(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058496
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】ワイヤロック組立体
(51)【国際特許分類】
A61M 25/09 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
A61M25/09 540
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022000544
(22)【出願日】2022-01-05
(62)【分割の表示】P 2018557849の分割
【原出願日】2017-05-02
(31)【優先権主張番号】62/490,958
(32)【優先日】2017-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/331,083
(32)【優先日】2016-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドエプカー,ブラッドリー・アール
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス,ミッシェル・ディ
(72)【発明者】
【氏名】マクラウォーン,タイラー・エバンズ
(72)【発明者】
【氏名】シグモン,ジョン・シィ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ジタード,シャウン
(72)【発明者】
【氏名】ブレクト,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ソーターマンズ,マクシミリアノ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ワイヤガイドを保持するために別の介助を必要としないワイヤガイドロック組み立て体を提供する。
【解決手段】長尺状医療用チューブのアクセスポート用のワイヤロック組立体10は、本体12であって、外部表面と、内部表面と、本体内に配置された中心開口部と、を有する本体と、本体の外部表面内に配置された取付機構であって、開端部と、閉端部と、を有する取付機構と、本体に配置されており、中心開口部の近傍に配置されている少なくとも1つの切欠部22と、本体の内部表面内で支持された、中心開口部と連通している少なくとも1つのシールであって、シール内に通路を含む、シールと、を含み、本体の内部表面は、1つ以上の医療デバイスを固定するための非線形経路を画定する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状医療用チューブのアクセスポート用のワイヤロック組立体であって、
本体であって、外部表面と、内部表面と、前記本体内に配置された中心開口部とを有する本体と、
前記本体の前記外部表面内に配置された取付機構であって、開端部と、閉端部とを有する取付機構と、
前記本体に配置されており、前記中心開口部の近傍に配置されている少なくとも1つの切欠部と、
前記本体の前記内部表面内で支持された、前記中心開口部と連通している少なくとも1つのシールであって、前記シール内に通路を含む、シールとを含み、
前記本体の前記内部表面は、1つ以上の医療デバイスを固定するための非線形経路を画定する、ワイヤロック組立体。
【請求項2】
前記1つ以上の医療デバイスはワイヤガイドを含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項3】
前記内部表面の前記非線形経路は、1つ以上の屈曲部によって画定される、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項4】
前記1つ以上の医療デバイスは、滑り運動によって所定の位置にロックされ、前記1つ以上の医療デバイスは屈曲によって前記非線形経路を取る、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項5】
前記本体の前記内部表面は前記1つ以上の医療デバイスを屈曲状態にする、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの切欠部は前記非線形経路内に配置されている、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項7】
前記取付機構は、傾斜部と、前記傾斜部の遠位に配置されている固定機構とを含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項8】
突起は、前記取付機構の周縁部の周りに近位に配置されている、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項9】
長尺状医療デバイスの端部に係合するための少なくとも1つのスロットを更に含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項10】
1つ以上のスナップ嵌合機構は前記非線形経路内に配置されている、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項11】
前記本体は、上部セクションと、中間セクションと、底部セクションとを含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項12】
前記非線形路の前記内部表面は、前記本体の前記上部セクションと前記中間セクションとの間に形成されている、請求項11に記載のワイヤロック組立体。
【請求項13】
前記取付機構は、前記開端部の近傍に、少なくとも1つの傾斜付き縁部を含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項14】
前記長尺状医療デバイスは、カテーテル、内視鏡、及びイントロデューサシースからなる群から選択される、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項15】
前記医療デバイスは1つ以上のシールを含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項16】
前記本体内に、前記中心開口部を横断して配置された1つ以上のテールロック通路を含み、前記1つ以上のテールロック通路は角度付き内部表面を含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項17】
前記本体内に、前記中心開口部と平行に配置された1つ以上のテールロック通路を含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項18】
本体であって、外部表面と、内部表面と、前記本体内に配置された中心開口部とを有する本体と、
前記本体の前記外部表面内に配置された取付機構であって、開端部と、閉端部とを有する取付機構と、
前記本体の前記内部表面内で支持された、前記中心開口部と連通している少なくとも1つのシールであって、前記シール内に通路を含む、シールと、
前記本体内に、前記中心開口部を横断して配置された1つ以上のテールロック通路であって、角度付き内部表面を含む、1つ以上のテールロック通路とを含み、
前記本体の前記内部表面は、前記本体の上部セクションと中間セクションとの間に形成された、1つ以上の医療デバイスを固定するための非線形経路を画定する、ワイヤロック組立体。
【請求項19】
前記1つ以上の医療デバイスはワイヤガイドを含む、請求項18に記載のワイヤロック組立体。
【請求項20】
前記本体は、上部セクションと、中間セクションと、底部セクションとを含む、請求項18に記載のワイヤロック組立体。
【請求項21】
一対のスナップ嵌合機構が前記非線形経路内に配置されている、請求項18に記載のワイヤロック組立体。
【請求項22】
前記取付機構は、前記開端部の近傍に、少なくとも1つの傾斜付き縁部を含む、請求項18に記載のワイヤロック組立体。
【請求項23】
前記シールは、第1の層と、前記第1の層の下に配置されており、前記第1の層と流体連通している第2の層とを含む、請求項18に記載のワイヤロック組立体。
【請求項24】
前記シールの前記第2の層は、前記シールの前記第1の層の一部分を受け入れるための開口部を含む、請求項23に記載のワイヤロック組立体。
【請求項25】
ワイヤガイドを保持するためのシステムであって、
アクセスポートを有する内視鏡と、
前記アクセスポートに固定されたワイヤロック組立体であって、前記医療デバイスは、本体であって、外部表面と、内部表面と、前記本体内に配置された中心開口部とを有する本体と、前記本体内に、前記中心開口部を横断して配置されたテールロック通路であって、角度付き内部表面を含む1つ以上のテールロック通路とを含む、ワイヤロック組立体とを含み、
前記本体の前記内部表面は、ワイヤガイドを固定するための非線形経路を画定する、システム。
【請求項26】
前記ワイヤロック組立体は、前記本体の前記外部表面内に配置された、開端部と、閉端部とを有する、取付機構を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記取付機構は、傾斜部と、前記傾斜部の遠位に配置されているスナップ嵌合機構とを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記取付機構はU字形の構成を有する、請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
前記アクセスポートは縁を含み、前記医療デバイスは前記縁に固定されている、請求項25に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年5月3日に出願された米国特許仮出願第62/331,083号明細書、及び2017年4月27日に出願された米国特許仮出願第62/490,958号明細書の優先権の利益を主張するものであり、これらは全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、医療処置の分野、特に、イントロデューサカテーテル、ワイヤガイド、内視鏡等を伴う医療処置の分野に有用である。
【0003】
内視鏡は、視認が困難、アクセスが困難、又はアクセスのために切開処置が必要であった身体部位に様々な医療処置を施すために日常的に使用されている。更に、多くの場合、内視鏡によって、放射線透視法を用いることなく目標の解剖学的構造への視覚的アクセスが可能になる。内視鏡は、内視鏡に他のデバイスを通し、解剖学的構造の身体内管腔又は部位を直接目標とするためのワーキングチャネルも提供する。例えば、カテーテル、ワイヤガイド、及び他の種類の長尺状医療デバイスを内視鏡のワーキングチャネルに頻繁に通して、内視鏡の遠位端に近い場所で診断又は医療処置を行う。
【0004】
ワイヤガイドは、膵胆系(即ち、胆道系)、胃、及び食道を含む消化器系における多くの処置の際に使用される。ワイヤガイドは、低侵襲性の医療処置の際に体の狭い通路へのアクセスを得、これを維持するために使用される長く、細く、比較的可撓性のワイヤである。ワイヤガイドはかなり長いため、扱いにくい場合があり、医師が絶えず注意を払って操作する必要がある。
【0005】
ワイヤガイドは、医師が様々な処置を実施する際、患者に対して固定位置に維持しなければならないことが多い。特に、ワイヤガイドを固定位置に維持することは、目標の解剖学的構造、例えば胆道系の管へのアクセスを失わないようにするために重要である。また、より多くの1つの(one of more)拡張器をワイヤガイド上で進めるため、食道拡張時、医師はワイヤガイドを食道内及び食道狭窄部にわたってしっかりと固定しなければならない。同様に、経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG:percutaneous endoscopic gastrostomy)による留置時には、医師が栄養管を挿入する際、ワイヤガイドを患者の口、食道、及び胃に対して固定しなければならない。
【0006】
これら処置の複雑さから、医師は、内視鏡を保持するため、カテーテルを操作するため、及び/又はワイヤガイドを保持するために別の者の介助を要することが多い。しかしながら、これは助手の注意の対象を患者の確認、関連情報に関するモニタの確認、又は他の作業の実施などのそこ(there)他の責任領域から逸らすことになる。したがって、これら課題に対処する医療デバイスを設計することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、長尺状医療用チューブのアクセスポート用のワイヤロック組立体は、本体であって、外部表面と、内部表面と、本体内に配置された中心開口部と、を有する本体と、本体の外部表面内に配置された取付機構であって、開端部と、閉端部と、を有する取付機構と、本体に配置されており、中心開口部の近傍に配置されている少なくとも1つの切欠部と、本体の内部表面内で支持された、中心開口部と連通している少なくとも1つのシ
ールであって、シール内に通路を含む、シールと、を含み、本体の内部表面は、1つ以上の医療デバイスを固定するための非線形経路を画定する。いくつかの実施形態では、1つ以上の医療デバイスはワイヤガイドを含む。他の実施形態では、内部表面の非線形経路は、1つ以上の屈曲部によって画定され、1つ以上の医療デバイスは、滑り運動によって所定の位置にロックされ、1つ以上の医療デバイスは屈曲によって非線形経路を取る。更なる実施形態では、取付機構は、傾斜部と、傾斜部の遠位に配置されているスナップ嵌合機構と、を含む。突起は、取付機構の周縁部の周りに近位に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、医療デバイスは、長尺状医療デバイスの端部に係合するための少なくとも1つのスロットを更に含む。非線形路の内部表面は、本体の上部セクションと中間セクションとの間に形成されていてもよい。一対のスナップ嵌合機構は、非線形経路内に配置されていてもよい。代替的な実施形態では、本体の内部表面は1つ以上の医療デバイスを屈曲状態にする。
【0008】
別の態様では、ワイヤロック組立体は、本体であって、外部表面と、内部表面と、本体内に配置された中心開口部と、を有する本体と、本体の外部表面内に配置された取付機構であって、開端部と、閉端部と、を有する取付機構と、本体の内部表面内で支持された、中心開口部と連通している少なくとも1つのシールであって、シール内に通路を含む、シールと、本体内に、中心開口部を横断して配置された1つ以上のテールロック通路であって、角度付き内部表面を含む、1つ以上のテールロック通路と、を含み、本体の内部表面は、本体の上部セクションと中間セクションとの間に形成された、1つ以上の医療デバイスを固定するための非線形経路を画定する。いくつかの実施形態では、取付機構はU字形の構成を有する。
【0009】
別の態様では、ワイヤガイドを保持するためのシステムは、アクセスポートを有する内視鏡と、アクセスポートに固定されたワイヤロック組立体であって、医療デバイスは、本体であって、外部表面と、内部表面と、本体内に配置された中心開口部と、を有する本体と、本体内に、中心開口部を横断して配置されたテールロック通路であって、角度付き内部表面を含む1つ以上のテールロック通路と、を含む、ワイヤロック組立体と、を含み、本体の内部表面は、ワイヤガイドを固定するための非線形経路を画定する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】ワイヤロック組立体の前部斜視図一実施形態を示す。
【
図1B】ワイヤロック組立体のワイヤガイドロッキングスロット内に配置されたワイヤガイドを示す。
【
図1C】ワイヤロック組立体のワイヤガイドドッキングスロット内に配置されたワイヤガイドを示す。
【
図2】ワイヤロック組立体の一実施形態の後部斜視図を示す。
【
図3】ワイヤロック組立体の一実施形態の底面図を示す。
【
図5】分解したワイヤロック組立体の例示的実施形態を示す。
【
図6】ワイヤロック組立体の断面図一実施形態を示す。
【
図7A】ワイヤロック組立体の一実施形態の上部セクションを示す。
【
図7B】ワイヤロック組立体の一実施形態の上部セクションを示す。
【
図8A】ワイヤロック組立体の一実施形態の中間セクションを示す。
【
図8B】ワイヤロック組立体の一実施形態の中間セクションを示す。
【
図9A】ワイヤロック組立体の一実施形態の底部セクションを示す。
【
図9B】ワイヤロック組立体の一実施形態の底部セクションを示す。
【
図10】使用中、ワイヤガイドがロックされた位置に置かれている、ワイヤロック組立体の一実施形態の断面図を示す。
【
図11】アクセスポートに取り付けられたワイヤロック組立体の一実施形態を示す。
【
図12】ワイヤロック組立体の一実施形態を使用する方法の一実施形態を示す。
【
図13】前部斜視図ワイヤロック組立体の一実施形態を示す。
【
図14】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の後部斜視図を示す。
【
図15】第2の医療デバイスと共に使用するための生検キャップの一実施形態の底面図を示す。
【
図17】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の断面図一実施形態を示す。
【
図18】アクセスポートに取り付けられたワイヤロック組立体の一実施形態を示す。
【
図19】ワイヤロック組立体の前部斜視図一実施形態を示す。
【
図20】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の後部斜視図を示す。
【
図21】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の底面図を示す。
【
図23】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の断面図一実施形態を示す。
【
図24】アクセスポートに取り付けられたワイヤロック組立体の一実施形態を示す。
【
図25】分解したワイヤロック組立体の例示的実施形態を示す。
【
図26A】ワイヤロック組立体の一実施形態の中間セクションを示す。
【
図26B】ワイヤロック組立体の一実施形態の中間セクションを示す。
【
図29】ワイヤロック組立体と共に使用するためのシールの代替的実施形態を示す。
【
図30A】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の代替的実施形態を示す。
【
図30B】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の代替的実施形態を示す。
【
図31A】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の後部斜視図を示す。
【
図31B】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の後部斜視図を示す。
【
図32】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の側面図を示す。
【
図33】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の断面図を示す。
【
図34】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の断面図一実施形態を示す。
【
図35】分解したワイヤロック組立体の例示的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を、類似要素に同一番号を付す図面を参照しながら説明する。本発明の様々な要素の関係及び機能は、以下の詳細な説明によってより良く理解される。しかしながら、以下に記載する本発明の実施形態は単なる例であり、本発明は図面に示される実施形態に限定されない。図面は均一の縮尺ではなく、特定の場合においては、従来の製造及び組立の
詳細などの本発明の理解に必要のない詳細については省略されていることも理解すべきである。
【0012】
特に定義のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び学術用語は本発明に関係する当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。矛盾が生じた場合、定義を含め、本文書を優先する。以下、好適な方法及び材料を記載するが、本明細書中に記載するものに類似する又は同等の方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用することはできる。本明細書中に開示される材料、方法、及び例は単なる例示であり、限定を意図するものではない。
【0013】
「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「することができる(can)」、「含む(contain(s))」という用語、及びこれらの変化形は、本明細書で使用する場合、付加的な行為又は構造の可能性を排除しない非限定の移行句、用語、又は語であることを意図している。本発明は、明示的に記載されているか否かを問わず、本明細書に記載される実施形態又は要素「を含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」及び「実質的に、からなる(consisting essentially of)」他の実施形態も企図する。
【0014】
量に関して用いられる「約(about)」又は「実質的に(substantially)」という用語は、所期の目的又は機能のための列挙した量とは実質的に異ならない量などの、列挙した量に等しい列挙した量の変動を含む。
【0015】
「管腔内(endoluminal)」という用語は、ヒト又はその他の動物の体内にある管腔、管、及び他の通路若しくは腔の内部又は内側を指す又は表す。管腔又は身体通路は、既存の管腔であっても外科的介入によって作成した管腔であってもよい。本明細書で使用する場合、「管腔(lumen)」又は「身体通路(body passageway)」及び「脈管(vessel)」という用語は、広範な意味を有し、ヒトの体内のあらゆる管(例えば、天然又は医原性)又は腔を含むものであり、尿道及び尿管、血管、呼吸管、胃腸管、例えば、胆管、腸、食道、心膜腔、胸腔等を含み得るが、これらに限定されない。したがって、「管腔内デバイス(endoluminal device)」又は「管腔内プロテーゼ(endoluminal prosthesis)」という用語は、任意のこのような管腔又は管内に配置され得る、又は任意のこのような管腔又は管内内を移動され得るデバイスを指す。
【0016】
「患者(patient)」、「被験者(subject)」、及び「レシピエント(recipient)」という用語は、本出願で使用される場合、任意の動物、特にヒトを意味し得る。
【0017】
「医療デバイス(medical device)」という用語は、任意の物体それ自体、又は治療の一部として患者の体内に意図的に挿入され、患者への導入のために適応させた構造を含む構成要素を含む任意の物体を意味する。医療デバイスは、患者の治療部位にて外科的処置を施すために及び/又は患者の治療部位に第2の医療デバイスを送達するために使用されるカテーテル、ワイヤガイド、鉗子、又は鋏などであるがこれらに限定されないツールであり得る。
【0018】
「近位(proximal)」及び「遠位(distal)」という用語は、ワイヤロックの反対の軸方向端部、及び様々な構成要素特徴部の軸方向端部を表すために使用される。「近位」という用語は、システムの使用中、術者に最も近い医療デバイス(又はその構成要素)の端部を指すために使用される。「遠位」という用語は、患者に最初に挿入さ
れる、又は使用中、患者に最も近い医療デバイス(又はその構成要素)の端部を指すために使用される。
【0019】
「傾斜部(ramp)」という用語は、一端が他端よりも高い、1つの表面を別の表面に接続するために使用される、角度を成して傾く傾き又は傾斜した平面を表すために使用される。「傾斜部」という用語は、広範な意味を意図し、変化する傾きを有してもよく、傾きは、その2つの端部間の高さの差、即ち垂直距離(rise)を、その水平長、即ち水平距離(run)で除したものに等しい。「傾斜部」は、線形又は非線形構成を有してもよい。
【0020】
ここで、
図1A~
図35を参照しながら実施形態のより詳細な説明を行う。本発明は、図示される実施形態に限定されず、図示しないが特許請求の範囲に含まれることが意図される他の実施形態を具体的に企図する。
【0021】
概して、
図1Aは、ワイヤロック組立体10の一実施形態を示す。この実施形態では、ワイヤロック組立体10は、準半球形を有する本体12を含む。ワイヤロック組立体10の本体12は特定の形態に成形されていてもよく、ワイヤロック組立体は、底部セクション14と、中間セクション16と、上部セクション18と、を有する。しかしながら、代替的な実施形態では、ワイヤロック組立体10の本体12は他の幾何学的構造を含んでもよい。この実施形態に示すように、中心経路20はワイヤロック組立体10の本体12内に配置されており、ワイヤガイド、カテーテル、又は類似のタイプの長尺状医療デバイス(以後、「ワイヤガイド」と総称される)のための経路を画定する。ワイヤロック組立体の本体12内には、ワイヤガイド用のワイヤガイドロッキングスロット15に通じている非線形ワイヤガイドロッキング経路13がある。ワイヤロック組立体10が内視鏡などの医療デバイスに取り付けられると、医療デバイスのワーキングチャネル内に延びるワイヤガイドは中心経路20内にも延びてよい。この位置において、ワイヤガイドは、非線形ワイヤガイドロッキング経路13内に配置され得る。ワイヤロック組立体10の本体12は、本体12の上部セクション18内に配置された切欠部22を含む。切欠部22は、ワイヤロック組立体10の本体12内に形成された非線形ワイヤガイドロッキング経路内におけるワイヤガイドの位置決めを容易にするのに役立つ。
【0022】
ワイヤロック組立体10の本体12は、ワイヤガイドテールロック28,30を含む2つのサイドウイング24,26を更に含む。サイドウイング24,26は、ユーザが、ワイヤロック組立体10を医療デバイスのポートに取り付けるために及びこのポートから取り外すために表面を把持することを可能にする。示されるように、サイドウイング24,26は略丸みのある表面を有する。しかしながら、当業者であれば、他の構成をサイドウイングに用いてもよいことは理解するであろう。ワイヤガイドテールロック28,30はワイヤロック組立体10の本体12内に配置されているとともに、ワイヤロック組立体10の本体12の反対の側に配置されている。いくつかの実施形態では、ワイヤガイドテールロック28,30は1つの開口部又は複数の開口部を含んでもよい。ワイヤガイドテールロック28,30は、ロックされたワイヤガイドが、ワイヤロック組立体10の本体12上で輪を作り、下方位置又は上方位置にロックされることを可能にする。
【0023】
図1Bは、ワイヤガイド32が非線形経路13及びワイヤガイドロッキングスロット15内に配置されているワイヤロック組立体の例示的実施形態を示す。このロックされた位置において、非線形経路13及びワイヤガイドロッキングスロット15は、ワイヤガイドがロックされた位置に自動的に配置される、ワイヤガイド32の3点曲げを生じさせる。以下で説明するように、非線形ワイヤガイドロッキング軌道の構成は、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキング路の対向表面間に挟まれないことから、ワイヤガイドが損傷するのを防止する。更に、ワイヤガイドロッキング経路13を通り、ワイヤガイドロッキングス
ロット15内に配置された後、ワイヤガイドは自動的にロックされた位置にある。
【0024】
図1Cは、ワイヤガイドドッキングスロット30内に配置されたワイヤガイド32を示す。
図1Cに示すように、ワイヤガイド32の端部は、緩んだガイドワイヤとの不意の接触を防止し得る位置に固定されている。使用中、ユーザが使用中のデバイスをワイヤロックを用いて調節するのに利用可能なスペースを増すために、ワイヤガイドはワイヤロック組立体の両側に配置されてもよい。
【0025】
図2は、ワイヤロック組立体10の後部斜視図を示す。示されるように、ワイヤロック組立体10は、反対の側にある一対のワイヤガイドドッキングスロット28,30と、一対の第2ワイヤガイドロック34,36と、取付機構38と、ワイヤロック組立体10の本体12内に配置されたシール40と、を含む。取付機構38は、ワイヤロック組立体10と第2の医療デバイスのポートとの間の接続を容易にする。この実施形態では、取付機構38は内視鏡のポートと係合するように構成されている。示されるように、取付機構38は、ワイヤロック組立体10の底部セクション14内に形成された溝42を含む。医療デバイスと第2の医療デバイスのポートとの間のより確実な嵌合を提供するために、スナップ嵌合ロッキング機構44などの固定機構が取付機構38の溝42内に設けられている。代替的実施形態は、摩擦式締結具、プレス嵌め締結具、メカニカルファスナー、及びプラスチックネジを含むが、これらに限定されない他の種類の固定機構を含んでもよい。ワイヤロック組立体10の本体12に対して厚さを有する突起46が取付機構38の下に配置されている。この実施形態では、突起46は準半球状構成を有し、取付機構38の溝42の外周部を越えて拡がる縁部47を含む。突起46は、第2の医療デバイスのハウジングに対してワイヤロック組立体が不要に回転しないように補助する。取付機構38及び突起46の寸法は第2の医療デバイスの寸法に基づき変更してもよい。
【0026】
シール40は、ワイヤロック組立体10の中心経路20と流体的に係合しており、ワイヤガイド、カテーテル又は類似の長尺状デバイスの挿入又は動きを妨げることなく、第2の医療デバイスのワーキングチャネル内に存在し得る任意の流体が漏れるのを制限するように構成されている。この構成は、胆汁及び血液などの体液が漏れ、医師及び作業環境を汚染するのを防止することにおいて特に有利なものとなり得る。シール40が製造され得る材料の種類を含むシール40の設計及び構成は当業者に周知である。この実施形態では、シール40は、ワイヤロック組立体10の底部部分14と中間部分16との間に配置されている。例示的なシール40は単一スリットを含み得るが、他の種類のスリット、裂けた穴、配置されたスリット、又は貫通可能なシールを代替的に使用してもよい。例えば、他のシール構成としては、ダックビル、スリット付き膜(例えば、ポリスチレン、シリコーン、又は別の弾性ポリマー材料)、又はカテーテル及びワイヤガイドの周囲を密閉し、任意の近位に移動する流体がチャネルを出ないようにする機能を有する他の設計が挙げられる。この実施形態のシール40は2つの略平面を含む。
【0027】
図2を再び参照すると、2つの第2ワイヤガイドロック34,36がワイヤロック組立体10のワイヤガイドドッキングスロット28,30の近傍に配置されており、ワイヤロック組立体10の底部セクション14に配置されている。示されるように、第2ワイヤガイドロック34,36は略c字形の設計を有するクランプを含む。代替的な実施形態では、他の構成が適する場合もある。使用中、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット内で外向き位置にロックされると、ワイヤガイドの近位部は、第2ワイヤガイドロック34,36のうちの1つの中に、ユーザから離れる方向に配置されてもよい。第2ワイヤガイドロック34,36のうちの1つの中にワイヤガイドの近位部を配置することで、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット15内に配置されたときに自動的にロックされた位置に配置される際に、ワイヤガイドの第2ロックを提供する。
【0028】
図3は、ワイヤガイドロック組立体10の底面図を示す。示されるように、ワイヤガイドロッキング組立体10は、反対の側にある一対のテールロック28,30と、一対の第2ワイヤロック34,36と、取付機構38と、ワイヤロック組立体10の本体12内に配置されたシール40と、を含む。医療デバイスと第2の医療デバイスのポートとの間のより確実な嵌合を提供するために、スナップ嵌合ロッキング機構44が取付機構38の溝42内に設けられている。ワイヤロック組立体10の本体12に対して厚さを有する突起46が取付機構38の下に配置されている。シール40は、ワイヤガイド、カテーテル又は類似の長尺状デバイスの挿入又は動きを妨げることなく、第2の医療デバイスのワーキングチャネル内に存在し得る任意の流体の漏れを制限するように構成されている。
【0029】
図4は、内視鏡の例示的なアクセスポート48の断面図を示す。アクセスポート48は、内視鏡の内部を通って遠位に延びるワーキングチャネル(図示せず)へのアクセスを提供する。金属挿入物48はアクセスポートカバーによって被覆されてもよく、アクセスポートカバーは、金属挿入物のアクセスポートにアクセスするために取り外されてもよい。アクセスポート48は、ベース50と、高さと幅とを有するステム52と、を含む。いくつかの実施形態では、アクセスポート48は略t字形の構成を有する。当業者であれば、他の種類の構成を有するポートも使用してよいことは理解するであろう。
【0030】
図5は、分解したワイヤロック組立体10の例示的実施形態を示す。ワイヤロック組立体10は、プラスチックなどの適切な材料で形成された3つの部品になっている。材料は特定の形態に成形されていてもよく、ワイヤロック組立体10は、底部セクション14と、中間セクション16と、上部セクション18と、を有する。シール40は、ワイヤロック組立体10の本体12内に設けられている。この実施形態では、シール40はワイヤロック組立体10の中間セクション16と底部セクション14との間に固定されており、ワイヤロック組立体10の中心経路20と流体連通している。Oリング54は、ワイヤロック組立体10の反対の側にあるワイヤガイドテールロック28,30を取り囲む領域に配置されている。中間セクション16及び上部セクション18は、ワイヤロック組立体10の本体内にOリング54を受け入れるための成形領域を含んでもよい。Oリング54は、ワイヤガイドテールロック28,30のうちの1つの中にワイヤガイドが配置されている間、ユーザにいくらかの触覚フィードバック及び摩擦を与える。この実施形態では、一対のOリング54が各ワイヤガイドテールロックの近傍に配置されている。代替的な実施形態では、Oリングの異なる組み合わせを使用してもよい。更なる代替的実施形態では、他の機械的なガスケットを使用してユーザに触覚フィードバック及び摩擦を与えてもよい。ここで示される例示的実施形態は互いにスナップ嵌合された3つの部品によって構成されているが、ワイヤロック組立体10は、任意の手法で互いに固定され得る1つ以上の部品で作製してもよい。例えば、部品は、超音波結合されてもよく、熱結合されてもよく、互いに接合されてもよく、又は任意の他の手法で固定されてもよい。
【0031】
図6は、ワイヤロック組立体10の断面図を示す。示されるように、ワイヤロック組立体10は、中心経路20と、取付機構38と、ワイヤロック組立体10の本体12内に配置されたシール40と、を含む。ワイヤロック組立体の上部部分18と中間部分16とは、ワイヤロッキングスロット15に通じているワイヤガイドロッキング路13を形成している。ワイヤガイドロッキング路13は、ワイヤロック組立体の中間セクション16に配置された上昇表面56を含む。上昇した丸みのある表面56は中心経路20の周縁部の周りに延び、略準半球形を有する。示されるように、上昇した丸みのある表面は、中心経路20から中間セクション16の外周縁部まで延びるテーパ部を含む。上昇した丸みのある表面56のテーパ状セクションは、中間セクション16の外周縁部に向かって拡がるにつれて直径が増す。上昇した丸みのある表面56は、中間開口部の周縁部の周りに延びるテーパ状の、略丸みのある表面を含む。ワイヤロック組立体10は、ワイヤロック組立体の中間セクション16に配置された平らな縁部58を更に含む。ワイヤガイドがワイヤガイ
ドロッキングスロット内に固定されているとき、平らな縁部58は、ユーザがカテーテルの交換を行うためにカテーテルを上に引く際の、ワイヤガイドとカテーテルとの間の楔として使用されてもよい。ワイヤロック組立体10の取付機構38の溝42内に角度付きの傾斜部60がある。角度付きの傾斜部60は、ワイヤロック組立体10を第2の医療デバイスのポート上に摺動させることによってワイヤロック組立体10を第2の医療デバイスに固定することを可能にする。
【0032】
図7Aは、ワイヤロック組立体10の上部セクション18の外部表面の斜視図を示す。上部開口部62は、上部セクション18の外部表面内に配置されている。上部開口部62は、ワイヤロック組立体の本体12の中心経路20の入口を形成している。ワイヤロック組立体10の切欠部22は、上部開口部62と流体組み合わせ(fluid combination)で示されている。示されるように、切欠部22は略三角形構成を有する。しかしながら、当業者であれば、切欠部22を形成するために他の適切な構成も使用してよいことは理解する。切欠部22は、ワイヤロック組立体の本体内に形成された非線形ワイヤガイドロッキング軌道内におけるワイヤガイドの位置決めを容易にするのに役立つ。ワイヤロック組立体10の切欠部22の寸法は、ワイヤガイド、又はワイヤロック組立体とともに使用される他の医療デバイスの寸法に基づき決定されてもよい。ワイヤガイドテールロック28,30用の開口部64と開口部66は、上部セクション18内に配置されているとともに、反対の側に位置している。ワイヤガイドロッキングスロット15は、ワイヤロック組立体10の外縁部に配置されている。
【0033】
図7Bは、ワイヤロック組立体10の上部セクション18の内部表面の斜視図を示す。この実施形態では、医療デバイスの上部セクションの内部表面は、中間セクションの特徴部と対になるモールディングを含んでもよい。切欠部は、医療デバイスの上部セクションの上部開口部と流体連通する。一対のOリング54が、上部セクションの内部表面内に配置された各ワイヤガイドテールロックの近傍に配置されている。ワイヤロック組立体10の上部セクション18から材料を除去することにより作成されたワイヤガイドロッキングスロット15,17が、ワイヤロック組立体10の両端に配置されている。ワイヤガイドロッキングスロット15,17はワイヤロック組立体10の上部部分によって画定され、上部開口部62からワイヤロック組立体10の上部部分18の外縁部まで延びる。各ワイヤガイドロッキングスロット15及び17は、ワイヤガイドのロックを更に容易にするスナップ嵌合ロッキング機構68などの固定機構を含む。上部セクション18の内部表面は、ワイヤガイドロッキングスロット15,17に隣接する領域に配置された、使用の容易さ及びワイヤガイドの保護を高めることを可能にし得るオーバーモールド材料70を更に含んでもよい。オーバーモールド材料70は適切な弾性材料から製造であってもよい。好適な実施形態では、オーバーモールド材料70は熱可塑性弾性材料を含んでもよい。代替的な実施形態では、上部部分18はオーバーモールド材料70なしで形成されてもよい。
【0034】
図8A及び
図8Bは、ワイヤロック組立体10の中間セクション16のそれぞれ頂面71及び底面73の斜視図を示す。
図8Aを参照すると、中間セクション16は、上部セクション18と中間セクション16とが互いに固定されたときに中心経路を形成するためにワイヤロック組立体の上部セクション18の上部開口部62の両方と流体連通する中間開口部72を含む。示されるように、中間セクション16は、中間開口部72の周縁部のセクションの周囲に延びる上昇した略丸みのある表面56を含む。上昇した丸みのある表面56はテーパ部を含み、中間開口部72から中間セクションの縁部まで延びる。中間セクション16がワイヤロック組立体10の上部セクション18と組み合わされると、テーパ状の上昇した丸みのある表面56とワイヤロック組立体10の上部セクション18とによって作成された空間により非線形ワイヤガイド経路が形成される。ワイヤロック組立体10の中間セクション16は、中間開口部72に隣接して配置された平らな縁部58を更に含む。中間セクション16は、反対の側に、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングテー
ルロック内に配置されたときにワイヤガイドを受け入れるためのキャビティ75を更に含む。ワイヤガイドテールロック28,30用の開口部77,79は中間セクション16内に配置されており、反対の側に配置されている。成形要素76が、中間セクション16の頂面71の反対の側に配置されている。成形要素76は、ワイヤロック組立体10の上部セクション18の対応する要素と係合するように構成されている。ここで
図8Bを参照すると、中間セクション16の底部セクション73は、シール40を収容するためのウェル74を含む。成形要素78が、中間セクション16の底面73の反対の側に配置されている。成形要素78は、ワイヤロック組立体10の底部セクション14の対応する要素と係合するように構成されている。
【0035】
図9A及び
図9Bは、ワイヤロック組立体の底部セクション14の内部表面81の実施形態を示す。
図9Aに示すように、2つの第2ワイヤガイドロック34,36がワイヤロック組立体10の反対の側に配置されている。第2ワイヤガイドロック34,36は、略c字形の設計を有するクランプを含む。溝42を有する取付機構38は、ワイヤロック組立体10の底部セクション14内に形成された溝42を含む。ワイヤロック組立体と第2の医療デバイスのポートとの間のより確実な嵌合を提供するために、スナップ嵌合ロッキング機構44が取付機構38の溝42内に設けられている。この実施形態では、ワイヤロック組立体10の底部セクション14の内部表面は、中間セクション16の底面73の特徴部と対になるモールディング83を含む。ワイヤガイドテールロック28,30用の開口部85,87が中間セクション16内に配置されており、反対の側に配置されている。代替的な実施形態では、
図9Bに示すように、モールディングは、ガセット89、又は他の補強材を含んでもよい。
【0036】
図10は、ワイヤガイド32がワイヤロッキングスロット15内でロックされた位置に配置されているワイヤロック組立体10の一実施形態の断面図を示す。示されるように、患者内でワイヤガイド32をその所定位置に維持する一方で、カテーテル33が交換され、取り出されている。ワイヤロック組立体10が第2の医療デバイスに取り付けられているとき、第2の医療デバイスのワーキングチャネル内に延びるワイヤガイド32は、シール40とワイヤロック組立体10の中心経路20とを通って延出する。この位置にある間、ワイヤガイド32はワイヤガイドロッキングスロット15内に配置され得る。非線形ワイヤガイドロッキング路13は、領域α、β及びγにおいてワイヤガイド32に3点曲げを生じさせる。ワイヤガイドロッキングスロット15内に配置されると、ワイヤガイド32は自動的にロックされた位置に配置される。この位置決めは、典型的なワイヤガイド32の剛性又は耐屈曲性によってワイヤガイドロッキングスロット15の全体に印加される横力が生じることに起因する。この横力は、ワイヤガイド32とワイヤガイドロッキングスロット15との間に、ワイヤガイドの長手方向の動きを妨げる、制限する、又はある程度防止するのに十分な摩擦力を発生させる。しかしながら、ワイヤガイドがワイヤロック組立体10の対向表面間で挟まれず、ワイヤガイドに印加される横力がいくつかの位置に分散されることから、ワイヤガイド32はワイヤガイドロッキングスロット15によって損傷しない。特に、この構成によって、ワイヤガイドをv字形のスロット内にロックすることにより生じ得るストリッピングなどのワイヤガイドの損傷を回避する。ワイヤガイド32は、
図7Bに示すように、ワイヤガイドの特性によってワイヤガイド32が特定の構成に戻りたがるように強制するスナップ嵌合ロッキング機構68を用いることによって内部で更に固定される。平らな縁部58は、ユーザがカテーテルの交換を行うためにカテーテル33を矢印の方向に引くときに、ワイヤガイド32とカテーテル33との間の楔として機能する。したがって、ワイヤガイドロッキングスロット15から取り出すと、ワイヤガイド32を通じて第2のカテーテルが患者に挿入されてもよい。
【0037】
図11は、ワイヤロック組立体10の取付機構38の溝42内のアクセスポート48上で固定された位置にあるワイヤロック組立体10の一実施形態の背面図を示す。取付機構
38の溝42内に位置するスナップ嵌合ロッキング機構44は、ベースに隣接する領域においてアクセスポート48のステム52に係合している。加えて、スナップ嵌合ロッキング機構44は、ワイヤロック組立体10がアクセスポート48に確実に取り付けられたことをユーザに知らせるための可聴音を提供する。この固定された位置において、傾斜部60は、隙間がステム52の上部分の高さよりも小さくなるように、アクセスポート48のステム52をシール40と非常に近接させる。したがって、ワイヤロック組立体10、シール40、及びワイヤガイド及び/又はカテーテルがワイヤロック組立体10の中心経路20内に配置されると、圧縮可能なシールが間に形成される。ワイヤロック組立体10の突起46の深さ及び寸法は、アクセスポート48のベース50を収容するような大きさにされている。同様に、取付機構38の深さ及び寸法は、アクセスポート48のステム50を収容するような大きさにされている。
【0038】
図12は、内視鏡処置、特にカニューレ挿入後の括約筋切除において例示的なワイヤロック組立体を使用するための方法ステップの流れ
図1200を示す。この特定の例示的な方法では、管内交換胆管挿管カテーテル、管内交換括約筋切開器カテーテル、及び管内交換長ワイヤガイドの使用について記載している。しかし、様々な長尺状部材(例えば、とりわけワイヤガイド及びカテーテル)を、例示的なワイヤガイドホルダと共に使用することができることは理解すべきである。これには、胆管用途又は非胆管応用の長尺状部材を含む。事実、例示的なワイヤガイドホルダは、ラピッドエクスチェンジ型、モノレール型、又はオーバーザワイヤ型、ピールアウェイ型、及び/又は非ピールアウェイ型システムを含む様々なシステムと併せて使用することができる。
【0039】
医師は、以下のように管内(intraducatal)交換を実施することができる。初めに、ステップ1202で、医師は、管内交換胆管挿管カテーテルを、ワイヤガイドの遠位端を管内(intraducatal)交換ポートに入れ、カテーテルの遠位端ポートから出るように進めることによって準備することができる。ステップ1204は、ワイヤガイド及びカテーテルを、ワイヤガイドホルダ内のシールを通し、内視鏡のアクセスポートを通し、内視鏡のワーキングチャネルへと挿入することを含む。ファーター乳頭に挿管するためのワイヤガイド及び挿管カテーテルの準備が整った後、ステップ1206で乳頭に挿管する。挿管後、ワイヤガイド及び挿管カテーテルを胆管に進める。この時点で、ワイヤガイド及びカテーテルのうちの1つをワイヤガイドホルダ内に固定することによってステップ1208が実施される。例えば、ワイヤガイドは、
図10に示すように、ワイヤガイドロッキング路内に配置され得る。この位置において、非線形ワイヤガイドロッキング路は、ワイヤガイドがロックされた位置に自動的に配置される、ワイヤガイドの3点曲げを生じさせる。この時点で、カテーテルをワイヤガイドに対して進めるとワイヤガイドとカテーテルとが分離する。ワイヤガイドとカテーテルとが分離されると、ワイヤガイドはワイヤガイドロッキング路内で固定されていることから、医師は、ワイヤガイドを不意に移動させることで目標の解剖学的構造へのアクセスを失うことなく、カテーテルの使用を継続することができる。加えて、ロックされたワイヤガイドの近位端は、医師の妨げとならないようにワイヤガイドドッキングスロットのうちの1つに配置されてもよい。第2ワイヤガイドロックは、ワイヤガイドのいくらかの付加的な固定を行う。しかしながら、ワイヤガイドはワイヤガイドロッキング路内に配置されると完全にロックされる。カテーテルの分解の際、医療デバイスの上部部分の平らな縁部は、カテーテルが引かれる際の楔として機能する。
【0040】
図13は、ワイヤロック組立体110の別実施形態を示す。この実施形態では、ワイヤロック組立体110は、準半球形を有する本体112を含む。ワイヤロック組立体110の本体112は特定の形態に成形されていてもよく、ワイヤロック組立体は、底部セクション114と、中間セクション116と、上部セクション118と、を有する。しかしながら、代替的な実施形態では、ワイヤロック組立体110の本体112は他の幾何学的構
造を含んでもよい。この実施形態に示すように、中心通路120がワイヤロック組立体10の本体112内に配置されており、ワイヤガイド、カテーテル、又は類似のタイプの長尺状医療デバイス(以後、「ワイヤガイド」と総称される)のための経路を画定する。ワイヤロック組立体の本体112内に、ワイヤガイド用のワイヤガイドロッキングスロット115に通じている非線形ワイヤガイドロッキング経路113がある。ワイヤロック組立体110が内視鏡などの医療デバイスに取り付けられると、医療デバイスのワーキングチャネル内に延びるワイヤガイドは中心通路120内にも延びてよい。この位置において、ワイヤガイドは、非線形ワイヤガイドロッキング経路内に配置され得る。ワイヤロック組立体110の本体112は、本体112の上部セクション118内に配置された切欠部122を含む。切欠部122は、ワイヤロック組立体110の本体112内に形成された非線形ワイヤガイドロッキング経路内におけるワイヤガイドの位置決めを容易にするのに役立つ。例示的実施形態では、非線形経路113及びワイヤガイドロッキングスロット115は、ワイヤガイドがロックされた位置に自動的に配置される、ワイヤガイドの3点曲げを生じさせる。以下で説明するように、非線形ワイヤガイドロッキング軌道の構成は、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキング路の対向表面間に挟まれないことから、ワイヤガイドが損傷するのを防止する。更に、ワイヤガイドロッキング経路113を移動し、ワイヤガイドロッキングスロット115内に配置された後、ワイヤガイドは自動的にロックされた位置にある。
【0041】
ワイヤロック組立体110の本体112は、ワイヤガイドテールロック128,130を含む2つのサイドウイング124,126を更に含む。サイドウイング128,130は、ユーザが、ワイヤロック組立体110を医療デバイスのポートに取り付けるために及びこのポートから取り外すために表面を把持することを可能にする。示されるように、サイドウイング124,126は略丸みのある表面を有する。しかしながら、当業者であれば、他の構成をサイドウイングに用いてもよいことは理解するであろう。ワイヤガイドテールロック128,130はワイヤロック組立体10の本体112内に配置されているとともに、ワイヤロック組立体10の本体112の反対の側に配置されている。いくつかの実施形態では、ワイヤガイドテールロック128,130は1つの開口部又は複数の開口部を含んでもよい。ワイヤガイドテールロック128,130は、ロックされたワイヤガイドが、ワイヤロック組立体110の本体112上で輪を作り、下方位置又は上方位置にロックされることを可能にする。
【0042】
図14は、ワイヤロック組立体110の後部斜視図を示す。示されるように、ワイヤロック組立体110は、中心通路120と、反対の側にある一対のワイヤガイドテールロック128,130と、一対の第2ワイヤガイドロック134,136と、取付機構138と、ワイヤロック組立体110の本体112内に配置されたシール140と、を含む。取付機構138は、ワイヤロック組立体110と第2の医療デバイスのポートとの間の接続を容易にする。この実施形態では、取付機構138は内視鏡のポートと係合するように構成されている。示されるように、取付機構138は、ワイヤロック組立体110の底部セクション114内に形成された溝142を含む。医療デバイスと第2の医療デバイスのポートとの間のより確実な嵌合を提供するために、スナップ嵌合ロッキング機構144が取付機構138の溝142内に設けられている。ワイヤロック組立体110の本体112に対して厚さを有する突起146が取付機構138の下に配置されている。この実施形態では、突起146は準半球状構成を有し、取付機構138の溝142の外周部を越えて拡がる縁部147を含む。突起146は、第2の医療デバイスのハウジングに対してワイヤロック組立体が不要に回転110しないように補助する。取付機構138及び突起146の寸法は、第2の医療デバイスの寸法に基づき変更してもよい。
【0043】
シール140は、ワイヤロック組立体110の中心通路120と流体的に係合しており、ワイヤガイド、カテーテル又は類似の長尺状デバイスの挿入又は動きを妨げることなく
、第2の医療デバイスのワーキングチャネル内に存在し得る任意の流体が漏れるのを制限するように構成されている。この構成は、胆汁及び血液などの体液が漏れ、医師及び作業環境を汚染するのを防止することにおいて特に有利なものとなり得る。シール40が製造され得る材料の種類を含むシール40の設計及び構成は当業者に周知である。この実施形態では、シール140は、ワイヤロック組立体110の底部部分114と中間部分116との間に配置されている。例示的なシール140は単一スリットを含み得るが、他の種類のスリット、裂けた穴、配置されたスリット、又は貫通可能なシールを代替的に使用してもよい。例えば、他のシール構成としては、ダックビル、スリット付き膜(例えば、ポリスチレン、シリコーン、又は別の弾性ポリマー材料)、又はカテーテル及びワイヤガイドの周囲を密閉し、任意の近位に移動する流体がチャネルを出ないようにする機能を有する他の設計が挙げられる。この実施形態のシール40は2つの略平面を含む。
【0044】
2つのワイヤガイドテールロック134,136がワイヤロック組立体110のワイヤガイドテールロック128,130の近傍に配置されており、ワイヤロック組立体110の底部セクション114に配置されている。示されるように、第2ワイヤガイドロック134,136は略c字形の設計を有するクランプを含む。代替的な実施形態では、他の構成が適する場合もある。使用中、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット内で外向き位置にロックされると、ワイヤガイドの近位部は、第2ワイヤガイドロック134,136のうちの1つの中に、ユーザから離れる方向に配置されてもよい。第2ワイヤガイドロック134,136のうちの1つの中にワイヤガイドの近位部を配置することで、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット115内に配置されたときに自動的にロックされた位置に配置される際に、ワイヤガイドの第2ロックを提供する。
【0045】
図15は、ワイヤガイドロック組立体110の底面図を示す。示されるように、ワイヤガイドロッキング組立体110は、反対の側にある一対のテールロック128,130と、一対の第2ワイヤガイドロック134,136と、取付機構138と、ワイヤロック組立体110の本体112内に配置されたシール140と、を含む。医療デバイスと第2の医療デバイスのポートとの間のより確実な嵌合を提供するために、スナップ嵌合ロッキング機構144が取付機構138の溝142内に設けられている。ワイヤロック組立体110の本体112に対して厚さを有する突起146が取付機構138の下に配置されている。シール140は、ワイヤガイド、カテーテル又は類似の長尺状デバイスの挿入又は動きを妨げることなく、第2の医療デバイスのワーキングチャネル内に存在し得る任意の流体の漏れを制限するように構成されている。
【0046】
図16は、内視鏡の例示的なアクセスポート148の断面図を示す。アクセスポート148は、内視鏡の内部を通って遠位に延びるワーキングチャネル(図示せず)へのアクセスを提供する。金属挿入物148はアクセスポートカバーによって被覆されてもよく、アクセスポートカバーは、金属挿入物のアクセスポートにアクセスするために取り外されてもよい。アクセスポート148は、ベース150と、高さと幅とを有するステム152と、を含む。いくつかの実施形態では、アクセスポート148は略t字形の構成を有する。当業者であれば、他の種類の構成を有するポートも使用してよいことは理解するであろう。
【0047】
図17は、ワイヤロック組立体110の断面図を示す。ワイヤロック組立体の上部部分118と中間部分116とは、ワイヤロッキングスロット113に通じているワイヤガイドロッキング路113を形成している。ワイヤガイドロッキング路113は、ワイヤロック組立体の中間セクションに配置された上昇表面156を含む。上昇した丸みのある表面156は中心経路120の周縁部の周りに延び、略準半球形を有する。示されるように、上昇した丸みのある表面は、中心経路120から中間セクション116の外周縁部まで延びるテーパ部を含む。上昇した丸みのある表面156のテーパ状セクションは、中間セク
ション116の外周縁部に向かって拡がるにつれて直径が増す。上昇した丸みのある表面156は、中間開口部の周縁部の周りに延びるテーパ状の、略丸みのある表面を含む。ワイヤロック組立体110は、ワイヤロック組立体の中間セクション116に配置された平らな縁部158を更に含む。ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット内に固定されているとき、平らな縁部は、ユーザがカテーテルの交換を行うためにカテーテルを上に引く際の、ワイヤガイドとカテーテルとの間の楔として使用されてもよい。ワイヤロック組立体10の取付機構138の溝142内に角度付きの傾斜部160がある。角度付きの傾斜部160は、ワイヤロック組立体110を第2の医療デバイスのポート上に摺動させることによってワイヤロック組立体10を第2の医療デバイスに固定することを可能にする。
【0048】
図18は、ワイヤロック組立体110の取付機構138の溝142内においてアクセスポート148上で固定された位置にあるワイヤロック組立体110の一実施形態の背面図を示す。取付機構138の溝142内に位置するスナップ嵌合ロッキング機構144は、ベースに隣接する領域においてアクセスポート148のステム152に係合している。加えて、スナップ嵌合ロッキング機構144は、ワイヤロック組立体110がアクセスポート148に確実に取り付けられたことをユーザに知らせるための可聴音を提供する。この固定された位置において、傾斜部160は、隙間がステム152の上部分の高さよりも小さくなるように、アクセスポート148のステム152をシール140と非常に近接させる。したがって、ワイヤロック組立体110及びワイヤガイド及び/又はカテーテルがワイヤロック組立体110の中心経路120内に配置されると、圧縮可能なシールが間に形成される。ワイヤロック組立体110の突起146の深さ及び寸法は、アクセスポート148のベース150を収容するような大きさにされている。同様に、取付機構138の深さ及び寸法は、アクセスポート148のステム150を収容するような大きさにされている。
【0049】
図19は、ワイヤロック組立体210の別実施形態を示す。この実施形態では、ワイヤロック組立体210は、準半球形を有する本体212を含む。ワイヤロック組立体210の本体212は特定の形態に成形されていてもよく、ワイヤロック組立体は、底部セクション214と、中間セクション216と、上部セクション218と、を有する。しかしながら、代替的な実施形態では、ワイヤロック組立体210の本体212は他の幾何学的構造を含んでもよい。この実施形態に示すように、中心経路220がワイヤロック組立体210の本体212内に配置されており、ワイヤガイド、カテーテル、又は類似のタイプの長尺状医療デバイス(以後、「ワイヤガイド」と総称される)のための経路を画定する。ワイヤロック組立体の本体212内にワイヤガイド用のワイヤガイドロッキングスロット215に通じている非線形ワイヤガイドロッキング経路213がある。ワイヤロック組立体210が内視鏡などの医療デバイスに取り付けられると、医療デバイスのワーキングチャネル内に延びるワイヤガイドは中心経路220内にも延びてよい。この位置において、ワイヤガイドは、非線形ワイヤガイドロッキング経路内に配置され得る。ワイヤロック組立体210の本体212は、本体212の上部セクション218内に配置された切欠部222を含む。切欠部222は、ワイヤロック組立体210の本体212内に形成された非線形ワイヤガイドロッキング経路内におけるワイヤガイドの位置決めを容易にするのに役立つ。例示的実施形態では、非線形経路213及びワイヤガイドロッキングスロット215は、ワイヤガイドがロックされた位置に自動的に配置される、ワイヤガイドの3点曲げを生じさせる。以下で説明するように、非線形ワイヤガイドロッキング軌道の構成は、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキング路の対向表面間に挟まれないことから、ワイヤガイドが損傷するのを防止する。更に、ワイヤガイドロッキング経路213を移動し、ワイヤガイドロッキングスロット215内に配置された後、ワイヤガイドは自動的にロックされた位置にある。
【0050】
ワイヤロック組立体10の本体212は、ワイヤガイドテールロック228,230を含む2つのサイドウイング224,226を更に含む。サイドウイング228,230は、ユーザが、ワイヤロック組立体10を医療デバイスのポートに取り付けるために及びこのポートから取り外すために表面を把持することを可能にする。示されるように、サイドウイング224,226は略丸みのある表面を有する。しかしながら、当業者であれば、他の構成をサイドウイングに用いてもよいことは理解するであろう。ワイヤガイドテールロック228,230はワイヤロック組立体210の本体212内に配置されており、ワイヤロック組立体210の本体212の反対の側に配置されている。いくつかの実施形態では、ワイヤガイドテールロック228,230は1つの開口部又は複数の開口部を含んでもよい。ワイヤガイドテールロック228,230は、ロックされたワイヤガイドが、ワイヤロック組立体10の本体212上で輪を作り、下方位置又は上方位置にロックされることを可能にする。
【0051】
図20は、ワイヤロック組立体210の後部斜視図を示す。示されるように、ワイヤロック組立体210は、中心経路220と、反対の側にある一対のワイヤガイドロック228,230と、一対の第2ワイヤガイドロック234,236と、取付機構238と、ワイヤロック組立体210の本体212内に配置されたシール240と、を含む。取付機構238は、ワイヤロック組立体210と第2の医療デバイスのポートとの間の接続を容易にする。この実施形態では、取付機構238は内視鏡のポートと係合するように構成されている。示されるように、取付機構238は、ワイヤロック組立体210の底部セクション214内に形成された溝242を含む。医療デバイスと第2の医療デバイスのポートとの間のより確実な嵌合を提供するために、スナップ嵌合ロッキング機構244が取付機構238の溝242内に設けられている。ワイヤロック組立体210の本体212に対して厚さを有する突起246が取付機構238の下に配置されている。この実施形態では、突起246は準半球状構成を有し、取付機構238の溝242の外周部を越えて拡がる縁部248を含む。突起246は、第2の医療デバイスのハウジングに対してワイヤロック組立体が不要に回転しないように補助する。取付機構238及び突起246の寸法は、第2の医療デバイスの寸法に基づき変更してもよい。この実施形態に示すように、取付機構は、
図1~
図17の実施形態よりも大きな寸法を有するポートのステム及びベースの大きさに適応するように構成されている。取付機構238は角度付きの縁部239を含む。角度付きの縁部239は医療デバイスのポート上でワイヤロック組立体210が回転するのを妨げるのに役立つことから、角度付きの縁部239はワイヤロック組立体210が円形のハウジングを有する医療デバイスで使用される場合に有利であり得る。
【0052】
シール240はワイヤロック組立体210の中心経路220と流体的に係合しており、ワイヤガイド、カテーテル又は類似の長尺状デバイスの挿入又は動きを妨げることなく、第2の医療デバイスのワーキングチャネル内に存在し得る任意の流体が漏れるのを制限するように構成されている。この構成は、胆汁及び血液などの体液が漏れ、医師及び作業環境を汚染するのを防止することにおいて特に有利なものとなり得る。シール240が製造され得る材料の種類を含むシール240の設計及び構成は当業者に周知である。この実施形態では、シール240は、ワイヤロック組立体210の底部部分214と中間部分216との間に配置されている。例示的なシール240は単一スリットを含み得るが、他の種類のスリット、裂けた穴、配置されたスリット、又は貫通可能なシールを代替的に使用してもよい。例えば、他のシール構成としては、ダックビル、スリット付き膜(例えば、ポリスチレン、シリコーン、又は別の弾性ポリマー材料)、又はカテーテル及びワイヤガイドの周囲を密閉し、任意の近位に移動する流体がチャネルを出ないようにする機能を有する他の設計が挙げられる。この実施形態のシール240は2つの略平面を含む。
【0053】
2つの第2ワイヤガイドロック234,236がワイヤロック組立体210のワイヤガイドテールロック228,230の近傍に配置されており、ワイヤロック組立体210の
底部セクション214に配置されている。示されるように、第2ワイヤガイドロック234,236略c字形の設計を有するクランプを含む。代替的な実施形態では、他の構成が適する場合もある。使用中、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット内で外向き位置にロックされると、ワイヤガイドの近位部は、第2ワイヤガイドロック234,236のうちの1つの中に、ユーザから離れる方向に配置されてもよい。第2ワイヤガイドロック234,236のうちの1つの中にワイヤガイドの近位部を配置することで、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット215内に配置されたときに自動的にロックされた位置に配置される際に、ワイヤガイドの第2ロックを提供する。
【0054】
図21は、ワイヤロック組立体の底面図を示す。示されるように、ワイヤガイドロッキング組立体210は、反対の側にある一対のワイヤガイドテールロック228,230と、一対の第2ワイヤガイドロック234,236と、取付機構238と、ワイヤロック組立体210の本体212内に配置されたシール240と、を含む。医療デバイスと第2の医療デバイスのポートとの間のより確実な嵌合を提供するために、スナップ嵌合ロッキング機構244が取付機構238の溝242内に設けられている。ワイヤロック組立体210の本体212に対して厚さを有する突起246は、取付機構238の下に配置されている。シール240は、ワイヤガイド、カテーテル又は類似の長尺状デバイスの挿入又は動きを妨げることなく、第2の医療デバイスのワーキングチャネル内に存在し得る任意の流体の漏れを制限するように構成されている。
【0055】
図22は、内視鏡の例示的なアクセスポート248の断面図である。アクセスポート248は、内視鏡の内部を通って遠位に延びるワーキングチャネル(図示せず)へのアクセスを提供する。金属挿入物248はアクセスポートカバーによって被覆されてもよく、アクセスポートカバーは、金属挿入物のアクセスポートにアクセスするために取り外されてもよい。アクセスポート248は、ベース250と、高さと幅とを有するステム252と、を含む。いくつかの実施形態では、アクセスポートは略円形の構成を有する。当業者であれば、他の種類の構成を有するポートも使用してよいことは理解するであろう。
【0056】
図23は、ワイヤロック組立体210の断面図を示す。ワイヤロック組立体の上部部分218と中間部分216とは、ワイヤロッキングスロット213に通じているワイヤガイドロッキング路213を形成している。ワイヤガイドロッキング路213は、ワイヤロック組立体の中間セクションに配置された上昇表面256を含む。上昇した丸みのある表面256は中心経路220の周縁部の周りに延び、略準半球形を有する。示されるように、上昇した丸みのある表面は、中心経路220から中間セクション216の外周縁部まで延びるテーパ部を含む。上昇した丸みのある表面256のテーパ状セクションは、中間セクション216の外周縁部に向かって拡がるにつれて直径が増す。上昇した丸みのある表面256は、中間開口部の周縁部の周りに延びるテーパ状の、略丸みのある表面を含む。ワイヤロック組立体210は、ワイヤロック組立体の中間セクション216に配置された平らな縁部258を更に含む。ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット内に固定されているとき、平らな縁部は、ユーザがカテーテルの交換を行うためにカテーテルを上に引く際の、ワイヤガイドとカテーテルとの間の楔として使用されてもよい。ワイヤロック組立体10の取付機構238の溝242内に角度付きの傾斜部260がある。角度付きの傾斜部260は、ワイヤロック組立体210を第2の医療デバイスのポート上に摺動させることによってワイヤロック組立体210を第2の医療デバイスに固定することを可能にする。
【0057】
図24は、ワイヤロック組立体210の取付機構238の溝242内においてアクセスポート248上で固定された位置にあるワイヤロック組立体210の一実施形態の背面図を示す。取付機構238の溝242内に位置するスナップ嵌合ロッキング機構244は、ベースに隣接する領域においてアクセスポート248のステム252に係合している。加
えて、スナップ嵌合ロッキング機構244は、ワイヤロック組立体210がアクセスポート48に確実に取り付けられたことをユーザに知らせるための可聴音を提供する。この固定された位置において、傾斜部260は、隙間がステム252の上部分の高さよりも小さくなるようにアクセスポート248のステム252をシール240と非常に近接させる。したがって、ワイヤロック組立体210及びワイヤガイド及び/又はカテーテルがワイヤロック組立体210の中心経路220内に配置されると、圧縮可能なシールが間に形成される。ワイヤロック組立体210の突起246の深さ及び寸法は、アクセスポート248のベース250を収容するような大きさにされている。同様に、取付機構238の深さ及び寸法は、アクセスポート248のステム250を収容するような大きさにされている。
【0058】
図25は、分解したワイヤロック組立体の例示的な別の実施形態を示す。本体312を有するワイヤロック組立体310は、プラスチックなどの適切な材料で形成された3つの部品になっている。材料は特定の形態に成形されていてもよく、ワイヤロック組立体310は、底部セクション314と、中間セクション316と、上部セクション318と、を有する。ワイヤロック組立体310の本体312は、ワイヤガイドテールロック328,330を含む2つのサイドウイング324,326を更に含む。ワイヤロック組立体310の本体312は、本体312の上部セクション318内に配置された切欠部322を含む。切欠部322は、ワイヤロック組立体10の本体312内に形成された非線形ワイヤガイドロッキング経路内におけるワイヤガイドの位置決めを容易にするのに役立つ。Oリング354が、ワイヤロック組立体310の反対の側にあるワイヤガイドテールロック328,330を取り囲む領域に配置されている。中間セクション316及び上部セクション318は、ワイヤロック組立体310の本体内にOリング354を受け入れるための成形領域を含んでもよい。Oリング354は、ワイヤガイドテールロック328,330のうちの1つの中にワイヤガイドが配置されている間、ユーザにいくらかの触覚フィードバック及び摩擦を与える。この実施形態では、一対のOリング354が各ワイヤガイドテールロックの近傍に配置されている。代替的な実施形態では、Oリングの異なる組み合わせを使用してもよい。更なる代替的実施形態では、他の機械的なガスケットを使用してユーザに触覚フィードバック及び摩擦を与えてもよい。ワイヤロック組立体310は、ワイヤガイドロッキングスロットに隣接する領域に配置された、使用の容易さ及びワイヤガイドの保護を高めることを可能にし得るオーバーモールド材料370を更に含んでもよい。オーバーモールド材料370は適切な弾性材料から製造であってもよい。好適な実施形態では、オーバーモールド材料370は熱可塑性弾性材料を含んでもよい。代替的な実施形態では、上部部分318はオーバーモールド材料370なしで形成されてもよい。ここで示される例示的実施形態は互いにスナップ嵌合された3つの部品によって構成されているが、ワイヤロック組立体310は、任意の手法で互いに固定され得る1つ以上の部品で作製してもよい。例えば、部品は、超音波結合されてもよく、熱結合されてもよく、互いに接合されてもよく、又は任意の他の手法で固定されてもよい。
【0059】
ワイヤ組立体310は、ワイヤロック組立体310の中間セクション316と底部セクション314との間においてワイヤロック組立体310の本体の内部内に固定されており、ワイヤロック組立体310の中心通路320と流体連通している、第1のシール340と、第2のシール341と、を含む。この実施形態では、第1のシール340はワイヤロック組立体310の中心通路320と流体的に係合しており、ワイヤガイド、カテーテル又は類似の長尺状デバイスの挿入又は動きを妨げることなく、第2の医療デバイスのワーキングチャネル内に存在し得る任意の流体の漏れを制限するように構成されている。この構成は、胆汁及び血液などの体液が漏れ、医師及び作業環境を汚染するのを防止することにおいて特に有利なものとなり得る。第1のシール340が製造され得る材料の種類を含む第1のシール340の設計及び構成は当業者に周知である。例示的なシールは単一スリットを含み得るが、他の種類のスリット、裂けた穴、配置されたスリット、又は貫通可能なシールを代替的に使用してもよい。例えば、他のシール構成としては、ダックビル、ス
リット付き膜(例えば、ポリスチレン、シリコーン、又は別の弾性ポリマー材料)、又はカテーテル及びワイヤガイドの周囲を密閉し、任意の近位に移動する流体がチャネルを出ないようにする機能を有する他の設計が挙げられる。この実施形態の第2のシール341は第1のシール340の遠位に配置されている。第2のシール341は、第1のシール340とワイヤロック組立体310の中心通路320とに流体的に係合している開口部343を含む。第2のシール341の開口部343によって、ワイヤロック組立体310の中心通路320の使用中、第1のシール340が第2のシール341内に曲がることを可能にする。この実施形態は、ポートの開口部とポートを有するアクセサリチャネルとの間に名目差を有するポートにおいて使用される場合に有利であり得る。第2のシール341の開口部343の寸法は、ワイヤロック組立体310のこの実施形態と共に使用するためのポートの直径に基づき決定されてもよい。
【0060】
図26A及び
図26Bは、ワイヤロック組立体310の中間セクション316のそれぞれ頂面371及び底面373の斜視図を示す。
図26Aを参照すると、中間セクション316は、上部セクション318と中間セクション316とが互いに固定されたときに中心経路を形成するためにワイヤロック組立体の上部セクション318の上部開口部362の両方と流体連通する中間開口部372を含む。示されるように、中間セクション316は、中間開口部372の周縁部のセクションの周囲に延びる上昇した略丸みのある表面356を含む。上昇した丸みのある表面356はテーパ部を含み、中間開口部372から中間セクションの縁部まで延びる。中間セクション316がワイヤロック組立体310の上部セクション318と組み合わされると、テーパ状の上昇した丸みのある表面356とワイヤロック組立体10の上部セクション318とによって作成された空間により非線形ワイヤガイド経路が形成される。ワイヤロック組立体310の中間セクション316は、中間開口部372に隣接して配置された平らな縁部358を更に含む。中間セクション16は、反対の側に、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングテールロック内に配置されたときにワイヤガイドを受け入れるためのキャビティ375を更に含む。ワイヤガイドテールロック328,330用の開口部377,379が中間セクション316内に配置されており、反対の側に配置されている。成形要素376が、中間セクション316の頂面371の反対の側に配置されている。成形要素376は、ワイヤロック組立体310の上部セクション318の対応する要素と係合するように構成されている。ここで
図8Bを参照すると、中間セクション316の底部セクション373は、第1のシール340及び第2のシール341を収容するためのウェル374を含む。成形要素378が、中間セクション316の底面373の反対の側に配置されている。成形要素378は、ワイヤロック組立体310の底部セクション314の対応する要素と係合するように構成されている。
【0061】
図27は、ワイヤロック組立体410の別実施形態を示す。この実施形態では、ワイヤロック組立体410は、準半球形を有する本体412を含む。しかしながら、代替的な実施形態では、ワイヤロック組立体410の本体412は他の幾何学的構造を含んでもよい。この実施形態に示すように、中心経路420がワイヤロック組立体10の本体412内に配置されており、ワイヤガイド、カテーテル、又は類似のタイプの長尺状医療デバイス(以後、「ワイヤガイド」と総称される)のための経路を画定する。ワイヤロック組立体の本体412内に、ワイヤガイド用のワイヤガイドロッキングスロット415に通じている非線形ワイヤガイドロッキング経路413がある。ワイヤロック組立体410が内視鏡などの医療デバイスに取り付けられると、医療デバイスのワーキングチャネル内に延びるワイヤガイドは中心経路420内にも延びてよい。この位置において、ワイヤガイドは、非線形ワイヤガイドロッキング経路内に配置され得る。ワイヤロック組立体410の本体412は、本体412の上部セクション418内に配置された切欠部422を含む。切欠部422は、ワイヤロック組立体410の本体412内に形成された非線形ワイヤガイドロッキング経路内におけるワイヤガイドの位置決めを容易にするのに役立つ。例示的実施形態では、非線形経路413及びワイヤガイドロッキングスロット415は、ワイヤガイ
ドがロックされた位置に自動的に配置される、ワイヤガイドの3点曲げを生じさせる。以下で説明するように、非線形ワイヤガイドロッキング軌道の構成は、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキング路の対向表面間に挟まれないことから、ワイヤガイドが損傷するのを防止する。更に、ワイヤガイドロッキング経路13を通り、ワイヤガイドロッキングスロット415内に配置された後、ワイヤガイドは自動的にロックされた位置にある。取付機構438が設けられており、ワイヤロック組立体410と第2の医療デバイスのポートとの間の接続を容易にする。ワイヤロック組立体410の本体412は、生検キャップの周縁部の反対の側に配置された、内視鏡に対するデバイスの取り付けを容易にするための、及び生検キャップのより良好な把持を提供するための指用溝478を更に含む。
【0062】
図28は、ワイヤロック組立体510の一実施形態を示す。この実施形態では、ワイヤロック組立体510は、準半球形を有する本体512を含む。ワイヤロック組立体510の本体512は特定の形態に成形されていてもよく、ワイヤロック組立体は、底部セクション514と、中間セクション516と、上部セクション518と、を有する。しかしながら、代替的な実施形態では、ワイヤロック組立体510の本体512は他の幾何学的構造を含んでもよい。この実施形態に示すように、中心経路520がワイヤロック組立体510の本体512内に配置されており、ワイヤガイド、カテーテル、又は類似のタイプの長尺状医療デバイス(以後、「ワイヤガイド」と総称される)のための経路を画定する。ワイヤロック組立体の本体512内に、ワイヤガイド用のワイヤガイドロッキングスロット15に通じている非線形ワイヤガイドロッキング経路513がある。ワイヤロック組立体510が内視鏡などの医療デバイスに取り付けられると、医療デバイスのワーキングチャネル内に延びるワイヤガイドは中心経路520内にも延びてよい。この位置において、ワイヤガイドは、非線形ワイヤガイドロッキング経路内に配置され得る。ワイヤロック組立体510の本体512は、本体512の上部セクション518内に配置された切欠部522を含む。切欠部522は、ワイヤロック組立体510の本体512内に形成された非線形ワイヤガイドロッキング経路内におけるワイヤガイドの位置決めを容易にするのに役立つ。例示的実施形態では、非線形経路513及びワイヤガイドロッキングスロット515は、ワイヤガイドがロックされた位置に自動的に配置される、ワイヤガイドの3点曲げを生じさせる。以下で説明するように、非線形ワイヤガイドロッキング軌道の構成は、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキング路の対向表面間に挟まれないことから、ワイヤガイドが損傷するのを防止する。更に、ワイヤガイドロッキング経路513を通り、ワイヤガイドロッキングスロット515内に配置された後、ワイヤガイドは自動的にロックされた位置にある。可撓性スパイン580がワイヤロック組立体510の本体の表面に配置されている。一実施形態では、可撓性スパイン580はデバイスの底面に配置されている。可撓性スパイン580は内視鏡などの第2の医療デバイスに配置されたときにポート周囲の応力緩和を提供してもよい。
【0063】
ワイヤロック組立体510の本体512は、ワイヤガイドテールロック528,530を含む2つのサイドウイング524,526を更に含む。サイドウイング524,526は、ユーザが、ワイヤロック組立体510を医療デバイスのポートに取り付けるために、及びこのポートから取り外すために、表面を把持することを可能にする。示されるように、サイドウイング524,526は略丸みのある表面を有する。しかしながら、当業者であれば、他の構成をサイドウイングに用いてもよいことは理解するであろう。ワイヤガイドテールロック528,530はワイヤロック組立体510の本体512内に配置されているとともに、ワイヤロック組立体510の本体512の反対の側に配置されている。いくつかの実施形態では、ワイヤガイドテールロック528,530は1つの開口部又は複数の開口部を含んでもよい。ワイヤガイドテールロック528,530は、ロックされたワイヤガイドが、ワイヤロック組立体510の本体512上で輪を作り、下方位置又は上方位置にロックされることを可能にする。
【0064】
図29は、ワイヤロック組立体と共に使用するためのシール640の代替的実施形態を示す。シールは、第1平面642と、凹状のボウルのような構成を有する第2表面644と、を含む。この実施形態では、第2表面644は、ワイヤロック組立体が第2の医療デバイスに配置される際に接続点のより大きな分散を可能にしてもよい。特に、ボウル形状の第2表面644は第2の医療デバイスの接続ポートの開口部内に配置される。この構成は、また、ワイヤロック組立体が様々な寸法の接続ポートを有する複数の医療デバイスに配置されることになる場合に適切なシールの提供を補助してもよい。
【0065】
図30A及び
図30Bは、ワイヤロック組立体710の代替的実施形態を示す。この実施形態では、ワイヤロック組立体710は、準半球形を有する本体712を含む。ワイヤロック組立体710の本体712は特定の形態に成形されていてもよく、ワイヤロック組立体710底部セクション714と、中間セクション716と、上部セクション718と、を有する。しかしながら、代替的な実施形態では、ワイヤロック組立体710の本体712は他の幾何学的構造を含んでもよい。この実施形態に示すように、中心経路720はワイヤロック組立体710の本体712内に配置されており、ワイヤガイド、カテーテル、又は類似のタイプの長尺状医療デバイス(以後、「ワイヤガイド」と総称される)のための経路を画定する。ワイヤロック組立体710の本体712内に、ワイヤガイド用のワイヤガイドロッキングスロット715に通じている非線形ワイヤガイドロッキング経路713がある。ワイヤロック組立体710が内視鏡などの医療デバイスに取り付けられると、医療デバイスのワーキングチャネル内に延びるワイヤガイドは中心経路720内にも延びてよい。この位置において、ワイヤガイドは非線形ワイヤガイドロッキング経路720内に配置され得る。ワイヤロック組立体710の本体712は、本体712の上部セクション718内に配置された切欠部722を含む。切欠部722は、ワイヤロック組立体710の本体712内に形成された非線形ワイヤガイドロッキング経路内におけるワイヤガイドの位置決めを容易にするのに役立つ。ワイヤガイドロッキングスロット715,717がワイヤガイドロッキング組立体710の反対の側に配置されている。ワイヤガイドロッキングスロット715,717は、ワイヤガイドのロックを更に容易にするスナップ嵌合ロッキング機構768を含む。
【0066】
ワイヤロック組立体710の本体712は、2つのサイドウイング724,726を更に含む。サイドウイング724,726は、ユーザが、ワイヤロック組立体710を医療デバイスのポートに取り付けるために及びこのポートから取り外すために、表面を把持することを可能にする。示されるように、サイドウイング724,726は略丸みのある表面を有する。しかしながら、当業者であれば、他の構成をサイドウイング724,726に用いてもよいことは理解するであろう。
図30A及び
図30Bに示すように、一対のワイヤガイドテールロック728,730がワイヤロック組立体710の本体712の中間セクション726内に配置されており、互いに隣接して配置されている。いくつかの実施形態では、ワイヤガイドテールロック728,730は1つの開口部又は複数の開口部を含んでもよい。ワイヤガイドテールロック728,730は、ロックされたワイヤガイドがワイヤロック組立体710の本体712の周りで輪を作り、中心通路720を横断する位置にロックされることを可能にする。
【0067】
図31A及び
図31Bは、ワイヤガイド組立体710の背面図を示す。示されるように、ワイヤロック組立体710は、ワイヤガイドロッキング組立体710の反対の側に配置されているワイヤガイドロッキングスロット715,717と、中心経路720と、2つのサイドウイング724,726と、取付機構738と、ワイヤロック組立体710の本体712内に配置されたシール740と、を含む。非線形ワイヤガイドロッキング経路713がワイヤガイド組立体710の本体712内に配置されており、ワイヤガイド用のワイヤガイドロッキングスロット715に通じている。取付機構738は、ワイヤロック組立体710と第2の医療デバイスのアクセスポートとの間の接続を容易にする。この実施
形態では、取付機構738は内視鏡のポートと係合するように構成されている。示されるように、取付機構738は、ワイヤロック組立体710の底部セクション714内に形成された溝742を含む。医療デバイスと第2の医療デバイスのポートとの間のより確実な嵌合を提供するために、スナップ嵌合ロッキング機構744が取付機構738の溝742内に設けられている。ワイヤロック組立体710の本体712に対して厚さを有する突起746が、取付機構738の下に配置されている。この実施形態では、突起746は準半球状構成を有し、取付機構738の溝742の外周部を越えて拡がる縁部747を含む。突起746は、第2の医療デバイスのハウジングに対してワイヤロック組立体が不要に回転しないように補助する。取付機構738及び突起746の寸法は、第2の医療デバイスの寸法に基づき変更してもよい。ワイヤロック組立体710の取付機構738の溝742内に角度付きの傾斜部760がある。角度付きの傾斜部760は、ワイヤロック組立体710を第2の医療デバイスのポート上に摺動させることによってワイヤロック組立体710を第2の医療デバイスに固定することを可能にする。
【0068】
シール740は、ワイヤロック組立体710の中心経路720と流体的に係合しており、ワイヤガイド、カテーテル又は類似の長尺状デバイスの挿入又は動きを妨げることなく、第2の医療デバイスのワーキングチャネル内に存在し得る任意の流体が漏れるのを制限するように構成されている。この構成は、胆汁及び血液などの体液が漏れ、医師及び作業環境を汚染するのを防止することにおいて特に有利なものとなり得る。シール740が製造され得る材料の種類を含むシール740の設計及び構成は当業者に周知である。この実施形態では、シール740は、ワイヤロック組立体710の底部部分714と中間部分716との間に配置されている。例示的なシール740は単一スリットを含み得るが、他の種類のスリット、裂けた穴、配置されたスリット、又は貫通可能なシールを代替的に使用してもよい。例えば、他のシール構成としては、ダックビル、スリット付き膜(例えば、ポリスチレン、シリコーン、又は別の弾性ポリマー材料)、又はカテーテル及びワイヤガイドの周囲を密閉し、任意の近位に移動する流体がチャネルを出ないようにする機能を有する他の設計が挙げられる。この実施形態のシール740は2つの略平面を含む。ワイヤガイドロッキング組立体710の本体712の中間セクション716に位置する上昇表面756に切欠部759がある。
【0069】
図32は、ワイヤガイド組立体710の側面図を示す。示されるように、ワイヤロック組立体710は、ワイヤガイドロッキングスロット715と、取付機構738と、ワイヤガイドテールロック728と、を含む。ワイヤガイドロッキングスロット715はワイヤロック組立体710のサイドウイング724にある。ワイヤガイドロッキングスロット715は、ワイヤガイドのロックを更に容易にするスナップ嵌合ロッキング機構768を含む。ワイヤロック組立体の上部部分718と中間部分716とは、ワイヤロッキングスロット715に通じているワイヤガイドロッキング路713を形成している。ワイヤガイドロッキング路713は、ワイヤロック組立体の中間セクション716に配置された上昇表面756を含む。上昇した丸みのある表面756は中心経路720の周縁部の周りに延び、略準半球形を有する。ワイヤガイドロッキング組立体710の本体712の中間セクション716に位置する上昇表面756に切欠部759がある。切欠部759は非線形経路内に配置されている。
【0070】
図33は、ワイヤガイド組立体710の断面図を示す。示されているように、この図はワイヤガイド組立体710の本体712の後部からのものである。ワイヤロック組立体710は、中心経路720と、取付機構738と、ワイヤロック組立体710の本体712内に配置されたシール740と、を含む。ワイヤロック組立体の上部部分718と中間部分716とは、ワイヤロッキングスロット715に通じているワイヤガイドロッキング路713を形成している。ワイヤガイドロッキング路713は、ワイヤロック組立体の中間セクション716に配置された上昇表面756を含む。上昇した丸みのある表面756は
中心経路720の周縁部の周りに延び、略準半球形を有する。示されるように、上昇した丸みのある表面756は、中心経路720から中間セクション716の外周縁部まで延びるテーパ部を含む。上昇した丸みのある表面756のテーパ状セクションは、中間セクション716の外周縁部に向かって拡がるにつれて直径が増す。上昇した丸みのある表面756は、中間開口部の周縁部の周りに延びるテーパ状の、略丸みのある表面を含む。ワイヤロック組立体710は、ワイヤロック組立体の中間セクション716に配置された平らな縁部758を更に含む。ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット715,717内に固定されているとき、平らな縁部758は、ユーザがカテーテルの交換を行うためにカテーテルを上に引く際の、ワイヤガイドとカテーテルとの間の楔として使用されてもよい。ワイヤロック組立体710の本体712の中間セクション716の丸みのある表面756に切欠部759が設けられている。示されるように、切欠部はワイヤガイドロッキング路713に沿って配置されており、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット715,717内のロックされた位置から意図せずに動かないようにするのを補助する。ワイヤガイドテールロック728,730がワイヤガイド組立体の本体712の中間セクション716内に配置されている。
図33に示すように、ワイヤガイドテールロック728,730はシール740と連通しており、ワイヤロック組立体710の本体712の中間セクション716の一部分内に配置された中心経路720を横断するように配置されている。
【0071】
図34は、ワイヤガイド組立体710の断面図を示す。示されているように、この図は、ワイヤガイド組立体710の本体712の側面からのものである。ワイヤロック組立体710は、中心経路720と、取付機構738と、ワイヤロック組立体710の本体712内に配置されたシール740と、を含む。ワイヤロック組立体の上部部分718と中間部分716とは、ワイヤロッキングスロット715に通じているワイヤガイドロッキング路713を形成している。ワイヤガイドテールロック728がワイヤロック組立体710の本体712の中間セクション716の一部分内に配置されている。この実施形態では、ワイヤガイドテールロック728は、シール740と連通する角度付きの経路729を形成している。角度付きの経路729は、ワイヤガイドの近位端がワイヤガイドテールロック728内に配置されたときに、ワイヤガイドの近位端の係合がシール740と接触するのを促進する。このシール740との係合によってワイヤガイドの近位端をワイヤガイドテールロック728内にロックし、ワイヤガイドの近位端が固定されたという触覚表示をユーザに提供する。ワイヤロック組立体710の本体712の中間セクション716の丸みのある表面756に切欠部759が設けられている。示されるように、切欠部759は、ワイヤガイドロッキング路713に沿って配置されており、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット715内のロックされた位置から意図せずに動かないようにするのを補助する。
【0072】
図35は、分解したワイヤロック組立体710の例示的実施形態を示す。ワイヤロック組立体710は、プラスチックなどの適切な材料で形成されている。材料は特定の形態に成形されていてもよく、ワイヤロック組立体710は、底部セクション714と、中間セクション716と、上部セクション718と、を有する。シール740は、ワイヤロック組立体710の本体712内に設けられている。この実施形態では、シール740はワイヤロック組立体710の中間セクション716と底部セクション714との間に固定されており、ワイヤロック組立体710の中心経路720と流体連通している。ここで示される例示的実施形態は互いにスナップ嵌合された3つの部品によって構成されているが、ワイヤロック組立体10は、任意の手法で互いに固定され得る1つ以上の部品で作製してもよい。例えば、部品は、超音波結合されてもよく、熱結合されてもよく、互いに接合されてもよく、又は任意の他の手法で固定されてもよい。
【0073】
開示した医療デバイスの新規な特徴は、様々な用途に首尾よく使用することができる。
事実、本明細書に開示する医療デバイスは、広範な異なる医療処置に使用することができる。特に、開示される医療デバイスは、カテーテル又はワイヤガイドなどの1つ以上の長尺状医療器具を、患者又は別の医療器具のいずれかに対して固定する必要がある医療処置に使用することができる。
【0074】
本発明の開示した実施形態の様々な要素の構造及び構成における他の開示されていない又は付随的な詳細は、これら要素が開示されたものとして実施するのに必要な属性を備えている限り、何れも本発明の利点の実現に重要であるとは考えられない。構成上のこれら及びその他の詳細の選択については、本開示の観点において、当分野の基本的な技量を有する者の能力の十分に範囲内であると考えられる。本発明の図示実施形態を、実際の作動的な構造を開示し、本発明が有効に実施されるようにする目的で、かなり詳細に説明してきた。本明細書で記載した設計は単なる例示であることを意図している。本発明の新規な特性は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の構造形態で組み入れることができる。実際、開示した実施形態の異なる特徴を、1つの構造体に統合してもよく、あるいは別々の部品として設けてもよい。例えば、開示した実施形態は分解ツールなどの第2の医療デバイスと対にしてもよい。分解ツールは、磁石、接着剤、スナップ嵌合機構等の使用を含むがこれらに限定されない機械的付属物によって医療デバイスに結合されてもよい。2つのデバイス間の接続を容易にするために代替的な機構も使用してよい。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状医療デバイスのアクセスポート用のワイヤロック組立体であって、
本体であって、外部表面と、内部表面と、前記本体内に配置された中心開口部とを有する本体と、
前記本体の前記外部表面内に配置された取付機構であって、開端部を有する取付機構と、
前記本体に配置されており、前記中心開口部の近傍に配置されている少なくとも1つの切欠部と、
前記本体の前記内部表面内で支持された、前記中心開口部と連通している少なくとも1つのシールであって、前記シール内に通路を含む、シールとを含み、
前記本体の前記内部表面は、1つ以上のワイヤガイドを固定するための非線形経路を画定し、
前記内部表面の前記非線形経路は、前記1つ以上のワイヤガイドの少なくとも1つが自動的にロックされるように前記1つ以上のワイヤガイドの少なくとも1つに印加される力を分散するために位置決めされた複数の曲げによって規定される、ワイヤロック組立体。
【請求項2】
前記内部表面の前記非線形経路は、1つ以上の屈曲部によって画定される、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項3】
前記1つ以上のワイヤガイドは屈曲によって前記非線形経路を取る、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項4】
前記本体の前記内部表面は前記1つ以上のワイヤガイドを屈曲状態にする、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項5】
前記少なくとも1つの切欠部は前記非線形経路内に配置されている、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項6】
前記取付機構は、傾斜部を含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項7】
突起は、前記取付機構の周縁部に配置されている、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項8】
前記本体は、上部セクションと、中間セクションと、底部セクションとを含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項9】
前記非線形路の前記内部表面は、前記本体の前記上部セクションと前記中間セクションとの間に形成されている、請求項8に記載のワイヤロック組立体。
【請求項10】
前記取付機構は、前記開端部の近傍に、少なくとも1つの傾斜部を含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項11】
前記長尺状医療デバイスは、カテーテル、内視鏡、及びイントロデューサシースからなる群から選択される、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項12】
1つ以上のシールを含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項13】
前記本体内に、前記中心開口部を横断して配置された1つ以上の通路を含み、前記1つ以上の通路は角度付き内部表面を含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【請求項14】
前記本体内に、前記中心開口部と平行に配置された1つ以上の通路を含む、請求項1に記載のワイヤロック組立体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
ワイヤガイドは、医師が様々な処置を実施する際、患者に対して固定位置に維持しなければならないことが多い。特に、ワイヤガイドを固定位置に維持することは、目標の解剖学的構造、例えば胆道系の管へのアクセスを失わないようにするために重要である。また、1つまたはより多くの1つの拡張器をワイヤガイド上で進めるため、食道拡張時、医師はワイヤガイドを食道内及び食道狭窄部にわたってしっかりと固定しなければならない。同様に、経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG:percutaneous endoscopic gastrostomy)による留置時には、医師が栄養管を挿入する際、ワイヤガイドを患者の口、食道、及び胃に対して固定しなければならない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
これら処置の複雑さから、医師は、内視鏡を保持するため、カテーテルを操作するため、及び/又はワイヤガイドを保持するために別の者の介助を要することが多い。しかしながら、これは助手の注意の対象を患者の確認、関連情報に関するモニタの確認、又は他の作業の実施などの他の責任領域から逸らすことになる。したがって、これら課題に対処する医療デバイスを設計することが望ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
【
図1A】ワイヤロック組立体
の一実施形態
の前部斜視図を示す。
【
図1B】ワイヤロック組立体のワイヤガイドロッキングスロット内に配置されたワイヤガイドを示す。
【
図1C】ワイヤロック組立体のワイヤガイドドッキングスロット内に配置されたワイヤガイドを示す。
【
図2】ワイヤロック組立体の一実施形態の後部斜視図を示す。
【
図3】ワイヤロック組立体の一実施形態の底面図を示す。
【
図5】分解したワイヤロック組立体の例示的実施形態を示す。
【
図6】ワイヤロック組立体
の一実施形態
の断面図を示す。
【
図7A】ワイヤロック組立体の一実施形態の上部セクションを示す。
【
図7B】ワイヤロック組立体の一実施形態の上部セクションを示す。
【
図8A】ワイヤロック組立体の一実施形態の中間セクションを示す。
【
図8B】ワイヤロック組立体の一実施形態の中間セクションを示す。
【
図9A】ワイヤロック組立体の一実施形態の底部セクションを示す。
【
図9B】ワイヤロック組立体の一実施形態の底部セクションを示す。
【
図10】使用中、ワイヤガイドがロックされた位置に置かれている、ワイヤロック組立体の一実施形態の断面図を示す。
【
図11】アクセスポートに取り付けられたワイヤロック組立体の一実施形態を示す。
【
図12】ワイヤロック組立体の一実施形態を使用する方法の一実施形態を示す。
【
図13】
ワイヤロック組立体の一実施形態
の前部斜視図を示す。
【
図14】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の後部斜視図を示す。
【
図15】第2の医療デバイスと共に使用するための生検キャップの一実施形態の底面図を示す。
【
図17】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体
の一実施形態
の断面図を示す。
【
図18】アクセスポートに取り付けられたワイヤロック組立体の一実施形態を示す。
【
図19】ワイヤロック組立体の前部斜視図一実施形態を示す。
【
図20】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の後部斜視図を示す。
【
図21】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の底面図を示す。
【
図23】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体
の一実施形態
の断面図を示す。
【
図24】アクセスポートに取り付けられたワイヤロック組立体の一実施形態を示す。
【
図25】分解したワイヤロック組立体の例示的実施形態を示す。
【
図26A】ワイヤロック組立体の一実施形態の中間セクションを示す。
【
図26B】ワイヤロック組立体の一実施形態の中間セクションを示す。
【
図29】ワイヤロック組立体と共に使用するためのシールの代替的実施形態を示す。
【
図30A】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の代替的実施形態を示す。
【
図30B】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の代替的実施形態を示す。
【
図31A】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の後部斜視図を示す。
【
図31B】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の後部斜視図を示す。
【
図32】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の側面図を示す。
【
図33】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の一実施形態の断面図を示す。
【
図34】第2の医療デバイスと共に使用するためのワイヤロック組立体の断面図一実施形態を示す。
【
図35】分解したワイヤロック組立体の例示的実施形態を示す。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
図7Aは、ワイヤロック組立体10の上部セクション18の外部表面の斜視図を示す。上部開口部62は、上部セクション18の外部表面内に配置されている。上部開口部62は、ワイヤロック組立体の本体12の中心経路20の入口を形成している。ワイヤロック組立体10の切欠部22は、上部開口部62と流
体連通で示されている。示されるように、切欠部22は略三角形構成を有する。しかしながら、当業者であれば、切欠部22を形
成するために他の適切な構成も使用してよいことは理解する。切欠部22は、ワイヤロック組立体の本体内に形成された非線形ワイヤガイドロッキング軌道内におけるワイヤガイドの位置決めを容易にするのに役立つ。ワイヤロック組立体10の切欠部22の寸法は、ワイヤガイド、又はワイヤロック組立体とともに使用される他の医療デバイスの寸法に基づき決定されてもよい。ワイヤガイドテールロック28,30用の開口部64と開口部66は、上部セクション18内に配置されているとともに、反対の側に位置している。ワイヤガイドロッキングスロット15は、ワイヤロック組立体10の外縁部に配置されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
図7Bは、ワイヤロック組立体10の上部セクション18の内部表面の斜視図を示す。この実施形態では、医療デバイスの上部セクションの内部表面は、中間セクションの特徴部と対になるモールディングを含んでもよい。切欠部は、医療デバイスの上部セクションの上部開口部と流体連通する。一対のOリング54が、上部セクションの内部表面内に配置された各ワイヤガイドテールロックの近傍に配置されている。ワイヤロック組立体10の上部セクション18から材料を除去することにより作成されたワイヤガイドロッキングスロット15,17が、ワイヤロック組立体10の両端に配置されている。ワイヤガイドロッキングスロット15,17はワイヤロック組立体10の上部部分によって画定され、上部開口部62からワイヤロック組立体10の上部部分18の外縁部まで延びる。各ワイヤガイドロッキングスロット15及び17は、ワイヤガイドのロックを更に容易にするスナップ嵌合ロッキング機構68などの固定機構を含む。上部セクション18の内部表面は、ワイヤガイドロッキングスロット15,17に隣接する領域に配置された、使用の容易さ及びワイヤガイドの保護を高めることを可能にし得るオーバーモールド材料70を更に含んでもよい。オーバーモールド材料70は適切な弾性材料から製造
されてもよい。好適な実施形態では、オーバーモールド材料70は熱可塑性弾性材料を含んでもよい。代替的な実施形態では、上部部分18はオーバーモールド材料70なしで形成されてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
図8A及び
図8Bは、ワイヤロック組立体10の中間セクション16のそれぞれ頂面71及び底面73の斜視図を示す。
図8Aを参照すると、中間セクション16は、上部セクション18と中間セクション16とが互いに固定されたときに中心経路を形成するためにワイヤロック組立体の上部セクション18の上部開口部6
2と流体連通する中間開口部72を含む。示されるように、中間セクション16は、中間開口部72の周縁部のセクションの周囲に延びる上昇した略丸みのある表面56を含む。上昇した丸みのある表面56はテーパ部を含み、中間開口部72から中間セクションの縁部まで延びる。中間セクション16がワイヤロック組立体10の上部セクション18と組み合わされると、テーパ状の上昇した丸みのある表面56とワイヤロック組立体10の上部セクション18とによって作成された空間により非線形ワイヤガイド経路が形成される。ワイヤロック組立体10の中間セクション16は、中間開口部72に隣接して配置された平らな縁部58を更に含む。中間セクション16は、反対の側に、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングテールロック内に配置されたときにワイヤガイドを受け入れるためのキャビティ75を更に含む。ワイヤガイドテールロック28,30用の開口部77,79は中間セクション16内に配置されており、反対の側に配置されている。成形要素76が、中間セクション16の頂面71の反対の側に配置されている。成形要素76は、ワイヤロック組立体10の上部セクション18の対応する要素と係合するように構成されている。ここで
図8Bを参照すると、中間セクション16の底部セクション73は、シール40を収容するためのウェル74を含む。成形要素78が、中間セクション16の底面73の反対の側に配置されている。成形要素78は、ワイヤロック組立体10の底部セクション14の対応する要素と係合するように構成されている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
図9A及び
図9Bは、ワイヤロック組立体の底部セクション14の内部表面81の実施形態を示す。
図9Aに示すように、2つの第2ワイヤガイドロック34,36がワイヤロック組立体10の反対の側に配置されている。第2ワイヤガイドロック34,36は、略c字形の設計を有するクランプを含む
。取付機構38は、ワイヤロック組立体10の底部セクション14内に形成された溝42を含む。ワイヤロック組立体と第2の医療デバイスのポートとの間のより確実な嵌合を提供するために、スナップ嵌合ロッキング機構44が取付機構38の溝42内に設けられている。この実施形態では、ワイヤロック組立体10の底部セクション14の内部表面は、中間セクション16の底面73の特徴部と対になるモールディング83を含む。ワイヤガイドテールロック28,30用の開口部85,87が中間セクション16内に配置されており、反対の側に配置されている。代替的な実施形態では、
図9Bに示すように、モールディングは、ガセット89、又は他の補強材を含んでもよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
図11は、ワイヤロック組立体10の取付機構38の溝42内のアクセスポート48上で固定された位置にあるワイヤロック組立体10の一実施形態の背面図を示す。取付機構38の溝42内に位置するスナップ嵌合ロッキング機構44は、ベースに隣接する領域においてアクセスポート48のステム52に係合している。加えて、スナップ嵌合ロッキング機構44は、ワイヤロック組立体10がアクセスポート48に確実に取り付けられたことをユーザに知らせるための可聴音を提供する。この固定された位置において、傾斜部60は、隙間がステム52の上部分の高さよりも小さくなるように、アクセスポート48のステム52をシール40と非常に近接させる。したがって
、ワイヤガイド及び/又はカテーテルがワイヤロック組立体10の中心経路20内に配置されると、圧縮可能なシールが
ワイヤロック組立体10及びシール40の間に形成される。ワイヤロック組立体10の突起46の深さ及び寸法は、アクセスポート48のベース50を収容するような大きさにされている。同様に、取付機構38の深さ及び寸法は、アクセスポート48のステム50を収容するような大きさにされている。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
シール140は、ワイヤロック組立体110の中心通路120と流体的に係合しており、ワイヤガイド、カテーテル又は類似の長尺状デバイスの挿入又は動きを妨げることなく、第2の医療デバイスのワーキングチャネル内に存在し得る任意の流体が漏れるのを制限するように構成されている。この構成は、胆汁及び血液などの体液が漏れ、医師及び作業環境を汚染するのを防止することにおいて特に有利なものとなり得る。シール40が製造され得る材料の種類を含むシール40の設計及び構成は当業者に周知である。この実施形態では、シール140は、ワイヤロック組立体110の底部部分114と中間部分116との間に配置されている。例示的なシール140は単一スリットを含み得るが、他の種類のスリット、裂けた穴、配置されたスリット、又は貫通可能なシールを代替的に使用してもよい。例えば、他のシール構成としては、ダックビル、スリット付き膜(例えば、ポリスチレン、シリコーン、又は別の弾性ポリマー材料)、又はカテーテル及びワイヤガイドの周囲を密閉し、任意の近位に移動する流体がチャネルを出ないようにする機能を有する他の設計が挙げられる。この実施形態のシール140は2つの略平面を含む。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
図18は、ワイヤロック組立体110の取付機構138の溝142内においてアクセスポート148上で固定された位置にあるワイヤロック組立体110の一実施形態の背面図を示す。取付機構138の溝142内に位置するスナップ嵌合ロッキング機構144は、ベースに隣接する領域においてアクセスポート148のステム152に係合している。加えて、スナップ嵌合ロッキング機構144は、ワイヤロック組立体110がアクセスポート148に確実に取り付けられたことをユーザに知らせるための可聴音を提供する。この固定された位置において、傾斜部160は、隙間がステム152の上部分の高さよりも小さくなるように、アクセスポート148のステム152をシール140と非常に近接させる。したがって、ワイヤガイド及び/又はカテーテルがワイヤロック組立体110の中心経路120内に配置されると、圧縮可能なシールが
ワイヤロック組立体110及びシール140の間に形成される。ワイヤロック組立体110の突起146の深さ及び寸法は、アクセスポート148のベース150を収容するような大きさにされている。同様に、取付機構138の深さ及び寸法は、アクセスポート148のステム150を収容するような大きさにされている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
図24は、ワイヤロック組立体210の取付機構238の溝242内においてアクセスポート248上で固定された位置にあるワイヤロック組立体210の一実施形態の背面図を示す。取付機構238の溝242内に位置するスナップ嵌合ロッキング機構244は、ベースに隣接する領域においてアクセスポート248のステム252に係合している。加えて、スナップ嵌合ロッキング機構244は、ワイヤロック組立体210がアクセスポート48に確実に取り付けられたことをユーザに知らせるための可聴音を提供する。この固定された位置において、傾斜部260は、隙間がステム252の上部分の高さよりも小さくなるようにアクセスポート248のステム252をシール240と非常に近接させる。したがって、ワイヤガイド及び/又はカテーテルがワイヤロック組立体210の中心経路220内に配置されると、圧縮可能なシールが
ワイヤロック組立体210及びシール240の間に形成される。ワイヤロック組立体210の突起246の深さ及び寸法は、アクセスポート248のベース250を収容するような大きさにされている。同様に、取付機構238の深さ及び寸法は、アクセスポート248のステム250を収容するような大きさにされている。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
図27は、ワイヤロック組立体410の別実施形態を示す。この実施形態では、ワイヤロック組立体410は、準半球形を有する本体412を含む。しかしながら、代替的な実施形態では、ワイヤロック組立体410の本体412は他の幾何学的構造を含んでもよい。この実施形態に示すように、中心経路420がワイヤロック組立体
410の本体412内に配置されており、ワイヤガイド、カテーテル、又は類似のタイプの長尺状医療デバイス(以後、「ワイヤガイド」と総称される)のための経路を画定する。ワイヤロック組立体の本体412内に、ワイヤガイド用のワイヤガイドロッキングスロット415に通じている非線形ワイヤガイドロッキング経路413がある。ワイヤロック組立体410が内視鏡などの医療デバイスに取り付けられると、医療デバイスのワーキングチャネル内に延びるワイヤガイドは中心経路420内にも延びてよい。この位置において、ワイヤガイドは、非線形ワイヤガイドロッキング経路内に配置され得る。ワイヤロック組立体410の本体412は、本体412の上部セクション418内に配置された切欠部422を含む。切欠部422は、ワイヤロック組立体410の本体412内に形成された非線形ワイヤガイドロッキング経路内におけるワイヤガイドの位置決めを容易にするのに役立つ。例示的実施形態では、非線形経路413及びワイヤガイドロッキングスロット415は、ワイヤガイドがロックされた位置に自動的に配置される、ワイヤガイドの3点曲げを生じさせる。以下で説明するように、非線形ワイヤガイドロッキング軌道の構成は、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキング路の対向表面間に挟まれないことから、ワイヤガイドが損傷するのを防止する。更に、ワイヤガイドロッキング経路13を通り、ワイヤガイドロッキングスロット415内に配置された後、ワイヤガイドは自動的にロックされた位置にある。取付機構438が設けられており、ワイヤロック組立体410と第2の医療デバイスのポートとの間の接続を容易にする。ワイヤロック組立体410の本体412は、生検キャップの周縁部の反対の側に配置された、内視鏡に対するデバイスの取り付けを容易にするための、及び生検キャップのより良好な把持を提供するための指用溝478を更に含む。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
図34は、ワイヤガイド組立体710の断面図を示す。示されているように、この図は、ワイヤガイド組立体710の本体712の側面からのものである。ワイヤロック組立体710は、中心経路720と、取付機構738と、ワイヤロック組立体710の本体712内に配置されたシール740と、を含む。ワイヤロック組立体の上部部分718と中間部分716とは、ワイヤロッキングスロット715に通じているワイヤガイドロッキング路713を形成している。ワイヤガイドテールロック728がワイヤロック組立体710の本体712の中間セクション716の一部分内に配置されている。この実施形態では、ワイヤガイドテールロック728は、シール740と連通する角度付きの経路729を形成している。角度付きの経路729は、ワイヤガイドの近位端がワイヤガイドテールロック728内に配置されたときに、ワイヤガイドの近位端がシール740と
係合するのを促進する。このシール740との係合によってワイヤガイドの近位端をワイヤガイドテールロック728内にロックし、ワイヤガイドの近位端が固定されたという触覚表示をユーザに提供する。ワイヤロック組立体710の本体712の中間セクション716の丸みのある表面756に切欠部759が設けられている。示されるように、切欠部759は、ワイヤガイドロッキング路713に沿って配置されており、ワイヤガイドがワイヤガイドロッキングスロット715内のロックされた位置から意図せずに動かないようにするのを補助する。
【外国語明細書】