IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エンブル・ラブス・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図1A
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図1B
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図1C
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図2
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図3
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図4A
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図4B
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図5A
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図5B
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図6
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図7
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図8
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図9
  • 特開-温度を操作する方法及び装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058461
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】温度を操作する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/00 20060101AFI20220405BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20220405BHJP
   G05D 23/19 20060101ALI20220405BHJP
   G05D 23/24 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
A61F7/00 310J
A61B5/01 100
G05D23/19 Z
G05D23/24 E
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021214372
(22)【出願日】2021-12-28
(62)【分割の表示】P 2019039628の分割
【原出願日】2014-10-10
(31)【優先権主張番号】61/889,996
(32)【優先日】2013-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516106209
【氏名又は名称】エンブル・ラブス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Embr Labs Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【弁理士】
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ジェイ・スミス
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・シェイムス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ギブソン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・コーエン-タヌギ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】着装者の熱的快適性を強化するように能動的に稼働する改良されたアクティブウエラブルデバイスを提供する。
【解決手段】デバイス100は、皮膚の表面に近接して配置される、一つ若しくはそれ以上の熱電気材料110と電気連絡するコントローラ140などの、熱調整装置を含み得る。デバイス100は、表面にて一連の熱パルスを生成し、ユーザに対して拡張された熱的感覚を提供し得る。熱パルスは、温度可逆性により特徴付けられ、ここで個々のパルスは初期温度調整を含み次に戻り温度調整が続くが、短期間(例えば、120秒より短い)に亘るものである。初期の際と戻りの際の温度変化の平均変化率は、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間であればよい。ある場合には、初期温度調整の平均変化率は、戻り温度調整の平均変化率よりも大きさにおいて大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の温度を操作するデバイスにおいて、
表面に近接して配置されるように構成され設定された少なくとも一つの熱電気材料と、
少なくとも一つの熱電気材料と電気連絡するコントローラであって、前記コントローラは、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域にて熱パルスを、前記少なくとも一つの熱電気材料に生成させるように構成され、前記熱パルスは、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第1の平均変化率である、第1の温度から第2の温度への、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第1の温度調整と、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第2の平均変化率である、第2の温度から第3の温度への、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第2の温度調整とを、含む、コントローラと
を含み、
第1の温度と第3の温度との間の大きさの差異は、第1の温度と第2の温度との間の大きさの差異の25%より小さい、
デバイス。
【請求項2】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、120秒より短い期間に亘って、熱パルスを生成させるように構成されている、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、30秒より短い期間に亘って、熱パルスを生成させるように構成されている、
請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、第1の平均変化率の大きさが第2の平均変化率の大きさより大きくなるように、熱パルスを生成させるように構成されている、
請求項1~3のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項5】
第1の平均変化率の大きさが第2の平均変化率の大きさより、第1の平均変化率の少なくとも10%大きい、
請求項1~4のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項6】
第1の温度調整が、第2の温度調整よりも、短い期間に亘って発生する
請求項1~5のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項7】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、第1の平均変化率若しくは第2の平均変化率の大きさが、0.3℃/秒と3.0℃/秒との間になるように、熱パルスを生成させるように構成されている、
請求項1~6のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項8】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異が、10℃より小さいように、熱パルスを生成させるように構成されている、
請求項1~7のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項9】
第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異が、2℃と8℃の間である
請求項1~8のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項10】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、第1の温度と第3の温度の間の大きさの差異が、第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異の10%より小さくなるように、熱パルスを生成させるように構成されている、
請求項1~9のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項11】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、第1の温度調整の少なくとも一部が、経時的に実質的な線形の振る舞いを示すように、熱パルスを生成させるように構成されている、
請求項1~10のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項12】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、第1の温度調整の少なくとも一部が、経時的に実質的な指数関数的減衰の振る舞いを示すように、熱パルスを生成させるように構成されている、
請求項1~11のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項13】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、
第1の温度調整が、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第1の温度から第2の温度への温度の増加を含み、第2の温度調整が、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第2の温度から第3の温度への温度の減少を含むように、
熱パルスを生成させるように構成されており、
第2の温度は第1の温度より大きく、第3の温度は第2の温度より小さい、
請求項1~12のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項14】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、
第1の温度調整が、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第1の温度から第2の温度への温度の減少を含み、第2の温度調整が、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第2の温度から第3の温度への温度の増加を含むように、
熱パルスを生成させるように構成されており、
第2の温度は第1の温度より小さく、第3の温度は第2の温度より大きい、
請求項1~13のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項15】
前記コントローラは、電気信号を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えて、前記少なくとも一つの熱電気材料に熱パルスを生成させるように構成されている、
請求項1~14のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項16】
前記コントローラは、電圧を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えるように構成された電圧源、若しくは、電流を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えるように構成された電流源を、含む、
請求項1~15のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項17】
前記コントローラは、約1%と約50%の間のデューティサイクルにて、電気信号を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えるように構成されている、
請求項1~16のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項18】
前記コントローラは、第1の矩形波電気信号を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えて第1の温度調整の少なくとも一部を生成し、第2の矩形波電気信号を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えて第2の温度調整の少なくとも一部を生成するように構成されており、
第1の矩形波電気信号の大きさは、第2の矩形波電気信号の大きさよりも大きい、
請求項1~17のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項19】
前記表面が生きている皮膚を含む、
請求項1~18のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項20】
表面に対して前記少なくとも一つの熱電気材料を保持するための、前記少なくとも一つの熱電気材料と結合するバンドを、更に含む、
請求項1~19のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項21】
前記少なくとも一つの熱電気材料が、表面沿いに相互に近接して配置される複数の熱電気材料を含む、
請求項1~20のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項22】
前記少なくとも一つの熱電気材料が、手首に対して近接して保持されるように構成され設定されている、
請求項1~21のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項23】
前記少なくとも一つの熱電気材料に対して近接して配置される熱絶縁材料を更に含み、
前記熱絶縁材料は、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において熱を保つように構成されている、
請求項1~22のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項24】
前記少なくとも一つの熱電気材料は、前記熱絶縁材料と表面との間に配置されるように構成され設定されている、
請求項1~23のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項25】
前記少なくとも一つの熱電気材料に対して近接して配置される熱導体材料を更に含む、
請求項1~24のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項26】
前記コントローラは、前記少なくとも一つの熱電気材料に、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域にて連続して複数の熱パルスを生成させるように構成されている、
請求項1~25のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項27】
表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域にて配置される少なくとも一つのセンサを、更に含む、
請求項1~26のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項28】
表面の温度を操作する方法において、
表面に対して近接して少なくとも一つの熱電気材料の領域を配置するステップと、及び、
表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域にて熱パルスを生成するステップと
を含み、
前記熱パルスを生成するステップは、
約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第1の平均変化率にて、第1の温度から第2の温度へ、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において温度を調整するステップと、及び、
約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第2の平均変化率にて、第2の温度から第3の温度へ、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において温度を調整するステップと
を含み、
第1の温度と第3の温度との間の大きさの差異は、第1の温度と第2の温度との間の大きさの差異の25%より小さい、
方法。
【請求項29】
120秒より短い期間に亘って、熱パルスを生成する、
請求項28に記載の方法。
【請求項30】
30秒より短い期間に亘って、熱パルスを生成する、
請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
第1の平均変化率の大きさが第2の平均変化率の大きさより大きい、
請求項28~30のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項32】
第1の平均変化率の大きさが第2の平均変化率の大きさより、第1の平均変化率の少なくとも10%大きい、
請求項28~31のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項33】
第1の平均変化率若しくは第2の平均変化率の大きさが、0.3℃/秒と3.0℃/秒との間である、
請求項28~32のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項34】
第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異が、10℃より小さい、
請求項28~33のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項35】
第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異が、2℃と8℃の間である
請求項28~34のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項36】
第1の温度と第3の温度の間の大きさの差異が、第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異の10%より小さい、
請求項28~35のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項37】
第1の温度から第2の温度へ、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において温度を調整するステップが、経時的に実質的な線形の温度の振る舞いを生成するステップを含む、
請求項28~36のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項38】
第1の温度から第2の温度へ、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において温度を調整するステップが、経時的に実質的な指数関数的減衰の温度の振る舞いを生成するステップを含む、
請求項28~37のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項39】
第1の温度から第2の温度へ温度を調整するステップが、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において第1の温度から第2の温度へ温度を増加させるステップを含み、第2の温度から第3の温度へ温度を調整するステップが、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において第2の温度から第3の温度へ温度を減少させるステップを含み、
第2の温度は第1の温度より大きく、第3の温度は第2の温度より小さい、
請求項28~38のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項40】
第1の温度から第2の温度へ温度を調整するステップが、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において第1の温度から第2の温度へ温度を減少させるステップを含み、第2の温度から第3の温度へ温度を調整するステップが、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において第2の温度から第3の温度へ温度を増加させるステップを含み、
第2の温度は第1の温度より小さく、第3の温度は第2の温度より大きい、
請求項28~38のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項41】
表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域にて熱パルスを生成するステップが、
前記少なくとも一つの熱電気材料に熱パルスを生成させるために、電気信号を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えるステップを含む、
請求項28~40のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項42】
電気信号を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えるステップが、
約1%と約50%の間のデューティサイクルにて、電気信号を加えるステップを含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項43】
電気信号を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えるステップが、
第1の温度から第2の温度へ温度を調整するために第1の矩形波電気信号を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えるステップと、第2の温度から第3の温度へ温度を調整するために第2の矩形波電気信号を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えるステップを含み、
第1の矩形波電気信号の大きさは、第2の矩形波電気信号の大きさよりも大きい、
請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
電気信号を前記少なくとも一つの熱電気材料に加えるステップが、
10秒より短い期間電気信号を加えるステップを含む、
請求項41~43のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項45】
前記少なくとも一つの熱電気材料の領域を配置するステップが、
生きている皮膚に対して近接して前記少なくとも一つの熱電気材料の領域を配置するステップを含む、
請求項28~44のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項46】
表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域にて連続して複数の熱パルスを生成するステップを、更に含む、
請求項28~46のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項47】
表面の温度を操作するデバイスにおいて、
表面に近接して配置されるように構成され設定された熱調整装置を含み、
前記熱調整装置は、表面に近接する熱調整装置の領域にて120秒より短い期間に亘って熱パルスを生成するように構成され、
前記熱パルスは、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第1の平均変化率である、第1の温度から第2の温度への、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第1の温度調整と、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第2の平均変化率である、第2の温度から第3の温度への、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第2の温度調整とを、含み、
第1の温度と第3の温度との間の大きさの差異は、第1の温度と第2の温度との間の大きさの差異の25%より小さいものであり、第1の平均変化率の大きさは第2の平均変化率の大きさより大きい、
デバイス。
【請求項48】
前記熱調整装置は、
熱電気材料と、
熱パルスを熱電気材料に生成させるように構成されたコントローラと
を含む、請求項47に記載のデバイス。
【請求項49】
前記熱調整装置は、30秒より短い期間に亘って、熱パルスを生成するように構成されている、
請求項47又は48に記載のデバイス。
【請求項50】
前記熱調整装置は、第1の平均変化率の大きさが第2の平均変化率の大きさより、第1の平均変化率の少なくとも10%大きいように、熱パルスを生成するように構成されている、
請求項47~49に記載のデバイス。
【請求項51】
前記熱調整装置は、第1の平均変化率若しくは第2の平均変化率の大きさが、0.3℃/秒と3.0℃/秒との間になるように、熱パルスを生成するように構成されている、
請求項47~50のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項52】
前記熱調整装置は、第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異が、10℃より小さいように、熱パルスを生成するように構成されている、
請求項47~51のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項53】
前記熱調整装置は、第1の温度と第3の温度の間の大きさの差異が、第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異の10%より小さくなるように、熱パルスを生成するように成されている、
請求項47~52のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項54】
前記熱調整装置は、第1の温度調整の少なくとも一部が、経時的に実質的な線形の振る舞いを示すように、熱パルスを生成するように構成されている、
請求項47~53のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項55】
前記熱調整装置は、第1の温度調整の少なくとも一部が、経時的に実質的な指数関数的減衰の振る舞いを示すように、熱パルスを生成するように構成されている、
請求項47~54のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項56】
前記熱調整装置は、
第1の温度調整が、表面に近接する前記熱調整装置の領域における第1の温度から第2の温度への温度の増加を含み、第2の温度調整が、表面に近接する前記熱調整装置の領域における第2の温度から第3の温度への温度の減少を含むように、
熱パルスを生成するように構成されており、
第2の温度は第1の温度より大きく、第3の温度は第2の温度より小さい、
請求項47~55のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項57】
前記熱調整装置は、
第1の温度調整が、表面に近接する前記熱調整装置の領域における第1の温度から第2の温度への温度の減少を含み、第2の温度調整が、表面に近接する前記熱調整装置の領域における第2の温度から第3の温度への温度の増加を含むように、
熱パルスを生成するように構成されており、
第2の温度は第1の温度より小さく、第3の温度は第2の温度より大きい、
請求項47~56のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項58】
前記表面が生きている皮膚を含む、
請求項47~57のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項59】
表面に対して前記熱調整装置を保持するための、前記熱調整装置と結合するバンドを、更に含む、
請求項47~58のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項60】
前記熱調整装置は、表面に近接する前記熱調整装置の領域にて連続して複数の熱パルスを生成するように構成されている、
請求項47~59のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項61】
表面に近接する前記熱調整装置の領域にて配置される少なくとも一つのセンサを、更に含む、
請求項47~60のうちのいずれか一に記載のデバイス。
【請求項62】
表面の温度を操作する方法において、
表面に対して近接して熱調整装置の領域を配置するステップと、及び、
表面に近接する前記熱調整装置の領域にて120秒より短い期間に亘って熱パルスを生成するステップと
を含み、
前記熱パルスを生成するステップは、
約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第1の平均変化率にて、第1の温度から第2の温度へ、表面に近接する前記熱調整装置の領域において温度を調整するステップと、及び、
約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第2の平均変化率にて、第2の温度から第3の温度へ、表面に近接する前記熱調整装置の領域において温度を調整するステップと
を含み、
第1の温度と第3の温度との間の大きさの差異は、第1の温度と第2の温度との間の大きさの差異の25%より小さく、第1の平均変化率の大きさは、第2の平均変化率の大きさよりも大きい、
方法。
【請求項63】
前記熱調整装置は熱電気材料を含む、
請求項62に記載の方法。
【請求項64】
30秒より短い期間に亘って、熱パルスを生成する、
請求項62又は63に記載の方法。
【請求項65】
第1の平均変化率の大きさが第2の平均変化率の大きさより、第1の平均変化率の少なくとも10%大きい、
請求項62~64のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項66】
第1の平均変化率若しくは第2の平均変化率の大きさが、0.3℃/秒と3.0℃/秒との間である、
請求項62~65のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項67】
第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異が、10℃より小さい、
請求項62~66のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項68】
第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異が、2℃と8℃の間である
請求項62~67のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項69】
第1の温度と第3の温度の間の大きさの差異が、第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異の10%より小さい、
請求項62~68のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項70】
第1の温度から第2の温度へ、表面に近接する前記熱調整装置の領域において温度を調整するステップが、経時的に実質的な線形の温度の振る舞いを生成するステップを含む、
請求項62~69のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項71】
第1の温度から第2の温度へ、表面に近接する前記熱調整装置の領域において温度を調整するステップが、経時的に実質的な指数関数的減衰の温度の振る舞いを生成するステップを含む、
請求項62~70のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項72】
第1の温度から第2の温度へ温度を調整するステップが、表面に近接する前記熱調整装置の領域において第1の温度から第2の温度へ温度を増加させるステップを含み、第2の温度から第3の温度へ温度を調整するステップが、表面に近接する前記熱調整装置の領域において第2の温度から第3の温度へ温度を減少させるステップを含み、
第2の温度は第1の温度より大きく、第3の温度は第2の温度より小さい、
請求項62~71のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項73】
第1の温度から第2の温度へ温度を調整するステップが、表面に近接する前記熱調整装置の領域において第1の温度から第2の温度へ温度を減少させるステップを含み、第2の温度から第3の温度へ温度を調整するステップが、表面に近接する前記熱調整装置の領域において第2の温度から第3の温度へ温度を増加させるステップを含み、
第2の温度は第1の温度より小さく、第3の温度は第2の温度より大きい、
請求項62~71のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項74】
前記熱調整装置の領域を配置するステップが、
生きている皮膚に対して近接して前記熱調整装置の領域を配置するステップを含む、
請求項62~73のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項75】
表面に近接する前記熱調整装置の領域にて複数の熱パルスを生成するステップを、更に含む、
請求項62~74のうちのいずれか一に記載の方法。
【請求項76】
表面に近接する前記熱調整装置の領域にて連続して複数の熱パルスを生成するステップを、更に含む、
請求項62~75のうちのいずれか一に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概略、表面の温度を操作する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内部、オフィス内部、建物内部、及び他の囲い地内部にて快適な温度範囲で空間を維持するために冷暖房空調(HVAC)システムにより、相当量のエネルギが毎年用いられる。相当量のエネルギが消費されているにもかかわらず、熱的不快は依然、建物環境内部の不満足の主原因であり、これは主として個人的嗜好の大きな変化によるものである。多くの場合、最適に調整されていると考えられるインドア空間は、所与の時に占有者の約80%を満足させているに過ぎないようである。従来のHVACは、個々の占有者が自ら個々の環境にて快適性、集中力及び生産性を感知するのに必要である温度における空間的及び時間的変動を、提供することはできない。
【0003】
温度規制のための現存のウエラブルデバイスは、熱を生成若しくは吸収せず単に外部温度から着装者を断熱する働きをするに過ぎない、という点において、概略受動的である。時計、加速度計、モーションセンサなどを含む、アクティブウエラブルデバイスの分野における急速な向上に拘わらず、着装者の熱的快適性を強化するように能動的に稼働するウエラブルデバイスの理解にはギャップがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表面の温度を操作する方法及びデバイスが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示の実施形態では、表面の温度を操作するデバイスが提供される。デバイスは、表面に近接して配置されるように構成され設定された少なくとも一つの熱電気材料を含む。デバイスはまた、少なくとも一つの熱電気材料と電気連絡するコントローラであって、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域にて熱パルスを、前記少なくとも一つの熱電気材料に生成させるように構成された、コントローラを含み、前記熱パルスは、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第1の平均変化率である、第1の温度から第2の温度への、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第1の温度調整と、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第2の平均変化率である、第2の温度から第3の温度への、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第2の温度調整とを含み、第1の温度と第3の温度との間の大きさの差異は、第1の温度と第2の温度との間の大きさの差異の25%より小さい。
【0006】
別の例示の実施形態では、表面の温度を操作する方法が提供される。方法は、表面に対して近接して少なくとも一つの熱電気材料の領域を配置するステップと、及び、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域にて熱パルスを生成するステップとを含む。前記熱パルスを生成するステップは、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第1の平均変化率にて、第1の温度から第2の温度へ、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において温度を調整するステップと、及び、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第2の平均変化率にて、第2の温度から第3の温度へ、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域において温度を調整するステップとを含み、第1の温度と第3の温度との間の大きさの差異は、第1の温度と第2の温度との間の大きさの差異の25%より小さい。
【0007】
更に別の実施形態では、表面の温度を操作するデバイスが提供される。デバイスは、表面に近接して配置されるように構成され設定された熱調整装置を含み、前記熱調整装置は、表面に近接する熱調整装置の領域にて120秒より短い期間に亘って熱パルスを生成するように構成され、前記熱パルスは、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第1の平均変化率である、第1の温度から第2の温度への、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第1の温度調整と、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第2の平均変化率である、第2の温度から第3の温度への、表面に近接する前記少なくとも一つの熱電気材料の領域における第2の温度調整とを、含み、第1の温度と第3の温度との間の大きさの差異は、第1の温度と第2の温度との間の大きさの差異の25%より小さいものであり、第1の平均変化率の大きさは第2の平均変化率の大きさより大きい。
【0008】
更に別の実施形態では、表面の温度を操作する方法が提供される。方法は、表面に対して近接して熱調整装置の領域を配置するステップと、及び、表面に近接する前記熱調整装置の領域にて120秒より短い期間に亘って熱パルスを生成するステップとを含む。前記熱パルスを生成するステップは、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第1の平均変化率にて、第1の温度から第2の温度へ、表面に近接する前記熱調整装置の領域において温度を調整するステップと、及び、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の第2の平均変化率にて、第2の温度から第3の温度へ、表面に近接する前記熱調整装置の領域において温度を調整するステップとを含み、第1の温度と第3の温度との間の大きさの差異は、第1の温度と第2の温度との間の大きさの差異の25%より小さく、第1の平均変化率の大きさは、第2の平均変化率の大きさよりも大きい。
【0009】
本開示の種々の実施形態は、複数の利点を提示する。本開示の全ての実施形態が同じ利点を共有するというものではなく、同じ利点を共有する実施形態は全ての条件下でそれら同じ利点を共有する、というものでもない。本明細書に記載の種々の実施形態は、組み合わせても利用され得るのであり、更なる利点を提供し得る。
【0010】
本開示の種々の実施形態の構成と共に、本開示の更なる特徴及び利点を、添付の図面を参照して以下詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面は、一定の縮尺で描くことを意図していない。明確さのために、あらゆる図面にてあらゆる要素がラベル付けされているわけではない。
図1A図1Aは、実施形態の一つのセットに係る、ユーザにより着装される表面の温度を操作するデバイスの、斜視図を示す。
図1B図1Bは、図1Aのデバイスの斜視図を示す。
図1C図1Cは、図1A図1Bのデバイスの底面図を示す。
図2図2は、実施形態の一つのセットに係る、表面の温度を操作する別のデバイスの斜視図を示す。
図3図3は、実施形態の一つのセットに係る、表面の温度を操作する更に別のデバイスの斜視図を示す。
図4A図4Aは、実施形態の一つのセットに係るデバイスにより、生成される熱パルスの略図である。
図4B図4Bは、実施形態の一つのセットに係るデバイスにより、生成される別の熱パルスの略図である。
図5A図5Aは、実施形態の一つのセットに係るデバイスにより、生成される更に別の熱パルスの略図である。
図5B図5Bは、実施形態の一つのセットに係るデバイスにより、生成される別の熱パルスの略図である。
図6図6は、実施形態の一つのセットに係るデバイスにより、生成される熱パルスの連続の略図である。
図7図7は、実施形態の一つのセットに係るデバイスに印加される電気信号の例である。
図8図8は、ある実施形態に係るデバイスに印加される電圧プロファイルのセットに応答する、表面の温度における相対的変化の例示のプロットである。
図9図9は、ある実施形態に係るデバイスに印加される電圧プロファイルの別のセットに応答する、表面の温度における相対的変化の例示のプロットである。
図10図10は、ある実施形態に係る二つのデバイスにより、生成される一連の熱パルスに対する表面の温度の例示のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
表面の温度を操作する方法及び装置が提供される。本開示は、ユーザの皮膚などの表面近傍に配置される、一つ若しくはそれ以上の熱電気材料を含むデバイス、若しくは他の適切な熱調整装置に関する。デバイスは、表面における連続する一連の熱パルスを生成するように構成され得る。この熱パルスは、適切に印加されると、ユーザに対して熱感覚を強化するものとなり、場合によって、熱パルスが無いときよりもより快適な熱経験がユーザに提供され得る。
【0013】
本明細書に更に記載するように、熱パルスは、表面における過渡的な可逆性の温度変化を含み得、温度は初期の温度から別の温度へ変化し、続いて直ぐに、他の温度から初期の温度に戻る、若しくは初期の温度に近い温度への、戻り温度変化となり、これらは全て相対的に短時間(例えば、120秒以下若しくはより短時間)におけるものである。
【0014】
例えば、熱パルスは、第1の温度から第2の温度への(例えば、0.1-10.0℃/
秒の平均変化率の)、表面における第1の温度調整と、第2の温度から第3の温度への(例えば、更に0.1-10.0℃の平均変化率/秒の)、表面における第2の温度調整を含み得る。その熱パルスでは、第1の温度と第3の温度の間の大きさの差異は、第1の温度と第2の温度の間の大きさの差異の25%より小さくてもよい。更に、ある場合では、第1の平均変化率の大きさは、第2の平均変化率の大きさよりも大きくてもよい。
【0015】
従来の利用の下では、加熱若しくは冷却のための、熱電気材料、若しくは他の温度調整デバイスは、概略、定常状態、即ち、一定の印加温度及び/又は電気信号モードの下で操作され、加熱若しくは冷却の長時間スケールの利用を維持する。例えば、これらの従来の方法は、通常、熱い若しくは冷たいパック圧迫治療に用いられ、その場合、長期間温度が同じものを維持することが望ましい。一方で、本開示の形態は、実質的に可逆的であり過渡的な熱パルスを生成することを含み、該熱パルスは結果として人の皮膚への連続的熱刺激となり得る。
【0016】
あるやり方で、例えば、特定の温度プロファイルに従って熱パルスを生成することで、人の皮膚の表面において温度を変動することにより、個人のための加熱若しくは冷却効果を改善し得るということを、予期せず発明者は認識した。この改善された熱的効果は、より長い期間(例えば、数分若しくは数時間以上)に亘って温度が表面にてある温度から別の温度へ徐々に変化する場合に比べて、短期間(例えば、120秒以下、30秒以下)表面にて行きつ戻りつ可逆的に温度がパルス化するときに、より明白に個人に感知され得る。即ち、本開示の実施形態に係る熱パルスに曝されると、この加熱及び/又は冷却効果の感知強度は、大きさがずっと大きく、例えば、定常状態にて印加され得る、温度の実際の変化に、対比され得る。
【0017】
パルス間のある変動を含む若しくは含まない、人の皮膚における熱パルスの適切なシリーズを生成することにより、皮膚の温度受容器は連続して刺激され得る。皮膚の表面における加熱及び/又は冷却に応じて、温度受容器は調整する傾向を有し、直接の環境に慣れると初期の刺激に鈍感になることを、発明者は知見した。このことは、被服などの外的刺激の接触や、感覚が慣れ得る他の刺激への、皮膚の鈍感化に類似する。
【0018】
特に、発明者は、本明細書に詳細に記載するように、温度変化の率、温度変化の大きさ、パルス期間などの、特定のパラメータの組み合わせを有する熱パルスを人の皮膚の表面にて生成することにより、適応鈍感化の効果が軽減され若しくは減少され、更に冷却及び/又は加熱の感知効果が改善されることを、発見した。冷却される若しくは加熱される部屋で発生し得る鈍感化と比較して、本明細書に記載のデバイスは、ユーザの好みに従って、改善された熱的経験、例えば、冷却及び/又は加熱の快適な感覚を、ユーザに継続的に提供することができる。上述のように、熱パルスが生成されるやり方により、デバイスが動作する際には、ユーザは、デバイスの温度変化における実際の大きさと対比して、皮膚の表面にて、より大きく感知される温度感覚を経験し得る、即ち感じ得る。
【0019】
ある実施形態では、熱調整装置は、ユーザの皮膚に直に近接して配置され得る一つ若しくはそれ以上の熱電気材料を含む。例えば、一つの熱パルス、及び/又は、連続する次から次への複数の熱パルスの形式で、皮膚の表面の温度を操作するように、電気信号が熱電気材料に印加され得る。ただし、当然ながら任意の適切な熱調整装置が採用され得る。例えば、レーザ動力デバイス、対流熱デバイス、若しくは、一連の熱パルスを生成し得る任意の他の適切な装置が、採用され得る。
【0020】
種々の実施形態では、デバイスにより生成される個々の熱パルスは、120秒以下の期間(例えば、1-30秒)継続し得、表面近傍の熱電気材料(若しくは適切な熱調整装置)の領域における第1の(初期)温度から第2の(パルス化)温度への第1の初期温度調整と、表面近傍の領域における第2の(パルス化)温度から第3の(戻り)温度への第2の戻り温度調整とを、含み得る。
【0021】
幾つかの実施形態に対して、第1の温度調整は加熱ステップを含み、第2の温度調整は冷却ステップを含む。或いは逆に、第1の温度調整が冷却ステップを含むとき、第2の温度調整は加熱ステップを含み得る。即ち、熱パルスは、初期温度変動、及びそれに続く、表面における初期温度と実質的に同じ若しくは近接する温度への戻りにより、特徴付けられ得る。例えば、第1の(初期)温度と第3の(戻り)温度との間の大きさの差異は、第1の(初期)温度と第2の(パルス化)温度との間の大きさの差異の25%以下であってもよい。
【0022】
第1と第2の温度調整の各々は、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の平均変化率により、特徴付けられ得る。しかし、ある場合では、第1の温度調整の平均変化率の大きさは、第2の温度調整の平均変化率の大きさよりも大きい。熱調整装置近傍の表面が第2の(パルス化)温度から第3の(戻り)温度へ熱的に緩和する、若しくは調整する、期間は、表面が第1の(初期)温度から第2の(パルス化)温度へ最初にステップアップする期間よりも、長くてもよい。
【0023】
前述のように、種々の実施形態によると、皮膚の表面の温度プロファイルは、人に与える熱的経験を拡張するものであり、その人の受ける加熱や冷却の感覚拡張となる。例えば、周囲の温度が所望のものよりも冷たい場合、ユーザの皮膚の表面にて生成される一連の熱パルスによりユーザがその環境内でより暖かさを感じられる、適切な加熱モードに、ユーザはデバイスをセットし得る。その逆に、不快な暑い周囲環境内では、ユーザがより冷たさを感じられるような、皮膚の表面における熱パルスを生成する、適切な冷却モードに、ユーザはデバイスをセットし得る。加熱と冷却のモードの各々に対して、ユーザは、好みに基づいて、種々のパラメータ(例えば、温度変化の大きさ、変化の率、個々のパルスの期間、定常状態の温度、など)を調整することもできる。
【0024】
前述のように、現存のHVACシステムは、概略、商業的ビルを加熱する若しくは冷却する相当量のエネルギを要求する。本開示の実施形態は、HVAC利用に関するエネルギ消費を相当量減少させるように評価される。例えば、1000人のオフィルビルに、本明細書に記載のデバイスを用意すると、建物の特定領域を1℃調整するのに要求される200kWhと比較して、1日5kWhを消費するに過ぎない。更に、本明細書に記載の方法及びデバイスは、熱的快適のユーザのレベルの関する個人的制御を、ユーザに提供し得る。個人の熱的快適に関してより局地的な方法の制御を提供することにより、オフィルビルは、概略減少するHVACロードを介して、HVACエネルギ利用の40%までセーブできる、と評価される。
【0025】
熱電気材料の用語は、技術的に通常の意味を与えられるものであり、(例えば、ペルチェ、トムソン、及びシーベック効果などの他の名称で呼ばれる)熱電効果に従って、電気的ポテンシャル(例えば、電圧や対応する電流)の利用時に材料の表面にて温度変化が生成される、材料を称するものである。任意の適切な熱電気材料が用いられてよく、複数のものは以下に記載する。本明細書では熱電気材料について記載しているが、当然のことながら、本開示は熱電気材料に限定されず、他の熱調整装置が適宜用いられてもよい。
【0026】
図1A図1Cは、利用時に、ユーザの皮膚102の表面に近接して配置されるように構成されている熱電気材料110を含むデバイス100の実施形態を示す。更に以下で説明するが、装置は、皮膚の表面に配置される複数の熱電気材料を含み得る。デバイス100は、熱電気材料110を覆うようにして、皮膚に対向して熱電気の側に配置される、熱導体材料120(例えば、ヒートシンク)を、含んでもよい。
【0027】
更に以下で説明するように、熱導体材料120は、所望のように、熱導体材料へ及び/又は熱導体材料から、熱を消散し得る。熱導体材料は、金属(例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼など)、熱導体ポリマ、ポーラスセラミック、又は、他の適宜の材料などの、任意の適切な材料を含み得る。
【0028】
しかしながら、ある実施形態では、以下に更に説明し図2-3にて図示するように、熱導体材料ではなく、熱絶縁材料が、熱電気材料を覆うようにして、皮膚に対向して熱電気の側に配置されてもよい。本明細書でも記載し図10でも示すように、熱電気材料を熱絶縁材料で覆うことにより、皮膚の表面における熱パルスの効果が強化され得る。
【0029】
当然ながら、熱電気材料が熱導体材料や熱絶縁材料により覆われることは、要求されない。例えば、熱消散装置が、熱電気材料を覆うこと無く、熱電気材料から間隔を置いてもよく、若しくは熱電気材料に近接して配置されてもよい。又は、熱導体材料や熱絶縁材料が、熱電気材料の一部を覆うように設けられてもよい。
【0030】
適切な信号を熱電気に加え皮膚の表面における温度を操作するべく、熱電気は、電源130(例えば、バッテリ、プラグインアウトレットなど)及びコントローラ140に接続してもよい。ある場合には、コントローラは、適切且つ有益なやり方でデバイスのユーザコントロールを調整するための一つ若しくはそれ以上のインプット及び/又はアウトプットを、有してもよい。
【0031】
デバイスのエレメント、即ち、熱電気材料110、熱導体材料120、電源130及びコントローラ140の、各々は、適宜のバンド150により共に適切に保持され得る。ある場合では、熱電気材料110が皮膚の表面に抗して若しくは近傍にて快適に且つ適切に配置され、熱電気により生成される熱パルスが実効的にユーザに好適な熱感覚を提供し得るように、バンド150が柔軟に調整可能であることが好ましい。しかしながら、ある実施形態に対しては、バンド150は、相対的に固い機械的挙動を示すものであり、全体のデバイスのためのサポートを示すものである。当然ながら、バンド150は任意の適切な構造を有してもよく、ある場合には、デバイスがブレスレット、アンクレット、ネックレスなどとして装着され得るようなスタイリッシュな形態を有してもよい。バンドは、金属、プラスチック、ゴム、皮、人工皮革、若しくはそれらの組み合わせなど、任意の適切な材料を含み得るが、それらに限定されない。
【0032】
当然ながら、熱電気材料はユーザの皮膚の表面の直接の近傍に配置され得るが、本開示の形態に従っては、熱電気材料は、ユーザの皮膚に直接接触することは要求されない。例えば、更なる層(図示せず)が、熱電気材料と皮膚の表面との間に配置され得る。例えば、導体若しくは絶縁層、保護層、(例えば、更なる快適のための)支持層、若しくは、別の適宜の材料、である。
【0033】
図2~3は、デバイス100は、熱電気材料を覆い、皮膚に対向して熱電気の側に配置される熱絶縁材料122を、含む。結果として、熱絶縁材料122は、皮膚の表面に配置される、熱電気材料により生成される熱のレベルを実質的に維持する。ある場合では、以下で更に説明するように、熱絶縁材料は、熱電気材料により生成される熱パルスの効果を強化する。熱絶縁材料は、例えば、ポリマ、プラスチック、エラストマ(例えば、ゴム、ネオプレンなど)、及び/又は別の適宜の材料などの、任意の適切な材料を含み得る。そのような絶縁材料は、例えば、より大きいヒートシンクが熱電気材料を覆って配置されるよりも、かさばらずより柔軟であるデバイスにも役立つ。従って、ネオプレン、他のゴム、又は、クロス若しくはテキスタイルベースの材料などの、適切な絶縁層で、熱電気材料を覆うことにより、デバイスはより装着しやすいものとなり得る。ある実施形態に対しては、覆いや他の配置される材料無しに、熱電気材料は空気に曝され得る。
【0034】
ある実施形態では、デバイス100は、複数の熱電気材料を含み得る。例えば、図2~3に示すように、一片の熱電気材料では無く、デバイス100は、相互に近接して配置される、複数の小さい熱電気材料110A、110B、110C、110Dを、含み得る。図2~3の熱電気材料110A、110B、110C、110Dは、例えば、手首や身体の他の部位回りにて、デバイスの曲げを調整するように、寸法取りされて配置され得る。相互に接続する小さい固いコンポーネント(例えば、金属パーツ)を有する時計と同様に、リストバンドに沿って相互に関して曲がり得るのであり、複数の熱電気材料は相対的に小さいものであり、リストバンド150の柔軟性及び全体の装着性を可能にするように配置され得る。従って、相対的に小さい熱電気材料は、ある身体部分の曲率に順応するように設けられ得る。よって、熱電気材料とリストバンドにより、デバイスは、ユーザに対して調節自在に、従ってぴったりとフィットすることが可能となる。
【0035】
デバイスは、任意の適切な数の熱電気材料を含み得る。例えば、デバイスは、二つ若しくはそれ以上、三つ若しくはそれ以上、四つ若しくはそれ以上、五つ若しくはそれ以上、十若しくはそれ以上、などのそれら熱電気材料を含み得る。熱電気材料は、デバイスの表面沿いに、例えば、行沿いに並んで、グリッド上の形式に配置されて、不規則パターンに位置して、特定の形状(例えば、楕円、円、四辺形、六角形など)を形成するように配置されて、任意の適宜のパターンで配置されてよく、又は、別の適宜のように構成されてもよい。熱電気材料が相互に相対的に非常に近接して配置され、熱電気のクラスタが適切に熱パルスを生成でき、例えば、表面にてより集中する熱パルスを生成でき、熱電気が相互により離れる場合よりも、より明白なレスポンスを引き出すことができるのが、好ましい。
【0036】
ある場合には、熱絶縁材料は、相互に電気連絡し得る。例えば、熱電気材料は、相互に直列の電気接続を有するように配置され得る。従って、熱電気材料の一つに加えられる電気信号は、その電気材料が接続する他のものにも加えられ得る。又は、熱電気材料は、相互に電気的に切り離されていてもよく、例えば、好適な機会、大きさ、及び/又は、レートにて、所望のように、例えば、個々の熱電気材料のために適宜あつらえられた電気信号で、コントローラにより独立して刺激されてもよい。
【0037】
ある実施形態では、図示していないが、デバイスは、生地(例えば、衣料品)に組み込まれてもよい。例えば、ある実施形態では、スカーフ、ネックレス、アームバンド、リストバンド、又は任意の他の適切な装着品が、本明細書に記載のようにデバイスを組み込んでもよい。ある実施形態では、デバイスのサイズは、デバイスが手首にて、足首にて、衣料品の内部にて、ユーザの手のひらの範囲内にて、その他にて、快適にフィットするように、選択されてもよい。
【0038】
前述のように、デバイスは、熱電気材料と、又は、他の適宜の熱調整装置と、電気連絡するコントローラを含み得る。ある実施形態では、コントローラは、一連の電気信号を熱電気材料に加えて、表面近傍の熱電気材料の領域にて熱パルスを生成させるように、構成されている。ある場合では、更に以下にて説明するように、コントローラは、(例えば、ユーザの皮膚の表面近傍の、熱電気材料の領域にて)熱電気材料複数の熱パルスを連続して生成させるように、構成され得る。例えば、ある実施形態では、熱電気材料は、少なくとも一つの、少なくとも二つの、少なくとも五つの、少なくとも十の、少なくとも二十の、少なくとも五十の、少なくとも百の、少なくとも二百の、少なくとも三百の、少なくとも四百の、又は、少なくとも五百の熱パルスを連続して、次から次に生成し得る。当然ながら、デバイスは連続して動作するように構成されてもよい。皮膚の表面にてどれだけ多くの熱パルスが生成されるかについての限定が無いからである。
【0039】
ある実施形態では、前述のように、コントローラは、熱電気材料の各々と独立して電気連絡してもよい。結果として、コントローラは、二つ若しくはそれ以上の熱電気材料に、相互に独立し区別される二つ若しくはそれ以上の熱パルスを、生成させるように構成されてもよい。例えば、第1の熱電気材料が第1の熱パルスを生成し、第2の熱電気材料が第2の、熱パルスを生成する、などである。当然ながら、個々の熱パルスの種々の特徴は同じでもよいし異なっていてもよい。ある実施形態では、個々の熱パルスは実質的に同時に生成され得る。一方で、ある実施形態に対しては、第1の熱パルスと第2の熱パルスは、異なる時間に生成されてもよい。又は、前述のように、コントローラは、熱電気材料に、複数の個別の熱パルスを連続して、任意の適切なパターンで生成させるように構成されてもよい。
【0040】
本明細書で説明するように、ある実施形態に対しては、コントローラは、ユーザに提供される温度感覚を強化するように、熱電気材料に、人の皮膚の表面における複数の適宜の時間変動温度プロファイルを生成させるように、構成されている。その温度感覚は、より高い程度の熱的快適及び快楽をユーザに提供するようにあつらえられ得るものである。理論に縛られようとしないならば、ある場合では、多数の熱パルスの利用は、より長い定常状態の期間に亘って熱調整を加えることと対比しても、連続する熱刺激を皮膚に関する熱受容器に加えるのに特に効果的であり得る。前述のように、熱パルスの利用により連続するレベルの刺激が提供され得るのであり、このことにより、熱受容器が熱変動に対して鈍感になる可能性が減少する。結果として、そのような熱パルスにより、ユーザは全体として強化された認識熱感覚を経験し得る。従って、適宜に熱パルスを変調し及び/又は調整することにより、ユーザの全体の熱快適性、若しくは認識快適性は、所望のように操作され得る。
【0041】
本開示の形態に従って、デバイスは、適宜の特徴を有する熱パルスを生成ように構成され得る。例えば、熱パルスは、短い期間に亘って実質的に逆向きになる(例えば、皮膚の表面の温度近傍の、熱電気材料の領域における)熱変化を含み得る。ある実施形態では、前述のように、熱変化は、第1の初期温度から第2のパルス化温度への、表面の第1の温度調整、それに続く、第2のパルス化温度から第3の戻り温度への、表面の第2の温度調整を、含む。ある場合では、前述のように、熱可逆性を示すパルスと調和して、第1と第3の温度の大きさの差異は、第1と第2の温度の大きさの差異の25%以下でよい。
【0042】
図4A図5Bは、ある場合に複数のレジームを含み得る熱パルスの概略例を示す。図示するように、熱パルスは、第1のレジームI、選択的な第2のレジームII及び第3のレジームIIIを、含み得る。
【0043】
種々の実施形態では、第1のレジームIは、第1の温度Tから第2の温度Tへの、表面における初期温度調整を含み得る。選択的な第2のレジームIIは、第2の温度Tから修正後の第2の温度T’への、表面における温度の僅かな変化を含み得る。第3のレジームIIIは、第2の温度T若しくは修正後の第2の温度T’(図示している)から第3の温度Tへの、表面における後続の温度調整を含み得る。
【0044】
図4A図5Bの概略図に示すように、表面における第1の温度Tと第3の温度Tは、同じものとして示されているが、当然ながら、第1の温度Tと第3の温度Tは異なっていてもよいが、このことは重要なことでは無い。例えば、第3の温度Tは、第1の温度Tよりも大きくても小さくてもよく、第1と第3の温度の差異は25%より小さくてもよく、更に小さくてもよい。当然ながら、本明細書に記載のレジームは、熱パルスのプロファイルの単なる例に過ぎず、異なる挙動及び/又はレジームを有する他のプロファイルであってもよい。
【0045】
前述のように、示された例に対して、選択的な第2のレジームIIは、第2の温度Tの、修正後の第2の温度T’への更なる調整を含んでもよい。図4A図5Bは、(初期の)第2の温度Tと修正後の第2の温度T’とを同じものとして示しているが、当然ながら、第2の温度Tと修正後の第2の温度T’は、以下で更に説明するように異なっていてもよい。例えば、修正後の第2の温度T’は、(初期の)第2の温度Tよりも大きくても小さくてもよい。又は、このレジームの範囲内の温度プロファイルが非線形となり得るように、修正後の第2の温度T’が、(終わりにではなく)選択的な第2のレジームの間にて生じてもよい。即ち、熱パルスの間の、表面の最大限温度が、選択的な第2のレジームの真ん中にて一度発生してもよい。
【0046】
本明細書で説明するように、コントローラは、熱電気、つまり皮膚の表面にて好適な温度プロファイルを形成するように、電気信号を熱電気材料に加えるように構成されてもよい。図示するために、図4A図5Bは、対応する電気信号(即ち、特定期間に亘って加えられる電圧量であり、該電圧量は任意の適切なプロファイルを有するものでよく、図に特に示すものに限定されない)も示す。該電気信号は、コントローラから対応する熱電気材料に加えられ得るものであり、それらの変形例を以下にてより詳しく説明する。
【0047】
ある実施形態では、デバイス(例えば、熱電気材料と電気連絡するコントローラ)は、ユーザに認識される熱経験を生じる、熱パルスを生成するように構成され得る。即ち、ユーザは、(例えば、熱パルスが加えられる表面にて、若しくは、身体の他の領域にて、局所的に加熱されるような)加熱される感覚を感じ得るのであり、このとき、身体の実際の温度は概略維持される。そのような熱パルスは、ユーザの皮膚の表面における(例えば、皮膚の表面近傍の、熱電気材料の領域における)温度の増大と、短い期間に亘る(例えば、30秒以下、10秒以下)、皮膚の表面における温度の減少を、含み得る。図示するように、図4A図4Bは、皮膚の表面にて生成される熱パルスの概略の様子を示すが、そこでは、第2の温度T、T’は、第1の温度Tと第3の温度Tよりも、大きい。
【0048】
反対に、ある実施形態においては、デバイスは、ユーザの認識される冷却効果を誘発する、冷却パルスを生成するように構成されてもよい。その場合、加熱経験と同様に、ユーザは、局所的に、若しくは身体の他のエリアにて、冷却される感覚を感じ得るのであり、一方で身体の実際の温度は概略維持される。冷却パルスは、ユーザの皮膚の表面における温度の減少を含み、その後即座に温度の増大が続く。図5A図5Bは、皮膚の表面にて生成される冷却パルスの概略の様子を示し、そこでは、第2の温度T、T’は、第1の温度Tと第3の温度Tよりも、小さい。
【0049】
表面における温度は、任意の適宜の範囲内に入り得る。例えば、第1の温度Tは、室温(例えば、気温)でも、正常体温(例えば、休息温度)でもよい。ある実施形態では、第1の温度Tは、約0℃以上であり、約5℃以上であり、約10℃以上であり、約15℃以上であり、約20℃以上であり、約22℃以上であり、約23℃以上であり、約24℃以上であり、約25℃以上であり、約27℃以上であり、約29℃以上であり、約30℃以上であり、約32℃以上であり、約34℃以上であり、約35℃以上であり、約36℃以上であり、約37℃以上であり、約38℃以上であり、又は、約40℃以上である。ある実施形態では、第1の温度Tは、約45℃以下であり、約40℃以下であり、約38℃以下であり、約37℃以下であり、約36℃以下であり、約35℃以下であり、約34℃以下であり、約32℃以下であり、約30℃以下であり、約29℃以下であり、約27℃以下であり、約25℃以下であり、約24℃以下であり、約23℃以下であり、約22℃以下であり、約20℃以下であり、約15℃以下であり、約10℃以下であり、又は、約5℃以下である。上記の参照範囲の組み合わせ(例えば、約22℃と約29℃の間、約34℃と約38℃の間など)も可能である。他の温度も可能である。
【0050】
二つの温度の間の(例えば、第1の初期温度と第2のパルス化温度の間の、第2のパルス化温度と第3の戻り温度の間の)大きさの差異は、適切な範囲内に入り得る。ある場合では、TはTより大きく、大きさの差異は、TからTを引いて差異の大きさを採ることにより、決定される。TがTより大きい場合には、大きさの差異は、TからTを引いて差異の大きさを採ることにより、決定される。
【0051】
ある実施形態では、第2の(パルス化)温度T若しくは修正後の第2の(パルス化)温度T’(いずれも第1の温度Tから遠い)と第1の(初期)温度Tとの間の大きさの差異は、約1℃と約10℃との間である。前述のように、当然ながら、選択的な第2のレジームIIの終わりにて修正後の第2の温度T’に到達するようには要求されない。即ち、ある場合では、修正後の第2の温度T’は、初期温度Tから最も遠いプロファイルの範囲内の温度として、特徴付けられ得る。ある実施形態においては、値がより大きい第2の温度T、T’のいずれかと、第1の温度Tとの間の大きさの差異は、約1℃以上、約1.2℃以上、約1.4℃以上、約1.5℃以上、約1.6℃以上、約1.8℃以上、約2℃以上、約2.5℃以上、約3℃以上、約4℃以上、約5℃以上、約6℃以上、約7℃以上、約8℃以上、又は、約9℃以上である。ある実施形態においては、値がより大きい第2の温度T、T’のいずれかと、第1の温度Tとの間の大きさの差異は、約10℃以下、約9℃以下、約8℃以下、約7℃以下、約6℃以下、約5℃以下、約4℃以下、約3℃以下、約2.5℃以下、約2℃以下、約1.8℃以下、約1.6℃以下、約1.5℃以下、約1.4℃以下、又は、約1.2℃以下である。上記の参照範囲の組み合わせ(例えば、約1℃と約10℃の間、約1℃と約8℃の間、約2℃と約8℃の間、約1℃と約7℃の間、約1℃と約6℃の間、約1℃と約3℃の間、など)も可能である。他の温度も可能である。
【0052】
第1と第2の温度の間の大きさの可能な差異に関する前記議論は、第2の温度T、T’と、第3の温度Tとの間の大きさの差異を考慮するときにも適用され得る。例えば、ある実施形態においては、第2の温度T若しくは修正後の第2の温度T’(第1の温度Tからより遠いものの方)と、第3の温度Tとの間の大きさの差異は、約1℃と約10℃との間、上述のある範囲、又は、開示した範囲の外の他の範囲に、入り得る。
【0053】
ある実施形態では、(熱パルスの終わりにおける)皮膚の表面の第3の温度Tは、(熱パルスの始まりにおける)皮膚の表面の第1の温度Tに近似し得る。前述のように、当然ながら、ある例では、熱パルスの適用の前の、皮膚の表面における第1の温度Tは、熱パルスの適用の後の、皮膚の表面における第3の温度Tよりも、大きくても小さくてもよい。
【0054】
ある実施形態では、第3の(戻り)温度Tは、相対的に小さい量だけ、第1の(初期)温度Tから変動する。例えば、皮膚の表面における、第1の温度Tと第3の温度Tとの間の大きさの差異は、約10℃以下、約8℃以下、約6℃以下、約4℃以下、約2℃以下、約1℃以下、約0.8℃以下、約0.5℃以下、約0.2℃以下、若しくは、約0.1℃以下、又は、前述の範囲の外、であってよい。
【0055】
ある実施形態においては、第3の(戻り)温度Tは、第1の温度Tと、第1の温度Tからさらに遠い第2の(パルス化)温度T、T’のいずれかとの間の差異と対比して、小さいパーセントだけ、第1の(初期)温度Tから変動する。例えば、皮膚の表面における、第1の(初期)温度Tと第3の(戻り)温度Tとの間の大きさの差異は、第1の(初期)温度Tと第2の(パルス化)温度T、T’との間の大きさの差異の25%以下であり、式(T-T)/(T-T)×100%、若しくは、式(T-T)/(T’-T)×100%により、決定される。両式の選択は、TとTとの間の温度差異、又は、T’とTとの間の温度差異のいずれが大きさにて大きいかによる。T-Tの大きさが、T’-Tの大きさより大きければ、前式が用いられる。一方、T-Tの大きさが、T’-Tの大きさより小さければ、後式が用いられる。ある場合には、第1の(初期)温度と第3の(戻り)温度との間の大きさの差異は、第1の(初期)温度と第2の(パルス化)温度との間の大きさの差異の、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約2%以下、又は、約1%以下、であってよい。
【0056】
ある実施形態では、第1の温度と第3の温度はおよそ等しく(即ち、可逆的熱パルス)であり、それらは、ある場合には、デバイスの定常状態の操作の間に発生し得る。当然ながら、第3の温度Tは、第2の温度T、T’と第3の温度Tとの間の温度調整が停止した時点(例えば、皮膚の表面における温度が実質的定常状態に達したとき、又は、新しいパルスが開始したとき)にて、決定され得る。例えば、コントローラが、熱電気材料に複数の熱パルスを連続して生成させるように構成された、ある実施形態においては、第3の温度Tは、次の熱パルスが開始する時点で決定され得る。又は、ある実施形態においては、第3の温度Tは、温度が実質的定常状態に到達した時点(例えば、第3の温度が、5秒に亘って約5%以上大きさを変えないとき)で決定され得る。
【0057】
当然ながら、デバイスは、好適な形状若しくはプロファイルに従って、熱パルスの種々のレジームの間に変動させるように、皮膚の表面における温度を調整し得る。例えば、熱パルスの間の所与の時点にて、温度プロファイルは、実質的な線形、非線形、指数関数的な(例えば、指数関数的に増加する、指数関数的に減衰する)、他項的(例えば、二次の、三次の)、不規則(例えば、区分関数に従う)、若しくは別の適切な振る舞いである、振る舞いを示し得る。
【0058】
図4A図5Bを参照して、ある実施形態においては、熱プロファイルの第1のレジームIが、実質的線形の振る舞いを示し得る。即ち、これらの実施形態においてはコントローラは、第1のレジームIに亘っては、実質的線形の温度プロファイルとなる電気信号(例えば、矩形波電圧)を印加するように構成され得る。しかしながら、当然ながら他の温度プロファイルも可能である。
【0059】
ある実施形態においては、温度プロファイルの第3のレジームIIIも、図4A及び図5Aに示すように、実質的線形の振る舞いを示し得る。即ち、ある実施形態においては、熱電気材料、若しくは他の熱調整装置により生成される熱パルスは、経時的に実質的線形である、第2の温度T、T’のうちの一つと第3の温度Tとの間の振る舞いを示す、皮膚の表面における温度調整の少なくとも一部により、特徴付けられ得る。
【0060】
しかしながら、ある実施形態においては、第2の温度T、T’のうちの一つと第3の温度Tとの間の、皮膚の表面における温度調整は、経時的に実質的線形ではない振る舞いを示し得る。例えば、図4B及び図5Bに示すように、第2の温度T、T’と第3の温度Tとの間の熱パルスから、皮膚の表面における温度調整の少なくとも一つは、経時的に実質的に指数関数的減衰の振る舞いを示し得る。「指数関数的減衰」は、概略、パラメータ(例えば、温度)が、T(t)=T-λtなどの式に合理的に適合する振る舞いを称するものであり、ここでT(t)は所与の時間tにおける温度であり、Tは初期温度であり、λは定数である。
【0061】
本開示の形態によると、個々の熱パルスの期間は適宜変動し得る。ユーザの、強化された温度感覚及び全体の熱的快適の程度は、特定の期間の熱パルスに、少なくとも依存するのであり、該特定の期間は適宜あつらえられ得る。即ち、ある場合には、長過ぎる若しくは短過ぎる熱パルスは、ユーザに対して所望のレベルの熱的感覚となり得ない。期間は、図4A図5Bに示すように、第1の温度Tから第3の温度Tへの、皮膚の表面における熱サイクルの間に経過する時間として、計測され得る。例えば、図6に示すように、期間は、第1のパルスの開始時の時点tと第2のパルスの開始時の時点tとの間の差異として、計測され得る。
【0062】
ある実施形態では、熱調整装置、若しくは、電気信号を熱電気材料に加えるように構成されたコントローラは、約120秒以下の期間に亘り熱パルスを生成し得る。ある実施形態では、初期温度から、別の、パルス化温度へ、及び実質的に初期温度への戻りの、全体の熱パルスの期間(パルスの初期温度と最終温度との間の差異は無視し得る)は、約90秒以下、約75秒以下、約60秒以下、約50秒以下、約45秒以下、約40秒以下、約30秒以下、約20秒以下、約15秒以下、約10秒以下、約7秒以下、約5秒以下、約4秒以下、約3秒以下、約2秒以下、又は、約1秒以下である。ある実施形態では、熱パルスの期間は、約2秒以上、約3秒以上、約4秒以上、約5秒以上、約6秒以上、約7秒以上、約10秒以上、約15秒以上、約20秒以上、約30秒以上、約40秒以上、約50秒以上、約60秒以上、約75秒以上、又は、約90秒以上である。上記の参照範囲の組み合わせ(例えば、約2秒と約5秒の間、約3秒と約10秒の間、約10秒と約30秒の間、約10秒と約60秒の間、又は、約15秒と約90秒の間、など)も可能である。他の範囲も可能である。
【0063】
熱パルスの範囲内にて、熱パルスの初期温度調整(例えば、図4A~5B及び図8~9に示すレジームI、皮膚の表面における温度が、鋭い、連続の増加若しくは減少を受ける期間)は、適宜の間、続き得る。ある実施形態では、熱パルスの初期温度調整は、約60秒以下の間、約60秒以下の間、約50秒以下の間、約40秒以下の間、約35秒以下の間、約30秒以下の間、約25秒以下の間、約20秒以下の間、約15秒以下の間、約10秒以下の間、約5秒以下の間、約4秒以下の間、約3秒以下の間、又は、約2秒以下の間、続き得る。熱パルスの初期温度調整の期間は、約1秒と約30秒の間、約1秒と約10秒の間、約2秒と約5秒の間、又は、約2.5秒と約4秒の間である。他の範囲も可能である。
【0064】
戻りの熱パルスの温度調整(例えば、図4A~5B及び図8~9に示すレジームIII、皮膚の表面における温度が、初期温度に戻る、緩やかな、増加若しくは減少を受ける期間)は、適宜の間、続き得る。ある実施形態では、戻りの熱パルスの温度調整は、約60秒以下の間、約60秒以下の間、約50秒以下の間、約40秒以下の間、約30秒以下の間、約20秒以下の間、約10秒以下の間、又は、約5秒以下の間、続き得る。戻りの熱パルスの温度調整の期間は、約1秒と約60秒の間、約1秒と約5秒の間、約2秒と約3秒の間、約5秒と約30秒の間、約5秒と約20秒の間、又は、約5秒と約10秒の間である。他の範囲も可能である。
【0065】
熱パルスの温度調整は、経時的な温度の変化の適切な率を示し得る。ある実施形態では、温度調整(例えば、第1の初期温度から第2のパルス化温度への温度調整、第2のパルス化温度(若しくは選択的な修正後の第2のパルス化温度)から第3の戻り温度、第2の温度から修正後の第2の温度への選択的な温度調整)は、特定の期間に発生する。
【0066】
ある実施形態では、第1の温度調整(例えば、第1の初期温度と第2のパルス化温度との間の、初期パルス上の熱変化)は、第2の温度調整(例えば、第2のパルス化温度(若しくは選択的な修正後の第2のパルス化温度)と第3の戻り温度との間の、戻り上の熱変化)よりも、短い期間に亘って、発生する。即ち、ある実施形態では、熱パルスの開始における第1の熱調整の平均変化率の大きさは、熱パルスの終了における第2の熱調整の平均変化率の大きさよりも、大きくてもよい。
【0067】
本明細書で説明するように、平均変化率の大きさは、温度のリミットの間の大きさの差異(例えば、第1の調整に対する、第1の初期温度と第2のパルス化温度との間の差異の大きさ、第2の調整に対する、第2のパルス化温度と第3の戻り温度との間の差異の大きさ)を計算し、温度のリミットの間のこの大きさの差異を、温度が調整される時間で割ることにより、決定され得る。例として、冷却パルスを適用するとき、パルスの初期における第1の温度調整の期間が5秒であり、第1の初期温度が28℃で第2のパルス化温度が23℃であれば、パルスのこの部分における温度変化の平均変化率の大きさは、1℃/秒である。同じ冷却パルスの例にて、パルスの戻りにおける第2の温度調整の期間が10秒であり、第2のパルス化温度が23℃で第3の戻り温度が28℃であれば、パルスのこの部分における温度変化の平均変化率の大きさは、0.5℃/秒である。
【0068】
種々の実施形態にて、第1の初期温度と第2のパルス化温度との間の、熱パルスの初期における、第1の温度調整の平均変化率は、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の範囲であればよい。ある実施形態では、熱パルスの初期における温度調整の平均変化率は、約0.1℃/秒以上、約0.2℃/秒以上、約0.3℃/秒以上、約0.5℃/秒以上、約0.7℃/秒以上、約1.0℃/秒以上、約1.5℃/秒以上、約2.0℃/秒以上、約3.0℃/秒以上、約5.0℃/秒以上、又は、約7.0℃/秒以上である。ある実施形態では、熱パルスの初期における温度調整の平均変化率は、約10.0℃/秒以下、約7.0℃/秒以下、約5.0℃/秒以下、約3.0℃/秒以下、約2.0℃/秒以下、約1.5℃/秒以下、約1.0℃/秒以下、約0.7℃/秒以下、約0.5℃/秒以下、約0.3℃/秒以下、又は、約0.2℃/秒以下である。上記の参照範囲の組み合わせ(例えば、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒の間、約0.1℃/秒と約5.0℃/秒の間、約0.3℃/秒と約3.0℃/秒の間、約0.3℃/秒と約1.0℃/秒の間、約0.3℃/秒と約0.8℃/秒の間、約0.5℃/秒と約3.0℃/秒の間、など)も可能である。他の範囲も可能である。
【0069】
熱パルスの戻りの際、第2のパルス化温度と第3の戻り温度との間の、第2の温度調整の平均変化率は、第1の温度調整のものと同様の範囲内に入り得る。例えば、熱パルスの戻りの際の、第2の温度調整の平均変化率は、約0.1℃/秒と約10.0℃/秒との間の範囲となり得る。種々の実施形態では、熱パルスの戻り温度の温度調整の平均変化率は、0.1℃/秒以上、約0.2℃/秒以上、約0.3℃/秒以上、約0.5℃/秒以上、約0.7℃/秒以上、約1.0℃/秒以上、約1.5℃/秒以上、約2.0℃/秒以上、約3.0℃/秒以上、約5.0℃/秒以上、又は、約7.0℃/秒以上である。ある実施形態では、熱パルスの戻りの際の温度調整の平均変化率は、約10.0℃/秒以下、約7.0℃/秒以下、約5.0℃/秒以下、約3.0℃/秒以下、約2.0℃/秒以下、約1.5℃/秒以下、約1.0℃/秒以下、約0.7℃/秒以下、約0.5℃/秒以下、約0.3℃/秒以下、又は、約0.2℃/秒以下である。上記の参照範囲の組み合わせに加えて、他の範囲も可能である。
【0070】
本明細書で説明するように、パルスの初期における温度変化の平均変化率は、パルスの戻りにおける温度変化の平均変化率よりも、大きさにおいて大きくてもよい。第1の温度調整の平均変化率の大きさは、第2の温度調整の平均変化率の大きさよりも、第1の平均変化率の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、又は、少なくとも80%、大きい。ある実施形態では、第1の平均変化率が温度調整の第2の平均変化率以下である実施形態と比べて、ユーザは、熱的感覚の全体的増加、よって、拡張レベルの熱的快適を、経験し得る。
【0071】
温度変化の平均変化率の前述の範囲と、熱パルスのある部位における変化率の差異とを包含する、熱パルスを生成することにより、熱パルスの効果を拡張することができ、更に平均的ユーザに対する局所の熱的快適のレベルを増大できることになる、ということを発明者は認識している。このことは、大規模な加熱若しくは冷却システム(例えば、HVAC等)の利用と著しい対照を為すものであり、該大規模なものは非局所でより長期の加熱若しくは冷却システム(コールドパック、ホットパック、など)であるが、所望の熱的感覚を提供し得ない。
【0072】
前述のように、熱調整装置は、適宜の熱パルスを生成するための、適宜の電気信号を熱電気材料に加えるコントローラを含み得る。電気信号は、電圧、電流などでアップ/ダウンする適切なステップを含み得る。
【0073】
ある実施形態においては、コントローラは、適切な電気信号を生成するための、電圧源を含む。ある実施形態では、電圧源は、ユーザの皮膚の表面にて熱パルスを生成するのに適した電圧を、熱電気材料に加える。例えば、図4A図5Bに示すように、コントローラは、第1の電圧V、第2の電圧V、及び/又は、第3の電圧Vを加えるように構成され得る。しかし、当然ながら任意の適宜の信号パターンに従って、他の電圧が加えられ得る。例えば、一定電圧を加えるのでは無く、電気信号はパルス幅変調を採用してもよく、この場合、パルスの幅は、例えば、デバイスに供給される電力を変調(して変換)するために、適切なデューティサイクル(例えば、10~50%デューティサイクル)に従って変調される。ある場合には、パルス幅変調は、相対的に短い時間スケール(>100Hz)を有する適切なデューティサイクルを用いて加えられてもよい。任意の適切な形式のパルス幅変調が採用され得る。
【0074】
ある場合では、加えられる電位が正であるか負であるかは、加熱パルスが所望されるか冷却パルスが所望されるか、に対応する。例えば、図4A図4Bは加熱パルスに対応し、この場合加えられる電圧は皮膚の表面における温度の増加となる。図5A図5Bは、対照的に、冷却パルスに対応し、この場合加えられる電圧は皮膚の表面における温度の減少となる。しかし、当然ながら、ある加熱若しくは冷却パルスは、熱電気材料に加えられる(例えば、電圧が適宜のデューティサイクルでパルス化するパルス幅変調を介して)正と負の両方の電圧を含み得る。任意の所与のポイントにて熱電気材料に加えられる電圧(例えば、第1の電圧、第2の電圧、第3の電圧)の平均の大きさは、適切な範囲内に入り得る。例えば、熱電気材料に加えられる電圧の平均の大きさは、約0.1Vと約10.0Vの間、約1.0Vと約8.0Vの間、約2.0Vと約5.0Vの間、約0.1Vと約5.0Vの間、約0.1Vと約1.5Vの間、約0.1Vと約1.0Vの間、約1.0Vと約3.0Vの間、約3.0Vと約8.0Vの間、又は、任意の他の適宜の範囲であればよい。ある場合には、図4A図5Bに示すように、第1の電圧の平均の大きさは、例えば、第1の初期温度から第2のパルス化温度への、皮膚の表面における鋭利な温度調整を形成するために、熱パルスの間に加えられる後続の電圧(例えば、第2の電圧、第3の電圧など)の個々の平均の大きさよりも、大きくてもよい。更に示すように、加えられるステップ電圧の平均の大きさは、例えば、第2の電圧V2及び第3の電圧V3にドロップオフし、戻りの際により緩やかとなるべく、熱パルスの温度可逆性を可能にさせる。
【0075】
図に示すように、第3の電圧は、印加される電気信号の欠如により与えられ、本来的にゼロに示される。ある場合には、第3の電圧Vの平均の大きさは、実質的に非ゼロでもよく、例えば、第1の電圧Vの平均の大きさ、及び/又は、第2の電圧Vの平均の大きさよりも、小さくてもよい。当然ながら、ある実施形態においては、電圧(例えば、ステップ電圧)が、逆方向に加えられ(例えば、パルスの初期の正電圧の後の、戻りの際の負電圧)、熱パルスの戻り部分の間のより鋭い温度変化を引き出すようにしてもよい。例えば、ある実施形態では、熱電気材料に加えられる第1の電圧Vが(例えば、加熱パルスの間)正であり、第2の電圧Vが(皮膚の表面における温度をより鋭く減少させるために)負であってもよく、又は、その逆に熱電気材料に加えられる第1の電圧Vが負であり、第2の電圧Vが正であってもよい。
【0076】
図8~9は、熱電気の表面における複数の温度計測を示す。これらの図に示すように、熱パルスの第2のレジームIIの間に加えられる電圧は、(図8に示す)大きさ及び(図9に示す)期間により、変動される。これは、皮膚の表面にて生成される熱パルスが所望のように制御されて変動する可能性を実証する。従って、熱パルスの温度プロファイルは、ユーザの熱的要求に適合するように適宜あつらえられ得る。例えば、本明細書で示すように、当然ながら、任意の適切な電圧プロファイルが、任意の適宜のパターンに従って、熱電気材料に加えられ得る。
【0077】
図8は、選択的な第2の電圧Vが加えられた期間が一定に保たれ、第2の加えられた電圧Vの大きさが変動した、波形のグループを示す。この例では、波形200は、第2の電圧Vが加えられなかった例(即ち、加えられた第2の電圧Vがゼロ)に対応し、波形210は、第2の電圧Vがグループの中で最大である場合に対応する。図示するように、第2の電圧Vが実効的にゼロであるとき、単独の矩形波Vが加えられたかのように、温度は指数関数的減衰に従って緩む。しかし、非ゼロの第2の電圧Vが加えられると、初期電圧V1が加えられる場合ほども鋭くないにせよ、表面の温度は尚増加し得る。第2の電圧Vがもはや加えられないと、温度プロファイルは緩やかな減衰の振る舞いを示す。
【0078】
図9に示すように、選択的な第2の電圧Vの大きさが一定に保持され、第2の加えられる電圧Vの期間が変動された。この例では、第2の加えられる電圧Vと第3の加えられる電圧Vとの間の時間の長さは、0秒と約10秒との間で変動した。図示するように、波形300は、第2の電圧Vが加えられなかった(0秒間加えられた)例に対応し、波形310は、第2の電圧Vがグループの中で最長の期間加えられる(10秒間加えられる)場合に対応する。図示するように、第2の電圧Vがより長く続くと、表面における温度は増加し続け得る、若しくは、特定の温度範囲周りで浮き続け得る。更に、第2の電圧Vの印加が停止すると、表面における温度は減衰して初期温度に戻る。
【0079】
ある実施形態においては、コントローラは、適切な電気信号を生成するために、電流源を含む。電流源は、ユーザの皮膚の表面における熱パルスを生成するために、熱電気材料へ電流を加え得る。任意の所与のポイントにて熱電気材料に加えられる電流の大きさは、適切な範囲内に入り得る。ある実施形態においては、熱電気材料に加えられる電流の大きさは、約0.1Aと約4.0Aとの間、約0.1Aと約3.5Aとの間、約0.1Aと約3.0Aとの間、約0.2Aと約2.5Aとの間、約0.5Aと約2.0Aとの間、約1.0Aと約2.0Aとの間、約0.1Aと約1.5Aとの間、約0.1Aと約1.0Aとの間、約0.5Aと約1.0Aとの間、約0.1Aと約0.5Aとの間、約1.0Aと約1.5Aとの間、又は、任意の他の適宜の範囲であればよい。任意の適宜のフォーム若しくはパターンに従って、電気信号は熱電気材料に加えられ得る。ある実施形態では、電気信号は、熱電気材料に、一つ若しくはそれ以上の矩形波(即ち、一つの期間に加えられる一定の電圧/電流)として加えられ、このことは、電気信号がどのように加えられるかに拠って、温度変化の特定の変化率となり得る。又は、電気信号はより複雑な振る舞いを示し得、例えば、電気信号は、線形ランプ関数、非線形、指数、多項式関数、区分関数などとして、加えられ得る。
【0080】
図4A図5Bに示すが、ある実施形態においては、熱パルスを開始するために、レジームIに示すように、第1の矩形波電圧が熱電気材料に加えられ、第1の温度Tから第2の温度Tへの皮膚の表面における鋭い線形温度調整となる。レジームIIでは、第2の矩形波電圧が加えられ、その大きさは第1の矩形波の大きさより小さく、皮膚の表面における温度T2、T2’の、相対的に一定な、ごく僅かな変化となる。レジームIIIでは、電圧は加えられず、第3の温度Tへの温度調整となり、該第3の温度Tは、少しの量/パーセントだけ、第1の初期温度Tと異なる。
【0081】
本明細書で説明するように、種々の実施形態においては、加温若しくは冷却の感覚は、ユーザの皮膚の表面にて一連の非対称の熱パルス(戻りの際の温度変化の平均変化率よりも、より大きい、開始時の温度変化の平均変化率を有する、熱パルス)を生成することにより、強化され得る。ある実施形態では、デバイスの定常状態の操作は、一連の熱パルスを連続して生成することも含み得る。即ち、定常状態の操作の間、連続して生成される熱パルスの温度プロファイルは、実質的に同じでよい。
【0082】
しかしながら、ある実施形態においては、非定常状態の熱パルスを生成することが有益であり、該非定常状態の熱パルスは、ユーザの熱的感覚及び/若しくは熱的快適を強化し、並びに/又は、温度変化への感覚鈍化を回避するのに、適切であり得る。例えば、ある実施形態では、加えられる信号のデューティサイクルは変動し得る。ある実施形態においては、ユーザに対して、定常状態の操作モードへの円滑な推移を提供すべく、図7に示すように、電気信号のベースラインの平均が徐々に増加してもよく、若しくは、所望のように徐々に減少してもよい。非定常状態の操作の間、平均のベースラインの信号は、所望のように調整されてもよい。ある場合では、非定常状態の操作(即ち、デバイスが最初に始動するとき、又は、所与の時間に熱電気により多くの/より少ない電力が加えられるとき)は、一時的期間に、(例えば、設計上デバイスが消散し得るよりも多くの)表面における増加した量の冷却若しくは加熱を、可能にさせ得る。
【0083】
ある実施形態では、コントローラは、適切なデューティサイクルに従って、電気信号を熱電気材料に加え得る。周知のデューティサイクルの用語は、概略、電気信号がアクティブである期間のパーセントのことである。種々の実施形態では、コントローラにより熱電気材料に加えられる電気信号は、約10%と約50%の間の、約10%以上の、約20%以上の、約30%以上の、約40%以上の、約50%以上の、デューティサイクルを示し得る。ある実施形態では、コントローラにより加えられるデューティサイクルは、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、又は、約10%以下であればよい。上述の範囲の組み合わせ(例えば、約10%と約50%の間など)でもよい。
【0084】
当業者により理解されるところであるが、電気信号(即ち、電圧、電流)の特定の範囲は、非限定的であり、デバイスの全体構成、選択した特定の材料(例えば、熱電気材料、熱電気材料の数)、デバイス内部の種々のコンポーネントの固有の抵抗、又は、デバイスの機能に寄与し得る他の形態に、部分的にでも依存して、適宜変動し得る。
【0085】
前述のように、デバイスの熱調整部位は、一つ若しくはそれ以上の熱電気材料を含み得る。ある実施形態では、熱電気材料は、迅速な、可逆性の熱過渡信号(即ち、熱パルス)を生成するためのものであるのが好ましい。適切な熱電気材料の非限定的な例は、pタイプ及びnタイプのドープ半導体材料、ビスマスカルコゲナイト(例えば、BiTe、BiSe)、セレン化鉛、S-G合金、スクッテルド鉱(例えば、化学式LM12を含む。ここで、Lはレアメタル、Mは遷移金属、Xは半金属である)、又は、任意の他の適切な熱電気材料の、カラムを含み得る。
【0086】
熱電気材料は、任意の適切な厚さを有し得る。例えば、ある実施形態では、熱電気材料が手首、腕、脚、足首、首、又は、人体の任意の他の適切な部位に対して、快適に保持され得るように、厚さが選択されてよい。ある実施形態では、熱電気材料の各々の厚さは、約1ミリメートルと約5ミリメートルの間(例えば、約1ミリメートルと約3ミリメートルの間)であればよい。他の厚さも可能である。
【0087】
ある実施形態においては、熱電気材料の各々、又は、熱電気材料を含むモジュールは、約10mmと約4cmの間の(例えば、約30mmと約500mmの間の)最大の平均断面の寸法を有し得る。他の平均断面の寸法も可能である。当業者は、デバイスの構成に基づいて、熱電気材料のための適宜のサイズを選択できる。
【0088】
熱電気材料、又は、そのモジュールは、任意の適切な構成にて、提供され得る。例えば、モジュールは、皮膚の表面に熱伝導性を提供するために、更に、ある場合には保護及びサポートのために、セラミックプレート間に挟まれた熱電気材料を、含み得る。
【0089】
図2~3に戻り、ある実施形態においては、デバイスは、熱電気材料110を覆うように配置された熱絶縁材料122を含み得る。ある実施形態では、利用の際、熱電気材料は、熱絶縁材料と皮膚の表面の間に配置されてよい。熱絶縁材料は、表面の近傍の、熱電気材料により生成される加熱(若しくは冷却)のレベルを保持するのに実効的であり得る。
【0090】
ある実施形態では、熱絶縁材料は、熱導体材料の利用と対比して、所与の電気信号に対する、温度変化の全体大きさを増加し得る。結果として、熱絶縁材料を組み込むことで、より強い、若しくは拡張した熱パルスを生じ得、例えば、ユーザに対して温度変化の全体感覚を増加させ、及び/又は、デバイスによる電力消費の減少を生じ得る。
【0091】
図10は、一連の熱加熱パルスが示され、熱導体材料(例えば、アルミニウム、他の金属)により覆われる熱電気材料と対比して、熱絶縁材料(例えば、ネオプレン)により覆われる熱電気材料に、電気信号を同様に印加している、例である。熱絶縁材料を組み込むデバイスに対しては、温度調整のレジームは、熱導体材料を組み込むデバイスに対するよりも、より明白である。即ち、温度変化の率は、熱絶縁材料を組み込むデバイスに対してより急激なものとなる。更に、温度増加の平均の大きさも、熱絶縁材料を含むデバイスに対してより大きくなる。
【0092】
しかしながら、ある実施形態においては、例えば、生成される加熱若しくは冷却の熱消散のために、デバイスが熱導体材料を組み込むことが好ましい。例えば、加熱と冷却のモードの間で迅速にスイッチすることが望ましい。従って、熱を消散できると、残余の加熱若しくは冷却が減少し得る。
【0093】
任意の適切な消散ユニットが、例えば、ヒートシンク、ファン、相変化物質、熱交換器、若しくはそれらの組み合わせが、用いられ得る。ある実施形態では、熱消散ユニットは、図1A図1Cに示すように、デバイス上に、及び、同様に手首上に、快適に搭載され得るようなサイズ及び/又は重さを有する。
【0094】
前述のように、ある実施形態では、デバイスは、適切な電源を含む。電源は、一つ若しくはそれ以上のバッテリ、光電池などの、任意の適宜の部材を含み得る。適切なバッテリの非限定的な例は、(例えば、約100~約100mAhのバッテリ寿命を伴う)Liポリマ、Liイオン、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、などを含む。ある場合では、バッテリは、一定の電圧を出力し得、コントローラは、適宜の程度のパルス幅変調を印加して時間変動電圧プロファイルを生成するように構成され得る。
【0095】
デバイスは更に、HVACシステムや、ヒータ、ファンなどの、他の局所電子熱源と対比して、比較的低い量の電圧を使用するように構成され得る。
【0096】
ある実施形態では、デバイスは、表面近傍の熱電気材料の領域における情報を収集するべく設定された一つ若しくはそれ以上のセンサを、含み得る。任意の適切なセンサ、例えば、任意の適宜の構成での、温度センサ(例えば、サーミスタ、サーモカップル)、湿度及び/又は水蒸気センサ、気圧計などが、採用され得る。ある実施形態では、デバイスは、熱電気材料及び/又は皮膚の、表面における温度をモニタするために、一つ若しくはそれ以上のセンサを含む。例えば、熱電気材料及び/又は皮膚の、表面において計測した温度が所望の温度を超えるならば、又は所望の温度よりも低いならば、センサは、信号をコントローラに送信し、加えられる電気信号を調整し(例えば、負の(若しくはより低い)電圧を加えて温度を下げ、正の(若しくはより高い)電圧を加えて温度を上げ)、好適な温度プロファイルとし得る。
【0097】
ある実施形態では、コントローラの温度をモニタするために、温度センサがコントロータに組み込まれ得る。ある実施形態では、熱電気材料の一つ若しくはそれ以上の表面に直接近接して、一つ若しくはそれ以上の温度センサが配置され得る。ある実施形態では、外気の温度を検知するために、温度センサが設定され得る。ある実施形態では、温度センサは、デバイスの異なるコンポーネントに亘る(例えば、皮膚の表面と熱電気材料の間の、熱電気材料と外気の間の)温度差を計測し得る。温度センサは、ある実施形態では、温度センサは、フィードバックループに従って動作する、例えば、デバイスの過剰な加熱若しくは冷却を回避する、及び/又は、好適な範囲内に表面の温度を維持する)コントローラを備えて、構成され得る。
【0098】
デバイスは、所望の、更なるコントロール特性を、例えば、(例えば、デバイスの形態をコントロールするための、皮膚の表面における温度をコントロールする/モニタするための、など)他のデバイス/システムとの適切な通信を可能にする無線機能を、含み得る。無線デバイスは概略周知であり、ある場合には、ワイファイ及び/又はブルートゥース(登録商標)システムを含み得る。
【0099】
本開示の少なくとも一つの実施形態について複数の形態を記載したが、当然のことながら、種々の変更、修正、及び改良が当業者には即座に浮かぶところである。ある実施形態では、デバイスは治療の利用例に用いられ得る。例えば、デバイスは、(例えば、妊娠期間、更年期の)一過性熱感を緩和するのに、又は、湿度や乾燥の環境での熱的快適を提供するのに、用いられ得る。これらの変更、修正、及び改良は、本開示の一部であると意図しており、本開示の精神及び範囲の内部であると意図している。従って、前述の記載及び図面は、例示のものに過ぎない。
【符号の説明】
【0100】
100・・・デバイス、102・・・皮膚、110・・・熱電気材料、120・・・熱導体材料、130・・・電源、140・・・コントローラ、150・・・バンド。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の温度を操作するデバイスにおいて、
表面に近接して配置されるように構成され設定された熱調整装置であって、表面に近接する温度調整装置の領域で複数の熱パルスを連続して生成させるように構成された熱調整装置と、
熱調整装置と通信するコントローラであって、該コントローラは、前記複数の熱パルスの生成をコントロールするように構成され、前記複数の熱パルスは、少なくとも第1の温度と第2の温度との間で前記領域の温度を循環させ、前記複数の熱パルスの一つ又は複数のレジームの間に適用される温度プロファイルの形状は、ユーザによって調整可能である、コントローラと、
を含む、デバイス。
【請求項2】
前記複数の熱パルスの一つ又は複数のパラメータがユーザによって調整可能であり、前記一つ又は複数のパラメータが更に、パルスの持続時間、前記複数の熱パルス間の時間、及び、パルスの間の温度変化の大きさの、グループから、選択される少なくとも一つを含む、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1の温度と前記第2の温度との間の平均温度変化率が、約0.1℃/秒~約10.0℃/秒である、
請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記熱パルスの各々は、30秒未満の期間に亘って発生する、
請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の温度と前記第2の温度との間の大きさの差異は、2℃より大きく10℃未満である、
請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の温度及び前記第2の温度は、22℃と34℃との間である、
請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項7】
前記温度プロファイルの形状は、線形、非線形、指数関数的増加、指数関数的減衰、多項式、及び、不規則のうちの、一つを含む、
請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項8】
表面の温度を操作する方法において、
表面の領域にて複数の熱パルスを連続して生成させるステップであって、前記複数の熱パルスは、少なくとも第1の温度と第2の温度との間で領域の温度を循環させる、生成させるステップと、
ユーザ入力に基づいて、前記複数の熱パルスのうちの、パルスの一つ又は複数のレジームの間に適用される温度プロファイルの形状を調整するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
更に、
前記複数の熱パルスの一つ又は複数のパラメータをユーザ入力に基づいて調整するステップを含み、
前記一つ又は複数のパラメータが、パルスの持続時間、複数の熱パルス間の時間、及び、パルスの間の温度変化の大きさの、グループから、選択される少なくとも一つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の温度と前記第2の温度との間の平均温度変化率が、約0.1℃/秒~約10.0℃/秒である、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記熱パルスの各々は、30秒未満の時間期間に亘って発生する、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の温度と前記第2の温度との間の大きさの差異は、2℃より大きく10℃未満である、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
第1の温度及び前記第2の温度は、22℃と34℃との間である、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項14】
前記温度プロファイルの形状は、線形、非線形、指数関数的増加、指数関数的減衰、多項式、及び、不規則のうちの、一つを含む、
請求項8又は9に記載の方法。
【外国語明細書】