(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058764
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】送信装置、及び送信方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/236 20110101AFI20220405BHJP
【FI】
H04N21/236
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010175
(22)【出願日】2022-01-26
(62)【分割の表示】P 2017092415の分割
【原出願日】2017-05-08
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、総務省、委託研究「地上テレビジョン放送の高度化技術に関する研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和幸
(57)【要約】
【課題】時刻情報を効率的に伝送することができるようにする。
【解決手段】入力データから得られるFECフレームに基づいて、物理層フレームを生成し、物理層フレームを送信する送信装置が、当該物理層フレームの先頭の領域に、その先頭の位置の時刻を示す時刻情報を含めることで、時刻情報を効率的に伝送することができる。本技術は、例えば、所定の放送方式に対応したデータ伝送に適用することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データから得られるFEC(Forward Error Correction)フレームに基づいて、物理層フレームを生成する生成部と、
前記物理層フレームを送信する送信部と
を備え、
前記FECフレームは、TLV(Type Length Value)パケットを含むFECブロックから構成され、
前記物理層フレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームを構成するFECブロックに付加される第1のヘッダに、前記物理層フレームの先頭の位置に応じた時刻を示す時刻情報を含める
送信装置。
【請求項2】
前記時刻情報は、NTP(Network Time Protocol)で規定される時刻の情報である
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記物理層フレームは、変調方式として直交周波数分割多重方式を用いたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームである
請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
前記物理層フレームは、周波数分割多重化方式の放送信号として送信される
請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
入力データから得られるFECフレームに基づいて、物理層フレームを生成し、
前記物理層フレームを送信する
ステップを含み、
前記FECフレームは、TLVパケットを含むFECブロックから構成され、
前記物理層フレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームを構成するFECブロックに付加される第1のヘッダに、前記物理層フレームの先頭の位置に応じた時刻を示す時刻情報を含める
送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、送信装置、及び送信方法に関し、特に、時刻情報を効率的に伝送することができるようにした送信装置、及び送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、地上デジタルテレビ放送の放送方式として、日本等が採用するISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)がある(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、デジタルテレビ放送においては、送信側と受信側とで同期をとるための時刻情報として、NTP(Network Time Protocol)で規定された時刻の情報(NTP時刻情報)を用いることが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ARIB STD-B31 2.2版 一般社団法人 電波産業会
【非特許文献2】ARIB STD-B44 2.1版 一般社団法人 電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、日本では、地上デジタルテレビ放送の次世代化に向けた高度化の検討が行われている。しかしながら、次世代の地上デジタルテレビ放送においては、NTP時刻情報等の時刻情報を伝送する方式が策定されておらず、時刻情報の伝送を効率的に行うための提案が要請されている。
【0006】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、時刻情報を効率的に伝送することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の一側面の送信装置は、入力データから得られるFEC(Forward Error Correction)フレームに基づいて、物理層フレームを生成する生成部と、前記物理層フレームを送信する送信部とを備え、前記物理層フレームの先頭の領域に、その先頭の位置の時刻を示す時刻情報を含める送信装置である。
【0008】
本技術の一側面の送信装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。また、本技術の一側面の送信方法は、上述した本技術の一側面の送信装置に対応する送信方法である。
【0009】
本技術の一側面の送信装置、及び送信方法においては、入力データから得られるFEC(Forward Error Correction)フレームに基づいて、物理層フレームが生成され、前記物理層フレームが送信される。また、前記物理層フレームの先頭の領域には、その先頭の位置の時刻を示す時刻情報が含められる。
【発明の効果】
【0010】
本技術の一側面によれば、時刻情報を効率的に伝送することができる。
【0011】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【
図2】データ処理装置と送信装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】FECブロックの生成に関わるブロックの構成の例を示す図である。
【
図4】FECブロックの生成の流れを説明する図である。
【
図5】ベースバンドフレームサイズが、ロング符号の場合の先頭TLVパケット位置ポインタの最大値を説明する図である。
【
図6】FECブロックに対するK_bchを説明する図である。
【
図7】第1のFECブロックヘッダ方式での時刻情報の送出タイミングの例を示す図である。
【
図8】FECブロックヘッダのフォーマットの例を示す図である。
【
図9】FECブロックヘッダに含まれる時刻情報のシンタックスの例を示す図である。
【
図10】時刻情報を含める場合のFECブロックの生成の流れを説明する図である。
【
図11】第2のFECブロックヘッダ方式での時刻情報の送出タイミングの例を示す図である。
【
図12】FECブロックヘッダのフォーマットの例を示す図である。
【
図13】第1のOFDMフレームヘッダ方式での時刻情報の送出タイミングの例を示す図である。
【
図14】OFDMフレームヘッダのフォーマットの例を示す図である。
【
図15】OFDMフレームヘッダに含まれる時刻情報のシンタックスの例を示す図である。
【
図16】第2のOFDMフレームヘッダ方式での時刻情報の送出タイミングの例を示す図である。
【
図17】OFDMフレームヘッダのフォーマットの例を示す図である。
【
図18】OFDMフレームヘッダに含まれる時刻情報のシンタックスの例を示す図である。
【
図19】送信処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
【0014】
1.システムの構成
2.本技術の概要
3.本技術の詳細な内容
(1)FECブロックヘッダ方式
(1-1)第1のFECブロックヘッダ方式
(1-2)第2のFECブロックヘッダ方式
(2)OFDMフレームヘッダ方式
(2-1)第1のOFDMフレームヘッダ方式
(2-2)第2のOFDMフレームヘッダ方式
4.送信側の動作
5.変形例
6.コンピュータの構成
【0015】
<1.システムの構成>
【0016】
(伝送システムの構成例)
図1は、本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。なお、システムとは、複数の装置が論理的に集合したものをいう。
【0017】
図1において、伝送システム1は、各放送局に関連する施設に設置されるデータ処理装置10-1乃至10-N(Nは1以上の整数)と、送信所に設置される送信装置20と、ユーザが所有する受信装置30-1乃至30-M(Mは1以上の整数)から構成される。
【0018】
また、この伝送システム1において、データ処理装置10-1乃至10-Nと、送信装置20とは、通信回線40-1乃至40-Nを介して、接続されている。なお、通信回線40-1乃至40-Nは、例えば専用線とすることができる。
【0019】
データ処理装置10-1は、放送局Aにより制作された放送番組等のコンテンツを処理し、その結果得られる伝送データを、通信回線40-1を介して送信装置20に送信する。
【0020】
データ処理装置10-2乃至10-Nにおいては、データ処理装置10-1と同様に、放送局Bや放送局Z等の各放送局により制作された放送番組等のコンテンツが処理され、その結果得られる伝送データが、通信回線40-2乃至40-Nを介して、送信装置20に送信される。
【0021】
送信装置20は、通信回線40-1乃至40-Nを介して、放送局側のデータ処理装置10-1乃至10-Nから送信されてくる伝送データを受信する。送信装置20は、データ処理装置10-1乃至10-Nからの伝送データを処理し、その結果得られる放送信号を、送信所に設置された送信用アンテナから送信する。
【0022】
これにより、送信所側の送信装置20からの放送信号は、放送伝送路50を介して、受信装置30-1乃至30-Mに送信される。
【0023】
受信装置30-1乃至30-Mは、テレビ受像機やセットトップボックス(STB:Set Top Box)、録画機、ゲーム機、ネットワークストレージなどの固定受信機、あるいはスマートフォンや携帯電話機、タブレット型コンピュータ等のモバイル受信機である。また、受信装置30-1乃至30-Mは、例えば車載テレビなどの車両に搭載される車載機器や、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)等のウェアラブルコンピュータなどであってもよい。
【0024】
受信装置30-1は、放送伝送路50を介して、送信装置20から送信されてくる放送信号を受信して処理することで、ユーザによる選局操作に応じた放送番組等のコンテンツを再生する。
【0025】
受信装置30-2乃至30-Mにおいては、受信装置30-1と同様に、送信装置20からの放送信号が処理され、ユーザによる選局操作に応じたコンテンツが再生される。
【0026】
なお、伝送システム1において、放送伝送路50は、地上波(地上波放送)であるとして説明するが、地上波に限らず、例えば、放送衛星(BS:Broadcasting Satellite)や通信衛星(CS:Communications Satellite)を利用した衛星放送、あるいは、ケーブルを用いた有線放送(CATV:Common Antenna TeleVision)などであってもよい。
【0027】
また、伝送システム1では、図示していないが、インターネット等の通信回線に対し、各種のサーバが接続されるようにして、通信機能を有する受信装置30-1乃至30-Mが、インターネット等の通信回線を介して、各種のサーバにアクセスして双方向の通信を行うことで、コンテンツやアプリケーション等の各種のデータを受信できるようにしてもよい。
【0028】
なお、以下の説明では、放送局側のデータ処理装置10-1乃至10-Nを、特に区別する必要がない場合には、データ処理装置10と称する。また、受信装置30-1乃至30-Mを、特に区別する必要がない場合には、受信装置30と称する。
【0029】
(送信側の装置の構成)
図2は、
図1のデータ処理装置10と送信装置20の構成例を示すブロック図である。
【0030】
図2において、データ処理装置10は、コンポーネント処理部111、シグナリング生成部112、マルチプレクサ113、及びデータ処理部114から構成される。
【0031】
コンポーネント処理部111は、放送番組等のコンテンツを構成するコンポーネントのデータを処理し、その結果得られるコンポーネントのストリームを、マルチプレクサ113に供給する。ここで、コンポーネントのデータは、例えば、ビデオやオーディオ、字幕等のデータであり、これらのデータに対し、例えば、所定の符号化方式に準拠した符号化処理などの処理が行われる。
【0032】
シグナリング生成部112は、コンテンツの選局や再生等の上位層の処理で用いられるシグナリングを生成し、マルチプレクサ113に供給する。また、シグナリング生成部112は、放送信号の変調や復調等の物理層の処理で用いられるシグナリングを生成し、データ処理部114に供給する。
【0033】
なお、シグナリングは、制御情報とも称される。また、以下の説明では、シグナリングのうち、物理層の処理で用いられるシグナリングを、物理層シグナリング(L1シグナリング)と称する一方で、物理層(Physical Layer)よりも上位の層である上位層(Upper Layer)の処理で用いられるシグナリングを、上位層シグナリングと称して区別する。
【0034】
マルチプレクサ113は、コンポーネント処理部111から供給されるコンポーネントのストリームと、シグナリング生成部112から供給される上位層シグナリングのストリームとを多重化し、その結果得られるストリームを、データ処理部114に供給する。なお、ここでは、時刻情報やアプリケーションなどの他のストリームが多重化されるようにしてもよい。
【0035】
データ処理部114は、マルチプレクサ113から供給されるストリームを処理して、所定の形式のパケット(フレーム)を生成する。また、データ処理部114は、所定の形式のパケットと、シグナリング生成部112からの物理層シグナリングを処理して、伝送データを生成し、通信回線40を介して送信装置20に送信する。
【0036】
図2において、送信装置20は、データ処理部211及び変調部212から構成される。
【0037】
データ処理部211は、通信回線40を介して、データ処理装置10から送信されてくる伝送データを受信して処理し、その結果得られる所定の形式のパケット(フレーム)と、物理層シグナリングの情報を抽出する。
【0038】
データ処理部211は、所定の形式のパケット(フレーム)と、物理層シグナリングの情報を処理することで、所定の放送方式に準拠した物理層のフレーム(物理層フレーム)を生成し、変調部212に供給する。
【0039】
変調部212は、データ処理部211から供給される物理層フレームに対し、必要な処理(例えば変調処理等)を施して、その結果得られる放送信号(RF信号)を、送信所に設置された送信用アンテナから送信する。
【0040】
なお、日本では、地上デジタルテレビ放送の次世代に向けた高度化の検討が開始されているが、ここでは、この次世代の地上デジタルテレビ放送の放送方式(次世代のISDB-T)に準拠した物理層フレームとして、変調方式として直交周波数分割多重方式を用いたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームを生成することができる。
【0041】
また、
図2の構成においては、物理層シグナリングが、データ処理装置10側で生成され、送信装置20に送信されるとして説明したが、物理層シグナリングは、送信装置20側で生成されるようにしてもよい。
【0042】
データ処理装置10と送信装置20は、以上のように構成される。
【0043】
<2.本技術の概要>
【0044】
ところで、次世代の地上デジタルテレビ放送の放送方式(次世代のISDB-T)においては、伝送パケットとして、TLV(Type Length Value)パケットを用いたデータの伝送が検討されている。TLVパケットは、可変長パケットであり、例えば、4~65536バイトのサイズとされる。なお、TLVパケットについては、上記の非特許文献2にも開示されている。
【0045】
また、TLVパケット等の伝送パケットは、FEC(Forward Error Correction)ブロック等の誤り訂正ブロックにカプセル化されて伝送される。
【0046】
(FECブロックの構成)
図3は、FECブロックの生成に関わるブロックの構成の例を示す図である。
【0047】
図3に示すように、送信側で、FECブロックの生成に関わるブロックとしては、TLVパケット生成部151、TSパケット処理部152、FECブロック生成部153、及びFECフレーム生成部154を含む。ただし、TLVパケット生成部151乃至FECフレーム生成部154の各ブロックは、データ処理装置10(のデータ処理部114(
図2))と、送信装置20(のデータ処理部211(
図2))のどちらか一方に含まれる。
【0048】
TLVパケット生成部151は、そこに入力されるIP(Internet Protocol)ストリームを処理してTLVパケットを生成し、FECブロック生成部153に供給する。ここで、TLVパケットには、例えば、IPパケットや制御情報(上位層シグナリング)などが含まれる。また、IPパケットには、UDP(User Datagram Protocol)パケットが含まれる。以下、UDPパケットを含むIPパケットを、UDP/IPパケットとも記述する。
【0049】
TSパケット処理部152は、そこに入力されるTSストリーム(MPEG2-TSストリーム)を処理してTSパケットを生成し、FECブロック生成部153に供給する。このTSストリームに対する処理としては、例えば、同期バイトの削除などの処理が行われる。
【0050】
FECブロック生成部153には、TLVパケット生成部151からのTLVパケット、又はTSパケット処理部152からのTSパケットが供給される。FECブロック生成部153は、TLVパケット又はTSパケットを処理してFECブロックを生成し、FECフレーム生成部154に供給する。
【0051】
ここで、FECブロックは、FECブロックヘッダ(FBH:FEC Block Header)と、データ部から構成される。データ部には、TLVパケット又はTSパケットが配置されるが、ここでは、1又は複数のTLVパケット(の一部又は全部)が配置される場合を説明する。また、TLVパケットは、可変長であるため、あるFECブロックに配置されるTLVパケットが、次のFECブロックにまたがって配置される場合がある。
【0052】
なお、FECブロックのデータ部に配置されるのは、TLVパケットやTSパケット等の入力パケット(伝送パケット)に限らず、例えば、IPストリームやTSストリーム等の入力ストリーム(伝送ストリーム)が配置されるようにしてもよい。
【0053】
FECフレーム生成部154は、FECブロック生成部153から供給されるFECブロックに対し、エネルギ拡散、BCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)符号化やLDPC(Low Density Parity Check)符号化等の処理を施してFECフレームを生成し、後段に供給する。
【0054】
ここで、FECフレームは、1つのFECブロックに対し、BCH符号とLDPC符号のパリティが付加されて構成される。すなわち、可変長のTLVパケットは、固定長のFECブロックにカプセル化された後に、さらに、BCH符号やLDPC符号のパリティが付加されて、固定長のFECフレームに格納される。
【0055】
(FECブロックの生成の流れ)
図4は、FECブロックの生成の流れを説明する図である。なお、
図4において、時間の方向は、図中の左側から右側に向かう方向とされる。
【0056】
FECブロック生成部153(
図3)においては、TLVパケット生成部151(
図3)により生成されたTLVパケットが入力されると(S1)、当該TLVパケットに対して、FECブロックヘッダ(FBH)が付加され、FECブロックが生成される(S2)。なお、図示はしていないが、その後、このようにして得られるFECブロックに対して、エネルギ拡散が行われることになる。
【0057】
ここで、ステップS2のFECブロック生成処理で生成されたFECブロックのうち、先頭のFECブロック#0に注目すれば、当該FECブロック#0には、TLVパケット#0(の全部のデータ)に続いて、TLVパケット#1の一部のデータが配置される。また、その次のFECブロック#1に注目すれば、当該FECブロック#1には、FECブロック#0に一部のデータが配置されたTLVパケット#1の残りのデータに続いて、TLVパケット#2のデータが配置される。
【0058】
すなわち、先頭のFECブロック#0と、それに続くFECブロック#1においては、TLVパケット#1がまたいで配置されている。このとき、FECブロック#1においては、TLVパケット#1(FECブロック#0とFECブロック#1をまたいで配置されるTLVパケット#1)の残りのデータに続いて配置される最初のTLVパケット#2の位置(先頭位置)を確実に通知して、FECブロック内のTLVパケットが、確実に抽出されるようにすることが望ましい。
【0059】
そこで、ここでは、FECブロックにおいて、先頭のTLVパケットの位置を示すポインタ(以下、先頭TLVパケット位置ポインタという)を、当該FECブロックのFECブロックヘッダ(FBH)に配置することで、この先頭TLVパケット位置ポインタによって、先頭のTLVパケットの位置(図中の先頭位置P)を、確実に特定できるようにする。
【0060】
なお、FECブロックのFECブロックヘッダ(FBH)に、先頭TLVパケット位置ポインタを配置しない場合には、受信機側で、受信ミス等の何らかの原因により、同期情報を取得できないときに、TLVパケットを正常に抽出して処理することができなくなって、データが途切れてしまう可能性がある。
【0061】
一方で、
図4に示すように、FECブロックのFECブロックヘッダ(FBH)に、先頭TLVパケット位置ポインタを配置した場合には、受信機側で、FECブロックごとに、先頭TLVパケット位置ポインタによって、先頭のTLVパケットの位置を確実に特定して、常に、TLVパケットを正常に抽出して処理することができるため、データが途切れることを抑制することができる。
【0062】
また、先頭TLVパケット位置ポインタに割り当てられるビット数は、データの構成などに応じて任意の値に設定することができる。例えば、先頭TLVパケット位置ポインタの最大値は、ベースバンドフレームサイズに応じて決定されるため、それに応じて、先頭TLVパケット位置ポインタに割り当てるビット数を決定すればよい。
【0063】
(ロング符号のポインタの最大値)
図5は、ベースバンドフレームサイズが、ロング符号(符号長:276480ビット)の場合の先頭TLVパケット位置ポインタの最大値を説明する図である。
【0064】
図5において、CR(Coding Rate)は、LDPC符号の符号化率を表し、N_ldpcは、LDPC符号ブロック(単位:ビット)を表し、N_bchは、BCH符号ブロック(単位:ビット)を表している。
【0065】
また、
図5において、BCHは、N_bch - K_bch(単位:ビット)を表し、K_bchは、BCH情報ブロック(単位:ビット、バイト)を表し、Num Bitsは、K_bch(B:バイト)に応じて必要となるビット数を表している。なお、
図6に示すように、K_bchは、FECブロック長に相当している。
【0066】
図5に示すように、N_ldpc = 276480ビットとなるロング符号の場合に、LDPC符号の符号化率(CR)が、2/16,3/16となるとき、ビット数(Num Bits)は、13ビットとなり、LDPC符号の符号化率(CR)が、4/16,5/16,6/16,7/16となるとき、ビット数(Num Bits)は、14ビットとなり、8/16,9/16,10/16,11/16,12/16,13/16,14/16となるとき、ビット数(Num Bits)は、15ビットとなる。
【0067】
このように、符号長が276480ビットとなるロング符号の場合においては、CR = 14/16である最大符号化率となるとき、ビット数(Num Bits)は、15ビットとなるので、先頭TLVパケット位置ポインタの最大値は、15ビットとなる。そして、この先頭TLVパケット位置ポインタをFECブロックヘッダに含めることで、可変長のTLVパケットをFECブロックに配置した場合に、先頭のTLVパケットの位置を確実に特定することができる。
【0068】
また、次世代の地上デジタルテレビ放送の放送方式(次世代のISDB-T)においては、時刻情報を伝送する方式が策定されておらず、時刻情報の伝送を効率的に行うための提案が要請されているのは、先に述べた通りである。
【0069】
本技術では、OFDMフレーム等の物理層フレームの先頭の領域に、その先頭の位置の時刻を示す時刻情報を含めることで、時刻情報の伝送が効率的に行われるようにする。以下、本技術の実施の形態として、FECブロックに付加されるFECブロックヘッダを利用したFECブロックヘッダ方式と、OFDMフレームに付加されるOFDMフレームヘッダを利用したOFDMフレームヘッダ方式について説明する。
【0070】
<3.本技術の詳細な内容>
【0071】
(1)FECブロックヘッダ方式
【0072】
FECブロックヘッダを利用して時刻情報を伝送するFECブロックヘッダ方式としては、時刻情報をFECブロックヘッダに含める方式と、時刻情報をTLVパケットに含める方式がある。以下、前者を、第1のFECブロックヘッダ方式と称し、後者を、第2のFECブロックヘッダ方式と称して順に説明する。
【0073】
(1-1)第1のFECブロックヘッダ方式
【0074】
(時刻情報の送出タイミングの例)
図7は、第1のFECブロックヘッダ方式を採用した場合における、時刻情報の送出タイミングの例を示す図である。
【0075】
図7においては、送信側のデータ処理装置10又は送信装置20で処理されるデータが模式的に表されている。また、
図7において、横方向が時間を表しており、その方向は、図中の左側から右側に向かう方向とされる。
【0076】
データ処理装置10は、UDP/IPパケットに対し、必要な処理を施すことで、TLVパケットを生成する。TLVパケットは、可変長パケットであり、例えば、4~65536バイトのサイズとされる。このTLVパケットは、データ処理装置10から送信装置20に送られる。なお、TLVパケットを、図中の「TLV」で表している。
【0077】
送信装置20は、データ処理装置10からのTLVパケットに対し、必要な処理を施すことで、FECブロックを生成する。ここでは、1又は複数のTLVパケットに対し、FECブロックヘッダを付加することで、FECブロックが生成される。
【0078】
次に、送信装置20は、FECブロックに対し、必要な処理を施すことで、FECフレームを生成する。ここでは、FECブロックに対し、BCH符号とLDPC符号を付加することで、FECフレームが生成される。なお、FECブロックヘッダを、図中の「FBH」で表し、BCH符号とLDPC符号を、図中の「BCH」と「LDPC」でそれぞれ表している。
【0079】
次に、送信装置20は、FECフレームに対し、必要な処理を施すことで、OFDMフレームを生成する。ここで、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致している場合には、FECフレーム#0乃至FECフレーム#kのk+1個のFECフレームで、1つのOFDMフレームが構成されるが、
図7においては、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致していないため、次のOFDMフレームにまたがったFECフレーム#0が含まれている。
【0080】
OFDMシンボルを、図中の「Symbol」で表している。Symbol#0乃至Symbol#nのn+1個のOFDMシンボルで、1つのOFDMフレームが構成される。すなわち、このOFDMフレームが、物理層フレームとして、データを伝送する単位となる。
【0081】
ただし、放送信号の多重化の方式として、周波数分割多重化方式(FDM:Frequency Division Multiplexing)を採用した場合、OFDMシンボルは、さらにセグメント単位に分割される。セグメントを、図中の「Seg」で表している。Seg#0乃至Seg#mのm+1個のセグメントで、1つのOFDMシンボルが構成される。
【0082】
なお、現行のISDB-Tにおいては、放送信号の多重化の方式として、周波数分割多重化方式(FDM)が採用されているが、次世代の地上デジタルテレビ放送の放送方式(次世代のISDB-T)においても同様に、周波数分割多重化方式(FDM)が採用されることが想定される。
【0083】
ここで、第1のFECブロックヘッダ方式においては、FECブロックヘッダに時刻情報を含めて、FECブロックに付加することで、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームにおける先頭の領域に、時刻情報が挿入されるようにする。
【0084】
図7においては、1つ目のOFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレーム#0のFECブロックヘッダに対し、時刻情報が挿入されている。
【0085】
この時刻情報としては、例えば、NTP(Network Time Protocol)で規定される時刻の情報が指定され、1つ目のOFDMフレームの先頭の時刻を示している(図中の矢印T1で示した「NTPの基準時刻」)。なお、以下の説明では、NTPで規定される時刻の情報を、NTP時刻情報と称する。
【0086】
ただし、上述したように、1つのOFDMフレームを、複数のFECフレームにより構成する際に、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致している場合と、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致していない場合とがある。
【0087】
OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致している場合には、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームのFECブロックヘッダに対し、NTP時刻情報が挿入されるようにすればよいが、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致していない場合には、NTP時刻情報が挿入されるFECフレームを調整する必要がある。
【0088】
図7において、1つ目のOFDMフレームに注目すれば、当該1つ目のOFDMフレームには、k+1個のFECフレーム(の全部のデータ)に続いて、1つのFECフレーム#0の一部のデータが配置される。また、その次の2つ目のOFDMフレームに注目すれば、当該2つ目のOFDMフレームには、1つ目のOFDMフレームに一部のデータが配置されたFECフレーム#0の残りのデータに続いて、FECフレーム#1以降のFECフレームのデータが配置される。
【0089】
すなわち、1つ目のOFDMフレームと、それに続く2つ目のOFDMフレームにおいては、FECフレーム#0がまたがって配置されている。このような場合には、OFDMフレームにまたがって配置されるFECフレーム#0ではなく、その次に配置されるFECフレーム#1が先頭のFECフレームとなって、NTP時刻情報が挿入されるようにする。つまり、2つ目のOFDMフレームにおいて、先頭のFECフレームとしてのFECフレーム#1のFECフレームヘッダには、NTP時刻情報が含まれ、当該2つ目のOFDMフレームの先頭の時刻を示している(図中の矢印T2で示した「NTPの基準時刻」)。
【0090】
このように、図中の点線の枠に注目すれば、送信装置20では、OFDMフレームの先頭のFECフレームのFECブロックヘッダに、当該OFDMフレームの先頭の時刻を示すNTP時刻情報が挿入されるが、OFDMフレームとFECフレームで境界が一致している場合と、境界が一致していない場合がある。
【0091】
そして、それらのフレームの境界が一致している場合、OFDMフレームの先頭のFECフレームのFECブロックヘッダにNTP時刻情報が挿入されるが、フレームの境界が一致していない場合には、OFDMフレームをまたいだFECフレームの次のFECフレームが先頭のFECフレームとなって、そのFECブロックヘッダに、NTP時刻情報が挿入されることになる。
【0092】
(FECブロックヘッダのフォーマット)
図8は、第1のFECブロックヘッダ方式を採用した場合におけるFECブロックヘッダのフォーマットの例を示す図である。
【0093】
図8Aは、FECブロックヘッダを構成するベースヘッダのフォーマットの例を示している。
図8Aにおいて、2バイトのベースヘッダは、15ビットの先頭TLVパケット位置ポインタと、1ビットの時刻情報フラグから構成される。
【0094】
先頭TLVパケット位置ポインタは、自身が配置されるFECブロックヘッダを含むFECブロックにおいて、先頭のTLVパケットの位置を示すポインタである。ベースヘッダにおいては、この先頭TLVパケット位置ポインタとして、15ビットが確保されているため、
図5に示したロング符号の符号長のポインタとして用いることができる。
【0095】
時刻情報フラグ(Time_info_Flag)は、時刻情報(Time_info)を含む拡張ヘッダが存在するかどうかを示すフラグである。例えば、時刻情報フラグとして、'0'が指定された場合、時刻情報を含む拡張ヘッダがないことを示す。この場合、FECブロックヘッダとしては、2バイトのベースヘッダのみが配置されることになる。
【0096】
一方で、時刻情報フラグとして、'1'が指定された場合には、時刻情報を含む拡張ヘッダがあることを示す。この場合、ベースヘッダの次の所定のバイト(例えば9バイト)が、拡張ヘッダ用のバイトとなって、
図8Bに示すような時刻情報を含む拡張ヘッダが配置される。この時刻情報は、物理層フレーム(例えばOFDMフレーム)における先頭の位置の絶対時刻を表している。
【0097】
(時刻情報のシンタックスの例)
図9は、
図8Bの拡張ヘッダに含まれる時刻情報のシンタックスの例を示す図である。
【0098】
2ビットのleap_indicatorは、うるう秒指示子である。このうるう秒指示子を利用することで、調整実施日の所定の時刻になされる、うるう秒の挿入又は削除に対応することができる。
【0099】
うるう秒は、協定世界時(UTC)において、世界時のUT1との差を調整するために追加もしくは削除される秒である。例えば、NTP(Network Time Protocol)は、協定世界時(UTC)を使って時刻を送受信するものであるため、うるう秒の調整が必要となる。
【0100】
leap_indicatorに続く、6ビットは、将来の予約としてのReservedとされる。
【0101】
64ビットのNTP_transmit_timestampは、NTPで規定される時刻の情報(NTP時刻情報)である。なお、NTPのフォーマットは、IETF(Internet Engineering Task Force)によるRFC(Request for Comments)で規定されている。
【0102】
なお、
図9において、formatとして、uimsbf(unsigned integer most significant bit first)が指定された場合、ビット演算をして、整数として扱われることを意味している。また、bslbf(bit string, left bit first)が指定された場合には、ビット列として扱われることを意味する。これらについては、後述する
図15や
図18においても同様とされる
【0103】
(FECブロックの生成の流れ)
図10には、FECブロックヘッダ(の拡張ヘッダ)に、時刻情報を含める場合のFECブロックの生成の流れを説明する図である。なお、
図10において、時間の方向は、図中の左側から右側に向かう方向とされる。
【0104】
FECブロック生成部153(
図3)には、TLVパケット生成部151(
図3)により生成されたTLVパケットが入力される(S11)。FECブロック生成部153は、入力されたTLVパケットに対して、FECブロックヘッダを付加することで、FECブロックを生成する(S12)。
【0105】
ここで、FECブロックヘッダには、拡張ヘッダを利用して、NTP時刻情報等の時刻情報を含めることができる。この時刻情報は、すべてのFECブロックに対して付加する必要はなく、任意のタイミングで、特定のFECブロックに対し、時刻情報を付加することができる。
【0106】
例えば、
図10においては、ステップS12の処理で順次生成されるFECブロックとして、FECブロック#0とFECブロック#1が図示されているが、先頭のFECブロック#0では、FECブロックヘッダのベースヘッダの時刻情報フラグ(Time_info_Flag)に'1'が指定され、時刻情報を含む拡張ヘッダが配置されている。一方で、FECブロック#1においては、FECブロックヘッダのベースヘッダの時刻情報フラグに'0'が指定され、時刻情報は配置されていない。
【0107】
これにより、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームを構成するFECブロックに付加されるFECブロックヘッダにのみ、NTP時刻情報等の時刻情報を含めることができる。
【0108】
以上、第1のFECブロックヘッダ方式について説明した。この第1のFECブロックヘッダ方式では、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームを構成するFECブロックに付加されるFECブロックヘッダに対し、NTP時刻情報を挿入することで、NTP時刻情報が効率的に伝送されるようにしている。なお、NTP時刻情報は、すべてのOFDMフレームの先頭の領域に含める必要はなく、例えば、数フレームごとに含まれるようにしてもよい。
【0109】
(1-2)第2のFECブロックヘッダ方式
【0110】
(時刻情報の送出タイミングの例)
図11は、第2のFECブロックヘッダ方式を採用した場合における、時刻情報の送出タイミングの例を示す図である。
【0111】
図11においては、
図7と同様に、図中の「TLV」がTLVパケットを表し、図中の「FBH」がFECブロックヘッダを表しており、1又は複数のTLVパケットに対し、FECブロックヘッダを付加することで、FECブロックが生成される。また、図中の「BCH」と「LDPC」がBCH符号とLDPC符号を表しており、FECブロックに対し、BCH符号とLDPC符号を付加することで、FECフレームが生成される。
【0112】
また、
図11においては、
図7と同様に、図中の「Symbol」がOFDMシンボルを表し、図中の「Seg」がセグメントを表しており、m+1個のセグメントで、1つのOFDMシンボルが構成され、n+1個のOFDMシンボルで、1つのOFDMフレームが構成される。
【0113】
ここで、第2のFECブロックヘッダ方式においては、NTP時刻情報を、FECブロックヘッダではなく、TLVパケットに含めることで、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームにおける先頭の領域に、NTP時刻情報が挿入されるようにする。また、先頭のFECフレームのFECブロックヘッダには、先頭のTLVパケットに、NTP時刻情報が含まれることを示すフラグ(後述する
図12の時刻情報フラグ)が含まれる。
【0114】
図11においては、1つ目のOFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレーム#0における先頭のTLVパケット(TLVパケット#0よりも1つ前のTLVパケット)に対し、NTP時刻情報等の時刻情報が挿入されている。NTP時刻情報は、図中の「NTP」で表されている。このNTP時刻情報は、1つ目のOFDMフレームの先頭の時刻を表している(図中の矢印T1で示した「NTPの基準時刻」)。
【0115】
ただし、1つのOFDMフレームを、複数のFECフレームにより構成する際に、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致している場合と、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致していない場合とがあるのは先に述べた通りである。
【0116】
OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致している場合には、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームにおける先頭のTLVパケットに対し、NTP時刻情報が挿入されるようにすればよいが、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致していない場合には、NTP時刻情報が挿入されるTLVパケットを調整する必要がある。
【0117】
図11において、1つ目のOFDMフレームに注目すれば、当該1つ目のOFDMフレームには、k+1個のFECフレーム(の全部のデータ)に続いて、1つのFECフレーム#0の一部のデータが配置される。また、その次の2つ目のOFDMフレームに注目すれば、当該2つ目のOFDMフレームには、1つ目のOFDMフレームに一部のデータが配置されたFECフレーム#0の残りのデータに続いて、FECフレーム#1以降のFECフレームのデータが配置される。
【0118】
すなわち、1つ目のOFDMフレームと、それに続く2つ目のOFDMフレームにおいては、FECフレーム#0がまたがって配置されている。このような場合には、OFDMフレームにまたがって配置されるTLVパケット#Zではなく、その次に配置されるTLVパケット(TLVパケット#0よりも1つ前のTLVパケット)が先頭のTLVパケットとなって、NTP時刻情報が挿入されるようにする。つまり、FECフレーム#0におけるTLVパケット#Zの次のTLVパケット(先頭のTLVパケット)には、NTP時刻情報が含まれ、2つ目のOFDMフレームの先頭の時刻を示している(図中の矢印T2で示した「NTPの基準時刻」)。
【0119】
(FECブロックヘッダのフォーマット)
図12は、第2のFECブロックヘッダ方式を採用した場合におけるFECブロックヘッダのフォーマットの例を示す図である。
【0120】
図12は、FECブロックヘッダを構成するベースヘッダのフォーマットの例を示している。
図12において、2バイトのベースヘッダは、15ビットの先頭TLVパケット位置ポインタと、1ビットの時刻情報フラグから構成される。先頭TLVパケット位置ポインタの意味は、先に述べた通りである。
【0121】
時刻情報フラグは、時刻情報を含むTLVパケットが存在するかどうかを示すフラグである。
【0122】
例えば、時刻情報フラグとして、'0'が指定された場合、OFDMフレームにおいて、FECフレームにおける先頭のTLVパケットには、時刻情報が挿入されていないことを示す。一方で、時刻情報フラグとして、'1'が指定された場合、OFDMフレームにおいて、FECフレームにおける先頭のTLVパケットには、時刻情報が挿入されていることを示す。
【0123】
ただし、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致していない場合には、それらのフレームの境界をまたいだTLVパケットではなく、当該TLVパケットの次のTLVパケットに時刻情報が挿入されていることを示している。
【0124】
以上、第2のFECブロックヘッダ方式について説明した。この第2のFECブロックヘッダ方式では、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームを構成するFECブロックに付加されるFECブロックヘッダに含まれる時刻情報フラグに応じて、先頭のTLVパケットに対し、NTP時刻情報を挿入することで、NTP時刻情報が効率的に伝送されるようにしている。なお、NTP時刻情報は、すべてのOFDMフレームの先頭の領域に含める必要はなく、例えば、数フレームごとに含まれるようにしてもよい。
【0125】
(2)OFDMフレームヘッダ方式
【0126】
OFDMフレームヘッダを利用して時刻情報を伝送するOFDMフレームヘッダ方式としては、時刻情報をOFDMフレームヘッダに含める方式と、時刻情報をTLVパケットに含める方式とがある。以下、前者を、第1のOFDMフレームヘッダ方式と称し、後者を、第2のOFDMフレームヘッダ方式と称して順に説明する。
【0127】
(2-1)第1のOFDMフレームヘッダ方式
【0128】
(時刻情報の送出タイミングの例)
図13は、第1のOFDMフレームヘッダ方式を採用した場合における時刻情報の送出タイミングの例を示す図である。
【0129】
図13においては、
図7及び
図11と同様に、図中の「TLV」がTLVパケットを表し、図中の「FBH」がFECブロックヘッダを表しており、1又は複数のTLVパケットに対し、FECブロックヘッダを付加することで、FECブロックが生成される。また、図中の「BCH」と「LDPC」がBCH符号とLDPC符号を表しており、FECブロックに対し、BCH符号とLDPC符号を付加することで、FECフレームが生成される。
【0130】
また、
図13においては、
図7及び
図11と同様に、図中の「Symbol」がOFDMシンボルを表し、図中の「Seg」がセグメントを表しており、m+1個のセグメントで、1つのOFDMシンボルが構成され、n+1個のOFDMシンボルで、1つのOFDMフレームが構成される。
【0131】
ここで、第1のOFDMフレームヘッダ方式では、OFDMフレームヘッダにNTP時刻情報を含めて、OFDMフレームに付加することで、OFDMフレームの先頭の領域に、NTP時刻情報が挿入されるようにする。このNTP時刻情報は、1つ目のOFDMフレームの先頭の時刻を表している(図中の矢印T1で示した「NTPの基準時刻」)。
【0132】
なお、1つのOFDMフレームを、複数のFECフレームにより構成する際に、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致している場合と、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致していない場合とがあるのは先に述べた通りである。しかしながら、第1のOFDMフレームヘッダ方式では、OFDMフレームのOFDMフレームヘッダにNTP時刻情報を含めるため、それらのフレームの境界の一致、不一致に関係なく、常に、OFDMフレームヘッダに対し、NTP時刻情報を含めることができる。
【0133】
(OFDMフレームヘッダのフォーマット)
図14は、第1のOFDMフレームヘッダ方式を採用した場合におけるOFDMフレームヘッダのフォーマットの例を示す図である。
【0134】
図14において、OFDMフレームヘッダには、所定のビットからなる時刻情報(Time_info)が含まれる。
図15には、
図14のOFDMフレームヘッダに含まれる時刻情報のシンタックスの例を示している。
【0135】
1ビットのTime_Info_Flagは、時刻情報が含まれるかどうかを示すフラグである。
【0136】
例えば、時刻情報フラグとして、'0'が指定された場合、OFDMフレームヘッダには、時刻情報が挿入されていないことを示す。一方で、時刻情報フラグとして、'1'が指定された場合、OFDMフレームヘッダには、時刻情報が挿入されていることを示す。
【0137】
2ビットのleap_indicatorは、うるう秒指示子である。このうるう秒指示子を利用することで、調整実施日の所定の時刻になされる、うるう秒の挿入又は削除に対応することができる。
【0138】
64ビットのNTP_transmit_timestampは、NTP時刻情報である。このNTP時刻情報は、OFDMフレームにおける先頭の位置の絶対時刻を表している。
【0139】
なお、
図15に示したシンタックスにおいては、5ビットのReservedを追加することで、バイトのアライメントがなされるようにしてもよい。
【0140】
以上、第1のOFDMフレームヘッダ方式について説明した。この第1のOFDMフレームヘッダ方式では、OFDMフレームに付加されるOFDMフレームヘッダに対し、NTP時刻情報を挿入することで、NTP時刻情報が効率的に伝送されるようにしている。なお、NTP時刻情報は、すべてのOFDMフレームの先頭の領域に含める必要はなく、例えば、数フレームごとに含まれるようにしてもよい。
【0141】
(2-2)第2のOFDMフレームヘッダ方式
【0142】
(時刻情報の送出タイミングの例)
図16は、第2のOFDMフレームヘッダ方式を採用した場合における時刻情報の送出タイミングの例を示す図である。
【0143】
図16においては、
図7、
図11、及び
図13と同様に、図中の「TLV」がTLVパケットを表し、図中の「FBH」がFECブロックヘッダを表しており、1又は複数のTLVパケットに対し、FECブロックヘッダを付加することで、FECブロックが生成される。また、図中の「BCH」と「LDPC」がBCH符号とLDPC符号を表しており、FECブロックに対し、BCH符号とLDPC符号を付加することで、FECフレームが生成される。
【0144】
また、
図16においては、
図7、
図11、及び
図13と同様に、図中の「Symbol」がOFDMシンボルを表し、図中の「Seg」がセグメントを表しており、m+1個のセグメントで、1つのOFDMシンボルが構成され、n+1個のOFDMシンボルで、1つのOFDMフレームが構成される。
【0145】
ここで、第2のOFDMフレームヘッダ方式では、NTP時刻情報を、OFDMフレームヘッダではなく、TLVパケットに含めることで、OFDMフレームの先頭の領域に、NTP時刻情報が挿入されるようにする。また、OFDMフレームヘッダには、NTP時刻情報が含まれることを示すフラグ(後述する
図18の時刻情報フラグ)が含まれる。
【0146】
図16においては、1つ目のOFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレーム#0における先頭のTLVパケット(TLVパケット#0よりも1つ前のTLVパケット)に対し、NTP時刻情報等の時刻情報が挿入されている。NTP時刻情報は、図中の「NTP」で表されている。このNTP時刻情報は、1つ目のOFDMフレームの先頭の時刻を表している(図中の矢印T1で示した「NTPの基準時刻」)。
【0147】
ただし、1つのOFDMフレームを、複数のFECフレームにより構成する際に、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致している場合と、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致していない場合とがあるのは先に述べた通りである。
【0148】
OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致している場合には、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームにおける先頭のTLVパケットに対し、NTP時刻情報が挿入されるようにすればよいが、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致していない場合には、NTP時刻情報が挿入されるTLVパケットを調整する必要がある。
【0149】
図16においては、
図11と同様に、1つ目のOFDMフレームと、それに続く2つ目のOFDMフレームにおいては、FECフレーム#0がまたがって配置されている。このような場合には、OFDMフレームにまたがって配置されるTLVパケット#Zではなく、その次に配置されるTLVパケット(TLVパケット#0よりも1つ前のTLVパケット)が先頭のTLVパケットとなって、NTP時刻情報が挿入されるようにする。つまり、FECフレーム#0におけるTLVパケット#Zの次のTLVパケット(先頭のTLVパケット)には、NTP時刻情報が含まれ、2つ目のOFDMフレームの先頭の時刻を示している(図中の矢印T2で示した「NTPの基準時刻」)。
【0150】
(OFDMフレームヘッダのフォーマット)
図17は、第2のOFDMフレームヘッダ方式を採用した場合におけるOFDMフレームヘッダのフォーマットの例を示す図である。
【0151】
図17において、OFDMフレームヘッダには、所定のビットからなる時刻情報(Time_Info)が含まれる。
図18には、
図17のOFDMフレームヘッダに含まれる時刻情報のシンタックスの例を示している。
【0152】
1ビットのTime_Info_Flagは、時刻情報が含まれるかどうかを示すフラグである。
【0153】
例えば、時刻情報フラグとして、'0'が指定された場合、OFDMフレームにおいて、先頭のFECフレームにおける先頭のTLVパケットには、時刻情報が挿入されていないことを示す。一方で、時刻情報フラグとして、'1'が指定された場合、OFDMフレームにおいて、先頭のFECフレームにおける先頭のTLVパケットには、時刻情報が挿入されていることを示す。
【0154】
ただし、OFDMフレームとFECフレームとの境界が一致していない場合には、それらのフレームの境界をまたいだTLVパケットではなく、当該TLVパケットの次のTLVパケットに時刻情報が挿入されていることを示している。
【0155】
以上、第2のOFDMフレームヘッダ方式について説明した。この第2のOFDMフレームヘッダ方式では、OFDMフレームに付加されるOFDMフレームヘッダに含まれる時刻情報フラグに応じて、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームを構成するFECブロックにおける先頭のTLVパケットに対し、NTP時刻情報を挿入することで、NTP時刻情報が効率的に伝送されるようにしている。なお、NTP時刻情報は、すべてのOFDMフレームの先頭の領域に含める必要はなく、例えば、数フレームごとに含まれるようにしてもよい。
【0156】
<4.送信側の動作>
【0157】
(送信処理の流れ)
次に、
図19のフローチャートを参照して、送信側の装置で実行される送信処理の流れについて説明する。
【0158】
ステップS101において、FECブロック生成部153は、そこに入力されるTLVパケットを処理することで、FECブロックを生成する。
【0159】
ここで、第1のFECブロックヘッダ方式を採用した場合には、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームにおけるFECブロックに付加されるFECブロックヘッダに、NTP時刻情報が含まれるように、FECブロックが生成される。
【0160】
また、第2のFECブロックヘッダ方式を採用した場合には、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームにおける先頭のTLVパケットに、NTP時刻情報が含まれるように、TLVパケットが処理され、FECブロックが生成される。その際に、当該FECブロックのFECブロックヘッダには、先頭のTLVパケットに、NTP時刻情報が含まれることを示す時刻情報フラグが含まれる。
【0161】
また、第2のOFDMフレームヘッダ方式を採用した場合には、OFDMフレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームにおける先頭のTLVパケットに、NTP時刻情報が含まれるように、TLVパケットが処理され、FECブロックが生成される。
【0162】
ステップS102において、FECフレーム生成部154は、ステップS101の処理で得られるFECブロックを処理することで、FECフレームを生成する。
【0163】
ステップS103において、データ処理部211は、ステップS102の処理で得られるFECフレームを処理することで、OFDMフレームを生成する。
【0164】
ここで、第1のOFDMフレームヘッダ方式を採用した場合には、OFDMフレームに付加されるOFDMフレームヘッダに、NTP時刻情報が含まれるように、OFDMフレームが生成される。
【0165】
また、第2のOFDMフレームヘッダ方式を採用した場合には、OFDMフレームのOFDMフレームヘッダに、先頭のFECフレームにおける先頭のTLVパケットに、NTP時刻情報が含まれることを示す時刻情報フラグが含まれる。
【0166】
ステップS103において、変調部212は、ステップS103の処理で得られるOFDMフレームを処理することで、OFDMフレーム(に応じた放送信号)を送信する。
【0167】
以上、送信処理の流れを説明した。
【0168】
<5.変形例>
【0169】
(他の放送方式への適用)
上述した説明では、デジタルテレビ放送の放送方式として、日本等で採用されている方式であるISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)を中心に説明したが、本技術は、米国等が採用する方式であるATSC(Advanced Television Systems Committee)や、欧州の各国等が採用する方式であるDVB(Digital Video Broadcasting)などに適用するようにしてもよい。
【0170】
また、デジタルテレビ放送の放送方式としては、地上波放送のほか、放送衛星(BS)や通信衛星(CS)等を利用した衛星放送や、ケーブルテレビ(CATV)等の有線放送などの方式にも適用することができる。
【0171】
(パケットやシグナリングの他の例)
また、上述したパケットやフレーム、シグナリング(制御情報)などの名称は、一例であって、他の名称が用いられる場合がある。ただし、これらの名称の違いは、形式的な違いであって、対象のパケットやフレーム、シグナリングなどの実質的な内容が異なるものではない。
【0172】
例えば、TLVパケットは、伝送パケットの一例であって、伝送パケットには、例えば、可変長のパケットであるALP(ATSC Link-Layer Protocol)パケットやGSE(Generic Stream Encapsulation)パケットなどが含まれる。なお、フレームとパケットは同一の意味で用いられる場合がある。
【0173】
(時刻情報の他の例)
上述した説明では、時刻情報として、NTPで規定される時刻の情報(NTP時刻情報)が用いられる場合を説明したが、時刻情報はそれに限らず、例えば、PTP(Precision Time Protocol)や3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定されている時刻の情報や、GPS(Global Positioning System)情報に含まれる時刻の情報、その他独自に決定された形式の時刻の情報等の任意の時刻の情報を用いることができる。
【0174】
また、上述した説明では、NTP時刻情報は、OFDMフレームの先頭の位置の時刻を表しているとして説明したが、NTP時刻情報等の時刻情報が表す時刻は、OFDMフレームの先頭の位置の時刻に限らず、OFDMフレーム等の物理層フレームのストリームにおける所定の位置の絶対時刻を表すようにすることができる。
【0175】
(伝送路の他の例)
また、本技術は、伝送路として、放送伝送路とは異なる伝送路、すなわち、例えば、移動体通信網等の通信伝送路を利用することを想定して規定されている所定の方式(デジタルテレビ放送の放送方式以外の方式)などにも適用することができる。その場合には、伝送システム1(
図1)の伝送路として、移動体通信網等の通信伝送路が利用され、データ処理装置10や送信装置20の機能は、例えば、基地局内の通信機器によって提供される。そして、当該通信機器と、通信機能を有する受信装置30(例えば、モバイル受信機)とが、移動体通信網等の通信伝送路を介して通信を行うことになる。
【0176】
<6.コンピュータの構成>
【0177】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。
図20は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
【0178】
コンピュータ1000において、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。バス1004には、さらに、入出力インターフェース1005が接続されている。入出力インターフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記録部1008、通信部1009、及び、ドライブ1010が接続されている。
【0179】
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1009は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体1011を駆動する。
【0180】
以上のように構成されるコンピュータ1000では、CPU1001が、ROM1002や記録部1008に記録されているプログラムを、入出力インターフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0181】
コンピュータ1000(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0182】
コンピュータ1000では、プログラムは、リムーバブル記録媒体1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インターフェース1005を介して、記録部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記録部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記録部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0183】
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。
【0184】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0185】
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0186】
(1)
入力データから得られるFEC(Forward Error Correction)フレームに基づいて、物理層フレームを生成する生成部と、
前記物理層フレームを送信する送信部と
を備え、
前記物理層フレームの先頭の領域に、その先頭の位置の時刻を示す時刻情報を含める
送信装置。
(2)
前記FECフレームは、TLV(Type Length Value)パケットを含むFECブロックから構成され、
前記時刻情報は、前記物理層フレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームを構成するFECブロックに付加される第1のヘッダに応じて、前記先頭のFECフレームにおける先頭の領域に含まれる
前記(1)に記載の送信装置。
(3)
前記時刻情報は、前記第1のヘッダに含まれる
前記(2)に記載の送信装置。
(4)
前記時刻情報は、前記第1のヘッダに含まれる当該時刻情報の存在の有無を示すフラグに応じて、前記先頭のFECフレームを構成するFECブロックにおける先頭のTLVパケットに含まれる
前記(2)に記載の送信装置。
(5)
前記FECフレームは、TLVパケットを含むFECブロックから構成され、
前記時刻情報は、前記物理層フレームに付加される第2のヘッダに応じて、前記物理層フレームの先頭の領域に含まれる
前記(1)に記載の送信装置。
(6)
前記時刻情報は、前記第2のヘッダに含まれる
前記(5)に記載の送信装置。
(7)
前記時刻情報は、前記第2のヘッダに含まれる当該時刻情報の存在の有無を示すフラグに応じて、前記物理層フレームを構成するFECフレームのうち、先頭のFECフレームを構成するFECブロックにおける先頭のTLVパケットに含まれる
前記(5)に記載の送信装置。
(8)
前記時刻情報は、NTP(Network Time Protocol)で規定される時刻の情報である
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の送信装置。
(9)
前記物理層フレームは、変調方式として直交周波数分割多重方式を用いたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームである
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の送信装置。
(10)
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
入力データから得られるFECフレームに基づいて、物理層フレームを生成し、
前記物理層フレームを送信する
ステップを含み、
前記物理層フレームの先頭の領域に、その先頭の位置の時刻を示す時刻情報を含める
送信方法。
【符号の説明】
【0187】
1 伝送システム, 10,10-1乃至10-N データ処理装置, 20 送信装置, 30,30-1乃至30-M 受信装置, 40,40-1乃至40-N 通信回線, 50 放送伝送路, 111 コンポーネント処理部, 112 シグナリング生成部, 113 マルチプレクサ, 114 データ処理部, 151 TLVパケット生成部, 152 TSパケット処理部, 153 FECブロック生成部, 154 FECフレーム生成部, 211 データ処理部, 212 変調部, 1000 コンピュータ, 1001 CPU