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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058655
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】予測調節可能な油圧レール
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/00 20060101AFI20220405BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B25J19/00 G
B25J5/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022006124
(22)【出願日】2022-01-19
(62)【分割の表示】P 2020098081の分割
【原出願日】2015-07-07
(31)【優先権主張番号】14/339,267
(32)【優先日】2014-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518096722
【氏名又は名称】ボストン ダイナミクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】サンダース,ジョン アーロン
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ポッター,スティーブン ディー.
(57)【要約】
【課題】 予測調節可能な油圧レールを実現することである。
【解決手段】 ロボットデバイスは、運動方向で経路を横断してもよい。運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータが受信されてもよい。実現例は、経路の横断が、環境の1つ以上の物理的特徴の横断を伴うと判断することをさらに伴ってもよい。運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータに基づいて、環境の1つ以上の物理的特徴を横断するために、1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧が予測されてもよい。環境の1つ以上の物理的特徴を横断する前に、油圧駆動系は、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から予測した油圧に調節してもよい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットデバイスが動作する環境を示すデータを生成するように構成された少なくとも1つのセンサと、
油圧駆動系であって、
第1の圧力レールと、
第2の圧力レールと、
加圧された油圧作動油を固定圧力で前記第1の圧力レールに提供し、加圧された油圧作動油を調節可能な圧力で前記第2の圧力レールに提供するように構成された油圧ポンプ複合体とを備える、油圧駆動系と、
前記ロボットデバイスが動作している前記環境を示す前記データに少なくとも基づいて、前記油圧ポンプ複合体によって提供される前記調節可能な圧力を変更するように構成された、制御系と、
切換弁複合体であって、
前記第1の圧力レールに結合された第1の油圧作動油入力および前記第2の圧力レールに結合された第2の油圧作動油入力を備える油圧作動油入力と、
油圧作動油出力と、
前記油圧作動油入力の1つを前記油圧作動油出力に選択的に接続する油圧作動油スイッチとを備える、切換弁複合体とを備える、ロボットデバイス。
【請求項2】
前記ロボットデバイスを運動方向で動かす運動複合体をさらに備え、
前記少なくとも1つのセンサが、前記運動方向の前記環境を示す前記データを生成するように構成された知覚センサを含み、前記制御系が、前記運動方向の前記環境を示す前記データに少なくとも基づいて、前記調節可能な圧力を変更するように構成された、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項3】
前記運動複合体が、第1の部材と、第2の部材と、前記第1の部材および前記第2の部材の間に結合された油圧アクチュエータとを含む少なくとも1つの脚部を備え、前記油圧アクチュエータが、加圧された油圧作動油が前記第1の圧力レールからまたは前記第2の圧力レールから前記油圧アクチュエータまで流れるようにして、前記油圧作動油出力に結合されたポートを備える、請求項2に記載のロボットデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサが、前記少なくとも1つの脚部の滑りを検出するように構成された力センサを含み、前記制御系が、前記少なくとも1つの脚部の前記滑りに基づいて前記調節可能な圧力を増加させるように構成される、請求項3に記載のロボットデバイス。
【請求項5】
ロボット操作装置と、
前記ロボット操作装置に対する負荷を示すデータを生成するように構成された力センサとをさらに備え、
前記制御系が、前記ロボット操作装置に対する前記負荷に比例して前記調節可能な圧力を変更するように構成される、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項6】
前記油圧駆動系が第3の圧力レールをさらに備え、前記油圧ポンプ複合体が、加圧された油圧作動油を第2の固定圧力で前記第3の圧力レールに提供するように構成され、前記第2の固定圧力が前記第1の圧力よりも高く、前記第2の圧力レールの前記調節可能な圧力が、前記第1の圧力から前記第2の固定圧力に調節可能である、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項7】
前記油圧駆動系が第3の圧力レールをさらに備え、前記油圧ポンプ複合体が、加圧された油圧作動油を第2の固定圧力で前記第3の圧力レールに提供するように構成され、前記第2の固定圧力が前記第1の圧力よりも高く、前記第2の圧力レールの前記調節可能な圧力が、前記第3の圧力よりも高い圧力に調節可能である、請求項1に記載のロボットデバイス。
【請求項8】
制御系によって、ロボットデバイスに運動方向で経路を横断させる工程であって、前記ロボットデバイスに前記経路を横断させる工程が、油圧駆動系によって油圧作動油を第1の圧力で1つ以上の油圧アクチュエータに供給することを含む、工程と、
前記運動方向の前記環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータを受信する工程と、
前記経路の横断が、前記環境の前記1つ以上の物理的特徴を横断することを伴うと判断する工程と、
前記運動方向の前記環境における前記1つ以上の物理的特徴を示す前記センサデータに基づいて、前記環境の前記1つ以上の物理的特徴を横断するため、前記1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧を予測する工程と、
前記環境の前記1つ以上の物理的特徴を横断する前に、前記油圧駆動系によって、前記供給される油圧作動油の圧力を前記第1の圧力から前記予測した油圧に調節する工程とを含む、方法。
【請求項9】
油圧を前記第1の圧力から前記予測した油圧に調節する、調節期間を判断する工程と、
前記環境の1つ以上の物理的特徴を示す前記データに基づいて、前記ロボットデバイスと前記環境の前記1つ以上の物理的特徴との間の距離を評価する工程と、
前記ロボットデバイスの位置が前記1つ以上の物理的特徴からの前記評価した距離であることに基づいて、前記ロボットデバイスが、ほぼ前記判断した調節期間で、前記環境の前記1つ以上の物理的特徴に到達すると判断する工程と、
前記ロボットデバイスがほぼ前記判断した調節期間で前記1つ以上の物理的特徴に到達するとの判断に応答して、前記油圧駆動系によって油圧を前記予測した油圧に調節させて、前記ロボットデバイスが前記1つ以上の物理的特徴に到達するのとほぼ同時に、前記油圧が前記予測した油圧に調節されるようにする工程とをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記環境の前記1つ以上の物理的特徴を横断するため、前記1つ以上の油圧アクチュエータに供給する前記油圧を予測する工程が、
前記環境の1つ以上の物理的特徴を示す前記データに基づいて、前記1つ以上の物理的特徴が一連の段を含むと判断する工程と、
前記1つ以上の物理的特徴が前記一連の段を含むという前記判断に応答して、前記予測した油圧として、段を上るための所定の油圧を選択する工程とを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記環境の前記1つ以上の物理的特徴を横断するため、前記1つ以上の油圧アクチュエータに供給する前記油圧を予測する工程が、
前記環境の1つ以上の物理的特徴を示す前記データに基づいて、前記1つ以上の物理的特徴が傾斜を含むと判断する工程と、
前記環境の1つ以上の物理的特徴を示す前記データに基づいて、前記傾斜の勾配を評価する工程と、
前記1つ以上の油圧アクチュエータが前記傾斜を横断するための第2の油圧を判断する工程であって、前記判断した第2の油圧が前記傾斜の前記勾配に比例する、工程と、
前記判断した第2の油圧を前記予測した油圧として選択する工程とを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記環境の前記1つ以上の物理的特徴を横断するため、前記1つ以上の油圧アクチュエータに供給する前記油圧を予測する工程が、
前記環境の1つ以上の物理的特徴を示す前記データに基づいて、前記1つ以上の物理的特徴が凹凸がある地形を含むと判断する工程と、
凹凸がある地形を横断する際の前記1つ以上の油圧アクチュエータに対する過去の負荷を示すデータに基づいて、前記1つ以上の油圧アクチュエータに対する前記過去の負荷を作動させる第2の油圧を判断する工程と、
前記ロボットデバイスが前記凹凸がある地形を横断するのに応答して、前記判断した第2の油圧を前記予測した油圧として選択する工程とを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記環境の前記1つ以上の物理的特徴を横断するため、前記1つ以上の油圧アクチュエータに供給する前記油圧を予測する工程が、
前記環境の1つ以上の物理的特徴を示す前記データに基づいて、前記1つ以上の物理的特徴が舗装された地形を含むと判断する工程と、
前記1つ以上の物理的特徴が前記舗装された地形を含むという前記判断に応答して、舗装された地形を横断するための所定の油圧を前記予測した油圧として選択する工程とを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上のプロセッサと、
命令を格納するように構成されたデータ記憶装置とを備え、該命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、制御系によって、
前記ロボットデバイスに、1つ以上の油圧アクチュエータの作動を伴う作業を行わせ、前記ロボットデバイスに前記作業を行わせることが、油圧駆動系によって油圧作動油を第1の圧力で前記1つ以上の油圧アクチュエータに供給することを含み、
前記ロボットデバイスが前記作業を行うのに応答して、所定の期間、前記作業の一部分を行う際の前記1つ以上の油圧アクチュエータに対するそれぞれの負荷を追跡させ、
前記追跡したそれぞれの負荷に基づいて、前記1つ以上の油圧アクチュエータの作動に前記第1の圧力とは異なる第2の圧力が関与すると判断させ、
前記判断に応答して、前記油圧駆動系によって、前記供給される油圧作動油の圧力を前記第1の圧力から前記第2の圧力に調節させる、ロボットデバイスの制御系。
【請求項15】
前記第2の圧力が前記第1の圧力よりも低く、前記油圧駆動系によって、前記供給される油圧作動油を前記第1の圧力から前記第2の圧力に調節させる工程が、前記供給される油圧作動油の圧力を前記第1の圧力から前記第2の圧力に低減する工程を含む、請求項14に記載の制御系。
【請求項16】
前記ロボットデバイスが1つ以上の脚部を備え、前記1つ以上の脚部がそれぞれの油圧アクチュエータを備え、前記ロボットデバイスに前記作業を行わせる工程が、前記ロボットデバイスに目的地に向かって経路を横断させる工程を含み、前記命令がさらに、前記制御系によって、
前記経路の一部分にわたって前記それぞれの油圧アクチュエータに対するそれぞれの負荷を追跡させ、
前記追跡したそれぞれの負荷に基づいて、前記1つ以上の脚部が前記経路の前記一部分にわたって少なくとも一度滑っていると判断させ、
前記1つ以上の脚部が前記経路の前記一部分にわたって滑っているという前記判断に応答して、前記油圧駆動系に、前記供給される油圧作動油の圧力を前記第1の圧力から第3の圧力に調節させる、請求項14に記載の制御系。
【請求項17】
前記ロボットデバイスが1つ以上の脚部を備え、前記1つ以上の脚部がそれぞれの臀部アクチュエータおよびそれぞれの膝アクチュエータを備え、前記ロボットデバイスに前記作業を行わせる工程が、前記1つ以上の脚部によって前記ロボットデバイスを動かす工程を含み、前記命令がさらに、前記制御系によって、
所定の期間にわたって前記それぞれの臀部アクチュエータおよび前記それぞれの膝アクチュエータに対する前記それぞれの負荷を追跡させ、
前記それぞれの臀部アクチュエータおよび前記それぞれの膝アクチュエータに対する前記追跡したそれぞれの負荷に基づいて、前記第1の圧力が前記それぞれの負荷によって示される前記第2の圧力よりも高いと判断させ、
前記第1の圧力が前記それぞれの負荷によって示される前記第2の圧力よりも高いという前記判断に応答して、前記油圧駆動系に、前記供給される油圧作動油の圧力を前記第1の圧力から前記第2の圧力に減少させる、請求項14に記載の制御系。
【請求項18】
前記ロボットデバイスに前記作業を行わせる工程が、前記ロボットデバイスのロボット操作装置に物体を拾わせる工程を含み、前記ロボット操作装置が前記1つ以上の油圧アクチュエータを備え、前記命令がさらに、前記制御系によって、
前記物体を拾う際に支持される前記それぞれの油圧アクチュエータに対する前記それぞれの負荷を追跡させ、
前記追跡したそれぞれの負荷に基づいて、前記物体を拾うことが前記第1の圧力を飽和させていると判断させ、
前記物体を拾うことが前記第1の圧力を飽和させているという前記判断に応答して、前記油圧駆動系に、前記供給される油圧作動油の圧力を前記第1の圧力から第3の圧力に増加させる、請求項14に記載の制御系。
【請求項19】
前記作業を行う工程が、前記1つ以上の油圧アクチュエータにそれぞれの作業軌道を追随させる工程を伴い、前記命令がさらに、前記制御系によって、
前記ロボットデバイスが前記作業を行うのに応答して、所定の期間、前記作業の一部分を行う際の前記1つ以上の油圧アクチュエータのそれぞれの軌道を追跡させ、
前記追跡したそれぞれの軌道に基づいて、前記それぞれの追跡した軌道の前記それぞれの作業記号からの1つ以上の偏差を判断させ、
前記それぞれの追跡した軌道の前記それぞれの作業軌道からの1つ以上の偏差の判断に応答して、前記油圧駆動系に、前記供給される油圧作動油の圧力を前記第1の圧力から第3の圧力に増加させる、請求項14に記載の制御系。
【請求項20】
前記油圧駆動系が第1の圧力レールおよび第2の圧力レールを備え、前記命令がさらに、前記制御系によって、
前記追跡したそれぞれの負荷に基づいて、前記作業が前記1つ以上の アクチュエータに対する周期的な負荷を伴うと判断させ、
前記第1の圧力レールを前記第2の圧力に調節させ、前記第2の圧力が前記周期的な負荷の第1の部分を作動させるのに十分であり、
前記第2の圧力レールを第3の圧力に調節させ、前記第3の圧力が前記周期的な負荷の第2の部分を作動させるのに十分である、請求項14に記載の制御系。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 歩行ロボットなどのロボットデバイスは、動作の際、加圧された油圧作動油をロボットデバイスの油圧アクチュエータに供給する、油圧駆動系を有することがある。例えば、ロボットデバイスは、リニア油圧アクチュエータ(例えば、油圧ピストンシリンダのアセンブリ)によって駆動される、ロボットアームおよび/または脚部を有することがある。加圧された油圧作動油は、リニア油圧アクチュエータを作動させ、それによってロボットアームおよび/または脚部を動かすことができる。一例の歩行ロボットは、各脚部に1つ以上の油圧アクチュエータ(例えば、臀部、膝、足首アクチュエータ)を有してもよい。油圧駆動系のポンプは、油圧作動油を加圧してもよい。油圧駆動系は、加圧された油圧作動油を各脚部の油圧アクチュエータに供給してもよい。
【発明の概要】
【0002】
[0002] 1つの実現例では、ロボットデバイスは、ロボットデバイスが動作している環境を示すデータを生成するように構成された、少なくとも1つのセンサを含んでもよい。ロボットデバイスはまた、第1の圧力レールと、第2の圧力レールと、加圧された油圧作動油を固定圧力で第1の圧力レールに提供し、加圧された油圧作動油を調節可能な圧力で第2の圧力レールに提供するように構成された油圧ポンプ複合体とを含む、油圧駆動系を含んでもよい。ロボットデバイスは、ロボットデバイスが動作している環境を示すデータに少なくとも基づいて、油圧ポンプ複合体によって提供される調節可能な圧力を変更するように構成された、制御系をさらに含んでもよい。ロボットデバイスはまた、第1の圧力レールに結合された第1の油圧作動油入力および第2の圧力レールに結合された第2の油圧作動油入力を備える油圧作動油入力と、油圧作動油出力と、油圧作動油入力の1つを油圧作動油出力に選択的に接続する油圧作動油スイッチとを含む、切換弁複合体を含んでもよい。
【0003】
[0003] 別の実現例では、ロボットデバイスは運動方向で経路を横断してもよく、ロボットデバイスによる経路の横断は、油圧駆動系によって油圧作動油を第1の圧力で1つ以上の油圧アクチュエータに供給することを伴うことがある。運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータが受信されてもよい。実現例は、経路の横断が、環境の1つ以上の物理的特徴の横断を伴うと判断することをさらに伴ってもよい。運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータに基づいて、環境の1つ以上の物理的特徴を横断するために、1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧が予測されてもよい。環境の1つ以上の物理的特徴を横断する前に、油圧駆動系は、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から予測した油圧に調節してもよい。
【0004】
[0004] 別の実現例は、ロボットデバイスに運動方向で経路を横断させる手段を含んでもよく、ロボットデバイスに経路を横断させることは、油圧駆動系に油圧作動油を第1の圧力で1つ以上の油圧アクチュエータに供給させることを伴ってもよい。実現例はまた、運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータを受信する手段を含んでもよい。実現例は、経路の横断が、環境の1つ以上の物理的特徴を横断することを伴うと判断する手段をさらに含んでもよい。システムは、運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータに基づいて、環境の1つ以上の物理的特徴を横断するために、1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧を予測する手段を含んでもよい。システムはまた、環境の1つ以上の物理的特徴を横断する前に、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から予測した油圧に調節する手段を含んでもよい。
【0005】
[0005] さらに別の実現例では、ロボットデバイスは、1つ以上の油圧アクチュエータの作動を伴う作業を行ってもよく、ロボットデバイスに作業を行わせることは、油圧駆動系によって油圧作動油を第1の圧力で1つ以上の油圧アクチュエータに供給することを伴ってもよい。ロボットデバイスが作業を行うのに応答して、所定の期間にわたって、作業の一部分を行う際の1つ以上の油圧アクチュエータに対するそれぞれの負荷が追跡されてもよい。追跡したそれぞれの負荷に基づいて、実現例は、1つ以上の油圧アクチュエータの作動に第1の圧力とは異なる第2の圧力が関与すると判断することを伴ってもよい。判断に応答して、油圧駆動系は、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から第2の圧力に調節してもよい。
【0006】
[0006] 別の実現例は、ロボットデバイスに、1つ以上の油圧アクチュエータの作動を伴う作業を行わせる手段を含んでもよく、ロボットデバイスに作業を行わせることは、油圧駆動系によって油圧作動油を第1の圧力で1つ以上の油圧アクチュエータに供給することを伴ってもよい。実現例はまた、ロボットデバイスが作業を行うのに応答して、所定の期間にわたって、作業の一部分を行う際の1つ以上の油圧アクチュエータに対するそれぞれの負荷を追跡する手段を含んでもよい。実現例は、追跡したそれぞれの負荷に基づいて、1つ以上の油圧アクチュエータの作動に第1の圧力とは異なる第2の圧力が関与すると判断する手段をさらに含んでもよい。実現例はまた、判断に応答して、油圧駆動系によって、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から第2の圧力に調節する手段を含んでもよい。
【0007】
[0007] これらならびに他の態様、利点、および代替物は、添付図面を適宜参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって、当業者には明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]油圧駆動系の一例の構成要素を示す簡略化したブロック図である。
図2A】[0009]例示の油圧駆動系の構成要素間における油圧作動油の相互接続を示す簡略化したブロック図である。
図2B】[0010]例示の油圧駆動系の構成要素間における代替の油圧作動油の相互接続を示す簡略化したブロック図である。
図3】[0011]回転切換弁の一例を示す図である。
図4】[0012]ロボットデバイスの一例の構成要素を示す簡略化したブロック図である。
図5A】[0013]第1の配置にある一例のロボット脚部を示す側面図である。
図5B】[0014]第2の配置にある例示のロボット脚部を示す側面図である。
図6】[0015]歩容にしたがって歩いている歩行ロボットデバイスの一例によるエネルギー使用を示すグラフである。
図7】[0016]歩行ロボットデバイスの一例を示す斜視図である。
図8】[0017]ロボットアームの一例を示す側面図である。
図9】[0018]油圧駆動系の油圧作動油圧力を予測した圧力に調節する方法の一例を示すフローチャートである。
図10】[0019]平らな地形および凹凸がある地形を含む経路を横断する例示の歩行ロボットデバイスを示す図である。
図11】[0020]階段を含む経路を横断する例示の歩行ロボットデバイスを示す図である。
図12】[0021]傾斜を含む経路を横断する例示の歩行ロボットデバイスを示す図である。
図13】[0022]油圧駆動系の油圧作動油圧力を予測した圧力に調節する別の方法例を示す図である。
図14】[0023]歩容にしたがって歩いている歩行ロボットデバイスの一例によって設定される圧力レベルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0024] 例示の方法およびシステムについて本明細書に記載する。本明細書に記載するあらゆる例示の実現例または特徴は、必ずしも他の実現例もしくは特徴よりも好ましいまたは有利なものとして解釈されるものではない。本明細書に記載する実現例は限定的であることを意味しない。開示するシステムおよび方法の特定の態様を、多種多様な異なる構成で配置し組み合わせることができ、それらすべてが本明細書において想起される。
【0010】
[0025] さらに、図面に示される特定の配置は限定として見なされないものとする。他の実現例は、所与の図面に示される各要素を事実上含んでもよい。さらに、例証する要素の一部が組み合わされるかまたは省略されてもよい。さらにまた、実現例は、図面に例証されない要素を含んでもよい。
【0011】
[0026] 実現例には、1つ以上の所望の圧力レベルを予測し、次に油圧駆動系の加圧された油圧作動油出力を予測した1つ以上の圧力レベルに調節することができる、油圧駆動式ロボットデバイスが関与してもよい。ロボットデバイスの一例は、油圧アクチュエータによって連接する肢(例えば、アームまたは脚部)を含んでもよい。動作の際、1つ以上の圧力レール(例えば、パイプまたはホース)から供給される、加圧された油圧作動油によって、これらの油圧アクチュエータを作動させ、それによってアームを動かす(例えば、物体を拾う)かまたは脚部を動かす(例えば、歩かせるもしくは走らせる)ことができる。変動する負荷に応答して、油圧駆動系は、圧力レールにおける油圧作動油の圧力を変動させて、負荷を特定の速度で作動させるのに求められる力および速度に対して十分な圧力を維持してもよい。油圧駆動系は、作り出される余分な圧力量を制限しながら、十分な圧力を維持しようとしてもよく、それにより、求められるよりも大きい力を作り出す圧力の供給による無駄を低減してもよい。
【0012】
[0027] 動作の際、油圧駆動系は、油圧作動油を1つ以上の圧力レールでそれぞれの公称圧力に加圧してもよい。場合によっては、公称圧力は、必然的に求められるよりも高い圧力レベルに設定されてもよく、動作中の任意の時点における油圧アクチュエータの作動に関与する所望の圧力は、特定の負荷を作動させる瞬間までわからないことがある。さらに、動作中における公称圧力の増大は瞬間動作ではないことがある。したがって、公称圧力の設定が低すぎると、(少なくとも公称圧力の増大が可能になるまで)油圧アクチュエータが利用可能な圧力が不十分になる可能性が生じる。公称圧力の増大とは対照的に、公称圧力を所望の圧力に加減することは比較的迅速な動作である。したがって、(より高い公称圧力によって)エネルギー消費が多くなると、圧力レベルの高い柔軟性がそれと引き換えになるという、トレードオフが作られることがある。
【0013】
[0028] 場合によっては、1つ以上の所望の圧力レベルを予測すること、および加圧された油圧作動油出力を予測した1つ以上の圧力レベルに調節することにより、予測した1つ以上の圧力レベルが公称圧力レベルよりも低いことがあるので、油圧駆動系の効率が改善することがある。その場合、加圧された油圧作動油出力を予測した1つ以上の圧力レベルに調節することで、他の可能性がある利益の中でも特に、ロボットデバイスの稼働時間の延長および/またはノイズ出力の低減が可能である。
【0014】
[0029] 例示のロボットデバイスは、所望の圧力レベルの予測を容易にすることができる、様々なセンサをさらに含んでもよい。例えば、経路を横断する一例のロボットデバイスは、環境の物理的特徴を感知してもよい1つ以上の知覚センサを用いて、経路の「前方を見て」もよい。ロボットデバイスは、次に、物理的特徴を横断するために1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧を予測してもよい。
【0015】
[0030] 一例のロボットデバイスはまた、ロボットデバイスの様々な動作パラメータを感知する1つ以上のセンサを有してもよい。例えば、ロボットデバイスはまた、油圧アクチュエータに対する負荷を示す力センサを有してもよい。ロボットデバイスは、所定の期間にわたってこれらの負荷を追跡し、これらの負荷を作動させることには公称圧力よりも低い圧力が関与すると判断し、今後負荷を作動させることにはより低い圧力が関与すると予測してもよい。油圧駆動系は、次に、圧力レールにおける圧力をより低い圧力に調節してもよい。
【0016】
[0031] さらに、ロボットデバイスは、行うように指令されている作業に基づいて、所望の圧力を予測してもよい。一例では、ロボットデバイスは、特定の速度で走るようにロボットデバイスに命令するコマンドを受信してもよく、次に、ロボットデバイスは、走行歩容および特定の速度に基づいて所望の油圧を予測してもよい。別の例では、ロボットデバイスは、物体を拾うようにロボットデバイスに命令するコマンドを受信してもよく、次に、ロボットデバイスは、物体を拾う作業に基づいて所望の油圧を予測してもよい。
【0017】
[0032] 場合によっては、ロボットデバイスは、環境の1つ以上の物理的特徴を示すデータ、油圧アクチュエータに対する負荷を示すデータ、およびロボットデバイスが行うように指令されている作業の組み合わせに基づいて、所望の圧力を予測してもよい。例えば、ロボットデバイスは、毎時5キロメートルで特定の位置(恐らくは、汎地球測位システム座標によって指示される)まで歩くようにロボットデバイスに命令するコマンドを受信してもよい。この命令を受信した後、ロボットデバイスは、その現在位置から特定の位置までの経路を判断してもよい。判断した経路に基づいて、ロボットデバイスは、経路の1つ以上の物理的特徴を感知してもよい1つ以上の知覚センサを用いて、経路の「前方を見て」もよい。コマンド、および経路の1つ以上の物理的特徴に基づいて、ロボットデバイスは、第1の圧力を予測し、次に圧力レールを第1の圧力に調節してもよい。
【0018】
[0033] 次に、経路の一部分にわたって、ロボットデバイスは、1つ以上の力センサを用いて油圧アクチュエータに対する負荷を追跡してもよい。ロボットデバイスは、追跡した負荷を評価し、追跡した負荷に基づいて第2の圧力を予測し、次に圧力レールを第2の圧力に調節してもよい。さらに、ロボットデバイスが経路を横断し続けるにつれて、ロボットデバイスは、周期的に経路の「前方を見て」もよく、また、圧力レールを調節する新しい圧力を予測するために、追跡した負荷を周期的に評価してもよい。
【0019】
[0034] 次に図面を参照すると、図1は、一例の油圧駆動系100の構成要素を示す簡略化したブロック図である。油圧駆動系100は、油圧ポンプ複合体102と、切換弁複合体112と、絞り弁120とを含む。油圧ポンプ複合体は、切換弁複合体に接続してもよく、それが次いで絞り弁に接続してもよい。
【0020】
[0035] 油圧ポンプ複合体102は、1つ以上のポンプ104と、1つ以上のアキュムレータ106と、1つ以上のリザーバ108と、2つ以上の圧力レール110とを含んでもよい。動作の際、油圧ポンプ複合体102は、それぞれの圧力の圧力レールを含む、加圧された油圧作動油源を提供してもよい。例えば、油圧ポンプ複合体102は、2つ、3つ、4つ、または5つの圧力レールを提供してもよい。利用可能な圧力レベルのより高い粒度を提供するため、追加の圧力レールが含まれてもよいが、異なる圧力で追加の圧力レールを提供することにより、油圧駆動系が使用するエネルギーが多くなることがある。
【0021】
[0036] 1つ以上のポンプ104は、油圧作動油を特定の圧力(例えば、3000PSI(20.7MPa))まで加圧するのを支援してもよい。燃料駆動式の内燃機関などのモータが、1つ以上のポンプ104を駆動してもよい。制御系は、モータの速度を変動させ、それによって1つ以上のポンプ104の速度を変動させて、結果として給送される油圧作動油の圧力を増減させてもよい。
【0022】
[0037] 油圧ポンプ複合体102は、1つ以上のポンプ104(例えば、定圧を提供する固定の置換ポンプ)と2つ以上の圧力レール110との間で接続される、多重圧力弁(図示なし)を含んでもよい。2つ以上の圧力レール110の各圧力レール(例えば、チューブまたはパイプ)は、1つ以上のアキュムレータ106のそれぞれ1つに接続してもよい。動作の際、制御系は、多重圧力弁によって、ある期間(例えば、100ミリ秒)の間、1つ以上のポンプ104を2つ以上の圧力レール110それぞれに選択的に接続してもよい。圧力レールがポンプに接続されている間、加圧された油圧作動油はポンプから圧力レールに流れてもよい。一部の加圧された油圧作動油は、圧力レールのためのそれぞれのアキュムレータに貯蔵されてもよい。
【0023】
[0038] 多重圧力弁は、固定の置換ポンプが圧力レールに接続される頻度を変動させることによって、圧力レールの圧力を変動してもよい。固定の置換ポンプから圧力レールまでをより高頻度で接続することによって、圧力レールに流れる加圧された流体が増えるので、圧力レールの圧力が高くなる。反対に、固定の置換ポンプから圧力レールまでの接続の頻度が低いと、圧力レールの圧力が低くなる。例えば、1.5秒毎に、多重圧力弁が第1の圧力レールを800ms、第2の圧力レールを400ms、第3の圧力レールを200ms、第4の圧力レールを100ms接続してもよく、それによってそれぞれの圧力レールに異なる圧力がもたらされてもよい。
【0024】
[0039] 上述したように、多重圧力弁は、1つ以上のポンプ104が圧力レールに接続される頻度を変動させることによって、圧力レールの圧力を変動してもよい。加圧された油圧作動油が圧力レールから油圧駆動系の他の構成要素に流れるにつれて、制御系は、1つ以上のポンプ104が任意の圧力レールに接続される頻度を調節することによって、圧力レールを異なる圧力で維持してもよい。圧力レールのそれぞれのアキュムレータは、加圧された油圧作動油がアキュムレータにおいて利用可能なままの状態で、圧力レールの圧力を維持してもよい。
【0025】
[0040] 例えば、圧力レールに対するそれぞれの圧力センサは、各圧力レールの圧力を示してもよい。圧力センサからのデータに基づいて、制御系は、圧力レールのうち1つの圧力が圧力レールの公称圧力よりも低い(例えば、3000PSI(20.7MPa)の圧力レールが2950PSI(20.3MPa)に低下している)ことを検出してもよい。それに応答して、制御系は、より高頻度で1つ以上のポンプ104を圧力レールに接続してもよく、それによって次いで、圧力レールの圧力の維持、および/またはアキュムレータ内の加圧された油圧作動油の補給を行ってもよい。場合によっては、それぞれのアキュムレータが満杯のときなど、多重圧力弁は、ポンプを1つ以上のリザーバ108に接続してもよく、リザーバの1つは戻りリザーバ(即ち、1つ以上のポンプ104のための油圧作動油の貯蔵部)であってもよい。このように、油圧ポンプ複合体102は、それぞれの圧力またはほぼその圧力で、加圧された油圧作動油を提供してもよい。
【0026】
[0041] 場合によっては、油圧ポンプ複合体102は1つ以上の第1の圧力レールに定圧を提供してもよく、1つ以上の第2の圧力レールに調節可能な圧力を提供してもよい。例えば、油圧ポンプ複合体102は、第1の圧力の第1の圧力レール、第2のより高い圧力の第2の圧力レール、および恐らくは第2の圧力よりも高い圧力で、調節可能な第3の圧力レールを提供してもよい。あるいは、第3の圧力レールは、第2の圧力と第1の圧力との間で調節可能であってもよい。多くの構成が可能である。
【0027】
[0042] 切換弁複合体112は、複数の入力114と、1つ以上のスイッチ116と、1つ以上の出力118とを含んでもよい。1つ以上の入力114は、油圧ポンプ複合体102のそれぞれの圧力レール110に接続してもよい。いくつかの実現例では、制御系は、1つ以上のスイッチ116によって、1つ以上の入力114のうち1つを1つ以上の出力118のうち単一の出力に選択的に接続し、それによって、加圧された油圧作動油が接続された圧力レールから単一の出力に流れることを可能にしてもよく、単一の出力が次いで、油圧駆動系100の別の構成要素に接続してもよい。場合によっては、入力および出力は、動作を反転し、それぞれ出力および入力になってもよい。この構成では、入力(それまで出力であったもの)に接続された1つ以上の油圧アクチュエータは、加圧された油圧作動油を、切換弁複合体112を通してそれぞれの圧力レール110に押し戻し、それによってある程度のエネルギーを再生してもよい。他の実現例では、1つ以上のスイッチ116は、複数の入力114の2つ以上を、1つ以上の出力118のそれぞれの出力に選択的に接続してもよい。かかる配置により、圧力レールを異なる圧力で異なる出力に接続することを容易にしてもよく、それによって次いで、異なる油圧アクチュエータに接続してもよい。
【0028】
[0043] 絞り弁120は、少なくとも1つの入力122と、少なくとも1つのスロットル124と、少なくとも1つの出力126とを含む。動作の際、少なくとも1つのスロットル124は、油圧作動油のフローを少なくとも1つの入力122から少なくとも1つの出力126に流れるように制限してもよい。かかる制限によって、油圧作動油の圧力を低下させてもよい。少なくとも1つのスロットル124は調節可能であってもよいので、油圧作動油を変動する角度によって少なくとも1つの入力122から少なくとも1つの出力126に流れるように絞ることができる。制御系は、少なくとも1つのスロットル124に接続し、少なくとも1つのスロットル124を調節してもよい。場合によっては、制御系は少なくとも1つのスロットル124を開いてもよいので、少なくとも1つのスロットル124を通って流れる油圧作動油の圧力が実質的に低下する。いくつかの実現例では、少なくとも1つのスロットル124は、電気油圧式サーボ弁などの電動弁であってもよい。制御系は、かかる電動弁に接続し、弁を様々な位置に対して開閉させてもよい。
【0029】
[0044] いくつかの実現例では、制御系は、離散モードまたは連続モードのどちらかで油圧駆動系を動作させてもよい。離散モードでは、制御系はスロットル124を使用不能にし、それによって、選択された圧力レールに近似した圧力で油圧アクチュエータに圧力を供給してもよい。このモードでは、スロットル124が使用不能にされるので、絞り損失はほぼゼロである(例えば、様々な接続部およびリンク部でいくらか損失が起こることがあるので、損失は5%未満であり得る)。ただし、制御系は離散的な圧力レベルからしか選ぶことができない。連続モードでは、制御系はスロットル124を使用可能にする。したがって、連続モードでは、制御系は、スロットル124によって油圧作動油圧力を様々なレベルに低減させてもよく、それによって、制御系が油圧作動油圧力を特定の値または値の範囲に調整することを可能にしてもよい。例えば、制御系は、(i)アクチュエータに対する負荷、および(ii)その負荷でアクチュエータが動作すべき速度に基づいて、油圧アクチュエータを作動させる圧力を判断してもよい。制御系は、次に、スロットル124によって、油圧作動油圧力を判断した作動圧力に低減させてもよい。
【0030】
[0045] 図2Aは、例示の油圧駆動系100の構成要素間における油圧作動油の相互接続を示す簡略化したブロック図である。かかる相互接続は、構成要素間の可能な相互接続を例証するため、一例として提供されている。図2Aに示されるように、油圧ポンプ複合体102からの圧力レール110A、110B、110C、および110Dは、切換弁複合体112の1つ以上の入力114に接続する。切換弁複合体112のスイッチ116は、圧力レール110A、110B、110C、および110Dの1つを絞り弁120の少なくとも1つの入力122に選択的に接続する。絞り弁120の少なくとも1つの出力126は、次いで、1つ以上の油圧アクチュエータの1つ以上のそれぞれのポートに接続してもよい。
【0031】
[0046] 図2Bは、例示の油圧駆動系100の構成要素間における代替の油圧作動油の相互接続を示す簡略化したブロック図である。図2Bに示されるように、油圧ポンプ複合体102からの圧力レール110A、110B、110C、および110Dは、切換弁複合体112の1つ以上の入力114に接続する。切換弁複合体112からの1つ以上の出力118のうち2つの出力は、油圧アクチュエータに接続してもよい。切換弁複合体112からの出力118のうち1つの出力は、絞り弁120の少なくとも1つの入力122に接続してもよい。絞り弁の少なくとも1つの出力126は、1つ以上の油圧アクチュエータに接続してもよい。この配置では、切換弁複合体112は、絞られたまたは絞られていないレールを油圧アクチュエータに選択的に接続することができる。
【0032】
[0047] 図3は、固定子アセンブリ302および入出力アセンブリ304を含む、回転切換弁300の一例を示す。切換弁複合体112は、かかる回転切換弁を含んで、入力114を出力118に接続してもよい。固定子アセンブリ302はコイル(図示なし)を含んでもよい。コイルを通る電流により、入出力アセンブリ304のスプール306がスリーブ308内で回転してもよい。スプールの回転によって、入出力アセンブリ304の1つ以上の入力が1つ以上の出力に接続されてもよい。
【0033】
[0048] 図4は、ロボットデバイス400の一例の構成要素を示す簡略化したブロック図である。ロボットデバイス400は、制御系402と、感知系410と、油圧ポンプ複合体412と、切換弁複合体414と、絞り弁416と、運動系418と、通信系420とを含んでもよい。これらの構成要素のうち1つ以上は、バスまたは他の相互接続系422によって相互接続されてもよい。
【0034】
[0049] 制御系402は、1つ以上のプロセッサ404と、持続性データ記憶装置406と、データ記憶装置406に格納されたプログラム命令408とを含んでもよい。1つ以上のプロセッサ404は、例えば、シングルまたはマルチコアプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または他の任意の適切な回路構成を含んでもよい。データ記憶装置406に格納されたプログラム命令408は、1つ以上のプロセッサ404によって、本明細書に記載する特定の機能を含んでもよい特定の機能を行うために実行可能であってもよい。
【0035】
[0050] 油圧ポンプ複合体412、切換弁複合体414、および絞り弁416はそれぞれ、油圧ポンプ複合体102、切換弁複合体112、および絞り弁120として実装されてもよい。しかしながら、これらの例からの変更が可能である。油圧ポンプ複合体412、切換弁複合体414、および絞り弁416は、単独で、または組み合わせで機能して、加圧された油圧作動油を運動系418に提供してもよい。
【0036】
[0051] 運動系418は、1つ以上の肢(例えば、1つ以上の脚部および/または1つ以上のアーム)を含んでもよい。いくつかの実現例では、ロボットデバイスは二足性(例えば、二足歩行ロボット)であってもよい。他の実現例では、ロボットデバイスは四足性(例えば、四足歩行ロボット)であってもよい。さらに他の実現例では、ロボットデバイスは3つの脚部または6つの脚部を有してもよい。多くの代替例が可能である。
【0037】
[0052] 各脚部は1つ以上の部材に分割されてもよい。部材は、1つ以上の関節(例えば、「足首」、「膝」、および/または「大腿」関節)で回転可能に接続されてもよい。1つ以上の油圧アクチュエータは、1つ以上の部材を互いに対して動かして、ロボットデバイスを歩かせるかまたは走らせてもよい。
【0038】
[0053] 図5Aは、連接可能なロボット脚部500の一例の側面図である。ロボット脚部は、関節508でロボットデバイスに接続された第1の端部を有する部材502を含む。部材502は、関節506で部材504の第1の端部に回転可能に接続された第2の端部を有する。部材504は、足部材514に接続された第2の端部を有する。例示のロボット脚部500はまた、部材504とロボットデバイスとの間で接続されたリニア油圧アクチュエータ512を含む。リニア油圧アクチュエータ512の作動によって、部材502および部材504が関節508を中心にして回転する。同様に、リニア油圧アクチュエータ510の作動によって、部材504が関節506を中心にして回転する。
【0039】
[0054] リニア油圧アクチュエータ510およびリニア油圧アクチュエータ512を組み合わせて作動させることによって、脚部を踏み出させることができる。例えば、リニア油圧アクチュエータ510は後退し、それによって部材504を、関節506を中心にして反時計方向で回転させてもよい。この回転により、図5Bに示されるように、脚部500が地面から持ち上がってもよい。次に、リニア油圧アクチュエータ512は後退し、それによって部材502を、関節508を中心にして時計方向で回転させてもよい。関節508を中心にして部材502を時計方向で回転させることによって、足部材514は地面に対して前方に動く。次に、リニア油圧アクチュエータ510および512は延長し、それによって脚部500を下に下げ、地面に押し付けて、ロボットデバイスを前進させてもよい。
【0040】
[0055] 運動系418は、歩容にしたがってロボットデバイス400を動かしてもよい。歩容は、ロボットデバイスの脚部の移動パターンである。移動パターンは、油圧アクチュエータによる作動の周期的シーケンスを伴ってもよい。歩行サイクルの間、各脚部は、上述した足踏みシーケンスのような足踏みシーケンスを行ってもよい。例えば、二足ロボットは、1つの歩行サイクルの間に、右脚を踏み出し、次に左脚を踏み出してもよい。あるいは、二足ロボットは、恐らくはより高速の歩行の場合、右脚および左脚を同時に動かしてもよい。
【0041】
[0056] ロボットデバイスは、いくつかの異なる歩容を交互に行ってもよい。例えば、二足ロボットは、歩行歩容と走行歩容とを交互に行ってもよい。四足ロボットは、他の可能な歩容の中でも特に、歩行、走行、駆け足を交互に行ってもよい。ロボットデバイスは、油圧アクチュエータの作動のタイミング、作動の速度、および作動範囲を変更することによって、異なる歩容にしたがって動いてもよい。特定のロボットデバイスが行うことができる特定の歩容は、その脚部の運動範囲、およびロボットデバイスが十分な加速度で油圧アクチュエータを作動させる能力に応じて決まってもよい。その脚部の運動範囲は、次いで、脚部の長さおよびリニアアクチュエータの移動範囲に応じて決まってもよい。アクチュエータの加速は、油圧アクチュエータを作動させるのに使用される油圧作動油の圧力に比例し、所与の負荷では、圧力が高いほど加速が大きくなる。制御系は、速度、地形、操作の必要性、および/またはエネルギー効率などの因子に基づいて、特定の歩容を選択してもよい。例えば、ロボットデバイスは、運動速度が増大すると、歩行から走行へと遷移してもよい。ロボットデバイスは次に、凹凸がある地形の歩行に戻ってもよい。
【0042】
[0057] 油圧アクチュエータに対する負荷は、足踏みシーケンスの間に変動してもよい。油圧アクチュエータが脚部を地面に押し付けている歩容の部分の間、油圧アクチュエータの負荷は、油圧アクチュエータが脚部を持ち上げて前に踏み出させている歩容の部分と比較して、比較的大きい。負荷が変動するにつれて、ロボットデバイスは、油圧駆動系によって供給される圧力を変動させて、歩容にしたがう脚部の動きを維持してもよい。
【0043】
[0058] 図6は、3つの歩行サイクルの間におけるロボットデバイスの所与の脚部の油圧アクチュエータに対する組み合わされた負荷を表すプロット600を示す。プロットのx軸は時間、y軸は相対力である。プロット600の点602は、油圧アクチュエータが脚部を地面に押し付けている歩容の部分の間の、油圧アクチュエータに対する負荷を表す。点604は、油圧アクチュエータが脚部を持ち上げている歩容の部分の間の、油圧アクチュエータに対する負荷を表す。点606は、油圧アクチュエータが脚部を前に踏み出させている歩容の部分の間の、油圧アクチュエータに対する負荷を表す。また、点608は、油圧アクチュエータが脚部を地面に卸している歩容の部分の間の、油圧アクチュエータに対する負荷を表す。これらの負荷は、歩容の動きのパターンが繰り返されるときに時間とともに繰り返す。
【0044】
[0059] 図4に戻ると、感知系410は、ロボットデバイス400の様相、およびロボットデバイス400が動作している環境を感知するように配置されたセンサを含んでもよい。感知系410は、制御系402に接続し、それによって制御系402にセンサからのデータを提供してもよい。制御系402は、このセンサデータを追跡し格納し、追跡したセンサデータに基づいて動作の判断を行ってもよい。
【0045】
[0060] 上述したように、感知系は、ロボットデバイスの様相を感知するように配置されたセンサを含んでもよい。感知系410は、ロボットデバイスの様々な構成要素に対する負荷を計測するように配置された1つ以上の力センサを含んでもよい。一例では、感知系は、各脚部に1つ以上の力センサを含んでもよい。脚部のかかる力センサは、脚部の部材を作動させる油圧アクチュエータに対する負荷を計測してもよい。
【0046】
[0061] 脚部の力センサは脚部の滑りを検出してもよい。例えば、脚部に対する負荷の比較的急速な減少は、脚部の滑りを示すことがある。制御系402は、少なくとも1つの脚部の滑りに基づいて、調節可能な圧力を増加させてもよい。例えば、制御系402は、所定の回数の滑りを検出したのに応答して、圧力レールにおける圧力を所定量増加させてもよい。
【0047】
[0062] 感知系410は、1つ以上の圧力センサを含んでもよい。1つ以上の圧力センサは、油圧アクチュエータに供給される油圧作動油の圧力を計測してもよい。例えば、感知系410は、各圧力レールに圧力センサを含んでもよい。
【0048】
[0063] 感知系410は、1つ以上の位置センサを含んでもよい。位置センサは、ロボットデバイスの油圧アクチュエータの位置を感知してもよい。位置センサはまた、油圧アクチュエータの位置を感知してもよい。1つの実現例では、位置センサは、ロボットデバイスの脚部にある油圧アクチュエータの延長または後退を感知してもよい。
【0049】
[0064] 感知系410は、1つ以上の位置、速度、または加速度センサを含んでもよい。例えば、感知系410は、慣性計測ユニット(IMU)を含んでもよい。慣性計測ユニットは、ロボットデバイスの速度、配向、および加速度を感知してもよい。感知系は、1つ以上の汎地球測位システム(GPS)デバイスを含んでもよい。GPSは、ロボットデバイスの絶対位置を感知してもよい。制御系は、GPSデータを使用して、場合によってはIMUからのデータと組み合わせて、ロボットデバイスの速度または方向を判断してもよい。
【0050】
[0065] 感知系410は、ロボットデバイス400が動作している環境を感知するように配置された、1つ以上の知覚センサを含んでもよい。知覚センサのうち1つ以上は、ロボットデバイス400に据え付けられ、運動方向に配向されてもよい。かかるセンサは、地形、植被、人工の物体および構造など、環境の物理的特徴を感知してもよい。制御系402は、運動方向の環境を示すデータに基づいて、圧力レールの圧力を変更してもよい。例えば、ロボットデバイスは、運動方向に1つ以上の物理的特徴があるという検出に応答して、圧力レールの圧力を増加させてもよい。
【0051】
[0066] いくつかの実現例では、知覚センサは1つ以上のライダー系を含んでもよい。かかるライダー系は、環境の物理的特徴のマップまたはモデルを示すデータを生成してもよく、次にそれを、恐らくは他のセンサからのセンサデータと組み合わせて、制御系が使用してロボットデバイスを操縦してもよい。
【0052】
[0067] いくつかの実現例では、知覚センサは、1つ以上の立体カメラなど、1つ以上のカメラを含んでもよい。例えば、1つ以上の立体カメラは、環境の物理的特徴の三次元画像を生成してもよい。制御系は、三次元画像を評価して、物理的特徴およびそれらのロボットデバイスに対する位置を特定する。
【0053】
[0068] 知覚センサはまた、1つ以上のレーザー距離計など、1つ以上の距離計を含んでもよく、それによってロボットデバイスから環境の物理的特徴までの距離を示すデータを生成してもよい。感知系410は、他のタイプの知覚センサも同様に含んでもよい。
【0054】
[0069] 通信系420は、ロボットデバイスと他のデバイスとのデータ通信を容易にするため、1つ以上の通信プロトコルにしたがって動作する、1つ以上の有線または無線通信インターフェースを含んでもよい。例えば、通信系420は、1つ以上のIEEE802.11プロトコルにしたがった無線データ通信を容易にするように構成された、Wi-Fi通信コンポーネントを含んでもよい。あるいは、通信系420は、携帯無線基地局との無線通信(音声および/またはデータ)を容易にして、ネットワークに携帯接続性を提供するように構成された、携帯無線通信コンポーネントを含んでもよい。他の多くの通信インターフェースが知られており、また利用可能であり、ロボットデバイスは任意の適切な通信インターフェースを含んでもよい。
【0055】
[0070] 図7は、一例の歩行ロボットデバイス700の斜視図である。ロボットデバイス700は、制御系702と、油圧駆動系(図示なし)と、脚部706A、706B、706C、および706Dを含む運動系と、知覚センサ704が示されている感知系とを含む。ロボットデバイス700は負荷708を保持している。
【0056】
[0071]ロボットデバイス700の制御系702は、感知系からのセンサデータに基づいて、ロボットデバイス700に環境を進ませてもよい。感知系は、感知系410のセンサ(例えば、知覚センサ704)を含んでもよい。ロボットデバイス700は、通信系420を用いて操縦コマンドを受信してもよい。例えば、ロボットデバイスは、毎時5キロメートルで前進させるコマンドを受信してもよい。コマンドは、100メートルなど、特定の距離を前に歩かせるように指定してもよい。
【0057】
[0072] いくつかの例では、操縦コマンドはGPS座標を伴ってもよい。一例では、コマンドは、特定のGPS座標によって規定されてもよい、特定の位置まで進むようにロボットデバイスに命令してもよい。次に、ロボットデバイスは、(恐らくは、知覚センサからのデータに基づいて)制御系によって特定された地形の物理的特徴を通り抜けながら、運動系によってその位置まで動いてもよい。別のコマンドは、人物の位置を示すデータを生成するGPS対応デバイスを有していてもよい特定の人物を追うように、ロボットデバイスに命令してもよい。データは、ロボットデバイスに通信されてもよく、それによって次に、制御系によって特定された地形の物理的特徴を通り抜けながら、運動系にその人物を追わせてもよい。
【0058】
[0073] 場合によっては、ロボットデバイスは、ロボットアームなどのロボット操作装置を含んでもよい。図8は、部材804に結合された部材802を含む、一例の連接可能なロボットアーム800の側面図である。リニア油圧アクチュエータ806によって、部材804は部材804に対して回転してもよい。ロボットアーム800はまた、物体を拾うエンドエフェクタ810を含む。
【0059】
[0074] ロボットアーム800はまた、リニア油圧アクチュエータ806に対する負荷を示すデータを生成する、力センサ808を含む。かかるデータに基づいて、制御系402などの制御系は、リニア油圧アクチュエータ806に対する負荷に比例して、圧力レールの圧力を変更してもよい。
【0060】
[0075] 図9は、油圧駆動系の動作例を示すフローチャートである。これらの動作は、例えば、図1の油圧駆動系100、図4のロボットデバイス400、および/または図7のロボットデバイス700とともに使用することができるか、例えば、図1の油圧駆動系100、図4のロボットデバイス400、または図7のロボットデバイス700の任意の構成要素の組み合わせによって行われてもよい。図9は、1つ以上の動作、またはブロック902~910の1つ以上によって示されるようなアクションを含んでもよい。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックは、場合によっては並行して、かつ/または本明細書に記載するのとは異なる順序で行われてもよい。また、様々なブロックは、所望の実現例に基づいて、組み合わせてより少ないブロックにされるか、追加のブロックに分割されるか、かつ/または除去されてもよい。
【0061】
[0076] それに加えて、図9ならびに本明細書に開示する他のプロセスおよび方法に関して、フローチャートは、本発明の実現例のうち1つの可能な実現例の機能性および動作を示している。この点で、各ブロックは、プロセスの特定の論理的機能または工程を実現するために、プロセッサによって実行可能である1つ以上の命令を含む、モジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部分に相当し得る。プログラムコードは、例えば、ディスクもしくはハードドライブを含む記憶デバイスなど、任意のタイプのコンピュータ可読媒体に格納されてもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短期間の間データを格納するコンピュータ可読媒体など、持続性コンピュータ可読媒体を含んでもよい。コンピュータ可読媒体はまた、例えば、読出し専用メモリ(ROM)、光学もしくは磁気ディスク、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)のような、二次的または永続的長期記憶装置など、他の持続性媒体を含んでもよい。コンピュータ可読媒体はまた、他の任意の揮発性または不揮発性記憶システムであってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、有形記憶デバイス、または他の製品と見なされてもよい。プログラムコード(もしくはコードのためのデータ)はまた、通信媒体を含む他の媒体に格納または提供されてもよい。
【0062】
[0077] それに加えて、図9ならびに本明細書に開示する他のプロセスおよび方法に関して、各ブロックは、プロセスの特定の論理的機能を行うように配置された回路構成に相当し得る。
【0063】
[0078] 図9の機能は、制御系によって完全に行われてもよく、または複数の制御系に分配されてもよい。いくつかの例では、制御系はロボットデバイスのセンサから情報を受信してもよく、または制御系は、情報を収集するプロセッサから情報を受信してもよい。制御系はさらに、例えば、遠隔の制御系(例えば、別のロボットデバイスの制御系)と通信して、他のデバイスのセンサから情報を受信することができる。
【0064】
[0079] ブロック902で、ロボットデバイスは、運動方向で経路を横断してもよい。例えば、制御系402によって、ロボットデバイス400に経路を横断させてもよい。
【0065】
[0080] ロボットデバイス400は、ロボットデバイス400を(例えば、歩行または走行によって)前進させるように命令するコマンドを受信してもよい。経路は次に、前方に延長してもよい。あるいは、ロボットデバイス400は、ロボットデバイス400を100メートル右に動かすように命令するコマンドを受信してもよい。経路は次に、右に100メートル延長してもよい。他の例が同様に可能である。
【0066】
[0081] 他の例では、経路は、恐らくは2つ以上のGPS座標組によって規定される、目的地と現在位置との差に基づいてもよい。例えば、制御系402は、GPS座標組によって指示されてもよい、目的地に移動するコマンドを受信してもよい。ロボットデバイスは次に、その現在位置を、感知系410のGPSセンサなどのGPSセンサから取得してもよい。目的地および現在位置に基づいて、制御系402は、現在位置と目的地との間を延在する経路を判断してもよい。制御系は次に、運動系418によって、判断した経路に沿ってロボットデバイス400を動かしてもよい。
【0067】
[0082] あるいは、経路は、経路を規定する一連のGPS座標に基づいてもよい。例えば、制御系402は、近似的にロボットの現在位置と目的地との間の位置を含む、一連のGPS座標を示すデータを受信してもよい。一連のGPS座標を示すデータに基づいて、ロボットデバイスは、GPS座標によって示される位置を用いて目的地へと進んでもよい。
【0068】
[0083] 経路の横断は、油圧駆動系によって油圧作動油を第1の圧力で1つ以上の油圧アクチュエータに供給することを伴ってもよい。例えば、制御系402は、油圧ポンプ複合体412および切換弁複合体414によって、油圧作動油を運動系418の1つ以上の油圧アクチュエータに供給させてもよい。1つ以上の油圧アクチュエータは、図5Aおよび5Bの連接可能な脚部500など、1つ以上の連接可能な脚部の部材間に結合されてもよい。
【0069】
[0084] ブロック904で、運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータが受信されてもよい。例えば、制御系402は、感知系418の1つ以上の知覚センサなど、1つ以上の知覚センサからセンサデータを受信してもよい。感知系418の知覚センサの少なくとも1つは、センサデータが運動方向の1つ以上の物理的特徴を示すように、運動方向(例えば、前方)で配向されてもよい。
【0070】
[0085] センサデータは、1つ以上のライダー系からのライダーデータを含んでもよい。ライダーデータは、1つ以上の物理的特徴の三次元(3D)マップを示してもよい。3Dマップは、ロボットデバイスから環境の1つ以上の物理的特徴までの相対距離を示してもよい。ライダーデータは、1つ以上の物理的特徴の絶対位置を判断するため、距離計、IMU、および/またはロボットデバイスの位置を示すGPSデータと相関されてもよい。
【0071】
[0086] センサデータは、1つ以上の立体カメラからの撮像データを含んでもよい。撮像データは、環境の1つ以上の物理的特徴の1つ以上の3D画像に相当し得る。制御系402は、3D画像を評価して、ロボットデバイスから環境の1つ以上の物理的特徴までの相対距離を判断してもよい。撮像データは、1つ以上の物理的特徴の絶対位置を判断するため、距離計、IMU、および/またはロボットデバイスの位置を示すGPSデータと相関されてもよい。
【0072】
[0087] ブロック906で、実現例は、経路の横断が環境の1つ以上の物理的特徴を横断することを伴うと判断することを伴ってもよい。例えば、制御系402は、経路(2つ以上の位置およびそれらの間の相互接続を伴うことがある)を、環境の1つ以上の物理的特徴のそれぞれの相対位置または絶対位置と比較してもよい。
【0073】
[0088] ブロック908で、環境の1つ以上の物理的特徴を横断するのに、1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧が予測されてもよい。例えば、運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータに基づいて、制御系402は、環境の1つ以上の物理的特徴を横断するのに、1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧を予測してもよい。
【0074】
[0089] 場合によっては、制御系402は、判断した作動圧力に基づいて油圧を予測してもよい。例えば、制御系402は、作動圧力を判断し、次に、1つ以上の物理的特徴の数、サイズ、および/または性質に基づいて、判断した作動圧力を上下させてもよい。一例では、制御系402は、1つ以上の物理的特徴の数、サイズ、および/または性質が、第1のタイプの地形(例えば、凹凸がある地形)を示すと判断してもよい。制御系402は、次に、凹凸がある地形に関する第1の所定の因子によって、判断した作動圧力を調整してもよい。別の例では、制御系402は、1つ以上の物理的特徴の数、サイズ、および/または性質が、第2のタイプの地形(例えば、平らな地形)を示すと判断してもよい。制御系402は、次に、平らな地形に関する第2の所定の因子によって、判断した作動圧力を調整してもよい。
【0075】
[0090] 作動圧力は、油圧アクチュエータに対する負荷および油圧アクチュエータの加速度(即ち、作動速度)に比例してもよい。作動圧力は、アクチュエータの面積またはサイズに反比例する。次の式は例証である。
【0076】
【数1】
【0077】
[0091] 図4の制御系402などの制御系は、ロボットデバイスの1つ以上の油圧アクチュエータに対する負荷に基づいて、作動圧力を判断してもよい。制御系は、力センサから、1つ以上の油圧アクチュエータに対する負荷の大きさを示すデータを受信してもよい。制御系は、次に、負荷の大きさに基づいて、負荷を作動させる作動圧力を判断してもよい。負荷が増加すると、所与の速度で負荷を作動させるのにより高い圧力が必要になる。逆に、負荷が減少した場合、所与の速度で負荷を作動させるのに必要な圧力は低くなる。
【0078】
[0092] 場合によっては、油圧アクチュエータの面積(またはサイズ)は特定のロボットデバイスに対して固定される。例えば、ロボットデバイスは、固定の直径を有する1つ以上のピストンシリンダ油圧アクチュエータを含んでもよい。しかしながら、他の例では、ロボットデバイスは新規の(recruiting)アクチュエータを含んでもよい。新規のアクチュエータは、追加のピストンシリンダアセンブリを可能にすることなどによって、その面積を増減させてもよい。
【0079】
[0093] 判断した作動圧力はまた、1つ以上の油圧アクチュエータの所望の加速度に比例してもよい。異なる動作は、異なる速度で1つ以上の油圧アクチュエータを加速させることを伴ってもよい。例えば、アクチュエータの動きが高速になることによって歩行速度を増加させることができるので、毎時2キロメートルの歩行歩容にしたがって油圧アクチュエータによって脚部を動かすことには、毎時3キロメートルの歩行歩容にしたがって油圧アクチュエータによって脚部を動かすよりも低速の加速度が関与してもよい。同様に、走行歩容には、歩行歩容よりも速い油圧アクチュエータの加速度が関与してもよい。
【0080】
[0094] 制御系は、歩容を作り出す一連の作動を規定するデータを維持するか、またはそれに対するアクセスを有してもよい。データは、歩行歩容または走行歩容など、異なる歩容のための異なる一連の加速を規定してもよい。所与の歩容に対して、制御系は、一連の作動を所望の速度に調整してもよく、より速い速度にはより急速な作動(即ち、より速いアクチュエータの加速度)を要する。
【0081】
[0095] いくつかの実現例では、油圧の予測は、(制御系402が維持するかもしくはアクセスを有するデータによって表されてもよい)既知の物理的特徴に対する、1つ以上の物理的特徴のパターン照合を伴ってもよい。パターン照合は、制御系がセンサデータ(例えば、ライダーデータまたは立体カメラデータ)を、既知の物理的特徴を表すデータと比較することを伴ってもよい。
【0082】
[0096] ブロック910で、油圧駆動系は、環境の1つ以上の物理的特徴を横断する前に、供給された油圧作動油の圧力を第1の圧力から予測した油圧に調節してもよい。例えば、油圧ポンプ複合体412は、それまでは第1の圧力であった圧力レールなどの圧力レールに、予測した油圧を提供してもよい。
【0083】
[0097] 図10は、運動方向で経路1000を横断する例示の歩行ロボットデバイス700を示す。経路1000は、(比較的)凹凸がある地形1002(例えば、小川)と、(比較的)平らな地形1004(例えば、小道)とを含む。小川および小道はそれぞれ、凹凸がある地形および平らな地形の例として示されているが、比較的凹凸がある地形および比較的平らな地形の他の多くの例が可能である。制御系402(ロボットデバイス700において制御系702として実現されてもよい)によって、油圧駆動系(図示なし)が、加圧された油圧作動油をロボットデバイス700の脚部の油圧アクチュエータに供給してもよく、それによってロボットデバイスが経路1000を横断してもよい。
【0084】
[0098] 経路1000は、図示されるように、凹凸がある地形1002と交差する。凹凸がある地形1002は、図示されるように、小川を含む。制御系402は、凹凸がある地形1002の位置を表すデータに対するアクセスを有してもよい。制御系402は、経路1000(恐らくは、制御系402が維持するかもしくはアクセスを有するデータによって表される)が、凹凸がある地形1002と交差する(または、1メートル未満など、近似的に交差する)と判断してもよい。図示されるように、経路1000の横断は凹凸がある地形1002を横断することを伴う。制御系402は、次に、凹凸がある地形1002を横断するための油圧を予測し、次に圧力を予測した油圧に調節してもよい。
【0085】
[0099] 別の例では、環境の1つ以上の物理的特徴を示すデータに基づいて、制御系402は、1つ以上の物理的特徴が一連の段を含むと判断してもよい。図11は、階段1102(即ち、一連の段)とさらにある程度の平らな地形1104(階段1102に比べて)も含む経路を横断している、例示の歩行ロボットデバイス700を示す。場合によっては、一連の段(階段1102など)は、立ち上がりおよび奥行きを有する1つ以上の段差の予測可能なパターンを辿ってもよく、それにより、段を取り囲む環境と比較して相対的に異なる面および縁部のパターンが作り出されてもよい。制御系402は、センサデータがかかる一連の段を示すと判断してもよい。この判断に基づいて、制御系402は、予測した油圧として、段を上るための所定の油圧を選択してもよい。あるいは、制御系402は、段を上るための所定の因子によって、判断した作動圧力を調整してもよい。場合によっては、油圧は、段の立ち上がりと段の奥行きとの比に基づいてもよい。例えば、段の立ち上がりと段の奥行きとの比が大きいことは、小さい比の場合よりも油圧が高いことを示してもよい。
【0086】
[0100] 別の例では、環境の1つ以上の物理的特徴を示すデータに基づいて、制御系402は、1つ以上の物理的特徴が舗装された地形を含むと判断してもよい。図10を参照すると、経路1000は舗装された地形1004を含む。状況によっては、舗装された地形は、未舗装の地形と比較して相対的に平滑であってもよい。制御系402は、センサデータが舗装された地形を示すと判断してもよい。この判断に基づいて、制御系402は、予測した油圧として、舗装された地形に対する所定の油圧を選択してもよい。あるいは、制御系402は、舗装された地形に対する所定の因子によって、判断した作動圧力を調整してもよい。
【0087】
[0101] さらなる例では、環境の1つ以上の物理的特徴を示すデータに基づいて、制御系402は、1つ以上の物理的特徴が傾斜を含むと判断してもよい。図12は、傾斜1202とさらに(傾斜1202と比べて)ある程度の平らな地形1204も含む経路1200を横断している、例示の歩行ロボットデバイス700を示す。
【0088】
[0102] 環境の1つ以上の物理的特徴を示すデータに基づいて、制御系402は、傾斜の勾配を評価してもよい。例えば、制御系402は、傾斜の底部1206Aと傾斜の頂部1206Bとの間の水平高さの変化1208を判断してもよい。制御系402はまた、傾斜の底部1206Aから傾斜の頂部1206Bまでの水平距離の変化を判断してもよい。制御系は、次に、勾配が、傾斜の底部1206Aから傾斜の頂部1206Bまでの水平高さの変化1208を水平距離の変化で割ったものであると判断してもよい。
【0089】
[0103] 傾斜の勾配を評価した後、制御系402は、1つ以上の脚部に傾斜を横断させるため、1つ以上の油圧アクチュエータの油圧を判断してもよい。判断した油圧は傾斜の勾配に比例していてもよい。例えば、判断した油圧は、勾配が相対的に急なとき、より大きい割合で増加させてもよい。場合によっては、その結果、かかる判断した油圧は、予測した油圧として選択されてもよい。他の例では、制御系402は、判断した作動圧力に基づいて、判断した油圧を調節してもよい。その結果、調節した圧力は予測した油圧であってもよい。
【0090】
[0104] 他の例では、予測した油圧は、1つ以上の物理的特徴としての類似のタイプの物理的特徴に対する過去の負荷を示すデータに基づいて判断されてもよい。テーブルまたは他のデータ構造が、かかる過去の負荷を示すデータを格納してもよい。制御系402は、かかるデータにアクセスしてもよく、それによって予測した作動圧力を判断するのを容易にしてもよい。例えば、環境の1つ以上の物理的特徴を示すデータに基づいて、制御系402は、1つ以上の物理的特徴が凹凸がある地形を含むと判断してもよい。次に、凹凸がある地形を横断する際の1つ以上の油圧アクチュエータに対する過去の負荷を示すデータに基づいて、制御系402は、1つ以上の油圧アクチュエータに対する過去の負荷を作動させる、第2の油圧を判断してもよい。例えば、制御系402は、判断した作動圧力に基づいて、過去の負荷の作動に関与する圧力を調節してもよい。次に、ロボットデバイスが凹凸がある地形を横断するのに応答して、制御系402は、予測した油圧として、判断した第2の油圧を選択してもよい。
【0091】
[0105] 供給された油圧作動油を第1の圧力から予測した油圧に調節するには、有限の時間量がかかることがある。調節のための期間は、第1の圧力と予測した油圧との間の差の大きさに応じて決まることがある。例えば、調節の大きさが大きいほど、大きさが小さい場合の調節よりも長い時間がかかることがある。場合によっては、制御系402は、供給された油圧作動油の調節が、ロボットデバイスが1つ以上の物理的特徴を横断し始めるのとほぼ同時に完了するように、調節の時間を合わせてもよい。
【0092】
[0106] 例えば、制御系402は、油圧を第1の圧力から予測した油圧に調節する、調節期間を判断してもよい。調節期間は、調節の大きさと、油圧ポンプ複合体412が油圧を調節する速度に基づいてもよい。
【0093】
[0107] さらに、環境の1つ以上の物理的特徴を示すデータに基づいて、制御系402は、ロボットデバイス400と環境の1つ以上の物理的特徴との間の距離を評価してもよい。例えば、制御系402は、ロボットデバイス400と1つ以上の物理的特徴との間の距離を示す距離計データに基づいて、またロボットデバイス400の運動速度に基づいて、距離を評価してもよい。ロボットデバイスは、次に、ロボットデバイスが、ほぼ判断した調節期間で、環境の1つ以上の物理的特徴に到達すると判断してもよい。
【0094】
[0108] その後、ロボットデバイスが、ほぼ判断した調節期間で1つ以上の物理的特徴に達するとの判断に応答して、制御系402は、油圧駆動系によって油圧を予測した油圧に調節してもよい。ロボットデバイスは、ロボットデバイスが1つ以上の物理的特徴に到達するのとほぼ同時に、油圧が予測した油圧に調節されるように、調節を開始してもよい。
【0095】
[0109] 図13は、油圧駆動系の動作例を示すフローチャートである。これらの動作は、例えば、図1の油圧駆動系100、図4のロボットデバイス400、および/または図7のロボットデバイス700とともに使用することができるか、例えば、図1の油圧駆動系100、図4のロボットデバイス400、または図7のロボットデバイス700の任意の構成要素の組み合わせによって行われてもよい。図13は、ブロック1302~1308の1つ以上によって示される1つ以上の動作、またはアクションを含んでもよい。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックは、場合によっては並行して、かつ/または本明細書に記載するのとは異なる順序で行われてもよい。また、様々なブロックは、所望の実現例に基づいて、組み合わせてより少ないブロックにされるか、追加のブロックに分割されるか、かつ/または除去されてもよい。
【0096】
[0110] それに加えて、図13ならびに本明細書に開示する他のプロセスおよび方法に関して、フローチャートは、本発明の実現例のうち1つの可能な実現例の機能性および動作を示している。この点で、各ブロックは、プロセスの特定の論理的機能または工程を実現するために、プロセッサによって実行可能である1つ以上の命令を含む、モジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部分に相当し得る。プログラムコードは、例えば、ディスクもしくはハードドライブを含む記憶デバイスなど、任意のタイプのコンピュータ可読媒体に格納されてもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびRAMのような、短期間の間データを格納するコンピュータ可読媒体など、持続性コンピュータ可読媒体を含んでもよい。コンピュータ可読媒体はまた、例えば、ROM、光学もしくは磁気ディスク、CD-ROMのような、二次的または永続的長期記憶装置など、他の持続性媒体を含んでもよい。コンピュータ可読媒体はまた、他の任意の揮発性または不揮発性記憶システムであってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、有形記憶デバイス、または他の製品と見なされてもよい。プログラムコード(もしくはコードのためのデータ)はまた、通信媒体を含む他の媒体に格納または提供されてもよい。例えば、コマンドは、例えば無線通信媒体で受信されてもよい。
【0097】
[0111] それに加えて、図13ならびに本明細書に開示する他のプロセスおよび方法に関して、各ブロックは、プロセスの特定の論理的機能を行うように配置された回路構成に相当し得る。
【0098】
[0112] 図13の機能は、制御系によって完全に行われてもよく、または複数の制御系に分配されてもよい。いくつかの例では、制御系はロボットデバイスのセンサから情報を受信してもよく、または制御系は、情報を収集するプロセッサから情報を受信してもよい。制御系はさらに、例えば、遠隔の制御系(例えば、別のロボットデバイスの制御系)と通信して、他のデバイスのセンサから情報を受信することができる。
【0099】
[0113] ブロック1302で、ロボットデバイスは、1つ以上の油圧アクチュエータの作動を伴う作業を行ってもよい。例えば、制御系402は、運動系418の1つ以上の油圧アクチュエータ(恐らくは、図5Aの1つ以上の脚部500など、連接可能な脚部を動かす)によって、ロボットデバイスを動かす(例えば、歩かせるもしくは走らせる)ことができる。動かす際、ロボットデバイスは経路を横断してもよい。あるいは、制御系402は、ロボット操作装置800などのロボット操作装置に、物体を拾わせてもよい。
【0100】
[0114] 1つ以上の油圧アクチュエータを作動させるため、油圧駆動系は、油圧作動油を第1の圧力で1つ以上の油圧アクチュエータに供給してもよい。例えば、油圧ポンプ複合体412および切換弁複合体414は、運動系418の1つ以上の油圧アクチュエータに、第1の圧力で加圧された油圧作動油を供給してもよい。制御系402は、恐らくは1つ以上の油圧アクチュエータに対する負荷および所望の作動に基づいて、第1の圧力を判断してもよい。
【0101】
[0115] ブロック1304で、作業の一部分を行う際に支持された1つ以上の油圧アクチュエータに対するそれぞれの負荷を追跡してもよい。例えば、ロボットデバイスが作業を行うのに応答して、制御系402は、所定の期間、作業の一部分を行う際の1つ以上の油圧アクチュエータに対するそれぞれの負荷を追跡してもよい。感知系410などの感知系の1つ以上の力センサは、負荷を示すデータを作成してもよい。例えば、力センサ808は、ロボットデバイスがロボットアーム800で物体を拾っている間の、油圧アクチュエータ806に対する負荷を示すデータを作成してもよい。制御系402は、次に、物体を拾う際に支持される油圧アクチュエータ806に対する負荷を追跡してもよい。
【0102】
[0116] 上述したように、いくつかの例では、制御系402はロボットデバイスを動かしてもよく、それには経路の横断を伴ってもよい。かかる例では、制御系402は、10分未満の期間などの所定の期間にわたって、それぞれの臀部アクチュエータおよびそれぞれの膝アクチュエータに対するそれぞれの負荷を追跡してもよい。あるいは、制御系402は、経路の一部分にわたって、それぞれの油圧アクチュエータに対するそれぞれの負荷を追跡してもよい。
【0103】
[0117] ブロック1306で、追跡したそれぞれの負荷に基づいて、実現例は、1つ以上の油圧アクチュエータの作動に第1の圧力とは異なる第2の圧力が関与すると判断することを伴ってもよい。例えば、制御系402は、油圧アクチュエータが支持する負荷は第1の判断された負荷ほど大きくないので、負荷がより低い油圧を伴うと判断してもよい。
【0104】
[0118] ブロック1308で、油圧駆動系は、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から第2の圧力に調節してもよい。例えば、制御系402は、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から第2の圧力に低減してもよい。
【0105】
[0119] 一例では、制御系402は、第1の圧力が、1つ以上の油圧アクチュエータに対する負荷によって示される第2の圧力よりも高いと判断してもよい。例えば、制御系402は、凹凸がある地形の場合の油圧を予測してもよく、地形は予測よりも平らなことがある。かかる状況では、作業(例えば、地形の通り抜け)を行うのに、より低い圧力が十分なことがある。かかる判断に応答して、制御系402は、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から第2の圧力に低減してもよい。
【0106】
[0120] あるいは、制御系402は、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から第2の圧力に増加してもよい。例えば、制御系402は、恐らくは追跡したそれぞれの負荷に基づいて、1つ以上の脚部が経路の部分の上で少なくとも一度滑っていると判断してもよい(例えば、負荷が急速に減少し、続いて負荷が急速に増加した場合、滑りを示すことがある)。1つ以上の脚部が経路の部分の上で滑っているとの判断に応答して、制御系402によって、油圧駆動系が、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から第3の圧力に調節してもよい。
【0107】
[0121] 別の例では、追跡したそれぞれの負荷に基づいて、制御系402は、物体を拾うことが第1の圧力を飽和させていると判断してもよい。例えば、物体は、油圧アクチュエータ806を作動させるには重すぎることがある。制御系402は、次に、恐らくは、物体を拾うことが第1の圧力を飽和させているとの判断に応答して、油圧駆動系によって、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から第3の圧力に増加させてもよい。
【0108】
[0122] いくつかの実現例では、作業を行うことは、1つ以上の油圧アクチュエータにそれぞれの作業軌道を追随させることを伴う。例えば、特定の歩容は、歩容に関するそれぞれの作業軌道を伴ってもよい。別の例として、物体を拾うことは、ロボット操作装置の油圧アクチュエータが物体を把持する作業軌道を追随する、ロボット操作装置の作業軌道を伴ってもよい。異なるそれぞれの作業軌道の多くの例が、異なる作業に対して可能である。
【0109】
[0123]ロボットデバイスが作業を行う際、制御系402は、1つ以上の油圧アクチュエータのそれぞれの軌道を示す、1つ以上のセンサからの位置データを受信してもよい。制御系402は、作業の一部分を行う際に、1つ以上の油圧アクチュエータのそれぞれの軌道を追跡してもよい。次に、追跡したそれぞれの軌道に基づいて、それぞれの作業軌道からのそれぞれの追跡した軌道の1つ以上の偏差を判断する。かかる作業軌道からの偏差は、作業中の位置誤差を示してもよい。慎重な操作を伴うものなど、いくつかの作業の場合、かかる誤差は作業を行う際の課題をもたらすことがある。それぞれの作業軌道からのそれぞれの追跡した軌道の1つ以上の偏差の判断に応答して、制御系402は、油圧駆動系によって、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から第3の圧力に増加させてもよい。第3のより高い圧力によって、1つ以上の油圧アクチュエータの実際の軌道が、作業を行うための作業軌道を追随するのが容易になってもよい。
【0110】
[0124] 状況によっては、1つ以上の油圧アクチュエータが支持する負荷は実質的に周期的であってもよい。例えば、1つ以上の油圧アクチュエータによって、ロボットデバイスが歩容にしたがって動き、それによって実質的に周期的な負荷がもたらされてもよい。再び図6を参照すると、プロット600は3つの歩行サイクルを表す。プロットしたとき、追跡したそれぞれの負荷は(恐らくは、力ではなく負荷に関してであっても)プロット600を模倣してもよい。制御系402は、かかる追跡したそれぞれの負荷が実質的に周期的であると判断してもよい。
【0111】
[0125] さらに、追跡したそれぞれの負荷は、1つ以上のサイクルの間、最小負荷から最大負荷まで変動してもよい。例えば、図6に示される第1の歩行サイクルの間、力(負荷に比例してもよい)は、地点602の最大負荷から地点608の最小負荷まで変動する。制御系は、次に、油圧駆動系を調節する第2の圧力として、最大負荷を作動させる作動圧力を判断してもよい。
【0112】
[0126] 別の例では、制御系402は2つ以上の圧力レールを調節してもよい。かかる調節は、圧力レールを周期的な負荷の異なる部分に調整するのに使用されてもよい。図14は、図6に示される3つの歩行サイクルの間、油圧アクチュエータを作動させるのに使用される圧力レベルのプロット1400を示す。制御系402は、第1の圧力レールを圧力レベル1400に調節してもよい。第1の圧力レールは、次に、圧力レベル1400未満の所望の圧力で油圧アクチュエータを作動させるのに使用されてもよい。制御系402は、第2の圧力レールを圧力レベル1402に調節してもよい。第2の圧力レールは、次に、圧力レベル1402未満および圧力レベル1400超過の所望の圧力で、油圧アクチュエータを作動させるのに使用されてもよい。圧力レベル1400および圧力レベル1402からのある程度の絞りが、圧力レベルのプロット1400に追随するために生じてもよい。2つの圧力レールのかかる調節は、圧力レベルのプロット1400を追随するために生じる絞りの量を低減することによって、ロボットデバイスの効率を改善してもよい。
【0113】
[0127] 本明細書に記載する配置は、単に例示のためのものである。そのため、当業者であれば、他の配置および他の要素(例えば、機械、インターフェース、機能、順序、および機能のグループ化など)を代わりに使用することができ、所望の結果にしたがって一部の要素が全体的に省略されてもよいことを理解するであろう。さらに、記載する要素の多くは、任意の適切な組み合わせおよび位置で、離散的なもしくは分配された構成要素として、または他の構成要素と併せて実装されてもよい機能的実体であり、あるいは、独立構造として記載した他の構造的要素が組み合わされてもよい。
【0114】
[0128] 様々な態様および実現例について本明細書に開示してきたが、他の態様および実現例が当業者には明白となるであろう。本明細書に開示する様々な態様および実現例は、例証のためのものであって限定を意図するものではなく、真の範囲は以下の特許請求の範囲によって、ならびにかかる特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲によって示される。また、本明細書で使用する専門用語は、単に特定の実現例について説明するためのものであり、限定を意図しないことを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御系によって、油圧駆動系に油圧作動油を第1の圧力でロボットデバイスの1つ以上の油圧アクチュエータに供給させることにより、前記ロボットデバイスに歩容を実行させる工程と、
前記ロボットデバイスが前記歩容を実行する間に、
前記ロボットデバイスの脚部に作用する力を示すセンサデータを受信する工程と、
前記ロボットデバイスの前記脚部に作用する前記力を示す前記センサデータに基づいて、前記センサデータが前記ロボットデバイスの前記脚部の滑りを示すと判断する工程と、
前記センサデータが前記脚部の前記滑りを示すと判断することに応答して、前記油圧駆動系に、前記供給される油圧作動油の油圧を前記第1の圧力から第2の圧力に調節させて前記脚部の前記滑りを相殺する工程とを含む、方法。
【請求項2】
前記第2の圧力が前記第1の圧力よりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記油圧駆動系が固定の圧力レールおよび調節可能な圧力レールを備え、
前記油圧駆動系に、前記供給される油圧作動油の前記油圧を前記第1の圧力から前記第2の圧力に調節させる工程が、前記固定の圧力レールから前記第1の圧力で油圧作動油を供給することから、前記調節可能な圧力レールから前記第2の圧力で油圧作動油を供給することに切り替える工程を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記油圧駆動系が、前記第1の圧力で油圧作動油を供給する調節可能な圧力レールを備え、
前記油圧駆動系に、前記供給される油圧作動油の前記油圧を前記第1の圧力から前記第2の圧力に調節させる工程が、前記調節可能な圧力レールの前記油圧を前記第1の圧力から前記第2の圧力へと増加させる工程を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記調節可能な圧力レールの前記油圧を前記第1の圧力から前記第2の圧力へと増加させる工程が、前記調節可能な圧力レールに結合された絞り弁のスロットルを、流れ制限状態から開放する工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記センサデータが前記ロボットデバイスの前記脚部の前記滑りを示すと判断する工程が、前記センサデータが前記ロボットデバイスの前記脚部に作用する前記力の急激な低下を示すと判断する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記歩容が、前記脚部に作用する前記力に関する対応する脚部負荷パターンを有する脚部移動パターン含み、
前記センサデータが前記ロボットデバイスの前記脚部の前記滑りを示すと判断する工程が、前記センサデータが、前記脚部に作用する前記力が前記対応する脚部負荷パターンからずれていることを示すと判断する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記供給される油圧作動油の前記油圧を前記第2の圧力に調節した後に、前記センサデータが前記ロボットデバイスの前記脚部の別の滑りを示すと判断する工程と、
前記センサデータが前記ロボットデバイスの前記脚部の別の滑りを示すと判断することに応答して、前記油圧駆動系に、前記供給される油圧作動油の前記油圧を前記第2の油圧から第3の油圧に調整させる工程と、をさらに含み、前記第3の圧力は前記第2の圧力よりも大きい、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記油圧駆動系の固定の圧力レールが、前記第1の圧力、前記第2の圧力、または前記第3の圧力のうち少なくとも1つの圧力の前記油圧を供給し、
前記油圧駆動系の調節可能な圧力レールが、前記第1の圧力、前記第2の圧力、前記第3の圧力のうち、前記固定の圧力レールによって供給されない他の圧力の前記油圧を供給する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ロボットデバイスが4つの脚部を備える、請求項1に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
[0003] 別の実現例では、ロボットデバイスは運動方向で経路に沿って移動してもよく、ロボットデバイスによる経路に沿った移動は、油圧駆動系によって油圧作動油を第1の圧力で1つ以上の油圧アクチュエータに供給することを伴うことがある。運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータが受信されてもよい。実現例は、経路に沿った移動が、環境の1つ以上の物理的特徴の通過を伴うと判断することをさらに伴ってもよい。運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータに基づいて、環境の1つ以上の物理的特徴を通過するために、1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧が予測されてもよい。環境の1つ以上の物理的特徴を通過する前に、油圧駆動系は、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から予測した油圧に調節してもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
[0004] 別の実現例は、ロボットデバイスに運動方向で経路に沿って移動させる手段を含んでもよく、ロボットデバイスに経路に沿って移動させることは、油圧駆動系に油圧作動油を第1の圧力で1つ以上の油圧アクチュエータに供給させることを伴ってもよい。実現例はまた、運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータを受信する手段を含んでもよい。実現例は、経路に沿った移動が、環境の1つ以上の物理的特徴を通過することを伴うと判断する手段をさらに含んでもよい。システムは、運動方向の環境における1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータに基づいて、環境の1つ以上の物理的特徴を通過するために、1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧を予測する手段を含んでもよい。システムはまた、環境の1つ以上の物理的特徴を通過する前に、供給される油圧作動油の圧力を第1の圧力から予測した油圧に調節する手段を含んでもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
図1】[0008]油圧駆動系の一例の構成要素を示す簡略化したブロック図である。
図2A】[0009]例示の油圧駆動系の構成要素間における油圧作動油の相互接続を示す簡略化したブロック図である。
図2B】[0010]例示の油圧駆動系の構成要素間における代替の油圧作動油の相互接続を示す簡略化したブロック図である。
図3】[0011]回転切換弁の一例を示す図である。
図4】[0012]ロボットデバイスの一例の構成要素を示す簡略化したブロック図である。
図5A】[0013]第1の配置にある一例のロボット脚部を示す側面図である。
図5B】[0014]第2の配置にある例示のロボット脚部を示す側面図である。
図6】[0015]歩容にしたがって歩いている歩行ロボットデバイスの一例によるエネルギー使用を示すグラフである。
図7】[0016]歩行ロボットデバイスの一例を示す斜視図である。
図8】[0017]ロボットアームの一例を示す側面図である。
図9】[0018]油圧駆動系の油圧作動油圧力を予測した圧力に調節する方法の一例を示すフローチャートである。
図10】[0019]平らな地形および凹凸がある地形を含む経路に沿って移動する例示の歩行ロボットデバイスを示す図である。
図11】[0020]階段を含む経路に沿って移動する例示の歩行ロボットデバイスを示す図である。
図12】[0021]傾斜を含む経路に沿って移動する例示の歩行ロボットデバイスを示す図である。
図13】[0022]油圧駆動系の油圧作動油圧力を予測した圧力に調節する別の方法例を示す図である。
図14】[0023]歩容にしたがって歩いている歩行ロボットデバイスの一例によって設定される圧力レベルを示すグラフである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
[0029] 例示のロボットデバイスは、所望の圧力レベルの予測を容易にすることができる、様々なセンサをさらに含んでもよい。例えば、経路に沿って移動する一例のロボットデバイスは、環境の物理的特徴を感知してもよい1つ以上の知覚センサを用いて、経路の「前方を見て」もよい。ロボットデバイスは、次に、物理的特徴を通過するために1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧を予測してもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
[0033] 次に、経路の一部分にわたって、ロボットデバイスは、1つ以上の力センサを用いて油圧アクチュエータに対する負荷を追跡してもよい。ロボットデバイスは、追跡した負荷を評価し、追跡した負荷に基づいて第2の圧力を予測し、次に圧力レールを第2の圧力に調節してもよい。さらに、ロボットデバイスが経路に沿って移動し続けるにつれて、ロボットデバイスは、周期的に経路の「前方を見て」もよく、また、圧力レールを調節する新しい圧力を予測するために、追跡した負荷を周期的に評価してもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
[0079] ブロック902で、ロボットデバイスは、運動方向で経路に沿って移動してもよい。例えば、制御系402によって、ロボットデバイス400に経路に沿って移動させてもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
[0083] 経路に沿った移動は、油圧駆動系によって油圧作動油を第1の圧力で1つ以上の油圧アクチュエータに供給することを伴ってもよい。例えば、制御系402は、油圧ポンプ複合体412および切換弁複合体414によって、油圧作動油を運動系418の1つ以上の油圧アクチュエータに供給させてもよい。1つ以上の油圧アクチュエータは、図5Aおよび5Bの連接可能な脚部500など、1つ以上の連接可能な脚部の部材間に結合されてもよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
[0087] ブロック906で、実現例は、経路に沿った移動が環境の1つ以上の物理的特徴を通過することを伴うと判断することを伴ってもよい。例えば、制御系402は、経路(2つ以上の位置およびそれらの間の相互接続を伴うことがある)を、環境の1つ以上の物理的特徴のそれぞれの相対位置または絶対位置と比較してもよい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
[0088] ブロック908で、環境の1つ以上の物理的特徴を通過するのに、1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧が予測されてもよい。例えば、運動方向の環境における
1つ以上の物理的特徴を示すセンサデータに基づいて、制御系402は、環境の1つ以上の物理的特徴を通過するのに、1つ以上の油圧アクチュエータに供給する油圧を予測してもよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
[0096] ブロック910で、油圧駆動系は、環境の1つ以上の物理的特徴を通過する前に、供給された油圧作動油の圧力を第1の圧力から予測した油圧に調節してもよい。例えば、油圧ポンプ複合体412は、それまでは第1の圧力であった圧力レールなどの圧力レールに、予測した油圧を提供してもよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
[0097] 図10は、運動方向で経路1000に沿って移動する例示の歩行ロボットデバイス700を示す。経路1000は、(比較的)凹凸がある地形1002(例えば、小川)と、(比較的)平らな地形1004(例えば、小道)とを含む。小川および小道はそれぞれ、凹凸がある地形および平らな地形の例として示されているが、比較的凹凸がある地形および比較的平らな地形の他の多くの例が可能である。制御系402(ロボットデバイス700において制御系702として実現されてもよい)によって、油圧駆動系(図示なし)が、加圧された油圧作動油をロボットデバイス700の脚部の油圧アクチュエータに供給してもよく、それによってロボットデバイスが経路1000に沿って移動してもよい。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
[0098] 経路1000は、図示されるように、凹凸がある地形1002と交差する。凹凸がある地形1002は、図示されるように、小川を含む。制御系402は、凹凸がある地形1002の位置を表すデータに対するアクセスを有してもよい。制御系402は、経路1000(恐らくは、制御系402が維持するかもしくはアクセスを有するデータによって表される)が、凹凸がある地形1002と交差する(または、1メートル未満など、近似的に交差する)と判断してもよい。図示されるように、経路1000に沿った移動は凹凸がある地形1002を通過することを伴う。制御系402は、次に、凹凸がある地形1002を通過するための油圧を予測し、次に圧力を予測した油圧に調節してもよい。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
[0099] 別の例では、環境の1つ以上の物理的特徴を示すデータに基づいて、制御系402は、1つ以上の物理的特徴が一連の段を含むと判断してもよい。図11は、階段1102(即ち、一連の段)とさらにある程度の平らな地形1104(階段1102に比べて)も含む経路に沿って移動している、例示の歩行ロボットデバイス700を示す。場合によっては、一連の段(階段1102など)は、立ち上がりおよび奥行きを有する1つ以上の段差の予測可能なパターンを辿ってもよく、それにより、段を取り囲む環境と比較して相対的に異なる面および縁部のパターンが作り出されてもよい。制御系402は、センサデータがかかる一連の段を示すと判断してもよい。この判断に基づいて、制御系402は、予測した油圧として、段を上るための所定の油圧を選択してもよい。あるいは、制御系402は、段を上るための所定の因子によって、判断した作動圧力を調整してもよい。場合によっては、油圧は、段の立ち上がりと段の奥行きとの比に基づいてもよい。例えば、段の立ち上がりと段の奥行きとの比が大きいことは、小さい比の場合よりも油圧が高いことを示してもよい。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
[0101] さらなる例では、環境の1つ以上の物理的特徴を示すデータに基づいて、制御系402は、1つ以上の物理的特徴が傾斜を含むと判断してもよい。図12は、傾斜1202とさらに(傾斜1202と比べて)ある程度の平らな地形1204も含む経路1200に沿って移動している、例示の歩行ロボットデバイス700を示す。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
[0103] 傾斜の勾配を評価した後、制御系402は、1つ以上の脚部に傾斜を通過させるため、1つ以上の油圧アクチュエータの油圧を判断してもよい。判断した油圧は傾斜の勾配に比例していてもよい。例えば、判断した油圧は、勾配が相対的に急なとき、より大きい割合で増加させてもよい。場合によっては、その結果、かかる判断した油圧は、予測した油圧として選択されてもよい。他の例では、制御系402は、判断した作動圧力に基づいて、判断した油圧を調節してもよい。その結果、調節した圧力は予測した油圧であってもよい。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
[0104] 他の例では、予測した油圧は、1つ以上の物理的特徴としての類似のタイプの物理的特徴に対する過去の負荷を示すデータに基づいて判断されてもよい。テーブルまたは他のデータ構造が、かかる過去の負荷を示すデータを格納してもよい。制御系402は、かかるデータにアクセスしてもよく、それによって予測した作動圧力を判断するのを容易にしてもよい。例えば、環境の1つ以上の物理的特徴を示すデータに基づいて、制御系402は、1つ以上の物理的特徴が凹凸がある地形を含むと判断してもよい。次に、凹凸がある地形を通過する際の1つ以上の油圧アクチュエータに対する過去の負荷を示すデータに基づいて、制御系402は、1つ以上の油圧アクチュエータに対する過去の負荷を作動させる、第2の油圧を判断してもよい。例えば、制御系402は、判断した作動圧力に基づいて、過去の負荷の作動に関与する圧力を調節してもよい。次に、ロボットデバイスが凹凸がある地形を通過するのに応答して、制御系402は、予測した油圧として、判断した第2の油圧を選択してもよい。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
[0105] 供給された油圧作動油を第1の圧力から予測した油圧に調節するには、有限の時間量がかかることがある。調節のための期間は、第1の圧力と予測した油圧との間の差の大きさに応じて決まることがある。例えば、調節の大きさが大きいほど、大きさが小さい場合の調節よりも長い時間がかかることがある。場合によっては、制御系402は、供給された油圧作動油の調節が、ロボットデバイスが1つ以上の物理的特徴を通過し始めるのとほぼ同時に完了するように、調節の時間を合わせてもよい。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
[0113] ブロック1302で、ロボットデバイスは、1つ以上の油圧アクチュエータの作動を伴う作業を行ってもよい。例えば、制御系402は、運動系418の1つ以上の油圧アクチュエータ(恐らくは、図5Aの1つ以上の脚部500など、連接可能な脚部を動かす)によって、ロボットデバイスを動かす(例えば、歩かせるもしくは走らせる)ことができる。動かす際、ロボットデバイスは経路に沿って移動してもよい。あるいは、制御系402は、ロボット操作装置800などのロボット操作装置に、物体を拾わせてもよい。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
[0116] 上述したように、いくつかの例では、制御系402はロボットデバイスを動かしてもよく、それには経路に沿った移動を伴ってもよい。かかる例では、制御系402は、10分未満の期間などの所定の期間にわたって、それぞれの臀部アクチュエータおよびそれぞれの膝アクチュエータに対するそれぞれの負荷を追跡してもよい。あるいは、制御系402は、経路の一部分にわたって、それぞれの油圧アクチュエータに対するそれぞれの負荷を追跡してもよい。
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【外国語明細書】