(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058522
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】mmWAVE無線ネットワークのシングルユーザハイブリッドMIMOのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04B 7/0452 20170101AFI20220405BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220405BHJP
H04W 8/24 20090101ALI20220405BHJP
H04B 7/0413 20170101ALI20220405BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H04B7/0452
H04W16/28 130
H04W8/24
H04B7/0413 320
H04B7/06 956
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001231
(22)【出願日】2022-01-06
(62)【分割の表示】P 2018559223の分割
【原出願日】2017-05-11
(31)【優先権主張番号】62/335,515
(32)【優先日】2016-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/365,283
(32)【優先日】2016-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/471,220
(32)【優先日】2017-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/501,625
(32)【優先日】2017-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オーヘンコーム・オテリ
(72)【発明者】
【氏名】アルファン・サヒン
(72)【発明者】
【氏名】ハンチン・ロウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・エス・レヴィー
(57)【要約】
【課題】マルチストリーム/マルチユーザ送信を可能にするためにアナログおよびデジタルプリコーディング(ハイブリッドmmWaveプリコーディングなど)の組み合わせを利用することによってEEE802.11ad+/ayプロトコルにおける特徴を実施する。
【解決手段】システムおよび方法は、汎用プリコーダ設計を実行すること、漏洩波アンテナによるビームトレーニングオーバヘッドを低減すること、SU-MIMO送信のための拡張SLS(eSLS1)によるシングルステージ近似プリコーディングを実行すること、SU-MIMO送信のための拡張SLS(eSLS2)によるマルチステージ近似プリコーディングを実行すること、およびSU-MIMO送信のための拡張SLSによる精密なプリコーディングを実行することに対処する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イニシエータとしてアクセスポイントによって実装されたハイブリッドビームフォーミング(HB)ネゴシエーション方法であって、
前記イニシエータによって少なくとも第1のレスポンダから、偏波能力情報を示す少なくとも1つのフレームの第1のサブフィールド、HBがマルチユーザ多入力多出力(MU-MIMO)送信の間にサポートされるかどうかを示す前記少なくとも1つのフレームの第2のサブフィールド、および前記HBがシングルユーザ多入力多出力(SU-MIMO)送信の間にサポートされるかどうかを示す前記少なくとも1つのフレームの第3のサブフィールドを介して前記第1のレスポンダの能力情報を含む前記少なくとも1つのフレームを受信するステップと、
前記イニシエータによって、前記イニシエータと少なくとも前記第1のレスポンダとの間の少なくとも1つの次の多入力多出力(MIMO)送信に対して、前記含まれる能力情報に従って前記HBをセットアップするステップであって、前記イニシエータと少なくとも前記第1のレスポンダとの間の前記少なくとも1つの次のMIMO送信に対して前記HBを前記セットアップすることは、前記イニシエータによって少なくとも前記第1のレスポンダに、アンテナ構成情報を含む別のフレームを送信することを含み。前記アンテナ構成情報は、レスポンダごとに信号伝達される、ステップと、
前記イニシエータによって少なくとも前記第1のレスポンダと、ベースバンドHBトレーニングおよびフィードバックを実行するステップと、を備え、
前記能力情報は、(1)前記HBが前記SU-MIMO送信の間にサポートされるかどうかを示す前記第2のサブフィールドにおける第1の1ビットインジケータおよび(2)前記HBが前記MU-MIMO送信の間にサポートされるかどうかを示す前記第3のサブフィールドにおける第2の別個の1ビットインジケータを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフレームは、1つもしくは複数のMIMOセットアップフレームまたは1もしくは複数のMIMOフィードバックフレームであり、
前記能力情報は、前記1つもしくは複数のMIMOセットアップフレームまたは前記1つもしくは複数のMIMOフィードバックフレームによって搬送される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イニシエータと少なくとも前記第1のレスポンダとの間の前記少なくとも1つの次のMIMO送信に対して前記HBを前記セットアップすることは、
前記イニシエータによって、後続のMIMO送信においてHBを使用する意図を示すことと、
前記イニシエータによって、少なくとも前記第1のレスポンダから前記後続のMIMO送信における前記HBの前記使用の確認を受信することと、
を含む、ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記イニシエータによって、前記後続のMIMO送信におけるHBの間、前記イニシエータによって送信されることになる前記後続のMIMO送信におけるHBの前記使用を拒否する第2のレスポンダを、レスポンダのグループから除外するステップを更に備えた、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記アンテナ構成情報は、偏波情報および(1)アンテナ選択情報、(2)閉ループプリコーディング情報、または(3)開ループプリコーディング情報、のうちのいずれかを含む、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記アンテナ構成情報は、複数のレスポンダの間で共通して信号伝達されるベースバンドプリコーディングタイプ情報を含む、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ベースバンドHBトレーニングおよびフィードバックを前記実行することは、
前記イニシエータによって、少なくとも前記第1のレスポンダにMU-MIMOフィードバックポーリングフレームを送信することと、
前記イニシエータによって、少なくとも前記第1のレスポンダからMU-MIMOフィードバックフレームを受信することと、
を含む、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記イニシエータによって前記第1のレスポンダおよび第2のレスポンダから、前記イニシエータによって送信された前記MU-MIMOフィードバックポーリングフレームに応答して、異なる時にフィードバックフレームを受信するステップを更に備えた、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記イニシエータによって前記第1のレスポンダおよび第2のレスポンダから、ポーリング時間の間に同時にMU-MIMOフィードバックフレームを受信するステップを更に備え、前記MU-MIMOフィードバックフレームは、別個の周波数を通じて受信される、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記イニシエータと少なくとも前記第1のレスポンダとの間の前記少なくとも1つの次のMIMO送信に対して前記HBを前記セットアップすることは、
複数のセクタの各々に対する拡張セクタスウィープフレームを送信することによって送信セクタスウィープを実行し、
前記イニシエータにおいて前記レスポンダから、前記複数のセクタの中から最良のN個のセクタを識別するフィードバックを受信し、
前記識別された最良のN個のセクタに基づいて、アナログプリコーダを選択し、
前記選択されたアナログプリコーダを前提とする有効チャネルを決定し、
前記有効チャネルに基づいて、ベースバンドプリコーダを選択し、
前記選択されたアナログプリコーダおよび前記選択されたベースバンドプリコーダを使用して、少なくとも前記第1のレスポンダにデータを送信する、
ことによって、少なくとも前記第1のレスポンダへのN個のストリームの送信のために前記イニシエータにおいてハイブリッドプリコーダを構成することを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ハイブリッドビームフォーミング(HB)ネゴシエーションに対して構成されたアクセスポイントとしてのイニシエータであって、
少なくとも第1のレスポンダから、偏波能力情報を示す少なくとも1つのフレームの第1のサブフィールド、ハイブリッドビームフォーミング(HB)がマルチユーザ多入力多出力(MU-MIMO)送信の間にサポートされるかどうかを示す前記少なくとも1つのフレームの第2のサブフィールド、および前記HBがシングルユーザ多入力多出力(SU-MIMO)送信の間にサポートされるかどうかを示す前記少なくとも1つのフレームの第3のサブフィールドを介して前記第1のレスポンダの能力情報を含む前記少なくとも1つのフレームを受信するように構成された送信/受信ユニットと、
前記イニシエータと少なくとも前記第1のレスポンダとの間の少なくとも1つの次の多入力多出力(MIMO)送信に対して、前記HBがMU-MIMO送信またはSU-MIMO送信のいずれかの間にサポートされるかどうかを示す前記含まれる情報に従って前記HBをセットアップするように構成されたプロセッサと、を備え、
前記能力情報は、(1)前記HBが前記SU-MIMO送信の間にサポートされるかどうかを示す前記第2のサブフィールドにおける第1の1ビットインジケータおよび(2)前記HBが前記MU-MIMO送信の間にサポートされるかどうかを示す前記第3のサブフィールドにおける第2の別個の1ビットインジケータを含み、
前記イニシエータは、
アンテナ構成情報を含む別のフレームを送信し、前記アンテナ構成情報は、レスポンダごとに信号伝達され、
少なくとも前記第1のレスポンダと、ベースバンドHBトレーニングおよびフィードバックを実行する、
ように構成されている、ことを特徴とするイニシエータ。
【請求項12】
前記少なくとも1つのフレームは、1つもしくは複数のMIMOセットアップフレームまたは1もしくは複数のMIMOフィードバックフレームであり、
前記能力情報は、前記1つもしくは複数のMIMOセットアップフレームまたは前記1つもしくは複数のMIMOフィードバックフレームによって搬送される、
ことを特徴とする請求項11に記載のイニシエータ。
【請求項13】
前記イニシエータは、
後続のMIMO送信においてHBを使用する意図を示すことと、
少なくとも前記第1のレスポンダから前記後続のMIMO送信における前記HBの前記使用の確認を受信する、
ように更に構成されている、ことを特徴とする請求項11または12に記載のイニシエータ。
【請求項14】
前記イニシエータは、
前記後続のMIMO送信におけるHBの間、前記イニシエータによって送信されることになる前記後続のMIMO送信におけるHBの前記使用を拒否する第2のレスポンダを、レスポンダのグループから除外する、ように更に構成されている、ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載のイニシエータ。
【請求項15】
前記アンテナ構成情報は、偏波情報および(1)アンテナ選択情報、(2)閉ループプリコーディング情報、または(3)開ループプリコーディング情報、のうちのいずれかを含む、ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載のイニシエータ。
【請求項16】
前記アンテナ構成情報は、複数のレスポンダの間で共通して信号伝達されるベースバンドプリコーディングタイプ情報を含む、ことを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一項に記載のイニシエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年5月12日に出願した「SYSTEMS AND METHODS FOR SINGLE USER HYBRID MIMO FOR MMWAVE WIRELESS NETWORKS」と題する米国特許仮出願第62/335、515号明細書、2016年7月21日に出願した「SYSTEMS AND METHODS FOR SINGLE USER HYBRID MIMO FOR MMWAVE WIRELESS NETWORKS」と題する米国特許仮出願第62/365、283号明細書、2017年3月14日に出願した「SYSTEMS AND METHODS FOR SINGLE USER HYBRID MIMO FOR MMWAVE WIRELESS NETWORKS」と題する米国特許仮出願第62/471、220号明細書、および2017年5月4日に出願した「SYSTEMS AND METHODS FOR SINGLE USER HYBRID MIMO FOR MMWAVE WIRELESS NETWORKS」と題する米国特許仮出願第62/501、625号明細書の非仮特許出願であり、米国特許法119(c)条のもとにこれらの出願の利益を主張するものであり、これらの出願全体を本明細書において参照により援用する。
【0002】
本開示は、米国電気電子学会(IEEE)802.11ay WLANのような、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)におけるビームフォーミングトレーニングのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
世界中で数え切れないほどのデバイスおよびネットワークが、無線通信に従事するために1つまたは複数のIEEE802.11標準に従って動作している。これらの通信は通常、2.4GHzおよび5GHz帯域において行なわれているが、その他の帯域も使用される。
【0004】
プリコーダ設計を伴う通常のMIMO送信において、プリコーダは、送信機と受信機との間の実際のMIMOチャネルに基づいて設計される。mmWave MIMO送信では、現行のハイブリッドプリコーダは、RFチャネルから望ましいプリコーダを推定し、次いで望ましいプリコーダと結合プリコーダとの間の差を最小化する結合RFおよびベースバンドプリコーダを設計する。プリコーダ設計のさらなる簡略化は、単一のプリコーダのRFおよびベースバンドプリコーダへの分離に基づいて可能であってもよい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】IEEE Std 802.11-2012, Wireless LAN Medium Access Control(Mac) and Physical Layer(PHY) Specifications
【非特許文献2】IEEE P802.11ac/D1.0: Part 11、Wireless LAN Medium Access Control(Mac) and Physical Layer(PHY) specifications.Amendment 5: Enhancements for Very High Throughput for Operation in Bands below 6 GHz
【非特許文献3】IEEE 802.11-10/0258r0、Mac and PHY Proposal for 802.11af、March 2010
【非特許文献4】IEEE 802.11-10/0001r13、Sub 1 GHz License-Exempt PAR and 5C、July 2010
【非特許文献5】IEEE Std 802.11ad-2012、Part 11:Wireless LAN Medium Access Control (Mac) and Physical Layer (PHY) Specifications Amendment 3:Enhancements for Very High Throughput in the 60 GHz Band
【非特許文献6】Agilent Technologies、Wireless LAN and 60 GHz - IEEE 802.11 ad Explained
【非特許文献7】Huawei、et.al.,IEEE802.11-2015/0625r2、IEEE802.11 TGay Use Cases
【非特許文献8】3GPP TR 38.913 v0.3 (Release 2014)、Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies、March 2016
【非特許文献9】Alkhateeb、 Ahmed、 Jianhua Mo、 Nuria Gonzalez-Prelcic、 & Robert W. Heath. MIMO Precoding and Combining Solutions for Millimeter-Wave Systems. 52 IEEE COMMUNICATIONS MAGAZINE、 no. 12、 122-131 (Aug. 2014).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現行のビームフォーミングトレーニングのメカニズムは、ビームトレーニングおよびセクタスウィープメカニズムのための様々な検索アルゴリズムを可能にしてもよい。しかし、そのような検索アルゴリズムは、システムにおけるビームトレーニングのオーバヘッドを増大させる。
【0007】
mmWave送信において、初期ビームスウィープは、送信機と受信機が通信できるようにするために実行されてもよい。これは、802.11adにおいてセクタレベルスウィープと称される(類似する送信機および受信機セクタ選択手順が5Gネットワークにおいて使用されてもよい)。簡略化プリコーダおよび精密プリコーダの設計を共に可能にするために、拡張セクタレベルスウィープ手順が必要とされる。
【0008】
本明細書において開示されるシステムおよび方法は、これらの課題およびその他の課題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書は、マルチストリーム/マルチユーザ送信を可能にするために(ハイブリッドmmWaveプリコーディングのような)アナログおよびデジタルプリコーディングの結合を利用するIEEE802.11ad+/ayに関連するシステムおよび方法を説明する。本明細書はまた、3GPPにおいて見出されるような、5G無線ネットワークに適切な概念を提示する。本明細書は、mmWaveプリコーディングのための簡略化プリコーダ設計、ビームトレーニングオーバヘッド、およびセクタスウィープの方法について複数の例示的な実施形態を提示する。
【0010】
本明細書はまた、汎用のプリコーダ設計を実行するため、漏洩波アンテナによりビームトレーニングオーバヘッドを低減するため、SU-MIMO送信用拡張SLS(eSLS1)によるシングルステージ近似プリコーディング(single-stage approximate precoding)を実行するため、SU-MIMO送信用拡張SLSによるマルチステージ近似プリコーディング(multi-stage approximate precoding)を実行するため、およびSU-MIMO送信用拡張SLS(eSLS2)による精密プリコーディング(exact precoding)を実行するための方法を提示する。
【0011】
さらに詳細な理解は、添付の図面と併せて一例として提示される以下の説明から得られてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】1つまたは複数の開示される実施形態が実施されてもよい例示の通信システムを示す図である。
【
図1B】
図1Aの通信システム内で使用されてもよい例示の無線送信/受信ユニット(WTRU)を示す図である。
【
図1C】
図1Aの通信システム内で使用されてもよい例示の無線アクセスネットワーク(RAN)および例示のコアネットワークを示す図である。
【
図1D】
図1Aの通信システム内で使用されてもよい第2の例示のRANおよび第2の例示のコアネットワークを示す図である。
【
図1E】
図1Aの通信システム内で使用されてもよい第3の例示のRANおよび第3の例示のコアネットワークを示す図である。
【
図1F】
図1Aの通信システム内で使用されてもよい例示的なネットワークエンティティを示す図である。
【
図2】様々な変調方式の下のPPDUメッセージのメッセージ構造を示す図である。
【
図3】制御PHYメッセージの送信を示すブロック図である。
【
図4】セクタレベルスウィープメッセージ(Sector Level Sweep message)の送信を示すブロック図である。
【
図5】SSWフレームのメッセージオクテット構造を示す図である。
【
図6】SSWフィールドのメッセージビット構造を示す図である。
【
図7A】SSWフィードバックフィールドのメッセージビット構造を示す図である。
【
図7B】SSWフィードバックフィールドのメッセージビット構造を示す図である。
【
図8】BRP TRN-RXパケットのメッセージパケット構造を示す図である。
【
図9】802.11ay PPDUメッセージのメッセージビット構造を示す図である。
【
図10】全ての重みによって励起される全てのPAでのマルチアンテナアナログビームフォーミングの方法を示すブロック図である。
【
図11】別個の重みによって励起される様々なPAでのマルチアンテナアナログビームフォーミングの方法を示すブロック図である。
【
図12A】様々な802.11ay構成を示す図である。
【
図12B】様々な802.11ay構成を示す図である。
【
図12C】様々な802.11ay構成を示す図である。
【
図12D】様々な802.11ay構成を示す図である。
【
図12E】様々な802.11ay構成を示す図である。
【
図13A】漏洩波(leaky wave)アンテナ波形を示す2次元グラフである。
【
図13B】ビームの最強パスの方向を計算するSTA/UEを示すブロック図である。
【
図14A】STAの位置を計算するAP/BTSを示すブロック図である。
【
図14B】周波数領域において周波数情報を反復するSTA/UE1~2、およびAP/BTSがそのアンテナ構成を保持することを示す図である。
【
図15】拡張セクタスウィープフレームのメッセージビット構造を示す図である。
【
図16】拡張セクタスウィープフィードバックフィールドのメッセージビット構造を示す図である。
【
図17】例示的なセクタスウィープフィードバックフレームのメッセージビット構造を示す図である。
【
図18】ビームフォーミング後の有効チャネルの任意選択のフィードバックフォーマットのメッセージビット構造を示す図である。
【
図19】SU-MIMO送信用拡張SLSによるシングルステージ近似プリコーディングを示す流れ図である。
【
図20】マルチステージeSLSの例示的な拡張SSWフィードバックフィールドのメッセージビット構造を示す図である。
【
図21】SU-MIMO送信用拡張SLSによるマルチステージ近似プリコーディングを示す流れ図である。
【
図22】SU-MIMO送信用拡張SLSによる精密プリコーディングを示す流れ図である。
【
図23】SU-MIMOビームフォーミングプロトコルにおけるHBの例を示す図である。
【
図24】MIMOセットアップフレーム(別個のシグナリング)の一部として搬送されるビームフォーミング能力(capability)フレームフォーマットを示す図である。
【
図25】MIMOセットアップフレーム(シングルビットシグナリング)の一部として搬送されるビームフォーミング能力フレームフォーマットを示す図である。
【
図26A】トレーニングパケット/フレームの例を示す図である。
【
図26B】トレーニングパケット/フレームの例を示す図である。
【
図26C】トレーニングパケット/フレームの例を示す図である。
【
図27】SU-MIMOハイブリッドビームフォーミングの例示的なプロトコルを示す図である。
【
図28A】MU-MIMOビームフォーミングプロトコルにおいてHBを可能にすることを示す図である。
【
図28B】MU-MIMOビームフォーミングプロトコルにおいてHBを可能にすることを示す図である。
【
図29】MIMOセットアップフレーム(別個のシグナリング)の一部として搬送されるビームフォーミング能力フレームフォーマットを示す図である。
【
図30】MIMOセットアップフレーム(シングルビットシグナリング)の一部として搬送されるビームフォーミング能力フレームフォーマットを示す図である。
【
図31】一部の実施形態によるMU-MIMO選択フレームを示す図である。
【
図32】一部の実施形態によるCEF/TRNフィールドを伴う別個のフレームを示す図である。
【
図33】パラメータおよびCEF/TRNを伴うMU-MIMO選択フレームを示す図である。
【
図34】例示的な実施形態による方法を示す図である。
【
図35】もう1つの例示的な実施形態によるさらなる方法を示す図である。
【
図36】例示的な実施形態によるビームフォーミングプロトコルを示す図である。
【
図37】ベースバンドEDMGイニシエータ送信ビームトラッキングの1つの実施形態を示す図である。
【
図38】ベースバンドEDMGイニシエータ受信ビームトラッキングの1つの実施形態を示す図である。
【
図39】ビームフォーミング能力フィールドフォーマットの1つの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
WLANの概要
インフラストラクチャ基本サービスセット(BSS)モードにおけるWLANは、BSSのアクセスポイント(AP/PCP)、およびAP/PCPに関連付けられている1つまたは複数のステーション(STA)を有する。AP/PCPは通常、分散システム(DS)またはBSSへの/からのトラフィックを搬送する別のタイプの有線もしくは無線ネットワークにアクセスするかまたはインタフェースをとる。BSSの外部から生じるSTAへのトラフィックは、AP/PCPを経由して到来し、STAに配信される。BSSの外部の宛先へのSTAから生じるトラフィックは、それぞれの宛先に配信されるようにAP/PCPに送信される。BSS内のSTA間のトラフィックはまた、AP/PCPを経由して送信されてもよく、ここでソースSTAはトラフィックをAP/PCPに送信し、AP/PCPはトラフィックを宛先STAに配信する。BSS内のSTA間のそのようなトラフィックは、ピアツーピアトラフィックと類似している。そのようなピアツーピアトラフィックはまた、802.11e DLSまたは802.11zトンネル化DLS(TDLS)を使用する直接リンクセットアップ(DLS)によりソースSTAと宛先STAの間で直接送信されてもよい。独立BSS(IBSS)モードを使用するWLANは、AP/PCPおよび/またはSTAを有しておらず、相互に直接通信する。通信のこの方法は、通信の「アドホック」モードである。
【0014】
802.11acインフラストラクチャ動作モードを使用して、AP/PCPは、固定チャネル、通常は1次チャネルで、ビーコンを送信してもよい。このチャネルは、20MHz幅であってもよく、BSSの動作チャネルであってもよい。STAはまた、AP/PCPとの接続を確立するためにこのチャネルを使用する。802.11システムの基本的チャネルアクセスメカニズムは、キャリア感知多重アクセス衝突回避(CSMA/CA)モードである。この動作モードにおいて、AP/PCPを含むあらゆるSTAは、1次チャネルを感知する。1次チャネルがビジー状態であると検出される場合、STAは、バックオフする。したがって、1つのSTAのみが所与のBSSにおいて任意の所与の時間に送信してもよい。
【0015】
802.11n(非特許文献1参照)において、高スループット(HT)STAはまた、通信のために40MHz幅のチャネルを使用してもよい。このスループットは、1次20MHzチャネルを、隣接の20MHzチャネルと結合して、40MHz幅の連続チャネルを形成することによって達成される。
【0016】
802.1.11ac(非特許文献2参照)において、超高スループット(VHT)STAは、20MHz、40MHz、80MHz、および160MHz幅のチャネルをサポートしてもよい。40MHz、および80MHzのチャネルは、上記で説明されている802.11nと同様に、連続する20MHzチャネルを結合することによって形成される。160MHzチャネルは、8つの連続する20MHzチャネルを結合すること、または80+80構成と称されてもよい、2つの非連続の80MHzチャネルを結合することによって形成されてもよい。80+80構成の場合、データは、チャネルエンコーディング後に、データを2つのストリームに分割するセグメントパーサを通過する。IFFTおよび時間ドメイン処理は、各ストリームで別々に行なわれる。次いで、ストリームは、2つのチャネルにマップされ、データが送信される。受信機において、このメカニズムは逆転され、結合されたデータはMACに送信される。
【0017】
サブ1GHzの動作モードは、802.11af(非特許文献3参照)および802.11ah(非特許文献4参照)によってサポートされる。これらの仕様について、チャネル動作帯域幅、およびキャリアは、802.11nおよび802.11acにおいて使用されるものに応じて低減される。802.11afは、TVホワイトスペース(TVWS)スペクトルの5MHz、10MHz、および20MHz帯域幅をサポートし、802.11ahは、非TVWSスペクトルを使用する1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、および16MHz帯域幅をサポートする。802.11ahの可能なユースケースは、マクロカバレッジエリアにおけるメータタイプ制御(MTC)デバイスをサポートすることである。MTCデバイスは、限られた帯域幅のみのサポートを含む、限定された能力を有してもよいが、非常に長いバッテリ寿命をサポートする必要もある。
【0018】
802.11n、802.11ac、802.11af、および802.11ahのような、複数のチャネルおよびチャネル幅をサポートするWLANシステムは、1次チャネルと指定されるチャネルを含む。1次チャネルは、BSS内の全てのSTAによってサポートされる最大共通動作帯域幅と等しい帯域幅を有してもよい。したがって、1次チャネルの帯域幅は、最小帯域幅動作モードをサポートするBSSで動作している全てのSTAの、STAによって制限される。802.11ahの例において、たとえBSS内のAP/PCPおよびその他のSTAが、2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、またはその他のチャネル帯域幅動作モードをサポートしてもよいとしても、1MHzモードのみをサポートするSTA(たとえばMTCタイプのデバイス)がある場合、1次チャネルは、1MHz幅であってもよい。全てのキャリア感知、およびNAV設定は、1次チャネルのステータスによって決まる。たとえば1MHz動作モードのみをサポートするSTAがAP/PCPに送信しているので、1次チャネルがビジー状態である場合、使用可能な周波数帯域全体は、周波数帯域の大部分がアイドル状態であり使用可能であったとしても、ビジー状態であると見なされる。
【0019】
米国において、802.11ahに使用可能な周波数帯域は、902MHzから928MHzである。韓国において、使用可能な周波数は917.5MHzから923.5MHzである。日本において、使用可能な周波数は916.5MHzから927.5MHzである。802.11ahに使用可能な合計帯域幅は、国識別コードに応じて6MHzから26MHzである。
【0020】
スペクトル効率を高めるため、802.11acでは、たとえばダウンリンクOFDMシンボルの間、同じシンボルの時間フレームにおける複数のSTAへのダウンリンクマルチユーザMIMO(MU-MIMO)送信を導入した。ダウンリンクMU-MIMOの使用の可能性はまた、802.11ahに対して現在考慮されている。ダウンリンクMU-MIMO(802.11acにおいて使用されている)は、同じシンボルタイミングを複数のSTAに使用するので、複数のSTAへの波形送信の干渉が問題とはならない。しかしAP/PCPでのMU-MIMO送信に関与する全てのSTAは、同じチャネルまたは帯域を使用する必要がある。この規定は、動作帯域幅を、AP/PCPでのMU-MIMO送信に含まれるSTAによってサポートされる最小チャネル帯域幅に限定する。
【0021】
802.11ad
802.11ad(非特許文献5および非特許文献6参照)は、60GHz帯域における超高スループット(VHT)のMACおよびPHY層を規定するWLAN標準の改訂である。802.11adは、最大7Gビット/秒のデータ転送速度、3つの変調モード、60GHz周波数帯域、およびビームフォームトレーニングのフレーム構造サポート、という4つの機能をサポートする。サポートされる3つの変調モードは、シングルキャリアおよびスペクトラム拡散による制御PHY、シングルキャリアPHY、およびOFDM PHYである。60GHz帯域は、非認可であり、全世界的に使用可能である。60GHzにおいて、波長は5mmであり、コンパクトなアンテナまたはアンテナアレイを可能にする。狭RFビームは、そのようなアンテナを使用して送信および受信の両方について作成されてもよいが、カバレッジ範囲を効果的に増大させて干渉を低減する。
【0022】
802.11adのフレーム構造は、ビームフォーミングトレーニングのメカニズム(ディスカバリおよびトラッキング)を容易にする。ビームフォーミングトレーニングプロトコルは、セクタレベルスウィープ(SLS)およびビーム細分化プロトコル(BRP)という2つの手順を備える。SLS手順は、送信ビームフォーミングトレーニングに使用され、BRP手順は受信ビームフォーミングトレーニング、ならびに送信および受信ビームの反復的な細分化(iterative refinement)を可能にする。SU-MIMOおよびMU-MIMOを含む、MIMO送信は、802.11adによってサポートされていない。
【0023】
802.11ad PPDUフォーマット
802.11adは、制御PHY、シングルキャリア(SC)PHY、およびOFDM PHY PPDUである3つのPPDUフォーマットをサポートする。
図2は、3つのPPDUフォーマットを全て示す。
【0024】
802.11ad制御PHY
制御PHYは、802.11adにおいて、最低データ転送速度送信として定義される。ビームフォーミングトレーニングの前に送信される必要のあるフレームは、制御PHY PPDUを使用してもよい。
図3は、制御PHYの送信のブロック図を示す。
【0025】
セクタレベルスウィープ
図4は、例示的なセクタレベルスウィープ(SLS)トレーニング手順を示す。SLSトレーニングは、ビーコンフレームまたはSSWフレームを使用して実行されてもよい。ビーコンフレームが利用される場合、APは、各ビーコン間隔(BI)内に複数のビーム/セクタでビーコンフレームを反復し、複数のSTAがBFトレーニングを同時に実行してもよい。しかし、ビーコンフレームのサイズにより、APは1つのBI内に全てのセクタ/ビームをスウィープしない場合がある。STAは、ISSトレーニングを完了するために複数のBIを待つ場合があり、待ち時間が問題となり得る。SSWフレームは、ポイントツーポイントBFトレーニングに利用されてもよい。SSWフレームは、制御PHYを使用して送信されてもよい。
図5は、SSWフレームのフレームフォーマットを示し、
図6は、SSWフィールドフォーマットを示す。
図7Aは、ISSの一部として送信されるSSWフィードバックフィールドフォーマットを示し、
図7Bは、ISSの一部ではない場合のこれを示す。
【0026】
ビーム細分化プロトコル(BRP:Beam Refinement Protocol)
ビーム細分化は、STAが、送信および受信のためにそのアンテナ構成(またはアンテナ重みベクトル)を改善することができるプロセスである。ビーム細分化手順において、BRPパケットは、受信機および送信機アンテナをトレーニングするために使用される。BRP-RXパケットおよびBRP-TXパケットという2つのタイプのBRPパケットがある。BRPパケットは、
図8に示されるように、AGCフィールドを含むトレーニングフィールドおよび送信機または受信機トレーニングフィールドが後に続くDMG PPDUによって搬送されてもよい。
【0027】
図8において、変数Nは、ヘッダフィールドで与えられるトレーニング長を保持し、これはAGCが4Nサブフィールドを有すること、およびTRN-R/Tフィールドが5Nサブフィールドを有することを示す。ビームトレーニングフィールドの全てのサブフィールドは、回転π/2-BPSK変調を使用して送信される。BRP MACフレームは、カテゴリ、無保護DMGアクション、ダイアログトークン、BRP要求フィールド、DMGビーム細分化要素、およびチャネル測定フィードバック要素1からk、というフィールドを伴うAction No Ackフレームである。
【0028】
802.11ay(TGay)
802.11ayの要件
2015年3月にIEEEによって承認された、タスクグループay(TGay)は、IEEE802.11物理層(PHY)およびIEEE802.11メディアアクセス制御層(MAC)の両方の標準化変更を定義する改訂を策定するものと予想される。改訂は、毎秒少なくとも20ギガビットの最大スループット(MACデータサービスアクセスポイントにおいて測定される)をサポートすることができ、同時にステーションごとの電力効率を保持または改善することができる、少なくとも1つの動作モードを可能にすることが予想される。この改訂はまた、同じ帯域で動作するレガシ指向性マルチギガビットステーション(IEEE802.11ad-2012改訂により定義された)との後方互換性および共存を保証しながら、45GHzを超える認可不要帯域の動作を定義する。
【0029】
TGayの主要目標は、802.11adよりもはるかに高い最大スループットであるが、グループの一部のメンバは、モビリティおよび屋外のサポートを含めることも提案した。スループット、待ち時間、動作環境、およびアプリケーションの観点から、10を超える様々なユースケースが提案され分析される(非特許文献7参照)。802.11ayは、レガシ標準と同じ帯域で動作するので、新しい標準は、同じ帯域のレガシとの後方互換性および共存を有することになる。
【0030】
802.11ay PPDUフォーマット
802.11ay PPDUのフォーマットは、レガシ要素および新しいEDMG要素を含む。
図9は、詳細なPPDUフォーマットを示す。L-STF、L-CEF、L-Header、およびEDMG-Header-Aフィールドは、後方互換性のためにSCモードを使用して送信される。2016年1月のIEEE会議では、制御モードPPDUについて、予約ビット22および23は、EDMG-Header-Aフィールドの存在を示すために1に設定されてもよいことに合意した。SCモードPPDUまたはOFDMモードPPDUについては、以前予約されたビット46は、EDMG-Header-Aフィールドの存在を示すために1に設定されてもよい。
【0031】
802.11ad+のマルチアンテナアナログビームフォーミングの方法
IEEE802.11adプロトコルを使用して見出されたアナログビームフォーミングに関する問題に基づいて、802.11ad+/802.11ayのアナログビームフォーミングの方法が提案された。提案は、ビーム切り替えによる空間ダイバシティ、シングルビームによる空間ダイバシティ、加重マルチパスビームフォーミングトレーニング、ビーム分割多元接続、シングルユーザ空間多重化、および低減されたビームフォーミングトレーニングオーバヘッドに関連する。2つのアーキテクチャが提案され、その1つは、全ての重みによって励起される全ての物理アンテナ(PA)によるもの(
図10に示される)、第2のアーキテクチャは別個の重みによって励起される様々なPAを有するものである(
図11に示される)。
【0032】
次世代セルラ(5G)システムの概要
次世代移動体通信(または5Gネットワーク)において、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、大容量マシンタイプ通信(mMTC)、および超高信頼性低遅延通信(URLLC)のようなアプリケーションが、提案された(非特許文献8参照)。700MHzから80GHzにわたる広範なスペクトル帯域は、様々な配備のシナリオに向けて考慮中である。これらのシナリオは、認可スペクトルおよび非認可スペクトルを含む。
【0033】
新しい無線インタフェースが、配備のシナリオにおけるこれらの様々なアプリケーションの動作を可能にできるようにするため、多くの技術が現在検討中である。これらは、新しい波形、変調および符号化技法、多元接続技法、複数アンテナ技法、干渉管理技法、ならびに二重化の方法を含む。加えて、「常時」信号の存在を最小化するため、および特に高い周波数において必要とされるビームフォーミングに適応するために、新しいネットワークアーキテクチャが考慮されている。
【0034】
セルラシステムのための複数アンテナ
サブ6GHz送信の場合、多入力多出力(MIMO)送信ならびに、単一入力多出力(SIMO)および多入力単一出力(MISO)などの関連バージョンのような、複数アンテナ技法は、電気通信の進歩に大きく貢献してきた。様々なMIMO技法が、ダイバシティ利得、多重化利得、ビームフォーミング、およびアレイ利得を提供するというような様々な利点をもたらす。UEが単一の中央ノードと通信するセルラ通信のパラダイムにおいて、MU-MIMOの使用は、時間および/または周波数のリソースの同一および/または重複するセットを使用しつつ、異なるUEへの複数のデータストリームの送信を容易にすることによってシステムのスループットを高めてもよい。SU-MIMOの場合、中央ノードは、MU-MIMOに対して行なわれるように複数のUEではなく、同一のUEに複数のデータストリームを送信してもよい。
【0035】
ミリ波周波数における複数アンテナ送信は、サブ6GHz複数アンテナ技法とは若干異なる。この相違は、ミリ波周波数における異なる伝搬特性、およびアンテナ要素と比較して限られた数のRFチェーンを有するBTS/UEの可能性に起因する。
【0036】
次世代無線ネットワーク(WLANおよびセルラシステム)のミリ波プリコーディング
ミリ波周波数におけるプリコーディングは、デジタル、アナログ、またはデジタルとアナログのハイブリッドであってもよい。
【0037】
デジタルプリコーディング:デジタルプリコーディングは、正確であり、等化と結合されてもよい。これは、シングルユーザ(SU)、マルチユーザ(MU)、およびマルチセルプリコーディングを可能にし、たとえばIEEE802.11n以降および3GPP LTE Release8以降の、サブ6GHzにおいて通常使用される。しかし、ミリ波周波数の場合、アンテナ要素と比較して限られた数のRFチェーンの存在およびチャネルのスパース(sparse)な特性が、デジタルビームフォーミングの使用を複雑にする。
【0038】
アナログビームフォーミング:アナログビームフォーミングは、各アンテナ要素にアナログ移相器を使用することによって生じる限られた数のRFチェーンを克服する。これは、セクタレベルスウィープ(最良セクタを識別する)、ビーム細分化(セクタをアンテナビームに細分化する)、およびビームトラッキング(チャネルの変化を考慮に入れるように時間経過と共にサブビームを調整する)の手順の間にIEEE802.11adにおいて使用される。IEEE802.15.3もまた、アナログビームフォーミングを使用する。この場合、プロトコルは、バイナリサーチビームトレーニングアルゴリズムを、階層化多重解像度ビームフォーミングコードブック(layered multi-resolution beamforming codebook)と共に使用する。アナログビームフォーミングは通常、単一ストリーム送信に限定される。
【0039】
ハイブリッドビームフォーミング:ハイブリッドビームフォーミングにおいて、プリコーダは、アナログ領域およびデジタル領域に分割される。各領域は、たとえばアナログ領域で行列を結合するための定数モジュラス制約(constant modulus constraint)など、様々な構造的制約を伴うプリコーディングおよび結合行列を有する。この設計は、結果として、ハードウェアの複雑性とシステムパフォーマンスとの間の妥協に至る。ハイブリッドビームフォーミングは、チャネルのスパースな特性、およびマルチユーザ/マルチストリーム多重化のサポートにより、デジタルプリコーディングパフォーマンスを達成してもよい。たとえハイブリッドビームフォーミングがRFチェーンの数によって制限されるとしても、この制限は、mmWaveチャネルが角度領域においてスパースであるため問題とはならないこともある。
【0040】
次元数および802.11ay構成
802.11adは、単一スペース時間ストリームの送信を可能にする。複数スペース時間ストリーム送信を可能にするため、追加の次元が必要とされる。各次元は、送信-受信ビームペアをサポートしてもよい。次元は、PAA/eDMGアンテナ、時間/タップ遅延、および偏波を含む。各ビーム、PAA、eDMGアンテナアレイまたはチャネル測定は、Nの複素時間またはタップ遅延をフィードバックする。802.11ayにおける適正なフィードバックを可能にするため、(異なる方向からの同一のPAAに到来するチャネル成分、異なる偏波で到来するチャネル成分、または異なるPAA/eDMGアンテナに到来するチャネル成分の使用を通じて)複数ストリーム送信の許容により得られる追加の次元数を捕捉することが重要である。追加のフィードバックは、送信の間に同時にアンテナ偏波の使用および/または複数PAAの使用を捕捉することが必要とされてもよい。
【0041】
追加の次元を説明するため、802.11ayで説明されている、各構成に必要とされる次元を定義する構成が、
図12A~
図12Eに示され、本明細書において以下に説明される。
【0042】
構成1(
図12A):この構成において、位相アンテナアレイ1205の各要素1210は、単一の偏波(垂直または水平のいずれか)を有する。各端のデバイスは、同じ構成を有する。複数ストリーム送信は、異なる方向から到来(し異なるタップ遅延で到来)するチャネル成分にビームを方向付けることによって作成される。たとえば、第1のストリーム1214および第2のストリーム1216は、移相器1220を通じて方向付けられ、所与のPAA要素1210に方向付けられる前に重畳されてもよい。ビームフォーミングされたリンクの例もまた示される。1つの例において、第1のデバイス1224aは、ビーム1226aおよび1230aを第2のデバイス1228aに送信する。1つの例において、第1のデバイス1224bは、ビーム1226bおよび1230bを第2のデバイス1228bに送信する。この構成において、次元数は次のとおりである。
- 時間次元ごと、PAAごとに、1×1
- 全体:時間次元ごとに、1×1
【0043】
構成2(
図12B):この構成において、位相アンテナアレイ1205の各要素1210は、二重偏波(垂直および水平の両方)を有する。各端のデバイスは、同じ構成を有する。複数ストリーム送信は、異なる方向から到来し(異なるタップ遅延で到来し)、異なる偏波で到来するチャネル成分にビームを方向付けることによって作成される。たとえば、第1のストリーム1214および第2のストリーム1216は、移相器1220を通じて方向付けられ、次いで第1のストリーム1214は垂直偏波器を通じて方向付けられ、第2のストリーム1216は水平偏波器を通じて方向付けられてもよく、次いでストリームは、所与のPAA要素1210に方向付けられる前に重畳されてもよい。ビームフォーミングされたリンクの例もまた示される。1つの例において、第1のデバイス1224cは、ビーム1226c(水平偏波)および1230c(垂直偏波)を第2のデバイス1228cに送信する。1つの例において、第1のデバイス1224dは、ビーム1226d(水平偏波)および1230d(垂直偏波)を第2のデバイス1228dに送信する。1つの例において、第1のデバイス1224eは、ビーム1226e(水平偏波)および1230e(垂直偏波)を第2のデバイス1228eに送信する。1つの例において、第1のデバイス1224fは、ビーム1226f(水平偏波)および1230f(垂直偏波)を第2のデバイス1228fに送信する。この構成において、次元数は次のとおりである。
- 時間次元ごと、PAAごとに、×2
- 全体:時間次元ごとに、2×2
【0044】
構成3(
図12C):この構成において、所与のPAA1205の各要素1210は、複数のPAA1205と共に、垂直または水平いずれかの偏波を有する。PAA1205aと1205bの中心間の距離は、dであってもよい。各端のデバイスは、同じ構成を有する。複数ストリーム送信は、PAA1205の間でビームを方向付けることによって作成される。各PAA1205上のチャネル成分は、異なる方向から到来し(異なるタップ遅延で到来し)てもよい。たとえば、第1のストリーム1214は、移相器1220を通じて方向付けられ、次いで第1のPAA1205aの所与のPAA要素1210に方向付けられてもよく、第2のストリーム1216は移相器1220を通じて方向付けられ、次いで第2のPAA1205bの所与のPAA要素1210に方向付けられてもよい。ビームフォーミングされたリンクの例もまた示される。1つの例において、第1のデバイス1224g(中心間の距離がd
1である2つのPAAを有する)が、ビーム1226gおよび1230gを第2のデバイス1228g(中心間の距離がd
2である2つのPAAを有する)に送信する。1つの例において、第1のデバイス1224h(中心間の距離がd
1である2つのPAAを有する)が、ビーム1226hおよび1230hを第2のデバイス1228h(中心間の距離がd
2である2つのPAAを有する)に送信する。1つの例において、第1のデバイス1224i(中心間の距離がd
1である2つのPAAを有する)が、ビーム1226iおよび1230iを第2のデバイス1228i(中心間の距離がd
2である2つのPAAを有する)に送信する。1つの例において、第1のデバイス1224j(中心間の距離がd
1である2つのPAAを有する)が、ビーム1226jおよび1230jを第2のデバイス1228j(中心間の距離がd
2である2つのPAAを有する)に送信する。この構成において、次元数は次のとおりである。
- 時間次元ごと、PAAごとに、1×1
- 全体:時間次元ごとに、2×2
【0045】
構成4(
図12D):この構成において、各要素1210は、複数のPAA1205で二重偏波(垂直および水平)を有する。PAA1205aと1205bの中心間の距離は、dであってもよい。各端のデバイスは、同じ構成を有する。複数ストリーム送信は、異なる方向から到来し(異なるタップ遅延で到来し)、異なるPAAから異なる偏波で到来するチャネル成分にビームを方向付けることによって作成される。たとえば、第1のストリーム1214は、移相器1220を通じて方向付けられ、垂直偏波器を通過してもよく、第2のストリーム1216は、移相器1220を通じて方向付けられ、次いで水平偏波器を通過してもよく、次いで2つのストリーム1214および1216は重畳されて、第1のPAA1205aの所与のPAA要素1210に方向付けられてもよく、また第3のストリーム1215は、移相器1220を通じて方向付けられ、垂直偏波器を通過してもよく、第4のストリーム1217は、移相器1220を通じて方向付けられ、次いで水平偏波器を通過してもよく、次いで2つのストリーム1215および1217は重畳されて、第2のPAA1205bの所与のPAA要素1210に方向付けられてもよい。ビームフォーミングされたリンクの例もまた示される。1つの例において、第1のデバイス1224k(中心間の距離がd
1である2つのPAAを有する)は、ビーム1226k(水平)および1227k(垂直)を第2のデバイス1228k(中心間の距離がd
2である2つのPAAを有する)に送信し、ビーム1230k(水平)および1231k(垂直)も同様に送信する。1つの例において、第1のデバイス1224l(中心間の距離がd
1である2つのPAAを有する)は、ビーム1226l(水平)および1227l(垂直)を第2のデバイス1228l(中心間の距離がd
2である2つのPAAを有する)に送信し、ビーム1230l(水平)および1231l(垂直)も同様に送信する。1つの例において、第1のデバイス1224m(中心間の距離がd
1である2つのPAAを有する)は、ビーム1226m(水平)および1227m(垂直)を第2のデバイス1228m(中心間の距離がd
2である2つのPAAを有する)に送信し、ビーム1230m(水平)および1231m(垂直)も同様に送信する。1つの例において、第1のデバイス1224n(中心間の距離がd
1である2つのPAAを有する)は、ビーム1226n(水平)および1227n(垂直)を第2のデバイス1228n(中心間の距離がd
2である2つのPAAを有する)に送信し、ビーム1230n(水平)および1231n(垂直)も同様に送信する。この構成において、次元数は次のとおりである。
- 時間次元ごと、PAAごとに、×2
- 全体:時間次元ごとに、4×4
【0046】
構成5(
図12E):この構成において、送信機1206における各要素1210は、垂直または水平いずれかの偏波を有し、受信機1207における各要素1210は、二重偏波(つまり、水平および垂直偏波)である。この場合、送信は、受信において多次元受信を伴うシングルストリームである。たとえば、送信機1206において、第1の信号ストリーム1214は、移相器1220を通じて、次いで要素1210に方向付けられる。ビームは、送信機1206から受信機1207に送信される。受信機1207において、二重偏波は、シングルストリーム1214に移相器1220および垂直偏波器または水平偏波器を通過させるために使用されてもよく、次いで別個のストリーム1214は重畳されて、受信機1207の要素1210に渡されてもよい。ビームフォーミングされたリンクの例もまた示される。1つの例において、第1のデバイス1224o(たとえば、送信機)は、単一の偏波ビーム1226o(たとえば、垂直または水平偏波のいずれか)を、二重偏波の要素を有する第2のデバイス1228o(たとえば、受信機)に送信する。1つの例において、第1のデバイス1224p(たとえば、送信機)は、単一の偏波ビーム1226p(たとえば、垂直または水平偏波のいずれか)を、二重偏波の要素を有する第2のデバイス1228p(たとえば、受信機)に送信する。この構成において、次元数は次のとおりである。
- 時間次元ごと、PAA(SIMO)ごとに、1×2
- 全体:時間次元ごとに、1×2
【0047】
ネットワークアーキテクチャ
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、
図1A~
図1Fに関して説明される無線通信システムと共に使用されてもよい。最初の事項として、これらの無線システムが説明される。
図1Aは、1つまたは複数の開示される実施形態が実施されてもよい例示の通信システム100を示す図である。通信システム100は、音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャストなどのようなコンテンツを、複数の無線ユーザに提供する多重アクセスシステムであってもよい。通信システム100は、複数の無線ユーザが、無線帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、そのようなコンテンツにアクセスできるようにしてもよい。たとえば、通信システム100は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)などのような、1つまたは複数のチャネルアクセス方法を採用してもよい。
【0048】
図1Aにおいて示されるように、通信システム100は、WTRU102a、102b、102c、および/または102d(概してまたは集合的にWTRU102と称されてもよい)、RAN103/104/105、コアネットワーク106/107/109、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、およびその他のネットワーク112を含んでもよいが、開示される実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図することが理解されるであろう。WTRU102a、102b、102c、102dは各々、無線環境において動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスであってもよい。一例として、WTRU102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信および/または受信するように構成されてもよく、ユーザ機器(UE)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、家庭用電化製品などを含んでもよい。
【0049】
通信システム100はまた、基地局114aおよび基地局114bを含んでもよい。基地局114a、114bは各々、コアネットワーク106/107/109、インターネット110、および/またはネットワーク112のような1つまたは複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするため、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つと無線でインタフェースをとるように構成された任意のタイプのデバイスであってもよい。一例として、基地局114a、114bは、ベーストランシーバ基地局(BTS)、Node-B、eNode B、Home Node B、Home eNode B、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、無線ルータなどであってもよい。基地局114a、114bは各々単一の要素として示されるが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含んでもよいことが理解されよう。
【0050】
基地局114aはRAN103/104/105の一部であってもよく、これらはまた、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、リレーノードなどのような、その他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)を含んでもよい。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)と称されてもよい特定の地理的領域内の無線信号を送信および/または受信するように構成されてもよい。セルは、セクタにさらに分割されてもよい。たとえば、基地局114aに関連付けられているセルは、3つのセクタに分割されてもよい。したがって、1つの実施形態において、基地局114aは、3つの送受信機、すなわちセルのセクタごとに1つの送受信機を含んでもよい。もう1つの実施形態において、基地局114aは、多入力多出力(MIMO)技術を採用してもよいので、セルの各セクタに対して複数の送受信機を利用してもよい。
【0051】
基地局114a、114bは、無線インタフェース115/116/117を介して、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数と通信してもよく、これらは(たとえば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光線など)任意の適切な無線通信リンクであってもよい。無線インタフェース115/116/117は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立されてもよい。
【0052】
さらに具体的には、前述のように、通信システム100は、多元接続システムであってもよく、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどのような、1つまたは複数のチャネルアクセス方式を採用してもよい。たとえば、RAN103/104/105内の基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))を使用して無線インタフェース115/116/117を確立してもよいUniversal Mobile Telecommunications System(UMTS:ユニバーサル移動体通信システム)Terrestrial Radio Access(UTRA:地上波無線アクセス)のような無線技術を実施してもよい。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)および/またはEvolved HSPA(HSPA+)のような通信プロトコルを含んでもよい。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および/または高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)を含んでもよい。
【0053】
もう1つの実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、Long Term Evolution(LTE)および/またはLTE-Advanded(LTE-A)を使用して無線インタフェース115/116/117を確立してもよいEvolved UMTS Terrestrial Radio Access(E-UTRA)のような無線技術を実施してもよい。
【0054】
その他の実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.16(すなわち、Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、Interim Standard 2000(IS-2000)、Interim Standard 95(IS-95)、Interim Standard 856(IS-856)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、Enhanced Data rates for GSM Evolution(EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などのような無線技術を実施してもよい。
【0055】
図1Aの基地局114bは、たとえば、無線ルータ、Home Node B、Home eNode B、またはアクセスポイントであってもよく、事業所、家庭、車両、キャンパスなどのような、局在的な領域において無線接続を容易にするために任意の適切なRATを利用してもよい。1つの実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立するためにIEEE802.11のような無線技術を実施してもよい。もう1つの実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立するためにIEEE802.15のような無線技術を実施してもよい。さらにもう1つの実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、セルラベースのRAT(たとえば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-Aなど)を利用して、ピコセルまたはフェムトセルを確立してもよい。
図1Aにおいて示されるように、基地局114bは、インターネット110に直接接続してもよい。したがって、基地局114bが、コアネットワーク106/107/109を介してインターネット110にアクセスする必要はなくてもよい。
【0056】
RAN103/104/105は、コアネットワーク106/107/109と通信してもよく、これらは音声、データ、アプリケーション、および/またはvoice over internet protocol(VoIP)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数に提供するように構成された任意のタイプのネットワークであってもよい。たとえば、コアネットワーク106/107/109は、コール制御、課金サービス、モバイルロケーションベースのサービス、プリペイドコール、インターネット接続、ビデオ配信などを提供すること、および/またはユーザ認証のような高水準のセキュリティ機能を実行してもよい。
図1Aにおいて示されていないが、RAN103/104/105および/またはコアネットワーク106/107/109が、RAN103/104/105と同じRATまたは異なるRATを採用するその他のRANと直接または間接的に通信してもよいことが理解されよう。たとえば、E-UTRA無線技術を利用しているRAN103/104/105に接続されていることに加えて、コアネットワーク106/107/109はまた、GSM無線技術を採用する別のRAN(図示せず)と通信してもよい。
【0057】
コアネットワーク106/107/109はまた、PSTN108、インターネット110、および/またはその他のネットワーク112にアクセスするためのWTRU102a、102b、102c、102dのゲートウェイとしての役割を果たしてもよい。PSTN108は、従来のアナログ電話回線サービス(POTS)を提供する回線交換電話ネットワークを含んでもよい。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイートの伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、およびIPのような、共通の通信プロトコルを使用する相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスのグローバルシステムを含んでもよい。ネットワーク112は、その他のサービスプロバイダによって所有および/または操作される有線および/または無線の通信ネットワークを含んでもよい。たとえば、ネットワーク112は、RAN103/104/105と同じRATまたは異なるRATを採用してもよい1つまたは複数のRANに接続された別のコアネットワークを含んでもよい。
【0058】
通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dの一部または全部は、マルチモード能力を含んでもよい、すなわち、WTRU102a、102b、102c、102dは様々な無線リンクを介して様々な無線ネットワークと通信するための複数の送受信機を含んでもよい。たとえば、
図1Aに示されるWTRU102cは、セルラベースの無線技術を採用してもよい基地局114a、およびIEEE802無線技術を採用してもよい基地局114bと通信するように構成されてもよい。
【0059】
図1Bは、例示のWTRU102を示すシステム図である。
図1Bにおいて示されるように、WTRU102は、プロセッサ118、送受信機120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、非取り外し式メモリ130、取り外し可能メモリ132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、およびその他の周辺機器138を含んでもよい。送受信機120は、デコーダ論理119のコンポーネントとして実施されてもよい。たとえば、送受信機120およびデコーダ論理119は、単一のLTEまたはLTE-Aチップ上で具現されてもよい。デコーダ論理は、非一時的コンピュータ可読媒体に格納された命令を実行するように動作可能なプロセッサを含んでもよい。代替として、または付加的に、デコーダ論理は、カスタムおよび/またはプログラマブルデジタル論理回路を使用して実施されてもよい。
【0060】
WTRU102が、前述の要素の任意の部分的組合せを含んでもよく、引き続き実施形態に整合することが理解されよう。また、実施形態は、基地局114aおよび114b、および/または、特にベーストランシーバ基地局(BTS)、Node-B、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、Home Node-B、evolved Home Node-B(eNodeB)、Home evolved Node-B(HeNB)、Home evolved Node-Bゲートウェイ、およびプロキシノードのような(ただし、これらに限定されない)、基地局114aおよび114bが表してもよいノードが
図1Bに示され、本明細書において説明される要素の一部または全部を含んでもよいことを企図する。
【0061】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、特殊用途プロセッサ、標準的なプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意のその他のタイプの集積回路(IC)、状態機械などであってもよい。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入出力処理、および/またはWTRU102が無線環境で動作できるようにする任意の他の機能を実行してもよい。プロセッサ118は、送受信機120に結合されてもよく、これは送信/受信要素122に結合されてもよい。
図1Bはプロセッサ118および送受信機120を別個のコンポーネントとして示すが、プロセッサ118および送受信機120が電子パッケージまたはチップに統合されてもよいことが理解されよう。
【0062】
送信/受信要素122は、無線インタフェース115/116/117を介して基地局(たとえば、基地局114a)に信号を送信するか、または基地局から信号を受信するように構成されてもよい。たとえば、1つの実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナであってもよい。もう1つの実施形態において、送信/受信要素122は、たとえば、IR、UV、または可視光信号を送信および/または受信するように構成されたエミッタ/検出器であってもよい。さらにもう1つの実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号および光信号の両方を送信および受信するように構成されてもよい。送信/受信要素122は、無線信号の任意の組合せを送信および/または受信するように構成されてもよいことが理解されよう。
【0063】
加えて、
図1Bにおいて、送信/受信要素122は単一の要素として示されるが、WTRU102は任意の数の送信/受信要素122を含んでもよい。さらに具体的には、WTRU102は、MIMO技術を採用してもよい。したがって、1つの実施形態において、WTRU102は、無線インタフェース115/116/117を介して無線信号を送信および受信するために2つ以上の送信/受信要素122(たとえば、複数のアンテナ)を含んでもよい。
【0064】
送受信機120は、送信/受信要素122によって送信されるべき信号を変調し、送信/受信要素122によって受信される信号を復調するように構成されてもよい。前述のように、WTRU102は、マルチモード能力を有してもよい。したがって、送受信機120は、WTRU102が、たとえばUTRAおよびIEEE802.11のような複数のRATを介して通信できるようにするための複数の送受信機を含んでもよい。
【0065】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)表示ユニット、または有機発光ダイオード(OLED)表示ユニット)に結合されてもよく、これらの機器からユーザ入力データを受信してもよい。プロセッサ118はまた、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128にユーザデータを出力してもよい。加えて、プロセッサ118は、非取り外し式メモリ130および/または取り外し可能メモリ132のような、任意のタイプの適切なメモリから情報にアクセスし、適切なメモリにデータを格納してもよい。非取り外し式メモリ130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意のその他のタイプのメモリストレージデバイスを含んでもよい。取り外し可能メモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(SD)メモリカードなどを含んでもよい。その他の実施形態において、プロセッサ118は、サーバ上、またはホームコンピュータ(図示せず)上のような、WTRU102に物理的に位置していないメモリから情報にアクセスし、そのようなメモリにデータを格納してもよい。
【0066】
プロセッサ118は、電源134から電力を受信してもよく、WTRU102内のその他のコンポーネントへの電力の供給および/または制御を行なうように構成されてもよい。電源134は、WTRU102に電力を供給するための任意の適切なデバイスであってもよい。たとえば、電源134は、1つまたは複数の乾電池(たとえば、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)など)、太陽電池、燃料電池などを含んでもよい。
【0067】
プロセッサ118はまた、GPSチップセット136に結合されてもよく、これはWTRU102の現在の位置に関する位置情報(たとえば、緯度および経度)を提供するように構成されてもよい。GPSチップセット136からの情報に加えて、またはその情報の代わりに、WTRU102は、基地局(たとえば、基地局114a、114b)から無線インタフェース115/116/117を介して位置情報を受信してもよく、および/または2つ以上の近隣の基地局から受信されている信号のタイミングに基づいてその位置を決定してもよい。WTRU102が、任意の適切な位置決定の方法を用いて位置情報を取得してもよく、引き続き実施形態に整合することが理解されよう。
【0068】
プロセッサ118は、その他の周辺機器138にさらに結合されてもよく、これは追加の特徴、機能、および/または有線もしくは無線接続を提供する1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを含んでもよい。たとえば、周辺機器138は、加速度計、電子コンパス、衛星送受信機、デジタルカメラ(写真またはビデオ用)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動装置、テレビ送受信機、ハンドフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、デジタル音楽プレイヤー、メディアプレイヤー、テレビゲームプレイヤーモジュール、インターネットブラウザなどを含んでもよい。
【0069】
図1Cは、1つの実施形態によるRAN103およびコアネットワーク106を示すシステム図である。前述のように、RAN103は、UTRA無線技術を採用して、無線インタフェース115を介してWTRU102a、102b、102cと通信してもよい。RAN103はまた、コアネットワーク106と通信してもよい。
図1Cに示されるように、RAN103は、Node-B140a、140b、140cを含んでもよく、これらは各々、無線インタフェース115を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数の送受信機を含んでもよい。Node-B140a、140b、140cは各々、RAN103内の特定のセル(図示せず)に関連付けられてもよい。RAN103はまた、RNC142a、142bを含んでもよい。RAN103が、任意の数のNode-BおよびRNCを含んでもよく、引き続き実施形態に整合することが理解されよう。
【0070】
図1Cに示されるように、Node-B140a、140bは、RNC142aと通信してもよい。加えて、Node-B140cは、RNC142bと通信してもよい。Node-B140a、140b、140cは、Iubインタフェースを介してそれぞれRNC142a、142bと通信してもよい。RNC142a、142bは、Iurインタフェースを介して相互に通信してもよい。RNC142a、142bは各々、それぞれ接続されているNode-B140a、140b、140cを制御するように構成されてもよい。加えて、RNC142a、142bは各々、外部ループ電力制御、負荷制御、アドミッション制御、パケットスケジューリング、ハンドオーバー制御、マクロダイバシティ、セキュリティ機能、データ暗号化などのような、その他の機能を実行またはサポートするように構成されてもよい。
【0071】
図1Cに示されるコアネットワーク106は、メディアゲートウェイ(MGW)144、移動通信交換局(MSC)146、サービス提供GPRSサポートノード(SGSN)148、および/またはゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)150を含んでもよい。前述の要素は各々、コアネットワーク106の一部として示されているが、それらの要素のうちのいずれかがコアネットワークオペレータ以外のエンティティによって所有および/または操作されてもよいことが理解されよう。
【0072】
RAN103内のRNC142aは、IuCSインタフェースを介してコアネットワーク106内のMSC146に接続されてもよい。MSC146は、MGW144に接続されてもよい。MSC146およびMGW144は、PSTN108のような回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の地上通信線通信デバイスとの間の通信を容易にしてもよい。
【0073】
RAN103内のRNC142aはまた、IuPSインタフェースを介してコアネットワーク106内のSGSN148に接続されてもよい。SGSN148は、GGSN150に接続されてもよい。SGSN148およびGGSN150は、インターネット110のようなパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応のデバイスとの間の通信を容易にしてもよい。
【0074】
前述のように、コアネットワーク106はまた、ネットワーク112に接続されてもよく、これはその他のサービスプロバイダによって所有および/または操作される他の有線および/または無線ネットワークを含んでもよい。
【0075】
図1Dは、1つの実施形態によるRAN104およびコアネットワーク107を示すシステム図である。前述のように、RAN104は、E-UTRA無線技術を採用して、無線インタフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信してもよい。RAN104はまた、コアネットワーク107と通信してもよい。
【0076】
RAN104はeNode B160a、160b、160cを含んでもよいが、引き続き実施形態に整合しながら、RAN104は任意の数のeNode Bを含んでもよいことが理解されよう。eNode B160a、160b、160cは各々、無線インタフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数の送受信機を含んでもよい。1つの実施形態において、eNode B160a、160b、160cはMIMO技術を実施してもよい。したがって、たとえば、eNode B160aは、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、WTRU102aから無線信号を受信してもよい。
【0077】
eNode B160a、160b、160cは各々、特定のセル(図示せず)に関連付けられてもよく、無線リソース管理の決定、ハンドオーバーの決定、アップリンクおよび/またはダウンリンクにおけるユーザのスケジューリングなどを処理するように構成されてもよい。
図1Dに示されるように、eNode B160a、160b、160cは、X2インタフェースを介して相互に通信してもよい。
【0078】
図1Dに示されるコアネットワーク107は、モビリティ管理エンティティ(MME)162、サービス提供ゲートウェイ164、およびパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ166を含んでもよい。前述の要素は各々、コアネットワーク107の一部として示されているが、それらの要素のうちのいずれかがコアネットワークオペレータ以外のエンティティによって所有および/または操作されてもよいことが理解されよう。
【0079】
MME162は、S1インタフェースを介してRAN104内のeNode-B160a、160b、160cの各々に接続されてもよく、制御ノードとしての役割を果たしてもよい。たとえば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期接続の間に特定のサービス提供ゲートウェイを選択することなどに責任を負ってもよい。MME162はまた、RAN104と、GSMまたはWCDMAのような他の無線技術を採用するその他のRAN(図示せず)とを切り替えるための制御プレーン機能を提供してもよい。
【0080】
サービス提供ゲートウェイ164は、S1インタフェースを介してRAN104内のeNode B160a、160b、160cの各々に接続されてもよい。サービス提供ゲートウェイ164は一般に、ユーザデータパケットを、WTRU102a、102b、102cとの間でルーティングおよび転送してもよい。サービス提供ゲートウェイ164はまた、eNode B間ハンドオーバーの間にユーザプレーンを固定すること、ダウンリンクデータがWTRU102a、102b、102cに使用可能な場合にページングをトリガーすること、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理して格納することなどのようなその他の機能を実行してもよい。
【0081】
サービス提供ゲートウェイ164はまた、PDNゲートウェイ166に接続されてもよく、これは、インターネット110のようなパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応のデバイスとの間の通信を容易にしてもよい。
【0082】
コアネットワーク107は、その他のネットワークとの通信を容易にしてもよい。たとえば、コアネットワーク107は、PSTN108のような回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の地上通信線通信デバイスとの間の通信を容易にしてもよい。たとえば、コアネットワーク107は、コアネットワーク107とPSTN108との間のインタフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(たとえば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含んでもよいか、またはIPゲートウェイと通信してもよい。加えて、コアネットワーク107は、その他のサービスプロバイダによって所有および/または操作される他の有線および/または無線ネットワークを含んでもよいネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供してもよい。
【0083】
図1Eは、1つの実施形態によるRAN105およびコアネットワーク109を示すシステム図である。RAN105は、IEEE802.16無線技術を採用し、無線インタフェース117を介してWTRU102a、102b、102cと通信するアクセスサービスネットワーク(ASN)であってもよい。後段でさらに説明されるように、WTRU102a、102b、102c、RAN105、およびコアネットワーク109の様々な機能エンティティの間の通信リンクは、参照点として定義されてもよい。
【0084】
図1Eに示されるように、RAN105は、基地局180a、180b、180c、およびASNゲートウェイ182を含んでもよいが、引き続き実施形態に整合しながら、RAN105は任意の数の基地局およびASNゲートウェイを含んでもよいことが理解されよう。基地局180a、180b、180cは各々、RAN105内の特定のセル(図示せず)に関連付けられてもよく、各々無線インタフェース117を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数の送受信機を含んでもよい。1つの実施形態において、基地局180a、180b、180cはMIMO技術を実施してもよい。したがって、たとえば、基地局180aは、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、WTRU102aから無線信号を受信してもよい。基地局180a、180b、180cはまた、ハンドオフのトリガー、トンネル確立、無線リソース管理、トラフィック分類、サービス品質(QoS)ポリシー実施などのような、モビリティ管理機能を提供してもよい。ASNゲートウェイ182は、トラフィック集約点としての役割を果たしてもよく、ページング、サブスクライバプロファイルのキャッシング、コアネットワーク109のルーティングなどに責任を負ってもよい。
【0085】
WTRU102a、102b、102cとRAN105との間の無線インタフェース117は、IEEE802.16仕様を実施するR1参照点として定義されてもよい。加えて、WTRU102a、102b、102cは各々、コアネットワーク109との論理インタフェース(図示せず)を確立してもよい。WTRU102a、102b、102cとコアネットワーク109との間の論理インタフェースは、R2参照点(図示せず)として定義されてもよく、R2参照点(図示せず)は、認証、許可、IPホスト構成管理、および/またはモビリティ管理のために使用されてもよい。
【0086】
各々の基地局180a、180b、180cの間の通信リンクは、WTRUハンドオーバーおよび基地局間のデータの転送を容易にするためのプロトコルを含むR8参照点として定義されてもよい。基地局180a、180b、180cとASNゲートウェイ182との間の通信リンクは、R6参照点として定義されてもよい。R6参照点は、WTRU102a、102b、102cの各々に関連付けられているモビリティイベントに基づいてモビリティ管理を容易にするためのプロトコルを含んでもよい。
【0087】
図1Eに示されるように、RAN105は、コアネットワーク109に接続されてもよい。RAN105とコアネットワーク109との間の通信リンクは、たとえば、データ転送およびモビリティ管理能力を容易にするためのプロトコルを含むR3参照点として定義されてもよい。コアネットワーク109は、モバイルIPホームエージェント(MIP-HA)184、認証、許可、アカウンティング(AAA)サーバ186、およびゲートウェイ188を含んでもよい。前述の要素は各々、コアネットワーク109の一部として示されているが、それらの要素のうちのいずれかがコアネットワークオペレータ以外のエンティティによって所有および/または操作されてもよいことが理解されよう。
【0088】
MIP-HA184は、IPアドレス管理に責任を負ってもよく、WTRU102a、102b、102cが様々なASNおよび/または様々なコアネットワークの間でローミングできるようにしてもよい。MIP-HA184は、インターネット110のようなパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応のデバイスとの間の通信を容易にしてもよい。AAAサーバ186は、ユーザ認証およびユーザサービスのサポートに責任を負ってもよい。ゲートウェイ188は、その他のネットワークとの相互作用を容易にしてもよい。たとえば、ゲートウェイ188は、PSTN108のような回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の地上通信線通信デバイスとの間の通信を容易にしてもよい。加えて、ゲートウェイ188は、その他のサービスプロバイダによって所有および/または操作される他の有線または無線ネットワークを含んでもよいネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供してもよい。
【0089】
図1Eには示されていないが、RAN105がその他のASNに接続されてもよく、コアネットワーク109がその他のコアネットワークに接続されてもよいことが理解されるであろう。RAN105とその他のASNとの間の通信リンクは、R4参照点(図示せず)として定義されてもよく、これはRAN105とその他のASNとの間のWTRU102a、102b、102cのモビリティを調整するためのプロトコルを含んでもよい。コアネットワーク109とその他のコアネットワークとの間の通信リンクは、R5参照点(図示せず)として定義されてもよく、これはホームコアネットワークとアクセス先コアネットワークとの間の相互作用を容易にするためのプロトコルを含んでもよい。
【0090】
図1Fは、
図1Aの通信システム100内で使用されてもよい例示のネットワークエンティティ190を示す。
図1Fに示されるように、ネットワークエンティティ190は、通信インタフェース192、プロセッサ194、および非一時的データストレージ196を含み、これらは全てバス、ネットワーク、またはその他の通信パス198によって通信可能にリンクされる。
【0091】
通信インタフェース192は、1つまたは複数の有線通信インタフェースおよび/または1つまたは複数の無線通信インタフェースを含んでもよい。有線通信に関して、通信インタフェース192は、一例としてイーサネット(登録商標)インタフェースのような、1つまたは複数のインタフェースを含んでもよい。無線通信に関して、通信インタフェース192は、1つまたは複数のアンテナ、1つまたは複数のタイプの無線(たとえば、LTE)通信用に設計および構成された1つまたは複数の送受信機/チップセット、および/または関連技術の当業者により適切であると見なされる任意のその他のコンポーネントのようなコンポーネントを含んでもよい。さらに無線通信に関して、通信インタフェース192は、無線通信(たとえば、LTE通信、Wi-Fi通信など)の、クライアント側とは対照的に、ネットワーク側で動作するために適切なスケールおよび構成で装備されてもよい。したがって、通信インタフェース192は、カバレッジエリア内の複数の移動局、UE、またはその他のアクセス端末にサービス提供するために適切な機器および回路(おそらくは複数の送受信機を含む)を含んでもよい。
【0092】
プロセッサ194は、関連技術の当業者によって適切であると見なされる任意のタイプの1つまたは複数のプロセッサを含んでもよく、一部の例では汎用マイクロプロセッサおよび専用DSPを含む。
【0093】
データストレージ196は、任意の非一時的コンピュータ可読媒体またはそのような媒体の組合せの形態をとってもよく、関連技術の当業者によって適切であると見なされる非一時的データストレージの任意の1つまたは複数のタイプが使用されてもよいので、一部の例では、ほんの一例を挙げると、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。
図1Fに示されるように、データストレージ196は、本明細書において説明される様々なネットワークエンティティ機能の様々な組合せを実施するためにプロセッサ194によって実行可能なプログラム命令197を含む。
【0094】
一部の実施形態において、本明細書において説明されるネットワークエンティティ機能は、
図1Fのネットワークエンティティ190の構造と類似する構造を有するネットワークエンティティによって実施される。一部の実施形態において、そのような機能の1つまたは複数は、複数のネットワークエンティティのセットの組合せによって実施され、ここで各ネットワークエンティティは、
図1Fのネットワークエンティティ190の構造と類似する構造を有する。様々な種々の実施形態において、ネットワークエンティティ190は、RAN103(の1つまたは複数のエンティティ)、RAN104(の1つまたは複数のエンティティ)、RAN105(の1つまたは複数のエンティティ)、コアネットワーク106(の1つまたは複数のエンティティ)、コアネットワーク107(の1つまたは複数のエンティティ)、コアネットワーク109(の1つまたは複数のエンティティ)、基地局114a、基地局114b、Node-B140a、Node-B140b、Node-B140c、RNC142a、RNC142b、MGW144、MSC146、SGSN148、GGSN150、eNodeB160a、eNodeB160b、eNodeB160c、MME162、サービス提供ゲートウェイ164、PDNゲートウェイ166、基地局180a、基地局180b、基地局180c、ASNゲートウェイ182、MIP-HA184、AAA186、およびゲートウェイ188のうちの1つまたは複数であるか、または少なくとも含む。言うまでもなく、その他のネットワークエンティティおよび/またはネットワークエンティティの組合せが、本明細書において説明されるネットワークエンティティ機能を実施するために様々な実施形態において使用されてもよいが、前述の一覧は一例として提供されるものであり、限定的なものではない。
【0095】
簡略化プリコーダ設計への対処
MIMO送信のためのプリコーダの従来の設計の場合、プリコーダは、送信機と受信機との間で使用するために実際のMIMOチャネルに基づいて設計される。mmWAVE MIMO送信の場合、現行のハイブリッドプリコーダの設計者は、RFチャネルから望ましいプリコーダを推定し、次いで望ましいプリコーダと結合プリコーダとの差を最小化する結合RFおよびベースバンドプリコーダを設計する(非特許文献9を参照)。プリコーダ設計のさらなる簡略化は、単一のプリコーダをRFおよびベースバンドプリコーダに分離することによって可能であってもよい。
【0096】
ビームトレーニングオーバヘッドへの対処
現行のビームフォーミングトレーニングのメカニズムは、ビームトレーニングおよびセクタスウィープメカニズムのための様々な検索アルゴリズムを可能にしてもよい。しかし、そのような検索アルゴリズムは、システムにおけるビームトレーニングのオーバヘッドを増大させる。オーバヘッドを低減するための方法が提示される。
【0097】
mmWaveプリコーディングのセクタスウィープの方法への対処
mmWave送信の場合、初期ビームスウィープは、送信機と受信機が通信できるようにするために実行されてもよい。このスウィープは、802.11adにおいてセクタレベルスウィープと称される(類似する送信機および受信機セクタ選択手順が5Gネットワークにおいて使用されてもよい)。拡張セクタレベルスウィープ手順は、簡略化プリコーダおよび精密プリコーダ設計の両方に適用してもよい。
【0098】
一般的プリコーダ設計
例示的な実施形態は、簡略化プリコーダ設計に関する。非特許文献9において説明されるように、プリコーダは、以下の式を念頭に置きつつ設計される。
Feff=FRF*FBB
ここで、Feffは有効プリコーダであり、FRFは無線周波数またはアナログプリコーダであり、FBBはデジタルまたはベースバンドプリコーダである。RFプリコーダを前提とした有効チャネルを使用する、および実際のチャネルを使用する、という2つの例示の方法論が、プリコーダを設計するために使用されてもよい。RFプリコーダを前提とした有効チャネルを使用することで、近似プリコーダ設計がもたらされる。また、RFプリコーダは、セルまたはBSSと見なされてもよく、ベースバンドプリコーダは、レスポンダ、STA、またはUEと見なされてもよい。実際のチャネルを使用することで、精密プリコーダがもたらされる。
【0099】
精密なチャネルを得るためのセクタレベルスウィープおよびビーム細分化のパフォーマンスを仮定して、802.11ayの精密プリコーダのための方法および手順が提案された。そのような手順は、セクタレベルスウィープおよびビーム細分化を結合することによって有効チャネル(Heff)を推定する。最適なプリコーダ(Fopt)は、推定されたチャネル(Heff)に基づいて見出される。アナログプリコーダ(FRF)およびデジタルプリコーダ(FBB)は、以下の式が最小化されるように見出される。
min||Fopt-Frf*Fbb||2
【0100】
近似プリコーダ設計最適化
簡略化プリコーダ設計に関連する例示的な実施形態において、近似プリコーダ設計の設計複雑性は、2ステージの最適化を実行することによりさらに低減されてもよい。ステージ1は、容量またはSNRのような、適切なメトリックに最も適合するN個のストリームについてアナログプリコーダ(FRF)を見出す。有効チャネル(Heff)は、ステージ1のアナログプリコーダを前提として、またはもう1つの方法を介して見出されてもよい。ステージ2は、有効チャネルに基づいてベースバンドプリコーダを推定する。
【0101】
ステージ1は、アナログビームスウィープ手順によって実行されてもよい。802.11ayの場合、アナログビームスウィープ手順は、拡張セクタレベルスウィープ(eSLS)またはeSLSと拡張BRPの結合によってのみ実施されてもよい。5Gネットワークの場合、ステージ1の選択は、ビームベースの取得手順によって実行されてもよい。
【0102】
有効チャネル(Heff)は、ステージ1を介するアナログプリコーダの選択を前提として見出されてもよいか、またはHeffはもう1つの方法を介して見出されてもよい。Heffは、ステージ1から得られたフィードバックを使用して、または別個のチャネル推定手順を使用して見出されてもよい。802.11ayの場合、N個の直交チャネル推定フィールド(Nはストリームの数を表す)を伴うmmWaveヌルデータパケットは、追加のビームトラッキングを実行することなくチャネルを再推定するために送信されてもよい。この方法は、デジタル領域においてビームトラッキングを実行する。5Gネットワークの場合、ビームフォーミングされたチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)は、UEが有効チャネルを推定できるようにするために送信されてもよい。ビームフォーマは、UEによって選択されたアナログプリコーダである。このチャネル推定手順は、固有のUE/STAに対して実行されてもよいか、または複数のUE/STAに対してブロードキャストされてもよい。
【0103】
ステージ2は、有効チャネル(Heff)に基づいてベースバンドプリコーダを推定する。1つの例示的な実施形態において、有効チャネルは送信機(AP/BTS/ビーム)にフィードバックされて、送信機はプリコーダ(FBB)を推定する。このフィードバックは、明示的であってもよい(フィードバックは複合チャネル要素の量子化バージョンである)。あるいは、フィードバックは暗黙的であってもよい(フィードバックはコードブックに基づく)。また、フィードバックは、ギブンス回転に基づく圧縮を使用するサブ6GHz802.11のように、圧縮されてもよい。
【0104】
もう1つの例示的な実施形態において、受信機は、有効チャネルに基づいてプリコーダを推定し、この値をアクセスポイント(AP)にフィードバックする。ここでも同様に、フィードバックは明示的または暗黙的であってもよい。さらに、フィードバックは、以前のように圧縮されてもよい。フィードバックは、MIMOフィードバックのために更新された、802.11adに見出されるような、既存のタップ遅延線フレームワークを使用してもよい。フィードバックは、3GPP LTE Release8-13に見出されるようなコードブックに基づいてもよい。システムは、TDL MIMOチャネルを周波数領域に変換して、MIMOチャネルを周波数帯域ごとにフィードバックしてもよい。
【0105】
プリコーダ設計は、(シングルキャリアまたはOFDM/Aのような)波形タイプごとに異なってもよい。シングルキャリアフレームの場合、プリコーダは、各チャネルタップについて設計されてもよい。OFDM/Aフレームの場合、プリコーダは、各周波数サブバンドについて設計されてもよい。1つの例示的な実施形態において、プリコーダは、各タップについて設計されてもよく、周波数領域に有効プリコーダを見出してもよい。プリコーダは、電力と方向、方向のみ、または電力のみ、を最適化してもよい。たとえば、プリコーダが電力と方向を最適化する場合、プリコーダは、(RFプリコーディング後の有効チャネルのSVDから)右特異行列および注水定理に基づく最適化電力を使用してもよい。たとえば、プリコーダが方向のみを最適化する場合、プリコーダは、次元ごとに等しい電力と共に(RFプリコーディング後の有効チャネルのSVDからの)右特異行列を使用してもよい。プリコーダが電力のみを最適化する場合、プリコーダは、RFビームごとに電力を最適化してもよい。
【0106】
漏洩波アンテナによるビームトレーニングオーバヘッドの低減
本明細書において、ビームトレーニングのオーバヘッドを低減するための例示的な方法が説明される。周波数走査漏洩波アンテナ(LWA:frequency scanning leaky wave antenna)は、
図13Aに示されるような様々な周波数の様々なアンテナパターンを提供する。たとえば、これらの様々なアンテナパターンは、主ピークが周波数の増大に応じてますます1つの方向に漸次的に傾いて、相互にわずかに変形したバージョンであってもよい。これらのパターンは、到来の方向を決定するために使用されてもよい。
【0107】
図13Bは、ビームの最強パスの方向を決定するプロセスを示す。位相アンテナアレイ構造が周波数走査LWA特性を有する場合、ビームの方向は、以下の例示的な実施形態を使用することによって見出されてもよい。AP/BTSは、疑似オムニ(QO)アンテナパターンを生成するようにアンテナ加重ベクトルを構成する。AP/BTSは、
図13Bの左側に示されるように、トレーニング信号を送信する。
図13Bの中央は、漏洩波アンテナを使用して、送信されたトレーニング信号を受信するSTA/UEを示す。STA/UEは、受信されたトレーニング信号に、Nポイント離散フーリエ変換(DFT)を適用する。STA/UEは、最大振幅を伴う周波数を見出す。STA/UEは、周波数から走査角にマッピングするテーブルを使用して、信号の到来角を決定してもよい。STA/UEは、得られた到来角を使用してアンテナ加重ベクトルを構成する。STAはまた、周波数走査アンテナパターンおよびDFT結果に基づいてチャネルを推定してもよい。
【0108】
図14Aは、STAの位置を決定するプロセスを示す。AP/BTSは、周波数走査アンテナパターンを生成するようにそのアンテナパターンを構成する。AP/BTSは、トレーニング信号を送信する。STA/UEは、疑似オムニアンテナパターンを生成するように、それらのアンテナ加重ベクトルを構成する。STA/UEは、受信されたトレーニング信号に、Nポイント離散フーリエ変換(DFT)を適用する。STA/UEは、最大振幅を伴う周波数を見出す。STA/UEは、最大振幅を伴うAP周波数にフィードバックする。AP/BTSは、周波数から走査角へのマップを使用して、STAの方向を決定する。AP/BTSは、STAの方向情報を使用して、AP/BTSアンテナ加重ベクトルを調整する。STAはまた、完全または部分DFT結果をフィードバックしてもよい。
【0109】
もう1つの実施形態において、フィードバック情報は、様々なユーザからの「同時」フィードバックを可能にするために、周波数領域においてフィードバック情報を反復すること(たとえば、R回反復)によって生成されてもよい。たとえば、
図14Bに示されるように、トレーニングセッションの後(たとえば、
図14Aにおけるように、位相1として処理される)、「位相2」において、UE/STAは、DFT結果を、周波数領域において反復することによってフィードバックする(たとえば、最高振幅を伴うN個のビンインデックス(bin index))。AP/BTSは、そのアンテナ構成(およびその周波数走査特性)を変更せず、受信された信号のDFTを計算する。周波数走査の特質により、APは、DFT操作後にUE/STAの最良ビームを学習し、様々なユーザからのフィードバック信号を分離する。この操作は、アナログフィードバックまで拡張されることが可能である。理想的には、DFT結果およびフィードバック情報は一致すべきである。したがって、このメカニズムは、移動体のシナリオにおいてビームトラッキングの目的で使用されることが可能である。
【0110】
もう1つの実施形態において、送信機は、周波数走査特性を使用してチャネルを推定してもよい。この操作の手順は以下のように与えられる。
1. 送信機が周波数走査特性によりそのPAAを形成する。
2. 送信機が受信機に知られているシーケンスを送信する。
3. 受信機が、信号のFFTを計算し、パスを解決する。
4. 受信機が、解決されたパスの位相情報を計算する。
【0111】
周波数走査PAA
LWAアンテナの特性、つまり周波数走査は、アンテナ要素が周波数走査特性を有していない標準のPAAを使用することによって達成されることが可能である。1つの実施形態において、位相シフトの量が周波数と共に変化する特殊移相器を採用することにより、周波数走査特性を備えるPAAを構築することが可能であることに留意されたい。これは、AWVが標準PAAの所与の周波数の照準の方向を決定するという理由による。位相シフトの量が周波数と共にアンテナ要素ごとに変化する場合(たとえば、2GHzの帯域幅の範囲内)、信号の様々な周波数成分が様々な方向に送信されることになる。したがって、標準PAAには、この手法により周波数走査特性が装備されることになる。
【0112】
もう1つの実施形態において、送信機および受信機は、ソフトウェア制御可能な移相器が、周波数走査特徴を使用可能および使用不可にして、フィードバック特性の高信頼性受信、同時ビームトレーニング、または指向性通信を可能にすると見なしてもよいことに留意されたい。したがって、疑似全方向性、指向性、および周波数走査モード、という3つの異なるモードが無線に導入されてもよい。
【0113】
周波数走査アンテナの信号品質向上
信号の様々な周波数成分が、周波数走査アンテナにより様々な方向に送信されるので、受信信号電力の量は低い場合もある。この場合、送信機は、
1. 信号電力を高める
2. 複数シーケンスを送信して、アンテナの周波数走査特性が活用される期間の間の利得を増大させる。周波数走査アンテナの1つの利点が、複数ステーション/UEを同時にトレーニングすることであり、それが待ち時間を大幅に低減することは、注目に値する。
【0114】
SU-MIMO送信のための拡張SLS(eSLS1)による近似プリコーディング
拡張セクタレベルスウィープ手順および関連するフィードバックの例示的な実施形態は、例示的な近似プリコーダの設計において使用されてもよい。
図14~
図18は、そのような設計の様々なコンポーネントを示す。使用可能なN
dim非時間次元(偏波、パネル/PAA/eDMGアンテナ)およびシステムにより所望のN個の送信ストリームがあると仮定されてもよい。1つの実施形態において、イニシエータ送信(TXSS)は、各N
dim次元内のセクタごとに、
図15に示されるように、拡張SSWフレームを送信することによって送信セクタスウィープを開始する。eSSWフレームは、SSWフィードバックフィールドを変更して、SLS手順の間のN個のセクタのフィードバックを可能にする。
【0115】
レスポンダは、そのアンテナを多次元(Ndim次元)疑似オムニパターンに設定するが、これは拡張指向性マルチギガビット(eDMG)アンテナが、各独立非時間次元(または偏波{垂直/水平}または物理アンテナアレイ)で達成可能な最大ビーム幅で動作する場合からのパターンである。複数の受信PAAによる1つのシナリオについて、N個のセクタフィードバック要件がある場合、N非時間次元は、同時にアクティブとして設定されてもよい(たとえば、802.11adにおけるように、6DMGアンテナがある場合、各アンテナは個別に評価される)。eDMGにおいて、スウィープするアンテナには15もの組合せがあってもよい。単一の偏波および単一のPAAによる構成については、複数のストリームが時間によって分離され、レスポンダは単一のQOパターンを設定してもよい。
【0116】
レスポンダは、レスポンダにおける多次元QO受信に基づいて最良のN個の送信セクタに関する情報を送信機にフィードバックする。レスポンダフィードバックは、
図17に示されるように、追加情報を捕捉するために更新されたSSWフィードバックフィールド(
図16)であってもよい。1つの例示的な実施形態において、N個のセクタ選択フィールドは、既存のフィードバックフレームに追加されてもよい。2つ以上の受信機QO次元が存在する場合、QO次元ごとのN個のセクタ選択が追加されてもよい。もう1つの例示的な実施形態において、レガシフレーム構造は、N-1個のセクタ選択を制御トレーラに追加することにより後方互換性のために使用されてもよい。
【0117】
制御トレーラは、追加情報がペイロードの後に位置されてもよいことを非レガシSTAに示すためにヘッダ内の予約ビットを使用して信号伝達される。品質レベルは、たとえば、
図18に示されるフォーマットを使用して信号伝達されてもよい。このフィードバックは、SNRレポート(プライマリリンクのSNRレポート、プライマリおよびクロスリンクのSNRレポート、およびプライマリおよびクロスリンクの単一の複合SNRレポートを含む)、複合MIMOチャネル(NタップのI/Qおよびτのような、BRPフォーマットを使用してもよい)、複合MIMOチャネルのランクまたは条件数、のようなフィールドを含んでもよい。
【0118】
イニシエータRXSSは、イニシエータのセクタスウィープを受信するように構成されてもよい。レスポンダは、そのセクタをスウィープし、その間イニシエータは、TXSSから見出された最良セクタに対してそのビームを保持する。あるいは、レスポンダは、そのビームを、非時間次元ごとに疑似オムニビームパターンに設定してもよい。一部の例示的な実施形態において、イニシエータは、受信セクタスウィープを実行してもよい。イニシエータは、その送信ビームを、フィードバックによって選択されたNビームに設定してもよいか、またはそのビームを、非時間次元ごとに疑似オムニビームパターンに設定してもよい。レスポンダは、その多次元QOオプションをN-QOオプションへと選択範囲を狭める。レスポンダは、そのN-OQ次元のセクタをスウィープし、イニシエータから送信されたSSWフレームごとにN-受信セクタを選択してもよい。別個の次元から複数のセクタを選択することにより、効率が高められてもよい(構成2、3、および4)が、この方法は、先験的な(priori)シグナリングを必要とする場合がある。閉ループ操作の場合、受信機は、情報を送信機にフィードバックしてもよい。
図18は、一例を示し、(eBRPフィードバックにおけるような)各タップ遅延において有効MIMOチャネルを含む。このシナリオは、ビームインデックスを使用しない。
【0119】
例示的な実施形態は、任意選択のチャネル推定に使用されてもよい。定期的に、直交CEFは最適ビームで送信されてもよく、チャネルは設計を調整するためにフィードバックされてもよい。NDP-Aは、NDPと共に送信されてもよく、STAはRXSSで有効チャネルをフィードバックしてもよい。このフィードバックは、実質上、そのアナログビームの受信機スウィープを行なわないRXSSである。
【0120】
レスポンダフィードバックのデータ送信は、(フィードバックを使用して設計されるプリコーダに基づいて)開または閉ループであってもよい。シングルキャリアフィードバックの場合、プリコーダは、たとえば、各タップ遅延について設計されてもよい。OFDMA操作の場合、プリコーダは、たとえば、各周波数帯域について設計されてもよい。
【0121】
ベースバンド(BB)プリコーダを設計する例示的な方法は、eSLSビームを伴う有効チャネルに基づいてBBを設計してもよい。1つの実施形態において、システムは、容量、SNR、および関連する要因に基づいて最良F
RFを見出してもよい。システムはまた、F
RFを前提としてH
effを見出してもよい。システムはまた、H
effを設計にフィードバックしてもよい。システムはまた、H
effを前提としてF
BBを見出してもよい。
図19は、上記で概説された手順の流れ図を示す。
【0122】
802.11ayの用語が使用されるが、5Gネットワークについて、SSWフレームは、ビーム選択フレームとしてセットアップされてもよく、ここで各SSWフレームは、ビーム選択参照信号またはビーム同期信号を有する。この例示の実施形態においてレスポンダは、STAとは対照的にUEを有する。
【0123】
STAからAPへの送信の場合、レスポンダTXSSおよびレスポンダRXSSは、上記で詳述されている手順において交換されたイニシエータおよびレスポンダの役割で実施されてもよい。
【0124】
SU-MIMO送信のための拡張SLS(eSLS2)による近似プリコーディング(マルチステージの方法)
例示的な拡張セクタレベルスウィープ手順および関連するフィードバックは、近似プリコーダの設計において使用されてもよい。前述されている第1の方法とは対照的に、追加のステージが前のステージを前提として最良の送信/受信セクタを識別するマルチステージ手順を仮定する。この方法は、複数のストリームが様々な送信/受信ビームを識別するものと仮定する。フィードバックシグナリングは、この設計理念に適応する。
【0125】
例示的な実施形態は、2ステージの手順を使用する。ステージ1は、最良のTx/Rxセクタを識別する。ステージ2は、ステージ1で選択されたTx/Rxセクタを前提として次に最良のTx/Rxセクタを識別する。この方法において、レスポンダフィードバックは、反復ごとにさらなる情報を追加する。例示的な手順は、
図15に示されるように、イニシエータTXSS1が各セクタの拡張SSW(eSSW)フレームを送信することで開始する。eSSWフレームは、SSWフィードバックフィールドを変更して、SLS手順の間のN個のセクタのフィードバックを可能にする。レスポンダは、そのアンテナを、次元(またはPAAまたは偏波)ごとに単一のQOパターンに設定する。レスポンダは、レスポンダにおける単一のQO受信に基づいて最良の送信セクタに関する情報を送信機にフィードバックする。このマルチステージの手順において、レスポンダフィードバックは、
図20に示されるように、ステージ1のSSWフィードバックフィールドを使用してもよい。
【0126】
イニシエータTXSS2は、TXSS1で選択されたセクタを固定して直交チャネル推定フィールドと共に拡張SSWフレームを送信し(
図15)、その間全てのその他のセクタをスウィープする。レスポンダは、そのアンテナを、TXSS1に基づいて固定された第1のQOアンテナによる2-D QOパターンに設定する。レスポンダは、レスポンダにおける2-D QO受信に基づいて最良の追加の送信セクタに関する情報を送信機にフィードバックする。レスポンダは、増分の情報をフィードバックしてもよい。1つの例示的な実施形態において、レスポンダは、
図20に示されるように、更新されたステージ2のeSSWフィードバックフィールドを使用してもよい。このプロセスは、Nに到達されるまで続行する。次いで、この手順eSLS2は、eSLS1と同様に続行する。
図21は、上記で説明されているこのプロセスの流れ図を示す。
【0127】
802.11ayの用語が使用されるが、5Gネットワークについて、SSWフレームは、ビーム選択フレームとしてセットアップされてもよく、ここで各SSWフレームは、ビーム選択参照信号またはビーム同期信号を有する。この例示の実施形態においてレスポンダは、STAとは対照的にUEを有する。
【0128】
SU-MIMO送信のための拡張SLSによる精密プリコーディング
さらなる例示的な方法は、ビーム細分化プロトコルを用いることなくセクタレベルスウィープのみからの結果を使用する精密プリコーダを実施する。eSLS1およびeSLS2において、N
BBRF重みは、チャネル線にマップすると仮定される。現実には、実際のチャネルは、N>N
BBRF重みの1次結合である。重みが結合されてもよい方法を使用して、精密なチャネルが推定されてもよく、F
RFおよびF
BBはこの精密なチャネルについて設計されてもよい。この手順は、TXSSおよびRXSSの両方を使用し、精密プリコーディングの方法に基づく。
図22は、この手順の流れ図を示す。
【0129】
実施形態において、以下のプロセスが使用されてもよい。SLS手順は、eSLS1およびeSLS2手順で示されるように実行する。次いで、Nは、NBBよりも大きくなるように設定される。あるいは、エネルギーを有する全てのビームが推定されてフィードバックされる。レスポンダは、N個の最良ビームのインデックスをフィードバックしてもよく、その間対応するQO受信次元を追跡する。このプロセスの1つの例示的な実施形態は、精密なチャネルフィードバックを行なわずにeSLS1フレームフォーマットを再使用してもよい。RXSSを実行することは、実際のチャネルの適正な推定を保証してもよい。イニシエータは、チェストモードに入って実際のチャネルを推定してもよく、
【0130】
【0131】
と仮定する、ただしZは項である。イニシエータは、チャネル推定開始フレームを送信し、ADまたはZのサイズを示すためにパラメータを送信する。イニシエータは、送信ビームをN個の選択されたビーム(~AD)に設定する。レスポンダは、受信ビームをN個の選択されたビームAAに設定する。イニシエータは、送信ベースバンドを
【0132】
【0133】
に設定する。レスポンダは、受信ベースバンドを
【0134】
【0135】
に設定する。チャネルの要素を推定し、次いでチャネルを構築するために、直交CEFを送信する。レスポンダは、有効チャネルを送信機にフィードバックする。推定開始フレームで送信されたサイズに基づいて固有の順序でZのI/Q要素をフィードバックする。送信機は、実際のチャネルを構築して、F
RFおよびF
BBを設計する。
図22は、上記で説明されたプロセスの流れ図を示す。
【0136】
802.11ayの用語が使用されるが、5Gネットワークについて、SSWフレームは、ビーム選択フレームとしてセットアップされてもよく、ここで各SSWフレームは、ビーム選択参照信号またはビーム同期信号を有する。この例示の実施形態においてレスポンダは、STAとは対照的にUEを有する。
【0137】
SU-MIMOおよびMU-MIMOハイブリッドビームフォーミングの詳細な手順およびメカニズム
ハイブリッドビームフォーミング能力
ハイブリッドビームフォーミング(HB)を実施するため、ハイブリッドビームフォーミングをサポートするSTA能力は、アソシエーション/再アソシエーション/アソシエーション解除要求/応答フレーム、ビーコンフレーム、拡張/EDMG BRPフレームなどのような、管理および/または制御フレームで指定され、搬送されてもよい。これはまた、ビームフォーミング能力要素フィールドの一部としてBRPセットアップフレーム、MU-MIMOセットアップフレーム、またはSU-MIMOセットアップフレームの一部として搬送されてもよい。たとえば、ハイブリッドビームフォーミング可能フィールドは、以下の要素またはフィールドの1つまたは複数において搬送されてもよい。
- 拡張/EDMG能力要素の拡張能力フィールド。たとえば、能力IDは、ハイブリッドビームフォーミング能力に割り当てられてもよい。ハイブリッドビームフォーミングフィールドは、将来、以下の事項を含んでもよい。
サポートされる最大送信データストリーム数
サポートされる最大受信データストリーム数
送信および受信アンテナの数
サポートされる閉ループベースバンドプリコーディング
サポートされる開ループベースバンドプリコーディング
サポートされるアンテナ/偏波選択
- 拡張またはEDMG拡張スケジュール要素
- 拡張またはEDMGビーム細分化要素
- ビームフォーミング能力フィールド要素
【0138】
あるいは、上記で説明されるハイブリッドビームフォーミングフィールドは、その他のフィールド、サブフィールド、要素、またはサブ要素に含まれてもよい。
【0139】
シングルユーザ送信におけるベースバンドビームフォーミング手順
ハイブリッドビームフォーミング送信は、送信機および受信機の両方によってセットアップおよび/またはネゴシエートされてもよい。それを行なうために、1つの実施形態において以下のステップが実行されてもよい。
- ステップ1:イニシエータとレスポンダとの間のHB能力の交換。
- ステップ2:イニシエータとレスポンダとの間の次のMIMO送信のためのHBの設定。
- ステップ3:イニシエータとレスポンダとの間のベースバンドハイブリッドビームフォーミングトレーニングおよびフィードバック。
【0140】
様々なプロトコルの実施形態において、上記のステップの一部は必須であってもよく、一部のステップは任意選択であってもよい。情報は、
図23に示されるように、SU-MIMOビームフォーミングプロトコルを変更することによって交換されてもよい。
【0141】
ハイブリッドビームフォーミング能力の交換
ハイブリッドビームフォーミング能力(ステップ1)の交換は、以下のとおりであってもよい。
- AP/PCPまたはイニシエータは、後続のSU-MIMO送信においてHBのサポートおよび/またはHBを使用する意図を示してもよい。
- STAまたはレスポンダは、後続のSU-MIMO送信においてHBをサポートする、および/またはHBの使用に合意する、および/または確認する能力を示してもよい。
【0142】
能力交換のステップは、AP/PCPと非AP/PCP STAとの間で、ビーコン/アソシエーションステージ(たとえば、ビーコンフレーム送信)において生じてもよい。非AP/PCP STAの間の送信の場合、能力交換は、AP/PCPを通じて実行されてもよい。たとえば、AP/PCPは、拡張/EDMG拡張スケジュール要素にHB能力を含んでもよく、これはSTA間の割り振りをスケジュールするために使用されてもよい。あるいは、能力交換は、
図23に示されるように、SU-MIMOビームフォーミングプロトコルを変更することによって割り振りにおいて実行されてもよい。
【0143】
一部の実施形態において、能力交換は、AP/PCPと非AP/PCP STAおよび/または信号伝達された拡張/EDMG拡張スケジュール要素との間で、ビーコン/アソシエーションステージ(たとえば、ビーコンフレーム送信)によって搬送されてもよい。
【0144】
一部の実施形態において、能力交換は、イニシエータおよびレスポンダによって送信されるMIMOセットアップフレームによって搬送されてもよい。たとえば、以下のフィールドはMIMOセットアップフレームに追加されてもよい。
- サポートされるHB:このフィールドは、STAがHBトレーニング、フィードバック、および送信をサポートしてもよいことを示すために使用されてもよい。このビットが設定されると、STAは、HB送信を使用してその他のSTAと通信することを検討してもよい。HB送信を使用するかどうかは、将来のトレーニング結果次第であってもよく、将来信号伝達されてもよい。たとえば、HB送信は、SU-MIMOフィードバックサブフェーズにおいて確認されてもよい。SU-MIMOによるHBおよびMU-MIMOによるHBを示すために別個のビットが使用されてもよい(
図24を参照)か、または両方を示すためにシングルビットが使用されてもよい(
図25を参照)。
図24は、MIMOセットアップフレーム(別個のシグナリング)の一部として搬送されるビームフォーミング能力フレームフォーマットを示す。
図25は、MIMOセットアップフレーム(シングルビットシグナリング)の一部として搬送されるビームフォーミング能力フレームフォーマットを示す。
【0145】
一部の実施形態において、能力交換は、イニシエータおよびレスポンダによって送信されるMIMOフィードバックフレームによって搬送されてもよい。たとえば、以下のフィールドはMIMOフィードバックフレームに追加されてもよい。
- サポートされるHB:このフィールドは、STAがHBトレーニング、フィードバック、および送信をサポートしてもよいことを示すために使用されてもよい。このビットが設定されると、STAは、HB送信を使用してその他のSTAと通信することを検討してもよい。STAは、SU-MIMOフィードバックサブフェーズの後に、HB送信をトレーニングおよび信号伝達するための特別なトレーニングステップを行なってもよい。SU-MIMOによるHBおよびMU-MIMOによるHBの使用を示すために別個のビットが使用されてもよいか、または両方を示すためにシングルビットが使用されてもよい。
ハイブリッドビームフォーミング送信のセットアップ
【0146】
HBセットアップ(ステップ2)は、1つの実施形態において以下のように実行されてもよい。
- AP/PCPまたはイニシエータは、後続のSU-MIMO送信においてHBを使用する意図を示してもよい。
- STAまたはレスポンダは、後続のSU-MIMO送信においてHBを使用することを確認してもよい。
HBセットアップ交換は、
図23に示されるように、SU-MIMOビームフォーミングプロトコルを変更することによって実行されてもよい。
【0147】
一部の実施形態において、HBセットアップ交換は、イニシエータおよびレスポンダによって送信されるMIMOセットアップフレームによって搬送されてもよい。たとえば、以下のフィールドはMIMOセットアップフレームに追加されてもよい。
- 使用されるHB:このフィールドは、STAがHB送信を使用してピアSTAと通信するよう意図してもよいことを示すために使用されてもよい。
1つの実施形態において、HB送信は、イニシエータによって決定されてもよく、たとえばレスポンダのHB能力はイニシエータ側において使用可能である。イニシエータは、HB送信をレスポンダに信号伝達するためにこのビットを設定してもよい。イニシエータおよびレスポンダはいずれも、MIMOセットアップフレームの交換後、およびHB MIMO送信の前に、ベースバンドBFトレーニングを準備してもよい。イニシエータとレスポンダとの間の後続のMIMO送信は、HB MIMO送信であってもよいが、その他のシグナリングが後にHBシグナリングを上書きする場合を除く。
もう1つの実施形態おいて、HB送信は、イニシエータとレスポンダとの間でネゴシエートされてもよい。イニシエータは、レスポンダへのHB送信を提案するためにこのビットを設定してもよい。レスポンダは、HB送信を確認または拒否するために応答してもよい。後続のMIMOトレーニング交換、たとえばI-SMTおよびR-SMT交換は、イニシエータによって送信されるMIMOセットアップフレームの設定に従ってもよい。イニシエータとレスポンダとの間の後続のMIMO送信は、イニシエータおよびレスポンダが共に合意するHB MIMO送信であってもよい。
- ベースバンドプリコーディングタイプ:このフィールドは、使用されるベースバンドプリコーディングタイプを示すために使用されてもよい。たとえば、アンテナ/偏波選択、閉ループプリコーディング、開ループプリコーディングのようなベースバンドプリコーディングが信号伝達されてもよい。この情報は、レスポンダがその受信ビーム/セクタ/AVWをそれに応じて準備してもよいように信号伝達されてもよい。加えて、レスポンダは、望ましいベースバンドプリコーディングを実施するために使用されるフィードバックのタイプを準備してもよい。たとえば、
開ループプリコーディング:フィードバック不要
アンテナ/偏波選択:最良のアンテナ/偏波インデックスのフィードバックが提供される
閉ループプリコーディング:ベースバンドチャネル要素のフィードバックが提供される
- フィードバックタイプ:このフィールドは、送信機によって所望のフィードバックタイプを示すために使用されてもよい。イニシエータは、ベースバンドプリコーディングタイプではなくフィードバックタイプを要求してもよいことに留意されたい。またイニシエータおよびレスポンダは、望ましいベースバンドプリコーダタイプおよび/またはフィードバックタイプをネゴシエートしてもよいことに留意されたい。
【0148】
1つの実施形態において、HBセットアップ交換は、イニシエータおよびレスポンダによって送信されるMIMOフィードバックフレームによって搬送されてもよい。たとえば、以下のフィールドはMIMOフィードバックフレームに追加されてもよい。
- 使用されるHB:このフィールドは、STAがHB送信を使用してペアSTAと通信するよう意図してもよいことを示すために使用されてもよい。
- ベースバンドプリコーディングタイプ:このフィールドは、使用されるベースバンドプリコーディングタイプを示すために使用されてもよい。たとえば、アンテナ/偏波選択、閉ループプリコーディング、開ループプリコーディングのようなベースバンドプリコーディングが信号伝達されてもよい。これは、レスポンダがその受信ビーム/セクタ/AVWをそれに応じて準備してもよいように信号伝達されてもよいことに留意されたい。たとえばフィードバックタイプのような、MIMOセットアップフレームによって送信されるシグナリングと類似するシグナリングもまた、送信されてもよい。
【0149】
ベースバンドビームトレーニングおよびフィードバック
ベースバンドビームトレーニングおよびフィードバック(ステップ3)は以下のようなものであってもよい。
- AP/PCPまたはイニシエータは、トレーニングフレームを送信してベースバンドチャネルをサウンディングし、ベースバンドチャネル情報フィードバックを要求してもよい。ベースバンドチャネル情報は、使用されるベースバンドプリコーディング方式に応じて、完全チャネル状態情報(CSI)または部分(CSI)であってもよい。
- STAまたはレスポンダは、AP/PCPまたはイニシエータによって要求されたベースバンドチャネル情報をフィードバックしてもよい。
【0150】
(
図26A~
図26Cに示されるように)トレーニングフレームは、以下のうちの1つまたは複数であってもよい。
- フレームの終わりに限定CEFフィールドが付加されているフレーム。拡張またはEDMGヘッダにおいて、フィールドは、使用される付加CEFフィールドおよび付加CEFフィールドの数を示すために使用されてもよい(
図26Aに示されるトレーニングパケット)。
この場合、イニシエータまたは送信機は、付加CEFフレームの送信の間にそのベースバンドプリコーダを識別に設定して、受信機が実際のベースバンドチャネルを測定できることを保証する。
- 特別CEFフィールドを備えるフレーム。たとえば、シングルストリーム送信を伴うPPDUは通常、1つのCEFフィールドを搬送してもよい。しかし、ベースバンドチャネルサウンディングを実行するため、特別CEFフィールドは、現行PPDUのデータフィールドを復号するために使用されてもよいCEFフィールドの直後に付加されてもよい。拡張またはEDMGヘッダにおいて、フィールドは、使用される特別CEFフィールドおよび特別CEFフィールドの数を示すために使用されてもよい(
図26Bに示されるトレーニングパケット)。
この場合、イニシエータまたは送信機は、フレームの送信の間にそのベースバンドプリコーダを識別に設定して、受信機が実際のベースバンドチャネルを測定できることを保証する。
- トレーニングシーケンスがフレームの終わりに付加されてもよいBRPフレーム(
図26Cに示されるトレーニングパケット)。
この場合、イニシエータまたは送信機は、付加シーケンスの送信の間にそのベースバンドプリコーダを識別に設定して、受信機が実際のベースバンドチャネルを測定できることを保証してもよい。
【0151】
ベースバンドビームトレーニングおよびフィードバックは、
図23に示されるように、SU-MIMOビームフォーミングプロトコルを変更することによって実行されてもよい。
【0152】
1つの実施形態において、ベースバンドビームトレーニングおよびフィードバックは、イニシエータおよびレスポンダによって送信されるMIMOフィードバックフレームによって実行されてもよい。MIMOフィードバックフレームを搬送してもよいPPDUは、先に説明されたトレーニングフレームフォーマットに従ってもよい。以下のフィールドはMIMOセットアップフレームに追加されてもよい。
- ベースバンドプリコーディングタイプ:このフィールドは、使用されるベースバンドプリコーディングタイプを示すために使用されてもよい。たとえば、アンテナ/偏波選択、閉ループプリコーディング、開ループプリコーディングのようなベースバンドプリコーディングが信号伝達されてもよい。これは、レスポンダがその受信ビーム/セクタ/AVWをそれに応じて準備してもよいようにするために信号伝達されてもよいことに留意されたい。
- ベースバンドフィードバック要求:このフィールドは、特定のタイプのチャネル状態情報フィードバックが要求されてもよいことを示すために使用されてもよい。たとえば、完全CSIフィードバック、部分CSIフィードバックなどである。
- ベースバンドフィードバック応答:このフィールドは、イニシエータによって要求されるチャネル状態情報フィードバックを搬送するために使用されてもよい。
- ビット(たとえば、方向ビット)は、フードバック要求またはフィードバック応答がフレームで搬送されてもよいかどうかを示すために設定されてもよい。
【0153】
図27は、SU-MIMOハイブリッドビームフォーミングの例示的なプロトコルを示す。
【0154】
マルチユーザ送信におけるベースバンドビームフォーミング手順
ハイブリッドビームフォーミング送信は、イニシエータおよびレスポンダの両方によってセットアップおよび/またはネゴシエートされてもよい。それを行なうために、以下のステップが実行されてもよい。
- ステップ1:イニシエータとレスポンダとの間のHB能力の交換。
- ステップ2:イニシエータとレスポンダとの間の次のMIMO送信のためのHBの設定。
- ステップ3:イニシエータとレスポンダとの間のベースバンドビームフォーミングトレーニングおよびフィードバック。
【0155】
例示的なプロトコルの様々な実施形態において、一部のステップは必須であってもよく、一部のステップは任意選択であってもよい。情報は、
図28Aおよび
図28Bに示されるように、SU-MIMOビームフォーミングプロトコルを変更することによって交換されてもよい。
【0156】
ハイブリッドビームフォーミング能力の交換
ハイブリッドビームフォーミング能力(ステップ1)の交換は、以下のように進行してもよい。
- AP/PCPは、後続のMU-MIMO送信においてHBのサポートおよび/またはHBを使用する意図を示してもよい。
- STAまたはレスポンダは、後続のMU-MIMO送信においてHBをサポートする、および/またはHBの使用に合意する、および/または確認する能力を示してもよい。
【0157】
能力交換のステップは、AP/PCPと非AP/PCP STAとの間で、ビーコン/アソシエーションステージ(たとえば、ビーコンフレーム送信)において生じてもよい。あるいは、AP/PCPは、拡張/EDMG拡張スケジュール要素にHB能力を含んでもよく、これはSTA間の割り振りをスケジュールするために使用されてもよい。あるいは、能力交換は、
図28Aおよび
図28Bに示されるように、MU-MIMOビームフォーミングプロトコルを変更することによって割り振りにおいて実行されてもよい。
【0158】
1つの実施形態において、能力交換は、AP/PCPと非AP/PCP STAおよび/または信号伝達された拡張/EDMG拡張スケジュール要素との間で、ビーコン/アソシエーションステージ(たとえば、ビーコンフレーム送信)において搬送されてもよい。
【0159】
1つの実施形態において、能力交換は、イニシエータおよびレスポンダによって送信されるMU-MIMO BFセットアップフレームによって搬送されてもよい。たとえば、以下のフィールドはMIMOセットアップフレームに追加されてもよい。
- サポートされるHB:このフィールドは、STAがHBトレーニング、フィードバック、および送信をサポートしてもよいことを示すために使用されてもよい。このビットが設定されると、STAは、HB送信を使用してその他のSTAと通信することを検討してもよい。HB送信を使用するかどうかは、将来のトレーニング結果次第であってもよく、将来信号伝達されてもよい。たとえば、HB送信は、MU-MIMOフィードバックサブフェーズにおいて確認されてもよい。SU-MIMOによるHBおよびMU-MIMOによるHBに別個のビットが使用されてもよい(
図29を参照)か、または両方にシングルビットが使用されてもよい(
図30を参照)。
図29は、MIMOセットアップフレーム(別個のシグナリング)の一部として搬送されるビームフォーミング能力フレームフォーマットを示す。
図30は、MIMOセットアップフレーム(別個のシグナリング)の一部として搬送されるビームフォーミング能力フレームフォーマットを示す。
【0160】
1つの実施形態において、能力交換は、イニシエータおよびレスポンダによって送信されるMU-MIMOフィードバックポーリングおよびフィードバックフレームによって搬送されてもよい。たとえば、以下のフィールドはMIMOフィードバックポーリングおよび/またはフィードバックフレームに追加されてもよい。
- サポートされるHB:このフィールドは、STAがHBトレーニングおよび送信をサポートしてもよいことを示すために使用されてもよい。このビットが設定されると、STAは、HB送信を使用してその他のSTAと通信することを検討してもよい。STAは、MU-MIMOフィードバックサブフェーズの後に、HB送信をトレーニングおよび信号伝達するための特別なベースバンドトレーニングステップを行なってもよい。たとえば、MU-MIMO選択サブフェーズの後である。
【0161】
1つの実施形態において、AP/PCPは、全てがHBフィードバックをサポートするSTAでHBを開始することができるだけであってもよい。HBをサポートしないSTAは、HB送信でグループ化されないこともある。
【0162】
ハイブリッドビームフォーミング送信のセットアップ
HBセットアップ(ステップ2)は、以下のように実行されてもよい。
- AP/PCPは、後続のMU-MIMO送信においてHBを使用する意図を示してもよい。
- STAまたはレスポンダは、後続のMU-MIMO送信においてHBを使用することを確認してもよい。
【0163】
HBセットアップ交換は、
図23に示されるように、SU-MIMOビームフォーミングプロトコルを変更することによって実行されてもよい。
【0164】
1つの実施形態において、HBセットアップ交換は、イニシエータおよびレスポンダによって送信されるMU-MIMOセットアップフレームによって搬送されてもよい。たとえば、以下のフィールドはMIMOセットアップフレームに追加されてもよい。
- 使用されるHB:このフィールドは、STAがHB送信を使用してピアSTAと通信するよう意図してもよいことを示すために使用されてもよい。
1つの実施形態において、HB送信は、イニシエータによって決定されてもよい(レスポンダのHB能力はイニシエータ側において使用可能であってもよい)。イニシエータは、HB送信をレスポンダに信号伝達するためにこのビットを設定してもよい。イニシエータおよびレスポンダはいずれも、MU-MIMOセットアップフレームの交換後、およびHB MU-MIMO送信の前に、ベースバンドBFトレーニングを準備してもよい。イニシエータとレスポンダとの間の後続のMU-MIMO送信は、HB MIMO送信であってもよいが、その他のシグナリングが後にHBシグナリングを上書きする場合を除く。
もう1つの実施形態において、HB送信は、イニシエータとレスポンダとの間でネゴシエートされてもよい。イニシエータは、レスポンダのグループへのHB送信を提案するためにこのビットを設定してもよい。各レスポンダは、HB送信を確認または拒否するために応答してもよい。後続のMIMOトレーニング交換、たとえばMU-MIMO BFトレーニングおよびMU-MIMO FBポーリング/FB交換は、イニシエータによって送信されるMIMOセットアップフレームの設定に従ってもよい。イニシエータは、レスポンダのグループからの応答を考慮して、MU-MIMOユーザ選択を実行してもよい。後続のMU-MIMO送信は、以前トレーニングされたユーザのサブセット内で実行されてもよい。HB MU-MIMO送信は、イニシエータおよびレスポンダの両方が合意してもよい場合に実行されてもよい。
- ベースバンドプリコーディングタイプ:このフィールドは、使用されるベースバンドプリコーディングタイプを示すために使用されてもよい。たとえば、アンテナ/偏波選択、閉ループプリコーディング、開ループプリコーディングのようなベースバンドプリコーディングが信号伝達されてもよい。シグナリングは、ユーザベースであるか、またはユーザのグループ間で共通であってもよい。これは、レスポンダがその受信ビーム/セクタ/AVWをそれに応じて準備してもよいように信号伝達されてもよいことに留意されたい。加えて、レスポンダは、望ましいベースバンドプリコーディングを実施するために使用されるフィードバックのタイプを準備してもよい。たとえば、
開ループプリコーディング:フィードバック不要
アンテナ/偏波選択:最良のアンテナ/偏波インデックスのフィードバックが必要とされる
閉ループプリコーディング:ベースバンドチャネル要素のフィードバックが必要とされる
- フィードバックタイプ:このフィールドは、送信機によって所望のフィードバックタイプを示すために使用されてもよい。イニシエータは、ベースバンドプリコーディングタイプではなくフィードバックタイプを要求してもよいことに留意されたい。またイニシエータおよびレスポンダは、望ましいベースバンドプリコーダタイプおよび/またはフィードバックタイプをネゴシエートしてもよいことに留意されたい。
【0165】
1つの実施形態において、HBセットアップ交換は、イニシエータおよびレスポンダによって送信されるMU-MIMOフィードバックポーリングおよびFBフレームによって搬送されてもよい。たとえば、以下のフィールドはMU-MIMOフィードバックポーリングおよび/またはFBフレームに追加されてもよい。
- 使用されるHB:このフィールドは、STAがHB送信を使用してペアSTAと通信するよう意図してもよいことを示すために使用されてもよい。
- ベースバンドプリコーディングタイプ:このフィールドは、使用されるベースバンドプリコーディングタイプを示すために使用されてもよい。たとえば、アンテナ/偏波選択、閉ループプリコーディング、開ループプリコーディングのようなベースバンドプリコーディングが信号伝達されてもよい。シグナリングは、ユーザベースであるか、またはユーザのグループ間で共通であってもよい。これは、レスポンダがその受信ビーム/セクタ/AVWをそれに応じて準備してもよいように信号伝達されてもよい。
【0166】
ベースバンドビームトレーニングおよびフィードバック
ベースバンドビームトレーニングおよびフィードバック(ステップ3)は以下のように実行されてもよい。
- AP/PCPは、トレーニングフレームを送信して各レスポンダのベースバンドチャネルをサウンディングし、ベースバンドチャネル情報フィードバックを要求してもよい。ベースバンドチャネル情報は、使用されるベースバンドプリコーディング方式に応じて、完全チャネル状態情報(CSI)または部分(CSI)であってもよい。
- STAまたはレスポンダは、AP/PCPまたはイニシエータによって要求されたベースバンドチャネル情報をフィードバックしてもよい。
【0167】
(
図26A~
図26Cに示されるように)トレーニングフレームは、以下のようなものであってもよい。
- フレームの終わりに限定CEFフィールドが付加されているフレーム。拡張またはEDMGヘッダにおいて、フィールドは、使用される付加CEFフィールドおよび付加CEFフィールドの数を示すために使用されてもよい。
- 特別CEFフィールドを備えるフレーム。たとえば、シングルストリーム送信を伴うPPDUは通常、1つのCEFフィールドを搬送してもよい。しかし、ベースバンドチャネルサウンディングを実行するため、特別CEFフィールドは、現行PPDUのデータフィールドを復号するために使用されてもよいCEFフィールドの直後に付加されてもよい。拡張またはEDMGヘッダにおいて、フィールドは、使用される特別CEFフィールドおよび特別CEFフィールドの数を示すために使用されてもよい。
- トレーニングシーケンスがフレームの終わりに付加されてもよいBRPフレーム。
【0168】
ベースバンドビームトレーニングおよびフィードバックは、
図28Aおよび
図28Bに示されるように、MU-MIMOビームフォーミングプロトコルを変更することによって実行されてもよい。
【0169】
1つの実施形態において、(
図28Aに示される)第1の手法の場合、ベースバンドビームトレーニングおよびフィードバックは、イニシエータおよびレスポンダによって送信されるMU-MIMOフィードバックポーリングおよびフィードバックフレームによって実行されてもよい。MU-MIMO FBポーリングおよびFBフレームを搬送してもよいPPDUは、本明細書において開示されるトレーニングフレームフォーマットに従ってもよい。以下のフィールドはMU-MIMO FBポーリングおよび/またはFBフレームに追加されてもよい。
- ベースバンドプリコーディングタイプ:このフィールドは、使用されるベースバンドプリコーディングタイプを示すために使用されてもよい。たとえば、アンテナ/偏波選択、閉ループプリコーディング、開ループプリコーディングのようなベースバンドプリコーディングが信号伝達されてもよい。シグナリングは、ユーザベースであるか、またはユーザのグループ間で共通であってもよい。これは、レスポンダがその受信ビーム/セクタ/AVWをそれに応じて準備する必要があってもよいので、信号伝達される必要があってもよい。このフィールドはMU-MIMO FBポーリングおよび/またはFBフレームにあってもよいことに留意されたい。
- ベースバンドフィードバック要求:このフィールドは、特定のタイプのチャネル状態情報フィードバックが要求されてもよいことを示すために使用されてもよい。たとえば、完全CSIフィードバック、部分CSIフィードバックなどである。このフィールドは、MU-MIMO FBポーリングフレームにあってもよい。
- ベースバンドフィードバック応答:このフィールドは、イニシエータによって要求されるチャネル状態情報フィードバックを搬送するために使用されてもよい。このフィールドは、MU-MIMO FBフレームにあってもよい。
- あるいは、共通のMU-MIMO FBフレームが指定されてもよく、ビット(たとえば、方向ビット)は、フレームがフィードバック要求によるFBポーリングまたはフィードバック応答によるFBとして使用されるどうかを示すために設定されてもよい。
【0170】
もう1つの実施形態において、(
図28Bに示される)第2の手法の場合、ベースバンドビームトレーニングおよびフィードバックは、MU-MIMO選択サブフェーズの後に実行されてもよい。詳細な手順は、以下のように実行されてもよい。
- AP/PCPは、MU-MIMO選択フレームでHBを示してもよく、ユーザのサブセットがMU-MIMO送信を将来実行するために選択されてもよい。たとえば、MU-MIMO選択フレームにおいて、以下のうちの1つまたは複数が使用されてもよい。
「使用されるHB」フィールドは、HB MU-MIMO送信を示すためにMU-MIMO選択フレームで搬送されてもよい。
ベースバンドサウンディング/トレーニング要求フィールドは、特別ベースバンドチャネルサウンディングおよびフィードバックの要求を示してもよい。
ベースバンドフィードバック要求:このフィールドは、特定のタイプのチャネル状態情報フィードバック、たとえば完全CSIフィードバック、部分CSIフィードバックなどが要求されてもよいことを示すために使用されてもよい。このフィールドは、MU-MIMO FBポーリングフレームにあってもよい。例示的なMU-MIMO選択フレームは、
図31に示される。
- 1つの実施形態において、AP/PCPは、セクションで開示されるように、MU-MIMO選択フレームの送信後xIFS回トレーニングフレームを送信してもよい。トレーニングフレームには、ベースバンドフィードバック要求フィールドが含まれてもよい。CEF/TRNフィールドを伴う別個のフレームは、
図32に示される。
- 1つの実施形態において、AP/PCPは、MU-MIMO選択フレームをトレーニングフレームとして使用してもよい。特別CEFフィールド/TRNフィールドは、MU-MIMO選択フレームに挿入されるかまたは付加されてもよい。パラメータおよびCEF/TRNを伴う例示的なMU-MIMO選択フレームは、
図33に示される。
- 第1のSTAは、MU-MIMO選択フレームまたはトレーニングフレームの受信後xIFS回ベースバンドフィードバックフレームを送信してもよい。その他のSTAは、AP/PCPからのポーリングを待ち、それらのフィードバックフレームを送信してもよい。フィードバックフレームにおいて、チャネル状態情報フィードバックは、イニシエータによって要求されたように送信されてもよい。
- 1つの実施形態において、複数のSTAが、ポーリング時間の間に別個の周波数にわたり、たとえばチャネル結合またはUL OFDMAで、同時に情報をフィードバックしてもよい。
【0171】
1つの実施形態において、限定アナログによる第3の手法の場合、ベースバンドビームトレーニングおよびフィードバックは、MU-MIMO選択サブフェーズの後に実行されてもよい。詳細な手順は、以下のように実行されてもよい。
- AP/PCPは、MU-MIMO選択フレームでHBを示してもよく、ユーザのサブセットがMU-MIMO送信を将来実行するために選択されてもよい。たとえば、MU-MIMO選択フレームにおいて、以下のうちの1つまたは複数が使用されてもよい。
「使用されるHB」フィールドは、HB MU-MIMO送信を示すためにMU-MIMO選択フレームで搬送されてもよい。
アナログおよびベースバンドサウンディング/トレーニング要求フィールドは、特別ベースバンドチャネルサウンディングおよびフィードバックの要求を示してもよい。
ベースバンドフィードバック要求:このフィールドは、特定のタイプのチャネル状態情報フィードバック、たとえば完全CSIフィードバック、部分CSIフィードバックなどが要求されてもよいことを示すために使用されてもよい。このフィールドは、MU-MIMO FBポーリングフレームにあってもよい。例示的なMU-MIMO選択フレームは、
図31に示される。
- 1つの実施形態において、AP/PCPは、セクションで開示されるように、MU-MIMO選択フレームの送信後xIFS回トレーニングフレームを送信してもよい。トレーニングフレームには、ベースバンドフィードバック要求フィールドが含まれてもよい。CEF/TRNフィールドを伴う別個のフレームは
図32に示される。
- 1つの実施形態において、AP/PCPは、MU-MIMO選択フレームをトレーニングフレームとして使用してもよい。特別CEFフィールド/TRNフィールドは、MU-MIMO選択フレームに挿入されるかまたは付加されてもよい。パラメータおよびCEF/TRNを伴う例示的なMU-MIMO選択フレームは、
図33に示される。
- 第1のSTAは、MU-MIMO選択フレームまたはトレーニングフレームの受信後xIFS回結合アナログおよびベースバンドフィードバックフレームを送信してもよい。その他のSTAは、AP/PCPからのポーリングを待ち、それらのフィードバックフレームを送信してもよい。フィードバックフレームにおいて、チャネル状態情報フィードバックは、イニシエータによって要求されたように送信されてもよい。
【0172】
1つの実施形態において、複数のSTAが、ポーリング時間の間に別個の周波数にわたり、たとえばチャネル結合またはUL OFDMAで、同時に情報をフィードバックしてもよい。
【0173】
図34に示される、例示的な実施形態において、第1の手法は、BFセットアップとMU-MIMO選択との間に変更がない場合のシナリオにおいて使用される。MU-MIMO FBポーリングは、全てのチャネル詳細をフィードバックしてもよく、プロトコルは、セットアップの間に詳細なフィードバックが必要であることを示してもよい。
【0174】
図35に示される、第2および第3の手法は、BFセットアップからMU-MIMO選択に構成の変更があるシナリオ、たとえばMU-MIMO選択フレームによって固有のMU-MIMO送信で選択されたSTAが、MU-MIMO BFトレーニングで探索されたSTAのサブセットであり、その位相で決定されたおよびアナログビームが依然として使用される場合に使用されてもよい。あるいは、第2の手法は、MU-MIMO BFトレーニングが、(フィードバックオーバヘッドを制限し、必要なアナログビームを識別して)MU-MIMO選択のみに必要とされる情報をフィードバックし、次いで選択されたアナログビームを使用してもよいシナリオにおいて使用されてもよい。
【0175】
SU-MIMOに使用される第2の手法において:SU-MIMOプロトコルのMIMOフィードバックは、複合SU-MIMO情報、たとえば相互情報に限定されて、MIMOフィードバックオーバヘッドを制限してもよい。次いで、SU-MIMO選択フレームは、望ましいSU-MIMO構成を選択するためにレスポンダに送信されてもよい。次いで、結果のベースバンドチャネルの情報要求は、SU-MIMO選択フレームの後、ハイブリッドプリコーディングに必要とされるベースバンド情報を取得するためにレスポンダに送信されてもよい。手順は、上記で説明されるように実行されてもよく、
図36に示される。
【0176】
802.11ayにおけるSU-MIMOおよびMU-MIMOのハイブリッドプリコーディング
ハイブリッドプリコーディングは、アナログビームフォーミングとデジタルベースバンドビームフォーミングの組合せである。送信された信号xと受信された信号Yとの間の関係は、次のように表すことができる。
Y=FArH FAtFBBx+n;HBB=FArH FAt
【0177】
ただし、H=TxとRxアンテナとの間のチャネルであり、n=加法性ホワイトノイズであり、HBB=有効ベースバンドチャネル、つまりアナログビームフォーマと実際のチャネルの組合せに基づくチャネルであり、FAt=送信アナログビームフォーマであり、FAr=受信アナログビームフォーマであり、FBB=ベースバンドビームフォーマである。
【0178】
ハイブリッドプリコーダの要素は、合同で、または直列して構成されてもよい。
【0179】
合同構成(joint configuration)において、アナログおよびデジタルベースバンドビームフォーマは、同時に計算されてもよい。
【0180】
直列構成(serial configuration)において、アナログビームフォーマは、SU-MIMOまたはMU-MIMOビームフォーミングセットアップの間に、または可能なビームの有限集合を考慮することによって選択されてもよい。アナログビームが定義された後、送信機は、定義されたビームを使用して送信機と受信機との間のベースバンドチャネル情報を取得し、ベースバンドビームフォーマを計算してもよい。
【0181】
ハイブリッドプリコーディングを可能にするため、送信機および受信機は、ビームフォーミング能力フィールドで能力情報を交換してもよい。次いで、送信機は、ベースバンドチャネル情報を取得(するかまたは要求)し、この情報を使用してハイブリッドプリコーダを構成してもよい。
【0182】
送信機は、以下のうちの1つまたは複数を使用してベースバンドチャネル情報を取得(するかまたは要求)してもよい。
- 送信機は、以下のことを行なうことによって、SU-MIMOまたはMU-MIMOビームフォーミングセットアップの間にチャネルを取得してもよい。
SU-MIMOビームフォーミングセットアップのMIMO位相の間に送信機へのSCモードの時間領域チャネル応答またはOFDMモードの周波数領域チャネル応答のフィードバックを要求すること。
- SU-MIMOハイブリッドビームフォーミングをサポートするため、レスポンダがレスポンダリンクの意志決定者である場合、レスポンダMIMO BFフィードバックフレームは、SCモードの時間領域チャネルフィードバックまたはOFDMモードの周波数領域チャネルフィードバックの形態でレスポンダSMBTサブフェーズのSU-MIMOビームフォーミングトレーニングフィードバックを含んでもよい。
- SU-MIMOハイブリッドビームフォーミングをサポートするため、イニシエータがイニシエータリンクの意志決定者である場合、イニシエータMIMO BFフィードバックフレームは、SCモードの時間領域チャネルフィードバックまたはOFDMモードの周波数領域チャネルフィードバックの形態でイニシエータSMBTサブフェーズのSU-MIMOビームフォーミングトレーニングフィードバックを含んでもよい。
MU-MIMOビームフォーミングセットアップのMIMO位相の間に送信機へのSCモードの時間領域チャネル応答またはOFDMモードの周波数領域チャネル応答のフィードバックを要求すること。
- MIMO BFフィードバックフレームは、ハイブリッドビームフォーミングをサポートするための関連品質に加えてSCモードの時間領域チャネル応答またはOFDMモードの周波数領域チャネルフィードバックをフィードバックしてもよい。
- MU-MIMOハイブリッドビームフォーミングをサポートするため、MU-MIMO BFフィードバックフレームは、SCモードの時間領域チャネルフィードバックまたはOFDMモードの周波数領域チャネルフィードバックの形態でMU-MIMOビームフォーミングトレーニングフィードバックを含んでもよい。
- 送信機は、以下のことを行なうことによって、アナログトラッキングまたはデジタルベースバンドトラッキングを使用してデータ送信の間にチャネルを取得してもよい。
送信機からのチャネルを測定しフィードバックすることによって、SCモードの時間領域チャネル応答またはOFDMモードの周波数領域チャネル応答の推定を要求すること。チャネルは、EDMGイニシエータ送信ビームトラッキング手順を使用することによって測定されてもよい。
- ベースバンドEDMGイニシエータ送信ビームトラッキングの1つの実施形態について、
図37に示されるように、イニシエータは、トレーニングパケットを受信機に送信し、受信機は、望ましいフィードバック(最良ビーム、有効チャネルなど)をフィードバックする。
送信機へのリバースチャネルを測定することによって、SCモードの時間領域チャネル応答またはOFDMモードの周波数領域チャネル応答の推定を要求すること。チャネルは、EDMGレスポンダ送信ビームトラッキングまたはEDMGイニシエータ受信ビームトラッキングを使用することによって測定されてもよい。これはチャネル相互関係を仮定する。
- ベースバンドEDMGイニシエータ受信ビームトラッキングの1つの実施形態について、
図38に示されるように、イニシエータは、要求をレスポンダに送信し、レスポンダは、イニシエータがその受信ビームを推定できるようにトラッキングパケットを送信する。
【0183】
図39は、ビームフォーミング能力フィールドフォーマットの1つの実施形態を示す。示されるフィールドフォーマットにおいて、サポートされるハイブリッドビームフォーミングフィールドは、10.38.9.2.4 MU-MIMOビームフォーミングに説明されるハイブリッドビームフォーミングプロトコルを含むハイブリッドビームフォーミングプロトコルをSTAがサポートすることを示すために、1に設定されてもよい。それ以外の場合、このフィールドは、0に設定されてもよい。
【0184】
追加の実施形態。実施形態において、第1の送受信機において実行される方法であって、方法は、第1の送受信機と第2の送受信機との間の有効チャネルの推定H_effを決定するステップと、推定された有効チャネルに基づいて最適なプリコーダF_optを計算するステップと、||F_opt-F_RF*F_BB||2の値を最小にするアナログプリコーダF_RFおよびデジタルプリコーダF_BBを選択するステップとを備える。
【0185】
実施形態において、第1の送受信機において実行される方法であって、方法は、アナログプリコーダF_RFを選択するステップと、アナログプリコーダF_RFを前提として、第1の送受信機と第2の送受信機との間の有効チャネルの推定H_effを決定するステップと、有効チャネルH_effに基づいてデジタルプリコーダF_BBを選択するステップとを備える。方法は、第1の送受信機と第2の送受信機との間のチャネルの機能に基づいてアナログプリコーダが選択されることを含んでもよい。方法は、第1の送受信機と第2の送受信機との間のチャネルの信号対雑音比に基づいてアナログプリコーダが選択されることを含んでもよい。方法は、アナログプリコーダF_RFの選択が、ビームスウィープ手順を使用して実行されることを含んでもよい。方法は、アナログビームスウィープ手順が、拡張セクタレベルスウィープ(eSLS)を使用して実施されることを含んでもよい。方法は、アナログビームスウィープ手順が、拡張セクタレベルスウィープ(eSLS)および拡張ビーム細分化プロトコル(BRP)手順の組合せを使用して実施されることを含んでもよい。方法は、アナログプリコーダF_RFの選択が、ビームベースの取得手順を使用して実行されることを含んでもよい。方法は、有効チャネルの推定H_effを決定するステップが、Nをストリームの数として、N直交チャネル推定フィールドを伴うmmWaveヌルデータパケットを送信するステップを備えることを含んでもよい。方法は、有効チャネルの推定H_effを決定するステップが、ビームフォーミングされたチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)を送信するステップを備えることを含んでもよい。
【0186】
実施形態において、方法は、ネットワークエンティティにおいて、疑似オムニアンテナパターンを生成するようにアンテナ加重ベクトルを構成するステップと、多周波数トレーニング信号をネットワークエンティティのアンテナから送信するステップと、ユーザエンティティにおいて、漏洩波アンテナでトレーニング信号を受信するステップと、受信されたトレーニング信号で、最大振幅を伴う周波数を識別するステップと、最大振幅を伴う周波数に基づいてトレーニング信号の到来角を決定するステップとを備える。
【0187】
実施形態において、漏洩波アンテナを有するユーザエンティティによって実行される方法であって、方法は、多周波数トレーニング信号を漏洩波アンテナにおいてネットワークエンティティから受信するステップと、受信されたトレーニング信号で、最大振幅を伴う周波数を識別するステップと、最大振幅を伴う周波数に基づいてトレーニング信号の到来角を決定するステップとを備える。方法は、最大振幅を伴う周波数を識別するステップが、受信されたトレーニング信号に離散フーリエ変換を実行するステップを備えることを含んでもよい。方法は、離散フーリエ変換に基づいてユーザエンティティとネットワークエンティティとの間のチャネルをさらに推定するステップを含んでもよい。方法は、到来角を決定するステップが、周波数を走査角にマップするルックアップテーブルを調べるステップを備えることを含んでもよい。方法は、決定された到来角に対応するようにユーザエンティティのアンテナベクトルをさらに構成するステップを含んでもよい。
【0188】
実施形態において、ネットワークエンティティにおいて実行される方法であって、方法は、周波数走査アンテナパターンを生成するようにアンテナを構成するステップと、多周波数トレーニング信号をアンテナから送信するステップと、多周波数トレーニング信号からユーザエンティティによって受信された最強周波数を識別する情報を少なくとも1つのユーザエンティティから受信するステップと、識別された最強周波数からユーザエンティティの方向を決定するステップとを備える。方法は、到来角を決定するステップが、周波数を走査角にマップするルックアップテーブルを調べるステップを備えることを含んでもよい。方法は、決定された到来角に対応するようにネットワークエンティティのアンテナベクトルをさらに構成するステップを含んでもよい。
【0189】
実施形態において、セクタレベルスウィープの方法であって、方法は、イニシエータから、各セクタの拡張セクタスウィープ(eSSW)フレームを送信するステップと、イニシエータにおいて、レスポンダにおける多次元QO受信に基づいて最良のN個の送信セクタに関する情報をレスポンダから受信するステップと、イニシエータにおいてN個の最良ビームを設定するステップとを備える。
【0190】
実施形態において、マルチステージセクタレベルスウィープの方法であって、方法は、第1のステージにおいて、イニシエータから、各セクタの拡張セクタスウィープ(eSSW)フレームを送信するステップと、イニシエータにおいて、レスポンダにおける多次元QO受信に基づいて最良のN個の送信セクタに関する情報をレスポンダから受信するステップと、レスポンダからの情報に基づいてセクタを選択するステップとを備える。第2のステージにおいて、方法は、イニシエータから、全てのその他のセクタをスウィープする間に固定された第1のステージで選択されたセクタを伴う直交チャネル推定フィールドと共に拡張セクタスウィープ(eSSW)フレームを送信するステップと、イニシエータにおいて、レスポンダにおける多次元QO受信に基づいて最良のN個の送信セクタに関する情報をレスポンダから受信するステップと、レスポンダからの情報に基づいてセクタを選択するステップとを備える。方法は、N個のセクタが選択されるまで第2のステージをさらに反復するステップを含んでもよい。
【0191】
実施形態において、方法は、イニシエータから、各セクタの拡張セクタスウィープ(eSSW)フレームを送信するステップと、イニシエータにおいて、レスポンダにおける多次元QO受信に基づいて最良のN個の送信セクタに関する情報をレスポンダから受信するステップと、イニシエータを操作するステップであって、チャネルの要素を推定するために直交チャネル推定フィールド(CEF)を送信するステップと、レスポンダから複素パラメータを受信するステップと、チャネルを構築するステップと、構築されたチャネルを使用してマルチアンテナ送信を実行するステップとを備える方法によってチャネルを推定するようにイニシエータを操作するステップとを備える。
【0192】
実施形態において、方法を実行するように構成された送受信機であって、方法は、第1の送受信機と第2の送受信機との間の有効チャネルの推定H_effを決定するステップと、推定された有効チャネルに基づいて最適なプリコーダF_optを計算するステップと、||F_opt-F_RF*F_BB||2の値を最小にするアナログプリコーダF_RFおよびデジタルプリコーダF_BBを選択するステップとを備える。
【0193】
実施形態において、方法を実行するように構成された第1の送受信機であって、方法は、アナログプリコーダF_RFを選択するステップと、アナログプリコーダF_RFを前提として、第1の送受信機と第2の送受信機との間の有効チャネルの推定H_effを決定するステップと、有効チャネルH_effに基づいてデジタルプリコーダF_BBを選択するステップとを備える。
【0194】
実施形態において、漏洩波アンテナを有するユーザエンティティであって、ユーザエンティティは、多周波数トレーニング信号を漏洩波アンテナにおいてネットワークエンティティから受信するステップと、受信されたトレーニング信号で、最大振幅を伴う周波数を識別するステップと、最大振幅を伴う周波数に基づいてトレーニング信号の到来角を決定するステップとを備える方法を実行するように構成される。
【0195】
実施形態において、方法を実行するように構成されたネットワークエンティティであって、方法は、周波数走査アンテナパターンを生成するようにアンテナを構成するステップと、多周波数トレーニング信号をアンテナから送信するステップと、多周波数トレーニング信号からユーザエンティティによって受信された最強周波数を識別する情報を少なくとも1つのユーザエンティティから受信するステップと、識別された最強周波数からユーザエンティティの方向を決定するステップとを備えるネットワークエンティティ。
【0196】
実施形態において、セクタレベルスウィープの方法を実行するように構成されたネットワークエンティティであって、方法は、イニシエータから、各セクタの拡張セクタスウィープ(eSSW)フレームを送信するステップと、イニシエータにおいて、レスポンダにおける多次元QO受信に基づいて最良のN個の送信セクタに関する情報をレスポンダから受信するステップと、イニシエータにおいてN個の最良ビームを設定するステップとを備えるネットワークエンティティ。
【0197】
実施形態において、マルチステージセクタレベルスウィープの方法を実行するように構成されたネットワークエンティティであって、方法は、第1のステージにおいて、イニシエータから、各セクタの拡張セクタスウィープ(eSSW)フレームを送信するステップと、イニシエータにおいて、レスポンダにおける多次元QO受信に基づいて最良のN個の送信セクタに関する情報をレスポンダから受信するステップと、レスポンダからの情報に基づいてセクタを選択するステップとを備える。第2のステージにおいて、方法は、イニシエータから、全てのその他のセクタをスウィープする間に固定された第1のステージで選択されたセクタを伴う直交チャネル推定フィールドと共に拡張セクタスウィープ(eSSW)フレームを送信するステップと、イニシエータにおいて、レスポンダにおける多次元QO受信に基づいて最良のN個の送信セクタに関する情報をレスポンダから受信するステップと、レスポンダからの情報に基づいてセクタを選択するステップとを備える。
【0198】
実施形態において、方法を実行するように構成されたネットワークエンティティであって、方法は、イニシエータから、各セクタの拡張セクタスウィープ(eSSW)フレームを送信するステップと、イニシエータにおいて、レスポンダにおける多次元QO受信に基づいて最良のN個の送信セクタに関する情報をレスポンダから受信するステップと、イニシエータを操作するステップであって、チャネルの要素を推定するために直交チャネル推定フィールド(CEF)を送信するステップと、レスポンダから複素パラメータを受信するステップと、チャネルを構築するステップと、構築されたチャネルを使用してマルチアンテナ送信を実行するステップとを備える方法によってチャネルを推定するようにイニシエータを操作するステップとを備える。
【0199】
実施形態において、方法は、STAがハイブリッドビームフォーミング(HB)をサポートするかどうかのインジケーションをSTAによって信号伝達するステップを備える。方法は、サポートされる最大送信データストリーム数、サポートされる最大受信データストリーム数、送信および受信アンテナの数、サポートされる閉ループベースバンドプリコーディング、サポートされる開ループベースバンドプリコーディング、およびサポートされるアンテナ/偏波選択のうちの少なくとも1つにおいてSTAによってさらに信号伝達するステップを含んでもよい。
【0200】
実施形態において、ハイブリッドビームフォーミング(HB)ネゴシエーションの方法は、イニシエータとレスポンダとの間のHB能力の情報を交換するステップと、イニシエータとレスポンダとの間の次のMIMO送信のためにHBを設定するステップと、イニシエータとレスポンダとの間のベースバンドビームフォーミングトレーニングおよびフィードバックを実行するステップとを備える。
【0201】
実施形態において、ハイブリッドプリコーディングのために送信機においてベースバンドチャネル情報を取得する方法は、SU-MIMOビームフォーミングセットアップのMIMO位相の間にレスポンダから送信機へのSCモードの時間領域チャネル応答またはOFDMモードの周波数領域チャネル応答のフィードバックを要求することによってSU-MIMOビームフォーミングセットアップの間にチャネルを要求するステップを備える。方法は、レスポンダがレスポンダリンクの意志決定者として構成され、イニシエータMIMO BFフィードバックフレームが、SCモードの時間領域チャネルフィードバックまたはOFDMモードの周波数領域チャネルフィードバックの形態でレスポンダのSMBTサブフェーズのSU-MIMOビームフォーミングトレーニングフィードバックを含むことを含んでもよい。方法は、送信機がイニシエータリンクの意志決定者として構成され、レスポンダMIMO BFフィードバックフレームが、SCモードの時間領域チャネルフィードバックまたはOFDMモードの周波数領域チャネルフィードバックの形態でイニシエータのSMBTサブフェーズのSU-MIMOビームフォーミングトレーニングフィードバックを含むことを含んでもよい。
【0202】
実施形態において、ハイブリッドプリコーディングのために送信機においてベースバンドチャネル情報を取得する方法は、MU-MIMOビームフォーミングセットアップのMIMO位相の間にレスポンダから送信機へのSCモードの時間領域チャネル応答またはOFDMモードの周波数領域チャネル応答のフィードバックを要求することによってMU-MIMOビームフォーミングセットアップの間にチャネルを要求するステップを備える。方法は、MIMO BFフィードバックフレームが、ハイブリッドビームフォーミングをサポートするための関連品質に加えてSCモードの時間領域チャネル応答またはOFDMモードの周波数領域チャネルフィードバックをフィードバックすることを含んでもよい。方法は、MU-MIMO BFフィードバックフレームが、SCモードの時間領域チャネルフィードバックまたはOFDMモードの周波数領域チャネルフィードバックの形態でMU-MIMOビームフォーミングトレーニングフィードバックを含むことを含んでもよい。
【0203】
実施形態において、ハイブリッドプリコーディングのために送信機においてベースバンドチャネル情報を取得する方法は、送信機が、SCモードの時間領域チャネル応答またはOFDMモードの周波数領域チャネル応答の推定を要求することによってアナログトラッキングまたはデジタルベースバンドトラッキングのいずれかを使用してデータ送信の間にチャネルのベースバンドチャネル情報を受信機に要求するステップと、送信機が、送信機からのチャネルのフィードバックを受信機から受信するステップとを備える。方法は、チャネルがEDMGイニシエータ送信ビームトラッキング手順を使用することによって測定されることを含んでもよい。
【0204】
実施形態において、ハイブリッドプリコーディングのために送信機においてベースバンドチャネル情報を取得する方法は、送信機が、SCモードの時間領域チャネル応答またはOFDMモードの周波数領域チャネル応答の推定を要求することによってアナログトラッキングまたはデジタルベースバンドトラッキングのいずれかを使用してデータ送信の間にチャネルのベースバンドチャネル情報を受信機に要求するステップと、送信機が、送信機へのリバースチャネルのフィードバックを受信機から受信するステップとを備える。方法は、チャネルがEDMGレスポンダ送信ビームトラッキングまたはEDMGイニシエータ受信ビームトラッキングのいずれかを使用することによって測定されることを含んでもよい。方法は、受信されたフィードバックがトラッキングパケットを備えることを含んでもよく、送信機が、受信されたトラッキングパケットに少なくとも部分的に基づいて受信ビームを推定するステップをさらに備える。
【0205】
実施形態についての注記
特徴および要素は特定の組合せで例示的な実施形態として説明されるが、各々の特徴または要素は、例示的な実施形態のその他の特徴または要素を用いることなく単独で、または様々な組合せで使用されてもよい。例示的な実施形態は、802.11の固有のプロトコルについて説明しているが、その他の無線プロトコルおよびシステムは例示的な実施形態の各々に適用可能である。