(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058572
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】速度を使用する足存在信号処理
(51)【国際特許分類】
A43B 3/44 20220101AFI20220405BHJP
A43B 17/00 20060101ALI20220405BHJP
A43C 11/00 20060101ALI20220405BHJP
A43B 3/40 20220101ALN20220405BHJP
A43B 3/46 20220101ALN20220405BHJP
【FI】
A43B3/44
A43B17/00 Z
A43C11/00
A43B3/40
A43B3/46
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022002878
(22)【出願日】2022-01-12
(62)【分割の表示】P 2020148942の分割
【原出願日】2018-03-14
(31)【優先権主張番号】15/458,625
(32)【優先日】2017-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2017/022342
(32)【優先日】2017-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/460,060
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2017/022576
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/459,889
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2017/022533
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/459,897
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2017/022548
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】106108511
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】15/459,402
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2017/022489
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/610,179
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/556,103
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100180655
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン エイチ ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ムノー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は速度を使用する足存在信号処理に関する。
【解決手段】運動履物品用の足存在センサシステム600は、履物品のインソールに又はインソール内に配置するよう構成されたセンサハウジングと、及びセンサハウジング内に配置され、足存在表示に基づいて履物の1つ又はそれ以上の自動機能をトリガするよう構成されたコントローラ回路とを備えることができる。或る実施例において、センサシステムは容量センサを有し、またセンサは履物内のセンサに対する足の近接度変化を感知するよう構成される。感知した近接度に関する情報を使用して足速度特性を決定することができ、この足速度特性を使用して自動紐締め機能のような自動履物機能をアップデートすることができる、又は歩数、足衝撃力、移動速度、若しくは足に関する、活動量に関する、乃至は履物に関する他の情報を決定することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物品に結合されるセンサからの経時変化センサ信号であって、センサは足が前記セン
サに対する近接度についての情報を感知するよう構成されている、該経時変化センサ信号
を受信するステップと、並びに
プロセッサ回路を使用するステップであって、前記プロセッサ回路は、
前記経時変化センサ信号を用いて前記センサに対する足の速度特性を識別するステッ
プ、及び
識別した前記速度特性に基づいて、
履物に結合した同一センサ又は異なるセンサを使用して、履物についての又はセン
サに対する足の近接度についてのデータ収集を開始するステップ、及び
履物の自動機能をアップデートするステップ
のうち少なくとも一方を行う、該プロセッサ回路を使用するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記経時変化センサ信号の速度特性を識別するステップ
は、前記センサに対する足の位置についての変位情報を使用するステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、さらに、前記プロセッサ回路を使用するステップは、前
記識別した前記速度特性に基づいて足が履物品内に存在するか否かを決定するステップを
含む、方法。
【請求項4】
請求項2又は3のうちいずれか一方記載の方法において、さらに、前記プロセッサ回路
を使用するステップは、前記識別した前記速度特性を使用して足運びカウントを決定する
ステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項2~4のうちいずれか1項記載の方法において、さらに、前記プロセッサ回路を
使用するステップは、前記識別した前記速度特性を使用して足衝合力特性を決定するステ
ップを含む、方法。
【請求項6】
請求項1項記載の方法において、前記経時変化センサ信号を用いて、前記速度特性を識
別するステップは、前記プロセッサ回路を用いて、
足衝合に対応する前記経時変化センサ信号の第1部分を識別し、また足持ち上げに対応
する前記経時変化センサ信号の第2部分を識別するステップと、及び
前記経時変化センサ信号の前記第1部分及び第2部分のタイミングについての情報を用
いて、足運びカウント、移動速度、又は移動距離を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項1項記載の方法において、前記経時変化センサ信号を用いて、前記速度特性を識
別するステップは、前記プロセッサ回路を用いて、
足衝合に対応する前記経時変化センサ信号の第1部分を識別し、また足持ち上げに対応
する前記経時変化センサ信号の第2部分を識別するステップと、及び
前記経時変化センサ信号の少なくとも前記第1部分を用いて、履物のインソールコンポ
ーネントのライフサイクル状態を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項7項記載の方法において、前記履物のインソールコンポーネントのライフサイク
ル状態を決定するステップは、前記経時変化センサ信号のピーク・ツー・ピーク偏位特性
を識別するステップを含む、方法。
【請求項9】
請求項7又は8のうちいずれか一方記載の方法において、さらに、決定された前記ライ
フサイクルが、インソールはユーザーに対するクッション性を十分に与えていないことを
示すとき、履物状態表示をユーザーに報告するステップを備える、方法。
【請求項10】
請求項1~9のうちいずれか1項記載の方法において、前記履物の自動機能をアップデ
ートするステップは、前記足の周りに前記履物を締め付ける又は緩めるよう構成された自
動紐締め動力源の動作を開始又は抑止するステップを含む、方法。
【請求項11】
請求項1~10のうちいずれか1項記載の方法において、前記センサから前記経時変化
センサ信号を受信するステップは、容量センサから経時変化キャパシタンス表示信号を受
信するステップを含む、方法。
【請求項12】
請求項11項記載の方法において、前記容量センサから経時変化キャパシタンス表示信
号を受信するステップは、前記容量センサに使用するよう構成された非駆動シールドに駆
動信号を供給するステップを含む、方法。
【請求項13】
請求項11又は12のうちいずれか一方記載の方法において、さらに、前記プロセッサ
回路を用いて、特定持続時間にわたり前記容量センサからの経時変化キャパシタンス表示
信号を間欠的にモニタリングするステップと、及び前記信号が前記特定持続時間にわたり
特定閾値信号変化よりも小さいときに、前記容量センサの基準キャパシタンス特性をアッ
プデートするステップと、を備える、方法。
【請求項14】
請求項13項記載の方法において、前記基準キャパシタンス特性をアップデートするス
テップは、前記容量センサからの出力の移動平均を使用するステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項13項記載の方法において、さらに、経時変化センサ信号及びアップデートされ
た基準キャパシタンス特定を使用して、前記足の前記センサに対するその後の速度特定を
識別するステップを備える、方法。
【請求項16】
請求項1~15のうちいずれか1項記載の方法において、さらに、履物の1つ又はそれ
以上のコンポーネントにおける検出されたライフサイクル状態に基づいて識別された前記
速度特定を調整するステップを備える、方法。
【請求項17】
請求項1~16のうちいずれか1項記載の方法において、前記経時変化センサ信号受信
ステップは足が履物に対して挿入又は脱去されている間の信号を含むものであり、また前
記経時変化センサ信号の速度特性を識別するステップは、足のつま先部分、土踏まず部分
、及びヒール部分が履物内のセンサに接近するときのような、足の変化する近接度特性を
識別するステップを含むものである、方法。
【請求項18】
履物用の足近接センサシステムであって、該システムは、
履物品に結合される容量性近接センサであって、また足の前記センサに対する近接度を
表示する経時変化センサ信号を供給するよう構成されている、該容量性近接センサと、及
び
前記近接度センサに接続されるプロセッサ回路であって、
前記経時変化センサ信号の使用により速度特性を識別するよう構成され、また
識別された前記速度特性に基づいて、
前記同一の近接センサを使用して又は履物に結合した異なるセンサを使用して前記
履物についての又は前記センサに対する前記足の位置についてのデータ収集を開始するこ
と、及び
前記履物の自動機能をアップデートすること、
のうち少なくとも一方を行うよう構成されている、該プロセッサ回路と、
を備える、システム。
【請求項19】
請求項18項記載のシステムにおいて、前記容量性近接センサは、平面状電極及び前記
履物のインソールに又はその近傍に設けた非駆動シールドを有する、システム。
【請求項20】
請求項19項記載のシステムにおいて、前記プロセッサ回路は、識別された前記速度特
性の使用により、足運びカウント、足衝合力及び移動速度のうち1つ又はそれ以上を決定
するよう構成される、システム。
【請求項21】
請求項18~20のうちいずれか1項記載のシステムにおいて、前記プロセッサ回路は
、前記履物における1つ又はそれ以上のコンポーネントの流体飽和変化に適応するため前
記容量性近接センサの基準特性をアップデートするよう構成される、システム。
【請求項22】
請求項18~21のうちいずれか1項記載のシステムにおいて、さらに、前記容量性近
接センサと履物の足収容表面との間に設けた誘電スタックを備える、システム。
【請求項23】
請求項22項記載のシステムにおいて、さらに、前記容量性近接センサと履物の足収容
表面との間に設けたフック及びループカバーのようなカバーを備え、また前記フック及び
ループカバーは、前記誘電スタックを非圧縮状態に向けて押圧偏移するよう構成される、
システム。
【請求項24】
履物品に使用するための自動履物システムであって、該自動履物システムは、
履物品内に配置するよう構成された紐締め動力源及び紐締め動力源ハウジングと、
前記ハウジング内に設けたプロセッサ回路と、及び
少なくとも1つの電極と、前記ハウジング内に少なくとも部分的に設けられた対応の非
駆動シールドと、を有する容量センサであって、前記容量センサは、身体の前記少なくと
も1つの電極に対する近接度の変化を感知し、また前記身体の前記電極に対する近接度を
表示する経時変化センサ信号を供給するよう構成される、該容量センサと、
を備え、
前記プロセッサ回路は、
前記経時変化センサ信号の使用により速度特性を識別するよう構成され、また
識別された前記速度特性に基づいて、
前記同一の容量センサを使用して又は履物に結合した異なるセンサを使用して、前
記履物についての又は前記電極に対する前記身体の近接度についてのデータ収集を開始す
ること、及び
前記紐締め動力源の自動機能をアップデートすること
の少なくとも一方を行うよう構成されている、自動履物システム。
【請求項25】
請求項24記載の自動履物システムにおいて、前記プロセッサ回路は、識別された前記
速度特性の使用により、足運びカウント、足衝合力及び移動速度のうち1つ又はそれ以上
を決定するよう構成される、自動履物システム。
【請求項26】
請求項24又は25のうちいずれか一方記載の自動履物システムにおいて、前記プロセ
ッサ回路は、前記履物内に配置された若しくは結合された1つ又はそれ以上のコンポーネ
ントの検出した流体飽和変化に基づいて前記容量性センサの基準特性をアップデートする
よう構成される、自動履物システム。
【請求項27】
請求項24~26のうちいずれか1項記載の自動履物システムにおいて、さらに、前記
容量センサの足に対面する側の側面に設けられ、また前記身体に対する容量センサの感度
を増強するよう構成された誘電スタックを備える、自動履物システム。
【請求項28】
請求項24~27のうちいずれか1項記載の自動履物システムにおいて、さらに、前記
誘電スタックを圧縮状態から離れる方向に押圧偏移するよう構成された懸架部材を備える
、自動履物システム。
【請求項29】
請求項24~28のうちいずれか1項記載の自動履物システムにおいて、前記プロセッ
サ回路は、識別した速度特性に基づいて前記履物の自動紐締め機能を作動させることを含
む前記紐締め動力源の自動機能をアップデートするよう構成される、自動履物システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2017年9月8日に出願した米国仮出願第62/556,103号の優先
権の恩恵を主張し、また
本出願は、2017年3月14日に出願した米国特許出願第15/458,625号の
継続出願である2017年3月31に出願した米国特許出願第15/610,179号の
一部継続出願であり、また
本出願は、2017年3月14日に出願した国際特許出願第PCT/US2017/0
22342号の一部継続出願であり、また
本出願は、2017年3月15日に出願した米国特許出願第15/460,060号の
一部継続出願であり、また
本出願は、2017年3月15日に出願した国際特許出願第PCT/US2017/0
22576号の一部継続出願であり、また
本出願は、2017年3月15日に出願した米国特許出願第15/459,889号の
一部継続出願であり、また
本出願は、2017年3月15日に出願した国際特許出願第PCT/US2017/0
22533号の一部継続出願であり、また
本出願は、2017年3月15日に出願した米国特許出願第15/459,897号の
一部継続出願であり、また
本出願は、2017年3月15日に出願した国際特許出願第PCT/US2017/0
22548号の一部継続出願であり、また
本出願は、2017年3月15日に出願した台湾特許出願第106108511号の一
部継続出願であり、また
本出願は、2017年3月15日に出願した米国特許出願第15/459,402号の
一部継続出願であり、また
本出願は、2017年3月15日に出願した国際特許出願第PCT/US2017/0
22489号の一部継続出願であり、
これらは、参照により全体が本明細書に組み入れられるものとする。
【0002】
本発明は速度を使用する足存在信号処理に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の靴内蔵センサが様々な条件をモニタリングするために提案されてきた。例えば、
ブラウン氏は、「足の条件をモニタリングするためのセンサ付き靴Sensor shoe for moni
toring the condition of a foot」と題する特許文献1(米国特許第5,929,332号
)において、靴内蔵センサの幾つかの実施例を提示している。ブラウン氏は、比較的薄く
平坦で平面状の可撓性、弾性及び誘電性のある材料の層で作製されたインソールを備える
ことができる、足力(あし・ちから)センサについて記載している。この足力センサは、
印加された圧縮力に基づいて変化する電気抵抗を包み得る導電性相互接続手段を備えるこ
とができる。
【0004】
ブラウン氏は、さらに、様々なタイプの足疾患に苦しんでいて、足の一部分に加わる過
剰圧力は潰瘍を生じ易くする糖尿病患者が着用すべき靴について詳述している。靴本体は
、力(ちから)感知抵抗(FSR:force sensing resister)と、この抵抗に接続して、
着用者に対して閾値レベルに達した又は閾値レベルを越えたことを警告するアラームユニ
ットを作動させることができるスイッチング回路と、を有することができる。
【0005】
履物品を自動的に締め込むデバイスが従来提案されてきた。リウ氏は、「自動締め込み
靴(Automatic tightening shoe)」と題する特許文献2(米国特許第6,691,433
号)において、靴のアッパー部分に備え付けた第1締め具と、閉合部材に連結して、閉合
部材を締め込み状態の保持するよう第1締め具に対して着脱可能に係合できる第2締め具
と、を装備する。リウ氏は、ソールのヒール部分に備え付けた駆動ユニットを教示してい
る。この駆動ユニットは、ハウジング、このハウジング内に回転可能中に備え付けたスプ
ール、一対の引張ストリング、及びモータユニットを有する。各ストリングは、スプール
に連結した第1端部と、第2締め具内のストリング孔に対応する第2端部とを有する。モ
ータユニットはスプールに結合する。リウ氏は、モータユニットがハウジング内のスプー
ルの回転を駆動するよう動作可能であり、第2締め具を第1締め具に向かう方向に引っ張
るためスプールにおける引張ストリングを巻き上げることを教示している。さらに、リウ
氏は、引張ストリングが貫通する案内チューブユニットも教示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,929,332号明細書
【特許文献2】米国特許第6,691,433号明細書
【図面の簡単な説明】
【0007】
必ずしも縮尺通りには描いていない図面において、異なる図における同様の参照符号は
類似コンポーネントを記述することができる。異なる添え字付きの同様参照符号は、類似
コンポーネントの異なる事例を示すことができる。図面は、本明細書に詳述する種々の実
施形態を例として大まかに示すが、限定的ではない。
【
図1】例示的実施形態による、運動履物品のコンポーネントの大まかな分解斜視図を示す。
【
図2A】幾つかの例示的実施形態による、センサシステム及び電動式紐締め動力源(エンジン)を大まかに示す。
【
図2B】幾つかの例示的実施形態による、センサシステム及び電動式紐締め動力源を大まかに示す。
【
図2C】幾つかの例示的実施形態による、センサシステム及び電動式紐締め動力源を大まかに示す。
【
図3】例示的実施形態による、電動式紐締めシステムのコンポーネントのブロック図を大まかに示す。
【
図4】履物品の着用者が立っているときにおける、履物品内における公称又は平均的な足の圧力分布データ(左側)及び高い土踏まず(高アーチ)を有する足の圧力分布データ(右側)を示す説明図である。
【
図5A】例示的実施形態による、履物品のインソールにおけるキャパシタンスをベースとする足存在センサの概略図を示す。
【
図5B】例示的実施形態による、履物品のインソールにおけるキャパシタンスをベースとする足存在センサの概略図を示す。
【
図6】例示的実施形態による、足存在検出のための容量性センサシステムを大まかに示す。
【
図7】例示的実施形態による、第1キャパシタンスベース足存在センサの概略図を大まかに示す。
【
図8】例示的実施形態による、第2キャパシタンスベース足存在センサの概略図を大まかに示す。
【
図9A】幾つかの例示的実施形態における実施例による、キャパシタンスをベースとする足存在センサ電極の大まかな説明図を示す。
【
図9B】幾つかの例示的実施形態における実施例による、キャパシタンスをベースとする足存在センサ電極の大まかな説明図を示す。
【
図9C】幾つかの例示的実施形態における1つの実施例による、キャパシタンス式足存在センサの大まかな説明図を示す。
【
図10】履物センサからの足存在情報を使用する実施例を示すフローチャートを図解する。
【
図11】履物センサからの足存在情報を使用する第2実施例を示すフローチャートを図解する。
【
図12】容量性足存在センサからの第1経時変化情報におけるグラフを大まかに示す。
【
図13】容量性足存在センサからの第2経時変化情報におけるグラフを大まかに示す。
【
図14】容量性足存在センサからの第3経時変化情報におけるグラフを大まかに示す。
【
図15】容量性足存在センサからの第4経時変化情報におけるグラフを大まかに示す。
【
図16】例示的実施形態による、容量性足存在センサからの経時変化情報及び信号形態限界に関するグラフを大まかに示す。
【
図17】履物品のミッドソールにおける誘電性スタック下側のキャパシタンス式足存在センサの実施例を大まかに図解する。
【
図18】容量性足存在センサからのキャパシタンス表示信号に対する誘電性充填材の効果を示すグラフ例を大まかに図解する。
【
図19】履物のキャパシタンス式足存在センサからのキャパシタンス表示第3信号の一部分を示すグラフ例を大まかに図解する。
【
図20】複数の着席-起立サイクルにわたる足存在信号情報の実施例を大まかに図解する。
【
図21】
図21A―Dは、異なる平面状電極構成における1つの実施例を大まかに示す。
【
図22】センサ感度とセンサ形状との間における関係性を示すグラフ例を大まかに図解する。
【
図23】センサ感度と矯正インサートとの間における関係性を示すグラフ例を大まかに図解する。
【
図24】センサ応答とシミュレートした発汗との間における関係性を示すグラフ例を大まかに図解する。
【
図25】センサ応答とシミュレートした発汗との間における関係性を平均化信号とともに示すグラフ例を大まかに図解する。
【
図26】発汗補償方法のための状態図の例を大まかに図解する。
【
図27】足存在センサデータを示すグラフ例を大まかに図解する。
【
図28A】トノカバー付きの靴中底アセンブリの実施例を大まかに図解する。
【
図28B】トノカバー付きの靴中底アセンブリの実施例を大まかに図解する。
【
図29A】紐締め動力源用の第1フック及びループカバーを有する靴中底アセンブリの実施例を大まかに図解する。
【
図29B】紐締め動力源用の第1フック及びループカバーを有する靴中底アセンブリの実施例を大まかに図解する。
【
図29C】紐締め動力源用の第1フック及びループカバーを有する靴中底アセンブリの実施例を大まかに図解する。
【
図29D】紐締め動力源用の第1フック及びループカバーを有する靴中底アセンブリの実施例を大まかに図解する。
【
図30A】紐締め動力源用の第2フック及びループカバーを有する靴中底アセンブリの実施例を大まかに図解する。
【
図30B】紐締め動力源用の第2フック及びループカバーを有する靴中底アセンブリの実施例を大まかに図解する。
【
図30C】紐締め動力源用の第2フック及びループカバーを有する靴中底アセンブリの実施例を大まかに図解する。
【
図30D】紐締め動力源用の第2フック及びループカバーを有する靴中底アセンブリの実施例を大まかに図解する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
自己引締め靴紐の概念は、最初に1989年に公開された映画「バック・トゥ・ザ・フ
ューチャーII」でマーティ・マクフライが着用した架空動力紐締め式のナイキ(登録商標
)製スニーカーによって広く世に広まった。ナイキはそれ以来映画撮影小道具バージョン
と外観が類似している少なくとも1つのバージョンである動力紐締め式スニーカーをリリ
ースしてきたが、採用された機械的内部システム及び周辺履物プラットフォーム(土台)
は、必ずしも大量生産又は日常使用に役立つものではなかった。さらに、電動式紐締めシ
ステムの従来設計は、多くの問題のうち少数のものだけ強調すると、高製造コスト、複雑
構造、組立困難性、保守可能性欠如、及び脆弱又は壊れやすい機械的メカニズムのような
問題を比較的被るものであった。本発明の発明者らは、とりわけ上述した問題のうち幾つ
か又はすべてを解決する、電動式及び非電動式の紐締め動力源(エンジン)を収容するモ
ジュール式履物プラットフォームを開発した。以下に詳述するコンポーネントは種々の恩
恵を提供し、これら恩恵としては、以下に限定しないが、保守可能コンポーネント、相互
交換可能な自動紐締め動力源、堅牢機械的設計、堅牢制御アルゴリズム、信頼性高い操作
、最新式組立てプロセス、及び小売段階でのカスタマイズがある。以下に詳述するコンポ
ーネントの他の種々の恩恵は、当業者には明らかであろう。
【0009】
或る実施例において、モジュール式自動紐締め履物プラットフォームは、紐締め動力源
を収容するため、履物品のミッドソールに固定したミッドソールプレートを有する。ミッ
ドソールプレートの設計は、購買時点のような遅い時点で紐締め動力源を履物プラットフ
ォームに追加することを可能にする。モジュール式自動履物プラットフォームのミッドソ
ールプレート及び他の態様は、異なるタイプの紐締め動力源を相互交換可能に使用できる
。例えば、以下に詳述した電動式紐締め動力源は、人間-電動式紐締め動力源用に変更す
ることができる。代案として、足存在感知又は他の特徴を有する完全自動電動式紐締め動
力源を標準ミッドソールプレート内に収容することができる。
【0010】
本明細書記載の自動履物プラットフォームは、例えば、透明な保護アウトソール材料に
照射されるLED照明を使用する視覚的フィードバックと同様に、エンドユーザーに引締
め制御を提供するアウトソール(外底)アクチュエータインタフェースを含むことができ
る。このアクチュエータは、紐締め動力源又は他の自動履物プラットフォームの状態を示
す触感及び視覚的なフィードバックをユーザーに提供することができる。
【0011】
或る実施例において、履物プラットフォームは、足が靴内に存在しているときを検出す
るよう構成された足存在センサを有する。足が検出されるとき、1つ又はそれ以上の履物
機能又はプロセスを、例えば自動的にかつ更なるユーザー入力又はコマンドなく、始動す
ることができる。例えば、足が履物内のインソールに適正に着座していることを検出する
際に、制御回路は、自動的に靴紐引締め、データ収集、履物診断、又は他のプロセスを始
動する。
【0012】
自動紐締め又は履物引締め機構を時期尚早に作動又は始動させることは、履物に対する
ユーザーの体験を損なうおそれがある。例えば、足を完全にインソールに着座させる前に
紐締め動力源が作動する場合、ユーザーはユーザー(男又は女)自身の足における残りの
部分を履物内に入れるのに異なる時間を要する、又はユーザーは紐締め張力を手動で調整
しなければならないことがあり得る。本発明の発明者らは、したがって、解決すべき問題
としては、足が適正又は完全に履物品内に着座したか否かを決定する、例えば、トウ(つ
ま先)部分、ミッドソール部分及びヒール部分がインソールの対応部分に適正に整列した
か否かを決定することが含まれると認識した。本発明の発明者らは、さらに、問題として
は、センサコスト及び組立てコストを低減するよう、またデバイスの複雑さを少なくする
ため、できるだけ少ないセンサだけを使用して足の配置又は向きを正確に決定することが
含まれると認識した。
【0013】
これら問題に対する解決法としては、履物品の土踏まず(アーチ)領域及び/又はヒー
ル領域にセンサを設けることが含まれる。或る実施例において、センサは近接電場におけ
る変化を感知するよう構成された容量センサである。電場内変化又はキャパシタンス変化
は、足を履物に入れる又は出すときに、足の幾らかの部分が足の他の部分よりもセンサか
らより大きい距離にある間に生じ得る。或る実施例において、容量センサは紐締め動力源
エンクロージャに一体化又はエンクロージャ内に収容する。或る実施例において、容量セ
ンサの少なくとも一部分は紐締め動力源エンクロージャの外側に設け、またエンクロージ
ャ内の電源又は処理回路に対する1つ又はそれ以上の導電性相互接続部を設ける。
【0014】
足存在検出に使用するのに適した容量センサは種々の形態を有することができる。容量
センサとしてはプレート状キャパシタがあり、この場合、1つ若しくはそれ以上のプレー
トに対する圧力又は圧力変化に応答して、一方のプレートを他方のプレートに対して相対
移動するよう構成する。或る実施形態においては、容量センサは複数配線を有し、これら
配線はインソールの上面に平行又は一致する平面内にほぼ配列する。このような配線は、
空隙(又は発泡スチレンのような他の材料)によって双方に分離することができ、また励
起回路によって生じたAC駆動信号によって選択的又は周期的に駆動し得る。或る実施形
態においては、電極は交互配置した櫛型形態を有することができる。このような容量セン
サは、電極自体が互いに相対的に移動することに基づく、また足又は他の物体の有無又は
移動に起因する電極近傍の電場干渉に基づく、変化するキャパシタンス信号を生じ得る。
【0015】
或る実施例において、キャパシタンスをベースとする(キャパシタンスベース)センサ
は、機械的センサよりも信頼性を高くすることができ、これは例えば、キャパシタンスベ
ースセンサは可動部分を設ける必要がないからである。キャパシタンスベースセンサの電
極は、耐久性電場透過性材料によってコーティング又は被覆することができ、またしたが
って、電極は、環境的変化、湿気、スピレージ(水こぼし)、汚れ、若しくは汚染媒体に
直接曝されることから保護することができ、また人間若しくは他の材料はセンサ電極に直
接接触しない。
【0016】
或る実施例において、容量センサはアナログ出力信号を供給し、この出力信号は、容量
センサが検出したキャパシタンスの大きさを表す、又はキャパシタンスの変化を表す。出
力信号は、足がセンサ近傍に存在するとき第1値(例えば、低キャパシタンスに対応する
)を有することができ、また足が存在しないとき異なる第2値(例えば、高キャパシタン
スに対応する)を有する。
【0017】
或る実施例において、足が存在するときの出力信号は他の情報を供給することができる
。例えば、歩行イベントに相関するキャパシタンス信号の検出可能な変動があり得る。さ
らに、インソール、装具、又は他のコンポーネントのような靴コンポーネントにおける摩
損及び/又は残存寿命を表すことができるキャパシタンス信号の長期にわたる検出可能な
ドリフトがあり得る。
【0018】
或る実施例において、容量センサは、容量センサが感知したキャパシタンスの大きさを
表すものになるデジタル信号を供給するよう構成されたキャパシタンス・ツー・デジタル
型の変換回路を含む、又はこの変換回路に接続する。或る実施例において、容量センサは
、感知したキャパシタンス値が特定閾値キャパシタンス条件を満たすか否かを示す割込み
信号又は論理信号を供給するよう構成されたプロセッサ回路を有する。或る実施例におい
て、容量センサは、ベースライン又は基準のキャパシタンス値に対するキャパシタンス特
性を測定し、またこのベースライン又は基準は、感知されるキャパシタンス値に影響し得
る環境変化又は他の変化に対処するようアップデート又は調整することができる。
【0019】
或る実施例において、容量センサは、靴の土踏まず(アーチ)領域又はヒール領域の近
傍における足元に設ける。容量センサは、平面状又は平坦なものとすることができる。容
量センサは、剛性とすることができる、又は可撓性があって足の輪郭に順応する構成とす
ることができる。幾つかの事例において、靴を着用するときに、比較的低い誘電率又は低
い比誘電率を有することができるような空隙が容量センサの一部と足との間に存在し得る
。容量センサと足表面との間におけるいかなる空隙をも橋渡しするように、比較的高い誘
電率又はより大きい比誘電率を有することができるようなギャップ充填材を、容量センサ
の上方に設けることができる。このギャップ充填材は、圧縮可能又は圧縮不能なものとす
ることができる。或る実施例において、ギャップ充填材は、適切な感度を有するセンサを
提供しかつユーザーにおける足元快適感を与えるよう、誘電値と履物使用適合性との間の
適正な妥協をもたらすものを選択する。
【0020】
以下に、電動式紐締め動力源、足存在センサ、ミッドソールプレートを含む自動履物プ
ラットフォームの種々のコンポーネント、及びプラットフォームの種々の他のコンポーネ
ントについて詳述する。本開示の多くは電動式紐締め動力源のトリガとしての足存在感知
に着目するが、データ収集又は生理学的モニタリングのような他の履物機能を自動化する
ような、詳述する設計の多くの態様を人力式紐締め動力源又は足存在センサとインタフェ
ースをとることができる他の回路又は特徴に適用可能である。「自動履物プラットフォー
ム(automated footwear platform)」で使用されるような用語「自動(automated)」は
、特定ユーザー入力なしに動作するシステムのみをカバーすることは意図しない。むしろ
、用語「自動履物プラットフォーム」は、履物の種々の紐締め又は保持システムを引締め
るための、又は他の態様の運動履物を制御するための、電動式及び人力式、自動的に作動
する人力で作動する機構を含むことができる。
【0021】
図1は、例示的実施形態による運動履物品におけるコンポーネントの分解図を大まかに
示す。
図1の実施例は自動紐締めシステム100を備え、このシステムは、紐締め動力源
110、蓋120、アクチュエータ130、ミッドソールプレート140、ミッドソール
155、及びアウトソール165を有する。紐締め動力源110は、システム100にお
けるユーザー交換可能コンポーネントを有することができ、また1つ若しくはそれ以上の
足存在センサを含む又は接続することができる。或る実施例において、紐締め動力源11
0は、容量足存在センサを含む又は接続する。
図1の実施例に示さない容量性足存在セン
サは、紐締め動力源110の足に対面する側の側面に配列される複数の電極を有すること
ができる。或る実施例において、容量性足存在センサの電極は、紐締め動力源110内に
収容することができる、紐締め動力源110のハウジングに一体化することができる、又
は紐締め動力源110近傍のどこかに配置して、1つ若しくはそれ以上の導電体を用いて
紐締め動力源110内部の電源若しくは処理回路に接続することができる。
【0022】
図1の実施例における電動式紐締めシステム100の組立ては、ミッドソールプレート
140をミッドソール155内に固定することから開始する。次に、アクチュエータ13
0を、アウトソール165内に埋設できるインタフェースボタンに対向するミッドソール
プレート140の側面における開口内に挿入することができる。次に、紐締め動力源11
0をミッドソールプレート140内に挿入することができる。或る実施例において、紐締
め動力源110は履物内のいずれかに配置される1つ又はそれ以上のセンサに接続するこ
とができる。電動式紐締めシステム100を構成するよう他の組立て方法も同様に実施す
ることができる。
【0023】
或る実施例において、紐締めシステム100は、紐締めケーブルの連続ループの下側に
挿入し、紐締めケーブルは紐締め動力源110内のスプールに整列する。アセンブリを完
成させるため、蓋120をミッドソールプレート140における固定手段内に挿入し、閉
鎖位置に固定し、またミッドソールプレート140内の窪み内に係止することができる。
蓋120は紐締め動力源110を捕捉することができ、また動作中に紐締めケーブルとの
整列を支援することができる。
【0024】
ミッドソールプレート140は、紐締め動力源キャビティ141、中間及び側方の紐ガ
イド142、前方フランジ143、後方フランジ144、上部(頂部)表面及び下部(底
部)表面、並びにアクチュエータ切取り部145を有する。紐締め動力源キャビティ14
1は、紐締め動力源110を収容するよう構成する。この実施例において、紐締め動力源
キャビティ141は、紐締め動力源110を側方方向並びに前/後方向に保持するが、紐
締め動力源110をキャビティ141内にロックする形体を設けない。随意的に、紐締め
動力源キャビティ141は、紐締め動力源110を紐締め動力源キャビティ141内によ
り確実に保持するよう1つ又はそれ以上の側壁に沿って戻り止め、タブ、若しくは他の機
械的形体を有する。
【0025】
紐ガイド142は、紐締め動力源110に対する所望位置に紐締めケーブルを案内する
支援するよう面取りした端縁及び下方にスレート葺きした斜面を有することができる。こ
の実施例において紐ガイド142は、ミッドソールプレート140における側面の開口を
含み、この開口は代表的な紐締めケーブルの直径よりも何倍も幅が広いものとすることが
できるが、他の寸法も使用することができる。
【0026】
図1の実施例において、ミッドソールプレート140は、ミッドソールプレート140
の中央サイドで一層突出するよう彫り出した又は輪郭付けした前方フランジ143を有す
る。例示的な前方フランジ143は、履物プラットフォームの土踏まず(アーチ)の下方
で追加的支持を行うよう設計される。しかし、他の実施例において、前方フランジ143
は、中央サイドでそれほど突出しないようにすることができる。この実施例において、後
方フランジ144は中央及び側方サイドで突出した部分を設けた輪郭を有する。図示の後
方フランジ144は、紐締め動力源110の側方安定性を高めることができる。
【0027】
或る実施例において、1つ又はそれ以上の電極をミッドソールプレート140内に埋設
する又はミッドソールプレート140上に配置することができ、また足存在センサの一部
分、例えば、容量性足存在センサの一部分を形成することができる。或る実施例において
、紐締め動力源110は、ミッドソールプレート140上の1つ又はそれ以上の電極に電
気的に接続したセンサ回路を有する。このセンサ回路は、電極から感知される電場又はキ
ャパシタンスの情報を使用して、ミッドソールプレート140に隣接する領域に足が存在
するか又は存在しないかを決定するよう構成することができる。或る実施例においては、
前方フランジ143の最前部端縁から後方フランジ144の最後部端縁までにわたり電極
を敷設し、また他の実施例においては、一方又は双方のフランジにおける一部のみにわた
り電極を敷設する。
【0028】
或る実施例において、履物又は電動式紐締めシステム100は、履物内における足存在
、履物からの足脱げ、履物内での足位置特性をモニタリング又は決定することができる1
つ又はそれ以上のセンサを有する、又は1つ又はそれ以上のセンサとインタフェースをと
る。1つ又はそれ以上のこのような足存在センサからの情報に基づいて、電動式紐締めシ
ステム100を有する履物は、種々の機能を実施するよう構成することができる。例えば
、足存在センサは、足が履物内に存在する又は存在しないか否かについての2値(バイナ
リ)情報を供給するよう構成することができる。或る実施例において、足存在センサに接
続したプロセッサ回路は、デジタル又はアナログ信号情報を受け取って解釈し、またが履
物内に存在する又は存在しないか否かについての2値情報を供給する。足存在センサから
の2値信号が足は存在していることを示す場合、電動式紐締めシステム100における紐
締め動力源110を作動させ、例えば、自動的に紐締めケーブルに対する張力を増減する
、又は足周りに履物を締め付ける又は弛緩させるような他履物拘束手段を作動させる。或
る実施例においては、紐締め動力源110又は履物品の他の部分が、足存在センサからの
信号を受け取る又は解釈することができるプロセッサ回路を有する。
【0029】
或る実施例において、足存在センサは、足が履物に進入しつつあるときに足の位置につ
いての情報を供給するよう構成することができる。電動式紐締め動力源100は、概して
、履物内で、例えば、履物品のインソールの全体又は一部分に対して足が適正に位置決め
又は着座するときのみ、紐締めケーブルを締め付けるよう作動することができる。足の周
遊又は位置付けについての情報を感知する足存在センサは、履物品におけるインソールに
対して又は何らかの他の形体部に対して完全に又は部分的に着座しているか否かについて
の情報を供給することができる。足が適正位置にあることをセンサからの情報が示すまで
は、自動紐締め手順を中断又は遅延させることができる。
【0030】
或る実施例において、足存在センサは、履物内における足の相対位置についての情報を
供給するよう構成することができる。足存在センサは、例えば、履物が或る足に対して両
行に「フィット」しているか否かを、例えば、足の土踏まず(アーチ)、ヒール、つま先
(トウ)、又は他の足要素のうち1つ又はそれ以上の、このような足要素を収容するよう
構成されている履物における対応部分に対する相対位置を決定することによって感知する
構成とすることができる。或る実施例において、足存在センサは、足の一部分又は足要素
が特定又は前もって記録された基準位置に対して経時的に変化するか否か、例えば、経時
的に紐締めケーブルが緩むことに起因して、又は足自体の自然な膨張又は収縮することに
起因して変化するか否かを感知するよう構成することができる。
【0031】
或る実施例において、足存在センサは、身体存在についての情報を感知又は受け取る構
成とすることができる電気的、磁気的、熱的、容量的、圧力的、光学的、又は他形式のセ
ンサデバイスを有することができる。例えば、電気的センサは、少なくとも2個の電極間
におけるインピーダンス特性を測定するよう構成されたインピーダンスセンサを含むこと
ができる。足のような身体が電極に近接又は隣接して位置するとき、電気的センサは第1
値を有するセンサ信号を供給し、また身体が電極から遠隔に位置するとき、異なる第2値
を有するセンサ信号を供給することができる。或る実施例において、第1インピーダンス
値は履物が空の状態であることに関連することができ、それより小さい第2インピーダン
ス値は、履物が占拠されている状態に関連することができる。
【0032】
電気的センサは、AC信号発生回路と、無線周波数情報を含むような、高周波信号情報
を送信又は受信するよう構成されたアンテナとを有することができる。身体がアンテナに
対して近接していることに基づいて、インピーダンス、周波数、又は信号振幅のような1
つ又はそれ以上の電気信号特性を受け取りかつ解析して、身体が存在するか否かを決定す
ることができる。或る実施例において、受信信号強度インジケータ(RSSI)は受信無
線信号における出力レベルについての情報を供給する。例えば、何らかのベースライン又
は基準値に対するRSSIにおける変化を使用して、身体の存在又は不在を識別すること
ができる。或る実施例において、WiFi周波数、例えば、2.4GHz、3.6GHz、
4.9GHz、5GHz、又は5.9GHzのうち1つ又はそれ以上の帯域を使用すること
ができる。或る実施形態においては、例えば、400kHz付近のキロヘルツレンジの周
波数を使用することができる。或る実施例において、ミリワット又はマイクロワットのレ
ンジにおける電力信号変化を検出することができる。
【0033】
足存在センサとして磁気センサを含む。第1の磁気センサは磁石及び磁力計を有するこ
とができる。或る実施例において、磁力計は紐締め動力源110内又はその近傍に位置決
めすることができる。磁石は紐締め動力源110から遠隔の位置に、例えば、アウトソー
ル165上に装着するよう構成された第2ソール又はインソールに配置することができる
。或る実施例において、磁石は第2ソールの発泡体又は他の圧縮可能材料内に埋設する。
起立又は歩行時にユーザーが第2ソールを圧迫するとき、これに対応して磁力計に対する
磁石の位置変化が感知され、センサ信号により通知することができる。
【0034】
第2の磁気センサとしては、磁場の変化又は遮断(例えば、ホール効果による)を感知
するよう構成された磁場センサを含む。身体が第2磁気センサに近接しているとき、セン
サは周囲の磁場の変化を示す信号を発生することができる。例えば、第2の磁気センサと
しては、検出した磁場の変化に応答して電圧出力信号を変化させるホール効果センサがあ
り得る。出力信号の電圧変化は、例えば、導体内の電流に対して交差するような電気信号
導体にかかる電圧差を生ずること、また電流に直交する磁場に起因し得る。
【0035】
或る実施例において、第2の磁気センサは身体からの電磁場信号を受信するよう構成す
る。例えば、「磁場ベースの識別を使用してセキュリティのためのデバイス、システム及
び方法(Devices, systems and methods for security using magnetic field based ide
ntification)」と題するヴァルシャヴスキー氏ら(Varshavsky et al)の米国特許第8,
752,200号は、認証用の身体固有電磁署名を使用することを教示している。或る実
施例において、履物品における磁気センサは、検出した電磁署名により現在のユーザーが
靴の所有者であり、所有者の1つ又はそれ以上の特定紐締め選好(例えば、密着プロファ
イル)に従って自動的に紐締めを行うべきであることの認証又は確認に使用することがで
きる。
【0036】
或る実施例において、足存在センサとして、履物の一部分又はその近傍における温度変
化を感知するよう構成された熱センサを含む。着用者の足が履物品に進入するとき、着用
者自身の体温が履物品の外部温度と異なるとき、履物品の内部温度が変化する。したがっ
て、熱センサは、足が存在していること、又は温度変化に基づいていないことがありそう
である表示を供給することができる。
【0037】
或る実施例において、足存在センサとして、キャパシタンス変化を感知するよう構成さ
れた容量センサを含む。容量センサは単一のプレート又は電極を有する、又は容量センサ
は複数プレート又は複数電極の形態を有することができる。容量型の足存在センサの種々
の例をさらに本明細書で説明する。
【0038】
或る実施例において、足存在センサとして光学センサを含む。光学センサは、履物キャ
ビティにおける互いに対向する側面間のような見通し線が遮断されるか否かを決定するよ
う構成することができる。或る実施例において、光学センサは、足が履物内に挿入される
とき足によって覆われ得る光センサを含む。センサが感知した光又は輝度条件の変化を示
すとき、足の存在又は位置を表示することができる。
【0039】
本明細書記載の異なるタイプの足存在センサのいずれも独立的に使用することができる
、又は2つ又はそれ以上の異なるセンサ又はセンサタイプからの情報を一緒に使用して、
足存在、足不在、向き、履物とのフィット良好性についてのより多くの情報、又は足及び
/若しくは履物との関係性についての情報を与えることができる。
【0040】
図2A~2Cは幾つかの例示的実施形態による、センサシステム及び電動式紐締め動力
源(エンジン)を大まかに示す。
図2Aは例示的紐締め動力源110における外部的な種
々の特徴を示し、これら外部的特徴としては、ハウジング構体150、ケースねじ108
、紐チャンネル112(紐ガイドレリーフ112とも称する)、紐チャンネル移行部11
4、スプール窪み115、ボタン開口122、ボタン121、ボタン薄膜シール124、
プログラム可能なヘッダー128、スプール131、及びスプール131における紐溝1
32がある。他の設計も同様に使用することができる。例えば、封止ドーム型スイッチの
ような他のスイッチタイプを使用することができ、又は薄膜シール124を排除すること
ができる。或る実施例において、紐締め動力源110は、紐締め動力源110の内部回路
を紐締め動力源110の外部回路とのインタフェースをとる1つ又はそれ以上の相互接続
部又は電気接点を有することができ、外部回路としては、例えば、外部足存在センサ(若
しくはそのコンポーネント)、外部アクチュエータのようなスイッチ若しくはボタン、又
は他のデバイス若しくはコンポーネントがある。
【0041】
紐締め動力源110は、ケースねじ108のような1つ又はそれ以上のねじによってと
もに保持することができる。ケースねじ108は一次駆動機構近傍に位置決めして、紐締
め動力源110の構造的一体性を高めることができる。ケースねじ108は、さらに、外
部継ぎ目の超音波溶接するためにハウジング構体150を互いに保持するような組立てプ
ロセスを支援する機能を果たす。
【0042】
図2Aの実施例において、紐締め動力源110は、この動力源を自動履物プラットフォ
ーム内に組み付けた後に紐又は紐ケーブルを収容する紐チャンネル112を有する。紐チ
ャンネル112は、紐ケーブルが操作中に移動できる滑らかなガイド表面を生ずるよう、
面取り端縁付きのチャンネル壁を有することができる。紐チャンネル112の滑らかなガ
イド表面における部分はチャンネル移行部114を有することができ、このチャンネル移
行部114は、スプール窪み115に至る紐チャンネル112の拡幅部分とすることがで
きる。スプール窪み115は、チャンネル移行部114からスプール131の輪郭に密に
合致するほぼ円形断面に遷移する。スプール窪み115は、巻き付いた紐ケーブルを保持
するとともに、スプール131の位置を保持することを支援することができる。他の態様
の設計はスプール131を保持する他の手段を提供する。
図2Aの実施例において、スプ
ール131は、平坦頂面及びスプールシャフト(
図2Aには示さない)を経て反対側の側
面から下方に走る紐溝132を有するヨーヨー半部に類似する形状を有する。
【0043】
紐締め動力源110の片側の側面はボタン開口122を有し、このボタン開口122は
、自動履物プラットフォームにおける1つ又はそれ以上の形体部を作動又は調整するよう
構成し得るボタン121を収容する。ボタン121は、紐締め動力源110内に設けた種
々のスイッチを作動させるための外部インタフェースを提供することができる。幾つかの
実施例において、ハウジング構体150は、ほこり及び水分から保護するボタン薄膜シー
ル124を有する。この実施例において、ボタン薄膜シール124は、数ミル(数1/1
000インチ)までの厚さの透明なプラスチック(又は類似材料)であり、ハウジング構
体150の上面から、例えば、コーナーに掛け渡り片側側面に下るよう粘着することがで
きる。他の実施例において、ボタン薄膜シール124は、ボタン121及びボタン開口1
22を被覆する約2ミル厚さの粘着剤裏打ちビニル薄膜である。他タイプのボタン及びシ
ール材も同様に使用することができる。
【0044】
図2Bは、頂部セクション102及び底部セクション104を含むハウジング構体15
0を示す。この実施例において、頂部セクションは、ケースねじ108、紐チャンネル移
行部114、スプール窪み115、ボタン開口122、及びボタンシール窪み126のよ
うな形体部を有する。或る実施例において、ボタンシール窪み126は、ボタン薄膜シー
ル124の嵌め込み部をなすようレリーフした頂部セクション102の部分である。
【0045】
図2Bの実施例において、底部セクション104は、無線充電器アクセス部105、接
合部106、及びグリース隔壁109のような形体部を有する。さらに、特に参照符号で
識別されないが、ケースねじ108を収容するケースねじベース、並びに駆動機構の部分
を保持するグリース隔壁109内の種々の形体部を示す。グリース隔壁109は、駆動機
構を包囲するグリース又は同様の化合物を保持して、紐締め動力源110の種々の電気的
コンポーネントから隔絶するよう設計する。
【0046】
ハウジング構体150は、頂部セクション102及び底部セクション104のうち一方
又は双方で構体表面内に埋設した又は構体表面上に付着した1つ又はそれ以上の電極17
0を有することができる。
図2Bの実施例における電極170は、底部セクション104
に結合したものとして示す。或る実施例において、電極170は、キャパシタンスをベー
スとする足存在センサ回路(例えば、以下に詳述する足存在センサ310)の一部分を有
する。付加的又は代案的に、電極170は、頂部セクション102に結合することができ
る。頂部セクション102又は底部セクション104に結合した電極は、無線電力送給の
ために及び/又はキャパシタンスベースの足存在センサ回路の一部分として使用すること
ができる。或る実施例において、電極170はハウジング構体150の外面に配置される
1つ又はそれ以上の部分を有することができ、また他の実施例において、電極170は、
ハウジング構体150の内面に配置される1つ又はそれ以上の部分を有する。
【0047】
図2Cは、幾つかの例示的実施形態による、電動式紐締め動力源の様々な内部コンポー
ネントの説明図である。この実施例において、紐締め動力源110は、さらに、スプール
磁石136、Oリングシール138、ウォーム駆動部140、ブッシュ141、ウォーム
駆動キー、ギアボックス148、ギアモータ145、モータエンコーダ146、モータ回
路板147、ウォームギア151、回路板160、モータヘッダー161、バッテリー接
続部162、及び有線充電ヘッダー163を有する。スプール磁石136は、磁力計(図
2Cには示さない)による検出でスプール131の追跡運動を支援する。Oリングシール
138はスプールシャフト周りから紐締め動力源110内に侵入し得るほこり及び水分を
封止するよう機能する。回路板160は、以下に説明する容量足存在センサ310のよう
な足存在センサ用の1つ又はそれ以上のインタフェース又は相互接続部を有することがで
きる。或る実施例において、回路板160は、足存在センサ310の一部分をなす1つ又
はそれ以上の配線又は導電面を有する。
【0048】
この実施例において、紐締め動力源110の主な駆動コンポーネントとしては、ウォー
ム駆動部140、ウォームギア151、ギアモータ145、及びギアボックス148があ
る。ウォームギア151は、ウォーム駆動部140及びギアモータ145の逆駆動(バッ
クドライブ)を抑止するよう設計し、この逆駆動は、スプール131を介して紐ケーブル
から入力される大きな力が比較的大きなウォームギア及びウォーム駆動部の歯を分離させ
得ることを意味する。この構成は、履物プラットフォームの運動使用からくる動力学的負
荷又は紐締めシステムを締め込むことからくる締め付け負荷の双方に耐える十分なギア強
度を持たせる必要性がないように、ギアボックス148を保護する。ウォーム駆動部14
0は、ウォーム駆動キーのような駆動システムの様々な脆弱部分を保護するよう支援する
付加的形体部を有する。この実施例において、ウォーム駆動キーは、ギアボックス148
から突出する駆動シャフトに貫通するピンと調和する、ウォーム駆動部140のモータ側
端部における半径方向溝孔である。この構成は、ウォーム駆動部140がギアボックス1
48又はギアモータ145に対する過度の軸方向力を与えるのを防止し、この防止は、ウ
ォーム駆動部140が軸方向に(ギアボックス148から離れる方向に)自由に移動し、
これら軸方向荷重をブッシュ141及びハウジング構体150に伝達できるようにするこ
とによって行う。
【0049】
図3は、例示的実施形態による、電動式紐締めシステム300のコンポーネントのブロ
ック図を大まかに示す。このシステム300は、電動式紐締めシステムの幾つかのコンポ
ーネントを有し、必ずしもすべてではないが、例えば、インタフェースボタン301、容
量性足存在センサ310、及びハウジング構体150を有し、このハウジング構体150
は、プロセッサ回路を有する印刷回路板アセンブリ(PCA)320、バッテリー321
、充電コイル322、エンコーダ325、モーションセンサ324、及び駆動機構340
を包囲する。駆動機構340は、とりわけモータ341、変速装置342、及び紐スプー
ル343を有することができる。モーションセンサ324としては、とりわけ単軸又は多
軸の加速度計、磁力計、ジャイロメーター、ハウジング構体150内部若しくはこのハウ
ジング構体150に結合した1つ若しくはそれ以上のコンポーネントの動きを感知するよ
う構成された他のセンサ若しくはデバイスがあり得る。
【0050】
図3の実施例において、プロセッサ回路320は、インタフェースボタン301、足存
在センサ310、バッテリー321、充電コイル322、及び駆動機構340とデータ又
は電力の信号伝送状態にある。変速装置342は、モータ341をスプール343に連結
し、駆動機構340を形成する。
図3の実施例において、ボタン301、足存在センサ3
10及び環境センサ350は、ハウジング構体150の外部又は一部が外部にある状態で
示す。
【0051】
代替的実施形態において、ボタン301、足存在センサ310、及び環境センサ350
のうち1つ又はそれ以上をハウジング構体150内に包囲することができる。或る実施例
において、足存在センサ310はハウジング構体150の内部に配置し、発汗及び塵埃又
はデブリからセンサを保護する。ハウジング構体150の壁に貫通する接続部を少なくす
る又は排除することは、アセンブリの耐久性及び信頼性を向上するのに役立てることがで
きる。
【0052】
或る実施例において、プロセッサ回路320は、駆動機構340の1つ又はそれ以上の
態様を制御する。例えば、プロセッサ回路320は、ボタン310から及び/又は足存在
センサ310から及び/又はモーションセンサ324から情報を受信し、これに応じて駆
動機構340を制御し、例えば、足の周りに履物を締め付ける又は緩めるよう構成するこ
とができる。或る実施例において、プロセッサ回路320は、付加的又は代案的に、足存
在センサ310若しくは他の機能用センサからのセンサ情報を取得又は記録するコマンド
を発するよう構成する。或る実施例において、プロセッサ回路320は、足存在センサ3
10を使用して足存在を検出する、足存在センサ310を使用して足の向き若しくは位置
を検出する、又はモーションセンサ324を使用して特定しぐさを検出する、のうち1つ
又はそれ以上の際に、駆動機構340の動作を調整する。
【0053】
或る実施例において、システム300は、環境センサ350を有する。環境センサ35
0からの情報を使用して、足存在センサ310のベースライン若しくは基準値をアップデ
ート又は調整することができる。以下にさらに説明するように、容量性足存在センサによ
って測定されるキャパシタンス値は、経時的に、例えば、センサ近傍の周囲条件に応じて
変動し得る。環境センサ350からの情報を使用して、プロセッサ回路320及び/又は
足存在センサ310は測定した若しくは感知したキャパシタンス値をアップデート若しく
は調整するよう構成することができる。
【0054】
図4は、履物品の着用者が立っているときにおける、履物品400内における公称又は
平均的な足の圧力分布データ(左側)及び高い土踏まず(高アーチ)を有する足の圧力分
布データ(右側)を示す説明図である。この実施例において、足裏圧力の比較的大きな面
積は、ヒール領域401、母趾球(ボール)領域402(例えば、土踏まずとつま先との
間)、及び第一趾領域403(例えば、「母趾」領域)に含まれていることが分かる。し
かし、上述したように、土踏まず領域又はその近傍のような集中化領域に種々の動的(ア
クティブ)コンポーネント(例えば、足存在センサ310を含めて)を設けることは有利
であり得る。或る実施例において、ハウジング構体150を含む履物品を履くとき、土踏
まず領域にあるハウジング構体150は概してユーザーにとって気付かれにくい、又は煩
わしくないものであり得る。
【0055】
図4の実施例において、紐締め動力源141を土踏まず(アーチ)領域に設けることが
できる。足存在センサ310に対応する1つ又はそれ以上の電極は、第1位置405に又
はその近傍に位置決めすることができる。第1位置405に位置決めした電極を使用して
測定されるキャパシタンス値は、第1位置に対する足の近接度に基づいて異なることがで
きる。例えば、平均的足及び高アーチ足に対してそれぞれ異なるキャパシタンス値が得ら
れ、これはすなわち、足自体の表面が第1位置405から異なる距離に存在するからであ
る。或る実施例において、足存在センサ310及び/又は紐締め動力源110の位置を履
物に対して調整して(例えば、ユーザー又は販売時点における技術者によって)、異なる
ユーザーの異なる足特性に適合させ、また足存在センサ310から取得される信号品質を
高めるようにすることができる。或る実施例において、足存在センサ310の感度は、例
えば、駆動信号レベルを増加させる、又は足存在センサ310と足との間に位置する誘電
性材料を変化させることによって調整することができる。
【0056】
図5A及び5Bは、例示的実施形態による、履物品のインソールにおけるキャパシタン
スをベースとする足存在センサの概略図を示す。キャパシタンスをベースとする足存在セ
ンサは、センサを組み込んだ物品が着用されるとき、足のような対象物又は身体550の
下側に設けることができる。
【0057】
図5Aにおいて、キャパシタンスをベースとする足存在センサは、容量感知型のコント
ローラ回路502に接続した第1電極アセンブリ501Aを有することができる。或る実
施例において、コントローラ回路502は、プロセッサ回路320内に含まれる、又はプ
ロセッサ回路320によって実施される機能を含む。
図5Aの実施例において、第1電極
アセンブリ501A及び/又はコントローラ回路502は、ハウジング構体150の内側
部分内に包含される若しくは取り付けることができる、又はハウジング構体150内部の
PCAに接続することができる。或る実施例において、第1電極アセンブリ501Aはハ
ウジング構体150の足に対面する側の表面に配置又は隣接させることができる。或る実
施例において、第1電極アセンブリ501Aは、ハウジング構体150の内部上面領域に
わたり分布させた複数の配線を有する。
【0058】
図5Bにおいては、容量感知型のコントローラ回路502に接続した第2電極アセンブ
リ501Bを有することができる。この第2電極アセンブリ501Bは、ハウジング構体
150の外側部分に又はその近傍に取り付けることができ、また例えば、可撓性コネクタ
511を用いて、ハウジング構体150の内部におけるPCAに電気的に接続することが
できる。或る実施例において、第2電極アセンブリ501Bは、ハウジング構体150の
足に対面する側の表面に配置又は隣接させることができる。或る実施例において、第2電
極アセンブリ501Bは、ハウジング構体150の内面又は外面に固定した可撓性回路を
有し、また1つ又はそれ以上の導体を介してプロセッサ回路320に接続する。
【0059】
或る実施例において、コントローラ回路502は、アトメル(Atmel)社製であるATSAML2
1E18B-MU、STマイクロエレクトロニクス社製であるSTM32L476M、又は他の同様なデバイ
スを含む。コントローラ回路502は、とりわけ第1又は第2の電極アセンブリ501A
又は501Bにおける少なくとも1対の電極対にAC駆動信号を供給し、またそれに応じ
て、以下により詳細に説明するように、電極対に対する対象物又は身体550の近接度の
対応変化に基づく電場変化を感知するよう構成することができる。或る実施例において、
コントローラ回路502は、足存在センサ310又はプロセッサ回路320を含む若しく
は使用する。
【0060】
電極アセンブリ501と感知すべき対象物又は身体550との間に種々の材料を設ける
ことができる。例えば、電極絶縁体、ハウジング構体150の材料、インソール材料、イ
ンサート材料510、靴下若しくは他の足カバー、身体テープ、運動生理学テープ、又は
他の材料を、身体550と電極アセンブリ501との間に介在させて、履物の誘電特性を
変化させ、またこれによって、電極アセンブリ501を含む又は使用するセンサのキャパ
シタンス検出感度に影響を与えるようにすることができる。コントローラ回路502は、
介在する材料の数又はタイプに基づく励起若しくは感知パラメータをアップデート又は調
整し、これにより、例えば、電極アセンブリ501を用いて感知されるキャパシタンス値
の感度若しくは信号対ノイズ比を向上させるよう構成することができる。
【0061】
図5A/5Bの実施例において、第1及び/又は第2の電極アセンブリ501A及び/
又は501Bは、コントローラ回路502内の信号ジェネレータによって励起することが
でき、またこの結果として、電極アセンブリ頂部の足に対面する側面から電場を放出する
ことができる。或る実施例において、電極アセンブリ下側の電場は、感知電極下側に位置
決めされる被駆動シールドを使用して少なくとも部分的にブロックすることができる。こ
の被駆動シールド及び電極アセンブリは、互いに電気的に絶縁することができる。例えば
、第1電極アセンブリ501AがPCAの一方の表面上にある場合、被駆動シールドはP
CAの底部層に、又は多層PCAにおける複数内側層のうち任意な1つの層に配置するこ
とができる。或る実施例において、被駆動シールドは、第1電極アセンブリ501Aの表
面積に等しい又はそれより大きいものとすることができ、また第1電極アセンブリ501
Aの直ぐ下側で中心合わせすることができる。
【0062】
被駆動シールドは駆動信号を受信することができ、またこれに応じて電場を発生するこ
とができる。被駆動シールドが発生する電場は、第1電極アセンブリ501Aが発生する
電場と極性、位相及び/又は大きさがほぼ同一のものとすることができる。被駆動シール
ドの電場は、第1電極アセンブリ501Aの電場に反発することができ、これにより、P
CAの接地平面に対する望ましくない結合のような種々の寄生効果からセンサ場を絶縁す
ることができる。被駆動シールドが発生する電場は、特定エリアに対する直接及び合焦検
出に役立てることができ、環境効果を軽減するのに役立てることができ、また寄生キャパ
シタンス効果を軽減するのに役立てることができる。或る実施例において、被駆動シール
ドを含めることは、センサアセンブリにおける温度変化効果を軽減することができる。温
度は寄生オフセット特性に影響を与えることができ、また温度変化は、例えば、寄生接地
面キャパシタンスを変化させるおそれがある。センサ電極と接地面との間に挿入されるよ
うなシールドを用いることは、センサ測定結果から寄生接地面キャパシタンスの影響を軽
減するのに役立てることができる。
【0063】
被駆動シールドは、第2電極アセンブリ501Bでの使用にも同様に設けることができ
る。例えば、第2電極アセンブリ501Bは、
図5Bの実施例に示すように、ハウジング
構体150の上方に又はそれに隣接して設けることができる。或る実施例において、ハウ
ジング構体150の一部分は、被駆動シールドとして使用される導電性フィルムを含む又
はそれによって部分的に被覆することができる。付加的又は代案的に、被駆動シールドは
、第2電極アセンブリ501Bをハウジング構体150の頂部又はそれに隣接する部分以
外の位置に設けるとき、履物品の他の場所に設けることができる。
【0064】
ハウジング構体150を配置する好適な位置は履物のアーチ面域であり、これはすなわ
ち、着用者が感じにくい面域であり、また不快感を着用者に与えにくいからである。履物
内の足を検出する上で容量感知を用いることの1つの利点は、容量センサをアーチ領域に
配置し、またユーザーが比較的又は異常に高い土踏まず(アーチ)を有するときでも、容
量センサがうまく機能することができる点にある。例えば、センサ駆動信号の大きさ又は
形態特性は容量センサから受信される信号の検出した信号対ノイズ比に基づいて変化又は
選択することができる。或る実施例において、センサ駆動信号は、履物を使用する度毎に
アップデート又は調整することができ、これにより例えば、第1又は第2の電極アセンブ
リ501A又は501Bと、身体550との間に配置される1つ若しくはそれ以上の材料
(例えば、靴下、インソール等々)の変化に対処できる。
【0065】
或る実施例において、容量センサの電極アセンブリ、例えば第1又は第2の電極アセン
ブリ501A又は501Bは、複数電極間、例えば、X軸配向性電極とY軸配向性電極と
の間における信号差を感知するよう構成することができる。或る実施例において、好適な
サンプリング周波数は、約2~50Hzの間であり得る。幾つかの実施例において、キャ
パシタンスをベースとする足存在感知技術は、インソール上又は足周りの靴下内における
発汗(湿気)に対して比較的不変であり得る。このような水分の効果は、水分の存在が測
定されるキャパシタンスを上昇させるため検出のダイナミックレンジを縮小させ得る。し
かし、幾つかの実施例において、そのダイナミックレンジは、履物内の水分が予想レベル
内においてこの効果に対処するのに十分である。
【0066】
図6は、例示的実施形態による、足存在検出のための容量性センサシステム600を大
まかに示す。このシステム600は、身体550(例えば、運動履物品内又はその近傍に
ある足を示す)と、第1及び第2の電極601及び602を有する。電極601及び60
2は、
図5A/Bの実施例からの第1及び第2の電極アセンブリ501A又は501Bに
おけるすべて又は一部分を形成することができ、例えば、足存在センサ310の一部分を
有することができる。
図6の実施例において、第1及び第2の電極601及び602は、
互いにまた身体550に対して垂直方向に離間している状態で示すが、例えば、
図7~9
Cの実施例で詳細に説明するように、水平方向に離間させることもできる。すなわち、或
る実施例においては、電極を身体550の下面に平行な平面上に配置ことができる。
図6
の実施例において、第1電極601は、伝送電極として構成し、また信号ジェネレータ6
10に接続する。或る実施例において、信号ジェネレータ610は
図3の実施例からのプ
ロセッサ回路320の一部分を構成する。すなわち、プロセッサ回路320は、駆動信号
を発生し、また駆動信号を第1電極601に供給するよう構成することができる。
【0067】
信号ジェネレータ610からの駆動信号で第1電極601を励起する結果として、電場
615が主に第1電極601と第2電極602との間で発生することができる。すなわち
、発生した電場615における種々の成分は、第1電極601と第2電極602との間に
延在し、また発生した電場615における他の周辺成分は他の方向に延在することができ
る。例えば、周辺成分は、トランスミッタ電極又は第1電極601からハウジング構体1
50(
図6の実施例には示さない)に離間する方向に延在し、レシーバ電極又は第2電極
602に終端することができる。
【0068】
身体550の近接に起因する電場615の変化についての情報を含めて、電場615に
ついての情報は第2電極602によって感知又は受信することができる。第2電極602
から感知された信号は種々の回路を用いて処理することができ、また身体550の存在又
は不在を示すアナログ又はデジタルの信号を供給するのに使用することができる。
【0069】
例えば、電場615の電場強度は、第2電極602によって受信され、またキャパシタ
ンス表示アナログ信号をデジタル信号に変換するよう構成されるΣ-Δアナログ・ツー・
デジタル変換器回路(ADC)620を用いて測定される。電極近傍の電気的環境は、身
体550のような対象物が周辺成分を含む電場615に侵入するとき、変化する。身体5
50が電場に進入するとき、電場615の一部分が第2電極602に受信かつ終端される
代わりに、接地側に分流される又は電極602に受信される前に身体550を通過する(
空中通過の代わりに)。この結果として、足存在センサ310及び/又はプロセッサ回路
320によって検出できるキャパシタンス変化を生じ得る。
【0070】
或る実施例において、第2電極602はほぼ連続的に電場情報を受信し、またこの情報
はADC620によって連続的又は周期的にサンプリングすることができる。ADC62
0からの情報はオフセット量621に従って処理又はアップデートされ、また次にデジタ
ル出力信号を供給することができる。或る実施例において、オフセット量621はキャパ
シタンスオフセット量であり、特定又はプログラムすることができる(例えば、プロセッ
サ回路320内部で)、又は経時的環境変化、温度、及び環境の他の可変特性を追跡する
のに使用される他のキャパシタに基づくものとすることができる。
【0071】
或る実施例において、デジタル出力信号622は、例えば、測定したキャパシタンス値
を特定閾値と比較することによって、身体550の決定した存在又は不在についての2値
情報を含むことができる。或る実施例において、デジタル出力信号622は、測定したキ
ャパシタンスについての定性的情報を含み、この情報を用いて(例えば、プロセッサ回路
320が)、身体550の存在又は不在の可能性を表示することができる。
【0072】
周期的に、又は足存在センサ310がアクティブでない場合にはいつでも(例えば、モ
ーションセンサ324からの情報を用いて決定されるような)、キャパシタンス値を測定
し、また基準値、ベースライン値、又は周囲値として保存することができる。足又は身体
が足存在センサ310並びに第1及び第2の電極601及び602に接近するとき、測定
されるキャパシタンスは、例えば、保存した基準値に対して増減し得る。或る実施例にお
いて、1つ又はそれ以上の閾値キャパシタンスレベルを、例えば、プロセッサ回路320
を有するオンチップレジスタに保存することができる。測定したキャパシタンス値が特定
閾値を超えるとき、身体550は、足存在センサ310を収納する履物に対しての存在(
又は不在)を決定することができる。
【0073】
足存在センサ310、並びに足存在センサ310の一部分を構成する電極601及び6
02は、以下の幾つかの非限定的実施例で示すように、複数の異なる形態をとることがで
きる。或る実施例において、足存在センサ310は、複数電極又はプレート間における相
互キャパシタンスについての情報を感知又は使用するよう構成する。
【0074】
或る実施例において、電極601及び602は、電極グリッドとして配列する。このグ
リッドを用いる容量センサは、グリッドにおける各行及び各列の各交点に可変キャパシタ
を有することができる。随意的に、この電極グリッドは、1つ若しくは複数の行又は列に
配列した電極を有する。電圧信号を行又は列に印加することができ、またセンサ表面近傍
における身体又は足は、局所的電場に影響を及ぼすことができ、またこのことは、相互キ
ャパシタンス効果を軽減することができる。或る実施例において、グリッドにおける複数
ポイントでのキャパシタンス変化を測定して身体位置を決定することができ、この測定は
各軸における電圧を測定することによって行う。或る実施例において、相互キャパシタン
ス測定技術は、グリッド周りの複数位置からの情報を同時に供給することができる。
【0075】
或る実施例において、相互キャパシタンス測定は送信電極及び受信電極の直交グリッド
を使用する。このようなグリッドをベースとするセンサシステムにおいて、測定結果は複
数のX-Y座標対の各々に対して検出され得る。或る実施例において、多重キャパシタか
らのキャパシタンス情報を使用して、履物内における足の存在又は足の向きを決定するこ
とができる。他の実施例において、1つ又はそれ以上のキャパシタからのキャパシタンス
情報は経時的に取得かつ解析して、足の存在又は足の向きを決定することができる。或る
実施例において、X及び/又はY検出座標についての変化率情報を使用して、足が履物内
のインソールに対して適正又は完全に着座する時点又は着座するか否かを決定することが
できる。
【0076】
或る実施例において、自己キャパシタンスベースの足存在センサは相互キャパシタンス
センサとして同一のX-Yグリッドを有することができるが、列及び行は独立的に動作す
ることができる。自己キャパシタンスセンサにおいて、各列又は行における身体の容量性
負荷は独立的に検出することができる。
【0077】
図7は、例示的実施形態による、第1キャパシタンスベース足存在センサの概略図を大
まかに示す。
図7の実施例において、第1容量センサ700は、複数の平行容量プレート
を有する。複数プレートは、例えば、第1容量センサ700を有する履物品が履かれると
きの足裏面に又はその近傍に位置決めされるハウジング構体150上又は内部に配列する
ことができる。或る実施例において、容量足存在センサ310は第1容量センサ700を
含む又は使用する。
【0078】
図7の実施例において、4つのキャパシタンスプレートを参照符号701~704とし
て示す。プレートは導電性フォイルのような導電性材料で形成することができる。このフ
ォイルは、可撓性とすることができ、また随意的にハウジング構体150のプラスチック
内に埋設することができる。フィルム、インク、溶着金属のような任意な導電性材料を使
用できると理解されたい。
図7の実施例において、プレート701~704は、共通平面
内に配列され、また離散導電性素子又は電極を形成するよう互いに離して配置する。
【0079】
キャパシタのキャパシタンス値は、キャパシタを形成する2つのプレート間における材
料の誘電率に関数的に関連する。第1容量センサ700内で2つ又はそれ以上のキャパシ
タプレート701~704における各対間にキャパシタを形成することができる。したが
って、
図7でキャパシタA、B、C、D、E、及びFとして示される6個の実効キャパシ
タは、キャパシタプレート701~704の6個の固有組合せ対によって形成することが
できる。随意的に、2つ又はそれ以上のプレートは単一プレートを形成するよう電気的に
接続することができる。すなわち、或る実施例において、キャパシタは、第1導体を得る
よう、互いに電気的に接続した第1及び第2のキャパシタプレート701及び702を用
いて形成することができ、また第2導体を得るよう、互いに電気的に接続した第3及び第
4のキャパシタプレート703及び704を用いて形成することができる。
【0080】
或る実施例において、第1キャパシタ701と第2キャパシタ702との間における容
量効果は、
図7に文字Aで示す仮想キャパシタによって表される。第1キャパシタ701
と第3キャパシタ703との間における容量効果は、
図7に文字Bで示す仮想キャパシタ
によって表される。第2キャパシタ702と第4キャパシタ704との間における容量効
果は、
図7に文字Cで示す仮想キャパシタによって表される。当業者であれば、各幻想キ
ャパシタは、キャパシタプレートの対応対間に延在する電場を表すことは理解されるであ
ろう。以下には、分かり易い表示目的のため、容量プレートの各対によって形成されるキ
ャパシタは、
図7で使用される文字(例えば、「A」、「B」等々)で参照され、仮想キ
ャパシタを識別する。
【0081】
図7の実施例におけるキャパシタプレートの各対に対して、プレート間の実効誘電体は
プレート間に配置される空隙(又は他の材料)を有する。キャパシタプレートの各対に対
して、容量プレートの対応の対に近接する身体又は足の何らかの部分は、或る容量プレー
ト対における実効誘電体の一部となり得る又は実効誘電体に影響を与え得る。すなわち、
対応するプレート対に対する身体の近接度に従って、各キャパシタプレート対間に可変誘
電体を生ずることができる。例えば、或るプレート対に対して身体又は足が接近すればす
るほど、誘電体の実効値が大きくなる。誘電率の値が増加するにつれて、キャパシタンス
値が増加する。このようなキャパシタンス値変化は、プロセッサ回路320が受信するこ
とができ、またこれを使用して身体が第1容量センサ700に存在する又はその近傍に存
在するか否かを示すことができる。
【0082】
容量センサ700を含む足存在センサ310の実施例において、複数の容量センサ駆動
/モニタ回路をプレート701~704に接続することができる。例えば、別個の駆動/
モニタ回路を
図7の実施例におけるキャパシタプレート対に関連付けることができる。或
る実施例において、駆動/モニタ回路は駆動信号(例えば、経時変動電気励起信号)をキ
ャパシタプレート対に供給することができ、またこれに応じてキャパシタンス表示値を受
信することができる。各駆動/モニタ回路は、関連するキャパシタ(例えば、第1及び第
2のプレート701及び702に対応するキャパシタ「A」)の可変キャパシタンスを測
定するよう構成することができ、またさらに、測定したキャパシタンス値を示す信号を供
給するよう構成することができる。駆動/モニタ回路は、キャパシタンスを測定するため
の任意の適当な構体を有することができる。或る実施例において、2つ又はそれ以上の駆
動/モニタ回路を一緒に使用して、例えば、異なるキャパシタを用いて測定したキャパシ
タンス値間における差の表示を生ずるようにすることができる。
【0083】
図8は、例示的実施形態による、第2キャパシタンスベース足存在センサの概略図を大
まかに示す。
図8の実施例は、第1及び第2の電極801及び802を含む第2容量セン
サ800を備える。足存在センサ310は、第2容量センサ800を含む又は使用するこ
とができる。
図8の実施例において、第1及び第2の電極801及び802は、ほぼ平面
状の表面に沿ってくし形の形態に配列する。或る実施例において、プロセッサ回路320
のような駆動回路は、第1及び第2の電極801及び802に印加する励起又は刺激信号
を発生するよう構成することができる。同一又は異なる回路は、第1及び第2の電極80
1及び802間におけるキャパシタンス変化を表している応答信号を感知するよう構成す
ることができる。キャパシタンスは、電極に対する身体又は足の存在によって影響を受け
ることができる。例えば、第1及び第2の電極801及び802は、例えば、ハウジング
構体150を含む履物内に足が存在するとき足に隣接するような、ハウジング構体150
の表面上又はその近傍に配列することができる。
【0084】
或る実施例において、第2容量センサ800は、電極パターンを形成するようX-Yグ
リッドのようなエッチングした導電層を有する。付加的又は代案的に、第2容量センサ8
00の電極は、導電性材料における複数の互いに分離しかつ平行な層をエッチングする、
例えば、グリッドを形成するよう互いに直交するライン又はトラックを設けるようエッチ
ングすることによって得ることができる。この及び他の容量センサにおいて、身体又は足
と導電層又は電極との間における直接接触は必要としない。例えば、導電層又は電極は、
ハウジング構体150内に埋設することができる、又は保護若しくは絶縁層でコーティン
グすることができる。その代わり、検出すべき身体又は足は、電極近傍の電場特性に干渉
又は影響を与えることができ、また電場変化を検出することができる。
【0085】
或る実施例において、別個のキャパシタンス値が、接地又は基準に対する第1電極80
1に対して、及び接地又は基準に対する第2電極802に対して測定され得る。足存在検
出に使用される信号は、第1及び第2の電極801及び802に対して測定される別個の
キャパシタンス値間における差に基づくものであり得る。すなわち、足存在又は足検出の
信号は、第1及び第2の電極801及び802を使用して測定される個別キャパシタンス
信号間の差に基づくものであり得る。
【0086】
図9A及び9Bは、幾つかの実施例による第3容量センサ900の例を大まかに示す。
図9Cは、第4容量センサ902の例を大まかに示す。
図9Aは第3容量センサ900の
概略的平面図を示す。
図9Bは、第3容量センサ900を含むセンサアセンブリ901の
分解斜視図を示す。
図9Cは、第4容量センサ902の概略的平面図を示す。
【0087】
図9Aの実施例において、第3容量センサ900は、第1電極配線911及び第2電極
配線912を有する電極領域を含む。第1及び第2の電極配線911及び912は、絶縁
体配線913によって分離する。或る実施例において、第1及び第2の電極配線911及
び912は、導電性材料のうちとりわけ銅、炭素、銀とすることができ、また材料のうち
とりわけFR4、ポリイミド、PETから作製した基板上に配置することができる。第3
容量センサ900の基板及び配線は、1つ又はそれ以上の可撓性部分を含むことができる
。
【0088】
第1及び第2の電極配線911及び912は、第3容量センサ900の基板における表
面積にわたりほぼ分布させることができる。電極配線は、第3容量センサ900を設置す
るときハウジング構体150の上面又は頂面に当接するよう位置決めすることができる。
或る実施例において、第1及び第2の電極配線911及び912のうち一方又は双方は、
約2mmの幅を有することができる。絶縁体配線913はほぼ同一幅とすることができる
。或る実施例において、配線幅は、とりわけ、履物サイズ又はインソールタイプに基づい
て選択することができる。例えば、配線と感知すべき身体との間の距離、インソール材料
、ギャップ充填材、ハウジング構体150の材料、又は履物に使用される他の材料に基づ
いて、例えば、第3容量センサ900を用いて測定されるキャパシタンス値の信号対ノイ
ズ比を最大化するよう、異なる配線幅を、第1及び第2の電極配線911及び912に対
して及び/又は絶縁体配線913に対して選択することができる。
【0089】
第3容量センサ900は、コネクタ915を有することができる。このコネクタ915
は、ハウジング構体150におけるPCAに接続されるような整合コネクタに接続するこ
とができる。整合コネクタは、第1及び第2の電極配線911及び912をプロセッサ回
路320に電気的に接続する1つ又はそれ以上の導体を有することができる。
【0090】
或る実施例において、第3容量センサ900は入力信号導体920A及び920Bを有
する。入力信号導体920A及び920Bは、1つ又はそれ以上の入力デバイス、例えば
、ドームボタン又は
図2Aの実施例におけるボタン121に対応するような他のスイッチ
に接続するよう構成することができる。
【0091】
図9Bは第3容量センサ900、ボタン121A及び121B、並びに薄膜シール12
4A及び124Bを含むセンサアセンブリ901を示す。或る実施例において、入力信号
導体920A及び920Bにおける対応の導電性表面はボタン121A及び121Bに結
合する。薄膜シール124A及び124Bはボタン121A及び121B上に付着し、例
えばボタン121A及び121Bをデブリから保護し、また導体表面との整列状態を保持
する。
【0092】
図9Cの実施例において、第4容量センサ902は第1電極配線921及び第2電極配
線922を有する電極領域を含む。第1及び第2の電極配線921及び922は、絶縁体
配線923によって分離する。電極配線は種々の導電性材料を有することができ、また第
4容量センサ902は1つ又はそれ以上の可撓性部分を有することができる。第4容量セ
ンサ902はコネクタ925を有することができ、またハウジング構体150のPCAに
接続されるような整合コネクタに接続することができる。
【0093】
本発明者らは、解決すべき問題には、例えば、足存在センサのすべて又は一部が検出す
べき足又は身体から空隙又は他の介在材料によって離れているとき、容量性足存在センサ
からの適正な感度又は応答性を確立することにあると認識した。本発明者らは、解決法と
しては、特定の形状、サイズ、及び配向性の複数の電極を用いて、電極が付勢されるとき
に生ずる電場の配向性及び相対強度を高めることを含むと認識した。すなわち、本発明者
らは、容量性足存在感知に使用するための最適電極形態を特定した。
【0094】
或る実施例において、第4容量センサ902の複数電極は第1及び第2の電極配線92
1及び922を有し、この第1及び第2の電極配線921及び922の各々が互いにほぼ
平行に延在する複数の離散フィンガ又は配線部を有する。例えば、第1及び第2の電極配
線921及び922は、
図9Cに示すような、複数の交互配置される導電性フィンガを有
することができる。
【0095】
或る実施例において、第2電極配線922は、第4容量センサ902の外周端縁又は表
面部分に沿ってほぼ存在する汀線(ショアライン)又は周縁部分を有することができ、ま
た第1電極配線921の周りをほぼ包囲する。
図9Cの実施例において、第2電極配線9
22を含む汀線は第4容量センサ902の頂面のほぼ全体に沿って延在するが、幾つかの
他の実施例においてはセンサのより少ない部分に沿って延在することができる。本発明者
らは、さらに、非平行は1つ又はそれ以上の配線又はフィンガ部分を含む代わりに、第1
及び第2の電極配線921及び922におけるフィンガの大部分又はすべてが互いにほぼ
平行に配列されているとき、足存在を検出する最適電場を生ずることを認識した。例えば
、第4容量センサ902とは対比的に、
図9Aの第3容量センサ900は、例えば、垂直
方向に延在するフィンガ部分を含む第1電極配線911の上方部分及び水平方向に延在す
るフィンガ部分を含む第1電極配線911の下方部分におけるように、非平行フィンガを
含む。第1及び第2の電極配線921及び922の相対厚さは、センサの感度をより高め
るよう調整することができる。或る実施例において、第2電極配線922は第1電極配線
921よりも3倍又はそれ以上の倍数分だけ厚くする。
【0096】
或る実施例において、第1、第2、第3、及び第4の容量センサ700、800、90
0、及び902のうち1つ又はそれ以上を用いるような足存在センサ310によって測定
されるキャパシタンス値は、
図3のプロセッサ回路320のようなコントローラ又はプロ
セッサ回路に供給することができる。測定したキャパシタンスに応じて、プロセッサ回路
320は駆動機構340を作動させ、例えば、足周りの履物張力を調整できるようにする
。この調整動作は、随意的にソフトウェアを実行するプロセッサによって実施できる、又
は有線コンポーネント及びソフトウェアの組合せで実施できる、別個の「有線」コンポー
ネントによって少なくとも部分的に実施することができる。或る実施例において、駆動機
構340の作動には、(1) プロセッサ回路320を使用するような、1つ又はそれ以上の
駆動/モニタリング回路を使用する足存在センサ310からの信号をモニタリングするこ
と、(2) もしある場合には受信したうちどのキャパシタンス信号が特定閾値(例えば、プ
ロセッサ回路320の記憶レジスタ内及び/又はプロセッサ回路320にデータ通信する
メモリ回路に保存される)に合致又は超えるキャパシタンス値を示すか否かを決定するこ
と、(3) 例えば、種々の特定閾値が超えられることに基づいて、足存在センサ310近傍
における身体又は足の位置、サイズ、向き又は他の特徴を特徴付けすること、及び(4) 該
特徴付けに基づいて駆動機構340の作動を許可、有効化、調整、又は抑止すること、が
含まれる。
【0097】
図10は、履物センサからの足存在情報を使用するステップを含む方法1000の実施
例を示すフローチャートを図解する。動作ステップ1010において、この実施例は、足
存在センサ310からの足存在情報を受信する。足存在情報は、足が履物内に存在するか
否かについての2値情報(例えば、
図12~14の実施例で詳述する割込み信号参照)を
含むことができる、又は足が履物品内に存在する可能性表示を含むことができる。情報は
、足存在センサ310からプロセッサ回路320への電気信号を含むことができる。或る
実施例において、足存在情報は、履物内における1つ又はそれ以上のセンサに対する足の
位置についての定性的情報を含む。
【0098】
動作ステップ1020において、実施例は足が履物内に完全に着座したか否かを決定す
る。足が完全に着座したことをセンサ信号が示す場合、実施例は、動作ステップ1030
に継続して、駆動機構340を作動させることができる。例えば、動作ステップ1020
で足が完全に着座することを決定するとき、上述したように、足存在センサ310からの
情報に基づいて、駆動機構340がスプール131を介して履物紐を締め込むことに従事
することができる。足が完全に着座しないことをセンサ信号が示す場合、実施例は、動作
ステップ1022に継続して、幾分の特定インターバル(例えば、1~2秒又はそれ以上
)にわたり遅延又は空転させることによってことができる。特定遅延の経過後、実施例は
、動作ステップ1010に戻り、またプロセッサ回路が足存在センサ310からの情報を
再び採取して、足が完全に着座したか否かを決定することができる。
【0099】
動作ステップ1030において駆動機構340が作動した後、プロセッサ回路320は
動作ステップ1040で足位置情報をモニタリングするよう構成することができる。例え
ば、プロセッサ回路は、履物内の足の絶対又は相対位置についての足存在センサ310か
らの情報を、周期的又は間欠的にモニタリングするよう構成することができる。或る実施
例において、動作ステップ1040での足位置情報モニタリング及び動作ステップ101
0での足存在情報受信は、同一又は異なる足存在センサ310からの情報を受信するステ
ップを含むことができる。例えば、異なる電極を使用して、動作ステップ1010及び1
040における足存在又は足位置の情報をモニタリングすることができる。
【0100】
動作ステップ1040において、実施例は、ボタン121のような履物に関連する1つ
又はそれ以上のボタンからの情報をモニタリングするステップを含む。ボタン121から
の情報に基づいて、駆動機構340は、ユーザーが履物を脱ぐことを希望するときのよう
に、紐を離脱又は緩めるよう命令を受けることができる。
【0101】
或る実施例において、駆動機構340を作動させる又は紐を締め込むためのフィードバ
ック情報として、紐張力情報を、付加的又は代案的にモニタリング又は使用することがで
きる。例えば、紐張力情報は、モータ341に印加される駆動電流を測定することによっ
てモニタリングすることができる。この張力は、製造時点で特徴付けする、又はユーザー
がプリセット若しくは調整することができる、及びモニタリング又は測定される駆動電流
レベルに相関付けることができる。
【0102】
動作ステップ1050において、実施例は履物内で足位置が変化するか否かを決定する
。足存在センサ310及びプロセッサ回路320によって足位置の変化がないことが検出
される場合、動作ステップ1052に継続して遅延を行うことができる。動作ステップ1
052における特定遅延インターバル経過後、足存在センサ310からの情報を再採取す
る動作ステップ1040に戻り、再度足位置が変化したか否かを決定することができる。
動作ステップ1052における遅延は、約1ミリ秒から数秒にわたる範囲内とすることが
でき、また随意的にユーザーが特定することができる。
【0103】
或る実施例において、動作ステップ1052における遅延は、例えば、履物使用特徴を
決定することに応答して、プロセッサ回路320が自動的に決定することができる。例え
ば、着用者が激しい運動に従事していること(例えば、ランニング又はジャンピング)を
プロセッサ回路320が決定する場合、プロセッサ回路320は、動作ステップ1052
で得られる遅延持続時間を減少させることができる。着用者が激しい運動に従事していな
いこと(例えば、歩行又は着席)をプロセッサ回路が決定する場合、プロセッサ回路32
0は、動作ステップ1052で得られる遅延持続時間を増加させることができる。遅延持
続時間を増加させることによって、プロセッサ回路320による及び/又は足存在センサ
310によるセンササンプリングイベント及びこれに対応する電力消費を先送りしてバッ
テリー寿命を確保することができる。或る実施例において、動作ステップ1050で位置
変化が検出される場合、実施例は、動作ステップ1030に戻り、例えば、足周りに履物
を締め込む又は緩めるよう駆動機構340を作動させることができる。或る実施例におい
て、プロセッサ回路320は、駆動機構340用に履歴コントローラを設ける又は組み込
み、例えば、足位置に僅かな変化しか検出されないイベントで、望ましくない紐スプール
巻き付けを回避することの補助を行う。
【0104】
図11は、履物センサからの足存在情報を用いる方法1100の実施例を示すフローチ
ャートを図解する。
図11の実施例は、例えば、プロセッサ回路320及び足存在センサ
310を使用する実施形態であり得るような状態マシンの動作に言及することができる。
【0105】
状態1110は、運動履物品としての初期設定又はベースライン状態を表す「出荷(Sh
ip)」状態を含むことができ、この履物品は、足存在センサ310からの情報によって影
響を受けることがあり得る1つ又はそれ以上の特徴を含む。出荷状態において、履物の種
々の能動コンポーネントは、履物のバッテリー寿命を確保するよう、スイッチオフ又は非
作動状態にされる。
【0106】
「電源投入(Power Up)」イベント1115に応じ、実施例は、「無効化(Disabled)
」又は無作動状態1120に遷移することができる。運動履物の駆動機構340又は他の
特徴は、無効状態1120で待機状態に留まることができる。無効化状態1120から脱
するトリガイベントとして種々の入力を使用することができる。例えば、1つのボタン1
21からのユーザー入力を使用して、無効化状態1120からの遷移を表明することがで
きる。或る実施例において、モーションセンサ324からの情報を起動信号として使用す
ることができる。モーションセンサ324からの情報としては、ユーザーが靴を準備位置
に配置する、又はユーザーが足を履物内に挿入し始めることに対応するような、履物の運
動についての情報を含むことができる。
【0107】
自動紐締め有効化イベント1123に出会う又は受信するまでは、状態マシンは電源投
入イベント1115に続く無効化状態1120に留まることができる。自動紐締め有効化
イベント1123は、ユーザーが手動でトリガすることができる(例えば、駆動機構34
0に対するユーザー入力又はインタフェースデバイスを使用して)、又は例えば、モーシ
ョンセンサ324から受信されるジェスチャー情報に応答して自動的にトリガすることが
できる。自動紐締め有効化イベント1123に続いて、較正イベント1125を生ずるこ
とができる。較正イベント1125は、センサに対する環境効果を考慮するような、足存
在センサ310のキャパシタンスに対する基準値又はベースライン値設定を含むことがで
きる。この較正は、足存在センサ310自体から感知される情報に基づいて実施すること
ができる、又は基準情報をプログラムする又は特定することができる。例えば、較正結果
が特定レンジ外にある場合、又は環境効果が過剰である場合、較正を延期することができ
る。
【0108】
自動紐締め有効化イベント1123に続いて、状態マシンは「足存在信号待機(Wait f
or foot presence signal)」状態1130の保持に進むことができる。この状態113
0において、状態マシンは足存在センサ310及び/又はモーションセンサ324からの
割込み信号を待機することができる。足が存在することを示す、又は足が存在する十分な
可能性を示すような割込み信号を受信する際に、イベントレジスタは、イベント1135
での「足発見(Foot found)」を示すことができる。
【0109】
状態マシンは足発見イベント1135を生じたとき種々の機能に遷移又は開始すること
ができる。例えば、履物は、足発見イベント1135に応答して駆動機構340を用い、
張力特徴部を締め込む又は調整するよう構成することができる。或る実施例において、プ
ロセッサ回路320は、駆動機構340を作動させ、足発見イベント1135に応答して
初期量だけ紐張力を調整し、またプロセッサ回路320は、他の制御ジェスチャーが検出
されない限り若しくは検出されるまでは、又はユーザー入力が受信されない限り若しくは
受信されるまではそれ以上の履物締め込みを遅延させる。すなわち、状態マシンは、「行
動待機(Wait for move)」状態1140に遷移することができる。或る実施例において
、足発見イベント1135に続いて、プロセッサ回路320は駆動機構340を有効化す
るが、駆動機構を作動させない。状態1140において状態マシンは、付加的に感知され
る履物モーション情報のために保持又は停止してから、初期張力調整又はその後の張力調
整を行う。行動待機状態1140に続いて、足踏み(Stomp)/歩行(Walk)/起立(Sta
nd)イベント1145を検出することができ、またこれに応じて、プロセッサ回路320
はさらに履物の張力特徴部を調整することができる。
【0110】
足踏み/歩行/起立イベント1145は、運動履物内における1つ又はそれ以上のセン
サからのような、様々な個別の感知入力を含むことができる。例えば、足踏みイベントは
、モーションセンサ324からの情報を含み、この情報は、積極的な加速(例えば、特定
又は包括的な方向における)、及び「上向き(up)」又は「直立(upright)」の指向性
を示す。或る実施例において、足踏みイベントは、ユーザーが片方の膝をほぼ垂直方向か
つ前方に上げる「ハイニー(high knee)」又はキック型イベントを含む。モーションセ
ンサ324からの加速特徴を解析することができ、例えば、加速が特定閾値に合致又は超
えるか否かを決定する。例えば、緩慢膝上げイベントは足踏みイベント応答をトリガせず
、一方、迅速(rapid)又は急速(quick)膝上げイベントは足踏みイベント応答をトリガ
する。
【0111】
歩行(Walk)イベントは積極的足運び(step)パターン及び「上向き」又は「直立」の
指向性を示すモーションセンサ324からの情報を含むことができる。或る実施例におい
て、モーションセンサ324及び/又はプロセッサ回路320は足運び(step)イベント
を識別するよう構成され、また歩行(Walk)イベントは、いつ足運び(step)イベントが
識別されるか、またいつ加速度計(例えば、モーションセンサ324に含める又は別個に
する)が履物は直立していることを表示するかで認識することができる。
【0112】
起立イベントは、例えば、モーションセンサからの履物の加速又は向き変化についての
更なる情報なしに、「上向き(up)」又は「直立(upright)」の指向性を示すモーショ
ンセンサからの情報を含むことができる。或る実施例において、起立イベントは、以下に
詳細に説明するように、容量性足存在センサ310からのキャパシタンス信号における変
化についての情報を使用して判別することができる。すなわち、足存在センサ310から
キャパシタンス信号は、いつユーザーの足が履物に下向き圧力を加えるかのような、ユー
ザーが起立しているか否かを示すことができる信号変化を含むことができる。
【0113】
足踏み/歩行/起立イベント1145の特別な実施例は限定的であると考えるべきでは
なく、また足が足発見イベント1135で検出された後のように、履物の挙動をさらに制
御する又は挙動に影響を与えるよう様々な他のジェスチャー、経時的入力、又はユーザー
入力の制御を行うことができる。
【0114】
足踏み/歩行/起立イベント1145に続き、状態マシンは「紐解き待機(Wait for u
nlace)」状態1150を含むことができる。紐解き待機状態1150は、履物を弛緩さ
せる、張力解除又は紐解きする命令のためのユーザー入力及び/又はジェスチャー情報(
例えば、モーションセンサ324を用いて)をモニタリングすることを含むことができる
。この紐解き待機状態1150において、プロセッサ回路320のような状態マネジャー
は、紐締め動力源又は駆動機構340が紐解きされ、また足存在信号状態1130に復帰
すべきであることを示すことができる。すなわち、第1の例において、紐解きイベント1
155が生ずることができ、状態マシンは履物を紐解き状態に遷移することができ、また
状態マシンは足存在信号状態1130に復帰することができる。第2の例において、自動
紐締め無効化イベント1153を生じて、履物を無効化状態1120に遷移させることが
できる。
【0115】
図12は、容量性足存在センサからの第1経時変化情報のグラフ1200を大まかに示
す。
図12の例は、キャパシタンス対時間グラフと、及びこのグラフにプロットしてある
第1経時変化キャパシタンス信号1201とを含む。或る実施例においては、第1経時変
化キャパシタンス信号1201は、本明細書記載の足存在センサ310を使用して取得す
ることができる。第1経時変化キャパシタンス信号1201は、上述したような足存在セ
ンサ310における複数電極との間で測定したキャパシタンス、又は電場における身体の
影響表示に対応することができる。或る実施例において、第1経時変化キャパシタンス信
号1201は全体又は相対的なキャパシタンス信号値を表し、また他の実施例において、
信号は、信号値と基準キャパシタンス信号値との間の差を表す。
【0116】
或る実施例において、第1キャパシタンス信号1201は特定第1閾値キャパシタンス
値1211と比較することができる。足存在センサ310は比較を実施するよう構成する
ことができ、又はプロセッサ回路320は、足存在センサ310からのキャパシタンス情
報を受信し、また上記比較を実施するよう構成することができる。
図12の実施例におい
て、第1閾値キャパシタンス値1211は一定の非ゼロ値であることを示す。第1キャパ
シタンス信号1201が、時刻T
1におけるような第1閾値キャパシタンス値1211に
合致又は超えるとき、足存在センサ310及び/又はプロセッサ回路320は第1割込み
信号INT
1を供給することができる。第1割込み信号INT
1は、足存在センサ310
によって示されるキャパシタンス値が第1閾値キャパシタンス値1211に合致又は超え
る限り高いままでいることができる。
【0117】
或る実施例において、第1割込み信号INT
1は、
図10の実施例における、例えば、
動作ステップ1010又は1020で使用することができる。動作ステップ1010にお
いて、足存在センサ310からの足存在情報を受信することは、プロセッサ回路320に
おけるような第1割込み信号INT
1を受信することを含むことができる。或る実施例に
おいて、動作ステップ1020は、足が履物内に完全に着座している又はその可能性が高
いか否かを決定する割込み信号情報を使用することを含むことができる。例えば、プロセ
ッサ回路320は、第1閾値キャパシタンス値1211を超えるキャパシタンス値をプロ
セッサ回路320がどのくらい長く供給するかを決定するための第1割込み信号INT
1
の持続時間をモニタリングすることができる。この持続時間が特定基準持続時間を超える
場合、プロセッサ回路320は足が履物内に完全に着座している又はその可能性が高いか
否かを決定することができる。
【0118】
或る実施例において、第1割込み信号INT
1は、
図11の実施例における、例えば、
状態1130又はイベント1135で使用することができる。状態1130において、状
態マシンは、プロセッサ回路320から、又は足存在センサ310からINT
1のような
割込み信号を待機するよう構成することができる。イベント1135において、状態マシ
ンは、第1割込み信号INT
1を受信することができ、またこれに応じて1つ又はそれ以
上の状態を開始することができる。
【0119】
或る実施例において、第1閾値キャパシタンス値1211は調整可能である。この閾値
は、例えば、環境変化に起因するようなときに測定又は検出される変化に基づいてキャパ
シタンスのベースライン又は基準を変化させることができる。或る実施例において、第1
閾値キャパシタンス値1211はユーザーが特定することができる。閾値のユーザー特定
が履物の感度に影響を及ぼすことができる。或る実施例において、第1閾値キャパシタン
ス値1211は、足存在センサ310における又はその周りにおける感知した環境又は材
料変化に応じて自動的に調整することができる。
【0120】
図13は容量性足存在センサからの第2経時変化情報のグラフ1300を大まかに示す
。
図13の例は、第1閾値キャパシタンス値1211近傍における第2キャパシタンス信
号1202の変動をどのように取り扱い又は使用して、履物内における足の存在又は向き
についてのより多くの情報を決定することができるかを示す。
【0121】
或る実施例において、第2キャパシタンス信号1202は足存在センサ310から受信
され、また第2キャパシタンス信号1202は第1閾値キャパシタンス値1211と比較
する。他の閾値も同様に、とりわけユーザー、履物タイプ、又は環境若しくは環境特性に
基づいて使用することができる。
図13の例において、第2キャパシタンス信号1202
は、時刻T
2、T
3、及びT
4で第1閾値キャパシタンス値1211に交差することがで
きる。或る実施例において、複数の閾値交差を足存在センサ310が使用して、例えば、
足が履物に進入するときの足の移動経路を示すことによって、足存在を確実に識別するこ
とができる。例えば、時刻T
2、T
3における第1及び第2の閾値交差によって区切られ
る時間インターバルは、足のつま先又は指骨が足存在センサ310の電極に又はその近傍
に位置決めされる持続時間を示すことができる。感知したキャパシタンスが第1閾値キャ
パシタンス値1211よりも小さい時刻T
3とT
4との間におけるインターバルは、足に
おける中足骨の関節又は骨が足存在センサ310の電極上を又はその近傍を移動する時間
に対応することができる。中足骨の関節又は骨は、指骨が履物内で移動するとき足存在セ
ンサ310に対する指骨の距離よりも大きい距離だけ足存在センサ310から離間するこ
とができ、したがって、この結果として測定される時刻T
3とT
4との間におけるキャパ
シタンスは小さくなり得る。時刻T
4において、足のヒール又は距骨が所定位置内に摺動
することができ、土踏まずは足存在センサ310の電極上に着座することができ、これに
より感知されるキャパシタンスを再び上昇させ、また第1閾値キャパシタンス値1211
を超えることができる。したがって、足存在センサ310又はプロセッサ回路320は、
時刻T
2とT
3との間における第2割込み信号INT
2を生じ、また時刻T
4後に第3割
込み信号INT
3を生ずるよう構成することができる。
【0122】
或る実施例において、プロセッサ回路320は、割込み信号のシーケンスに基づいて足
存在を確実に識別するよう構成することができる。例えば、プロセッサ回路320は、受
信した割込み信号についての又は受信した割込み信号間における1つ又はそれ以上のイン
ターバルについての情報を使用することができる。例えば、プロセッサ回路は、特定持続
時間によって離隔される割込み信号対を探求するよう構成することができる。
図13にお
いて、例えば、時刻T
3とT
4との間における持続時間を使用して、例えば、誤差の幾つ
かの調整可能な又は特定のマージンとともに、足存在の表示を行うことができる。或る実
施例において、プロセッサ回路320は、データとして割込み信号を受信し、また例えば
、ジェスチャーベースのユーザー入力の一部として他のユーザー入力信号とともにこのデ
ータを処理することができる。或る実施例において、割込み信号の存在又は非存在につい
ての情報を使用して、1つ又はそれ以上の他の信号を有効化又は却下することができる。
例えば、割込み信号が受信される又は直近で受信されたとき、加速度計信号はプロセッサ
回路320によって有効化及び処理することができる、又は足存在センサに対応する割込
み信号が存在しないとき、加速度計信号はプロセッサ回路320により却下することがで
きる。
【0123】
図12及び
図13の実施例は、足存在センサ310からの測定したキャパシタンス値は
環境条件の変化があることを含めて確実に一定又は再現可能である実施例を示す。しかし
、多くの履物使用事例において、埋設した電子機器における周囲キャパシタンス変化は、
温度、湿度、又は他の環境因子の変化に起因して絶えず又は予測不能に生じ得る。周囲キ
ャパシタンスの大きな変化は、足存在センサ310の作動に対して、例えば、センサのベ
ースライン又は基準キャパシタンス特性を変化させることによって、悪影響を与えるおそ
れがある。
【0124】
図14は、容量性足存在センサからの第3経時変化情報におけるグラフを大まかに示す
。
図14の実施例は、例えば、履物コンポーネントにおける種々の周囲条件変化、使用状
況変化、又は摩損及び破損若しくは劣化に起因する、基準キャパシタンス変化がどのよう
に説明できるかを示す。この実施例は、グラフ1400にプロットした第3キャパシタン
ス信号1203を、第2閾値キャパシタンス1212及び経時変化基準キャパシタンス1
213とともに示す。
図14の実施例において、経時変化基準キャパシタンス1213は
時間経過につれて上昇する。他の実施例において、基準キャパシタンスは時間経過につれ
て減少することができる、又は履物使用イベントにわたり(例えば、1日の間、1ゲーム
プレイの間、ユーザーの着席若しくは選好、等々)変動することができる。或る実施例に
おいて、基準キャパシタンスは、履物自体の種々のコンポーネント、例えば、インソール
、アウトソール、靴中底、矯正インサート、又は他の履物コンポーネントのライフサイク
ルにわたり変化することができる。
【0125】
或る実施例において、第3キャパシタンス信号1203を足存在センサ310から受信
し、また足存在センサ310に及びプロセッサ回路を用いて又はプロセッサ回路320を
用いて、この第3キャパシタンス信号1203を第2閾値キャパシタンス1212と比較
する。経時変化基準キャパシタンス1213を考慮又は使用しない実施例において、第3
キャパシタンス信号1203に対する閾値交差は、時刻T5、T6、及びT8で観測する
ことができる。しかし、第2閾値キャパシタンス1212は、足存在センサ310からの
感知した情報とともに、リアルタイムで調整することができる。この第2閾値キャパシタ
ンス1212に対する調整は、経時変化基準キャパシタンス1213に基づいて行うこと
ができる。
【0126】
或る実施例において、第2閾値キャパシタンス1212は、連続的にかつ経時変化基準
キャパシタンス1213の変化に対応する量だけ調整される。代案的実施例において、第
2閾値キャパシタンス1212は、特定の経時変化基準キャパシタンス1213の閾値変
化量に応ずる段階的増分で調整される。この段階的調整技術は、図示のインターバルにわ
たり第2閾値キャパシタンス1212の段階的増加によって
図14に図解される。例えば
、第2閾値キャパシタンス1212は、経時変化基準キャパシタンス1213におけるキ
ャパシタンスの特定閾値増加量ΔCに応じて時刻T
7及びT
10で増加する。
図14の実
施例において、第3キャパシタンス信号1203は、時刻T
5、T
6、及びT
9で基準-
補償される第2閾値キャパシタンス1212と交差する。このようにして、閾値が基準-
補償されるか否かに基づいて、異なる割込み信号又は割込み信号タイミングを得ることが
できる。例えば、第4割込み信号INT
4は、時刻T
5とT
6との間で発生して得ること
ができる。第2閾値キャパシタンス1212が基準補償なしに使用される場合、第5割込
み信号INT
5が時刻T
8で発生して得ることができる。しかし、基準補償された第2閾
値キャパシタンス1212が使用される場合、第5割込み信号INT
5は、第3キャパシ
タンス信号1203が補償された第2閾値キャパシタンス1212に交差する時点として
示される時刻T
9で発生して得ることができる。
【0127】
閾値キャパシタンス値をモニタリングし、またアップデートするのに論理回路を使用す
ることができる。このような論理回路は足存在センサ310又はプロセッサ回路320に
組み込むことができる。アップデートされた閾値レベルは、自動的に得られかつオンチッ
プRAMに保存することができる。或る実施例において、閾値アップデートを実施するた
めに、ユーザーからの入力又は確認は不要である。
【0128】
図15は、容量性足存在センサからの第4経時変化情報におけるグラフを大まかに示す
。
図15の実施例は、例えば、履物コンポーネントにおける種々の周囲条件変化、使用状
況変化、又は摩損及び破損若しくは劣化に起因する、基準キャパシタンス変化がどのよう
に説明できるかを示す。この実施例は、グラフ1500にプロットした第4キャパシタン
ス信号1204を、適応閾値キャパシタンス1214とともに示す。第4キャパシタンス
信号1204は足存在センサ310によって得ることができる。適応閾値キャパシタンス
1214は、足存在センサ310によって測定された環境又は使用事例関連の変化を補償
するのに役立てるよう使用することができる。
【0129】
或る実施例において、足存在センサ310又はプロセッサ回路320は、特定閾値振幅
量よりも大きい変化のような信号振幅変化のために第4キャパシタンス信号1204をモ
ニタリングするよう構成する。すなわち、第4キャパシタンス信号1204が特定閾値キ
ャパシタンス振幅ΔCに合致又は超えるような振幅変化を含むとき、足存在センサ310
又はプロセッサ回路320は割込み信号を供給することができる。
【0130】
或る実施例において、第4キャパシタンス信号1204の感知又は測定されたキャパシ
タンス値を基準キャパシタンス又はベースラインと比較し、またその基準又はベースライ
ンを特定の又は経時変化のインターバルでアップデートすることができる。
図15の実施
例において、基準アップデートは、図示のように、時刻T
11、T
12、T
13等々で周
期的に行う。他のトリガイベントに応じた他のインターバル又はアップデートも付加的又
は代案的に使用することができる。
【0131】
図15の実施例において、初期基準キャパシタンスは、ゼロ(0)とすることができる
、又はx軸で表すことができる。先に特定された基準に対して特定閾値キャパシタンス振
幅ΔCよりも大きく第4キャパシタンス信号1204が上昇した後、第6割込み信号IN
T
6が時刻T
11で得ることができる。
図15の実施例において、割込みは周期的インタ
ーバルで得ることができるが、他の実施例において、割込みは、キャパシタンスの閾値変
化を識別することで一時的に生ずることができる。
【0132】
例えば、時刻T11におけるような識別した閾値変化に続いて、基準又はベースライン
キャパシタンスを第1キャパシタンス基準C1にアップデートすることができる。時刻T
11後に、足存在センサ310又はプロセッサ回路320は、信号における少なくともΔ
Cのその後の変化のために、すなわち、C1+ΔC又はC1-ΔCのキャパシタンス値を探
し出すために、第4キャパシタンス信号1204をモニタリングするよう構成することが
できる。
【0133】
第1時点でキャパシタンス増加を識別するステップを有する実施例において、割込み信
号状態はその後の時点でキャパシタンス減少を識別するのに応じて変化することができる
。しかし、更なるキャパシタンス増加がその後の時点で識別される場合には、基準キャパ
シタンスをアップデートし、またその後の比較をアップデートした基準キャパシタンスに
基づいて行うことができる。この状況を
図15において図解する。例えば、時刻T
12で
第4キャパシタンス信号1204におけるキャパシタンス増加が検出され、基準は第2キ
ャパシタンス基準C
2にアップデートすることができる。第1の及びそれに続く第2のキ
ャパシタンス変化は増加を表すため、第6割込み信号INT
6の状態は変化せずにいるこ
とができる。時刻T
13では第4キャパシタンス信号1204にキャパシタンス減少が検
出され、また基準は第3キャパシタンス基準C
3にアップデートすることができる。時刻
T
13におけるキャパシタンス変化は特定閾値キャパシタンス振幅ΔCよりも大きい減少
であるため、第6割込み信号INT
6の状態は変化する(例えば、割込みアサート状態か
ら非アサート状態に)ことができる。
【0134】
或る実施例において、時刻T11で最初に検出された変化及びこれに対応する割込み信
号INT6は、足存在センサ310が感知して履物内に存在することが決定される足を表
す。基準キャパシタンスのその後の増加は、例えば、センサにおける又はその近傍におけ
る環境変化に起因するような、足存在センサ310が測定したベースラインキャパシタン
スに対する変化を表す。時刻T13で検出された変化は、履物から脱げようとしており、
もはや足存在センサ310近傍に感知されていない足を表すことができる。その後のキャ
パシタンス変化(例えば、時刻T16)は、足が履物内に再挿入されている足を表すこと
ができる。
【0135】
図16は、例示的実施形態による容量性足存在センサからの経時変化情報及び信号形態
限界のグラフ1600を大まかに示す。この実施例は、グラフ1600にプロットした第
5及び第6のキャパシタンス信号1205及び1206を含む。グラフ1600は、さら
に形態限界1601を含む。この形態限界1601は、足存在センサ310からのキャパ
シタンス信号におけるサンプリングしたセグメントと比較することができる。この比較は
、足存在センサ310又はプロセッサ回路320を使用して、特定サンプリングセグメン
トが形態限界1601に合致するか否かを検出するよう実施することができる。
図16の
実施例において、形態限界1601は下方限界を画定し、この下方限界を超える場合、キ
ャパシタンス信号セグメントは、足存在センサ310近傍に足が存在することを表さない
、又は表す可能性が低いことをこの下方限界は示す。
【0136】
第5キャパシタンス信号1205のサンプリング部分は形態限界1601に適合する。
図16の実施例において、形態限界1601は、キャパシタンス信号振幅の変化又は低下
、滞留、及び回復を含む形態を画定する。第5キャパシタンス信号1205が形態限界1
601の全体又は一部分に適合することの識別に続いて、足存在又は検出がうまく行われ
たことを示す割込み信号を供給することができる。
【0137】
第6キャパシタンス信号1206の図示したサンプリング部分は、形態限界1601に
適合しない。例えば、第6キャパシタンス信号1206の急激な減少及び長い滞留時間は
、形態限界1601によって画定される境界の外側にあり、したがって、割込み信号は保
留され、例えば、足存在センサ310によって足が検出されないことを示すことができる
。
【0138】
形態限界1601は不変又は可変とすることができる。例えば、形態限界は、基準キャ
パシタンス、環境、履物使用事例、感度選好についての情報、又は他の情報に基づいて調
整することができる。例えば、形態限界1601は、使用する履物タイプに基づいて異な
るものとすることができる。すなわち、バスケット靴はランニング靴とは少なくとも部分
的に異なる形態限界1601を有することができ、これはすなわち、靴のジオメトリ若し
くは材料又はユーザーが特定履物品を履く又は脱ぐのに予想される時間量が異なるからで
ある。或る実施例において、形態限界1601は、例えば、ユーザーが履物を履く若しく
は脱ぐ特有の選好又は手順に対応するよう、ユーザーがプログラミングすることができる
。
【0139】
上述したように、足存在センサ310は、関連付けした不変若しくは可変のベースライ
ン又は基準のキャパシタンス値を有することができる。基準キャパシタンス値は、電極表
面積、又は他の履物コンポーネントに対する電極相対配置、又は履物の向き、又はセンサ
若しくはセンサを使用する履物自体が使用される環境の関数であり得る。すなわち、セン
サは、履物内に足が存在していなくても何らかの関連したキャパシタンス値を有すること
ができ、またそのキャパシタンス値は、1つ又はそれ以上の材料における誘電効果、又は
センサにおける若しくはその近傍の環境因子の関数であり得る。プロセッサ回路320は
、随意的に、インソールが変化するときのような、ベースライン又は基準特性が変化する
ときに足存在センサ310を較正するよう構成することができる。或る実施例において、
プロセッサ回路320は、ベースライン又は基準キャパシタンスの変化を自動的に検出す
るよう構成することができる、又はユーザー入力又はコマンドに応じてベースライン又は
基準キャパシタンスをアップデートするよう構成することができる。
【0140】
図17は、履物品のミッドソール内又は誘電体スタックの下側に位置付けたキャパシタ
ンスベースの足存在センサの実施例1700の概略図を大まかに示す。この実施例170
0はハウジング構体150を有し、このハウジング構体150は、例えば、容量性足存在
センサ1701からの情報に少なくとも部分的に基づいて作動する紐締め動力源又は駆動
機構340を含む又は使用することができる。容量性足存在センサ1701は、センサ近
傍における身体550の存在又は不在に基づくキャパシタンス又はキャパシタンス表示の
信号を供給するよう構成することができる。
【0141】
1つ又はそれ以上の材料を身体550と容量性足存在センサ1701との間に設けるこ
とができ、この1つ又はそれ以上の材料は、センサ感度に影響することができる、又はセ
ンサからの信号における信号対ノイズ比に影響することができる。或る実施例において、
1つ又はそれ以上の材料は誘電体スタックを形成する。1つ又はそれ以上の材料としては
、とりわけ靴下1751、センサにおける又はその近傍における身体550の土踏まずの
高さに起因するような空隙、靴中底1750、ベルクロ(登録商標)のような緊締具17
30、又は誘電性充填材1720があり得る。或る実施例において、容量性足存在センサ
1701をハウジング構体150の内部に設けるとき、ハウジング構体150の頂壁自体
を誘電体スタックの一部分とする。或る実施例において、矯正インサートを誘電体スタッ
クの一部分とすることができる。
【0142】
本発明者らは、誘電体スタックに高比誘電率又は高k値を付与することは容量性足存在
センサ1701の入力感度を向上できることを認識した。種々の高k値材料を履物の有効
性及び適合性に関して試験しまた評価した。この誘電体スタックとしては、履物における
足下使用に快適であり、また所定場所に空隙又は他の低k値材料を有することに対して容
量性足存在センサ1701の感度を上昇させるに十分な誘電効果をもたらす硬度又はデュ
ロメーター特性を有する特定の1つ又はそれ以上の部材がある。或る実施例において、適
当な材料としては、良好な耐候性又は耐久性、低温及び高温適応性、及び応力-クラック
耐性を有するものがある。
【0143】
或る実施例において、誘電性充填材1720としてはネオプレン部材がある。このネオ
プレン部材としては、約30ショアA硬さ値を有する閉セル発泡体材料がある。或る実施
例において、誘電性充填材1720としては、ゴム、プラスチック、又は他のポリマーベ
ースの部材があり得る。例えば、誘電性充填材1720としては、エチレン酢酸ビニル(
EVA)部材があり得る。このEVA部材は、約10~40重量%の酢酸ビニルを有し、
残りをエチレンとすることができる。或る実施例において、この誘電性充填材1720と
しては、ドープしたプラスチック又はゴムを含むような、導電性を向上させた特定を有す
る材料があり得る。或る実施例において、この誘電性充填材1720としては、炭素をド
ープしたEVA部材を含むことができ、例えば、同一又は同様なエチレン対酢酸ビニルの
割合を有するドープしていないEVAよりも高いk値を有するようにする。
【0144】
図18は、容量性足存在センサ1701からのキャパシタンス表示信号に対する誘電性
充填材1720の効果を示すグラフ1800を含む実施例を大まかに示す。このグラフ1
800において、x軸はデジタルサンプルの数を示しかつ経過した時間に対応し、またy
軸は容量性足存在センサ1701によって検出された相対キャパシタンス測定値を示す。
グラフ1800は、誘電性充填材1720の第1タイプ材料に対応するキャパシタンス表
示第1信号1801と、誘電性充填材1720の第2タイプ材料に対応するキャパシタン
ス表示第2信号1802との時間整列オーバーレイを含む。
【0145】
或る実施例において、第1信号1801は誘電性充填材1720として設けた第1誘電
部材を用いた履物に対応する。この第1誘電部材としては、例えば、第1誘電k値を有す
るポリウレタン発泡体があり得る。グラフ1800は、第1誘電部材及び足存在センサ1
701を含む履物品に対して身体550が挿脱される複数事例を示す。例えば、第1信号
1801の第1部分1820は容量性足存在センサ1701が測定した基準又はベースラ
インキャパシタンスを示す。
図18の実施例において、基準又はベースラインはゼロの値
に正規化される。この基準又はベースラインは履物内に足が存在していないことに対応し
得る。すなわち、第1信号1801の第1部分1802は足が履物に不在であることを示
す。サンプル600あたりに対応する時刻で、身体550は、履物内に挿入され、また容
量性足存在センサ1701及び第1誘電部材に又はその近傍に位置することができる。挿
入に続いて、第1信号1801の振幅が、例えば、第1量1811だけ変化し、履物内に
足(又は他の身体)が存在することを示す。身体550は、第1信号1801の第2部分
1821に対応する持続時間にわたり、例えば、約サンプル600~1400に対応する
間にわたり履物内に存在する。サンプル1400あたりに対応する時刻で、身体550は
、履物から脱することができる。身体550が退去したとき、第1信号1801は基準又
はベースライン値に復帰することができる。
【0146】
図18の実施例において、第2信号1802は、誘電性充填材1720として設けられ
た第2誘電部材を有する履物に対応する。第2誘電部材は、第1誘電部材以外の様々な材
料を含むことができる。或る実施例において、第2誘電部材としては、上述した第1誘電
部材の第1誘電k値を超える第2誘電k値を有するネオプレン発泡体を含む。或る実施例
において、第2誘電部材としては、第1誘電部材の第1誘電k値を超える第3誘電k値を
有するEVA部材(例えば、部材の誘電特性又はk値を高める炭素又は他の材料でドープ
した)を含む。
【0147】
グラフ1800は、第2誘電部材及び足存在センサ1701を有する履物品に対して身
体550を複数回挿脱する事例を示す。第2信号1802の第1部分1820は容量性足
存在センサ1701が測定した基準又はベースラインキャパシタンスを示し、
図18の実
施例において、第2信号1802の第1部分1820は足が履物に対して不在であること
を示す。サンプル600あたりに対応する時刻で、身体550は、履物内に挿入され、ま
た容量性足存在センサ1701及び第2誘電部材に又はその近傍に位置することができる
。挿入に続いて、第2信号1802の振幅が、例えば、第2量1812だけ変化し、履物
内に足(又は他の身体)が存在することを示す。或る実施例において、第2量1812は
第1量1811を超える。振幅変化の差は誘電性充填材1720に使用される材料タイプ
に起因する。すなわち、キャパシタンスを表す第1及び第2の信号1801及び1802
の振幅は、異なる誘電スタックを使用するとき異なるものとなり得る。誘電スタックが高
k値誘電性充填材1720を含むとき、振幅差又はベースラインからの差は、誘電スタッ
クが低k値誘電性充填材1720を含むときよりも大きい。
【0148】
或る実施例において、矯正インサートは履物内の誘電スタックの一部をなす。本発明者
らは容量性足感知技術に対する種々の矯正インサートの効果を評価するための様々な試験
を実施した。試験における幾つかの結果を
図23で総括的に示し、また以下に詳述する。
全体的及び部分的な長さを有する矯正インソールを試験した。履物に対する通常(部分的
長さ)矯正付加はスタックの全体的誘電効果を増加させ、また足存在に対する電場感度を
減少させた。感知した信号振幅(例えば、キャパシタンスにおける感知変化に対応する)
も矯正具の存在により減少した。しかし、ノイズ・フロアのRMS振幅は矯正具があって
もなくても類似のものであった。荷重又は無荷重条件の下でも同様であった。
【0149】
矯正具試験の結果に基づけば、通常又は全長の矯正具とともに足存在の検出に容量性感
知を使用することは信号対ノイズ比解像度に対して実行可能である。部分的又は全体的長
さの矯正具を用い、約6dBの所望最小値を超えるSNRを使用して足存在の問題を解決
することができ、また軽度及び高度な双方の荷重条件下で使用することができる。或る実
施例において、足存在センサ310は、矯正具の付加される誘電効果を補償するキャパシ
タンスオフセット範囲を含める又は使用することができる。
【0150】
全長矯正具と足存在センサ310の電極との間における空隙の変動は、印加される荷重
の関数として測定可能な変動に対応することができる。例えば、
図18の実施例において
実証されるように、高k値誘電材料が容量性足存在センサに又はその近傍に設けられると
き、低誘電材料を含む又は使用する実施例よりもSNRを改善することができる。
【0151】
種々の足ゾーンは低荷重条件の下で同様に挙動することが分かっており、例えば、矯正
具の下でのギャップ距離の大きな変形を示さない。しかし、例えば、ユーザーが起立して
いるときのように高荷重条件の下では、矯正具の土踏まず領域は圧縮され、また空隙は大
幅に縮小化又は排除され得る。したがって、感知条件の下で、矯正具が存在して測定され
る電場は、生産又はOEMインソールを用いて測定される電場に対する大きさに類似する
ことができる。足存在センサ310と検出すべき身体との間に空隙を生ずる矯正具又はO
EM生産インソールの実施例において、空隙を補償又は填隙するために、種々の材料を設
ける又は付加することができる。例えば、ネオプレン又はドープしたEVAのような填隙
発泡体を全長矯正具の下面に設けることができる。
【0152】
或る実施例において、インソール内に矯正具を含めることは、誘電スタックの全誘電厚
さを増加させ、また足存在に対する容量センサの電場感度を減少させる。換言すれば、容
量センサからの結果として生ずる信号振幅は、矯正インサートを使用するとき全体的に減
少する。ノイズ特性のRMS振幅は矯正具があってもなくてもほぼ同様であることが観測
された。さらに、容量センサの感知電極と矯正具の下面との間の容積を占める誘電部材は
容量センサの感度に大きな影響を有することができる。例えば、1.28のk値を有する
ポリウレタン発泡体は、約5.6のk値を有するネオプレン発泡体を使用するときに測定
されるよりも約70%の低い信号振幅を有し得る。ノイズ振幅が等しい状態では、このこ
とは約4.6dBのSNR差に等しい。したがって、炭素繊維矯正具とともに足存在を検
出するのに容量性感知を使用することは信号対ノイズに関して実行可能である。例えば、
SNRは足存在問題を解決するのに望ましい6dBの最小値を超える。
【0153】
図19は、履物内のキャパシタンスをベースとする足存在センサからのキャパシタンス
を表示する第3信号1803の一部分を示すグラフ1900の実施例を大まかに示す。グ
ラフ1900において、x軸はデジタルサンプルの数を示しかつ経過した時間に対応し、
またy軸は容量性足存在センサ1701によって検出された相対キャパシタンス測定値を
示す。第3信号1803からの情報は、ユーザーが履物に対して下向きの力を加えている
か否かを決定するのに使用することができ、例えば、とりわけ、ユーザーが着席している
若しくは起立しているか否かを判別する、又は歩数カウントを決定する、又はユーザーの
足取り特性を決定するのに使用することができる。
図19の実施例において、相互キャパ
シタンス感知モードを使用した。相互キャパシタンス感知モードにおいて、センサによっ
て検出されるような増加したキャパシタンスは、図示のような信号の減少に対応する。他
の実施例において、自己キャパシタンス感知モードを使用することができる。自己キャパ
シタンス感知モードにおいては、センサによって検出されるような増加したキャパシタン
ス(例えば、センサ上の発泡体インサートの圧縮に対応する)は、信号の増加に対応する
。
【0154】
図19の実施例において、x軸上のサンプル「0」に対応するような初期時刻において
、第3信号1803は相対キャパシタンス目盛り上の約0の基準若しくはベースライン値
を有することができる、又はx軸上の約サンプル175で、第3信号1803は、例えば
、身体550が履物内に挿入されようとしていることに対応する履物着用イベントを含む
。第3信号1803は、参照符号1910で又は約サンプル10000で履物着用イベン
トを含み、その後に第3信号1803はベースライン値に復帰する。
【0155】
図19の実施例は、さらに、特定の閾値1920を含む。この閾値1920は、身体5
50が履物内に存在することを示す相対キャパシタンス値に対応することができる。例え
ば、足又は身体550が履物内に存在するとき、第3信号1803によって示される相対
キャパシタンスは閾値1920を超え、また足又は身体550が履物に対して不在である
とき、相対キャパシタンスは閾値1920よりも下方に低下することができる。例えば、
以下にさらに説明するように、環境変化又は履物材料変更を考慮するためのように、閾値
1920を動的に調整するのに種々の方法又は技術を使用することができる。
【0156】
サンプル175とサンプル10250との間のインターバルに対応するような、履物着
用イベント1901と履物脱去イベント1910との間で、履物品の着用者は複数回にわ
たり着席位置と起立位置との間で遷移することができる。着席と起立との間の遷移は、第
3信号1803における変動に対応することができ、この変動は、例えば、第3信号18
03を供給する容量センサ上の誘電スタックを形成する履物材料の圧縮及び弛緩に起因す
る。すなわち、ユーザーが起立して誘電スタックに下向きの力を加えるとき、誘電スタッ
クにおける1つ又はそれ以上の材料が圧迫され、またユーザーの足が容量センサにより近
づくことができ、これによりセンサを使用して測定される相対キャパシタンスを変化させ
る。ユーザーが着席するとき誘電スタックに対する下向き力が減少し、誘電スタック材料
が弛緩又は伸展し、ユーザーの足は容量センサから離れるよう移動することができる。
【0157】
着用イベント1901は、第3信号1803の攪乱部分を含む。すなわち、滑らかな又
は穏やかな遷移の代わりに、第3信号1803は、ユーザーが足を履物内の所定位置に着
かせる際に急激かつ不規則に変動する。或る実施例において、着用イベント1901は、
自動又は手動による紐締めのような紐締めを含み、これはユーザーが誘電スタックに対す
ることを含めて履物材料に種々の力を加えること、及びユーザーがユーザーの足周りにお
ける履物の張力を調整すること、及びひいては容量センサに対するユーザーの足の位置を
調整することに対応し得るものである。
図19の実施例において、参照符号1901にお
ける着用イベント後に、サンプル200~275に対応するような第1持続時間1931
にわたりユーザーは着席することができる。この第1持続時間1931にわたり、第3信
号1803は、キャパシタンス単位に対して約200の平均値を有することができる。
【0158】
第1持続時間1931に続いてユーザーは起立することができ、このことは誘電スタッ
クの材料を圧縮させ、またこれによりユーザーの足をスタック下側の容量センサに接近さ
せることができる。ユーザーが完全に起立して誘電スタックを圧縮させるとき、第3信号
1803は、第2持続時間1932にわたりキャパシタンス単位に対して約120の平均
値を有することができる。すなわち、ユーザーが着席から起立に遷移する際に、又はユー
ザーが誘電スタックに対して最小の力を加えることからより大きな又は最大の力を誘電ス
タックに対して加えることへの遷移し、したがって、誘電スタック自体の誘電特性を変化
させる際に、第3信号1803の大きさは第1大きさ変化量1951だけ変化することが
できる。或る実施例において、第1大きさ変化量1951は、誘電スタックに加わる力の
大きさに対応することができる。すなわち、第1大きさ変化量1951は、とりわけ、ユ
ーザーの体重又はユーザーが走っているか、若しくは歩いているかを決定するのに使用す
ることができ、これは例えば、歩いているときに比べて走っているときに、ユーザーは誘
電スタックに対してより大きな力を加えることが予想されるからである。
【0159】
図19の実施例において、サンプル375あたりでユーザーが着席姿勢に復帰するとき
、第3信号1803はキャパシタンス単位に対し約220の値に復帰する。ユーザーは次
の相対キャパシタンス変化の前に第3持続時間1933にわたり着席する。
【0160】
第3信号1803の破線部分(
図19の実施例におけるサンプル500あたりから続く
)は、時間経過及びx軸目盛りの変化を示す。或る実施例において、サンプル0~500
は、容量センサを組み込んだ履物が新品である時間に対応する、又は新しい誘電スタック
を履物に使用している時間に対応する。サンプル9800あたり以降のサンプルは履物が
古くなっている若しくは部分的に摩滅している時間、又は誘電スタックの一部分が圧縮さ
れかつ弛緩条件若しくは不使用条件でも完全に反跳若しくは展張できなくなっている時間
に対応し得る。
【0161】
図19の実施例において、第3信号1803は、着席姿勢と起立姿勢との間における数
回のユーザー遷移を示す。或る実施例において、第4持続時間1934及び第6持続時間
1936は、最小の力又は圧力しか履物内の誘電スタックに加わらない着席姿勢に対応す
る。第5持続時間1935は、増加した力が誘電スタックに加わる状態の起立姿勢に対応
する。或る実施例において、第4及び第6の持続時間1934及び1936は、約240
の相対キャパシタンス単位平均値に対応することができる。すなわち、第4及び第6の持
続時間1934及び1936は、約220単位であった第1及び第3の持続時間1931
及び1933の平均値を超え得る。或る実施例において、これら平均値間の差は、履物使
用の時間経過とともに変化する誘電スタック又は他の履物材料のうち1つ又はそれ以上の
部分における摩滅及び破損に関与し得る。或る実施例において、第5持続時間1935は
、約150の相対キャパシタンス単位平均値に対応し、これは第3持続時間1933に対
する約120単位の平均値を超えるものである。さらに、誘電スタックに力が加わる又は
加わらない着席姿勢と起立姿勢との間における差は、新品履物及び中古履物の場合に関し
て異なり得る。第1大きさ変化量1951は、起立姿勢と着席姿勢との間における新品の
履物に関して相対キャパシタンスに約200単位の変化を示し、また第2大きさ変化量1
952は、起立姿勢と着席姿勢との間における古くなった又は中古の履物に関して相対キ
ャパシタンスに約150単位の変化を示す。
図19の実施例において、第4~第6の持続
時間1934~1936は、さらに、第1~第3の持続時間1931~1933と比較し
た相対ノイズ信号を示し、このノイズ信号も履物又はセンサコンポーネントの摩滅及び破
損に関与し得る。
【0162】
図19は、とりわけ、履物ライフサイクル状態又は履物使用特性を示すのに第3信号1
803からの情報を使用できることを示す。例えば、情報は、1つ又はそれ以上の履物コ
ンポーネントが摩滅又は消耗しており、もはや最適又は十分なクッション性又は足保持を
与えるのに利用可能でないことをユーザーに通知又は警告することによって、ユーザーが
負傷するのを防止する補助を行うのに使用することができる。例えば、第3信号1803
からの情報は、インソールコンポーネント、矯正インサート又は履物の他のコンポーネン
トのような履物コンポーネントのライフサイクル状態を決定するのに使用することができ
る。
【0163】
或る実施例において、容量性足存在センサからの情報は足運び(ステップ)頻度情報を
導出又は決定するのに使用することができ、この情報は、ユーザーストライドが既知又は
決定可能であるときのように、ステップカウンタ又は歩数計として使用することができる
。
図19に戻って説明すると、第3信号1803における変動は、異なる足運びイベント
に対応することができる。例えば、第2持続時間1932は、ユーザーの一方の第1足が
地面にあり、ユーザーの体重がユーザーの履物に力を加えるときのようなユーザー足運び
の第1部分を含むインターバルに対応することができ、また履物は第3信号1803を供
給するキャパシタンスベースの足存在センサを含むものとする。第2持続時間1932に
続いて、ユーザーは体重をユーザーの第1足から第2足にシフトすることができる。この
結果として、ユーザーが履物に加える圧力又は力は減少することができ、これに対応する
第3信号1803の変化が観測され得る。例えば、第3信号1803の大きさは、例えば
、第1大きさ変化量1951分だけ増加することができる。ユーザーの足運びが再び第1
足に戻るとき、第3信号1803の大きさは、例えば、第1大きさ変化量1951分だけ
減少することができる。或る実施例において、大きさ変化は、ユーザーが履物に加える力
に依存又は関連することができ、この力は、どのくらい速くユーザーが歩いているか又は
走っているかに対応することができる。例えば、より大きな変化量はランニングペースに
対応することができるとともに、より少ない変化量はウォーキングペースに対応すること
ができる。ユーザーのペースは、大きさ変化量及び大きさ変化イベントの頻度又は速度の
うち一方又は双方を使用して決定することができる。
【0164】
或る実施例において、第3信号1803の特定部分における持続時間、インターバル又
はサンプルカウントを使用して足運びインターバル又は足運びカウントを決定することが
できる。例えば、第1持続時間1931は約75サンプルのサンプルカウントを有するこ
とができ、また第2持続時間1932は約50サンプルのサンプルカウントを有すること
ができる。第1足が地面から離れるとき、第1持続時間1931がユーザー歩行又は足運
びサイクルの第1部分に対応し、第1足が地面に着地するとき、第2持続時間1932が
ユーザー歩行又は足運びサイクルのその後の第2部分に対応する場合、ユーザーは約12
5サンプルの足運びインターバルを有することができる。例えば、サンプルカウント情報
を処理するプロセッサ回路320を使用して、サンプル速度に基づいて、足運びインター
バルをウォーキング又はランニングのペースに相関させることができる。
【0165】
或る実施例において、第3信号1803における信号大きさ変化間の持続時間、インタ
ーバル、又はサンプルカウントを使用して足運びインターバル又は足運びカウントを決定
することができる。例えば、特定閾値大きさ変化量より大きいような大きさの変化は、プ
ロセッサ回路320によって識別することができ、またプロセッサ回路320は、識別し
た大きさ変化間のインターバル長さを計算又は識別することができる。例えば、第2持続
時間1932の開始は、プロセッサ回路320によって、第3信号1803で観測される
特定閾値大きさ変化量より大きい大きさ変化に対応するようなサンプル325あたりであ
ると識別することができる。第2持続時間1932の終了は、プロセッサ回路320によ
って、第3信号1803で観測され、また特定閾値大きさ変化量より大きいその後の大き
さ変化に対応するようなサンプル375あたりであると識別することができる。プロセッ
サ回路320はサンプルカウント間の差を計算し、また第2持続時間1932が約50サ
ンプルの持続であることを決定することができる。プロセッサ回路320は、同様に、第
3信号1803の任意な1つ又はそれ以上のセグメントに対して持続時間又はサンプル長
さを決定することができる。プロセッサ回路320は、次に、足運びインターバルを決定
することができ、また足運びインターバルを使用してユーザーが移動している移動距離又
は速度を決定することができる。或る実施例において、ユーザーのストライド長さについ
ての情報を使用して、足運びインターバル情報と一緒に移動距離を決定することができる
。
【0166】
或る実施例において、ユーザーのストライド長さは、特定されない又は既知ではない。
ユーザーのストライド長さは、随意的に足存在センサ情報と協調する加速度計又は位置セ
ンサ(GPSセンサ)のような1つ又はそれ以上の他のセンサからの情報を用いて決定す
ることができる。例えば、位置センサからの情報は、ユーザーが特定持続時間にわたり移
動した全距離を示すことができる。履物に付属するプロセッサ回路320又は他のプロセ
ッサは第3信号1803を受信し、信号大きさ変化イベントの数を足運び及び移動距離と
相関付けして、ユーザーの平均足運び又はストライド長さを決定することができる。例え
ば、ユーザーが30秒で100メートル移動し、また足存在センサからのキャパシタンス
表示信号が同一の30秒インターバル内で100信号大きさ変化イベントを示す場合、プ
ロセッサ回路320又は他のプロセッサは、ユーザーストライドが約100メートル/1
00大きさ変化イベント=1大きさ変化イベントあたり1メートルであると決定すること
ができる。
【0167】
或る実施例において、第3信号1803からの情報を使用して、ユーザー足取り特性又
は足取り変化決定することができる。プロセッサ回路320は、例えば、信号変化を識別
するよう、経時的にキャパシタンス表示信号をモニタリングするよう構成することができ
る。例えば、プロセッサ回路320は、検出した着用イベント後に第1(若しくは他の)
持続時間又は第1足運びイベントをモニタリングすることができる。概して、ユーザーは
履物を着用する度毎に似たような足取りを用いるように、ユーザーは同様にウォーキング
又はランニングを始めることが予想できる。プロセッサ回路320が履物着用後に確立し
たベースライン又は平均信号特性からの偏差を検出する場合、ユーザーは警告を受けるこ
とができる。同様に、プロセッサ回路320は、負傷につながりかねないユーザーの疲労
又は精神的状態に関連し得る使用特性又は偏差を検出するよう構成することができる。例
えば、ベースライン又は基準信号特性からの偏差は、例えば、足の位置変化がこれに応じ
たキャパシタンスベースの足存在センサにおける又はその上方での誘電特性を変化させる
ことに起因するような、履物内での足又は足首の回転又は摺動を示すことができる。自動
紐締め動力源を有する実施例において、足位置変化についての情報を使用して、ユーザー
の足周りに履物を自動的に締め付け、ユーザー負傷を防止するのに役立てることができる
。
【0168】
図20は、複数着席-起立サイクルにわたる足存在信号情報の実施例を概略的に示す。
この実施例は時間(x軸)及び「カウント」(y軸)間の関係を示すグラフ2000を含
む。カウントは容量性足存在センサの出力に対応する。例えば、カウントは、容量センサ
からのアナログ出力を受信するアナログ-デジタル変換器からのデジタル信号に対応する
ことができる。
【0169】
図20の実施例において、ゼロカウントは基準条件であり、例えば、センサを有する履
物内に足が存在していないことに対応する。ゼロカウントより大きいことは容量性足存在
センサが足不在条件以外の何か、例えば、センサ及びひいては履物内に又はその近傍に存
在する足又は他の身体又は物体を感知することを示す。カウントの大きさは、足のような
センサ標的のセンサ電極に対する位置に対応する。幾つかの実施例において、カウントの
大きさは、
図19の実施例において上述したような、足が履物のソールに対して加える力
に対応する。例えば、足が履物内に存在し、着用者が着席しており、したがって、大きな
力が履物のソールに対して加わっていないとき、より少ない第1カウント数をセンサによ
って記録することができる。足が履物内に存在し、着用者が起立しており、したがって、
大きな力が履物のソールに対して加わっているとき、より大きい第2カウント数をセンサ
によって記録することができる。これら及び他のカウント大きさ変化条件を
図20に概略
的に示す。
図20の実施例において、自己キャパシタンス感知モードを使用する。したが
って、検出したキャパシタンスの増加は、図示のような信号増加に対応する。
【0170】
図20の実施例において、足不在条件のインターバルは、時刻ゼロから時刻900あた
りまでの第1インターバル2001で示される。第1インターバル2001の足不在条件
中、センサは約ゼロのカウントを記録する。足不在の第1インターバル2001後に、時
刻900あたりから時刻1250あたりまで第1着用インターバル2002が示される。
第1着用インターバル2002中、着用者の足が靴に進入しまた靴の中底に着座するとき
、かつ足に圧着するインサート内の何らかの褶曲部を平坦化するなど、着用者が履物を調
整するときに、カウントは変動する。
【0171】
第1着用インターバル2002後に、時刻1250あたりから時刻1750まで第1着
席インターバル2003が示される。第1着席インターバル2003中、着用者はほぼ静
止し、リラックスした姿勢を維持する。カウントの大きさは、着用者が静止状態を維持す
る限り、ほぼ一定の値に維持される。第1着席インターバル2003後に、時刻1750
あたりから時刻2200まで第1足上昇インターバル2004が示される。第1足上昇イ
ンターバル2004中、着用者は着席したままであるが、足を床から上昇させ、したがっ
て、センサを有する履物に対して加わる下向きの力が除去される。第1足上昇インターバ
ル2004中、着用者の足は依然として履物内に物理的に存在しているため、カウントの
大きさはゼロより大きいままであるが、第1着席インターバル2003中に観測される大
きさよりも小さく、これはすなわち、センサにより少ない力が加わるからである。
図20
の実施例において、センサは第1足上昇インターバル2004中約100カウントを記録
する。
【0172】
第1足上昇インターバル2004後に、時刻2200あたりから時刻2750まで第1
起立インターバル2005が示される。第1起立インターバル2005中、着用者は床に
足を着けて直立状態に起立し、これにより履物及びセンサに対して下向き力を加える。図
20から観測されるように、カウントの大きさはこの第1起立インターバル2005中に
約300カウントに上昇する。カウントの大きさは、第1着席インターバル2003及び
第1足上昇インターバル2004中に観測される大きさよりも大きくなることができ、こ
れはすなわち、第1起立インターバル2005中に着用者が履物に加える相対力がより大
きいことに起因し、容量センサの電極上方の誘電部材を圧縮し、したがって、センサが検
出するキャパシタンスを増加させるからである。第1起立インターバル2005後に、時
刻2750あたりから時刻3200まで第1足運び(step)/歩行(walk)インターバル
2006が示される。第1足運び/歩行インターバル2006中、着用者は履物を履きな
がら足運び又は歩行を行う。第1足運び/歩行インターバル2006中、カウントの大き
さは変動し、この変動は着用者の足運びサイクルに対応する。例えば、第1足運び/歩行
インターバル2006中におけるカウントの大きさのピーク又は最大値は、着用者の足が
地面に接触するときのような、センサを有する履物に着用者が力を加えるときの場合に対
応する。第1足運び/歩行インターバル2006中におけるカウントの大きさの谷又は最
小値は、着用者の足を持ち上げるときの場合に対応する。ピーク大きさの値は第1起立イ
ンターバル2005中に観測されるカウント値の大きさを超え、また最小の大きさの値は
第1足上昇インターバル2004中に観測される値にほぼ対応する。或る実施例において
、カウント平坦領域は、足が地面に着けている持続時間(足運びイベントに対応する)、
又は足を地面から持ち上げている持続時間に対応する。したがって、ユーザーの移動速度
は、各平坦領域の相対長さに基づいて判別又は決定することができる。
【0173】
第1足運び/歩行インターバル2006後に、時刻3200あたりから時刻3600ま
で第2着席インターバル2007が示される。この第2着席インターバル2007中のカ
ウントの大きさは、
図20の実施例においては、第1着席インターバル2003中に観測
されるカウントの大きさよりも少ない。この変化は、とりわけ第1足運び/歩行インター
バル2006後の、センサのベースライン又は基準キャパシタンス、環境効果、又は着用
者の姿勢における変化に関与し得る。
【0174】
第2着席インターバル2007後に、時刻3600あたりから時刻3750あたりまで
第1靴脱去インターバル2008が示される。この第1靴脱去インターバル2008中、
着用者の足が靴から脱出し、また脱ぎ去られるとき、カウントは変動する。第1靴脱去イ
ンターバル2008後に、カウントの大きさは、足不在条件に対応する約ゼロカウントの
ベースライン値に復帰する。
【0175】
時刻3750あたりでゼロカウントに復帰した後、
図20の実施例は、時刻4500あ
たりで始まる第2サイクルを含み、この第2サイクルにおいて、他の着用インターバル、
着席インターバル、足上昇インターバル、起立インターバル、足運び/歩行インターバル
、第2着席インターバル、及び脱去インターバルをこの順序で含む。
【0176】
或る実施例において、足存在閾値を使用して、容量性足存在センサを含む履物に対して
足が存在するか又は不在であるか否かを決定することができる。
図20の実施例を生ずる
のに使用されるセンサ形態用に、例えば、足存在閾値はセンサから約300信号カウント
となるよう選択することができる。足存在閾値は、特定カウント数よりも多いものが観測
されるとき、足が履物内に存在する(又は足が履物内に存在する可能性が極めて高い)こ
とを示すことができる。同様に、足存在閾値は、特定カウント数よりも少ないものが観測
されるとき、足が履物内に存在しない(又は足が履物内に存在しない可能性が極めて高い
)ことを示すことができる。
【0177】
或る実施例において、足存在閾値は、例えば、センサ特性変化、センサに対する環境影
響の変化、及びユーザー選好の変化に応じて適合又は変化させることができる。例えば、
センサ電極が損傷又は変更された場合、センサのベースラインキャパシタンス値は変化さ
せることができ、またしたがって、センサからの基準測定値も変更することができる。或
る実施例において、種々の電場及び/又は磁場はセンサの挙動に影響を及ぼすことができ
、これによりセンサのベースラインキャパシタンス値を変更させることができる。或る実
施例において、ユーザーは、センサの足存在感度を調整することができ、これにより例え
ば、足検出イベントに対するセンサの応答性をより高くする又はより低くさせることがで
きる。足存在閾値は、足存在感知機能性を損なうことなく、これら又は他の変化のうち任
意な1つ又はそれ以上に対処するよう調整することができる。
【0178】
図21A~21Dは、異なる平面状電極アセンブリ形態の実施例を概略的に図解する。
各アセンブリの形状又は輪郭は、電極アセンブリを収容するよう構成された紐締め動力源
のエンクロージャ又はハウジングにおける形状にほぼ合致するが、他の形状も同様に使用
することができる。
図21A~21Dの実施例においては、電極アセンブリは、ほぼ平面
状であり、周縁周りの第1導電性領域又は電極(影付き領域として示した)と、ほぼ中央
に位置しかつ第1導電性領域によって囲まれる第2非導電性領域とを有する。他の実施例
は、複数の導電性領域及び非導電性領域を有することができ、例えば、これら領域は互い
に並置して又は同心状にして配列することができる。
【0179】
図21Aは、第1表面積A
1を有する中央の第1非導電性領域2131と、及び平均第
1厚さT
1を有する第1電極領域2121を備える第1電極アセンブリ2101を含む。
或る実施例において、平均第1太さT
1は、約2ミリメートルであり、第1電極アセンブ
リ2101のほぼ周縁に沿って延在するおよそ2mm幅の導電性細条又はループを有する
。或る実施例において、このアセンブリは、第1電極領域2121の外側に第1非導電性
辺縁2111を備える。
【0180】
図21Bは、A
1よりも小さい第2表面積A
2を有する中央の第2非導電性領域213
2を備える第2電極アセンブリ2102を含む。第2電極アセンブリ2102は、T
1よ
り大きい平均第2太さT
2を有する第2電極領域2122を備える。或る実施例において
、平均第2太さT
2は約4ミリメートルであり、第2電極アセンブリ2102のほぼ周縁
に沿って延在するおよそ4mm幅の導電性細条又はループを有する。或る実施例において
、このアセンブリは、第2電極領域2122の外側に第2非導電性辺縁2112を備える
。
【0181】
図21Cは、A
2よりも小さい第3表面積A
3を有する中央の第3非導電性領域213
3を備える第3電極アセンブリ2103を含む。第3電極アセンブリ2103は、T
2よ
り大きい平均第3太さT
3を有する第3電極領域2123を備える。或る実施例において
、平均第3太さT
3は約6ミリメートルであり、第2電極アセンブリ2102のほぼ周縁
に沿って延在するおよそ6mm幅の導電性細条又はループを有する。或る実施例において
、このアセンブリは、第3電極領域2123の外側に第3非導電性辺縁2113を備える
。
【0182】
図21Dは、第21A~21Cの実施例における第1~第3の電極領域2121~21
23のいずれの表面積よりも大きい表面積を有する中央の蔓延する導電性領域2124を
備える第4電極アセンブリ2104を含む。或る実施例において、このアセンブリは、中
央の蔓延する導電性領域2124の外側に第4非導電性辺縁2114を備える。すなわち
、第4電極アセンブリ2104は、利用可能な表面積のほぼ全体を占め、また中央の非導
電性領域を含まない電極を備える。
【0183】
図22は、容量センサ感度とセンサ形状との間の関係性を示すグラフの実施例を概略的
に示す。図示される各曲線は、
図21A~21Dの実施例からの電極アセンブリの各個を
使用して得られたデータに対応する。例えば、第1曲線2201は第1電極アセンブリ2
101(例えば、2mm幅の第1電極領域2121を有する)に対応し、第2曲線220
2は第2電極アセンブリ2102(例えば、4mm幅の第2電極領域2122を有する)
に対応し、第3曲線2203は第3電極アセンブリ2103(例えば、6mm幅の第3電
極領域2123を有する)に対応し、また第4曲線2204は第4電極アセンブリ210
4(例えば、蔓延電極領域2124を有する)に対応する。
【0184】
図22の実施例において、第1~第4の曲線2201~2204は、1つの特定容量セ
ンサに対する足衝合力(foot strike force)とセンサから得られる結果としてのカウン
ト数(容量センサからの、又は容量センサに接続したADC回路としてのプロセッサから
の出力としての「カウント」に関連する上述の説明参照)との間の関係性を示す。例えば
、第1曲線2201は、約9.07kg(約20ポンド)の重量が第1電極アセンブリ21
01を含む容量センサ上に加わるとき結果としてセンサから得られるカウント数が約20
であることを示す。第1曲線2201は、さらに、約45.36kg(約100ポンド)
の重量が同一の容量センサ上に加わるとき結果としてセンサから得られるカウント数が約
70であることを示す。したがって、9.07~36.29kg(20~80ポンド)の図
示インターバルにわたり、第1電極アセンブリ2101を含むセンサは、約50カウント
の差を示す。
【0185】
図22の実施例において、第2曲線2202は、約9.07kg(約20ポンド)の重量
が第2電極アセンブリ2102を含む容量センサ上に加わるとき結果としてセンサから得
られるカウント数が約60であることを示す。第2曲線2202は、さらに、約45.3
6kg(約100ポンド)の重量が同一の容量センサ上に加わるとき結果としてセンサか
ら得られるカウント数が約170であることを示す。したがって、9.07~36.29k
g(20~80ポンド)の図示インターバルにわたり、第2電極アセンブリ2102を含
むセンサは、約110カウントの差を示す。
【0186】
図22の実施例において、第3曲線2203は、約9.07kg(約20ポンド)の重量
が第3電極アセンブリ2103を含む容量センサ上に加わるとき結果としてセンサから得
られるカウント数が約75であることを示す。第3曲線2203は、さらに、約45.3
6kg(約100ポンド)の重量が同一の容量センサ上に加わるとき結果としてセンサか
ら得られるカウント数が約190であることを示す。したがって、9.07~36.29k
g(20~80ポンド)の図示インターバルにわたり、第3電極アセンブリ2103を含
むセンサは、約115カウントの差を示す。
【0187】
図22の実施例において、第4曲線2204は、約9.07kg(約20ポンド)の重量
が第4電極アセンブリ2104を含む容量センサ上に加わるとき結果としてセンサから得
られるカウント数が約80であることを示す。第4曲線2204は、さらに、約45.3
6kg(約100ポンド)の重量が同一の容量センサ上に加わるとき結果としてセンサか
ら得られるカウント数が約255であることを示す。したがって、9.07~36.29k
g(20~80ポンド)の図示インターバルにわたり、第4電極アセンブリ2104を含
むセンサは、約175カウントの差を示す。
【0188】
異なるセンサ電極アセンブリ又は形態のそれぞれは、図示の重量インターバルにわたる
ほぼ線形的関係性を示す。しかし、第1~第4の曲線2201~2204の異なる勾配は
重量変化に対する異なるセンサ感度を示す。例えば、第1曲線2201は、第1電極アセ
ンブリ2101が重量変化に対して相対的により低いセンサ感度であって、27.22k
g(60ポンド)の力の振れにわたり約50カウントの差しかないことを示す。したがっ
て、第4電極アセンブリ2104を含む又は使用するセンサは、幾つかの実施例において
、重量変化関連イベント、例えば、起立、着席、又は足運び/歩行イベントについてより
高い解像度及びより多くの情報を提供することができる。
【0189】
図23は、センサ感度と種々のタイプの矯正インサートとの間の関係性を示すグラフの
実施例を概略的に示す。上述したように、矯正インサートは履物内の誘電スタックの一部
分を有することができる。本発明者らは、上述した平面状電極構成を使用して容量性足感
知に対する様々な矯正インサートの効果を評価する種々の試験を実施した。
図23の実施
例において、第3電極アセンブリ2103(例えば、6mm幅導体)を試験中に使用した
。全体的及び部分的な長さの矯正インソールを試験した。履物に対する通常(部分的長さ
)矯正具付加は、スタックの全体誘電効果を増加し、また足存在に対する電場感度を減少
した。感知した信号振幅(例えば、キャパシタンスの感知した変化に対応する)も矯正具
の存在で減少した。しかし、ノイズ・フロアのRMS振幅は矯正具があってもなくても同
様であった。荷重条件及び無荷重条件の下での応答も同様であった。
図23の実施例にお
いて、試験システムをゼロ設定するよう、ベースライン又は基準キャパシタンス若しくは
オフセットを各インサートに対して確立した。
【0190】
図23の実施例において、第1矯正具曲線2301はグラスファイバーインサートに対
応し、第2矯正具曲線2302は剛性ポリマーインサートに対応し、第3矯正具曲線23
03はポリウレタンインサート(例えば、「標準」又は工場供給インソール材料)に対応
し、また第4矯正具曲線2304は炭素繊維インサートに対応する。第1~第4の矯正具
曲線2301~2304それぞれは、力とセンサ出力又はカウントとの間におけるほぼ線
形的関係性(例えば、
図22参照)は、矯正インサートを使用するときほぼ維持される。
【0191】
図23実施例において、ベースライン又は基準キャパシタンス値は各インサートに対し
て異なるものであり得る。或る実施例において、炭素繊維インサートは、他のものに対し
てより大きいセンサキャパシタンスを有する。
図23の実施例において、所定インサート
に対するセンサ応答(勾配で示される)は、インサートが非導電性である限り、剛性が増
加するにつれて減少する。換言すれば、より堅い又は剛性のあるインサートはより平坦な
応答曲線にほぼ対応する。その代わり、炭素繊維は導電性であるため、曲線は試験したも
ののうち最も急な勾配である。この圧縮によるキャパシタンス増加は最も大きく、これは
すなわち、導電性インサートが電場をセンサから信号を、他のインサートを使用するとき
に得られるよりも短い、より高いキャパシタンス経路を介して接地部に導くからである。
【0192】
図24は、容量センサを含む履物の1つ又はそれ以上のコンポーネントにおける容量セ
ンサ応答と流体飽和の変化との間の関係性を示すグラフ2400の実施例を概略的に示す
。グラフ2400の実施例は、靴下を着用し、また容量センサを含む履物品内に位置する
足の足首に適用されるシミュレートした汗の効果を示す。この実施例は、汗代用物を試験
アセンブリに付加して、容量センサの出力を経時的にまた多数回の着席/起立サイクルに
わたりモニタリングして実施した試験に対応する。
【0193】
試験アセンブリは、靴下及び本明細書記載の1つ又はそれ以上の実施形態による足存在
センサを含む履物を装着した足を含む。汗は生理食塩水を足の足首エリアに導入すること
によってシミュレートした。およそ10ミリリットルの生理食塩水を各試験インターバル
、例えば、
図24のグラフ2400で示すインターバルで添加した。体積標記は、添加し
た溶液の累積総量を示す。
【0194】
図24の実施例は、履物内に足が存在しない短い第1インターバル2401で始まる。
第1インターバル2401中、容量センサ出力はほぼゼロカウントである。第2インター
バル2402中、足は、履物内に存在しかつほぼ乾燥しており、またセンサからのカウン
ト出力は、非ゼロのベースライン又は基準値(例えば、約140カウント)を記録する。
第3インターバル2403中、着用者は起立し、これによりセンサからのカウント出力を
増加させる(例えば、約200カウントまで)。第3インターバル2403に続いて、複
数回の着席/起立サイクルを順次に各サイクルにおいてシミュレートした汗又は生理食塩
水を添加して実施する。
【0195】
図24の実施例は、概して、汗又は水分が容量センサからの出力カウントに影響を与え
得ることを示す。例えば、試験アセンブリが乾燥しており、被験者が着席しているとき(
例えば、第2インターバル2402に対応する)のベースライン又は基準カウント値は、
試験アセンブリが湿って(部分的に飽和して)おり、被験者が着席しているときのベース
ライン又は基準カウント値よりも少ないものとなり得る。
図24の実施例において、試験
アセンブリは、約60ミリリットルのシミュレートした汗を添加後にほぼ飽和した。した
がって、添加流体の約ゼロ~60ミリリットルの間でベースライン又は基準カウント値の
相対傾斜を観測することができるが、ベースライン又は基準カウントは60ミリリットル
より多くの液体を添加するときにはそれほどの変化はなかった。
【0196】
異なる流体飽和レベルに対してベースライン又は基準条件は着席及び起立形態で変化す
るが、隣接する着席持続時間(例えば、平坦化した谷)と起立持続時間(例えば、平坦化
したピーク)との間のカウント差は、任意な量のシミュレートした汗又は飽和とほぼ同一
である。例えば、第2及び第3のインターバル2402と2403との間、すなわち、乾
燥条件の下での第1カウント差は
図24から約60カウントが観測される。例えば、グラ
フ2400上で70mLの表記におけるような、飽和条件の下での着席インターバルと起
立インターバルとの間におけるカウント差は約75カウントが観測され、すなわち、乾燥
又は非飽和条件の下におけるものとは約15カウントの差しか観測されない。したがって
、変化するベースライン又は基準キャパシタンス条件の存在において、履物使用について
の情報は、足の存在又は不在についての情報、又は足衝合力のようなセンサに加わる力に
ついての情報を含めてセンサから決定することができ、これら情報を使用して、着席姿勢
と起立姿勢との間の相違を判別することができる。
【0197】
図25は、センサ応答とシミュレートした汗との間における関係性を示す
図24からの
グラフ実施例を、平均化した信号とともに概略的に示す。
図25の実施例において、セン
サカウントの緩慢に移行する平均として計算される平均曲線2410を、
図24の実施例
からのグラフ2400に重ね合わせる。この平均曲線2410は、経時的に変化する基準
キャパシタンス値に対応することができ、また履物に対する足の存在又は不在を識別する
基準として使用することができる。例えば、着用者が履物から足を脱去する場合、その後
のセンサ出力比較は、同一又は異なる着用者による従来履物占有からのような相対センサ
情報を頼る又は使用する代わりに、平均曲線2410によって示される絶対基準を使用し
て実施することができ、すなわち、センサ若しくはセンサ標的内又はその周りの水分変化
に対応するような、容量センサに対する変化する基準条件についての情報を使用して、と
りわけ、履物に対して足が存在する又は不在であるか否かを決定するのに使用するための
閾値を調整することができる。
【0198】
図26は、汗補償方法のための状態
図2600の実施例を概略的に示す。状態
図260
0は、状態の第1ブロック2610と、及び状態の第2ブロック2620とを含む。第1
ブロック2610は、システムの基本的な足存在検出機能を表す。第2ブロック2620
は補償機能を表し、この補償機能を随意的に使用して、例えば、履物内の足存在センサに
対するベースライン又は基準特性をアップデートすることによって、自動履物操作を増補
することができる。
【0199】
実施例は、例えば、足が履物内に存在しないか、又は足が履物内の足存在センサ近傍に
ないときのような、足存在センサを含む履物システムが休憩(resting)、休止(asleep
)、又は非活動状態(inactive)にある状態2601で開始することができる。センサ感
度は、例えば、特定デューティサイクルに従って、又はユーザーからのコマンドに応答し
て、プロセッサ回路によってモニタリングすることができる。センサが非ゼロ又は非ベー
スラインの応答を示すとき、プロセッサ回路は、他の回路を起動させて非ゼロ応答が足存
在又はノイズを示すか否かを決定することができる。例えば、履物が履かれ、容量センサ
が基準又はベースラインキャパシタンス以外を記録するとき、特定キャパシタンス閾値に
合致又は超えることができ、これにより他の処理を起動させて、足が履物内に存在するか
否かを確認することができる。
【0200】
状態2602において、実施例は、センサデータでメモリバッファを埋める。収集した
データは、足の存在若しくは不在についての、又は足存在信号のノイズからの区別につい
ての決定を行うのに十分であり得る。バッファが特定量のデータ(例えば、特定のサンプ
ル数、若しくはカウント、又は特定の持続時間)を有するようになるとき、状態2603
でシステムは、「跳ね返り抑止(デバウンス)」解析を実施して、足が存在するか否かを
決定することができる。デバウンス解析は、とりわけ、信号平滑化、平均化、時間遅延、
又は他の処理を含むことができ、これにより信号ノイズを有用な足存在情報から区別でき
るようにする。
【0201】
デバウンス解析は、キャパシタンス表示信号変化をモニタリングし、またキャパシタン
ス表示信号から速度特定を判別することができる。或る実施例において、デバウンス解析
は、速度特定をモニタリングして、いつ足が靴の中底に部分的又は完全に着座したかを確
定することができる。キャパシタンス表示信号がほぼ一定値又は定常値に落ち着いたとき
、足は十分に着座したと見なすことができ、これによりシステムは、自動紐締め機能又は
データ収集機能のような自動履物における1つ又はそれ以上の他の機能をトリガすること
ができる。
【0202】
図26の実施例において、デバウンス解析は、「閾値超えキャプセンス値及び閾値以下
の勾配(capsense value above threshold and slope below threshold)」を含む。「閾
値超えキャプセンス値(Capsense value above threshold)」は、容量性足存在センサか
らのキャパシタンス表示信号が基準又はベースラインキャパシタンス値を超える値を記録
することを示す。「閾値以下の勾配(Slope below threshold)」は、センサからのキャ
パシタンス表示信号の変化率が特定基準又はベースライン変化率値よりも小さいことを示
し、例えば、足が履物内に存在するが、センサに対してほぼ静止状態にあることを示す。
双方の条件が満たされるとき、割込みが1つ若しくはそれ以上の他のプロセッサ又はデバ
イスに供給され、これにより履物の1つ若しくはそれ以上の他の機能をトリガする。
【0203】
すなわち、状態2603からシステムは、(1) 非ゼロ応答が確実な足存在表示前にノイ
ズ又はタイムアウトを示すか、及び(2) 非ゼロ応答が有効足存在信号を示すかのうち一方
を決定することができる。(1) に関しては、システムは状態2601に復帰し、低電力モ
ニタリング状態を再開する。(2) に関しては、システムは状態2604に進む。状態26
04への進行において、システムは、センサ応答が特定閾値を超えることを検証し、また
幾つかの実施例において、信号勾配特性が特定勾配基準を満たす又は超えることを検証す
る。
図26に示すように、足存在決定に基づく割込みを1つ若しくはそれ以上のプロセッ
サ又はデバイスに送信することができ、これにより例えば、足が存在することを決定する
ときに他の行為又はプロセスを起動させる。例えば、割込みは紐締め動力源が使用するこ
とができ、自動紐締め手順又はハードウェアプロセスを開始させることができる。状態2
604において、システムは確実足存在表示を含む状態を維持し、またシステムは、その
後のプロセスを開始又は実施するための他の信号又は割込みを待機するよう構成すること
ができる。
【0204】
状態2604から、システムは相対的に低い電力状態又はスリープ状態に進むことがで
き、ここでシステムはセンサ信号における他のデータ又は検出される変化を待つことがで
きる。或る実施例において、状態2605は、足が靴内に存在しかつ靴が活動的に使用さ
れる又は摩滅している状態を表す。例えば、状態2603におけるデバウンス解析からの
足存在決定に基づいて、履物が自動的に紐締めされ、また足を固定する場合、状態260
5において履物は足周りの固定状態に維持するとともに、周期的にセンサ状態をモニタリ
ングする、又は履物状態を変化させる他の割込みを待機する。他の実施例において、状態
2605における足存在センサからのキャパシタンス表示信号をモニタリングすることは
、比較的低い周波数、例えば、1~2Hz又はそれ以下の周波数の信号をモニタリングす
ることを含み、キャパシタンス表示信号が閾値量よりも多く変化するか否かを識別する。
【0205】
或る実施例において、信号が閾値変化量よりも多いことを示す場合、状態マシンは状態
2606に進み、ここで足存在表示割込みをクリアすることができる。或る実施例におい
て、状態2606への進行は、センサのベースライン又は基準特性をアップデートすべき
か否かを決定するハードウェア又はソフトウェアのチェックを含むことができる。例えば
、注記「HW非接触再較正閾値合格(HW Anti-touch Recal Threshold Passed)」は、自
動較正プロセスを示す。足が脱去され、また状態2606でキャパシタンス表示足存在信
号が特定閾値を下回る場合、新たな基準又はベースラインを確立することができる。新た
な基準又はベースラインは状態2606からのような更なる検出行為を行うのに使用する
ことができる。
【0206】
履物使用経過中におけるような履物自体内の種々の変化は、足が実際には履物に不在で
あるときに足存在を示すセンサ信号を生ぜしめる。例えば、汗に起因して、履物の1つ又
はそれ以上のコンポーネントの流体飽和又は濡れが容量センサからのキャパシタンス表示
信号に影響を及ぼすおそれがあり、また足が履物内に存在するとの偽表示を生ずることが
あり得る。したがって、状態2605において、システムは、周期的に足が履物内に存在
するか否かを検証する解析及び補償ルーチンを起動又は実施するよう構成することができ
る。
【0207】
図26の実施例において、補償ルーチンは、容量センサからの時限データの収集及び解
析を含むことができる。例えば、状態2605に続く状態2607における補償ルーチン
は周期的又は間欠的にトリガすることができる。幾つかの実施例において、補償ルーチン
は数分毎又は数時間毎のオーダーで実施される。この補償ルーチンはセンサ信号データを
収集し、また信号変化をモニタリングする。信号が特定閾値変動又は変化量に対して合致
又は超える変動を含む場合、システムは、足が履物内に存在する可能性が高いことを決定
することができ、また状態2605を維持することができる。補償ルーチンは、特定持続
時間後に繰り返すことができる。しかし、センサ信号がモニタリングしたインターバルに
わたり比較的静穏である又は変化しないと決定される場合、システムは、足は履物に対し
て不在である可能性が高いと決定することができ、またシステムは、状態2601に復帰
することができる。この実施例において、状態2601への復帰は、ベースライン又は基
準キャパシタンス表示信号がアップデートを必要とするか否かを決定するための再較正を
含む。
【0208】
或る実施例において、履物内のセンサに対するような足の変位情報は、履物内における
容量センサからのカウント情報を用いて決定することができる。変位情報の勾配は、履物
内における足の速度特性を表すことができ、また幾つかの使用事例では履物自体の速度を
表すことができる。或る実施例において、足の速度特性についての情報を使用して、履物
の1つ又はそれ以上の特徴をトリガすることができる。例えば、速度プロファイルを使用
して、履物着用又は脱去イベントを識別することができ、自動紐締め又は紐解き手順をそ
れぞれトリガすることができる。
【0209】
図27は、足存在センサデータを示すグラフの実施例を概略的に示す。
図27の実施例
は、容量性足存在センサからサンプリングした生データを示す第1曲線2701(実線と
して示す)を含む。
図27の実施例は、さらに、第1曲線2701のフィルタ処理済みバ
ージョンである第2曲線2702(短い破線として示す)を含む。或る実施例において、
第2曲線2702は、その大きさを特定閾値大きさと比較することによって足存在検出に
使用する。特定閾値を超える第2曲線2702の値に対して、足は履物内に存在している
ことを示すことができ、また特定閾値を超えない第2曲線2702の値に対して、足は履
物に対して不在であることを示すことができる。センサからの閾値及び/又はベースライ
ンキャパシタンス値は上述したようにアップデート又は変更することができる。
【0210】
図27の実施例は第3曲線2703を含む(長い破線として示す)。この第3曲線27
03は、特定先行持続時間にわたる第1曲線2701の勾配のように、第1曲線2701
の勾配を示すことができる。先行持続時間の長さは、センサ又はシステムの所望性能特性
(例えば、アタック時間、又は感度、又はノイズ若しくは急激信号若しくは信号跳ね返り
に対する耐性)に基づいて、調整又は整調することができる。
【0211】
或る実施例において、第3曲線2703の大きさは、センサを含む履物の相対速度、又
は足が履物を履いているときの履物内の足の相対速度を示すことができる。第3曲線27
03の大きな大きさは、センサに対する足の垂直(z)方向及び水平(x/y)方向への
大きな速度又は変位に対応することができ、また第3曲線2703の小さな大きさは、小
さい速度に対応することができる。
【0212】
図27実施例は、さらに、第4曲線2704を含む(交互の短/長い破線として示す)
。第4曲線2704は、足が履物内に対して存在であるか又は不在であるかを示す。第4
曲線2704は、したがって、
図27の実施例においては2値信号であり、また高い及び
低いかの2つ状態を有する。
【0213】
或る実施例において、履物内に対して足が存在しているか又は不在であるかについての
決定は、第2及び第3の曲線2702及び2703双方からの情報を用いて(例えば、プ
ロセッサ回路によって)行うことができる。例えば、第2曲線2702からの信号情報が
特定閾値信号より小さく(例えば、30カウントより小さく)、またそれに続いて速度変
化が検出される場合、足存在を示すことができる。或る実施例において、検出される速度
変化は特定閾値速度量よりも大きい速度変化とすることができる。他の実施例において、
検出される速度変化は、例えば、速度変化又は波形の形態を、足存在に対応する既知の速
度変化又は速度形態と比較するため、速度プロファイル比較を含むことができる。
【0214】
或る実施例において、履物速度又は変位情報は、個別のセンサ、例えば、履物内又はそ
の上に備え付けられる加速度計又はジャイロスコープから取得することができる。このよ
うな速度又は変位情報は、随意的に履物内のセンサに対する足の速度についての情報と一
緒に使用することができる。例えば、この足速度情報は、例えば、スポーツ又はアクティ
ビティ中のような履物使用中に最適な履物張力特性を決定するのに使用することができる
。或る実施例において、足速度情報は、激しいストップ又はスプリント(加速度計又はジ
ャイロスコープによって検出されるような)中における、足と履物との間の相対移動を止
めるに十分な丁度よい締まりのような特定緊張度となるよう張力特性を最適化するのに使
用することができる。逆に、足又は履物の速度又は加速度が検出されない場合、張力特性
は過剰又は不必要であると決定することができ、また履物張力を緩めることができる。例
えば、アクティビティ中に足が膨張する場合、幾分の特定低速度が検出されるまで履物を
緩めることができる(例えば、紐を緩めることができる)。
【0215】
或る実施例において、自動紐締め形体を含む履物は多数のやり方で足から脱がすことが
できる。例えば、履物は、紐の張力を減少するよう着用者が押すことができるボタンを有
することができ、これにより履物を脱ぎやすくする。幾つかの実施例において、1つ又は
それ以上のセンサのベースライン又は基準値は、履物使用中に(着用者の靴下が含む水分
に起因して、又は他の環境条件に起因して)変更又はアップデートすることができる。ボ
タンを押すときに、1つ若しくはそれ以上のセンサ、又は履物のベースライン若しくは基
準値を、例えば、その後の足存在感知を容易にするため、リセット若しくはゼロに設定す
ることができる。
【0216】
他の実施例において、履物はこじ開けることができる。本明細書記載の自動紐締めシス
テムは、例えば、容量性足存在センサからのサブ閾値カウントを使用して足不在を検出す
ることによって、履物がこじ開けられる時点を検出するよう構成することができる。或る
実施例において、足不在は、速度変化及び/又は既知の靴脱ぎ速度プロファイルに対応す
る速度プロファイル若しくは形態を示す速度情報とともに、容量センサかあのカウント情
報を用いて部分的に検出することができる。
【0217】
図28A~30Dは、紐締め動力源アセンブリ2803を有する靴中底アセンブリの実
施例、及び靴中底内の紐締め動力源キャビティ2801における紐締め動力源アセンブリ
2803を設置又は保持するための種々の技術又は実施例を概略的に示す。
図28A、2
9A、29B、29C、30B、30C、及び30Dは、ユーザーが紐締め動力源アセン
ブリ2803及び/又は紐締め動力源キャビティ2801にアクセスする実施例のユーザ
ーからの斜視図として概略的に示す。図面に示すユーザーの手は必須ではなく、いかなる
実施形態に対しても不要であり、本発明の一部をなすものではない。
【0218】
図28A及び28Bは、トノカバー2802を有する靴中底アセンブリの実施例を概略
的に示す。靴中底アセンブリは紐締め動力源アセンブリ2803を設置することができる
紐締め動力源キャビティ2801を有することができる。
図28Aの実施例において、ト
ノカバー2802は、内部に配置される紐締め動力源アセンブリとともに、紐締め動力源
キャビティ2801が見えるように上昇させた状態で示す。
図28Bにおいて、トノカバ
ー2802を設置して、紐締め動力源キャビティ2801のほぼ全体をカバーする。
【0219】
或る実施例において、紐締め動力源アセンブリ2803は、容量センサのための電極(
例えば、本明細書記載のうち、とりわけ、
図21A~21Dの電極アセンブリの実施例参
照)を有することができる。或る実施例において、誘電部材(例えば、ネオプレン、又は
他の閉鎖若しくは開放セルのゴム若しくは発泡体、EVA、又は他の材料)を紐締め動力
源アセンブリ上に配置することができ、またトノカバー2802をこの誘電部材上に設け
ることができる。或る実施例において、トノカバー2802は、着用者の足の土踏まずに
適合する輪郭にすることができる。或る実施例において、トノカバー2802は、水分を
紐締め動力源アセンブリ2803から逸らすよう転向させるのに役立つアーチ状又はアン
ブレラ状の形状にする。トノカバー2802は、炭素繊維、EVA、又はネオプレンゴム
のような種々の剛性又は柔軟な材料からなるものとすることができ、また比較的導電性を
持たせ、これにより下層の容量センサの身体感知感度を向上できるよう構成することがで
きる。したがって、トノカバー2802は、紐締め動力源アセンブリ2803の保護カバ
ーをなし、また幾つかの実施例においては、足感知能力を増補することができる。
【0220】
図29A~29Dは、紐締め動力源キャビティ2801のための第1フック及びループ
カバーを有する靴中底アセンブリの実施例を概略的に示す。このカバーは、紐締め動力源
アセンブリ2803と、履物の足収容表面との間に設ける。このカバーは、紐締め動力源
キャビティ2801内における紐締め動力源アセンブリ2803の保持、及び紐締め動力
源アセンブリ2803上方の誘電スタックの部分における又はそれに隣接する1つ又はそ
れ以上の材料が、とくに履物が空いているときに非圧縮状態又は少ない圧縮状態となるよ
うに機械的偏移印加のような、種々の機能を行う。或る実施例において、フック及びルー
プカバーは、紐締め動力源アセンブリ2803上に設けられる誘電スタックへの応力軽減
又は圧力低下させるのに使用できる懸架機構を提供する。すなわち、カバーは誘電スタッ
クを非圧縮状態に向けて押圧偏移することができる。
【0221】
図29Aの実施例において、第1フック及びループカバーは、靴中底における紐締め動
力源キャビティ2801の周縁に追随するフック周縁部分2901を有する。フック周縁
部分2901の外側端縁は、紐締め動力源キャビティ2801の1つ又はそれ以上の端縁
に固定することができ、またフック周縁部分2901の内側端縁は可撓性とすることがで
き、また紐締め動力源アセンブリ2803のキャビティ内への挿入に適応するよう互いに
上昇できる。紐締め動力源アセンブリ2803は、ループ材料カバー2902を使用して
カバーすることができる。ループ材料カバー2902は、靴中底における紐締め動力源キ
ャビティ2801内に紐締め動力源アセンブリ2803を保持するのを補助することがで
きる。幾つかの実施例において、ループ材料カバー2902は、疎水性であり、また紐締
め動力源から水分を遠ざけるよう転向させるのに役立つよう構成された外向き側面を有す
る。
【0222】
図30A~30Dは、紐締め動力源アセンブリのための第2フック及びループカバーを
有する靴中底アセンブリの実施例を概略的に示す。
図30Aの実施例において、フック及
びループ材料カバー3001及び3002は、靴中底における紐締め動力源キャビティ2
801をカバーする。
図30Bにおいて、フックカバー3001は靴中底における紐締め
動力源キャビティ2801の第1側端縁に追随する。フック材料カバー3001の側端縁
は、紐締め動力源キャビティ2801の第1側面で靴中底に結合することができ、また可
撓性とすることができ、紐締め動力源アセンブリ2803の紐締め動力源キャビティ28
01内への挿入に適応できるよう互いに上昇することができる(例えば、
図30C参照)
。ループ材料カバー3002の側端縁は、紐締め動力源キャビティ2801の反対側の第
2側面で靴中底に結合することができ、これによりフック及びルート材料カバー3001
及び3002が部分的にオーバーラップして互いに結合される。
【0223】
誘電スタック3004の1つ又はそれ以上の部材は、紐締め動力源アセンブリ2803
の一部分における頂面に隣接して又はその頂面上に設けることができる。
図30Dの実施
例において、誘電スタック3004は、紐締め動力源アセンブリ2803のハウジング内
側の電極アセンブリに隣接して設けられるネオプレン層又はドープしたEVA層を有する
。誘電スタック3004を有する紐締め動力源アセンブリ2803は、
図30Aに示すフ
ック及びループ材料カバー3001及び3002を用いてカバーすることができる。この
フック及びループ材料カバー3001及び3002は、靴中底における紐締め動力源キャ
ビティ2801内に紐締め動力源アセンブリ2803を保持するよう構成できる。幾つか
の実施例において、フック及びループ材料カバー3001及び3002のうち一方の上方
カバーは、疎水性であり、また紐締め動力源アセンブリ2803から水分を遠ざけるよう
転向させるのに役立つよう構成された外向き(足に対面する)側面を有する。
【0224】
図30Dの実施例において、誘電スタック3004は、紐締め動力源アセンブリ280
3におけるハウジングの一部分にオーバーレイする。ポリウレタン又は他の発泡体若しく
は圧縮可能な部材のような填隙材をハウジングの残りの又は他の部分をカバーするよう挿
入し、ユーザーの足裏に対して比較的継ぎ目のない快適な表面を与えるようにすることが
できる。この填隙材は、紐締め動力源アセンブリ2803内の容量性足存在センサがモニ
タリングする電場に対してほぼ透過性を示すようにすることができる。換言すれば、填隙
材の材料は、紐締め動力源アセンブリ2803内にある又はこれに接続される容量性足存
在センサからの足存在表示信号に対する衝撃又は影響を最小限にするものを選択すること
ができる。
【0225】
図29A~29D及び
図30A~30Dの実施例におけるフック及びループアセンブリ
は、足の衝撃力を、例えば、紐締め動力源アセンブリ2803から遠ざけるような、吸収
かつ分散させるのを補助するよう構成することができ、また依然として、履物に対する足
の存在又は不在をモニタリング若しくは検出するよう紐締め動力源アセンブリ2803内
(又はそれに隣接する)容量センサが使用する電場に対してほぼ透過性を示すものとする
ことができる。或る実施例において、本明細書記載の種々のフック及びループアセンブリ
又はトノカバーは、誘電スタック3004から遠ざかる外方又は上方への機械的偏移を生
じて、履物使用に起因する誘電スタック3004の反復圧縮効果を減少し、またこれによ
り反復される長期履物使用過程にわたる足存在感知感度、忠実度及びダイナミックレンジ
を維持するよう構成することができる。
【0226】
以下の態様は、本明細書記載の履物、容量センサ、容量センサ信号処理、及び速度関連
信号処理における非限定的概説を提供する。
【0227】
態様1は、発明要旨(例えば、装置、システム、デバイス、方法、行為を実施する手段
、又はデバイスによって実施するときデバイスに行為を行わせる命令を含むデバイス可読
媒体のような)を含み又は使用することができ、例えば方法を含む又は使用することがで
き、この方法は、履物品に結合されるセンサからの経時変化センサ信号であって、センサ
は足がセンサに対する近接度についての情報を感知するよう構成されている、該経時変化
センサ信号を受信するステップと、及び前記経時変化センサ信号を用いてセンサに対する
足の速度特性を識別するプロセッサ回路を使用するステップと、を備えることができる。
或る実施例において、態様1は、識別した前記速度特性に基づいて、履物に結合した同一
センサ又は異なるセンサを使用して、履物についての又はセンサに対する足の近接度につ
いてのデータ収集を開始するステップを備えることができる。或る実施例において、態様
1は、識別した前記速度特性に基づいて、履物の自動機能をアップデートするステップを
備えることができる。前記履物の自動機能をアップデートするステップは、履物を足に対
して固定する又は履物を足から解放するような、履物の自動紐締め機能を開始又は抑止す
るステップを含むことができる。
【0228】
態様2は、態様1の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせ
ることができ、随意的に、経時変化センサ信号の速度特性を識別するステップは、センサ
に対する足の位置についての変位情報を使用するステップを含む。
【0229】
態様3は、態様2の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせ
ることができ、随意的に、前記プロセッサ回路を使用するステップは、前記識別した前記
速度特性に基づいて足が履物品内に存在するか否かを決定するステップを含む。
【0230】
態様4は、態様2又は3のうち一方若しくはいずれかとの任意な組合せの要旨を含む若
しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記プロセッサ回路
を使用するステップは、前記識別した前記速度特性を使用して足運びカウントを決定する
ステップを含む。
【0231】
態様5は、態様2~4のうち1つ若しくはいずれかとの任意な組合せの要旨を含む若し
くは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記プロセッサ回路を
使用するステップは、前記識別した前記速度特性を使用して足衝合力特性を決定するステ
ップを含む。
【0232】
態様6は、態様1の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせ
ることができ、随意的に、前記経時変化センサ信号を用いて、前記速度特性を識別するス
テップは、前記プロセッサ回路を用いて、(1) 足衝合に対応する前記経時変化センサ信号
の第1部分を識別し、また足持ち上げに対応する前記経時変化センサ信号の第2部分を識
別するステップと、及び(2) 前記経時変化センサ信号の前記第1部分及び第2部分のタイ
ミングについての情報を用いて、足運びカウント、移動速度、又は移動距離を決定するス
テップと、を含む。
【0233】
態様7は、態様1の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせ
ることができ、随意的に、前記経時変化センサ信号を用いて、前記速度特性を識別するス
テップは、前記プロセッサ回路を用いて、(1) 足衝合に対応する前記経時変化センサ信号
の第1部分を識別し、また足持ち上げに対応する前記経時変化センサ信号の第2部分を識
別するステップと、及び(2) 前記経時変化センサ信号の少なくとも前記第1部分を用いて
、履物のインソールコンポーネントのライフサイクル状態を決定するステップと、を含む
。
【0234】
態様8は、態様7の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせ
ることができ、随意的に、前記履物のインソールコンポーネントのライフサイクル状態を
決定するステップは、前記経時変化センサ信号のピーク・ツー・ピーク偏位特性を識別す
るステップを含む。
【0235】
態様9は、態様7又は8の一方若しくはいずれかとの任意な組合せの要旨を含む若しく
は使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、決定された前記ライフサ
イクルが、インソールはユーザーに対するクッション性を十分に与えていないことを示す
とき、履物状態表示をユーザーに報告するステップを備える。
【0236】
態様10は、態様1~9のうち1つ若しくはいずれかとの任意な組合せの要旨を含む若
しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記履物の自動機能
をアップデートするステップは、前記足の周りに前記履物を締め付ける又は緩めるよう構
成された自動紐締め動力源の動作を開始又は抑止するステップを含む。
【0237】
態様11は、態様1~10のうち1つ若しくはいずれかとの任意な組合せの要旨を含む
若しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記センサから前
記経時変化センサ信号を受信するステップは、容量センサから経時変化キャパシタンス表
示信号を受信するステップを含む。
【0238】
態様12は、態様11の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合
わせることができ、随意的に、前記容量センサから経時変化キャパシタンス表示信号を受
信するステップは、前記容量センサに使用するよう構成された非駆動シールドに駆動信号
を供給するステップを含む。
【0239】
態様13は、態様11又は12のうち一方若しくはいずれかの要旨との任意な組合せを
含む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記プロセッ
サ回路を用いて、特定持続時間にわたり前記容量センサからの経時変化キャパシタンス表
示信号を間欠的にモニタリングするステップと、及び前記信号が前記特定持続時間にわた
り特定閾値信号変化よりも小さいときに、前記容量センサの基準キャパシタンス特性をア
ップデートするステップと、を備える。
【0240】
態様14は、態様13の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合
わせることができ、随意的に、前記基準キャパシタンス特性をアップデートするステップ
は、前記容量センサからの出力の移動平均を使用するステップを含むものである。
【0241】
態様15は、態様13の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合
わせることができ、随意的に、経時変化センサ信号及びアップデートされた基準キャパシ
タンス特定を使用して、前記足の前記センサに対するその後の速度特定を識別するステッ
プを備える。
【0242】
態様16は、態様1~15のうち1つ又はいずれかとの任意な組合せによる要旨を含む
若しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、履物の1つ又はそ
れ以上のコンポーネントにおける検出されたライフサイクル状態に基づいて識別された前
記速度特定を調整するステップを備える。
【0243】
態様17は、態様1~16うち1つ又はいずれかとの任意な組合せによる要旨を含む若
しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記経時変化センサ
信号受信ステップは足が履物に対して挿入又は脱去されている間の信号を含むものであり
、また前記経時変化センサ信号の速度特性を識別するステップは、足のつま先部分、土踏
まず部分、及びヒール部分が履物内のセンサに接近するときのような、足の変化する近接
度特性を識別するステップを含むものである。
【0244】
態様18は、発明要旨(例えば、装置、システム、デバイス、方法、行為を実施する手
段、又はデバイスによって実施するときデバイスに行為を行わせる命令を含むデバイス可
読媒体のような)を含み又は使用することができ、例えば履物用の足近接センサシステム
を含む又は使用することができ、該システムは、履物品に結合される容量性近接センサで
あって、また足の前記センサに対する近接度を表示する経時変化センサ信号を供給するよ
う構成されている、該容量性近接センサと、及び前記近接度センサに接続されるプロセッ
サ回路と、を備える。態様18において、前記プロセッサ回路は、前記経時変化センサ信
号の使用により速度特性を識別するよう構成され、また識別された前記速度特性に基づい
て、(1) 前記同一の近接センサを使用して又は履物に結合した異なるセンサを使用して前
記履物についての又は前記センサに対する前記足の位置についてのデータ収集を開始する
、及び(2) 前記履物の自動機能をアップデートすることの少なくとも一方を行うよう構成
されることができる。或る実施例において、前記履物の自動機能をアップデートすること
は、履物の自動紐締め機能を開始又は抑止することを含む。
【0245】
態様19は、態様18の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合
わせることができ、随意的に、前記容量性近接センサは、平面状電極及び前記履物のイン
ソールに又はその近傍に設けた非駆動シールドを有する。
【0246】
態様20は、態様19の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合
わせることができ、随意的に、識別された前記速度特性の使用により、足運びカウント、
足衝合力及び移動速度のうち1つ又はそれ以上を決定するよう構成された前記プロセッサ
回路を備える。
【0247】
態様21は、態様18~20のうち1つ若しくはいずれかとの任意な組合せの要旨を含
む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記履物におけ
る1つ又はそれ以上のコンポーネントの流体飽和変化に適応するため前記容量性近接セン
サの基準特性をアップデートするよう構成された前記プロセッサ回路を備える。
【0248】
態様22は、態様18~21のうち1つ若しくはいずれかとの任意な組合せの要旨を含
む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記容量性近接
センサと履物の足収容表面との間に設けた誘電スタックを備える又は使用する。
【0249】
態様23は、態様22の要旨を含む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせること
ができ、随意的に、前記容量性近接センサと履物の足収容表面との間に設けたフック及び
ループカバーのようなカバーを備える又は使用し、前記フック及びループカバーは、前記
誘電スタックを非圧縮状態に向けて押圧偏移するよう構成される。
【0250】
態様24は、発明要旨(例えば、装置、システム、デバイス、方法、行為を実施する手
段、又はデバイスによって実施するときデバイスに行為を行わせる命令を含むデバイス可
読媒体のような)を含み又は使用することができ、例えば履物品に使用するための自動履
物システムを含む又は使用することができ、このシステムは、履物品内に配置するよう構
成された紐締め動力源及び紐締め動力源ハウジングと、前記ハウジング内に設けたプロセ
ッサ回路と、及び容量センサとを備え、前記容量センサは、少なくとも1つの電極と、前
記ハウジング内に少なくとも部分的に設けられた対応の非駆動シールドと、を有し、前記
容量センサは、身体の前記少なくとも1つの電極に対する近接度の変化を感知し、また前
記身体の前記電極に対する近接度を表示する経時変化センサ信号を供給するよう構成され
る。或る実施例において、態様24では、前記プロセッサ回路は、前記経時変化センサ信
号の使用により速度特性を識別するよう構成され、また識別された前記速度特性に基づい
て、(1) 前記同一の容量センサを使用して又は履物に結合した異なるセンサを使用して、
前記履物についての又は前記電極に対する前記身体の近接度についてのデータ収集を開始
すること、及び(2) 前記履物の自動機能を開始又は抑止するよう、前記紐締め動力源の自
動機能をアップデートすることの少なくとも一方を行うよう構成されることができる。
【0251】
態様25は、態様24の要旨との組合せを含む若しくは使用する、又は随意的に組み合
わせることができ、随意的に、識別された前記速度特性の使用により、足運びカウント、
足衝合力及び移動速度のうち1つ又はそれ以上を決定するよう構成された前記プロセッサ
回路を備える。
【0252】
態様26は、態様24又は25のうち一方若しくは任意な組合せの要旨を含む若しくは
使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記履物内に配置された又
は結合された1つ又はそれ以上のコンポーネントの検出した流体飽和変化に基づいて前記
容量性センサの基準特性をアップデートするよう構成された前記プロセッサ回路を備える
。
【0253】
態様27は、態様24~26のうち1つ若しくはいずれかとの任意な組合せの要旨を含
む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記容量センサ
の足に対面する側の側面に設けられ、また前記身体に対する容量センサの感度を増強する
よう構成された誘電スタックを備える又は使用する。或る実施例において、誘電スタック
はネオプレン又はドープしたEVA材料を有する。
【0254】
態様28は、態様24~27のうち1つ若しくはいずれかとの任意な組合せの要旨を含
む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、前記誘電スタッ
クを圧縮状態から離れる方向に押圧偏移するよう構成された懸架部材を備える又は使用す
る。
【0255】
態様29は、態様24~28のうち1つ若しくはいずれかとの任意な組合せの要旨を含
む若しくは使用する、又は随意的に組み合わせることができ、随意的に、識別した速度特
性に基づいて前記履物の自動紐締め機能を作動させることを含む前記紐締め動力源の自動
機能をアップデートするよう構成された前記プロセッサ回路を備える又は使用する。
【0256】
各種注記
上述した記載は、詳細な説明の一部をなす添付図面に対する参照を含む。図面は、説明
目的として発明を実施できる特別な実施形態を示す。これら実施形態は、本明細書内で「
実施例」とも称するものである。これら実施例は、図示又は記載したのに加えた他の素子
も含むことができる。しかし、本発明者らは、図示又は記載したそれら素子のみを設けた
実施例も想定している。さらに、本発明者らは、本明細書に図示若しくは記載した特定実
施例(又はそれらの1つ若しくはそれ以上の態様)、又は他の実施例につき図示又は記載
したそれら素子(又はそれらの1つ若しくはそれ以上の態様)の任意な組合せ又は置換を
使用する実施例も想定している。
【0257】
本明細書中、特許文献で共通に使用される用語「a」、「an」は、任意な他の場合から
独立的に1つ以外の1つ若しくはそれ以上を含み、すなわち、「少なくとも1つ(at lea
st one)」又は「1つ若しくはそれ以上(one or more)」を含むものとする。本明細書
において、用語「又は/若しくは(or)」は、非排他的であることに言及するのに使用さ
れ、したがって、他の指示がない限り、「A又は/若しくはB(A or B)」は、「Aであ
るがBではない(A but not B)」、「BであるがAではない(B but not A)」及び「A
かつB(A and B)」を含む。本明細書において用語「含んでいる(including)」及び「
において(in which)」は、それぞれに対応する用語「備えている(comprising)」及び
「ここにおいて(wherein)」のプレイン・イングリッシュの相当語句として使用される
。さらに、特許請求の範囲において、用語「含んでいる(including)」及び「備えてい
る(comprising)」は、限界がない、すなわち、請求項内のこのような用語が依然として
特許請求の範囲内に納まると見なせる後に列挙されるものに加えて他の要素を含む、シス
テム、デバイス、物品、組成物、調合物、又はプロセスである。さらに、特許請求の範囲
における用語「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」、等々は、単
なる標記として使用されるものであり、それら対象物に対して数値的要件を課すことを意
図しない。
【0258】
幾何学的用語、例えば、「平行(parallel)」、「直交(perpendicular)」、「丸い
(round)」、又は「方形(square)」は、文脈がそれ以外を指示しない限り、絶対数学
的厳密さを要することを意図しない。その代わり、このような幾何学的用語は、製造又は
等価の機能に起因して変動を許容する。例えば、要素が「丸い」又は「ほぼ丸い」として
記述される場合、厳密に円形でない(例えば、僅かに楕円形又は多数の側辺がある多角形
)コンポーネントも依然としてこの記述によって包含される。
【0259】
本明細書記載の方法における実施例は少なくとも部分的にマシン又はコンピュータで実
現することができる。幾つかの実施例は、上述した実施例で説明したような方法を実施す
るため、命令でエンコードして電子デバイスを環境設定するよう動作可能なコンピュータ
可読媒体又はマシン可読媒体を含むことができる。このような方法の実装は、マイクロコ
ード、アセンブリ言語コード、高水準言語コード、等々のようなコードを含むことができ
る。このようなコードは、種々の方法を実施するためのコンピュータ可読命令を含むこと
ができる。コードは、コンピュータプログラム製品の一部をなすことができる。さらに、
或る実施例において、コードは、実行中又は他の時点で、揮発性、持続性、又は不揮発性
の有形コンピュータ可読媒体に有形物として記憶することができる。これら有形コンピュ
ータ可読媒体の例としては、限定しないが、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク
、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)
、磁気カセット、メモリカード又はメモリスティック、ランダム・アクセス・メモリーズ
(RAMs)、及びこれらに類するものがある。
【0260】
上述の説明は説明目的であり、限定的であることを意図しない。例えば、上述した実施
例(又はそれらの1つ若しくはそれ以上の他の態様)は、互いに組み合わせて使用するこ
とができる。上述の記載を精査すれば、例えば、当業者によって他の実施形態を使用する
ことができる。要約書は、読み手が技術的開示の性質を即座に確認できるよう提示する。
要約書は特許請求の範囲の範囲又は意味を解釈又は限定するのに使用されないという理解
の下で提出された。さらに、上述の詳細な説明において、種々の特徴は、本開示を簡素化
するために互いにグループ分けすることができる。このことは、特許請求されずに開示さ
れた特徴はいかなる請求項において必須であると意図しているものとして解釈すべきでな
い。むしろ、発明要旨は、特別に開示した実施形態のすべての特徴より少ない点にあり得
る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で実施例又は実施形態として詳細な説明内
に組み込み、各請求項自体が個別の実施形態として成り立っており、またこのような実施
形態は、種々の組合せ又は置換において互いに組み合わせられることが期待される。発明
の範囲は、特許請求の範囲を参照して、特許請求の範囲によって権利を与えられる均等物
の全範囲とともに、決定すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物用の足近接センサシステムであって、該システムは、
履物品に結合される近接センサであって、足の前記近接センサに対する近接度を表示する第1センサ信号を供給するよう構成され、前記第1センサ信号が前記近接センサによって生成されて足自体の近接によって影響される電場の情報を含む前記近接センサであって、電極基板の一部の上に配置された平面状の第1電極と、第2電極と、少なくとも前記第1電極に励起信号を提供するように構成されて前記履物品の足収容キャビティ内に前記電場を生成する信号発生器と、を備える前記近接センサと、
前記近接センサに接続されるプロセッサ回路であって、前記第1センサ信号を用いて足の近接度表示を提供するように構成された前記プロセッサ回路と、を備える、システム。
【請求項2】
前記第1電極及び前記第2電極は、前記履物品の靴中底から前記履物品の前記足収容キャビティに向かって延びる垂直方向に離間されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
平面状の前記第1電極が、非導電性領域の周りに延在して包囲している円盤状の電極を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
平面状の前記第1電極が、紐締め動力源ハウジングの上面面積に対応する表面積を有する導電性プレートを含み、前記紐締め動力源ハウジングは、前記履物品のミッドソールのキャビティ内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサ回路は、前記足の近接度表示に基づいて、前記紐締め動力源ハウジング内の紐締め動力源の作動を制御するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
平面状の前記第1電極が、並んで配置された複数の導電性領域及び非導電性領域を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
平面状の前記第1電極及び前記第2電極は、それらの間の非導電性領域と同心に配置されたそれぞれの導電性領域を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
平面状の前記第1電極及び前記第2電極は、それぞれ前記電極基板の反対側に提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2電極が、前記電極基板の上で前記第1電極に隣接して配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1電極及び前記第2電極は、前記履物品のインソールの上又は近くに並べて配置され、前記励起信号によってエネルギーが与えられると、前記第1電極及び前記第2電極は、前記履物品の前記足収容キャビティ内の前記電場を生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記信号発生器は、前記第1電極及び前記第2電極にそれぞれ励起信号を提供して、前記履物品の足収容キャビティ内に電場を生成するように構成され、
前記プロセッサ回路は、前記電場の変化について前記近接センサから受信した情報に基づいて足存在表示を提供するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
参照電極をさらに備え、
前記電場の第1電場が前記第1電極と前記参照電極との間に生成され、前記電場の第2電場が前記第2電極と前記参照電極との間に生成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサ回路は、それぞれ前記第1電極及び前記第2電極から第1のキャパシタンス表示の信号及び第2のキャパシタンス表示の信号を受信するように構成され、
前記プロセッサ回路は、前記第1のキャパシタンス表示の信号及び前記第2のキャパシタンス表示の信号の差に基づいて、前記足存在表示を提供するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
履物用のセンサシステムであって、該システムは、
履物品に結合されるセンサであって、足の前記センサに対する近接度についての情報を含む第1センサ信号を供給するよう構成され、第1電極と、前記第1電極から離れて配置された第2電極と、を備える前記センサと、
前記履物品の足収容キャビティ内に電場を生成するために前記センサに励起信号を提供するように構成された信号発生器と、
前記センサに接続されるプロセッサ回路であって、前記励起信号に応答して前記第1センサ信号を用いて近接度表示を提供するように構成された前記プロセッサ回路と、を備える、システム。
【請求項15】
前記信号発生器は、前記第1電極及び前記第2電極にそれぞれ励起信号を提供して、前記履物品の足収容キャビティ内に電場を生成するように構成され、
前記プロセッサ回路は、前記電場の変化について前記センサから受信した情報に基づいて足存在表示を提供するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
参照電極をさらに備え、
前記電場の第1電場が前記第1電極と前記参照電極との間に生成され、前記電場の第2電場が前記第2電極と前記参照電極との間に生成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1電極及び前記第2電極は、前記履物品のインソールの上又は近くに並べて配置され、前記励起信号に応答して、前記第1電極及び前記第2電極は、前記履物品の前記足収容キャビティ内の前記電場を生成するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
信号発生回路を用いて履物品の足存在センサの第1電極に励起信号を提供することと、
前記第1電極、参照電極及び前記信号発生回路からの前記励起信号を用いて、前記履物品の足収容キャビティ内に第1電場を生成することと、
プロセッサ回路を用いて、前記第1電極から前記第1電場の変化についてついての情報を受信することと、
前記プロセッサ回路を用いて、前記第1電場の変化についての受信した前記情報を使用して、足の近接度表示を提供することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記第1電場を生成することは、非導電性領域によって分離された電極間に前記第1電場を生成することを含み、
前記電極及び非導電性領域は、前記履物品の前記足収容キャビティに隣接する同じ平面に提供される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1電場の変化についてついての情報を受信することは、第1のキャパシタンス表示の信号を受信することを含み、
前記方法は、
第2のキャパシタンス表示の信号を受信することと、
前記足の近接度表示を提供することが、前記第1のキャパシタンス表示の信号及び前記第2のキャパシタンス表示の信号を用いることを含むことと、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【外国語明細書】