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特開2022-58688てんかん性障害の処置のための方法および組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058688
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】てんかん性障害の処置のための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20220405BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20220405BHJP
   A61K 31/5513 20060101ALI20220405BHJP
   A61K 31/565 20060101ALI20220405BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20220405BHJP
   A61K 31/27 20060101ALI20220405BHJP
   A61K 31/573 20060101ALI20220405BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20220405BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220405BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20220405BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220405BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P25/08
A61K31/5513
A61K31/565
A61K31/44
A61K31/27
A61K31/573
A61K45/06
A61P43/00 121
A61K31/437
A61K9/08
A61K47/02
A61P43/00 111
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022007163
(22)【出願日】2022-01-20
(62)【分割の表示】P 2019507328の分割
【原出願日】2017-08-10
(31)【優先権主張番号】62/373,589
(32)【優先日】2016-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/490,293
(32)【優先日】2017-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516365758
【氏名又は名称】オービッド・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ovid Therapeutics Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(74)【代理人】
【識別番号】100221534
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 志穂
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・デューリング
(57)【要約】      (修正有)
【課題】てんかん性障害を処置する方法および医薬組成物を提供する。
【解決手段】アロステリックモジュレーターを含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アロステリックモジュレーターを含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、てんかん性障害を処置する方法。
【請求項2】
てんかん性障害が、てんかん、全般性強直間代発作を伴うてんかん、ミオクロニー欠神てんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、大田原症候群、ラスムッセン症候群、ウエスト症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レット症候群、CDKL5障害、小児欠神てんかん、本態性振戦、ドラベ症候群、ドゥーゼ症候群、急性反復性発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積、治療抵抗性てんかん重積、超治療抵抗性てんかん重積(SRSE)、PCDH19小児てんかん、発作活動の増加または発作再発からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
てんかん性障害が、てんかん重積である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
てんかん性障害が、急性反復性発作である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
てんかん性障害が、レノックス・ガストー症候群である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
組成物が、てんかん性障害と診断された患者において発作の頻度、発作の重症度またはその組合せの低下を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
アロステリックモジュレーターが、ニューロステロイド、ベンゾジアゼピンおよびカリウムチャネル開口薬からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アロステリックモジュレーターが、ガナキソロンである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
アロステリックモジュレーターが、アロプレグナノロンである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
アロステリックモジュレーターが、ベンゾジアゼピンである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ベンゾジアゼピンが、ミタゾラム、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロラゼパム、フルラゼパムおよびロラゼパムからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
アロステリックモジュレーターが、カリウムチャネル開口薬である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
カリウムチャネル開口薬が、レチガビンまたはフルピルチンである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
患者が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩をさらに投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
アロステリックモジュレーターが、1日1回、2回もしくは3回、または1日おきに投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
アセタゾラミド、カルバマゼピン、エスリカルバゼピン酢酸塩、エトスクシミド、ギャバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアギャビン、トピラメート、ビガバトリンおよびゾニサミドからなる群より選択される化合物をさらに投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
医薬組成物が、非経腸製剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、てんかん性障害を処置する方法。
【請求項19】
てんかん性障害が、てんかん、全般性強直間代発作を伴うてんかん、ミオクロニー欠神てんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、大田原症候群、ラスムッセン症候群、ウエスト症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レット症候群、CDKL5障害、小児欠神てんかん、本態性振戦、ドラベ症候群、ドゥーゼ症候群、急性反復性発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積、治療抵抗性てんかん重積、超治療抵抗性てんかん重積(SRSE)、PCDH19小児てんかん、発作活動の増加または発作再発からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
てんかん性障害が、てんかん重積である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
てんかん性障害が、急性反復性発作である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
てんかん性障害が、レノックス・ガストー症候群である、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
組成物が、てんかん性障害と診断された患者において発作の頻度、発作の重症度またはその組合せの低下を提供する、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
患者が、アロステリックモジュレーターをさらに投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
アロステリックモジュレーターが、ニューロステロイド、ベンゾジアゼピンおよびカリウムチャネル開口薬からなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
アロステリックモジュレーターが、ガナキソロンである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
アロステリックモジュレーターが、アロプレグナノロンである、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
アロステリックモジュレーターが、ベンゾジアゼピンである、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
ベンゾジアゼピンが、ミタゾラム、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロラゼパム、フルラゼパムおよびロラゼパムからなる群より選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
アロステリックモジュレーターが、カリウムチャネル開口薬である、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
カリウムチャネル開口薬が、レチガビンまたはフルピルチンである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、1日1回、2回もしくは3回、または1日おきに投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、発作の発生直後に投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、発作警告サインの発生後に投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
アセタゾラミド、カルバマゼピン、エスリカルバゼピン酢酸塩、エトスクシミド、ギャバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアギャビン、トピラメート、ビガバトリンおよびゾニサミドからなる群より選択される化合物をさらに投与することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項36】
医薬組成物が、非経腸製剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項37】
約0.005μg/ml~約500μg/mlのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む、非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項38】
約0.05 mg~約100 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む、非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項39】
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、約10.0 M未満のモル濃度で存在する、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項40】
組成物中のガボキサドールまたはその塩の溶解度が、約1 mg/mL~約50 mg/mLである、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項41】
医薬組成物が、非経腸剤形の投与後約1時間以上のガボキサドールの最高血漿濃度到達時間(Tmax)を示す、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項42】
組成物の非経腸投与が、約25 ng・時間/ml超の平均AUC0-∞を含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項43】
組成物の非経腸投与が、約10000 ng/ml未満の平均Cmaxを含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項44】
非経腸投与が、非経腸組成物の投与後約1~約120分におけるTmax;続いて、約90~約360分間持続して少なくとも50%Cmaxの血漿薬物濃度を含む薬物動態プロファイルを示す、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項45】
組成物が、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトルに含まれる、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項46】
組成物が、水性である、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項47】
組成物が、使用準備済みである、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項48】
組成物が、十分に可溶性である、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項49】
組成物が、緩衝剤、可溶化剤、等張化剤、抗酸化剤、キレート剤、抗菌剤および防腐剤からなる群より選択される添加剤をさらに含む、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項50】
組成物が、約10%未満の重量パーセント(w/v)で存在する添加剤をさらに含む、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項51】
組成物が、約0.01%~約10%の重量パーセント(w/v)で存在する添加剤をさらに含む、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項52】
添加剤が、約0.1:1~約0.25:1の添加剤対ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩のモル比で存在する、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項53】
組成物が、安定化量の緩衝剤を含む添加剤を含む、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項54】
組成物が、約4~約8のpHである、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項55】
組成物が、約6~約8のpHである、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項56】
組成物が、水溶液であり、水溶液のpHが、約6.8~約7.8である、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項57】
組成物が、約0.01~約2.0重量%の濃度で塩化ナトリウムをさらに含む、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項58】
組成物が、約0.9重量%の濃度で塩化ナトリウムをさらに含む、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項59】
組成物が、20 ml、50 mlおよび100 mlからなる群より選択される総容量として製剤化される、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項60】
組成物が、皮下、筋肉内、経皮または静脈内投与のために製造される、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項61】
組成物が、安定化量の可溶化剤である添加剤を含む、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項62】
組成物が、40℃にて1ヵ月後に検出可能な化学的分解を示さない、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【請求項63】
組成物を周囲条件で保存でき、少なくとも約12週間無色澄明のままである、請求項37または38に記載の非経腸投与のための医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2016年8月11日出願の米国仮出願第62/373,589号および2017年4月26日出願の米国仮出願第62/490,293号の利益およびこれらに基づく優先権を主張し、該出願は、出典明示によりそれらそれぞれの全体として本明細書の一部とする。
【0002】
(発明の分野)
処置を必要とする対象体におけるてんかん性障害の処置のためのアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アロステリックモジュレーター、例えばニューロステロイド(例えばガナキソロン(ganaxolone)、アロプレグナノロン)、ベンゾジアゼピン(例えばジアゼパム)およびカリウムチャネル開口薬(例えばレチガビン)は、てんかんの処置において用いられている。しかしながら、これらの薬剤での処置は、従来医薬に応答しない患者にしばしば限定される。例えば、アロプレグナノロンは、現在、超治療抵抗性てんかん重積の処置のために開発中である。また、ジアゼパムは、現在、てんかんを処置するために他の医薬を服用している人の群発発作を止める緊急事態における使用のために市販されている(Diastat(登録商標))。
【0004】
ガボキサドール(4,5,6,7-テトラヒドロイソキサゾロ[5,4-c]ピリジン-3-オール)(THIP)は、欧州特許第0000338号、欧州特許第0840601号、米国特許第4,278,676号、米国特許第4,362,731号、米国特許第4,353,910号および国際公開第2005/094820号に記載されている。ガボキサドールは、GABAA受容体を含むδ-サブユニットを優先する選択的GABAA受容体アゴニストである。1980年代初頭、ガボキサドールは、鎮痛剤および抗不安剤、ならびに遅発性ジスキネジア、ハンチントン病、アルツハイマー病および痙縮のための処置剤としてその有効性を試験する一連のパイロット研究の対象であった。1990年代、ガボキサドールは、不眠症の処置のための後期開発に移行したが、3ヵ月の有効性試験において睡眠開始および睡眠維持に顕著な効果を示さなかった。また、ガボキサドールを受けた薬物濫用の病歴を有する患者は、精神的有害事象の急激な増加を経験した。これらの否定的な結果のために、ガボキサドールの開発は打ち切られた。
【0005】
非経腸剤形は、注射または点滴としての投与が意図される。一般的な注射のタイプは、静脈内(静脈内に)、皮下(皮膚下に)および筋肉内(筋肉内に)である。点滴は、典型的には静脈内経路により投与される。非経腸製剤は、活性成分の溶解性(可溶化剤)および/または安定性(緩衝剤、抗酸化剤、キレート剤、凍結保護剤(cryo- and lyoprotectant))を向上または維持するために、添加剤をしばしば含む。添加剤はまた、安全性を保証し(抗菌性防腐剤)、注射時の痛みおよび刺激を最小限にし(等張化剤)、薬物送達を制御または延長する(ポリマー)ために、非経腸製剤において重要である。しかしながら、添加剤は、負の効果、例えば薬物の溶解性、活性および/または安定性の喪失もまた生じ得る。
【0006】
てんかんの処置を提供する安全で有効な方法および医薬組成物が当該技術分野において依然として必要とされている。したがって、本開示は、てんかん性障害、例えばてんかん重積の適用で用いられ得る医薬組成物および方法を提供する。
【発明の概要】
【0007】
アロステリックモジュレーターを含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することにより、てんかん、全般性強直間代発作を伴うてんかん、ミオクロニー欠神てんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、大田原症候群、ラスムッセン症候群、ウエスト症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レット症候群、CDKL5障害、小児欠神てんかん、本態性振戦、ドラベ症候群、ドゥーゼ症候群、急性反復性発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積、治療抵抗性てんかん重積、超治療抵抗性てんかん重積(SRSE)、PCDH19小児てんかん、発作活動の増加または発作再発(発作活動の増加、連続または群発発作とも称される)およびナトリウムチャネルαサブユニット1型タンパク質(Scn1a)-関連障害を含む、てんかん性障害の処置のための方法を提供する。アロステリックモジュレーターは、ニューロステロイド、ベンゾジアゼピンおよびカリウムチャネル開口薬の1つ以上を含む。一実施態様において、アロステリックモジュレーターをガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩と組み合せて含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含む、てんかん性障害を処置する方法を提供する。
【0008】
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の非経腸製剤を本明細書で提供する。ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の非経腸製剤で、てんかん重積を含むてんかん性障害を処置する方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む非経腸製剤は、単独でまたはアロステリックモジュレーターと組み合せて、てんかん性障害を処置するために必要とする患者に投与される。
【0009】
一実施態様において、アロステリックモジュレーターをいずれか単独でまたはガボキサドールもしくはその医薬的に許容される塩と組み合せて含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することにより、てんかん重積、良性ローランドてんかん(BRE)、難治性小児てんかん(ICE)、小児欠神てんかん(CAE)、若年ミオクロニーてんかん(JME)、小児痙攣(またはウエスト症候群)、ドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群(LGS)を含む、てんかん性障害の処置のための方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩をいずれか単独でまたはアロステリックモジュレーターと組み合せて含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することにより、てんかん重積、良性ローランドてんかん(BRE)、難治性小児てんかん(ICE)、小児欠神てんかん(CAE)、若年ミオクロニーてんかん(JME)、小児痙攣(またはウエスト症候群)、ドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群(LGS)を含む、てんかん性障害の処置のための方法を提供する。
【0010】
一実施態様において、ナトリウムチャネルαサブユニット1型タンパク質(Scn1a)-関連障害と特徴付けられるてんかん性障害の処置のための方法を提供する。Scn1a-関連障害は、熱性発作プラスを伴う全般てんかん、全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん、難治性小児部分発作、ミオクロニー失立てんかん、乳児重症ミオクロニーてんかん、単純熱性発作、ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、小児痙攣およびワクチン関連脳症および発作を含む。一実施態様において、アロステリックモジュレーターを含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することによりナトリウムチャネルαサブユニット1型タンパク質(Scn1a)-関連障害の処置のための方法を提供する。一実施態様において、アロステリックモジュレーターをガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩と組み合せて含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することによりナトリウムチャネルαサブユニット1型タンパク質(Scn1a)-関連障害の処置のための方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することによりナトリウムチャネルαサブユニット1型タンパク質(Scn1a)-関連障害の処置のための方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩をアロステリックモジュレーターと組み合せて含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することによりナトリウムチャネルαサブユニット1型タンパク質(Scn1a)-関連障害の処置のための方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む非経腸製剤を、必要とする患者に投与することによりナトリウムチャネルαサブユニット1型タンパク質(Scn1a)-関連障害の処置のための方法を提供する。一実施態様において、アロステリックモジュレーターを、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む非経腸製剤と組み合せて含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することによりナトリウムチャネルαサブユニット1型タンパク質(Scn1a)-関連障害を処置するための方法を提供する。
【0011】
一実施態様において、アロステリックモジュレーター、例えばニューロステロイド、ベンゾジアゼピンまたはカリウムチャネル開口薬の組合せを、必要とする患者に投与し得る。一実施態様において、1つ以上のアロステリックモジュレーターとガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の組合せを、必要とする患者に投与し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、種々のpH値におけるガボキサドールの理論および測定溶解度の両方を示す。
図2図2は、ラットにおいてアロプレグナノロン、ガナキソロンおよびガボキサドールがベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積を遮断する能力の評価試験についてのタイムラインを示す概略図である。
図3図3は、アロプレグナノロン、ガナキソロン(ganaxalone)またはガボキサドールについての投与量に対する保護パーセントを示す棒グラフである。
図4図4は、アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドールについての投与量に基づく24時間生存率結果を示す棒グラフである。
図5図5は、アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドールの投与量に対する発作観察数を示す棒グラフである。
図6A図6Aは、てんかん重積24時間後の体重変化をパーセント減少対投与量の関数として示す棒グラフである。
図6B図6Bは、0.5 mg/kg投与量群についての24時間体重減少を示す棒グラフである。
図7図7は、ラットにおいてアロプレグナノロン、ガナキソロンおよびガボキサドールがベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積を相乗的に遮断する能力のプロスペクティブ評価試験についてのタイムラインを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
てんかん、全般性強直間代発作を伴うてんかん、ミオクロニー欠神てんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、大田原症候群、ラスムッセン症候群、小児痙攣(またはウエスト症候群)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レット症候群、ドラベ症候群、ドゥーゼ症候群、CDKL5障害、難治性小児てんかん(ICE)、小児欠神てんかん(CAE)、若年ミオクロニーてんかん(JME)、本態性振戦、急性反復性発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積、治療抵抗性てんかん重積、超治療抵抗性てんかん重積(SRSE)、PCDH19小児てんかん、発作活動の増加または発作再発(発作活動の増加;連続または群発発作とも称される)を含む、てんかん性障害を処置する方法が本明細書で説明される。本明細書に記載の組成物および方法は、ナトリウムチャネルαサブユニット1型タンパク質(Scn1A)-関連障害と特徴付けられるてんかん性障害を処置するために用いられ得る。例えば、Scn1A-関連障害は、熱性発作を伴う全般てんかん、全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん、難治性小児部分発作、ミオクロニー失立てんかん、乳児重症ミオクロニーてんかん、単純熱性発作、ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群、小児痙攣ならびにワクチン関連脳症および発作を含む。本明細書に記載の組成物および方法は、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。
【0014】
一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法は、アロステリックモジュレーターを含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含み得る。一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含み得る。一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩をアロステリックモジュレーターと組み合せて必要とする患者に投与することを含み得る。一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法は、アロステリックモジュレーターを含む非経腸医薬製剤を、必要とする患者に投与することを含み得る。一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む非経腸医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含み得る。一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法は、アロステリックモジュレーターおよびガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む非経腸医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含み得る。
【0015】
多くの医薬品は、治療効果を達成するために、一定間隔で固定投与量として投与される。作用の持続時間は、医薬品の血漿半減期に反映する。有効性は、中枢神経系内での十分な曝露にしばしば依存するため、半減期の短いCNS薬の投与は、頻繁な維持投与を必要とし得る。有利には、アロステリックモジュレーターの投与によるてんかん性障害を処置する方法を本明細書に記載する。例えば、一実施態様において、約0.05 mg~約2000 mgのアロステリックモジュレーターを含む医薬組成物であって、該組成物が、患者への投与後6時間超改善を提供する組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法を提供する。有利には、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与によるてんかん性障害を処置する方法を本明細書に記載する。例えば、一実施態様において、約0.05 mg~約75 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物であって、該組成物が、患者への投与後6時間超改善を提供する組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法を提供する。
【0016】
一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法は、約0.05 mg~約50 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含む。一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法は、約0.1 mg~約30 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含む。
【0017】
例えば、服用量は、例えば約0.05 mg~約50 mg、約1 mg~約30 mg、約1 mg~約20 mg、約1 mg~約15 mg、約0.01 mg~約10 mg、約0.1 mg~約15 mg、約0.1 mg~約30 mg、約0.15 mg~約12.5 mgまたは約0.2 mg~約10 mgの範囲のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の量を含み得て、0.05 mg、0.1 mg、0.2 mg、0.3 mg、0.4 mg、0.5 mg、0.6 mg、0.7 mg、0.8 mg、0.9 mg、1.5 mg、1.0 mg、1.75 mg、2 mg、2.5 mg、2.75 mg、3 mg、3.5 mg、3.75 mg、4 mg、4.5 mg、4.75 mg、5 mg、5.5 mg、6 mg、6.5 mg、7 mg、7.5 mg、8 mg、8.5 mg、9 mg、10 mg、11 mg、12 mg、15 mg、20 mg、25 mgおよび30 mgの投与量が、投与量の具体例である。
【0018】
典型的に、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の服用量は、必要とする患者に1日1回または2回投与される。本明細書に記載の方法および組成物は、投与頻度の減少および有害事象の減少および/または有効性の増加を提供し得る。一実施態様において、服用量は、例えば、約0.05~30 mg/日、約0.1~20 mg/日または約0.2~15 mg/日または約0.5~10 mg/日または約0.75~5 mg/日、例えば0.1 mg/日、0.2 mg/日、0.5 mg/日、0.75 mg/日、1 mg/日、1.5 mg/日、2 mg/日、3 mg/日、4 mg/日、5 mg/日、6 mg/日、7 mg/日、8 mg/日、9 mg/日、10 mg/日、11 mg/日、12 mg/日、13 mg/日、14 mg/日、15 mg/日、16 mg/日、17 mg/日、18 mg/日、19 mg/日、20 mg/日、21 mg/日、22 mg/日、23 mg/日、24 mg/日、25 mg/日、26 mg/日、27 mg/日、28 mg/日、29 mg/日または30 mg/日である。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩、またはその誘導体またはアナログは、乳児では0.2 mg~1 mgまたは成人では1~20 mgの投与量で1日1回投与される。
【0019】
一実施態様において、医薬組成物は、0.1 mg~25 mg、0.1 mg~20 mg、0.1 mg~15 mg、0.5 mg~25 mg、0.5 mg~20 mg、0.5~15 mg、1 mg~25 mg、1 mg~20 mg、1 mg~15 mg、1.5 mg~25 mg、1.5 mg~20 mg、1.5 mg~15 mg、2 mg~25 mg、2 mg~20 mg、2 mg~15 mg、2.5 mg~25 mg、2.5 mg~20 mg、2.5 mg~15 mg、3 mg~25 mg、3 mg~20 mg、3 mg~15 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。
【0020】
一実施態様において、医薬組成物は、5 mg~20 mg、5 mg~10 mg、4 mg~6 mg、6 mg~8 mg、8 mg~10 mg、10 mg~12 mg、12 mg~14 mg、14 mg~16 mg、16 mg~18 mgまたは18 mg~20 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。
【0021】
一実施態様において、医薬組成物は、0.1 mg、0.25 mg、0.5 mg、1 mg、2.5 mg、3 mg、4 mg、5 mg、7 mg、7.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、17.5 mg、20 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩、または該投与量の複数である量を含む。一実施態様において、医薬組成物は、2.5 mg、5 mg、7.5 mg、10 mg、15 mgまたは20 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。
【0022】
一実施態様において、24時間で対象体に投与されるガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および/またはガボキサドールの総量は、1 mg~50 mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および/またはガボキサドールの総量は、1 mg~20 mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および/またはガボキサドールの総量は、5 mg、10 mg、15 mgまたは20 mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の総量は、1 mg~50 mgである。一実施態様において、対象体は、低投与量で開始され得て、服用量を漸増する。このようにして、薬物が対象体において忍容性良好であるかを決定し得る。小児の服用量は、成人より低くし得る。一実施態様において、小児のガボキサドールの投与量は、0.1 mg/kg~1 mg/kgであり得る。
【0023】
アロステリックモジュレーターは、ニューロステロイド、例えばガナキソロンまたはアロプレグナノロン、ベンゾジアゼピン、例えばミタゾラム、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロラゼパム、フルラゼパム、ロラゼパムなど、またはカリウムチャネル開口薬、例えばレチガビンまたはフルピルチンを含み得る。
【0024】
一実施態様において、ガナキソロンを、必要とする患者に投与することによりてんかん性障害を処置するための方法を提供する。一実施態様において、アロプレグナノロンを、必要とする患者に投与することによりてんかん性障害を処置するための方法を提供する。一実施態様において、式I:
【化1】

で示される化合物を、投与することによりてんかん性障害を処置するための方法を提供する。
【0025】
一実施態様において、アロステリックモジュレーターまたはその医薬的に許容される塩は、必要とする患者体重当たり約0.001 mg/kg~約30 mg/kgの範囲、例えば約0.01 mg/kg~20 mg/kgの服用量で少なくとも1日1回投与される。例えば、服用量は、例えば約1 mg~約30 mg、約1 mg~約25 mg、約1 mg~約20 mg、約1 mg~約15 mg、約1 mg~約10 mg、約0.01 mg~約10 mg、約0.1 mg~約15 mg、約0.15 mg~約12.5 mgまたは約0.1 mg~約10 mgまたは約0.2 mg~約10 mgの範囲のアロステリックモジュレーターまたはその医薬的に許容される塩の量を含み得て、0.1 mg、0.2 mg、0.3 mg、0.4 mg、0.5 mg、0.6 mg、0.7 mg、0.8 mg、0.9 mg、1.5 mg、1.0 mg、1.75 mg、2 mg、2.5 mg、2.75 mg、3 mg、3.5 mg、3.75 mg、4 mg、4.5 mg、4.75 mg、5 mg、5.5 mg、6 mg、6.5 mg、7 mg、7.5 mg、8 mg、8.5 mg、9 mg、10 mg、11 mg、12 mg、13 mg、14 mg、15 mg、16 mg、17 mg、18 mg、19 mg、20 mg、21 mg、22 mg、23 mg、24 mg、25 mg、26 mg、27 mg 28 mg、29 mgおよび30 mgの投与量が、投与量の具体例である。例えば、服用量は、例えば約50 mg~約75 mg、約75 mg~約100 mg、約100 mg~約125 mg、約125 mg~約150 mg、約150 mg~約175 mg、約175 mg~約200 mg、約200 mg~約225 mg、約225 mg~約250 mg、約250 mg~約275 mg、約275 mg~約300 mg、約300 mg~約325 mg、約325 mg~約350 mg、約350 mg~約375 mg、約375 mg~約400 mg、約400 mg~約425 mg、約425 mg~約450 mg、約450 mg~約475 mg、約475 mg~約500 mg、約500 mg~約525 mg、約525 mg~約550 mg、約550 mg~約575 mg、約575 mg~約600 mg、約600 mg~約625 mg、約625 mg~約650 mg、約650 mg~約675 mg、約675 mg~約700 mg、約700 mg~約725 mg、約725 mg~約750 mg、約750 mg~約775 mg、約775 mg~約800 mg、約800 mg~約825 mg、約825 mg~約850 mg、約850 mg~約875 mg、約875 mg~約900 mg、約900 mg~約925 mg、約925 mg~約950 mg、約950 mg~約975 mg、約975 mg~約1000 mg、約1000 mg~約1025 mg、約1025 mg~約1050 mg、約1050 mg~約1075 mg、約1075 mg~約1100 mg、約1100 mg~約1125 mg、約1125 mg~約1150 mg、約1150 mg~約1175 mg、約1175 mg~約1200 mg、約1200 mg~約1225 mg、約1225 mg~約1250 mg、約1250 mg~約1275 mg、約1275 mg~約1300 mg、約1300 mg~約1325 mg、約1325 mg~約1350 mg、約1350 mg~約1375 mg、約1375 mg~約1400 mg、約1400 mg~約1425 mg、約1425 mg~約1450 mg、約1450 mg~約1475 mg、約1475 mg~約1500 mg、約1500 mg~約1525 mg、約1525 mg~約1550 mg、約1550 mg~約1575 mg、約1575 mg~約1600 mg、約1600 mg~約1625 mg、約1625 mg~約1650 mg、約1650 mg~約1675 mg、約1675 mg~約1700 mg、約1700 mg~約1725 mg、約1725 mg~約1750 mg、約1750 mg~約1775 mg、約1775 mg~約1800 mg、約1800 mg~約1825 mg、約1825 mg~約1850 mg、約1850 mg~約1875 mg、約1875 mg~約1900 mg、約1900 mg~約1925 mg、約1925 mg~約1950 mg、約1950 mg~約1975 mgまたは約1975 mg~約2000 mgのアロステリックモジュレーターの範囲のアロステリックモジュレーターまたはその医薬的に許容される塩の量を含み得る。
【0026】
典型的に、アロステリックモジュレーターまたはその医薬的に許容される塩の服用量は、必要とする患者に1日1回、1日2回、1日3回または1日4回投与される。一実施態様において、アロステリックモジュレーターは、1週間に1回投与され得る。本明細書に記載の方法および組成物は、投与頻度の減少および有害事象の減少および/または有効性の増加を提供し得る。一実施態様において、アロステリックモジュレーターの服用量は、例えば、約0.1~20 mg/日または約0.2~15 mg/日または約0.5~10 mg/日または約0.75~5 mg/日、例えば0.2 mg/日、0.5 mg/日、0.75 mg/日、1 mg/日、1.5 mg/日、2 mg/日、3 mg/日、4 mg/日、5 mg/日、6 mg/日、7 mg/日、8 mg/日、9 mg/日または10 mg/日であり得る。一実施態様において、患者は、例えば、10 mg~25 mg/日、25 mg~50mg/日、50 mg~75 mg/日、75 mg~100 mg/日、100 mg~125 mg/日、125 mg~150 mg/日、150 mg~175 mg/日、175 mg~200 mg/日、200 mg~225 mg/日、225 mg~250 mg/日、250 mg~275 mg/日、275 mg~300 mg/日、300 mg~325 mg/日、325 mg~350 mg/日、350 mg~375 mg/日、375 mg~400 mg/日、400 mg~425 mg/日、425 mg~450 mg/日、450 mg~475 mg/日、475 mg~500 mg/日、500 mg~525 mg/日、525 mg~550 mg/日、550 mg~575 mg/日、575 mg~600 mg/日、600 mg~625 mg/日、625 mg~650 mg/日、650 mg~675 mg/日、675 mg~700 mg/日、700 mg~725 mg/日、725 mg~750 mg/日、750 mg~775 mg/日、775 mg~800 mg/日、800 mg~825 mg/日、825 mg~850 mg/日、850 mg~875 mg/日、875 mg~900 mg/日、900 mg~925 mg/日、925 mg~950 mg/日、950 mg~975 mg/日、975 mg~1000 mg/日、1000 mg~1025 mg/日、1025 mg~1050 mg/日、1050 mg~1075 mg/日、1075 mg~1100 mg/日、1100 mg~1125 mg/日、1125 mg~1150 mg/日、1150 mg~1175 mg/日、1175 mg~1200 mg/日、1200 mg~1225 mg/日、1225 mg~1250 mg/日、1250 mg~1275 mg/日、1275 mg~1300 mg/日、1300 mg~1325 mg/日、1325 mg~1350 mg/日、1350 mg~1375 mg/日、1375 mg~1400 mg/日、1400 mg~1425 mg/日、1425 mg~1450 mg/日、1450 mg~1475 mg/日、1475 mg~1500 mg/日、1500 mg~1525 mg/日、1525 mg~1550 mg/日、1550 mg~1575 mg/日、1575 mg~1600 mg/日、1600 mg~1625 mg/日、1625 mg~1650 mg/日、1650 mg~1675 mg/日、1675 mg~1700 mg/日、1700 mg~1725 mg/日、1725 mg~1750 mg/日、1750 mg~1775 mg/日、1775 mg~1800 mg/日、1800 mg~1825 mg/日、1825 mg~1850 mg/日、1850 mg~1875 mg/日、1875 mg~1900 mg/日、1900 mg~1925 mg/日、1925 mg~1950 mg/日、1950 mg~1975 mg/日または1975 mg~2000 mg/日の量でアロステリックモジュレーターを投与され得る。一実施態様において、アロステリックモジュレーターまたはその誘導体もしくはアナログは、乳児では0.2 mg~1 mgまたは成人では1~20 mgの投与量で1日1回投与される。
【0027】
一実施態様において、てんかん性障害、例えばてんかん重積を処置する方法は、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を、必要とする患者に投与することを含む。ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩は、10 mg/kg~40 mg/kgの範囲、例えば、11 mg/kg~39 mg/kg、12 mg/kg~38 mg/kg、13 mg/kg~37 mg/kg、14 mg/kg~36 mg/kg、15 mg/kg~35 mg/kg、16 mg/kg~34 mg/kg、17 mg/kg~33 mg/kg、18 mg/kg~32 mg/kg、19 mg/kg~31 mg/kg、20 mg/kg~30 mg/kg、21 mg/kg~29 mg/kg、22 mg/kg~28 mg/kg、23 mg/kg~27 mg/kgまたは24 mg/kg~26 mg/kgの投与量で投与され得る。一実施態様において、ガナキソロンの投与量は、例えば、50 mg、75 mg、100 mg、125 mg、150 mg、175 mg、200 mg、225 mg、250 mg、275 mg、300 mg、325 mg、350 mg、375 mg、400 mg、425 mg、450 mg、475 mg、500 mg、525 mg、550 mg、575 mg、600 mg、625 mg、650 mg、675 mg、700 mg、725 mg、750 mg、775 mg、800 mg、825 mg、850 mg、875 mg、900 mg、925 mg、950 mg、975 mg、1000 mg、1225 mg、1250 mg、1275 mg、1300 mg、1325 mg、1350 mg、1375 mg、1400 mg、1425 mg、1450 mg、1475 mg、1500 mg、1525 mg、1550 mg、1575 mg、1600 mg、1625 mg、1650 mg、1675 mg、1700 mg、1725 mg、1750 mg、1775 mg、1800 mg、1825 mg、1850 mg、1875 mg、1900 mg、1925 mg、1950 mg、1975 mgまたは2000 mgであり得る。
【0028】
ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩は、例えば、1日1回、1日2回、1日3回または1日4回投与され得る。一実施態様において、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩は、1週間に1回投与され得る。一実施態様において、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩は、発作発生後可能な限り早く非経腸的に投与され得る。一実施態様において、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩は、発作発生後可能な限り早く漸増投与量で非経腸的に投与され得る。
【0029】
一実施態様において、てんかん性障害、例えばてんかん重積を処置する方法は、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を、必要とする患者に投与することを含む。アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、例えば、0.01 mg/kg~20 mg/kg、0.02 mg/kg~19 mg/kg、0.03 mg/kg~18 mg/kg、0.04 mg/kg~17 mg/kg、0.05 mg/kg~16 mg/kg、0.06 mg/kg~15 mg/kg、0.07 mg/kg~14 mg/kg、0.08 mg/kg~14 mg/kg、0.09 mg/kg~13 mg/kg、0.1 mg/kg~12 mg/kg、0.2 mg/kg~11 mg/kg、0.3 mg/kg~10 mg/kg、0.4 mg/kg~9 mg/kg、0.5 mg/kg~8 mg/kg、0.6 mg/kg~7 mg/kg、0.7 mg/kg~6 mg/kg、0.8 mg/kg~5 mg/kg、0.9 mg/kg~4 mg/kgまたは1 mg/kg~3 mg/kgの範囲の投与量で投与され得る。一実施態様において、アロプレグナノロンの投与量は、例えば、1 mg、2 mg、3 mg、4 mg、5 mg、6 mg、7 mg、8 mg、9 mg、10 mg、11 mg、12 mg、13 mg、14 mg、15 mg、16 mg、17 mg、18 mg、19 mgまたは20 mgであり得る。
【0030】
アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、例えば、1日1回、1日2回、1日3回または1日4回投与され得る。一実施態様において、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、1週間に1回投与され得る。一実施態様において、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、発作発生後可能な限り早く非経腸的に投与され得る。一実施態様において、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、発作発生後可能な限り早く漸増投与量で非経腸的に投与され得る。
【0031】
有効量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩をいずれか単独でまたはアロステリックモジュレーターまたはその医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログまたは組合せと組み合せて、必要とする患者に投与することによりてんかん性障害を処置する方法を提供する。有効量のアロステリックモジュレーターまたはその医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログまたは組合せをいずれか単独でまたはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩と組み合せて、必要とする患者に投与することによりてんかん性障害を処置する方法を提供する。
【0032】
有効量または治療上有効量は、てんかん性障害の1つ以上の症状を処置、抑制または軽減する、例えばまたは発作の頻度または重症度を低下させる、行動異常を減少させる(またはその他で行動を改善する);または所望の薬理学的および/または生理的効果を提供する、例えば神経機能不全の根底にある根本的な病態生理学的メカニズムの1つ以上を軽減、抑制または回復する、ドーパミンレベルまたはシグナル伝達を増加させるのに、またはその組合せに十分な服薬量であり得る。正確な服用量は、様々な要因、例えば対象体に依存する変数(例えば年齢、免疫系の健康状態、臨床症状など)によって変化する。一実施態様において、対象体は、低投与量で開始され得て、服用量を漸増する。このようにして、薬物が対象体において忍容性良好であるかを決定し得る。小児の服用量は、成人より低くし得る。
【0033】
一実施態様において、本明細書に記載の方法は、てんかん性障害の1つ以上の他の臨床症状、例えば急性反復性発作を軽減、遅延または防止するのに有効である。例えば、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および/またはアロステリックモジュレーターまたはその医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログの、特定の症状、薬理学的または生理的指標に対する効果は、未処置の対象体または処置前の対象体の状態と比較され得る。一実施態様において、症状、薬理学的および/または生理的指標は、処置前の対象体においておよび再度処置開始後1回以上測定される。一実施態様において、対照は、処置されるべき疾患または状態を有しない1人以上の対象体(例えば健常な対象体)における症状、薬理学的または生理的指標の測定に基づいて決定される参照レベルまたは平均である。一実施態様において、処置の効果は、当該技術分野で公知である従来の処置と比較される。
【0034】
一実施態様において、てんかん性障害に関連する1つ以上の有益な効果、例えば発作活動の減少、疲労の減少、気分の上昇、集中の上昇、行動制御の上昇および/または認知能力の増加を患者に提供するように、低服用量のガボキサドールおよび/またはアロステリックモジュレーターで組成物および方法を提供する。負の副作用、例えば痙攣および/または睡眠障害が潜在的に限られているかまたは実質的にほとんどないてんかん性障害の効果的な処置を可能にする投与レジメンを提供する。したがって、本明細書に記載の方法は、驚くべきかつ予想外と考えられ得るてんかん性障害の処置を提供し得る。例えば、睡眠障害を引き起こし得ない、必要とする患者においててんかん性障害を処置する方法を提供する。一実施態様において、本明細書に記載の方法は、徐波睡眠を妨げないてんかん性障害の効果的な処置を提供し得る。一実施態様において、不眠症または入眠障害を引き起こさないてんかん性障害を処置する方法を提供する。
【0035】
一実施態様において、本明細書に記載の方法は、急性反復性発作、ランドウ・クレフナー症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)およびドラベ症候群を含む、てんかん性障害を処置するために用いられ得る。一実施態様において、方法は、急性反復性発作の処置を含む。
【0036】
一実施態様において、本明細書に記載の方法は、良性ローランドてんかん(BRE)、難治性小児てんかん(ICE)、小児欠神てんかん(CAE)、若年ミオクロニーてんかん(JME)、小児痙攣(またはウエスト症候群)、熱性発作プラスを伴う全般てんかん(GEFS+)およびレノックス・ガストー症候群(LGS)を含む、てんかん性障害を処置するために用いられ得る。
【0037】
一実施態様において、本明細書に記載の方法は、ナトリウムチャネルαサブユニット1型タンパク質(Scn1A)-関連障害を処置するために用いられ得る。例えば、Scn1A-関連障害は、熱性発作プラスを伴う全般てんかん、全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん、難治性小児部分発作、ミオクロニー失立てんかん、乳児重症ミオクロニーてんかん、単純熱性発作、ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、小児痙攣およびワクチン関連脳症および発作を含む。
【0038】
本明細書に記載の方法はまた、難治性発作、てんかん重積、無動発作、ミオクロニー発作、欠神発作または乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)を経験している対象体において効果的であり得る。一実施態様において、障害は、難治性発作により特徴付けられる。難治性(intractable)発作(「コントロール不良(uncontrolled)」または「治療抵抗性(refractory)」発作とも称される)は、従来の処置で制御できない発作である。例えば、対象体は、難治性てんかん、または難治性発作により特徴付けられる別の障害、またはてんかん重積により特徴付けられる障害を有し得る。てんかん重積は、発作間の意識の回復なしに発作が相次いで続く状態である。したがって、一実施態様において、開示される方法は、他の方法では1つ以上の従来治療法に抵抗性である対象体を処置するために用いられる。
【0039】
本明細書に記載の方法は、小児および乳児を処置する、および乳児または小児期に発現する障害を処置するのに特に有用であり得る。一実施態様において、開示される方法の対象体は、新生児、乳児、幼児、未就学児、学齢児童、トゥイーンエイジャーまたはティーンエイジャーである。一実施態様において、対象体は、18歳以下、12歳以下、10歳以下、8歳以下、6歳以下、4歳以下、2歳以下、1歳以下である。一実施態様において、対象体は、18歳を超える成人である。
【0040】
一実施態様において、てんかん性障害は、てんかんに関連する発作により特徴付けられる。一実施態様において、発作は、てんかんと区別される非てんかん性発作(NES)または解離性発作である。非てんかん性発作は、器質性非てんかん性発作および心因性発作を含む。
【0041】
てんかんは、脳における神経細胞活性が混乱したときに生じ、発作または異常な行動、感覚およびときに意識喪失の期間をもたらす神経障害である。対象体は、明白な原因のない2つの発作を有するとき、てんかんを有するといえる。てんかんは、成人および小児の両方で生じ得て、特定の症候群と関連し得る。したがって、一実施態様において、対象体は、小児てんかん症候群、例えば良性ローランドてんかん(BRE)、小児欠神てんかん(CAE)、若年ミオクロニーてんかん(JME)、小児痙攣(またはウエスト症候群)、ドラベ症候群またはレノックス・ガストー症候群(LGS)を有する。
【0042】
一実施態様において、対象体は、診断可能な発作を経験しないが、亜臨床的電気的放電を示し、これは、脳波が脳電図で測定されるとき発作様活性の高い割合を指す。これらの発作様放電に関連するてんかん性症候群は、ランドウ・クレフナー症候群、ドラベ症候群および徐波睡眠期持続棘徐波活性を含む。
【0043】
一実施態様において、本明細書に記載の方法および組成物により処置されるてんかん性障害は、Scn1A-関連発作障害を含む。Scn1A-関連発作障害は、最も軽度では単純熱性発作(FS)および熱性発作プラスを伴う全般てんかん(GEFS+)から最も重度ではドラベ症候群および全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん(ICE-GTC)まで含む。具体的なScn1A-関連発作障害は、熱性発作を伴う全般てんかん、全般性強直間代発作を伴う難治性小児てんかん、難治性小児部分発作、ミオクロニー失立てんかん、乳児重症ミオクロニーてんかん、単純熱性発作、ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、小児痙攣およびワクチン関連脳症を含むが、これらに限定されない。
【0044】
一実施態様において、対象体は、知的てんかん性能力障害(IDD)、例えば自閉症スペクトラム障害(ASD)を有する。一実施態様において、開示される方法の対象体は、てんかんおよびIDDまたはASD障害を有する。発作およびてんかんを併発する一般的なIDDおよびASDは、脆弱X症候群(FXS)、レット症候群(RTT)、アンゲルマン症候群、プラダー・ウィリ症候群、蓋心臓顔面症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、ニューロリギン変異、およびエイリアス関連ホメオボックス、X連鎖(ARX)およびニューロピリン2(NRP2)遺伝子変異により生じる「インターフェロノパシー」を含むが、これらに限定されない。
【0045】
アロステリックモジュレーターおよびガボキサドール、その誘導体またはその医薬的に許容される塩を、必要とする患者に共投与することによりてんかん性障害を処置するための方法および組成物もまた提供する。一実施態様において、本明細書に記載の方法および組成物は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩およびアロステリックモジュレーターを含む剤形を含む。一実施態様において、本明細書に記載の方法および組成物は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む一剤形、およびアロステリックモジュレーターまたはその医薬的に許容される塩を含む別個の剤形を含み得る。
【0046】
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、酸付加塩、双性イオン水和物、双性イオン無水物、塩酸塩または臭化水素酸塩として、または双性イオン一水和物の形態で、提供され得る。酸付加塩は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビス-メチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、ケイ皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸またはテオフィリン酢酸の付加塩、および8-ハロテオフィリン、例えば8-ブロモ-テオフィリンを含むが、これらに限定されない。他の適切な実施態様において、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸または硝酸の付加塩を含むがこれらに限定されない無機酸付加塩が、用いられ得る。
【0047】
一実施態様において、ガボキサドールは、ガボキサドール一水和物として提供される。当業者は、医薬組成物中の活性成分の量は、提供されるガボキサドールの形態に依存することを容易に理解する。例えば、5.0、10.0または15.0 mgのガボキサドールを含む医薬組成物は、5.6、11.3または16.9 mgのガボキサドール一水和物に対応する。
【0048】
一実施態様において、ガボキサドールは、結晶、例えば塩酸塩結晶、臭化水素酸塩結晶または双性イオン一水和物結晶である。一実施態様において、ガボキサドールは、一水和物結晶として提供される。
【0049】
薬物動態(PK)、薬物動力学(PD)および毒性プロファイルを改善する医薬の重水素化は、いくつかのクラスの薬物で以前に示されている。したがって、重水素富化ガボキサドールの使用が、企図され、本明細書に記載の方法および組成物の範囲内である。重水素は、当該技術分野において公知の合成手順に従って、合成的に水素と代わって任意の位置に組み込まれ得る。例えば、重水素は、プロトン-重水素平衡交換により、アミンN--Hなどの交換可能なプロトンを有する様々な位置に組み込まれ得る。したがって重水素は、当該技術分野において公知な方法により選択的または非選択的に組み込まれ、重水素富化ガボキサドールを提供し得る。Journal of Labeled Compounds and Radiopharmaceuticals 19(5) 689-702 (1982)参照。
【0050】
本明細書の医薬組成物は、速放性、遅放性、徐放性または放出調節プロファイルを提供し得る。一実施態様において、異なる薬物放出プロファイルを有する医薬組成物は組み合わされて、2段階または3段階放出プロファイルを生じ得る。例えば、医薬組成物は、速放性および徐放性プロファイルを提供し得る。一実施態様において、医薬組成物は、徐放性および遅放性プロファイルを提供し得る。当該組成物は、錠剤、ビーズ、顆粒などを含有する、パルス製剤、多層錠剤またはカプセル剤として提供され得る。組成物は、安全で有効と考えられる材料から構成される医薬的に許容される「担体」を用いて製造され得る。「担体」は、1または複数の活性成分以外の医薬製剤に存在するすべての成分を含む。用語「担体」は、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤およびコーティング組成物を含むが、これらに限定されない。
【0051】
一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、1日1回、2回、3回もしくは4回、または1日おきに投与される。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、本明細書に記載の医薬組成物は、晩に患者に提供される。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、晩に1回および朝に1回患者に提供される。一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、発作発生後可能な限り早く提供される。一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、連続的に提供される。
【0052】
一実施態様において、24時間で対象体に投与されるアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの総量は、1 mg~50 mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの総量は、1 mg~20 mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの総量は、5 mg、10 mgまたは15 mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の総量は、1 mg~50 mgである。一実施態様において、対象体は、低投与量で開始され得て、服用量を漸増する。このようにして、薬物が対象体において忍容性良好であるかを決定し得る。小児の服用量は、成人より低くし得る。
【0053】
一実施態様において、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法であって、組成物が、てんかん性障害の少なくとも1つの症状における改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、有効量のアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその組合せを、必要とする対象体に投与することによりてんかん性障害を処置する方法を提供する。有効量または治療上有効量は、てんかん性障害の1つ以上の症状を処置、抑制または軽減する、例えばまたは発作の頻度または重症度を低下させる、行動異常を減少させる(またはその他で行動を改善する);または所望の薬理学的および/または生理的効果を提供する、例えば神経機能不全の根底にある根本的な病態生理学的メカニズムの1つ以上を軽減、抑制または回復する、ドーパミンレベルまたはシグナル伝達を増加させるのに、またはその組合せのために十分な服薬量であり得る。正確な服用量は、様々な要因、例えば対象体に依存する変数(例えば年齢、免疫系の健康状態、臨床症状など)によって変化する。
【0054】
一実施態様において、本明細書に記載の方法は、てんかん性障害の1つ以上の他の臨床症状、例えばてんかんまたはドラベ症候群を軽減、遅延または防止するのに有効である。例えば、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを含む組成物の、特定の症状、薬理学的または生理的指標に対する効果は、未処置の対象体または処置前の対象体の状態と比較され得る。一実施態様において、症状、薬理学的および/または生理的指標は、処置前の対象体においておよび再度処置開始後1回以上測定される。一実施態様において、対照は、処置されるべき疾患または状態を有しない1人以上の対象体(例えば健常な対象体)における症状、薬理学的または生理的指標の測定に基づいて決定される参照レベルまたは平均である。一実施態様において、処置の効果は、当該技術分野で公知である従来の処置と比較される。
【0055】
一実施態様において、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害、例えばてんかん重積を処置する方法であって、組成物が、てんかん性障害の少なくとも1つの症状における改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、提供される方法はまた、驚くべきかつ予想外にも、必要とする対象体においてその発作または症状を減少または防止し得る。一実施態様において、提供される方法は、1つ以上の異なる種類の発作を減少または防止し得る。一実施態様において、提供される方法はまた、驚くべきかつ予想外にも、必要とする対象体においてその発作または症状を減少または防止し得る。一実施態様において、提供される方法は、1つ以上の異なる種類の発作を減少または防止し得る。一般的に、発作は、痙攣、反復運動、異常な感覚およびその組合せを含み得る。発作は、焦点発作(部分発作とも称される)および全般発作として分類され得る。焦点発作は、脳の片側のみ影響を与えるが、全般発作は、脳の両側に影響を与える。具体的な種類の焦点発作は、単純焦点発作、複合焦点発作および二次性全般発作を含む。単純焦点発作は、特定のローブ(例えば、側頭葉、前頭葉、頭頂葉または後頭葉)に制限されるかまたは集中し得る。複合焦点発作は、一般的に単純焦点発作より広い部分の1つの脳半球に影響を与えるが、概して側頭葉または前頭葉から始まる。焦点発作が、片側(脳半球)から脳の両側へ広がるとき、発作は、二次性全般発作と称される。具体的な種類の全般発作は、欠神(小発作とも称される)、強直発作、脱力発作、ミオクロニー発作、強直間代発作(大発作とも称される)および間代発作を含む。
【0056】
一実施態様において、本明細書に記載の方法は、処置なし(例えば処置前)または別の従来の処置での処置と比較して、処置後の対象体において、発作の頻度を低下させるか、発作の重症度を低下させるか、発作の種類を変化させるか(例えば、より重症な種類からより軽度の種類へ)、またはその組合せであり得る。
【0057】
一実施態様において、患者への医薬組成物の投与後4時間超の少なくとも1つの症状の改善を患者に提供するてんかん性障害を処置する方法を提供する。一実施態様において、患者への医薬組成物の投与後6時間超の少なくとも1つの症状の改善を、本開示に従い提供する。一実施態様において、患者への医薬組成物の投与後例えば、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間または24時間の少なくとも1つの症状の改善を、本開示に従い提供する。一実施態様において、患者への医薬組成物の投与後少なくとも例えば、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間または24時間超の少なくとも1つの症状の改善を、本開示に従い提供する。一実施態様において、患者への医薬組成物の投与後12時間の少なくとも1つの症状の改善を、本開示に従い提供する。
【0058】
一実施態様において、必要とする患者に組成物を投与することを含むてんかん性障害
を処置する方法であって、組成物が、患者に翌日の機能の改善を提供する方法を提供する。
【0059】
一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法であって、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの量が、医薬組成物の投与約4時間後の患者において、投与量の約75%未満である、方法を提供する。一実施態様において、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の量が、医薬組成物の投与例えば約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約15時間または約20時間後の患者において、約75%未満である、方法を提供する。
【0060】
一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法であって、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの量が、医薬組成物の投与約4時間後の患者において、投与量の約80%未満である、方法を提供する。一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの量が、医薬組成物の投与例えば約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約15時間または約20時間後の患者において、投与量の約80%未満である、方法を提供する。
【0061】
一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法であって、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの量が、医薬組成物の投与約4時間後の患者において、投与量の約65%~約85%である、方法を提供する。一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの量が、医薬組成物の投与例えば約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約15時間または約20時間後の患者において、投与量の約65%~約85%である、方法を提供する。
【0062】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法であって、組成物が、約500 ng/ml未満のCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。一実施態様において、組成物は、患者への投与後6時間超改善を提供する。
【0063】
一実施態様において、組成物は、例えば、約450 ng/ml、約400 ng/ml、約350 ng/mlまたは約300 ng/ml未満のCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供し、ここで該組成物は、患者の翌日の機能の改善を提供する。一実施態様において、組成物は、例えば、約250 ng/ml、約200 ng/ml、約150 ng/mlまたは約100 ng/ml未満のCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供し、ここで該組成物は、患者の翌日の機能の改善を提供する。
【0064】
一実施態様において、医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法であって、組成物が、約900 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有する一貫したインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。一実施態様において、組成物は、患者の翌日の機能の改善を提供する。一実施態様において、組成物は、例えば、約850 ng・時間/ml、約800 ng・時間/ml、約750 ng・時間/mlまたは約700 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、ここで該組成物は、患者の翌日の機能の改善を提供する。一実施態様において、組成物は、投与後6時間超の1つ以上の症状の改善を提供する。
【0065】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを含む医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法であって、組成物が、例えば、約650 ng・時間/ml、約600 ng・時間/ml、約550 ng・時間/ml、約500 ng・時間/mlまたは約450 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。一実施態様において、組成物は、例えば、約400 ng・時間/ml、約350 ng・時間/ml、約300 ng・時間/ml、約250 ng・時間/mlまたは約200 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、組成物は、例えば、約150 ng・時間/ml、約100 ng・時間/ml、約75 ng・時間/mlまたは約50 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、組成物は、患者への組成物の投与後、例えば、4時間、6時間、8時間、10時間または12時間を超えて、投与後の患者の翌日の機能の改善を提供する。
【0066】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第1医薬組成物およびガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第2医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法を提供する。いくつかの実施態様において、第2医薬組成物は、第1医薬組成物より少なくとも約20%低い平均AUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。
【0067】
一実施態様において、アロステリックモジュレーターを含む第1医薬組成物およびガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第2医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法を提供する。一実施態様において、第2医薬組成物は、第1医薬組成物より少なくとも約20%低い平均AUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。
【0068】
一実施態様において、第1および/または第2医薬組成物は、1日1回、2回、3回もしくは4回、または1日おきに投与される。一実施態様において、第1または第2医薬組成物は、晩に患者に提供される。一実施態様において、第2医薬組成物は、第1医薬組成物中のアロステリックモジュレーターの量の少なくとも1/3であるガボキサドールの量を含む。一実施態様において、第2医薬組成物は、第1医薬組成物中で提供されるアロステリックモジュレーターの量の少なくとも1/2であるガボキサドールの量を含む。
【0069】
一実施態様において、第1および/または第2医薬組成物は、晩に1回および朝に1回患者に提供される。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるアロステリックモジュレーターの総量は、1 mg~2500 mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるアロステリックモジュレーターの総量は、1 mg/kg~35 mg/kgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の総量は、1 mg~75 mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与される活性物質、例えばガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の総量は、約75 mg、50 mg、25 mg、20 mg、10 mgまたは5 mg未満である。一実施態様において、24時間で対象体に投与される活性物質、例えばガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の総量は、15 mg未満である。一実施態様において、24時間で対象体に投与される活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの総量は、約2500mg、2250 mg、2000 mg、1750 mg、1500 mg、1250 mg、1000 mg、750 mg、500 mg、250 mg、200 mg、175 mg、150 mg、125 mg、100 mg、75 mg、50 mg、25 mg、20 mg、10 mgまたは5 mg未満である。一実施態様において、24時間で対象体に投与される活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの総量は、15 mg未満である。
【0070】
一実施態様において、第1および/または第2医薬組成物は、速放性、遅放性、徐放性または放出調節プロファイルを提供し得る。第1および第2医薬組成物は、同時に提供されるか、または一定時間、例えば6時間、12時間など離され得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は組み合わされて、2段階放出プロファイルを生じ得る。例えば、第1医薬組成物は、速放性プロファイルを提供し得て、第2医薬組成物は、徐放性プロファイルを提供し得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物の一方または両方は、徐放性または遅放性プロファイルを提供し得る。当該組成物は、錠剤、ビーズ、顆粒などを含有する、パルス製剤、多層錠剤またはカプセル剤として提供され得る。いくつかの実施態様において、第1医薬組成物は、速放性組成物である。一実施態様において、第2医薬組成物は、速放性組成物である。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、別々の速放性組成物、例えば錠剤またはカプセル剤として提供される。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、12時間空けて提供される。
【0071】
一実施態様において、本明細書に記載の組成物は、例えば筋肉内(i.m.)、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)、腹腔内(i.p.)またはくも膜下腔内(i.t.)を含む、非経腸投与に適する。非経腸組成物は、体内への注射、点滴または移植による投与のために無菌でなければならず、単回投与または複数回投与のいずれかの容器に包装され得る。
【0072】
一実施態様において、対象体への非経腸投与のための液体医薬組成物は、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを約0.005μg/ml~約500μg/mlの濃度にて含む。一実施態様において、組成物は、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを、例えば、約0.005μg/ml~約250μg/ml、約0.005μg/ml~約200μg/ml、約0.005μg/ml~約150μg/ml、約0.005μg/ml~約100μg/mlまたは約0.005μg/ml~約50μg/mlの濃度にて含む。
【0073】
一実施態様において、組成物は、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを、例えば、約0.05μg/ml~約50μg/ml、約0.1μg/ml~約50μg/ml、約0.05μg/ml~約25μg/ml、約0.05μg/ml~約10μg/ml、約0.05μg/ml~約5μg/mlまたは約0.05μg/ml~約1μg/mlの濃度にて含む。一実施態様において、組成物は、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを、例えば、約0.05μg/ml~約15μg/ml、約0.5μg/ml~約10μg/ml、約0.5μg/ml~約7μg/ml、約1μg/ml~約10μg/ml、約5μg/ml~約10μg/mlまたは約5μg/ml~約15μg/mlの濃度にて含む。一実施態様において、非経腸投与のための医薬組成物は、例えば、約10 ml、約20 ml、約25 ml、約50 ml、約100 ml、約200 ml、約250 mlまたは約500 mlの総容量として製剤化される。一実施態様において、組成物は、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトル中に含まれる。
【0074】
一実施態様において、非経腸投与のための組成物は、約0.05 mg~約100 mgの活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを含む。一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約0.1 mg~約25 mg、約0.1 mg~約20 mg、約0.1 mg~約15 mg、約0.5 mg~約25 mg、約0.5 mg~約20 mg、約0.5~約15 mg、約1 mg~約25 mg、約1 mg~約20 mg、約1 mg~約15 mg、約1.5 mg~約25 mg、約1.5 mg~約20 mg、約1.5 mg~約15 mg、約2 mg~約25 mg、約2 mg~約20 mg、約2 mg~約15 mg、約2.5 mg~約25 mg、約2.5 mg~約20 mg、約2.5 mg~約15 mg、約3 mg~約25 mg、約3 mg~約20 mg、約3 mg~約15 mgの活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを含む。
【0075】
一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約5 mg~約20 mg、約5 mg~約10 mg、約4 mg~約6 mg、約6 mg~約8 mg、約8 mg~約10 mg、約10 mg~約12 mg、約12 mg~約14 mg、約14 mg~約16 mg、約16 mg~約18 mgまたは約18 mg~約20 mgの活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを含む。一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約0.1 mg、約0.25 mg、約0.5 mg、約1 mg、約2.5 mg、約3 mg、約4 mg、約5 mg、約7 mg、約7.5 mg、約10 mg、約12.5 mg、約15 mg、約17.5 mg、約20 mgの活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドール、または該投与量の複数である量を含む。組成物は、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトル中に含まれ得る。
【0076】
一実施態様において、対象体への非経腸投与のための医薬組成物は、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを、約0.005 mg/ml~約500 mg/mlの濃度にて含む。一実施態様において、組成物は、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを、例えば、約0.05 mg/ml~約50 mg/ml、約0.1 mg/ml~約50 mg/ml、約0.1 mg/ml~約10 mg/ml、約0.05 mg/ml~約25 mg/ml、約0.05 mg/ml~約10 mg/ml、約0.05 mg/ml~約5 mg/mlまたは約0.05 mg/ml~約1 mg/mlの濃度にて含む。一実施態様において、組成物は、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを、例えば、約0.05 mg/ml~約15 mg/ml、約0.5 mg/ml~約10 mg/ml、約0.25 mg/ml~約5 mg/ml、約0.5 mg/ml~約7 mg/ml、約1 mg/ml~約10 mg/ml、約5 mg/ml~約10 mg/mlまたは約5 mg/ml~約15 mg/mlの濃度にて含む。一実施態様において、非経腸投与のための医薬組成物は、例えば、約10 ml、約20 ml、約25 ml、約50 ml、約100 ml、約200 ml、約250 mlまたは約500 mlの総容量として製剤化される。一実施態様において、組成物は、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトル中に包装および貯蔵される。
【0077】
一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを含み、ここで該活性物質は、約1.0 M未満のモル濃度で存在する。一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールは、例えば、約0.0001 M、約0.001 M、約0.01 M、約0.1 M、約0.2 Mを超える、約0.5 M超、約1.0 M超、約1.2 M超、約1.5 M超、約1.75 M超、約2.0 M超または約2.5 M超のモル濃度で存在する。一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールは、例えば、約0.00001 M~約0.1 M、約0.01~約0.1 M、約0.1 M~約1.0 M、約1.0 M~約5.0 Mまたは約5.0 M~約10.0 Mのモル濃度で存在する。一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールは、例えば、約0.01 M、約0.1 M、約1.0 M、約5.0 Mまたは約10.0 M未満のモル濃度で存在する。
【0078】
一実施態様において、組成物中の活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの溶解度は、例えば25℃にて水中で測定するとき、例えば、約10 mg/mL、約15 mg/mL、約20 mg/mL、約25 mg/mL、約30 mg/mL、約40 mg/mL、約50 mg/mL、約75 mg/mL、約100 mg/mL、約150 mg/mL超である。
【0079】
一実施態様において、組成物中の活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの溶解度は、例えば25℃にて水中で測定するとき、例えば、約1 mg/mL~約50 mg/mL、約5 mg/mL~約50 mg/mL、約10 mg/mL~約50 mg/mL、約20 mg/mL~約50 mg/ml、約20 mg/mL~約30 mg/mLまたは約10 mg/mL~約45 mg/mLである。
【0080】
一実施態様において、医薬組成物が少なくとも6ヵ月間安定である非経腸投与のための医薬組成物を提供する。一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、例えば3ヵ月間または6ヵ月間に、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールのわずか約5%の減少を示す。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の分解量は、わずか例えば、約2.5%、約1%、約0.5%または0.1%である。一実施態様において、分解は、少なくとも6ヵ月間で、例えば、約5%、約2.5%、約1%、約0.5%、約0.25%、約0.1%未満である。
【0081】
一実施態様において、医薬組成物が可溶性のままである非経腸投与のための医薬組成物を提供する。一実施態様において、安定で、可溶性で、局所適合性でおよび/または使用準備済み(ready-to-use)である医薬組成物を提供する。一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、必要とする患者への直接投与のために使用準備済みである。
【0082】
本明細書で提供される非経腸組成物は、1つ以上の添加剤、例えば、溶媒、溶解性向上剤、懸濁化剤、緩衝剤、等張化剤、安定化剤または抗菌性防腐剤を含み得る。用いられるとき、非経腸組成物の添加剤は、組成物中に用いられるアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたは医薬的に許容される塩の安定性、バイオアベイラビリティ、安全性および/または有効性に悪影響を及ぼさない。したがって、剤形の構成要素のいずれかの間で不適合性がない非経腸組成物を提供する。
【0083】
一実施態様において、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の非経腸組成物は、安定化量の少なくとも1つの添加剤を含む。例えば、添加剤は、緩衝剤、可溶化剤、等張化剤、抗酸化剤、キレート剤、抗菌剤および防腐剤からなる群より選択され得る。当業者は、添加剤が2つ以上の機能を有し、1つ以上の所定のグループに分類され得ることを理解するだろう。
【0084】
一実施態様において、医薬組成物は、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含み、ここで添加剤が、例えば、約10%、約5%、約2.5%、約1%または約0.5%未満の重量パーセント(w/v)で存在する。一実施態様において、添加剤は、例えば、約1.0%~約10%、約10%~約25%、約15%~約35%、約0.5%~約5%、約0.001%~約1%、約0.01%~約1%、約0.1%~約1%または約0.5%~約1%の重量パーセントで存在する。一実施態様において、添加剤は、例えば、約0.001%~約1%、約0.01%~約1%、約1.0%~約5%、約10%~約15%または約1%~約15%の重量パーセントで存在する。
【0085】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が、例えば、約0.01:1~約0.45:1、約0.1:1~約0.15:1、約0.01:1~約0.1:1および約0.001:1~約0.01:1の添加剤対ガボキサドールまたは医薬的に許容される塩のモル比で存在する、医薬組成物を提供する。一実施態様において、添加剤は、約0.0001:1~約0.1:1または約0.001:1~約0.001:1の添加剤対ガボキサドールまたは医薬的に許容される塩のモル比で存在する。
【0086】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が安定化量の緩衝剤を含む、医薬組成物を提供する。緩衝剤は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、可溶性な、安定なおよび/または生理学的に適合性なままである、医薬組成物のpHを維持するために用いられ得る。例えば、一実施態様において、非経腸組成物は、顕著なガボキサドールの分解なしで安定なままである組成物を含む。一実施態様において、緩衝液の添加は、ガボキサドールまたはその塩を顕著に触媒または分解するおよび/または点滴時に患者に痛みを引き起こすことなく、安定性を向上するためにpHを制御するのに所望される。
【0087】
一実施態様において、緩衝剤は、クエン酸、リン酸、酢酸、酒石酸、炭酸、グルタミン酸、乳酸、コハク酸、重炭酸緩衝液、およびそれらの組合せであり得る。例えば、クエン酸ナトリウム、無水クエン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウム二水和物、クエン酸ナトリウム脱水和物、トリエタノールアミン(TRIS)、クエン酸三ナトリウム五水和物二水和物(すなわち、クエン酸三ナトリウム脱水和物)、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、リン酸が、緩衝剤として用いられ得る。一実施態様において、緩衝剤は、アミノ酸、アルカリ金属またはアルカリ土類金属緩衝液であり得る。例えば、緩衝剤は、酢酸ナトリウムまたはリン酸水素塩であり得る。
【0088】
一実施態様において、組成物のpHが約4.0~約8.0である活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールの非経腸組成物を提供する。一実施態様において、組成物のpHは、例えば、約5.0~約8.0、約6.0~約8.0、約6.5~約8.0である。一実施態様において、組成物のpHは、例えば、約6.5~約7.5、約7.0~約7.8、約7.2~約7.8または約7.3~約7.6である。一実施態様において、水溶液のpHは、例えば、約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.7、約7.8、約8.0、約8.2、約8.4または約8.6である。
【0089】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が可溶化剤を含む医薬組成物を提供する。例えば、本発明による可溶化剤は、例えば、水酸化ナトリウム、L-リシン、L-アルギニン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、および/またはリン酸カリウムを含み得る。組成物中の可溶化剤の量は、溶液がすべての濃度で可溶性なままである、すなわち濁らないおよび/または沈殿を形成しないように十分である。
【0090】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が粒子形成阻害剤を含む医薬組成物を提供する。粒子形成阻害剤は、非経腸組成物における粒子の形成を阻害する所望の特性を有する化合物を指す。本発明の粒子形成阻害剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム塩(好ましくは水和物として);エチレンジアミン四酢酸二アンモニウム塩(好ましくは水和物として);エチレンジアミン四酢酸二カリウム塩(好ましくは二水和物として);エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(好ましくは二水和物として、必要に応じて、無水形態として);エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(好ましくは水和物として);エチレンジアミン四酢酸三カリウム塩(好ましくは二水和物として);エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム塩(好ましくは水和物として)およびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、USP(好ましくは二水和物として)が含まれる。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、有効量の粒子形成阻害剤を有する。一実施態様において、添加剤は、例えば、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、タンパク質、例えば血清アルブミン、コラーゲンおよびゼラチン;塩、例えばEDTAまたはEGTAおよび塩化ナトリウム、リポソーム、ポリビニルピロリドン、糖、例えばデキストラン、マンニトール、ソルビトールおよびグリセロール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール(例えば、PEG-4000、PEG-6000)、グリセロール、グリシンおよび/または脂質を含み得る。
【0091】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が可溶化剤を含む医薬組成物を提供する。例えば、可溶化剤としては、酸、例えばカルボン酸、アミノ酸が挙げられ得るが、これらに限定されない。他の例において、可溶化剤は、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、脂肪酸、ケト酸、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、α-ヒドロキシ酸、アミノ酸、およびそれらの組合せであり得る。
【0092】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が、可溶化剤、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、ドコサヘキサエン酸、イコサペンタエン酸、ピルビン酸、安息香酸、サリチル酸、アルダル酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、クエン酸、乳酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン(praline)、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、およびそれらの組合せを含む、医薬組成物を提供する。
【0093】
一実施態様において、可溶化剤は、酢酸、その塩、およびそれらの組合せ、(例えば、酢酸/酢酸ナトリウム)、クエン酸、その塩およびそれらの組合せ(例えば、クエン酸/クエン酸ナトリウム)、DLアルギニン、L-アルギニンおよびヒスチジン(histadine)より選択される。一実施態様において、可溶化剤はDL-アルギニンである。一実施態様において、可溶化剤はL-アルギニンである。一実施態様において、可溶化剤は酢酸/酢酸ナトリウムである。一実施態様において、可溶化剤はクエン酸/クエン酸ナトリウムである。
【0094】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が組成物を等張にする医薬組成物を提供する。本明細書における等張な医薬組成物は、適正量の塩化ナトリウム、グルコース、フルクトース、デキストロース、マンニトール、または塩化カリウム、または塩化カルシウム、またはグルコノグルコヘプトン酸カルシウムカルシウム、またはそれらの混合物を加えることにより達成され得る。例えば、添加剤は、1つ以上の等張化剤、例えば、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、マンニトールおよび/またはデキストロースを含み得る。等張化剤は、組織損傷および刺激を最小限にする、血液細胞の溶血を減少させるおよび/または電解質平衡異常を防ぐために用いられ得る。例えば、非経腸組成物は、組成物が等張である塩化ナトリウムを含む水溶液であり得る。一実施態様において、等張化剤は塩化ナトリウムである。一実施態様において、等張化剤の濃度は、約0.01~約2.0重量%である。一実施態様において、医薬組成物は、約10%までの等張化剤を含み得る。一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約0.25%、約0.5%、約1%、約2.5%までの等張化剤を含み得る。一実施態様において、医薬中の等張化剤の量は、例えば、約0.01%~約1%、約0.1%~約1%、約0.25%~約1%または約0.5%~約1%である。
【0095】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤がフリーラジカルアンタゴニストを含む医薬組成物を提供する。一実施態様において、フリーラジカルアンタゴニストは、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、少なくとも1つのチオールを有する有機化合物、ポリ水酸化アルキルおよびポリ水酸化シクロアルキル化合物、およびそれらの組合せである。
【0096】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が、チオールグリコール酸(thiolyglycolic acid)、チオール酢酸、ジチオトレイトール、還元グルタチオン、チオ尿素、α-チオグリセロール、システイン、アセチルシステイン、メルカプトエタンスルホン酸およびそれらの組合せより選択されるフリーラジカルスカベンチャーを含む、医薬組成物を提供する。
【0097】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が、ジチオトレイトール、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素、アスコルビン酸、メチレンブルー、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、没食子酸プロピル・アセチルシステイン、フェノール、アセトン硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、システイン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、モノチオグリセロール、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、トコフェノールおよび/またはグルタチオンを含む、医薬組成物を提供する。
【0098】
一実施態様において、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が防腐剤を含む医薬組成物を提供する。一実施態様において、防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、クロロクレゾール、メタクレゾール、フェノール、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、p-オキシ安息香酸メチル、p-オキシ安息香酸プロピル、p-オキシ安息香酸ブチルおよびチメロサールより選択される。他の実施態様において、防腐剤は、フェノール、メタクレゾール、ベンジルアルコール、パラベン類(例えば、メチル、プロピル、ブチル)塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀塩(例えば、酢酸塩、ホウ酸塩または硝酸塩)、およびそれらの組合せからなる群より選択される。
【0099】
一実施態様において、本明細書における組成物は、共溶媒を含む。例えば、いくつかの例において、ガボキサドールの溶解性は、治療投与量より十分下であり得て、それ故に共溶媒系が用いられ得る。共溶媒は、十分高い溶解性を達成するために用いられ得て、安定性を増加させ得る溶媒の混合物である。例えば、共溶媒は、水混和性有機溶媒、例えばエタノール、プロピレン、グリコール、Capmul PG、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ジメチルアセトアミドおよび/またはジメチルスルホキシド(DMSO)であり得る。一実施態様において、共溶媒は、医薬組成物の約75%までを含み得る。他の実施態様において、用いられる共溶媒の量は、医薬組成物の例えば約1%、約5%、約10%、約15%、約25%、約40%、約50%までを含み得る。
【0100】
剤形は、例えば、均一な混合物が得られるまで無菌条件下混合機においてアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および1つ以上の添加剤(例えば、緩衝剤、可溶化剤、等張化剤、抗酸化剤、キレート剤、抗菌剤および/または防腐剤)を混合することにより製造され得る。その後、予め滅菌されたバイアルに適正量の無菌混合物を充填し得る。その後、所与の量の無菌混合物は、投与前に溶媒、例えば、水、生理食塩水、約5~10%糖(例えば、グルコース、デキストロース)溶液およびそれらの組合せと混合され得る。また、溶液は、更なる処理の前に凍結および融解され得る。
【0101】
添加剤は、固形または溶液形態で用いられ得る。固形形態で用いられるとき、添加剤およびアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、上記のように一緒に混合され、非経腸投与前に溶媒が加えられ得る。液体形態で用いられるとき、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、非経腸投与前に添加剤の溶液と混合され得る。
【0102】
アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む非経腸溶液は、必要量のアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩(使用前に精製されていてもよい)を非経腸液体、例えばD5W、蒸留水、生理食塩水またはPEG中で混合し、この溶液のpHを6.8~8に調節することにより製造され得る。工程は、室温で実施され得るか、または濃度を増加させるために、溶液は適切に温められ得る。他の溶媒、例えばPEG 400、600、ポリプロピレングリコールまたは他のグリコールが、溶解性を向上させるために用いられ得る。室温に冷却後得られた溶液は、公知の方法、例えば限外ろ過、例えば0.45μmフィルターを用いてまたはエチレンオキシド処理または加熱によって滅菌され得て、無菌非経腸製剤を投薬するのに適するアンプル、バイアルまたはプレフィルドシリンジに包装され得る。
【0103】
投与されるとき、本明細書における非経腸組成物は、ヒト患者における約1時間以上(例えば、約1.5時間以上)のガボキサドールの最高血漿濃度到達時間(Tmax)を提供する。一実施態様において、ヒト患者におけるガボキサドールのTmaxは、例えば、約1~約5時間、約1~約4時間、約1~約3時間、約1~約2時間の範囲である。一実施態様において、約1.5超のヒト患者におけるガボキサドールのTmaxが観察される。一実施態様において、約3時間未満のヒト患者におけるガボキサドールのTmaxが観察される。注入が完了すると、最高血漿濃度到達時間は測定される。
【0104】
一実施態様において、本明細書における剤形は、約1 mg~約500 mgのガボキサドールを含み、ここで当該剤形の非経腸投与(例えば、筋肉内、静脈内、皮下、腹腔内またはくも膜下腔内)は、約25 ng・時間/mlを越える平均AUC0-∞を含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、剤形の単回投与量投与は、例えば、50 ng・時間/ml、約75 ng・時間/ml、約150 ng・時間/ml、約250 ng・時間/ml、約500 ng・時間/ml、約1000 ng・時間/mlまたは約1500 ng・時間/mlを越える平均AUC0-∞を含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。
【0105】
一実施態様において、剤形は、約1 mg~約500 mgのガボキサドールを含み、ここで当該剤形の投与は、約10000 ng/ml未満の平均Cmaxを含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、組成物の単回投与量投与は、例えば、約5000 ng/ml、約2500 ng/ml、約1000 ng/ml、約500 ng/ml、約250 ng/mlまたは約100 ng/ml未満の平均Cmaxのガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。
【0106】
一実施態様において、非経腸投与のための医薬組成物は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含み、ここで当該非経腸投与は、非経腸組成物の投与後約1~約120分のTmax;続いて、約90~約360分間持続して少なくとも50%のCmaxの血漿薬物濃度の薬物動態プロファイルを示す。一実施態様において、ガボキサドールの非経腸投与は、例えば、約10~約60分間、約15~約90分間、約30~約120分間、約60~約180分間、約90~約180分間続いて少なくとも50%のCmaxの血漿薬物濃度が続く。
【0107】
一実施態様において、非経腸投与に適するバイアルまたはアンプル中の単位剤形の安定な医薬組成物であって、治療上有効量のアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が滅菌水に溶解されて溶液を形成し、組成物が、任意の添加剤、有機溶媒、緩衝剤、酸、塩基、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩以外の塩を実質的に有しない、医薬組成物を提供する。一実施態様において、医薬組成物は、十分に可溶性なままであり、直接投与することができる。一実施態様において、医薬組成物は、不活性雰囲気の不存在下で少なくとも6ヵ月間保存することができる。
【0108】
一実施態様において、非経腸投与に適するバイアルまたはアンプル中の単位剤形の安定な医薬組成物であって、治療上有効量のアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が滅菌水に溶解されて溶液を形成し、組成物が、任意の添加剤、有機溶媒、緩衝剤、酸、塩基、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩以外の塩を有しない、医薬組成物を提供する。一実施態様において、医薬組成物は、十分に可溶性なままであり、直接投与することができる。一実施態様において、医薬組成物は、不活性雰囲気の不存在下で少なくとも6ヵ月間保存することができる。
【0109】
一実施態様において、非経腸投与に適する安定な医薬組成物は、225~350 mOsm/kgのオスモル濃度を有し、7.0~8.0の範囲のpHである水溶液中に、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。一実施態様において、水溶液は、270~310のオスモル濃度を有する。一実施態様において、水溶液は、7.2~7.8の範囲のpHを有する。
【0110】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および/またはアロステリックモジュレーターを含む第1医薬および第2医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法であって、第2医薬組成物が、第1医薬組成物より少なくとも例えば、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または50%低い平均AUC0-∞を有する安定なインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。一実施態様において、組成物は、患者の翌日の機能の改善を提供する。例えば、組成物は、第1および/または第2医薬組成物の投与後例えば、約6時間、約8時間、約10時間または約12時間超の1つ以上の症状の改善を提供し得る。
【0111】
一実施態様において、非経腸組成物は、必要に応じて例えば、1日1回、2回、3回または4回またはそれ以上、または患者の必要性に応じて連続的に投与され得る。一実施態様において、非経腸組成物は、発作開始直後またはその後可能な限り早く投与され得る。一実施態様において、非経腸組成物は、香り、異常な匂い、通常の感情などの発作の警告サインを示したらすぐに投与され得る。
【0112】
一実施態様において、治療量以下の服用量のアロステリックモジュレーターを含む第1医薬服用量を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法であって、組成物が、投与後6時間超の改善を提供する、方法を提供する。
【0113】
一実施態様において、治療量以下の服用量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第1医薬服用量を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法であって、組成物が、投与後6時間超の改善を提供する、方法を提供する。
【0114】
一実施態様において、アロステリックモジュレーターを含む第1医薬組成物およびガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第2医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法であって、第2医薬組成物が、約900 ng・時間/ml未満の平均AUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。一実施態様において、第2医薬組成物は、例えば、約800 ng・時間/ml、約750 ng・時間/ml、約700 ng・時間/ml、約650 ng・時間/mlまたは約600 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、第2医薬組成物は、例えば、約550 ng・時間/ml、約500 ng・時間/ml、約450 ng・時間/ml、約400 ng・時間/mlまたは約350 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、第2医薬組成物は、例えば、約300 ng・時間/ml、約250 ng・時間/ml、約200 ng・時間/ml、約150 ng・時間/mlまたは約100 ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、患者の翌日の機能の改善を提供する第1および第2医薬組成物を投与する。一実施態様において、第1医薬組成物は、第1医薬組成物の投与後例えば、6時間、8時間または12時間超の1つ以上の症状の改善を提供する。
【0115】
一実施態様において、アロステリックモジュレーターを含む第1医薬組成物およびガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第2医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法であって、第1組成物が、第2医薬組成物の投与によって提供されるCmaxより約50%超大きいCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。本明細書で用いられる、第2医薬組成物の投与によって提供されるCmaxは、第1医薬組成物の血漿プロファイル寄与を含んでもよく、または含まなくてもよい。一実施態様において、第2医薬組成物の投与は、第1医薬組成物の血漿プロファイル寄与を含まない。一実施態様において、第1組成物は、第2医薬組成物の投与によって提供されるCmaxより例えば、約60%、約70%、約80%または約90%大きいCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供する。
【0116】
一実施態様において、第1医薬組成物のTmaxは、3時間未満である。一実施態様において、第1医薬組成物のTmaxは、2.5時間未満である。一実施態様において、第1医薬組成物のTmaxは、2時間未満である。一実施態様において、第1医薬組成物のTmaxは、1.5時間未満である。一実施態様において、第1医薬組成物のTmaxは、1時間未満である。
【0117】
一実施態様において、第1医薬組成物は、必要とする患者への投与の最初の20分以内に少なくとも約80%の溶出を提供する。一実施態様において、第1医薬組成物は、必要とする患者への投与の最初の20分以内に少なくとも例えば、約85%、約90%または約95%の溶出を提供する。一実施態様において、第1医薬組成物は、必要とする患者への投与の最初の10分以内に少なくとも80%の溶出を提供する。
【0118】
一実施態様において、第1および/または第2医薬組成物は、治療量以下の服用量である。治療量以下の服用量は、治療効果に必要とされる量未満である、活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の量である。一実施態様において、治療量以下の服用量は、単独ではてんかん性障害の少なくとも1つの症状の改善を提供し得ないが、このような改善を維持するのに十分である、アロステリックモジュレーターまたはその医薬的に許容される塩の量である。一実施態様において、治療量以下の服用量は、単独ではてんかん性障害の少なくとも1つの症状の改善を提供し得ないが、このような改善を維持するのに十分である、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の量である。一実施態様において、方法は、てんかん性障害の少なくとも1つの症状の改善を提供する第1医薬組成物、および改善を維持する第2組成物を投与することを提供する。一実施態様において、第1医薬組成物の投与後、第2医薬組成物は、てんかん性障害の少なくとも1つの症状を改善する相乗効果を提供し得る。一実施態様において、第2医薬組成物は、てんかん性障害の少なくとも1つの症状を改善する相乗効果を提供し得る。
【0119】
一実施態様において、組成物が投与後6時間超の改善を提供する第1医薬服用量を含む医薬組成物と、治療量以下の服用量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第2医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含むてんかん性障害を処置する方法を提供する。
【0120】
第1および第2医薬組成物の投与は、即時的、中間的または長期的な少なくとも1つの症状の改善を達成するために同時または一定時間離され得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、6時間空けて投与され得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、12時間空けて投与され得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、例えば、15分、30分、1時間、2時間、6時間、12時間、18時間、24時間以内などに投与され得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、少なくとも、例えば、15分、30分、1時間、2時間、12時間、18時間、24時間など離して投与され得る。一実施態様において、患者への投与後8時間超のてんかん性障害の少なくとも1つの症状の改善が提供される。一実施態様において、患者への投与後、例えば、約10時間、約12時間、約15時間、約18時間、約20時間または約24時間超改善が提供される。
【0121】
一実施態様において、第1および第2医薬組成物の投与は、てんかん性障害の少なくとも1つの症状を改善する相乗効果を提供し得る。
【0122】
一実施態様において、第1および/または第2医薬組成物は、上記の量の活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩のいずれかを含む。
【0123】
一実施態様において、第1および/または第2医薬組成物は、5 mg~15 mg、5 mg~10 mg、4 mg~6 mg、6 mg~8 mg、8 mg~10 mg、10 mg~12 mg、12 mg~14 mg、14 mg~16 mg、16 mg~18 mgまたは18 mg~20 mgの活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールを含む。
【0124】
一実施態様において、第1および/または第2医薬組成物は、0.1 mg、0.25 mg、0.5 mg、1 mg、2.5 mg、3 mg、4 mg、5 mg、7 mg、7.5 mg、10 mg、12.5 mg、15 mg、17.5 mg、20 mgの活性物質、例えばアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドール、または該投与量の複数である量を含む。一実施態様において、第1医薬組成物は、2.5 mg、5 mg、7.5 mg、10 mg、15 mgまたは20 mgのアロステリックモジュレーターを含む。一実施態様において、第2医薬組成物は、2.5 mg、5 mg、7.5 mg、10 mg、15 mgまたは20 mgのアロステリックモジュレーターを含む。
【0125】
一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法は、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、1つ以上の他の活性化合物と組み合せて投与することを含む。併用療法は、同一混合物中で一緒に、または別々の混合物中で活性薬剤の投与を含み得る。一実施態様において、医薬組成物は、2つ、3つまたはそれ以上の活性薬剤を含む。一実施態様において、組合せは、疾患または障害の処置に対して相加効果以上の効果を生じる。したがって、組み合わせた薬剤の組合せで提供されるてんかん性障害の処置は、有効性を向上させる相乗効果を提供し得る。
【0126】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、発作、てんかん、または本明細書に記載の他の障害の1つに対する従来療法と組み合せて投与される。例えば、発作およびてんかんに対する一般的な従来療法は、抗てんかん薬および非抗てんかん薬処置、例えば低炭水化物食事(例えば、ケトン原性食事、例えば古典的食事、中鎖トリグリセリド(MCT)食事、改良アトキンス食事(MAD)、および低血糖指数処置(LGIT))、静脈内免疫グロブリン、ステロイド、除外食事、外反神経刺激、コルチコトミー(corticetomy)および軟膜下皮質多切術を含む。
【0127】
アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩と組み合せて用いられ得る一般的な抗てんかん性および抗痙攣性の活性化合物は、アセタゾラミド、エスリカルバゼピン酢酸塩、エトスクシミド、ギャバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアギャビン、トピラメート、ビガバトリンおよびゾニサミドを含むが、これらに限定されない。
【0128】
開示される化合物、例えばガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩、またはアロステリックモジュレーター、その医薬的に許容される塩、誘導体および/またはアナログは、唯一の活性薬剤として独立して単剤療法として用いられ得る。一実施態様において、アロステリックモジュレーターまたはその医薬的に許容される塩を用いててんかん性障害を処置する方法を提供する。一実施態様において、てんかん性障害を処置する方法は、アロステリックモジュレーター、その医薬的に許容される塩、誘導体および/またはアナログを、1つ以上の他の活性薬剤、例えばアロステリックモジュレーターまたはガボキサドールと組み合せて投与することを含む。併用療法は、同一混合物中で一緒に、または別々の混合物中で活性薬剤、例えばアロステリックモジュレーターまたはガボキサドールの投与を含み得る。一実施態様において、医薬組成物は、2つ、3つまたはそれ以上の活性薬剤を含む。一実施態様において、組合せは、疾患または障害の処置に対して相加効果以上の効果を生じる。したがって、組み合わせた薬剤の組合せで提供されるてんかん性障害の処置は、有効性を向上させる相乗効果を提供し得る。
【0129】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩、またはアロステリックモジュレーター、その医薬的に許容される塩、誘導体および/またはアナログ、またはその両方は、発作、てんかん、または本明細書に記載の他の障害の1つに対する従来療法と組み合せて投与される。例えば、発作およびてんかんに対する一般的な従来療法は、抗てんかん薬および非抗てんかん薬処置、例えば低炭水化物食事(例えば、ケトン原性食事、例えば古典的食事、中鎖トリグリセリド(MCT)食事、改良アトキンス食事(MAD)、および低血糖指数処置(LGIT))、静脈内免疫グロブリン、ステロイド、除外食事、外反神経刺激、コルチコトミーおよび軟膜下皮質多切術を含む。
【0130】
アロステリックモジュレーターと組み合せて用いられ得る一般的な抗てんかん性および抗痙攣性の活性化合物は、アセタゾラミド、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エスリカルバゼピン酢酸塩、エトスクシミド、ギャバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアギャビン、トピラメート、ビガバトリンおよびゾニサミドを含むが、これらに限定されない。
【0131】
一実施態様において、アロステリックモジュレーター、その医薬的に許容される塩またはその誘導体およびガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の共治療は、いずれかの化合物を単独で投与するより、対象体において発作頻度または重症度を低下させるのに有効である。一実施態様において、共治療は、個々に投与される化合物と比較して相加的な結果を超えるものをもたらす。
【0132】
一実施態様において、対象体は低投与量で開始され得て、服用量は漸増される。このようにして、薬物が対象体において忍容性良好であるかを決定し得る。小児の服用量は、成人より低くし得る。
【0133】
一実施態様、例えば併用療法において、小児のガボキサドールの投与量は、0.1 mg/kg~1 mg/kgであり得て、アロステリックモジュレーターの投与量は、0.01 mg/kg~0.1 mg/kgであり得る。一実施態様において、ガボキサドールとアロステリックモジュレーターの重量/重量比は、10対1であり得る。しかしながら、活性医薬成分(API)のミリグラムに基づく投与比は、それぞれガボキサドール対アロステリックモジュレーターの0.1対1から100対1の範囲であり得る。
【0134】
本明細書におけるてんかん性障害(例えば急性反復性発作)の有効な処置は、ベースラインと比較してある期間後の発作の頻度の低下(例えば50%超)を示すことにより確立され得る。例えば、1ヵ月のベースライン期間後、患者は、2ヶ月の二重盲検期間中に、標準療法、例えばバロプロ酸およびクロバザムへの追加療法としてガボキサドールまたはアロステリックモジュレーターまたはプラセボに無作為に割り当てられ得る。主要アウトカム測定は、ベースラインと比較して二重盲検期間の第2月の間に間代(または強直間代)発作頻度の少なくとも50%の低下を経験したと定義される、ガボキサドールまたはアロステリックモジュレーターおよびプラセボに対するレスポンダーのパーセンテージを含み得る。二重盲検期間中にてんかん重積を示す患者は、非レスポンダーと見なされ得る。副次アウトカムは、二重盲検期間の第2月の間の間代(または強直間代)発作の絶対数(生の数を監察日数の正確な数で割り、30を掛けることにより30日に正規化される)およびベースラインからの変化のパーセンテージを含み得る。
【0135】
例えばドラベ症候群またはレノックス・ガストー症候群に関連する、開示されるてんかん性障害の処置に対するガボキサドールおよび/またはアロステリックモジュレーターの有効性は、他の対照試験において確立され得る。例えば、4週間のベースライン期間とそれに続く3週間の漸増期間および12週間の維持期間からなる、無作為化二重盲検プラセボ対照試験を、現在または以前にドラベ症候群またはLGSと診断されている2~54歳の患者において用い得る。ガボキサドールおよび/またはアロステリックモジュレーターの複数の目標維持投与量を、患者体重および具体的な投与レジメンに従って試験し得る。主要有効性測定は、4週間のベースライン期間から12週間の維持期間までの、転倒発作とも称される、失立発作(脱力、強直またはミオクロニー)の毎週の頻度におけるパーセンテージ低下を含み得る。したがって、有効性は、ベースラインからの例えば、0から<20、20から<40、40から<60、60から<80、80から<100の、毎週の発作(例えば、脱力、強直またはミオクロニー)頻度におけるパーセンテージ低下として測定され得る。
【0136】
他に断らない限り、本明細書において用いられるすべての技術的および科学的用語は、本明細書における開示が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
【0137】
本明細書で用いられる用語「約」または「およそ」は、当業者により決定されるように特定の値の許容され得る誤差範囲内を意味し、これは、当該値がどのように測定または決定されるか、すなわち測定システムの限界に部分的に依存する。例えば、「約」は、当該技術分野における慣習につき、3以上の標準偏差内を意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、さらにより好ましくは1%までの範囲を意味し得る。あるいは、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、当該用語は、ある値の1桁内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
【0138】
本明細書で用いられる用語「処置する」または「処置」は、疾患または病態に罹患しているかまたは罹患している可能性があるが、疾患または病態の臨床的または亜臨床的症状をまだ経験していないかまたは示していない、対象体における疾患または病態の臨床的症状の出現を緩和するかまたは遅延させることを指す。ある特定の実施態様において、「処置する」または「処置」は、疾患または病態に罹患しているかまたは罹患している可能性があるが、疾患または病態の臨床的または亜臨床的症状をまだ経験していないかまたは示していない、対象体における疾患または病態の臨床的症状の出現を防止することを指し得る。「処置する」または「処置」はまた、疾患または病態を抑制すること、例えば、そのてんかんまたはその少なくとも1つの臨床的もしくは亜臨床的症状を阻止するかまたは減少させることを指し得る。「処置する」または「処置」はさらに、疾患または病態を緩和すること、例えば、疾患もしくは病態または少なくとも1つのその臨床的もしくは亜臨床的症状の後退を引き起こすことを指す。処置される対象体の利益は、統計学的に有意であるか、数学上有意であるか、または対象体および/または医師に少なくとも知覚可能であり得る。それでもなお、予防的処置と治療的処置は、本開示の2つの別々の実施態様である。
【0139】
「有効量」または「治療上有効量」は、処置されている障害、疾患または病態の1つ以上の症状を軽減するか、または別な方法で所望の薬理学的および/または生理的効果を提供するのに十分な服用量を意味する。
【0140】
「改善」は、代謝性疾患の少なくとも1つの症状または状態に対して測定される、てんかん性障害に関連する症状または状態の処置を指す。
【0141】
「翌日の機能の改善」または「翌日の機能の改善がある」は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩単独、またはアロステリックモジュレーター単独、またはガボキサドールとアロステリックモジュレーターの組合せの1つ以上の投与の有益な効果が、起床後一定時間、例えば、即時、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、24時間などにてんかん性障害に関連する少なくとも1つの症状または状態に適用され、患者によって主観的にまたは観察者によって客観的に識別可能である、一晩の睡眠時間からの起床後の改善を指す。
【0142】
「組成物」、「医薬組成物」、「製剤」、「医薬製剤」は、本明細書において相互交換可能に用いられる。「組成物」、「医薬組成物」、「製剤」、「医薬製剤」は、剤形を包含する。剤形は、単位投与量を包含し得る。
【0143】
「医薬的に許容される」は、「一般的に安全と見なされる」、例えば、ヒトに投与されるとき、生理的に忍容性であり、典型的にはアレルギー性または同様の有害反応、例えば胃の不調を生じない、分子および組成物を指す。一実施態様において、この用語は、FDAによる市販前調査および承認を受ける、連邦食品・医薬品・化粧品法の項204(s)および409の下のGRASリストまたは類似リスト、米国薬局方、または動物、より具体的にはヒトにおける使用のために一般的に認められている別の薬局方に関して、連邦または州政府の規制機関により承認された分子および組成物を指す。
【0144】
本明細書で用いられる用語「防止」または「防止する」は、疾患または障害により引き起こされる1つ以上の症状の危険性があるかまたはその素因を有する対象体またはシステムに組成物を投与し、疾患または障害の特定の症状の停止、疾患または障害の1つ以上の症状の減少または防止、疾患または障害の重症度の低下、疾患または障害の完全消失、てんかんまたは疾患または障害の進行の安定化または遅延を容易にすることを意味する。
【0145】
本明細書で用いられる「プロドラッグ」は、不活性(または著しく活性が低い)形態で対象体に投与される薬理学的物質(薬物)を指す。投与されると、プロドラッグは、体内で(インビボで)所望の薬理学的活性を有する化合物に代謝される。
【0146】
「アナログ(analog)」、「アナログ(analogue)」および「誘導体」は、本明細書において相互交換可能に用いられ、親化合物と同じ核を有するが、結合順序、1つ以上の原子および/または原子群、およびその組合せの有無において親化合物と異なり得る化合物を指す。誘導体は、1つ以上の原子、官能基または部分構造を含み得る、例えば核に存在する1つ以上の置換について親化合物と異なり得る。一般的に、誘導体は、化学的および/または物理的プロセスによって親化合物から、少なくとも理論的に、形成されると想像し得る。
【0147】
本明細書で用いられる「立体異性体」は、同じ分子式および結合原子配列(構成)を有するが、空間におけるそれら原子の三次元配向が異なる、異性体分子を指す。立体異性体の例としては、エナンチオマーおよびジアステレオマーが挙げられる。本明細書で用いられるエナンチオマーは、光学活性またはキラル分子の2つの鏡像体のうちの1つを指す。ジアステレオマー(またはジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体(互いに重ね合わせることができない鏡像)である。キラル分子は、任意の2つの基の交換が立体異性体をもたらすように基を有する分子中の任意の点であるが、必ずしも原子ではない、キラル中心(立体中心またはステレオジェン中心とも称される)を含む。他の原子が有機および無機化合物において立体中心であることも可能であるが、有機化合物においてキラル中心は典型的には炭素、リンまたは硫黄原子である。分子は、複数の立体中心を有し得て、多くの立体異性体を与える。立体異性が四面体ステレオジェン中心(例えば、四面体炭素)による化合物において、仮定で可能な立体異性体の総数は、2nを超えない(nは、四面体立体中心の数である)。対称性を有する分子は、立体異性体の最大可能な数よりしばしば少ない。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物と称される。あるいは、エナンチオマーの混合物は、1つのエナンチオマーが50%を超える量で存在するように、鏡像異性体的に富化され得る。エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーを、当該技術分野において公知の技術を用いて、分割または分離し得る。「キラリティー」はまた、軸面および平面キラリティーを含む。
【0148】
本明細書で用いられる用語「医薬的に許容される塩」は、親化合物がその酸または塩基塩を作ることにより修飾された、本明細書で定義される化合物の誘導体を指す。医薬的に許容される塩の例は、アミンなどの塩基性残基の鉱酸または有機酸塩;およびカルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩を含むが、これらに限定されない。医薬的に許容される塩は、例えば無毒性無機または有機酸から形成される親化合物の、従来の無毒性塩または4級アンモニウム塩を含む。このような従来の無毒性塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸または硝酸から由来するもの;および有機酸から製造される塩、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸およびイセチオン酸塩を含む。化合物の医薬的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から従来の化学的方法によって合成され得る。例えば、ガボキサドールは、酸付加塩、双性イオン水和物、双性イオン無水物、塩酸塩また臭化水素酸塩を含む医薬的に許容される塩を用いて、または双性イオン一水和物の形態で、患者への投与のために製剤化され得る。酸付加塩は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビス-メチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、ケイ皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸またはテオフィリン酢酸の付加塩、および8-ハロテオフィリン、例えば8-ブロモ-テオフィリンを含むが、これらに限定されない。他の適切な実施態様において、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸または硝酸の付加塩を含むがこれらに限定されない無機酸付加塩が、用いられ得る。
【0149】
「添加剤」は、医薬組成物の活性な原薬、例えばガボキサドール以外の物質であって、安全性について適切に評価され、そして、製造中の薬物送達システムの処理を助ける;保護する;支える;安定性、バイオアベイラビリティもしくは患者の忍容性を向上させる;製品同定を助ける;または保存または使用中の薬物送達システムの全体的な安全性および有効性の他の特質を向上させるために薬物送達システムに含まれる、物質である。
【0150】
「安定化剤」または「安定化量」は、十分な安定性を提供するが、組成物中に用いられるアロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩のバイオアベイラビリティ、安全性および/または有効性に悪影響を及ぼさない、非経腸組成物に含まれる1つ以上の添加剤の量を指す。
【0151】
「安定な」は、特定の時間後、例えば3ヵ月または6ヵ月後、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の分解が実質的にないことを意味する。
【0152】
「可溶性」は、アロステリックモジュレーターおよび/またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の溶液が濁らないおよび/または溶液中に沈殿が実質的にないことを意味する。
【0153】
「十分に可溶性」は、粒子含有量が十分に低く、物質が非経腸投与に有用であるように十分に無菌であることを意味する。例えば、液体組成物中の粒子数は、10 mlの溶媒の容積中に存在する10μm粒子が例えば、6,000個未満であるべきであり、好ましくは10μm粒子が10,000個未満、5,000個未満、3,000個未満、1,000個未満または400個未満である。いくつかの例において、液体組成物中の粒子数は、10 mlの容積中の25μm粒子が1000個未満、600個未満または200個未満であるべきである。
【0154】
本明細書における「局所適合性」は、組成物が、注射または点滴の部位において忍容性であるため、副作用、例えば局所皮膚刺激または静脈刺激(点滴部位における炎症反応を含む)を最小限にすることを意味する。本明細書における非経腸組成物は、従来の製品より皮膚刺激または静脈炎などの副作用が少なくなり得る。
【0155】
本明細書において用いる「精製された」は、無関係の物質、すなわち夾雑物(物質が得られる元の物質を含む)の存在を減少または排除する条件下単離された物質を指す。本明細書において用いる用語「実質的に有さない」は、物質の分析試験との関連で操作上用いられる。好ましくは、夾雑物を実質的に有さない生成された物質は、少なくとも95%純粋;より好ましくは少なくとも97%純粋、さらにより好ましくは少なくとも99%純粋である。純度は、例えばクロマトグラフィーまたは当該技術分野において公知の他の方法により評価され得る。一実施態様において、精製されたは、夾雑物のレベルがヒトまたは非ヒト動物への安全な投与のために規制当局に許容されるレベル未満であることを意味する。
【0156】
本明細書における組成物に関して「使用準備済み(Ready-to-use)」は、再構成された形態であって、標準化された濃度および品質を有し、単回使用容器、例えばガラスバイアル、点滴バッグまたはシリンジに予め充填され、患者への直接投与の準備ができている、製剤を意味する。
【0157】
本明細書における組成物に関して「直接投与」は、即時投与、すなわち更なる希釈、他の物質との予混合または組成物もしくは組成物の製剤の他の変更がない投与を意味する。このような組成物は、典型的には、点滴デバイスから直接放出され、血管アクセスポートまたはセントラルラインを介して投与される。
【0158】
「服用量(dosage)」は、μg/kg/日、μg/kg/時間、mg/kg/日またはmg/kg/時間の点で表される製剤を包含することが意図される。服用量は、特定の投与レジメンに従って投与される成分の量である。「投与量(dose)」は、単位容積または量における哺乳類に投与される薬剤の量、例えば、薬剤のmgまたはμgで表される絶対的な単位投与量である。投与量は、例えば、リットル当たりのモル(M)、容積当たりの量(m/v)または量当たりの量(m/m)における、製剤中の薬剤の濃度に依存する。特定の服用量が製剤の1つまたは複数の投与量の投与のレジメンにより生じるように、2つの用語は密接に関連している。いずれかの場合における特定の意味は、文脈から明らかである。
【0159】
「患者」および「対象体」は、本明細書において相互交換可能に用いられ、霊長類、例えばヒト、イヌ、ブタ、有蹄類、げっ歯類、家禽および鳥類を含むが、これらに限定されない。
【0160】
「と共投与される」、「と組み合せて」、「と組み合せて投与される」、「の組合せ」、「と一緒に投与される」または「共治療」は、相互交換可能に用いられ得て、2つ以上の薬剤が治療過程で投与されることを意味する。薬剤は、同時に一緒に投与されてもよく、または間隔をあけて別々に投与されてもよい。薬剤は、単一剤形または別々の剤形で投与され得る。
【0161】
「PK」は、薬物動態プロファイルを指す。Cmaxは、実験中に推定される最高血漿薬物濃度(ng/ml)として定義される。Tmaxは、Cmaxが推定されるときの時点(分)として定義される。AUC0-∞は、薬物投与から薬物排出までの血漿薬物濃度-時間曲線下総面積(ng・時間/mlまたはμg・時間/ml)である。曲線下面積は、クリアランスにより管理される。クリアランスは、単位時間当たりの薬物含有量が完全に除去された血液または血漿の容量(ml/分)として定義される。
【実施例0162】
本明細書で提供される実施例は、本開示を補強するためにのみ含まれており、いかなる点においても限定しているとみなされるべきでない。
【0163】
実施例1
ガボキサドール血漿濃度プロファイル
以下の実施例は、2.5~20 mgの範囲の単回経口投与後のガボキサドール一水和物の血漿濃度プロファイルおよび用量比例性を提供する。2.5~20 mgの範囲のガボキサドール一水和物カプセル錠の絶対的バイオアベイラビリティもまた評価する。
【0164】
この研究は、2.5~20 mgの用量範囲にわたるガボキサドールの5つの単回経口投与の用量比例性および絶対的バイオアベイラビリティを評価するように設計された、6期間、二重盲検、無作為化、クロスオーバー試験に参加した、10名の健常な成人(各性別少なくとも4名)から構成された。対象体がガボキサドールの5つの単回経口投与(2.5;5;10;15;および20 mg)を受ける順序は、処置期間1~5内で無作為化された。各対象体は、すべての6つ処置期間を完了すると予想され、各処置期間の間に少なくとも4日間の休薬があった。
【0165】
処置期間内の各経口投与は、各スケジュールされた投与において同時に取られる、2カプセルの試験薬物からなる。経口投与される試験薬物の処置表示は、以下のとおりである:処置A - 1つの2.5 mgガボキサドールカプセル剤および1つの釣り合うプラセボカプセル剤;処置B - 1つの5 mgガボキサドールカプセル剤および1つの釣り合うプラセボカプセル剤;処置C - 1つの10 mgガボキサドールカプセル剤および1つの釣り合うプラセボカプセル剤;処置D - 1つの15 mgガボキサドールカプセル剤および1つの釣り合うプラセボカプセル剤;ならびに処置E - 20 mgガボキサドール(2つの10 mgガボキサドールカプセル剤)。一晩絶食後、朝の午前8:00頃に240 mLの水と共に対象体はそれらの試験薬物を受けた。水は、試験薬物投与前後1時間以内を除き自由に許可された。食事は投与後4時間認められなかった。
【0166】
各処置における各対象体について、薬物動態パラメーター(必要に応じて、例えば、AUC、Cmax、Tmax、見かけのt1/2、累積尿中排泄、腎クリアランス、クリアランスおよび定常状態の分布量)の決定のために、投与後16時間にわたり血漿および尿検体を採取した。ガボキサドールのAUCおよびCmaxについては、試験環の薬物動態データの比較を容易にするために効力を調整した。表1は、単回経口投与(2.5、5、10、15および20 mg)後のガボキサドールの個々の効力調整薬物動態パラメーターを提供する。
【表1】
【0167】
実施例2
ガボキサドール投与による残存効果の評価
この研究は、健常な高齢の男性および女性対象体における、二重盲検、ダブルダミー、無作為化、活性-およびプラセボ-対照、単回投与、3期間クロスオーバー試験、それに続くオープンラベル、単回投与、1期間試験であった。対象体は、各々の3つの処置(処置A、BおよびC)に無作為化されて、最初の3処置期間にわたりクロスオーバー法で投与された。処置Aについて、対象体は、ガボキサドール10 mgの単回投与を受け;処置Bについて、対象体は、フルラゼパム30 mgの単回投与を受け;および処置Cについて、対象体は、プラセボの単回投与を受けた。投与は、1日目の就寝時に経口投与された。対象体を、各処置期間中投与する晩の早くから投与後約36時間(3日目の朝)まで在宅させた。処置期間1~3に参加した対象体は、第4の処置期間に参加した。この期間において、ガボキサドール10 mgの単回投与(処置D)が、ガボキサドールのPKのために1日目の朝にオープンラベル法で経口投与された。連続する処置期間の投与間に少なくとも14日の休薬があった。試験参加者には、65~80歳で、ミニメンタルステートで24を有し、体重が少なくとも55 kgある、健常な高齢の男性および女性対象体が含まれた。すべての対象体は、10 mgガボキサドール一水和物カプセル剤および30 mgのフルラゼパム(2×15 mgカプセル剤として提供される)を受け、釣り合うプラセボが、ガボキサドールおよびフルラゼパムの両方について提供された。
【0168】
評価した主要評価項目には、(精神運動能力、記憶、注意力および午後の投与後の日中の眠気の測定)、ガボキサドール薬物動態および安全性が含まれる。ガボキサドール(単回投与10 mg)は、主要評価項目の選択反応時間および臨界フリッカー融合に対する投与後9時間の残存効果を示さなかったが、活性対照のフルラゼパム(30 mg単回投与)は、同一試験において顕著な効果を示した。またガボキサドールは、当該試験で適用された他の測定(Multiple Sleep Latency Test(MSLT);Digit symbol substitution test(DSST)、トラッキング、記憶検査、身体の揺れおよびリーズ睡眠評価質問票)に対する残存効果の何れの兆候も示さなかった。
【0169】
実施例3
ベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積を遮断するアロプレグナノロン、ガナキソロンおよびガボキサドールの能力の評価
痙攣性てんかん重積の発症後30分(典型的にベンゾジアゼピンに抵抗性である時点)にて投与量を漸増させて投与したときの急性抗痙攣有効性についてアロプレグナノロン、ガナキソロンおよびガボキサドールを評価する。これらの薬剤で得られた結果を、ビヒクル処理動物での並行試験から得られたもの比較する。
【0170】
化学痙攣誘導薬ピロカルピンの投与24時間前に、雄性Sprague Dawleyラット(n=10回または処置/群、100~125 g;Charles River Laboratories)を、塩化リチウム(127 mg/kg;(腹腔内(i.p.))で全身的に処置する。翌日、ラットにピロカルピン塩酸塩(50 mg/kg;i.p.)を投与し、痙攣性発作活動の有無を注意深くモニターする。ピロカルピンの投与は、5~20分以内に行動発作を誘発し、ピロカルピン投与の45分以内に痙攣性発作活動を示さないラットを、更なる試験から除外する。試験日に、各試験化合物(アロプレグナノロン(ALLO)、ガナキソロン(GNX)またはガボキサドール(GBD))またはビヒクル(VEH)(40%ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン)の、てんかん重積のLi-Piloモデルにおける痙攣性てんかん重積を止める能力を、最初に観察された痙攣性発作の30分後にi.p.投与した漸増投与量で評価する。試験を通じて、行動観察を行う実験者は、処置条件(すなわち、アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドール)に対して盲検である。薬物投与後120分間の発作の重症度についてすべてのラットを観察し、点数化し、そして何らかの付随する行動変化もまた処置条件に対して盲検である実験者により記録される。行動観察期間の終わりに、乳酸リンゲル液の3 mL注射をすべての生存ラットに投与し、SE誘発性体液損失を補う。
【0171】
各試験化合物(アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドール)の投与量は、少なくとも2点が100%保護(薬物投与10分後に更なる痙攣性発作なし)と0%保護の両端の間に確立されるまで、10匹のラット群において変化する。動物の50%における所望のエンドポイント(ED50またはTD50)および95%信頼区間を生じるのに必要とされる薬物の投与量は、Probit法に(Finney DJ. Probit Analysis. Cambridge University Press. 1971)に基づくコンピュータープログラムにより計算される。この投与量応答評価は、典型的に、試験化合物当たり最大5つの処置群、化合物当たり合計最大50匹のラットを必要とする。したがって、最大150匹のラットが、試験化合物(アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドール)の定量化に用いられ得て、1つのビヒクル処置群(n=10)も存在し、それ故に試験1のげっ歯類総数が160匹である。試験におけるすべての動物は、体重変化の評価のために試験完了後24時間保たれる。アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドールについて投与される投与量は、0.5 mg/kg、2 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kgまたは20 mg/kgである。
【0172】
薬物動態試料採取:脳および血漿を、各投与量についてラットのサテライトコホートからの評価のために採取し得る(n=3匹のラット/投与量/化合物;合計最大45匹のラット)。血漿を、4℃にて10分間10,000×gで遠心分離後体幹の血液から採取する。抗凝血剤は、リチウムヘパリンである。脳をドライアイス上で瞬間凍結する。すべての試料を-20℃にて保存する。試験手順タイムラインを図2に示す。
【0173】
投与量反応曲線を作成し、最初に観察された痙攣性発作の30分後に投与された各試験化合物(アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドール)について計算されるED50(95%信頼区間)として表す。有効性の欠如のため、データがED50(95%信頼区間)の計算をすることができない場合、試験した最高投与量を示す。効果の更なる測定、例えば運動障害、SE後の体重変化、SEからの24時間生存率もまた、すべての処置条件について試験中記録する。
【表2】
【0174】
図3は、アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドールについての投与量に対する保護パーセント対投与量を示す棒グラフである。図4は、アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドールについての投与量に基づく24時間生存率結果を示す棒グラフである。図5は、投与量に対する発作観察数を示す棒グラフである。図6Aは、てんかん重積24時間後の体重変化をパーセント減少対投与量の関数として示す棒グラフである。図6Bは、0.5 mg/kg投与量群についての24時間体重減少を示す棒グラフである。ベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積中の処置の投与量反応評価は、ガナキソロン(i.p.)の投与量依存的有効性 - 20 mg/kgにおける保護の有意な(p<0.02)改善を示唆する。ガボキサドール(i.p.)の逆U反応プロファイルの可能性 - 0.5 mg/kgにおいてp=0.071。24時間生存率における有意な改善がガボキサドール処置ラット(10 mg/kg)について示されている。
【0175】
実施例4
ベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積を遮断するアロプレグナノロン、ガナキソロンおよびガボキサドールの能力の特性評価のためのプロスペクティブ試験
アロプレグナノロン(ALLO)、ガナキソロン(GNX)およびガボキサドール(GBD)の腹腔内(i.p.)投与での初期投与量反応試験は、ベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積に対する有効性の可能性を示唆している(実施例3)。この試験は、ラットのLi-Piloモデルにおけるベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積に対するアロプレグナノロン、ガナキソロンまたはベンゾジアゼピン系のロラゼパム(LZP)のいずれかとガボキサドールとの相乗作用の可能性を評価する。具体的には、低投与量(例えば0.5 mg/kg)のガボキサドールを、固定投与量のアロプレグナノロン、ガナキソロンまたはロラゼパムのいずれかと組み合せて投与する。アロプレグナノロンおよびガナキソロンの投与量は、実施例3(表2)において抗痙攣性効果を生じさせることが先に見出された量である。ロラゼパムの投与量は、2 mg/kgである(Walton and Treiman. 1990. Neurology 40: 990-994 1990)。各化合物の活性もまた単独で評価する。ビヒクル処置群を含む。てんかん重積発症後30分にて単回i.p.投与量の各投与量または投与量の組合せ(表3)をラットに投与する(n=13匹/群)。ラットを更なる痙攣活性の有無について監察する。
【表3】
【0176】
化学痙攣誘導薬ピロカルピンの投与24時間前に、雄性Sprague Dawleyラット(n=13回または処置/群;Charles River Laboratoriesから到着時に100~125 g)を、塩化リチウム(127 mg/kg;i.p.)で全身的に処置する。翌日、ラットにピロカルピン塩酸塩(50 mg/kg;i.p.)を投与し、痙攣性発作活動の有無を注意深くモニターする。ピロカルピンの投与は、5~20分以内に行動発作を誘発し、ピロカルピン投与の45分以内に痙攣性発作活動を示さないラットを、更なる試験から除外する。試験日に、各試験化合物(アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドール)またはビヒクル(VEH)の、てんかん重積のLi-Piloモデルにおける痙攣性てんかん重積を止める能力を、表3に概説するように最初に観察された痙攣性発作の30分後の投与で評価する。試験を通じて、行動観察を行う実験者は、処置条件(例えば、アロプレグナノロン、ガナキソロンまたはガボキサドール、ロラゼパムまたはVEH)に対して盲検である。薬物投与後120分間の発作の重症度についてすべてのラットを観察し、点数化し、そして何らかの付随する行動変化もまた処置条件に対して盲検である実験者により記録される。行動観察期間の終わりに、乳酸リンゲル液の3 mL注射をすべての生存ラットに投与し、てんかん重積誘発性体液損失を補う。
【0177】
各試験化合物の投与量は、合計130匹のラットについて、ラット(n=13/化合物投与量;表3)に投与される。15%の、45分間で痙攣性てんかん重積を発症しないノンレスポンダー率がLi-Clで予め処理したラットで予測される。したがって、最大150匹のラットが、この試験に用いられ、これは潜在的なノンレスポンダーを含む。試験におけるすべての動物は、体重変化、およびその時点での全体的な行動様子(例えば嗜眠/活発)の評価のために試験完了後24時間保たれる。行動様子は、処置条件に対して盲検である実験者により評価される。
【0178】
薬物動態試料採取:脳および血漿を、各投与量についてラットのコホートからの評価のために採取する(n=3匹のラット/投与量/化合物)。血漿を、4℃にて10分間10,000×gで遠心分離後体幹の血液から単離する。抗凝血剤は、リチウムヘパリンである。脳をドライアイス上で瞬間凍結する。試験手順タイムラインを図7に示す。
【0179】
当業者は、本明細書に記載の特定の実施態様の多くの等価物であるルーチンの実験のみを用いて認識するかまたは確かめることができるだろう。当該等価物は、特許請求の範囲に包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-02-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書または図面に記載の発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0179
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0179】
当業者は、本明細書に記載の特定の実施態様の多くの等価物であるルーチンの実験のみを用いて認識するかまたは確かめることができるだろう。当該等価物は、特許請求の範囲に包含されることが意図される。
本発明は、以下の態様および実施態様を含む。
[1] アロステリックモジュレーターを含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、てんかん性障害を処置する方法。
[2] てんかん性障害が、てんかん、全般性強直間代発作を伴うてんかん、ミオクロニー欠神てんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、大田原症候群、ラスムッセン症候群、ウエスト症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レット症候群、CDKL5障害、小児欠神てんかん、本態性振戦、ドラベ症候群、ドゥーゼ症候群、急性反復性発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積、治療抵抗性てんかん重積、超治療抵抗性てんかん重積(SRSE)、PCDH19小児てんかん、発作活動の増加または発作再発からなる群より選択される、[1]の方法。
[3] てんかん性障害が、てんかん重積である、[1]の方法。
[4] てんかん性障害が、急性反復性発作である、[1]の方法。
[5] てんかん性障害が、レノックス・ガストー症候群である、[1]の方法。
[6] 組成物が、てんかん性障害と診断された患者において発作の頻度、発作の重症度またはその組合せの低下を提供する、[1]の方法。
[7] アロステリックモジュレーターが、ニューロステロイド、ベンゾジアゼピンおよびカリウムチャネル開口薬からなる群より選択される、[1]の方法。
[8] アロステリックモジュレーターが、ガナキソロンである、[1]の方法。
[9] アロステリックモジュレーターが、アロプレグナノロンである、[1]の方法。
[10] アロステリックモジュレーターが、ベンゾジアゼピンである、[1]の方法。
[11] ベンゾジアゼピンが、ミタゾラム、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロラゼパム、フルラゼパムおよびロラゼパムからなる群より選択される、[10]の方法。
[12] アロステリックモジュレーターが、カリウムチャネル開口薬である、[1]の方法。
[13] カリウムチャネル開口薬が、レチガビンまたはフルピルチンである、[12]の方法。
[14] 患者が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩をさらに投与される、[1]の方法。
[15] アロステリックモジュレーターが、1日1回、2回もしくは3回、または1日おきに投与される、[1]の方法。
[16] アセタゾラミド、カルバマゼピン、エスリカルバゼピン酢酸塩、エトスクシミド、ギャバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアギャビン、トピラメート、ビガバトリンおよびゾニサミドからなる群より選択される化合物をさらに投与することを含む、[1]の方法。
[17] 医薬組成物が、非経腸製剤である、[1]の方法。
[18] ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、てんかん性障害を処置する方法。
[19] てんかん性障害が、てんかん、全般性強直間代発作を伴うてんかん、ミオクロニー欠神てんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、大田原症候群、ラスムッセン症候群、ウエスト症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、レット症候群、CDKL5障害、小児欠神てんかん、本態性振戦、ドラベ症候群、ドゥーゼ症候群、急性反復性発作、良性ローランドてんかん、てんかん重積、治療抵抗性てんかん重積、超治療抵抗性てんかん重積(SRSE)、PCDH19小児てんかん、発作活動の増加または発作再発からなる群より選択される、[18]の方法。
[20] てんかん性障害が、てんかん重積である、[18]の方法。
[21] てんかん性障害が、急性反復性発作である、[18]の方法。
[22] てんかん性障害が、レノックス・ガストー症候群である、[18]の方法。
[23] 組成物が、てんかん性障害と診断された患者において発作の頻度、発作の重症度またはその組合せの低下を提供する、[18]の方法。
[24] 患者が、アロステリックモジュレーターをさらに投与される、[18]の方法。
[25] アロステリックモジュレーターが、ニューロステロイド、ベンゾジアゼピンおよびカリウムチャネル開口薬からなる群より選択される、[24]の方法。
[26] アロステリックモジュレーターが、ガナキソロンである、[24]の方法。
[27] アロステリックモジュレーターが、アロプレグナノロンである、[24]の方法。
[28] アロステリックモジュレーターが、ベンゾジアゼピンである、[24]の方法。
[29] ベンゾジアゼピンが、ミタゾラム、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロラゼパム、フルラゼパムおよびロラゼパムからなる群より選択される、[28]の方法。
[30] アロステリックモジュレーターが、カリウムチャネル開口薬である、[24]の方法。
[31] カリウムチャネル開口薬が、レチガビンまたはフルピルチンである、[30]の方法。
[32] ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、1日1回、2回もしくは3回、または1日おきに投与される、[18]の方法。
[33] ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、発作の発生直後に投与される、[32]の方法。
[34] ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、発作警告サインの発生後に投与される、[32]の方法。
[35] アセタゾラミド、カルバマゼピン、エスリカルバゼピン酢酸塩、エトスクシミド、ギャバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、ペランパネル、ピラセタム、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、ルフィナミド、バルプロ酸ナトリウム、スチリペントール、チアギャビン、トピラメート、ビガバトリンおよびゾニサミドからなる群より選択される化合物をさらに投与することを含む、[18]の方法。
[36] 医薬組成物が、非経腸製剤である、[18]の方法。
[37] 約0.005μg/ml~約500μg/mlのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む、非経腸投与のための医薬組成物。
[38] 約0.05 mg~約100 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む、非経腸投与のための医薬組成物。
[39] ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、約10.0 M未満のモル濃度で存在する、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[40] 組成物中のガボキサドールまたはその塩の溶解度が、約1 mg/mL~約50 mg/mLである、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[41] 医薬組成物が、非経腸剤形の投与後約1時間以上のガボキサドールの最高血漿濃度到達時間(Tmax)を示す、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[42] 組成物の非経腸投与が、約25 ng・時間/ml超の平均AUC0-∞を含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[43] 組成物の非経腸投与が、約10000 ng/ml未満の平均Cmaxを含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[44] 非経腸投与が、非経腸組成物の投与後約1~約120分におけるTmax;続いて、約90~約360分間持続して少なくとも50%Cmaxの血漿薬物濃度を含む薬物動態プロファイルを示す、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[45] 組成物が、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトルに含まれる、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[46] 組成物が、水性である、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[47] 組成物が、使用準備済みである、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[48] 組成物が、十分に可溶性である、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[49] 組成物が、緩衝剤、可溶化剤、等張化剤、抗酸化剤、キレート剤、抗菌剤および防腐剤からなる群より選択される添加剤をさらに含む、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[50] 組成物が、約10%未満の重量パーセント(w/v)で存在する添加剤をさらに含む、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[51] 組成物が、約0.01%~約10%の重量パーセント(w/v)で存在する添加剤をさらに含む、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[52] 添加剤が、約0.1:1~約0.25:1の添加剤対ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩のモル比で存在する、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[53] 組成物が、安定化量の緩衝剤を含む添加剤を含む、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[54] 組成物が、約4~約8のpHである、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[55] 組成物が、約6~約8のpHである、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[56] 組成物が、水溶液であり、水溶液のpHが、約6.8~約7.8である、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[57] 組成物が、約0.01~約2.0重量%の濃度で塩化ナトリウムをさらに含む、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[58] 組成物が、約0.9重量%の濃度で塩化ナトリウムをさらに含む、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[59] 組成物が、20 ml、50 mlおよび100 mlからなる群より選択される総容量として製剤化される、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[60] 組成物が、皮下、筋肉内、経皮または静脈内投与のために製造される、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[61] 組成物が、安定化量の可溶化剤である添加剤を含む、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[62] 組成物が、40℃にて1ヵ月後に検出可能な化学的分解を示さない、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
[63] 組成物を周囲条件で保存でき、少なくとも約12週間無色澄明のままである、[37]または[38]の非経腸投与のための医薬組成物。
【外国語明細書】