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特開2022-58410飛行機の充電、運搬および操作のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058410
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】飛行機の充電、運搬および操作のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220405BHJP
   B64F 1/36 20170101ALI20220405BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B64F1/36
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210355
(22)【出願日】2021-12-24
(62)【分割の表示】P 2018545277の分割
【原出願日】2017-02-28
(31)【優先権主張番号】62/301,524
(32)【優先日】2016-02-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/460,703
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】517311080
【氏名又は名称】ベリティ ストゥディオス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フェデリコ アウグリャーロ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエロ ダンドレーア
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ヘーン
(72)【発明者】
【氏名】マーク ダブリュー. ミュラー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ライスト
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ヴァイベル
(57)【要約】
【課題】飛行機の充電、運搬および操作のための好適なシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】複数の充電ステーションと締め付け機構とを含む飛行機格納用収納器が提供される。締め付け機構は、飛行機を充電ステーション内に固定し、格納用収納器と飛行機との間の充電回路を確実に閉じるように構成される。飛行機を発進させるシステムも提供される。このシステムは、2つの領域と、その2つの領域の間の移行領域とを含む。2つの領域はそれぞれ、飛行機の配置を制約し、移行領域は、飛行機が第1の領域から第2の領域に移動して出口に到達することができるようにする。十分な性能能力を有する飛行機が発進に成功することができる。中央制御システムと、複数の格納用収納器と、格納用収納器のそれぞれに格納された複数の格納飛行機との間でデータを伝達するために、集中型および分散型通信アーキテクチャも提供される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行機を操作するためのシステムであって、
前記システムは、
制御システムと、
第1の飛行機格納用収納器と、
第2の飛行機格納用収納器と
を備え、
前記制御システムは、
前記飛行機のための役割情報を記憶することと、
前記役割情報を伝達することと
を実行するように構成され、
前記第1の飛行機格納用収納器は、
前記飛行機の第1のサブセットを格納することと、
前記制御システムから前記飛行機の前記第1のサブセットのための役割情報の第1のセットを受信することと、
役割情報の前記第1のセットを前記飛行機の前記第1のサブセット内の前記飛行機に伝達することと
を実行するように構成され、
前記第2の飛行機格納用収納器は、
前記飛行機の第2のサブセットを格納することと、
前記制御システムから前記飛行機の前記第2のサブセットのための役割情報の第2のセットを受信することと、
役割情報の前記第2のセットを前記飛行機の前記第2のサブセット内の前記飛行機に伝達することと
を実行するように構成される、システム。
【請求項2】
役割情報の前記第1のセットは、前記制御システムにおいて記憶されている、前記飛行機の前記第1のサブセットのための前記役割情報のサブセットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の飛行機格納用収納器は、前記飛行機の前記第1のサブセットのそれぞれの飛行機と個別に通信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御システムにおいて記憶されている前記飛行機のための前記役割情報は、前記飛行機が演出された演技を行うための飛行経路情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
役割情報の前記第1のセットは、複数の特定の役割を含み、前記第1の飛行機格納用収納器は、前記第1のサブセット内の各飛行機に、前記第1の飛行機格納用収納器内の前記飛行機の位置に基づいて特定の役割を送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の飛行機格納用収納器は、前記第1の飛行機格納用収納器の位置を特定するように構成された位置特定ユニットを含み、前記第1の飛行機格納用収納器は、前記制御システムに前記第1の飛行機格納用収納器の位置を伝達するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御システムは、前記第1の飛行機格納用収納器の位置に基づいて役割情報の前記第1のサブセットを生成する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の飛行機格納用収納器は、前記第1の飛行機格納用収納器の位置を特定するように構成された位置特定ユニットを含み、前記第1の飛行機格納用収納器は、前記制御システムから役割情報のセットを受信し、前記特定された位置に基づいて、受信した前記セットが前記第1のセットであるか否かを判断するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の飛行機格納用収納器は、
前記第1の飛行機格納用収納器にどの飛行機が格納されているかを特定することと、
前記格納されている飛行機の識別情報を前記制御システムに伝達することと
を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の飛行機格納用収納器は、格納されている飛行機の識別情報または格納されている飛行機の数に基づいて前記役割情報を調整する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の飛行機格納用収納器は、
飛行機の前記第1のサブセットを一度に1機ずつ出口から解放することと、
前記飛行機が前記出口から解放される前に、前記第1のサブセットの各飛行機に一度に1機ずつ特定の役割を伝達することと
を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
飛行機をプログラミングする方法であって、
制御システムを使用して、第1の飛行機格納用収納器に送信する役割情報の第1のセットを判断することと、
前記制御システムを使用して、前記第1の飛行機格納用収納器に役割情報の前記第1のセットを送信することと、
前記第1の飛行機格納用収納器を使用して、役割情報の前記第1のセットを受信することと、
前記第1の飛行機格納用収納器を使用して、前記第1の飛行機格納用収納器に格納されている第1の複数の飛行機に役割情報の前記第1のセットを送信することと、
制御システムを使用して、第2の飛行機格納用収納器に送信する役割情報の第2のセットを判断することと、
前記制御システムを使用して、前記第2の飛行機格納用収納器に役割情報の前記第2のセットを送信することと、
前記第2の飛行機格納用収納器を使用して、役割情報の前記第2のセットを受信することと、
前記第2の飛行機格納用収納器を使用して、前記第2の飛行機格納用収納器に格納されている第2の複数の飛行機に役割情報の前記第2のセットを送信することと
を含む、方法。
【請求項13】
役割情報の前記第1のセットが複数の特定の役割を含み、役割情報の前記第1のセットを前記第1の複数の飛行機に送信することが、前記第1の複数の飛行機内の各飛行機に、前記第1の飛行機格納用収納器内の前記飛行機の位置に基づいて特定の役割を送信することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の飛行機格納用収納器の位置特定ユニットを使用して、前記第1の飛行機格納用収納器の位置を特定することと、
前記特定された位置を前記制御システムに送信することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の飛行機格納用収納器を使用して、前記第1の飛行機格納用収納器にどの飛行機が格納されているかを特定することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連文献の相互参照
本願は、2016年2月29日に出願された米国仮特許出願第62/301,524号および2017年2月17日に出願された米国仮特許出願第62/460,703号を基礎とする優先権を主張し、両者は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、飛行機などの機械の充電、運搬および操作に関する。
【背景技術】
【0003】
飛行機は、当技術分野で周知である。飛行機には、例えば、シングルロータ機と、クワッドコプタなどのマルチロータ機とがある。バッテリ式飛行機の場合、典型的には別個の充電器が備えられ、バッテリを充電するために使用される。充電処理は手動処理である。例えば、ユーザは飛行機からバッテリを物理的に取り外し、バッテリを充電器に物理的に接続し、充電器を電源に接続する必要がある場合がある。バッテリが充電されると、バッテリを充電器から物理的に外し、飛行機に再接続する必要がある。
【0004】
飛行機を格納し、運搬するためにハードケースおよびソフトパックなどの収納器が利用可能である。収納器は、典型的には単一の飛行機を格納するように構成され、追加のロータ、追加のバッテリ、飛行機を制御するためのコントローラ、および充電器などの付属品を格納するように構成されることもある。収納器によっては、2機の飛行機を格納することも可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の飛行機を使用する場合、ユーザは典型的には複数の収納器を使用し、各収納器は1機または2機の飛行機を格納する。ユーザは、収納器を手作業で開け、それぞれの飛行機を使用のために別々に配置する必要がある。使用し終わると、ユーザは手作業でバッテリを再充電し、各飛行機を対応する収納器に手作業で収納し直す必要がある。これは、特に多数の飛行機を使用する場合、時間がかかる処理である。
【0006】
飛行機は、他の機械と同様に、誤動作することがあり、または性能が低下していることがある。ほとんどの地上で動作する機械とは異なり、飛行機は墜落を避けるために、誤動作後であっても、または性能が低下しても動作し続けなければならないため、これは飛行機、特に空気より重い飛行機の場合、特別な問題になる。未点検の誤動作または低下した性能の結果、飛行機やその他の周辺物が損傷する可能性があるとともに、人が負傷する可能性がある。有人飛行機の場合、広範な訓練を受けた人間のパイロットが飛行前点検を行う。しかし、多くの無人航空機および無人飛行機は、同等の訓練を受けていないパイロットによって操縦されるか、または部分的または完全に自律的に動作する。そのような飛行機は、コストを含む、様々な操作制約も有することが多い。したがって、飛行機が十分な性能を有していることと、離陸前または離陸時に飛行に適していることを保証するシステムおよび方法が必要である。
【0007】
飛行機は、時には多数からなる集団で、視覚ディスプレイおよび演技を作り出すために使用されてきた。例えば、飛行機は空中での組織的な照明ショーにおいて特定の飛行経路をたどるようにプログラムされてきた。そのような演技のための飛行機のプログラミングおよび設定は、手作業であり手間のかかる処理である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本開示は、飛行機の格納および充電のための改良型システムおよび方法を開示する。本開示は、飛行機の操作のための改良型システムおよび方法も開示する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
複数の飛行機のための充電収納器であって、
第1の飛行機のそれぞれの第1および第2の電気コネクタとの電気的接続を確立するように構成された第1および第2の充電端子を含む第1の充電ステーションと、
第2の充電ステーションであって、第2の飛行機のそれぞれの第1および第2の電気コネクタとの電気的接続を確立するように構成された第1および第2の充電端子を含み、前記第1および第2の飛行機のそれぞれの前記第1および第2の電気コネクタがバッテリに電気的に接続される、前記第2の充電ステーションと、
前記第1および第2の充電ステーションに結合された充電モジュールと、
前記第1および第2の飛行機を運搬のためのそれぞれの位置に固定し、
前記充電モジュールと前記第1および第2の飛行機の前記バッテリとの間の充電回路を確実に閉じるように構成された締め付け機構とを備える充電収納器。
(項目2)
前記充電モジュールと前記第1の充電端子との間に結合された内部コネクタをさらに備える、項目1に記載の充電収納器。
(項目3)
前記第1の充電端子は前記第1および第2の飛行機のそれぞれから第1のフックを受け入れるように構成された第1の充電ロッドを含む、項目1に記載の充電収納器。
(項目4)
前記第1の充電ロッドは、前記第1および第2の飛行機を吊り下げ位置に支持するように構成された、項目3に記載の充電収納器。
(項目5)
前記第2の充電端子は、前記第1および第2の飛行機のそれぞれから第2のフックを受け入れるように構成された第2の充電ロッドを含む、項目3に記載の充電収納器。
(項目6)
前記第1および第2の飛行機のそれぞれの前記第1のフックは第1のロータアーム上に配置され、前記第1および第2の飛行機のそれぞれの前記第2のフックは対向する第2のロータアーム上に配置された、項目5に記載の充電収納器。
(項目7)
前記締め付け機構は、前記第1および第2の充電ロッドのうちの一方に、前記第1および第2の充電ロッドのうちの他方から離れる方向に力を加え、それによって前記第1および第2の飛行機を運搬のための前記位置に固定するように構成された、項目5に記載の充電収納器。
(項目8)
前記締め付け機構は、前記第1および第2の充電ロッドに相反する力を加え、それによって第1および第2の飛行機を輸送のための前記位置に固定するように構成された、項目5に記載の充電収納器。
(項目9)
基部をさらに備え、前記第1の充電端子は前記基部に結合された少なくとも1つの第1の充電板を含む、項目1に記載の充電収納器。
(項目10)
第1および第2の機械的誘導部をさらに備え、前記第1および第2の機械的誘導部のそれぞれが、前記第1および第2の飛行機のうちのそれぞれの1つを前記少なくとも1つの第1の充電板上の特定の位置に誘導するように構成された、項目9に記載の充電収納器。
(項目11)
前記第1および第2の機械的誘導部は、前記少なくとも1つの第1の充電板に統合された、項目10に記載の充電収納器。
(項目12)
前記第1および第2の機械的誘導部のそれぞれが、前記それぞれの飛行機の装備と連係することによって前記第1および第2の飛行機のうちの前記それぞれの1つを特定の向きに誘導するようにさらに構成された、項目10に記載の充電収納器。
(項目13)
前記第1および第2の飛行機のそれぞれの前記第1の電気コネクタがそのそれぞれの飛行機の底部に配置され、
前記少なくとも1つの第1の充電板は、前記第1および第2の飛行機を受け入れ、支持するように構成され、
前記第1および第2の飛行機のそれぞれの前記第2の電気コネクタは、そのそれぞれの飛行機の上部に配置され、
前記第2の充電端子は少なくとも1つの第2の充電板を含み、
前記少なくとも1つの第2の充電板は、前記少なくとも1つの第1の充電板によって支持された前記第1および第2の飛行機の上に配置されるように構成された、項目9に記載の充電収納器。
(項目14)
前記締め付け機構は、前記少なくとも1つの第2の充電板に力を加え、次に前記少なくとも1つの第2の充電板が前記複数の飛行機に力を加え、それによって前記第1および第2の飛行機が前記少なくとも1つの第1の充電板と第2の充電板との間に固定されるように構成された、項目13に記載の充電収納器。
(項目15)
蓋をさらに備え、前記少なくとも1つの第2の充電板が前記蓋に結合され、前記締め付け機構が前記蓋を前記基部に固定するように構成され、それによって前記第1および第2の飛行機が輸送のためのそれぞれの位置に固定され、前記充電モジュールと前記第1および第2の飛行機のバッテリとの間の前記充電回路を確実に閉じるように構成された、項目13に記載の充電収納器。
(項目16)
前記基部と前記蓋との間にばね荷重電気接続部をさらに備え、前記充電回路が前記ばね荷重電気接続部を含む、項目15に記載の充電収納器。
(項目17)
前記少なくとも1つの第1の充電板は、それぞれが前記第1および第2の飛行機のそれぞれの1つに対応する第1および第2の凹部を含む、項目9に記載の充電収納器。
(項目18)
第1の基部であって、前記第1の充電端子が前記第1の基部の上部に結合された少なくとも1つの第1の充電板を含む、前記第1の基部と、
第2の基部であって、前記少なくとも1つの第2の充電板が前記第2の基部の底部に結合され、前記締め付け機構が前記第2の基部を前記第1の基部に固定するように構成され、それによって前記第1および第2の飛行機を輸送のためのそれぞれの前記位置に固定し、前記充電モジュールと前記第1および第2の飛行機の前記バッテリとの間の前記充電回路を確実に閉じる、前記第2の基部と、
前記第2の基部の上部に配置された第3および第4の充電ステーションとをさらに備える、項目1に記載の充電収納器。
(項目19)
前記充電モジュールは、前記第1および第2の飛行機の充電を独立して制御するように構成された、項目1に記載の充電収納器。
(項目20)
前記充電モジュールは、前記第1および第2の飛行機の少なくとも一つのバッテリの異なるセル間の充電のバランスをとるように構成された、項目1に記載の充電収納器。
(項目21)
それぞれの充電ステーションが、飛行機のそれぞれの第1および第2の電気コネクタとの電気的接続を確立するように構成された第1および第2の充電端子を含む5つ以上の充電ステーションを備える、項目1に記載の充電収納器。
(項目22)
飛行機を発進させるときに自動性能点検を行う方法であって、
自動発進プロセスを開始するコマンドを飛行機で受信することと、
前記自動発進プロセスを開始するコマンドの受信に応答して、前記飛行機の少なくとも1つのアクチュエータを作動させることと、
前記少なくとも1つのアクチュエータを使用して、前記飛行機を離陸位置から、前記飛行機の動きを制限する第1の領域を通って移行領域まで移動させることと、
前記少なくとも1つのアクチュエータを使用して、前記飛行機を前記移行領域を通って、前記飛行機の動きを制限する第2の領域まで移動させることと、
前記少なくとも1つのアクチュエータを使用して、前記飛行機を前記第2の領域を通って前記第2の領域内の出口まで移動させることと、
前記少なくとも1つのアクチュエータを使用して、前記飛行機を前記出口を通って移動させて前記離陸手順を完了することとを備える方法。
(項目23)
前記飛行機はマルチコプタを含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記飛行機は固定翼機を含む、項目22に記載の方法。
(項目25)
前記第1の領域と前記第2の領域と前記移行領域との幾何形状を表すデータを、前記飛行機の内部メモリに記憶することをさらに備える、項目22に記載の方法。
(項目26)
十分な性能能力を有する飛行機を発進させるシステムであって、
飛行機の配置を制約する第1の領域と、
前記飛行機の配置を制約する第2の領域と、
前記飛行機が前記第1の領域から前記第2の領域に移動することができるようにする移行領域と、
前記第2の領域内に位置し、前記飛行機が前記第2の領域から出ることができるようにする出口とを備えるシステム。
(項目27)
本体と、
前記本体の動きを表すデータを提供するように構成されたセンサと、
前記本体に結合され、少なくとも1つの制御信号に基づいて前記飛行機を動かすように構成されたアクチュエータと、
前記本体の前記動きを表す前記データを受信し、
前記本体の前記動きを表すデータと、前記第1の領域と前記第2の領域と前記移行領域との幾何形状を表すデータとに基づいて、少なくとも1つの制御信号を判断するように構成された制御モジュールと、
を含む飛行機をさらに備える、項目26に記載のシステム。
(項目28)
前記第1の領域は、前記飛行機が前記第1の領域内の離陸位置から離陸することができ、前記第1の領域内を前記移行領域まで飛行することができる大きさとされた、項目26に記載のシステム。
(項目29)
前記第1の領域は底部を含み、前記移行領域は、前記飛行機が飛行しているときにのみ前記飛行機が前記移行領域に到達可能であるように前記底部の上方に位置する、項目28に記載のシステム。
(項目30)
前記第2の領域は、前記飛行機が前記移行領域から前記出口まで前記第2の領域内を飛行することができる大きさとされた、項目28に記載のシステム。
(項目31)
前記第2の領域は底部を含み、前記出口は、前記飛行機が飛行しているときにのみ前記出口に到達可能であるように前記底部の上方に位置する、項目30に記載のシステム。
(項目32)
前記移行領域は、一度に単一の飛行機のみが前記第1の領域と前記第2の領域との間を移動することができるようにする機械的隘路を含む、項目26に記載のシステム。
(項目33)
前記第1の領域は上部と底部とを含み、
前記離陸位置は前記第1の領域の前記底部に位置し、
前記第2の領域は上部と底部とを含み、
前記第2の領域は前記第1の領域の垂直方向上方に位置し、
前記機械的隘路は、前記第1の領域の前記上部を前記第2の領域の前記底部に結合し、
前記機械的隘路と前記出口とは水平方向に離隔された、項目32に記載のシステム。
(項目34)
前記第1の領域は左側部分と右側部分とを含み、
前記第2の領域は左側部分と右側部分とを含み、
前記機械的隘路は前記第1の領域の前記右側部分を前記第2の領域の左側部分に結合し、
前記機械的隘路と前記出口とが垂直方向に離隔された、項目32に記載のシステム。
(項目35)
前記機械的隘路は前記飛行機の2倍ないし10倍の大きさであり、
前記出口位置は前記飛行機の2倍ないし10倍の大きさである出口開口を含む、項目32に記載のシステム。
(項目36)
前記第1の領域に関連付けられた複数の離陸位置と、
前記第1の領域と前記移行領域と前記第2の領域とを通って前記出口まで移動することによって順次に発進されるように構成された複数の飛行機とをさらに備える、項目26に記載のシステム。
(項目37)
前記第1の領域は、
前記飛行機が前記第1の領域の第1の区分内に配置されると第1の自由度における前記飛行機の動きを制限し、
前記飛行機が前記第1の領域の前記第1の区分内に配置されると第2の自由度における前記飛行機の動きを可能にするように構成された第1の機械的誘導部を含み、
前記第2の領域は、
前記飛行機が前記第2の領域の第1の区分内に配置されると前記第2の自由度における前記飛行機の動きを制限し、
前記飛行機が前記第2の領域の前記第1の区分内に配置されると、前記第1の自由度における前記飛行機の動きを可能にするように構成された第2の機械的誘導部を含む、項目26に記載のシステム。
(項目38)
前記第1の自由度は、第1の並進自由度を含み、前記第2の自由度は第2の並進自由度を含む、項目37に記載のシステム。
(項目39)
前記移行領域は、前記第1の自由度および前記第2の自由度における前記飛行機の動きを可能にする、項目37に記載のシステム。
(項目40)
前記第1および第2の機械的誘導部は、それぞれ、前記飛行機の少なくとも1つの連接部に作用するように構成された、項目37に記載のシステム。
(項目41)
前記飛行機が第3の領域の第1の区分内に配置されると第3の自由度における前記飛行機の動きを制限し、
前記飛行機が前記第3の領域の前記第1の区分内に配置されると、第4の自由度における前記飛行機の動きを可能にするように構成された第3の機械的誘導部を含む第3の領域をさらに備える、項目37に記載のシステム。
(項目42)
飛行機を操作するためのシステムであって、
前記飛行機のための役割情報を記憶し、
前記役割情報を伝達するように構成された制御システムと、
前記飛行機の第1のサブセットを格納し、
前記制御システムから前記飛行機の前記第1のサブセットのための役割情報の第1のセットを受信し、
役割情報の前記第1のセットを前記飛行機の前記第1のサブセット内の前記飛行機に伝達するように構成された第1の飛行機格納用収納器と、
前記飛行機の第2のサブセットを格納し、
前記制御システムから前記飛行機の前記第2のサブセットのための役割情報の第2のセットを受信し、
役割情報の前記第2のセットを前記飛行機の前記第2のサブセット内の前記飛行機に伝達するように構成された第2の飛行機格納用収納器とを備えるシステム。
(項目43)
前記制御システムは、有線通信経路を使用して前記役割情報を伝達するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目44)
前記第1の飛行機格納用収納器は、有線通信経路を使用して役割情報の前記第1のセットを前記飛行機の前記第1のサブセット内の前記飛行機に伝達するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目45)
前記制御システムは、無線通信経路を使用して前記役割情報を伝達するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目46)
前記第1の飛行機格納用収納器は、無線通信経路を使用して役割情報の前記第1のセットを前記飛行機の前記第1のサブセット内の前記飛行機に伝達するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目47)
役割情報の前記第1のセットは、前記制御システムにおいて記憶されている、前記飛行機の前記第1のサブセットのための前記役割情報のサブセットを含む、項目42に記載のシステム。
(項目48)
前記第1の飛行機格納用収納器は、前記飛行機の前記第1のサブセットのそれぞれの飛行機と個別に通信するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目49)
前記制御システムにおいて記憶されている前記飛行機のための前記役割情報は、前記飛行機の複数の特定の役割を含む、項目42に記載のシステム。
(項目50)
前記制御システムにおいて記憶されている前記飛行機のための前記役割情報は、前記飛行機が演出された演技を行うための飛行経路情報を含む、項目42に記載のシステム。
(項目51)
役割情報の前記第1のセットは、複数の特定の役割を含み、前記第1の飛行機格納用収納器は、前記第1のサブセット内の各飛行機に、前記第1の飛行機格納用収納器内の前記飛行機の位置に基づいて特定の役割を送信するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目52)
前記第1の飛行機格納用収納器は、前記第1の飛行機格納用収納器の位置を特定するように構成された位置特定ユニットを含み、前記第1の飛行機格納用収納器は、前記制御システムに前記第1の飛行機格納用収納器の位置を伝達するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目53)
前記制御システムは、前記第1の飛行機格納用収納器の位置に基づいて役割情報の前記
第1のサブセットを生成する、項目52に記載のシステム。
(項目54)
前記第1の飛行機格納用収納器は、前記第1の飛行機格納用収納器の位置を特定するように構成された位置特定ユニットを含み、前記第1の飛行機格納用収納器は、前記制御システムから役割情報のセットを受信し、前記特定された位置に基づいて、受信した前記セットが前記第1のセットであるか否かを判断するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目55)
前記第1の飛行機格納用収納器は、
前記第1の飛行機格納用収納器にどの飛行機が格納されているかを特定し、
前記格納されている飛行機の識別情報を前記制御システムに伝達するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目56)
前記第1の飛行機格納用収納器は、
前記第1の飛行機格納用収納器内に格納されている飛行機の数を判断し、
前記数を前記制御システムに伝達するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目57)
前記第1の飛行機格納用収納器は、前記格納されている飛行機の前記識別情報または前記格納されている飛行機の前記数に基づいて前記役割情報を調整する、項目42に記載のシステム。
(項目58)
前記第1の飛行機格納用収納器は、
飛行機の前記第1のサブセットを一度に1機ずつ出口から解放し、
前記飛行機が前記出口から解放される前に、前記第1のサブセットの各飛行機に一度に1機ずつ特定の役割を伝達するように構成された、項目42に記載のシステム。
(項目59)
飛行機をプログラミングする方法であって、
制御システムを使用して、第1の飛行機格納用収納器に送信する役割情報の第1のセットを判断することと、
前記制御システムを使用して、前記第1の飛行機格納用収納器に役割情報の前記第1のセットを送信することと、
前記第1の飛行機格納用収納器を使用して、役割情報の前記第1のセットを受信することと、
前記第1の飛行機格納用収納器を使用して、前記第1の飛行機格納用収納器に格納されている第1の複数の飛行機に役割情報の前記第1のセットを送信することと、
制御システムを使用して、第2の飛行機格納用収納器に送信する役割情報の第2のセットを判断することと、
前記制御システムを使用して、前記第2の飛行機格納用収納器に役割情報の前記第2のセットを送信することと、
前記第2の飛行機格納用収納器を使用して、役割情報の前記第2のセットを受信することと、
前記第2の飛行機格納用収納器を使用して、前記第2の飛行機格納用収納器に格納されている第2の複数の飛行機に役割情報の前記第2のセットを送信することとを備える方法。
(項目60)
役割情報の前記第1のセットが複数の特定の役割を含み、役割情報の前記第1のセットを前記第1の複数の飛行機に送信することが、前記第1の複数の飛行機内の各飛行機に、前記第1の飛行機格納用収納器内の前記飛行機の位置に基づいて特定の役割を送信することを含む、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記第1の飛行機格納用収納器の位置特定ユニットを使用して、前記第1の飛行機格納用収納器の位置を特定することと、
前記特定された位置を前記制御システムに送信することとをさらに備える、項目59に記載の方法。
(項目62)
前記第1の飛行機格納用収納器を使用して、前記第1の飛行機格納用収納器にどの飛行機が格納されているかを特定することをさらに備える、項目59に記載の方法。
【0009】
実施形態を、例示として、限定的なものとしてではなく添付図面の図で示す。図面中で同様の参照符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本開示の一部の実施形態による充電収納器の基部を示す図である。
図1B】本開示の一部の実施形態による充電収納器の蓋を示す図である。
図1C】本開示の一部の実施形態による、単一の基部と単一の蓋とを含む充電収納器を示す図である。
図1D】本開示の一部の実施形態による、統合型充電収納器が複数の基部と蓋とを含む統合型実施形態を示す図である。
図2A】本開示の一部の実施形態による、充電板の間に飛行機を挟むための4つの例示の実施形態の側面図を示す図である。
図2B】本開示の一部の実施形態による例示の飛行機を示す図である。
図2C】本開示の一部の実施形態による例示の飛行機と充電板とを示す図である。
図2D】本開示の一部の実施形態による例示の飛行機と充電ステーションとを示す図である。
図3】本開示の一部の実施形態による飛行機の充電と運搬のための別のシステムを示す図である。
図4】本開示の一部の実施形態による充電収納器の例示の電気構成要素のブロック図を示す図である。
図5】本開示の一部の実施形態による充電ステーションと飛行機の例示の電気構成要素のブロック図を示す図である。
図6】本開示の一部の実施形態による、充電モジュールおよび充電モジュールと2つの充電ステーションとの相互接続のブロック図を示す図である。
図7】本開示の一部の実施形態による、ケーブルから吊り下がる例示の飛行機を示す図である。
図8A】本開示の一部の実施形態による例示の機械ラビリンスを示す図である。
図8B】本開示の一部の実施形態による機械ラビリンスと連係する突起部を有する例示の飛行機を示す図である。
図9】本開示の一部の実施形態による2つの領域と移行領域とを有する機械構造を示す図である。
図10A】本開示の一部の実施形態による飛行機の例示の積み重ねを示す図である。
図10B】本開示の一部の実施形態による飛行機の分解図を示す図である。
図11】本開示の一部の実施形態による例示の通信アーキテクチャのブロック図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示によると、飛行機を格納、充電および操作するための現行システムの制限が低減または解消された。さらに、本開示は、現行システムに優る様々な技術的利点を提供する。
【0012】
一部の実施形態では、充電収納器システムおよび方法が、複数の飛行機の統合型の充電および運搬を実現する。充電収納器は、以下のようにして使用してもよい。1つまたは複数の飛行機が充電ステーション上に置かれる。これは、手動または(例えば飛行機を充電収納器上に自動的に着陸させることによって)自動で行うことができる。所望の数の飛行機が充電収納器上に配置されたら、締め付け機構を使用して収納器における飛行機の位置を機械的に固定する。充電ステーション(例えば充電板、充電ロッド、導電体で被覆された磁石など)上の充電端子を飛行機上の充電コネクタ(例えば飛行機のケージ上の導電体、飛行機本体上の導電体、導電性リーフスプリング、導電性ピン、導電体で被覆された磁石など)に接続することによって、電気回路を同時に閉じることができる。これは、例えば収納器とその構成要素を、締め付け機構が飛行機を(例えば飛行機を上部充電板と下部充電板の間に挟むことによって)2つの充電板に押しつけるように構築および構成することによって実現可能である。別の例として、これは、締め付け機構が飛行機を第1の充電ロッドと第2の充電ロッドの間で締め付けるように収納器とその構成要素を構築および構成することによって実現可能である。さらに別の例として、飛行機が充電ステーション上に配置されるとすぐに、追加の締め付け動作なしに電気回路が閉じられてもよい。この例では、接続は例えば、飛行機に働く重力によって、飛行機本体上に配置された導電性リーフスプリングが充電ステーションの充電板に押しつけられると、重力によって補助されるようにすることができる。
【0013】
実施形態によっては、電気回路によって飛行機の充電が可能になる。これは、充電モジュールを、第1の充電端子、第1の飛行機コネクタ、飛行機バッテリ、第2の飛行機コネクタ、第2の充電端子を介して充電モジュールに戻るように接続することによって実現される。実施形態によっては、回路は、飛行機上に(例えば飛行機コネクタと飛行機バッテリとの間に)物理的に配置された、バッテリの充電処理を監視し、制御する充電制御回路を含み得る。充電制御回路は、例えば、バッテリバランシングを行ってよく、充電状態(SOC)または残存寿命(RUL)の予測などの監視処理を行ってもよい。
【0014】
本開示の一部の実施形態による、充電収納器の基部110を図1Aに示し、充電収納器の蓋150を図1Bに示す。基部110は、その表面に置かれた飛行機(例えば飛行機200)との電気的接続を確立するように構築および構成された導電体を含む充電板114を含む。なお、飛行機200は図を簡単にするために丸いケージとして図示されていることはわかるであろう。飛行機200は、任意の適合する形状および大きさとすることができる。充電板114は、それぞれが飛行機を受け入れて充電することが可能な複数の充電ステーションを含み得る。実施形態によっては、図1Aの充電板114上に図示されたそれぞれの正方形を充電ステーションとすることができる。実施形態によっては、充電板114はそれぞれの充電ステーションのための別個の充電端子を含んでよい。
【0015】
充電板114は、充電モジュール190に電気的に接続され、充電モジュール190は電源ソケット122と、オン/オフ電源スイッチ124と、状態LED126とに電気的に接続される。電源ソケット122は、外部電源ケーブル(図示せず)を介して充電モジュール190に電力を供給する。電源スイッチ124は、ユーザが電源接続を中断することができるようにする。状態LED126は、ユーザに充電収納器の電気的状態を知らせる。例えば、LED126は、充電モジュール190に電力が供給中であるか否かを示すことができる。別の例として、LED126は、飛行機が充電ステーションに電気的に接続されているか否か、飛行機が充電中であるか否か、および/または飛行機がフル充電されているか否かなど、各充電ステーションにおける充電状態を示すことができる。
【0016】
実施形態によっては、充電収納器の一部としてより高度なインターフェースを設けてもよい。例えば、ユーザが充電収納器の動作を制御することができるようにするために、組み込みLCDディスプレイまたはタッチスクリーンを設けてもよい。別の例として、Wi-FiおよびEthernet(登録商標)などの追加の接続機能を設けてもよい。
【0017】
基部110は、1つまたは複数の内部コネクタ112を含むことができる。内部コネクタ112のそれぞれは、(例えば図Cまたは図1Dのように)基部110に蓋が配置されると蓋上の、または(例えば図Dに示すように)追加の基部が基部110上に配置されると追加の基部上の、対応する内部コネクタ(例えば図Bの内部コネクタ152)に電気的に結合されるように構築および構成することができる。内部コネクタ112と内部コネクタ152の間の電気的結合は、任意の適合するコネクタ(例えば、ばね荷重コネクタまたはその他の適合する電気コネクタ)を使用して行うことができる。
【0018】
図1Aの基部110と図1Bの蓋150は、それぞれ内壁140を含む。内壁140は、充電板(例えば図1Aの充電板114および図1Bの充電板154)として使用してもよく、または非導電体からなってもよく、またはその組み合わせであってもよい。図1Aの基部110と図1Bの蓋150は、それぞれ外壁142を含む。外壁142は、基部110と蓋150とを互いに固定するための1つまたは複数の締め付け機構160(例えば留め具、ラッチなど)を備えてもよい。外壁142は、運搬しやすいように1つまたは複数の取っ手(図示せず)も備えてもよい。
【0019】
基部110は蓋150または別の基部に機械的支持を与える。飛行機が充電板に自動的に置かれる場合、飛行機の着陸またはドッキング操作時にナビゲーションを補助するために基部110を使用することができる。これは、(1)明瞭な特徴(例えばマーク、位置LED、発光体、無線周波数(RF)エミッタ)を基部110上の明瞭に画定された位置に組み込み、(2)これらの特徴を検出するのに適合するセンサ(例えば視覚センサ、RFセンサなど)を飛行機に備え、(3)明瞭な特徴を基準にした飛行機の現在位置を表すセンサ読み取り値と、飛行機の所望の着陸位置またはドッキング位置(例えば充電ステーション)と、所望の着陸位置またはドッキング位置を基準にした明瞭な特徴の既知の位置とに応じて、飛行機上での着陸シーケンスまたはドッキングシーケンスを実行することによって行うことができる。
【0020】
図1Cに、単一の基部110と単一の蓋150とを含む充電収納器100を示す。図に示すように、充電収納器100は充電および/または運搬のために基部と蓋とを接続する締め付け機構160を備える。
【0021】
図1Cの蓋150は、1つまたは複数の外部コネクタ182も含む。外部コネクタ182は、複数の収納器が積み重ねられる場合に、別の充電収納器上の対応する外部コネクタ182に接続するように構築および構成することができる。外部コネクタ間の電気的結合は、例えば、ばね荷重接続プラグを使用して行うことができる。外部コネクタは、単一の電源ソケット122を介して複数の充電収納器に電力を供給してもよい。外部コネクタは、別の適合する外部コネクタと接続されているときにのみ電力供給されるように保証する安全回路を含んでもよい。
【0022】
なお、図1Cの充電収納器100は、個別に、または積み重ね内の追加の充電収納器と組み合わせて使用可能であることがわかるであろう。図1Cの充電収納器100が追加の充電収納器と重ね合わせられることを意図したものである場合、充電収納器を互いに固定するために追加の締め付け機構を使用することができる。また、1つの充電収納器の充電モジュールを使用して追加の充電収納器の飛行機を充電することができることもわかるであろう。実施形態によっては、追加の充電収納器において電源ソケットとオン/オフ電源スイッチとを省いてもよい。
【0023】
図1Dに、本開示の一部の実施形態による、統合型充電収納器100が複数の基部110および蓋150を含む統合型実施形態を示す。
【0024】
統合型充電収納器100は、統合型充電収納器の上部および底部として使用される2つの端部蓋150で構成される。底部蓋は、容易な運搬を可能にするための車輪170を備える。この実施形態では、充電モジュール190と、電源ソケット122と、電源スイッチ124と、状態LED126とが上部蓋150に含まれる。この実施形態では、4つの基部110のそれぞれが、2つの充電板114および154を含むように構築および構成される。飛行機200は、下側基部110の第1の充電板114と上側基部110の第2の充電板154との間に挟まれている。締め付け機構160を使用して、統合型充電収納器100の異なる層を互いに接続することができる。
【0025】
本実施形態は、多数の飛行機200の、特にコンパクトな充電、格納または運搬を可能にする。この例示の実施形態の変形も可能である。例えば、充電収納器を引き出しとして形成してもよい。別の例として、内部コネクタを接続プラグまたは接続ケーブルとして形成してもよい。
【0026】
図2Aに、本開示の一部の実施形態による、充電板114と154との間に飛行機200を挟むための4つの例示の実施形態の側面図を示す。挟み込みは充電板114と154との間に力210を加えることによって行われる。これは、締め付け機構を使用して行ってもよい。
【0027】
各飛行機200は、その本体220に接続された少なくとも2つのコネクタ214および254を含む。コネクタ214および254は、充電板114および154との電気的接続を可能にする。これは、飛行機のバッテリおよび動作パラメータ(例えば最小充電時間、バッテリのサイズ)によって必要とされる充電電圧およびアンペア数に応じた適合する導電率と、飛行機のペイロードに応じた適合する重量と、飛行機の力学的特性および空力的特性に応じた適合する形状と、飛行機および充電板の形状および表面特性に応じた適合する接続特性(例えば、ばね荷重コネクタ、磁気コネクタ)とを備えた材料を選択することによって実現可能である。電気接触は、さらに、締め付けの結果としての力210に応じた考えられる構造変形を計算に入れることによって実現されてもよい。
【0028】
コネクタ214および254を同時に使用して飛行機200を格納および運搬のための位置に固定することができる。これは、(1)締め付け機構を使用して、充電板114と154との間に挟まれた飛行機に力を加え、(2)コネクタ214および254と充電板114および154との間の摩擦に応じて、飛行機200が充電板114と154との間に挟まれると飛行機200の動きを防止するように、コネクタ214および254を構築および構成し、(3)構造的損傷を受けずに挟み込みを可能にするように充電板114および154と飛行機本体220とを構築および構成することによって実現することができる。
【0029】
実施形態によっては、充電収納器は機械的誘導部を含んでもよい。例えば、充電板114は、機械的誘導部として機能する埋め込み凹部を有してもよい。そのような誘導部は、飛行機が箱に収納されるときに飛行機を特定の位置または特定の向きに誘導するために使用することができる。この誘導処理は、典型的には受動的であり、すなわち飛行機が箱100に入れられるときに飛行機が所定位置/向きまでスライドする。この処理を容易にするために様々な工夫を使用することができる。例として、飛行機200と充電収納器との接点に低摩擦材料(例えば研磨された金属)を使用すること、飛行機の本体の形状を適応化すること、飛行機のケージまたはシュラウドの形状を適応化する(例えば球形ケージを使用する)こと、(例えば手動または(振動モータを使用して)自動的に)基部110を振動させること、飛行機200に専用着陸操縦(例えばドッキング操縦)を行わせること、飛行機200または充電収納器100上に磁石(例えば永久磁化された材料または電磁石)を使用すること、または、充電収納器100またはその基部110を角度をつけて配置する(例えば収納器に、床に置かれたときに角度を付けた支持を可能にする支持部を備えるか、または収納箱に角度を付けた基部を備える)こと、またはその他の工夫(例えば充電収納器に、飛行機を収集、格納または配置するための、滑降路または漏斗として機能する着陸ボード(図示せず)を補う)がある。機械的誘導部の例としては、くぼみ、切り欠き、漏斗、レールまたは溝がある。
【0030】
誘導部は、飛行機200を固定または運搬用に所定位置に配置するためにも使用することができる。これは、誘導部を飛行機の形状に合うように構築および構成することによって実現することができる。図1Aの例示の実施形態では、逆ピラミッド形の機械的誘導部が使用され、大きさが飛行機の球形ケージの形状に合うようになされている。
【0031】
誘導部は、飛行機を特定のパターンで配置するために使用してもよい。例えば、飛行機を格子状に配置するために、図1Aの例示の実施形態に示す逆四角錐形を使用してもよい。同様に、飛行機を等角格子または六角格子状に配列するために、三角錐または六角錐を使用してもよい。同様に、他の多くのモザイク式配列またはパターンも実現可能である。
【0032】
審美的理由で仕掛けを使用してもよい(例えば、飛行機を照明ショーの一部として使用する場合)。充電または運搬のために所定位置に誘導することを可能にするために仕掛けを使用してもよい。これにより、多くの飛行機をほとんどまたは全く手動操縦なしに誘導することを可能にすることができる。また、(例えばアクチュエータの動きが、誘導部、充電器および他の飛行機を含む障害物によって制限されないように機械的に保証することによって)例えば仕掛けを飛行機のアクチュエータの自由な動きを可能にするように構築および構成することによって、自律的離陸または着陸を可能にするために仕掛けを使用することもできる。別の例として、仕掛けを、短い間隔で連続して同じ収納器から離陸または同じ収納器に着陸する複数の飛行機の自由気流/乱流の低減を(例えば、飛行機の離陸シーケンスまたは着陸シーケンスを決定するために収納器内における飛行機の位置を表すデータを使用することによって、または収納器にエアクッションの形成を低減するためのエアダクト、通気口、ワイヤグリッド、またはフローガイドを備えることによって)可能にするように構築および構成してもよい。別の例として、仕掛けは、向き(例えば飛行機のヨー)が(例えば機械的誘導部またはセンサによって確実にわかるようにすることによって、より信頼性の高い離陸操縦を可能にしてもよい。同様に、仕掛けが、較正ルーティンを可能にしてもよい。実施形態によっては、収納器内の飛行機の位置および向きの容易な目視点検を可能にするために飛行機に(例えば飛行機のアームの1つに付けられた色分けバンドによって)マークを付けてもよい。実施形態によっては、飛行機が、飛行機識別子を収納器に伝達するように構築および構成される。実施形態によっては、収納器は、充電ステーション識別子をその充電ステーションにおける飛行機に伝達するように構築および構成される。
【0033】
誘導部は、充電のために飛行機を所定位置に配置するためにも使用することができる。これは、接続部の正負の正しい極性を保証するために有用である。これは、(例えばバッテリレギュレーション、バッテリバランシングまたはバッテリ通信のための)追加のコネクタを備えた飛行機、または(例えば同時に充電される飛行機の数を判断するために)スマート充電器を使用する場合、またはスマートバッテリ(例えばバッテリ管理システムを備えたバッテリ)を使用する場合にも有用な場合がある。これは、充電端子への飛行機のコネクタの容易な位置合わせおよび接続を可能にするように、誘導部と、飛行機のコネクタと、充電端子とを構築および構成することによって実現することができる。これは、例えばブラインドメイトコネクタを使用して実現することができる。他の例として、これは、ばね付勢式もしくはばね荷重式、または少なくとも1つの誘導面を含む嵌め合わせコネクタによっても実現可能である。
【0034】
誘導部は、充電回路間に電気絶縁をもたらすためにも使用可能である。これは、誘導部に絶縁を設けるかまたは誘導部を非導電性材料で製造することによって実現されてもよい。
【0035】
実施形態によっては、コネクタは機械的誘導部に合うように機械的に整合させてもよい。これは、飛行機と箱との間の電気的接続の向上のため、または、運搬中の飛行機の固定の向上のため、または飛行機を特定の位置または向きに誘導する際の誘導部の効率の向上のため有用な場合がある。これは、本開示に記載の特徴を、嵌め合わせ時のわずかな位置合わせずれを許容する自己位置合わせ機能を備えたコネクタと組み合わせることによって実現してもよい。例えば、飛行機上に対応する凸部、ビード、ボルトまたは止め金を有する、充電板上の溝またはスロットを使用してもよい。
【0036】
図1Aないし図1Dに戻って参照すると、締め付け機構160は、同時に複数の飛行機に力を加えることができる。締め付け機構160は、収納器基部110を蓋150または追加の収納器に機械的に接続することもできる。締め付け機構160は、飛行機200に明確に規定された力を加えることができる。これは、弾性要素を使用して実現してもよい。例えば、充電板を発泡材またはその他の弾性材料によって支持してもよく、または飛行機コネクタが弾性材料を組み込んでいてもよい。力は、締め付け機構の種類、数もしくは配置、または壁140または収納器基部110の大きさまたはそれらによってもたらされる機械的支持を飛行機の大きさまたは構造特性に合わせることによって調整することもできる。締め付け機構の例としては、レバー操作式ラッチ、クイッククランプ締結具、弾性固定具、スプリングラッチ、およびトグルクランプがある。
【0037】
図2Bに、本開示の一部の実施形態による飛行機200を示す。飛行機200は、本体220と、センサ260と、対応するプロペラ272を備えた4つのアクチュエータ270と、制御モジュール280と、バッテリ290と、2つのコネクタ(例えばフック)214および254とを含む。充電回路(図示せず)が、2つのコネクタ214および254のそれぞれをバッテリ290に電気的に接続する。
【0038】
図2Cに、本開示の一部の実施形態による飛行機200および充電板114を示す。飛行機200は、本体220と、センサ260と、対応するプロペラ272を備えた4つのアクチュエータ270と、制御モジュール280と、バッテリ290と、4つのコネクタ214とを含む。コネクタ214のうちの1つまたは複数(例えば1つ、2つ、3つ、または4つのコネクタのすべて)のコネクタが、コネクタと充電板114との間の良好な電気的接続を確保するように磁石(例えば永久磁石または電磁石)を含んでよい。実施形態によっては、磁石は、飛行機200を充電板114に固定するのにも十分な強度のものであってもよい。回路(図示せず)が、2つ以上のコネクタ214を飛行機200の構成要素(例えばバッテリ290)に電気的に接続する。図2Cに示すように、充電板114は、区分114.1ないし114.5を含む。区分114.5は、充電板114の非導電性区分であり、区分114.1ないし114.4を電気的に絶縁する。区分114.1ないし114.4のそれぞれは、飛行機200を所望の位置および向きに配置するのに役立つように製作またはその他の方法で形作ることができる。実施形態によっては、飛行機を所望の位置および向きに誘導しやすくするために、または区分114.1ないし114.4とコネクタ214のうちの1つまたは複数との良好な電気的接続を確実にするために、区分114.1ないし114.5のうちの1つまたは複数が磁石(例えば永久磁石または電磁石)を含んでよい。実施形態によっては、区分114.1ないし114.4のそれぞれが充電端子または通信インターフェースとして使用されてもよい。図2Cに示されている充電板114全体が、単一の充電ステーションに対応していてもよい。
【0039】
図2Dに、本開示の一部の実施形態による飛行機200および充電ステーションの別の例を示す。飛行機200は、飛行機200が充電ステーション上に置かれるとそれぞれ充電板114.1および114.2と接触する2つの充電コネクタ214.1および214.2を含む。飛行機200は、飛行機が充電ステーション上に置かれると通信板115と接触する通信コネクタ215をさらに含む。この例では、飛行機コネクタ214.1、214.2および215は、追加の締め付け力を必要としないように、飛行機200に働く重力によりたわむことによって対応する充電板114.1および114.2と通信板115との電気的接続をもたらす適切な寸法とされたリーフスプリングコンタクトである。充電板は、飛行機200が充電ステーション上に置かれると、(例えば充電収納器100の運搬中に)飛行機200の水平方向の動きを制限する誘導部116.1ないし116.3をさらに含む。誘導部116.1および116.2は、充電ステーション上の飛行機の正しい向きのみを許容にするために飛行機200上の特徴物220.1および220.2とそれぞれ整合する形状とされ、それによって電気的接続の正しい極性を確保しやすくすることができる。図のように、特徴物220.1および220.2は、それぞれのロータアーム上に、飛行機200の中心から異なる距離に位置づけられる。これらの異なる距離は、飛行機200が充電ステーション上に1つの向きでのみ取り付けられるように、誘導部116.1および116.2における対応する凹部の位置と一致する。なお、図の特徴物および誘導部は例示に過ぎず、飛行機200を充電ステーション上に正しい位置および向きに配置するのに役立つように任意の適合する特徴物および誘導部を使用してもよいことがわかるであろう。
【0040】
図3に、本開示の一部の実施形態による複数の飛行機の充電および運搬のための別のシステムを示す。図3のシステムは、充電収納器の端子として充電ロッド314および354を含む。充電ロッド314および354は支持構造体としての役割も果たす。充電ロッド314および354は以下のように使用される。充電ロッド314および354には1つまたは複数の飛行機200が置かれる。これは、手動または(例えば飛行機を基部110に着陸させることによって)自動で行うことができる。飛行機200は、飛行機を充電ロッド314および354に取り付けるために使用される2つのフックまたはその他の種類の取り付け機構を含んでよい。図のように、飛行機200のそれぞれが、充電ロッド314および354のうちのそれぞれの1つを少なくとも部分的に囲む2つのフックを含む。フックは、飛行機がフックから吊り下がっているときに飛行機の重量の少なくとも一部を支えるように構築および構成することができる。2つのフックは、コネクタ214および254を含む。したがって、フックは飛行機200に構造的支持と電気的接続とを与える。所望の数の飛行機200が基部110内に収容されると、締め付け機構160を使用して充電ロッド314および354が広げられ、それによって飛行機200のフックに相反する力210が加えられる。これにより、充電収納器における飛行機の位置が固定される。また、これにより電気回路も(例えば同時に)閉じる(わかりやすいように図では配線が省略されている)。これは、飛行機200を上部充電ロッド354と下部充電ロッド314の間で締め付けることによって実現される。
【0041】
フックまたはその他の種類の取り付け機構は、ロッドからフックを取り外すことができるように十分な間隔をもたせた飛行機のフレームの拡張部であることが好ましい。フックは、飛行機が特定の向きに吊り下がることができるように構築および構成することができる。これは、例えば、飛行機の重量を支えるのに十分な剛性のある材料からなるフックを使用し、特定の動きが行われた場合に飛行機をロッドに取り付けたり、ロッドから取り外したりすることができるようにすることによって実現されてもよい。例えば、飛行機を、フックをロッドから解放するように持ち上げるように軸に沿って回転させてもよい。別の例として、飛行機を解放するようにロッドを動かしてもよい。
【0042】
電気回路は、飛行機200の充電を可能にする。これは、充電ロッド314と、第1の飛行機コネクタ214と、飛行機バッテリと、第2の飛行機コネクタ254と、充電ロッド354とを介して充電モジュールに戻るように充電モジュールを接続することによって実現される(わかりやすいように、配線および充電モジュールは図では省略されている)。実施形態によっては、各飛行機200が充電モジュールを含み、このような実施形態では充電ロッド314および354が充電モジュールに電力を供給する。
【0043】
なお、図3に示すフックおよび構成は例示にすぎず、任意の他の適合する構成または取り付け機構を使用することができることはわかるであろう。例えば、フックは本体の対向する端部に配置され、ロータアームから延びるものとして図示されているが、フックは任意の他の適合する位置に配置することができる。例えば、フックを飛行機の本体上の任意の他の適合する位置におけるロータアームの下に配置することができる。別の例として、飛行機を充電ロッドに取り付けるために磁石を使用することができる。別の例として、飛行機を充電ロッドに取り付けるためにピンを使用することができる。
【0044】
図4に、本開示の一部の実施形態による充電収納器400の例示の電気構成要素のブロック図を示す。実施形態によっては、充電収納器400は図1Aないし図1Dの充電収納器100に対応する。実施形態によっては、図3の基部110を充電収納器400の一部として使用することができる。充電収納器400は、充電ステーション402Aないし402Cと、制御回路410と、電源ソケット420と、アラーム回路430と、通信インターフェース440と、ユーザインターフェース450と、位置特定ユニット460と、アクチュエータ470と、センサ480とを含む。
【0045】
充電ステーション402Aないし402Cはそれぞれ充電端子(例えば充電板(例えば図1Aないし図1Cを参照)、充電ロッド(例えば図3を参照)など)と、通信インターフェースとを含んでよい。充電端子は、飛行機の電気コネクタとの電気的結合のために構成することができる。充電ステーション402Aないし402Cのそれぞれが、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の充電端子を含んでよい。シングルセルバッテリを備えた飛行機の場合、充電ステーション402Aないし402Cの一部として2つの充電端子のみが含まれてもよい。マルチセルバッテリを備えた飛行機の場合、バッテリバランシングを可能にするために追加の充電端子を備えてもよい。充電ステーション402Aないし402Cのそれぞれのための通信インターフェースは、制御回路410が充電ステーションにドッキングされた飛行機と通信することができるようにするための任意の適合する通信インターフェースとすることができる。実施形態によっては、通信インターフェースは、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、またはWiFiなどの任意の適合する通信プロトコルを使用してよい。実施形態によっては、通信インターフェースは、飛行機と制御回路410との間で有線通信プロトコルを使用してもよい。有線通信は、充電ステーション上の少なくとも1つの通信端子を飛行機上の少なくとも1つの通信コネクタに接続することによって確立されてもよい。実施形態によっては、通信インターフェースは、充電端子を使用して飛行機と通信してもよい。これは、例えば、DC-BUSを使用して実現することができる。図4では3つの充電ステーションが示されているが、充電収納器400には任意の適合する数の充電ステーションを含めることができる。
【0046】
位置特定ユニット460は、充電収納器400の位置を特定する。位置特定ユニット460は、位置特定信号を受信するための受信機と1つまたは複数のアンテナを含むことができる。実施形態によっては、位置特定ユニット460は、タイムスタンプ刻印可能位置特定信号(例えば超広帯域信号)の受信時刻と、信号を送信する送受信機の既知の位置とに基づいて位置を特定する。受信信号がローカルクロック信号に基づいてタイムスタンプ刻印されてもよい。位置は、TOAまたはTDOA計算などの任意の適合する計算を使用して特定してもよい。特定された位置は、制御回路410に通知される。実施形態によっては、位置特定ユニット460は制御回路410に組み込まれる。実施形態によっては、充電ステーション400は位置特定ユニットを含まない。
【0047】
実施形態によっては、位置特定ユニットは、信号を送信する送受信機までの距離を特定する。これは、当技術分野で知られている技術を使用して行うことができる。例えば、位置特定ユニットと送受信機とが、同期クロックを有してもよく、信号は信号が送信される時を示す時刻を、信号が送信される前に送受信機によりタイムスタンプ刻印される時刻として含むことができる。位置特定ユニットが信号を受信すると、信号上のタイムスタンプは、位置特定ユニットがそのクロック上に有する時刻と比較される。これにより、位置特定ユニットは信号の飛行時間を判断することができ、したがって、信号がそれぞれ光速で伝達されることがわかっているため、位置特定ユニットとそれぞれの送受信機との間の距離を特定することができる。距離を特定する別の方法は、信号電力を用いることである。このために、送受信機のそれぞれによって本来送信される信号の強度を位置特定ユニットが知っている(例えば、メモリに記憶されているか、または送信信号の一部である)。位置特定ユニットで受信されたそれぞれの信号の強度を測定し、自由空間経路損失モデルを使用することによって、位置特定ユニットと送受信機のそれぞれとの間の距離を推定することができる。さらに他の例では、位置特定ユニットは三角測量により位置特定ユニットの位置を特定することができる。位置特定ユニットは、少なくとも3つの送受信機から信号を受信し、受信した信号に基づいて(例えば受信信号の強度に基づいて)3つの送信機それぞれまでの距離を推定する。これらの3つの送受信機の位置がわかっていること(例えばメモリに記憶されているか、または送信信号の一部である)により、位置特定ユニットは3つの送受信機のそれぞれからの推定距離に基づいて位置特定ユニットの位置を特定する。
【0048】
制御回路410は、任意の適合するハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して実装可能である。例えば、制御回路は1つまたは複数のプロセッサと、非一時的コンピュータ可読メモリなどのメモリ、コンピュータ可読命令を含む1つまたは複数のソフトウェアモジュール、ファームウェア、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0049】
アクチュエータ470は、充電収納器400の動作を支援する任意の適合するアクチュエータとすることができる。実施形態によっては、アクチュエータ470は、締め付け機構を動作させるか、または充電および/または運搬のために飛行機を固定するのに使用される締め付け機構として機能する。例えば、図1Aないし図1Dの蓋150が、一辺に沿ってヒンジを備えた対応する基部110に接続されてもよく、アクチュエータ470は、蓋150を持ち上げるために使用される線形アクチュエータまたは回転型アクチュエータであってもよい。適合するアクチュエータとしては、サーボモータやステッピングモータが含まれ得る。実施形態によっては、飛行機を個別に固定および解放するために、1つまたは複数のアクチュエータ470を使用することができる。アクチュエータ470は制御回路410によって制御される。実施形態によっては、アクチュエータ470は、充電収納器400が、位置特定ユニット460によって特定される適切な位置にあるときにのみに動作させられる。
【0050】
センサ480は、任意の適合するセンサまたはセンサの組み合わせとすることができる。例えば、センサ480は、光学センサ、加速度計、磁力計、およびジャイロスコープのうちの1つまたは複数を含んでもよい。実施形態によっては、制御回路410がセンサ480からの測定値を使用して充電収納器400の動作を制御する。例えば、制御回路410は、充電収納器400が飛行機を解放および受け入れするのに適切な向きであり、十分に水平であるか否かを判断するために、それらの測定値を使用することができる。これは、例えば、飛行機に加速度計または磁力計などの適切なセンサを備えることによって実現可能である。実施形態によっては、センサ480は、各充電ステーションに飛行機が配置されているか否かを判断するために使用される。これは例えば、ホールセンサ、光学センサ、電流センサ、または変位センサを使用して実現可能である。実施形態によっては、充電ステーション400はセンサ480を含まない。
【0051】
図5に、本開示の一部の実施形態による、図4の充電ステーション402Aおよび飛行機500の例示の電気構成要素のブロック図を示す。図5に示すように、充電ステーション402Aは、ここでは充電端子404Aおよび408Bである2つの充電端子を含む。充電端子404Aおよび404Bは、飛行機500のそれぞれの電気コネクタ504Aおよび504Bと電気的に結合され得る。実施形態によっては、端子404Aおよび404Bとコネクタ504Aおよび504Bとは導電性であり、電気的結合は物理的接触により実現される。上述のように、良好な物理接触を確実にするために締め付け機構を使用してもよい。これに加えて、またはこれに代えて、良好な物理接触を確実にするために磁石を使用してもよい。例えば、充電端子404Aおよび404Bと電気コネクタ504Aおよび504Bとのうちの1つまたは複数が、永久磁石または電磁石を含んでもよい。実施形態によっては、磁石の引力が、良好な物理接触を確実にするのに十分に大きいが、飛行機500が充電ステーション402Aから離昇するために発生可能な力よりは小さくすることができる。磁石がオン/オフ可能な電磁石の場合、引力は飛行機500を充電ステーション402Aに物理的に固定するのに十分に大きく設定してもよい。電磁石は、飛行機500が充電ステーション402Aから離昇することができるようにするためにオフにされてもよい。前述の各例は、例示に過ぎず、本開示により任意の適合する磁石引力を使用することができる。実施形態によっては、誘導充電を可能にするために、端子404Aおよび404Bとコネクタ504Aおよび504Bとが、誘導コイルを含み、互いに誘導結合される。一例では、端子404Aおよび404Bは、相対的に大きな誘導コイルを含み、コネクタ504Aおよび504Bは相対的に小さい誘導コイルを含む。端子404Aおよび404Bにおいてより大きな誘導コイルまたは電力を使用することにより、飛行機500上の誘導コイルをより小型の寸法とすることができ、したがって飛行機500の重量を軽くすることができる。バッテリの充電を可能にするために、コネクタ504Aおよび504Bはバッテリ510に電気的に結合される。なお、バッテリ510の充電バランシングを可能にするために、追加の充電端子および対応する電気コネクタを設けてもよいことがわかるであろう。
【0052】
図5の充電ステーション402Aは、通信インターフェース406も含み、飛行機500は対応する通信インターフェース506も含む。インターフェース406および506は、飛行機500と充電ステーション402Aとの間の通信を可能にする任意の適合する有線または無線通信インターフェースとすることができる。使用可能な無線通信インターフェースの例としては、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、およびWiFiがある。飛行機の通信インターフェース506は、制御ユニット530を介してメモリ520に結合することができる。メモリ520は、任意の適合する非一時的コンピュータ可読メモリであってよい。メモリ520は、処理回路(例えば制御ユニット530)によって実行されるコンピュータ可読命令を記憶することができる。メモリ520は、飛行機500に関する情報も記憶することができる。例えば、メモリ520は飛行機500のID番号、バッテリ510に関するバッテリ情報、および飛行機500の飛行計画情報を記憶してもよい。バッテリ情報は、バッテリ電圧、バッテリセル数、バッテリ容量、バッテリ充電履歴、任意のその他の適合するバッテリ情報およびこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。メモリ520に記憶されている情報は、通信インターフェース506および406を介して充電収納器に伝達することができる。なお、有線通信インターフェースは、別個の線を使用してよく、または充電端子404Aおよび404Bと共通の1つまたは複数の線を使用してもよい。例えば、有線通信インターフェースは、DC-BUS技術を使用して充電端子404Aおよび404Bを介して通信してもよい。
【0053】
図5に、内部コネクタ408も示す。内部コネクタ408は、例えば充電ステーション402Aの充電端子404Aおよび404Bが充電収納器の異なる構成要素上に配置される場合に使用することができる。例えば、充電ステーション402Aが図1Aないし図1Dの充電ステーションに対応し、一方の充電端子が基部110上に配置され、他方の充電端子が蓋150上に配置される場合、内部コネクタ408を使用して基部110と蓋150との間に電気的結合を形成することができる。充電ステーション402Aの充電端子404Aおよび404Bが例えば単一の構造体上に配置される場合、内部コネクタ408は不要である。
【0054】
図5には、飛行機500が、位置特定ユニット540と、アクチュエータ550と、センサ560も含むものとして示されている。位置特定ユニット540は、飛行機500の位置を計算する。実施形態によっては、位置特定ユニット540は、上述のような位置特定ユニット460の機能および構成要素を含む。位置特定ユニット540は、特定した位置を制御ユニット530に通知する。実施形態によっては、位置特定ユニット540は制御ユニット530に組み込まれる。実施形態によっては、飛行機500は位置特定ユニット540を含まない。
【0055】
制御ユニット530は、任意の適合するハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して実装可能である。例えば、制御ユニット530は、1つまたは複数のプロセッサと、非一時的コンピュータ可読メモリなどのメモリ、コンピュータ可読命令を含む1つまたは複数のソフトウェアモジュール、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0056】
アクチュエータ550は、飛行機500の動きを制御するための任意の適合するアクチュエータとすることができる。例えば、アクチュエータ550はプロペラに結合されたモータとすることができる。アクチュエータ550は、(例えば固定翼機用の)単一モータまたは(例えばマルチコプタ用の)複数モータであってもよい。アクチュエータ550は、制御ユニット530によって制御される。実施形態によっては、飛行機500は自律飛行が可能であり、制御ユニット530は、アクチュエータ550に供給される1つまたは複数の制御信号を判断する。実施形態によっては、1つまたは複数の制御信号が、1つまたは複数のアクチュエータ550に結合された1つまたは複数のプロペラが発生させる推力を変化させるために使用される。実施形態によっては、制御ユニット530は、飛行機500に所望の飛行経路を飛行させるための1つまたは複数の制御信号を判断する。実施形態によっては、制御ユニット530は、基準信号に基づいて1つまたは複数の制御信号を判断するために1つまたは複数の制御ループを使用する。実施形態によっては、制御ユニット530は、飛行機500の現在位置を飛行経路に関連付けられた基準位置と比較する。
【0057】
センサ560は任意の適合するセンサまたはセンサの組み合わせであってよい。例えば、センサ560は、光学センサ、無線周波数(RF)センサ、ホール効果センサ、加速度計、磁力計およびジャイロスコープのうちの1つまたは複数を含んでもよい。実施形態によっては、制御ユニット530は、センサ560からの測定値を使用して飛行機500の動作を制御する。例えば、制御ユニット530は、充電ステーションへの着陸を支援するように基部110上の明瞭な特徴を検出するために、光学センサ(例えば視覚センサ)からの測定値を使用することができる。例えば、光学センサからの測定値を使用して明瞭な特徴に対する飛行機500の相対位置を判断することができ、この情報を使用して着陸シーケンスまたはドッキングシーケンスを実行することができる。これは例えば、基部110上の既知の大きさおよび位置の基準マーカと、基準マーカと飛行機との間の相対距離(カメラセンサ上の基準マーカの大きさ)および平行変位(カメラセンサ上の基準マーカの位置)を提供するための飛行機上の較正カメラとを使用して実現されてもよい。実施形態によっては、飛行機500が配置されている充電ステーションを特定するためにセンサ560を使用することができる。これは例えば、ホールセンサ、光学センサ、電流センサまたは変位センサを使用して実現することができる。飛行機500は、通信インターフェース506を使用して充電収納器400に充電ステーションの識別情報を提供することができる。実施形態によっては、飛行機500はセンサ560を含まない。
【0058】
なお、図5の詳細およびそれに対応する説明は、充電ステーション402Aには限定されないことがわかるであろう。これらの詳細および対応する説明は、図4の充電ステーション402Bおよび402Cと、本明細書に記載のその他の充電ステーションにも適用される。
【0059】
図4に戻って参照すると、制御回路410はメモリ412と充電モジュール414とを含んでもよい。制御回路410は、充電収納器400の電気構成要素と通信し、それらの動作を制御することができる。例えば、制御回路410は(例えば1つまたは複数のセンサ480を使用して)充電ステーション402Aないし402Cのそれぞれにおいてドッキングされた飛行機の存在を検出することができ、ドッキングされた飛行機の充電を可能にすることができる。メモリ412は、任意の適合する非一時的コンピュータ可読メモリであってよい。メモリ412は、制御回路410によって実行されるコンピュータ可読命令を記憶することができる。メモリ412は、充電状態および充電履歴に関する情報、ユーザインターフェース450から受け取った情報、任意のその他の適合する情報、およびこれらの任意の適合する組み合わせも記憶することができる。充電モジュール414は、充電ステーション402Aないし402Cにドックされている飛行機に充電する。充電モジュール414は、制御回路410の制御下で動作することができ、充電ステーション402Aないし402Cのそれぞれにおける充電を独立して制御するように構成されてもよい。実施形態によっては、充電モジュール414は、受動または能動バッテリバランシングを行うように構成される。充電モジュール414は、制御回路とは別個のものとして示されているが、実施形態によっては、充電モジュール414の機能が制御回路410に組み込まれてもよく、またはその逆であってもよい。実施形態によっては、充電ステーション400は充電モジュール414を含まない。例えば、各飛行機が充電モジュールを含んでもよい。
【0060】
アラーム回路430は、アラーム状態を示すための任意の適合する可聴表示器または視覚表示器を含むことができる。アラーム状態は、例えば充電の完了、バッテリ故障、バッテリ過熱、飛行機との接続不良、任意のその他の適合するアラーム状態およびこれらの任意の組み合わせを含む。一例として、充電モジュール414は、充電中のバッテリの温度を感知してもよく、バッテリの温度が閾値(例えば正常充電温度)を越えた場合にアラーム回路430がアラームを作動させてもよい。実施形態によっては、充電ステーション400はアラーム回路430を含まない。
【0061】
電源ソケット420は、図1A図1Cおよび図1Dの電源ソケット122に対応してよい。電源ソケット420は、電源コンセントなどの電源に接続可能な取り外し可能外部電源ケーブルに物理的および電気的に接続するように構成することができる。実施形態によっては、電源ソケット420が、電源への接続のための電源ケーブル(例えば引き込み式電源ケーブル)を含んでもよい。
【0062】
ユーザインターフェース450は、ユーザ入力装置、ディスプレイ、またはスピーカを含んでもよい。キーボード、マウス、タッチスクリーン、ボタン、スイッチ、マイクロフォン、ジョイスティック、タッチパッドまたは任意のその他の適合する入力装置など、任意の種類のユーザ入力装置をユーザインターフェース450の一部として含めることができる。例えば、ユーザインターフェース450は、図1A図1Cおよび図1Dの電源スイッチ124を含んでよい。陰極線管ディスプレイ、液晶ディスプレイないしプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ、または任意のその他の適合するディスプレイ装置など、任意の種類のディスプレイをユーザインターフェース450の一部として含めることができる。ディスプレイは、例えばメニュー選択項目を表示してよく、ユーザが充電収納器400の動作を制御することができるようにするためにソフトキーを設けてもよい。別の例として、ディスプレイは充電ステーション402Aないし402Cのそれぞれの状態を表示してもよい。状態は、充電ステーションに飛行機がドッキングされているか否か、バッテリが充電中であるか否か、充電電圧、充電電流、予想充電時間、バッテリ識別子、バッテリ健康状態、バッテリがフル充電されているか否かなどを示してもよい。
【0063】
ユーザインターフェース450は、ユーザが充電収納器400の様々な面を制御することができるようにする。例えば、ユーザはそれぞれの充電ステーションにドッキングされている飛行機の充電を開始するためにユーザインターフェース450を使用することができる。別の例として、ユーザは、ドッキングされた飛行機から情報を取り出すためにユーザインターフェース450を使用してもよい。別の例として、ユーザは、飛行機のソフトウェアまたは設定をプログラムまたは調整するためにユーザインターフェース450を使用してもよい。
【0064】
外部通信インターフェース440は、充電収納器400が外部装置と通信することができるようにすることができる。外部通信インターフェース440は、充電収納器400が電子回路、装置(例えばラップトップまたはスマートフォン)、ネットワーク、サーバまたはその他のワークステーション、ディスプレイ、またはこれらの任意の組み合わせと通信可能にすることができる、任意の適合するハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを含み得る。外部通信インターフェース440は、1つまたは複数の受信機、送信機、送受信器、アンテナ、プラグインコネクタ、ポート、通信バス、通信プロトコル、装置識別プロトコル、任意のその他の適合するハードウェアおよびソフトウェア、またはこれらの任意の組み合わせを含んでよい。外部通信インターフェース440は、有線通信または無線通信あるいはその両方を可能にするように構成することができる。実施形態によっては、ユーザインターフェース450の一部または全部が充電収納器400に含まれなくてもよく、この機能は、外部通信インターフェース440を使用して充電収納器400と通信する外部装置において実装されてもよい。複数の充電収納器が使用される一部の実施形態では、単一の外部装置(例えばラップトップ)を使用して、複数の充電収納器をそのそれぞれの外部通信インターフェースを介して制御してもよい。実施形態によっては、充電ステーション400は外部通信インターフェース440を含まない。
【0065】
図6に、本開示の一部の実施形態による、充電モジュール614およびその充電ステーション602Aおよび602Bとの相互接続のブロック図を示す。実施形態によっては、充電モジュール614は図4の充電モジュール414に対応し、充電ステーション602Aおよび602Bは図4の充電ステーションのうちの2つに対応する。充電モジュール614は、コネクタ680、682および690によって充電ステーション602Aに接続される。充電モジュール614は、コネクタ680、682および692によって充電ステーション602Bに接続される。コネクタ680、682、690および692は、充電モジュール614と充電ステーション602Aおよび602Bとの間の通信を提供するための任意の適合する有線接続とすることができる。
【0066】
充電モジュール614は、コネクタ680および682と電源610とを使用して、ドッキングされている飛行機のバッテリに充電するために充電ステーション602Aおよび602Bに定電圧もしくは可変電圧または定電流もしくは可変電流を供給してもよい。コネクタ680および682は複数の充電ステーションに接続されているものとして示されているが、他の構成も使用可能であることはわかるであろう。例えば、それぞれの充電ステーションに別々のコネクタを使用することができる。別の例として、各充電ステーションの独立した制御を可能にするために、コネクタ680および682においてスイッチを使用することができる。実施形態によっては、充電モジュール614は、ドッキングされたバッテリの充電を監視および制御(例えばバッテリバランシング)するためにコネクタ690および692を使用する。実施形態によっては、コネクタ690および692はそれぞれ複数の有線接続を含んでもよい。
【0067】
充電モジュール614は、バッテリ感知モジュール620と、温度感知モジュール630と、充電状態(SOC)モジュール640と、残存寿命(RUL)モジュール650と、健康状態(SOH)モジュール660と、制御モジュール670とを含んでもよい。バッテリ感知モジュール620は、充電ステーションに飛行機がドッキングされると検出するように構成することができる。例えば、バッテリ感知モジュール620は、充電ステーションの2つのコネクタ間の抵抗、電圧または電流を調べて飛行機の存在を検出してもよい。温度感知モジュール630は、ドッキングされているバッテリの温度を検出するように構成することができる。実施形態によっては、温度感知モジュール630は、ドッキングされているバッテリの複数の温度(例えば各バッテリセルについて1つずつの温度)を検出するように構成されてもよい。温度感知モジュール630は、任意の適合する技術または技術の組み合わせを使用してバッテリの温度を判断してもよい。例えば、温度は充電履歴とバッテリの温度挙動のモデルとに基づいて推定されてもよい。別の例として、温度はバッテリのインピーダンスを測定することによって判断されてもよい。別の例として、温度はサーミスタを使用して判断されてもよい。さらに、バッテリの1つまたは複数の温度を判断するために、任意の他の技術または技術の組み合わせを使用してもよい。
【0068】
SOCモジュール640は、バッテリの使用可能容量を判断するように構成することができる。実施形態によっては、SOCモジュール640は、バッテリの各セルの使用可能容量を判断するように構成されてもよい。バッテリの使用可能容量は、任意の適合する技術を使用して判断することができる。充電モジュール614は、バッテリバランシングを行うために容量情報を使用してもよい。
【0069】
RULモジュール650は、残存寿命を判断するように構成することができる。RULモジュール650は、任意の適合する技術を使用して残存寿命を判断することができる。例えば、残存寿命は、バッテリの充電中にバッテリを監視することによって判断されてもよい。別の例として、バッテリまたは飛行機が固有ID番号を有してもよく、RULモジュール650は残存寿命を判断するために履歴充電情報を使用してもよい。残存寿命が所定の量よりも少ない場合、充電モジュール614はアラームを発動させるかまたは操作者に対して警告を表示してもよい。
【0070】
SOHモジュール660は、バッテリの全体的状態を判断するように構成することができる。実施形態によっては、全体的状態は、新しいバッテリまたは、その種類のバッテリの理想的状態との比較で判断される。例えば、SOHモジュール660は、バッテリのインピーダンスを測定し、その測定値を新しいバッテリによって一般的に得られるインピーダンスと比較することができる。別の例として、SOHモジュール660は、バッテリの完全放電と充電のサイクルを行うことによってバッテリの容量を測定し、その測定値をバッテリの公称容量と比較することもできる。SOHモジュール660は、バッテリの状態を操作者に対して表示してもよい。実施形態によっては、バッテリの状態は、RULモジュール650が残存寿命を判断するために使用する。
【0071】
制御モジュール670は、コネクタ680および682と電源610とを使用して、ドッキングされている飛行機のバッテリを充電するために、充電ステーション602Aおよび602Bの適切な定電圧もしくは可変電圧または定電流もしくは可変電流を判断するように構成することができる。充電に加えて、制御モジュール670は、バッテリのバランシングを行うか、または特定のSOC(例えば運搬または格納に適したSOC)に合わせてバッテリを調節するなど、特別な機能を実行するように構成されてもよい。他の実施形態では、制御モジュールは飛行機に物理的に配置されてもよい。
【0072】
充電モジュール614について、いくつかの異なるモジュールを含むものとして説明したが、これらのモジュールのすべてが含まれる必要はないことはわかるであろう。例えば、基本的な実装形態では、モジュール620ないし670が充電モジュール614の一部として含まれなくてもよい。
【0073】
充電モジュール614はバッテリの有用寿命を最大限にし、バッテリを安全に充電するように構成することができる。例えば、充電の開始時に充電電流または電圧を知的に上昇させてもよい。別の例として、バッテリが過熱するのを防ぐために、電流制限器またはサージ保護を使用してもよい。別の例として、バッテリに過大な電流が流入するのを防ぎ、バッテリを短絡から保護するために、ヒューズをコネクタの一部として、またはバッテリに含めてもよい。充電モジュール614に他の任意の安全技術および安全技術の組み合わせを組み込んでもよい。
【0074】
充電モジュール614について充電ステーション602Aおよび602Bに接続されるものとして説明したが、実施形態によっては、各飛行機に別個の充電モジュール614が物理的に配置されてもよい。そのような実施形態では、充電モジュールに電力供給するために各充電ステーションが飛行機に電力を供給してもよい。
【0075】
上述の収納器は充電機能を備え、充電収納器と呼んでいるが、実施形態によっては、収納器は充電機能を備えなくてもよいことはわかるであろう。また、本明細書に記載の収納器は、格納用収納器または飛行機格納用収納器と呼ぶことができることもわかるであろう。また、上述の収納器は飛行機を収納器に機械的に固定する締め付け機構を含むが、実施形態によっては、収納器は締め付け機構を含まなくてもよいこともわかるであろう。
【0076】
本開示の飛行機は、様々な方法を実行するために使用可能であり、様々な方法を実行するように構成可能である。実施形態によっては、本開示の飛行機は吊り下げ位置から発進するように構成することができる。例えば、図3の飛行機200を、充電ロッド354から吊り下がった状態から離陸するように構成することができる。さらに、図7に、本開示の一部の実施形態による、上部ケーブル710から吊り下がり、下部ケーブル720上に乗っている飛行機200を示す。上部ケーブル710は、飛行機700が吊り下がることができる任意の適合する支持構造体とすることができる。例えば、上部ケーブル710は、飛行機200が吊り下がることができる1つまたは複数の装備を有する、ケーブル、ロッドまたはその他の支持構造体とすることができる。実施形態によっては、ケーブル710および720は、(例えば見えないように、またはセットの一部として)ステージを横断して吊されてもよい。飛行機200を垂線に対して特定の角度に(例えば45度の角度に)保つように、下部ケーブル720が上部ケーブル710から垂直方向にずれていてもよい。実施形態によっては、図7の飛行機200がそれぞれ、吊り下げを可能にするように上部ケーブル710を少なくとも部分的に取り囲む単一のフックを含み、この場合、重力によって飛行機が下部ケーブル720上に乗る。実施形態によっては、図7の飛行機200が、図2の飛行機200に類似した2つのフックを含んでもよい。実施形態によっては、ケーブル710および720を、充電端子として、および/または、飛行機200とのデータ通信を実現するために使用してもよい。実施形態によっては、ケーブル710および720を洗濯ひもシステムと同様にして動かし、使用してもよい。例えば、飛行機をケーブル710および720上に置き、ケーブル710および720を動かし、このプロセスを順に繰り返すことによって、飛行機をケーブル710および720上に配置することができる。実施形態によっては、ケーブル710および720は、通信および/または充電のための電気的接続を可能にするように飛行機を取り付けるための特別な区分を有する。
【0077】
実施形態によっては、(例えば図3および図7に示すように)吊り下げ位置から発進するように構成された飛行機が、本体と、本体に結合された少なくとも2つのアクチュエータおよび対応するプロペラと、本体に結合され、支持構造体と係合し、それによって飛行機が第1の向きで支持構造体から吊り下がることができるようにするように構成された取り付け構成要素とを含む。飛行機は、本体に結合され、位置特定信号を受信するように構成された受信機と、本体に結合され、方位信号を発生するように構成されたセンサとをさらに含む。飛行機は、本体に結合された少なくとも1つのプロセッサをさらに含み、その少なくとも1つのプロセッサは、(a)発進コマンドを受信し、(b)飛行機が第1の向きで支持構造体から吊り下げられているときに発進コマンドの受信に応答して第1の発進操縦を実行し、第1の発進操縦が少なくとも2つのアクチュエータのうちの少なくとも1つと、対応するプロペラとを作動させて飛行機を支持構造体を中心に第1の向きから第2の向きに回転させ、(c)方位信号に基づいて第1の発進操縦の完了を判断し、(d)第1の発進操縦の完了を判断することに応答して第2の発進操縦を実行し、第2の発進操縦により少なくとも2つのアクチュエータのうちの少なくとも2つと、対応するプロペラとを作動させて飛行機を支持構造体から外れさせ、離昇させ、第2の発進操縦は位置特定信号に基づいて制御されるように構成される。
【0078】
実施形態によっては、正常な発進は3つの発進操縦を必要としてもよい。3つの操縦を図7において動き矢印730、732および734で示す。第1の発進操縦は、動き矢印730で示すように飛行機を直立位置に動かす。第2の発進操縦は、動き矢印732で示すように飛行機を横に動かす。第3の発進操縦は、動き矢印734で示すように飛行機を離陸のために上方に動かす。実施形態によっては、飛行機上のフックの機械構造が、(例えば較正不良、モータのスピンアップ失敗などのために)これらの操縦を実行することができない飛行機が離陸するのを防ぐ。
【0079】
実施形態によっては、飛行機が支持構造体上に着陸し、1つまたは複数の充電端子を含み得る支持構造体(例えば図3の充電ロッド354または図7の上部ケーブル710)上に着陸し、そこから吊り下がるように構成される。飛行機は、本体と、本体に結合された少なくとも1つのアクチュエータおよび対応するプロペラと、本体に結合された取り付け構成要素とを含むことができ、取り付け構成要素は支持構造体に係合し、それによって飛行機が支持構造体から特定の向きで吊り下がることができるようにするように構成される。飛行機は、本体に結合され、位置特定信号を受信するように構成された受信機と、本体に結合され、方位信号を発生するように構成されたセンサとをさらに含んでよい。飛行機は、本体に結合されたプロセッサであって、(a)ドッキングコマンドを受信し、(b)ドッキングコマンドの受信に応答して第1のドッキング操縦を実行し、第1のドッキング操縦は、飛行機を少なくとも1つのアクチュエータおよび対応するプロペラと位置特定信号とを使用して支持構造体を基準にした所定位置まで飛行させ、(c)第1のドッキング操縦の完了後に第2のドッキング操縦を実行し、第2のドッキング操縦は、飛行機を支持構造体に接触させ、(d)第2のドッキング操縦の完了後に、第3のドッキング操縦を実行し、第3のドッキング操縦は取り付け構成要素により支持構造体に係合するように飛行機を支持構造体を中心に回転させ、飛行機は第3のドッキング操縦の完了後に特定の向きで支持構造体から吊り下がり、第3のドッキング操作は方位信号に基づいて制御されるように構成された、少なくとも1つのプロセッサをさらに含むことができる。
【0080】
一部の実施形態では、本開示により、複数の飛行機に充電する方法を実行することができる。この方法は、(a)第1の飛行機をドッキング前位置まで操縦することと、(b)第1のドッキング操縦を実行することと、(c)第2の飛行機をドッキング前位置まで操縦することと、(d)第2のドッキング操縦を実行することと、(e)第3の飛行機をドッキング前位置まで操縦することと、(f)第3のドッキング操縦を実行することとを含む。この方法は、(g)機械的締め付け機構を係合させ、それによって少なくとも第1、第2および第3の飛行機を固定することをさらに含んでよい。この方法は、(h)少なくとも第1、第2および第3の飛行機の充電を開始することをさらに含む。この方法は、(i)機械的締め付け機構を解放し、それによって少なくとも第1、第2および第3の飛行機を同時に解放することをさらに含んでよい。
【0081】
一部の実施形態では、本開示により、複数の飛行機を充電器に接続する方法を実行することができる。複数の飛行機のそれぞれが、少なくとも第1および第2のコネクタを含んでよく、充電器は少なくとも第1および第2の充電および運搬手段を含んでよく、第1のコネクタは、第1の充電および運搬手段との第1の電気的および機械的接続を形成するように構築および構成され、第2のコネクタは、第2の充電および運搬手段との第2の電気的および機械的接続を形成するように構築および構成される。この方法は、(a)各飛行機の第1のコネクタが第1の充電および運搬手段と接触するように複数の飛行機のそれぞれを自律的に操縦することと、(b)各飛行機の第2のコネクタと第2の充電および運搬手段との間の接触を確実にするように複数の飛行機または充電器を手動で操作することとを含む。この方法は、(c)複数の飛行機のそれぞれと充電器との間に電気的および機械的接続を確立するために締め付け機構を係合させることをさらに含んでよい。
【0082】
一部の実施形態では、本開示により複数の飛行機を充電器にドッキングする方法を行うことができる。充電器は、基部と、基部の明瞭に画定された位置にある少なくとも1つの明瞭な特徴と、第1および第2の充電端子と、充電端子に動作可能に接続された充電回路とを含むことができる。複数の飛行機のそれぞれが、(a)本体と、(b)本体に装着されたバッテリと、(c)本体に装着され、それぞれが本体との機械的接続とバッテリとの電気的接続とを同時にもたらすように構築および構成され、それぞれが第1または第2の充電端子との機械的および電気的接続を可能にするようにさらに構築および構成された第1および第2のコネクタと、(d)本体に装着され、少なくとも1つの明瞭な特徴を検出し、その明瞭な特徴を基準にした飛行機の動きを表すデータを生成するように動作可能なセンサと、(e)本体に装着され、飛行機を飛行させることができる力を発生するように動作可能なアクチュエータとを含むことができる。この方法は、充電器との飛行機ドッキング操縦を開始することと、飛行機ドッキング操縦を開始することに応答して、(a)明瞭な特徴を基準にした飛行機の動きを表すデータに基づいて、明瞭な特徴に対する飛行機の相対位置の推定値を計算するステップと、(b)明瞭な特徴に対する飛行機の相対位置の推定値と明瞭な特徴に対する飛行機の所望の相対位置との比較に基づくとともに、基部上の既知の明瞭に画定された位置にさらに基づいて、アクチュエータを制御するステップと、(c)第1または第2のコネクタと第1または第2の充電端子との少なくとも第1のドッキングを検出するステップとを行うこととを含む。この方法は、少なくとも第1のドッキングの検出に応答して、(a)飛行機ドッキング操作を終了するステップと、(b)充電器の充電回路を有効化するステップとを行うことをさらに含む。
【0083】
一部の実施形態では、本開示により、充電器からの複数の飛行機の自律的離陸のための方法を行うことができる。充電器は複数の充電ステーションを含み、各充電ステーションは、(a)少なくとも第1および第2の充電端子と、(b)離陸のために飛行機を望ましい位置および向きに維持するのを機械的または磁気的に支援するように構築および構成された誘導部と、(c)第1および第2の充電端子に動作可能に接続された充電回路とを含む。複数の飛行機のそれぞれは、(a)本体と、(b)本体に装着されたバッテリと、(c)それぞれが本体に装着され、それぞれが、充電ステーションにドッキングされると充電ステーションのそれぞれの第1および第2の充電端子と電気的接触を可能にするように構築および構成された、少なくとも第1および第2のコネクタと、(c)本体に装着され、飛行機を離陸させることができる力を発生するように動作可能なアクチュエータと、(d)充電ステーションからの飛行機の離陸をトリガする信号を受信するように構築および構成された通信インターフェースとを含む。この方法は、複数の飛行機のうちの少なくとも第1の飛行機の充電器からの離陸を開始することと、第1の飛行機の離陸操縦の開始に応答して、(a)飛行機の通信インターフェースにおいて離陸信号を受信するステップと、(b)飛行機のバッテリ充電を所定の閾値(例えば安全閾値)と比較するステップと、(c)第1の飛行機のバッテリ充電を閾値と比較することに応じて、第1の飛行機の充電ステーションからの離陸操縦を実行または中止するステップとを行うこととを含む。
【0084】
一部の実施形態では、飛行機が離陸のために十分な性能能力を有することを保証するためのシステムおよび方法が提供される。実施形態によっては、システムは、発進位置から解放されるために飛行機が1つまたは複数の操縦を行うことを必要とする機械構造体を含む。例えば、システムは、飛行機の配置をその領域内に制約する第1および第2の領域を含んでもよい。システムは、飛行機が第1の領域から第2の領域に移動することができるようにする移行領域(例えば隘路)をさらに含んでもよい。システムは、飛行機が第2の領域から出ることができるようにする、第2の領域内の出口をさらに含んでもよい。
【0085】
実施形態によっては、機械構造体は、1つまたは複数の自由度における飛行機の動きを制限するとともに1つまたは複数の異なる自由度における飛行機の動きを可能にする、1つまたは複数の機械的誘導部を含む。1つまたは複数の機械的誘導部は、解放されるために飛行機が通行する必要があるラビリンスを形成してもよい。
【0086】
図8Aに、本開示の一部の実施形態による例示の機械ラビリンス構造体800を示す。図のように、構造体800は、4つの側部を含む。各側部は、飛行機の一部が通過可能な通路を形成する開口領域を含む。図のように、構造体800の各側部の通路は同じ形状を有する。実施形態によっては、構造体800の1つまたは複数の側部の通路の形状および/または大きさは異なっていてもよい(例えば非対称)。図8Bに、飛行機本体の4つのロータアームのそれぞれから延びる突起部860を有する例示の飛行機850を示す。各突起部860は、構造体800の側部の通路を通過する大きさとすることができる。飛行機850が構造体800内に完全に挿入されると、円810で示すように各突起部860が通路の底部で止まることができる。飛行機850などの飛行機が発進するためには、飛行機はまず通路の底部から離昇し、領域820を通って領域820の高さに到達する必要がある。次に、飛行機は突起部を横に動かして水平領域820を通過し、垂直領域824と垂直方向に位置合わせされる必要がある。次に、飛行機は離昇し、垂直領域824を通って出口840に達する必要がある。移行領域830および832により、飛行機は隣接する垂直領域および水平領域の間を通過することができる。垂直領域820および824は、水平自由度における飛行機の動きを限定するとともに、垂直自由度における動きを可能にする機械的誘導部(例えば通路の側部)を含む。構造体800の2つ以上の側部が類似した垂直領域(例えば対向側部)を有する場合、それらの領域は垂直軸を中心とした回転自由度における飛行機の動きを限定する役割も果たす。水平領域822は、垂直自由度における飛行機の動きを限定し、水平自由度における動きを可能にする機械的誘導部(例えば通路の側部)を含む。構造体800の2つ以上の側部が類似した水平領域(例えば対向側部)を有する場合、それらの領域は水平軸を中心にした回転自由度における飛行機の動きを限定する役割も果たす。移行領域830および832はそれぞれ、その隣接領域によって制限された自由度における飛行機の動きを可能にしてもよい。
【0087】
構造体800の各側部における通路は、飛行機が構造体から解放されるために飛行機が特定の操縦シーケンスを行うことを必要とする。したがって、構造体は、飛行機が構造体から解放されるために成功裏に通行する必要がある障害路またはラビリンスを形成すると見なすことができる。飛行機が自律または半自律飛行を行うようにプログラムされている場合、構造体800は、飛行機が飛行のために十分な性能能力を有することを保証するために飛行機の性能能力の機械検査を与える。飛行機が十分な性能能力を有しない場合、飛行機は解放されるために成功裏に通路を通行することができない可能性がある。
【0088】
なお、図8Aに示す通路の形状は例示に過ぎず、飛行機の性能能力の機械検査を構成するために任意の適合する形状および形状の組み合わせを使用することができることがわかるであろう。例えば、より厳密な性能検査は、より複雑な形状の通路を形成するように追加の領域を使用してもよい。さらに、飛行機が出口に到達するために成功裏に通過する必要がある1つまたは複数の袋小路分岐を含んでもよい。例えば、移行領域832の右側に袋小路領域を追加してもよい。飛行機が移行領域832を通って右側に移動し過ぎた場合、飛行機は袋小路領域に入り、出口に到達することができなくなる。構造体800は、1つまたは複数の能動要素も含んでよい。例えば飛行機が移動または回転し過ぎた場合、飛行機が安全オフスイッチを作動させるように、安全オフスイッチを備えてもよい。スイッチは、例えば信号を飛行機に対して送信させて飛行機に電源を切るように指令してもよい。別の例として、スイッチは、飛行機が構造体から解放されるのを防ぐためのラッチまたはその他の機構を作動させてもよい。実施形態によっては、飛行機に安全オフスイッチを備えてもよい。
【0089】
実施形態によっては、構造体800は、図1A図1D図2A図2Cおよび図2Dに示す充電ステーションのいずれかなどの充電ステーションの周囲に配置されてもよい。実施形態によっては、構造体800を、任意の適合する飛行機発進台または離陸位置とともに使用してもよい。構造体800はその最上部から飛行機を解放するが、構造体800は、飛行機を発進させるために任意の他の向きに配置することができることはわかるであろう。実施形態によっては、飛行機が構造体の底部から出ることができるようにするために、構造体800の側部の開口部が底部にあってもよい。このような実施形態では、構造体800は支持構造体の下側に装着されてもよい。また、構造体800は、飛行機200の任意の適合する1つまたは複数の部分と連係してよいこともわかるであろう。実施形態によっては、飛行機200の本体上の任意の適合する位置に配置された1つまたは複数の連接部を、構造体800の通路との連係のために使用してもよい。実施形態によっては、飛行機200のロータアームを、構造体800の通路と連係する形状および大きさとしてもよい。
【0090】
一部の実施形態では、本開示の機械構造体は、飛行機よりも大きい大きさの2つ以上の領域を含む。各領域は、飛行機が画定された空間内で飛ぶことができるように飛行機の配置を制約してもよい。機械構造体は飛行機が2つの領域の間を通過することができるようにする移行領域も含む。移行領域は、飛行機が領域間を通過するために成功裏に通行しなければならない隘路として機能することができる。
【0091】
図9に本開示の一部の実施形態による機械構造体900を示す。機械構造体900は、第1の領域910と第2の領域912とを含む。領域910および912は、飛行機200よりも大きな大きさとされ、飛行機200がこれらの各領域内で離昇し、飛行することができるようにする。しかし、領域910および912は、飛行機200の飛行を限定された空間内に制約し、したがって飛行機200の配置を限定する。機械構造体900は、移行領域920をさらに含む。移行領域920は、飛行機200が領域910と912との間を飛行することができるようにする。移行領域920は、飛行機200よりも大きい大きさとされる。実施形態によっては、移行領域920は飛行機200の少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍の大きさである。機械構造体900は、領域912内に配置され、そこから飛行機200が構造体900から解放されることができる出口930をさらに含む。
【0092】
領域910は、1つまたは複数の離陸位置を含むことができる。飛行機が構造体900から解放されるためには、飛行機は離陸位置から離陸し、第1の領域910から移行領域920に飛行し、次に移行領域920を通過して、領域912を通って出口930に達し、次に出口930を通過する必要ことが必要となる。
【0093】
図のように、領域912は領域910の上に配置される。また図のように、出口930は移行領域920から水平方向にずれている。これは例示に過ぎず、任意の他の適合する構成も使用可能である。例えば、実施形態によっては、領域910および912は互いに隣り合って配置することができ、移行領域が領域910の右側部分と領域912の左側部分とを結合する。このような実施形態では、移行領域と出口とは、垂直方向に離隔させることができる。実施形態によっては、移行領域は、一度に1機の飛行機のみが通過可能な隘路を含む。
【0094】
図9に示す領域の形状は例示に過ぎず、飛行機の性能能力の機械検査を構成するために、領域の任意の適合する形状および領域の組み合わせを使用することができることがわかるであろう。例えば、より厳密な性能検査は、飛行機が通過する必要がある追加の領域、および/または、より狭い移行領域を使用してもよい。
【0095】
実施形態によっては、構造体900は、図1A図1D図2A図2C図2D図3および図7に示す充電ステーションのいずれかなどの充電ステーションとともに使用してもよい。例えば、領域910内に基部110が配置されてもよい。また、構造体900は、固定翼飛行機ともマルチコプタ飛行機とも使用可能であることも理解されたい。
【0096】
実施形態によっては、構造体900の領域は完全に囲われていなくてもよい。実施形態によっては、構造体900の側部が省かれてもよい。例えば、領域910の上部と領域912の上部とが、移行領域920と出口930とを形成する穴のある網からなっていてもよい。網は、例えばステージの上方に吊るされてもよい。この実施形態では、網は飛行機の性能点検を実現することができるとともに、飛行機が網を成功裏に通行した後で誤動作した場合に、ステージ上の人や物を保護することができる。例えば、網は誤動作した飛行機を受け止めることができる。また、網は、誤動作した飛行機の損傷を軽減または防止する。
【0097】
構造体800および900を使用する飛行機は、自律または半自律飛行を行うように構成されてもよい。例えば、飛行機は構造体800および900を自律的に通行するように構成されてもよい。飛行機は、構造体の幾何形状(例えば、構造体800の通路の幾何形状および/または構造体900の領域910、912および920の幾何形状)を表すデータを内部メモリに記憶してもよい。
【0098】
実施形態によっては、発進時に飛行機の自動性能点検を行うために構造体800および900を使用してもよい。この方法は、飛行機において自動発進プロセスを開始するコマンドを受信することと、自動発進プロセスを開始するためのコマンドの受信に応答して飛行機の少なくとも1つのアクチュエータを作動させることとを含むことができる。この方法は、少なくとも1つのアクチュエータを使用して、飛行機を離陸位置から飛行機の動きを制約する第1の領域を通って移行領域まで移動させることをさらに含むことができる。この方法は、少なくとも1つのアクチュエータを使用して、飛行機を移行領域を通って飛行機の動きを制約する第2の領域まで移動させることをさらに含むことができる。この方法は、少なくとも1つのアクチュエータを使用して、飛行機を第2の領域を通って第2の領域内の出口まで移動させることと、少なくとも1つのアクチュエータを使用して、飛行機を出口を通って移動させて離陸手順を完了させることとを含むことができる。
【0099】
実施形態によっては、飛行機が積み重ねられた構成で使用される。積み重ね構成を使用することによって、(例えば離陸、着陸、および格納のための)空間をより効率的に使用することが可能になる。実施形態によっては、5機、10機またはそれ以上の飛行機を積み重ねて配置することができる。図10Aに本開示の一部の実施形態による飛行機200の例示の積み重ね1000を示す。実施形態によっては、積み重ね1000内の最下部の飛行機を充電ステーション(例えば図6の充電ステーション602A)上に配置してもよい。飛行機200のそれぞれが、飛行機を全体的に囲むフレームを含んでよい。フレームの上部および底部は支えなしで立っている飛行機の安定した積み重ねを可能にするような形状とすることができる。隣接し合う飛行機のフレームの接点が電気コネクタを含んでもよい。実施形態によっては、フレームの電気コネクタは、充電ステーションの充電端子を積み重ね内の飛行機のそれぞれに電気的に接続することができる。これによって、積み重ね内の各飛行機が充電可能になる。実施形態によっては、フレームの電気コネクタは、充電ステーションの有線通信インターフェースを積み重ね内の飛行機のそれぞれに電気的に結合してもよい。実施形態によっては、フレームの電気コネクタは、積み重ね内の各飛行機が充電することができるようにするとともに、充電ステーションと通信することができるようにしてもよい。
【0100】
積み重ね1000の飛行機200は、一度に1機ずつ順に離陸するようにプログラムされてもよい。図10Aに、積み重ね1000から離陸する飛行機2000を示す。図のように、飛行機200が1機、離陸しており、6機の飛行機が積み重ね1000に残っている。実施形態によっては、飛行機200を積み重なって着陸するように構成されてもよい。
【0101】
実施形態によっては、飛行機の積み重ねを演技の一部として使用してもよい。例えば、飛行機の積み重ねをステージ上で使用し、各飛行機のフレームをステージ上の小道具のように見える形状および色としてもよい。飛行機は、一度に1機ずつ積み重ねから離陸し、演出された演技を行い、次に一度に1機ずつ互いの上に着陸して重ね合わせを形成してもよい。図10Aに示すように、各飛行機200の外側はフィルムリールのように見える形状である。図10Bに、本開示の一部の実施形態による図10Aの飛行機200の分解図を示す。図10Bの飛行機200のフレームは、円形の底部1012と、飛行体の本体に取り付けられる円形の上部1014とを含む。底部1012と上部1014とは、飛行機を空気が通過することができるようにする開口部を含む。図のように、各プロペラの上下に開口部がある。したがって、フィルムリールのように見える飛行機は、正常に飛ぶことができる。なお、飛行機は、本開示により、任意の他の種類の小道具のような形状としてよいことがわかるであろう。
【0102】
図11に、本開示の一部の実施形態による通信アーキテクチャのブロック図1100を示す。このアーキテクチャは、飛行機を操作するためのシステムで使用されてもよい。システムは、飛行機の役割情報を記憶するように構成された制御システム1110と、第1および第2の飛行機格納用収納器1120および1122とを含むことができる。
【0103】
実施形態によっては、制御システム1110は役割情報を記憶または伝達するように構成される。役割情報は、飛行機の飛行計画、照明命令、またはペイロードパラメータなどの詳細情報を含む。飛行計画は、各空間座標がある期間内の離散時刻に関連付けられた、飛行機が占めるべき複数の空間座標を指定する飛行経路を含んでもよい。各飛行計画は、少なくとも1つの飛行経路を含んでよく、飛行経路は飛行機が占めるべき一連の空間座標であり、各空間座標はある期間内の離散時刻と関連づけられている。なお、実施形態によっては、飛行計画は、飛行機の速度、加速度、向き、および/または、時間値をさらに含んでよいものと理解されたい。例えば、飛行計画は、飛行経路を速度20km/hrで飛行する必要があることを指定してもよい。なお、飛行経路は飛行機の任意の適合するパラメータまたは値を含んでよいが、少なくとも一連の空間座標を必ず含むものと理解されたい。一実施形態では、各飛行計画は飛行機の一連の向きをさらに含むことができ、各向きは、ある期間内の離散時刻に関連付けられている(例えば、一実施形態では、各飛行計画は、それぞれの飛行経路におけるそれぞれの空間座標ごとの飛行体のそれぞれの向きを示すように、対応する飛行経路のそれぞれの離散時刻ごとの飛行体の向きをさらに含んでもよい)。さらに別の実施形態では、各飛行計画は、ある期間にわたる離散時刻の飛行機の速度、加速度、および/または、ヨー向きのうちのいずれか1つまたは複数をさらに含んでよい。一実施形態では、飛行機はプロセッサ(例えば図5の制御ユニット530)を含んでよく、プロセッサは、空間座標ごとに飛行機の速度および/または加速度を求めるために、時間に対する、飛行計画で指定されている空間座標の導関数を求めるように構成されてもよい。一実施形態では、各飛行機がプロセッサ(例えば図5の制御ユニット530)を含んでよく、プロセッサは、2つの離散時刻間の期間中の飛行機の空間座標、向き、速度、加速度および/またはヨー向きを求めるために、その2つの離散時刻の間の空間座標、向き、速度、加速度および/またはヨー向きのうちのいずれかを補間するように構成されてもよい。同様に、実施形態によっては、役割情報は、照明情報(例えば光度、色)または別の種類のペイロードの関連情報(例えばカメラのカメラ設定値、ジンバルのコントローラのゲインなどの調整パラメータ)、または飛行機の追加のパラメータ(例えば飛行機に搭載された衝突防止センサの感度設定値)を格納してもよい。このような役割情報も同様に、空間座標、離散時刻と関連付けられてよく、または補間されてもよい。実施形態によっては、制御システム1110において記憶される飛行機の役割情報は、飛行機が演出された演技を行うための飛行経路情報を含む。実施形態によっては、制御システム1110において記憶される飛行機の役割情報は、飛行機の複数の特定の役割を含む。
【0104】
実施形態によっては、飛行機格納用収納器(例えば格納用収納器1120)は、飛行機の第1のサブセット(例えば飛行機1130Aおよび1130B)を格納し、制御システムから飛行機の第1のサブセットのための役割情報の第1のセットを受信し、役割情報の第1のセットを飛行機の第1のサブセット内の飛行機に伝達するように構成されてもよい。実施形態によっては、飛行機格納用収納器(例えば格納用収納器1122)は、飛行機の第2のサブセット(例えば飛行機1130Aおよび1130B)を格納し、制御システムから飛行機の第2のサブセットのための役割情報の第2のセットを受信し、飛行機の第2のサブセット内の飛行機に役割情報の第2のサブセットを伝達するように構成されてもよい。実施形態によっては、役割情報の第1のセットは、制御システムにおいて記憶された飛行機の第1のサブセットの役割情報のサブセットを含む。実施形態によっては、第1の飛行機格納用収納器は、飛行機の第1のサブセットのそれぞれと独立して通信するように構成される。実施形態によっては、役割情報の第1のセットは複数の特定の役割を含む。実施形態によっては、第1の飛行機格納用収納器は、第1の飛行機格納用収納器内の飛行機の位置に基づいて、第1のサブセット内の各飛行機に特定の役割を送信するように構成される。
【0105】
実施形態によっては、飛行機格納用収納器は、飛行機格納用収納器の位置を特定するように構成された位置特定ユニット(例えば図4の位置特定ユニット460)を含む。実施形態によっては、飛行機格納用収納器は、その位置を制御システムに伝達するように構成される。実施形態によっては、制御システムは、第1の飛行機格納用収納器の位置に基づいて役割情報の第1のサブセットを生成する。
【0106】
実施形態によっては、第1の飛行機格納用収納器は、第1の飛行機格納用収納器にどの飛行機が格納されているかを識別し、格納されている飛行機の識別情報を制御システムに伝達するように構成される。
【0107】
実施形態によっては、飛行機格納用収納器は、飛行機の第1のサブセットを一度に1機ずつ出口から解放し、飛行機が出口から解放される前に一度に1機ずつ第1のサブセットの各飛行機に特定の役割を伝達するように構成される。
【0108】
図10に戻って参照すると、この例では格納用収納器1120は2機の飛行機1130Aおよび1130Bを格納し、格納用収納器1122は2機の飛行機1132Aおよび1132Bを格納する。格納用収納器のそれぞれが、その格納用収納器が収納器内の飛行機と通信することができるようにする通信システム(例えば図5の通信インターフェース406)を有する。このような通信は有線とすることができる。例えば、通信は、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、ユニバーサル非同期レシーバトランスミッタ(UART)ペア、またはシリアルペリフェラルインターフェース(SPI)などを使用することができる。通信は無線とすることもできる。例えば、通信は近距離無線通信(NFC)、IEEE802.15無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、Bluetooth(登録商標)無線通信、または赤外線光通信インターフェースなどを使用することができる。通信インターフェースは、ブロードキャスト方式またはバス方式とすることができる。例えば、CANバスまたは802.11UDPパケットを使用してもよい。別の例として、ポイントツーポイント(UARTまたはNFCなど)を使用してもよい。ブロードキャスト方式またはバス方式通信システムの場合、個々の飛行体が固有識別子により、例えばその識別子をメッセージのヘッダで提供することによって指定されてもよい。有線通信システムの場合、格納用収納器からの飛行機の解放に対向する力をほとんど与えないコネクタを使用することが好ましい。そのようなコネクタの例としては、ポゴピン、超低解放力コネクタ、およびばね式コネクタがある。
【0109】
この例示の実施形態では、各格納用収納器は、格納用収納器が制御システム1110と通信することができるようにする通信インターフェース(例えば図4の外部通信インターフェース)を有し、通信インターフェースはオペレータコンソールに内蔵されていてもよい。このインターフェースは、上記で例を示したような無線または有線とすることもできる。実施形態によっては、この通信インターフェースは、格納用収納器と飛行機との間の通信に使用されるインターフェースよりも長い通信距離を有するように構成することが好ましい。このようなプロトコルの例としては、Ethernet(登録商標)、CANバス、802.11WLAN、および周波数ホッピングスペクトラム拡散無線がある。この通信インターフェースは、照明コントローラ1140などの追加のコントローラに接続することもできる。
【0110】
この例示の実施形態では、制御システム1110により、操作者は役割情報を定義することができる。役割情報は、例えば、複数の飛行機のそれぞれがどの動きをすべきかを指定することができる。制御システム1110は格納用収納器と通信し、次に格納用収納器が飛行機と通信する。このアーキテクチャは、様々な理由で、通信システム1110が飛行機と直接通信するよりも好ましい場合がある。例えば、格納用収納器1120および1122が飛行機の格納位置に有線コネクタを備えてもよく、これにより、無線接続よりもコストを節約でき、またはより高い信頼性をもたらすことができる。別の例として、このアーキテクチャは、格納用収納器を飛行機の動作区域により近く配置することが可能であってもよく、これにより、長距離無線通信よりも少ない電力を使用するより軽量の低電力近距離無線通信の使用をすることができる。別の例として、このアーキテクチャは、格納用収納器との高帯域通信インターフェースを実装することによって飛行機上の重量またはパワーペナルティを低減可能とすることもできる。別の例として、このアーキテクチャは、操作者が個々の飛行機ではなく飛行機の収納器を扱うことができるようにすることによって、操作を簡素化することができ、これは特に多数の飛行機を操作する場合に有利である。別の例として、このアーキテクチャは、各格納容器レベルの追加点検を実現することによりエラーを低減することができる。格納容器1120および1122のそれぞれが、パラメータ(例えば飛行機または格納用収納器の識別子、全体的な状態、バッテリ充電、向き、格納用収納器内部の飛行機の位置、飛行機の役割など)を判断してもよい。このようなデータは、次に、例えば目標パラメータ(例えば安全閾値、所望または期待パラメータ値)と比較されてもよい。このような比較は、格納用収納器レベル、制御システムレベル、飛行機レベル、または複数のレベルで行うことができる。このような比較は人間の操作者を関与させてもよい。比較の結果、特定の処置が自動的にまたは操作者によって始動されてもよい。
【0111】
二次制御システム、例えば照明コントローラ1140も格納用収納器と通信してもよい。照明コントローラ1140は、例えば照明コントローラ1140の通信インターフェースを介して格納用収納器に照明コマンドを送信することによって飛行機の照明の強度および色を調整することができる。実施形態によっては、照明コントローラ1140の通信インターフェースは、制御システム1110の通信インターフェースと同様である。この場合、格納用収納器は、例えばこれらのコマンドを個々の飛行機用の別々のコマンドに分割し、次にこれらの別々のコマンドを、格納用収納器と飛行機との間の通信インターフェースを介して飛行機に送信してもよい。
【0112】
ブロック図1100は、例示に過ぎず、このアーキテクチャには本開示の範囲内で様々な変更を加えることができることは理解できるであろう。例えば、実施形態によっては、ブロック図1100のアーキテクチャは照明コントローラ1140を含まない。さらに、2つの格納用収納器のみが図示されているが、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上など、任意の適合する数の格納用収納器を使用することができる。また、各格納用収納器は、3機、4機、5機、6機、7機、8機、9機、10機またはそれ以上など、任意の適合する数の飛行機を格納するように構成されてよいこともわかるであろう。また、格納用収納器1120および1122は、本明細書に記載の格納用収納器のいずれともすることができることがわかるであろう。例えば、格納用収納器1120および122は、図1Aないし図1D図3および図4に示す格納用収納器のいずれともすることができる。また、飛行機1130A、1130B、1132Aおよび1132Bは、本明細書に記載の飛行機のいずれともすることができることがわかるであろう。
【0113】
以下に、例示の通信アーキテクチャについて説明する。他のいくつかの通信アーキテクチャもこれらの例の、本開示の範囲内の単純な変形であることが当業者には自明であろう。
【0114】
集中型アーキテクチャの一例では、照明コントローラ(例えば照明コントローラ1140)がまず、各格納用収納器内に飛行機が何機存在するかを判断してもよい。このために、照明コントローラは各格納用収納器(例えば格納用収納器1120および1122)に飛行機数要求メッセージを送信する。各格納用収納器は、そのポイントツーポイントインターフェースでping要求を送信し、応答を所定期間待つ。その時間内に応答が到着した場合、スロットが「使用中」であるものとみなされ、それ以外の場合はスロットが「空き」であるとみなされる。収納器はポイントツーポイントインターフェースごとに使用中状況を記憶するマップを生成する。次に、収納器は、「使用中」スロットの数をカウントし、その数を応答として照明コントローラに与える。照明コントローラは、各格納用収納器の輝度レベルを判断する。照明コントローラは、輝度レベルおよび色情報を各格納用収納器に送信する。格納用収納器は受信するとその輝度レベルおよび色を、ポイントツーポイントインターフェースを介して個々の飛行機に転送する。各飛行機は、コマンドに合わせてその搭載照明の輝度および色を(例えばPWMデューティサイクルを調整することによって)調整する。
【0115】
集中型アーキテクチャのこの例では、制御システム(例えば制御システム1110)が、まず、利用可能な飛行機のリストを決定することができる。このために、制御システムは格納用収納器(例えば格納用収納器1120および1122)に飛行機列挙要求を送信することによって各格納用収納器と順次に通信する。格納用収納器は、そのような列挙要求を受信すると、その格納用収納器の二次通信インターフェースを介して格納用収納器内の飛行機に対して状態情報を要求する。飛行機のそれぞれが、自機の固有識別子(「飛行機ID」)と、役割マッピングに関連する状態情報(例えば、飛行機の飛行準備が整っていること、そのバッテリ充電状態およびその最大飛行速度)とを提供することによってこの状態情報要求に応答する。格納用収納器は、収納器内の飛行機のそれぞれからのこの状態情報をまとめ、飛行機IDのリストと状態情報とを制御システムに返す。格納用収納器は、それ自体の状態情報(例えば収納器の固有識別子およびその位置ならびに向き)も制御ステーションに提供してよい。制御システムは、飛行機情報(飛行機IDおよび状態情報)と格納用収納器情報とをまとめる。次に、制御システムは、どの飛行機が、実行可能な役割のうちのいずれを実行すべきかを判断し、どの収納機にどの飛行機が格納されているかを示すマップを作成する。飛行機を操作するために、制御システムはまず、格納用収納器のうちのどの格納用収納器を飛行のために使用するかを判断する。使用される各格納用収納器について、システムは役割を与えられるべき飛行機のリストをまとめ、このリストを格納用収納器に送信する。このリストを格納用収納器が受信すると、格納用収納器は飛行機と(1機ずつ、またはブロードキャスト方式で)通信し、各飛行機にその飛行機に宛てられた役割情報を送信する。
【0116】
分散アーキテクチャの一例では、各格納用収納器(例えば格納用収納器1120および1122)がその格納用収納器内の飛行機の数とIDとを絶えず監視する。このために、格納用収納器は定期的に(例えば毎秒1回)その二次通信インターフェースを介してping要求を送信する。すべての飛行機がこのようなping要求に応答するように構成される。したがって格納用収納器はそのping要求への応答をまとめて、格納用収納器に格納されている飛行体のマップを作成する。
【0117】
分散アーキテクチャの一例では、照明コントローラ(例えば照明コントローラ1140)が、利用可能な格納用収納器のリストを記憶する。照明コントローラは、例えば照明コンソールへのDMXインターフェースを介して、または照明コントローラ上のジョグダイヤルを介して、各格納用収納器の強度および色を調整する手段を提供する。照明コントローラは定期的に(例えば毎秒100回)、要求された色よび強度を各格納用収納器に送信してもよい。格納用収納器は受信すると、飛行体マップ内の要素をカウントすることによって収納器内の現在の飛行機の数を判断する。次に、格納用収納器は、(例えば、色コマンドを維持し、存在する飛行機の数とは関係なく一定した強度を維持するために強度コマンドを格納用収納器内の飛行体の数で割ることによって)照明コマンドを飛行体の数に合わせて調整し、すべての飛行体に対して要求強度および色を送る。飛行機はそれぞれの光源を要求された照明に合わせて調整する。
【0118】
分散アーキテクチャの一例では、制御システム(例えば制御システム1110)が飛行機の役割のリストを記憶する。さらに、制御システムは役割ごとに収納器位置を記憶する。飛行機に飛行するように指示するために、制御システムは、それぞれが関連付けられた収納器位置を有する役割のリストをブロードキャストする。リストは、役割の重要度の順に(例えば演出にとって最も重要な役割から開始して)送信されることが好ましい。すべての格納用収納器がこのリストを受信する。各格納用収納器はブロードキャストされたリストを受信すると、その可能収納器の現在位置を(例えば、位置特定ユニットを使用して、またはグローバルポジショニングシステム(GPS)を使用して、または、格納用収納器上のカメラを使用し、目印となるものを検出することによって)特定する。次に、格納用収納器はリスト内の項目ごとに、格納用収納器の現在位置を役割に関連付けられた収納器位置と比較する。現在位置が役割に関連付けられた収納器位置に十分に近い場合(例えば1m以内にある場合)、格納用収納器は格納用収納器に記憶されている飛行体マップにある飛行体と通信し、その飛行体に現在のリスト位置で役割を実行するように指令する。収納器は、どの飛行機が役割をすでに割り当てられているかを示すリストを維持する。格納用収納器内のすべての飛行機に役割が割り当てられている場合、またはリストの終わりに達した場合、ブロードキャストされたリストの処理は停止する。
【0119】
本開示の一態様によると、飛行機をプログラムする方法が提供される。この方法は、(1)制御システムを使用して、第1の飛行機格納用収納器に送信する役割情報の第1のセットを判断するステップと、(2)制御システムを使用して、役割情報の第1のセットを第1の飛行機格納用収納器に送信するステップと、(3)第1の飛行機格納用収納器を使用して、役割情報の第1のセットを受信するステップと、(4)第1の飛行機格納用収納器を使用して、第1の飛行機格納用収納器に格納されている第1の複数の飛行機に役割情報の第1のセットを送信するステップと、(5)制御システムを使用して、第2の飛行機格納用収納器に送信する役割情報の第2のセットを判断するステップと、(6)制御システムを使用して、第2の飛行機格納用収納器に役割情報の第2のセットを送信するステップと、(7)第2の飛行機格納用収納器を使用して、役割情報の第2のセットを受信するステップと、(8)第2の飛行機格納用収納器を使用して、第2の飛行機格納用収納器に格納されている第2の複数の飛行機に役割情報の第2のセットを送信するステップとを含むことができる。
【0120】
一部の実施形態では、飛行機を発進させる方法が、以下のステップを以下の順序で含む。すなわち、(1)(例えば制御システムまたは格納用収納器から)飛行機に所定の時間間隔(例えば5分)に電源投入するように命令を送信するステップと、(2)飛行機において命令を受信するステップと、(3)飛行機においてカウントダウンタイマを開始するステップと、(4)カウントダウンタイマの終了時に飛行機に電源投入(「発進準備」)するステップと、(5)1つまたは複数の飛行前点検を行うステップと、(6)離陸するステップとを含む。これは、例えば、命令の送受信のために、Bluetooth(登録商標)低エネルギー、ZigBe、Wi-Fi、UWBなどの無線信号、または近距離通信(NFC)規格を使用した信号を受信する、低電力無線受信機を使用することと、より著しく多くの電力を消費する主要電子機器に加えて、無線信号を検出するための低電力回路を飛行機に備えることによって実現してもよい。飛行前点検は、例えば、飛行機のバッテリレベルを役割の要件と比較することと、飛行機センサの状況を事前定義済み閾値または範囲と比較することと、モータ性能を期待値と比較することと、飛行機の構成要素の自己点検の結果を評価することとを含み得る。実施形態によっては、飛行機は離陸時にその役割情報に従って飛行操縦を実行してもよい。実施形態によっては、同期するクロック(例えば飛行機上の位置特定ユニット540が使用するクロックと機外の位置特定ユニット460が使用するクロック)を使用することと、(例えば制御システムからの)事前定義済みの離陸時刻を調整することとによって、複数の飛行機の離陸を管理してもよい。
【0121】
本開示の特定の態様についてその例示の実施形態を参照しながら具体的に図示し、説明したが、以下の特許請求の範囲によって定義される本開示の思想および範囲から逸脱することなく形態および詳細に様々な変更を加えることができることが当業者にはわかるであろう。したがって、本開示の実施形態は、あらゆる点において例示的なものであって限定的なものではないとみなされ、本開示の範囲を示すために上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲を参照することが求められる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11