(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058744
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】傷つき難い表面を有する積層ガラス物品
(51)【国際特許分類】
C03B 17/06 20060101AFI20220405BHJP
C03C 3/095 20060101ALI20220405BHJP
C03C 3/062 20060101ALI20220405BHJP
C03C 3/087 20060101ALI20220405BHJP
C03C 3/12 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
C03B17/06
C03C3/095
C03C3/062
C03C3/087
C03C3/12
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009318
(22)【出願日】2022-01-25
(62)【分割の表示】P 2018229689の分割
【原出願日】2014-06-13
(31)【優先権主張番号】61/835,214
(32)【優先日】2013-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジョン デイネカ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン クリストファー マウロ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】硬質の傷つき難い外側表面を有する積層ガラス物品を提供する。
【解決手段】積層ガラス物品は、ガラスコア層およびガラスクラッド層を有する。前記積層ガラス物品は、2つのガラスクラッド層104a、104bの間に挟持されたガラスコア層102を含む。前記クラッドガラスは、アルミン酸塩ガラスと、オキシナイトライドガラスと、希土類/遷移金属ガラスと、ベリルガラスと、リチウム、ジルコニウム、またはリチウムおよびジルコニウムの両方、を含有するガラスとから成る群から選択される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のガラスクラッド層と第2のガラスクラッド層との間にガラスコア層を配置して備えているガラス物品であって、前記第1のガラスクラッド層および前記第2のガラスクラッド層が、オキシナイトライドガラスと、希土類/遷移金属ガラスと、ベリルガラスと、これらの組合せとから成る群から選択された、クラッドガラスを含むことを特徴とするガラス物品。
【請求項2】
前記クラッドガラスが、
少なくとも約0.1モル%のN、および、
随意的に、少なくとも5モル%の、Li2O、Na2O、またはこれらの組合せ、
を含むことを特徴とする、請求項1記載のガラス物品。
【請求項3】
前記クラッドガラスが、
約1モル%超のY2O3、
約1モル%超のLa2O3、または、
約1モル%超のTa2O5、
のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1記載のガラス物品。
【請求項4】
前記クラッドガラスが、(i)約1モル%超のTiO2、(ii)約1モル%超のZrO2と約5モル%超のLiO2のうちの少なくとも1つ、または(iii)約1モル%超のBeOを含むことを特徴とする、請求項1記載のガラス物品。
【請求項5】
前記コア層がコアガラスを含み、該コアガラスの25℃から300℃の温度範囲に亘って平均化された熱膨張係数が、前記クラッドガラスのものよりも高いことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載のガラス物品。
【請求項6】
第1のガラスクラッド層と第2のガラスクラッド層との間にガラスコア層を配置して備えたガラス物品であって、
前記ガラスコア層は、平均熱膨張係数CTEcoreを有し、
第1のガラスクラッド層および第2のガラスクラッド層は、前記平均熱膨張係数CTEcore未満の平均熱膨張係数CTEcladを有し、
前記第1のガラスクラッド層、および、前記第2のガラスクラッド層は、1モル%超のBeOを含むベリルガラスを含むものであるガラス物品。
【請求項7】
前記第1のガラスクラッド層、および、前記第2のガラスクラッド層は、イオン交換強化されたものである、請求項6記載のガラス物品。
【請求項8】
前記第1のガラスクラッド層、および、前記第2のガラスクラッド層は、圧縮応力を加 えられたものである、請求項6記載のガラス物品。
【請求項9】
前記第1のガラスクラッド層、および、前記第2のガラスクラッド層は、SnO2、As2O3、および、Sb2O3の少なくとも1つを、清澄剤として、更に含むものである、請求項6から8のいずれか1項に記載のガラス物品。
【請求項10】
前記清澄剤は、SnO2を含み、前記第1のガラスクラッド層、および、前記第2のガラスクラッド層は、0モル%超、かつ、0.7モル%以下のSnO2を含むものである、請求項9記載のガラス物品。
【請求項11】
前記ガラスコア層の第1の表面は、前記第1のガラスクラッド層に直接隣接し、該ガラ スコア層の第2の表面は、前記第2のガラスクラッド層に直接隣接するものである、請求 項6から8のいずれか1項に記載のガラス物品。
【請求項12】
前記第1のガラスクラッド層と前記ガラスコア層の間に配置された第1の拡散層、または、前記第2のガラスクラッド層と該ガラスコア層の間に配置された第2の拡散層の少なくとも1つを、更に含み、前記第1の拡散層の平均熱膨張係数は、該ガラスコア層の平均熱膨張係数と該第1のガラスクラッド層の平均熱膨張係数の間であり、前記第2の拡散層 の平均熱膨張係数は、該ガラスコア層の平均熱膨張係数と該第2のガラスクラッド層の平均熱膨張係数の間である、請求項6から8のいずれか1項に記載のガラス物品。
【請求項13】
LCD、LED、OLED、および量子ドットディスプレイ、コンピュータモニタ、サウンドバー、および現金自動預け払い機(ATM)を含む、消費者向けまたは市販の電子機器におけるカバーガラスまたはガラス背面板用途、携帯電話、個人用メディアプレイヤ、およびタブレットコンピュータを含む携帯型電子機器用のタッチスクリーンまたはタッチセンサ用途、半導体ウエハを含む集積回路用途、太陽電池用途、建築用ガラス用途、窓、照明、計器、およびヘルメットバイザーを含む自動車または車両用ガラス用途、市販のまたは家庭用器具用途、照明または標識用途、鉄道および航空宇宙用途を含む輸送機関用途、若しくは、抗菌用途への請求項1から12のいずれか1項に記載のガラス物品の使用。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載のガラス物品を含む電子装置、建築用ガラス、自動車用はめ込みガラス、車両用ガラス部材、または、器具。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が引用されその全体が参照することにより本書に組み込まれる、2013年6月14日に出願された米国仮特許出願第61/835214号の優先権の利益を米国特許法第119条の下で主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、一般に積層ガラス物品に関し、より具体的には、硬質の傷つき難い外側表面を有する積層ガラス物品に関する。
【背景技術】
【0003】
例えばカバーガラス、ガラス背面板などのガラス物品が、LCDおよびLEDディスプレイ、コンピュータモニタ、および現金自動預け払い機(ATM)などの、消費者向け電子機器および市販の電子機器に採用されている。こういったガラス物品のいくつかは、ユーザの指および/またはスタイラスデバイスなどの種々の物体でガラス物品に接触することが必要な、「タッチ」機能を含むことがある。従ってこのガラスは、通常の接触に損傷することなく耐え得る十分に頑丈なものでなければならない。さらにこういったガラス物品は、携帯電話、個人用メディアプレイヤ、およびタブレットコンピュータなどの、携帯型電子機器にも組み込まれ得る。これらの機器に組み込まれたガラス物品は、その関連する機器の運搬および/または使用中に損傷を受けやすくなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って電子機器に使用されるガラス物品は、実際の使用による日常的な「タッチ」による接触だけではなく、機器の運搬時に生じ得る偶発的な接触および衝撃にも耐えることができるよう、強度を高めることが必要になり得る。さらにこういったガラス物品は、傷つき難い表面および強度が高まることによって大きな利益を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本書で開示されるのは、硬質の傷つき難い外側表面を有する積層ガラス物品である。いくつかの実施形態において、積層ガラス物品は、ガラスコア層およびガラスクラッド層を有する。いくつかの実施形態において、積層ガラス物品は、2つのガラスクラッド層の間に挟持されたガラスコア層を含む。いくつかの実施形態において、クラッドガラスは、アルミン酸塩ガラスと、オキシナイトライドガラスと、希土類/遷移金属ガラスと、ベリルガラスと、リチウム、ジルコニウム、またはリチウムおよびジルコニウムの両方、を含有するガラスとから成る群から選択される。従ってこれらのガラス組成物を、クラッド層(1以上のクラッド層)の形成に使用することができる。
【0006】
本書で開示される一連の実施形態では、クラッドガラスを、クラッドガラスの熱膨張係数(CTE)よりも高いCTEを有するコアガラスと組み合わせてもよく、このより低い熱膨張係数を有するクラッド層が圧縮応力を生成して全体の強度を高める。本書で開示されるいくつかの実施形態では、積層ガラス物品の一方または両方のクラッド層の外側表面をさらにイオン交換によって、化学強化するおよび/またはより引っ掻き抵抗性にすることもできる。
【0007】
本書で開示される一連の実施形態において、いくつかの実施形態では、クラッドガラス層よりも高いCTEを有するコアガラスをクラッドガラスに組み合わせることなく、積層ガラス物品の一方または両方のクラッド層の外側表面など積層ガラス物品をイオン交換によって化学強化してもよい。
【0008】
ガラス組成物、およびガラス組成物を含むガラス物品の更なる特徴および利点は、以下の詳細な説明の中に明記され、ある程度は、その説明から当業者には容易に明らかになるであろうし、あるいは以下の詳細な説明、請求項、並びに添付の図面を含め、本書で説明される実施形態を実施することにより認識されるであろう。
【0009】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、種々の実施形態を説明したものであること、そして請求される主題の本質および特徴を理解するための概要または構成を提供するよう意図されているものであることを理解されたい。添付の図面は種々の実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれかつその一部を構成する。図面は本書で説明される種々の実施形態を示し、そしてその説明とともに、請求される主題の原理および動作の説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本書で図示および説明される1以上の実施形態による積層ガラス物品の断面を描いた概略図
【
図2】
図1のガラス物品を製造するフュージョンドロープロセスを描いた概略図
【発明を実施するための形態】
【0011】
標準的なフュージョンドロープロセスに適合する高硬度ガラスの入手は困難であるが、積層フュージョンドロープロセスでは、標準的な単一フュージョンでの液相粘度要件が緩和され得ることを我々は見出した。例えばいくつかの実施形態では、クラッド層に対する液相粘度要件をおよそ50キロポアズとすることができ、すなわち標準的な単一フュージョンで必要とされる粘度よりも著しく低い。積層ガラス物品の耐引っ掻き性を高めるために、我々は硬度の高いクラッド層を提供し、従ってこのより低い液相粘度要件で、単一フュージョンで得られ得るガラスよりも硬いガラスの製造を可能にする。またクラッド層は、積層ガラス物品(または積層体、あるいはガラス積層物品)の全質量のほんの一部、さらにはごくわずかな部分に過ぎないものとされ得るため、(例えば他の場合には標準的な単一フュージョンシート全体に亘って分布させる必要がある)原材料に関連するコストを、低減することができる。さらに、硬質(あるいは超硬質)のクラッドガラスを、熱膨張係数がより高いコアガラスと組み合わせると、クラッド層が圧縮応力を発現して全体の強度が高まる。本書で開示されるいくつかの実施形態では、ガラス積層体、例えば一方または両方のクラッド層の外側表面を、イオン交換によって化学強化してもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、クラッドガラスのヤング率は、約85GPa超、約100GPa超、または約110GPa超である。例えば、クラッドガラスのヤング率は、約85GPaから約120GPaの間である。さらにまたは代わりに、クラッドガラスのビッカース微小硬度は、約9GPa超、約10GPa超、または約11GPa超である。
【0013】
いくつかの実施形態において、クラッド層に使用されるガラス組成物は、アルミン酸塩ガラスと、オキシナイトライドガラスと、希土類/遷移金属ガラスと、ベリルガラスと、リチウム、ジルコニウム、またはリチウムおよびジルコニウムの両方、を含有しているガラスと、これらの組合せとから成る群から選択することができる。こういった高硬度のガラスもまた、標準的な単一フュージョンで必要とされる粘度よりも大幅に低い値の液相粘度を一般に有するが、積層フュージョンのクラッド層では条件が緩和されるため、他の場合には不可能なフュージョン成形ガラス物品が可能になることを我々は見出した。市販のイオン交換強化ガラスに比べてガラス硬度が著しく向上し、それにより微小延性の引っ掻き傷に対する耐性を含め、耐引っ掻き性を向上させることができることがわかった。サファイアなどの他の超硬質カバー材料に比べて、開示される積層ガラスは、CTE不整合および/またはイオン交換によって強化することができる。従ってこの積層ガラス物品は、高硬度とある程度のクラッド層における圧縮応力とを兼ね備える。
【0014】
アルミン酸塩ガラス
アルミン酸塩ガラスではAl2O3が主要な網状組織形成体であり、ガラスの安定化にCaOと少量のSiO2が使用される。MgOなどの他の酸化物もガラスの安定化を助けることができる。これらのガラスは、市販のイオン交換強化ガラスに比べてヤング率をおおよそ40%向上させることができる。アルミン酸塩ガラス組成物は典型的には、高価な、または稀な原材料を必要とせず、従って種々の実施形態で有利になり得る。アルミン酸塩ガラスでは、クラッドの形成にアルミナのアイソパイプの使用を必要とし得る。またアルミン酸塩ガラスは特に急勾配の粘度曲線を有し、これが圧密(compaction)を最小にするよう作用する。アルミン酸塩ガラスは一般にイオン交換可能ではなく、より高いCTEのコアガラスと組み合わせることによって強化ガラス積層体を提供する実施形態に適し得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、クラッドガラスは、約25モル%超のAl2O3または約30モル%超のAl2O3を含む。さらにまたは代わりに、クラッドガラスは、約50モル%超のCaO、約55モル%超のCaO、または約60モル%超のCaOを含む。さらにまたは代わりに、クラッドガラスは、約15モル%未満のSiO2または約10モル%未満のSiO2を含む。さらにまたは代わりに、クラッドガラスは、約1モル%超のMgOまたは約3モル%超のMgOを含む。
【0016】
オキシナイトライドガラス
オキシナイトライドガラスでは、いくつかの2配位酸素アニオンが3配位窒素に置き換えられる。各架橋酸素原子は、ガラスの網状組織の2つの堅い拘束(rigid constraint)に寄与し、一方各窒素は4.5の堅い拘束に寄与する。オキシナイトライドガラスを利用する実施形態はきわめて高いヤング率を有し、ガラス内に取り込まれた窒素の量次第で、市販のイオン交換強化ガラスに比べて例えば最大で約150%から200%のヤング率の増加を実現することができる。オキシナイトライドガラスの色は一般に黒色であり、そのためカバーガラスとしては適していない可能性がある。しかしながら、これらを例えば電話または他の機器の裏打ち基板として使用してもよい。オキシナイトライドガラスは白金に適合しないため、このガラスは非白金の送出系で使用され得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、クラッドガラスは少なくとも約0.1モル%のNを含む。さらにまたは代わりに、クラッドガラスは、少なくとも5モル%の、Li2O、Na2O、またはこれらの組合せを含む。
【0018】
希土類/遷移金属ガラス
希土類/遷移金属ガラスは、少なくとも1つの希土類または転移金属を含む。例えば、いくつかの実施形態においてこのガラスは、Y2O3と、Ta2O5と、La2O3と、TiO2と、これらの組合せとから成る群から選択された化合物を含む。特定のガラスの化学的性質次第で、これらのガラスは、市販のイオン交換強化ガラスに比べて最大で約100%のヤング率の増加を提供することができ、増加がより小さいものは一般に、より高い液相粘度を伴う。硬度を増加させる実施形態で特に関心のある酸化物は、Y2O3、Ta2O5、および/またはLa2O3である。オキシナイトライドガラスは、Y2O3含有ガラスなどイオン交換可能なものでもよく、例えばこれらの組成は、その全体が参照することにより本書に組み込まれる「イオン交換可能な遷移金属含有ガラス(Ion Exchangeable Transition Metal-Containing Glasses)」と題された国際公開第2013/181122号に開示されている。
【0019】
いくつかの実施形態において、希土類/遷移金属ガラスはアルカリアルミノケイ酸塩ガラスであり、このアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、少なくとも50モル%のSiO2、Al2O3、遷移金属酸化物と希土類金属酸化物とから成る群から選択された少なくとも1つの金属酸化物、および少なくとも1つのアルカリ金属酸化物R2O、を含み、この少なくとも1つのアルカリ金属酸化物はNa2Oを含み、このときAl2O3(モル%)-Na2O(モル%)≦2モル%であり、さらにアルカリアルミノケイ酸塩ガラスはイオン交換可能である。
【0020】
いくつかの実施形態において、クラッドガラスは、約1モル%超のY2O3、または約3モル%超のY2O3を含む。さらにまたは代わりに、クラッドガラスは、約1モル%超のLa2O3、約9モル%超のLa2O3、または約14モル%超のLa2O3を含む。さらにまたは代わりに、クラッドガラスは、約1モル%超のTa2O5、約10モル%超のTa2O5、約20モル%超のTa2O5、または約28モル%超のTa2O5を含む。さらにまたは代わりに、クラッドガラスは、約1モル%超のTiO2を含む。
【0021】
ベリルガラス
ベリルガラスはベリリウムを含む。例えば、ベリリウム・アルミノケイ酸塩(ベリル)を含む実施形態は、硬度、透明度、曲げ剛性、熱的安定性、耐熱透明性、および低密度に対して大きな利益をもたらす。
【0022】
いくつかの実施形態において、クラッドガラスは約1モル%超のBeOを含む。
【0023】
リチウムおよび/またはジルコニウム含有ガラス
リチウムおよび/またはジルコニウム含有ガラスは、硬度およびヤング率を改善する。例えばいくつかの実施形態において、このガラスは、約20%のヤング率の増加を実現する。このガラスの例は、その全体が参照することにより本書に組み込まれる「情報記憶装置用のダウンドロー可能な化学強化ガラス(Down-Drawable Chemically Strengthened Glass for Information Storage Devices)」と題された2013年5月29日出願の米国特許出願第13/904808号明細書で得ることができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、クラッドガラスは、約1モル%超のZrO2を含む。さらにまたは代わりに、クラッドガラスは、約3モル%超のLiO2、約4モル%超のLiO2、または約5モル%超のLiO2を含む。
【0025】
ここで、低熱膨張係数を有するガラス組成物、およびこれを組み込んだガラス物品の実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、図面を通じて同じまたは同様の部分の参照に同じ参照番号を使用する。ガラス組成物、およびこのガラス組成物を含む積層ガラス物品を、添付の図面を特に参照して本書でさらに説明する。
【0026】
本書で使用される「液相粘度」という用語は、ガラス組成物のその液相温度でのせん断粘度を称する。
【0027】
本書で使用される「液相温度」という用語は、ガラス組成物に失透が起こる最高温度を称する。
【0028】
本書で使用される「CTE」という用語は、約20℃から約300℃までの温度範囲に亘って平均化された、そのガラス組成物の熱膨張係数を称する。
【0029】
本書で説明されるガラス組成物の実施形態において、構成成分(例えば、SiO2、Al2O3、B2O3など)の濃度は、特に指示がない限り酸素基準のモルパーセント(モル%)で規定する。
【0030】
本書でさらに詳細に説明するように、強化された積層ガラス物品は、相対的に低い平均熱膨張係数を有するガラスクラッド層を、相対的に高い平均熱膨張係数を有するガラスコア層に融合させることによって形成され得る。この積層構造が冷えると、ガラスコア層とガラスクラッド層との熱膨張係数の差によって、ガラスクラッド層に圧縮応力が生成される。
【0031】
本書で説明されるガラス組成物は、随意的に1以上の清澄剤を含み得る。清澄剤としては、例えばSnO2、As2O3、Sb2O3、およびこれらの組合せを挙げることができる。清澄剤はガラス組成物内に、約0モル%以上かつ約0.7モル%以下の量で存在し得る。例示的な実施形態において、清澄剤はSnO2である。SnO2はガラス組成物内に、約0モル%以上かつ約0.7モル%以下の濃度で存在し得る。これらの実施形態において、SnO2はガラス組成物内に、約0モル%を超え、かつ約0.7モル%以下の、またはさらには約0.15モル%以下の濃度で存在し得る。
【0032】
低CTEのガラスクラッド層を、より高いCTEのガラスコア層と、積層フュージョンまたはフュージョン積層プロセス中に組み合わせると、ガラスコア層とガラスクラッド層のCTEの差が、ガラスクラッド層に冷却時に圧縮応力の形成をもたらす。従って、本書で説明されるガラス組成物を利用して、強化された積層ガラス物品を形成することができる。
【0033】
さらに、本書で説明されるガラス組成物は、フュージョンダウンドロープロセス(例えば、標準的なフュージョンドロープロセスまたは積層フュージョンドロープロセス)などによる、フュージョン成形に適した液相粘度を有する。
【0034】
ここで
図1を参照すると、本書で説明されるガラス組成物を使用して、
図1に断面が概略的に描かれている積層ガラス物品100などのガラス物品を形成することができる。積層ガラス物品100は、概して、ガラスコア層102と、一対のガラスクラッド層104a、104bとを含む。本書で説明されるガラス組成物は、本書においてより詳細に論じるように、その比較的低い熱膨張係数のため、ガラスクラッド層として使用するのに特に適している。
【0035】
図1では、図示のガラスコア層102が第1の表面103aと、第1の表面103aに対向している第2の表面103bとを含むことを示している。第1のガラスクラッド層104aはガラスコア層102の第1の表面103aに融合され、また第2のガラスクラッド層104bはガラスコア層102の第2の表面103bに融合されている。ガラスクラッド層104a、104bは、接着剤またはコーティング層などの追加の非ガラス材料をガラスコア層102とガラスクラッド層104a、104bとの間に配置せずに、従ってガラス‐ガラスまたはガラス‐ガラス‐ガラス積層構造で、ガラスコア層102に融合される。従って、ガラスコア層の第1の表面は第1のガラスクラッド層に直接隣接し、ガラスコア層の第2の表面は第2のガラスクラッド層に直接隣接する。例えば積層ガラス物品は、互いに直接融合された複数のガラス層を含む、積層ガラス構造(すなわち多層のガラス‐ガラス積層構造)を有する。いくつかの実施形態において、ガラスコア層102およびガラスクラッド層104a、104bは、フュージョン積層プロセス(例えば、積層フュージョンドロー)によって形成される。拡散層(図示なし)を、ガラスコア層102とガラスクラッド層104aとの間に、またはガラスコア層102とガラスクラッド層104bとの間に、あるいはその両方に形成してもよい。この事例では、第1の拡散層の平均クラッド熱膨張係数は、コアの平均クラッド熱膨張係数と第1のクラッド層の平均クラッド熱膨張係数との間の値を有し、あるいは第2の拡散層の平均クラッド熱膨張係数は、コアの平均クラッド熱膨張係数と第2のクラッド層の平均クラッド熱膨張係数との間の値を有する。
【0036】
本書で説明される積層ガラス物品100の実施形態において、ガラスクラッド層104a、104bは、平均クラッド熱膨張係数CTEcladを有する第1のガラス組成物から形成され、またガラスコア層102は、平均コア熱膨張係数CTEcoreを有する第2の異なるガラス組成物から形成されている。CTEcoreはCTEcladよりも大きく、これによりガラスクラッド層104a、104bは、イオン交換または熱的強化されることなく圧縮応力を受けることになる。
【0037】
いくつかの実施形態において、積層ガラス物品100はイオン交換によって化学強化を受ける。本書において「イオン交換」という用語は、ガラスが適切なイオン交換プロセスで強化されることを意味すると理解されたい。説明としてイオン交換プロセスは、例えば、加熱されたガラス物品を、このガラス表面に存在しているイオンよりもイオン半径が大きいイオンを含有しているアルカリ金属塩の加熱溶液で処理して、より小さいイオンをより大きいイオンに置換させるものである。ガラスの網状組織が緩み得る温度よりも低い温度で、より小さいイオンをより大きいイオンに置換させると、応力プロファイルをもたらすイオンの分布がガラスの表面に亘って生み出される。入ってくるイオンの容積がより大きいと、表面に圧縮応力が生じ、ガラスの中心に向かって張力が生じる。
【0038】
本書において開示される組成のいくつかの実施形態によって形成されるガラス物品に対して、3つのタイプのイオン交換、すなわちLi+のNa+への交換、Li+のK+への交換、およびNa+のK+への交換が一般に実行され得る。従って、このようなイオン交換プロセスで使用される塩溶液は、カリウム含有塩、ナトリウム含有塩、またはその両方を含み得る。いくつかの実施形態において、積層ガラス物品は、少なくとも1つのアルカリ酸化物(例えば、Li2Oおよび/またはNa2O)を含み、かつガラス物品のアルカリ酸化物よりも大きい少なくとも1つのアルカリ(例えば、K+および/またはNa+)を含む塩を用いたイオン交換を通じて化学強化される。
【0039】
いくつかの実施形態において、積層ガラス物品は、CTEの不整合およびイオン交換によって強化される。例えばコア層は、25℃から300℃の温度範囲に亘って平均化された熱膨張係数がクラッドガラスよりも低いコアガラスを含み、またガラス物品は、このガラス物品がクラッドで表面圧縮応力を有しかつコアにおいて埋め込まれた応力ピークを有するように(例えば、溶融塩浴内への浸漬によって)化学強化される。
【0040】
特に、本書で説明されるガラス物品100は、参照することにより本書に組み込まれる米国特許第4,214,886号明細書に記載されているプロセスなどの、フュージョン積層プロセスによって形成され得る。例として
図2を参照すると、積層ガラス物品を形成するための積層フュージョンドロー装置200は、下方アイソパイプ204の上方に位置付けられた上方アイソパイプ202を含む。上方アイソパイプ202はトラフ210を含み、このトラフ210内に溶解装置(図示なし)から溶融ガラスクラッド組成物206が供給される。同様に下方アイソパイプ204はトラフ212を含み、このトラフ212内に溶解装置(図示なし)から溶融ガラスコア組成物208が供給される。本書で説明される実施形態において、溶融ガラスコア組成物208の平均コア熱膨張係数CTE
coreは、溶融ガラスクラッド組成物206の平均クラッド熱膨張係数CTE
cladよりも大きい。
【0041】
溶融ガラスコア組成物208は、トラフ212を満たすとトラフ212から溢れ出て、下方アイソパイプ204の外側成形表面216、218上を流れる。下方アイソパイプ204の外側成形表面216、218は、底部220で合流する。従って外側成形表面216、218上を流れている溶融ガラスコア組成物208は下方アイソパイプ204の底部220で再結合し、それにより積層ガラス物品のガラスコア層102を形成する。
【0042】
同時に溶融ガラスクラッド組成物206は、上方アイソパイプ202に形成されたトラフ210から溢れ出て、上方アイソパイプ202の外側成形表面222、224上を流れる。溶融ガラスクラッド組成物206は、溶融ガラスクラッド組成物206が下方アイソパイプ204の周りを流れて、下方アイソパイプの外側成形表面216、218上を流れている溶融ガラスコア組成物208に接触するよう、上方アイソパイプ202によって外側に逸らされ、溶融ガラスコア組成物に融合してガラスコア層102の周りにガラスクラッド層104a、104bを形成する。
【0043】
上記のように、溶融ガラスコア組成物208は一般に、溶融ガラスクラッド組成物206の平均クラッド熱膨張係数CTEcladよりも大きい平均コア熱膨張係数CTEcoreを有する。従って、ガラスコア層102とガラスクラッド層104a、104bとが冷えると、ガラスコア層102とガラスクラッド層104a、104bとの熱膨張係数の差によってガラスクラッド層104a、104b内に圧縮応力が発現する。圧縮応力は得られる積層ガラス物品の強度を増加させる。
【0044】
図1に描かれている積層ガラス物品100を再び参照すると、積層ガラス物品100のガラスクラッド層104a、104bは、比較的低い平均熱膨張係数を有するガラス組成物から形成される。
【0045】
ここで、本書で説明されるガラス組成物は、比較的低い熱膨張係数を有することを理解されたい。従って本書で説明されるガラス組成物は、比較的高い熱膨張係数を有するガラス組成物と併せて使用して、圧縮応力を受けた積層ガラス物品をフュージョン積層プロセスによって形成するのに特に適している。こういったガラス物品は、限定するものではないが、携帯電話、パーソナル音楽プレイヤ、タブレットコンピュータ、LCDおよびLEDディスプレイ、および現金自動預け払い機などを含む、様々な消費者向け電子機器に採用され得る。
【0046】
本書で説明されるガラス組成物の性質(例えば、液相粘度、および液相温度など)により、このガラス組成物がフュージョンダウンドロープロセスまたはフュージョン積層プロセスなどのフュージョン成形プロセスでの使用に適したものとなることも理解されたい。
【0047】
さらに本書では、積層ガラス物品のクラッド層としてこのガラス組成物を使用するものを特に参照してきたが、このガラス組成物は、例えば電子機器用のカバーガラスおよび他の類似するガラス物品などのガラス物品(すなわち、非積層ガラス物品)を、単独で形成するためにも使用され得ることを理解されたい。
【0048】
本書で説明されるガラス物品は、例えばLCD、LED、OLED、および量子ドットディスプレイ、コンピュータモニタ、サウンドバー、および現金自動預け払い機(ATM)を含む、消費者向けまたは市販の電子機器におけるカバーガラスまたはガラス背面板用途、また例えば携帯電話、個人用メディアプレイヤ、およびタブレットコンピュータを含む携帯型電子機器用のタッチスクリーンまたはタッチセンサ用途、また例えば半導体ウエハを含む集積回路用途、太陽電池用途、建築用ガラス用途、自動車または車両用の例えば窓、照明、計器、およびヘルメットバイザーを含むガラス用途、市販のまたは家庭用の電化製品用途、照明または標識(例えば、静的または動的な標識)用途、例えばレールおよび航空宇宙用途を含む輸送機関用途、または抗菌用途、などの様々な用途に使用することができる。
【0049】
様々な製品が、本書で説明されるガラス物品を組み込むことができる。いくつかの実施形態において、例えばLCD、LED、OLED、または量子ドットディスプレイなどの電子機器(例えば、消費者向けまたは市販の電子機器)は1以上のガラス物品を含み、これはカバーガラスまたはガラス背面板として配置され得る。いくつかの実施形態において、例えば半導体ウエハなどの集積回路は1以上のガラス物品を含む。いくつかの実施形態において、太陽電池セルは1以上のガラス物品を含む。いくつかの実施形態において、建築用ペインは1以上のガラス物品を含む。いくつかの実施形態において、例えば、はめ込みガラスまたは窓、照明、または計器などの車両用部材または部品は、1以上のガラス物品を含む。いくつかの実施形態において、ヘルメットバイザーは1以上のガラス物品を含む。いくつかの実施形態において、電化製品(例えば、家庭用または市販の電化製品)は1以上のガラス物品を含む。いくつかの実施形態において、照明または標識は1以上のガラス物品を含む。
【実施例0050】
種々の実施形態を以下の実施例によってさらに明らかにする。
【0051】
ガラス物品のクラッドガラスとして使用するのに適し得る複数のガラス組成物と、そのガラス組成物の選択された性質とを以下の表1に記載する。
【0052】
【0053】
【0054】
ガラス物品は本書で説明するように形成され、かつ適切なコアガラス組成物(例えば、ソーダ石灰ガラス、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ土類アルミノケイ酸塩ガラス、またはこれらの組合せ)から形成されたコアと、例示的なクラッドガラス組成物(例えば、実施例1から13)から形成されたクラッドとを含む。
【0055】
請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく、本書において説明された実施形態の種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。従って、本書において説明された種々の実施形態の改変および変形が、添付の請求項およびその同等物の範囲内であるならば、本明細書はこのような改変および変形を含むと意図されている。また、これ等の実施の形態は、本開示の精神に含まれるすべての改良、均等物、及び代替物を包含するものであると理解されたい。更に、実施の形態の任意の機構、機能、ステップ、又は要素、及び特許請求の範囲に含まれない機構、機能、ステップ、または要素によって本発明の範囲を規定する反対の限定を請求項に記載又は追加することができる。
【0056】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
[実施形態1]
第1のガラスクラッド層と第2のガラスクラッド層との間にガラスコア層を配置して備えたガラス物品であって、前記第1のガラスクラッド層および前記第2のガラスクラッド層が、アルミン酸塩ガラスと、希土類/遷移金属ガラスと、これらの組合せとから成る群から選択された、クラッドガラスであって、
25モル%超のAl2O3を含み、および
1モル%超のTiO2、
1モル%超のZrO2、または
5モル%超のLiO2を含むクラッドガラスを含むことを特徴とするガラス物品。
[実施形態2]
前記クラッドガラスが、
50モル%超のCaOまたは15モル%未満のSiO2、
を含むことを特徴とする、請求項1記載のガラス物品。
[実施形態3]
前記クラッドガラスが、
1モル%超のY2O3、
1モル%超のLa2O3、または、
1モル%超のTa2O5、
のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1記載のガラス物品。
[実施形態4]
前記コア層がコアガラスを含み、該コアガラスの25℃から300℃の温度範囲に亘って平均化された熱膨張係数が、前記クラッドガラスのものよりも高いことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載のガラス物品。
[実施形態5]
第1のガラスクラッド層と第2のガラスクラッド層との間にガラスコア層を配置して備えたガラス物品であって、
前記ガラスコア層は、平均熱膨張係数CTEcoreを有し、
前記第1のガラスクラッド層および前記第2のガラスクラッド層は、前記平均熱膨張係数CTEcore未満の平均熱膨張係数CTEcladを有し、および
前記第1のガラスクラッド層および前記第2のガラスクラッド層は、
(i)約1モル%超のTiO2、または
(ii)約1モル%超のZrO2、または約5モル%超のLiO2の少なくとも1つを含むガラス物品。
[実施形態6]
前記第1のガラスクラッド層、および、前記第2のガラスクラッド層は、イオン交換強化されたものである、請求項5記載のガラス物品。
[実施形態7]
前記第1のガラスクラッド層、および、前記第2のガラスクラッド層は、圧縮応力を加えられたものである、請求項5記載のガラス物品。
[実施形態8]
前記第1のガラスクラッド層、および、前記第2のガラスクラッド層は、SnO2、As2O3、および、Sb2O3の少なくとも1つを、清澄剤として、更に含むものである、請求項5から7のいずれか1項に記載のガラス物品。
[実施形態9]
前記清澄剤は、SnO2を含み、前記第1のガラスクラッド層、および、前記第2のガラスクラッド層は、0モル%超、かつ、0.7モル%以下のSnO2を含むものである、請求項8記載のガラス物品。
[実施形態10]
前記ガラスコア層の第1の表面は、前記第1のガラスクラッド層に直接隣接し、該ガラスコア層の第2の表面は、前記第2のガラスクラッド層に直接隣接するものである、請求項5から7のいずれか1項に記載のガラス物品。
[実施形態11]
前記第1のガラスクラッド層と前記ガラスコア層の間に配置された第1の拡散層、または、前記第2のガラスクラッド層と該ガラスコア層の間に配置された第2の拡散層の少なくとも1つを、更に含み、前記第1の拡散層の平均熱膨張係数は、該ガラスコア層の平均熱膨張係数と該第1のガラスクラッド層の平均熱膨張係数の間であり、前記第2の拡散層の平均熱膨張係数は、該ガラスコア層の平均熱膨張係数と該第2のガラスクラッド層の平均熱膨張係数の間である、請求項5から7のいずれか1項に記載のガラス物品。
[実施形態12]
LCD、LED、OLED、および量子ドットディスプレイ、コンピュータモニタ、サウンドバー、および現金自動預け払い機(ATM)を含む、消費者向けまたは市販の電子機器におけるカバーガラスまたはガラス背面板用途、携帯電話、個人用メディアプレイヤ、およびタブレットコンピュータを含む携帯型電子機器用のタッチスクリーンまたはタッチセンサ用途、半導体ウエハを含む集積回路用途、太陽電池用途、建築用ガラス用途、窓、照明、計器、およびヘルメットバイザーを含む自動車または車両用ガラス用途、市販のまたは家庭用器具用途、照明または標識用途、鉄道および航空宇宙用途を含む輸送機関用途、若しくは、抗菌用途への請求項1から11のいずれか1項に記載のガラス物品の使用。
[実施形態13]
請求項1から11のいずれか1項に記載のガラス物品を含む電子装置、建築用ガラス、自動車用はめ込みガラス、車両用ガラス部材、または、器具。