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特開2022-58738温かい飲物を準備するための飲物準備手段およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058738
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】温かい飲物を準備するための飲物準備手段およびその使用
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20220405BHJP
   A47J 31/00 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
A47J31/44
A47J31/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008703
(22)【出願日】2022-01-24
(62)【分割の表示】P 2019539849の分割
【原出願日】2018-01-17
(31)【優先権主張番号】102017200950.0
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】502241800
【氏名又は名称】ヴェーエムエフ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー キーファー
(72)【発明者】
【氏名】アルミン スターツ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】温かい飲物を準備するための飲物準備手段およびその使用を提供する。
【解決手段】第1の電力を有する外部電源のためのコネクションと、第2の電力を有する電気エネルギーのための少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニット1と、外部電源のためのコネクションに、また電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットに電気的に接続された変圧器と、水を加熱するための少なくとも1つの電気高性能コンシューマであって、少なくとも1つの電気高性能コンシューマは、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットへの電気接続を有し、それによって電気エネルギーを供給される、少なくとも1つの電気高性能コンシューマとを備える、温かい飲物を準備するための飲物準備手段に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温かい飲料を準備するための飲料メーカであって、
a)第1の最大電力を有する外部電源システムのためのコネクタと、
b)前記第1の最大電力よりも高い第2の最大電力を有する、電気エネルギーのための少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニットと、
c)外部電源システムのための前記コネクタに、および電気エネルギーのための前記再充電可能蓄電ユニットに電気的に接続された変圧器と、
d)水を加熱するための少なくとも1つの高性能電気コンシューマであって、前記少なくとも1つの高性能電気コンシューマは、電気エネルギーのための前記再充電可能蓄電ユニットへの電気接続を有し、それによって電気エネルギーを供給される、少なくとも1つの高性能電気コンシューマと
を含み、
水を加熱するための前記少なくとも1つの高性能電気コンシューマは、前記第1の最大電力よりも高い最小電力消費を有し、
電気エネルギーのための前記少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニットは、15Vから42VまでのDC電圧を提供するのに適していることを特徴とする飲料メーカ。
【請求項2】
前記電源システムのための前記コネクタは、
i)AC電源システムのためのコネクタであり、又は、相当たり、100Vから255Vまでの範囲内にあるAC電圧を有するAC電源システムのためのコネクタであり、および/または
ii)前記電源システムと一緒に、0.5kWよりも大きな、又は少なくとも1kWの、又は少なくとも1.5kWの、又は少なくとも2kWの、又は少なくとも2.5kWの、又は少なくとも3kWの、相当たりの電力を、提供するのに適しており、および/または
iii)前記外部電源システムに接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の飲料メーカ。
【請求項3】
前記飲料メーカは、少なくとも1つの電気エネルギーストアが充電することができるように、外部電源システムのための前記コネクタに適用される電圧を変換するように構成された、少なくとも1つの充電レギュレータを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の飲料メーカ。
【請求項4】
前記充電レギュレータは、
i)外部電源システムのための前記コネクタへの電気接続を有し、および/または
ii)電気エネルギーのための前記再充電可能蓄電ユニットへの電気接続を有し、および/または
iii)AC電圧をDC電圧に、又はパルス化もしくは平滑化されたDC電圧に変換するのに適していることを特徴とする請求項3に記載の飲料メーカ。
【請求項5】
電気エネルギーのための前記再充電可能蓄電ユニットは、
i)24Vから40Vまでの範囲内の安全な低電圧を提供するのに適しており、および/または
ii)前記第1の電力の少なくとも1.5倍、又は少なくとも2倍、又は少なくとも4倍、又は少なくとも6倍、又は少なくとも8倍、又は少なくとも10倍、に対応する電力を出力するのに適しており、および/または
iii)0.75kWよりも大きな、又は少なくとも2kWの、又は少なくとも6kWの、又は少なくとも12kWの、少なくとも20kWの、又は少なくとも30kWの、電力を提供するのに適しており、および/または
iv)前記再充電可能蓄電ユニットの再充電が必要になる前に、1ないし5の、又は1ないし4の、又は2ないし3の、抽出サイクルを実施するのに適した蓄電容量を有し、および/または
v)0Whよりも大きく、および100Whよりも小さい、又は1ないし80Whの、又は2ないし60Whの、又は3ないし22Whの、蓄電容量を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の飲料メーカ。
【請求項6】
電気エネルギーのための前記再充電可能蓄電ユニットは、電気的再充電可能蓄電ユニット、電気化学的再充電可能蓄電ユニット、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され、又は再充電可能バッテリ、逆燃料電池、キャパシタ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され、又はリチウム-イオン電池、鉛酸電池、スーパーキャパシタ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の飲料メーカ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニットは、交換可能であり、又は前記飲料メーカ内に、前記飲料メーカに、または前記飲料メーカの隣に交換可能に配置されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の飲料メーカ。
【請求項8】
前記飲料メーカは、
i)さらなる変圧器を介して、外部電源システムのための前記コネクタに電気的に接続され、および/または
ii)電気エネルギーのための前記少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニットに電気的に接続され、および/または
iii)5Vから100Vまでの、又は10から60Vまでの、又は15から42Vまでの、又は24Vから40Vまでの範囲内の安全な低電圧の、DC電圧を提供するのに適しており、および/または
iv)前記第1の電力の0%よりも大きく、75%よりも小さい、又は50%よりも小さい、又は25%よりも小さい、又は15%よりも小さい、又は12%よりも小さい、又は10%よりも小さい、電力を出力するのに適しており、および/または
v)0kWよりも大きく、1kWよりも小さい、又は0.2ないし0.9kWの、又は0.3ないし0.8kWの、又は0.4ないし0.7kWの、又は0.5ないし0.6kWの、電力を出力するのに適しており、および/または
vi)電気エネルギーのための前記再充電可能蓄電ユニットの前記蓄電容量よりも高い蓄電容量、又は少なくとも10Whの、又は少なくとも50Whの、又は少なくとも500Whの、又は少なくとも1kWhの、又は少なくとも5kWhの、蓄電容量を有する、
電気エネルギーのための少なくとも1つのさらなる再充電可能蓄電ユニットを含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の飲料メーカ。
【請求項9】
電気エネルギーのための前記さらなる再充電可能蓄電ユニットは、電気的再充電可能蓄電ユニット、電気化学的再充電可能蓄電ユニット、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され、又は再充電可能バッテリ、逆燃料電池、キャパシタ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され、又はLi-ion電池、鉛酸電池、スーパーキャパシタ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の飲料メーカ。
【請求項10】
水を加熱するための前記少なくとも1つの高性能電気コンシューマは、
i)温水コンテナによって、水を加熱するための熱エネルギーを供給されず、および/または
ii)前記第1の電力の少なくとも1.5倍、又は少なくとも2倍、又は少なくとも4倍、又は少なくとも6倍、又は少なくとも8倍、又は少なくとも10倍、に対応する電力消費を有し、
iii)連続流水ヒータを備え、又は連続流水ヒータから成り、又は厚膜加熱システム、薄膜加熱システム、ブランク膜加熱システム、赤外線放射加熱システム、マイクロ波放射加熱システム、水凝縮加熱システム、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される加熱システムを有する、連続流水ヒータを備え、または連続流水ヒータから成ることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の飲料メーカ。
【請求項11】
前記飲料メーカは、少なくとも1つの温度センサを有し、前記少なくとも1つの温度センサは、
i)水を加熱するための前記少なくとも1つの高性能電気コンシューマの中、上流、および/もしくは下流に配置され、および/又は
ii)水を加熱するための前記少なくとも1つの高性能電気コンシューマに提供される前記電力を調節するように構成され、および/又は
iii)NTC温度センサ、PTC温度センサ、IRセンサ、音速センサ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の飲料メーカ。
【請求項12】
前記飲料メーカは、少なくとも1つの流量センサを有し、前記少なくとも1つの流量センサは、
i)水を加熱するための前記少なくとも1つの高性能電気コンシューマの中、上流、および/もしくは下流に配置され、および/又は
ii)水を加熱するための前記少なくとも1つの高性能電気コンシューマ内の水の体積流量を調節するように構成され、および/又は
iii)流量計、超音波に基づいた流量計、MIDに基づいた流量計、およびそれらの組み合わせを含む群から選択されることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の飲料メーカ。
【請求項13】
前記飲料メーカは、少なくとも1つの低電圧コンシューマ、又は複数の低電圧コンシューマを含み、前記少なくとも1つの低電圧コンシューマは、
i)コーヒーグラインダ、挽かれたコーヒーをプレスするための抽出器モータ、ポンプ、弁、中央制御ユニット、オペレーティングユニット、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され、および/又は
ii)電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニットに電気的に接続され、それによって電気エネルギーが供給されることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の飲料メーカ。
【請求項14】
前記飲料メーカは、少なくとも1つの制御電子システムを含み、前記制御電子システムは、
i)電気エネルギーのための前記再充電可能蓄電ユニットの現在の充電状態を伝達するのに適しており、又はそれについての情報を出力するのに、および/又は送信するのに適しており、又はそれについての情報を前記飲料メーカのディスプレイ上に出力するのに、および/又はそれをインターネット上において送信するのに適しており、および/又は
ii)電気エネルギーのための前記再充電可能蓄電ユニットの充電要求についての予想をユーザから受け取るのに、および/もしくは統計に基づいて自らそれを準備するのに、又はそれについての情報を出力および/又は送信するのに、又はそれについての情報を前記飲料メーカのディスプレイ上に出力するのに、および/又はそれをインターネット上において送信するのに、適しており、ならびに/または
iii)情報を受け取るために、ユーザから、又は電気エネルギーのための前記再充電可能蓄電ユニットが充電されるべき時点において、ユーザから、および/又はインターネットから情報を受け取るのに、適していることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載の飲料メーカ。
【請求項15】
温かい飲料を準備するための請求項1ないし14のいずれか1つに記載の飲料メーカの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温かい飲物を準備するための飲物準備手段およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
温かい飲料の準備のための飲料メーカが、提供され、それは、第1の電力を有する外部電源システムのためのコネクタと、第2の電力を有する、電気エネルギーのための少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニットと、外部電源システムのためのコネクタに、また電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットに電気的に接続された変圧器と、水を加熱するための少なくとも1つの電気高性能コンシューマであって、少なくとも1つの電気高性能コンシューマは、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットへの電気接続を有し、それによって電気エネルギーを供給される、少なくとも1つの電気高性能コンシューマとを含む。本発明に従うと、飲料メーカによって、非常に高い電力が、高性能コンシューマにおいて、永続的に提供されることができ、外部電源システムが、一時的に、高い電力ピークによる負荷にさらされることがない。むしろ、飲料メーカの少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニットを充電するための、およびそれが高い電力を高性能コンシューマに提供するのに永続的に適していることを保証するための、外部電源システムからの相対的に低い電力の一様な消費が、行われることができる。
【0003】
飲料の準備のための装置は、一般に、複数の電気コンシューマを含む。この点において、電力を大量に消費するコンシューマ(例えば、ボイラ用の加熱ユニット、スチームボイラまたは連続流水ヒータ用の加熱ユニット)は、通例、1次側において電源に接続される。このプロセスにおいては、温かい飲料の分配のために、数キロワットの電力が、しばしば必要とされる。コーヒーメーカにおいては、茶を淹れるために、茶用の水は、例えば、約30ml/sのスピードで分配される。加えて、例えば、抽出水と並行して、(例えば、ミルクを泡立てるための)蒸気も分配することが、しばしば行われる。
【0004】
これらのコンシューマからの特定の時点におけるエネルギー出力の総和が、取られた場合、それは、設置サイトにおける電源ラインの一般に利用可能な電力をかなり上回ることが、明らかになる。中央ヨーロッパにおいては、一般的な家庭用供給を用い、単相を使用するときには、それは、例えば、総計で約3kWになる。したがって、そのような大量のエネルギーの分配は、大量のエネルギーが、ボイラシステムおよびスチームボイラシステム内に、大量の温水を用いて、または加圧された過熱水を用いて、バッファされるときだけ、可能にされる。
【0005】
飲料メーカのようなコーヒーメーカの抽出水は、例えば、流入水温度(一般に15℃)から90℃(抽出水温度)まで加熱されなければならない。コーヒーの平均的なカップは、125mlを含む。したがって、40kJのエネルギーの量が、カップ1杯分を抽出するために必要とされる。20秒の平均抽出時間を仮定すると、エネルギーストアなしの場合(例えば、温水槽なしの場合)、飲料メーカのために、いかなるサポートもなしに、約2kWの加熱電力を提供することができる、加熱要素(例えば、連続流水ヒータ)が、必要とされる。今度は、同時に、200mlの温水が、25ml/sの高速な分配スピードで、茶水用のグラスに分配される場合、さらに63.6kJの加熱エネルギーが、したがって、8kWの加熱電力が、必要とされる。合計10kWのこの電力は、最大電力定格が3kWの従来の単相電力システムにおいて、引き出すことができないことが理解される。
【0006】
先行技術において使用される、この問題を解決する可能性は、(例えば、温水槽の形態をとる)熱エネルギーバッファによって代表される。それらは、飲料の分配に直接的に必要とされるエネルギーの量を低減させるために、連続流水ヒータを有する、例えば、コーヒーメーカにおいて使用される。温水槽などのエネルギーバッファは、運用開始時に加熱され、運用中に放射および対流によって熱エネルギーを放出しなければならない。この点において、熱エネルギーバッファが、大きいサイズ(例えば、大きい水量)を有し、飲料メーカがスイッチオフされた後、例えば、それの日々の運用の終了後、それらの蓄えられた(剰余)エネルギーが、環境にゆっくりと出力されることは不都合である。ここでの大型コーヒーメーカは、しばしば、2リットルを超える槽容量の貯水ストアを有し、それ自体が、すでに、水の加熱手順のために、約636kJのエネルギーを必要とする。このエネルギーは、コーヒーメーカがスイッチオフされた後、失われる。
【0007】
電気コンシューマは、また、一般に2次側に接続される飲料メーカ内に組み込まれる。これらの構成要素の運用のために、変圧器またはスイッチング電源が、必要とされ、1次側のライン電圧を低電圧に変換する。スイッチング電源または変圧器は、ここでは、並列で動作するすべての電気コンシューマが、同時に制御されることができるような寸法のサイズを有さなければならない。特に、DCモータは、定格電流として、はるかに高い起動時電力を有するので、変圧器は、かなり過大な寸法でなければならず、または飲料メーカの中央制御ユニットにおけるエネルギー管理は、これらのスイッチオン時間が、重なり合わず、スイッチング電源もしくは変圧器の過負荷という結果とならないことを保証しなければならない。
【0008】
電気コンシューマは、低電圧コンシューマであることができる。飲料メーカを制御するCPUは、例えば、専ら低電圧(通例、3.3Vないし5V)を用いて動作する。安全性の理由で、飲料メーカ内のそのような低電圧コンシューマは、12Vないし60VのDC低電圧を供給される。1次側における電圧を2次側における安全な低電圧に変換する、変圧器、電源ユニット、および/またはスイッチング電源が、コンシューマの制御および通電と、低電圧構成要素の電気エネルギー供給の両方のために使用される。
【0009】
しかしながら、飲料メーカによって必要とされる総電力が、高くなればなるほど、変圧器、電源ユニット、および/またはスイッチング電源を収容するための、飲料メーカの内部における空間要件も、高くなる。必要とされる安全規格を満足するための、これらの要素に対する要求も、必要とされる電力に比例して、さらに高まる。したがって、飲料メーカの内部に、そのような要素のために利用可能な、飲料メーカの事前定義されたサイズに関して、可能な限り大きい空間を有することが、望ましい。
【0010】
それらの内部回路のせいで、さらに、先行技術の飲料メーカは、外部電源システムを介した運用(グリッド運用)中に、外部電源システムの最大引出可能電力を超える、電気的加熱電力を発生させるのに適していない。
【0011】
先行技術の飲料メーカ内のいくつかの電気コンシューマは、しばしば、数秒間だけ動作し、一部は温かい飲料の分配のためのピーク電流は、さらに短時間である。スイッチング電源および/または変圧器は、これらの高電流が、通例、非常に短期間使用されるにすぎないとしても、それらのために設計されなければならない。マシンの構造空間に加えて、これも、そのような変圧器を製造するために必要とされるリソースの使用を増加させる。
【0012】
さらに、グリッド運用における、知られた飲料メーカにおいては、制約のない速やかな方式で、(例えば、水ヒータにおいて)短い加熱電力ピークを発生させることが、可能にされないが、それは、この目的のために、非常に高速に切り換えられることができる、電流パルスが必要とされるからである。これの理由は、高速に切り換えられることができる電流パルスが、グリッド電圧に対する影響を有することである。電源システムに対する影響が、ひいては、電源システムにおけるランプに、異なる照明レベル(ちらつき)を引き起こす。これらの影響についての限界値およびテストが、規格(例えば、非特許文献1を参照)に説明されている。
【0013】
したがって、永続的および節約的な方式で、外部電源システムから最大限引出可能な電力よりも高い電気出力電力を、高性能コンシューマ(例えば、加熱ユニット)に提供することができる、飲料メーカが、必要とされている。
【0014】
さらに、飲料メーカの運用の快適性が、ユーザにとって、ますます重要になっている。したがって、飲料メーカは、いつでもリモートから、または所望の時点においてタイムスイッチを介して、スイッチオンされ、運用され、スイッチオフされ、到達可能であることができるべきである。飲料メーカの制御に「ウェイクオンLAN」のためのエネルギーを永続的に供給する、追加の小型変圧器またはスイッチング電源が、この目的のための飲料メーカのスタンバイ状態における電力消費を低下させるために、使用されなければならない。したがって、加えて、先行技術においては、スタンバイ状態において、電源システムからいかなる電力も取得する必要がなく、したがって、この状態における電源システムに対する圧迫を軽減する、飲料メーカが、必要とされている。加えて、そのような飲料メーカは、(現在のスイッチオン状態とは無関係に)定義されたオン状態にないとしても、リモートサービスのために、いつでも到達可能であるべきである。
【0015】
特許文献1は、モバイル温水ヒータについて説明しており、燃料電池および再充電可能バッテリの組み合わせからのエネルギーによって、温水が、貯水コンテナ内において提供される。再充電可能バッテリは、ここでは、短期高エネルギー要求のために必要とされるエネルギーを提供し、燃料電池は、再充電可能バッテリを再充電するために使用される。この温水ヒータは、組み込まれた貯水タンクのせいで、大きい重さを有し、加えて、貯水タンク内の水を望ましい温度まで加熱するために、大量のエネルギーが、使用されなければならない。このエネルギーは、運用の終了時に、環境に出力され、したがって、失われ、すなわち、飲料の準備のためにもはや利用可能ではない。
【0016】
特許文献2は、同様に、モバイル飲料メーカについて説明しており、再充電可能バッテリ、電力システム、煙草ライタ、風力発電機、またはソーラモジュールからのエネルギーによって、温水が、貯水コンテナ内において提供される。ここでは、飲料メーカは、貯水コンテナのせいで、大きい重さを有し、飲料メーカを使用できるように準備するために、タンク内部の水は、最初にエネルギー源によって苦労して加熱されなければならないことが、不都合である。加熱された水に含まれるエネルギーは、飲料メーカの使用を中断した後、失われる。
【0017】
特許文献3は、外部電源なしに、再充電可能バッテリおよび燃料電池からの電力で、自律的に運用される、コーヒーメーカについて説明している。
【0018】
特許文献4は、外部電源システムとは無関係に(自律的に)運用されることができ、水を加熱するための連続流水ヒータを含む、飲料メーカについて説明しており、連続流水ヒータは、専ら再充電可能バッテリから電気エネルギーを引き出す。再充電可能バッテリは、充電電力(約50W)と比較して、より高い(500Wよりも大きい)放電電力を有する。それによって、再充電可能バッテリ運用における抽出時間は、グリッド運用における抽出時間に匹敵する。しかしながら、この飲料メーカは、外部電源システムからのエネルギー(グリッド運用)、または再充電可能バッテリからのエネルギー(再充電可能バッテリ運用)によってしか運用されることができないという不都合を有する。したがって、連続流水ヒータにおいて適用される加熱電力は、量的および持続時間的に、再充電可能バッテリによって制限され、これは、とりわけ、長期間にわたる高い(非常に頻繁な)分配周期においては、連続流水ヒータにおける不十分な加熱電力という結果となること、したがって、準備された飲料の品質の低下、最悪、動作不良という結果となることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】DE 10 2007 012 231 B3
【特許文献2】米国特許第6123010号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1852043号明細書
【特許文献4】DE 10 2008 052 190 A1
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】DIN EN 61000-3-3
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
ここから開始して、可能な限りコンパクトであり、外部電源システムにおける高い一時的負荷ピークなしに、水を加熱するための高性能電気コンシューマのために非常に高い電力が提供されることを可能にする構造で構成されることができる、飲料メーカを提供することが、本発明の目的であった。
【0022】
目的は、請求項1の特徴を有する装置によって、および請求項15の特徴を有する使用によって達成される。従属請求項は、有利な実施形態を示す。
【0023】
本発明に従うと、
a)第1の最大電力を有する外部電源システムのためのコネクタと、
b)第1の最大電力よりも高い第2の最大電力を有する、電気エネルギーのための少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニットと、
c)外部電源システムのためのコネクタに、また電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットに電気的に接続された変圧器と、
d)水を加熱するための少なくとも1つの高性能電気コンシューマであって、少なくとも1つの高性能電気コンシューマは、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットへの電気接続を有し、それによって電気エネルギーを供給される、少なくとも1つの高性能電気コンシューマと
を備え、
水を加熱するための少なくとも1つの高性能電気コンシューマは、第1の最大電力よりも高い最小電力消費を有することを特徴とする、
温かい飲料を準備するための飲料メーカが、提供される。
【0024】
本発明に従った飲料メーカは、それが、水を加熱するための高性能電気コンシューマにおいて、即座に、非常に高い加熱電力を発生させることもでき、それを行う際に、温水槽の形態をとるいかなるエネルギーストアも必要としないことを特徴とする。言い換えると、サイズが大きいエネルギーストア(貯水槽、一般に大容量貯蔵など)が必要とされることなく、限られた量の温水が、非常に短い時間で、提供されることができる。したがって、本発明に従った飲料メーカは、サイズが大きい熱エネルギーストアが原因のいかなるエネルギーロスも有せず、したがって、そのようなサイズが大きいエネルギーストアを必要とする従来の飲料メーカよりも大きいエネルギーを節約して(したがって、より環境にも配慮して)、運用されることができる。飲料メーカは、さらに、よりコンパクトな構造で実装されることができる。
【0025】
加えて、本発明に従った飲料メーカを用いれば、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットが、低いグリッド供給、または外部グリッドを介した供給が不足する局面を補うことができるので、低いまたは信頼性の乏しいグリッド供給のケースにおける運用さえも、可能である。これに関連して、高い(高頻度の)飲料提供の局面において、稼働停止時間なしに、(温かい)飲物を分配することも可能であることも、本発明に従った飲料メーカによって保証される。
【0026】
少なくとも1つの高性能電気コンシューマは、本発明に従った飲料メーカの、水を加熱するための電気エネルギーを、外部電源システムから直接的に引き出さず、むしろ、電気エネルギーのための少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニットを介して内部的に引き出すので、さらに、外部電源システムにおける電圧変動(「ちらつき」)が、回避されることができる。電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットは、それの充電手順中、一様な負荷を電源システムにかけ、高速の加熱電力ピークは、負荷を再充電可能蓄電ユニットにのみかけ、外部電源システムにはかけない。この程度まで、再充電可能蓄電ユニットは、外部電源システムに関して、補償効果(「バッファ効果」)を有する。
【0027】
本発明に従った飲料メーカは、外部電源システムのためのコネクタが、
i)AC電源システムのためのコネクタであり、相当たり、好ましくは、100Vから255Vまでの範囲内にあるAC電圧を有し、特に好ましくは、50ないし60Hzの周波数におけるAC電圧である、AC電源システムのためのコネクタであり、および/または
ii)外部電源システムと一緒に、相当たり、0.5kWよりも大きな、好ましくは、少なくとも1kWの、特に好ましくは、少なくとも1.5kWの、特に非常に好ましくは、2kWの、特に、少なくとも2.5kWの、任意選択で、少なくとも3kWのの電力を提供するのに適しており、および/または
iii)外部電源システムに接続される
ことを特徴とすることができる。
【0028】
飲料メーカは、少なくとも1つの電気エネルギーストアが(任意選択で、少なくとも1つのさらなる電気エネルギーストアも)、充電されることができるように、外部電源システムのためのコネクタに適用される電圧を変換するのに適した、少なくとも1つの充電レギュレータを含むことができる。充電レギュレータは、外部電源システムのためのコネクタへの電気接続を有することができる。さらに、充電レギュレータは、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットへの電気接続を有することができる。加えて、充電レギュレータは、AC電圧をDC電圧に、任意選択で、パルス化または平滑化されたDC電圧に変換するのに適していることができる。
【0029】
好ましい実施形態は、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットが、DC電圧を、特に、5Vから100Vまでの電圧を、好ましくは、10Vから60Vまでの電圧を、特に好ましくは、15Vから42Vまでの電圧(安全な低電圧)を、および特に、24Vから40Vまでの範囲内の安全な低電圧を提供するのに適していることを特徴とする。これは、運用に関わる人間にとって、また飲料メーカのサービスに関わる人間にとっても、健康に有害な電気ショックにさらされるリスクがはるかに僅かしか存在しないという利点を有する。結果として、飲料メーカにおいて修理処置を行う場合に、および飲料メーカの電気絶縁のための手段が劇的に悪化した場合に、サービスエンジニアの安全が、改善される。例えば、水を加熱するための高性能電気コンシューマを、電気エネルギーのための再充電可能蓄電上ではなく、外部電源システム上だけで、低電圧範囲内において運用することが望ましい場合、したがって、低電圧範囲内において、数キロワットが、必要とされ、したがって、非常に大きい変圧器が、必要とされる。本発明に従うと、そのような変圧器の組み込みは、必要でなく、それによって、飲料メーカのコストは、引き下げられることができ、飲料メーカは、さらにコンパクトに構成されることができ、変圧されるグリッド電圧の可能な最大加熱電力をかなり超える加熱電力が、引き出されることができる。
【0030】
好ましい実施形態においては、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットは、第1の電力の少なくとも1.5倍、好ましくは、少なくとも2倍、特に好ましくは、少なくとも4倍、特に非常に好ましくは、少なくとも6倍、特に、少なくとも8倍、任意選択で、少なくとも10倍に対応する電力を出力するのに適している。
【0031】
さらに、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットは、0.75kWよりも大きい、好ましくは、少なくとも2kWの、特に好ましくは、少なくとも6kWの、特に非常に好ましくは、少なくとも12kWの、特に、少なくとも20kWの、任意選択で、少なくとも30kWの電力を提供するのに適していることができる。
【0032】
さらに、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットは、再充電可能蓄電ユニットの再充電が必要になる前に、1ないし5の、好ましくは、1ないし4の、特に好ましくは、2ないし3の抽出サイクルを実施するのに適した蓄電容量を有することができる。
【0033】
電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットの蓄電容量は、総計で、0Whよりも大きく、100Whよりも小さく、好ましくは、1ないし8Whに、特に好ましくは、2ないし60Whに、特に、3ないし22Whになることができる。
【0034】
例示的な実施形態においては、蓄電ユニットは、2000W×20s=40kWsの容量を有する。これは、24Vの電圧供給を用いる場合、約0.5Ah(12Wh)の蓄電容量を意味する。この蓄電容量は、水を加熱するための少なくとも1つの高性能電気コンシューマに、温かい飲料の複数の連続的な準備(抽出サイクル)のための電気を供給するのに十分である。
【0035】
さらなる例として、15℃から90℃まで加熱されなければならない35mlの水を有する、エスプレッソの準備のために、約11kJの加熱エネルギーが、必要とされる。これは、必要とされる蓄電ユニットの容量が3Whであることに対応する。同様に、例えば、15℃から90℃まで加熱される、茶のための250mlの水の準備が、さらなる例として、挙げられることができる。この目的のためには、約22Whの蓄電ユニットの容量が、1杯の飲料のために必要とされる。特に、蓄電ユニットの充電は、休止中および2次時間中に行われ、温かい飲料の準備中にも行われることができる(すなわち、この時点においては、追加的に、グリッド供給によってサポートされることができる)。コーヒー飲料に対して、茶のための水の分配は、(挽かれたコーヒーを抽出ユニットに供給するなどの、2次時間なしに)非常に高速に行われるので、ここでは、実施形態に応じて、ある数の飲料を分配するために、より大きい蓄電が、必要なことがある。その場合、これは、例示的な22Whの倍数である(例えば、5杯の飲料を連続的に分配するためには、100Whを超える)。
【0036】
電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットは、電気的再充電可能蓄電ユニット、電気化学的再充電可能蓄電ユニット、およびそれらの組み合わせを含む群から選択されることができ、好ましくは、再充電可能バッテリ、逆燃料電池、キャパシタ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され、特に好ましくは、リチウム-イオン電池、鉛酸電池、スーパーキャパシタ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0037】
少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニットは、交換可能であることが有利であり、好ましくは、飲料メーカ内に、飲料メーカに、または飲料メーカの隣に交換可能に配置される。特に、長い運用時間(ピーク運用時間)が予想されるケースにおいて、再充電可能蓄電ユニットが、より大きい容量を有する再充電可能蓄電ユニットと、または電気エネルギーのためのさらなる蓄電要素と交換されることができる場合、有利である。したがって、マシンは、理想的には、複数のカスタマのために構成されることができ、このストアは、飲料メーカが、中断なしに、より長いピーク運用時間をもちこたえなければならない、カスタマのより小さいグループのために拡張されることができる。
【0038】
さらに、飲料メーカは、好ましくは、さらなる変圧器を介して、外部電源システムのためのコネクタに電気的に接続される、電気エネルギーのための少なくとも1つのさらなる再充電可能蓄電ユニットを含むことができる。
【0039】
さらに、電気エネルギーのための少なくとも1つのさらなる再充電可能蓄電ユニットは、電気エネルギーのための少なくとも1つの再充電可能蓄電ユニットに電気的に接続されることができる。
【0040】
さらに、電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニットは、DC電圧を、特に、5Vから100Vまでの電圧を、好ましくは、10Vから60Vまでの電圧を、特に好ましくは、15Vから42Vまでの電圧(安全な低電圧)を、特に、24Vから40Vまでの範囲内の安全な低電圧を提供するのに適していることができる。
【0041】
加えて、電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニットは、第1の電力の0%よりも大きく、75%よりも小さい、好ましくは、50%よりも小さい、特に好ましくは、25%よりも小さい、特に非常に好ましくは、15%よりも小さい、特に、12%よりも小さい、任意選択で、10%よりも小さい電力を出力するのに適していることができる。
【0042】
さらに、電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニットは、0kWよりも大きく、1kWよりも小さい、好ましくは、0.2ないし0.9kWの、特に好ましくは、0.3ないし0.8kWの、特に非常に好ましくは、0.4ないし0.7kWの、特に、0.5ないし0.6kWの電力を出力するのに適していることができる。
【0043】
好ましい実施形態においては、電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニットは、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットの蓄電容量よりも高い蓄電容量を、好ましくは、少なくとも10Whの、好ましくは、少なくとも50Whの、特に好ましくは、少なくとも500Whの、特に非常に好ましくは、少なくとも1kWhの、特に、少なくとも5kWhの蓄電容量を有する。これは、電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニット(例えば、鉛酸電池)を、ゆっくり充電することを可能にし、一方、短期の非常に高い電力は、(より高速に完全に充電されることができる)電気エネルギーのための蓄電ユニット(例えば、リチウムイオン電池または電気キャパシタ)から引き出されることができる。
【0044】
しかしながら、電気エネルギーのための少なくとも1つのさらなる再充電可能蓄電ユニットは、一般に、飲料メーカ内に本発明に従って含まれる電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットと同じ特徴を有することもできる。
【0045】
したがって、電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニットも、電気的再充電可能蓄電ユニット、電気化学的再充電可能蓄電ユニット、およびそれらの組み合わせを含む群から選択されることができ、好ましくは、再充電可能バッテリ、逆燃料電池、キャパシタ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され、特に好ましくは、Li-ion電池、鉛酸電池、スーパーキャパシタ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0046】
電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニットは、電気化学的再充電可能蓄電ユニット(例えば、再充電可能バッテリおよび/または逆燃料電池)であることが、ならびに電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットは、電気的再充電可能蓄電ユニット(例えば、キャパシタ)であることが、可能である。
【0047】
したがって、飲料メーカは、最大分配電力を用いる場合も、低い単相グリッド供給(例えば、日本では100V、または米国では120V)を用いる国々において、(日本では)約1300Wおよび(米国では)約1500ワットを十分に供給されることができるので、飲料メーカが、最大で3kWまで、好ましくは、1kWから1.3kWまでの領域内において、充電電力で運用されることができる場合、有利である。したがって、例えば各ケースにおいて、1分のサイクル上における20秒間で、1kWの例示的な電力定格を用いて、2kWの加熱エネルギーをバッファすることが、可能である。したがって、飲料は、20秒おきに、1/3の出力電力に対する供給電力の比で、準備されることができ、ストアの充電のために、20+40秒が、使用されることができる。したがって、3kWの加熱電力さえ、理論的には可能であるが、他のコンシューマのために、ある量の余剰エネルギーも、必要とされる。飲料メーカの様々な電気コンシューマについての電気エネルギーの消費が、例として、表1に示されている。
【0048】
【表1】
【0049】
したがって、ヒータシステムなしの低電圧コンシューマについては、70×1.17Wh=82Whのエネルギーが、例として、例えば、1時間当たり70杯のために必要である。したがって、24V、3.4Ahの蓄電モジュールが、例として、必要である。ミルクコーヒーまたはカプチーノなどの飲料が、準備される場合、上で列挙された例示的なコンシューマと一緒に、追加の電気的構成要素(例えば、ミルクポンプまたはさらなる弁)が、必要とされる。このケースにおいては、さらなる再充電可能蓄電ユニットは、任意選択で、飲料と飲料の間の短い中断時間において、この蓄電ユニットにエネルギーを再供給することが可能でない場合に、例えば、1時間のピーク運用の間、十分なエネルギーが利用可能であるような大きさに作られるべきでもある。
【0050】
ディスプレイユニット(ディスプレイ)、制御ユニット、または電気センサのための電力の飲料メーカへの基本的供給は、先のさらなる再充電可能蓄電ユニットを介して、または別のさらなる再充電可能蓄電ユニットを介して行われることもできる。ここでは、5Vないし24Vの電圧が、一般に、慣習となっている。これらの電圧は、再充電可能蓄電ユニットから直接的に提供されることができ、または電圧を適合させるために、電圧レギュレータが、介在させられることができる。
【0051】
好ましい実施形態においては、飲料メーカは、水を加熱するための少なくとも1つの高出力電気コンシューマが、温水コンテナによって、水を加熱するための熱エネルギーを供給されないことを特徴とする。したがって、飲料メーカは、小さい構造で提供されることができ、温水コンテナの加熱のために必要とされる熱エネルギーは、飲料メーカをスイッチオフした後、失われないので、この実施形態は、有利である。
【0052】
水を加熱するための少なくとも1つの高性能電気コンシューマは、第1の電力の少なくとも1.5倍、好ましくは、少なくとも2倍、特に好ましくは、少なくとも4倍、特に非常に好ましくは、少なくとも6倍、特に、少なくとも8倍、任意選択で、少なくとも10倍に対応する電力消費を有することができる。
【0053】
複数の高性能コンシューマが、飲料メーカ内に存在する場合、およびこれらの高性能コンシューマが、電気的に並列で(すなわち、同時に)制御される場合これらの高性能コンシューマの電力の総和は、上で説明された最小電力消費を有することができる。
【0054】
さらに、水を加熱するための少なくとも1つの高性能電気コンシューマは、連続流水ヒータを備え、または連続流水ヒータから成り、好ましくは、厚膜加熱システム、薄膜加熱システム、ブランク膜加熱システム、ブランクワイヤ加熱システム、赤外線放射加熱システム、マイクロ波放射加熱システム、水凝縮加熱システム、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される加熱システムを有する、連続流水ヒータを備え、または連続流水ヒータから成る。連続流水ヒータの利点は、他の加熱ユニットと比較して、それが簡単な保守および水垢除去を可能にすることである。これは、ユーザにとって非常に快適であり、飲料メーカが保守のせいで使用されることができない時間を短縮する。最大で100Vの低電圧の使用時における、特に、ブランクワイヤ連続流水ヒータシステムの運用については、したがって、必要とされる絶縁距離も、短縮されることができる。
【0055】
飲料メーカは、少なくとも1つの温度センサを有することができ、少なくとも1つの温度センサは、好ましくは、
i)水を加熱するための少なくとも1つの高性能電気コンシューマの中、上流、および/もしくは下流に配置され、ならびに/または
ii)水を加熱するための少なくとも1つの高性能電気コンシューマに提供される電力を調節するように構成され、ならびに/または
iii)NTC温度センサ、PTC温度センサ、IRセンサ、音速センサ、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0056】
飲料メーカは、少なくとも1つの流量センサを有することができ、少なくとも1つの流量センサは、好ましくは、
i)水を加熱するための少なくとも1つの高性能電気コンシューマの中、上流、および/もしくは下流に配置され、ならびに/または
ii)水を加熱するための少なくとも1つの高性能電気コンシューマ内の水の体積流量を調節するように構成され、ならびに/または
iii)流量計、超音波に基づいた流量率計、MIDに基づいた流量率計、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0057】
飲料メーカは、少なくとも1つの低電力コンシューマを、任意選択で、複数の低電力コンシューマを含むことができ、好ましくは少なくとも1つの低電力コンシューマは、コーヒーグラインダ、挽かれたコーヒーをプレスするための抽出器モータ、ポンプ、弁、中央制御ユニット、オペレーティングユニット、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0058】
さらに、少なくとも1つの低電力コンシューマは、好ましくは、電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニット(例えば、上で列挙した特徴を有するもの)に電気的に接続され、特に、それによって電気エネルギーを供給される。
【0059】
飲料メーカは、少なくとも1つの制御電子システムを含むことができ、制御電子システムは、好ましくは、
i)電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットの現在の充電状態を伝達するのに適しており、好ましくは、それについての情報を出力するのに、および/もしくは送信するのに適しており、特に好ましくは、それについての情報を飲料メーカのディスプレイ上に出力するのに、および/もしくはそれをインターネット上において送信するのに適しており、ならびに/または
ii)電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットの充電要求についての予想をユーザから受け取るのに、および/もしくは統計に基づいて自らそれを準備するのに適しており、好ましくは、それについての情報を出力するのに、および/もしくは送信するのに適しており、特に好ましくは、それについての情報を飲料メーカのディスプレイ上に出力するのに、および/もしくはそれをインターネット上において送信するのに適しており、ならびに/または
iii)情報を受け取るのに、好ましくは、ユーザから、および/もしくはインターネットから情報を受け取るのに、特に好ましくは、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニットが充電されるべき時点において、ユーザから、および/もしくはインターネットから情報を受け取るのに適している。
【0060】
制御電子システムの上で列挙された特性は、当然、本発明に従った飲料メーカ内に含まれる、電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニットに適宜適用される。
【0061】
飲料メーカの制御電子システムが、電気エネルギーのための(さらなる)再充電可能蓄電ユニットに接続される場合、飲料メーカが、電源に接続される必要なしに、またはスイッチオンされる必要なしに、例えば、リモートからのソフトウェアアップデートも、可能である。さらに、エネルギーサプライヤは、例えば、飲料メーカにおける充電状態に影響を与えるための情報を、電源コードを介して、呼び出すことができ、および/またはエネルギーアベイラビリティに応じて、それに影響を与えることができる。
【0062】
さらに、温かい飲料を準備するための本発明に従った飲料メーカの使用が提案される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】本発明に従った飲料メーカ内の電気配線図を示している。
図2】本発明に従ったさらなる飲料メーカ内の電気配線図を示している。
図3】本発明に従ったさらなる飲料メーカ内の電気配線図を示している。
図4】本発明に従ったさらなる飲料メーカ内の電気配線図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0064】
参照番号リスト
1、1、’1’’:電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット
2:電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニット
3、3’:高い電力要求を有する電気コンシューマ(例えば、DCモータおよび/または加熱ユニット)
4、4’、4’’、4’’’:低ないし中の電力要求を有する電気コンシューマ
5、5’:充電レギュレータ
6:外部電源システム(例えば、家庭用電源システム)のためのコネクタ
7:外部電源システム(例えば、家庭用電源からの電力供給)
8:飲料メーカと外部電源システムとを隔てる(想像的な)分割線
9:制御ユニット
10:無線接続(例えば、WiFi接続)
11:インターネット(例えば、クラウドストア)
12:制御電子システム
a:電線路
b:電線路
c:電線路
d:電線路
e:電線路
f:通信ライン(例えば、データライン)
g:通信ライン(例えば、データライン)
h、h’、h’’:通信ライン(例えば、データライン)
i:電線路
【0065】
図1は、本発明に従った飲料メーカ内の電気配線図を示している。飲料メーカの外部電源システムのためのコネクタ6は、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット1の電気充電のために、外部電源システム7に接続される。電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット1は、充電レギュレータ5と、電線路a、bとを介して、充電される。高い短期の電力要求を有する電気コンシューマ3、3’は、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット1において配置され、電線路dを介して、電気エネルギーのための蓄電ユニット1から、電力を供給される。充電レギュレータ5は、ここでは、情報ラインgを介して、電気エネルギーのための蓄電ユニット1と通信することができ、したがって、それの状態を参照して、それの最適な充電を開始することができる。
【0066】
図2は、本発明に従ったさらなる飲料メーカ内の電気配線図を示している。飲料メーカのさらなる拡張ステージが、示されている。飲料メーカは、ここでは、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット1と、およびデータラインfを介して、高い短期の電力要求を有する電気コンシューマと通信するように構成された、制御ユニット9を有する。このプロセスにおいては、これらの構成要素は、制御されることができ、それらの実際の状態が、検出されることができる。グリッド供給が中断されている場合、運用中断の際に、制御ユニット9も、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット1によって給電されることができる。さらに、制御ユニットは、通信ラインhを介して、および無線接続10を介して、インターネット11と通信するのに適している。この通信は、通信ラインh’’(例えば、LAN接続)を介して、直接的に実装されることもできる。外部電源システム7への電線路aを介したデータ接続h’(例えば、電力リンク接続)を用いて、データは、電源システムを介して、インターネットと交換されることもできる。データ接続h’が、電力リンク接続である場合、通信接続は、グリッド側の供給を介してモデル化され、飲料メーカの制御ユニットに情報を供給することができる、それによって理解される。
【0067】
図3は、本発明に従ったさらなる飲料メーカ内の電気配線図を示している。低ないし中の電力要求を有する電気コンシューマ4、4’、4’’、4’’’は、ここでは、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット1に接続され、高い電力要求を有する電気コンシューマ3、3’は、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット2に接続される。エネルギーストア2は、例として、エネルギーストア1によって給電される。好ましい実施形態においては、エネルギーストア2は、電線路b’を介して、適切な充電レギュレータ5’に、また電線路aを介して、外部電源システム7に直接的に接続されることもでき、このケースにおいては、エネルギーストア2の直接充電が、外部電源システム7によって(すなわち、さらなるエネルギーストア2を介したバッファリングなしに)行われることができる。したがって、エネルギーストア1とさらなるエネルギーストア2との間の電気接続cは、必要ではない。エネルギーストア1が、それの内部抵抗のせいで、即座に、非常に高い電流および電力を提供することができない場合、さらなるエネルギーストア2が、必要であることができる。さらなるエネルギーストア2は、複数回存在することができ、または個別のさらなるエネルギーストア2が、コンシューマごとに提供されることすらできる。中または低の電力要求を有する電気コンシューマ4、4’、4’’、4’’’は、エネルギーストア1を介して給電されることができる。ここでは、電気コンシューマ4、4’、4’’、4’’’の機能を制約することなく、蓄電モジュールの容量に応じて、限られた時間の間、マシンを外部電源システム7から切り離すことも可能である。ここでは、(電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニット2に関して)より遅い放電と、より遅い充電のせいで、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット1に関しては、より高い内部抵抗が、受け入れられることができる。
【0068】
図4は、本発明に従ったさらなる飲料メーカ内の電気配線図を示している。電気的に並列に接続された、電気エネルギーのための複数の(ここでは、合計3つの)再充電可能蓄電ユニット1、1、’1’’を含む、飲料メーカが、概略的に示されている。それらは、当然、必要とされる場合は、電気エネルギーのためのさらなる再充電可能蓄電ユニットによって拡張される。これは、例えば、電気エネルギーのための複数のこれらの再充電可能蓄電ユニットが、電気的に並列に接続されているので、行われることができる。飲料メーカは、この目的で、充電レギュレータ5に加えて、さらなる充電レギュレータ5’を含むことができる。インテリジェント制御電子システム12が、ここでは、電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット1、1、’1’’の出力側に提供され、それぞれの電気エネルギーのための再充電可能蓄電ユニット1、1、’1’’を(次々に)接続し、それらの現在の充電状態に応じて、例えば、それらの放電を可能にする。
図1
図2
図3
図4