(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058467
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】呼吸器治療デバイスの遠隔診断
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
A61M16/00 305A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021214565
(22)【出願日】2021-12-28
(62)【分割の表示】P 2020076454の分割
【原出願日】2015-05-27
(31)【優先権主張番号】2014901997
(32)【優先日】2014-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(71)【出願人】
【識別番号】519212484
【氏名又は名称】レスメド・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】デラングル,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】バス,アンドルー・ロデリック
(72)【発明者】
【氏名】バーチャル,ポール・フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】チャーチル,ドーン・ローズマリー
(72)【発明者】
【氏名】カットクリフ,グレアム・スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ダソス,ピーター・ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】キロロス,ミーナ・サミル
(72)【発明者】
【氏名】ナスワニ,リハナ
(72)【発明者】
【氏名】ソマイヤ,チンマイ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴンソン,ヘイデン・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】テンプルトン,ブラッドリー・スコット
(72)【発明者】
【氏名】トラル,ウェンドール・エリック
(72)【発明者】
【氏名】ゾテロ,ナタリー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】患者デバイスに対する診断を実行するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】患者デバイス(720)は、ソフトウェアまたはファームウェアのような命令セットにしたがって作動する呼吸治療デバイスを含むことができる。サーバー(710)は、複数の患者デバイス(720)うちの一つまたは複数で障害を示す診断データのデータベース(718)を維持することができる。サーバー(710)は、発生された障害の識別を含み、一つまたは複数のコンピューティングデバイス(760)に前記診断データ(718)を送信することができる。サーバー(710)は、また、識別された障害を対処するために、複数の患者デバイス(720)にサービスデータを送信することができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスの診断モニタリングのための方法であって、
一つまたは複数のプロセッサーによって、患者デバイスから診断データを受信し、前記診断データが前記患者デバイス内に障害の存在を識別するステップと、
前記一つまたは複数のプロセッサーによって、前記受信された診断データを格納するステップと、
前記一つまたは複数のプロセッサーによって、前記診断データの第1の部分に基づいて障害の存在を識別するステップと、
前記一つまたは複数のプロセッサーによって、前記診断データの第1の部分および前記患者デバイスに関連した識別された障害のうちの少なくとも一つを遠隔コンピューティングデバイスに送信するステップと、
前記一つまたは複数のプロセッサーによって、前記診断データの第1の部分および識別された障害のうちの少なくとも一つに基づいて識別されたサービスデータを前記患者デバイスに送信するステップと、を含む、方法
【請求項2】
更に、前記一つまたは複数のプロセッサーによって、診断データの第1の部分の少なくとも一つを遠隔コンピューティングデバイスに送信することに応答して、患者デバイスに送信されるサービスデータの識別を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者デバイスが、呼吸圧力治療デバイスを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記診断データが、トリガリングイベントの発生に基づいて受信される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
任意の患者が障害を有したデバイスを備えているか否かを示す遠隔コンピューティングデバイスデータに送信するステップを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記診断データが、更に、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数および無呼吸-呼吸低下指数、治療設定、快楽設定、障害データ、患者使用量、漏れデータ、周囲湿度データ、治療および快楽設定、デバイス活動、および患者デバイスの障害ログのうちの少なくとも一つを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
サービスデータが成功的に送信されたことの表示を第1の患者デバイスから受信するステップと、
第1のサービスデータの実行を示すために診断データをアップデートするステップと、を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記障害の存在は、障害が発生した患者デバイスの構成要素、サーブシステムまたは機能領域に基づいて識別される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記診断データの第1の部分を送信することが、遠隔コンピューティングデバイスにプッシュ通知を含み、前記プッシュ通知が、識別された障害がプッシュ通知を提供することができるタイプであるという決定に基づいて送信される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記サービスデータが、前記患者デバイスの一つまたは複数の設定を調整するための命令を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記診断データが、障害が発生した時点で患者デバイスの一つまたは複数の設定を識別する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記識別された障害を送信することが、遠隔コンピューティングデバイス上にディスプレイ用アイコンを提供することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記アイコンが、発生された障害のタイプに基づいて変化する可変的な外観を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記識別された障害を送信することが、遠隔コンピューティングデバイス上にディスプレイ用アイコンを提供することを含み、前記使用アイコンは、患者デバイスが使用された程度を示す、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記診断データは、診断デバイスと共に使用されるマスクタイプの漏れ情報と、識別と、を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記診断データが、患者デバイスの患者デバイス識別子によってアクセス可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記識別された障害を送信することが、デバイス関連障害が発生したか否かの可視的な表示をディスプレイするために提供することを更に含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
医療デバイスの診断モニタリングのための方法であって、
一つまたは複数のプロセッサーによって、患者デバイスの動作に関する診断データを収集し、前記診断データが前記患者デバイスに関連した障害の存在を識別するステップと、
前記一つまたは複数のプロセッサーによって、前記診断データがネットワークを介して送信されるトリガリングイベントが発生したことを決定するステップと、
前記一つまたは複数のプロセッサーによって、前記診断データを前記ネットワークを介して送信するステップと、
識別された障害に対処するサービスデータを前記一つまたは複数のプロセッサーによって受信するステップと、
前記一つまたは複数のプロセッサーによって、受信されたサービスデータにしたがって一つまたは複数の動作を実行するステップと、を含む、方法。
【請求項19】
前記患者デバイスが、呼吸圧力治療デバイスを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記トリガリングイベントが、前記診断データが送信される前に満たされる一つまたは複数の状態に基づく、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記トリガリングイベントは、所定の期間の間に患者デバイスを使用することを終了した患者に基づくか、または診断データが送信されるスケジュールに基づく、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記サービスデータは、第1の部分および第2の部分を含み、両部分は、患者デバイスの前記の構成要素に関連する、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
任意の患者が障害を有したデバイスを備えているか否かを示す遠隔コンピューティングデバイスに送信することを更に含む、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記診断データの少なくとも一部が、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数、無呼吸-呼吸低下指数、障害データ、患者使用量、漏れデータ、周囲湿度データ、治療および快楽設定、注文デバイス活動、および障害ログのうちの少なくとも一つを更に含む、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
一つまたは複数のコンピューティングデバイスを含む医療デバイスの診断モニタリングのためのシステムであって、前記一つまたは複数のコンピューティングデバイスが、
複数の患者デバイスから診断データを受信し、前記診断データが前記複数の患者デバイスのうちの少なくとも一つの障害の存在を識別し、
前記診断データを格納し、
前記診断データの第1の部分に基づいて、第1の患者デバイス中の障害の存在を識別し、
前記診断データの第1の部分と、前記識別された障害とのうちの少なくとも一つを送信し、
前記診断データの第1の部分または識別された障害に基づいて識別されたサービスデータを第1の患者デバイスに送信するように構成される、システム。
【請求項26】
前記システムが、遠隔デバイスから質疑に応答して、診断データの第1の部分または前記識別された障害を送信するように構成される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記システムが、前記患者デバイスに送信される前記サービスデータの識別を受信するように構成され、前記サービスデータの少なくとも一部が識別された障害に対処する、請求項25または26に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1の患者デバイスが、呼吸圧力治療デバイスを含む、請求項25~27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記診断データが、トリガリングイベントの発生に基づいて受信される、請求項25~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記診断データが、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数、無呼吸-呼吸低下指数、障害データ、患者使用量、漏れデータ、周囲湿度データ、治療および快楽設定、注文デバイス活動、および障害ログのうちの少なくとも一つを更に含む、請求項25~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記一つまたは複数のコンピューティングデバイスが、
前記サービスデータが成功的に送信されたという表示を第1の患者デバイスから受信し、
前記第1の患者デバイスによってサービスデータの実行を示すために、診断データをアップデートするように、更に構成される、請求項25~30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記システムは、患者が障害を有したデバイスを備えているか否かを示す遠隔コンピューティングデバイスデータに送信するように構成される、請求項25~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記診断データが、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数または無呼吸-呼吸低下指数、治療設定、快楽設定、障害データ、患者使用量、漏れデータ、周囲湿度データ、治療および快楽設定、注文デバイス活動、および患者デバイスの障害ログのうちの少なくとも一つを含む、請求項25~32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記障害の存在が、前記第1の患者デバイスの構成要素、サブシステムまたは機能領域において識別される、請求項25~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記診断データの第1の部分が遠隔コンピューティングデバイスにプッシュ通知を含み、前記プッシュ通知が、識別された障害がプッシュ通知を提供することができるタイプという決定に基づいて送信される、請求項25~34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記サービスデータが、前記第1の患者デバイスの一つまたは複数の設定を調整するための命令を含む、請求項25~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記診断データが、障害が発生した時点で第1の患者デバイスの一つまたは複数の設定を識別する、請求項25~36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記識別された障害を送信することが、遠隔コンピューティングデバイス上にディスプレイ用アイコンを提供することを含む、請求項25~37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記アイコンが、発生された障害のタイプに基づいて変化する可変的な外観を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記識別された障害を送信することが遠隔コンピューティングデバイス上にディスプレイ用アイコンを提供することを含み、前記使用アイコンは、患者デバイスが使用された程度を示す、請求項25~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記診断データは、前記診断デバイスと共に使用されるマスクタイプの漏れ情報と、識別とを含む、請求項25~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記診断データが、前記患者デバイスの患者デバイス識別子によってアクセス可能である、請求項25~41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記識別された障害を送信することが、デバイス関連障害が発生したか否かの可視的な表示をディスプレイするために提供することを更に含む、請求項25~42のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年5月27日に出願されたオーストラリア仮出願第2014901997号の利益を主張し、この全体開示を参照として本明細書に含む。
【0002】
[発明の分野]
1.1(1)技術の分野
本発明の技術は、呼吸器関連疾患の検出、診断、治療、予防および改善に関連して使用され得る医療機器に関する。
【背景技術】
【0003】
1.2(2)関連技術の説明
1.2.1 人呼吸器系とその疾患
身体の呼吸器系は、ガス交換を促進する。鼻と口は、患者の気道の入口を形成する。
【0004】
気道は一連の気管支を含み、これらの気管支は、肺内に深く入り込むほど狭く、短くなり、数が増える。肺の主要機能は、ガス交換であり、酸素を空気から静脈血中に移動させ、二酸化炭素を外に出すことができる。気管は、左右の気管支に分かれ、さらに最終的に終末細気管支に分かれる。気管支は、導管の気道を作り、ガス交換には関与しない。気道のさらなる分岐は、呼吸細気管支となり、最終的に肺胞になる。肺の胞状領域は、ガス交換が行われる場所であり、呼吸領域と呼ばれる。John B. West著「呼吸生理学」Lippincott Williams & Wilkins、第9版、2011年発行を参照する。
【0005】
広範囲な呼吸器疾患が存在する。呼吸器疾患の一部の例としては、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、チェーン-ストークス呼吸(CSR)、肥満過呼吸症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、神経筋疾患(NMD)または胸壁疾患を挙げることができる。
【0006】
そうでない場合、健康な個体は、システムおよびデバイスを利用して呼吸器疾患の発症を防ぐことができる。
【0007】
1.2.2 治療
経鼻持続的気道陽圧(CPAP)治療法は、閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の治療に使用されてきた。この仮説は、持続的気道陽圧が空気圧の副木として作用し、軟口蓋および舌を前に押し出し、後口咽頭壁から離れるようにすることによって、上気道の閉塞を防ぐことができるということである。
【0008】
非侵襲性換気(NIV)は、患者が十分な呼吸を行うことおよび/または体内の酸素レベルを適切に維持することを支援するために、呼吸作業の一部またはすべてを行って、上気道を通して患者に換気補助を提供する。換気補助は、患者のインターフェースを介して提供される。NIVは、CSR、OHS、COPD、MDおよび胸壁障害の治療に使用されてきた。
【0009】
侵襲性換気(IV)は、もはや自ら効果的に呼吸できない患者に換気補助を提供し、気管切開チューブを使用して提供される。
【0010】
人工呼吸器は、患者に注入された呼吸のタイミングおよび圧力を制御し、患者が行う呼吸をモニタリングすることができる。患者の制御およびモニタリング方法は、通常、従量式の方法および従圧式の方法を含む。従量式の方法は、特に、圧力制御従量式換気(PRVC)、従量換気(VV)および従量式調節連続強制換気(VC-CMV)技法を含むことができる。従圧式の方法は、特に、補助調節(AC)、同期的間欠的強制換気(SIMV)、調節機械換気(CMV)、圧力補助換気(PSV)、持続的気道陽圧(CPAP)または呼吸終末陽圧(PEEP)技法を含む。
【0011】
1.2.3 システム
治療システムは、呼吸圧力治療デバイス(RPTデバイス)、空気回路、加湿器、患者インターフェースおよびデータ管理を含むことができる。
【0012】
1.2.4 患者インターフェース
患者インターフェースは、例えば、呼吸できるガスの流れを提供することによって、呼吸デバイスをユーザにインターフェースするのに使用できる。呼吸できる空気の流れは、鼻および/または口へのマスク、口へのチューブまたはユーザの気管への気管切開チューブを介して提供され得る。適用される治療法に応じて患者インターフェースは、治療を行うための周囲圧力で十分な変化時の圧力、例えば、約10cmH2Oの陽圧で、ガスの供給を促進するために、例えば、患者の顔領域にシールを形成することができる。酸素の送達などの他の治療法の場合、患者インターフェースは、約10cmH2Oの陽圧で、ガスの気道への供給を促進するのに十分なシールを含まないことができる。
【0013】
患者インタフェースのデザインにはいろいろな難問がある。顔面は複雑な3次元の形状をしている。鼻のサイズと形は個人でかなり異なる。頭部には骨、軟骨と軟組織があり、顔面の異なる領域は機械的な力に対して異なる反応をする。顎または下顎は頭蓋のほかの骨に関連して動くことができる。頭全体が呼吸治療の過程で動くことができる。
【0014】
これらの難問のために、マスクに応じて閉塞性であり、審美的に好ましくなく、コストが高く、装着が不十分であり、使用困難の1つまたはそれ以上の問題に悩み、長期間使用すると摩耗するとかまたは患者がシステムに不慣れだと不愉快である。例えば、飛行士専用にデザインされたマスク、個人の保護装置(例えば、フィルターマスク)の一部としてデザインされたマスク、SCUBAマスク、または麻酔薬投与のためのマスクは、本来の適用には耐えるが、長期間、例えば、数時間着用するのは好ましくないほど不愉快である。この不快感は、治療に対する患者のコンプライアンスの低下につながる。睡眠中にマスクを着用しなければならない場合は、特にそうである。
【0015】
患者が治療に従う限り、CPAP治療は、特定の呼吸器疾患の治療に特に効果的である。マスクが不愉快であるか使用困難であれば、患者は治療に従わないかもしれない。患者は自分のマスクを定期的に洗浄するようしばしば推奨されているので、マスクの洗浄が困難であれば(例えば、組立または分解が困難)、患者は自分のマスクを洗浄しないかもしれず、これは患者のコンプライアンスに影響する。
【0016】
その他の適用(例えば、飛行士)のためのマスクを睡眠呼吸障害に使用するのは適切でないかもしれないが、睡眠呼吸障害に使用するようデザインされたマスクはその他の適用に適しているかもしれない。
【0017】
これらの理由により、睡眠中の鼻CPAPの送達のための患者インタフェースは独特な分野である。
【0018】
1.2.4.1 シール形成部
患者インタフェースは、シール形成部を含むことができる。これは、患者の顔面と直接接触するので、シール形成部の形状と構成とは、患者インタフェースの有効性と快適さに直接影響を与えることができる。
【0019】
患者インタフェースは、シール形成部分が使用中の顔面の何処と係合するがデザイン意図によって、一部特徴付けられる。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部は、左と右のそれぞれの鼻孔に当たる2つのサブ部分を有することができる。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部分は使用中に両方の鼻孔を囲む単一の要素であり得る。このような単一の要素は、例えば、顔面の上唇領域と鼻梁領域を覆うようにデザインすることができる。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部分は、例えば、顔面の下唇領域上にシールを形成するなど、使用中の口の領域を囲む要素からなり得る。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部分は、使用中の両方の鼻孔と口の部分を囲む単一の要素からなり得る。患者インタフェースのこれらの異なるタイプは、それらの製造者が付けた種々の名称で知られており、鼻マスク、顔全体マスク、鼻枕、鼻噴霧および口腔鼻マスクが含まれる。
【0020】
患者の顔の1領域で効果的なシール形成部分は、患者の顔の形状、構造、ばらつきおよび敏感な部分が異なるので、別の領域には適していないことがある。例えば、患者の額を覆う水中メガネのシールを患者の鼻に使用するには適当でない。
【0021】
さまざまな異なる顔の形状およびサイズに適し、快適で効果的な1つのデザインのように、大量生産用として特定のシール形成部をデザインすることができる。患者の顔の形状と大量生産された患者のインタフェースのシール形成部の間に不整合(mismatch)がある程度に、1つまたは全てを充足させてシールを形成しなければならない。
【0022】
シール形成部分の1つのタイプは、患者インタフェースの周辺附近に伸び、シール形成部分が患者の顔に係合しようとしており、力が患者インタフェースに加えられた時に患者の顔に対してシールするように意図されている。シール形成部分は、空気または液体で満たされたクッション、またはゴムなどのエラストマーでできた弾性シール要素の成形または形成面を含むことができる。このタイプのシール形成部では、適合(fit)が適切でない場合、シール形成部分と顔との間に間隔が存在し、シールを達成するために顔に対して患者インタフェースに追加の力を加える必要がある。
【0023】
シール形成部のもう1つタイプは、マスクの周辺近辺に位置した薄い材料からできたフラップシールを含み、マスク内に陽圧がかかると患者の顔に対抗してセルフシーリングを行う。シール形成部分の以前のタイプのように、顔面とマスクとの間の整合(match)が良好でないと、シールを形成するのに追加の力が必要になるかまたはマスクから漏れが生じる。さらに、シール形成部分の形状が患者のそれに整合しない場合、使用中にしわが生じたり曲がることがあり、漏れが発生する。
【0024】
シール形成部分のもう1つのタイプは、例えば、鼻孔への挿入のような摩擦嵌合要素を含むことができる。
【0025】
シール形成部分のもう1つの形態は、接着剤を使用してシールを達成することができる。顔面に接着剤を絶えず適用し、これを除去するのが不便と感じる患者もいる。
【0026】
ResMed Limitedに譲渡された以下の特許出願に、さまざまな患者インタフェース・シール形成部の技術が開示されている:WO 1998/004,310; WO 2006/074,513; WO 2010/135,785。
【0027】
鼻枕の1つの形態がPuritan Bennetが製造するAdam Circuitに見出される。また他の鼻枕または鼻噴霧は、Puritan-Bennet Corporationに譲渡された米国特許第4,782,832号(Trimble外)の主題である。
【0028】
ResMed Limitedは、鼻枕を導入する以下の製品を製造した:SWIFT(登録商標)鼻枕マスク、SWIFT(登録商標)II鼻枕マスク、SWIFT(登録商標)LT鼻枕マスク、SWIFT(登録商標)FX鼻枕マスクおよびLIBERTYフルフェース・マスク。ResMedに譲渡された以下の特許出願に、鼻枕マスクの例を説明している。国際特許出願WO 2004/073,778(特に、ResMed SWIFT(登録商標)鼻枕の特徴を記載)、米国特許出願第2009/0044808号(特に、ResMed SWIFT(登録商標)LT鼻枕の特徴を記載);国際特許出願WO 2005/063,328とWO 2006/130,903(特に、ResMed LIBERTYフルフェース・マスクの特徴を記載);国際特許出願WO 2009/052,560(特に、ResMed SWIFT(登録商標)FX鼻枕の特徴を記載)。
【0029】
1.2.4.2 位置決めと安定化
陽圧空気治療に使用する患者インタフェースのシール形成部は、シールを崩壊しようとする空気圧の相応した力の影響を受ける。このように、シール形成部を位置決めし、顔面の適当な部分とシーリングの関係を保持するために種々な技術が使用されてきた。
【0030】
1つの技術は、接着剤の使用である。例えば、米国特許出願公開第US2010/0000534号を参照する。
【0031】
また他の技術は、1つまたはそれ以上のストラップおよび/または安定化装着帯域の使用である。このような装着帯域の大部分は、1つまたはそれ以上の不適合、かさばる、不快さおよび使用がぎこちないの問題に悩まされる。
【0032】
1.2.5 呼吸圧力治療(RPT)デバイス
睡眠呼吸障害の治療に使用する1つの既知のRPTデバイスは、ResMedが製造したS9 Sleep Therapy Systemである。RPTデバイスのまた他の例は、人工呼吸器である。成人および小児用の人工呼吸器のResMed StellaTMシリーズのような人工呼吸器は、これらの限定されないが、NMD、OHSおよびCOPDのような多数の状態を治療するために、広範囲な患者に、侵襲性および非侵襲性依存性呼吸に対する支持を提供することができる。RPTデバイスは、また、流れ発生器としても知られている。
【0033】
ResMed EliseeTM150人工呼吸器とResMed VSIIITM人工呼吸器とは、多数の状態を治療するために、成人または小児患者に適した、侵襲性および非侵襲性依存性換気に対する支持を提供することができる。これらの人工呼吸器は、単一肢または二重肢の回路に容量および大気の換気モードを提供する。
【0034】
RPTデバイスは、一般的に、モータ駆動の送風機または圧縮ガスリザーバのような圧力発生器を備え、患者の気道に空気の流れを供給するように構成される。いくつかの場合では、空気の流れを陽圧で患者の気道に供給することができる。RPTデバイスの出口は、前述したように、患者のインタフェースに空気回路を介して接続される。
【0035】
RPTデバイスは、また一般的に、入口フィルター、様々なセンサおよびマイクロプロセッサーベースのコントローラを備えている。送風機は、サーボ制御モータ、渦巻きおよびインペラを備えている。いくつかの場合では、モータのブレーキは、モータおよびインペラの慣性を克服するために、送風機の速度をさらに急速に低下させるように実現することができる。ブレーキングにより、送風機が、慣性にもかかわらず、呼気と同期化に合うようにより低圧の条件をさらに急速に達成できるようになる。いくつかの場合では、圧力発生器は、さらに、モータ速度制御に対する代替手段として、患者に運ばれる圧力を変化させるための手段として、発生された空気を大気に排出可能な弁を備えることができる。センサは、例えば、圧力トランスデューサまたはこれに類するものとともに、特に、モータ速度、質量流量および出口の圧力を測定する。コントローラは、一体化したデータ抽出および表示機能の有無にかかわらず、データ記憶容量を含むことができる。
【0036】
【0037】
1.2.6 加湿器
加湿せずに呼吸可能な気体の流れを患者の気道に伝えることは、気道の乾燥を引き起こすことができる。医療加湿器は、必要なときに、一般的に、患者が(例えば、病院で)眠っているまたは休んでいるときに、周囲の空気に関連して、呼吸可能な気体の流れの湿度および/または温度を増加させるのに使用される。結果的に、医療加湿器は、ベッドサイドの配置に対して小さいことが好ましく、患者の周囲を加湿および/または加熱せずに、患者に伝えられる呼吸可能な気体の流れを加湿ならびに/あるいは加熱するように構成されるのが好ましい。例えば、部屋ベースのシステム(例えば、サウナ、空気調節器、蒸発冷却器)もまた、患者に吸入される空気を加湿および/または加熱できるが、これらのシステムは、部屋全体を加湿および/または加熱することによって行うため、居住者に対する不快感を引き起こすことができる。
【0038】
流れ発生器またはRPTデバイスおよび患者インターフェースを有する加湿器の使用は、鼻の粘膜の乾燥を最小化し、患者の気道の快適さを増加させる、加湿された空気を生成する。寒冷な気候に加えて、患者インターフェース中および患者インターフェース周囲の顔面領域に通常適用される温暖な空気は、冷たい空気よりさらに快適である。
【0039】
呼吸用加湿器は、多くの形態で利用可能であり、空気回路を介して呼吸デバイスに結合される独立型デバイスであってもよく、関連呼吸デバイスと一体化されるとか、関連呼吸デバイスに直接結合されるように構成される。既知の受動加湿器は、多少救済をもたらすことがあるが、一般的に、熱加湿器は、患者が快適になるように、十分な湿度および温度を空気に提供するために使用され得る。一般的に、加湿器は、数百ミリリットル(ml)の容量を有するウォーターリザーバーまたはウォータータブ、リザーバー中の水を加熱する熱要素、加湿のレベルを変化させ得るコントロール、流れ発生器またはRPTデバイスから空気を受け取る空気入口、および、患者インターフェースに加湿された空気を伝える空気回路に接続されるように適合化された空気出口を備える。
【0040】
加熱パスオーバー型加湿は、RPTデバイスとともに使用される1つの一般的な形態の加湿である。このような加湿器では、加熱要素は、ウォータータブ下にあり、ウォータータブと温熱的に接触するヒータープレートに組み込まれ得る。したがって、熱は、伝導により主にヒータープレートからウォーターリザーバーに送達される。RPTデバイスからの空気の流れは、加熱された水をウォータータブにパスオーバーし、結果的に、空気の流れにより含まれる水蒸気となる。ResMed H4iTMおよびH5iTM加湿器は、ResMed S8およびS9 CPAPデバイスと組み合わせでそれぞれ使用されるこのような加熱パスオーバー型加湿器の例である。
【0041】
バブルまたはディフューザー加湿器、ジェット加湿器またはウィッキング加湿器のような、他の加湿器も使用され得る。バブルまたはディフューザー加湿器では、空気は水面下に伝導され、表面にバブルが戻ることを可能にする。ジェット加湿器は、水の噴霧を生成し、整流デバイスまたはフィルターは、加湿器から離れる前に粒子が除去または蒸発するように使用され得る。ウィッキング加湿器は、キャピラリー作用により水を吸収するために、スポンジまたは紙のような、水吸収物質を使用する。水吸収物質は、空気の流れに含まれることになる吸収物質中の水の蒸発を可能にする空気の流れ経路の少なくとも一部の中、または、こうした経路の隣に位置する。
【0042】
加湿の代替的な形態は、大きな表面領域にわたって空気の流れを第1の方向に向かわせ、加熱された水を大きな表面領域に対して第2の反対方向に供給するCounterStreamTM技術を使用するResMed HumiCareTMD900により提供される。ResMed HumiCareTMD900加湿器は、侵襲性および非侵襲性のさまざまな人工呼吸器とともに使用され得る。
【発明の概要】
【0043】
2 技術の簡単な説明
本開示の態様は、複数の患者デバイスと関連して遠隔診断を行うコンピュータ実行方法を提供する。前記方法は、複数の患者デバイスから診断データを受信して格納するステップを含み、ここで、前記診断データは、前記複数の患者デバイスのうち、少なくとも一つと関連する障害(fault)の存在を識別する。前記方法は、また、第1の患者デバイスに関する診断データの第1の部分に対する質疑(又はクエリ)を受信するステップ、および前記診断データの第1の部分に基づいて障害の存在を識別するステップを含むことができる。さらに、前記方法は、受信された質疑に応答して診断データの第1の部分または障害の識別された存在を送信するステップを含むことができ、ここで、前記診断データの第1の部分は、第1の患者デバイスと関連した障害の存在を識別する。前記方法は、更に、前記第1の患者デバイスに送信されるサービスデータの識別情報を受信するステップを含むことができ、ここで、前記サービスデータの少なくとも一部は、一つまたは複数の識別された障害を対処する。次いで、前記識別されたサービスデータは、第1の患者デバイスに送信され得る。
【0044】
医療デバイスの診断モニタリングのための方法は、また一つまたは複数のプロセッサーによって複数の患者デバイスから診断データを受信するステップとして、前記診断データは、前記複数の患者デバイスのうち、少なくとも一つと関連する一つまたは複数の障害を識別するものであるステップ;前記受信された診断データを前記一つまたは複数のプロセッサーによって格納するステップ;一つまたは複数のプロセッサーによって、診断データの第1の部分と関連した障害の存在を識別するステップ;前記一つがまたは複数のプロセッサーによって、前記診断データの前記第1の部分および前記複数の患者デバイスのうち、少なくとも一つと関連した識別された障害のうち、少なくとも一つを遠隔コンピューティングデバイスに送信するステップ;および前記診断データの前記第1の部分および前記一つまたは複数の識別された障害のうち、少なくとも一つに基づいて識別されたサービスデータを前記一つまたは複数のプロセッサーよって前記複数の患者デバイスのうち、少なくとも一つに送信するステップを含む方法を含むことができる。本方法は、診断データの少なくとも第1の部分を一つまたは複数のプロセッサーによって遠隔コンピューティングデバイスに送信することに応答して、複数の患者デバイスのうち、少なくとも一つに送信されるサービスデータの識別を受信するステップを更に含むことができ、ここで、前記サービスデータの少なくとも一部は、前記一つまたは複数の識別された障害に対処する。本開示内容の全体にわたって使用される「障害の存在の表示」という表現は、障害が特定のデバイスで発生する可能性が高いという表示だけでなく、障害は現在すべてのデバイスにも存在するということに注意しなければならない。
【0045】
一態様によれば、第1の患者デバイスは、呼吸圧力治療デバイスを備える。また、診断データは、トリガイベントの発生に基づいて受信されることができ、患者デバイスの治療設定から構成され得る。また、診断データは、患者デバイスと関連して発生した操作および障害のログを含むことができる。
【0046】
開示された方法は、また、サービスデータが正常に送信されたという表示を第1の患者デバイスから受信するステップ、および第1のサービスデータの実行を示すために診断データをアップデートするステップを含むことができる。
【0047】
一つの態様によれば、障害の存在は、障害が発生した第1の患者デバイスの一つまたは複数の構成要素に基づいて識別され得る。また、質疑は、前記複数の患者デバイスに対する診断データの要求を更に含むことができ、前記診断データの第1の部分の送信することは、前記複数の患者デバイスに対する診断データを送信することを含むことができる。
【0048】
また他の開示された方法は、患者デバイスの動作に関する診断データを収集する患者デバイスを含むことができ、ここで、前記診断データは、患者デバイスと関連して発生された障害の存在を識別する。患者デバイスは、また、診断データがネットワークを介して送信されるトリガイベントが発生したか否かを判定することができる。トリガイベントが発生した場合、患者デバイスは、ネットワークを介して診断データを送信することができます。患者デバイスは、また、識別されたエラーを処理し、受信されたサービスデータに従って一つまたは複数の動作を行うサービスデータを受信することができる。
【0049】
一態様によれば、前記トリガイベントは、診断データが送信される前に充足される複数の条件に基づくことができる。トリガイベントは、また、あらかじめ決定された期間の間に患者デバイスを使用することを終えた患者に基づくことができる。トリガイベントは、また、診断データが送信されるスケジュールに基づくことができる。
【0050】
前記サービスデータは、第1の部分および第2の部分を含むことができ、患者デバイスの第1の構成要素は、サービスデータの第1の部分に従って動作し、第2の構成要素は、サービスデータの第2の部分に従って動作する。一態様によれば、診断データの少なくとも一部は、患者の無呼吸指数、低呼吸指数および無呼吸-低呼吸指数のうち、少なくとも一つに関連し得る。
【0051】
他の態様において、前記サービスデータは、患者デバイスの一つまたは複数の設定を調整するための命令を含むことができ、前記診断データは、障害が発生した時間に患者デバイスの一つまたは複数の設定を識別することができる。識別された障害は、遠隔コンピューティングデバイス上に表示するためのアイコンとして提供されることができ、アイコンは、発生した障害のタイプに基づいて変化する可変的な外観を有することができる。また、識別された障害を送信するステップは、遠隔コンピューティングデバイス上に表示するための使用量アイコンを提供するステップを含むことができ、使用量アイコンは、患者デバイスが使用された程度を示す。
【0052】
本開示は、また、本明細書に説明された方法を行うように構成された一つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むシステムを提供する。
【0053】
3 図面の様々な視点の簡単な説明
本発明の技術は、添付された図面の図で例として示しているが、限定されるものではなく、添付された図面の図で同一の参照符号は、同一の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1a】[3.1 治療システム] 本発明の技術によるシステムを示す。患者インターフェース3000を装着した患者1000は、鼻枕の形態で、RPTデバイス4000から陽圧で空気の供給を受け取る。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000で加湿され、空気回路4170に沿って患者1000にパスされる。
【
図1b】患者インターフェース3000を装着した患者1000を含むシステムを示し、経鼻マスク形態で、RPTデバイス4000から陽圧で空気の供給を受け取る。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000で加湿され、空気回路4170に沿って患者1000にパスされる。
【
図1c】患者インターフェース3000を装着した患者1000を含むシステムを示し、フルフェースマスクの形態で、RPTデバイスから陽圧で空気の供給を受け取る。RPTデバイスからの空気は、加湿器5000で加湿され、空気回路4170に沿って患者1000にパスされる。
【
図2a】[3.2 治療]<3.2.1 呼吸器系> 鼻腔および口腔、喉頭、声帯、食道、気管、気管支、肺、肺胞嚢、心臓、および横隔膜を含む人呼吸器系の概要を示す。
【
図2b】鼻腔、鼻骨、側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、鼻孔、上唇、下唇、喉頭、硬口蓋、軟口蓋、中咽頭、舌、喉頭蓋、声帯、食道、および気管を含む人の上気道の概要を示す。
【
図2c】<3.2.2 顔解剖学> 上唇、上赤唇、下赤唇、下唇、口幅、 目頭部分(Endocanthion)、鼻翼、鼻唇溝、および口角点(Cheilion)を含む、識別された表面解剖学のいくつかの特徴を有する顔の正面図である。
【
図3a】[3.3 患者インターフェース] 先行技術に公知された患者インターフェースの一例を示す。
【
図4a】[3.4 呼吸圧力治療(RPT)デバイス] 本発明の技術の一つの形態によるRPTデバイスを示す。
【
図4b】本発明の技術の一つの形態によるRPTデバイスの空気圧回への概路図を示す。上流および下流方向を示す。
【
図4c】本発明の技術の一つの形態によるRPTデバイスの電気構成要素の概路図を示す。
【
図5a】[3.5 加湿器] 本発明の技術の一つの形態による加湿器を示す。
【
図6a】[3.6 呼吸波形] 睡眠中の人体の通常的な呼吸波形モデルを示し、横軸は時間であり、縦軸は呼吸の流量である。パラメータ値は変化できる一方、通常の呼吸は以下の近似値を有することができる:一回換気量(Vt)0.5L、吸息時間(Ti)1.6s、ピーク吸入気流(Qpeak)0.4L/s、呼息時間(Te)2.4s、ピーク呼気流(Qpeak)-0.5L/s。呼吸の総持続時間(Ttot)は約4sである。人は通常、1分間に約15回(BPM)の速度で呼吸し、換気量(Vent)は約7.5L/sである。通常のデューティーサイクルである、Ti対Ttot比は約40%である。
【
図7】[3.7 診断システム] 患者デバイスをモニタリングおよびサービスするのに使用され得る例示的な通信システム700を示す。各患者デバイス720は、RPT4000、加湿器5000および患者インターフェース3000を含むことができる。
【
図8-12】本開示の態様に従って表示され得るウェブページを示す。
【
図13】開示された方法に関連して本明細書に開示された患者デバイスによって実行され得る動作のフローチャート1300を示す。
【
図14】本明細書に開示されたサーバーなどのコンピューティングデバイスによって実行され得る動作に対するフローチャート1400を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
4.本発明の技術の実施例の詳細な説明
本発明の技術をさらに詳細に説明する前に、本発明の技術が本明細書で説明されている特定の例に限定されず、変更可能であることを理解すべきである。さらに、本開示において使用される用語は、本明細書で説明されている特定の例のみを説明することを目的としており、制限的なことを意図しないことを理解すべきである。
【0056】
4.1 治療システム
一形態において、本発明の技術は、呼吸器疾患を治療するためのデバイスを含む。前記デバイスは、患者インターフェース3000に至る空気送出チューブを経て患者1000に加圧空気を供給するための流れ発生デバイスまたは送風機を含むことができる。
【0057】
4.2 治療法
一形態において、本発明の技術は、患者1000の気道の入口に陽圧を印加するステップを含む呼吸器疾患を治療するための方法を含む。
【0058】
4.2.1 OSAに対する経鼻CPAP
一形態において、本発明の技術は、患者に経鼻持続気道陽圧を適用することにより、患者の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を治療する方法を含む。
【0059】
4.3 患者インターフェース3000
本発明の技術の一態様に従う非侵襲性患者インターフェース3000は、以下の機能的側面として、シール形成構造3100、プレナムチャンバ3200、位置決めおよび安定化構造3300、換気口3400、および空気回路4170に接続するための接続ポート3600を備える。いくつかの形態では、機能的側面は、一つまたは複数の物理的構成要素により提供され得る。いくつかの形態では、一つの物理的構成要素は、一つまたは複数の機能的側面を提供することができる。使用時に、シール形成構造3100は、陽圧で気道へ空気の供給を促進するために、患者の気道の入口を取り囲むように構成される。
【0060】
4.3.1 シール形成構造3100
本発明の技術の一形態において、シール形成構造3100は、シール形成面を提供し、さらにクッション機能を提供することができる。
【0061】
本発明の技術によるシール形成構造3100は、シリコーンのような柔らかくて、柔軟性且つ弾力性のある材料から構成することができる。
【0062】
一形態において、シール形成構造3100は、シール用フランジと支持フランジを含む。好ましくは、シール用フランジは、プレナムチャンバ3200の周辺部3210の周りに延びる約1mm未満、例えば、約0.25mm~約0.45mmの厚さを有する比較的薄い部材を含む。支持フランジは、シール用フランジより相対的により厚いことができる。支持フランジは、シール用フランジとプレナムチャンバ3200の周縁エッジの間に配置され、周辺部3210の少なくとも一部の周りに延びている。支持フランジは、バネ状の要素であるか、またはそれを含み、使用中にシール用フランジを支持して座屈を起こすのを防止する。使用中に、シール用フランジは、プレナムチャンバ3200におけるシステム圧力に容易に対応することができ、その底面に作用して顔にしっかりと係合するよう促す。
【0063】
一形態において、非浸湿性患者インターフェース3000のシール形成部は、一対の鼻噴霧または鼻枕を含み、それぞれの鼻噴霧または鼻枕は、患者の鼻のそれぞれの鼻孔とシールを形成するように構築されて配置される。
【0064】
本発明の技術の態様による鼻枕は次を含む:戴頭円錐、少なくともその一部が患者の鼻の下側の底面にシールを形成する、脚、戴頭円錐の底面の柔軟な部分と戴頭円錐を脚に接続する。さらに、本発明の技術の鼻枕が接続される構造は、脚の基部に隣接した柔軟な領域を含む。柔軟な領域は一致して作用して自在継手構造の役目をし、戴頭円錐と鼻枕が接続されている構造の変位と角度の両方の相対運動に対応する。例えば、戴頭円錐は、脚が接続される構造に向けて軸方向に変位させることができる。
【0065】
1つの形態において、非侵襲性シール形成部3000は、使用中に患者の顔の上唇(これがlip superiorである)上にシールを形成するシール形成部を含む。
【0066】
1つの形態において、非侵襲性患者インタフェース3000は、使用中に患者の顔の顎の部分にシールを形成するシール形成部を含む。
【0067】
4.3.2 プレナムチャンバ3200
好ましくは、プレナムチャンバ3200は、使用中にシールが形成される領域における平均的な人の顔の表面輪郭に補完になるように形成された周辺部3210を有している。使用中には、プレナムチャンバ3200の周縁エッジは、顔の隣接する表面に近接するよう位置決めされる。顔との実際の接触は、シール形成構造3100によって行われる。好ましくは、シール形成構造3100は、使用中にプレナムチャンバ3200の全体周辺部3210に延びる。
【0068】
一形態において、プレナムチャンバ3200は、プレナムチャンバ3200が鼻腔マスク(例えば、
図1bに示される)の一部である患者の鼻孔を取り囲み、および/またはこれらと流体連通され得る。また他の形態において、プレナムチャンバ3200は、プレナムチャンバ3200がフルフェースマスク(full face mask)(例えば、
図1cに示される)の一部である患者の鼻孔および口を取り囲み、および/またはこれらと流体連通され得る。また他の形態において、プレナムチャンバ3200は、プレナムチャンバ3200が鼻枕(例えば、
図29に示される)の一部である患者の胸壁のうち、一つまたは複数と係合および/または流体連通することができる。
【0069】
4.3.3 位置決めおよび安定化構造3300
好ましくは、本発明の技術の患者インターフェース3000のシール形成構造3100は、位置決めと安定化構造3300によって使用中はシーリング位置に保持される。
【0070】
4.4 RPTデバイス4000
本発明の技術の態様を実施するのに適合できる例示的なRPTデバイス4000は、機械的および空気的構成要素4100、電気構成要素4200を含むことができ、本明細書の全般にわたって記載された一つまたは複数の制御方法論またはアルゴリズムを行うようにプログラム化され得る。RPTデバイスは、外部ハウジング4010を有し、好ましくは、外部ハウジング4010の上部4012および外部ハウジング4010の下部4014の2つの部分に形成される。代替的な形態では、外部ハウジング4010は、一つまたは複数のパネル4015を含むことができる。好ましくは、RPTデバイス4000は、前記RPTデバイス4000の一つまたは複数の内部構成要素を支持するシャーシ4016を含む。一形態では、空気圧ブロック4020は、シャーシ4016によって支持されるか、またはシャーシ4016の一部として形成される。RPTデバイス4000は、ハンドル4018を含むことができる。
【0071】
RPTデバイス4000の空気圧経路は、空気入口フィルター4112、入口マフラー4122、陽圧で空気を供給することができる制御可能な圧力デバイス4140(好ましくは、送風機4142)および出口マフラー4124を含むのが好ましい。一つまたは複数のセンサ4272および流量センサ4274は、空気圧経路に含まれる。
【0072】
好ましい空気圧ブロック4020は、外部ハウジング4010内に配置される空気圧経路の一部を含む。
【0073】
RPTデバイス4000は、好ましくは、電力供給装置4210、一つまたは複数の入力デバイス4220、中央コントローラ4230、治療デバイスコントローラ4240および/または前述のコントローラのいずれか一つ、圧力デバイス4140、一つまたは複数の保護回路4250、メモリ4260、トランスデューサ4270、データ通信インターフェース4280および一つまたは複数の出力デバイス4290を備える。電気構成要素4200は、単一のプリント回路板アセンブリ(PCBA)4202上に設置され得る。代替的な形態では、RPTデバイス4000は、一つまたは複数のPCBA4202を含むことができる。
【0074】
一つまたは複数のプロセッサを含むことができるRPT装置4000の中央コントローラ4230は、好ましくは、前処理モジュール、治療エンジンモジュール、圧力制御モジュールおよびさらに好ましくは、障害状態モジュールを含む一つまたは複数のアルゴリズムモジュールを実行するようにプログラム化され得る。これは、本明細書の全般にわたって記述される一つまたは複数の換気制御方法で構成され得る換気制御モジュールを更に含むことができる。
【0075】
4.4.1 RPTデバイスの機械的および空気圧構成要素4100
4.4.1.1 空気フィルター(複数)4110
本発明の技術の一形態によるRPTデバイスは、空気フィルター4110、または一つまたは複数の空気フィルター4110を含むことができる。
【0076】
一形態において、空気入口フィルター4112は、送風機4142の空気圧経路上流の先頭に位置している。
図4bを参照する。
【0077】
一形態において、例えば、抗菌フィルターのような出口空気フィルター4114は、空気ブロックの出口4020と患者インターフェース3000との間に配置している。
図4bを参照する。
【0078】
4.4.1.2 マフラー4120
本発明の技術の一形態において、入口マフラー4122は、送風機4142の空気圧経路の上流に配置される。
図4bを参照する。
【0079】
本発明の技術の一形態において、出口マフラー4124は、 送風機4142と患者インターフェース3000との間の空気圧経路内に配置される。
図4bを参照する。
【0080】
4.4.1.3 圧力デバイス4140
本発明の技術の好ましい一形態において、陽圧の空気の流れを発生するための圧力デバイス4140は、制御可能な送風機4142である。例えば、送風機は、一つまたは複数のインペラーが渦巻室内に収納されたブラシレスDCモータ4144を含むことができる。送風機は、好ましくは、空気の供給を、例えば、約120 リットル/分の速度で、約4cmH2Oから約20cmH2O、または他の形態においては約30cmH2Oまでの範囲の陽圧により送達することができる。
【0081】
圧力デバイス4140は、治療デバイスコントローラ4240の制御下にある。
【0082】
4.4.1.4 トランスデューサ4270
本発明の技術の一形態において、一つまたは複数のトランスデューサ4270は、圧力デバイス4140の上流に配置される。一つまたは複数のトランスデューサ4270は、空気圧経路内のその地点の空気の特性を測定するように製作され、配置される。
【0083】
本発明の技術の一形態において、一つまたは複数のトランスデューサ4270は、圧力デバイス4140の下流および空気回路4170の上流に配置される。一つまたは複数のトランスデューサ4270は、空気圧経路内のその地点の空気の特性を測定するように製作され、配置される。
【0084】
本発明の技術の一形態において、一つまたは複数のトランスデューサ4270は、患者インターフェース3000の近くに配置される。
【0085】
4.4.1.5 アンチスピルバック弁4160
本発明の技術の一形態において、アンチスピルバック弁は、加湿器5000と空気圧ブロック4020との間に配置される。アンチスピルバック弁は、水が加湿器5000から上流に、例えば、モータ4144に流れる危険性を低減するように製作され、配置される。
【0086】
4.4.1.6 空気回路4170
本発明の技術の一形態による空気回路4170は、空気圧ブロック4020と患者インターフェース3000との間に空気の流れを可能にするように製作され、配置構成される。
【0087】
4.4.1.7 酸素送達
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気圧経路内のある地点に送達される。
【0088】
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気圧ブロック4020の上流に送達される。
【0089】
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気回路4170に送達される。
【0090】
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、患者インターフェース3000に供給される。
【0091】
4.4.2 RPTデバイス電気構成要素4200
4.4.2.1 電力供給装置4210
本発明の技術の一形態において、電力供給装置4210は、RPTデバイス4000の外部ハウジング4010の内部にある。本発明の技術の他の形態において、電力供給装置4210は、RPTデバイス4000の外部ハウジング4010の外部にある。
【0092】
本発明の技術の一形態において、電力供給装置4210は、電力をRPTデバイス4000のみに供給する。本発明の技術の他の形態において、電力供給装置4210は、電力をRPTデバイス4000と加湿器5000との両方に供給する。電源供給デバイスは、また、本明細書の全般にわたって記載されたように、換気配列のために、アクチュエータ、コントローラおよび/またはセンサに電力を選択的に供給することができる。
【0093】
4.4.2.2 入力デバイス4220
本発明の技術の一形態において、RPTデバイス4000は、作業者が前記デバイスと交流できるように、ボタン、スイッチまたはダイヤルの形態の一つまたは複数の入力デバイス4220を含む。これらは、換気配列のようなRPTデバイスの構成要素の動作設定を入力するために実施され得る。ボタン、スイッチまたはダイヤルは、物理的デバイスであるかまたはタッチスクリーンを介してアクセス可能なソフトウェアデバイスであることができる。これらのボタン、スイッチまたはダイヤルは、一形態では、外部ハウジング4010に物理的に接続されるかまたは他の形態では、中央コントローラ4230に電気的に接続される受信機と無線方式で通信することができる。
【0094】
一形態において、入力デバイス4220は、作業者が値および/またはメニューオプションを選択できるように製作され、配置され得る。
【0095】
4.4.2.3 中央コントローラ4230
本発明の技術の一形態において、中央コントローラ4230は、入力デバイス4220から入力信号(など)を受信し、出力信号(など)を出力デバイス4290および/または治療デバイスコントローラ4240に提供するように構成された専用電子回路である。
【0096】
一形態において、中央コントローラ4230は、アプリケーション特定集積回路である。また他の形態において、中央コントローラ4230は、別の電子構成要素を含む。
【0097】
本発明の技術のまた他の形態において、中央コントローラ4230は、 x86のINTELプロセッサーなどのRPTデバイス4000を制御するのに適したプロセッサーである。
【0098】
本発明の技術の他の形態によるRPTデバイス4000を制御するのに適したプロセッサー4230は、ARM HoldingsのARM Cortex-Mプロセッサーに基づいたプロセッサーを含む。例えば、ST MICROELECTRONICSのSTM32シリーズマイクロコントローラが使用され得る。
【0099】
本発明の技術の他の代替的形態によるRPTデバイス4000を制御するのに適した他のプロセッサーは、ファミリARM9-ベース32ビットRISC CPUから選択されたメンバーを含む。例えば、ST MICROELECTRONICSのSTR9シリーズマイクロコントローラが使用され得る。
【0100】
本発明の技術の特定代替形態において、16ビットRISC CPUは、 RPTデバイス4000に対するプロセッサーとして使用され得る。例えば、TEXAS INSTRUMENTSで製造したマイクロコントローラのMSP430 ファミリからのプロセッサーが使用され得る。
【0101】
プロセッサーは、一つまたは複数のトランスデューサ4270、および一つまたは複数の入力デバイス4220から入力信号を受信するように構成される。
【0102】
プロセッサーは、出力信号を出力デバイス4290、治療デバイスコントローラ4240、データ通信インターフェース4280、および加湿器コントローラ5250のうちの一つまたは複数に提供するように構成される。
【0103】
本発明の技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230のプロセッサー、または複数のそのようなプロセッサーは、メモリ4260などの非一時的な(non-transitory)コンピュータ可読記憶媒体に格納されるコンピュータプログラムとして表現される一つまたは複数のアルゴリズム4300などの、本明細書で説明されている一つまたは複数の方法を具現するように構成される。一部の場合には、既に説明されているように、そのようなプロセッサーは、RPTデバイス4000に統合することができる。しかし、本発明の技術のいくつかの形態におおいて、プロセッサーは、呼吸器処置の実施を直接的に制御することなく本明細書で説明されている方法のいずれかを行うことなどを目的として、RPTデバイス4000の空気圧構成要素から個別的に実行され得る。例えば、そのようなプロセッサーは、本明細書で説明されているセンサのいずれかなどから格納されているデータの解釈によって換気デバイスに対する制御設定またはその他の呼吸器関連イベントを決定することを目的として本明細書で説明されている方法のうちのいずれかを行うことができる。同様に、このようなプロセッサは、本明細書に記載されている換気デバイスの動作を制御するために、本明細書に記載されている任意の方法のうちのいずれかを実行することができる。
【0104】
4.4.2.4 クロック4232
好ましくは、RPTデバイス4000は、プロセッサーに接続されているクロック4232を含む。
【0105】
4.4.2.5 治療デバイスコントローラ4240
本発明の技術の一形態において、治療デバイスコントローラ4240は、中央コンドロ-ルロ4230のプロセッサーによって実行されるアルゴリズム4300の一部を形成する圧力制御モジュール4330である。
【0106】
本発明の技術の一形態において、治療デバイスコントローラ4240は、専用モータ制御集積回路である。例えば、ONSEMIで製造したMC33035ブラシレスDCモータコントローラが使用される。
【0107】
4.4.2.6 保護回路4250
好ましくは、本発明の技術によるRPTデバイス4000は、一つまたは複数の保護回路4250を含む。
【0108】
保護回路4250の一形態は、電気保護回路である。
【0109】
本発明の技術による保護回路4250の一形態は、温度、または圧力安全回路である。
【0110】
4.4.2.7 メモリ4260
本発明の技術の一形態によれば、RPTデバイス4000は、メモリ4260、好ましくは不揮発性メモリを含む。いくつかの形態において、メモリ4260は、電池式スタティックRAMを含むことができる。いくつかの形態において、メモリ4260は、揮発性RAMを含むことができる。
【0111】
好ましくは、メモリ4260は、PCBA4202上に配置される。メモリ4260は、EEPROMまたはNANDフラッシュの形態であり得る。
【0112】
追加的に、または代替的に、RPTデバイス4000は、移動可能な形態のメモリ4260、例えば、セキュアデジタルSD規格に従って製作されたメモリカードを含む。
【0113】
本発明の技術の一形態において、メモリ4260は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として作動し、この媒体に、一つまたは複数のアルゴリズム4300などの、本明細書で説明されている一つまたは複数の方法を表現するコンピュータプログラム命令が格納される。
【0114】
4.4.2.8 トランスデューサ4270
トランスデューサは、デバイスの内部にあるか、RPTデバイスの外部にあり得る。外部トランスデューサは、例えば、患者インターフェース上で、例えば、空気送達回路上に配置されるか、またはその一部を形成することができる。外部トランスデューサは、データをRPTデバイスに送信または転送するドップラーレーダー移動センサなどの非接触センサの形態のものであり得る。
【0115】
4.4.2.8.1 流量
本発明の技術による流量トランスデューサ4274は、差圧トランスデューサ、例えば、SENSIRION社のSDP600シリーズ差圧トレンスデユーサに基づくものであり得る。差圧トランスデューサは、空気圧回路と流体連通し、圧力トランスデューサのそれぞれの一つは流れ制限要素内の各第1および第2の地点に接続される。
【0116】
使用中に、流量トランスデューサ4274からの全流量Qtを表す信号が、プロセッサーによって受信される。
【0117】
4.4.2.8.2 圧力
本発明の技術による圧力トランスデューサ4272は、空気圧回路と流体連通するように配置される。好適な圧力トランスデューサの一例は、HONEYWELL ASDXシリーズセンサである。代替的に好適な圧力トランスデューサは、GENERAL ELECTRIC社のNPAシリーズセンサである。
【0118】
使用中に、圧力トランスデューサ4272は、中央コントローラプロセッサーによって受信される。一形態において、圧力トランスデューサ4272からの信号は、中央コントローラ4230によって受信される前にフィルター処理される。
【0119】
4.4.2.8.3 モータ速度
本発明の技術の一形態において、モータ速度信号4276が生成される。モータ速度信号4276は、好ましくは、治療デバイスコントローラ4240によって送られる。モータ速度は、例えば、ホール効果センサなどの、速度センサによって発生され得る。
【0120】
4.4.2.9 データ通信システム4280
本発明の技術の好ましい一形態において、データ通信インターフェース4280が備えられ、中央コントローラプロセッサーに接続される。データ通信インターフェース4280は、好ましくは、遠隔外部通信ネットワーク4282に接続可能である。データ通信インターフェース4280は、好ましくは、ローカル外部通信ネットワーク4284に接続可能である。好ましくは、遠隔通信ネットワーク4282は、遠隔外部デバイス4286に接続可能である。好ましくは、ローカル外部通信ネットワーク4284は、ローカル外部デバイス4288に接続可能である。
【0121】
一形態において、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラ4230の一部である。他の形態において、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラプロセッサーから分離している集積回路である。
【0122】
一形態において、遠隔外部通信ネットワーク4282は、インターネットである。データ通信インターフェース4280は、有線通信(例えば、Ethernet、または光ファイバーを介する)または無線プロトコルを使用してインターネットに接続することができる。
【0123】
一形態において、ローカル外部通信ネットワーク4284は、Bluetooth(登録商標)などの一つまたは複数の通信規格、または消費者向けの赤外線プロトコルを利用する。
【0124】
一形態において、遠隔外部デバイス4286は、一つまたは複数のコンピュータ、例えば、ネットワークコンピュータのクラスタである。一形態において、遠隔外部デバイス4286は、物理的コンピュータではなく、仮想コンピュータであり得る。いずれの場合にも、そのような遠隔外部デバイス4286は、臨床医などの適切な権限を有した作業者によるアクセスが可能であり得る。
【0125】
好ましくは、ローカル外部デバイス4288は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット、または遠隔制御である。
【0126】
4.4.2.10 オプションのディスプレイ、警報を含む出力デバイス
本発明の技術による出力デバイス4290は、視覚的ユニット、聴覚的ユニット、および触覚的ユニットのうちの一つまたは複数の形態を取ることができる。視覚的ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)ディスプレイであり得る。
【0127】
4.4.2.10.1 ディスプレイドライバ4292
ディスプレイドライバ4292は、入力として、ディスプレイ4294上に表示するために意図される文字、記号、または画像を受け取り、それらをディスプレイ4294にそれらの文字、記号、または画像を表示させる命令に変換する。
【0128】
4.4.2.10.2 ディスプレイ4294
ディスプレイ4294は、ディスプレイドライバ4292から受信された命令に応答して文字、記号、または画像を視覚的に表示するように構成される。例えば、ディスプレイ4294は、8つのセグメントディスプレイであることができ、この場合に、ディスプレイドライバ4292は、数字「0」などの各文字、または記号を8つの論理信号に変換し、この論理信号は、8つの各セグメントが特定の文字、または記号を表示するために活性化することができるか否かを示す。
【0129】
4.5 通信および診断システム
図7は、本開示の態様など実施され得る例示的なシステム700を示す。このような例は、本開示の範囲または本明細書に説明された特徴の有用性を制限するものと見なされるべきではない。この例において、システム700は、サーバー710、患者デバイス720、格納システム750だけでなく、コンピューティングデバイス760を含み、この例で臨床医またはデバイスサポートサービス担当者と関連され得る。これらのデバイスは、それぞれネットワーク4282を介して通信することができる。システム700は、任意のサイズのネットワークにスケールすることができる。例えば、3つの患者デバイス720のみが示されたが、システム700は、任意の数の患者デバイスを含むことができる。
【0130】
各患者デバイス720は、RPT4000、加湿器5000および患者インターフェース3000を含む一つまたは複数のデバイスを含むことができる。また、それぞれの患者デバイス720は、遠隔位置で、および異なる患者によって操作され得る。コントローラプロセッサー4230およびメモリ4260のみが患者デバイス720に示されているが、各患者デバイスは、RPT4000、加湿器5000および患者インターフェース3000と関連して前述の構成要素のいずれかを含むことができる。また、患者デバイス720が4282を介して直接通信するものと示されているが、それぞれの患者デバイスは、外部コンピューティングデバイスを介してネットワーク4282上で通信することもできる。例えば、患者デバイス720は、ネットワーク4282を介してデータを送信するパーソナルコンピュータと通信することができる。
【0131】
サーバー710は、一つまたは複数のプロセッサー712、メモリ714を含むことができ、汎用コンピューティングデバイスに通常的に存在する他の構成要素と組み込まれることができる。サーバー710のメモリ714は、プロセッサー712によって実行され得る命令715を含むプロセッサー712によってアクセス可能な情報を格納することができる。メモリ714は、また、プロセッサー712によって検索、操作または格納され得るデータ718を含むことができる。メモリは、プロセッサーによってアクセス可能な情報を格納することができる任意の非一時的タイプであり得る。命令715は、プロセッサー712によって直接的または間接的に実行される命令などを含むことができる。これと関連して、「命令」、「アプリケーション」、「ステップ」および「プログラム」という用語は、本明細書で相互交換可能に使用され得る。命令の機能、方法およびルーチンは、以下でより詳細に説明する。
【0132】
診断データ718のようなデータは、命令715に従ってプロセッサー712によって検索、格納または修正され得る。例えば、本明細書に記載された主題が任意の特定のデータ構造によって制限されないが、データは、コンピュータレジストに格納されることができ、すなわち、多くの他のフィールドとレコード、または XML文書を有するテーブルとしてリレーショナルデータベースに格納され得る。診断データ718は、また、数字、説明テキスト、専用コード、ポインタ、他のネットワーク位置などの他のメモリに格納されたデータに対する参照のような関連情報を識別するか計算するのに十分な任意の情報であり得る。一つまたは複数のプロセッサー712は、CPUのような従来のプロセッサーなどを含むことができるか、またはASICのようなハードウェアベース構成要素であり得る。
【0133】
図7は、サーバー710、コンピューティングデバイス760および患者デバイス720のプロセッサー、メモリおよび他の要素をそれぞれ一つのブロック内にあるように機能的に示しているが、各デバイスの様々な構成要素は、異なる物理的ハウジング内に格納され得る。例えば、メモリ714は、サーバー710のハウジングと異なるハウジングに配置されたハードドライブまたは他の格納媒体であり得る。同様に、格納システム750は、サーバー710の一部であるかまたはサーバー710のうちの一つまたは複数と一体に内蔵され得る。また、プロセッサー712は、複数のプロセッサーを含むことができ、その一部または全部は、サーバー710のハウジングとは異なるハウジングに配置される。したがって、プロセッサー、コンピュータ、コンピューティングデバイスまたはメモリに対する言及は、並列で作動するか作動しないプロセッサー、コンピュータ、コンピューティングデバイスまたはメモリの集合体に対する言及を含むものとして理解されるだろう。一部の機能などが単一のプロセッサーを有する単一のコンピューティングデバイス上で発生するものとして本明細書で説明されたが、本開示の様々な態様などは、ネットワーク4282を介して通信するもののように互いに情報を通信する複数のコンピューティングデバイスによって具現され得る。
【0134】
多くの場合に、患者デバイス720は、無線通信を使用してネットワーク4282と通信することが好ましい。しかし、本明細書に記載されたネットワーク4282および介在ノードは、ネットワークがインターネット、ワールドワイドウェブ、特定のイントラネット、広域ネットワーク、ローカルネットワーク、または携帯電話ネットワークの一部となることができるように、様々なプロトコルおよびシステムを使用して相互接続され得る。ネットワークは、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi、HTTPおよびブルートゥース(登録商標)のような標準的な通信プロトコル、一つまたは複数の会社が独占的に使用するプロトコルおよび前述の様々な組み合わせを利用することができる。前述のように、情報が送信または受信されるときに所定の利点が得られるが、本明細書に記載された主題の他の態様は、情報の特定送信方式に制限されない。
【0135】
サーバー710は、ネットワーク4282を介して格納システム750、コンピューティングデバイス760および患者デバイス720と通信できる一つまたは複数の通信サーバーを含むことができる。以下により詳細に説明するように、サーバー710は、ネットワーク4282を介して患者デバイス720から診断データ728を受信することができる。受信された診断データ728に応答して、サーバー710は、また、サービスデータ716を患者デバイス720に送信することができる。
【0136】
コンピューティングデバイス760は、サーバー710と同様に、前述したような一つまたは複数のプロセッサー762、メモリ764および命令を備えて構成され得る。それぞれのコンピューティングデバイスは、臨床医またはデバイスサポートサービス担当者によって使用されるように意図されたパーソナルコンピューティングデバイスであることができ、中央処理デバイス(CPU)、データおよび命令を格納するメモリ(例えば、RAMおよび内部ハードドライブ)、ディスプレイ 766(例えば、スクリーン、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するように操作できる他のデバイスを有するモニタ)のようなディスプレイ、およびユーザ入力デバイス768(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンまたはマイクロフォン)と関連して通常使用されるすべての構成要素を備える。
【0137】
本開示の態様にしたがってネットワーク4282を介して転送されたデータの一部は、気密の患者情報を含むだろう。したがって、システム700は、送信されたデータに対する不正アクセスを防止するためのセキュリティ対策を実施することができる。一態様において、システム700のデバイスなどの間の接続は、VPN接続の形態を取ることができる。また、データ送信は、SSL(Secure Socket Layer)プロトコルを基盤とすることができる。ネットワーク4282を介して送信されたデータは、また、個人キー基盤構造を使用して暗号化され得る。以下のシステム側面では、一つまたは複数のウェブページを介してデータを表示することができるが、これらのウェブページは、保護されたネットワークに関連して示すことができるので、承認されたコンピューティングデバイスおよびユーザだけウェブページにアクセスできる。
【0138】
4.6 例示的な方法
前述したように、
図7に示した各患者デバイス720は、RPT4000、加湿器5000および患者インターフェース3000を含む一つまたは複数のデバイスを含むことができる。本明細書に記載された動作を行うことにおいて、患者デバイス720は、ソフトウェアまたはファームウェアを含むことができる命令セット726を実施することができる。
図4cに関連して前述のように、RPT4000は、湿度コントローラ5290および治療デバイスコントローラ4240のような複数のコントローラだけでなく、他のハードウェア構成要素を含むことができる。患者デバイス720の作動中に、一つまたは複数の構成要素に関連して障害が発生することができる。本明細書に記載されたシステムおよび方法に示したように、これらの障害は、遠隔で識別され、しばしばサービスされ得る。開示されたシステムは、サービス担当者に患者デバイス720に関するリアルタイムの通知および診断データを受信することが可能であるので、患者が自分の患者デバイス720に問題を報告する前に潜在的な問題を識別することができる。問題が患者に報告された場合、開示されたシステムは、ウェブページまたは患者デバイスダッシュボード上のエラーアイコンおよび警告メッセージの表示を介して障害の可視的表示をサービス担当者に提供し、手術患者デバイスと関連した詳細データの関連報告書を提供する。このような方式で、サービス担当者は、患者の報告された問題がデバイスと関連があるか否かを迅速に判定することができる。
【0139】
各患者デバイス720は、診断データ728を生成して格納することができる。診断データ728は、発生したか発生する可能性のある障害に関するデータを含み、患者デバイス720の動作に関連する任意のデータを含むことができる。一態様において、命令セット726は、患者デバイス720の様々な構成要素が正しく作動するか否かを判断するために、患者デバイス720の包括的検査を実行するための命令を含むことができる。例えば、包括的な検査は、電源、患者インターフェース3000に提供された空気圧だけでなく、患者デバイス720の一つまたは複数の構成要素の温度を検査することを伴うことができる。
【0140】
一つの態様によれば、障害は、加湿に関連した障害、加熱された管、電源供給装置、送風機などのような実施される構成要素および作動に基づいて分類され得る。一例において、特定の障害は、患者がデバイスの使用を中断することを要求するか否かに基づいて分類され得る。特に、患者デバイス720は、検出された障害が患者にデバイスの使用を中断することを要求するカテゴリーであるか否かを決定することができ、そうであれば、患者への治療を終了する。患者デバイス720は、また、患者にエラーメッセージを表示することができる。エラーメッセージは、発生したか発生する可能性のある障害を記述する場合がある。
【0141】
診断データ728は、患者デバイス内の特定の障害の識別に制限されないが、また、デバイスの一般的な動作および使用に関連され得る。特に、患者デバイス720は、使用時間、使用中に提供された空気圧、使用中に発生した空気漏れおよび治療中に使用された治療設定を識別することを含み、患者デバイス720の患者の使用に対するログを生成することができる。このような治療設定には、自動または手動調整のために設定することができる様々な気候制御が含まれ得る。例えば、ユーザは、患者デバイス720の湿度、温度および呼気圧力レベルを設定することができる。患者は、また、患者デバイス720を「スマートスタート」および「スマートストップ」設定に設定することができ、患者インターフェース3000を着用した患者に対する治療を開始し、患者インターフェース3000を脱いだ患者に対する治療を自動的に中断するだろう。
【0142】
診断データは、また、治療中の患者の状態に関連することができる。例えば、診断データ728は、患者の無呼吸指数、低呼吸指数および無呼吸-低呼吸指数、障害データ、患者使用量、漏れデータ、治療および快適性設定および注文デバイス動作および障害ログを計算するのに使用され得るデータを含むことができる。患者デバイス720に対する周囲条件も診断データとして収集して格納することができる。例えば、患者デバイスのセンサは、患者デバイス周辺の温度および湿度に関連するデータを収集するのに使用され得る。このような追加データを収集して報告された問題をより包括的に診断するのに役に立つことができる。これは、モニタリング対象のデバイスが動作する環境をより完全に把握できるためである。例えば、患者が治療が予期せず開始または中断されたと報告すれば、漏れに対する情報と、圧力治療デバイスの「スマートスタート/ストップ」機能が有効になる事実に関する情報がこの問題を説明することができる。したがって、患者問題を解決することは、デバイスにハードウェア障害があるか否かを決定することよりもはるかに重要である。報告された問題は、全く問題にならないことがあり、患者の側では認知された問題であり得る。
【0143】
一例において、診断データ728を収集して患者デバイス720によって実行されたイベントまたは動作のログとして提示することができる。ログは、障害が発生したときに、インスタンスを識別することができ、障害が発生したか発生する可能性がある。圧力処理デバイスの様々な構成要素における可能性のある障害の表示として動作パラメータをどのように使用できるかに対する詳細事項は、公開されたPCT出願WO2000027457に記載されている。ログは、イベントおよび動作のリストだけでなく、各イベントが発生した日付および時間を含むことができる。
【0144】
一態様によれば、患者デバイス720は、収集された診断データ728をサーバー710およびコンピューティングデバイス760などの一つまたは複数の外部デバイスに送信することができる。診断データ728の送信は、一日または一週間に一回または所定のトリガリングイベントの発生に基づくことができる。このようなトリガリングイベントのうち、一つは、障害の発生の可能性があるので、障害が検出され次第に診断データ728が送信される。障害に直接関連するデータに加えて、患者デバイスは、治療処置情報およびデバイス設定を含む他の診断データ728を送信することもできる。
【0145】
トリガリングイベントは、また、患者が患者デバイス720の使用を中断した以後の所定の時間に基づくことができる。例えば、命令セット726は、患者が患者デバイス720の使用を中断した後、1時間内に診断データ728を送信すべきであることを示すことができる。この例において、患者が患者デバイス720の使用を中断したが、1時間内に患者がそれを再び使用すると、診断データ728は送信されないだろう。代わりに、患者デバイス720は、患者の患者デバイス720の使用が診断データ728を送信する前に1時間の指定された時間の間に停止するまで待機するだろう。診断データ728を送信する前に所定の時間を待機することにより、命令セット726は、患者が患者インターフェース3000を調整するか簡単に取り除くなど、治療への短い中断に起因する使用データの不要な送信を防止することができる。診断データ728の送信をトリガするのに使用される所定の期間は、特定の命令セット726が特定の患者デバイスによって実施されるように構成することができる。
【0146】
また他の例において、命令セット726は、患者が患者デバイス720で治療を受けた時間量に基づいてトリガリングイベントを指定することができる。この時間は、また、ネットワーク4282を介して送信されるデータの量を制限することと、診断データの適時性を達成することとの間にバランスをとるように命令セット726内に構成することができる。命令セット726は、また、所定の時間の間に治療が行われなかった場合に、患者デバイス720に診断データ728を送信させる。例えば、患者デバイス720は、患者デバイス720が24時間のような所定の時間に使用されなかったことを示す診断データ728をサーバー710に送信することができる。
【0147】
患者デバイス720から診断データ728を受信すると、サーバー710は、診断データ718として受信されたデータを格納することができる。サーバー710における格納された診断データは、コンピューティングデバイス760によってアクセスされ、したがって、サービス担当者などのコンピューティングデバイスのユーザが各患者デバイスの状態をモニタリングすることができる。したがって、診断データ718は、特定の患者デバイス720および特定の患者と診断データ718を連関させる方式でサーバー710に格納され得る。このような方式で、サービス担当者は、特定の患者デバイス720に対する問題点を容易に検出することができる。
【0148】
患者デバイス720に格納された診断/故障データ728は、即時のレビューを可能にするために必要な時に提供され得る。例えば、患者デバイス720のユーザが患者デバイス720の作動に問題があるので、患者デバイス720のユーザがサービス担当者に電話をかけると、診断データ728の即時検討が必要となることがある。この場合、サービス担当者は、コンピューティングデバイス760を使用して、ユーザによって検出されるか報告された障害に関する任意の診断データ728を含み、特定の期間にわたって収集されたすべての診断データ728のような、患者デバイス720から特定の診断データの即時送信を要求する。
【0149】
一態様において、サーバー710は、通信サーバーおよびウェブサーバーを含む異なるタイプのサーバーを含むことができる。この例において、コンピューティングデバイス760は、ウェブサーバーに診断データ728を要求することができ、ウェブサーバーは、その要求を通信サーバーに送信する。次いで、通信サーバーは、患者デバイス720から診断データ728を要求して受信することができる。要求に応答して、患者デバイス720は、動作および障害のログとして診断データ728を送信することができる。その後、受信されたログは、ウェブサーバーから通信サーバーに送信されることができ、通信サーバーは、コンピューティングデバイス760によってアクセスされ得る。
【0150】
前述のように、サービス担当者または臨床医のようなコンピューティングデバイス760のユーザは、サーバー710に格納された診断データ718にアクセスすることができる。アクセスされた診断データ718は、ウェブサイトまたは他のネットワークを介してコンピューティングデバイス760に提示され得る。一態様において、コンピューティングデバイス760のユーザは、患者情報に基づいて特定の診断データ718を検索することができる。
【0151】
図8は、患者の名前に基づく診断データの検索に関連して表示され得るウェブページのスクリーンショット800を示す。スクリーンショット800は、一つまたは複数の患者に対する検索質疑を入力するのに使用されうる検索フィールド802を含む。検索フィールドは、患者の名前、生年月日、識別番号などを含む患者の特定の属性を検索するように設定され得る。
図8に示したように、「Doe」という名前を有する患者に対する検索が行われた。その結果、提案されたシステムで臨床医は、患者のリストを見ることができるだけでなく、ハードウェア障害などの障害を有したデバイスがあるか否かも一目で分かる。また、このシステムは、患者をフィルターリングし、臨床医が要求することに応じて、障害があるか障害のない患者のみ表示することができる。このような方法では、臨床医は電話を待つのではなく、問題のあるデバイスを有した患者を積極的に管理することができる。
【0152】
検索の結果は、コラム見出し804~812の下に示されている。検索質疑を満足する各患者の名前は、コラム見出し806の下に示す。また、患者が使用している任意のデバイスは、コラム見出し812の下に識別された患者の同じ行内で識別され得る。スクリーンショット800における患者デバイスの識別は、患者によって使用される各デバイスに対するモデル番号を提供するが、コラム見出し812は、デバイスの製造社およびデバイスのシリアル番号の識別を含み、デバイスに対する追加情報を含むことができる。コラム見出し808の下で、障害を経験したか、または障害が発生する可能性のある任意の患者デバイスに対してアイコン814を表示することができる。例えば、John DoeのモデルS10 Newportデバイスに障害が発生したことを示すアイコン「John Doe」の隣にアイコン814が表示される。前述のように、この障害の決定は、John Doeの患者デバイス720から送信された診断データに基づいてサーバー710によって行われることができる。アイコン814は、任意の数のフォームを取ることができ、発生した障害のタイプに基づいて変更することができる。例えば、アイコン814は、患者デバイスのどの構成要素が障害を経験したか、障害によって患者デバイスが動作を停止したか、および患者が障害を報告したか否かに応じて可変的な外観を有することができる。このようにして、サービス担当者は、問題の性質を迅速に把握し、どのような追加措置を考慮すべきかを決定することができる。サービス担当者は、また、アイコン814と共に提供される任意の報告書だけでなく、アイコン814の外観を使用して患者によって報告された問題がデバイスに関連しているか否かを決定することができる。例えば、非デバイス関連の問題には、環境問題または患者関連の問題によって発生する問題が含まれ得る。
【0153】
障害の識別に加えて、スクリーンショット800に示されたウェブページは、また、各患者のデバイスに関連した他の診断データを表示することができる。例えば、コラム見出し804の下のアイコンは、患者のデバイスが現在ネットワークに接続されているか否かを示す。特に、アイコン816は、John Doeのデバイスが現在ネットワークに接続されていることを示すが、アイコン818は、 Robert Doeのデバイスが現在ネットワークに接続されていないことを示す。コラム見出し810の下に列挙された日付は、患者が患者デバイスを最後に使用した日付を示す。一態様によれば、コンピューティングデバイス760のユーザーは、
図8に示したウェブページディスプレイをカスタマイズして、各患者デバイスに対する追加情報を表示することができる。
【0154】
図9のスクリーンショット900から分かるように、ウェブページは、ポップアップウィンドウを介して特定の患者デバイスに対する追加的な診断データを提供することができる。例えば、ユーザがアイコン814上にカーソル904を動かすときに、ポップアップウィンドウ902が現れる。ポップアップウィンドウは、患者に関する追加情報だけでなく、障害が検出された特定の患者デバイスを識別することができる。例えば、ポップアップウィンドウ902は、患者ID、987-654-321によって患者John Doeを識別し、シリアル番号123456789によって患者デバイスを識別する。ポップ-ウィンドウ902は、また、患者デバイスに対して検出された障害に関する情報を表示することができる。特に、 警告アイコン906は、デバイス123456789の送風機に関連して障害が発生したことを示す一方、チェックアイコン908は、デバイスの電源供給に関連して障害が検出されなかったことを示す。一態様によれば、ユーザは、障害を示す特定のデータ、障害が最初に検出された日付および時間、および患者デバイスの現在の設定を含む検出された障害に関する追加の詳細事項を受信するために、警告アイコン906を選択することができる。障害は、機能領域の任意の構成要素、サブシステムおよび送風機(フロージェネレータ)のような議論された例に関連することができ、電源供給デバイスは、システム機能を説明するための例に過ぎないという点に留意されたい。
【0155】
図10は、診断データがユーザに表示され得る他の方法を示す。スクリーンショット1000から分かるように、ウェブページは、患者リストではなく、デバイスリストに関連して診断データを表示することができる。特に、患者のデバイス情報は、患者の特定の識別なしに提示されて、サービス担当者に対する患者のプライバシーを維持することができる。例えば、患者デバイスの診断データは、シリアル番号のようなデバイス識別子に基づいてアクセスすることができる。コラム1002の下に、特定の患者デバイスをそのシリアル番号で列挙することができ、すべての障害表示は、コラム1004に提供される。追加の診断データが他のコラムに表示され得る。例えば、コラム見出し1006の下に表示されたグラフィックは、過去10日間の各患者デバイスの使用を示す。特に、各使用量アイコン1010~1018は、患者デバイス987654321が特定の日の過程の間に使用された程度を示す。空の使用量アイコン1010は、患者デバイス987654321が5月1日に使用されなかったことを示す。対照的に、使用量アイコン1012は、患者が5月6日に6時間のような少なくとも所定の時間量の間に患者デバイスを使用したことを示す。部分的に陰影された使用量アイコン1014は、患者デバイスが 5月2日に使用されたが、デバイスは、所定量の時間の間に使用されなかったことを示す。使用量アイコン1010~1018は、また、患者デバイスが使用された方法を示すことができる。例えば、使用量アイコン1016に表示された「L」は、5月4日に患者の治療中に空気漏れが感知されたことを示すことができる。また、アイコン1018に表示された「M」は、デバイスが現在モニタリングされているか、または診断データがその日にまだ受信されなかったことを示すことができる。
図9のアイコン814に関連して前述したように、ユーザは、カーソルを移動させるかアイコン1020を選択することによって、アイコン1020によって表示された障害に関連する追加の情報を得ることができる。一態様において、ユーザは、特定の日に関連して患者デバイス987654321に対する診断データだけでなく、障害が発生した時点での、一つまたは複数の患者デバイス構成要素の設定に関連した診断データのログを受信するために、使用量アイコン1010~1018のうち、一つを選択することができる。例えば、診断データは、自動気候制御設定が障害時間に患者デバイスの障害または湿度レベル設定時に、活性化されたが否かを識別することができる。ログには、指定された時間の間に発生したすべての操作および障害を含むことができる。
【0156】
一態様によれば、患者の在宅看護提供者(HCP)または関連するサービス担当者は、特定の患者デバイス720のトラブルシューティングを行うために、
図7のシステム700を使用することができる。患者が患者デバイス7720に問題を経験した場合、HCPは、コンピューティングデバイス760を使用して特定の患者デバイス720に対するサーバー710に格納された診断データ718にアクセスすることができる。患者デバイス720に対する識別番号、例えば、シリアル番号を入力すると、サーバー710は、コンピューティングデバイス760にも
図11のスクリーンショット1100に示したウェブページのようなトラブルシューティングウェブページを提供することができる。このウェブページには、選択したデバイスに対して障害が感知されたか否かを示すメッセージが明確に表示される場合がある。例えば、スクリーンショット1100のウェブページは、障害が発生したことを示す障害メッセージ1102を表示する。このメッセージは、障害の性格を示すだけでなく、障害を処理する方法に対する指針を提供することができる。特に、
図7に戻って、サーバー710は、検出された障害が遠隔で対処することができるか否かを決定することができる。そうであれば、障害メッセージは、障害に対する支援を求める際に使用される電話番号またはウェブページリンクを提供することができる。代替的に、障害が遠隔で対処することができないと判定された場合、メッセージは、障害を解決するために患者が患者デバイスをサービスセンターに運ばなければならないことを示すことができる。サーバー710に格納された診断データ718が障害が発生したことを示さない場合、障害が検出されなかったことを示すメッセージがウェブページ上に提供され得る。障害が遠隔で対処することができるか否かを決定することは、少なくとも部分的には、患者デバイス720に対する障害が特定の形態のハードウェア故障に基づくことを診断データ718が示すか否かに基づくことができるが、これは、ハードウェア故障に基づくいくつかの障害がサービスセンターで解決する必要があるからである。このような場合、トラブルシューティングが直ちに終了することができ、患者は、サービスのために患者デバイスを持ち込むように指示されることがある。
【0157】
代替的に、マスク適合などのいくつかのハードウェア問題は、トラブルシューティングウェブページを介してHCPまたは患者に命令を提供することによって、遠隔で対処することもできる。また、障害が不適切な患者デバイス設定に基づくか、または障害が患者デバイスのソフトウェアまたはファームウェアに基づく場合、障害は、サーバー710によって遠隔で対処することができる。例えば、患者デバイス720のソフトウェアにおける障害は、患者デバイス720に送信される命令セット726のアップデートによって対処することができる。したがって、サーバー710は、命令セット726のアップデートをネットワーク4282を介して患者デバイス720に送信することによって、トラブルシューティングを行うことができる。
【0158】
障害メッセージ1102に加えて、
図11に示したトラブルシューテングウェッブページは、デバイスのモデル番号およびシリアル番号を含み、患者デバイス720に関する様々な情報を表示することができる。トラブルシューテングウェッブページには、呼吸圧力緩和、スマートスタート/ストップ、気候制御オプション、加湿設定、加熱管温度設定などのデバイスの現在の設定も表示されることもできる。 トラブルシューテングウェッブページには、障害が発生した時刻またはその付近の時刻で患者の室内温度および湿度のような環境診断データを表示することができる。また、ラブルシューテングウェッブページは、スクリーンショット1100に表示された5日間の使用量アイコン1104などの使用データを表示することができる。前述したように、この使用データは、患者が患者デバイスを使用した時間量、空気漏れが検出された程度だけでなく、患者の無呼吸-低呼吸指数に関連したデータを示すことができる。患者デバイスの周辺条件は、トラブルシューテングウェッブページにも表示され得る。加湿器5000のタイプおよび患者インターフェース3000のタイプのような患者が使用する様々な構成要素の識別情報は、トラブルシューテングウェッブページでも確認することができる。この情報は、障害を対処する方法を決定するために、HCPによって使用され得る。例えば、空気漏れに関連した障害は、患者が使用するマスクのタイプに応じて異なる方法で対処することができる。
図11に示したように、患者デバイス720に対する最近の漏れ情報と共に、使用されるマスクのタイプに関するトラブルシューテングウェッブページ上に情報が提供され得る。マスク情報は、治療の予期しない停止または乏しいマスク適合に関するインジケータとして使用されることができ、患者デバイス720と共に使用されるマスクのデザイン、サイズおよびブランドの識別を含むことができる。
【0159】
トラブルシューテングウェッブページ、すなわち、HCPを使用して障害を引き起こした原因を識別し、問題に対処するために患者デバイス720の設定を調整することができる。一様態において、HCPは、トラブルシューテングウェッブページに直接調整を入力することによって、患者の治療および患者デバイス720の設定を調整することができる。例えば、HCPは、
図11のトラブルシューテングウェッブページを使用して、デバイス123456789の湿度レベルをレベル5からレベル3に調整することができる。トラブルシューテングウェッブページの湿度レベルを変更することは、
図7に示したサーバー710によって受信され得る。次に、サーバー710は、患者デバイス720に湿度変更命令を送信することができる。患者デバイス720は、受信された命令に応答してその湿度レベルを変更することができる
【0160】
一態様によれば、サーバー710は、動作および障害の診断ログの形態で診断データ718をコンピューティングデバイス760に送信することができる。一例において、コンピューティングデバイス760のユーザーは、一つまたは複数の患者デバイス720に対するサーバー710から診断ログを要求することができる。この要求は、ログに含まれる診断データのタイプを特定することができる。例えば、ユーザーは、コンピューティングデバイス760を介して特定の患者デバイスに対して発生したすべての障害に対する診断ログを要求することができる。代替的に、ユーザーは、加湿器5000のような特定の構成要素または構成要素セットに関連したすべての診断データのログを要求することができる。このような方式で、コンピューティングデバイスのユーザーは、患者デバイス720に関連して発生した問題に対処するのに使用され得る特定の情報セットが提供され得る。
【0161】
図12のスクリーンショット1200は、コンピューティングデバイス上に表示され得る例示的な診断ログを示す。この例において、コンピューティングデバイスは、シリアル番号123456789を有する患者デバイスで過去24時間の間に発生したすべての動作(activities)および障害のログを要求した。コラム見出し1204の下で識別された日付と時間は、発生された各障害の日付と時間を示す一方、コラム見出し1206にある情報は、エントリが動作または障害に関連するか否かを指定する。コラム見出し1208に提供されるように、エラーコードは、各障害に対して識別され得る。これを介してサービス担当者は、発生した特定のタイプの障害を識別することができる。また、各ログエントリは、コラム見出し1210の下に提供される説明を含むことができる。ログエントリの説明は、ユーザーがデバイスのマスクを着用するとか離すことのような、生じた動作を識別するか、または生じた障害に対する情報を提供することができる。
【0162】
一態様によれば、ユーザーに提示された診断ログは、ユーザー入力に基づいて拡張されるかフィルターリングされ得る。例えば、
図12に示した診断ログは、長期間にわたって、例えば、最後の30日間にわたって、デバイス123456789に対して発生した動作および障害を含むように拡張され得る。診断ログは、特定のタイプの動作のみを示すか患者デバイスで発生した障害のみを表示するようにフィルターリングすることもできる。このような方式で、ユーザーは、患者デバイスをサービスするのに必要な情報に容易にアクセスすることができる。
【0163】
一態様によれば、
図7のサーバー710は、障害が患者デバイス720のうちの一つで検出される直ちに障害表示をコンピューティングデバイス760に送信することができる。したがって、診断データに対する要求を待たずに、サーバー710は、患者デバイス720に対する診断データが障害が発生したことを示す直ちにコンピューティングデバイス760に通知をプッシュすることができる。この通知は、SMSメッセージ、電子メールまたは他の形式のプッシュ通知として発生することができる。このようにして、HCPまたはサービス担当者は、患者デバイス720の問題点を直ちに通知受けることができる。一例において、プッシュ通知は、患者の治療に否定的な影響を及ぼすことができる障害を有する特定のタイプの障害に対してのみ提供されるだろう。したがって、患者デバイス720から障害の表示を受信すると、サーバー710は、識別された障害がプッシュ通知がコンピューティングデバイス760に送信されるべきか否かを決定することができる。
【0164】
図13は、前述したシステムの患者デバイスによって実行され得るフローチャート1300である。ブロック1302において、患者デバイスは、命令セットにしたがって診断データを収集する。前述したように、診断データは、患者デバイスに関連して発生する動作および障害だけでなく、患者デバイスに対する設定の識別を含むことができる。診断データを収集する間に、患者デバイスは、トリガリングイベントが発生したか否かを決定する(ブロック1304)。一応、トリガリングイベントが識別されると、患者デバイスは、診断データをサーバーに送信するなど、 ネットワークを介して診断データの少なくとも一部を送信することができる(ブロック1306)。前述したように、トリガリングイベントは、患者によって実行される動作または患者デバイスによって実行される操作に基づくことができる。例えば、トリガリングイベントは、患者が所定の期間の間に患者デバイスを使用することを中断したという決定に基づくことができる。トリガリングイベントは、また、サーバーのような外部デバイスから診断データに対する要求を受信することを含むことができる。要求またはトリガーイベントは、患者デバイスが収集された診断データの特定の部分を送信することを要求することができる。例えば、患者デバイスは、最後の送信以後に収集されたすべての診断データを送信することができる。
【0165】
患者デバイスは、また、サービスデータが受信されたか否かを決定することができる(ブロック1308)。サービスデータは、識別された障害に対処するために、遠隔サービスによって提供される情報を含むことができる。例えば、サービスデータは、患者デバイスのソフトウェアまたはファームウェアに対するアップデートまたは一つまたは複数の患者デバイス設定に対するアップデートを含むことができる。サービスデータが受信されない場合、患者デバイスは、診断データを収集し続け、ブロック1302および1304にしたがってトリガリングイベントが発生したか否かを決定することができる。しかし、サービスデータが受信された場合、患者デバイスは、受信されたサービスデータにしたがってアップデートすることができる(ブロック1310)。アップデートは、新しい命令セットを追加するか、現在の命令セットを変更するか、患者デバイスの設定を変更することを含むことができる。その後、患者デバイスは、アップデート命令を含むことができる現在の命令セットにしたがって診断データを収集し(ブロック1302)、診断データを送信する(ブロック1306)。
【0166】
図14は、システム700のサーバー710を含む開示されたシステムのコンピューティングデバイスによって実行され得るフローチャート1400を示す。ブロック1402において、サーバーは、一つまたは複数の患者デバイスに関連した診断データに対する質疑を受信することができる。例えば、前述したように、サーバー710は、特定の患者デバイスまたは患者デバイスなどのセットに関連してデータを求めるコンピューティングデバイス760から質疑を受信することができる。この質疑は、コンピューティングデバイス760のユーザーによって提供される一つまたは複数の基準を満たすすべての患者デバイスの識別を要求することができる。この基準は、一部の定義された障害を経験したデバイスを含む、患者デバイスの任意の数の態様または特徴に基づくことができる。このような方式で、コンピューティングデバイス760のユーザーは、可能であれば、患者が問題を言及するかユーザーに問題を通知する前に、障害が発生した直後に障害を認知することができる。サーバーは、受信された質疑に応答して診断データにアクセスすることができ(ブロック1404)、障害が一つまたは複数の患者デバイスに関連して発生したか否かを決定することができる(ブロック1406)。
【0167】
サーバーは、一つまたは複数の患者デバイスに対して発生された任意の障害の識別を含み、一つまたは複数の患者デバイスに対する診断データを送信することによって質疑に応答することができる(ブロック1408)。診断データの送信は、
図8~
図12に示したウェッブページのような一つまたは複数のウェッブページにわたって起こることができる。前述したように、ウェッブページは、一つまたは複数の患者デバイスに対して発生された特定の障害だけでなく、それぞれの識別された障害に関連してとらなければならない潜在的な動作を識別することができる。
【0168】
次に、サーバーは、一つまたは複数の患者デバイスに送信されるサービスデータに対する要求を受信することができる(ブロック1410)。送信されたサービスデータは、患者デバイス命令セットに対する一つまたは複数のデバイス設定またはアップデートで調整するための命令の形態を取ることができる。例えば、患者デバイスの導管内に識別された凝縮障害に対処する場合に、コンピューティングデバイス760のユーザーは、患者デバイスにサービスデータとして送信される特定の設定変更を選択して、患者デバイスの加湿器によって提供される加湿レベルを調整することができる。ブロック1410の要求を受信すると、サーバーは、サービスデータにアクセスするか、そうでなければ生成し(ブロック1412)、受信された要求で識別された患者デバイスにサービスデータを送信することができる(ブロック1414)。サーバーは、また、サービスデータの送信が正常であったか否かを決定することができる(ブロック1416)。例えば、サーバーは、各患者デバイスからエラー通知またはサービスデータが正常に具現されたというメッセージを受信することができる。サービスデータの送信にエラーが発生すると、サーバーは、エラーが発生した各患者デバイスに対してサービスデータを再び送信することができる(ブロック1414)。しかし、送信が正常なら、サーバーは、格納された診断データを修正して一つまたは複数の患者デバイスが送信されたサービスデータを実行したことを表示することができる(ブロック1418)。
【0169】
図13および
図14に示した動作は、それぞれ単一デバイスによって実行され得るが、動作は、代替的に、一つまたは複数のデバイスによって実行され得る。例えば、患者デバイスは、無線ネットワークを介してパーソナルコンピュータと通信することができ、したがって、パーソナルコンピュータは、前述した一つまたは複数の動作を実行することができる。
図14および
図9に関連して参照されるサーバーは、
図14および
図9の実施例は、また、複数のサーバーを含むことができ、各サーバーは、前述した動作のうち、一つまたは複数を実行する。フローチャート1300および1400から様々な動作などが追加または除去され得る。例えば、本開示によるシステムは、ブロック1412~ブロック1418に記載された手続きを実行せず、フローチャート1400に関連した方法を実行することができる。また、様々な動作などがフローチャート1300および1400に示したものと同一の順序で実行される必要はない。
【0170】
4.7 用語解説
本発明の技術の特定の形態において、以下の定義のうちの一つまたは複数が適用され得る。本発明の技術の他の形態では、代替的な定義が適用され得る。
【0171】
4.7.1 一般的な事項
空気:空気は、呼吸可能な気体、例えば、酸素補給を有する空気を含むと解釈される。
【0172】
持続的気道陽圧(CPAP):CPAP処置は、大気に対して連続的に陽圧であり、好ましくは、患者の呼吸サイクルを介してほぼ一定した圧力で気道の入口への空気または呼吸可能な気体を供給することを意味する。いくつかの形態において、気道の入口における圧力は、単一呼吸サイクル内で数センチメートルの水によって変化し、例えば、吸気中に高く、呼気中に低い。いくつかの形態において、気道の入口における圧力は、呼気中はわずかに高く、吸気中はわずかに低いだろう。いくつかの形態において、患者の様々な呼吸サイクルの間に圧力が変化し、例えば、患者の一部上気道閉塞の指示が検出されるのに対応して増加し、一部上気道閉塞の徴候がないときは減少する。
【0173】
4.7.2 材料
シリコーンまたはシリコーンエラストマー:合成ゴム。本明細書において、シリコーンが参照される場合、これは、液体シリコーンゴム(LSR)または圧縮形成シリコーンゴム(CMSR)を指す。商業的に販売されているLSRの一形態は、Dow Corningで製造したSILASTIC(この商標で販売されている製品の範囲に含まれ)である。LSRのまた他の製造社は、Wackerである。別に、反対として明示されない限り、LSRの好ましい形態は、ASTM D2240を使用して測定時に、約35~約45の範囲内のショアA(またはタイプ A)圧入硬度を有する。
【0174】
ポリカーボネート:ビスフェノール-A カーボネートの典型的に透明な熱可塑性重合体。
【0175】
4.7.3 患者インターフェースの諸側面
窒息防止弁(AAV):大気圧に対してフェイルセーフ(failsafe manner)に開くことによって患者が過度なCO2を再呼吸する危険を減らす、マスクシステムの構成要素または部分構成要素。
【0176】
屈曲部:角度にわたって方向を変化させるための、流れまたは空気の軸方向を誘導する導管。一形態において、この角度は、約90度であり得る。また他の形態において、この角度は、90度未満であり得る。導管は、ほぼ円形の断面を有することができる。他の形態において、導管は、楕円形または矩形の断面を有することができる。
【0177】
フレーム:フレームは、ヘッドギアとの2つ以上の接続点の間で張力の負荷を担うマスク構造を意味すると解釈される。マスクフレームは、マスク内の非気密耐荷重性構造(non-airtight load bearing structure)であってもよい。しかし、いくつかの形態のマスクフレームは、また、気密であってもよい。
【0178】
ヘッドギア:ヘッドギアは、頭部に対して使用するために設計された位置決めおよび安定化構造の一形態を意味すると解釈される。一実施例において、ヘッドギアは、呼吸治療を送達するために患者インターフェースを患者の顔上の定位置に配置および維持するように構成された一つまたは複数の支柱、タイ(tie)および補強材の集合を備える。いくつかのタイは、発泡体および布地の積層複合材のように、柔軟な、可撓性で、弾性の材料から形成される。
【0179】
膜:膜は、好ましくは、実質的に屈曲に対する耐性を有しないが、伸張に対する耐性を有する、典型的に薄い要素を意味すると解釈される。
【0180】
プレナムチャンバ:患者インターフェースプレナムチャンバは、フルフェイスマスク(例:鼻および口マスク)、鼻マスクまたは鼻枕のようなある容積の空間を囲む壁を有する患者インターフェースの一部を意味すると解釈され、前記容積部は、患者による使用時に大気圧以上に加圧された空気を内部に有する。シェルは、患者インターフェースプレナムチャンバの壁の一部を形成することができる。一つの形態において、患者の顔の領域は、クッションまたはシールのようなプレナムチャンバの壁のうち、一つに接する。
【0181】
シール:名詞形(「a seal」)は、2つの表面の界面を通る空気の流れに意図的に抵抗する構造または障壁を意味すると解釈される。動詞形(「to seal」)は、空気の流れに抵抗することを意味すると解釈される。
【0182】
シェル:シェルは、屈曲、引張および圧縮剛性を有する湾曲構造、例えば、マスクの湾曲構造壁を形成するマスクの部分を意味すると解釈される。好ましくは、その全体寸法と比較して、シェルは相対的に薄い。いくつかの形態において、シェルはファセット状になっていてもよい。好ましくは、そのような壁は、気密性があるが、いくつかの形態において、それらは気密性がなくてもよい。
【0183】
補強材:補強材は、少なくとも1つの方向において別の構成要素の屈曲耐性を増大させるように設計された構造的構成要素を意味すると解釈される。
【0184】
支柱:支柱は、少なくとも1つの方向において別の構成要素の圧縮耐性を増大させるように設計された構造的構成要素を意味すると解釈される。
【0185】
スイベル:(名詞)例えば、低トルク下で、例えば、独立的に、共通の軸を中心として回転するように構成されている構成要素のサブアセンブリ。一形態において、スイベルは、少なくとも360度の角度、回転するように構成されている。他の形態において、スイベルは、360度未満の角度、回転するように構成されている。空気導管の文脈において使用される場合、例えば、構成要素のサブアセンブリは、一致した対の円筒形導管を含む。好ましくは、使用中、スイベルから空気が漏れる流れはほとんどまたは全くない。
【0186】
タイ(Tie):タイは、張力に抵抗するように設計された構造的構成要素であると解釈される。
【0187】
換気口:(名詞)マスクの内部からの空気の漏れの速度を慎重に制御することを可能にする構造、または、吐き出された二酸化炭素(CO2)の流出および酸素(O2)の供給を可能にするための、外気に対する導管。
【0188】
4.8 その他の備考
本特許明細書の開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含む。特許商標庁の特許包袋または記録において明らかにするために、著作権所有者は、特許文書または特許開示のいずれかによるファクシミリ複製に対しても異論を唱えないが、その他の面では、どんなものであれ、すべての著作権を保有している。
【0189】
文脈上、別に明らかに示していない限り、値の範囲が与えられている場合、下限の単位の10分の1までの、その範囲の上限と下限との間にある介在する値が、 本発明の技術内に包含されることと理解される。独立的に介在する範囲内に含まれることができ、これらの介在する範囲の上限および下限も記載している範囲内の任意の具体的に除外される限度の対象となり、同様に、本発明の技術内に含まれる。記載されている範囲が一方または両方の限界値を含む場合、これらの含まれている限界値のうちの一方または両方を除外した範囲も本発明の技術に含まれる。
【0190】
さらに、一つまたは複数の値が本明細書において本発明の技術の一部として実施されるものとして記載される場合、そのような値は、別途の言及がない限り近似値であってもよく、そのような値は、実際の技術的な実施がそれを許容するがまたは必要とする限り、任意の適切な有効数字に利用され得ると理解されなければならない。
【0191】
別に定義されない限り、本明細書において使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明の技術が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または均等な任意の方法および材料を、本発明の技術の実施または実験において同じく使用することができるが、本明細書には、限られた数の例示的な方法および材料しか記載されていない。
【0192】
特定の材料が使用するのに好ましく、または、構成要素を構成するための一実施例であると確認される場合、同様の特性を有する自明の代替的な材料が代替用として使用され得る。さらに、他に明示されない限り、本明細書に記載された任意のおよびすべての構成要素は、製造することができると理解され、したがって、一体にまたは別々に製造することができる。
【0193】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されているものとしての、単数形「a」、「an」および「the」は、別途文脈が明確に示していない限り、それらの複数の均等物を含むことに留意しなければならない。
【0194】
本明細書において言及されるすべての刊行物は、それらの刊行物が対象とする方法および/または材料を開示および記載するために、参照として本明細書に組み込まれる。本明細書において記述される刊行物は、本出願の出願日よりも前に、それらの開示のために単独で提供されている。本明細書におけるいかなる記載も、本発明の技術が、先行する発明によってそのような刊行物に先行する資格(admission)がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。さらに、記載されている刊行日は、実際の刊行日とは異なる場合があり、これは個別に確認する必要がある場合がある。
【0195】
さらに、本開示を解釈する上で、すべての用語は、文脈と一致する最も広い合理的な方法で解釈されるべきである。特に、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」という用語は、要素、構成要素、またはステップを非排他的に指しているものとして解釈されるべきであり、参照される要素、構成要素、またはステップが、明示的には参照されていない他の要素、構成要素、またはステップと共に存在し、または共に利用されるか、またはそれらと組み合わされてもよいことを示している。
【0196】
詳細な説明において使用される主題の見出しは、読者が参照するのを容易にするためにのみ含まれており、特許請求の範囲の開示全体を通じて見出される主題を限定するように使用されるべきではない。主題の見出しは、特許請求の範囲または特許請求の範囲の限定事項を解釈するのに使用されるべきではない。
【0197】
本発明における技術を、特定の実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態は、本発明の技術の原理および応用の例示に過ぎないことを理解されたい。いくつかの事例において、用語および記号は、本発明の技術を実施するのに必要ではない特定の詳細を暗示する場合がある。例えば、「第1の」および「第2の」という用語が使用される場合があるが、別途明記されていない限り、それらは、任意の順序を示すように意図されず、別個の要素の間で区別するために利用され得る。さらに、方法における工程が、ある順序で記載または図示されている場合があるが、そのような順序は必須ではない。そのような順序は変更されてもよく、および/またはそれらの態様は同時に、またはさらには同期して実行されてもよいことを、当業者は認識しよう。
【0198】
したがって、本発明の技術の精神および範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に対して多数の変更をなすことができること、および、他の構成を考え出すことができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0199】
引用符号のリスト
システム 700
サーバー 710
プロセッサー 712
メモリ 714
命令 715
サービスデータ 716
診断データ 718
患者デバイス 720
命令セット 726
診断データ 728
格納システム 750
コンピューティングデバイス 760
プロセッサー 762
メモリ 764
ディスプレイ 766
ユーザー入力デバイス 768
スクリーンショット 800
検索フィールド 802
コラム見出し 804~812
アイコン 814~818
スクリーンショット 900
ウィンドウ 902
カーソル 904
警告アイコン 906
チェックアイコン 908
患者 1000
スクリーンショット 1000
コラム 1002
コラム 1004
コラム見出し 1006
空の使用量アイコン 1010
アイコン 1012~1020
スクリーンショット 1100
障害メッセージ 1102
使用量アイコン 1104
スクリーンショット 1200
コラム見出し 1204~1210
患者インターフェース 3000
シール形成構造 3100
プレナムチャンバ 3200
周辺部 3210
換気口 3400
接続ポート 3600
RPTデバイス 4000
外部ハウジング 4010
外部ハウジングの上部 4012
外部ハウジングの下部 4014
パネル 4015
シャーシ 4016
ハンドル 4018
空気圧ブロック 4020
空気圧構成要素 4100
空気フィルター 4110
空気入口フィルター 4112
出口空気フィルター 4114
マフラー 4120
入口マフラー 4122
出口マフラー 4124
圧力デバイス 4140
制御可能な圧力デバイス 4140
送風機 4142
制御可能な送風機 4142
ブラシレスDCモータ 4144
バック弁 4160
空気回路 4170
補給酸素 4180
電気構成要素 4200
RPTデバイス電気構成要素 4200
PCBA 4202
電力供給装置 4210
入力デバイス 4220
中央コントローラ 4230
クロック 4232
治療デバイスコントローラ 4240
保護回路 4250
メモリ 4260
トランスデューサ 4270
圧力トランスデューサ 4272
圧力センサ 4271
モータ速度信号 4276
データ通信インターフェース 4280
遠隔外部通信ネットワーク 4282
ローカル外部通信ネットワーク 4284
遠隔外部デバイス 4286
ローカル外部デバイス 4288
出力デバイス 4290
ディスプレイドライバ 4292
ディスプレイ 4294
圧力制御モジュール 4330
加湿器 5000
加湿器コントローラ 5250
湿度コントローラ 5290
患者デバイス 7720
【手続補正書】
【提出日】2022-01-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つまたは複数のプロセッサーが、患者呼吸治療デバイスの動作に関する診断データを収集するステップであって、前記診断データが前記患者呼吸治療デバイスに関連した障害の存在を識別する、ステップと、
前記一つまたは複数のプロセッサーが、前記診断データがネットワークを介して送信されるトリガリングイベントが発生したことを決定するステップであって、前記トリガリングイベントは、患者が所定の期間にわたり前記患者呼吸治療デバイスの使用を止めたことの判定に基づくものである、ステップと、
前記一つまたは複数のプロセッサーが、前記診断データを前記ネットワークを介して一つまたは複数のコンピューティングデバイスへ送信するステップであって、前記障害の存在がコンピューティングデバイスにより識別可能なように前記診断データの少なくとも第1の部分が構成される、ステップと、
識別された障害に対処するサービスデータを、前記一つまたは複数のコンピューティングデバイスから前記一つまたは複数のプロセッサーが受信するステップと、
前記一つまたは複数のプロセッサーが、受信されたサービスデータにしたがって一つまたは複数の動作を実行するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記サービスデータは、第1の部分および第2の部分を含み、両部分は、患者呼吸治療デバイスの別々の構成要素に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
任意の患者が障害を有したデバイスを備えているか否かを示すデータを遠隔コンピューティングデバイスに送信するステップを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記診断データの少なくとも一部が、患者の無呼吸指数、患者の低呼吸指数、患者の無呼吸-低呼吸指数、障害データ、患者による使用量、漏れデータ、周囲湿度データ、治療および快適性設定、およびデバイス動作のうちの少なくとも一つに関係する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
サービスデータが正常に送信されたことの通知を前記一つまたは複数のプロセッサーが前記一つまたは複数のコンピューティングデバイスへ送るステップを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記サービスデータが、前記患者呼吸治療デバイスの一つまたは複数の設定を調整するための命令を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記診断データが、識別された障害が発生した時点で前記患者呼吸治療デバイスの一つまたは複数の設定の情報を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記トリガリングイベントは更に、前記患者が前記患者呼吸治療デバイスにより治療を受けた時間に基づくものである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記一つまたは複数のコンピューティングデバイスが、前記一つまたは複数のプロセッサーから前記診断データを受信するステップと、
前記一つまたは複数のコンピューティングデバイスが、前記診断データの前記第1の部分に基づいて障害を識別するステップと、
前記一つまたは複数のコンピューティングデバイスが、前記サービスデータを前記一つまたは複数のプロセッサーに送信するステップと
を更に含む請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記一つまたは複数のコンピューティングデバイスが、前記患者呼吸治療デバイスについて識別された障害を遠隔コンピューティングデバイスへ送信するステップを更に含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記識別された障害を送信することが、遠隔コンピューティングデバイスに表示されるアイコンを提供することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アイコンが、発生した障害のタイプに基づいて変化する可変的な外観を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記識別された障害を送信することが、遠隔コンピューティングデバイスに表示される使用量アイコンを提供することを更に含み、前記使用量アイコンは、前記患者呼吸治療デバイスが使用された程度を示す、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記診断データは、前記患者呼吸治療デバイスと共に使用されるマスクタイプの漏れ情報と、識別情報と、を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】