(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058760
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて他の端末から信号を受信した端末がフィードバックを送信する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/12 20090101AFI20220405BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20220405BHJP
H04W 28/02 20090101ALI20220405BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220405BHJP
【FI】
H04W72/12
H04W92/18
H04W28/02
H04W72/04 137
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010078
(22)【出願日】2022-01-26
(62)【分割の表示】P 2020502594の分割
【原出願日】2018-07-20
(31)【優先権主張番号】62/535,294
(32)【優先日】2017-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヒュクジン
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ハンビュル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】V2Xにおいて他の端末から信号を受信した端末がフィードバックを送信する方法を提供する。
【解決手段】無線通信システムにおいて端末が他の端末からの信号に対してフィードバックを送信する方法であって、複数の端末が送信した信号を受信する段階と受信した信号の少なくとも一部の信号の各々に関するフィードバック情報を送信する段階と、を含む。フィードバック情報は、フィードバック情報を送信する端末のデータと共に送信され、フィードバックの対象となる一部の信号の各々を送信した端末が自分が送信した信号に対するフィードバックであることを認識できる時間情報を含む。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて、端末(User Equipment:UE)により、他の端末から信号の為のフィードバックを送信する方法であって、
前記端末により、前記他の端末からパケットを受信する段階;及び、
前記端末により、前記他の端末に、前記パケットの為のフィードバック情報を送信する段階;を含んでなり、
前記フィードバック情報は、前記パケットに関するリソースが衝突するか否かの情報を含み、
前記フィードバック情報は、リソースの再選択に関するものである、フィードバック送信方法。
【請求項2】
前記パケットが受信されたリソースから所定のオフセット値後に、前記フィードバック情報が送信されたリソースが配置される、請求項1に記載のフィードバック送信方法。
【請求項3】
前記パケットがサイドリンクCSI(Channel State Information)フィードバックの為の要請に関することに基づいて、前記フィードバック情報が送信されたリソースが遅延バウンド(Latency Bound)内で選択されたものである、請求項1に記載のフィードバック送信方法。
【請求項4】
前記遅延バウンドは、前記他の端末から上位階層信号により受信される、請求項3に記載のフィードバック送信方法。
【請求項5】
無線通信システムにおいて、端末により、他の端末から信号の為のフィードバックを送信する端末(User Equipment:UE)であって、
送信装置及び受信装置;及び
プロセッサ;を備えてなり、
前記プロセッサは、前記他の端末からパケットを受信し、及び、前記パケットの為のフィードバック情報を送信し、
前記フィードバック情報は、前記パケットに関するリソースが衝突するか否かの情報を含み、
前記フィードバック情報は、リソースの再選択に関するものである、端末。
【請求項6】
前記パケットが受信されたリソースから所定のオフセット値後に、前記フィードバック情報が送信されたリソースが配置される、請求項5に記載の端末。
【請求項7】
前記パケットがサイドリンクCSI(Channel State Information)フィードバックの為の要請に関することに基づいて、前記フィードバック情報が送信されたリソースが遅延バウンド(Latency Bound)内で選択されたものである、請求項5に記載の端末。
【請求項8】
前記遅延バウンドは、前記他の端末から上位階層信号により受信される、請求項5に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は無線通信システムに関し、より詳しくは、V2Xにおいて他の端末から信
号を受信した端末がフィードバックを送信する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムが音声やデータなどの多様な種類の通信サービスを提供するために広
範囲に展開されている。一般に、無線通信システムは可用のシステムリソース(帯域幅、
伝送パワーなど)を共有して多重使用者との通信を支援することができる多重接続(mul
tiple access)システムである。多重接続システムの例としては、CDMA(
code division multiple access)システム、FDMA(fr
equency division multiple access)システム、TDMA
(time division multiple access)システム、OFDMA(o
rthogonal frequency division multiple acce
ss)システム、SC-FDMA(single carrier frequency d
ivision multiple access)システム、MC-FDMA(multi
carrier frequency division multiple acces
s)システムなどがある。
【0003】
装置対装置(Device-to-Device;D2D)通信とは、端末(User E
quipment;UE)同士の間に直接的なリンクを設定し、基地局(evolved
NodeB;eNB)を介入せずに端末同士が音声、データなどを直接交換する通信方式
をいう。D2D通信は端末-対-端末(UE-to-UE)通信、ピア-対-ピア(Pee
r-to-Peer)通信などの方式を含むことができる。また、D2D通信方式は、M
2M(Machine-to-Machine)通信、MTC(Machine Type
Communication)などに応用することができる。
【0004】
D2D通信は、急増するデータトラフィックによる基地局の負担を解決できる一方案と
して考慮されている。例えば、D2D通信によれば、既存の無線通信システムと違い、基
地局を介入せずに装置間でデータを交換するので、ネットワークの過負荷を減らすことが
できる。また、D2D通信を導入することによって、基地局の手続きの減少、D2Dに参
加する装置の消費電力の減少、データ伝送速度の増加、ネットワークの収容能力の増加、
負荷分散、セル・カバレッジ拡大などの効果を期待することができる。
【0005】
現在、D2D通信に関連付く形態として、V2X通信に対する議論が行われている。V
2Xは、車両端末間のV2V、車両と他の種類の端末との間のV2P、車両とRSU(r
oadside unit)との間のV2I通信を含む概念である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、端末が複数の信号に対するフィードバック信号を他の端末にどのように送
信するかなどを技術的課題とする。
【0007】
本発明で遂げようとする技術的目的は、以上で言及した事項に制限されず、言及してい
ない他の技術的課題は、以下に説明する本発明の実施例から、本発明の属する技術の分野
における通常の知識を有する者にとって考慮されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例は、無線通信システムにおいて端末が他の端末からの信号に対してフ
ィードバックを送信する方法であって、複数の端末が送信した信号を受信する段階;及び
受信した信号の少なくとも一部の信号の各々に関するフィードバック情報を送信する段階
を含み、フィードバック情報は、フィードバック情報を送信する端末のデータと共に送信
され、フィードバック情報は、フィードバックの対象となる一部の信号の各々を送信した
端末が自分が送信した信号に対するフィードバックであることを認識できる時間情報を含
む、フィードバック情報送信方法である。
【0009】
本発明の一実施例は、無線通信システムにおいて他の端末からの信号に対してフィード
バックを送信するUE装置であって、送信装置及び受信装置;及びプロセッサを含み、該
プロセッサは、複数の端末が送信した信号を受信し、受信した信号の少なくとも一部の信
号の各々に関するフィードバック情報を送信し、フィードバック情報は、フィードバック
情報を送信する端末のデータと共に送信され、フィードバック情報は、フィードバックの
対象となる一部の信号の各々を送信した端末が自分が送信した信号に対するフィードバッ
クであることを認識できる時間情報を含む、UE装置である。
【0010】
時間情報は、フィードバック情報が送信される時間単位からどのくらい早い時間単位で
送信された信号に関するものであるかを指示する。
【0011】
フィードバック情報が送信される時間単位は、フィードバックの対象となる信号が送信
された時間単位から最大時間区間内に位置する。
【0012】
最大時間区間はパケットの種類によって各々異なるように設定される。
【0013】
最大時間区間はパケットの遅延要求(Latency requirement)によっ
て異なるように設定される。
【0014】
複数の端末のうちの2つ以上の端末が重畳する時間上で互いに異なるレイヤーにより端
末に信号を送信した場合、フィードバック情報は2つ以上の端末のID関連情報を含む。
【0015】
ID関連情報は2つ以上の端末が送信した信号に含まれる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、V2XにおいてPRRを防止しつつフィードバック信号を効率的に送
信することができる。
【0017】
本発明から得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効
果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確
に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下に添付する図面は、本発明に関する理解を助けるためのものであり、本発明の様々
な実施の形態を示し、詳細な説明と共に本発明の原理を説明するためのものである。
【
図2】下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。
【
図3】下りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【
図4】上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【
図5】多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
【
図6】D2D同期信号が送信されるサブフレームを示す図である。
【
図8】D2D通信のためのD2Dリソースプールの例を示す図である。
【
図9】V2Xに使用される送信モードとスケジューリング方式を説明する図である。
【
図10】
図10はV2Xにおいてリソース選択を行う方式を示す図である。
【
図11】
図11はD2DにおいてSAとデータ送信を説明する図である。
【
図12】V2XにおいてSAとデータ送信を説明する図である。
【
図13】NRATのフレーム構造を例示する図である。
【
図14】NRATのフレーム構造を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構
成要素又は特徴は、別に明示しない限り、選択的なものとして考慮され得る。各構成要素
又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されてもよく、また、一部の構
成要素及び/又は特徴は結合されて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で
説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施
例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に代えてもよい。
【0020】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末間におけるデータ送受信の関係を中心
に説明する。ここで、基地局は、端末と通信を直接行うネットワークの終端ノード(te
rminalnode)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした
特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(uppernode)により行われて
もよい。
【0021】
即ち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成さ
れるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、又は
基地局以外の他のネットワークノードにより行われるということは明らかである。「基地
局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Nod
eB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)など
の用語に代えてもよい。中継機は、Relay Node(RN)、Relay Stati
on(RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(U
ser Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobil
e Subscriber Station)、SS(Subscriber Statio
n)などの用語に代えてもよい。また、以下の説明において、「基地局」とは、スケジュ
ーリング実行ノード、クラスターヘッダー(cluster header)などの装置を
指す意味としても使用可能である。もし、基地局やリレーも、端末が送信する信号を送信
すれば、一種の端末と見なすことができる。
【0022】
以下に記述されるセルの名称は、基地局(basestation、eNB)、セクタ(
sector)、リモートラジオヘッド(remoteradiohead,RRH)、リ
レー(relay)などの送受信ポイントに適用され、また、特定送受信ポイントで構成搬
送波(component carrier)を区分するための包括的な用語で使われても
よい。
【0023】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、こ
れらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更され
てもよい。
【0024】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置
を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すこともで
きる。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する
。
【0025】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE802システム、3GPPシステ
ム、3GPP LTE及びLTE-A(LTE-Advanced)システム、及び3GP
P2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることができる。即ち
、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明していない段階又
は部分は、上記の標準文書でサポートすることができる。なお、本文書で開示している全
ての用語は、上記の標準文書によって説明することができる。
【0026】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access
)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、
TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(O
rthogonal Frequency Division Multiple Acce
ss)、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Divis
ion Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いる
ことができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial R
adio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio techno
logy)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Globa
l System for Mobile communications)/GPRS(Ge
neral Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced D
ata Rates for GSM(登録商標)Evolution)のような無線技術に
よって具現することができる。OFDMAは、IEEE802.11(Wi-Fi)、IE
EE802.16(WiMAX)、IEEE802-20、E-UTRA(Evolved
UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(
Universal Mobile Telecommunications Syste
m)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership P
roject)LTE(long term evolution)は、E-UTRAを用い
るE-UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採
用し、上りリンクでSC-FDMAを採用する。LTE-A(Advanced)は、3G
PP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE802.16e規格(Wireles
sMAN-OFDMA Reference System)及び進展したIEEE802
.16m規格(WirelessMAN-OFDMA Advanced system)に
よって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及び3GP
P LTE-Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない
。
【0027】
LTA/LTA-Aリソース構造/チャネル
【0028】
図1を参照して無線フレームの構造について説明する。
【0029】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンク信号パケット
送信はサブフレーム(subframe)単位に行われ、1サブフレームは、複数のOFD
Mシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Fr
equency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(r
adio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用
可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
【0030】
図1(a)は、タイプ1無線フレームの構造を例示する図である。下りリンク無線フレー
ムは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは時間領域(time dom
ain)において2個のスロットで構成される。1個のサブフレームを送信するためにか
かる時間をTTI(transmission time interval)という。例え
ば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msであってよい
。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複
数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTE/
LTE-Aシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いているため、OFDMシンボル
が1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC-FDMAシンボル又はシンボル区
間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)はリソース割当て単位であり、1スロッ
トにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0031】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の
構成(configuration)によって異なってもよい。CPには、拡張CP(ex
tended CP)及び一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボ
ルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7
個であってよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1OFDMシン
ボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの
場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボ
ルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態
が不安定な場合は、シンボル間干渉をより減らすために、拡張CPを用いることができる
。
【0032】
一般CPが用いられる場合、1スロットは7個のOFDMシンボルを含み、1サブフレ
ームは14個のOFDMシンボルを含む。この時、各サブフレームにおける先頭2個又は
3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink contr
ol channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physic
al downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0033】
図1(b)は、タイプ2無線フレームの構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、
2ハーフフレーム(half frame)で構成される。各ハーフフレームは、5サブフ
レーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Gu
ard Period;GP)、及びUpPTS(Uplink Pilot Time Sl
ot)で構成され、ここで、1サブフレームは2スロットで構成される。DwPTSは、
端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局で
のチャネル推定と端末の上り送信同期を取るために用いられる。保護区間は、上りリンク
及び下りリンク間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除
去するための区間である。一方、無線フレームのタイプにかかわらず、1個のサブフレー
ムは2個のスロットで構成される。
【0034】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブ
フレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更さ
れてもよい。
【0035】
図2は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)
を示す図である。同図で、1下りリンクスロットは時間領域で7個のOFDMシンボルを
含み、1リソースブロック(RB)は周波数領域で12個の副搬送波を含むとしたが、本発
明はこれに制限されない。例えば、一般CP(normal-Cyclic Prefix
)では1スロットが7OFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended-CP)で
は1スロットが6OFDMシンボルを含んでもよい。リソースグリッド上のそれぞれの要
素をリソース要素(resource element)と呼ぶ。1リソースブロックは1
2×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの個数
N
DLは、下り送信帯域幅による。上りリンクスロットは下りリンクスロットと同一の構造
を有することができる。
【0036】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で第1のス
ロットにおける先頭部の最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる
制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下りリンク共有チャネル(Phy
sical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てら
れるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下りリンク制御チャ
ネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Contr
ol Format IndicatorChannel;PCFICH)、物理下りリン
ク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;
PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid autom
atic repeat request Indicator Chanel;PHICH
)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サ
ブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含
む。PHICHは、上りリンク送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む
。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Cont
rol Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンク
スケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上りリンク送信電力制御
命令を含む。PDCCHは、下りリンク共有チャネル(DL-SCH)のリソース割り当て
及び送信フォーマット、上りリンク共有チャネル(UL-SCH)のリソース割り当て情報
、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL-SCH上のシステム情報、PD
SCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Respon
se)のような上位層制御メッセージのリソース割り当て、任意の端末グループ内の個別
端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice ov
er IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信され
てもよく、端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは一つ以上の
連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の
組み合わせ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基
づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割り当て単位であ
る。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのために必要なC
CEの個数は、DICのサイズとコーディングレートなどによって変更されてもよい。例
えば、PDCCH送信にはCCEの個数1,2,4,8(それぞれPDCCHフォーマッ
ト0,1,2,3に対応)個のうちいずれか1つが用いられてもよく、DCIのサイズが
大きい場合及び/又はチャネル状態が良くないため低いコーディングレートが必要な場合
、相対的に多い個数のCCEが1個のPDCCH送信のために用いられてもよい。基地局
は、端末に送信されるDCIのサイズ、セル帯域幅、下りリンクアンテナポートの個数、
PHICHリソース量などを考慮してPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回
冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRC
は、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Ne
twork Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマス
クされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell-RNTI(C
-RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページング
メッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indica
tor Identifier;P-RNTI)をCRCにマスクすることができる。PD
CCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであ
れば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI-RNTI)をCRCにマスク
することができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるラン
ダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス-RNTI(RA-RNTI)をCRC
にマスクすることができる。
【0037】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、
周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を
含む物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Chann
el;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理上り
共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSC
H)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとP
USCHを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソー
スブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソース
ブロックは、2スロットに対して互いに異なった副搬送波を占める。これを、PUCCH
に割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数-ホップ(frequen
cy-hopped)するという。
【0038】
参照信号(Reference Signal;RS)
【0039】
無線通信システムにおいてパケットを伝送する時、伝送されるパケットは無線チャネル
を介して伝送されるため、伝送過程で信号の歪みが発生し得る。歪んだ信号を受信側で正
しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号で歪みを補正しなければならない
。チャネル情報を知るために、送信側と受信側の両方で知っている信号を送信し、前記信
号がチャネルを介して受信される時の歪みの程度によってチャネル情報を知る方法を主に
用いる。前記信号をパイロット信号(Pilot Signal)又は参照信号(Refer
ence Signal)という。
【0040】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合には、正しい信号を受信するためには、
各送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネル状況を知らなければならない。従って、
各送信アンテナ別に、より詳細にはアンテナポート(port)別に別途の参照信号が存在
しなければならない。
【0041】
参照信号は、上りリンク参照信号と下りリンク参照信号とに区分することができる。現
在、LTEシステムには上りリンク参照信号として、
【0042】
i)PUSCH及びPUCCHを介して伝送された情報のコヒーレント(coheren
t)な復調のためのチャネル推定のための復調参照信号(DeModulation-Re
ference Signal;DM-RS)、
【0043】
ii)基地局が、ネットワークが異なる周波数での上りリンクのチャネル品質を測定す
るためのサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal
;SRS)がある。
【0044】
一方、下りリンク参照信号としては、
【0045】
i)セル内の全ての端末が共有するセル-特定の参照信号(Cell-specific
Reference Signal;CRS)、
【0046】
ii)特定の端末のみのための端末-特定の参照信号(UE-specific Ref
erence Signal)、
【0047】
iii)PDSCHが伝送される場合、コヒーレントな復調のために伝送されるDM-
RS(DeModulation-Reference Signal)、
【0048】
iv)下りリンクDMRSが伝送される場合、チャネル状態情報(Channel St
ate Information;CSI)を伝達するためのチャネル状態情報参照信号(
Channel State Information- Reference Signa
l;CSI-RS)、
【0049】
v)MBSFN(Multimedia Broadcast Single Frequ
ency Network)モードで送信される信号に対するコヒーレントな復調のために
送信されるMBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)、
【0050】
vi)端末の地理的位置情報を推定するのに使用される位置参照信号(Position
ing Reference Signal)がある。
【0051】
参照信号は、その目的によって2種類に大別することができる。チャネル情報の取得の
ための目的の参照信号、及びデータの復調のために使用される参照信号がある。前者は、
UEが下りリンクへのチャネル情報を取得するのにその目的があるため、広帯域で送信さ
れなければならず、特定のサブフレームで下りリンクデータを受信しない端末であっても
その参照信号を受信しなければならない。また、これは、ハンドオーバーなどの状況でも
用いられる。後者は、基地局が下りリンクデータを送る時、当該リソースに共に送る参照
信号であって、端末は、当該参照信号を受信することによってチャネル測定をして、デー
タを復調することができるようになる。この参照信号は、データが伝送される領域に伝送
されなければならない。
【0052】
多重アンテナ(MIMO)システムのモデリング
【0053】
図5は、多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
【0054】
図5(a)に示したように、送信アンテナの数をNt個、受信アンテナの数をN
R個と増
やすと、送信機又は受信機でのみ多数のアンテナを用いる場合とは異なり、アンテナの数
に比例して理論的なチャネル伝送容量が増加する。従って、伝送レートを向上させ、周波
数効率を画期的に向上させることができる。チャネル伝送容量が増加することによって、
伝送レートは、理論的に、単一のアンテナの利用時の最大伝送レート(Ro)にレート増加
率(Ri)を掛けた分だけ増加し得る。
【0055】
【0056】
例えば、4個の送信アンテナ及び4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムで
は、単一のアンテナシステムに比べて、理論上、4倍の伝送レートを取得することができ
る。多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実
質的なデータ伝送率の向上へと導くための様々な技術が現在まで盛んに研究されている。
また、いくつかの技術は、既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信
の標準に反映されている。
【0057】
現在までの多重アンテナ関連研究動向を見ると、様々なチャネル環境及び多重接続環境
での多重アンテナ通信容量計算などに関連する情報理論面の研究、多重アンテナシステム
の無線チャネル測定及び模型導出の研究、伝送信頼度の向上及び伝送率の向上のための時
空間信号処理技術の研究など、様々な観点で盛んに研究が行われている。
【0058】
多重アンテナシステムでの通信方法を、数学的モデリングを用いてより具体的に説明す
る。前記システムには、Nt個の送信アンテナ及びNt個の受信アンテナが存在すると仮
定する。
【0059】
送信信号を説明すると、Nt個の送信アンテナがある場合、送信可能な最大情報はNT
個である。送信情報は、次のように表現することができる。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
多重アンテナ無線通信システムにおいてチャネルをモデリングする場合、チャネルは、
送受信アンテナインデックスによって区分することができる。送信アンテナjから受信ア
ンテナiを経るチャネルをhijと表示することにする。hijにおいて、インデックスの順
序は受信アンテナインデックスが先で、送信アンテナのインデックスが後であることに留
意されたい。
【0066】
一方、
図5(b)は、NR個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示した図
である。前記チャネルをまとめてベクトル及び行列の形態で表示することができる。
図5
(b)において、総NT個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、次の
ように表すことができる。
【0067】
【0068】
従って、Nt個の送信アンテナからNr個の受信アンテナに到着する全てのチャネルは
、次のように表現することができる。
【0069】
【0070】
【0071】
上述した数式モデリングを通じて、受信信号は、次のように表現することができる。
【0072】
【0073】
一方、チャネル状態を示すチャネル行列Hの行及び列の数は、送受信アンテナの数によ
って決定される。チャネル行列Hにおいて、行の数は受信アンテナの数NRと同一であり
、列の数は送信アンテナの数Ntと同一である。即ち、チャネル行列Hは、行列がNR×
Ntとなる。
【0074】
行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行又は列の個数
のうち最小の個数として定義される。従って、行列のランクは、行又は列の個数よりも大
きくなることはない。チャネル行列Hのランク(rank(H))は、次のように制限され
る。
【0075】
【0076】
ランクの他の定義は、行列を固有値分解(Eigen value decomposi
tion)した時、0ではない固有値の個数として定義することができる。同様に、ラン
クの更に他の定義は、特異値分解(singular value decomposit
ion)した時、0ではない特異値の個数として定義することができる。従って、チャネ
ル行列におけるランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なる情報を送る
ことができる最大数といえる。
【0077】
本文書の説明において、MIMO送信に対する「ランク(Rank)」は、特定の時点及
び特定の周波数リソースで独立して信号を送信できる経路の数を示し、「レイヤ(lay
er)の数」は、各経路を介して送信される信号ストリームの個数を示す。一般的に送信
端は、信号送信に用いられるランク数に対応する個数のレイヤを送信するため、特に言及
がない限り、ランクは、レイヤの個数と同じ意味を有する。
【0078】
D2D端末の同期取得
【0079】
以下では、上述した説明及び既存のLTE/LTE-Aシステムに基づいて、D2D通
信において端末間の同期取得について説明する。OFDMシステムでは、時間/周波数同
期が取られていない場合、セル間干渉(Inter-Cell Interference
)により、OFDM信号において互いに異なる端末間にマルチプレクシングが不可能とな
り得る。同期を取るためにD2D端末が同期信号を直接送受信し、全ての端末が個別的に
同期を取ることは非効率的である。従って、D2Dのような分散ノードシステムでは、特
定のノードが代表同期信号を送信し、残りのUEがこれに同期を取ることができる。言い
換えると、D2D信号送受信のために、一部のノード(この時、ノードは、eNB、UE
、SRN(synchronization reference node又は同期ソー
ス(synchronization source)と呼ぶこともできる)であってもよい
。)がD2D同期信号(D2DSS、D2D Synchronization Signa
l)を送信し、残りの端末がこれに同期を取って信号を送受信する方式を用いることがで
きる。
【0080】
D2D同期信号としては、プライマリ同期信号(PD2DSS(Primary D2D
SS)又はPSSS(Primary Sidelink synchronization
signal))、セカンダリ同期信号(SD2DSS(Secondary D2DSS)
又はSSSS(Secondary Sidelink synchronization
signal))があり得る。PD2DSSは、所定長さのザドフチューシーケンス(Za
doff-chu sequence)又はPSSと類似/変形/反復された構造などであ
ってもよい。また、DL PSSとは異なり、他のザドフチュールートインデックス(例え
ば、26,37)を使用することができる。SD2DSSは、M-シーケンス又はSSS
と類似/変形/反復された構造などであってもよい。もし、端末がeNBから同期を取る
場合、SRNはeNBとなり、D2DSSはPSS/SSSとなる。DLのPSS/SS
Sとは異なり、PD2DSS/SD2DSSはULサブキャリアマッピング方式に従う。
図6には、D2D同期信号が送信されるサブフレームが示されている。PD2DSCH(
Physical D2D synchronization channel)は、D2D
信号送受信の前に端末が最も先に知らなければならない基本となる(システム)情報(例え
ば、D2DSSに関連する情報、デュプレックスモード(Duplex Mode、DM)
、TDD UL/DL構成、リソースプール関連情報、D2DSSに関連するアプリケー
ションの種類、subframe offset、ブロードキャスト情報など)が送信され
る(放送)チャネルであってもよい。PD2DSCHは、D2DSSと同じサブフレーム上
で又は後行するサブフレーム上で送信されてもよい。DMRSは、PD2DSCHの復調
のために使用することができる。
【0081】
SRNは、D2DSS、PD2DSCH(Physical D2D synchron
ization channel)を送信するノードであってもよい。D2DSSは、特定
のシーケンスの形態であってもよく、PD2DSCHは、特定の情報を示すシーケンスで
あるか、又は事前に定められたチャネルコーディングを経た後のコードワードの形態であ
ってもよい。ここで、SRNは、eNB又は特定のD2D端末であってもよい。部分ネッ
トワークカバレッジ(partial network coverage)又はカバレッジ
外(out of network coverage)の場合には、端末がSRNとなり得
る。
【0082】
図7のような状況でカバレッジ外(out of coverage)の端末とのD2D通
信のために、D2DSSはリレーされてもよい。また、D2DSSは、多重ホップを介し
てリレーされてもよい。以下の説明において、同期信号をリレーするということは、直接
基地局の同期信号をAFリレーすることだけでなく、同期信号の受信時点に合わせて別途
のフォーマットのD2D同期信号を送信することも含む概念である。このように、D2D
同期信号がリレーされることによって、カバレッジ内の端末とカバレッジ外の端末とが直
接通信を行うことができる。
【0083】
D2Dリソースプール
【0084】
図8には、D2D通信を行うUE1、UE2、及びこれらが用いるD2Dリソースプー
ルの例が示されている。
図8(a)において、UEは、端末又はD2D通信方式に従って信
号を送受信する基地局などのネットワーク装備を意味する。端末は、一連のリソースの集
合を意味するリソースプール内で特定のリソースに該当するリソースユニットを選択し、
当該リソースユニットを用いてD2D信号を送信することができる。受信端末(UE2)は
、UE1が信号を送信できるリソースプールの構成(configured)を受け、当該
プール(pool)内でUE1の信号を検出することができる。ここで、リソースプールは
、UE1が基地局の接続範囲にある場合には、基地局が知らせることができ、基地局の接
続範囲外にある場合には、他の端末が知らせたり、又は事前に定められたリソースで決定
されてもよい。一般に、リソースプールは、複数のリソースユニットで構成され、各端末
は、一つ又は複数のリソースユニットを選定して自身のD2D信号送信に用いることがで
きる。リソースユニットは、
図8(b)に例示した通りであってもよい。
図8(b)を参照す
ると、全体の周波数リソースがNF個に分割され、全体の時間リソースがNT個に分割さ
れて、総NF*NT個のリソースユニットが定義されることがわかる。ここでは、当該リ
ソースプールがNTサブフレームを周期にして繰り返されるといえる。特に、一つのリソ
ースユニットが、図示のように周期的に繰り返して現れてもよい。又は時間や周波数領域
でのダイバーシチ効果を得るために、一つの論理的なリソースユニットがマッピングされ
る物理的リソースユニットのインデックスが、時間によって、事前に定められたパターン
で変化してもよい。このようなリソースユニットの構造において、リソースプールとは、
D2D信号を送信しようとする端末が送信に使用できるリソースユニットの集合を意味し
得る。
【0085】
リソースプールは、様々な種類に細分化することができる。まず、各リソースプールで
送信されるD2D信号のコンテンツ(contents)によって区分することができる。
例えば、D2D信号のコンテンツは区分されてもよく、それぞれに対して別途のリソース
プールが構成されてもよい。D2D信号のコンテンツとして、SA(Schedulin
g assignment;SA)、D2Dデータチャネル、ディスカバリチャネル(Di
scovery channel)があり得る。SAは、送信端末が後行するD2Dデータ
チャネルの送信に使用するリソースの位置、その他のデータチャネルの復調のために必要
なMCS(modulation and coding scheme)やMIMO送信方
式、TA(timing advance)などの情報を含む信号であってもよい。この信
号は、同一のリソースユニット上でD2Dデータと共にマルチプレクスされて送信される
ことも可能であり、この場合、SAリソースプールとは、SAがD2Dデータとマルチプ
レクスされて送信されるリソースのプールを意味する。他の名称として、D2D制御チャ
ネル(control channel)又はPSCCH(physical sideli
nk control channel)と呼ぶこともできる。D2Dデータチャネル(又は
、PSSCH(Physical sidelink shared channel))は、
送信端末がユーザデータを送信するのに使用するリソースのプールであってもよい。同一
のリソースユニット上でD2Dデータと共にSAがマルチプレクスされて送信される場合
、D2Dデータチャネルのためのリソースプールでは、SA情報を除いた形態のD2Dデ
ータチャネルのみが送信され得る。言い換えると、SAリソースプール内の個別リソース
ユニット上でSA情報を送信するのに使用されていたREsを、D2Dデータチャネルリ
ソースプールでは、依然としてD2Dデータを送信するのに使用することができる。ディ
スカバリチャネルは、送信端末が自身のIDなどの情報を送信して、隣接端末が自身を発
見できるようにするメッセージのためのリソースプールであってもよい。
【0086】
D2D信号のコンテンツが同じ場合にも、D2D信号の送受信属性に応じて異なるリソ
ースプールを使用することができる。例えば、同じD2Dデータチャネルやディスカバリ
メッセージであるとしても、D2D信号の送信タイミング決定方式(例えば、同期基準信
号の受信時点で送信されるか、それとも一定のTAを適用して送信されるか)やリソース
割り当て方式(例えば、個別信号の送信リソースをeNBが個別送信UEに指定するか、
それとも個別送信UEがプール内で独自で個別信号送信リソースを選択するか)、信号フ
ォーマット(例えば、各D2D信号が1サブフレームで占めるシンボルの個数や、一つの
D2D信号の送信に使用されるサブフレームの個数)、eNBからの信号の強度、D2D
UEの送信電力の強度などによって、再び互いに異なるリソースプールに区分されてもよ
い。説明の便宜上、D2DコミュニケーションにおいてeNBがD2D送信UEの送信リ
ソースを直接指示する方法をMode1、送信リソース領域が予め設定されていたり、e
NBが送信リソース領域を指定し、UEが送信リソースを直接選択したりする方法をMo
de2と呼ぶことにする。D2D discoveryの場合には、eNBがリソースを
直接指示する場合にはType2、予め設定されたリソース領域又はeNBが指示したリ
ソース領域でUEが送信リソースを直接選択する場合はType1と呼ぶことにする。
【0087】
V2Xでは、集中型スケジューリング(Centralized scheduling
)に基づくサイドリンク送信モード3と、分散型スケジューリング方式のサイドリンク送
信モード4が使用される。
図9にはかかる2つの送信モードによるスケジューリング方式
が示されている。
図9を参照すると、
図9(a)の集中型スケジューリング方式の送信モー
ド3では、車両が基地局にサイドリンクリソースを要請すると(S901a)、基地局がリ
ソースを割り当て(S902a)、そのリソースにより他の車両に送信を行う(S903a)
。集中型送信方式では、他のキャリアのリソースもスケジュールできる。一方、送信モー
ド4に該当する
図9(b)の分散型スケジューリング方式は、車両は基地局から予め設定さ
れた(S901b)リソース、リソースプールをセンシングし、送信に使用するリソースを
選択した後(S902b)、選択したリソースにより他の車両に送信を行う(S903b)。
この時、送信リソースの選択には、
図10に示すように、次のパケットの送信リソースも
予約される方式が使用される。V2XではMAC PDUごとに2回の送信が行われるが
、最初送信のためのリソース選択時、再送信のためのリソースが一定時間間隔を置いて予
約される。これに関しては、3GPP TS 36.213 v14.6.0文書14を参照
して、本発明の従来技術として記載する。
【0088】
SAの送受信
【0089】
サイドリンク送信モード1端末は、基地局によって構成されたリソースでSA(又は、
D2D制御信号、SCI(Sidelink Control Information))
を送信することができる。サイドリンク送信モード2端末は、D2D送信に用いるリソー
スが基地局によって構成される。そして、当該構成されたリソースで時間周波数リソース
を選択してSAを送信することができる。
【0090】
サイドリンク送信モード1又は2において、SA周期は、
図9に示すように定義するこ
とができる。
図9を参照すると、一番目のSA周期は、特定システムフレームから、上位
層シグナリングによって指示された所定オフセット(SAOffsetIndicato
r)だけ離れたサブフレームで開始することができる。各SA周期は、SAリソースプー
ルとD2Dデータ伝送のためのサブフレームプールを含むことができる。SAリソースプ
ールは、SA周期の一番目のサブフレームから、サブフレームビットマップ(saSub
frameBitmap)でSAが送信されると指示されたサブフレームのうち、最後の
サブフレームまでを含むことができる。D2Dデータ伝送のためのリソースプールは、モ
ード1の場合、T-RPT(Time-resource pattern for tra
nsmission又はTRP(Time-resource pattern))が適用さ
れることによって、実際にデータ伝送に用いられるサブフレームが決定され得る。図示の
ように、SAリソースプールを除くSA周期に含まれたサブフレームの個数がT-RPT
ビット個数よりも多い場合、T-RPTを反復して適用することができ、最後に適用され
るT-RPTは、残ったサブフレームの個数だけトランケート(truncate)して適
用することができる。送信端末は、指示したT-RPTにおいてT-RPTビットマップ
が1である位置で送信を行い、1つのMAC PDUは4回ずつ送信をする。
【0091】
V2X、即ち、サイドリンク送信モード3又は4の場合、D2Dとは異なって、SA(
PSCCH)とデータ(PSSCH)がFDM方式で送信される。V2Xでは、車両通信と
いう特性上、遅延を減らすことが重要であるので、SAとデータを同じ時間リソース上の
互いに異なる周波数リソース上でFDM送信する。
図12にかかる送信方式が例示されて
いるが、
図12(a)のようにSAとデータが直接隣接しない方式と、
図12(b)のように
SAとデータが直接隣接する方式のうちの1つが使用される。かかる送信の基本単位はサ
ブチャネルであるが、サブチャネルは所定時間リソース(例えば、サブフレーム)上で周波
数軸上に1つ以上のRBサイズを有するリソース単位である。サブチャネルに含まれたR
Bの数、即ち、サブチャネルのサイズとサブチャネルの周波数軸上の開始位置は上位階層
シグナリングにより指示される。
【0092】
なお、車両間通信では、periodic messageタイプのCAMメッセージ(
Cooperative Awareness Message)、event trigg
ered messageタイプのDENMメッセージ(Decentralized E
nvironmental Notification Message)などが伝送され
る。CAMには、方向及び速度のような車両の動的状態情報、寸法のような車両静的デー
タ、外部照明状態、経路明細などの基本車両情報が含まれている。CAMのサイズは50
~300Byteである。CAMはブロードキャストされ、遅延(latency)は10
0msより大きくてはならない。DENMは車両の故障、事故などの突発状況時に生成さ
れるメッセージである。DENMのサイズは3000Byteより小さく、伝送範囲内に
ある全ての車両がメッセージを受信できる。この時、DENMはCAMより高い優先順位
(priority)を有する。高い優先順位を有するとは、1つのUEの観点では、同時
伝送が発生した場合、優先順位が高いものを優先して伝送することを意味し、又は複数の
メッセージのうち、優先順位が高いメッセージを時間的に優先して伝送するという意味で
もある。また複数のUEの観点では、優先順位が低いメッセージに対する干渉より優先順
位が高いメッセージに対する干渉を少なくして、受信エラーの確率を下げることである。
CAMでもセキュリティオーバーヘッド(security overhead)が含まれ
ていると、そうではない場合より大きいメッセージサイズを有することができる。
【0093】
NR(New RAT(Radio access technology))
【0094】
より多い通信装置がより大きい通信容量を要求することにより、既存の無線接続技術(
radio access technology)に比べて向上したモバイル広帯域通信
が必要性が台頭しつつある。また、複数の機器及びモノを連結していつでもどこでも様々
なサービスを提供する大規模(massive)MTC(Machine Type Com
munications)が次世代通信において考慮される主なイシューの1つである。
また、信頼性(reliability)及び遅延(latency)に敏感なサービス/U
Eを考慮した通信システム設計が論議されている。このように、enhanced mo
bile broadband communication、massive MTC、
URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Commu
nication)などを考慮した次世代無線接続技術の導入が論議されていて、本発明
では、便宜のために、該当技術をNRと称する。
【0095】
図13及び
図14はNRに使用可能なフレーム構造を例示している。
図13を参照する
と、1つのフレーム単位内にDL制御チャネル、DL又はULデータ、UL制御チャネル
などが全て含まれるself-contained構造を特徴としている。この時、DL
制御チャネルではDLデータスケジューリング情報、ULデータスケジューリング情報な
どが送信され、UL制御チャネルではDLデータに対するACK/NACK情報、CSI
情報(変調及びコード体系情報、MIMO送信関連情報など)、スケジューリング要請など
が送信される。制御領域とデータ領域の間にはDL-to-UL又はUL-to-DLス
イッチングのための時間ギャップが存在する。また1つのフレーム内にDL制御/DLデ
ータ/ULデータ/UL制御のうちの一部が構成されないことができる。又は1つのフレ
ームを構成するチャネルごとの順が変わることができる(例えば、DL制御/DLデータ
/UL制御/ULデータ又はUL制御/ULデータ/DL制御/DLデータなど)。
【0096】
一方、既存のセルラーネットワークでは、データを送信する主体(基地局や送信端末)が
直接ACK/NACK、CSI(channel state information)を
フィードバックするサブフレームを制御信号により明示的(explicitly)に指定
するか、又は暗黙的(implicitly)に指示する(データ送信サブフレームとフィ
ードバックサブフレームの間に特定の関係を有する(例えば、サブフレームnでデータを
受信すると、フィードバックはn+4で行う))方法が使用された。この方式はフィードバ
ックを行う端末のデータ送信は全く考慮していないので、フィードバックを行う端末のデ
ータ送信はフィードバックサブフレームとは別個に行われる。
【0097】
しかし、端末がA/N(ACK/NACK)やCSI送信のために新しい送信リソースを
選択する場合、半二重(half duplex)の問題(信号を送信する間に他の信号を受
信できない現象)により、PRR(packet reception ratio)が低下
することができる。周波数帯域が高くなるとアンテナ間隔が狭くなって、自己干渉を除去
する技術などが特に使用されない限り、送受信が同時に行われる場合に干渉などによって
同時送受信が容易ではない。特に、サイドリンクではフィードバックを行いながら追加送
信を行うと、該当サブフレームで送信されるデータを受信できなくなって、データ受信率
が低下する。また同じパケットを少なくとも2回繰り返して送信するV2X通信の場合、
送信に使用するリソースを選択すると、そのリソースを繰り返して使用する特性上、該当
リソースで送信する他の端末の信号を繰り返して受信できなくなり、問題がもっと大きい
。従って、フィードバックとデータ送信の時間リソース(例えば、サブフレーム)を別々に
有するよりは、フィードバックとデータを同時に送信した方が半二重の問題を緩和するた
めに好ましい。即ち、フィードバックを行う時間リソースをフィードバックを行う端末が
自ら選択する必要がある。例えば、フィードバックを行う端末がデータを送信する時点又
は他のパケットに対するフィードバックを行う時点を一致させて、フィードバック送信を
行うことができる。
【0098】
以下では、端末間直接通信(D2D)又はサイドリンク通信でA/NやCSIフィードバ
ックなどのフィードバック動作を行う時、PRR低下を緩和するための方法を提案する。
以下では、端末間通信を前提として説明するが、基地局と端末の間の通信にも同様に適用
できる。以下の説明において、フィードバック情報とは、受信したパケットに対するAC
K/NACK情報、短期又は長期CSI情報、測定情報、リソースの衝突(collis
ion)有無、リソースの変更/再選択有無又は復号失敗確率などの全体又は一部を含む
。
【0099】
実施例
【0100】
端末は、複数の端末が送信した信号を受信し、この受信した信号の少なくとも一部の各
々に対するフィードバック情報を送信する。ここで、フィードバック情報は、該フィード
バック情報を送信する端末のデータと共に送信される。即ち、端末は、後述する遅延要求
又は指示された最大フィードバック遅延によってフィードバックリソースを自ら決定し、
該当時間単位(例えば、サブフレーム又はスロットなど)でフィードバックを行いながら同
時にデータ送信を行う。
【0101】
少なくとも一部の信号の各々は、端末がフィードバックするために決定した信号である
。又は、一部の信号の各々は、受信信号の特定フィールドなどでフィードバックが必要で
あると要請されたものである。
【0102】
フィードバック情報は、フィードバックの対象となる一部の信号の各々を送信した端末
が自分が送信した信号に対するフィードバックであることを認識できる時間情報を含む。
具体的には、時間情報は、フィードバック情報が送信される時間単位よりどのくらい早い
時間単位で送信された信号に対するものであるかを指示する。即ち、フィードバック情報
には、どのサブフレームのデータ受信に対するものであるかを指示する情報、たとえフィ
ードバックが行われるサブフレームからオフセットで表現される情報が含まれる。この方
法は、受信器がフィードバックが行われる時間リソースを決定し、それをフィードバック
情報と共に、どの送信器のどのデータパケットに対するフィードバックであるかを指示す
る方法である。
【0103】
同じ時間単位で2つ以上の端末が信号を送信する場合、どのサブフレームのデータ受信
に対するものであるかを指示する情報のみでは信号送信端末の識別が難しい。従って、複
数の端末のうち、2つ以上の端末が重畳する時間上で互いに異なるレイヤーにより端末に
信号を送信する場合、フィードバック情報は2つ以上の端末のID又はパケットのID(
或いはHARQ Process ID)関連情報を含む。ID関連情報は2つ以上の端末
が送信した信号に含まれる。具体的には、データを送信する端末が制御信号やデータ信号
の一部領域又はCRCマスキングビットに一定のビットフィールドを含めて送信してフィ
ードバックを行う端末は、該ビットフィールドの全体又は一部をフィードバック情報に含
めて送信することができる。このビットフィールドは送信端末のID又はパケットのID
(或いはHARQ Process ID)から誘導されたものである。又はこのビットフィ
ールドの全体又は一部は毎データ送信ごとにランダムに生成される。又はパケットごとに
固有IDがあり、このビットフィールドの全体又は一部は上記パケットIDから誘導され
たものである。さらに他の例として、あるデータ信号の受信に対するフィードバックであ
るかを示すために、データ送信に使用された周波数リソースの情報(たとえ、サブチャネ
ルの開始及び/又は終了インデックス)がフィードバック情報に含まれることができる。
【0104】
このように端末が、受信された複数の信号のうちのいずれかに対するフィードバックを
集めてデータ送信と共に送信することにより、できる限りフィードバック送信を行う動作
を減らしてPRR低下を防止することができる。
【0105】
フィードバック情報が送信される時間単位は、フィードバックの対象となる信号が送信
された時間単位から最大時間遅延区間(遅延要求)内に位置する。即ち、特定の端末はフィ
ードバックを行う時に自分のデータ送信リソースを基準として一定時間内の受信メッセー
ジに対するものに限ってフィードバック信号をデータ信号と共に送信する。
【0106】
送信端末がデータを送信し、サブフレームを基準として一定時間内のサブフレームでの
みフィードバック信号が送信されるように規定することができる。送信端末はフィードバ
ック情報がいつ伝達されるかを知らず、もし長時間経過後にフィードバックが受信される
場合、それは意味のないフィードバック情報であるためである。フィードバック信号が伝
達される最大時間区間(オフセット)のサイズはパケット種類によって異なる。また最大時
間区間はパケットの遅延要求によって異なるか、送信端末が指示するか、又は再送信回数
によって異なるように設定される。
【0107】
パケット種類による遅延要求又は受信されたパケット種類に対する最大フィードバック
遅延は、予め決定されるか、ネットワークにより決定されるか、又は送信端末が物理階層
又は上位階層信号により周りの端末にシグナリングすることができる。パケット種類によ
る遅延要求又は最大フィードバック遅延は、予めネットワークが物理階層又は上位階層信
号により端末にシグナリングすることができる。例えば、パケットタイプ#1は遅延量a
、パケットタイプ#2は遅延量bのように予め定めることができる。ここで、遅延量はフ
ィードバックが伝達される最大時間とも表現でき、送信端末は現在送信するパケットに対
してフィードバック信号が送信される最大時間(最大フィードバック遅延)を物理階層又は
上位階層信号により周りの端末にシグナリングすることができる。例えば、送信パケット
に対してフィードバック信号が伝達される最大時間が制御信号(例えば、PSCCHやM
AC CE)に含まれて送信される。
【0108】
端末がブロードキャストパケットに対するフィードバックを行う場合、複数のブロード
キャストパケットに対してフィードバックを行うことができる。この時、端末は特定のブ
ロードキャストパケットのみについて選択的にフィードバックを行うか、又は特定のブロ
ードキャストパケットに連動するフィードバックリソースのうちの一部を選択してフィー
ドバック及びデータ送信を行うことができる。
【0109】
一方、例外的に、フィードバックを行う端末は自分のデータ送信がなくても特定の時間
リソースを選択してフィードバックを行うことができるが、これは非常に重要であるか又
は緊急なパケットの場合に限って行われる動作である。このために、ある種類のパケット
に対してかかる限定された動作を行うかが予め決定されているか、又はネットワークがか
かる動作が起こるパケット条件について物理階層又は上位階層信号により端末にシグナリ
ングすることができる。例えば、特定パケットの優先順位(priority)以上である
パケットの場合は、受信端末が自分のデータ送信に関係なくフィードバックを行うことが
できる。他の例として、要求される信頼性が一定以上であるパケットに対してフィードバ
ックを行う端末は、一定の要求遅延時間内にフィードバック情報を送信することができる
。さらに他の例として、パケット送信端末がこのパケットに対するフィードバックは必ず
所定時間内に行われることを要請する信号を受信端末にシグナリングし、それを受信した
端末が所定時間内にかかるフィードバック信号の送信を行うことができる。
【0110】
さらに他の例として、フィードバックを行う端末は、データを受信したサブフレームか
ら所定のサブフレームやサブフレームグループのみでデータ送信及びフィードバックを行
うことができる。この時、フィードバックを行う端末が送信リソースを選択するように、
1つのデータ受信サブフレームに複数のフィードバック情報送信サブフレームが連動する
ことができ、フィードバックを行う端末は、連動された複数のサブフレームのうちのいず
れかを選択してフィードバックを行うことができる。この時、フィードバックを行う端末
がどの受信データに対するフィードバックであるかを指示するために、上述した情報のう
ち、全体又は一部がフィードバック信号に含まれて送信される。この方法は、リソース選
択をデータ受信のフィードバックを行うサブフレームに制限する方法である。
【0111】
フィードバックを行う端末は複数のサブフレームでデータ受信を行うことができ、これ
らのうち、どのフィードバックサブフレームでデータ送信を行うかを選択的に決定するこ
とができる。即ち、フィードバック送信は複数のサブフレームで可能であるが、該当端末
が送信するデータが十分ではないこともできるので、これらのうち、一部のサブフレーム
のみで選択的にフィードバック及びデータ送信が行われる。
【0112】
サイドリンク通信において、フィードバックを行うサブフレームは、データ送信サブフ
レームと分離して準-静的に設定される。たとえ、一定時間区間内にn番目のサブフレー
ムはフィードバックサブフレームとして設定し、以前に受信したデータに対するフィード
バックを行うサブフレームとして設定することができる。他の例として、特定のサブフレ
ームの一定OFDMシンボルはフィードバックを行う時間リソース区間として設定される
ことができる。かかるフィードバックサブフレームは一定周期ごとに示され、具体的なサ
ブフレーム位置、周期などはネットワークにより設定されるか又は予め定められる。この
方法は、データ送信が発生するサブフレームとフィードバックサブフレームを分離して始
めからフィードバックを行ってデータ受信率を低下させることを防止する方法である。
【0113】
一方、上述したように、端末が、複数の端末から受信したパケットを特定の時点に一度
に送信する時、それを物理階層信号(例えば、PUCCH)或いは上位階層信号(例えば、
MAC CE又はペイロード形態)により送信することができる。この時、各フィールドの
構成は予め定められるか、又はフィードバックを送信する端末により適応的に設定される
が、例えば、MACヘッダーに各パケットに対するフィードバックがどのビット単位フィ
ールドで構成されるかが指示される。物理階層信号によりフィードバックを行う場合、各
パケットに対するフィールドを構成する方式が予め定められる。各パケットに対するフィ
ールドには端末又はパケットのリソース情報、端末又はパケットのID、ACK/NAC
K有無などが含まれる。
【0114】
上記説明は端末間直接通信のみに制限されず、上りリンク又は下りリンクでも使用でき
、この時、基地局や中継ノードなどが上記提案した方法を使用することができる。
【0115】
上述した提案方式に関する一例も本発明の具現方法の1つとして含まれることができ、
一種の提案方式として見なされることができる。上記提案方式は独立して具現するか、又
は一部提案方式の組み合わせ(又は併合)の形態で具現することができる。上記提案方法の
適用有無に関する情報(又は提案方法の規則に関する情報)は、基地局が端末に予め定義さ
れたシグナル(例えば、物理階層シグナル或いは上位階層シグナル)により知らせるか、又
は送信端末が受信端末にシグナリングするように、或いは受信端末が送信端末に要請する
ように規定することができる。
【0116】
本発明の実施例による装置構成
【0117】
図16は本発明の実施例による送信ポイント装置及び端末装置の構成を示す図である。
【0118】
図16を参照すると、本発明による送信ポイント装置10は、受信装置11、送信装置
12、プロセッサ13、メモリ14及び複数のアンテナ15を含む。複数のアンテナ15
はMIMO送受信を支援する送信ポイント装置を意味する。受信装置11は端末からの上
りリンク上の各種信号、データ及び情報を受信する。送信装置12は端末への下りリンク
上の各種信号、データ及び情報を送信する。プロセッサ13は送信ポイント装置10の全
般の動作を制御する。
【0119】
本発明の一実施例による送信ポイント装置10のプロセッサ13は、上述した実施例に
おいて必要な事項を処理する。
【0120】
送信ポイント装置10のプロセッサ13はさらに、送信ポイント装置10が受信した情
報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を行う。またメモリ14は演算処理され
た情報などを所定時間の間に貯蔵し、バッファー(図示せず)などの構成要素に代替できる
。
【0121】
次いで、
図16を参照すると、本発明による端末装置20は、受信装置21、送信装置
22、プロセッサ23、メモリ24及び複数のアンテナ25を含む。複数のアンテナ25
はMIMO送受信を支援する端末装置を意味する。受信装置21は基地局からの下りリン
ク上の各種信号、データ及び情報を受信する。送信装置22は基地局への上りリンク上の
各種信号、データ及び情報を送信する。プロセッサ23は端末装置20の全般の動作を制
御する。
【0122】
本発明の一実施例による端末装置20のプロセッサ23は、上述した各実施例において
必要な事項を処理する。具体的には、プロセッサは、複数の端末が送信した信号を受信し
、該受信した信号の少なくとも一部の信号の各々に対するフィードバック情報を送信する
。フィードバック情報は、該フィードバック情報を送信する端末のデータと共に送信され
、フィードバックの対象となる一部の信号の各々を送信した端末が自分が送信した信号に
対するフィードバックであることを認識できる時間情報を含む。端末装置20のプロセッ
サ23はさらに、端末装置20が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する
機能を行う。またメモリ24は演算処理された情報などを所定時間の間に貯蔵し、バッフ
ァー(図示せず)などの構成要素に代替できる。
【0123】
このような送信ポイント装置及び端末装置の具体的な構成は、上述した本発明の様々な
実施例に説明した事項が独立して適用されるか、又は2つ以上の実施例が同時に適用され
て具現でき、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
【0124】
また
図16に関する説明において、送信ポイント装置10に関する説明は、下りリンク
送信主体又は上りリンク受信主体としての中継器装置についても同様に適用でき、端末装
置20に関する説明は、下りリンク受信主体又は上りリンク送信主体としての中継器装置
についても同様に適用できる。
【0125】
上述した本発明の実施例は、様々な手段によって具現することができる。例えば、本発
明の実施例は、ハードウェア、ファームウエア(firmware)、ソフトウェア又はそ
れらの結合などによって具現されてもよい。
【0126】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、1つ又はそれ以上のA
SICs(Application Specific Integrated Circu
its)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(
Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Pr
ogrammable Logic Devices)、FPGAs(Field Prog
rammable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコン
トローラ、マイクロプロセッサなどによって具現されてもよい。
【0127】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上
で説明した機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などの形態で具現すること
ができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに格納され、プロセッサによって駆動さ
れてもよい。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の
様々な手段によって前記プロセッサとデータを交換することができる。
【0128】
上述したように開示された本発明の好適な実施例に関する詳細な説明は、当業者が本発
明を具現し、実施できるように提供されている。以上では、本発明の好適な実施例を参照
して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、本発明の領域から逸脱しない
範囲内で本発明を様々に修正及び変更可能であることを理解できるであろう。例えば、当
業者は、上述した実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることがで
きる。したがって、本発明は、ここに開示された実施形態に制限されるものではなく、こ
こに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するためのものである
。
【0129】
本発明は、本発明の精神及び必須の特徴から逸脱しない範囲で、他の特定の形態に具体
化することができる。よって、上記の詳細な説明はいずれの面においても制限的に解釈し
てはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求
項の合理的解釈によって定められなければならず、本発明の等価的範囲内における変更は
いずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限され
るものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付
与するためのものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を
結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新たな請求項として含むことができ
る。
【産業上の利用可能性】
【0130】
上述のような本発明の実施形態は、様々な移動通信システムに適用することができる。