板は、したがって、運搬システムの機械的欠陥にもかかわらず、直線状経路で前進される。記述された変換器の種々の実施形態は、以下で提供されるであろうが、簡潔には、一実施形態では、「ボイスコイル」が、非常に精密な微視的スローを提供するように、これらの変換器のために使用されることができる。第1の構成要素と第2の構成要素との間に構造支持および相互接続を提供することに役立つために、共通駆動モードおよび差分駆動モードと互換性がある浮動式機械的枢動アセンブリもまた、随意に、使用されることができる。他の実施形態では、圧電または他の変換器が、代わりに、使用されることができる。
【0047】
この第1の実施例への随意の拡張では、グリッパ位置(および/またはグリッパの第2の構成要素の位置)もまた、インスキャン次元内で調整されることができる。例えば、一実施形態では、電子駆動信号(グリッパを前進させるために使用される、または別様にプリンタノズル発射をトリガするために使用される)は、インスキャン次元内で基板の位置誤差を訂正するように調節される。また、別の変換器(例えば、別のボイスコイルまたは他の変換器)を使用し、インスキャン次元内で第2の構成要素に対して第1の構成要素をオフセットすることも可能である。第1の技法では、インスキャン位置誤差は、測定され、個々のノズル発射をオフセットするために(すなわち、精密に訂正された意図したインスキャン位置においてノズル発射を達成するように、プリントヘッドおよび基板が相互に対して移動すると)使用されることができる。例えば、ノズル発射の遅延は、計算され、ノズル毎にプリントヘッドにプログラムされることができ、発射は、次いで、共通トリガ信号から駆動される。第2の技法では、共通ノズルトリガ信号または共有ノズルトリガ信号が、グリッパ位置(および/またはグリッパの第1の構成要素の位置)に応じて生成されることができ、トリガ信号がグリッパの誤差のない移動をシミュレーションするように生成されるように、誤差に関して訂正されることができる。本随意の拡張に関して、一実装では、訂正技法は、グリッパおよびプリントヘッド輸送経路のそれぞれに適用され、xおよびy軸において精密な位置付けを提供するため、かつ印刷システム内の座標系直交性および精密な位置制御を確実にするために、運搬経路毎に位置フィードバックシステムと協調して使用される得ることが、既に記述された。1つのそのような実装では、グリッパシステムは、例えば、その運搬経路と関連付けられる可視マークまたは「チェックマーク」を撮像することによって、位置フィードバックを提供するリニアエンコーダを有する。そのようなマーキングは、例えば、トラックまたはガイドに対する前進の「各ミクロン」(または他の規則的距離尺度)をマークする粘着テープを介して適用されることができる。本位置フィードバックは、随意に、(例えば、グリッパがインスキャン方向に対して本質的または透過的に正しく位置付けられるように)グリッパのインスキャン次元前進を訂正するために使用されることができる。(例えば、類似線形符号化システムもまた、プリントヘッドインスキャン位置調整に使用されるように)そのような位置フィードバックが各運搬経路に適用されるシステムでは、変換器ベースの訂正技法は、座標参照系を画定するため、かつ液滴設置を精密に制御するために、プリントヘッドおよびグリッパ毎に運搬の方向に直交するオフセットを提供することができる。これらの技法は、独力では、必ずしも運搬軸(例えば、それぞれ、グリッパおよびプリントヘッド運搬システムと関連付けられるxおよびy軸)の間の非直交性を本質的に訂正する必要はない。いくつかの実施形態では、したがって、本明細書に説明される付加的技法は、随意に、所望の輸送経路をマークするために使用される光ビームの位置付けを訂正するため、または別様に非直交性に対処するように誤差訂正システムを制御するために適用されることができる。高度調整および/または訂正のための随意の技法と組み合わせられたとき、これらの技法は、製造システムの中の全ての要素の精密な位置制御を提供するのに役立つ。これらの種々の技法のこれらの種々の利点および相乗効果は、以下で詳述されるであろう。
【0048】
ここまで議論されてきた原理を熟考すると、(実装に応じた)光源および検出器ならび任意の関連付けられる光学系が、輸送される構成要素の位置偏差を誘導および/または感知するために使用されることができる。少なくとも1つの変換器が、共通モードおよび差分モード制御の両方を使用して、すなわち、フィードバックを使用して、検出された偏差に応じて、輸送の方向に直交する次元内で輸送されているものを変位させることによって、輸送経路誤差を訂正するために使用されることができる。なおもさらに詳細な実施形態では、本タイプの制御は、変換器の個別のセットを使用して、2つの異なる輸送経路内の輸送経路誤差を訂正するように、例えば、第1の運搬システムの「y」軸運動に、および第2の運搬システムの「x」軸運動に、適用されることができる。このようにして、2つの異なる輸送経路を訂正することは、堆積および/または加工パラメータにわたって精密な訂正を促進することに役立つ。例えば、上記で導入される分割軸印刷システムとの関連で、グリッパ/基板経路およびプリントヘッド経路の両方の訂正は、「印刷格子」(液滴が印刷されるであろう場所を画定するために使用される座標参照系)を効果的に正規化し、システムの印刷格子座標の理解が精密に正しく、輸送と関連付けられる機械的システム内の誤差によって弱体化されない、システムを提供する。これらの技法および本明細書で議論される種々の組み合わせおよび順列(参照することによって組み込まれた文書を含む)は、堆積液滴に対する精密な位置制御を提供することに役立つ。例えば、これらの技法はさらに、「z軸」(例えば、高度)または他の次元運動制御に適用されることができる。代替として、本明細書に説明される技法は、例えば、米国特許第9352561号および米国特許第公開第20150298153号で説明されるように、堆積液体体積に対する高度に正確な制御を提供するように、ノズル毎の液滴パラメータおよび/またはノズルパラメータの使用と組み合わせられることができる。
【0049】
本開示は、大まかに以下のように組織化されるであろう。(1)
図1-3Eは、基板上に材料を堆積させること、微細な整合誤差の原因、および関連付けられる改善策に関する導入を提供するために使用されるであろう。(2)
図4A-5は、より具体的な技法を導入するために、すなわち、考慮される分割軸印刷環境内の誤差を測定/検出し、それに対抗することに関する、オンラインおよびオフラインプロセスに関して、使用されるであろう。(3)
図6A-6Eは、1つ以上の詳細な実施形態において具体的な機械的構造を説明するために使用されるであろう。(4)
図7A-Hは、種々のユースケースおよび随意の拡張について議論するために使用されるであろう。(5)
図8Aおよび8Bは、運搬システム構成要素の多次元制御(例えば、xおよびz軸制御)について議論するために使用されるであろう。
【0050】
導入部に進むことに先立って、最初に、本明細書で使用されるある用語を導入することが有用であろう。
【0051】
具体的に考慮される実装は、非一過性の機械可読媒体上に記憶された命令を備える、装置を含むことができる。そのような命令論理は、命令が最終的に実行されたときに、具体的アクションをとる、または別様に具体的出力を生じる命令に依存して、入力オペランド上で説明されたタスクを必然的に実施する構造を有する、専用機械として、1つ以上の汎用機械(例えば、プロセッサ、コンピュータ、または他の機械)をそれぞれ挙動させるように、ある構造(アーキテクチャ特徴)を有する様式で、書かれる、または設計されることができる。本明細書で使用されるような「非一過性の」機械可読またはプロセッサアクセス可能「媒体」または「記憶装置」は、その媒体上にデータを記憶するために使用される技術にかかわらず、例えば、限定ではないが、命令が後に機械によって読み出され得る、ランダムアクセスメモリ、ハードディスクメモリ、光学メモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、CD、ソリッドステートドライブ(SSD)、サーバ記憶装置、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および他の有形機構を含む、任意の有形(すなわち、物理的)記憶媒体を意味する。媒体または記憶装置は、独立型形態(例えば、プログラムディスクまたはソリッドステートデバイス)であることができる、またはより大型の機構、例えば、ラップトップコンピュータ、携帯用デバイス、サーバ、ネットワーク、プリンタ、または1つ以上のデバイスの他のセットの一部として具現化されることができる。命令は、異なる形式で、例えば、呼び出されたときにあるアクションを起動するために効果的であるメタデータとして、Java(登録商標)コードまたはスクリプトとして、具体的プログラミング言語で書かれたコードとして(例えば、C++コードとして)、プロセッサ特有の命令セットとして、または何らかの他の形態で、実装されることができる。命令はまた、実施形態に応じて、同一のプロセッサまたは異なるプロセッサまたはプロセッサコアによって実行されることもできる。本開示の全体を通して、いずれかが、概して、非一過性の機械可読媒体上に記憶された命令として実装され得、いずれかが、製品を加工するために使用され得る、種々のプロセスが説明されるであろう。製品設計に応じて、そのような製品は、密閉可能形態であるように、またはこれらの製品が特殊加工された層を組み込む、販売、配布、輸出、または輸入のための完成した製品を最終的に作成するであろう、他の印刷、硬化、製造、または他の処理ステップのための予備ステップとして、加工されることができる。また、実装に応じて、命令は、単一のコンピュータによって実行されることができ、他の場合において、例えば、1つ以上のサーバ、ウェブクライアント、またはアプリケーション特有のデバイスを使用して、分散ベースで記憶および/または実行されることができる。本明細書の種々の図を参照して記述される各機能は、ともに単一の媒体表現(例えば、単一のフロッピー(登録商標)ディスク)上または複数の別個の記憶デバイス上のいずれか一方で記憶される、複合プログラムの一部として、または独立型モジュールとして、実装されることができる。同じことが、本明細書に説明されるプロセスに従って生成される誤差訂正情報にも当てはまり、すなわち、輸送経路位置に応じて位置誤差を表すテンプレートは、同一のマシン上で、または1つ以上の他のマシン上で使用するためのいずれかで、一時的または恒久的使用のために非一過性の機械可読媒体上に記憶されることができる。例えば、そのようなデータは、第1のマシンを使用して生成され、次いで、プリンタまたは製造デバイスへの転送のため、例えば、インターネット(または別のネットワーク)を介したダウンロードのため、または別のマシン上で使用するために(例えば、DVDまたはSSD等の輸送媒体を介した)手動輸送のために、記憶されることができる。本明細書で使用されるような「ラスタ」または「スキャン経路」は、基板に対するプリントヘッドまたはカメラの運動の進行を指し、すなわち、これは、全ての実施形態において線形または連続的である必要はない。その用語としての層の「硬質化」、「凝固」、「処理」、および/または「レンダリング」は、流体形態から作製されているものの恒久構造に変換するように、堆積したインクに適用する、プロセスを指す。これらの用語は、相対的用語であり、例えば、用語「硬質化される」は、完成した形態がプリンタによって堆積される液体インクよりも「硬質」である限り、完成した層が客観的に「硬質」であることを必ずしも要求するわけではない。「恒久層」の中のような用語「恒久」は、(例えば、典型的には、製造プロセスの一部として除去される製造マスク層とは対照的に)無期限の使用のために意図されるものを指す。本開示の全体を通して、種々のプロセスが説明され、そのうちのいずれかは、概して、実施形態または具体的設計に応じて、命令論理として(例えば、非一過性の機械可読媒体または他のソフトウェア論理上に記憶された命令として)、ハードウェア論理として、またはこれらのものの組み合わせとして実装されることができる。本明細書で使用されるような「モジュール」は、具体的機能に対して専用の構造を指し、例えば、第1の具体的機能を果たす「第1のモジュール」、および第2の具体的機能を果たす「第2のモジュール」は、命令(例えば、コンピュータコード)との関連で使用されるときに、相互排他的コードセットを指す。機械的または電気機械的構造(例えば、「暗号化モジュール」)との関連で使用されるとき、用語「モジュール」は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る、構成要素の専用セットを指す。全ての場合において、用語「モジュール」は、記載される機能を果たすための一般的プレースホルダまたは「手段」または「何であろうとあらゆる構造」(例えば、「雄牛のチーム」)としてではなく、具体的技術分野で使用される従来の構造(例えば、ソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュール)として、主題が関連する当業者によって理解されるであろう機能または動作を実施するための具体的構造を指すために使用される。「電子」はまた、通信の方法を指すために使用されるとき、可聴、光学、または他の通信機能を含むこともでき、例えば、一実施形態では、電子伝送は、カメラまたはセンサアレイによってデジタル化され、電子デジタル信号に変換され、次いで、電子的に交換される、(例えば、画像化された2Dバーコードを介した)情報の光学的伝送を包含することができる。用語「変換器」および/または「アクチュエータ」は、概して、同義的様式で、かつ変換器またはアクチュエータの形式またはタイプにかかわらず使用される。例えば、「ボイスコイル」および「圧電変換器」はそれぞれ、アクチュエータ/変換器の実施例である。
【0052】
また、本明細書では、検出機構、および各基板上で、またはプリンタプラテンまたは輸送経路の一部として、またはプリントヘッドの一部として認識される整合マークまたは基準が参照される。多くの実施形態では、検出機構は、センサアレイ(例えば、カメラ)を使用し、基板上(および/またはプリンタ内の物理的構造上)の認識可能な形状またはパターンを検出する、光学検出機構である。他の実施形態は、センサアレイを前提とせず、例えば、基板がプリンタの中へ装填される、またはプリンタ内で前進されるにつれて、線センサが基準を感知するために使用されることができる。いくつかの実施形態が、専用パターン(例えば、特殊整合マーク)に依拠する一方で、他の実施形態は、認識可能な光学特徴(プリンタまたはプリントヘッドの中の基板または物理的特徴上の任意の事前に堆積した層の幾何学形状を含む)に依拠し、これらはそれぞれ、「基準」であることに留意されたい。可視光を使用することに加えて、概して、「光」、「光学系」、または「光学」を参照するとき、代替実施形態は、紫外線または他の非可視光、磁気、高周波数、または他の形態の電磁放射線に依拠することができる。また、本明細書のいくつかの実施形態は、プリントヘッド、複数のプリントヘッド、またはプリントヘッドアセンブリを参照して議論されるであろうことに留意されたいが、本明細書に説明される印刷システムは、概して、1つ以上のプリントヘッドとともに使用され得ることを理解されたい。1つの考慮される用途では、例えば、工業プリンタは、3つのプリントヘッドアセンブリを特徴とし、各アセンブリは、(例えば、プリントヘッドアセンブリの)構成プリントヘッドおよび/またはプリントヘッドアセンブリが、個別に所望の格子システムに精密に整合されることができるように、位置および/または回転調節を可能にする機械的搭載システムを伴う3つの別個のプリントヘッドを有する。種々の他の用語が、以下で定義される、または文脈から明白な様式で使用されるであろう。
【0053】
I. 緒言
図1、2A-2B、および3A-3Eは、本開示で議論されるいくつかの技法と、これらの技法が対処する問題のうちのいくつかとを導入するために使用される。
【0054】
より具体的には、
図1は、あるタイプの輸送機構と関連付けられる従来技術のプロセス101を表す。この具体的実施例では、印刷格子105の選択されたノードにおいて堆積される液滴で印刷される基板103が存在すると想定される。印刷格子105は、本位置では、プリントヘッドからのインクの液滴が、層一様性に変換する予測可能性で精密な位置に(すなわち、印刷格子のノードによって表される場所に)降着するであろうことが意図されることを表すように、基板の中で中心に置かれるものとして図示されている。しかしながら、印刷格子は、このようにして図示されているが、プリンタ(具体的ではないが、基板)に対して画定され、印刷が起こり得る任意の場所まで延在することに留意されたい(例えば、印刷可能面積は、基板よりも大きくあり得、基板位置の誤差は、潜在的に液滴降着場所の誤差に変換し得る)。また、垂直線および水平線の間隔は、概して、予測可能に離間されると考えられるが、しかしながら、これは、典型的には、xおよびy輸送経路に沿った前進が精密に正確(および/または線形)であるという想定に基づく。最終的に、また、プリンタ、基板、および印刷格子がここで例示されるが、これらの問題は、プリンタに特有ではなく、本明細書に説明される技法は、何かが機械的に輸送、回転、または移動される、多種多様な状況に適用され得ることに留意されたい。印刷プロセス、基板、および印刷格子の文脈は、本開示に説明される問題および技法を導入するために非限定的な例証的実施例として使用されるものである。
【0055】
基板が、概して、矢印104によって表されるように輸送されるにつれて、印刷が起こり、さらに、運搬システム機構は、輸送経路107に沿って基板を誘導するものであると想定される。本輸送経路は、わずかに湾曲しているものとして
図1に図示され、本実施例では、運搬システムの(例えば、あるタイプの縁ガイド、トラックまたはトラベラ、または基板103を操向するために使用される他の手段の)機械的欠陥を表す。前述のようなOLEDディスプレイパネルを作製するため等の典型的工業印刷プロセスでは、基板は、サイズが約2メートル×3メートルであり得る一方で、経路107の非線形性は、数ミクロンまたはさらに小さくあり得ることに留意されたい。
図1で描写されるような経路107の湾曲性(または他の誤差)は、したがって、議論および例証の目的のために誇張されている。本規模の誤差は、多くの用途では重要ではない一方で、ある製造プロセス(例えば、OLEDディスプレイおよび/または大型基板上の特定の他の電子デバイスの製造)では、本タイプの誤差は、達成可能な製品サイズ、寿命、または品質を限定し得る。すなわち、液滴は、一般的に言えば、ともに混合し、間隙またはピンホールを残すことなく均質な層を生産するように、精密な位置において堆積される必要がある。液滴は、降着に応じて、限定された程度のみに拡散し、完成した層における表面不規則性は、達成可能な層薄さを限定し、別様に品質の問題を生じ得る。液滴降着場所のわずかな誤った位置さえも、製品の品質および/または製造信頼性に影響を及ぼし得る。
【0056】
図としての
図1は、左半分および右半分を含む、2つの半分に概念的に分割される。図の左半分は、基板103およびわずかに湾曲した輸送経路107を示す。基板103は、概して、矢印104によって参照されるように、「y」次元と指定されるものにおいて、本経路107に沿って前後に前進されるものである。数字103は、基板が印刷格子105と適切に整合された、何らかの点にあることを表す。本図で描写されるような印刷格子は、垂直線が、プリントヘッドおよび基板が相互に移動される際のプリントヘッドの個別のノズルの見掛けの経路を表す一方で、水平線が、デジタル発射信号、または再充填されてインクの反復液滴を発射するノズルの他の能力を表す(すなわち、これらの水平線の間隔が、典型的には、ノズルが発射され得る「速さ」を表す)抽象化である。あるいは、別様に記述すると、印刷格子105は、そのそれぞれがインクの液滴を放出する機会を表す、ノードを有する。既に示されたように、部分的に、各液滴が基板上に降着するであろう場所に関する精密な知識を有することに応じて達成される、位置に関して精密に制御され、ピンホールを残さない様式で、インクを堆積させることが所望される。さらに、液滴は、離散位置において堆積されるが、粘性であり、したがって、典型的には、拡散し、間隙または不規則性を有していない連続液体コートを形成することに留意されたい。単位面積あたりの体積は、概して、最終的な層の所望の厚さまたは他の性質と事前に相関付けられ、したがって、液滴密度および相対的位置は、理論上、所望の効果を生じる、例えば、液滴の拡散および混合後に所望の厚さの均等な層を助長する様式で(期待液滴サイズを考慮して)選択されることができる(これは、参照することによって組み込まれる、米国特許第8995022号で議論されている)。
【0057】
印刷格子105は、印刷が、概して、所望の液滴降着場所において起こるであろうことを表す、基板103とともに「スクエア・アップ(squared up)」様式で、図の左半分で図式的に描写される。
【0058】
残念ながら、輸送経路107の誤差(すなわち、湾曲性)は、印刷格子105を効果的に歪曲し得、基板が前進されるにつれて微細な位置および回転誤差を受けるため、液滴が基板に対して存在していると想定される場所に必ずしも降着しないことを意味する。
図1の右側は、基板が輸送経路107に沿って第1の位置d0から前進される際の基板平行移動および/または配向誤差を示し、基板位置およびヨーは、輸送経路に沿った第2の位置d1まで、(仮想)理想的「参照縁」109に対して103’によって表され、基板位置およびヨーは、参照縁109に対して103”によって表される。見て分かるように、基板は、輸送経路107の誤差(例えば、湾曲性)に起因して、複数の次元内でオフセットおよび回転誤差を受ける。誤差は、本実施例では、基板が第1の位置d0まで移動されたときに水平オフセットおよび垂直オフセットΔx0およびΔy0、xy面内の角度オフセットΔθ0、基板が第2の輸送経路位置d1まで前進されたときに異なる水平オフセットおよび垂直オフセットΔx1およびΔy1、角度オフセットΔθ1であることが分かる。基板が前進されるにつれて、これらの誤差の性質が変化するため、これらの誤差は、印刷格子を歪曲し、このことは、計画された印刷プロセスが(理論上)所望の層性質を生成するが、実際には、液滴堆積が歪曲され得、潜在的に品質の問題を生じることを意味する。訂正されないままにされた場合、これらの種々の誤差は、ピンホール、薄いゾーン、および他の欠陥を生成し得、それは、印刷システムを用いて達成可能な精度および/または品質を限定する。再度、これは、デバイスサイズを限定し得る(例えば、高品質小型化製品または非常に薄い大面積ディスプレイ画面等のより良好な品質または解像度を有する製品を生産することが困難または不可能であり得る)。記述されるタイプの誤差の影響は、印刷格子を歪曲することである。例えば、システムおよび印刷計画が、直線印刷格子(
図1では105)を効果的に想定し得るが、その一方で、「y」誤差および/またはジッタ(すなわち、輸送経路と平行)は、その印刷格子の水平線の間の分離を効果的に歪曲する。同様に、「x」次元誤差および/またはジッタは、その印刷格子の垂直線の間の分離を効果的に歪曲し、結果は、個々の液滴の堆積場所の誤差である。これらのタイプの誤差は、種々のピクセルウェルの中の少なすぎるまたは多すぎる流体堆積、または他の非一様性をもたらし、潜在的に、完成したディスプレイにおける輝度および/または色相変動または他の誤差につながり得、多くの電子構成要素にまたがるカプセル化誤差等の「巨視的層」との関連で、これらのタイプの誤差は、層の非一様性につながり、潜在的に層機能を損ない得る。
【0059】
本実施例で図示されるように、描写される誤差は、いくつかの場合には、単純に、輸送経路107の再現可能機能であり得る、すなわち、輸送経路が本実施例では曲線状として見なされるため、x次元内の非線形変位、y次元内の非線形変位、および非線形傾斜があることに留意されたい。z次元誤差、ピッチ、およびロール等の他のタイプの誤差もまた、再現可能な基準で潜在的に生じ得るが、本特定の図では描写されていない。したがって、記述されるタイプの一様性に依拠する、微細な(例えば、ミクロンまたはより小さい規模)電子、光学、または他の構造を作成するために使用される工業プリンタ等の用途では、一連の基板が「アセンブリライン」型加工プロセスの一部として印刷されるものである場合、同一の誤差が、潜在的に基板別に生じ得る。また、所与の基板に特有であり得る、および/または変化する条件、例えば、温度変動を表し得る、他の潜在的な誤差の原因もある。
【0060】
基板進行に影響を及ぼす誤差が図示されているが、潜在的に、デバイス品質および/またはプロセス信頼性に影響を及ぼし得る、類似誤差の他の原因もある。例えば、分割軸プリンタは、典型的には、基板だけではなく、プリントヘッドまたはカメラ、または他の機械的構成要素を移動させる。簡潔には、(概して、
図1に対して「x」次元内で)1つ以上のプリントヘッドを移動させるシステムでは、類似経路誤差は、(
図1の次元に対して)プリントヘッドにおいて「x」、「y」回転または他の誤差をもたらし得る。例えば、プリントヘッドが異なる位置において誤差を有する場合、そのようなものはまた、典型的には、印刷格子105の垂直線を歪曲するという影響を及ぼす(すなわち、それらを不均等に離間させる)。同様の類似性が、参照されるタイプの工業印刷システムにおける他の輸送経路類似性に関して記述されることができる。概して、これらの層の影響を低減させ、層加工における予測可能性および信頼性を向上させること、および概して、より薄い均質な層を加工する能力を有することが所望される。
【0061】
これらの問題に対処するために、一実施形態は、1つ以上の形態の経路誤差を検出および無効化する、輸送経路訂正システムを提供する。
図2Aは、第1のトラック誘導型構成要素203と、第2のオフセット可能構成要素205とを含む、2つの主要な構成要素を有する、実施形態201を示す。これらの構成要素の両方は、概して、矢印206によって表される一般的方向にともに移動するものである。一実装では、これら2つの構成要素は、基板に係合し、「高速」軸に沿って移動させるために使用される、真空グリッパの一部であることができる。別の実装では、これら2つの構成要素は、代わりに、例えば、トラックを進行し、基板上に液滴を印刷する際に使用するためのプリントヘッドを搭載する、プリントヘッドトラベラの一部であることができる。
【0062】
描写される実施形態は、所望の進行、この場合、「仮想縁ガイド」をシミュレーションする完全に直線状の進行を誘導または促進する役割を果たすであろう様式で光のビーム202を指向する、光源207を使用する。描写される方式では、光源207は、静止し、それが発するビーム202は、両方とも第2の構成要素に搭載される、2つの光学検出器208および209によって感知される。加えて、ビームスプリッタ211および212は、光学経路からの第2の構成要素の偏差を感知するため、かつその偏差を訂正するために使用されるであろう様式で、光学経路から検出器208/209に光を再指向するために使用される。描写される構造は、全ての実施形態のために要求されるわけではなく、例えば、具体的に考慮される変形例は、1つ以上のビームスプリッタおよび/または1つ以上の検出器が静止している状態で第2の構成要素に搭載される光源を特徴とし、他の構成も可能であり、当業者に想起されるであろうことに留意されたい。
【0063】
経路偏差を訂正するために、検出器のそれぞれからの信号は、経路偏差を訂正するようにフィードバックとして適用されるであろう訂正信号を発生するために、関数「F」をこれらの信号に適用する、処理回路214/215に必要に応じてフィードされる。そのような回路の2つのセットが描写されているが、1つだけの回路(例えば、ソフトウェア駆動型プロセッサ)を使用すること、または回路要素の有意な重複を有することが可能である。訂正信号は、ひいては、光学経路からの偏差を「ゼロにする」ように訂正を即時に適用する、1つ以上の変換器「T」にフィードされ、すなわち、有利なこととして、処理回路および/または検出器は、第2の構成要素205が光学経路と同期されるときに「ゼロ」である(またはさらなる変換器調節を引き起こさない)、かつ光学経路からの偏差があるときに常にゼロに戻ることを駆動する、信号を生成する。本構造は、全ての実施形態のために要求されるわけではないことに留意されたい。図では、描写される実施形態は、具体的には216および217と番号付けされる、2つの変換器に依拠することが分かり、これらの変換器はそれぞれ、輸送の方向に直交する方向に実質的に線形のスローを提供する。本実施例では、構成要素203と205との間の個別の相互作用の点(c1/c2)における2つの変換器の使用は、それぞれ、(矢印213の方向に)第1の構成要素203から線形に構成要素205をオフセットする、および角度尺度「θ」によって表されるように構成要素203に対して構成要素205の回転を提供する、共通モードおよび差分モード制御を提供する。変換器は、限定ではないが、圧電変換器を含む、問題になっているスローに好適な任意の所望のタイプの変換器であることができる。基板が空気軸受によって支持される(および構成要素205が真空グリッパを使用し、基板に係合する)実施形態では、変換器は、有利なこととして、高度な再現性および信頼性で比較的大きい最大スロー(例えば、サブミクロンから100ミクロン以上)を提供する、ボイスコイルであることができる。変換器に対する共通モードおよび差分モード制御の組み合わせは、本質的に、概して、「x」方向にオフセットされることができる構成要素203と205との間の浮動式枢動点を提供する(図で見られるxyz座標標識は、本実施例では恣意的であることに留意されたい)。構成要素203と205との間に機械的構造支持を提供することに役立つために、いくつかの実施形態では、「y」方向に相互とともに移動するように構成要素203および205を制約する、機械的リンケージ(「M」)218が、使用されることができる一方で、同時に、「x」方向へのこれらの構成要素の間の自由なオフセットおよび相対的xy回転を可能にする。そのような付加的構造リンケージは、変換器変位の方向に直交する方向への変換器上の任意の不要な荷重を制約することに役立つために、ボイスコイルが変換器として使用される場合に、特に有利であり得る。数字221は、検出器に関する付加的詳細を提供し、セルが値「a」および「b」によって表される、2セル設計を示す。簡潔には、1つの設計では、光源からの光は、これらのセンサの一方または両方に衝突し、これらのセンサのそれぞれによって生成される電圧の間の差は、光学経路に対して第2の構成要素205を直線化するために使用される。例えば、2セル設計では、値「(a-b)/(a+b)」は、2つのセルの中間点からの偏差の量に比例して正および負の出力を生成する。そのような信号は、単独では、光学経路が2つのセルの間で中心に置かれる位置に関連付けられる変換器を駆動するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、処理回路214/215は、検出器と組み合わせられ、例えば、検出器の各セルによって感知される不均衡信号を表すデジタルまたはアナログ出力を提供する単一のユニットとして購入され得ることに留意されたい。
【0064】
いくつかの実施形態では、1つを上回る次元内で、例えば、描写される座標系に関連するxおよびz次元のそれぞれで、経路偏差を感知することが可能である。本偏差の検出のために、図中の数字223によって表される4セル設計が、使用されることができる。例えば、値「[(a+c)-(b+d)]/(a+b+c+d)]]」は、所望の経路からのx次元偏差を感知するために使用されることができ、値[(a+b)-(c+d)]/(a+b+c+d)]は、所望の経路からのz次元偏差を感知するために使用されることができる。第2の(または第3、第4等の)自由度で逸脱運動を訂正するために、実装に応じて、訂正変換器の別個の第2のセット(本図では見られない)が要求され得ることに留意されたい。変換器の構成は、変換器変位の方向が、例えば、z次元に沿い得ることを除いて、
図2Aですでに描写されているものに類似する。線形変換器の使用は、全ての実施形態のために要求されるわけではなく、逆に、訂正は、例えば、表面または縁を均等化し、ピッチ、ヨー、および/またはロールを訂正するように、1つ以上の回転自由度に関して行われ得ることの両方に留意されたい。
【0065】
図2Aはまた、いくつかの実施形態で使用され得る、いくつかのさらなる随意の構成要素も図示する。第1に、数字225は、光源207を整合および/または調節するために使用されることができる、調節機構を指す。一実施形態では、光源は、レーザであり、数字225は、輸送の方向に対してレーザの姿勢および/またはヨーを変化させる、ねじベースの精密マウントを参照する。第2に、数字227/229は、同一の目的のために使用されることができる、ビームスプリッタおよび検出器を指し、例えば、光源207に対して固定される様式でそのような検出器を搭載することによって、光源は、適切な配向を確実にするように周期的に再較正される(例えば、調節機構225を使用して調節される)ことができる。また、光学経路の遠端における標準231を使用し、整合を支援する、および/または光源の適切な配向に関するフィードバックを自動的に提供することも可能である。一実施形態では、本標準は、単純な標的または照準線であることができ(例えば、レーザは、そのビームが中心を衝打するまで調節される)、別の実施形態では、本標準は、例えば、光源の手動または自動整合を可能にする、電子フィードバックを提供する検出器/回路であることができる。
【0066】
図2Bは、上記で導入される技法のうちのいくつかを実装する、方法ステップ251を描写するフローチャートである。数字252によって表されるように、本方法は、運搬システムの微細な運動、位置、または配向誤差を訂正することが所望される、輸送経路を有する製造システムで具現化されることができる。例えば、製造システムは、前述で導入されたように、材料堆積のためにプリンタを使用する、高精度製品「アセンブリライン型」製造を実施することができる。最初に、整合または較正ステップ253は、光ビームが直線状進行をマークするように所望に応じて正確に指向されることを確実にするために実施されることができる。例えば、前述で導入されたように、光ビームは、照準線を用いて静止標的を撮像するために使用され、光ビームが照準線によって形成されるレチクルを用いて入射するまで、人間のオペレータによって手動で、または電子フィードバックに基づいて自動的に、いずれかで調節されることができる254。典型的実装では、較正は、初期インストール時に、始動時に、周期的に(例えば、毎日または毎週)、ある画期的事象(例えば、閾値を上回る検出された誤差、または閾値量を上回る温度変化)の発生時に、または別様に所望に応じて、実施されることができる。一連の基板255が、次いで、連続的に導入され、これらの基板上の個々のパネル製品が(例えば、適切に整合されたレーザによって形成されるような)光ビームに対して既知の位置にあることを確実にするように、プリンタの座標参照系と整合される。本プロセスは、以下でさらに議論されるであろうが、一実施形態では、輸送経路毎の光学整合マークの組み合わせ(例えば、グリッパおよびプリントヘッドのための位置フィードバック)および2つの変換器ベースの誤差オフセットシステムおよび関連付けられる光学経路が、プリンタのための座標参照系を効果的に画定し、その座標参照系において運動を調整する。一連の中の各所与の基板は、所与の基板上で基準を撮像し、印刷が所望に応じて各パネル上で正確に起こるように、基板位置/配向または印刷レシピのいずれかを調節することによって、本座標参照系に個々に整合されることができる。印刷が、次いで、整合された基板上で起こる。各運搬または輸送システムが動作されると、誤差(すなわち、各マークされた光学経路からの偏差)は、随意に、数字257によって示されるように、輸送経路あたり1つを上回る輸送経路および/または1つの次元に関して、数字255により、動的に測定され、随意に、数字258により、多次元誤差(例えば、4セル検出器設計を使用して、xおよびz偏差)を訂正する1つの誤差訂正システムを使用する。動的訂正259は、次いで、瞬時に誤差を訂正するため、かつ関連付けられる光学経路からの偏差をゼロに駆動するように、第1の構成要素に対する「第2の構成要素」の位置および配向を変化させるために、すなわち、輸送される「もの」(例えば、基板、カメラ、プリントヘッド、または他の要素)が、依然として運搬システムに影響を及ぼし得る微視的ジッタにもかかわらず、所望の完全に直線状の経路を進行するように、フィードバックとして適用される。前述のように、一実施形態では、運搬の方向に沿った(例えば、ガイドとして使用される光ビームと平行な方向への)位置調整は、随意に、例えば、輸送経路に沿った1ミクロンの進行毎に整合マークを伴って、例えば、運搬経路に近接する粘着テープ上のマークを測定する、位置調整システムの使用を通して支援されることができる。そのような実施形態における変換器ベースの訂正システムは、したがって、(例えば、随意に、数字265による、2つ以上の変換器、および数字267による、2つ以上の変換器に対する差分モード制御を使用して)マークされた光学経路の方向に直交する方向にある経路偏差および回転偏差を訂正するために依拠される。結果は、輸送されているものが、既に参照され、数字269によって識別されるような仮想の理想的経路を辿ることである。
【0067】
変換器ベースの訂正および光学ガイドの使用を導入してきたが、ここで、再び、工業分割軸プリンタ環境という例示的状況で、経路誤差制御への適用について議論されるであろう。
【0068】
図3Aは、
図1からの基板103等の基板を前進させるグリッパシステムにおいて運搬経路誤差を低減させるための実施形態301を示す。より具体的には、再度、基板が、矢印104によって表される経路に沿って前後に前進されるものであることが想定される。本実施例では、基板は、グリッパを使用して前進されるであろう。グリッパの第1の構成要素302は、概して、「y」次元内で延在するトラックに沿って(
図1からの)経路107に沿って進行するであろう。グリッパはまた、第1の構成要素302を、基板の縁に係合する第2の構成要素303と動作可能に接続する、2つの変換器(T)305および306も有する。1つの例示的な場合において、基板は、ほぼ摩擦のない支持を提供するように浮動式テーブルの上方の空気軸受上で支持され、他の実施例では、他の機構が、支持および輸送のために使用されることができる。2つの変換器はそれぞれ、矢印310によって表されるように、(例えば、図に図示されるように「x」次元内で)共通方向に沿って第1の構成要素に対して第2の構成要素を変位させるように制御される。各変換器は、独立して制御されることができ、「共通モード」制御が、個別の係合点においてx次元内で第1の構成要素302に向かって、そしてそこから離れるように、線形に第2の構成要素をオフセットする一方で、「差分モード」制御が、枢動点「Xpvt」に関して第1の構成要素に対して第2の構成要素を枢動させる状況につながる。変換器は、共通駆動構成要素および差分駆動構成要素の両方を有する方式で電子的に駆動されることができるため、枢動点「Xpvt」は、浮動式枢動点であることが分かる。いくつかの実施形態では、本浮動式枢動点が、抽象概念であり得る一方で、他の実施形態では、機械的構造は、グリッパの2つの構成要素の間に構造結合も提供しながら枢動を提供する。本図は、その左上隅の近傍で基板に係合するものとしてグリッパを示すが、典型的環境では、例えば、変換器の相互モーメントを提供するように(例えば、共通モードおよび差分モード変位の両方に対する制御を促進するように)、グリッパがその長さに沿った中間で基板に係合することが所望され得ることに留意されたい。
【0069】
第1の構成要素302が、
図1からの誤差で妨害された経路107を辿る一方で、第2の構成要素は、輸送されているもの(この場合、例えば、真空を使用する、基板103)に係止し、直線状経路を辿るように動的にオフセットされる。変換器305および306は、矢印308および309によって示されるように、基板を移動させるように独立して制御可能であることが分かり、基板運動が理想的な「参照縁」(
図1からの線109を参照)を辿るように、経路107内でx次元およびθ回転誘発型誤差を正確に無効化するような様式で制御される。代替的設計では、相互と平行である線形スローを有する代わりに、変換器305が、回転を達成し得る一方で、変換器306は、線形スローを達成し得る、または変換器は、基板の位置または回転の誤差を軽減するという対応する効果を伴って、「y」次元または任意の他の所望の次元内でオフセットを生成させられ得ることに留意されたい。
図3Aでは、グリッパの第1の構成要素302が、「y」次元に沿って移動する一方で、変換器305および306はそれぞれ、個別の接触点「c」における接触を介して、「x」次元に沿った線形可動域に沿って、基板を押動および引動する。再び、各変換器は、本実施例では、リニアモータ、圧電変換器、ボイスコイル、または別のタイプの変換器であることができる。
【0070】
本実施例の分割軸印刷システムでは、基板は、特定の「スキャン」またはラスタ運動のためにプリントヘッドに対して「y」次元内で前進される。本実施例における「y」次元はまた、したがって、「インスキャン」次元も形成する。プリントヘッドは、次いで、その後に続くスキャンのためにプリントヘッドを再配置するように「x」次元内で(すなわち、「クロススキャン」次元内で)移動され、基板は、次いで、その後に続くスキャンのために逆方向に前進され、連続的なスキャンは、液体コート全体が作成されるまで継続する。基板は、次いで、(典型的には、別のチャンバまでプリンタから外へ)前進されることができ、液体コートは、所望の電気的、光学的、および/または機械的性質を有する恒久構造に液体コートを変換するように、硬化、乾燥、または別様に処理される。印刷システムは、次いで、別の基板を受容し、例えば、一般的な所定の「レシピ」に従って、その後に続く基板上で類似印刷を実施する準備ができている。
【0071】
(
図1からの)輸送経路107に沿った誤差が、潜在的に、複数の次元内の誤差(すなわち、x次元内のオフセットだけではない)につながり得ることが、既に記述された。運搬システムが(例えば、既に参照されたような整合マークを使用して)位置に関して調整されると、これは、あまり重要ではなくなり得るが、他のシステムでは、その経路の角度の変動が、基板のy位置における非線形性にもつながり得る。そのような実装では、y次元誤差は、随意に、「インスキャン」次元内の基板運動を訂正するための他の形態の手段311を使用して、訂正されることができる。オプションは、例えば、第3の変換器314を使用し、インスキャン次元内でグリッパの第1のおよび/または第2の構成要素のスローを達成して、基板のy次元前進を正規化することを含む。他の実施形態では、フィードバックが、代わりに、グリッパの前進のために(例えば、フィードバック信号、デルタ信号、または電子駆動信号として)電子制御信号315を調節し、わずかな速度増加または減少(Δv)を付与し、y次元誤差に対抗するために使用されることができる、またはグリッパの運動が、上記で導入されるように位置マーカを合致させるように引き起こされることができる。さらに別の随意の実施形態では、例えば、(ボックス316によって表されるような)個々のy位置依存性ノズル発射遅延を算出およびプログラムして、ソフトウェアにおいて調節を実施することも可能であり、すなわち、プリントヘッドのノズルは、いくつかの実施形態では、プリンタに対する基板の「y」次元位置誤差を正確に打ち消す様式で、基板およびプリントヘッドが「y」次元内で相互に対して移動されるにつれて、わずかに早くまたは遅く印刷するように「命じられる」ことができる。また、数字317により、別の実施形態では、ノズル発射の時間を決めるために使用される「トリガ」信号を調節し、プリンタに対する基板の位置誤差を打ち消すように、印刷格子(
図1からの数字105を参照)の水平線を偏移させる効果を及ぼすことが可能である。グリッパの「インスキャン」または「y軸」補償は、全ての実施形態のために要求されるわけではないことに留意されたい。
【0072】
図3Aはまた、所望の進行を画定するために使用される光学システムも示す。既に導入されたように、光ビーム318は、進行方向(例えば、この場合、図で参照されるようなy次元と平行)に光源319(例えば、レーザ)から指向される。少なくとも1つのセンサまたは検出器320が、本経路を撮像し、グリッパおよび基板がそれらの輸送経路に沿って移動するにつれて光ビーム318からの偏差を検出するために使用される。有利なこととして、グリッパの第1の構成要素の運動が機械的ジッタを受け続けるにもかかわらず、基板運動がマークされた光学経路(318)に正確に対応するように、進行が起こると、センサまたは検出器320から導出されるフィードバック信号が、x次元およびxy配向で基板を再配向および変位させるために使用されるように、少なくとも1つのセンサまたは検出器320は、グリッパの第2の構成要素303に固定された様式で搭載される。前述のように、考慮される変形例では、光源319およびセンサ/検出器320は、例えば、グリッパに搭載されたビームスプリッタ光学系等を使用して、グリッパの第2の構成要素303に搭載された光源319等を伴って、異なるように構成されることができる。そのような設計変形例は、十分に光学の当業者の技能の範囲内である。
【0073】
図3Aの主題を熟考すると、機械的運搬システムの中の2つ以上の変換器を使用することによって、(例えば、非線形ガイドまたはトラックまたは縁に関して)輸送経路の誤差または他の運動誤差を訂正することができると観察されるはずである。経路誤差が、
図1の数字107によって表されるように存在し得る一方で、上記で導入される技法および構造は、輸送経路の本再現可能誤差と「共存」することを試みる(例えば、グリッパの第1の構成要素302は、本誤差で妨害された経路を進行し続ける)が、変換器は、スローまたは他の訂正を達成し、少なくとも1つの次元内で本経路誤差を均一化および/または無効化し、したがって、移動されているもの(本実施例では、基板)は、
図1の数字109によって表されるような理想化された経路を進行する。一実施形態では、これらの運動訂正は、相互と平行であり、運搬の方向に実質的に直交する線形スローをそれぞれ有する、2つ以上の変換器(例えば、矢印104の方向に実質的に直交する方向(例えば、310)への線形スローを伴ってそれぞれ独立して制御可能である、変換器305および306)によって、機械的に達成されることができる。
【0074】
これらの技法は、事実上あらゆる機械的運搬システムに適用されることができるが、これらの技法から利益を享受し得る1つの分野は、インク液滴が非常に精密な位置で堆積される必要がある、工業プリンタに関することが、既に記述された。例えば、1つの考慮される実施形態は、有機LEDディスプレイデバイス(例えば、携帯電話画面、HDTV画面、および他のタイプのディスプレイ)等の発光デバイス、および太陽電池パネル等の「パネル」デバイスを加工するために使用されるプリンタとして存在する。この点に関して、(例えば、メートル幅および長さの基板が上に印刷される)上記で議論される用途では、いくつかの従来のシステムは、印刷中に基板を前進させるために空気浮動式テーブルに依拠する。そのようなシステムの中のガス進入および退出は、完成した層に潜在的に欠陥を生じ得る効果(例えば、温度、静電気の蓄積、またはインク挙動に影響を及ぼし得る他の効果)を基板に付与することを回避するように、慎重に制御されることができる。換言すると、ガス流が、基板の下に流体軸受を生成し、印刷中に基板が移動される実質的に摩擦のない表面を作成するために使用される。そのような用途における
図3Aからの第2の構成要素303は、基板に係合する真空チャック、または基板の個々の部品に係合する複数の真空ロックを支持することができる。そのような用途では、非線形性を無効化するために使用される「ミクロン規模」(またはより小さい)スローを達成し、精密な経路前進を提供するために、変換器305および306は、有利なこととして、(すなわち、浮動式テーブルの気体軸受によって支持される力の方向に対して法線方向に)圧縮および膨張を使用し、基板との精密なプリントヘッドおよびノズル整合を達成するために使用される微視的スローを達成する、ボイスコイルとして形成されることができる。すなわち、具体的には電子フラットパネル加工に関して、および具体的にはOLEDディスプレイデバイス加工に関して、(摩擦のない)浮動支持および真空グリッパの使用は、欠陥を最小限にし、デバイス寿命を最大限にするために重要であり、変換器としてのボイスコイルの使用は、そのようなシステムにおいて要求されるスローを提供するための効果的な構成要素を提供することが見出されている。しかしながら、他のタイプの変換器もまた、例えば、圧電変換器、リニアモータ、または他のタイプの変換器の使用を通して、特定のタイプの用途に関するスローを達成するために使用されることができる。そのようなシステムでは、浮動式機械的枢動機構が、随意に、誤差訂正のための構造的リンケージおよび機械的支持を提供するために、ボイスコイルを補助して使用されることができる。
【0075】
図3Bは、
図1の図に類似する
図321を提供するが、
図3Aの機構を使用して到達可能な目標をさらに図示する。より具体的には、
図3Bは、経路107に沿って前進する際の
図3Aからの基板103およびグリッパを示す。
図1と同様に、経路107は、再度、ある形態の湾曲性または変動を呈する誤差を有すると想定され、再度、これは、縁ガイド、トラック、または他の機構における誤差であり得、本誤差は、位置および/または回転誤差をグリッパに付与する。しかしながら、この場合、グリッパは、例えば、経路107の変動を補償または均一化するボイスコイル変位の形態で、本誤差に対抗するように制御される、変換器「T」を有するものとして見なされる。再び、誤差の規模は、
図3Bの規模に対して大いに誇張されているものとして見なされ、例えば、実践では、経路が、メートル長であり得る(例えば、長さ3メートルの基板が部屋のサイズのプリンタを通して輸送される)一方で、湾曲性は、規模がミクロンまたはサブミクロンであり得ることに留意されたい。
【0076】
経路に沿ったグリッパの位置d0において、本来の輸送経路誤差がΔx0、Δy0、およびΔθ0と等しかったことが
図1から思い起こされるであろう。しかしながら、
図3Bのシステムに関して、変換器は、
図3Bの右下側で見られるように、かつ数字103’によって指定されるように、基板を変位および/または回転させるように作動させられる。すなわち、変換器「T」は、絶対位置x3、y3、およびθ3を有するように、グリッパの第1の構成要素およびトラックまたは縁ガイド107に対してグリッパの第2の構成要素および基板を変位させる。3Bとの関連で、数量x3は、誤差で妨害された輸送経路107からオフセットされた仮想縁323を効果的に画定する絶対x位置を表し、数量y3は、インスキャン(または輸送)方向に対する恣意的な「平滑化」または正規化前進(330)にそれをオフセットする基板の随意の位置付けオフセットに対応し、数量θ3は、基板の所望の角度配向に対応する。
図3Bの実施例に関して、差し当たり、y3およびθ3は、「ゼロ」である、例えば、基板は、正確に垂直であるように配向される(すなわち、「y」次元訂正を伴わずに浮動式支持テーブルに対してスクエア・オフ(squared off)されるが、これは全ての実施形態に当てはまる必要はない)と想定されることができる。
図3Bでは、印刷格子は、基板103’に対して一貫したxおよびθ関係を有することが数字105’において描写される。基板が位置d0から位置d1まで前進されると、変換器は、基板と印刷格子の垂直線との間でこの一貫した位置関係を維持するように、すなわち、基板が、(経路107に沿った誤差にもかかわらず)絶対位置x3およびθ3を有するように整合され、したがって、105”において印刷格子に対して本関係を正確に有するものとして103”において描写されるように、制御される。これらの実施例では、印刷格子は、基板に対して事前判定された関係を維持するものとして図示されるが、印刷格子は、プリントヘッド位置付けおよび基板およびプリントヘッド運搬システムによって画定され、本当に所望されるものは、プリントヘッドおよび基板運搬機構が相互に対して一貫した事前判定された関係を維持し、このリンケージによって確立される座標系が、加工されている各製品に対して精密に整合されることであることに留意されたい。いくつかの実施形態では、プリンタ座標参照系は、最初に、印刷格子を効果的に画定するように較正(および調整)され、各基板(またはその上で加工されている製品)は、その後、製品毎または基板毎の整合プロセスを介して(すなわち、プリンタに)導入されるにつれて、印刷格子に対して特別に整合される。これは、以下でさらに例示されるであろう。
【0077】
方程式が、一定の位置関係が維持される方法を示すように、図中の種々の位置において描写される。より具体的には、位置d0における輸送経路107の本来の再現可能誤差が、Δx0、Δy0、およびΔθ0の位置および回転オフセットに等しかったことが思い起こされるであろう。変換器「T」は、したがって、Δx2、Δy2、およびΔθ2のさらなるオフセットを追加するように制御され、これらの値は、輸送経路に沿った位置d0における検出された誤差に応じて適用される。すなわち、一実施形態では、これらの値は、誤差Δx0、Δy0、およびΔθ0の負数である、すなわち、それらは、誤差を正確に打ち消し、随意に、ある事前判定されたx/y/θ値に基板をオフセットする。一実施形態では、描写される変換器「T」は、xおよびθにおける基板位置のみを訂正する(例えば、任意の「y」次元訂正は、随意に、前述で説明されたような位置フィードバック/調整システムを使用して達成される)。位置d1において、輸送経路107上の位置における異なる誤差に応じて異なるオフセットを追加するように、すなわち、Δx4、Δy4、およびΔθ4のオフセットを追加するように、変換器がどのようにして制御されるかに留意されたい。
図3Bで描写されるように、値x5およびθ5は、値x3およびθ3と正確に等しくあり得るが、再度、これは全ての実施形態に当てはまる必要はない。
【0078】
ミクロン規模またはより良好な位置制御は、多くの点で、見た目ほど直観的ではなく、例えば、一実施形態では、グリッパ運搬システムおよびプリントヘッド運搬システムはそれぞれ、カメラを搭載し、該カメラは、共通整合マークを見出し、それによって、2つの輸送経路に合致する座標系の原点を確立するために使用される。本プロセス、およびそのようなシステムの中のプリントヘッドおよび基板毎の運搬システムは、プリンタの座標参照系を効果的に画定する(かつ大部分は、それに従って液滴が堆積されることができる印刷格子の構成を判定する)。参照することによって既に組み込まれた米国仮特許出願第62/459402号は、これらのカメラの使用、位置検出、および関連較正に関する情報を提供する。基本的に言えば、1つの開示されるシステムにおいて共通座標点(または「原点」)を見出すことに加えて、各運搬システムは、運搬システム(例えば、グリッパの第1の構成要素)が、それがプリンタの座標系に対して存在している場所を正確に「把握」し、これらの種々の構成要素が協働して完全なプリンタ座標系を効果的に画定するように、光学テープおよび光学センサを使用し、精密な(例えば、ミクロン単位の)位置検出およびフィードバックを提供する。実際に、そのようなシステムの使用は、輸送の方向への構成要素オフセットの必要性を除去することができ、例えば、グリッパは、単純に、輸送の方向へ具体的で適切な位置値へと駆動される。
【0079】
いったん「原点」が、参照されたカメラ整合プロセスによって確立されると、2つの運搬システムは、各運搬システムのカメラと運搬システムの参照点(例えば、プリントヘッドノズル位置に対応する)との間の相対的座標を判定するように連動され、これは、次いで、座標軸の間の関係(例えば、直交性)に関する正しい理解を想定して、プリンタの座標系に対する任意の点の精密な識別を可能にする。前述のように、そのようなシステムでは、プリンタの液滴降着場所の「理解」は、印刷格子に依存し、これは、ひいては、本座標系によって画定される。そのようなシステムにおける輸送経路運動誤差は、訂正されないままにされた場合、潜在的に、特定の印刷格子場所(例えば、組み合わされた具体的なグリッパ/プリントヘッド位置の理解と関連付けられる)がこれらの構成要素の実際の位置から逸脱する状況につながり得る。本明細書に説明される種々のデバイスを使用して、本明細書に説明される様式で輸送経路誤差を訂正することによって、これは、基板およびプリントヘッドがそれぞれ、印刷格子想定に対応する様式で位置付けられるように、システムがその経路誤差を訂正することを可能にする。実際には、本明細書の他の場所で記述されるように、輸送経路の間の軽微な非直交性等の誤差さえも、随意の回転オフセット(例えば、θ3およびθ5のゼロではない値)を使用して、および/または前述のように、光学ガイド(例えば、1つ以上の輸送経路のための光ビーム)を調節して輸送経路内の非直交性を訂正することによって、訂正されることができる。
【0080】
図3Bによって提供される実施例を継続すると、次いで、システムの中に導入される各基板は、印刷中に基板(またはその上のパネル製品)の位置を精密に理解するために識別および使用される、1つ以上の基準を有する。各基板が導入されると、その基準が、(例えば、カメラのうちの1つ以上のものを使用して)検出され、機械的システムが、期待位置に対応するように基板を適切に配向/整合させるために使用されることができる(本プロセスは、全ての実施形態のために必要なわけではない、例えば、すなわち、既知の基板不整合または角度配向喪失に適応するように、印刷レシピおよび/または発射トリガまたは詳細を修正することによって、プリンタ制御情報を調節することも可能であることに留意されたい)。
【0081】
図3Bの下の部分は、グリッパ上の2つの線形変換器(例えば、ボイスコイル)が、回転誤差を訂正するとともに、(例えば、「x」次元内の変位を介して)理想化された縁に対応する様式で基板を位置的にオフセットするように駆動される方法を示す。より具体的には、輸送経路の局所的部分は、輸送経路の理想化された直線状縁109から逸脱する、かなりの量の湾曲を有するものとして、数字327によって指定される。(それぞれ、「c1」および「c2」と指定される)基板と輸送経路との間の2つの有効接触点において、本誤差は、それぞれ、「xi」(負の方向への理想化された直線状縁に対するオフセットとして描写される)および「xj」(正の方向への理想化された直線状縁に対するオフセットとして描写される)であると想定される。ここでは、(例えば、描写される仮想縁323に対応する)理想化された輸送経路からの絶対位置「xk」において、基板(または基板の印刷可能面積)の左縁を精密に位置付けることが所望されると想定される。数字105’は、システムによって付与される「x」位置誤差の範囲全体に適応し、随意に、いくらかのわずかなバッファを提供するように、印刷格子のわずかなオフセットを表す。
本訂正を達成するために、位置「c1」における正の誤差(すなわち、xi)が、「xk-|xi|」の量だけさらにオフセットされる一方で、位置「c2」における負の誤差(すなわち、xj)は、「xk+|xj|」の量だけさらにオフセットされる。2つの描写される変換器「T」は、この目的のために制御され、したがって、理想化された直線状縁に対して基板を直線化する。類似訂正が、関連位置における誤差に依存して、すなわち、基板が絶対位置「xk」と関連付けられる仮想経路を辿るように、輸送経路107に沿ったグリッパの移動中の全ての他の時間に実施される。
【0082】
いくつかの点が、本議論に関して記述されるはずである。第1に、グリッパは、本図では単一のユニットとして描写されているが、実際には、多くの部品(例えば、前述の第1および第2の構成要素、または異なる場所で基板に係合する、分散された一連の2つ、3つ、5つ、または別の数のグリッパまたはグリッパ構成要素)から成ることができる。第2に、本実施形態では、2つの変換器が平行線形アクチュエータ(例えば、それぞれ、ボイスコイルまたは圧電変換器)として描写されているが、これは、全ての実施形態のために要求されるわけではない。すなわち、実施形態に応じて、変換器「T」は、直列に結合されることができ、回転、線形、または他のタイプのアクチュエータであることができる。なおも他の実施形態では、2つよりも多いまたは少ない変換器が、使用されることができる。第3に、上記のように、種々の機構が、輸送経路に沿った位置を識別するために存在し、例えば、信号(例えば、駆動信号、タイミング信号等)が、数字328によって表されるように、本目的のために使用されることができる、または位置センサ329(カメラ等)が使用されることができる。上記で参照され、米国仮特許出願第62/459402号で議論されるような1つの具体的に考慮される実施形態では、位置マーキングシステムおよび位置検出器が、(例えば、プリントヘッド輸送および基板輸送のための)関連付けられる位置を測定および/または調整するために、運搬経路毎に使用される。明らかに、多くの代替物が可能である。
【0083】
既に参照されたように、加工装置またはシステムは、複数の運搬経路を有することができる。分割軸プリンタとの関連で、一実施形態では、既に参照されたように、プリンタ座標参照系は、別個のプリントヘッドおよび基板輸送経路に依存して画定されることができる。
図3Cは、プリントヘッド輸送経路等の第2の輸送経路における不正確性から生じる位置誤差について議論するために使用される。そのような状況は、概して、
図3Cの数字351によって描写される。基板は、第1の次元内で(すなわち、矢印104によって表されるように、1つの運搬システムを使用して)グリッパによって前進され、プリントヘッドは、第2の次元内で(すなわち、矢印354によって表されるように、別の運搬システムを使用して)第2の輸送経路356に沿って前進される。後者の運搬システムと関連付けられる輸送経路に沿ったプリントヘッドの第1の位置353で、プリントヘッドは、Δi0、Δj0、およびΔφ0の誤差を受ける。変数i、j、およびφは、xおよびyオフセット(およびxy面内の角度回転)を表すが、i、j、およびφは、x、y、およびθの代わりに、本実施例とグリッパ運搬システムのものとを区別するために使用されることに留意されたい。図の右側において想像線で表されるように、プリントヘッドが位置353’まで前進されると、誤差は、Δi1、Δj1、およびΔφ1である。再度、本誤差は、輸送経路356に沿った位置の関数であり、誤差の変化は、潜在的に線形または非線形である。訂正されないままにされた場合、本誤差はまた、印刷を歪曲し、既に参照されたような製造精度の問題を生じ得る。本実施例では、グリッパの輸送経路に対する基板103の任意の運動は、描写されるグリッパ(およびその変換器「T」)を使用して訂正されると想定されるが、問題は、プリントヘッドトラベラもまた、誤差を生成し得、プリントヘッドのx、y、またはθ誤差をもたらし、プリントヘッドのノズルから放出される液滴の期待降着位置を変化させることであると留意されたい。これらの誤差の影響は、矢印355によって示されるように、意図された印刷格子357に対して例示され、すなわち、意図しないプリントヘッド回転(および/または意図しない「x」次元変位)の影響が、歪曲した印刷格子257’を介して見られる(類似様式で、「y」次元内の意図しないプリントヘッド回転変位は、垂直印刷格子線を「ともに圧搾すること」を効果的にもたらすであろう)。
【0084】
図との関連で、プリントヘッドが、理想的な運動、すなわち、意図しない機械的誤差によって特徴付けられていない運動を受けることも所望される。すなわち、本実施例では、プリントヘッドはまた、(例えば、数字357によって表される)非摂動印刷格子に効果的に対応するであろうような仮想の理想的(例えば、直線状)輸送経路325も辿ることが所望される。これは、一実施形態では、輸送されるオブジェクト(すなわち、プリントヘッド)に、垂直線109によって表される仮想の「理想的」グリッパ運動および水平線325によって表される仮想「理想的」プリントヘッド運動の両方を辿らせることによって、達成される。
【0085】
グリッパ経路訂正とほぼ同一の様式で、プリントヘッド輸送経路のための運搬システムはまた、随意に、光学ガイド(例えば、レーザ源および関連付けられる光学系/検出システム)および変換器のセットを使用し、理想化されたプリントヘッド位置付けを促進することもできる。この趣旨で、動的に感知された誤差に応答して、変換器は、有利なこととして、プリントヘッド運動が、「オフセット」印刷格子(
図3Bからの105’)に対応する固定された既知の位置も提供する、仮想経路369に対応するように、随意に、いくらかのわずかなバッファを提供するプリントヘッドの「y」位置誤差の範囲全体に適応する、恣意的な「絶対」位置への変位を提供する。
【0086】
図3Dは、本タイプの誤差を是正することを意図しているシステム361の説明図を提供する。すなわち、
図3Dは、矢印354によって示される一般的方向への1つ以上のプリントヘッドの側方運動をサポートするために使用される、第2の輸送経路356を示す。プリントヘッドアセンブリは、輸送経路356に沿って(例えば、トラックまたはガイドに沿って)乗設する、第1の「トラック誘導型」構成要素363と、プリントヘッドを搭載する第2のオフセット可能構成要素364とを含む。これらの第1および第2の構成要素は、再度、1つ以上の変換器365によって動作可能に結合される。変換器は、本実施例では、それぞれ、「y」次元(および/または「z」次元)内で第2の構成要素をオフセットするマイクロスローをサポートする、線形アクチュエータであり、共通モードおよび差分モード駆動が、再度、線形変位および/またはxy面回転(θ)を選択的に達成するために使用される。数字367および数字367’(それぞれ、「クロススキャン」または「x」次元に沿った個別の位置におけるプリントヘッドを表す)の両方によって表されるように、訂正は、プリントヘッドが機械的誤差によって特徴付けられていない(すなわち、たとえ第1の構成要素363が誤差で妨害された第2の輸送経路356を進行し続けても)仮想の理想的経路369を辿ることを可能にする。光源370が、再度、光ビームの方向に直交する次元内でジッタを検出および訂正するように、光ビーム371を指向するために位置付けられる。設計(およびサイズおよび/またはプリントヘッドアセンブリ上の利用可能な空間)に応じて、第2の構成要素364に光源を搭載させ、静止ビームに対する検出器および/または光学系の運動を検出するのではなく、静止検出器および/または光学系(図に示されていない)に対するビーム偏差を検出させることが、所望され得ることに留意されたい。グリッパ実施形態と同様に、
図3Dの変換器は、プリントヘッドが位置367にあるときに、Δi0、Δj0、およびΔφ0の前述の誤差が、Δi2、Δj2、およびΔφ2によってさらにオフセットされるように、かつプリントヘッドが位置367’にあるときに、変換器がプリントヘッドをオフセットし、オフセットΔi4、Δj4、およびΔφ4を追加するために制御されるように、プリントヘッドを絶対y位置(すなわち、線369に対応する)にオフセットするために制御されることができる。iおよびφは、典型的には、位置367および位置367’において一定の値を有し、また、両方とも、典型的には、ゼロであるが、再び、これは、全ての実施形態のために要求されるわけではない。以前のグリッパ実施例と同様に、描写される変換器構成は、例示的にすぎず、異なる変換器(例えば、回転変換器)が、使用されることができ、かつ異なる運搬システムおよび/または次元に適用されることができる。さらに、以前の実施例と同様に、描写される変換器は、本実施形態では、浮動式枢動点を達成するために共通モード制御および差分モード制御の両方を使用して、プリントヘッドをオフセットする。結果は、所望の「誤差のない」輸送経路325が、第2の輸送経路356における欠陥に起因する任意の「y」またはインスキャン次元ジッタを包含するために十分である、恣意的な位置369にオフセットされることである。数字355’によって示されるように、これらの動的に適用される訂正(および既に参照されたようなグリッパ訂正の随意の使用)の結果は、数字357”によって示されるように、印刷格子を効果的に正規化する。機能ボックス372によって参照されるように、プリントヘッドアセンブリの一部または全ての位置をオフセットし、クロススキャン位置誤差を訂正するために、別の変換器373を使用すること、または既に議論されたような駆動信号訂正技法374および/または位置フィードバック/調整技法を使用することも可能であることに留意されたい。
【0087】
ここまで議論されてきた原理を熟考すると、「仮想」直線状縁への基板経路のそれぞれ、および「仮想」直線状縁へのプリントヘッド経路の訂正は、機械的システムによって付与される微細な誤差にもかかわらず、印刷格子想定(例えば、プリンタの座標参照系)に適合するような様式で、基板およびプリントヘッドの両方が設置されることを可能にする。これらの技法は、随意に、システム正確度をさらに向上させるように、駆動制御技法(またはその輸送次元に沿って各輸送されるものを訂正するための他の説明される技法)と組み合わせられてもよい。再度、これらの技法はまた、他の運動次元および加工および/または機械的システムにも拡張されることができる。
【0088】
図3Eは、別の実施例375、すなわち、1つの輸送経路の誤差が、第2の輸送経路と関連付けられる1つ以上の変換器「T」を使用して訂正されることができる、代替的実施形態を提示する。この場合、グリッパアセンブリは、固定枢動点を伴わずに、クロススキャンオフセットおよび回転訂正を達成するように、再度、共通モードおよび差分モードで制御される、2つの線形変換器を含むと想定されることができる。本図の場合、誤差は、再度、ミクロンまたはナノメートル規模であることに留意されたい。描写される角度およびオフセットは、したがって、説明を支援するために図では大いに誇張されている。この場合、図は、「2つのグリッパ」のためのアイコンを示すが、実際には、これらは、正確に同一のグリッパおよび2つの個別のスキャンのための「インスキャン」次元に沿ったグリッパの位置を表す。しかしながら、この場合、運搬経路のうちの1つ(すなわち、プリントヘッドアセンブリに関して経路356)は、その独自の変換器ベースの誤差訂正システムを有していない(またはオプションとして、これは、そのようなシステムを有するが、描写は、グリッパの誤差訂正システムが座標軸非直交性を訂正するようにさらに駆動されるであろう実装に対応する)。グリッパの誤差訂正システムは、したがって、本実施例では、光ビーム371に直交するプリントヘッド運搬経路ジッタを訂正するためにも、または輸送経路の間の非直交性に関して、制御される。すなわち、プリントヘッド運搬経路内の検出された偏差(または非直交性)は、本実施例では、例えば、複数の運搬システムの所望の経路からの偏差/誤差訂正を組み合わせることによって、グリッパの第2の構成要素303の中へ追加軽減オフセットを追加することによって訂正される。本実施形態では、したがって、2つのグリッパが、それぞれ、プリントヘッド位置373’におけるプリントヘッドシステム誤差(または非直交性){Δi0、Δj0、およびΔφ0}およびプリントヘッド位置373”における(すなわち、個別のスキャンに対応する)プリントヘッドシステム誤差(または非直交性){Δi1、Δj1、およびΔφ1}を訂正する、変換器制御信号の2つの代替的セットを表すと想定されるはずである。すなわち、
図3Bに関連して、グリッパシステムの変換器によって提供される軽減オフセットおよび角度の使用を通して、たとえ「y」次元内のグリッパ輸送が(グリッパ輸送経路に関する)理想
的な縁に訂正されると想定されていたとしても、一実施形態では、これらの同一の変換器を使用して、プリントヘッド経路内の誤差(または他の誤差)も訂正し得る。描写されるように、さらなるオフセットおよび/または回転が、プリントヘッドに対して意図された位置および配向を有するように(例えば、代替的な変換された縁107’”および107””によって表されるように、プリントヘッド誤差に合致する方法で運動を生成するように)、基板を効果的に再配置するように追加される。他の誤差訂正技法もまた、これらのプロセスを増進するために適用されることができる。
【0089】
前述の議論が含意するように、先の実施例は、1つまたは2つの輸送経路内の誤差の訂正を示すが、
図3Eを参照して説明される原理は、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ等の任意の数の輸送経路内の微細な誤差を訂正するために適用されることができ、複数の輸送経路に関する訂正が、単一の駆動経路に(例えば、基板運搬のために使用される変換器に)、または第2のより少数の輸送経路に適用される軽減訂正を介して、第1の数の輸送経路内の誤差を訂正するために適用される。記述されるように、本議論はまた、例えば、グリッパおよびプリントヘッド輸送経路が、正確には90度の分離ではない、非直交性の訂正にも適用される。これは、測定されたプリントヘッドx位置依存性誤差の場合と同等として扱われることができ、対応する訂正は、いずれか一方の運搬システムの中の輸送される構成要素をオフセットすることによって適用される。また、用語「輸送経路」は、曲線経路に沿った位置変化として図で例示されるが、上記で議論される原理および微細誤差訂正手順もまた、任意の次元内の微細な誤差(すなわち、回転および正確な角度配向を含む)を訂正するために適用されることができ、例えば、機構が回転される実施形態では、角度変化率または配向の「ジッタ」を測定すること、およびそのような微細な誤差を訂正するために上記で例示されるような変換器および/または駆動信号訂正を使用することが可能であることにも留意されたい。最終的に、
図3Eは、プリントヘッド輸送経路誤差(または他の非グリッパ誤差)をグリッパ訂正に組み入れることを示すが、これらの種々の輸送経路は、交換可能である、例えば、グリッパシステム位置誤差は、プリントヘッドシステム誤差訂正変換器を使用して訂正され得ることが考慮される。
【0090】
図3Fは、上記で提示される技法が、概して、数字381によって表されるように、輸送経路誤差を訂正するように、多くの異なる形態で具現化され得ることを示す。製造用途のためのプリンタとの関連で、印刷レシピは、例えば、数字382によって示されるように、アセンブリライン型プロセスの一部として連続的基準で多くの基板上に再現可能に印刷するために使用されるであろう様式で、事前に記憶またはキャッシュされることができる。非限定的実施例として、本明細書に説明される技法は、次いで、基板の運動、1つ以上のプリントヘッドまたはプリントヘッドアセンブリの運動、カメラアセンブリまたは点検ツールの運動等と関連付けられる経路に沿って、微細な運動誤差を訂正するように適用されることができる。誤差をゼロに駆動するように設計されるシステムの1つの利点は、温度等の種々の他の環境変数の影響が、誤差訂正の観点から大部分は無視され得、経路偏差は、温度がどのようであろうと、輸送中の位置および配向が光ビームまたはガイドの運動に正確に適合するように、経路訂正を駆動することに留意されたい。これらの技法は、実際の輸送駆動機構(例えば、グリッパ、縁ガイド、トラベラ等の運動)が、意図しないオフセット、非線形性、および他の誤差を付与する、経路誤差によって依然として妨害されるにもかかわらず、基板(または随意に、これらのシステムのうちのいずれか)の運動が理想的な経路に対応させられるように、微細な誤差に関して、これらの輸送経路に沿った運動の自動訂正を可能にする。一般的に言えば、訂正は、印刷計画を可能にし、基板が理想的に設置されていると想定する様式で、印刷レシピから独立したサブシステムによって行われる。例えば、本明細書に説明される構造は、一実施形態では、第1の次元が輸送経路から独立している(それに直交する少なくとも1つの構成要素を含むことを意味する)、輸送経路に対して第1の次元内で誤差または意図しないオフセット「Δx」に対抗するための手段を提供する。そのような手段は、
図3Fの数字383によって表されるよう
に、「Δx」を低減または排除するように、輸送経路位置に応じて制御される、少なくとも1つの変換器を備えることができる。そのような手段は、概して、輸送経路に沿った位置および/または他の要因に従って変動する動的誤差に応じて位置変位を達成するように電子的に制御される、変換器を備える。数字384によって表されるように、これらの構造(または構造の異なる潜在的に重複するセット)は、第1の次元内の具体的な恣意的位置において(例えば、
図3Fからの実施形態では「x3」において)仮想縁を画定し、輸送経路(または輸送されている構造)に対してグリッパ構成要素をそのような位置にオフセットするための手段を提供することができる。以前のように、そのような手段はまた、概して、変換器と、変換器に誤差を無効化または均一化させる、関連付けられるハードウェアおよび/または命令論理とを備える。数字385により、別の実施形態では、本明細書に説明される構造は、輸送経路に対して第2の次元内で誤差「Δy」に対抗するための手段を提供する。この第2の次元は、随意に、輸送経路から独立しているが、(代わりに)輸送経路への共通次元を表すこともできる、または別様に輸送経路と略同義であり得る。そのような手段は、随意に、例えば、上記で描写される実施形態に関して、輸送される「もの」の位置を訂正することによって、または別様に輸送経路に沿った速度または運動を調節するため、または既に参照されたように位置フィードバックシステムを使用するため等に、「Δy」を低減または排除するように輸送経路位置(および/または他の要因)に応じて制御される、少なくとも1つの変換器を備えることができる。さらに別の変形例では、数字386により、「Δy」に対抗するように適用され得る同一の構造は、第2の次元内の具体的(絶対または相対)位置において(例えば、上記の実施形態に対するゼロではない「y3」において)仮想縁を画定し、輸送経路(または輸送されている構造)をそのような位置にオフセットするための手段を提供することができる。そのような手段はまた、概して、変換器と、オブジェクトが輸送経路に沿って前進されるにつれて、変換器に動的に感知された誤差に応じて位置変位を達成させる論理とを備える。一実施形態では、本手段は、別の輸送経路または関連付けられる誤差訂正システム、例えば、(例えば、ノズル発射時間、基板、プリントヘッドまたは他の位置誤差、または誤差の他の原因を補償するように)プリントヘッド輸送と関連付けられる誤差訂正システムを包含することができる。さらに別の実施形態(387)では、上記で議論されるものに類似する変換器は、回転誤差(Δθ)に対抗するように適用されることができる。一実施形態では、本手段は、電気エネルギーを構造回転に変換する単一の変換器を備えることができ、他の実施形態では、2つ以上の位置変換器が、同一の趣旨で適用されることができる。例えば、上記で議論されるように、1つの実装は、2つのボイスコイルを使用することができ、それぞれ、独立して動作されたときに、輸送されているものの回転調節を提供する、線形変換器であり、浮動式機械的枢動機構が、ボイスコイルを支持して構造的硬直性を提供するために使用される。これらの構造(または構造の異なる潜在的に重複するセット)はまた、(例えば、上記の実施形態における「θ3」)上記で議論される第1および第2の次元に対する具体的(絶対または相対)角度関係において仮想縁を画定するため(388)、およびそのような配向に対応する様式で輸送経路(または輸送されている構造)をオフセットするための手段を提供することもできる。なおも別の実施形態(389)では、本明細書に説明される構造は、輸送経路に対して第3の次元内でオフセット「Δz」に対応するための手段を提供し、第3の次元は、随意に、輸送経路、および上記で参照される第1および第2の次元から独立している。そのような手段は、再度、その誤差を低減または排除するように、動的に測定された誤差に応じて、ハードウェアおよび/またはソフトウェア論理によって制御される、少なくとも1つの変換器を備えることができる。変換器および支持論理はまた、Z3において仮想縁を画定するために使用されることもできる(390)。数字391および関連付けられる楕円のセットにより、これらの技法は、3つの位置次元のうちのいずれかおよび3つの回転次元(すなわち、ヨー、ピッチ、および/またはロール)のうちのいずれかの訂正および/またはオフセットを含む、多数の自由度に適用されることができる。いくつかの実施形態では、数字393によって表されるように、不整合を訂正するための手段が、基板をプリンタの座標参照系に整合させるために適用されることができる。そのような手段は、カメラ等の位置センサ、ハンドラまたは他の輸送デバイス、プロセッサ、および所望の印刷に対して基板を再配置する(または逆に、誤って整合された基板に合致するように印刷を調節する)関連付けられるサポート命令および/またはハードウェア論理を含むことができる。数字395により、プリントヘッド(PH)の誤差を訂正する、および/またはプリントヘッド(PH)を整合させるための手段は、上記で参照されるように、浮動式枢動点および/または共通訂正モードおよび差分訂正モードのためのサポートを伴う変換器を含むことができる。数字396により、システムはまた、較正された経路および/またはプリンタ座標参照系を提供するように、(例えば、レーザの姿勢およびヨーを調節することによって)光源を再整合または調節するための手段を備えることもできる。システムはまた、座標参照系の非(直交性)を訂正するための手段(397)を含むこともできる。
【0091】
例えば、「x」、「y」、「θ」、または他の次元の参照された次元の言及はそれぞれ、恣意的であり、すなわち、これらは、任意の次元を指し得、デカルト座標、直交座標、規則的または直線座標に限定されないことに留意されたい。一実施形態では、「x」および「y」次元は、それぞれ、加工システムの「クロススキャン」および「インスキャン」次元に対応するが、これは、全ての実施形態に当てはまる必要はない。
【0092】
そのような様式で運動誤差を訂正することによって、説明されるプロセスは、機械的運動システムが依然として妨害され得、かつ既存の再現可能な欠陥を辿り続け得るにもかかわらず、「仮想」および/または理想的および/または直線状輸送経路を提供する。前述の工業プリンタ等の製造システムとの関連で適用されると、これらの技法は、精密位置付けおよび製造を可能にする強力なツールを提供する。
【0093】
II. 分割軸製造システムと関連付けられるオンラインおよびオフラインプロセス
図4A-5は、典型的分割軸加工システムと関連付けられる、いくつかの詳細について議論するために使用される。
図4Aは、電子デバイスの層を形成するであろう材料を堆積させるために、したがって、加工システムで使用される典型的スキャン運動について議論するために使用される一方で、
図4Bは、プリンタおよび処理チャンバに依拠する具体的製造システムの構成について議論するために使用される。
図4Cは、一連の基板の中の各基板がプリンタによって使用される座標参照系と整合される、プロセスについて議論するために使用されるであろう一方で、
図5は、電子デバイス(またはそのようなデバイスの具体的層)のプロセスについて議論するために使用されるであろう。
【0094】
より具体的には、
図4Aは、個々のパネル製品を表すいくつかの鎖線のボックスとともに、基板401を描写する。図の左下で見られる、1つのそのような製品は、参照数字402を使用して指定される。(一連の基板の中の)各基板は、一実施形態では、数字403によって表されるようないくつかの整合マークを有する。一実施形態では、2つのそのようなマーク403は、全体として基板に使用され、プリンタ(例えば、グリッパ)の機械的構成要素に対する基板位置オフセットの測定を可能にし、別の実施形態では、3つ以上のそのようなマーク403は、付加的調節(例えば、回転調節)を促進するために使用される。さらに別の実施形態では、各パネル(4つの描写されるパネルのうちのいずれか等)は、マーク405等のパネル毎の整合マークを伴い、本後者の方式は、印刷されている個々のパネルがプリンタの座標参照系に精密に整合されるように、グリッパ調節を可能にする。いずれの方式が使用されようと、1つ以上のカメラ406が、プリンタの座標参照系に対する基板位置を識別するために、整合マークを撮像するように使用される。一実施形態では、カメラは、グリッパおよび進行プリントヘッドアセンブリのそれぞれに搭載され、これらのカメラは、1つ以上の基板基準を撮像し、プリンタの輸送軸に沿った位置に対して(すなわち、プリンタの座標参照系に対して)精密な基板(および/または製品)位置および配向を識別するように、それぞれ制御されることができる。別の考慮される
実施形態では、単一の静止カメラが使用され、プリンタの輸送機構(例えば、ハンドラおよび/または空気浮動機構)は、基板を移動させ、単一のカメラの視野内で各整合マークを順に位置付ける。異なる実施形態では、カメラは、基板に対する輸送のために、2次元運動システム上に搭載される。さらに他の実施形態では、低および高倍率画像が撮影され、低倍率画像は、高解像度倍率のための基準を粗く位置付けるものであり、高倍率画像は、プリンタ座標系に従って精密な基準位置を識別するものである。線またはCCDスキャナもまた、使用されることができる。以前の議論を熟考すると、一実施形態では、プリンタの輸送機構(および関連付けられるフィードバック/位置検出機構)は、意図された位置の約1ミクロン以内まで運動を制御し、撮像システムが、合理的に正確な整合が達成されるまで基板をプリンタの座標参照系に整合させる(かつ随意に、機械的に再配置する)ために基板毎に使用される。別の実施形態では、測定された位置誤差および/または配向誤差は、印刷が検出された基板位置/配向に合致するように歪曲されるように、ソフトウェアにおいて、印刷レシピをカスタマイズ/調節するために使用されることができる。
【0095】
典型的実装では、印刷は、一度に(すなわち、複数の製品のための層を提供する単一の印刷プロセスを用いて)基板全体の上に所与の材料層を堆積させるように実施されるであろう。そのような堆積は、個々のピクセルウェル(
図4Aに図示されていない、すなわち、典型的には、テレビ画面のために何百万ものそのようなウェルがあろう)内に発光層を堆積させるようにそのようなウェル内で、またはカプセル化層等の障壁または保護層を堆積させるように「ブランケット」基準で、実施されることができる。いずれの堆積プロセスが問題になっていようと、
図4Aは、基板の長軸に沿って2つの例証的スキャン407および408を示す。分割軸プリンタでは、基板は、典型的には、スキャンの合間に位置的に(すなわち、図面のページに対して垂直方向に)プリントヘッドを前進させるプリンタを伴って、前後に(すなわち、描写された矢印の方向に)移動される。スキャン経路は、線形として描写されているが、これは、いかなる実施形態でも要求されるわけではないことに留意されたい。また、スキャン経路(例えば、407および408)は、被覆された面積の観点から、隣接し、相互排他的であるものとして図示されるが、これもまた、いかなる実施形態でも要求されるわけではない(例えば、プリントヘッドは、必要または所望に応じて、印刷の帯状部分に対して部分基準で適用されることができる)。最終的に、任意の所与のスキャン経路は、典型的には、基板の印刷可能長全体にわたって通過し、単一の通過で複数の製品のための層を印刷することにも留意されたい。各通過は、印刷レシピに従ったノズル発射決定を使用し、変換器に対する制御(
図4Aに示されていない)は、各スキャンにおける各液滴が基板および/またはパネル境界に対して堆積されるべき場所で精密に堆積されることを確実にするために使用される。
【0096】
図4Bは、本明細書に開示される技法を適用するために使用されることができる、1つの考慮されるマルチチャンバ型加工装置411を示す。一般的に言えば、描写される装置411は、移送モジュール413、印刷モジュール415、および処理モジュール417を含む、いくつかの一般的モジュールまたはサブシステムを含む。各モジュールは、印刷が、例えば、第1の制御された雰囲気内の印刷モジュール415および他の処理によって実施されることができ、例えば、(例えば、印刷された材料のための)無機カプセル化層堆積等の別の堆積プロセスまたは硬化プロセスが、第2の制御された雰囲気内で実施されることができるように、制御された環境を維持する。これらの雰囲気は、所望される場合、同一であり得る。装置411は、1つ以上の機械的ハンドラを使用し、基板を制御されていない雰囲気に暴露することなくモジュールの間で基板を移動させる。任意の所与のモジュール内で、そのモジュールのために実施される処理に適合される、他の基板取扱システムおよび/または具体的デバイスおよび制御システムを使用することが可能である。印刷モジュール415内で、議論されるように、機械的取扱は、上記で議論されるように、浮動式テーブル、グリッパ、および整合/微細誤差訂正機構の(制御された雰囲気内の)使用を含むことができる。
【0097】
移送モジュール413の種々の実施形態は、入力ロードロック419(すなわち、制御された雰囲気を維持しながら、異なる環境の間で緩衝を提供するチャンバ)と、移送チャンバ421(基板を輸送するためのハンドラも有する)と、雰囲気緩衝チャンバ423とを含むことができる。印刷モジュール415内で、印刷プロセス中の基板の安定した支持のために浮動式テーブル等の他の基板取扱機構を使用することが可能である。加えて、xyz運動システム(分割軸またはガントリ運動システム等)が、基板を再配置する、および/またはプリンタに再整合させるため、基板に対する少なくとも1つのプリントヘッドの精密な位置付けを提供するため、および印刷モジュール415を通した基板の輸送のためのy軸運搬システムを提供するために、使用されることができる。また、例えば、2つの異なるタイプの堆積プロセスが、制御された雰囲気の中の印刷モジュール内で実施されることができるように、例えば、個別のプリントヘッドアセンブリを使用して、印刷のために複数のインクを使用することも印刷チャンバ内で可能である。印刷モジュール415は、非反応性雰囲気(例えば、窒素または希ガス)を導入し、別様に環境調整(例えば、温度および圧力、ガス構成および粒子状物質の存在)のために雰囲気を制御するための手段とともに、インクジェット印刷システムを収納するガスエンクロージャ425を備えることができる。
【0098】
処理モジュール417の種々の実施形態は、例えば、移送チャンバ426を含むことができ、本移送チャンバはまた、基板を輸送するためのハンドラも含む。加えて、処理モジュールはまた、出力ロードロック427と、窒素スタックバッファ428と、硬化チャンバ429を含むこともできる。いくつかの用途では、硬化チャンバは、モノマーフィルムを一様なポリマーフィルムに硬化、焼成、または乾燥させるために使用されることができる。例えば、2つの具体的に考慮されるプロセスは、加熱プロセスと、紫外線放射硬化プロセスとを含む。
【0099】
1つの用途では、装置411は、液晶ディスプレイ画面またはOLEDディスプレイ画面の大量生産、例えば、単一の大型基板上で一度に(例えば)8つの画面のアレイの加工のために適合される。装置411は、一連の基板が連続して処理され、1つの基板が上に印刷され、次いで、硬化のために前進される一方で、一連の中の第2の基板が印刷モジュール415の中に同時に導入されるように、アセンブリライン型プロセスをサポートすることができる。一実施例で製造される画面は、テレビに、および他の形態の電子デバイス用のディスプレイ画面として使用されることができる。第2の用途では、本装置は、ほぼ同一の様式で太陽電池パネルの大量生産に使用されることができる。
【0100】
印刷モジュール415は、有利なこととして、OLEDディスプレイデバイスの敏感な要素を保護することに役立つ、有機発光層またはカプセル化層を堆積させるために、そのような用途で使用されることができる。例えば、描写される装置411は、基板を装填されることができ、カプセル化プロセス中に制御されていない雰囲気への暴露によって途切れない様式で、種々のチャンバの間に基板を移動させるように制御されることができる。基板は、入力ロードロック419を介して装填されることができる。移送モジュール413の中に位置付けられるハンドラは、入力ロードロック419から印刷モジュール415まで基板を移動させることができ、印刷プロセスの完了後、硬化のために基板を処理モジュール417に移動させることができる。それぞれ制御された厚さの後続の層の繰り返しの堆積によって、凝集カプセル化が、任意の所望の用途に適するように蓄積されることができる。再度、上記で説明される技法は、カプセル化プロセスに限定されず、また、多くの異なるタイプのツールが使用され得ることに留意されたい。例えば、装置411の構成は、異なる並置で種々のモジュール413、415、および417を設置するように変動されることができ、また、付加的なより少ないまたは異なるモジュールもまた、使用されることができる。一実施形態では、描写される装置411は、潜在的に(例えば、異なる
プロセスを介して)所望の製品の他の層を生産するように、他のモジュールおよび/またはシステムと結び付けられることができる。一連の中の第1の基板が完成した(例えば、問題になっている層を形成するであろう材料を堆積させるように処理された)とき、一連の基板の中の別の基板が、次いで、導入され、同一の様式で、例えば、同一のレシピに従って、処理される。
【0101】
図4Bは、連結されたチャンバまたは加工構成要素のセットの一実施例を提供するが、明らかに他の可能性も存在する。上記で導入される技法は、
図4Bで描写されるデバイスとともに、または実際に、任意の他のタイプの堆積機器によって実施される加工プロセスを制御するために、使用されることができる。
【0102】
いったん印刷が終了すると、基板および湿潤インク(すなわち、堆積液体)は、次いで、恒久層への堆積液体の硬化または処理のために輸送されることができる。例えば、基板は、全て制御された雰囲気(すなわち、有利なこととして、湿気、酸素、または粒子状物質汚染を阻止するために使用される)を破壊することなく、印刷モジュール415の中で適用され、次いで、硬化チャンバ429に輸送される、「インク」を有することができる。異なる実施形態では、紫外線スキャナまたは他の処理機構が、原位置で使用されることができ、例えば、前述のプリントヘッド/カメラアセンブリとほぼ同一の様式で、分割軸トラベラ上で使用される。
【0103】
図4Cは、概して、数字431を使用して指定されている一連のステップとともに、システム整合に関する別のフローチャートを提供する。本方法は、数字432による、システム初期化から始まる。例えば、本初期化は、各電源投入時に、またはアドホックに(例えば、オペレータコマンド)または周期的基準で実施されることができる。整合/検出動作433が、その後、例えば、原点または共通参照点として共通点を識別するように、かつ本点および各輸送経路と関連付けられる位置フィードバック(および位置インジケータ)によって確立される座標参照系内で各ノズルの精密な位置を識別するように、種々の運搬経路に関して実施される。図の左側において示されるように、本動作(またはシステム初期化)が、例えば、保守動作後に、所望される場合に実施されることができ、プリントヘッドまたは他のシステム構成要素の変化をもたらす(例えば、プリンタの座標参照系に対する異なる場所においてノズルをもたらし得る)。数字434は、典型的プリントヘッドアセンブリ構成、すなわち、アセンブリが9つのプリントヘッドを搭載する構成を表すことに留意されたい(これは、1つの大型アセンブリまたはいくつかのサブアセンブリ、例えば、交互配置構成で3つのプリントヘッドをそれぞれ搭載する、3つの「インクスティック」であってもよい)。一実施形態では、プリントヘッドあたり256~1,024個のノズルが存在し得る。
【0104】
整合手順について詳述すると、米国仮出願第62/459402号によって説明されるように、取外可能光学レチクルが、プリントヘッドアセンブリの「下向きの」カメラを伴って既知の位置に(例えば、同軸上に)取り付けられることができ、グリッパおよびプリントヘッドは両方とも、本カメラおよびグリッパに搭載された「上向きの」カメラが相互を「見出す」まで、それらの輸送経路に沿って連動される(すなわち、それらは両方とも、レチクルを撮像し、例えば、各カメラ画像がレチクルまたは直接的に関連付けられる捕捉画像の中にある照準線の関連付けられるセットを見出すまで位置付けられる)。本点は、次いで、数字435によって表されるように、座標参照系の共通参照点または原点を画定するために使用されることができる。各輸送軸は、次いで、これらのカメラのうちの1つが他方の運搬システムと関連付けられる基準を撮像するように移動される。例えば、数字437により、グリッパおよびプリントヘッド運搬システムは、グリッパの「上向きの」カメラがプリントヘッドの基準または整合マークを見出し、検索アルゴリズムを使用して、各印刷ノズルの中心点を精密に位置付けるまで連動される。その個別の輸送経路に沿
った(例えば、光学テープからの整合マークによって促進される精密な位置設置を観察した)、各運動システム、すなわち、グリッパ/プリントヘッドアセンブリの位置は、次いで、プリンタの座標参照系内の本基準または整合マークの精密な画定等を可能にする。各ノズルは、プリンタの座標参照系の観点から精密に画定されることができ、液滴が放出される場所に対する正確な制御を可能にする。誤差の他の潜在的な原因、例えば、輸送軸の間の意図しない非直交性に対して、本誤差は、付加的基準または整合マークを使用して検出されることができる(例えば、プリンタ支持テーブルと関連付けられる固定基準が、数字439により、一方または両方のカメラによって撮像され、関連付けられる調節が、座標参照系、光学ガイドシステム、またはレシピに行われる)、または代替として、光学ガイド/レーザが、精密な整合および直交性が達成されるまで、数字440により、手動または電子較正プロセスの一部として調節されることができる。
【0105】
随意に、そのような較正プロセスは、周期的に、またはシステムパラメータが変更される、例えば、新たなプリントヘッドが導入されるときはいつでも、実施されることができ、潜在的に、プリンタの座標参照系に対して以前から既知の場所でノズルを導入する。
【0106】
実行時間中に、一連の基板の中の各基板の導入は、(プリンタに対して)印刷が起こるはずである場所と(基板に対して)印刷が起こる場所との間の意図しない不整合を潜在的に導入し得る。各基板は、したがって、数字441により、位置および/または配向検出プロセスを受け、関連付けられる誤差が、電子印刷詳細に、または(印刷が、基板基準に対して精密に位置合わせして、かつこれらの基準に対して同様に精密に位置合わせしている基板上に堆積される他の層に対して、起こるように)層の印刷のために所与の基板を再配置するように、組み入れられる。数字442により、一連の中の各所与の基板が印刷モジュール(例えば、
図4Bからの415)の中に導入されると、これは最初に、1つ以上のバンカおよび/または機械的ハンドラを使用して、大まかに整合される。所与の基板およびその関連付けられる基準がほぼ正しい位置にあると、撮像システム(プリントヘッドアセンブリによって搭載される「下向きの」カメラシステム等)が、次いで、数字443により、1つ以上の基板基準を精密に見出すために、検索アルゴリズムおよび好適な画像処理を使用して、採用される。例えば、本検出は、精密な基準位置および/または配向が検出されるまで、基準期待位置について検索する螺旋検索パターンまたは類似検索パターンを使用して、実施されることができる。一連の随意および/または代替的訂正プロセスが、次いで、基板を精密に位置付ける、および/または再配置するように、採用されることができる。例えば、プロセスボックス445によって様々に示されるように、一実施形態では、前述の変換器は、精密な基板位置付けを提供するように駆動されることができる(例えば、グリッパの「第2の構成要素」の真空ロックは、調節されないが、変換器は、基板基準が正確に正しい開始位置および配向を有するまで、共通駆動モードおよび/または差分駆動モードで連動される)。本基板位置/配向に対応する変換器位置は、次いで、ゼロレベルまたは位置として使用されることができ、(生産中の)誤差訂正が、次いで、その上に重畳される、または別様にこれらの位置に対して画定される。代替として、または加えて、機械的ハンドラが、必要に応じて基板を再配置するために使用されることができる。なおも別の代替物として、レシピは、整合誤差を訂正するように、米国特許公開第20150298153号で開示されるようにソフトウェアにおいて調節されることができる(例えば、既に参照されたように、グリッパおよび/またはプリントヘッド運搬システムと関連付けられる変換器に関して残された再現可能誤差の訂正を伴う)。数字445により、印刷は、次いで、所望の印刷レシピに従って起こる。印刷後、印刷されたばかりの基板が、硬化のために装填解除される(例えば、処理チャンバに輸送される)一方で、システムは、ロボットまたは人間の指図の下で新しい基板を受容する、または受容する準備をする。
【0107】
図5は、参照番号501によって集合的に指定される、いくつかの異なる実装層を表す
。これらの層のそれぞれ1つは、本明細書で導入される技法の可能性として考えられる別個の実装を表す。第1に、本開示で導入されるような技法は、グラフィック503によって表されるように、非一過性の機械可読媒体上に記憶された命令(例えば、コンピュータまたはプリンタを制御するための実行可能命令またはソフトウェア)の形態をとることができる。第2に、コンピュータアイコン505により、これらの技法はまた、随意に、例えば、販売または他の製品での使用のための構成要素を設計または製造する企業内のコンピュータまたはネットワークの一部として、実装されることもできる。第3に、記憶媒体グラフィック507を使用して例示されるように、既に導入された技法は、例えば、作用されたときに、上記の議論により、整合誤差を軽減する異なるインク体積または位置の使用に依存して、プリンタに構成要素の1つ以上の層を加工させるであろう、データとして、記憶されたプリンタ制御命令の形態をとることができる。プリンタ命令は、例えば、LANを経由して、プリンタに直接伝送され得ることに留意されたい。これに関連して、記憶媒体グラフィックは、(限定ではないが)コンピュータまたはプリンタの内側にある、またはそれにアクセス可能なRAM、またはフラッシュドライブ等の携帯用媒体を表すことができる。第4に、加工デバイスアイコン509によって表されるように、上記で導入される技法は、加工装置または機械の一部として、またはそのような装置または機械内のプリンタの形態で実装されることができる。加工デバイス509の特定の描写は、例えば、
図4Bに関連して議論されるように、1つの例示的プリンタデバイスを表すことが留意される。上記で導入される技法はまた、製造された構成要素のアセンブリとして具現化されることもできる。例えば、
図5では、いくつかのそのような構成要素は、分離され、最終消費者製品に組み込むために販売されるであろう、半完成フラットパネルデバイスのアレイ511の形態で描写されている。描写されるデバイスは、例えば、上記で導入される方法に依存して加工される、1つ以上の発光層またはカプセル化層または他の層を有してもよい。上記で導入される技法はまた、参照されるような最終消費者製品の形態で、例えば、携帯用デジタルデバイス513(例えば、電子パッドまたはスマートフォン等)用のディスプレイ画面の形態で、テレビディスプレイ画面515(例えば、OLED TV)、太陽電池パネル517、または他のタイプのデバイスとして、具現化されることもできる。
【0108】
このように位置誤差の原因および関連付けられる改善策について詳細に議論してきたが、本開示はここで、具体的加工装置のより詳細な実施形態の議論に取り掛かるであろう。
【0109】
III.具体的実装
図6A-6Eは、OLEDディスプレイまたは太陽電池パネルの製造に適用されるような、具体的プリンタ実装について議論するために使用される。製品設計に応じて、これらの図で見られるプリンタは、基板上の一度に沢山の製品(例えば、
図4Aからの基板411上の個々の配列された製品によって概念的に表されるような、おそらく一度に何百もの多くのスマートフォンまたは他の携帯用デバイスディスプレイ)のための層または
図4AからのHDTV415または太陽電池パネル417のディスプレイ画面等の基板あたり単一の製品のための層を堆積させるために、使用されることができる。多くの他の例示的用途が、当業者に明白となろう。
【0110】
より具体的には、
図6Aは、基板上の具体的場所の上へのインク滴の確実な設置を可能にするように動作する、いくつかの構成要素を有するものとしてプリンタ601を示す。図示されるシステムにおける印刷は、各プリントヘッドアセンブリと基板との間の相対運動を要求する。これは、運動システム、典型的には、ガントリまたは分割軸システムを用いて達成されることができる。プリントヘッドアセンブリが、静止基板にわたって移動することができる(ガントリ型)か、またはプリントヘッドアセンブリおよび基板が両方とも、分割軸構成の場合に移動することができるかのいずれかである。別の実施形態では、プリントヘッドアセンブリが、実質的に静止し得る一方で、基板は、プリントヘッドに対してxおよびy軸の両方に沿って移動される。
【0111】
プリンタは、プリンタ支持テーブル603と、ブリッジ605とを備える。プリンタ支持テーブル603が、フレーム604によって搭載される平面状浮動式支持表面を使用して、基板(基板609等)を輸送するために使用される一方で、ブリッジ605は、いくつかのプリントヘッドおよび種々の支持ツール、例えば、光学検査ツール、硬化デバイス等の輸送に使用される。前述のように、グリッパ(例えば、本図では見られない真空グリッパ)が、(例えば、本明細書の他の場所では「y」次元(例えば、次元凡例602を参照)と称されるものの中で)基板を運搬するための「高速軸」を提供する一方で、ブリッジは、1つ以上のプリントヘッドアセンブリ611Aおよび611Bが「低速軸」に沿ったブリッジ605に沿って前後に移動することを可能にする。印刷を達成するために、プリントヘッドアセンブリ(例えば、一次アセンブリ611A)が、ブリッジに沿った好適な位置に位置付けられるであろう一方で、真空グリッパは、「y」次元に沿って略線形様式で基板を移動させ、第1のスキャンまたはラスタを提供する。プリントヘッドアセンブリ611Aまたは611Bは、次いで、典型的には、ブリッジ605に沿って異なる位置まで移動されて停止され、真空グリッパが、次いで、新しいプリントヘッドアセンブリ位置の下で反対方向に戻るように基板609を移動させ、その後に続くスキャンまたはラスタ等を提供する。
【0112】
プリンタ支持テーブル603は、平面状浮動式支持表面を提供する多孔質媒体を有することができる。平面状浮動式支持表面は、それぞれ、数字606-608を使用して指定される、入力ゾーン、印刷ゾーン、および出力ゾーンを含む。基板609は、印刷される準備ができている、入力ゾーン606の中で描写される。ガス陽圧および真空の組み合わせは、ポートの配列を通して、または支持テーブルによって提供される分散型多孔質媒体を使用して、適用されることができる。圧力および真空制御の両方を有する、そのようなゾーンは、浮動式テーブル表面と各基板609との間に流体ばねを提供するために効果的に使用されることができる。陽圧および真空制御の組み合わせは、双方向剛性を伴う流体ばねを提供することができる。基板609と浮動式テーブルの表面との間に存在する間隙は、「飛行高度」と称されることができ、本高度は、陽圧および真空ポート状態を制御することによって調整される。このようにして、基板のz軸高度は、限定ではないが、印刷ゾーン607の中を含む、プリンタ支持テーブルの種々の部分において慎重に制御されることができる。いくつかの実施形態では、ピンまたはフレーム等の機械的保定技法が、基板がガスクッションによって支持されている間に基板の側方平行移動を制限するために使用されることができる。そのような保定技法は、基板が保定されている間に基板の側面に入射する瞬発力を低減させるため等に、ばね荷重構造を使用するステップを含むことができる。これは、側方に平行移動する基板と保定手段との間の高い力の衝撃が、基板の欠けまたは壊滅的な破損を潜在的に引き起こし得るため、有益であり得る。プリンタ支持テーブルの他の領域において、飛行高度は、例えば、入力ゾーンまたは出力ゾーン606および608内では、それほど精密に制御される必要がない、または異なる飛行高度または飛行高度プロファイルを提供するように制御されることができる。圧力対真空ノズルの比が徐々に増加または減少する場所等の領域の間の「遷移ゾーン」が、提供されることができる。例証的実施例では、公差内で3つのゾーンが本質的に1つの平面内に位置することができるように、圧力・真空ゾーン、遷移ゾーン、および圧力のみのゾーンの間に本質的に一様な高度が存在し得る。他の場所の圧力のみのゾーンにわたる基板の飛行高度は、基板が圧力のみのゾーン内でプリンタ支持テーブルと衝突しないように、十分な高度を可能にすること等のために、圧力・真空ゾーンにわたる基板の飛行高度よりも大きくあり得る。例証的実施例では、OLEDパネル基板は、圧力のみのゾーンの上方の約150ミクロン(μ)~約300μ、次いで、圧力・真空ゾーンの上方の約30μ~約50μの飛行高度を有することができる。例証的実施例では、プリンタ支持テーブル603または他の加工装置の1つ以上の部分は、NewWay Air Bearing(Aston, Pennsylvania, United States of America)によって提供される空気軸受アセンブリを含むことができる。基板609の全体を占有するように規定される物理的次元、またはディスプレイ領域またはディスプレイ領域の外側の領域等の基板の規定領域を有するもの等の多孔質媒体が、Nano TEM Co., Ltd.(Niigata, Japan)等から入手されることができる。そのような多孔質媒体は、ムラまたは他の可視欠陥形成を低減または排除しながら、規定面積にわたって所望の加圧ガス流を提供するように規定される細孔径を含むことができる。
【0113】
図6Aの実施例では、ハンドラまたは他の運搬システム(図示せず)は、各基板609をプリンタ支持テーブル603の入力領域606に送達する。真空グリッパは、基板609に係合し、それを入力ゾーン606から印刷ゾーン607の中へ輸送し、次いで、印刷のために基板を前後に移動させ、特定のレシピに従って、プリンタの高速軸に沿って個別の「ほぼ摩擦のない」低粒子生成高速スキャンを達成する。印刷が終了したとき、真空グリッパは、次いで、基板を出力ゾーン608に輸送し、そこで、機械的ハンドラが、基板を引き継ぎ、次の処理装置に運搬する。本時間中に、新しい基板が、入力ゾーン606の中で受容されることができ、真空グリッパは、次いで、新しい基板に係合するように、そのゾーンに戻るように輸送される。一実施形態では、インクの堆積液滴は、例えば、基板が出力ゾーンの中に留まることを可能にされる、短い静置または定着周期を介して、出力ゾーンの中でともに混合することを可能にされ、印刷および定着およびその後に続く硬化は、制御された環境内で(例えば、概して、窒素または希ガス雰囲気または他の非反応性環境内で)実施される。
【0114】
描写されるプリンタ601はまた、それぞれが、一方または両方のプリントヘッドアセンブリによるモジュール式係合のためのツール615-620、例えば、プリントヘッド、カメラ、「インクスティック」を格納し得る、1つ以上の保守または管理ベイ612Aおよび612Bを含むこともできる。同様に、一実施形態では、これらのベイは、随意に、同一の封入空間(エンクロージャ容積)または第2の容積内で、液滴測定モジュール、パージベイスンモジュール、ブロッタモジュール等の他の構成要素との相互作用のために構成される。一実施形態では、プリントヘッドアセンブリは、数字622によって表されるように、3つの「インクスティック」を同時に搭載することができ、各「インクスティック」は、3つのプリントヘッドを支持し、かつプリントヘッドアセンブリとのモジュール式係合のために適合される様式で流体接触および回路接触を支持する。インク送達システム(
図6Aでは個別に示されていない)は、1つ以上のインクリザーバと、リザーバとプリントヘッドアセンブリのうちの1つ以上のものの間でインクを運搬するインク供給管類と、好適な制御回路とを備える一方で、運動システム(同様に
図6Aでは個別に示されていない)は、サブシステムマスタプロセッサおよび制御システム等の電子制御要素と、グリッパおよびプリントヘッドアセンブリのための作動要素と、好適な制御コードとを備える。
【0115】
プリントヘッドアセンブリ611A/611Bはそれぞれ、ブリッジに沿って(すなわち、トラックまたはガイド上に)乗設するトラベラ623A/623Bと、各支持ベイ612A/612Bを用いて、所望に応じてモジュール式基準で、ロボット式にインクスティックまたは他のツールに係合および係脱するように、ブリッジの前面625A/625Bに近接して搭載される、係合機構624A/624Bとを備える。各プリントヘッドアセンブリ(611A/611B)は、それがブリッジ605に沿って移動することを可能にするように、線形空気軸受運動システム(本質的に低粒子生成である)または他の線形運動システムによって支持される。各プリントヘッドアセンブリは、少なくとも1つのプリントヘッドへの流体接続および電子接続を伴い、各プリントヘッドは、制御されたレート、速度、およびサイズにおいてインクを放出することが可能な何百から何千ものノズルを有する。一例証的実施例を提供すると、プリントヘッドアセンブリは、約1~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、約1~90個のプリントヘッドを有することができ、各プリントヘッドは、設計に応じて、約1~20ピコリットル(pL)の体積を有する液滴を放出することがそれぞれ可能な16~約2,048個のノズルを有する。前面625A/625Bはそれぞれ、基板の表面の上方の係合機構(したがって、プリントヘッドまたは他のツール)の高度を制御する、個別のz軸移動プレートを提供する。トラベラおよび係合機構は、プリントヘッドアセンブリに関して既に参照された「第1」および「第2の」構成要素としての役割を果たすことができ、例えば、これらの構成要素は、一実施形態では、x、y、およびz次元のそれぞれにおいて輸送されるツールのロボット式調節を可能にする、電気機械インターフェース(
図6Aでは見られない)によって結合される。この点に関して、既に参照された米国仮特許出願第62/459402号は、一般に、プリントヘッドおよびプリンタの座標参照系の種々の他の要素のz軸較正に関する詳細を提供する。電気機械インターフェースは、有利なこととして、ステッピングモータと、微調整ねじと、(a)関連係合機構に対する各ツールのx、yおよび/またはz搭載、および(b)個別のツールの間のピッチ(例えば、インクスティックの間のピッチ)を調節するための他の機構とを含むことができる。加えて、各ツールはまた、例えば、各インクスティックによって担持される複数のプリントヘッドの間のピッチ調節のための種々の微調整機構を含むこともできる。電気機械インターフェースは、随意に、係合機構に対する各ツールの精密な位置調節のためのフィードバックを提供するように構成される、ロボット式調節機構とともに、各次元内の意図された位置の1ミクロン以内に各ツールを再現可能かつ確実に係合するための運動学的マウントまたは類似マウントを含むことができる。
【0116】
電気機械インターフェースはまた、有利なこととして、既に参照されたような変換器のセットを含み、例えば、関連付けられるトラベラ623A/623Bに対して「y」次元内で線形に係合機構624A/624Bをオフセットする。ここまでの議論から明白となるはずであるように、プリントヘッドのための「仮想直線状縁」を提供する変換器訂正機構の提供およびグリッパ(
図6Aでは見られない)のための別の「仮想直線状縁」を提供する変換器訂正機構の提供は、より「規則的」である印刷格子を促進し、例えば、印刷格子と関連付けられる精密な規則的間隔において一様な液滴設置を確実にすることに役立ち、それによって、層の一様性を助長する。
【0117】
明白となるはずであるように、描写される構造要素は、個別のボイスコイルアセンブリによる基板の共通モード変位を使用する基板x軸位置に対する制御、およびθ次元に関する基板の配向(すなわち、z軸に関する回転)に対する制御を可能にする。描写されるグリッパシステムの種々の実施形態は、実装に応じて、+/-4,300マイクロラジアンまたはそれ未満の範囲内に進行のy軸と平行な基板の配向を維持することができる。前述のように、プリントヘッド(プリントヘッドアセンブリ)位置および配向における偏差にさらに合致するように基板位置を調節することも所望されるとき、共通モードx軸変位とともに配向に対する本制御、および基板のための浮動式枢動点の効果的な実装は、基板の精密な再配置を可能にし、基板運動およびトラベラ運動(例えば、プリントヘッド、カメラ等)毎に完全な仮想縁(またはガイド)をシミュレーションする。前述のように、真空グリッパおよびプリントヘッドアセンブリ/トラベラはそれぞれ、整合マークを検出するための、すなわち、関連付けられる輸送経路に沿ったグリッパまたはプリントヘッドアセンブリの場所を精密に示す電子位置信号を提供する、光学システム(図では見られない)も含む。
【0118】
観察されるはずであるように、基板の空気(気体)軸受支持と組み合わせたボイスコイルの使用、およびグリッパと基板との間の真空ベースの係合は、基板の輸送および位置の微調整の両方のための摩擦のない効果的な機構のための効率的な機構を提供する。本構造は、電子構成要素加工中に(例えば、層堆積および/または硬化中に)基板との接触を最小限にした相互作用を維持することに役立ち、これは、基板変形、接触によって誘発される局所的基板温度変動、または静電エネルギー蓄積等の他の影響の結果として別様に生じ得る、歪曲および欠陥を回避することに役立つ。同時に、ほぼ摩擦のない支持および変換器システムは、組み合わせで、基板位置の微調整を実施するために使用されるミクロン規模またはより良好なスローを提供することに役立つ。これらの構造は、既に参照されたような機械的欠陥にもかかわらず、かつ堆積標的としての役割を果たす基板がメートル長およびメートル幅であり得るにもかかわらず、1つ以上の「仮想輸送経路」を取得するために必要である精密な基板訂正を実施することに役立つ。ボイスコイルはまた、例えば、実装に応じて(例えば、問題になっているシステムが、その製造公差を考慮して、本規模のジッタを受けるときに)重要であり得る、サブミクロンから100ミクロン以上の、比較的大きいスローを提供するように構成されることもできる。
【0119】
図6Bは、付加的詳細で真空グリッパ631を示す。真空グリッパ631は、再度、第1の構成要素633(図では見られない、y軸キャリッジの上に乗設する)と、基板に係合する第2の構成要素635と、2つの線形変換器637および639とを備える。描写されるように、第2の構成要素は、両方がグリッパの輸送方向に沿って(例えば、凡例632によって描写される「y次元」に沿って)前進されるにつれて、第1の構成要素の上方に垂直に位置し、第2の構成要素は、基板に選択的に係合するために使用される真空チャック643を支持することに留意されたい。仮想枢動点の使用を前提とする先の実施例と異なり、本実施例はさらに、グリッパがy次元に沿って前進されるにつれて、第1および第2の構成要素633/635の間に機械的リンケージを提供し、線形変換器がボイスコイルとして具現化される実施形態のための構造支持を提供することに役立つ、浮動式機械的枢動アセンブリまたは機構641を含む。浮動式枢動機構は、枢動シャフト651と、アセンブリ上部プレート653(グリッパの第2の構成要素635に搭載される)と、グリッパの第1の構成要素633によって提供される支持フレーム644に対してレール上で移動するx軸摺動下部プレート655とを含む。アセンブリ上部プレートは、好ましくは、撓曲を提供し、例えば、基板および浮動式テーブルに対してグリッパの第2の構成要素の水平化を可能にするように、比較的薄い材料で作製され、搭載ブラケット656を使用して第2のグリッパの第2の構成要素に堅く固定される。簡潔に述べると、構成要素633がy次元に沿って前進されると、浮動式機械的枢動機構641は、これらの構成要素633/635の間のx軸摺動相互作用および浮動式枢動軸649に関する回転を可能にしながら、y次元に沿って同様に前進するように構成要素635を制約する。
【0120】
浮動式枢動点は、前述で議論されたように、変換器637および639の差分または共通モード駆動を可能にする。これらの種々の運動はさらに、運動矢印のセット645/647によって表される。一般的に言えば、各変換器は、搭載ブロック657(例えば、グリッパの第1の構成要素のフレーム644に対して搭載される)および搭載プレート661(グリッパの第2の構成要素に搭載される)を結合し、線形アクチュエータ659が、搭載ブロックおよび搭載プレートを結合し、x軸に沿って精密な変位を提供する。鎖線の輪郭663および665によって表されるように、変換器637/639および浮動式機械的枢動機構641の設計は、
図6Cおよび6Dに関連してさらに詳細に示され、議論されるであろう。
【0121】
図6Bはまた、グリッパの種々の構成要素に対する光学ガイド667の位置付けも図示する。本設計では、光のビームは、グリッパのオフセット可能構成要素(635)の頂面の上方にあるが、基板によって占有される平面の下方にある。そのような構成は、適切な整合の目的のために光学構成要素を調節する目的のためのアクセスの容易性を助長する。代替実施形態では、光学ガイド(すなわち、本実施例では光のビーム)は、グリッパの第1および第2の構成要素633/655の間の空洞内に指向されることができ、したがって、ビームが、例えば、数字667’によって表されるように、そのような代替実施形態では本特定の場所で図から隠され得ることを表すように、ビームがグリッパを横断する半鎖線で見られる。変換器毎のビームスプリッタ668もまた、グリッパの第2の構成要素635に搭載され、光学ガイドから数字669によって表される変換器毎の検出器までレーザ光を再指向するために使用される。変換器毎のビームスプリッタおよび/または検出器668/669の設計は、有利なこととして、例えば、グリッパの第2の構成要素が前もって整合された光学ガイド(667)に対して理想的に位置付けられるときに、検出器がゼロ誤差を読み取るように、ビームスプリッタおよび/または検出器が整合されることができるように、それぞれを調節する調節ねじを特徴とする。これらの種々の要素はまた、一実施形態では、基板によって占有される平面の下方であるが、グリッパのオフセット可能構成要素635の頂面に搭載される。代替実施形態では、これらの要素は、他の場所に(例えば、構成要素633と635との間に、すなわち、図から隠される様式で、構成要素635の頂面の下に)搭載されることができる。ビームスプリッタ、検出器、および調節ねじはそれぞれ、有利なこととして、本較正の目的のためにオフライン調節を可能にするように、(例えば、ねじ回しまたは他のツールを使用して)アクセス可能であるように位置付けられる。代替実施形態では、適切なビームスプリッタおよび/または検出器整合が、検出されることができる、または不整合が検出され、他の方法で訂正プロセスに組み入れられることができる。例えば、一実施形態では、試験基板が、導入されることができ、試験基板上の基準が、複数の場所で撮像されることができ、不整合光ビーム、ビームスプリッタ、および/または検出器は、記憶され、実行時間において誤差訂正プロセスに組み入れられる、異なる輸送経路前進位置において読取値を有することができ、変換器訂正信号は、例えば、不整合光学ガイドまたは関連付けられる光学構成要素の読取値への事前プログラムされた調節に基づいて、グリッパの第2の構成要素が理想的に進行するように、実行時間において効果的に「歪んでいる」。また、種々の他の実施形態では、光学構成要素は、異なるように構成され得る、例えば、検出器は、グリッパとは別個に搭載され得る、および/または光源は、輸送される構成要素に搭載され得る、および/または種々の構成要素は、他の場所で搭載され得ることが、指摘されなければならない。
【0122】
着目すべきこととして、
図6Bはまた、前述のように、プリンタの座標参照系を画定するように、かつ種々のプリントヘッドアセンブリ構成要素(例えば、プリンタの座標参照系の観点から、図に示されていない、精密なプリントヘッドノズル位置およびプリントヘッドアセンブリカメラ)の相対距離および位置を識別するように、真空グリッパおよびプリントヘッドアセンブリ(図示せず)を整合させる目的のために、(
図1で光学円錐として表される)焦点経路669を介して基準を撮像するために使用される、「上向きの」カメラ670も示す。
【0123】
図6Cは、
図6Bからの線形変換器637の拡大図を示す。再度、他方の変換器(
図6Bの数字639によって指定される)は、変換器637と設計が略同一または対称である。
【0124】
より具体的には、線形変換器は、本実施例では、空気軸受上で支持されるグリッパの第1および第2の構成要素633/635を伴うボイスコイル設計を前提とする。ボイスコイルは、二重矢印645の一般的方向に沿って第2の構成要素に対して第2の構成要素(例えば、真空チャックバーおよび基板)の変位を可能にするように、円筒形筐体659内に含有される。調節プレート670は、有利なこととして、x次元軸(
図6Bの次元凡例632参照)に沿って第2の構成要素を線形に移動させるように、これら2つの構成要素の間としての変換器xyz配向の微調整を可能にする。再度、これは、低頻度で調節および/または較正される、手動で調節可能なねじの構成を提供されることができる。本実施形態におけるボイスコイルは、高速の正確な微視的スローを提供し、電子制御信号に応じて、すなわち、再度、二重矢印645の方向に、搭載ブロック657に向かって、そしてそこから離れるように、搭載プレート661を変位させる、磁石ベースの設計を有する。
【0125】
図6Dは、
図6Bからの浮動式機械的枢動機構641を示す。前述のように、アセンブリ上部プレート653は、枢動軸649に関するアセンブリ上部プレート(およびグリッパの第2の構成要素および真空チャック)の枢動を可能にするブッシングを担持する。本軸は、z次元と平行に垂直方向下向きに延在し、x軸摺動下部プレート655に結合する、枢動シャフト651によって画定される。図では見られないが、x軸摺動下部プレート655は、一般的に、構成要素633(および支持フレーム644)に対して、アセンブリ上部プレート653、枢動シャフト651、真空チャック643、およびグリッパの第2の構成要素635の比較的摩擦のないx軸変位を可能にし、その一方で同時に、y次元内でともに移動するようにこれら2つの構成要素633/635を制約するように、レールによって(支持フレーム644を介して)グリッパの第1の構成要素に結合される。本構造は、浮動式枢動点のための機械的支持を提供し、共通モードおよび差分モードのボイスコイル変位が、矢印673および回転矢印675の方向に沿って第2の構成要素の誤差軽減オフセットをそれぞれ提供するために使用される。浮動式枢動点は、全ての実施形態に要求されるわけではなく、例えば、変換器が十分な出力インピーダンスを提供する実施形態では、機械的枢動機構が潜在的に省略され得ることに留意されたい。機械的支持構造が使用されるかどうかにかかわらず、浮動式枢動点は、有利なこととして、x次元およびθ次元内で基板を再配置し、したがって、「直線状縁」の理想的輸送経路を近似するように、複数の変換器に対する共通モードおよび差分モード制御を可能にする。種々の修正および同等物が、疑いなく当業者に想起されるであろう。
【0126】
図6Eは、
図6B-6Dによって表される枢動機構の要素を図示する、概略
図681を提供する。より具体的には、本図はここで、x軸摺動下部プレート655の両側に軸受685を効果的に提供し、その構造(およびその上方で支持される全て)が図面ページの中および外に乗設することを可能にする、線形x軸レール683を図示する。同時に、アセンブリ上部プレート653は、枢動軸649を中心としてx軸摺動下部プレート655に対するそのプレートの自由回転を可能にするように、ブッシング686を搭載する。より具体的には、ブッシング686は、軸受689を支持し、本回転を可能にする。
図6Eはまた、グリッパの第2の構成要素635および変換器637/639に対してアセンブリ上部プレート653によって提供される撓曲を図示する。
【0127】
図6A-6Dで描写される変換器訂正機構が、グリッパアセンブリとの関連で例示されているが、同一の基本構造はまた、プリントヘッドアセンブリに(または各プリントヘッドアセンブリまたは他のツールキャリアに)使用されることもできる。具体的には、第1の構成要素が、気体軸受の上のトラック(またはx軸キャリッジアセンブリ)に乗設する一方で、プリントヘッド(または他のツール)を担持する第2の構成要素は、x軸位置(および/または他の要因、例えば、温度)に応じたその次元内の位置誤差に応じて、「y」および/または「z」次元内で変位される。所与の次元内の訂正に関して、2つの変換器が、基板に対するプリントヘッドの相対位置においてyおよびθ訂正の両方(またはzおよびxz面角度訂正)を達成し、そうする際に、プリントヘッドに仮想直線状縁経路を辿らせるために、仮想または浮動式枢動点とともに再び使用される。随意に、2つのそのような訂正機構をともに使用して、それぞれ、グリッパおよびプリントヘッド運搬システム毎に直線状縁経路を提供するために、液滴設置にわたってさらなる精度を提供する、非常に精密な規則的印刷格子を効果的に提供し得る。プリントヘッドのZ軸調節はまた、基板表面に対するプリントヘッドオリフィスプレートの高度の訂正を提供し、それによって、高度差を管理し、向上した精度も有するように、類似設計の変換器ベースの運動訂正システムを使用して制御されることもできる。他の自由度はまた、同様に訂正されてもよい。精密運動システム、特に、印刷/製造に使用される座標参照系が複数の輸送経路と効果的に関係している、プリンタベースの加工システムでは、本タイプの複数の訂正システムの使用が、液滴降着場所にわたる精度を向上させ、したがって、加工された層においてさらなる一様性を促進する。ひいては、これは、例えば、5ミクロンまたはそれ未満の厚さを有する、より薄い層を生産することをより容易にする。再び、上記で議論される設計が、印刷格子の規則性を向上させる目的のために、「仮想直線状縁」の使用を強調するが、全ての実施形態がそのように限定されるわけではなく、ほぼあらゆる所望の「理想的」経路が、本明細書で提供される教示を使用して近似され得ることに留意する必要がある。
【0128】
IV. 種々のユースケース、再検討
図7A-7Iは、上記で導入される技法に対するいくつかの具体的ユースケースを再検討するために使用される。
【0129】
より具体的には、
図7Aは、光学ガイド702がグリッパ703および基板704の直線状運動を確実にするために使用される、実施形態701を示す。描写される構造は、リアルタイムで実施される連続プロセスを実装する。ロボットグリッパ(図示せず)は、基板が運搬システム内で前進される際にそれを保持する。描写される実施形態では、光ビーム702(すなわち、レーザ源705によって生成されるビーム)は、理想的には、基板と平行のままであり、後者がシステムを通して前進される(これは、仮想直線状縁711によって表される)につれて、そこから一定の距離のままである。偏差が生じる程度に、ビーム702に対するグリッパの第2の構成要素の(線形位置における)オフセットおよび回転は、2つのレーザセンサ706A/706Bによって測定される。2つのレーザセンサからの経路偏差測定は、グリッパの第2の(オフセット可能)構成要素とビームとの間の「理想的」な関係を保つように、2つのアクチュエータ707A/707B(例えば、圧電変換器、ボイスコイル等)がビームに直交する方向に沿って(随意の機械的枢動アセンブリ708に関する)回転角709および線形位置710を調節することを可能にする。
【0130】
図7Bは、別の実施形態713を示すが、今回は、レーザ源および/または光学系714は、輸送されている「もの」と固定関係で搭載され、センサ715は、静止している。センサからの経時的な差分読取値は、例えば、回転誤差を検出および訂正するために使用されることができ、定常状態ビーム不整合は、ビーム716に直交する方向に輸送されているものの線形位置を検出および訂正するために使用されることができる。拡張鎖線717によって示されるように、本構成の1つの変形例は、ビームが線717に沿って輸送されるアイテムに指向され、所望の経路からの偏差の検出を可能にする方法で、オフセット可能構成要素に搭載された光学系714によってセンサに再指向されるように、静止しているレーザ源を特徴とする。多くの変形例が、当業者に想起され、例えば、光源または他の放射線源、ビーム、検出器等が位置偏差を検出するために使用される、任意の機構が考慮される。限定ではないが、他の実施形態では、レーザ源および検出器は両方とも、位置偏差の検出を助長する様式で、光学系(平坦または曲線ミラーまたはビームスプリッタ)がオフセット可能構成要素に対して固定された様式で搭載されている間に、静止し得る。いずれの設計が使用されようと、センサからの信号は、再度、ビームの整合を維持するように、アクチュエータ718A/718Bを指向するために使用される。
【0131】
図7Cは、例えば、意図された経路723に対する経路誤差722を検出および/または訂正するように、センサ720が光源721を較正するために使用される、実施形態719を示す。レーザ源の近傍のレーザセンサが、レーザビーム方向を光学的に測定するために使用される。レーザビーム方向が意図された経路723から逸脱する場合には、意図された経路が達成されるまで、レーザの位置および/またはそのビームの偏向が(電子制御信号の影響下で、手動で、および/または電子的に)調節される。例えば、一実施形態では、レーザマウントは、適切な整合が取得されるまで、レーザ源の傾斜および/または回転を調節するように、(処理回路725の影響下で)圧電(または他の)変換器または他の偏向手段724によって制御されることができる。有利なこととして、レーザセンサは、2次元内で経路偏差を検出し、数ミリ秒以内に応答を伴う自動制御ループを使用して、整合誤差の訂正を理想的に生じさせるように設計され得ることに留意されたい。また、好適なレーザセンサの設計は、当業者のレベル内であり、例えば、いくつかの実施形態では、ビームスプリッタおよび4セルセンサが、既に参照されたように、ビームを整合させるために使用され得ることにも留意されたい。限定ではないが、アナログ設計に基づくもの(例えば、アナログ出力が、位置または偏差に比例する電圧を用いて生成される)、凸面または凹面鏡およびビームスプリッタ、干渉法、および他の機構を含む、多くの好適な調節および感知機構が、光学の当業者に想起されるであろう。
【0132】
図7Dは、光源728が不適切に整合されている、別の実施形態727を示す。しかしながら、
図7Cの実施形態と異なり、誤った光学経路729と正しい光学経路730との間の偏差は、例えば、誤差を検出する第1のセンサ731および補償オフセットを実施するアクチュエータ732A/732Bを使用することによって、受動的かつ電子的に軽減される。これらのオフセットを制御する信号は、デジタルメモリ733の中に記憶され、システム動作中に読み出されることができる、または輸送されるオブジェクトが正しい経路730を辿るように、輸送経路位置に応じて動的訂正(第2のセンサ734A/734Bから実行時間において識別される)に別様に追加されることができる。
図7Dは、レーザビームの端部の近傍の左側に追加レーザ位置センサ731を示す。本センサは、センサ720(および
図7Cで表される関連付けられる能動レーザ姿勢制御)を除去することを可能にする。すなわち、レーザ整合誤差を能動的に訂正する代わりに、誤差は、追加レーザセンサ731によって測定され、2つの変換器を使用して(すなわち、基板位置に応じて、基板を移動させながら)訂正される。
【0133】
図7Eは、ゼロ標的制御ループを実装する実施形態735を示す。センサ736A/736Bは、(この場合、「照準線」737A/737Bとレーザ源739からのビーム738との間の偏差によって表される)1つ以上の次元内の所望の経路からの偏差を動的に検出する。処理電子機器740A/740Bは、ゼロ信号が規範である(「調節なし」)を示す)ように、センサからの出力を前処理する。本出力は、訂正が要求されるときに、すなわち、常に誤差をゼロに駆動するように、訂正信号を生成してフィードバックを駆動変換器742A/742Bに提供する、運動コントローラ(すなわち、プロセッサ実装ゼロ標的コントローラ)741に提供される。
図7Eは、レーザ整合誤差を訂正するために使用される方法を明示的に示さないが、限定ではないが、
図7Cに対して導入される能動制御方法または
図7Dによって表される変換器補償方法のいずれかが、本目的のために使用されることができ、他の方法も当業者に想起されるであろう。
【0134】
図7Fは、アクチュエータ746A/746Bが、輸送されるオブジェクト(例えば、グリッパ747および基板748)をビームまたは光学ガイド749に対してz軸高度の観点から常に水平に維持するように駆動される、実施形態745を示す。この場合、センサ750A/750Bは、光学ガイド749からのグリッパ(または他の運搬機構)の偏差を検出し、2つのアクチュエータ746A/746Bを駆動し、高度におけるジッタを均一化する、または別様に高度を精密に制御する(例えば、既に参照されたように、ゾーンに合致するため等に事前判定された高度プロファイルを維持する)。プロセッサベースの運動コントローラ751が、再度、本目的を支援するために使用されることができる。
【0135】
図7Gは、所与の輸送の方向に2つの平行運搬システム756A/756Bを使用する、実施形態755を示す。この場合、受容されている基板のサイズに起因するか、または製造プロセスの他の詳細に起因するかどうかにかかわらず、基板または他の輸送される要素758は、平行運搬経路に沿って複数の進行構成要素によって輸送されるものであると想定され、各運搬システム(すなわち、本実施例では2つの平行真空グリッパシステムのそれぞれ)が機械的ジッタおよび/または基板傾斜を回避するように正確に同期して制御されることが所望される。この目的で、平行運搬システム756A/756Bはそれぞれ、概して、本明細書に説明される実施形態のうちの1つにそれぞれ対応する、その独自の光学ガイドまたはビーム757A/757Bおよび変換器補償システム759A/759Bを有する。センサ対761A/761Bおよび762A/762Bは、1つが各運搬システム756A/756Bに対応する、2つのモータ(図示せず)を制御する、運動コントローラ回路763に信号を報告する。運搬システム756Bのうちの1つはまた、さらに第3の光学ガイド766を生成する、別の光源765(例えば、レーザ源)も搭載する一方で、他方の運搬システム756Aは、第3のセンサ767、例えば、前述のような4セル設計を搭載する。想像線で示されるように、5つのセンサ761A/761B/762A/762Bおよび767のそれぞれからの経路偏差信号は、平行運搬システム756A/756Bのそれぞれが正確に並行して前進されるように、モータの一方または両方を前進または後退させる、運動コントローラ回路にフィードされる。(例えば、側方変位および/または飛行高度制御毎に、xオフセットおよびz高度の両方を制御するように)複数の変換器訂正システムを使用する実施形態に関して、第3の光学ガイド766および第3のセンサからの信号は、第2のオフセット可能構成要素の間の(すなわち、本実施形態では各グリッパシステムの)高度差を検出するために使用されることができる。
図7C-Dと同様に、第3の光学ガイドと関連付けられる構成要素は、随意に、第3の光学ガイドが水平であり、平行運搬システム756A/756Bによって提供される輸送の方向に直交することを確実にするために、較正モードまたはプロセス中に使用される、構成要素をさらに含むことができる。
【0136】
図7Hは、直交輸送経路に使用される2つの運搬システム772および773がそれぞれ、それらの独自の個別のレーザ源774/775と、関連付けられる光学ガイド777/778および運動コントローラ780/781とを有する、実施形態771を示す。結果は、各運動コントローラ780/781が、個別の駆動信号またはコマンド信号782/783を、すなわち、絶対位置コマンドとして、受信し、システム座標参照系に対して適切な位置を確立することができるように、誤差が一般的システム運動制御に対して透過的に訂正されることである。
【0137】
図7Iは、2つの運搬システム788/789がそれぞれ、それらの独自のソース790/791と、センサ対792A/792Bおよび793A/793Bとを有するが、1つだけの運搬システムが運動ジッタを訂正するアクチュエータ794A/794Bを有する、実施形態787を示す。この場合、運動コントローラ795は、
図3Eの議論に関連して上記で導入されたように、アクチュエータ794A/794Bが他方の運搬システム788と関連付けられる誤差を補償するために駆動されるように、変換器制御信号796A/796Bを生成する。運搬システムおよび/または運搬システムの間の非直交性のいずれかに関する光学ガイドの整合の誤差等の非運動誤差もまた、既に導入されたように、訂正されることができる(本非直交性は、2つの描写される誤ったビーム経路797A/797Bによって表される)。各レーザ源790/791に送信される個別の訂正信号798A/798Bによって表されるように、一方または両方の光源は、例えば、レーザ経路を再整合させること、アクチュエータ794A/794Bに提供される訂正信号を調節すること等によって、非直交性を訂正するように、電子的に(または既に導入された随意の整合/較正技法のうちのいずれかを混合することによって)較正されることができる。
【0138】
種々のオプションおよびユースケースが上記で説明されているが、種々の技法およびオプションは、随意と見なされ、任意の順列または組み合わせで相互と混合および合致されることが可能であるはずであることに留意されたい。非限定的実施例として、
図7Hの実施形態では、ゼロ標的コントローラ(および
図7Eに示される実施形態に関連して上記で導入される、関連付けられる「照準線」センサ)を使用し得ることが可能である(かつ明示的に考慮される)。上記で議論される実施例のうちの1つ以上のものに類似する、他の組み合わせ、順列、および修正も、疑いなく当業者に明白となるであろう。
【0139】
V. オフセット可能運搬システム構成要素の多次元制御
上記のようなグリッパ誤差訂正システムの一実施形態は、運搬経路に直交する、および/または光学ガイドに直交する、複数の次元内で誤差を訂正することができる。上記で例示されるように、運搬システムが第1の平行移動軸に沿って(例えば、運動の「y」軸に沿って)輸送される構成要素を移動させる環境では、ボイスコイルまたは圧電変換器等の1つ以上のアクチュエータまたは変換器のセットが、第2の平行移動軸に沿って(例えば、運動の「x」軸に沿って)輸送される構成要素をオフセットするために使用されることができる一方で、ボイスコイルまたは圧電変換器等の1つ以上のアクチュエータまたは変換器のセットは、第3の平行移動軸に沿って(例えば、運動の「z」軸に沿って)輸送される構成要素(または別の構成要素)をオフセットするために使用されることができ、これらの軸のうちの3つ全ては、相互に直交する。別の実施形態では、3つ以上のアクチュエータは、その構成要素の均等化を促進するように、オフセット可能構成要素毎に使用されることができる。これらの種々の設計オプションは、
図8Aおよび8Bに関連して以下で議論されるであろう。
【0140】
図8Aは、変換器「T」の2つの異なるセットを使用し、2つ以上の次元内で誤差を訂正する、アセンブリ801の断面図である。より具体的には、運搬システムの第1のトラック誘導型構成要素803が、第1の進行の次元に沿って(すなわち、本実施例では、図面のページの中へ「y」軸に沿って)進行する一方で、第2のオフセット可能構成要素805は、第1の進行の次元に沿って第1の構成要素とともに進行するように制約される。描写されるアセンブリは、上記で議論されるグリッパ実施形態に関連して説明されるように同程度に、「x」軸に沿って第1の構成要素に対して第2の構成要素を変位させる変換器を有すると見なされる、セット807と、飛行高度を調節するように、「z」軸に沿って第1の構成要素に対して第2の構成要素を変位させる変換器を有すると見なされる、第2のセット809とを含む、2つの変換器セットを有する。本実施例では、第2の変換器セットは、随意に、「z」軸に沿って第2の構成要素805の自動平面均等化を可能にするように(すなわち、xzおよびyz面内の第2の構成要素の意図しない傾転を調節するように)、3つの変換器および関連付けられる接触点c1-c3を有すると見なされる。数字805’および破損したリンケージ806によって表されるように、第2の構成要素は、随意に、例えば、「z」軸に沿って相互からオフセット可能かつ「x」軸に沿って第1の構成要素からグループとしてオフセット可能であるように、2つ以上の構成要素として構造化されることができる。各変換器セットは、オフセット可能構成要素805が第1の構成要素803に対してxおよびz次元内で進行することを可能にしながら、「y」軸に沿って相互とともに移動するように構成要素803および805を構造的に制約するように、前述の浮動式枢動プレートアセンブリまたは構造支持類似物等の機械的リンケージ/支持構造(図では「M」と標識される)を含むと見なされる。
【0141】
図8Bは、変換器「T」の2つの異なるセットを使用し、2つ以上の次元内で誤差を訂正する、別のアセンブリ831の断面図である。本図では、第1の構成要素が、数字833によって表される一方で、第2のオフセット可能構成要素は、数字835によって表される。これらの構成要素はまた、本実施例では、矢印836の方向に(すなわち、「x」軸に沿って)相互から選択的にオフセット可能である一方で、「y」軸に沿ってともに進行するように制約される。一実施形態では、これらの構成要素は、
図6Bのグリッパ設計と構造的に同じであり、変換器のセットが、矢印836の方向への変位を達成するために使用され、構成要素833と835との間の機械的リンケージは、図では可視ではない。
【0142】
本実施例で飛行高度を訂正するために、第2の構成要素835は、再度、鎖線845によって表される、基板に係合するために使用される、真空チャック839を支持する。1つ以上の変換器837は、矢印841の方向に「z」軸に沿って真空チャック839を選択的に変位させるために使用される。この場合、真空チャック839はまた、1つ以上の変換器839によって力が及ぼされないときに、真空チャック839および基板845のわずかに負の「z」軸変位を可能にするばね力を提供するが、また、変換器がそれらの完全スローまで作動されるときに、真空チャック839および基板845のわずかに正の「z」軸変位を可能にするように十分なばね力も提供する、撓曲部843によって支持される。実施形態に応じて、変換器は、要求されるスローが約3ミクロン未満であるときに圧電変換器であることができる一方で、ボイスコイルまたは類似変換器は、例えば、5ミクロン以上のより大きいスローに使用されることができる。他のタイプのアクチュエータスキャンもまた、実施形態に応じて使用されることができる。
【0143】
本実施例では、撓曲部が、(例えば、
図6Dで見られるように)浮動式枢動アセンブリとともに、「y」軸に沿ってともに進行するように2つの構成要素を制約する、構造支持を提供するために使用されるが、これらの機能を果たす他のタイプの構造が、疑いなく当業者に想起されるであろう。上記で提示される実施例は、その結果として、限定的ではなく、例示的にすぎないと見なされるものである。
【0144】
VI. 結語
上記で導入される種々の技法および考慮事項を熟考すると、低い単位あたりの費用で迅速に製品を大量生産するように、製造プロセスが実施されることができる。ディスプレイデバイスまたは太陽電池パネル製造、例えば、フラットパネルディスプレイに適用されると、これらの技法は、随意に、複数のパネルが共通基板から生成される、高速のパネル毎の印刷プロセスを可能にする。(例えば、パネル毎に共通インクおよびプリントヘッドを使用して)高速の再現可能な誤差のない印刷技法を提供することによって、印刷が実質的に改良され得る、例えば、全て各基板の所望の標的面積内で一貫してインクの精密堆積を保証しながら、層あたりの印刷時間を、上記の技法を用いることなく必要とされるであろう時間のわずかな一部まで短縮すると考えられる。再度、大型HDテレビディスプレイの実施例に戻って、各色成分層が、実質的なプロセス改良を表す、180秒またはそれ未満、または90秒またはそれ未満でさえも、大型基板(例えば、約220cm×250cmである8.5世代基板)のために正確かつ確実に印刷され得ると考えられる。印刷の効率および質を向上させることにより、大型HDテレビディスプレイを生産する費用の有意な削減、したがって、より低い最終消費者費用のために道を開く。前述のように、ディスプレイ製造(および具体的には、OLED製造)は、本明細書で導入される技法の1つの用途であるが、これらの技法は、多種多様なプロセス、コンピュータ、プリンタ、ソフトウェア、製造機器、およびエンドデバイスに適用されることができ、ディスプレイパネルに限定されない。具体的には、開示される技法は、プリンタが、限定ではないが、多くのマイクロ電子用途を含む、共通印刷動作の一部として、複数の製品の層を堆積させるために使用される、任意のプロセスに適用され得ることが予測される。
【0145】
説明される技法は、多数のオプションを提供することに留意されたい。一実施形態では、パネル(または製品毎の)不整合または歪曲が、単一のアレイ内で、または単一の基板上で、製品毎の基準で調節されることができる。プリンタスキャン経路は、基板(またはプリントヘッド等の他の輸送されるアイテム)の配向不一致が、基板および運搬システム(例えば、グリッパ)を結合する変換器を介して自動的に補償されるように、1つ以上の整合誤差に基づく調節/適合を必要とすることなく、計画されることができる。一実施形態では、変換器訂正が、異なる輸送経路(例えば、プリントヘッド輸送経路)内の誤差を軽減するために使用されることができる、または複数の変換器または変換器セットが、多次元位置および/または配向誤差を訂正するために使用されることができる。種々の実施形態では、記述されるように、誤差は、事前測定されず、むしろ、動的に検出され、完璧な整合を提供するように、基板および/または個々のパネル位置を微調整するために使用
される。
【0146】
また、種々の実施形態は、グリッパ(または基板を運搬機構に結合する機構)の使用および微調整を達成するための2つの変換器の使用を例証しているが、他の実施形態は、異なる数のこれらの要素を使用することができる。例えば、一実施形態では、それらの独自の専用変換器をそれぞれ有する、2つ以上のグリッパが、使用されることができる。加えて、上記で説明される技法は、真空グリッパシステムを使用するプリンタに適用されるものとして例示されているが、異なるタイプの運搬機構、異なるタイプのプリンタ、異なるタイプの堆積機構、または別のタイプの輸送経路または機構を使用する用途を含む、多くの他の用途が、説明される技法から利益を享受し得る。明らかに、多くの変形例が、本明細書に説明される発明の原理から逸脱することなく存在する。
【0147】
前述の説明および添付の図面では、具体的用語および図面の記号が、開示される実施形態の徹底的な理解を提供するように記載されている。場合によっては、用語および記号は、これらの実施形態を実践するために要求とされない、具体的詳細を含意し得る。用語「例示的」および「実施形態」は、選好または要件ではなく実施例を表すために使用される。
【0148】
示されるように、本開示のより広義の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で提示される実施形態に種々の修正および変更が行われ得る。例えば、実施形態のうちの任意のものの特徴または側面は、少なくとも実用的である場合、実施形態のうちの任意の他のものと組み合わせて、またはその対応特徴または側面の代わりに適用され得る。したがって、例えば、全ての特徴がありとあらゆる図面に示されているわけではなく、例えば、1つの図面の実施形態に従って示される特徴または技法は、随意に、たとえ本明細書で具体的に宣言されていなくても、任意の他の図面または実施形態の特徴の要素として、または特徴と組み合わせて、採用可能であることが想定される。したがって、本明細書および図面は、制限的な意味ではなく例証的な意味で見なされるものである。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
電子製品の層を加工するための装置であって、
基板上に材料を堆積させるプリントヘッドであって、前記材料は、前記層を形成する、プリントヘッドと、
前記材料の堆積中に前記基板および前記プリントヘッドのうちの少なくとも1つを輸送する運搬システムと、
輸送経路に沿って前進される前記運搬システムの構成要素と、
前記輸送経路と平行に指向される光ビームと、前記光ビームを検出する検出器とを備える、光学システムであって、前記光学システムは、前記光ビームの方向から独立した少なくとも1つの次元内の前記構成要素の偏差が前記検出器によって検出されるように構成される、光学システムと、
前記偏差に応じて前記輸送経路に直交する方向に前記構成要素を変位させるように駆動される、少なくとも1つの変換器と
を備える、装置。
(項目2)
前記構成要素の前進は、前記基板上の前記材料の堆積に影響を及ぼす、平行移動誤差および回転誤差のうちの少なくとも1つの誤差を生成する、機械的欠陥によって特徴付けられ、前記少なくとも1つは、前記少なくとも1つの誤差を均一化するように駆動されるものである、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記構成要素は、前記プリントヘッドを輸送するものであり、前記少なくとも1つの変換器は、前記プリントヘッドが前記光ビームと平行に進行するように、前記偏差に応じて
駆動されるものである、項目1に記載の装置。
(項目4)
前記構成要素は、前記輸送経路に沿って前記基板を輸送するものであるグリッパシステムの一部であり、前記少なくとも1つの変換器は、前記基板が前記光ビームと平行に進行するように、前記偏差に応じて駆動されるものである、項目1に記載の装置。
(項目5)
前記運搬システムは、第1の運搬システムであり、前記輸送経路は、第1の輸送経路であり、前記光学システムは、第1の光学システムであり、前記構成要素は、第1の構成要素であり、前記少なくとも1つの変換器は、第1の変換器セットの一部であり、
前記装置はまた、
第2の輸送経路に沿って第2の構成要素を輸送する第2の運搬システムであって、前記第2の構成要素は、前記プリントヘッドを搭載する、第2の運搬システムと、
前記第2の輸送経路と平行に指向される第2の光ビームと、前記第2の光ビームを検出する第2の検出器とを備える第2の光学システムであって、前記第2の光学システムは、前記第2の光ビームの方向から独立した少なくとも1つの次元内の前記プリントヘッドの偏差が前記第2の検出器によって検出されるように構成される、第2の光学システムと、
前記第2の輸送経路および前記プリントヘッドを動作可能に結合する少なくとも1つの変換器を備える第2の変換器セットであって、前記第2の変換器セットは、前記第2の光ビームの前記方向から独立した前記少なくとも1つの次元内の前記プリントヘッドの前記偏差に応じて駆動される、第2の変換器セットと
を備える、項目4に記載の装置。
(項目6)
前記検出器は、前記光ビームの前記方向から独立した少なくとも2つの自由度で前記構成要素の偏差を検出するように構成され、
前記少なくとも1つの変換器は、少なくとも2つの変換器セットを備え、各変換器セットは、前記少なくとも2つの自由度のうちの対応するものにおける前記偏差を均一化するように、前記対応するものにおける前記構成要素の偏差に応じて駆動される、項目1に記載の装置。
(項目7)
前記検出器は、4セルセンサを備え、前記少なくとも2つの自由度は、前記光ビームの前記方向にそれぞれ直交する、2つの独立次元内の運動を備える、項目2に記載の装置。
(項目8)
前記検出器は、少なくとも2つのセンサを備え、前記少なくとも2つのセンサのうちの各センサは、前記光ビームの前記方向から独立した共通次元内の前記構成要素の偏差を検出し、前記少なくとも2つのセンサは、前記共通次元に沿って前記少なくとも2つのセンサのうちの各センサによって検出される偏差の間の差に応じて、前記光ビームの前記方向に対する前記構成要素の回転を検出するように構成される、項目1に記載の装置。
(項目9)
前記構成要素は、真空を使用して前記基板に選択的に係合するものである真空グリッパを備え、前記真空グリッパは、前記輸送経路に沿って前記基板を輸送する、項目1に記載の装置。
(項目10)
前記光学システムは、レーザ源を備え、前記光ビームは、レーザビームを備え、前記構成要素は、前記光ビームの前記方向に直交する方向への前記構成要素の運動が前記検出器によって検出されるような様式で、前記レーザ源、前記検出器、およびビーム再指向光学系のうちの少なくとも1つを搭載する、項目1に記載の装置。
(項目11)
前記運搬システムは、第1の運搬システムであり、前記基板を輸送するものであり、
前記輸送経路は、第1の輸送経路であり、前記光学システムは、第1の光学システムであり、
前記装置はまた、
前記材料の堆積中に第2の輸送経路に沿って前記プリントヘッドを輸送する、前記第2の運搬システムと関連付けられる第2の構成要素と、
前記第2の輸送経路と平行に指向される第2の光ビームと、前記第2の光ビームを検出する第2の検出器とを備える、第2の光学システムであって、前記第2の光学システムは、前記第2の光ビームの方向から独立した少なくとも1つの次元内の前記第2の構成要素の偏差が前記第2の検出器によって検出されるように構成される、第2の光学システムと、
前記第1の輸送経路と前記第2の輸送経路との間の非直交性を識別するための手段と
を備える、項目1に記載の装置。
(項目12)
前記少なくとも1つの変換器は、前記輸送経路および前記構成要素を動作可能に結合する少なくとも3つの変換器を備え、前記少なくとも3つの変換器は、前記構成要素が前記輸送経路に沿って前進されるにつれて、それを均等化するように、前記偏差に応じて駆動される、項目1に記載の装置。
(項目13)
前記少なくとも1つの変換器は、それぞれが前記光ビームの前記方向に直交する共通方向に前記構成要素を選択的に変位させる少なくとも2つの変換器を備え、前記少なくとも2つの変換器は、前記共通方向に前記構成要素を変位させるように共通モードで駆動され、前記少なくとも2つの変換器は、前記共通方向に対して前記構成要素を回転させるように差分モードで駆動される、項目1に記載の装置。
(項目14)
前記少なくとも1つの変換器のうちの各変換器は、ボイスコイル、線形アクチュエータ、および圧電変換器のうちの少なくとも1つを備える、項目13に記載の装置。
(項目15)
前記構成要素は、第2の構成要素であり、
前記運搬システムは、グリッパを備え、前記グリッパは、前記輸送経路を進行するように制約される第1の構成要素と、前記第2の構成要素とを備え、
前記グリッパはまた、前記第1の構成要素を前記第2の構成要素と動作可能に結合する機械的構造を備え、前記機械的構造は、前記偏差を均一化するように、前記少なくとも1つの変換器が前記少なくとも1つの次元内で前記第1の構成要素から前記第2の構成要素を変位させることを可能にしながら、前記輸送経路に沿って前記第1の構成要素とともに進行するように前記第2の構成要素を制約する、項目13に記載の装置。
(項目16)
前記少なくとも1つの変換器は、それぞれが前記光ビームの前記方向に直交する共通方向に前記構成要素を選択的に変位させる少なくとも2つの変換器を備え、前記機械的構造は、前記少なくとも2つの変換器の作動に応じて前記共通方向に同様に変位される機械的枢動点を提供するように構成され、前記少なくとも2つの変換器は、前記共通方向に前記構成要素を変位させるように共通モードで駆動され、前記共通方向に対して前記構成要素を回転させるように差分モードで駆動されるものである、項目15に記載の装置。
(項目17)
前記輸送経路に対して前記光ビームの前記方向を調節するための手段をさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目18)
前記光ビームと前記輸送経路との間の角度配向喪失を検出するための手段をさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目19)
材料を堆積させ、電子製品の層を加工するための方法であって、前記方法は、
プリントヘッドを用いて、基板上に前記材料の液滴を堆積させることであって、前記材
料は、前記層を形成する、ことと、
運搬システムを使用して、前記材料の堆積中に前記基板および前記プリントヘッドのうちの少なくとも1つを輸送することと、
輸送経路に沿って前記運搬システムの構成要素を前進させることと、
前記輸送経路と平行に光ビームを指向し、前記光ビームの方向から独立した少なくとも1つの次元内の前記構成要素の偏差を検出するような様式で、検出器を使用して前記光ビームを検出することと、
少なくとも1つの変換器を駆動し、前記偏差に応じて、前記輸送経路に直交する方向に前記構成要素を変位させることと
を含む、方法。
(項目20)
材料を堆積させ、電子製品の層を加工するための装置であって、前記装置は、
プリントヘッドを用いて、基板上に前記材料の液滴を堆積させるための手段であって、前記材料は、前記層を形成する、手段と、
前記材料の堆積中に前記基板および前記プリントヘッドのうちの少なくとも1つを輸送するための手段であって、前記輸送するための手段は、輸送経路に沿って前進される構成要素を備える、輸送するための手段と、
前記輸送経路と平行に指向される光ビームと、
前記光ビームを検出するように構成される検出器を使用して、前記光ビームの方向から独立した少なくとも1つの次元内の前記構成要素の偏差を検出するための手段と、
少なくとも1つの変換器を駆動し、前記偏差に応じて、前記輸送経路に直交する方向に前記構成要素を変位させるための手段と
を備える、装置。
用、代替物、修正、および改良も可能である。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を備える印刷装置、
運搬システムであって、前記運搬システムは、
輸送経路に沿ってオブジェクトを移動させる第1の構成要素と、
前記輸送経路と直交する方向に前記オブジェクトを移動させる第2の構成要素と、
光源と、
前記第2の構成要素に結合され、前記光源によって指向された光を検出する光学検出器と、を備え、さらに、前記印刷装置は、
前記光学検出器および前記第2の構成要素に動作可能に結合され、前記光学検出器からの信号に応答して前記輸送経路と直交する方向へ前記第2の構成要素の移動を制御するように構成されるコントローラを、備える印刷装置。
【請求項2】
前記運搬システムはインクジェットプリンタの一部であり、前記オブジェクトはプリントヘッドまたは基板である、請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記光源は、レーザである請求項1記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第2の構成要素に結合された線形変換器をさらに備える、請求項1記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第2の構成要素に結合された線形変換器をさらに備え、前記コントローラは、前記線形変換器を制御することによって、前記第2の構成要素の移動を制御する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記レーザに結合された調節機構をさらに備える、請求項3に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素は、グリッパの構成要素である、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記光学検出器は、少なくとも2つの光学センサを備える請求項1記載の印刷装置。
【請求項9】
前記光学検出器は、ビームスプリッタをさらに備える、請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記第1の構成要素は真空グリッパを備え、前記第2の構成要素はボイスコイルを備え、前記光源はレーザを備え、前記光学検出器は少なくとも2つのセンサと1つのビームスプリッタを備える請求項1に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記運搬システムは、第1の運搬システムであり、さらに、第2の運搬システムを備え、前記第2の運搬システムは、
輸送経路に沿ってオブジェクトを移動させる第1の構成要素と、
前記輸送経路と直交する方向に前記オブジェクトを移動させる第2の構成要素と、
光源と、
前記第2の構成要素に結合され、前記光源によって指向された光を検出する光学検出器と、を備え、前記第2の運搬システムによって移動されるオブジェクトは、前記第1の運搬システムによって移動されるオブジェクトと異なる、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第1の運搬システムによって移動される前記オブジェクトは基板グリッパであり、前記第2の運搬システムによって移動されるオブジェクトはプリントヘッドである、請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
以下を備える印刷装置、
運搬システムであって、前記運搬システムは、
輸送経路に沿ってオブジェクトを移動させる第1の構成要素と、
輸送経路に直交する線形の方向にオブジェクトを移動させる少なくとも2つの線形変換器を含む第2の構成要素と、
レーザと、
前記第2の構成要素に結合され、前記レーザによって指向された光を検出する光学検出器と、を備え、さらに、前記印刷装置は、
前記線形変換器と前記光学検出器に動作可能に結合され、前記光学検出器からの信号に応答して、前記線形変換器を共通モードで動作させて前記オブジェクトを回転させずに移動させるか、または差分モードで動作させて前記オブジェクトを回転させるように構成されたコントローラを備える印刷装置。
【請求項14】
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素は、グリッパの構成要素である、請求項13に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記運搬システムは、インクジェットプリンタの一部であり、前記オブジェクトは、プリントヘッドまたは基板である、請求項13に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記グリッパは、真空チャックを備える、請求項14記載の印刷装置。
【請求項17】
前記輸送経路に対する前記レーザの方向を調整する手段をさらに備える、請求項13に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記光学検出器は、少なくとも2つのセンサと、1つのビームスプリッタと、を備える、請求項13記載の印刷装置。
【請求項19】
以下を備えるインクジェットプリンタ、
トラック上に移動可能に取り付けられた基板グリッパと、
前記基板グリッパに結合され、前記トラックと直交する方向に配向された複数の線形変換器と、
前記トラックに光軸を合わせて配置されたレーザと、
前記基板グリッパに取り付けられた少なくとも2つの光学検出器と、
前記光学検出器および前記線形変換器に動作可能に結合され、前記少なくとも2つの光学検出器から受信した信号に応答して前記基板グリッパを前記トラックと直交する方向に移動させるように前記線形変換器を動作させるように構成されたコントローラと、を備えるインクジェットプリンタ。
【請求項20】
前記コントローラは、前記線形変換器を動作させることによって前記基板グリッパの位置誤差を訂正するように、さらに構成される、請求項19に記載のインクジェットプリンタ。
【外国語明細書】