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▶ ウッドウェルディング・アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058465
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】第1の物体に対する第2の物体の固定
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/08 20060101AFI20220405BHJP
   F16B 5/00 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B29C65/08
F16B5/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021214434
(22)【出願日】2021-12-28
(62)【分割の表示】P 2018516676の分割
【原出願日】2016-09-30
(31)【優先権主張番号】01421/15
(32)【優先日】2015-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(31)【優先権主張番号】00509/16
(32)【優先日】2016-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(31)【優先権主張番号】00778/16
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(31)【優先権主張番号】00996/16
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(71)【出願人】
【識別番号】501485227
【氏名又は名称】ウッドウェルディング・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,イェルク
(72)【発明者】
【氏名】クビスト,ヨアキム
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】トリアーニ,ローラン
(72)【発明者】
【氏名】バイス,マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ランツィ,アントニーノ
(72)【発明者】
【氏名】ジークリスト,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】メルツ,ハネス
(72)【発明者】
【氏名】メルツァッハ,ザムエル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】第1の物体を第2の物体に機械的に固定する方法を提供する。
【解決手段】固体状態の熱可塑性材料を含む第1の物体1を、穿孔20に沿う縁部21を有する概して平坦なシート部分を含む第2の物体2に対して機械的に固定する方法は、縁部が熱可塑性材料と接触するように第1の物体を第2の物体に対して位置決めし、縁部と熱可塑性材料との間に生じた摩擦熱による熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり縁部の周囲に流れて縁部を熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋設するまで、第1および第2の物体を含むアセンブリに機械的振動エネルギを結合する。機械的振動の停止後、熱可塑性材料が再凝固し、少なくとも部分的に縁部を埋設している再凝固した熱可塑性材料は、第1の物体を第2の物体に対して固定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の物体を第2の物体に機械的に固定する方法であって、前記方法は、
-固体状態の熱可塑性材料を含む前記第1の物体を提供するステップと、
-縁部を有する概して平坦なシート部分を含む前記第2の物体を提供するステップと、
-前記第1の物体を前記第2の物体に対して位置決めすることにより、前記第1の物体と前記第2の物体とを含むアセンブリを提供するステップとを含み、前記アセンブリにおいて前記縁部は前記熱可塑性材料に接触しており、
-前記縁部が前記熱可塑性材料に接触している間に、前記縁部と前記熱可塑性材料との間に生じた摩擦熱による前記熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり前記縁部の周囲に流れて前記縁部を前記熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋設するまで、機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップと、
-前記機械的振動を停止し、前記熱可塑性材料を再凝固させることにより、前記縁部を少なくとも部分的に埋設する前記再凝固させた熱可塑性材料が、前記第1の物体を前記第2の物体に固定するようにするステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、前記機械的振動エネルギの少なくとも一部分を前記第1の物体に結合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置決めするステップにおいて、概して近位側から前記第1の物体を前記第2の物体に接触させ、前記エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、振動するソノトロードを、前記第1の物体の、近位側を向く結合面に対して押圧することを含み、それにより、前記ソノトロードが、前記第2の物体に対する押圧力および機械的振動を同時に前記第1の物体に結合する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記位置決めするステップにおいて、概して近位側から前記第1の物体を前記第2の物体に接触させ、前記縁部に沿う、前記第2の物体の遠位側の空間は、前記流動部分が流動可能になる前は開放されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記提供するステップにおいて、前記縁部に沿う前記シート部分は、シート面から突出するセクションを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記セクションは前記シート面から近位方向に突出する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記セクションは前記シート部分の変形セクションであり、前記変形セクションは、前記シート面に延在する前記シート部分のセクションと一体である、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の物体を提供するステップにおいて、前記第2の物体は穿孔を含み、前記縁部は前記穿孔に沿って延在する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記穿孔の周りの前記シート部分はシート面から突出する変形セクションを有し、前記変形セクションは複数の舌部を含み、前記縁部は前記舌部の終端によって構成されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記穿孔の周りの前記シート部分はシート面から突出する変形セクションを有し、前記変形セクションは前記穿孔の周囲の周りに連続的に延在している、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の物体は、前記穿孔を密封閉鎖することにより、前記第1の物体の遠位側から前記第2の物体の近位側を密封するように構成されている、請求項8~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の物体は防水性である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の物体は金属シートである、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の物体は、前記熱可塑性材料に加えて、液化不可能な材料の本体を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、前記流動部分を再凝固させるステップ中に、前記本体が、前記縁部によって画定される面を通過して延びるように、実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
最初は前記第1の物体および前記第2の物体双方から分離しているコネクタ片を提供するステップと、前記第1の物体および前記第2の物体に対して前記コネクタ片を位置決めすることにより前記コネクタ片を前記アセンブリの一部にするステップとをさらに含み、前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、前記コネクタ片の少なくとも一部が前記第1の物体の前記熱可塑性材料に埋設されるまで実行され、それにより、再凝固後に前記コネクタ片は前記第1の物体および前記第2の物体に対して固定されている、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、前記第1の物体の前記熱可塑性材料が前記コネクタ片の近傍で流動可能になり前記コネクタ片が前記第1の物体に押込まれるまで、前記コネクタ片を前記第1の物体に対して押圧する一方で、振動するソノトロードを前記コネクタ片の結合面に対して押圧する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、前記流動部分を再凝固させるステップ中に、前記コネクタ片が、前記縁部によって画定される面を通過して延びるように、実行される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記コネクタ片は液化不可能な材料からなる、請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記本体または前記コネクタ片は、さらなる物体を固定するための取付構造を有する、請求項14~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記取付構造は、ねじ山および/またはスナップ構造および/または差込み結合構造を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記本体または前記コネクタ片は、側面部分において少なくとも1つの保持特徴部を有する表面を有し、前記保持特徴は、前記本体の熱可塑性材料と協働することにより、埋設する熱可塑性材料の内部における前記本体の相対位置を安定させる、請求項14~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
さらなる物体を提供するステップをさらに含み、前記さらなる物体は、前記第1の物体の接続構造と協働することにより前記第1の物体と前記さらなる物体とを可逆的に締結接続するためのコネクタ部分を含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記さらなる物体は複数の前記コネクタ部分を有し、前記提供するステップは、対応する数の前記第1の物体と、各々が少なくとも1つの穿孔を有する対応する数の固定位置とを提供することを含み、前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、前記第1の物体すべてに対して実行される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、前記第1の物体は前記さらなる物体に固定される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記流動部分の液化温度は250℃以下である、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
第3物体貫通開口部を有する第3の物体を提供するステップと、前記第3の物体を前記第2の物体に対して配置するステップとをさらに含み、前記第1の物体を前記第2の物体に対して位置決めするステップは、前記縁部が前記熱可塑性材料に接触するまで、前記第1の物体のシャフト部を前記第3物体貫通開口部に通すことをさらに含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の物体は穿孔を有し、前記縁部は前記穿孔に沿って延在し、前記シャフト部の直径は前記穿孔の直径よりも大きい、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記シャフト部の直径は、前記第3の物体の開口の断面に等しいかまたはそれよりも小さい、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の物体は近位ヘッド部を含む、請求項27~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、振動するソノトロードを、前記第1の物体の、近位側を向く結合面に対して押圧することを含み、それにより、前記ソノトロードが、前記第2の物体に対する押圧力および機械的振動を同時に前記第1の物体に結合し、前記エネルギを結合し押圧するステップは、前記ヘッド部の、遠位側を向く面が、前記第3の物体の開口の入口の近傍において前記第3の物体の近位端面に接触するまで、実行される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記熱可塑性材料は、180℃よりも低く室温よりも高いガラス転移温度と、200℃よりも高い液化温度とを有する、請求項27~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の物体は、液化不可能な材料からなる本体を有する、請求項27~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の物体は穿孔を有し、前記縁部は前記穿孔に沿って延在し、前記本体は、前記シャフトに属する本体シャフト部を有し、前記本体シャフト部は、前記材料を再凝固させた後に、前記第3の物体の開口および前記穿孔を通って前記第3の物体の開口から近位方向に突出する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記本体は前記第1の物体のヘッド部を形成する、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記穿孔の周りの前記シート部分は、変形してシート面から遠位側に向けて突出する、請求項27~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
第3の物体を提供するステップをさらに含み、前記第3の物体は、第3物体縁部を有する概して平坦なシート部分を含み、前記位置決めするステップは、前記第3の物体を前記第1の物体および前記第2の物体に対して位置決めすることを含み、それにより、前記アセンブリは前記第1の物体および前記第2の物体に加えて前記第3の物体を含み、前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、前記熱可塑性材料の流動部分が、流動可能になり前記縁部の周りを流れて少なくとも部分的に前記縁部を前記熱可塑性材料に埋設しかつ前記第3の物体の縁部の周りを流れて前記第3の物体の縁部を前記熱可塑性材料に埋設するまで、機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合することを含む、請求項1~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の物体は穿孔を有し、前記第3の物体は第3物体穿孔を有し、前記位置決めするステップは、前記穿孔と前記第3物体穿孔とを相互に位置合わせすることを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第2の物体および前記第3の物体は各々金属シートを含む、請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
前記縁部および前記第3の物体の縁部はいずれも、単純な直線とは異なる、少なくとも1つの屈曲部または角部を含む輪郭を形成する、請求項37~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記位置決めするステップにおいて、前記第2の物体および前記第3の物体を、前記第1の物体に、両側から接触させる、請求項37~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記位置決めするステップにおいて、前記第1の物体の概して遠位側を向く表面に前記縁部が接触し、かつ、前記第1の物体の概して近位側を向く表面に前記第3の物体の縁部が接触するように、前記第2の物体は配置され、それにより、前記停止するステップの後に、前記第2の物体および前記第3の物体は前記第1の物体の両側で固定される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、機械的振動は、前記第3の物体または前記第2の物体に当たる振動ツールによって前記アセンブリに結合され、このとき、前記第2の物体および前記第3の物体のうちの他方の物体および/または前記第1の物体は非振動支持体に当たっている、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、機械的振動は前記第3の物体および前記第2の物体双方に結合される、請求項41または42に記載の方法。
【請求項45】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、機械的振動は、前記第1の物体に当たる振動ツールによって前記第1の物体に結合される、請求項41~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記位置決めするステップにおいて、前記第2の物体および前記第3の物体を同一側から前記第1の物体に接触させる、請求項37~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、機械的振動は、前記第1の物体に当たる振動ツールによって前記第1の物体に結合される、請求項46
に記載の方法。
【請求項48】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、機械的振動は、前記第2の物体および/または前記第3の物体に当たる振動ツールによって前記第2の物体および/または前記第3の物体に結合される、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記第1の物体と、前記振動を前記アセンブリに結合する振動ツールとは、前記ツールと前記第2の物体または前記第3の物体との接触面に加えて前記ツールと前記第1の物体との接触面が存在するように、相互に適合するようにされ、前記振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、前記第1の物体の熱可塑性材料は、境界面において前記ツールに向けて流動可能になり前記ツールに対して流れるようにされる、請求項1~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記第1の物体は、前記第2の物体または前記第3の物体の縁部を押圧させる面から突出する少なくとも1つの突出部を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第1の物体は、機能ゾーンと、前記熱可塑性材料を含む少なくとも1つの取付けゾーンとを画定する本体を含む、請求項1~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記第1の物体は、前記第1の物体の周辺部の少なくとも一部の周りにおいて前記第1の物体の周りに延在する複数の取付けゾーンおよび/または1つの取付けゾーンを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記熱可塑性材料は噛合い嵌合接続によって前記本体に固定される、請求項51または52に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の物体は二成分射出成形によって製造される、請求項51~53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記本体は締結構造を含む、請求項51~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記第1の物体および前記第2の物体に対し、弾性変形可能な封止要素を位置決めするステップをさらに含み、押圧し前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、前記封止要素は圧縮される、請求項1~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、前記流動部分が液化すると前記縁部が前記第1の物体の前記熱可塑性材料の中に向けて押圧されるように、前記第1の物体を前記縁部に対して押圧する、請求項1~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記機械的振動を停止した後、前記流動部分が少なくともある程度再凝固するまで、押圧力が維持される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
・固定部と調整部とを提供するステップをさらに含み、少なくとも前記固定部は前記第1の物体に属し、
・前記固定部に対する前記調整部のz位置を調整するステップと、
・前記調整部を、調整された位置にある間に前記固定部分に対して固定するステップとをさらに含む、請求項1~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
z方向は、前記縁部の近傍において前記第2の物体により画定されるシート面に垂直な方向である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
z軸は、それに沿い、前記機械的振動を与えるステップにおいて前記縁部を埋設するために前記押圧力が作用する軸として定義される、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
前記固定するステップは、前記固定部に対する前記調整部の解放不能な固定を生じさせる、請求項59~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記固定するステップおよび/または前記調整するステップは、前記固定部と前記調整部とからなるアセンブリに機械的振動を加えることにより、前記固定部または前記調整部または双方における熱可塑性材料を流動可能にし再凝固後に前記調整部および前記固定部を相互に固定することを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
再凝固後に前記調整部と前記固定部とを融着させる、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記調整部および前記固定部のうちの一方は前記熱可塑性材料を含み、他方は前記熱可塑性材料が浸透することが可能な構造を含み、それにより、再凝固後に、前記調整部と前記固定部とが噛合い嵌合接続される、請求項63または64に記載の方法。
【請求項66】
前記調整するステップおよび固定するステップは組み合わされて単一ステップの手順にされる、請求項62~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記調整するステップおよび固定するステップは、振動するソノトロードによって実行され、前記ソノトロードは、前記調整部および前記固定部が相互に押圧するようにし、前記調整部および前記固定部のうちの少なくとも一方が流動可能になった後、前記調整部および前記固定部を、所望のz位置に達するまで相対的に移動させ、それにより、前記流動可能な材料の再凝固後に、前記再凝固した流動可能な材料は、前記調整部および前記固定部の相対位置を固定する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記調整部は、液化不可能な材料からなるコネクタ片である、請求項62~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記調整部および前記固定部はいずれも熱可塑性材料を含み、前記調整部および前記固定部は互いに対して溶接可能である、請求項62~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記固定部は前記第1の物体である、請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記固定部および前記調整部は一体であり、前記固定部と前記調整部との間においてエネルギ入力により崩壊ゾーンまたは伸張ゾーンを有効にすることが可能である、請求項62~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記第1の物体は、熱可塑性材料を含む接触側を含み、前記位置決めするステップにおいて、前記アセンブリにおいて前記縁部は前記接触側と接触し、前記接触側は、突起および/または窪みを含むことで構成されている、請求項1~71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記接触側は、パターン、または隆起部および溝を含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記隆起部および溝は中心から径方向に延在し、前記位置決めするステップは、前記中
心を前記第2の物体の穿孔と位置合わせすることを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記窪みの容積は前記突起の体積にほぼ相当する、請求項72~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記第2の物体の前記シート部分は、シート面から前記接触側に向かって突出し縁部を有する突出セクションを有し、前記窪みの深さは前記突出セクションの高さよりも小さい、請求項72~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記第2の物体を提供するステップにおいて、前記第2の物体は主穿孔を含み、前記縁部は前記主穿孔の周りに延在し、複数の周辺穿孔が前記主穿孔の周囲に沿って分散している、請求項1~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記周辺穿孔は前記主穿孔よりも小さい、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記主穿孔は概ね円形である、請求項77または78に記載の方法。
【請求項80】
前記第2の物体の前記シート部分は、前記主穿孔の周りにおいて、シート面から接触側に向かって突出した突出セクションを有し、前記周辺穿孔は少なくとも部分的に前記突出セクションに配置されている、請求項77~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記第2の物体は穿孔を含み、前記縁部は前記穿孔に沿って延在し、前記穿孔の周りにおける前記シート部分は、シート面から突出した突出セクションを有し、前記変形セクションは非対称であり、前記変形セクションは180度を超えて延在する、請求項1~80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記第2の物体を提供するステップにおいて、前記第2の物体は穿孔を含み、前記縁部は前記穿孔に沿って延在し、前記ソノトロードおよび前記第1の物体は、前記結合面が前記縁部の面内位置を覆うが前記穿孔に対して中心位置まで延在しないように、相互に適合するようにされている、請求項1~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記接触面は中心の周りにレーンを形成し、前記中心の面内位置は前記穿孔の面内位置に対応する、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記ソノトロードは中央の窪みを含み、前記結合面は前記中央の窪みの周りにある、請求項82または83に記載の方法。
【請求項85】
前記第1の物体は近位側に向いている中央の窪みを含み、前記結合面は前記中央の窪みの周りにある、請求項82~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記第2の物体は穿孔を含み、前記縁部は前記穿孔に沿って延在し、前記穿孔の周りの前記シート部分は、シート面から近位方向に突出した突出部を有する、請求項1~85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記第1の物体は、前記縁部の周辺において、遠位側に向いている足部を含み、前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、前記足部が前記穿孔の近傍において前記第2の物体に接するまで実行される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記足部は、前記第2の物体の突出部よりも側方に配置されている、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記第1の物体はさらなる物体を前記第2の物体に固定するための固定要素を含む、請求項1~88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記第1の物体はさらなる物体を前記第2の物体に固定するための固定要素を含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記第1の物体は締結構造を含むことにより前記固定要素となる、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記第1の物体は締結構造を含む固定要素を有する、請求項90または91に記載の方法。
【請求項93】
前記第1の物体は、機能ゾーンを画定する本体と、前記本体の側周面の少なくとも一部に沿って延在する取付けフランジとを含み、前記機械的エネルギを前記アセンブリに結合するステップにおいて、前記取付けフランジの少なくとも一部が前記第2の物体と軸方向に作用するソノトロードとの間でクランプされる、請求項1~92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記取付けフランジは、前記第1の物体の周縁の、側方に突出する部分である、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記取付けフランジは前記熱可塑性材料からなる、請求項93または94に記載の方法。
【請求項96】
前記取付けフランジは、近位側に向いているマーキングされた表面部分を含み、前記マーキングされた表面部分はその位置が取付け位置に対応するように位置決めされている、請求項93~95のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
前記第1の物体は本体と取付構造とを含み、前記本体と前記取付構造とは接合によって接続されている、請求項1~96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記第1の物体および/またはソノトロードの位置を前記第2の物体に対して調整することを含む、請求項1~97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記第2の物体に対する前記ソノトロードの位置が定められ、前記調整するステップは、前記第1の物体の位置を、前記ソノトロードと前記第2の物体との間において前記ソノトロードおよび前記第2の物体に対して調整することを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記調整するステップは、前記第1の物体を位置決めするために、ばねを含む案内ツールを使用することを含む、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記ソノトロードに対する前記第1の物体の位置を定めるステップを含み、前記調整するステップは、前記第1の物体と前記ソノトロードとのアセンブリの位置を前記第2の物体に対して調整することを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項102】
前記ソノトロードは案内構造を含み、前記案内構造は、前記第1の物体の対応する構造と協働して前記ソノトロードに対する前記第1の物体の位置を定める、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記ソノトロードに対する前記第1の物体の位置を定めるステップは、前記第1の物体と前記ソノトロードとの間に真空を与えることを含む、請求項101または102に記載の方法。
【請求項104】
前記ソノトロードに対する前記第1の物体の位置を定めるステップは案内要素を提供することを含み、前記案内要素は、前記ソノトロードおよび前記第1の物体双方に対し、横方向に案内される、請求項101~103のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
前記案内要素は、前記ソノトロードに対しては緩く案内され、前記第1の物体に対しては密に案内される、請求項105に記載の方法。
【請求項106】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップの少なくとも初期段階において前記第1の物体を前記第2の物体に対して押圧するための押さえツールを提供するステップを含む、請求項101~105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項107】
前記押さえツールは、前記案内ツールに対する前記第1の物体の横方向位置を定める案内構造を含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、前記機械的振動エネルギの少なくとも一部分を前記第2の物体に結合することを含む、請求項1~107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
前記第2の物体は、固定プレートと前記固定プレートに接合された締結要素とを含むファスナであり、前記機械的振動エネルギは、前記締結要素のための受入開口部を含みかつ前記固定プレートに対し力と振動とを伝達するように接触するソノトロードによって前記アセンブリに結合される、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記受入開口部および前記締結要素は、前記締結要素が前記受入開口部に一時的に固定されるように相互に適合するようにされている、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記機械的振動は縦振動である、請求項1~110のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
前記機械的振動は横振動である、請求項1~111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
前記機械的振動エネルギはソノトロードによって前記アセンブリに結合され、前記ソノトロードは、横振動を受ける遠位側外結合面を含み、前記遠位側外結合面は、前記第2の物体に対し力と振動とを伝達するように接触する周辺部分を含む、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記周辺部分は、周方向スカートおよびウィングのうちの少なくとも一方を含む、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記第2の物体は延在開口部を含み、前記第1の物体の延在部分が、少なくとも前記停止するステップの後に、前記延在開口部の口部を通って延在する、請求項1~114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
コネクタ片を提供し、前記コネクタ片が前記延在部分の内部に延在するまたは前記延在部分を通り前記延在開口部の口部を通って延在するように、前記コネクタ片を前記第1の物体に対して固定するステップをさらに含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記コネクタ片および前記延在部分は、前記コネクタ片が、前記延在部分の内部において異なる深さで固定されることにより前記コネクタ片のz位置が調整可能となるように、相互に適合されている、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記コネクタ片は、さらなる物体を固定するために設けられている、請求項116または117に記載の方法。
【請求項119】
前記コネクタ片に固定されるために設けられる連結要素を提供するステップをさらに含む、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記延在開口部の大きさは、前記延在部分の少なくとも1つの面内寸法よりも大きく、それにより、前記第2の物体に対する前記第1の物体のxy位置が可能である、請求項115~119のいずれか1項に記載の方法。
【請求項121】
前記延在部分は前記開口部の中に延在する管部を含む、請求項115~120のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
前記第2の物体は、前記延在開口部の周りに分散する複数の穿孔を含み、前記縁部は前記穿孔に沿って延在する、請求項115~121のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
固定部と調整部とを提供するステップを含み、少なくとも前記固定部は前記第1の物体に属し、前記固定部に対する前記調整部のz位置を調整し、第1のステーションにおいて前記固定部に対し前記調整部を調整位置に固着し、第2のステーションにおいて前記第2の物体に対し前記第1の物体を固定するステップを含み、前記第1のステーションは前記第2のステーションと異なる、請求項1~122のいずれか1項に記載の方法。
【請求項124】
前記調整し固着するステップは、前記固定するステップよりも前に実行される、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記第2の物体を提供するステップにおいて、前記第2の物体は穿孔を含み、前記縁部は前記穿孔に沿って延在し、前記第1の物体は、前記穿孔の中に延在する延在部分を含む、請求項1~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
前記延在部分は、前記第2の物体のシート部分によって画定されるシート面を通って延在する、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記延在部分は、前記第1の物体および前記第2の物体からなる前記アセンブリにさらなる物体を固定するための取付構造を含む、請求項125または126に記載の方法。
【請求項128】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップは、ソノトロードによっ前記機械的振動エネルギの少なくとも一部を前記第1の物体に結合することを含み、前記ソノトロードは、前記第1の物体の、近位側を向く内結合面に接触する遠位側外結合面を有し、前記方法は、前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップの間、前記第2の物体の遠位側にアンビルを配置するステップをさらに含む、請求項1~127のいずれか1項に記載の方法。
【請求項129】
前記アンビルは前記縁部の外側において誘導突起を含む、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記アンビルは、前記縁部の遠位側および/または前記縁部の側方にある、前記流動部分の少なくとも一部を収容するための窪みを含む、請求項128または129に記載の方
法。
【請求項131】
前記窪みの容積は前記流動部分の体積よりも小さい、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
アンカーを第2の物体に対する所望のxyz位置に設ける方法であって、前記方法は、
-固体状態の熱可塑性材料を含む第1の物体を提供するステップと、
-取付け位置を含む前記第2の物体を提供するステップとを含み、前記取付け位置は液化不可能な材料からなる縁部を含み、
-前記第1の物体を前記第2の物体に対して位置決めすることにより、前記第1の物体と前記第2の物体とを含むアセンブリを提供するステップを含み、前記アセンブリにおいて前記取付け位置は前記熱可塑性材料に接触しており、
-前記取付け位置が前記熱可塑性材料に接触している間に、前記熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり前記縁部を前記熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋設するまで、機械的振動エネルギを前記アセンブリに結合するステップと、
-前記機械的振動を停止し、前記熱可塑性材料を再凝固させることにより、前記縁部を少なくとも部分的に埋設する前記再凝固させた熱可塑性材料が、前記第1の物体を前記第2の物体に固定するようにするステップと、
-さらなる物体を前記第2の物体に対して固定するために設けられるアンカー片を提供するステップと、
-前記第1の物体の本体に対する前記アンカー片の位置を調整するステップと、
-前記アンカー片が調整位置にある間に、前記アンカー片を前記第1の物体の本体に対して固定するステップとを含む、方法。
【請求項133】
前記固定するステップおよび/または前記調整するステップは、前記アンカー片と前記第1の物体の本体とからなるアセンブリに機械的振動を加えることにより、前記第1の物体の本体または前記アンカー片または双方における熱可塑性材料を流動可能にし再凝固後に前記アンカー片と前記第1の物体の本体とを相互に固定することを含む、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
請求項1~133のいずれか1項に記載の方法に使用するのに好適なコネクタであって、前記コネクタは、
・接触側と、z方向において前記接触側の反対にある反対側と、
・前記接触側の少なくとも取付け位置にある固体状態の熱可塑性材料とを備え、
・前記コネクタは、以下の方法により、縁部を有する概して平坦なシート部分を有する第2の物体に固定することが可能であり、前記方法は、前記接触側と前記第2の物体が相互に対して押圧されている間に、前記縁部と前記熱可塑性材料との間に生じた摩擦熱による前記熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり前記縁部の周囲に流れて前記縁部を前記熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋設するまで、前記コネクタおよび前記第2の物体のうちの少なくとも一方に機械的振動エネルギを結合することを含み、
・前記コネクタは締結構造をさらに備え、前記締結構造は、さらなる物体の締結構造と協働して前記さらなる物体を前記コネクタに固定することにより前記さらなる物体を前記第2の物体に接続するために設けられる、コネクタ。
【請求項135】
前記接触側は本質的に、接触側の面を画定する平面である、請求項134に記載のコネクタ。
【請求項136】
前記取付け位置は本質的に円形またはリング形状である、請求項134または135に記載のコネクタ。
【請求項137】
前記取付け位置は前記締結要素の周りに延在する、請求項136に記載のコネクタ。
【請求項138】
前記締結要素の周りに分散する複数の取付け位置を含む、請求項134~137のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項139】
前記接触側は突起および/または窪みを含むことで構成されている、請求項134~138のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項140】
前記接触側は、パターン、または隆起部および溝を含む、請求項139に記載のコネクタ。
【請求項141】
前記隆起部および溝は中心から径方向に延在する、請求項140に記載のコネクタ。
【請求項142】
前記窪みの容積は前記突起の体積にほぼ相当する、請求項139~141のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項143】
案内ツールが横方向位置に係合して前記横方向位置を定める一方でz軸に沿う自由振動は可能にしておくための複数の横方向案内窪みを備える、請求項134~142のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項144】
前記締結構造は、雌ねじ、雄ねじ、差込み嵌合構造体、接着剤チャネル構成、係合するタッピンねじのための延性材料の領域のうちの少なくとも1つを含む、請求項134~143のいずれか1項に記載の装置。
【請求項145】
請求項59~71、132または133のうちのいずれか1項に記載の方法に使用するのに好適な、たとえば請求項134~144のいずれか1項に記載の装置であって、前記装置は、
-固定部を備え、前記固定部は、接触側と、z方向において前記接触側の反対にある反対側とを含み、かつ、前記接触側における少なくとも取付け位置にある固体状態の熱可塑性材料を含み、それにより、前記固定部は、以下の方法により、縁部を有する概して平坦なシート部分を有する第2の物体に固定されることが可能であり、前記方法は、前記接触側と前記第2の物体が相互に対して押圧されている間に、機械的振動エネルギを前記固定部および前記第2の物体のうちの少なくとも一方に結合することを含み、
-前記装置は調整部を備え、
-前記調整部および前記固定部は、相互z位置が調整可能となるように、かつ、前記調整部を前記固定部に対して固着できるように、設けられ、前記調整部および前記固定部は、調整された相対z位置にある、装置。
【請求項146】
前記z方向は、前記接触側の面に垂直な方向である、請求項145に記載の装置。
【請求項147】
前記固定部および前記調整部は一体であり、前記固定部と前記調整部との間においてエネルギ入力により崩壊ゾーンまたは伸張ゾーンを有効にすることが可能である、請求項145または146に記載の装置。
【請求項148】
前記崩壊ゾーンは一連の空洞を含む、請求項147に記載の装置。
【請求項149】
前記固定部および前記調整部は別々の部分である、請求項145または146に記載の装置。
【請求項150】
前記調整部および前記固定部はいずれも熱可塑性材料を含み、前記調整部および前記固定部は互いに対して溶接可能である、請求項149に記載の装置。
【請求項151】
前記調整部は、液化不可能な材料からなるコネクタ片である、請求項149に記載の装置。
【請求項152】
前記固定部は管部分を含み、前記調整部は、前記管部分に挿入可能でありかつ前記管部分の内部において異なる深さで固定することが可能な部分を有する、請求項145~151のいずれか1項に記載の装置。
【請求項153】
固定プレートと前記固定プレートに接合された締結要素とを含むファスナであって、前記固定プレートは、シート面を画定しかつ少なくとも1つの貫通開口部を有し、前記貫通開口部の周りの前記固定プレートは変形して前記シート面から突出し、縁部が前記貫通開口部の周りに延在し、それにより、前記固定プレートは、以下のプロセスにおいて、固体状態である熱可塑性材料を有する第1の物体に固定することが可能であり、前記プロセスは、前記接触側と前記第2の物体とが互いに対して押圧されている間に、前記縁部と前記熱可塑性材料との間に生じた摩擦熱による前記熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり前記縁部の周囲に流れて前記縁部を前記熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋設するまで、機械的振動エネルギを、前記固定プレートおよび前記第1の物体のうちの少なくとも一方に結合することを含む、ファスナ。
【請求項154】
前記締結要素は前記固定プレートの中央に配置される、請求項153に記載のファスナ。
【請求項155】
前記締結要素は、雄ねじを有するねじ切りボルト、雌ねじを有するボルト、ねじ山なしのボルト、ピン、ナット、フック、アイレット、差込み結合のための基部のうちの少なくとも1つを含む、請求項153または154に記載のファスナ。
【請求項156】
請求項153~155のうちのいずれか1項に記載のファスナを備えるセットであって、前記セットはソノトロードをさらに備え、前記ソノトロードは、前記固定プレートに対し力と振動とを伝達するように接触するように成形された遠位側外結合面と、前記締結要素を収容するための受入構造とを含む、セット。
【請求項157】
前記受入構造は、前記締結構造に対する機械的結合に適合するようにされている、請求項156に記載のセット。
【請求項158】
前記ソノトロードの外結合面は、前記固定プレートに対し力と振動とを伝達するように接触する周辺部分を有する、請求項156または157に記載のセット。
【請求項159】
前記周辺部分は、周方向スカートおよびウィングのうちの少なくとも一方を含む、請求項158に記載のセット。
【請求項160】
セットであって、
遠位側外結合面を含むソノトロードと、
第1の物体とを備え、前記第1の物体は、接触側と、z方向において前記接触側の反対にある反対側とを含み、かつ、前記接触側の少なくとも取付け位置において固体状態の熱可塑性材料を含み、
前記ソノトロードは、縁部を有する概して平坦なシート部分を有する第2の物体により形成される縁部と前記第1の物体の前記接触側が接触している間に、前記縁部と前記熱可塑性材料との間に生じた摩擦熱による前記熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり前記縁部の周囲に流れて前記縁部を前記熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋設するまで、共通の結合境界面を介して機械的振動エネルギを前記第1の物体に結合するように、前記第
1の物体に適合するようにされ、それにより、前記熱可塑性材料の再凝固後、前記第1の物体は前記第2の物体に固定される、セット。
【請求項161】
前記ソノトロードおよび前記第1の物体は、前記結合境界面がリング形状になるように相互に適合させたものである、請求項160に記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、機械工学および建設、特に機械的製造、たとえば自動車工学、航空機製造、鉄道産業、造船、機械製造、玩具製造、建築産業などの分野にある。特に、本発明は、第2の物体を第1の物体に-機械的に-固定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
自動車、航空および他の産業では、鋼のみの構造物から離れ、軽量材料、たとえばアルミニウムもしくはマグネシウム金属シートまたはポリマーなど、たとえば炭素繊維強化ポリマーまたはガラス繊維強化ポリマーまたは無強化ポリマー、たとえばポリエステル、ポリカーボネートなどを代わりに使用する傾向があった。
【0003】
新たな材料は、これらの材料の要素を接合する際に、特に扁平な物体を他の物体に接合する際に新たな課題を引き起こす。このための例は、金属シートなどのような金属部品にポリマー系材料の部品を接合することである。
【0004】
これらの課題に対処するために、自動車、航空および他の産業は接着剤接合を多用し始めた。接着剤接合は軽くて強くあり得るが、信頼性を長期間制御する可能性がないという欠点があり、なぜならば、劣化接着接合は、たとえば脆化接着剤のため、接合を完全に解放することなく検出することがほとんど不可能であるからである。また、接着剤接合は、特に互いに接続される表面が或る粗さを有し、その結果、迅速に硬化する薄層接着剤が使用できない場合、材料コスト、および硬化プロセスが遅いことにより製造プロセスで生じる遅延の両方のため、製造コストの上昇を招くことがある。さらに、同じ熱膨張係数を有さない2つの物体の間の平らな接着接合は、接着結合が日常的な使用において温度変動のために実質的な剪断力を受ける可能性があるので、さらなる信頼性の問題につながり得る。
【0005】
要素同士を互いに接合する際のある特定の課題は、たとえば、要素がねじおよびナットまたはリベットなどの、接着接合以外の接合で互いに接合される場合の公差の補償である。そのような接合においては、ファスナとそれぞれの固定位置との正確な規定または相対的な位置が要求される。このような正確な規定は、製造プロセスが特に経済的でなければならない場合、および/または接続される部品が少なくとも1つの寸法において比較的大きい、および/またはそれらが製造および使用中に受ける条件に異なる態様で反応する場合(たとえば、それらの熱膨張係数が異なる場合)、達成が困難であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
したがって、本発明の目的は、第1の物体に第2の物体を機械的に固定する方法を提供することであり、この方法は先行技術の方法の欠点を克服する。特に、本発明の目的は、熱可塑性部品と熱可塑性部品が液化する条件下で液化できない部品との間に信頼性のある接続をもたらす、または熱可塑性の接続要素を用いて異なる部品間の信頼性のある接続をもたらす、費用効率の高い方法を提供することである。本発明の他の目的は、部品間の確実な接続をもたらし、効率的かつ迅速な方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、部品間の信頼性の高い接続をもたらし、効率的な公差補償を可能にする方法を提供することである。
【0007】
本発明の一態様によれば、第1の物体を第2の物体に機械的に固定する方法であって、
-固体状態の熱可塑性材料を含む第1の物体を提供するステップと、
-縁部を有する概して平坦なシート部分を設けられた第2の物体を提供するステップと、
-縁部が熱可塑性材料と接触するように、第1の物体を第2の物体に対して位置決めするステップと、
-縁部と熱可塑性材料との間に発生した摩擦熱による熱可塑性材料の流動部分が流動可能となり、縁部の周りを流れて縁部を熱可塑性樹脂に少なくとも部分的に埋め込むまで、機械的振動エネルギを第1および第2の物体を含むアセンブリに結合するステップと、
-機械的振動を停止させ、熱可塑性材料を再凝固させることにより、縁部を少なくとも部分的に埋め込む再凝固された熱可塑性材料が第1の物体を第2の物体に固定するステップとを備える。
【0008】
機械的振動エネルギをアセンブリに結合するステップにおいて、第1の物体は、流動部分の液状化で縁部が第1の物体の熱可塑性材料の中に押込まれるように、縁部に押付けられてもよい。
【0009】
機械的な振動を停止させた後、実施形態において、押圧力は、スプリングバック効果を防止するために流動部分が少なくともある程度まで再凝固するまで維持される。
【0010】
実施形態では、第2の物体は、シート部分に、縁部が沿って走る穿孔を有するように提供される。
【0011】
穿孔を有する実施形態では、シート部分は、穿孔の周りに、振動が第1の物体に結合される場合にシート面から第1の物体に向かって、すなわち近位方向に突出する突出セクションを有する。
【0012】
第1の物体および第2の物体への接続は、実施形態では、穿孔を封止する、つまり、第2の物体の近位側領域をその遠位側領域から封止するようなものであってもよい。この目的のために、第1の物体は、たとえば、縁部を埋め込む周囲へと延在する連続体を有してもよい。
【0013】
他の実施形態では、第1の物体は貫通開口部を有し、貫通開口部には、たとえば後述するコネクタ片または液化可能でない本体を配置することができ、コネクタ片または本体はさらなる物体用の固定ピースを形成する。それは、たとえば、ねじ筋または他の係合特徴を有していてもよく、および/またはそれを貫通して延びるナットおよびボルトの構成に役立ち得る。代替的に、軸受スリーブ、玉軸受または他の軸受を第1の物体、特にそれの貫通開口部に配置することができる。
【0014】
特に、機械的振動エネルギは、第1の物体に結合され、第2の物体に結合されなくてもよい(直接的ではなく、つまりせいぜい第1の物体を介して)。特に、位置決めステップにおいて、第1の物体は、第2の物体と、概して近位側から接触させてもよく、エネルギを第1の物体に結合するステップは、振動するソノトロードを、第1の物体の近位側を向いた結合面に押圧することを含んでもよく、それにより、ソノトロードによって、同時に、第2の物体に対する押圧力と、機械的振動とが、第1の物体に結合される。
【0015】
押圧力に反作用力を加えるために、第2の物体は、たとえば非振動支持体などの支持体に対して配置されてもよい。実施形態では、第2の物体は、支持体と第2の物体との間に弾性要素または降伏要素がない状態で支持体に対して配置され、支持体は第2の物体をし
っかりと支持する。
【0016】
しかしながら、プロセス中に加えられる押圧力は、第2の物体が自立するよう十分低い場合もある。一般に、熱可塑性物体と物理的に接触している縁部(機械的振動エネルギに対する固有のエネルギ誘導部である)の一般的に非常に良好なエネルギ吸収特性が与えられた本発明による手法では、熱可塑性物体および/縁部は機械的振動を受け、ほんの小さな押圧力しか加えられなくてよいことを可能にする。これは、物体の少なくとも1つが、複雑な形状を有し、および/または車体のような複雑な物品の一部であり、したがって、剛性支持体を、押圧力がかかる横方向位置に配置することが困難であり得る用途に対して、実質的に有利であり得る。
【0017】
しかしながら、エネルギが第2の物体に結合される、すなわち機械的振動エネルギが第2の物体の側面から衝突することは排除されない。
【0018】
特に、しかしそれに限らず、振動を第2の物体に結合する実施形態では、振動は横振動であり、他の実施形態では振動は縦振動である。横振動を有する設定は、たとえば金属部品の溶接から公知である。これについて、たとえば、次の選択肢がある。
【0019】
-ソノトロードは概ね横方向(定義されている場合、第2の物体のシート面に関して面内方向)から第2の物体振動を結合し、別個のプレス工具が必要な押圧力を第1の物体と第2の物体との間に加える。
【0020】
-ソノトロード自体は、それが第2の物体に結合される遠位端部で横振動を受けさせられる。この目的のために、ソノトロードと第2の物体との間の機械的結合は、そのような横方向の運動が第2の物体に伝達され得るようなものであり得る。たとえば、第2の物体は、シート部分を含む(たとえば構成する)固定プレートに加えて、ソノトロードに結合することができる締結要素も備えることができる。特に、第2の物体が、別の物体を第1の物体に固定するように構成されたファスナである実施形態では、締結要素は、たとえばねじ切りされたボルト(雌ねじおよび/または雄ねじ)、ねじ筋のないボルト、ピン、ナット、フック、アイレット、差込み結合のための基部などであることによる対応の構造を有する。
【0021】
本発明はまた、機械的振動を第2の物体に結合することを含む、本発明の任意の実施形態によるプロセスを実施するための、ソノトロードおよびそれに適合された第2の物体のセットに関する。たとえば、第2の物体は、固定プレートと、それに接合される締結要素とを備えてもよく、ソノトロードは、固定プレートとの力および振動伝達接触のために形成された遠位側外結合面(distal outcoupling face)と、締結要素を収容する受入構造
とを備え得る。受入れ構造、たとえば受入れ開口部または突起は、締結要素の締結構造(ねじまたは同様のもの)への機械的結合のために適合させることができる。
【0022】
任意選択的に、機械的振動エネルギに加えて、さらなるエネルギがアセンブリに結合されてもよい。一例では、第2の物体は、IR照射、誘導(特に、縁部付近で効率的である)、熱風流などによって予熱されてもよい。加えて、または代替的に、熱可塑性材料は、たとえば、スイス特許出願第01 104/15号に記載されているような電磁加熱や、照射などによって、境界面付近で縁部に局所的に予熱することができる。たとえば、スイス特許出願第01 104/15号に記載されているような電磁加熱の場合、取付けゾーンの熱可塑性材料に磁気ドーパントを与えることができる。
【0023】
両方の場合において、予熱は、熱可塑性材料を直接的および/または間接的に流動可能にするプロセスを助ける。間接的な効果は、予熱ステップによって、機械的振動エネルギ
の吸収が、特に、上昇した温度によって引き起こされる内部摩擦の増大に起因して、予熱ステップが作用する箇所またはその付近で増加する場合に達成される。
【0024】
このような付加的なさらなるエネルギは、速度を増大させる、および/または必要な押圧力を低減するという目的を有することができる。これはまた、プロセス制御に肯定的な影響を及ぼし得る。
【0025】
熱可塑性材料の流動部分は、プロセス中に機械的振動の影響で液化されて流動する熱可塑性材料の一部である。この流動部分は1つである必要はなく、互いに分離した部分を含むことができる。
【0026】
この流動部分の液化は、ここにおいて、主として、第1の物体の熱可塑性材料を直接的または間接的に加熱する、(第1の物体のような)アセンブリの振動部分と(第2の物体のような)非振動部分との間の摩擦によって引き起こされる。これが特に効率的なのは、熱を生成する摩擦が、材料が流れる場所で生じる場合であり、なぜならば、液状化された熱可塑性材料を含む他の方法とは対照的に、流動部分が熱源から流れ去った場所には冷却効果がないためである。特に、熱可塑性材料の流動部分を流動可能にするステップにおいて、流動部分またはその一部は、突出セクションと熱可塑性材料との間で発生する熱により、流動可能となってもよい。実施形態では、第2の物体が上述の方法ステップによって第1の物体に固定され、第1の物体が接触する側以外の、第2の物体の側(振動エネルギが概して近位側から第1の物体に結合される上述の種類の実施形態において遠位側)の空間は、熱可塑性材料が第2の物体のシート部分の表面に沿って(したがって適用可能であれば、穿孔の周りを)直ちに流れることができるように、縁部に沿って開放されていてもよい。特に、実施形態では、第2の物体より遠位側のさらなる物体は、第1の物体によって第2の物体に固定されない。
【0027】
実施形態では、縁部に沿った(したがって、適用可能な場合、穿孔の周囲の)シート部分は、シート部分が画定されたシート面から突出するように変形される。特に、シート部分は、第1の物体の側に向かって(振動エネルギが第1の物体に概して近位側から結合される上述の種類の実施形態では、近位側に向かって)に突出してもよい。特に、変形セクションである突出セクション(存在する場合)は、シート部分と同じ金属シート材料であってもよい。
【0028】
本明細書において、「シート面」という用語は、縁部の周りの領域、特に、穿孔(もしあれば)の周りの領域における概ね平面状のシート部分の形状によって画定される平面/表面を意味する。シート面は、2次元に真っすぐ延在するという意味で平面であってもよい。代替的に、シート面は湾曲していてもよく、それにより、たとえば車両または航空機の本体のような複雑な物体の表面を構成する場合、より複雑な3D形状をたどり得る。第2の物体が縁部の近くで変形してシート面から突出するように変形される場合、変形セクションが延びる位置での第2の物体の曲率はシート面の曲率よりもはるかに大きいことが多くなる。
【0029】
このような変形セクションは、たとえば、切断(たとえば打ち抜き)を行い、屈曲または他の変形を行い、シート部分の対応する部分が最初にあったところに第2要素開口部を残すことによって、シート部分の対応する部分を変形させることにより、形成してもよい。この場合、変形セクションは、依然としてシートセクションと一体であってもよい。
【0030】
変形セクションの代替として、シート面から突出するシート部分の或るセクションを、たとえば溶接によって、シート材料に固定される別個の要素として、提供することも可能である。
【0031】
変形セクションのさらなる代替物として、第1の物体を接触させる側に向かって突出するセクションを製造することが可能であり、このセクションは、セラミックである場合には、始めからの成形プロセス、たとえば、ダイカストまたはプレス成形または射出成形(その後に周知の次の加工ステップが続く)などによって、縁部で終端する。このような実施形態では、シート部分は、第1の物体に向かって突出する部分および/またはプロセス後に流動部分に埋め込まれるセクションから構成されていてもよく、すなわち、シート部分によってさらに規定されるシート面を有する必要はない。
【0032】
穿孔および穿孔の周りに突出した(たとえば変形した)セクションを有する実施形態では、変形セクションは対称であり、すなわち、穿孔の周りにおいて均一に変形されてもよい(これは、変形セクションが、鋸歯状の形状を伴う粗い縁部を有する可能性を含む)。特に、それは、穿孔の中心を通る紙面に垂直な軸の周りの回転に関して対称であってもよい。
【0033】
代替的に、突出セクションの高さ(粗い/歯のある縁部の場合の平均高さ)が縁部に沿った位置の関数として異なるという点で、前記軸の周りの回転に関して非対称であってもよい。そのような実施形態では、非対称性は、突出セクションが穿孔の全周のまわりを延びてはおらず、縁部の一部のセグメントに沿ってそのような突出セクションがないようなものであってもよい。しかしながら、この場合、突出セクションは、面内の相対的な力に関して第1および第2の物体を互いにロックするように、周囲の少なくとも180%を越える部分の周りに延び得る。
【0034】
縁部が沿って走る穿孔を第2の物体が含む実施形態のグループでは、ソノトロードと第1の物体とは互いに対して適合されてもよく、結合面(ソノトロードが押圧される第1の物体表面の部分)は縁部の面内位置をカバーするが、穿孔について中心位置まで延びない。この文脈において、「面内位置をカバーする」とは、遠近軸に沿った突出において、縁部が結合面の領域内にあることを意味する。
【0035】
たとえば、結合面は中心の周りにレーンを形成し、中心の面内位置は穿孔の面内位置に対応してもよい。
【0036】
この目的のために、以下の選択肢の1つまたは組み合わせを実現することができる。
-ソノトロードは、中央の窪みを含み、中央の窪みの周囲に結合面がある;および/または
-第1の物体は、近位側を向く中央の窪みを含み、結合面は中央の窪みの周りにある。
【0037】
中央位置に延在しない結合面の効果は、プロセス制御を容易にすること、および/またはたとえば機能素子を有する第1の物体の中央部分が損傷することを防止することを含み得る。
【0038】
第2の物体の穿孔と穿孔の周囲の突出セクションとを含み、突出セクションは第1の物体に向かって近位方向に突出している実施形態のグループでは、第1の物体は遠位方向を向くスペーサ(本明細書においては「足部」とも称される)を設けられてもよい。そのようなスペーサは、第1の物体の接触側が第2の物体の縁部と接触する位置の側方に配置されてもよい。
【0039】
特に、スペーサは、第2の物体の突出セクションよりも側方に配置され得るので、振動が衝突して第1の物体と第2の物体とが互いに押付けられたときに、第1の物体および第2の物体の互いに対する相対的な移動が、シート面が画定されているシート部分に足部が
当接するまで、生じ得る。それにより、第2の物体に対する第1の物体のz位置は、スペーサとして機能する足部の寸法によって規定される。
【0040】
したがって、そのような足部は、洗練された測定ツールなしでz位置制御を達成するための比較的単純な手段の一例である。特に、足部は、プロセスの最後に、作業者が正しいz位置に達したときに物理的なフィードバックを得るという点において、良好なプロセス制御を可能にする。これは、プロセスが手動で実施される場合、または機械的抵抗が自動化プロセスにおいて制御パラメータである場合にも、有利であり得る。正確なz位置制御のための他の手段が、以下に説明される。
【0041】
この方法は、位置決めステップの前に、たとえば打抜き、穿孔などによって、第2の物体において穿孔を形成するさらなるステップを含むことができる。代替的に、縁部が沿って形成される穿孔は、実施形態において、いずれにせよ第2の物体に存在する開口部であってもよいし、または製造プロセス中に設けられた開口部であってもよい。
【0042】
第1の物体は、熱可塑性材料を含む。実施形態では、第1の物体は熱可塑性材料からなる。他の実施形態では、第1の物体は、熱可塑性材料に加えて、液化可能でない材料からなる本体を含む。そのような液化可能でない材料からなる本体は、第1の物体の補強部分を構成することができる。
【0043】
液化可能でない本体を有する実施形態では、液化可能でない材料からなる本体は、多数の粒子からなる単なる充填材とは異なり、規定された位置および向きならびに実質的なサイズを有する巨視的な本体である。第2の物体によって画定されるシート面において、そのサイズは、たとえば、(挿入軸に垂直な断面の)第1の物体の平均直径の少なくとも10%であってもよく、もしくは、適用可能ならば、穿孔の平均直径のそれであってもよく、および/または特徴的な寸法は、任意の寸法において少なくとも0.1mmであってもよい。特に、本体は金属またはセラミックであってもよい。特に、本体は、規定された形状を有し、それによって第1の物体に剛性を加えるようなものであってもよい。本体によって、第1の物体は少なくとも2つの空間的に分離された領域、すなわち本体領域と熱可塑性領域とに画定される。
【0044】
第1の物体が熱可塑性材料に加えて液化可能でない材料を含む実施形態では、熱可塑性材料は、少なくとも、縁部と接触する表面部分に配置されてもよい。
【0045】
第1の物体は、さらなる物体を第2の物体に固定するための固定要素を備えることができる。たとえば、第1の物体は、ねじ筋または他の締結構造などの適切な構造を備えることによって、それ自体がそのような固定要素(ファスナ)であってもよく、またはねじ切りされたバー、ナットなどの専用の固定要素を備えてもよい。これらの実施形態では、第1の物体は、さらなる物体のためのファスナまたはアンカーとして見ることができる。代替的な実施形態では、第1の物体自体が単なるファスナとは異なる機能を有する物体を構成してもよい。
【0046】
特に、しかしそれに限らず、これらの代替の実施形態では、第1の物体は比較的大きくあり得、第1の物体全体を振動させて第1の物体を複数の取付け位置で同時に取付けることは不可能である。このような実施形態では、同時に複数のソノトロードを衝突させて、対応する複数の取付け位置で第1の物体を第2の物体に取付け固定することを行う必要があり得、および/または、取付けが第1の物体の残りの部分から行なわれる第1の物体の部分を十分に結合解除するのに十分な柔軟性を有することが有益であり得る。これに関する例は、たとえば取付けフランジを参照して後述する。
【0047】
実施形態では、第1の物体は、熱可塑性部分を含む取付けゾーンを有し、さらに、取付けゾーンとは異なる機能ゾーンを有する。そのような機能ゾーンは、たとえば、締結構造および/または他の機能要素を含むことができる。機能ゾーンは、プロセスにおいて縁部を埋め込む熱可塑性材料を局所的に液化することが不可能および/または望ましくないように構成することができる。多くの実施形態では、第1の物体は機能ゾーン内においては液化可能でない。他の実施形態では、第1の物体は機能ゾーン内において液化可能な材料を含むことができるが、機能は本発明によるプロセスによって悪影響を受けるであろう。
【0048】
実施形態では、第1の物体は、二成分射出成形のステップを含むプロセスで製造され、取付けゾーンは1つの熱可塑性材料からなり、機能ゾーンは他の熱可塑性材料を含む。その場合、(または第1の物体が2つの熱可塑性材料部分を含む他の状況においても、)異なるゾーンの熱可塑性材料は異なる材料特性を有する。
【0049】
-機能ゾーンの熱可塑性材料の弾性率Eは、取付けゾーンの弾性率に比べて大きく、たとえば、はるかに大きくてもよく;および/または
-取付けゾーンの熱可塑性材料の(弾性)伸張性は、機能ゾーンの伸張性よりもはるかに高くてもよい。この目的のために、取付けゾーンの熱可塑性材料は、選択肢として、熱可塑性ポリウレタンのようなエラストマー熱可塑性材料であってもよい。これにより、それは、繰り返しの加熱/冷却サイクルに適している。他の選択肢によれば、たとえば電着プロセスにおいて、1回の塑性変形(クリープ)プロセスによって、熱による変形を補償するために、取付けゾーンの熱可塑性材料は、比較的低いガラス転移温度、および高温で比較的高い可塑性を有する部分的に結晶性のポリマー(たとえば、ポリプロピレン)であってもよい。
【0050】
後者によって、たとえば、第1の物体と第2の物体との間の異なる熱膨張挙動が補償され得る。
【0051】
少なくとも1つの取付けゾーンを含む実施形態では、取付けゾーンの材料は、噛合い嵌合(positive-fit)接続によって第1の物体本体(機能ゾーンを含む)に固定されてもよい。たとえば、第1の物体本体は、少なくとも1つのアンダーカット開口部を備えてもよく、取付けゾーンを形成する熱可塑性材料は、少なくとも部分的にアンダーカット開口部に存在してもよい。加えて、または代替物として、本体は、取付けゾーンの熱可塑性材料が多孔セクションと相互浸透する、開いた多孔セクションを含むことができる。噛合い嵌合接続に加えて、またはこれに代わるものとして、接着接続のような、取付けゾーンの材料と本体との間の他の種類の機械的接続が存在してもよい。
【0052】
あるグループの実施形態では、第1の物体は、機能ゾーンを画定する本体と、本体の側方周囲の少なくとも一部に沿って走り、取付けゾーンを画定するフランジ(取付けフランジ)とを備え、それにより、フランジの少なくとも一部は、アセンブリに機械的振動エネルギを結合するステップにおいて、軸方向に作用するソノトロードと第2の物体との間にクランプされる。
【0053】
取付けフランジは、第1の物体の、周辺に位置する、横方向に突出した部分であってもよい。それは、熱可塑性材料からなることができ;少なくとも遠位面は熱可塑性材料を含む。これは、たとえば、第1の物体が第2の物体2の縁部と接触する第1の物体の遠位面に少なくともおおよそ平行である、ソノトロードのための近位方向を向いている内結合面(incoupling surface)を画定してもよい。これにより、第1の物体がその機能のために、平面状の遠位面を有する形状とは異なり得る複雑な形状を有していても、取付け位置において、より複雑でない形状が可能になる。
【0054】
第1の物体、特にその取付けフランジは、第2の物体2、たとえば縁部が沿って伸びるその穿孔によって画定された取付け位置に対応するように位置決めされた、十分に画定された、おそらくはマーキングされた、近位方向に向いた結合面部分を含むことができる。このような結合面部分は、たとえば、第2の物体の縁部と接触する、反対側の対応する遠位方向を向いた表面部分と平行であってもよい。
【0055】
また、第1の物体は、取付けフランジ-または結合面と、縁部と接触する表面部分と有する他の取付構造-と、第1の物体本体との間の弾性継手を備えることができる。それにより、取付構造、たとえば取付けフランジは、第1の物体の残りの部分から振動で結合解除されることができる。
【0056】
これは、第1の物体が比較的大きく、第1の物体全体に振動を結合することが容易に可能ではないか、またはそうすることは有害であろう実施形態では、特に選択肢であり得る。そのような実施形態では、異なる取付け位置での取付けは、多くの取付け位置に対して同時に実行されなければならず、その場合、複数のソノトロードが同時に動作しなければならない。ある代替策は、異なる取付け位置での順次取付けである。その場合、第1および/または第2の物体にある程度の柔軟性が必要であり、なぜならば、取付けプロセスは、実際の取付け位置で第1および第2の物体の相対的な移動を引き起こすのに対して、そのような移動は他の取付け位置では存在しないからである。継手によって本体から分離された取付けフランジおよび/または取付構造は、そのような柔軟性をもたらすことができる。
【0057】
あるグループの実施形態では、この方法は、第1および第2の物体の両方から最初は分離しているコネクタ片を提供するさらなるステップを含む。これらの実施形態では、機械的振動エネルギが結合されるアセンブリも、コネクタ片を備える。コネクタ片は、プロセス中において、第1の物体の熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋め込まれ、再凝固後に第1および第2の物体に対して固定されるようにされてもよい。実施形態では、以下でより詳細に説明するように、たとえば、製造プロセス中の寸法/位置の変動を補償するために、コネクタ片が(埋め込みまたは別の接続によって)第1の物体に複数の可能な相対的位置で接続可能であってもよい。
【0058】
特に、機械的振動エネルギをアセンブリに結合するステップにおいて、コネクタ片が第1の物体内に押込まれるように第1の物体の熱可塑性材料がコネクタ片の付近で流動可能になるまで、コネクタ片が第1の物体に押付けられている間、振動するソノトロードをコネクタ片の結合面に押圧してもよい。同時に、および/または引き続いて、機械的振動エネルギが、さらに、第2の物体と第1の物体との間の境界面で吸収されてもよい。
【0059】
これにおいて、コネクタ片を、シート部分の縁部によって画定された平面を通って延在させ、したがって、穿孔の開口によって適用可能な場合には、その近位側から延在させることができる。同様に、第1の物体が、補強部分のような、液化可能でない材料からなる本体を有する場合、本体は、縁部(該当する場合には、穿孔の開口)によって画定される平面を通って延びるように配置されてもよい。より詳細には、第2の物体が穿孔を有する実施形態では、コネクタ片/本体は、穿孔を通って延びることができる。
【0060】
上述した種類のコネクタ片は、液化可能でない材料で構成されてもよい。代替的に、それは熱可塑性材料を含んでいてもよい。一例では、それは、第1の物体の熱可塑性材料に溶接することができる熱可塑性材料を含み、それは同じ熱可塑性材料であってもよく、または少なくとも同じマトリックスポリマー材料を含んでいてもよい。
【0061】
上述した種類のコネクタ片は、以下の機能の1つまたは組み合わせを有することができ
る:
-コネクタ片は、熱可塑性材料と共に、機械的エネルギの吸収が起こる境界面を形成することができる。したがって、コネクタ片は、エネルギ吸収を制御し、それによって熱可塑性材料の流れを制御する追加の手段を提供する。
【0062】
-コネクタ片は、熱可塑性材料の流れを、特に径方向に関して内側に閉じ込めるような形状にすることができ、それにより、材料が第2の物体の周りにおいて縁部付近で、特に、特にその遠位側でより顕著に流れる。
【0063】
コネクタ片は、接続部分、フランジなどのさらなる機能要素を有することができる。一般に、コネクタ片の形状および機能に当てはまる本明細書の考察は、第1の物体の一部である液化可能でない材料からなる本体にも当てはまる(そのような本体は予め取付けられたコネクタ片と見なすことができる)。
【0064】
第1の物体の液化可能でない材料からなる本体またはコネクタ片は、ねじ筋、他の機械的接続、接触またはフィードスルーなどのさらなる機能を果たす構造を担持することができる。
【0065】
本体またはコネクタ片の有無に関係なく、あるグループの実施形態では、この方法は、車体の一部を形成する金属部品に第1の物体を取付けることを備える。
【0066】
実施形態では、本体またはコネクタ片は、それぞれ、側面部に少なくとも1つの保持特徴部を有する表面を有し、この保持特徴部は本体の熱可塑性材料と協働して、埋込み熱可塑性材料内で、本体の相対的な位置を安定させる。
【0067】
本発明は、本明細書で規定される特性を有するコネクタ片にも関する。本発明はさらに、少なくとも1つのコネクタ片と、第1の物体および/またはソノトロードとのキットに関する。
【0068】
さらに、本発明は、本明細書に記載される任意の実施形態による第1の物体であるか、またはそのような第1の物体が一部を形成する、コネクタに関する。さらに、本発明は、本明細書に記載される第2の物体であり締結要素を含むファスナに関する。
【0069】
あるグループの実施形態では、第1の物体は、熱可塑性材料を含む構造化された接触側を含む。接触側は、固定のために縁部と接触する第1の物体の側部である。接触側が構造化されているということは、それが単に平坦であることとは異なること、およびそれが突起/窪みを含むことを意味する。たとえば、それは、隆起部と溝とからなるパターン、たとえば規則的なパターンを含むことができる。
【0070】
構造化された接触側は、縁部が第1の物体の熱可塑性材料に十分な深さまで侵入するまで必要なエネルギおよび力の入力を低減する効果を有し得ることが分かっている。特に、この必要な入力は、充填されていない窪みの体積の部分に対応する単なる比例係数以上によって低減することができる。これは、追加の流路がこの構造によって生成されること起因し得る。
【0071】
一実施形態では、この構造は径方向に延びる隆起部/溝のパターンを形成する。
第2の物体のシート部分が、シート面から接触側に向かって突出する突起セクションを有する実施形態においては、窪みの深さは、突起セクションの高さよりも小さくなるように選択されてもよい。
【0072】
さらなるグループの実施形態は、さらに、要求される力および/またはエネルギ入力を低減させる問題に対処する。このさらなるグループの実施形態では、第2の物体は、たとえば、より大きな主穿孔の周りに配置された複数の、たとえば、より小さい周辺穿孔を含む。
【0073】
そのような周辺穿孔は、特に、第2の物体のシート面から接触側に向かって突出する、第2の物体の或るセクションに配置されてもよく;すなわち、周辺穿孔は、シート材料がシート面に対して傾斜している箇所に配置されてもよい。
【0074】
そのような周辺穿孔は、接続部の設置面積を増し、回転に抗する付加的な固定を提供し、さらなる流路を設けることによってプロセス中の抵抗を低減させる効果を有する。
【0075】
上述の実施形態のグループを参照すると、特に、関与する材料が繊細である場合、および/または複雑な物品を製造する比較的進んだ段階でこの方法を適用する場合、エネルギおよび力の入力を低減することが望ましい場合がある。たとえば、いくつかの実施形態では、第2の物体は、ラッカー/塗料を塗布されたシートメタル片を含んでもよく、ラッカー/塗料は損傷可能であってもよい。これらのグループによるアプローチはそのような状況において有利であり得る。
【0076】
多くの実施形態では、この方法が、振動が特に第1の物体に結合されている間に第1の物体を第2の物体に押圧することを含む場合、第2の物体が、取付枠など、第1の物体が押圧される位置とは異なる位置に保持されることによって、または第2の物体が地面に立つ、複雑で、比較的重い物の一部であることによって、押圧力の反力が生じる。その場合、その結果、反力は第2の物体の剛性に依存する。必要に応じて、専用支持体を使用して支援することができる。
【0077】
あるグループの実施形態では、第2の物体に加えて、専用のアンビル構造が使用される。そのような構造のアンビルは、第2の物体の遠位側に配置されてもよく、以下の機能のうちの少なくとも1つを有してもよい:
-アンビルは、流動可能な熱可塑性材料の流れを誘導し、固める。これにより、プロセス後の第1の物体と第2の物体との間の接続の全体的な安定性が高まり、これにより最終的に必要とされる侵入深さが低減される。したがって、アンビルの使用も、必要とされる力およびエネルギ入力を低減するための手段となり得る。
【0078】
-アンビルはまた、たとえば第2の物体が比較的薄いかまたは弱い場合、第2の物体を支持し、その望ましくない変形を回避することができる。
【0079】
そのようなアンビルは、単に平坦とは異なってもよい。特に、それは、縁部の外側(縁部が穿孔に沿って延びる場合には穿孔の中心に関して内側)の誘導突起および縁部より遠位側(および縁部が穿孔に沿って延びる場合には縁部から径方向に外方向)の窪みを含んで、流れを縁部および縁部に近接する第2の物体部分の「下側」(遠位側)に導いてもよい。
【0080】
そのような窪みの容積は、流動可能になるのに利用可能な熱可塑性材料の体積よりも特に小さくてよく、その結果、振動入力が十分に長く維持される場合、流動部分の体積は窪みの容積よりも大きい。それによって、プロセス中に十分な成形圧力が形成され、それによって流動部分による窪みの充填が制御され、予測可能となる。
【0081】
あるグループの実施形態では、この方法は、第1の物体および/またはソノトロードの、第2の物体に対する位置を調整するステップを含む。これは特にx-y(面内)位置に
関係する。このために、2つの基本的な構成が存在する:
-第1の基本構成では、第2の物体に対するソノトロードのx-y位置が、たとえば取付けフレームによって規定され、調整ステップは、ソノトロードと第2の物体との間に配置される第1の物体の、ソノトロードおよび第2の物体に対する位置を調整することを含む。
【0082】
-第2の基本構成では、ソノトロードに対する第1の物体の位置を規定するための手段を使用し、調整するステップは、第2の物体に対する第1の物体とソノトロードとのアセンブリの位置を調整するステップを含む。
【0083】
第1の基本構成によれば、第1の物体の位置がソノトロードおよび第2の物体(保持具または同様のもの)に対して調整される手段は、ソノトロードとは独立した構造による。その場合、機械的な振動が確実に第1の物体に結合され得ることを保証しなければならない。この目的のために、第1の選択肢によれば、これに使用される案内ツールの形状は、横方向位置のみが正確に規定され、(第1の物体に結合される縦振動について)軸方向における移動の関してはいくらかの自由度がある態様で、第1の物体の形状に適合される。第1の選択肢と組み合わせることができる第2の選択肢によれば、案内ツールは、第1の物体が任意の取付フレームに緩く結合されるだけのばねを備える。
【0084】
第2の基本構成によれば、ソノトロードおよび第1の物体は、規定される横方向の相対的な位置のために互いに適合させることができる。たとえば:
-ソノトロードは、第1の物体の案内窪みと協働する案内突起を含むことができ、またはその逆であってもよい。任意選択的に、そのような案内突起/案内窪み(または他の案内手段)は、回転対称とは異なり、ソノトロードに対する第1の物体のいかなる回転も防止することができる。
【0085】
-ソノトロードは、第1の物体の位置を規定するために第1の物体を包囲する周辺フランジを含むことができる。
【0086】
-ソノトロードは、プロセス中に第1の物体の材料に侵入する少なくとも1つの侵入案内要素(スパイクまたは同様のもの)を含むことができる。
【0087】
-第1の物体をたとえばねじ止め等により一時的にソノトロードに固定することも可能であろう。
【0088】
加えて、または代替的に、他の手段、たとえばソノトロードと第1の物体との間に、たとえばソノトロードを通る吸引チャネルを介して、真空を適用して、第1の物体をソノトロードに一時的に結合させることができる。
【0089】
加えて、またはさらに別の代替策として、別個の案内要素を使用することができる。そのような別個の案内要素は、ソノトロードおよび第1の物体の両方に関して、横方向に案内されてもよい。特に、それがソノトロードに対して比較的緩く案内されて、振動が案内手段に結合されないようにしてもよい。そのような案内要素は、第1の物体とソノトロードとの整列した開口部内に案内される円筒状要素であってもよく、開口部は案内要素の断面に適合している。特に、案内要素が第1の物体に対しても緩く案内される実施形態では、案内要素がアセンブリから緩んで破損するのを防止するために、追加の軸方向支持部が設けられてもよい。
【0090】
適用可能であれば、そのような案内要素の円筒形状は、回転円筒体の形状であってもよいが、必ずしもその必要はない。
【0091】
それに加えて、またはさらに別の代替策として、ソノトロードとは異なり、ソノトロードに加えて使用される、押さえツールを使用する。そのような押さえツールは、少なくとも機械的振動エネルギをアセンブリに結合するステップの最初の段階において、第1の物体を第2の物体に押付けるために使用される。そのような押さえツールによって、縦振動がソノトロードから第1の物体に結合されるときの問題が対処され、ソノトロードが第1の物体に押付けられ、発振サイクルあたり約半波の間、ソノトロードは第1の物体にどのような力もかけない。(たとえば上述のように)どのような横方向の案内もない場合、これは、第1の物体が第2の物体に対して「浮遊」し、制御の喪失を引き起こす可能性がある。追加の押さえツールを使用すると、第1の物体が第2の物体に確実に押付けられる。そのような追加の押さえツールは、案内ツール、たとえば周辺フランジに対する第1の物体の横方向位置を規定する案内構造を備えてもよい。
【0092】
本発明によるアプローチは、たとえ第2の物体に対する第1の物体の正確な位置決めが望まれ達成される場合でも、プロセスにおいて流動部分に埋め込まれる縁部によって規定される取付け位置が正確に規定される位置を有さないという実質的な利点を特徴とする。
【0093】
より具体的には、取付け位置と第1の物体との相対的な位置の変動について、以下の記述がなされ得る。
【0094】
-横方向(x-y)変動は、第1の物体またはその取付けゾーンの横方向の延在にそれぞれ大きく依存する。比較的小さい取付けゾーンの場合(たとえば、小さな穿孔の場合、それらは、たとえば、0.1mmと5mmとの間であり得る。より大きな取付けゾーン(たとえば、より大きな穿孔)の場合、それらはより大きな数字にスケーリングすることができる。
【0095】
-第1の物体が平坦な遠位方向を向く表面を有する場合の軸方向(z-)変動は、第2の物体の断面が第1の物体に向かってどのくらい突出しているかに依存する。比較的高さが低い突出セクションについては、0.1mmと2mmとの間で変動し得、より大きい寸法についてはより大きくなり得る。
【0096】
-異なる取付け位置がどれほど離れているか、またはより一般的には、取付けゾーンの横方向の延在に依存して、10°~20°までの角度変動を補償することができる。
【0097】
-多くの実施形態では、取付けゾーンの周りに流動部分に属さない熱可塑性部分が残るべきであるという制約が与えられる。この非液化ゾーンの厚さは、たとえば、すべての寸法において少なくとも1mmであってもよい。
【0098】
この効果のために、本発明による手法は、たとえば以下の方法による公差補償のために使用することができる。
【0099】
ステップ1:光学的方法およびCADデータとの比較などによって、公差の不一致を測定する
ステップ2:位置補正x、y、z、角度を計算する。
【0100】
ステップ3:第1の物体および第2の物体を、計算された補正位置x、y、z、角度において互いに対して位置決めする(次のステップ4の間の第1および第2の物体の相対的な移動を考慮したzオフセットを差し引く)。
【0101】
ステップ4:計算された正しい位置に達するまで、本明細書に記載された任意の概念お
よび/または実施形態に従ってこの方法を実行する。
【0102】
任意選択で、振動エネルギを印加する装置に結合された外部距離測定システムによって構造体の柔軟性を考慮する補正があってもよく、この補正システムは必要に応じて端部z位置を適応させる。
【0103】
実施形態では、これに加えて、またはこれに代わって、z変動を補償するための他の手段が採用されてもよい。この他の手段によって、z変動の上述した範囲(たとえば、0.1mmと2mmとの間)を越えてもよく、この手段もz変動補償に対する異なる種類の制御を可能にする。
【0104】
この他の手段は、以下のものを含む:
・固定部と調整部とを提供し、少なくとも固定部は第1の物体に属する(実施形態では第1の物体によって構成されてもよい);
・固定部に対して調整部のz位置を調整する。
【0105】
・調整部が調整された位置にあるときに固定部に対して調整部を固着する。
z方向は、第2の物体によって取付け位置の近傍において規定されるシート面に垂直な方向であってもよい。代替的に、たとえば、そのような面が規定されていない場合、z軸は、縁部を埋め込むための機械的振動を加えるステップの間に押圧力が沿って作用する軸として規定されてもよい。
【0106】
次の選択肢が適用されてもよい:
-固着するステップは、固定部に対する調整部の非解放可能な固定を引き起こしてもよい。たとえば、固着するステップおよび/または調整するステップは、固定部および調整部のアセンブリに機械的振動を加えて、固定部および調整部のうちの少なくとも一方の熱可塑性材料を流動可能にして、再凝固後に、固定部および調整部を互いに対して固着することを含んでもよい。
【0107】
○再凝固後に固定部および調整部を互いにそのように固着することは、第1の選択肢として、物体の材料がたとえば溶接部において互いに融着することによって引き起こされてもよく、または代替的に、固定部および調整部が、熱可塑性材料が流動可能であるときに変形可能な遷移ゾーン(崩壊ゾーン、膨張ゾーン)を間に伴って、一体となっているためである(これにおいて、「流動可能」は「ペースト状;中程度の力の入力によって塑性変形可能」を含む)。
【0108】
○第2の選択肢によれば、固定部および調整部の互いに対する固着は、固定部および調整部のうちの一方が液化可能な材料(特に熱可塑性材料)を含み、他方が液化可能な材料によって相互浸透可能な構造を含み、それにより、再凝固後に、固定部と調整部との噛合い嵌合接続が達成されることによりなされてもよい。
【0109】
○加えて、またはさらに別の代替策として、固定部および調整部は、再凝固した材料と、それが付着する他の材料との間の接着接続によって互いに固着されてもよい。
【0110】
-調整ステップおよび固着ステップは、単一ステップの手順で組み合わせることができる。たとえば、それらのステップは、振動するソノトロードによって固定部および調整部を互いに押し付け、材料が流動可能になった後、所望のz位置に達するまで固定部および調整部を相対的に移動させ、その結果、移動およびエネルギ入力が停止されることにより実行されてもよい(構成に応じて、所望の位置に達する前にエネルギ入力が既に停止されてもよい)。再凝固後、再凝固された流動性材料は、相対的な位置を固定する。選択肢的
に、再凝固の間、保持力を維持してもよい。
【0111】
-これに代えて、調整するステップを固着するステップに先立って実行してもよい。次に、機械的振動エネルギの入力による固着を含む実施形態の場合、固定部および調整部は、それらの相対的なz位置が暫定的にロックされて、機械的振動および押圧力の結合作用が相対的なz位置を変えないように、備えられてもよい。たとえば、固定部および調整部は、調整部が固定部にねじ止めできるように協働するねじ切りされた部分を有することができる。そのような暫定的ロックのための他の構成も可能である。そのような暫定的ロックの代替として、機械的振動を、z軸に平行ではなく、たとえばそれに対して本質的に垂直な方向から、固定部および調整部に結合してもよい。
【0112】
○たとえば、第2の物体(または第2の物体を含むアセンブリ)の特定事項および/または他の任意の部品(第1の物体、第1の物体に固定されるべき他の物体)の特定事項に関する測定データを最初に得てもよい。これに基づいて、予め、所望のz調整を計算してもよい。
【0113】
○固着の前に調整することの代替策は、製造プロセスにおけるステップを分離するために使用することができる。ある製造ラインは、その場合、調整ステーションと固着(固定)ステーションとを含む。特に、第2の物体が比較的大きいか、または比較的大きなプレアセンブリ(たとえば車体)に属している場合、このことは有利であり、なぜならば、z調整ステップははるかにより小さなステーションで実行され得、主要プロセスを遅延させないからである。
【0114】
-調整部は、上述した種類のコネクタ片または本体であってもよい。
-代替的に、固定部は、コネクタ片または上述した種類の本体を備えてもよく、調整部は、選択肢的に、調整可能な位置でコネクタ片/本体に対して固定されるよう備えられるさらなるアイテムであってもよい。
【0115】
-さらに別の代替策によれば、調整部および固定部は共に熱可塑性材料を含み、調整部および固定部は互いに対して溶接可能である。
【0116】
-さらに別の代替策として、固定部と調整部とは一体であるが、それらの間に崩壊ゾーンまたは伸張ゾーンがあり、このゾーンはエネルギ入力によって作動可能である。
【0117】
-固定部と調整部とが一体でない場合、この方法は、調整するステップの前に調整部を固定部に対して位置決めすることを含んでもよい。
【0118】
-調整するステップは、第1の物体を第2の物体に固定するステップの後に行ってもよいし、および/または同時に行ってもよい。
【0119】
これらの可能性は、別段の記載がない限り、任意に組み合わせることができる。
機械的振動エネルギ入力によって固定することおよび/または調整することを含む実施形態では、固定することおよび/または調整することは、第1のオプションに従って、第1の物体を第2の物体に取付けることとともに実行されてもよい。あるいは、部品を互いに固定することおよび/または調整することは、取付けの後に実行されてもよい。さらに他の代替例として、上述のように、かつ以下にさらに詳細に述べるように、部品を互いに固定することおよび/または調整することは、取付けの前に実行されてもよい。
【0120】
いずれの場合も、任意に、取付けのために機械的振動エネルギをアセンブリ内に結合して第2の物体の縁部を埋設するステップ、ならびに固定および/または調整のために機械
的振動エネルギをアセンブリ内に結合するステップの両方が、z軸に対して垂直でない方向に沿って、たとえば、z軸に平行なまたはz軸に対してある角度の方向に沿って、振動ソノトロードをアセンブリに押付けることを含み得る。
【0121】
このオプションを実施する第1のサブグループでは、取付けのために、および固定/調整のために加えられる押圧力は同一方向を有する。第2のサブグループでは、押圧力は反対方向を有する。
【0122】
いずれの場合も、第1の物体を第2の物体に取付けるためにエネルギをアセンブリ内に結合して振動ソノトロードを結合面に押付けるステップでは、第2の物体の一部は、取付け中に第2の物体に対する第1の物体の移動の停止面を規定し得る。第1の物体が停止面と接触した後、さらなる移動に対する機械的抵抗は大幅に増加する。それによって、第1の物体と第2の物体との相対位置が規定され、続いて固定および/または調整のために押圧力および機械的振動がアセンブリ内に結合されても、第1の物体と第2の物体との相対位置は規定され続ける。
【0123】
そのような停止面は、たとえば、単数/複数の取付け位置の周囲の第2の物体の平坦部によって規定され得る。
【0124】
調整し、調整した位置で固定する上述のアプローチは、本発明の明細書に記載の局面の実施形態において実施され得る。しかし、当該アプローチは、実施形態とは無関係に実施されてもよい。
【0125】
本発明は、本明細書に記載の方法のいずれかの実施形態を参照して説明するようなアンカー固定部および調整部を含む装置にも関係する。
【0126】
あるグループの実施形態では、z位置を調整するステップを伴ってまたは伴わずに、第2の物体は延在開口部(熱可塑性材料に埋設されるようになる縁部が沿って延在する穿孔とは異なる)を含む。そして、第1の物体(および/またはそれに取付けられたコネクタ片)が当該開口の口部を通って延在し得る。それによって、それぞれ第1の物体の機能部分および/またはコネクタ片に利用可能な空間、および特に深さが増加する。
【0127】
第2の物体は、延在開口部に沿って第1の物体の側の方に突き出る必要はなく、固定する/取付けるステップに特別に適合されているその他の形状を有する必要はない。また、延在開口部によって利用可能な空間があるため、機能部分/コネクタ片の寸法を選択することができる。
【0128】
このグループの実施形態では、第1の物体は、延在開口部の口部を通って延在する延在部分を有する。
【0129】
コネクタ片は、さらに開口の口部を通って延在するように、かつそのような延在部分に対して取付けられるように備えられ得る。特に、コネクタ片は異なる深さに取付けられることが可能であり得、それによって、コネクタ片は上述の意味で調整可能なz位置を有する調整部である。また、コネクタ片を延在部分に挿入するための移動は取付け時の移動と同一直線上になくてもよいため、z位置を調整することは、z´軸がz軸に対して傾斜した状態でz´位置を調整することを含む。全体的に見て、コネクタ片を第1の物体に対して固定するために適用可能なパラメータは、延在開口部によって、取付けプロセスとは無関係になる。
【0130】
延在開口部およびコネクタ片を含むいくつかの実施形態では、コネクタ片は、コネクタ
片に取付けられるさらなる物体のために備えられる。この目的のために、特にさらなる物体が2つの面内寸法において比較的大きい延在部分を有する場合は、さらなる物体を取付けるために接合要素が設けられ得る。たとえば、そのような実施形態では、さらなる物体は、コネクタ片および接合要素の頭部同士の間にクランプされ得る。
【0131】
この種類の接合要素は、たとえば、コネクタ片上にクリップ留めもしくは螺合する、もしくは差込み結合のような接続によって取付けることが可能であり得るか、または、材料接続(接着剤接続、はんだ付け接続、溶接など)によってコネクタ片に取付けることが可能であり得る。
【0132】
また、このグループの実施形態では、延在開口部のサイズは延在部分の少なくとも1つの面内寸法よりも大きく、それによって、第2の物体に対する機能部分および/またはコネクタのx-y位置が可能になる。
【0133】
実施形態では、延在部分は開口内に延在する管部を含み、それによって、コネクタ片は少なくとも部分的に管部内に配置され得る。
【0134】
延在開口部を含む第2の物体の実施形態は、上述の種類の複数の穿孔、特に、その周囲で第2の物体が第1の物体の側(振動が第1の物体内に結合される場合は近位側、振動が第2の物体内に結合される場合は遠位側)の方に突き出るセクションを有する穿孔を含み得る。そのような穿孔は特に、延在開口部の周辺に分散され得る。
【0135】
複数の穿孔を有するそのような実施形態または他の実施形態では、第1の物体は特に、取付けゾーン(たとえば穿孔につき1つの取付けゾーン)および機能ゾーンを含む種類であり得る。特に、第1の物体は、熱可塑性材料を含む取付けゾーンを除いて、たとえば金属、複合物、セラミックなどの寸法的に安定した材料からなり得る。
【0136】
延在開口部を含む実施形態は、第2の物体、第1の物体、および/または、該当する場合はさらなる物体が、2つの寸法内に直線に延在しているが複雑な3次元形状を有するという意味で平面ではない装置に特に適している。この理由は、延在開口部は、特にコネクタ片を用いて、たとえば本明細書に記載の種類の穿孔の周囲など、締結が行なわれる位置の幾何学的形状に制限されない空間内におよび方向内に延在し得る、接続のさらなる自由度を提供するからである。
【0137】
代替の実施形態では、寸法が許す場合は、第1の物体は、第2の物体の穿孔内にシート面(規定されている場合)を通って延在する延在部分を有し得る。そうすると、別個の延在開口部は不要であり得る。またこれらの実施形態では、第1の物体の延在部分は、さらなる物体を取付けるための取付構造を有し得る。そのような取付構造は、ねじ山、差込み嵌合状構造体、接着剤チャネル、係合するタッピンねじのための延性材料の領域などを含み得る。
【0138】
本明細書に記載の本方法および装置の適用の実施形態は、本明細書に記載の取付けアプローチと接着剤の使用との組み合わせを含む。
【0139】
特に、2つの物体が接着剤によって互いに締結される場合は、接着剤接続が十分強固になるまでの待ち時間と、それ以前の接続の安定性の欠如とが問題であることが多い。接着剤接続、およびしたがって塗布した接着剤部分の厚みが、たとえば、当該接続が、必要であれば異なる熱膨張挙動を補償するために必要な残りの可撓性を示すように、比較的厚い必要がある場合は、この問題はさらに深刻になる。同様に、接着剤がさらなる封止機能を有する場合は、厚い層の接着剤は多くの状況で必要である。そのような目的で、1成分ま
たは2成分ポリウレタン接着剤が用いられることが多い。
【0140】
-したがって、第1のオプションに従うと、本発明に係る取付けアプローチと接着剤の塗布との組み合わせは、接続される物体を位置決めすることと、(位置決めの前または後に)接着剤を塗布することと、本明細書に記載の取付け法によって物体を互いに取付けることとを含み得る。
【0141】
-第2のオプションに従うと、接着剤の一部は、本明細書に記載の取付けアプローチによって生じる機械的接続に加えて、封止剤として用いられる。
【0142】
他の局面によると、第2の物体に対して所望のxyz位置にアンカーを設ける方法が提供され、当該方法は、
-固体状態の熱可塑性材料を含む第1の物体を設けるステップと、
-取付け位置を含む第2の物体を設けるステップとを含み、取付け位置は液化不可能な材料の縁部を含み、当該方法はさらに、
-第1の物体を第2の物体に対して位置決めして第1および第2の物体を含むアセンブリを提供するステップを含み、当該アセンブリにおいて取付け位置は熱可塑性材料と接触しており、当該方法はさらに、
-取付け位置が熱可塑性材料と接触している間に、熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり、縁部を熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋設するまで、機械的振動エネルギをアセンブリに結合するステップと、
-機械的振動を停止して熱可塑性材料を再凝固させるステップとを含み、それによって、縁部を少なくとも部分的に埋設する再凝固した熱可塑性材料は第1の物体を第2の物体内にアンカー固定し、当該方法はさらに、
-さらなる物体を第2の物体に対してアンカー固定するために備えられるアンカー片を設けるステップと、
-アンカー片の位置を第1の物体の本体に対して調整するステップと、
-アンカー片が調整した位置にある間に、アンカー片を第1の物体の本体に対して固定するステップとを含む。
【0143】
ここでは、アンカー片は上述の種類の調整部であり得る。第1の物体の本体(第1の物体本体)は、第2の物体に固定して取付けられる第1の物体、またはその一部であり得る。
【0144】
第1の物体を第2の物体に取付けるための、かつ調整部の位置を調整するための上述のオプションはこの局面にも適用される。
【0145】
特に、固定するステップおよび/または調整するステップは、アンカー片および第1の物体の本体のアセンブリに機械的振動を作用させて、第1の物体本体またはアンカー片またはその両方の熱可塑性材料を流動可能にし、再凝固の後に熱可塑性材料にアンカー片および第1の物体本体を互いに固定させることを含み得る。
【0146】
本発明は、第1および第2の物体を互いに取付けるための本明細書に記載されクレームされている方法の使用にも関係しており、第2の物体は、少なくとも1つの取付け位置、特に複数の取付け位置を有しており、当該取付け位置は、縁部を規定して第1の物体の方に突き出る(たとえば、変形)部分によって構成され、第2の物体上に取付け位置を位置決めするための第1の許容差は、第2の物体に対して第1の物体を最終的に位置決めするための許容差に対応する第2の許容差よりも大きい。
【0147】
本発明はさらに複数のアセンブリを大量生産する方法にも関係しており、各アセンブリ
は、第2の物体に取付けられる第1の物体を含み、第2の物体は、少なくとも1つの取付け位置を含み、異なるアセンブリ間の取付け位置の位置の標準偏差は、異なるアセンブリ間の物体の互いに対する位置(および/または、物体のうちの一方の、他方の物体が取付けられる第3の物体に対する位置)の標準偏差(それぞれの平均値に対する標準偏差)よりも大きい。
【0148】
さらなるグループの実施形態は、第1の物体によってさらなる物体を第2の物体に可逆的に締結することに関係する。この文脈における「可逆的に締結する」とは、さらなる物体を、可逆的な動作(破損、溶解など)がまったくない状態で、複数回第2の物体に締結して第2の物体から取り外すことができることを意味する。
【0149】
より特定的には、さらなる物体が設けられ、当該さらなる物体は、たとえばクリップ式接続によって第1の物体を当該さらなる物体に取外し可能に接続するための少なくとも1つのコネクタ部を含む。この実施形態に係る方法は、本明細書に記載の方法によって第1の物体を第2の物体に取付けることを含む。
【0150】
本発明のアプローチが特定の利点を有する、このグループの特別なサブグループは、さらなる物体が、複数の位置で第2の物体に締結されるための複数のコネクタ部を有する状況に関係する。先行技術に従うと、解放可能なクリップ接続のための複数の固定コネクタを、平坦面を有する物体(本明細書の用語では第2の物体)に、取外し可能な他の物体の対応するコネクタ部の位置に対応する場所で取付けなければならなかった。これにおける難題は、クリップ接続が適切に働くためには、固定コネクタ部の位置決めが非常に正確でなければならないことである。この要件は実際には、費用効果の高い製造で達成するのはかなり困難である。
【0151】
ここに記載するサブグループの実施形態では、この問題は、締結位置毎に第1の物体を設けることによって解決する。第1の物体、または該当する場合は、上述の種類のコネクタ片が、可逆的な接続によって、さらなる物体の対応するコネクタ部に取付けられる。第2の物体の対応する数の穿孔が、第1の物体の位置にほぼ対応する位置に設けられる。本明細書に記載のプロセスは次いで、第1の物体またはコネクタ片がそれぞれのコネクタ部に締結されている間に第1の物体の各々について実行される。関連する物体の材料が十分な可撓性を有する場合、当該プロセスは各第1の物体について1つずつ行なわれてもよい。あるいは、第1の物体のすべてまたは一部が第2の物体に同時に取付けられてもよい。
【0152】
ここでの第1の物体と第2の物体の穿孔との相対的位置決めは、それほど正確でなくてもよく、取付けに悪影響を及ぼすことなく、穿孔の寸法に対する第1の物体の寸法によって規定される許容差の範囲内でさまざまであってもよい。したがって、さらなる物体のコネクタ部の位置に対する締結位置(穿孔および変形セクション)の位置決めのための許容差は、先行技術の方法よりもはるかに緩和される。それにもかかわらず、取付けプロセス中に第1の物体(または、コネクタ片)がさらなる物体に取付けられるという事実により、解放可能なクリップ式接続の位置は正確に固定される。
【0153】
別のグループの実施形態では、特に、第3の物体が第2の物体と同様に平坦部を有し、第2および第3の物体のアセンブリが一方側からのみアクセス可能である状況において、第1の物体は第3の物体を第2の物体に取付けるためのコネクタとして作用する。たとえば、第2および第3の物体は、金属物体、もしくは繊維複合物体であってもよく、またはそれらの一方が繊維複合物体であり他方が金属物体であってもよい。特に、第2および第3の物体は、実質的に異なる熱膨張係数αを有する異なる材料からなり得る。
【0154】
先行技術によると、そのような接続は主にブラインドリベットによってまたは接着によ
って達成されていた。ブラインドリベットは技術的にかなり複雑である。さらに、ブラインドリベットおよび接着剤接続は両方とも、接続される物体同士が異なる熱膨張係数のために温度変化に対する反応が異なる場合に生じるせん断荷重を補償する適性が非常に限られているという大きな不利点がある。たとえば、アルミニウムの熱膨張係数はαAl=2*10-5Kであるのに対して、典型的なCFK(炭素繊維強化複合材料)の熱膨張係数は符号までもが反対であり得、αCFK=-5*10-6Kである。たとえば、工業用製造プロセ
スでは、組立プロセス後のサブアセンブリは陰極電着(または他の浸漬浴)プロセスを経ることが多く、これはたとえば約180℃の高温で行なわれることになる。この理由で、工業用製造においては、互いに組立てられた後に電着プロセスを経る物体は、接着剤接続によって接着されることに加えて、(ブラインド)リベットによっても互いに取付けられることになる。たとえば電着プロセス(該当する場合)中に、またはさまざまな環境条件での使用中に温度変化を受けると、これは、リベット接続の周囲の変形に、したがって永続的な内部応力および/または支圧応力に、装置によっては層間剥離などにも繋がること
になる。
【0155】
本発明に係るアプローチはこの問題の解決策を提供する。
この目的のために、第2の物体は第3の物体の遠位に配置され、第3の物体には、貫通開口、特に、縁部が沿って形成される第2の物体の穿孔よりも大きい直径を有する貫通開口が設けられる。第1の物体を第2の物体に対して位置決めするステップは、縁部が熱可塑性材料と接触するまで、第1の物体の遠位部を開口を通して第3の物体を通って到達させることを含む。振動エネルギをアセンブリ内に結合するステップの後、熱可塑性材料は縁部の周囲に流れたことによって第2の物体の遠位に部分を有することになり、当該部分は再凝固後に第1の物体の足部を形成していると見なすことができ、当該第1の物体はこれによってブラインドリベットになる。
【0156】
さらに、第2および第3の物体の両方が規定された取付け位置を有する実施形態では、位置決め精度に関する要件は低い。流動部分がプロセス中に流れるという事実により、流れた熱可塑性材料によっていずれの偏心なども確実に補償される。
【0157】
一般に、第1の物体の遠位部(またはシャフト部)の直径は、第3の物体開口の直径とほぼ等しいかまたはそれよりも小さくなるが、穿孔の直径よりも大きくなるため、第2の物体に対して遠位方向に向かって押されると、第1の物体は第2の物体の抵抗に直面する。第1の物体が機械的振動を受けると、これは第2の物体と第1の物体との間の界面における液化に繋がることになる。
【0158】
このグループの実施形態では、頭部を有する第1の物体が設けられる(または、場合によってはプロセス中に頭部が形成される)。機械的振動エネルギをアセンブリ内に結合するステップ(当該ステップは次いで、第1の物体を第2の物体(およびさらに第3の物体)に対して遠位方向に向かって押すことを含む)は次いで、頭部によって形成される遠位に面する肩部が開口の口部の周囲で第3の物体の近位に面する表面に接して静止するまで実行され得る。
【0159】
このグループのサブグループの実施形態では、第1の物体の熱可塑性材料は、その後の電着プロセス中に達する温度(電着温度はたとえば180℃または185℃である)よりも低いガラス転移温度を有するように、しかしこの電着温度よりもかなり高い溶融温度を有するように選択される。このため、アセンブリを電着温度に加熱すると、熱可塑性材料は、かなりの変形(クリープ)が可能となるゴム状の可撓性状態にあり、材料はつぶれずに変形する非常に高い延性を有するため、異なる熱膨張係数は、熱可塑性材料の制御された経時的な変形によって補償され得る。実施形態においてガラス転移温度が室温よりも高い場合、熱可塑性材料、および結果として接続は、アセンブリをその使用温度に冷却し戻
すと再び自動的に硬化することになる。実施形態では、熱的歪みを補償する能力が重要である場合は、第1の物体の熱可塑性材料は、少なくとも取付け位置では、熱可塑性エラストマーであるように選択され得る。
【0160】
このグループの実施形態では、第1の物体は特に液化不可能な材料の本体を有し得る。特に、そのような本体はシャフト部のコアを形成し得る。任意に、該当する場合、本体は頭部も形成し得る。本体がシャフト部のコアを形成する場合、本体シャフト部は任意に、本体シャフト部が穿孔を通って到達するのに十分な軸方向の延在部分を有し得る。そして、本体シャフト部の直径は穿孔の直径とほぼ等しくてもよく、または、本体シャフト部の直径は穿孔の直径よりも小さくても大きくてもよく、次いで、第1の物体が第2の物体に押付けられると、穿孔の周囲に第2の物体のさらなる変形をもたらすことになる。
【0161】
本明細書では、「直径」という用語は、それに従った構造(穿孔、開口、シャフト断面など)が円形である必要があることを必ずしも意味するものではないが、円形形状は、特に製造が容易であるため、オプションであり得ることが多い。それに従った構造が円形でない場合、「直径」は他に規定されない限り平均直径を指す。
【0162】
特に(限られないが)このグループの実施形態では、第1の物体が液化不可能な材料の本体を有する場合、本体は第2の物体に穿孔して穿孔を生じさせるように備えられ得る。たとえば、遠位突き刺し先端部または打ち抜き縁部を第2の物体と最初に接触させ得、打ち抜き力が加えられ、任意に、機械的振動エネルギまたは他のエネルギも第1の物体内に結合され得る。その後、または既にこの穿孔ステップの間、熱可塑性材料は、穿孔ステップによって生じた縁部と接触し、(同時のまたはその後の)エネルギ入力によって流動可能になり始める。
【0163】
このグループの実施形態では、穿孔の周囲のシート部分は、遠位側の方に突き出るように、すなわち、第1の物体がシート部分と接触する側から離れるように、かつ第3の物体から離れるように突き出るように変形する。しかし、穿孔の周囲で本質的に平坦な形状の、またはさらには近位側の方に、第3の物体開口内に突き出る第2の物体を設けることも可能であろう。
【0164】
さらなるグループの実施形態は、第1の物体によってさらなる第3の物体を第2の物体に取付けることにも関係する。このさらなるグループに従うと、第3の物体は第2の物体と同様に概して平坦なシート部分を有しており、シート部分は縁部を有している。オプションとして、第3の物体シート部分は第3の物体穿孔を有していてもよく、縁部が穿孔に沿って延びてもよい。
【0165】
たとえば、このさらなるグループの実施形態では、第2および第3の物体の両方が、同一のまたは異なる材料からなる金属シートを含み(または金属シートで構成され)得、当該金属シートはそれぞれの縁部を形成している。
【0166】
このさらなるグループの実施形態について、機械的振動エネルギをアセンブリ内に結合するステップは、縁部と熱可塑性材料との間で発生する摩擦熱により熱可塑性材料の流動部分が流動可能になって縁部の周囲を流れて縁部を熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋設し、第3の物体縁部の周囲を流れて第3の物体縁部を熱可塑性材料に埋設するまで、第1、第2および第3の物体を含むアセンブリ内に機械的振動エネルギを結合することを含み、それによって、機械的振動を停止させるステップの後、再凝固した熱可塑性材料が(第2の物体)縁部および第3の物体縁部の両方を埋設して第2および第3の物体の両方を第1の物体に対して取付け、それによって第2および第3の物体が互いに取付けられる。
【0167】
ここでは、流動部分は必ずしも連続的でなくてもよい。むしろ、流動部分は任意に、第1の物体の流動不可能な部分を間に有する第2の物体縁部および第3の物体縁部とそれぞれ接触して流動可能になるサブ部分を有し得る。
【0168】
このさらなるグループの実施形態では、第2の物体縁部および第3の物体縁部の両方が、単純な直線縁部とは異なる少なくとも1つの屈曲部または角部を含む輪郭を形成する。これは、たとえば、それぞれの縁部が穿孔に沿って延びる場合に起こる。たとえば、第2および第3の物体の両方の各々が穿孔を有し得、それぞれの縁部が穿孔に沿っており、穿孔はオプションとして、位置決めするステップの後、ほぼ同心円状に配置される。対応する幾何学的形状では、これによって、相対的回転に逆らって取付けられる接続または角における接続も実現され得る。
【0169】
穿孔に沿って延びる例の代替例として、縁部(または第2および第3の物体縁部の少なくとも一方)はそれぞれの物体の周辺部に沿って延びてもよく、この周辺部は、波状構造などの、それに従った屈曲構造または角を有する構造を形成してもよい。
【0170】
屈曲しているまたは角を有しているため、縁部の形状は、特にシート面に沿ったせん断に関して、接続にさらなる安定性を与える。
【0171】
このさらなるグループの第1のサブグループの実施形態では、第2および第3の物体を、位置決めするステップにおいて両側から第1の物体と接触させ、すなわち、第1の物体は第2の物体と第3の物体との間に挟まれる。たとえば、第2の物体は、縁部が第1の物体の概して遠位に面する表面と接触するように配置され得、第3の物体縁部は、第1の物体の概して近位に面する表面と接触する。第2および第3の物体はしたがって第1の物体の両側からアンカー固定される。
【0172】
この第1のサブグループでは、機械的振動は第3の物体または第2の物体を介してアセンブリ内に結合され得、これらの物体の他方および/または第1の物体は非振動支持体に
接して静止している。あるいは、機械的振動エネルギは第3の物体および第2の物体の両方の内部に結合されてもよい。加えて、またはさらに他の代替例として、振動は第1の物体内に直接結合されてもよく、第2および第3の物体は両側から第1の物体に押付けられてもよい。
【0173】
第2のサブグループの実施形態では、第2および第3の物体を同一の側から第1の物体と接触させる。ここでは、第2および第3の物体の縁部は互いに隣接しており、実施形態ではほぼ平行に延び得る。たとえば、縁部がそれぞれの穿孔に沿って延びる場合、第2および第3の物体の穿孔は異なる直径を有してほぼ同心円状に配置され得る。
【0174】
この第2のサブグループの実施形態では、機械的振動は第1の物体内に結合されることによってアセンブリ内に結合され得る。振動を第2および/または第3の物体内に直接結
合することも可能である。後者の場合、たとえばポリマーからなる中間要素が、ソノトロードと、たとえばシリコーン、PTFEなどからなるそれぞれの物体との間に置かれ得る。
【0175】
振動エネルギが第2の物体を介して(および/または、該当する場合は第3の物体を介
して)を介してアセンブリ内に結合されるこのグループの実施形態では、必ずしもではないが、任意に、第1の物体、および振動をアセンブリ内に結合するために用いられる振動ツール(ソノトロード)は、ツールと第2/第3の物体との間の接触面に加えて、ツールと第1の物体との間に接触面があるように互いに適合され得、振動エネルギをアセンブリ内に結合するステップにおいて、第1の物体の熱可塑性材料はツールとの界面で流動可能
になり、ツールに対して流れるようになる。
【0176】
たとえば、第1の物体はそれぞれの面から突き出る少なくとも1つの突出部を含み得、これに第2/第3の物体の縁部が押付けられる。突出部は特に、縁部に沿った変形セクションが第1の物体の方に突き出るように変形している場合は、縁部によって規定される平面からシート面を越えて突き出得る。この突出部は、振動エネルギの影響によって少なくとも部分的に流動可能になって流れて、特に隙間を埋めて、取付けに対して他の寄与を提供する。
【0177】
突出部を含む第1の物体に加えて、または第1の物体の代替例として、ソノトロードは、上述の接触面が生じるように突出部を含んでいてもよい。
【0178】
本発明は、発明を実行するための構成にも関係する。当該構成は、固体状態の熱可塑性材料を有する第1の物体と、概して平坦なシート部分を有する第2の物体とを含み、シート部分は縁部を有しており、第1の物体および第2の物体は互いに位置決めされて第1および第2の物体を含むアセンブリを提供可能であり、当該アセンブリにおいて縁部は熱可塑性材料と接触しており、当該構成は、機械的振動エネルギをアセンブリ内に結合可能なソノトロードをさらに任意に含み、および/または、本明細書に記載の種類のコネクタ片
をさらに任意に含む。加えて、または代替例として、当該構成は、たとえば上述の種類の中間片として、ソノトロードとそれぞれの物体との間に膜界面を含んでいてもよい。
【0179】
より一般的には、当該構成の部分は、本明細書に教示した方法の異なる実施形態を参照して説明する特性を有し得る。たとえば、シート部分は、縁部が沿って延びる穿孔を有し得る。
【0180】
本発明はさらに、本明細書に記載の特性を有する補強部またはコネクタ片に関係する。
さらに、本発明は、上述の特別なサブグループを参照してさらなる物体として説明した物体、すなわち、複数のコネクタ部を含む物体、およびコネクタ部毎に熱可塑性材料を含む第1の物体を含み、第1の物体はそれぞれのコネクタ部に解放可能に/可逆的に締結されるように成形されている。
【0181】
一般に、第1および第2の、ならびに該当する場合は第3の物体は、言葉の広義の意味では建設部品(建設素子)、すなわち、機械工学および建設、たとえば自動車工学、航空機製造、造船、建築物建設、機械製造、玩具製造などの任意の分野で用いられる素子である。一般に、第1および第2の物体ならびにコネクタ片(該当する場合)は、すべて人工物となる。第1および/または第2の物体に木質材料などの天然材料を用いることは、それによって排除されない。
【0182】
第2の物体は、扁平なシート部分を有する任意の物体であり得る。ここでの「シート部分」は、必ずしも均一な厚みを意味するものではない。第2の物体は特に金属シートであってもよい。あるいは、第2の物体は、シート部分を有する別の物体、たとえば、シート部分を構成する金属シートの一部を有するより複雑な物体、または、シート部分が(圧延によって製造される)言葉の狭義の意味においては金属シートによってではなく、ダイカスト物体などの鋳造法で製造されるたとえば金属部品によって構成される物体であってもよい。
【0183】
第1の物体の熱可塑性材料に戻って、本明細書では、「たとえば機械的振動によって流動可能にすることができる熱可塑性材料」または短くは「液化可能な可塑性材料」もしくは「液化可能な材料」もしくは「熱可塑性材料」という表現は、少なくとも1つの熱可塑性成分を含む材料を記載するために用いられており、この材料は、加熱されると、特に摩
擦により加熱されると、すなわち互いに接触しており互いに対して振動的に動かされる一対の表面(接触面)の一方に配置されると、液体(流動可能)になり、ここで、振動の周波数は上述の特性を有する。ある状況では、たとえば、第1の物体自体がかなりの荷重を担持しなければならない場合は、材料が0.5GPaより大きい弾性係数を有することが有利であり得る。他の実施形態では、第1の物体の熱可塑性材料の振動伝導特性がプロセスにおいて役割を果たすものではないので、弾性係数はこの値より下であってもよい。特別な実施形態では、熱可塑性材料はしたがって、さらには熱可塑性エラストマーを含んでいてもよい。
【0184】
熱可塑性材料は、自動車産業および航空産業において周知である。本発明に係る方法の目的のために、特に、これらの産業での適用について公知の熱可塑性材料を用いてもよい。
【0185】
本発明に係る方法に好適な熱可塑性材料は、室温(または方法が実施される温度)で固体である。当該材料は好ましくは、たとえば溶融によって臨界温度範囲よりも上で固体から液体または流動可能に変化し、たとえば結晶化によって臨界温度範囲よりも下で再び冷却されたときに固体材料に再び変化し、それによって固相の粘度が液相の粘度よりも数桁(少なくとも3桁)高いポリマー相(特にC、P、SまたはSi鎖系)を含む。熱可塑性材料は、一般に、共有結合的に架橋されていないかまたは溶融温度範囲以上に加熱されると架橋結合が可逆的に開くように架橋されていないポリマー成分を含むことになる。ポリマー材料は、充填剤、たとえば、熱可塑性特性を有さないか、または塩基性ポリマーの溶融温度範囲よりもかなり高い溶融温度範囲を含む熱可塑性特性を有する材料の繊維または粒子をさらに含んでいてもよい。
【0186】
本明細書では、一般に、「液化不可能な」材料は、プロセス中に達した温度で、したがって特に熱可塑性材料が液化する温度で液化しない材料である。これは、材料が、熱可塑性材料の液化温度(結晶性ポリマーの溶融温度。非晶質熱可塑性樹脂の場合、十分に流動可能になるガラス転移温度を超える温度であり、「流動温度」と称されることもあり(押出しが可能である最低温度として規定されることもある)、たとえば、粘度が10Pa*s未満に(実施形態では、特に繊維強化材を実質的に含まないポリマーで、10Pa*s未満に)下がる温度)よりも一般にはるかに(たとえば、少なくとも80℃)高い、プロセス中に達しない温度で液化可能であろう可能性を排除するものではない。たとえば、液化不可能な材料は、アルミニウムもしくは鋼のような金属、または木材、または硬質プラスチック、たとえば強化もしくは非強化熱硬化性ポリマーまたは強化もしくは非強化熱可塑性樹脂であり得、液化可能な部分の溶融温度/ガラス転移温度よりもかなり高い溶融温度(および/またはガラス転移温度)を有しており、たとえば少なくとも50℃または80℃または100℃高い溶融温度および/またはガラス転移温度を有している。
【0187】
本明細書では、「溶融温度」は、熱可塑性材料が十分に流動可能になる上記の液化温度、すなわち、結晶性ポリマーについて便宜的に規定された溶融温度、および熱可塑性材料が押出しのために十分流動可能になるガラス転移温度よりも高い温度を指すために用いられることもある。
【0188】
熱可塑性材料の特定の実施形態は、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリアミド、たとえばポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6またはポリアミド66、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオキシメチレンまたはポリカーボネートウレタン、ポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート、またはさらにはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルエステル-スチロール-アクリルニトリル(ASA)、スチレン-アクリロニトリル、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリスチレン、またはこれらのコポリマーもしくは混合物である。
【0189】
熱可塑性ポリマーに加えて、熱可塑性材料は、好適な充填剤、たとえば、ガラスおよび/または炭素繊維などの強化繊維も含んでいてもよい。繊維は短繊維であってもよい。特に、プロセス中に液化しない第1のおよび/または第2の物体の部分には、長繊維または連続繊維を用いてもよい。
【0190】
繊維材料(もしあれば)は、繊維強化材として公知の任意の材料、特に炭素、ガラス、ケブラー、セラミック、たとえばムライト、炭化ケイ素または窒化ケイ素、高強度ポリエチレン(Dyneema)などであってもよい。
【0191】
繊維の形状を有していない他の充填剤、たとえば粉末粒子も可能である。
本発明に係る方法の実施形態に好適な機械的振動または揺れは、好ましくは、2~200kHz(さらに好ましくは10~100kHz、または20~40kHz)の周波数と、活性表面1平方ミリメートル当たり0.2~20Wの振動エネルギとを有する。
【0192】
多くの実施形態、特に振動を第1の物体内に結合することを含む実施形態では、振動ツール(たとえば、ソノトロード)は、たとえば、その接触面が主にツール軸の方向に揺れ(当該軸に対応する遠近軸であり、縁部を第1の物体の材料に侵入させると、当該軸に沿って、第1の物体および第2の物体がエネルギ入力および押圧力の影響によって互いに対して移動する;縦振動)、1~100μm、好ましくは約30~60μmの振幅で揺れるように設計される。このような好ましい振動は、たとえば超音波溶接から公知の超音波装置によってたとえば生成される。
【0193】
他の実施形態では、振動は横振動であり、すなわち、主に、たとえば遠近軸に対して垂直な、したがってたとえば第1の物体と第2の物体との間の接触面に平行な角度での揺れである。ここでの振動エネルギおよび振幅は、縦振動の上述のパラメータと同様であり得る。
【0194】
横振動のサブグループの実施形態と見なすことができる、さらなるグループの実施形態では、揺れは回転的な揺れであり得、すなわち、振動要素は前後の捩じれ運動で振動する。回転的な揺れがオプションとなるためには、第2の物体は、たとえば縁部が穿孔の周囲に円形に延在するという点で、回転を妨げる幾何学的形状を有すべきでない。また、この種類の揺れは、第1の物体が比較的小さい、特に第1の物体がコネクタであるかまたはコネクタに属する装置に特に適している。
【0195】
用途に依存して、振動力(より具体的には、超音波トランスデューサに供給される電力)は、少なくとも100W、少なくとも200W、少なくとも300W、少なくとも500W、少なくとも1000Wまたは少なくとも2000Wであり得る。
【0196】
本明細書では、「近位」および「遠位」という用語は、方向および位置を指すために用いられており、すなわち、「近位」は操作者または機械が機械的振動を加える側であり、遠位は反対側である。
【0197】
本明細書において第2の物体と接触する第1の物体の側は「接触側」と称される場合がある。第1の物体が第2の物体の近位に位置決めされ、第2の物体に押付けられる第1の物体に振動が加えられる実施形態では、接触側は遠位側であり、遠位に面する面を含み、この中に第2の物体の縁部が押込まれる。
【0198】
以下、図面を参照して本発明および実施形態を実施する方法を説明する。図面はすべて模式的である。図中、同一の参照番号は同一のまたは類似の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0199】
図1a】取付け位置を有する第2の物体の実施形態の図である。
図1b】取付け位置を有する第2の物体の実施形態の図である。
図2a】第2の物体の代替の実施形態の図である。
図2b】第2の物体の代替の実施形態の図である。
図3a】方法の初期段階における構成の断面図である。
図3b】方法が実行された後の構成の断面図である。
図4a】方法の初期段階における構成の断面図である。
図4b】方法が実行された後の構成の断面図である。
図5a】方法の初期段階における構成の断面図である。
図5b】方法が実行された後の構成の断面図である。
図6】コネクタ片の実施形態の図である。
図7】コネクタ片の実施形態の図である。
図8】コネクタ片の実施形態の図である。
図9】さらなる代替の構成の図である。
図10】さらなる代替の構成の図である。
図11】代替のソノトロード設計の図である。
図12】代替のソノトロード設計の図である。
図13】代替のソノトロード設計の図である。
図14a】第1の物体によってさらなる物体を第2の物体に可逆的に締結する実施形態の図である。
図14b】第1の物体によってさらなる物体を第2の物体に可逆的に締結する実施形態の図である。
図14c】第1の物体によってさらなる物体を第2の物体に可逆的に締結する実施形態の図である。
図15】本発明を実行するためのさらに他の構成の図である。
図16】本発明を実行するためのさらに他の構成の図である。
図17a】複数の穿孔を含む取付け位置を有するさらに別の第2の物体の図である。
図17b】複数の穿孔を含む取付け位置を有するさらに別の第2の物体の図である。
図18a】初期段階における、第1の物体によって第3の物体が第2の物体に取付けられる構成の図である。
図18b】最終段階における、第1の物体によって第3の物体が第2の物体に取付けられる構成の図である。
図19図18aおよび図18bに実質的に示す構成についての第1の物体の図である。
図20図18aおよび図18bに実質的に示す構成についての第1の物体の図である。
図21図18aおよび図18bに実質的に示す構成についての第1の物体の図である。
図22図18aおよび図18bに実質的に示す構成についての第1の物体の図である。
図23】この構成の変形例の図である。
図24】この構成の変形例の図である。
図25a】初期段階における、第1の物体によって第3の物体が第2の物体に取付けられるさらなる構成の図である。
図25b】最終段階における、第1の物体によって第3の物体が第2の物体に取付けられるさらなる構成の図である。
図26図25aの構成の変形例の図である。
図27】縁部に沿ったシート部分の特性の変形例の図である。
図28】縁部に沿ったシート部分の特性の変形例の図である。
図29】縁部に沿ったシート部分の特性の変形例の図である。
図30】初期段階における、第1の物体によって第3の物体が第2の物体に取付けられるさらに他の構成の図である。
図31】第1の物体および第2の物体のさらなる構成の図である。
図31a図31の1つとしての構成についての第1の物体の変形例の図である。
図32】第1の物体によって第3の物体を第2の物体に取付けるためのさらに他の構成の図である。
図33】第1の物体によって第3の物体を第2の物体に取付けるためのさらに他の構成の図である。
図34a】縁部構造の図である。
図34b】縁部構造の図である。
図35a】構成のさらなる変形例の図である。
図35b】構成のさらなる変形例の図である。
図36】さらなる代替の構成の図である。
図37】さらなる代替の構成の図である。
図38】プロセス図である。
図39】エラストマー封止要素を有する構成の図である。
図40図39の構成についてのプロセス図である。
図41】エラストマー封止要素を有するさらなる構成の図である。
図42】第3の物体、第2の物体および第1の物体を互いに取付けるためのさらに他の構成の図である。
図43】第3の物体、第2の物体および第1の物体を互いに取付けるためのさらに他の構成の図である。
図44】複数の取付け位置を有する第2の物体の原理の図である。
図45a】複数の取付け位置が共に全ての面内方向において第1の物体を第2の物体に対してロックする、当該取付け位置を有する第2の物体の図である。
図45b】複数の取付け位置が共に全ての面内方向において第1の物体を第2の物体に対してロックする、当該取付け位置を有する第2の物体の図である。
図46】許容差補償の原理の図である。
図47】最小深さの角度への依存の図である。
図48】軸方向に対して垂直でないシート面を有する第2の物体を有する構成の図であり、角度不一致補償の原理も示す図である。
図49】機能ゾーンおよび取付けゾーンを有する第1の物体の図である。
図50a】プロセス中に第1の物体を導くための構成の図である。
図50b】プロセス中に第1の物体を導くための構成の図である。
図51】本発明に係るアプローチによってホルダを取付ける図である。
図52】本発明に係るアプローチによって取付けられるスナップコネクタの図である。
図53】振動結合解除の図である。
図54】ダイカストされた第2の物体を有する実施形態の図である。
図55】アンカー固定部および調整部を有する構成の図である。
図56】アンカー固定部および調整部を有する構成の図である。
図57a】他の実施形態のアンカー固定部および調整部の図である。
図57b】他の実施形態のアンカー固定部および調整部の図である。
図58a】アンカー固定部および調整部のさらに別の実施形態ならびにそれらの詳細の図である。
図58b】アンカー固定部および調整部のさらに別の実施形態ならびにそれらの詳細の図である。
図58c】アンカー固定部および調整部のさらに別の実施形態ならびにそれらの詳細の図である。
図59】第1の物体がアンカー固定部として作用する、第1の物体、調整部、および第2の物体のさらなる構成の図である。
図60】第1の物体がアンカー固定部として作用する、第1の物体、調整部、および第2の物体のさらなる構成の図である。
図61a】調整段階中の第2の物体および第1の物体の構成の図である。
図61b】調整段階中の第2の物体および第1の物体の構成の図である。
図62】コネクタ片が調整部として作用する構成の図である。
図63】コネクタ片が調整部として作用する構成の図である。
図64a】コネクタ片がある段階においてテーパ開口と協働するテーパ部を有する構成の図である。
図64b】コネクタ片がある段階においてテーパ開口と協働するテーパ部を有する構成の図である。
図65】コネクタ片が調整部として作用する別の構成の図である。
図66】コネクタ片としてまたは液化可能材料も含む調整部の一部として作用し得る挿入物の図である。
図67】コネクタ片としてまたは液化可能材料も含む調整部の一部として作用し得る挿入物の図である。
図68】コネクタ片としてまたは液化可能材料も含む調整部の一部として作用し得る挿入物の図である。
図69】弾性継手を有する取付けフランジの図である。
図70】弾性継手を有する取付けフランジの図である。
図71】専用の結合面部分を有する取付けフランジの図である。
図72】異なる熱可塑性材料部分を有する第1の物体の図である。
図73】接触側に構造を設ける原理を実施する構成の図である。
図74】接触側に構造を設ける原理を実施する構成の図である。
図75】接触側に構造を設ける原理を実施する構成の図である。
図76】接触側に構造を設ける原理を実施する構成の図である。
図77図73図76に示す原理を実施する第1の物体の突出部の断面図である。
図78図73図76に示す原理を実施する第1の物体の突出部の断面図である。
図79図73図76に示す原理を実施する第1の物体の突出部の断面図である。
図80】主穿孔および複数の周辺穿孔を有する第2の物体を有する構成の図である。
図81】主穿孔および複数の周辺穿孔を有する第2の物体を有する構成の図である。
図82】非対称の変形セクションを有する第2の物体を有する構成の図である。
図83】非対称の変形セクションを有する第2の物体を有する構成の図である。
図84】非対称の変形セクションを有する第2の物体を有する構成の図である。
図85】スペーサを有する第1の物体によるz位置制御の原理の図である。
図86】スペーサを有する第1の物体によるz位置制御の原理の図である。
図87】ソノトロードと第1の物体との間の結合面を、第2の物体の形状および位置に合わせた領域に制限する原理を実施する構成の図である。
図88】ソノトロードと第1の物体との間の結合面を、第2の物体の形状および位置に合わせた領域に制限する原理を実施する構成の図である。
図89】ソノトロードと第1の物体との間の結合面を、第2の物体の形状および位置に合わせた領域に制限する原理を実施する構成の図である。
図90】ソノトロードと第1の物体との間の結合面を、第2の物体の形状および位置に合わせた領域に制限する原理を実施する構成の図である。
図91】ソノトロードと第1の物体との間の結合面を、第2の物体の形状および位置に合わせた領域に制限する原理を実施する構成の図である。
図92】面内位置を調整するための基本的な構成の図である。
図93】面内位置を調整するための基本的な構成の図である。
図94図92の基本的な構成の実施形態の図である。
図95図92の基本的な構成の実施形態の図である。
図96図93の基本的な構成の実施形態および原理の図である。
図97図93の基本的な構成の実施形態および原理の図である。
図98図93の基本的な構成の実施形態および原理の図である。
図99図93の基本的な構成の実施形態および原理の図である。
図100図93の基本的な構成の実施形態および原理の図である。
図101図93の基本的な構成の実施形態および原理の図である。
図102図93の基本的な構成の実施形態および原理の図である。
図103】第2の物体の例としての締結具の図である。
図104】機械的振動を第2の物体内に結合する原理の図である。
図105】機械的振動を第2の物体内に結合する原理の図である。
図106】機械的振動を第2の物体内に結合する原理の図である。
図107】2ステーション製造ラインの図である。
図108】横振動を第2の物体内に結合するためのソノトロード設計および構成の図である。
図109】横振動を第2の物体内に結合するためのソノトロード設計および構成の図である。
図110】横振動を第2の物体内に結合するためのソノトロード設計および構成の図である。
図111】第2の物体が延在開口部を有する構成の図である。
図112】第2の物体が延在開口部を有する構成の図である。
図113】第2の物体が延在開口部を有する構成の図である。
図114】アンビルを有する第1の構成の図である。
図115】アンビルを有する第1の構成の図である。
図116】アンビルを有するさらなる構成の図である。
図117】アンビルを有するさらなる構成の図である。
図118】アンビルを有するさらなる構成の図である。
図119】取付構造を有する第1の物体を有する構成の図である。
図120】取付構造を有する第1の物体を有する構成の図である。
図121】位置を調整することを含む方法のフローチャートの図である。
【発明を実施するための形態】
【0200】
好ましい実施形態の説明
図1aおよび図1bは、第2の物体である金属シート2の例を上面図および断面図で示す。金属シートは、たとえば打ち抜きツールによって作られた穿孔20を含む。たとえば、穿孔は、先端を有するツールが作用する場所に開口を有する支持体に金属シートを当てた状態で、ツールの先端が貫通するまで、ツールを金属シートにゆっくりと押付けることによって作られ得る。穿孔の形状は不規則になり、複数の舌部を有する。あるいは、当該形状は、対応する幾何学形状が以前に(ウォータージェットまたはレーザによって)打ち抜かれているかもしくは切り取られている場合は、または先のシート形成プロセスで成形
されている場合は規則的であり得る。穿孔20の周囲に、金属シートは、その後のステップでエネルギ誘導部の機能を有する縁部21を形成する。パラメータである、穿孔の高さhと、(平均)直径dと、金属シート面から離れるように突き出るように変形しているdセクションの直径Dと、状況によっては穿孔の直径dよりも明確に規定される、変形セクションと金属シート面に対する垂直線との間の角度としてここでは規定される角度αとが図1bに示されており、それに従った定義は本明細書全体にわたって用いられている。
【0201】
不規則に穿孔される例の代替例として、好適な打ち抜き装置を、中心孔の幾何学的形状を(たとえばレーザによって)予め切り取ることと組み合わせることによって、図2aおよび図2bに示すような不規則なまたは規則的な、たとえば円形の穿孔を製造することもできる。
【0202】
図3aおよび図3bを参照して、本発明に係る方法の多くの実施形態および特定の実施形態の基本原理を説明する。
【0203】
第1の物体1は熱可塑性材料を含む。図示される実施形態では、第1の物体はパネル形状のセクションを有すると示されており、当該セクションは、熱可塑性材料で構成されており、上述の結合面として作用する、近位側を向く面11と、第1の物体が第2の物体2に対して位置決めされると穿孔20の周囲で突出セクションと接触する、遠位側を向く面12とを規定する。しかし、より一般に、第1の物体1は他の形状を有していてもよく、均質でない材料組成を有していてもよい。以下に説明する実施形態においていくつかの例を示す。
【0204】
より一般には、第1の物体は、接続される部分、またはその一部、または接続要素(ドエル、クリップのベース、リベットなど)であってもよい。
【0205】
-第1の物体自体が、機械工学および建設における多くの部品と同様に、熱可塑性材料の一部を含む接続される部分である場合は、本発明のアプローチは、本発明の一般的な利点(低コストアセンブリおよび部品、安定したアンカー固定、密閉接続が可能)に加えて以下の利点も特徴とする。
【0206】
○明確に規定された締結構造と協働する締結具による締結とは対照的に、第1の物体に対する位置は、概してはるかに低い精度で、したがってかなり増加した許容差で規定すればよく、かつ
○より少ない部品およびより少ない組立ステップで済む。
【0207】
-第1の物体が別個の接続要素である場合は、一般的な利点に加えて、本発明に係るアプローチは、接続要素の形状および特性の選択に関してかなりの柔軟性をもたらし、かつ、たとえば以下の図14a~図14cを参照して説明するアプローチとともに、先行技術の方法よりも許容差が緩和されるという利点ももたらす。
【0208】
第1の物体を第2の物体に取付けるために、振動ソノトロード6が第1の物体を穿孔20の近傍において第2の物体に押付ける。それによって第1の物体内に結合される機械的振動エネルギが第1の物体1を介して伝播し、第1の物体が縁部21と接触している場所で吸収され、縁部21はそれによってエネルギ誘導部として作用する。結果として、縁部の周囲の熱可塑性材料が加熱されて流動可能になり、シート材料の突出セクションを第1の物体の本体に押込むことができる。再凝固後、これによって突出セクションの少なくとも一部が第1の物体内にアンカー固定され、それによって第1の物体と第2の物体との間の機械的な噛合い嵌合接続(positive-fit connection)がもたらされる。結果として生
じる構成を図3bに示す。この図は、第2の物体の下に流れることによって上述のアンカ
ー固定をもたらしている材料部分14を概略的に示す。
【0209】
あるグループの実施形態では、第2の物体の下の材料の流れは、適切に成形されたアンビル構造によって補助および/または誘導される。この原理(遠位側、すなわちソノトロードが衝突する側と反対側からの取付け位置のアクセスを可能にする本発明の任意の実施形態において用いられ得、これは本明細書中にない他の図面を参照して説明する実施形態を含み、当該他の図面はそのようなアンビル構造を明示的に示していない)を図114に概略的に示す。アンビル600を用いて、取付けプロセス中に第2の物体を支持する。アンビル600は単に平坦であるのとは異なり、誘導突起601およびその周囲の受け凹部602を含む。図115の矢印によって示すように、誘導突起601は第2の物体の遠位で熱可塑性材料を固めるのを助け、それによって全体的な安定性を高めて必要な侵入深さを減少させる。
【0210】
図4aおよび図4bの実施形態では、第1の物体1はパネル形状ではなく、むしろスタッド状である。熱可塑性材料の部分15に加えて、第1の物体1は、プロセス中に適用される条件下で液化不可能な材料からなる補強部16を有する。特に、補強部は金属製であり得る。図示される実施形態では、補強部16はブッシングであり、任意に、補強部16にさらなる要素を取付けることを可能にするねじ山または他の構造を有する。特に図4bに見ることができるように、そのような補強部16は、補強部16が有し得る他の機能(上述のように、補強部16にさらなる要素を取付けるのに好適であることなど)に加えて、第1の物体と第2の物体との接続にさらなる機械的安定性ももたらし得る。たとえば、図示される構成のように、補強部16は穿孔内に延在し、それによって、補強部16に作用する可能性のあるせん断力に関して第1の物体と第2の物体との接続を安定させ得る。
【0211】
補強部16のさらなる機能は、補強部16が熱可塑性材料を遠位にかつ横向きに強制的に流すことによって熱可塑性材料の流れの制御を補助することである。それによって、補強部16は図114を参照して説明したアンビルと同様の機能を有し、相違点は、その位置が遠位からアクセス可能でなくてもよいことである。
【0212】
図4a/図4bの実施形態のようないくつかの実施形態では、補強部の周囲の熱可塑性材料が液化し、それによって補強部の位置が不安定になるあらゆる状況を防止するために、機械的振動が補強部内に直接結合されないことを確実にすることが有利であり得る。この目的のために、第1の物体およびソノトロードは、たとえば図87図91を参照して以下に説明するように、結合面が補強部の周囲の領域に制限されるように成形され得る。
【0213】
あるグループの実施形態では、当該方法は、当初は第1および第2の物体とは別個であり、取付け方法において第1および第2の物体とともに組立てられてモノリシックアセンブリをもたらす、さらなるコネクタ片3を設けるさらなるステップを含む。図5aはそのようなコネクタ片3の例を示す。図示される実施形態におけるコネクタ片は、遠位先端部と、側方周囲に沿った保持構造31とを有する。機械的振動エネルギを第1の物体内に結合するステップの前に、ソノトロード6を用いてエネルギおよび押圧力をコネクタ片内に結合することによってコネクタ片を第1の物体1に追い込み、第1の物体の材料は、コネクタ片3が第1の物体と接触している場所で、吸収された機械的エネルギによって局所的に液化する。コネクタ片3の近位端面が第1の物体1の近位側を向く面11と面一になると、プロセスは図3aおよび図3bを参照して説明したように継続する。好適なソノトロード設計(たとえば、以下に説明する図11および図12を参照)によって、コネクタ片が第1および第2の物体のアセンブリに追い込まれる深さが設定され得る。組立てられた状態の保持構造は、液化して再凝固した熱可塑性材料によって相互貫入されることになり、それによって保持構造はさらなる機械的安定性をもたらす。図5bはプロセスの後のアセンブリを示す。
【0214】
コネクタ片3は上述の種類の補強部と同様の機能を有し得、補強部の特性を参照する本明細書中の教示はコネクタ片にも適用可能であり得、逆の場合も同様であり、主な相違点は、補強部は当初、エネルギを構成内に結合する前は、コネクタ片とは異なり、第1の物体の一部であることである。
【0215】
さらに、図6図7および図8は、コネクタ片3の(または補強部の)変形例を示す。図6のコネクタ片3は取付けペグ32を有しており、この上にさらなる要素がクリップ留めされ得る。任意に、取付けプロセスの後、コネクタ片3は、以下に図14a~図14cを参照して説明する締結クリップと同様の機能を有し得、相違点は、さらなる要素がクリップ留めされる部分が、熱可塑性部分の一部ではなくコネクタ片3の(または補強部の)一部であることである。
【0216】
図3のコネクタ片3によるプロセスでは、リングソノトロード(管状ソノトロード、以下図13を参照)を使用し、取付けペグ32が当該ソノトロードと直接接触しないようにすることが有利であろう。
【0217】
取付けペグとは無関係の図5aの実施形態に対するさらなる相違点として、遠位端は、先端部ではなく遠位向き端縁33を有しており、当該遠位向き端縁33は、当該先端部と同様の機能を有するが、熱可塑性材料が遠位方向に流れ込む傾向を高めることによって材料流れ制御に対して影響を及ぼす。これは、アセンブリの状況によっては、望ましい場合もあればそうでない場合もある。
【0218】
図7のコネクタ片3の実施形態は、内側ねじ山39と外側留め構造31とを有するブッシングである。
【0219】
図8の実施形態では、コネクタ片は、遠位先端部36および留め構造31に加えて、およびこれらから独立して、熱可塑性材料の流れ制御に寄与する近位向きフランジ部35を有するヘッド部34を有している。特に、ヘッド部34は、第1の物体1の熱可塑性材料がより近位の位置において横向きに流れることを防止し、それによって第2の物体2が配置されている場所に第1の物体1の熱可塑性材料を流れさせ、このようにしてさらに強力な機械的取付けに寄与する。
【0220】
図9を参照して、同様の原理が示されているが、第1の物体の熱可塑性材料によって構成されたフランジ部18を有しており、これも少なくとも最初のうちは流れ制御に横向きの流れを防止させる。たとえば第1の物体の熱可塑性材料に取付けられた非熱可塑性フランジ部との組み合わせも可能である。
【0221】
図10の変形例では、第1の物体1は補強部16を有しているが、当該補強部16は、近位側で熱可塑性部分15の近位端面の上方に突き出ており、それによって、第1の物体は、補強部16がプロセス中に熱可塑性部分15に対して移動するように設計され、それによって、熱可塑性部分15の熱可塑性材料が変位される。
【0222】
図10の実施形態は、補強部自体が塑性変形可能な材料でできていれば特に有利であろう。その場合、図16に示される遠位足部などの補強部16の遠位部は、その遠位の熱可塑性材料によって引き起こされる圧力によって、外向きに変形され、それによって固着強度に寄与する。ここでは、補強部自体は、熱可塑性材料でできていてもよく、当該熱可塑性材料は、機械的振動および押圧力を少なくとも部分的に補強部を介して伝えることができる一方で補強部16がそれでもなお変形可能であるようなものである。たとえば、この目的のために、補強部は、熱可塑性部分15の材料よりも高い液化温度を有する熱可塑性
材料でできていてもよく、または同一のポリマーに基づくがその粘性が高くなるように高い充填度を有する材料でできていてもよい。代替的に、補強部は、折り曲げ可能な金属でできていてもよく、この場合、変形される部分は、それに従って十分に薄い。
【0223】
この補強部106を変形させるプロセスは、たとえば図114に示されるたとえば中央誘導突起601を有するアンビル(図10には図示せず)によって特に支援され得る。
【0224】
図11図12および図13は、代替的なソノトロード設計を示す。図11のソノトロード6は、遠位外周フランジ61を有しており、当該遠位外周フランジ61は、装置によっては、熱可塑性材料の横方向流れを制限するか、または周囲の材料とは異なる深さに補強部/コネクタ片を押込むか、またはそれら両方のことをし得る。図12のソノトロード6の遠位突起62は、たとえば第1の物体またはコネクタ片の案内窪みとともに案内機能を有してもよく、および/または、コネクタ片または補強部を第1および第2の物体のアセンブリの中にさらに追い込む機能を有してもよい。図13のソノトロード6は、リングソノトロードである。大半の実施形態では、リングソノトロードは、ソノトロードの遠位側外結合面が第2の物体2の突出セクションの横位置をカバーするように設計される。
【0225】
本発明の実施形態に適した特定の構成について、図14a~図14cの観点から説明する。当該構成は、複数の締結位置においてさらなる物体を第2の物体に可逆的に締結することに関する。図14aは、平坦な面を有する物体(第2の物体)の面に取外し可能に締結されるこのようなさらなる物体の一例として、やや平坦なプレート要素71を示す。この構成の用途としては、たとえば車体へのナンバープレートの締結が挙げられる。
【0226】
本発明の実施形態によれば、対照的に、本明細書に記載されている方法における第1の物体1として(または、上記の種類のコネクタ片として)、固定コネクタが設けられる。この目的のために、第1の物体1(図14aに図示)またはコネクタ片(たとえば、図6に図示)は、図14aでは外周溝であるように示されているクリッピング接続構造13を備えており、当該クリッピング接続構造は、さらなる要素(図14aにおけるプレート要素71)のそれに従った構造と協働して、解放可能なクリップ式接続をもたらす。固定コネクタを第2の物体2に取付けるために、第1の物体1をさらなる要素(示されている実施形態では、プレート要素71)に締結しながら、第1の物体1を第2の物体2の対応して位置決めされた突出セクションと接触させる。その後、上記のようにプロセスが実行される。図14bに両方向矢印73によって示されるように、ここでの第1の物体および突出セクションの相対的位置決めは、それほど正確でなくてもよく、取付けに悪影響を及ぼすことなく、突出セクションの寸法に対する第1の物体の寸法によって規定される許容差の範囲内でさまざまであってもよい。したがって、さらなる要素71の取付構造(コネクタ部)の位置に対する取付け点(孔および変形セクション)の位置決めのための許容差は、先行技術の方法よりもはるかに緩和される。しかし、取付けプロセス中に第1の物体1(または、コネクタ片)がさらなる要素に取付けられるという事実により、解放可能なクリップ式接続の位置は正確に固定される。図14cは、さらなる要素(プレート要素71)が第2の物体2に解放可能にクリップ留めされた、結果として生じるアセンブリを示す。
【0227】
さらに、図15は、近位方向に、すなわち第1の物体の方に突き出るセクションを第2の物体が持たない実施形態を示す。それどころか、孔20が打ち抜かれており(または開けられており、または他の態様で取り除かれており)、その縁はシート面内にある。上記の実施形態とは異なって、単に板状の第1の物体では方法は機能しない。もっと正確に言えば、第1の物体の形状および位置を適合させる必要がある。より具体的には、示されている実施形態では、第1の物体1は、テーパ状セクション101とヘッドセクション102とを有する取付けボルトであり、当該テーパ状セクションは、孔への挿入および遠位方
向への移動時に第2の物体による実質的な上昇差に直面するように寸法決めされる。エネルギをソノトロード6に結合しながらソノトロード6が第1の物体を孔の中に押込むと、これは、上記の実施形態と同様に第1の物体の熱可塑性材料の液化を引き起こすことになる。
【0228】
同時に、熱可塑性材料の中に追い込まれたコネクタ片3(または代替的に、補強部)は、流動可能材料に対する外向きの圧力を発生させる。その結果、孔の縁は、熱可塑性材料に埋設されることになる。ヘッドセクション102の遠位向き面が第2の物体のシート材料に対して当接するまでプロセスが実行され得る。第1の物体1の熱可塑性材料の中に追い込まれたコネクタ片3(または、補強部)の使用効果のために、挿入されるセクション101の形状は必ずしもテーパ状でなくてもよい。
【0229】
テーパ状セクションを有する代わりに、第1の物体は、孔の直径よりもわずかに大きな直径を有する、階段状または円筒形を含む他の形状を有していてもよい。
【0230】
コネクタ片または補強部を熱可塑性材料の中に追い込んで外向きの圧力を発生させることを備える実施形態では、コネクタ片/補強部は、上記の構造化されたアンビルの効果と同様の効果を有する。しかし、このような実施形態は、締結位置が遠位側からアクセスできない状況でも適用可能であるという利点を特徴とする。
【0231】
図16の変形例では、孔の周囲の第2の物体を構成する金属シートは、第1の物体から離れるように突き出るセクションを有する。特に、第2の物体は、図1aおよび図1bに示されるように形成されてもよいが、上下逆さまに形成されてもよく、そのため、第2の物体は、熱可塑性材料が流れ得る複数の舌部を有する。この実施形態でも、一方では孔/変形セクションの寸法および第1の物体の突出部分の寸法は、第1の物体の突出部分が孔に挿入されたときに第2の物体に対する第1の物体の前方(遠位移動)に対して実質的な抵抗があるような態様で、互いに適合される。また、この実施形態は、本明細書に上記した種類のコネクタ片または補強部と組み合わせられてもよい。
【0232】
さらに、図17aおよび図17bは、近位側から離れるように突き出る共通の変形セクション内に複数の孔20が配置される第2の物体の例を示す。図15および図16に示される種類の単一の第1の物体1は、上記のプロセスによって、この変形セクションによって形成された凹部内に固着され得る。
【0233】
用途としては、たとえば自動車業界または航空業界における金属部品(第2の物体は金属部品またはその一部である)へのプラスチック部品の締結が挙げられる。たとえば、自動車業界では、プラスチックまたは複合物でできた軽量部品を車体に取付けなければならないことが多い。
【0234】
全ての記載されている実施形態は、概して第1の物体の側から(図中の上から)アセンブリに機械的エネルギを結合することに依拠するが、機械的振動エネルギが第2の物体に結合される実施形態も可能である。たとえば、図3aの構成などの構成では、ソノトロード6は、図に下側として示されている側から作用してもよい。
【0235】
図18a~図24は、特に一方の側、すなわち近位側(図中に上側として示されている)からのみアクセス可能である状況において、第1の物体によって第3の物体を第2の物体に取付けることを備える実施形態群を示す。全てのこれらの実施形態では、第3の物体8は、平坦なCFK部品として示されている。しかし、この実施形態群は、第3の物体がたとえば金属またはセラミック材料またはプラスチック(たとえば、プロセス中に達する温度では液化しないという意味で液化可能ではない)または構築時に使用されるその他の
好適な材料でできている場合にも機能する。また、第2の物体は、金属シートとして示されている。しかし、当該方法は、孔の周囲に端縁を形成することができる他の材料でも機能する。当該方法は、第2および第3の物体が異なる熱膨張係数を有する構成で特に有利であるが、これは、当該方法が有効であるための要件ではない。
【0236】
図18aにおける第1の物体1は、第3の物体8を第2の物体2に取付けるためのコネクタの役割を果たす。第1の物体は、熱可塑性材料でできた部分15と、たとえば金属でできた、液化可能でないコア部分である補強部16とを有している。コア部分16は、第1の物体のヘッド部91を形成し、シャフト部の内部に延在している。示されている構成では、コア部分91は、シャフト全体に沿って熱可塑性材料部分15によってコーティングされているが、熱可塑性材料部分を部分的なコーティングとして提供すること、たとえばコア部分の遠位端をコーティングのないままにすること、または外周の周囲の特定のセクションをコーティングのないままにすること、も可能であろう。
【0237】
第3の物体は、貫通開口である第3物体開口81を有する。第2の物体2は、図16に示されている形状と実質的に同様の形状を有している。孔の直径(図1bと比較)は、第3物体開口の直径よりも小さい。より特定的には、シャフト部92の断面は、シャフト部92が当該開口を通り抜けるが孔を通り抜けることはないようなものである。
【0238】
第1の物体が当該開口を通して挿入されて、ソノトロード6によって遠位方向に、すなわち第2の物体2に押付けられ、それによって同時に機械的振動エネルギが第1の物体1に結合された後、熱可塑性材料は流動可能になる。ヘッド部91が第1の物体の前進移動(遠位方向への移動)を停止させるまでプロセスは継続される。次いで、振動エネルギ入力が停止され、ソノトロードが取り外される。図18bは、材料部分14が第2の物体の遠位に流れてブラインドリベット状の足部を形成した結果を示す。このように、図18bの構成では、第1の物体は、プロセス後にリベットを形成し、第2および第3の物体は、この足部とヘッド部91との間にクランプされる。使用される熱可塑性材料のガラス転移温度が室温と約160℃との間のどこかであれば、リベット接続は、電着プロセス、たとえば塗装/ラッカー塗装の異なる熱膨張係数を補償するという点で上記の利点を有する。一例として、アクリロニトリルは、約130℃~140℃のガラス転移温度を有する。
【0239】
図19は、コア部分16が遠位打ち抜き端縁93を有する第1の物体の変形例を示す。このような遠位打ち抜き端縁は、孔を打ち抜くためにプロセス中に使用され得る。
【0240】
さらなる変形例として、図20は、遠位突き刺し先端部94を形成する(金属製)コア部分を有する第1の物体を示す。このような突き刺し先端部は、第2の物体を形成する金属シートに突き刺すことによって口部(図18aに図示)の周囲に変形を含む孔を生じさせるために使用され得る。
【0241】
突き刺すことを備える実施形態では、突き刺しステップ後にシート部分がコア部分をもはやクランプせず、相対的振動が可能になるように、くびれた部分96が任意に存在していてもよい。
【0242】
図19の実施形態でも図20の実施形態でも、実質的に図18aおよび図18bを参照して説明した打ち抜き/突き刺しステップ後にプロセスは継続され得る。
【0243】
図21は、さらに他の変形例として、第1の物体によって第3の物体を第2の物体に取付けることを備える実施形態群に適した第1の物体を示し、当該物体は、コア部分または他の補強部を持たないが、熱可塑性材料で構成されている。この実施形態でも、シャフト部92に加えてヘッド部91がオプションとして存在していてもよい。
【0244】
図22の実施形態は、組み合わせてまたは単独でまたは互いに独立して実現可能なさらなる特徴を示す。
【0245】
-コア部分16は、(ここでは、軸方向の相対的移動に対する)噛合い嵌合接続(を行うか、または他の態様でコア部分16と熱可塑性材料部分15との間の接続を向上させることに適した構造95を備える。
【0246】
-コア部分は、必ずしも孔を通って到達するとは限らないようにより小さな軸方向の広がり(近位から遠位への軸に沿った広がり)を有している。より一般的には、コア部分(あるとすれば)の特定の広がり/寸法は必要ないが、第2の物体と第3の物体との間に実質的なせん断力が期待される構成では、このようなコア部分が開口および孔の両方を通って到達すれば有利であろう。
【0247】
図23の変形例では、孔の周囲の第2の物体2は、(図18aに示されるものとは異なって)第3の物体から離れるように突き出るように折り曲げられるのではなく、本質的に平坦である。
【0248】
本発明の多くの実施形態ではアンビルが有益であり得て、当該多くの実施形態は、図23の実施形態のように説明の中でアンビルについて言及していない実施形態を含むが、上記のような対応する表面構造を有するアンビルは、材料流れを端縁21に沿って第2の物体の部分の遠位の方に仕向けることに特に有益であろう。
【0249】
図24の変形例では、第2の物体は、実質的に図17aおよび図17bを参照して説明した形状を有しているが、1つの大きな突起の代わりに複数の小さな突起を有している。
【0250】
図25aは、第1の物体1によって第3の物体4を第2の物体2に取付けるための配置の一例を示し、第2の物体も第3の物体も概して平坦なシート部分を有し、当該シート部分は端縁を有している。
【0251】
図25aの実施形態では、第2の物体は、第2物体孔20を有し、当該第2物体孔20に沿って第2の物体の端縁21が延在しており、第3の物体4は、第3物体孔40を有し、当該第3物体孔40に沿って第3の物体の端縁41が延在している。孔に沿って、それぞれの物体2,4は、シート材料がそれぞれのシート面から離れるように突き出るように変形されている。
【0252】
物体1,2,4は、第1の物体が第2の物体と第3の物体との間に挟まれ、第2および第3の物体のシート材料が第1の物体1の方に突き出るように、すなわち第2の物体2では近位側の方に突き出て第3の物体4では遠位側の方に突き出るように、配置されている。
【0253】
プロセス中、第2および第3の物体には反対方向の押圧力が印加され、それによって、第1の物体は第2の物体と第3の物体との間にクランプされる。同時に、機械的振動エネルギがアセンブリに結合される。この目的のために、たとえば振動ソノトロード6が第3の物体4を第1の物体1に押し付け、それによって第1の物体1が第2の物体の端縁21に押付けられ、次いで反対方向の押圧力を垂直抗力として印加する非振動支持体7に対して第2の物体が設置される。
【0254】
図25aの実施形態では、振動は第3の物体を介して当該配置に結合される。振動の開始時に、材料部分が流動可能になる前に、第3の物体の振動により第1の物体も振動する
。物体のパラメータ(角度α、端縁の鋭さ、端縁の長さ、材料の剛性など)が適切に選択されると、加熱プロセスは、第3の物体の端縁41との境界面で開始する前に、またはおよそ同時に、第2の物体の端縁21との境界面で開始する。特に、第2の物体の端縁21は、第3の物体の端縁41よりも(たとえば、急峻であることによって)境界面においてエネルギを吸収する傾向が強いように形成されてもよい。それによって、振動が第3の物体にしか結合されなかったとしても、第2の物体も第3の物体も第1の物体に固着させることを実現することができる。
【0255】
図25bは、エネルギ入力が停止した後の状況を概略的に示し、流動部分14は、第2および第3の物体の端縁に沿って流れたサブ部分を有している。
【0256】
図26に示される変形例によれば、第2の物体2も第3の物体4も機械的振動を受け、第2の物体2、第1の物体1および第3の物体4のアセンブリは、反対方向の押圧力を印加する2つの振動ソノトロード6.1,6.2の間にクランプされる。この実施形態は、第2および第3の物体の端縁の特性にそれほど影響されない。
【0257】
図27図29は、たとえば図25aを参照して説明したようなエネルギ入力が一方の側のみからである非対称の装置の場合に、エネルギ吸収に影響を及ぼすように端縁の特性をどのように変更し得るかを示す。変更され得るパラメータとしては、急峻さ(角度α、図27)、端縁の長さ(図28)、端縁の鋭さ(図29)などが挙げられる。
【0258】
図30は、第2および第3の物体を両側から第1の物体と接触させる第2および第3の物体の実施形態の別の例を示す。しかし、図25aおよび図26の実施形態とは異なって、第1の物体は、第2/第3の物体の端縁21,41が押付けられるそれぞれの近位/遠位向き面11,12から突き出る少なくとも1つの突起、示されている実施形態では2つの隆起部117,118、を備える。隆起部117,118(または、他の突起)は、それらの高さが端縁に沿ったそれぞれの変形セクションの高さh(図1bを参照)よりも高いかまたは同等であるかまたは少しだけ低いように設計される。ソノトロード6.1,6.2が第3および第2の物体4,2に押付けられると、第3および第2の物体4,2はソノトロードと直接接触して、プロセス中に機械的振動エネルギが端部部分113,114に対して作用し、それによって、図30における矢印によって示されるように、これらの端部部分における材料が流動可能になって端縁に沿った空間を充填し得る。示されている高さの突起に加えて、または示されている高さの突起に代わるものとして、それぞれのソノトロード6.1,6.2が突起を備えていてもよい。
【0259】
突起とソノトロードとの間の境界面において発生した流動可能材料は、たとえば噛合い嵌合接続に寄与することによって第2/第3の物体を第1の物体に取付けることに寄与し得る。
【0260】
図30の概念は、たとえばソノトロードに面する第1の物体の一方の側のみに突起を設けることによって、または両側に突起を設け、ソノトロードから離れる方を向く側がエネルギ方向付け構造を有するかもしくはそうでなければソノトロードに面する側よりも機械的振動エネルギを吸収する傾向が強いように設計されることによって、ソノトロードを1つだけ有する配置(図25aと比較)に適用することができる。
【0261】
図30の実施形態は、流動部分のサブ部分がソノトロード6と第1の物体1との間の境界面に形成されて空間を充填するようにソノトロードが第2の物体2(または、第3の物体)に対して作用しながら、第1の物体の一部(特に、突起)がソノトロードと直接接触するという概念の一例である。
【0262】
この概念は、第2の物体にも第3の物体にも、プロセス中に第1の物体の材料に埋設される端縁を設ける原理に従わない構成にも使用することができる。それどころか、この概念は、単に第1の物体が第2の物体に取付けられる(および、第1の物体がさらなる物体のための固着具の役割を果たすように任意に構成されてもよい)実施形態にも適用することができる。これは、図31に概略的に示されている。この構成では、ソノトロードは、第2の物体2の側(図31では下側)から作用して、第2の物体2および第1の物体1のアセンブリを非振動支持体(図31には図示せず)に押付ける。
【0263】
第1の物体の端部部分が流動可能になるようにされる図30および図31の実施形態のような実施形態では、当該端部部分は、このような液化に有利な形状を任意に有していてもよい。図31aは、縮小した(図31aの向きでは下方)端縁を有する管状部分17が端部部分を形成するそれに従った例を概略的に示す。この形状は、エネルギ方向付け効果を生じさせ、管状部分とソノトロードとの間(または、別の構成では、図31aに上側であるように示される側からソノトロードが作用する場合には、管状部分と非振動支持体または第2の物体もしくは他の非振動物体の一部との間)の接触部における液化は、図30および図31に示される形状の場合よりも迅速に開始する。
【0264】
図32は、同一の側から第2および第3の物体2,4を第1の物体1と接触させることを備える実施形態下位群を示す。図32では、第2の物体2も第3の物体4も孔20,40を有し、当該孔20,40の周囲でシート材料が第1の物体1の方に突き出るように変形される。第1の物体によって第2および第3の物体をともに取付けるために、第2および第3の物体は重ねて位置決めされ、孔はおよそ同心円状に配置されている。
【0265】
図32の構成では、図3aと同様に、振動は、第1および第2の物体から離れる方を向く側から第1の物体に対して作用して端縁21,41を熱可塑性材料に埋設し得る一方、第3の物体は、非振動支持体に対して設置される。機械的振動を第3の物体の側または両側から作用させることも可能であろう。
【0266】
図33の変形例では、第1の物体によって互いに取付けられる第2および第3の物体は、重ねて設置されるのではなく並べて設置される。この実施形態では、第2の物体は、孔を有していない。もっと正確に言えば、シート部分の外周縁21がプロセスに使用される。第3の物体の外周縁41は、第2の物体の外周縁21に隣接して配置され、当該端縁は、プロセスによって(図3a/図3bと同様に)、熱可塑性材料に埋設されて第1、第2および第3の物体を互いに取付ける。
【0267】
端縁が孔に沿った端縁ではなく特に外周縁である配置では、端縁が延在する外周部分が、端縁が直線的に延在しないように折り曲げられた構造または角を有する構造を備えていれば有利であろう。これは、面内力(せん断力)が物体間の接続部に対して作用することが期待され得る場合に特に当てはまる。図34aは、互いに隣接する第2の物体2および第3の物体4の外周部分を非常に概略的に示し、当該外周部分は、ここでは波状形状の一部として曲がりを備えている。これにより、両方の面内方向xおよびyの面内力を接続部によって吸収することができる。
【0268】
図34bに示されるように、このような外周部分の非直線的な構造は、図33のように第3の物体4が第2の物体(実線)の横に配置される場合に有利であるだけでない。それどころか、破線は、プロセスによって第2の物体に取付けられる第3の物体のさらなる可能な配置を示す。
【0269】
図3a、図33などを参照して、機械的振動エネルギを第1の物体に結合して当該振動エネルギを第2の(および、該当する場合には第3の)物体との境界面に伝える原理につ
いて説明する。ここでは、パラメータは、一般に、熱可塑性材料がソノトロードと接触した状態で実質的に液化しないように選択される。図30および図31は、これとは異なって、ソノトロードと第1の物体との境界面における対象の液化が、構造を充填するために熱可塑性材料のさらなる部分を液化することに使用される実施形態を示す。
【0270】
図35aおよび図35bは、これが当てはまる他の例を概略的に示す。図34aでは、ソノトロードは、傾斜した肩部を備えた外周突起64を有するように示されており、当該外周突起64は、第1の物体の端縁部分を流動可能にして変形させるため、および、流動可能材料の流れを横方向に制限するために備えられている。これにより、第1および第2の(および、該当する場合には第3の)物体を備えるアセンブリの明確に定義された平滑な端縁領域がもたらされる。
【0271】
図35aおよび図35bには、「ソノトロードと第1の物体との境界面における液化」および/または制限特徴から独立して実現可能なさらなる任意の特徴が示されている。しかし、この任意の特徴と突起または他の専用のソノトロードの形状によってもたらされる明確に定義された形状との組み合わせは、特別な実施形態では特別な利点を有し得る。このさらなる任意の特徴とは、第2の物体2が第1の物体の方に突き出る変形した端縁を有し、当該端縁が第2の物体の外周全体に沿っており第1の物体の材料に完全に埋設されるというものである(図35b)。したがって、第2の物体の(図35aおよび図35bでは、近位向きの上部)面と第1の物体の面(図35aおよび図35bの構成では、遠位向きの面)との境界面は、完全に封止される。要素(図示せず)がたとえば第1の物体に面する面において第2の物体に取付けられる場合、当該アプローチは、当該要素を完全に封止してそれを湿気および他の考えられる環境影響から保護するパッケージをもたらす。
【0272】
第2の物体の外周全体を第1の物体の熱可塑性材料に埋設させるこの特徴は、(図35aおよび図35bに示されるように)第3の物体4を取付けることと組み合わせてなされてもよく、またはこのような組み合わせなしで、すなわち熱可塑性材料に埋設される端縁を有するシート状部分を有する第3の物体を持たない装置でなされてもよい。
【0273】
図36は、第2の物体に機械的に取付けられる第1の物体1(または、複数の第1の物体)のさらなる実施形態を示す。このさらなる実施形態は、熱可塑性材料が端縁と接触した状態で流動可能にされるだけでなく、第2の物体のさらなる部分との接触面でも流動可能にされる実施形態の一例である。より特定的には、示されている実施形態では、第2の物体は、たとえば本質的に平坦な第1の金属シートによって構成される第1の部分24と、端縁を備え、ここでは第1の金属シートに取付けられた第2の金属シートによって形成され得る第2の部分25とを有し、最上部に孔を有する少なくとも1つの隆起部を形成する。第1の物体は、ヘッド部102とシャフト部103とを有し、プロセスのために、シャフト部103の遠位端が第2の物体の第1の部分24に対して当接する、および/または、ヘッド部102によって形成される遠位向きの肩部が第2の物体の第2の部分の端縁に対して当接するまで、シャフト部は孔を通して導入される。機械的振動エネルギが作用すると、端縁が熱可塑性材料に埋設されるとともに、シャフト部の遠位端が変形可能になり、シャフト部のために外向きに押されて横方向に広がり、ある種のブラインドリベット効果によって第1の物体がさらに固着される。この目的のために、シャフト部の寸法は、任意に、(第2の物体の第1の部分と第2の部分との間の)隆起部の下に規定される体積の相当な部分が熱可塑性材料によって充填されるというようなものであってもよい。
【0274】
記載されているアプローチによる図36の実施形態のような実施形態における第2の物体の第1の部分24は、上記の種類のアンビルとして機能し得る。任意に、第2の物体の第1の部分24は、アンビルが流れ案内構造を生じさせるように上記のように変形されてもよい。さらに他の代替例によれば、第2の物体の第1の部分24は、アンビル機能を有
する別個のものと置き換えられてもよい。
【0275】
図36では、右側に示されている第1の物体1は、プロセス後のものであり、流動部分14は、遠位端の方への部分と端縁との境界面における部分とを備える。
【0276】
図37は、折り畳み式である図36の実施形態のような実施形態のための第1の物体のオプションを示し、ネック部105は、デフォルトの折り畳み位置を形成する。
【0277】
図30図31図36図37の実施形態の変形例では、第1の物体の遠位端は、部分(第2の物体の一部、ソノトロード、アンビル)と協働して流れを方向付ける態様で機能するように、図31aに示されるものと同様に成形されてもよい。
【0278】
図38は、本明細書に記載されている方法の実施形態のためのプロセス図を示す。曲線121は、時間に応じた第1の物体と第2の物体との間に印加される押圧力を示し、曲線122は、時間に応じた振動エネルギパワーを示す。図38に示されるように、短い場合もあれば省略される場合さえある任意の第1の局面125(押圧前)において、振動が作用しない状態で第1の物体が第2の物体に押付けられる。この第1の局面は、たとえば、振動が開始したときに、押圧力およびそれによるソノトロードと第1の物体(または、該当する場合にはアセンブリの第2のまたは他の物体)との間の結合力が、ソノトロードと物体との間に効率的な結合があるようなものであることを確実にして、たとえばそれによってソノトロードと第1の物体との間の境界面における溶解を防止するために有利であろう。第2の局面126では、押圧力が維持されながら振動がアセンブリに結合される。構成によっては、押圧力は、示されるように一定である代わりに、専用の輪郭をたどってもよい。第3の局面127(押圧後局面)では、振動はオフにされるが、押圧力は、いかなる望ましくない緩みまたはスプリングバック効果などを防止するのに十分な程度に流動部分が再固化されるまでもう少しの時間維持される。この第3の局面127の間に、第2の物体は、端縁に沿って第1の物体にさらに押し込まれ得る。この目的のために、任意に(破線)、第3の局面中に押圧力を高めることさえしてもよい。
【0279】
図39は、上記の構成(たとえば、図3aの構成)と同様の構成であるが、さらなる要素を有する構成を示す。押圧力および機械的振動を印加するステップの前に、エラストマー封止要素131が第1および第2の物体に対して設置される。当該封止要素は、押圧力ならびにそれによって引き起こされる第1および第2の物体の相対的移動が、液化の開始(流動可能にする)後に、ここでは第1の物体と第2の物体との間の封止要素131を圧縮する位置に設置される。それによって、さらなる封止効果を実現することができる。示されている構成では、封止要素131は、第2の物体の孔20を取り囲む封止リングであり、それによって、第1の物体と第2の物体との間の接続部は、第1の物体の側(図39では、上側)の方で完全に封止される。
【0280】
また、封止要素が第1の物体と第2の物体との間で圧縮される実施形態では、処理図は図38に示されるものと同様であり得るが、第3の局面127(押圧後局面)は、流動部分が十分に硬化されなかった場合に封止要素によって引き起こされるであろうスプリングバック効果のために、特に長くなる可能性がある。
【0281】
押圧力および振動の開始前に封止要素131が第1および第2の物体に対して設置される実施形態の他の例が図41に示されている。この実施形態では、その他の点では図8の実施形態と同様であるが、封止要素131は、コネクタ片3と第1の物体1との間で、したがって第2の物体に対して第1の物体の他方の側で、圧縮される。図41においても、封止要素は、封止リングを形成するように示されている。図41の実施形態でも、図39に示される位置にさらなる封止要素を設置するというオプションがある。
【0282】
図39の実施形態および図41の実施形態のような実施形態では、弾性封止要素131の代わりに、対応する投与量の接着剤も使用されてもよく、たとえば示されている封止要素131と同様に閉リングを形成するように供給されてもよい。
【0283】
図42は、第1および第2の物体1,2に取付けられる(または、第1および第2の物体のうちの一方に、第1および第2の物体のうちの他方によって取付けられる)第3の物体8が、第1の物体と第3の物体との間のさらなる噛合い嵌合接続によって第1の物体に接続され得る原理を示す。この目的のために、第3の物体8は、第1の物体の熱可塑性材料が流れ込むことができるアンダーカットを少なくとも1つの方向(図42では、軸方向)に対して備える構造を備える。図42の実施形態では、当該構造は、機械的振動エネルギをシステムに結合しながらプロセス中に第1の物体の材料に押込まれる第3の物体8の突起45上に設けられる。孔の周囲の第2の物体の部分が第1の物体と第3の物体との間にあり、突起45がプロセス中に第2の物体の孔を通って第1の物体に到達することによって第1の物体と接触するように、物体は互いに対して設置される。
【0284】
たとえば図5a/図5bを参照して、または図6もしくは図7もしくは図8を参照して、図42の実施形態の突起45は、上記のコネクタ片の対応する構造に相当する。
【0285】
噛合い嵌合構造を有する突起を備える第3の物体の形状から独立した図42の実施形態のさらなる特徴は、図5図8の実施形態とは異なって第3の物体8が第2の物体と同一の第1の物体の側に設置されるというものである。したがって、振動エネルギを作用させた結果として第2の物体の端縁および第3の物体(ここでは、突起)の部分を埋設するプロセスは、第2および第3の物体の側の方への熱可塑性材料の逆流を生じさせ、それによって、突起45とシート部分との間の空間が少なくとも部分的に充填される。
【0286】
また、図42の構成のような構成では、プロセスの結果、第2の物体2が第1の物体と第3の物体との間にクランプされる。
【0287】
図43は、第1の物体と第3の物体との間の噛合い嵌合接続が第3の物体8の材料を第1の物体1のアンダーカット構造141に侵入させることを備える図42の実施形態の変形例を示す。この目的のために、第3の物体は、少なくとも突起45の領域に、振動エネルギおよび押圧力の影響によって流動可能になる熱可塑性材料を備え得る。このような実施形態における第3の物体の熱可塑性材料は、第1の物体のものと同一の組成からなっていてもよく、または異なっていてもよい。
【0288】
第1および第3の物体の熱可塑性材料の材料ペアリングによっては、このような実施形態でも、これらの物体間に溶接部が生じ得て、物体のうちの一方にアンダーカット構造が存在したりしなかったりする。
【0289】
実施形態では、当該方法は、第2の物体に複数の取付け位置を設けることを備え、各取付け位置は、シート部分の端縁を備え、当該方法はさらに、端縁と熱可塑性材料との間で発生する摩擦熱により熱可塑性材料の流動部分が流動可能になって端縁の周囲を流れて端縁を熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋設するまで、各取付け位置で機械的振動エネルギをアセンブリに結合することを備える。これは、全ての取付け位置もしくは取付け位置の下位群で同時になされてもよく、または取付け位置で逐次的になされてもよい。各取付け位置は、たとえば、上記の種類の孔20を備え得て、当該孔に沿って端縁が延在している。
【0290】
図44は、複数の取付け位置200を有する第2の物体2を非常に概略的に示す。一般
に、このような取付け位置は、規則的または不規則な配置で設置されてもよく、二次元または一次元の(線に沿った)態様で分散されてもよい。特に、取付け位置自体が比較的小さくても、および/または、たとえば第1の物体の厚み制限により高さh(図1bを参照)が同等に小さくても、取付け位置の二次元配置は、全ての方向の傾斜力に対する安定性をもたらす。したがって、このような二次元配置により、第1の物体が非常に薄くても機械的に安定した接続部を生じさせることができる。
【0291】
本明細書に上記した接続部の1つの特徴は、異なる面内方向に延在して反対方向に突き出る部分を端縁が備えるという点において、第1の物体と第2の物体(図34a/図34bの実施形態のような実施形態では、第3の物体を含む)との間の接続部が全ての面内方向の相対力を吸収することができるというものである。
【0292】
少なくとも部分的に反対方向に突き出て(すなわち、これらの部分のうちの一方が突き出る方向が、これらの部分のうちの他方が突き出る方向の軸に沿った成分を有し、当該成分が反対符号を有する)、異なる方向に延在する端縁を有する部分を端縁が備えるというこの事実は、多くの場合有利であろう。なぜなら、それは全ての面内方向への形状ロックを提供することができるからである。上記の実施形態では、このような部分は、1つの単一の孔の周囲に形成される。
【0293】
図45aおよび図45b(図45bは、図45aにおける面B-Bに沿った断面を示す)は、変形セクションを形成する舌部28が孔20につき1つの面内方向にのみ第1の物体をロックする代替例を示す。しかし、異なる孔に属する舌部28は、反対方向の成分を有する方向を含む異なる方向に突き出ている。舌部28は、全体として、全ての面内方向に第1の物体をロックする。
【0294】
図46は、許容差補償の原理を示す。本発明による機械的接続部は、いろいろな意味で許容差補償に適している。第1の物体における取付け位置は、予め規定されなくてもよく、さまざまであってもよく、唯一の条件は、端縁が熱可塑性材料に、したがって端縁21の位置において埋設され、そこに組み込まれる材料が熱可塑性材料でなければならないというものである。
【0295】
-したがって、端縁21(または、より一般的には、取付け位置)の横位置、すなわち示されている座標系のx-y位置は、したがって、第1の物体1またはその熱可塑性取付けゾーン112のそれに従った横方向寸法の範囲内でさまざまであってもよい。図46において、mは、2つの可能な配置間の相対的横方向x位置の起こり得るミスマッチを示す。
【0296】
-また、相対的軸方向位置(z位置)はさまざまであってもよい。軸方向引張力に対して十分な強度を有するために、z突起における埋設部分Pの寸法は、特定の最小値Pz,minを有していなければならない。実際、用途によっては、0.2mm~1mmの埋設部分の最小z突起値で十分であろう(当然のことながら、これはより高い値を排除するものではない)。この最小寸法に達する限り、端縁が第1の物体に押込まれる程度(t)は予め規定されなくてもよい。したがって、互いに対する第1および第2の物体の相対的z位置は、幾何学的制約(たとえば、面が互いに対して当接している場合)および指定の最小寸法によってのみ規定される範囲内でさまざまであってもよい。図46において、mは、2つの可能な配置間の相対的z位置の起こり得るミスマッチを示す。
【0297】
図46においてシート部分が第1の物体に押込まれた際に材料流れの影響を受けるゾーンが116によって示されている。
【0298】
z方向の深さおよび可能なz許容差についての考慮すべき事項に鑑みて、角度α(図1bを参照、図46は角度β=90°-αであることを示す)は、恐らく有用なパラメータである。一般に、図47に示されているように、接続部が持ちこたえることができるさまざまな機械的応力値σについて、角度βが大きくなると、必要な最小深さtz,minは大きくなる。
【0299】
示されているzミスマッチを許容する可能性により、角度ミスマッチも恐らく本発明に係る接続部によって補償することができる。これは、図48に非常に概略的に示されており、図48では、第2の物体2のシート面と第1の物体の対応する面との間に角度ミスマッチγがある。
【0300】
図48は、ソノトロード6が第1および第2の物体を互いに押付ける軸方向がシート面に対して垂直でなくてもよい原理も(許容差補償から独立して)示している。
【0301】
多くの実施形態では、第2の物体に取付けられる第1の物体は、熱可塑性材料で構成されるのではなく、熱可塑性部分に加えて他の部分も有する。特に、図49に示されるように、第1の物体1は、少なくとも1つの取付けゾーン112に加えて機能ゾーン111を有し得る。取付けゾーン112または複数の取付けゾーン112の横方向寸法およびz寸法は、必要な許容差に従って設計され得る。
【0302】
実施形態では、第1の物体は、第2の物体の取付け位置への取付けに適さない少なくとも1つの機能ゾーン111と、熱可塑性材料を備える複数の取付けゾーン112とを備える。
【0303】
機能ゾーンと取付けゾーンとを有する実施形態群では、第1の物体は、2つの熱可塑性材料部分を備え、第1の熱可塑性材料部分は、端縁を埋設するために使用される熱可塑性材料を備え、第2の熱可塑性材料部分は、異なる熱可塑性材料を備え、当該異なる熱可塑性材料は、異なる特性を有する。
【0304】
図72は、それに従った例を示す。第1の熱可塑性材料部分356は、機能要素を規定および/または保持する。図72には、内側ねじ山358が概略的に示されている。第2の熱可塑性材料部分357は、第1の物体1を第2の物体2に取付けることに役立つ。
【0305】
熱可塑性材料部分は、異なる材料特性を有する。
-第1の部分の弾性係数Eは、第2の部分のそれに従った係数よりも大きくてもよく、たとえばはるかに大きくてもよい。
【0306】
-第2の部分357の(弾性的)伸長性は、第1の部分356の伸長性よりもはるかに高くてもよい。
【0307】
これによって、たとえば第1の物体と第2の物体との間の異なる熱膨張挙動を補償することができる。
【0308】
特に、本実施形態に従った二種類の熱可塑性材料を備える第1の物体は、二成分射出成形によって製造されてもよい。
【0309】
実施形態では、本発明は、第1および第2の物体を互いに取付けるための、本明細書に記載されクレームされている方法の使用に関係しており、第2の物体は、少なくとも1つの取付け位置、特に複数の取付け位置を有し、当該取付け位置は、端縁を規定して第1の物体の方に突き出る(たとえば、変形)部分によって構成され、第2の物体上に取付け位
置を位置決めするための第1の許容差は、第2の物体に対して第1の物体を最終的に位置決めするための許容差に対応する第2の許容差よりも大きい。
【0310】
言い換えれば、本発明は、物体を互いに対して同等に正確に相対的に位置決めすること(これは、物体のうちの一方を、他方の物体が取付けられる第3の物体に対して位置決めする要件を含む)が必要とされ得るが取付け位置の正確な位置決めがない状況に特に適している。したがって、これによって、効率の大幅な向上を実現することができる。なぜなら、取付け位置の正確な相対的位置決めは、複雑な装置では難題である場合があるが、本発明はこのような正確な位置決めを必要としないからである。それでも、一方の部分(たとえば、第1の物体)の、他方の部分を備える複雑な装置に対する位置は、非常に正確に規定されてもよく、これは、振動エネルギを印加する前の手動位置調整の可能性を含む。
【0311】
たとえば、本発明は、複数のアセンブリを製造することを含み得て、各アセンブリは、第2の物体に取付けられる第1の物体を備え、第2の物体は、少なくとも1つの取付け位置を備え、異なるアセンブリ間の取付け位置の位置の標準偏差は、物体の互いに対する位置(および/または、物体のうちの一方の、他方の物体が取付けられる第3の物体に対する位置)の標準偏差よりも大きい。
【0312】
図50aおよび図50bは、機械的振動エネルギを加える前に、第1の物体1の位置を第2の物体に対して正確に誘導する1つの可能な方法を示している。少なくとも1つの案内突起163を有する案内ツール162は、案内突起163が第1の物体の側方案内窪み161に係合することによって第1の物体1を保持し、案内突起は案内窪み161よりも顕著な曲率を有し、この記載で使用される座標系におけるその横方向位置xy位置を正確に規定することができ、一方、ソノトロードが第1の物体1に衝突するよう使用されるとき、z軸に沿った自由振動が依然として可能である。図50bは、たとえば、第1の物体が3つの側方案内窪みを有し、その中に案内ツールの案内突起が指状に係合することができることを示す。
【0313】
取付けのために第1の物体の第2の物体に対する位置を、たとえば図11および図12に示すように、ソノトロードによって案内するさらなる可能性がある。
【0314】
本発明の様々な実施形態は、機械工学および構造の様々な分野において多数の用途を有する。第1の例は、図51に非常に概略的に示されている。第1の物体1は、第2の物体2が属するフレームに位置決めされる物品152のための保持具(保持構造151を有する)である。フレームは複雑な構成を有することがあり、取付け位置200は、たとえば、正確に位置決めすることが難しい場合がある。
【0315】
自動車産業に関する実施形態では、フレームは、たとえば車体またはその一部であってもよく、物品は、たとえば、車の内部における技術的、機能的、または光学的な装飾要素などの、位置がユーザの目に見える装置、または他の物体であってもよい。組立を担当する機械技術者は、保持具1を、たとえば物品152がすでに組み込まれた状態で、目に見えるマーキング及び/又は基準点に関して正確な態様で配置して、心地よい印象を生じさせることができる。
【0316】
異なる取付け位置200への取付けは、同時にまたは次々に行なわれてもよい。
図51の実施形態の特別な特徴(第1の物体がフレームとは異なる目的を有する実施形態についても選択肢である)は、ソノトロード6が取付けのために配置され得る取付けフランジ156を第1の物体が有することであり、取付けフランジは、機能ゾーンを取り囲む取付けゾーンを画定する。
【0317】
取付けフランジは、第1の物体1の周辺部の、側方に突出した部分を形成する。それは、熱可塑性材料からなることができ;少なくとも遠位面は熱可塑性材料を含む。これは、第1の物体が第2の物体2の縁部と接触している第1の物体の遠位面に平行である、近位方向を向いている内結合面158を画定する。これにより、第1の物体がその機能のために、平面状の遠位面を有する形状とは異なる複雑な形状を有していても(図51では説明のため、平面状の遠位面を示しているが、表面形状は異なっていてもよい)、取付け位置において、より複雑でない形状が可能になる。
【0318】
取付けフランジは、第1の物体の全周囲を廻っていてもよいが、廻る必要はない。
取付けのために、寸法が許すのであれば、第1の物体の周囲を廻る単一のソノトロードを使用することができる。代替的に、特に、そのような単一のソノトロード策のエネルギ入力が高すぎる場合、複数のソノトロードを使用して、異なる取付け位置で第1の物体に同時に衝突してもよい。
【0319】
さらに別の選択肢によれば、1つのソノトロードまたは複数のソノトロードを使用して、異なる取付け位置で物体に順次衝突してもよい。この場合、ソノトロードが押付けられるそれぞれの取付け位置と第1の物体の残りの部分との間の振動結合が問題となり得る。特に、多すぎない振動エネルギが取付け位置から離れて伝導され、第1の物体の残りの部分に結合されるように、プロセスが適切に機能することが必要な場合がある。取付け位置を有するパーツと物体の残りの部分との間の機械的結合も、問題となる可能性があり、なぜなら、固定プロセスは、第1の物体を、エネルギが第1の物体(または第2の物体)に結合される取付け位置において、第2の物体に関して遠位方向に(またはその逆に)移動させることを含み、他の取付け位置では、そのような移動は不可能であるからである。
【0320】
構造に依って、周辺的であり比較的柔軟な構造を構成する取付けフランジの使用は、したがって、これらの要件に対処するのに十分であり得る。別のグループの実施形態では、第1の物体は、取付けフランジ156と第1の物体本体との間に弾性継手350を含む。これは、たとえば図69および図70に示されている。図69の実施形態では、弾性継手は、取付けフランジを第1の物体本体から振動で結合解除する首部を備える。図70には、むしろ一般的に、弾性継手を構成するばね要素が示されている。
【0321】
実施形態の更なる任意の特徴は、特に、取付けフランジとともに、しかしながらそれだけではなく、図71に示されている。第1の物体は、(たとえば、縁部が沿って延びる第2の物体の穿孔の位置に対応する位置において)第2の物体2によって画定された取付け位置に対応するように位置決めされた少なくとも1つの、たとえば、複数の、専用の、おそらくマーキングされた、近位方向に向いた結合面部分159を含むことができる。このような結合面部分は、第2の物体の縁部と接触する遠位面部分に平行である。
【0322】
図119は、取付構造が環状フランジではなく主本体660から外側に延びる複数の取付舌部650を含む実施形態を示す。図119の実施形態では、主本体と取付舌部との間に任意の弾性継手350が示されている。主本体を取り囲むフランジの代わりに複数の別個の舌部を有する実施形態は、第2の物体が平坦ではなく、図119にも概略的に示されるようなより複雑な3D形状を有する状況に特に、適しているが、それだけではない。
【0323】
さらなる独立した特徴も、図119に示されている。ソノトロード6はマーキングスタンプ特徴を含む。これにより、プロセスの後に取付け舌部の1つの上に上面図を示す図120において、プロセス中にマーキング671が生成される。このようなマーキング671は、固定プロセス後の製造段階において、たとえば、作業者に、下側の第2の物体が穿孔を有する場所が分かり、たとえば、必要であれば、アセンブリを通して要素(ねじ、ピンなど)を駆動できるため、有利であり得る。
【0324】
図52は、さらなる適用例を示し、すなわち、第1の物体1は、摩擦および/またはスナップイン係合で物品172を固定するための基部である。スナップイン係合のために、物品172は、第1の物体のスナップイン窪み171に係合するための側方突起173を含む。
【0325】
さらに別の応用が図53に非常に概略的に示されている。第2の物体2の変形セクションは、第1の物体1が取付けられるのに十分な寸法を有し、一方、変形セクションの非埋め込み部分は、第1の物体がシート面に当接しないように、依然としてかなりの延在部分を有する。縁部がどのように走るかに依存して、および第2の物体が十分に弾性変形可能である場合、第1の物体の第2の物体に対する傾動の可能性が残され、第1の物体および第2の物体は各々に関して振動結合解除される。
【0326】
図54は、第2の物体2が、狭義において金属シートを有さず、その縁部が縁部を形成する、実施形態を示す。むしろ、第2の物体は、たとえば変形ステップなしに製造されたダイカスト金属物体である。縁部は、ダイカストプロセスによって成形される隆起状突起29に属する。
【0327】
-これにより、任意の縁部形状が実現可能となる。これには、複数の隆起状の突起29を有し、したがって互いに隣接する縁部を有する可能性が含まれる。
【0328】
-また、多くの実施形態では、図54の場合と同様に、第2の物体は、延在された平坦な、板状またはシート状の部分を有するが、これは要件ではない。むしろ、縁部はダイカストによって形成されるので、物体は任意の基本形状を有することができ、それにもかかわらず縁部を含むことができる。たとえば、図54の実施形態では、シート状部分は、縁部で終端する比較的小さな隆起状突起29によって形成される。
【0329】
以下では、固定部に対する調整部のz位置を調整する概念を含む本発明の実施形態の原理を説明する。一般的に、上述した実施形態におけるz方向は、取付け位置のまわりにおいて第2の物体2によって規定される平面(シート面)に垂直な方向であると仮定し、それは、第1の物体を第2の物体に固定するために振動ツールが押圧される方向(軸)に対応し得る。以下に記載される原理は、z位置を調整する一般原理として理解されるべきであり、図示された特定の形状および構成に限定されることを意味しない。この概念を示すすべての図において、第2の物体は、図1aおよび図2bに図示および記載された種類の取付け位置を有するように示されている。しかしながら、この概念は、本発明によるアプローチを実施する他の種類の取付け場所を有する実施形態にも適用される。
【0330】
図55は、第1の物体1によって構成された固定部に対して調整部201のz位置を調整することを備える方法の実施形態の第1の例を示す。この実施形態は、調整部201が熱可塑性材料を含み、固定部に溶接することができる実施形態群に属する。
【0331】
本明細書に記載されている他の実施形態に関しては、調整部は、接続部分、フランジ、一体型機能担持体(電子/装飾または他の機能デバイスなど)などの機能要素を任意に備えることができる。
【0332】
この方法を実施するために、たとえば第1の段階において、第1の物体1は、前述の方法でソノトロード6を用いて第2の物体2に固定される。この際、エネルギがアセンブリ内に結合されている間に第1の物体を遠位方向に押圧するステップは、遠位面12が第2の物体の平坦な部分と接触するまで行なわれてもよく、そうすると、第1の物体1のさらなる遠位方向移動に対する機械的抵抗が実質的に上昇する。それにより、第2の物体に対
する第1の物体のz位置が明確に規定される。
【0333】
第2の段階では、調整部201の第1の物体1に対する位置が調整され固着される。この目的のために、振動がソノトロードに、およびソノトロードからアセンブリに結合されている間に、さらなるソノトロード206が、調整部を機械的抵抗に対抗して遠位方向に前進させる。機械的抵抗により、第1の物体1と調整部201との境界面に摩擦熱が発生し、両者の材料が流動可能となる。その結果、第1に、調整部のさらなる遠位移動が可能になり、第2に、再凝固後に、第1の物体1と調整部201との間に溶接部が生成される。前進運動は、特に公差の変動を補償するために、所望のz位置に達するまで実行される。指定文字Δzは、可能な相対z位置の変動を示す。
【0334】
ソノトロード6およびさらなるソノトロード206は、別個の装置として示されている。代替的構成では、これは必要ではない。たとえば、ソノトロードが軸に関して対称でない場合、このソノトロードは、その向きの調整(たとえば、90°ツイスト)の後、調整部を前進させて固着するステップのためにも使用することができる。
【0335】
さらに別の代替案によれば、(第1の)ソノトロード6およびさらなるソノトロード206は、同時にまたは部分的に同時に作用することができる(後者の場合、たとえば第1の-ソノトロード6が停止する前にさらなるソノトロードが作用し始める)。第1のソノトロード6とさらなるソノトロード206との相対位置は、z位置の調整を規定する。
【0336】
図示された実施形態では、調整部の前方(遠位)移動に対する必要な機械的抵抗は、以下の幾何学的特性によって達成される。
【0337】
-第1の物体1(固定部)は、近位方向に向かって階段状または先細りの外面を有する。
【0338】
-調整部は、固定部の先細り部分の上に置かれた管状遠位部分を有する。
図56の実施形態は、図55の実施形態と同様の原理に基づいている。しかしながら、後者とは対照的に、固定部(第1の物体1)に対する調整部201のz位置の調整は、さらなるソノトロードを押圧して調整可能な距離だけ前進させることによってではなく、たとえば、さらなるソノトロード206を位置決めする前に、調整部201を、調整部を固着するエネルギ入力に先立って、固定部に対して移動させることによって、行なわれる。図示の実施形態では、調整部201を、第2の物体2に固定された固定部に対して回転させることによって位置を調整できるように、固定部は、調整部201の雌ねじと協働する雄ねじ212を有する。その後、さらなるソノトロード206によって入力されたエネルギが、調整部を固定部(第1の物体1)に対して溶接するように作用して、調整部を固定部に固着することができる。
【0339】
雄ねじを有する代わりに、第1の物体1は、調整部の雄ねじと協働する雌ねじを有することもできる。また、後続の固着ステップのためにz位置を仮止めするための他の手段、たとえば、異なる固定深さとの差込み式の結合(別個の調整)なども可能である。
【0340】
図57aおよび図57bは、固定部(第1の物体1)および対応する調整部201の実施形態をそれぞれ示している。調整部201は、固定部の中央近位部分に案内されるように固定部に対して配置されるよう形状化されるリング状のセクションを有する。これにより、調整部201は、固定部に対して回転可能となる。この場合、調整部の傾斜セクション262が固定部の傾斜セクション261の上にあり、これにより、固定部に対する調整部の回転により、相対的なz位置が、ねじ接続と同様に、シフトする。傾斜セクション261,262の少なくとも1つは、後続の固着ステップにおいてソノトロードが固定部お
よび調整部を互いに押付けたときに固定部および調整部が互いに対してシフトしないように、(概略的にスケッチしたように)波形にすることができる。
【0341】
図58aは、第1の物体1である固定部および調整部201を示し、固定部および調整部のうちの一方(図58aでは調整部)は、他方に向かう突起221のパターンを有する。調整および固着のために、調整部201は、調整部が固定部に溶接されるようにエネルギが衝突する間にソノトロードによって固定部に押付けられる。ここでは突起は、エネルギ誘導部としておよび崩壊可能な距離保持具の両方として働く。調整部が固定部内にどれだけ進入されるかの程度は、相対的なz位置を調整するのに役立つ。図58bおよび図58cは、突起221の異なる断面プロファイルを示す。突起は、閉じた輪郭を形成しないように構成され、固定部と調整部との間に閉じ込められた空気が逃げることができる。
【0342】
図59は、溶接プロセス後の対応する構成の断面を示す。固定部と調整部201との間の開口部228の残存度合いは、調整された相対的なz位置に依存する。
【0343】
調整部は、図59では、説明目的のため、別の物体を構成にクリッピングするための固定部分231を含むように示されている。代わりに、他の実施形態と同様に、調整部201は、他の構造または機能要素を含むことができる。
【0344】
最初に分離した部分である代わりに、調整部および固定部は、調整部が固定部に溶接された、既に予め組立てられたユニットとして提供することができる。そして、調整部および固定部両者のアセンブリが第1の物体となる。このプロセスのために、近位端面に作用する(単一の)ソノトロードを用いて、エネルギをアセンブリに結合させ、アセンブリを第2の物体に押付ける。第2の物体の縁部の優れたエネルギ誘導特性により、まず熱可塑性材料は境界面においてこの縁部に流動可能となり、アセンブリは、第2の物体の、近位側に突出する部分に押込まれる。遠位面12が平面部分に達するときにのみ、抵抗が増大し、突起221によって形成される領域は、所望の相対的なz位置に達するまで崩壊することを開始する。
【0345】
図60は、突起に加えて、調整部201の周辺部分222が、固定部(ここでは第1の物体1)の一部を少なくとも部分的に取り囲む変形例を示す。この手段によって、プロセス中の調整部の案内が容易になり、固定部の包囲された部分の周囲223に沿って、たとえば溶接部のような他の接続が生成される。
【0346】
図61aは、固定部241と調整部242との両方が第1の物体1に属し、相互に一体である他の変形例を示す。一連の空洞243は、固定部241と調整部242との間の崩壊ゾーンを画定する。このプロセスのために、第1の物体の近位端面に作用するソノトロード6は、第1の物体1にエネルギを結合し、第1の物体1を第2の物体2に押圧する。第2の物体2の縁部の優れたエネルギ誘導特性により、まず熱可塑性材料は境界面においてこの縁部に流動可能となり、アセンブリは、第2の物体の、近位側に突出する部分に押込まれる(図61a)。遠位面12が平面部分に達するときにのみ、抵抗が増大し、突起221によって形成される領域は、所望の相対的なz位置に達するまで崩壊することを開始する。図61bは、大部分が崩壊した崩壊ゾーンを伴う結果を示す。崩壊ゾーンが崩壊する程度は、z位置調整を規定する。
【0347】
図55図61を参照して説明された実施形態は、すべて、固着材料である固定部に対する調整部の固着に基づいており、すなわち、プロセスの後、調整部と固定部とは共に融着される。
【0348】
代替的なグループの実施形態では、代わりに、最初に第1の物体から分離していてもよ
いが必ずしもその必要はないコネクタ片を提供するという上述の概念を用いて、固定部に対して調整部のz位置を調整するという概念を実施してもよい。コネクタ片が最初に分離されていない場合、対応するピースは本明細書では「液化可能でない材料からなる本体」とも示される。この代替的なグループの実施形態では、第1の物体の熱可塑性材料本体(第1の物体全体を構成し得る)とピース(コネクタ片、液化可能でない本体)との相対的な位置は、プロセス中に調整可能である。この場合、コネクタ片は調整部として作用し、それが相対的に固定される第1の物体は固定部として作用する。
【0349】
図62は、この概念の第1の実施形態を示す。コネクタ片3は、図7と同様に、ナットであり、雌ねじ39と外側保持構造31とを有する。調整および固着のステップのために、たとえば第1の物体1を第2の物体2に固定するステップの後に、ソノトロード206を使用してコネクタ片を第1の物体に押し込み、同時に振動エネルギをコネクタ片に結合して、熱可塑性材料の部分を流動可能にして、コネクタ片を第1の物体の材料内に移動させてもよい。コネクタ片3が所望のz位置に到達すると、前進およびエネルギ入力が停止される。熱可塑性材料の部分が再凝固した後、それらが保持構造に相互貫入することよって、それらはz位置を固定し、コネクタ片を第1の物体1の材料に固定する。
【0350】
図示された実施形態では、第1の物体1には、コネクタ片が前進する、(コネクタ片の外寸と比較して)小さいサイズの開口部270が設けられている。任意で、図62に示すように、開口部は貫通開口部ではなく、底部271によって終端されているので、第1の物体は、先に記載された実施形態におけるように、第2の物体の近位側をその遠位側から封止する封止を提供する。
【0351】
代替的に、コネクタ片3自体を、図7のコネクタ片と同様に、ねじ筋を担持する開口部が貫通開口部ではなく盲穴であるようにすることができる。
【0352】
さらに別の代替物では、近位側と遠位側との間の封止は、以下でさらに説明される例の場合のように、必要ではない。
【0353】
図63は、開口部270が貫通開口部であり、コネクタ片3も貫通開口部を有するナットである変形例を示す。
【0354】
図63の実施形態のさらなる任意の特徴として、コネクタ片を第1の物体に押し付け、z位置を調整するように作用するさらなる第2のソノトロード206は、近位側からではなく遠位側から作用し、つまり、第1の物体1を第2の物体2に固定するために使用される第1のソノトロード6と同じ側からは作用しない。
【0355】
コネクタ片のz位置が近位側から、または遠位側から調整されるかどうかにかかわらず、コネクタ片に後で固定されるねじまたは他のファスナが、近位側または遠位側から配置されてもよい。
【0356】
勿論、機械的な振動の効果によって挿入/固定される代わりに、コネクタ片3は、押圧されることによって、またはそれが自己係止(外部)ねじ筋を有する場合には、単に第1の物体にねじ込まれることによっても、挿入され得る。固定プロセスとは無関係にz位置を調整するという概念は同じままである。
【0357】
図64aおよび図64bは、コネクタ片3が、第1の物体の先細りの開口部252と協働する先細部分を有する構成を示している。ソノトロード206によってコネクタ片3の先細部分が開口部252に押込まれる程度は、相対的なz位置を規定する。前の実施形態と同様に、コネクタ片は、第1の物体1に対するコネクタ片の噛合い嵌合固定をもたらす
ために、液化され再凝固される熱可塑性材料部分と協働する外側の結合構造/保持構造を備えることができる。
【0358】
図64aおよび図64bに示す以下の付加的な選択肢特徴は、この概念とは独立しており、および互いに独立している。
【0359】
-コネクタ片は、さらなるパーツのためのクリップオン接続のためのベースを形成する頭部を有する。
【0360】
-第1のソノトロード6は、成形のために、およびたとえば開口部252を少なくとも部分的に生成するためにも使用される遠位突起62を有する。この目的のために、第1の物体は、最初に、第2の物体2に固定される前に、普通より小さいサイズの予備的な開口部しか持たず、第1の物体の材料は、第2の物体に固定するプロセスの間に第1のソノトロード6によって退かせられる。
【0361】
図64aおよび図64bの概念は、貫通開口部252または先細りの盲穴の両方で動作してもよい。
【0362】
図65は、コネクタ片が(先に説明した実施形態のように、特に図4a、図5a、図6図8図15図62図64b)単にインサートではなく、第1の物体の近位方向に向いた部分を包含し案内する周囲カラー部分を有する実施形態を示す。周囲カラー部分は、内向きの保持構造31を備えることができる。同様に、ここでは雌ねじ39を有する中央部分は、第1の物体の材料と協働するための、外側を向くそのような保持構造を有することができ、該中央部分は第1の物体の開口部に押込まれる(図65参照)。
【0363】
図66図68は、インサートのための異なる結合構造を示す。インサートは、たとえば、図55図61を参照して説明した種類の例に対して、調整部201に存在するインサート16であってもよく、固定部と調整部とのアセンブリは、さらなるパーツを第2の物体に接続するための固定部としての役割を果たすことができる。代替的に、インサートは、前述の意味で、液化可能でない材料の塊であるインサートであってもよい。さらに別の代替例として、インサートは、たとえば、上述した意味で調整部として働くコネクタ片であってもよい。
【0364】
図66において、インサートは、雌ねじを有するナットであり、たとえば、外側保持構造である。図67において、インサートは、ナットまたは他のピースがねじ止めされ得るねじ切りされたバーを備える。固定された部分191は、第1の物体1または調整部201の熱可塑性材料それぞれに埋め込まれる。図68は、同様に、接続上のクリップのための固定頭部を有するインサートを示す。もちろん、他の構造も可能である。
【0365】
熱可塑性材料に埋め込まれる部分を有することによって熱可塑性材料に固定される代わりに、解放可能な接続を含む他の接続も可能である。たとえば、インサートおよび第1の物体/調整部に差込み結合構造を設けることができ、これにより、インサートを結合凹部に挿入し、ねじり運動によって固定することができる。
【0366】
ここでは、第1の物体と第2の物体とを互いに固定することが、z位置を調整するステップに先立って実施される実施形態を参照して、主として固定部に対する調整部のz位置を調整する概念が説明されている。これが当てはまる実施形態では、固定のステップおよび調整のステップは、たとえば製造ラインの異なるステーションなど、異なる場所で任意に実行されてもよい。
【0367】
さらなるグループの実施形態によれば、z位置を調整することは、固定の前に実行されてもよい。たとえば、第2の物体(または第2の物体を含むアセンブリ)および/または他の任意の部分(第1の物体、第1の物体に固定されるべき他の物体)の特定事項に関する測定データを最初に得てもよい。これに基づいて、予め、所望のz調整を計算してもよい。次に、たとえば本明細書に記載された任意の概念に基づいてz調整を行ってもよい。これらの実施形態では、z調整が行なわれた後でのみ、固定が行なわれる。
【0368】
この下位概念は、製造プロセスにおいてステップを分離するために使用することができる。特に、第2の物体が比較的大きいか、または比較的大きなプレアセンブリ(たとえば車体)に属している場合、このことは有利であり、なぜならば、z調整ステップははるかにより小さなステーションで実行され得、主要プロセスを遅延させないからである。この原理は、図107に非常に概略的に示されており、450はz調整ステーションを示し、451は固定ステーションを示す。
【0369】
図121は、本発明の実施形態による可能なプロセスのフローチャートを示し、このプロセスは、たとえば公差補償のための第2の物体に対するコネクタ(または同様のもの)の位置の調整を含む。
【0370】
開始(S)の後、第1のステップ701において、考えられ得る公差の不一致が測定される。その後、正しい位置または位置補正が計算される(ステップ702)。コネクタまたは他の機能部品が第1の物体に属し、それと一体である場合、次いで、第1の物体および第2の物体は、計算された補正位置x、y、z、(角度)において互いに対して位置決めされ(ステップ703);たとえば、後続のステップ中の第1および第2の物体の相対的移動を見込むzオフセットを差し引いたものである。次に、第1の物体を第2の物体に固定するための固定ステップ704が、本明細書に記載されているように実行される。
【0371】
しかしながら、コネクタが固定部と調整部とを備える場合(一体形ではない場合、またはたとえば崩壊可能/拡張可能なゾーンを含む場合)、さらなる区別がなされる。第1のグループでは、固定部が第2の物体に固定される固定ステップ708の前に、固定部に対する調整部の位置が調整され(ステップ706)、固着される(ステップ707)。任意で組み合わせることができる調整/固着ステップは、次の固定ステップと同じステーションで行ってもよく、または異なるステーションで行ってもよい。
【0372】
第2のグループでは、第1に、固定部を第2の物体に固定する固定ステップ7011が実行され、次に調整および固着ステップ(これらもやはり組み合わされてもよい)が実行される。
【0373】
両方のグループの実施形態では、固着ステップおよびおそらくは調整ステップも前述のように固定ステップと組み合わせることができる。
【0374】
第2のグループの実施形態では、フローチャートに示されているものとは対照的に、測定および計算ステップ701,702は、固定ステップ711の後に実行されてもよい。
【0375】
z調整を伴う、または伴わない実施形態では、z方向の接続の延在が問題となる可能性がある。たとえば、第1の物体は、コネクタであるか、またはさらなる物体を第2の物体に締結するためのコネクタに属し得、このさらなる物体は、第2の物体に比較的接近していなければならない(低い高さの接続)。
【0376】
たとえば、図62図63図64b、図65の実施形態は、この問題に対処するために、第1の物体に、第2の物体の穿孔20内にシート面(規定されている場合)を通って
延在する延在部分を設け、たとえば第1の物体のこの部分に、さらなる物体を第1の物体を介して第2の物体に固定するための保持構造(雌ねじ39)または他の取付構造を設ける。
【0377】
さらに別の実施形態を図116に示す。第1の物体は、図62に示す構造と同様の構造を有する。この実施形態とは対照的に、アンビル600が使用される。アンビルは、(穿孔の中心を基準として)縁部の径方向内側に案内突起を含み、第2の物体2の縁部の遠位側の材料流れを径方向外側に向けて環状受入れ凹み602内に導く。アンビルは、穿孔内に延在し開口部270を含む延在部分269を収容するための凹部を含む。
【0378】
図116に示すソノトロード6は、開口部270と協働してソノトロードを案内する案内突起62を備え、さらにたとえば図87を参照して後述する原理を実施する。これらの特徴の両方は、図116の実施形態の他の特徴とは無関係であるが、最適化された固定プロセスを支援することができる。
【0379】
図117は、さらに別の実施形態を示す(ソノトロードは図117には示されていない)。図116の実施形態と同様に、アンビルを用いて材料の流れを導き、アンビルは、延在部分269を収容するための凹部(図示の実施形態に代えて、貫通開口部であり得る)を有する。
【0380】
アンビルを含む任意の実施形態の、ある可能な原理が、図117にも示されている。受入窪み602の容積(図117の破線より下)は、流動に利用可能な熱可塑性材料部分の体積よりもいくらか小さいように選択することができる。図117において、この利用可能な材料部分は、第1の物体の環状突起605の体積に対応する。アンビルの受入構造の容積が熱可塑性材料の利用可能な体積よりも小さい場合には、一方の第1の物体と他方の第2の物体およびアンビルとの間に押圧力を加えることにより、有益な成形圧力を達成してもよい。
【0381】
さらなる選択肢が図111および図112に示される。第2の物体は、縁部21が沿って延びる少なくとも1つの穿孔20(図示の実施形態では3つの穿孔20)に加えて、延在開口部510も備える。
【0382】
穿孔の位置とは対照的に、第2の物体は、延在開口部510に沿って第1の物体の側に突出していない。したがって、延在開口部の周りの第1の物体のz延在は、要件に応じて自由に選択することができる。固定開口部の形状および寸法も、固定プロセスに必要な任意の特性とは独立して選択することができる。
【0383】
図111図112の実施形態では、第1の物体1は、延在開口部510の開口を通って開口部内に延びるカラー512である延在部分を有する。カラーは、図に示すように、本質的に管状であってもよい。コネクタ片3は延在開口部内に延びている。コネクタ片3は、連結要素530と協働して、さらなる物体501を第2の物体に固定する。この目的のために、連結要素530は、さらなる物体501をコネクタ片に締め付けるための頭部531を有するように示されている。さらなる物体501をコネクタ片に固定するための他の構造を、図示のものに代えてまたはそれに加えて適用することができる。
【0384】
コネクタ片3は、頭部521と軸部522とを備え、軸部は、両矢印Δzで示すように、異なるz位置でカラー512に固定することができる。一方のカラー512(より一般的には第1の物体)と他方の軸部522(より一般的にはコネクタ片3)との間の機械的接続は、ねじ接続、他の種類の噛合い嵌合接続および/または圧力嵌め接続、材料接続(溶接または接着接続またははんだ接続など)など、任意の好適な接続であり得る。
【0385】
図112はさらに、延在開口部510の開口を通って延びるカラーの寸法が、第2の物体に対する第1の物体の面内位置(x-y-位置)のなんらかの調整が可能であるようにすることができることを示している。
【0386】
図113は、図111図112の構成の変形を示し、以下の追加の特徴が実現される:
-第2の物体2および/またはさらなる物体は、本質的に平面ではなく、任意の3次元形状を有する。したがって、シート面は、穿孔20の周りおよび延在開口部の周りに局所的にのみ画定される。それに応じて、第1の物体の形状が適合される。
【0387】
-延在開口部の口部を通って、さらなる物体501の側から離れるように延在する第1の物体の延在部分は、その側に向かって開いたカラーではなく、カラー512は底部513に向かって、それにより閉鎖される。
【0388】
-第1の物体1は、熱可塑性材料から成っていないが、機能ゾーン111を構成する第1の部分(本体)と、取付けゾーン112を構成する第2の部分とを含む。機能ゾーンは、取付けゾーンとは異なる材料、特に非熱可塑性材料であってもよい。これにより、機能ゾーン材料は、たとえば、優れた寸法安定性を有することができる。特に、機能ゾーンは、金属材料、または取付けゾーンの熱可塑性材料よりもより硬いプラスチック材料、たとえば複合材料などであってもよい。
【0389】
○特に、取付けゾーンを構成する第2の部分112は、機能ゾーンを構成する第1の部分に対して、選択肢的に接着剤接続などの他の接続に加えて、噛合い嵌合によって保持することができる。図113において、第1の部分は、第2の部分112を構成する熱可塑性物質によって充填されるアンダーカットの窪みを有するように描かれている。
【0390】
図113では、第1の物体1が、コネクタ片の雄ねじと協働する雌ねじである締結構造を形成するように描かれている。異なる深さでの一連の差込み嵌合状構造体、接着剤チャネルなどの他の締結構造も可能である。
【0391】
これらの特徴は、互いに独立しており、すなわち、それらを個別にまたは任意の組み合わせで実現することが可能である。
【0392】
図73図79を参照して、必要なエネルギおよび力の入力を低減するために、接触側に構造、たとえば窪みおよび突起のパターンを設ける原理を説明する。
【0393】
図73は、第1の物体1、第2の物体2、および第1の物体1の近位に配置されたソノトロード6の構成を示す。第1の物体は接触側(図示の構成では遠位側)において、突起301と突起間の窪み302とからなるパターンを有する。これにより、プロセス中に第2の物体に対して流れる熱可塑性材料の流動部分は、流れ込む空間を有する。これは、第2の物体によって退かせられた過剰な材料が穿孔を通るかもしくは横方向のいずれかに押し出されなければならないか、または押圧方向に抗して第2の物体に向かって逆流しなければならず、その場合、かけられる力およびエネルギはより高くなければならない、接触側の構造のない実施形態とは対照的である。
【0394】
図74においてより詳細に示されるように、以下の可能な設計基準が適用され得る:
-突起の全体の体積Vは、窪みの全体の容積Vにほぼ等しくてもよく、すなわち、接触側の中央平面は、突起および窪みのそれぞれ山および谷からおおよそ等しい距離にあってもよい。
【0395】
-窪みの深さhは、突出したセクションの高さhよりも小さくてもよい。この設計基準は、特に、第1の物体と第2の物体との間の接続が封止でなければならないことに適用される。
【0396】
これらの基準は、互いに独立している。
接触側からの第1の物体の図を概略的に示す図75および図76は、可能な窪み/突起のパターンを示す。図75の放射状パターンは、中央部分304から径方向に延びる窪み302および突起301を含み、中央部分はプロセスにおいて第2の物体の穿孔と位置合わせされ、後者よりも小さい直径を有する。図76は、チェスボード状のパターンを示す。
【0397】
図77図79は、突起と窪みとからなるパターンを形成する突起の代替的な断面を示す。図77の断面形状は、図73および図74の矩形形状と同様であるが、わずかに先細りになっている。図78は、エネルギ誘導特性を有する尖った形状を示す(多くの実施形態では、第2の物体の縁部のエネルギ誘導特性で十分であるが、第1の物体の追加のエネルギ誘導特性がいくつかの状況において有益であり得る)。図79は、突起301の矩形断面の本体と、エネルギ誘導隆起部305とを含む組み合わせを示す。
【0398】
図80および図81には、主穿孔20および主穿孔の周辺に沿って分布した複数の周辺穿孔310を有する第2の物体の実施形態が示されている。図80は第2の物体の上面図を示し、図81はプロセス後に第2の物体2に取付けられた第1の物体1を示す。周辺穿孔は、主穿孔よりも小さく、第2の物体シート面から近位方向に突出する第2の物体のセクションに配置され、すなわち、周辺穿孔は、シート材料がシート面に対して傾斜している箇所に配置される(図81参照)。さらに、図81に示すように、シートは、周辺穿孔のうちの1つ以上に沿って、突出セクションによって画定される曲面から、特に近位方向に向かって突出するように変形され、周辺穿孔変形セクション313が、湾曲した表面を示す破線に関して、近位方向に向かって曲げられるように示されている。
【0399】
図82は、突出セクションの高さhが第2の物体の縁部に沿った位置の関数として異なる点で、周辺部に沿った第2の物体の変形セクションが非対称である実施形態を示す。図示の断面図では、0<h<h<dの関係が成り立つ。
【0400】
図82のような非対称の変形セクションは、たとえば、非対称的な荷重が物体間の接続部に衝突すると予想される場合に望ましい。非対称の変形セクションは、製造条件のためにも存在することがある。たとえば、第2の物体が単に平面ではなく、より複雑な3D形状を大規模に有する場合、固定軸(遠近軸;図82の垂直軸)は変形軸とは異なることがある。図83は、穿孔および穿孔の周りの変形セクションに至る変形を引き起こす穿孔工具320を示すことによって、これを非常に概略的に示す。
【0401】
変形セクションが全周に亘って延びていない場合、すなわち、h=0の部分がある場合、図84に示すように、変形セクションが周囲を180°以上延在する状態が考えられ得る。しかしながら、用途および構成に応じて、これは必ずしも当てはまる必要はない(たとえば、図15参照)。
【0402】
図85は、適切な形状の第1の物体の接触側によるz位置制御の可能性を示す。第1の物体は、第2の物体の縁部と接触する位置の周辺に、遠位方向を向く足部341を有する。また、足部は、第2の物体の突出セクションよりも側方に配置されているので、振動が衝突して第1の物体と第2の物体とが互いに押付けられたときに、第1の物体および第2の物体の互いに対する相対的な移動が、シート面が画定されているシート部分に足部が当
接するまで、生じ得る。それにより、第2の物体に対する第1の物体のz位置は、スペーサとして機能する足部の寸法によって規定される。
【0403】
図86に、簡略化したプロセス図を示す。第1の物体と第2の物体とを互いに対して移動させるのに必要な、相対的な位置aの関数として示される押圧力Fは、足部が第2の物体に当接すると、強く上昇する(破線)。これは、閾値力Fを規定するために使用されてもよい。必要とされる力が閾値レベルに達するとすぐに、プロセスは停止されてもよい。
【0404】
図87は、ソノトロード6と第1の物体1との間の結合面を、第2の物体の形状および縁部の位置に合わせた領域に面内(x-y)延在が制限された領域に制限する原理を示す。たとえば、結合面は、第2の物体2の縁部の経路を辿るレーンに限定されてもよい。縁部が沿って形成される穿孔を有する実施形態では、結合面は、中央開口部を有するリング形状である。
【0405】
この目的のために、図87において、ソノトロードは、遠位側リング形状突起331を含むように形成され、それによって、プロセス中に中央の中空空間332が形成される。
【0406】
図88に示すように、概略的な垂直方向の保護を示して、結合面333(破線)は縁21の両側を延びる。
【0407】
中空空間を形成するソノトロードを有するそのような構造は、穿孔20に対して中心に配置され得る機能要素がソノトロードと直接接触しないことを可能にするさらなる利点を特徴とし得る。図89は、ねじ切りバーであるコネクタ片3を含む第1の物体の例を示し、図90は、コネクタ片3としてブッシングを有する第1の物体を示す。
【0408】
図91は、結合面を制限する原理は、対応してソノトロードを成形することによって実施される必要はなく、追加または代替として、第1の物体1の近位面を、結合面を画定する形状にすることができることを示す。図91において、第1の物体は、第2の物体2内の穿孔20と位置合わせされるよう窪み335を形成する。図91では、ソノトロード6の遠位側外結合面は、本質的に平坦であるように示されており;たとえば、第1の物体の案内窪みと係合する案内突起を含む、他の形状も可能である(図示せず)。
【0409】
あるグループの実施形態では、結合面が穿孔および縁部の位置に適合される実施形態でもあるが、それだけではなく、本方法は、第1の物体および/またはソノトロードの第2の物体に対する位置、特に面内(x-y)位置の調整を含む。
【0410】
このグループの第1のサブグループにおいて、第2の物体2に対するソノトロード6の位置は、たとえば、取付けフレームを含む機械によって規定される。この第1のサブグループを図92に模式的に示す。ソノトロードと第2の物体2との間に配置することができる第1の物体1の位置は調整可能である。第1の物体の位置を調整する必要がある可能性がある精度は、第1の物体の性質および機能ならびに要件に強く依存する。
【0411】
実施形態の第2のサブグループは、ソノトロード6に対する第1の物体1の位置を規定することを含む。第2の物体に対する第1の物体とソノトロードとのアセンブリの位置は調整可能であってもよい。この場合も、x-y位置を調整する必要がある精度は、構造および要件に強く依存し得る。図93は、第2のサブグループの原理を概略的に示す。ソノトロードおよび第1の物体の相対的な面内(x-y-)位置は、ソノトロードの案内突起62が第1の物体の対応する案内窪みと協働することによって固定される。しかしながら、相対的な面内位置を規定する他の手段が存在する。
【0412】
図94および図95は、第1のサブグループを示し、プロセスのために第1の物体を保持および位置決めするための可能な設定を示す。示される原理は、図50aおよび50bに示される原理に類似している。ある可能な要件は、第1の物体を案内する手段は、それが取付けられている骨組み(たとえば、保持枠または筐体によって構成される)から第1の物体を振動によって結合解除するよう必要であることである。図50aおよび図50bに示すように、これは案内ツールの形状によって達成される。図94および図95は、その代替えとして、調整可能なx-y位置をそのうちのいくつかが有する調整ツール362に取付けられたばね361である案内ツールを示す。設定は、たとえば、ばねが第1の物体1の周囲に分散された、3つまたは4つのそのような調整ツール362を含む。4つの調整ツールが存在する場合、反対の位置にある調整ツールは、互いに結合され、一緒に移動可能である。
【0413】
図96図100は、実施形態の第2のサブグループを指し、プロセスのために、ソノトロード6に対する第1の物体1の面内位置を規定および固定する構造を示す。図96によれば、ソノトロードには吸引チャネル371が設けられており、吸引チャネル371を介して真空が適用され、第1の物体がソノトロードの近位面に一時的に吸着される。図97に示すように、少なくとも1つのそのような吸引チャネル371と固定との組み合わせが可能である。たとえば、図97のソノトロード6は、第1の物体1の中に侵入し、それによって横方向位置を固定する案内先端部373を含む。第1の物体への侵入は、吸引チャネルに適用される真空によって、および/またはおそらくは振動で補助される押圧力によって、引き起こされ得る。後者の場合、第1の物体の材料は、エネルギ入力による案内先端部の侵入のために局所的に流動可能にされてもよい。
【0414】
尖った案内先端部373の代わりに、ソノトロード(または第1の物体)が環状隆起部を備える場合、第1の物体とソノトロードとを互いに押付けることにより、振動がソノトロードに結合されるときの漏れの問題の可能性も対処される。そうでない場合、吸引速度は、真空を維持するためにそのような漏れを補償するのに十分でなければならない。
【0415】
案内先端部373または他の侵入案内手段は、アンダーカットされる必要はない。面内案内、およびおそらくは一時的な完全な固定も、案内手段が第1の物体の材料に、後者の場合、たとえばモールス信号状の状態で、到達することによって引き起こされ得る(案内手段の形状は適切に選択される)。
【0416】
ソノトロード6に向かって第1の物体を吸引する真空は、案内先端部(または他の侵入案内手段)が第1の物体に侵入した後にオフされてもよい。
【0417】
図98はさらなる可能性を示す。ここでは、案内ロッドである案内要素381が、ソノトロード6および第1の物体1の両方に関して、横方向に案内される。ソノトロード内の第1の軸受382は、ルーズフィット軸受であるOリングによって構成され、第2の軸受383は、第1の物体に対してタイトフィット軸受であり、第2の軸受によって、案内要素は軸方向の移動に関しても保持される。軸受のうちの1つ(図示の実施形態では第1の軸受382)はルーズフィット軸受にすぎないため、案内要素を介して伝達される振動エネルギは最小限に抑えられる。
【0418】
図99の変形例では、第1の軸受382および第2の軸受387の両方がルーズフィット軸受である。案内要素381がソノトロード6から緩くなるのを防止するために、第1の軸受を構成するOリングと協働するソノトロード6の内側フランジ385と案内要素381の外側フランジ384とによって、軸方向の支持が与えられる。選択肢のばね388は、ソノトロードに対する軸方向の位置が確定したままであることを確実にすることがで
きる。図99の実施形態の案内要素381は、外方向フランジ384を除いて、図98のものと同様に本質的に円筒形である。円筒対称性は必ずしも回転円筒体の対称性ではなく;回転対称性からの逸脱は、回転相対運動に関しても案内を引き起こし得る。
【0419】
図100は、第1の物体が案内突起の代わりに(またはそれに加えて)ソノトロードの周辺フランジ391によって案内される実施形態を示す。破線は、プロセスの間に第1の物体の材料に侵入することができる任意の追加の円錐状の侵入案内要素392を示す。
【0420】
図101は、ソノトロードが機械的振動を第1の物体に結合するとき、第1の物体と、それがソノトロードによって押圧される物体、すなわち第2の物体との間の接触力が周期的に変化することを示す。下半分の波(陰影部分によって示されている)の間、接触は非常に弱く、または緩くさえあり得、これは案内手段が存在しない場合にプロセス中に第1の物体の制御されない横方向シフト(「泳動」)を引き起こし得る。これは、より大きな力でソノトロードを第1の物体に対して押圧することによって対処することができる。しかしながら、これは振動結合特性に影響を与えるので、押圧力は任意に選択できないパラメータであってもよい。しかしながら、第1の物体に付加的な押圧力Fが作用する場合、この追加の押圧力が下半分の波期間中において「リフトオフ効果」を補償するのに十分であれば、問題は解決される(図101の矢印)。
【0421】
それに従う設定が図102に示され、ソノトロードに加えて押さえツール395が示されている。図示された実施形態における押さえツールは、選択肢の周辺案内フランジを有する。また、ソノトロードは、少なくとも1つの同じく選択肢の円錐状侵入案内要素392を有するように描かれている。
【0422】
このプロセスのためには、押さえツール395は初期段階の間に第1の物体に作用すれば十分である。第2の物体の縁部がある深さまで第1の物体に侵入するとすぐに、押さえ力はもはや必要ではない。したがって、押さえツールは、第1の物体がプロセス中に遠位方向に移動するときに押圧力を維持するための前方駆動機構を必ずしも必要としない。
【0423】
図102の実施形態は、第2のサブグループに属してもよく、または、さらなるサブグループに属するものであってもよく、第1および第2の物体は、互いに対して所定の位置を有し(第1の物体の位置は押さえツールによって固定される)、ソノトロードの位置は調整可能である。
【0424】
図103は、固定プレート401(または「ファスナ頭部」)およびそれに接合された締結要素402を有するファスナ400を示す。締結要素は、(図示の)ねじ切りされたボルト、ねじ筋なしのボルト、ピン、ナット、フック、アイレット、差込み結合のための基部などの、現状技術のファスナの任意の特性を有することができる。ファスナは、ここでは、商品名「ビッグヘッド」の下で販売され、他の物体の表面に接着されることを意図したファスナと本質的に同様に構成することができる。
【0425】
本発明のプロセスにおけるこの種のファスナは、第2の物体として働くことができる。特に、固定プレート401は、シート部分と見なすことができ、縁部が沿って延びる複数の開口部403を備えることができる。この縁部および/または固定プレートの周縁部は、本発明の実施形態によるアプローチの縁部として使用することができる。この目的のために、固定プレートは、それぞれの縁部に沿って、特に第1の物体がプロセスのために固定プレートと接触する側に向かって曲げられるように変形されてもよい。
【0426】
図104は、状況によって機械的振動が第1の物体1の側から加えられることを可能にする第1の可能性を非常に概略的に示している。固定プレート401は、第1の物体側(
たとえば、図103の向きでは下側に対応するが、必ずしも対応する必要はない)に向かって折り曲げられ、開口部403の領域における接合が本質的に前述したように生じ得る。
【0427】
図103を参照して説明した種類のファスナを備えた多くの構成では、振動を第1の物体に結合させることは可能でもなければ有利でもなく、なぜならば、たとえば、第1の物体はより大きな物体であり、その背面はアクセス性が悪く、および/または他の理由があるからである。その場合、振動は第2の物体に結合されてもよい。この目的のために、振動をアセンブリに結合するために使用されるソノトロード6は、適切な形状にすることができる。
【0428】
図105は、第1の可能性を非常に概略的に示す。ソノトロードは、遠位側外結合面に開口を有する受入開口部410を有し、遠位側外結合面が固定プレートに押付けられたときに、締結要素402は受入開口部410に受入れられる。これにより、ツール(ソノトロード)および第2の物体は、ツールが固定プレートの近位方向を向いた表面に直接押付けられるように、互いに適合される。
【0429】
ツールは、第2の物体がツールに対して案内されるように、内方向に向いた案内突起411のような案内構造を備えることができる。このような案内構造は、特に、図105に示される実施形態の概略的に示された案内突起411の場合のように、締結要素と係合することができる。
【0430】
実施形態では、案内構造は、第2の物体(ファスナ)2をソノトロード6に一時的に締結するために締結要素と協働する締結構造として構成することができる。この可能性を図106に概略的に示す。図106の例では、第2の物体/ファスナは、固定プレート401に固定される、たとえば溶接されるナットである締結構造402を有し、このナットは締結構造として役立つ。ファスナ6は、ナット402の雌ねじに適合されるねじ切りされた突起421を備え、これにより、プロセスのために、ファスナをツールにねじ込むことができる。
【0431】
他の締結要素のために、同様の構成、たとえばファスナのねじ切りされたバーと協働するための雌ねじを有する窪みも可能である。
【0432】
前述の実施形態では、機械的振動は縦振動、すなわち遠近方向の振動であると仮定した。これは要件ではない。たとえば金属部品の超音波溶接から知られるように、振動は横振動であってもよい。本発明の文脈において、横振動は、特に、振動が金属部品、すなわち第1の物体の代わりに第2の物体に結合される実施形態のための選択肢であり得る。たとえば、第2の物体をソノトロードに一時的に締結する、図106を参照して説明した実施形態のような実施形態では、ソノトロードからの横方向の振動を第2の物体に容易に結合することができるであろう。
【0433】
図108は代替案を非常に概略的に示している。ソノトロードは概ね横方向(定義されている場合、シート面に関して面内方向)から第2の物体に振動を結合し、別個のプレス工具470は必要な押圧力を加える。この設定は、超音波金属溶接における横方向駆動設定に対応する。
【0434】
図109は、横振動のために備えられたソノトロード6を示す。ソノトロード6は、締結構造402を受入れるように構成された受入開口部410を有する。特に、図109では、受入開口部は、ねじ切りされたバーである締結構造のねじ山に適合された雌ねじを有するように図示されている。ソノトロード6は、プロセス中に固定プレートの周辺部分に
押付けられ、それにより押圧力を固定プレート401に結合し、受入開口部と共に、機械的振動を固定プレート401に結合する、リング形状のスカート480を有する。対称性の理由から、図109に示されるソノトロード6は、固定プレートに押付けられる遠位側のリング形状のスカート480に加えて、近位側のリング形状のスカート481を有する。このため、プロセスを2つのアセンブリのために並行して実行することが可能であり、ソノトロードは、反対側から導入されたそれぞれの第2の物体に対して押付けられた2つの第1の物体の間にクランプされる(そのとき、当然、それぞれの締結構造の長さは、受入開口部の方向においてソノトロードの延在の最大半分に対応すべきである)。ソノトロードの両側には、図109の図面平面に平行な2つの結合位置がさらに存在することができる。
【0435】
たとえば「くさびリード」のような構成に適した他のソノトロード6が図110に示されている。ソノトロードは、締結構造(たとえば、ねじ切りされたバー)を受入れるための受容開口部410を含む。図109および図106の実施形態と同様に、受入開口部は、締結構造への結合のために任意に備えられることができる。ソノトロードは、たとえば、図110に模式的に示すように、側方から作用してソノトロードの屈曲振動を引き起こすカプラによってソノトロードに結合される振動による、遠位側端部の横断振動のために備えられ、取付けられる。
【0436】
図示された実施形態のソノトロードは、リング形状のスカートの代わりに、固定プレートの側方部分に振動を結合するための複数の羽根を含む。図109のような外結合スカートまたは他の結合面を備えたソノトロードへの適応は容易に可能であろう。
【0437】
横振動の選択肢は、主に、固定プレートを有するファスナである第2の物体に言及して述べたが、この概念は、他の実施形態、特に、図25図26図30図31などの実施形態を含む、振動が第2の物体に結合される実施形態にも容易に適用され得る。
【0438】
実施例1:
厚さ4mmおよび直径19.5mmのABSディスクを、図1aおよび図1bに示すように変形された金属シートに取付けた。金属シートは0.8mmの鋼板であった。大径Dは6mm,8mm,12mmの間で変化させ、高さhは2mmと3mmとの間の値に設定し、角度αは20°とした。約60μmの振幅および1000~1500Wの必要電力で動作する市販の超音波溶接装置(20kHz)を使用して、100Nで開始し約400Nでピークに達する力でディスクの近位側端面に押付けることにより、図3aおよび図3bに示す方法を実施した。堅固な接続が達成され、室温に冷却した後、シートを変形させることなくディスクをシートから引き剥がすことはできなかった。
【0439】
同じことを、系統的に変動させたパラメータで繰り返した。すなわち:
-鋼板の代わりに1.2mmのアルミニウムシート
-角度40°
-高さ1.8mm
-ディスク材料として30体積%ガラス繊維を有するポリアミド66
-ディスク材料としてPVC、PBT PET、PC2000
図2aおよび図2bに示すような滑らかな形状の打ち抜き穿孔。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b
図14c
図15
図16
図17a
図17b
図18a
図18b
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25a
図25b
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図31a
図32
図33
図34a
図34b
図35a
図35b
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45a
図45b
図46
図47
図48
図49
図50a
図50b
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57a
図57b
図58a
図58b
図58c
図59
図60
図61a
図61b
図62
図63
図64a
図64b
図65
図66
図67
図68
図69
図70
図71
図72
図73
図74
図75
図76
図77
図78
図79
図80
図81
図82
図83
図84
図85
図86
図87
図88
図89
図90
図91
図92
図93
図94
図95
図96
図97
図98
図99
図100
図101
図102
図103
図104
図105
図106
図107
図108
図109
図110
図111
図112
図113
図114
図115
図116
図117
図118
図119
図120
図121
【手続補正書】
【提出日】2022-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の物体を第2の物体に機械的に固定する方法であって、前記方法は、
-固体状態の熱可塑性材料を含む前記第1の物体を提供するステップと、
-縁部を有する概して平坦なシート部分を含む前記第2の物体を提供するステップと、
-前記第1の物体を前記第2の物体に対して位置決めすることにより、前記第1の物体と前記第2の物体とを含むアセンブリを提供するステップとを含み、前記アセンブリにおいて前記縁部は前記熱可塑性材料に接触しており、
-前記縁部が前記熱可塑性材料に接触している間に、前記縁部と前記熱可塑性材料との間に生じた摩擦熱による前記熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり前記縁部の周囲に流れて前記縁部を前記熱可塑性材料に少なくとも部分的に埋設するまで、機械的振動エネルギを前記アセンブリに加えるステップと、
-前記機械的振動を停止し、前記熱可塑性材料を再凝固させることにより、前記縁部を少なくとも部分的に埋設する前記再凝固させた熱可塑性材料が、前記第1の物体を前記第2の物体に固定するようにするステップとを含み、
前記第2の物体を提供するステップにおいて、前記第2の物体は穿孔を含み、前記縁部は前記穿孔に沿って延在し、ソノトロードおよび前記第1の物体は、結合面が前記縁部の面内位置を覆うが前記穿孔に対して中心位置まで延在しないように、相互に適合するようにされている、方法。
【請求項2】
前記結合面は中心の周りにレーンを形成し、前記中心の面内位置は前記穿孔の面内位置に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソノトロードは中央の窪みを含み、前記結合面は前記中央の窪みの周りにある、および/または、前記第1の物体は近位側に向いている中央の窪みを含み、前記結合面は前記中央の窪みの周りにある、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の物体の位置および/または前記ソノトロードの位置を前記第2の物体に対して調整することを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ソノトロードに対する前記第1の物体の位置を定めるステップと、第1の物体ソノトロードアセンブリを提供するステップとを含み、前記調整することは、前記第1の物体ソノトロードアセンブリの位置を前記第2の物体に対して調整することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ソノトロードは案内構造を含み、前記案内構造は、前記第1の物体の対応する構造と協働して前記ソノトロードに対する前記第1の物体の位置を定める、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに加えるステップは、前記機械的振動エネルギの少なくとも一部分を前記第1の物体に加えることを含み、前記第1の物体を前記第2の物体に対して位置決めするステップにおいて、概して近位側から前記第1の物体を前記第2の物体に接触させ、前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに加えるステップは、振動する前記ソノトロードを、前記第1の物体の、近位側を向く結合面に対して押圧することを含み、それにより、前記ソノトロードが、前記第2の物体に対する押圧力および機械的振動を同時に前記第1の物体に結合する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の物体を提供するステップにおいて、前記縁部に沿う前記シート部分は、シート面から突出するセクションを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記セクションは前記シート面から近位方向に突出する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の物体は、前記穿孔を密封閉鎖することにより、前記第1の物体の遠位側から前記第2の物体の近位側を密封するように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の物体は金属シートである、または、前記平坦なシート部分は金属シートである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記金属シートは輸送手段の金属シートであり、前記第2の物体を提供するステップは輸送手段の金属シートを提供することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記金属シートは圧延によって製造される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の物体を提供するステップにおいて、輸送手段のフレームまたは輸送手段のフレームの一部が提供される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の物体は、前記熱可塑性材料に加えて、液化不可能な材料の本体を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記機械的振動エネルギを前記アセンブリに加えるステップは、前記流動部分を再凝固させるステップ中に、前記本体が、前記縁部によって画定される面を通過して延びるように、実行される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記本体は、さらなる物体を固定するための取付構造を有する、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の物体は、機能ゾーンと、前記熱可塑性材料を含む少なくとも1つの取付けゾーンとを画定する本体を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
・固定部と調整部とを提供するステップをさらに含み、少なくとも前記固定部は前記第1の物体に属し、
・前記固定部に対する前記調整部のz位置を調整するステップと、
・前記調整部を、調整された位置にある間に前記固定部分に対して固定するステップとをさらに含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記固定するステップは、前記固定部に対する前記調整部の解放不能な固定を生じさせる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記調整するステップおよび固定するステップは組み合わされて単一ステップの手順にされる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記調整部は、液化不可能な材料からなるコネクタ片である、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記調整部は前記固定部に対して回転可能であり、前記調整部の傾斜セクションは前記固定部の傾斜セクションの上にあり、前記固定部に対する前記調整部の回転は前記z位置をシフトさせる、請求項19~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
ソノトロードと、固体状態の熱可塑性材料を含む第1の物体と、であって、前記ソノトロードおよび前記第1の物体は、結合面が、前記ソノトロードの中央の窪み、および/若しくは前記第1の物体の中央の窪み、の周りに形成されるように相互に適合される、前記ソノトロードおよび前記第1の物体、
ソノトロードと、縁部を有する概して平坦なシート部分および穿孔を含む第2の物体と、であって、前記縁部は前記穿孔に沿って延在し、前記ソノトロードは、前記ソノトロードの結合面が前記縁部の面内位置を覆うが前記穿孔に対して中心位置まで延在しないように適合される、前記ソノトロードおよび前記第2の物体、または
固体状態の熱可塑性材料を含む第1の物体と、縁部を有する概して平坦なシート部分および穿孔を含む第2の物体と、であって、前記縁部は前記穿孔に沿って延在し、前記第1の物体は、前記第1の物体の結合面が前記縁部の面内位置を覆うが前記穿孔に対して中心位置まで延在しないように前記第2の物体に適合される、前記第1の物体および前記第2の物体、の少なくとも1つを含む、セット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0216
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0216】
のコネクタ片3によるプロセスでは、リングソノトロード(管状ソノトロード、以下図13を参照)を使用し、取付けペグ32が当該ソノトロードと直接接触しないようにすることが有利であろう。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0223
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0223】
この補強部16を変形させるプロセスは、たとえば図114に示されるたとえば中央誘導突起601を有するアンビル(図10には図示せず)によって特に支援され得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0236
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0236】
図18aにおける第1の物体1は、第3の物体8を第2の物体2に取付けるためのコネクタの役割を果たす。第1の物体は、熱可塑性材料でできた部分15と、たとえば金属でできた、液化可能でないコア部分である補強部16とを有している。コア部分16は、第1の物体のヘッド部91を形成し、シャフト部の内部に延在している。示されている構成では、コア部分16は、シャフト全体に沿って熱可塑性材料部分15によってコーティングされているが、熱可塑性材料部分を部分的なコーティングとして提供すること、たとえばコア部分の遠位端をコーティングのないままにすること、または外周の周囲の特定のセクションをコーティングのないままにすること、も可能であろう。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0270
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0270】
図35aおよび図35bは、これが当てはまる他の例を概略的に示す。図35aでは、ソノトロードは、傾斜した肩部を備えた外周突起64を有するように示されており、当該外周突起64は、第1の物体の端縁部分を流動可能にして変形させるため、および、流動可能材料の流れを横方向に制限するために備えられている。これにより、第1および第2の(および、該当する場合には第3の)物体を備えるアセンブリの明確に定義された平滑な端縁領域がもたらされる。
【外国語明細書】