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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022058935
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】プログラム、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220405BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018224
(22)【出願日】2022-02-08
(62)【分割の表示】P 2020162194の分割
【原出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】515162534
【氏名又は名称】株式会社GamingD
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】江尻 勝
(72)【発明者】
【氏名】山崎 正志
(57)【要約】      (修正有)
【課題】映像コンテンツの広告価値を評価することができるプログラム、方法及びシステムを提供する。
【解決手段】プロセッサと、メモリと、を備える映像解析サーバに実行させるためのプログラムであって、プロセッサに、配信元が配信する映像コンテンツに含まれる、クライアントに関する固有の情報を特定するステップと、特定した固有の情報の映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、固有の情報に関する映像コンテンツの広告価値を評価するステップと、を実行させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
配信元が配信する映像コンテンツに含まれる、クライアントに関する固有の情報を特定するステップと、
前記特定した固有の情報の前記映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、前記固有の情報に関する前記映像コンテンツの広告価値を評価するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記固有の情報とは、前記クライアントの商品又は役務を表示する情報、若しくはこれらの広告を表示する情報であって、前記商品又は前記役務の出所表示である、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記露出の態様とは、前記映像コンテンツ自体の視聴時間、および平均同時視聴者数のうちの少なくとも一方を含む、前記映像コンテンツの再生の態様を含む、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記露出の態様とは、前記映像コンテンツにおける前記固有の情報の表示時間、表示サイズ、および表示頻度のうちの少なくともいずれか1つを含む、前記固有の情報の表示の態様を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記露出の態様とは、前記映像コンテンツに表示され、かつ前記固有の情報が付された商品の前記映像コンテンツ内での使用の態様を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記固有の情報を特定するステップでは、前記固有の情報を用いて学習された学習済みモデルに対して、前記映像コンテンツを入力することで、前記固有の情報を特定する請求項1から5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記広告価値を評価するステップでは、
表示回数、表示時間、および平均同時視聴者数のうちの少なくともいずれか1つを含む複数のパラメータを算出することにより、前記固有の情報に関する前記映像コンテンツの広告価値を評価する、請求項1から6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プロセッサに、
算出した前記複数のパラメータそれぞれを表示して、前記映像コンテンツの広告価値の評価結果をクライアントに提示するステップを実行させる、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記評価結果をクライアントに提示するステップでは、
前記映像コンテンツにおいて、前記固有の情報が表示された場面にタイムスタンプを記録する、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記評価結果をクライアントに提示するステップでは、
前記タイムスタンプを指定すると、前記映像コンテンツにおいて前記固有の情報が表示された場面を提示する、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータが実行する方法であって、
前記プロセッサが、
配信元が配信する映像コンテンツに含まれる、クライアントに関する固有の情報を特定するステップと、
前記特定した固有の情報の前記映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、前記固有の情報に関する前記映像コンテンツの広告価値を評価するステップと、を実行する、方法。
【請求項12】
配信元が配信する映像コンテンツに含まれる、クライアントに関する固有の情報を特定する第2手段と、
前記特定した固有の情報の前記映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、前記固有の情報に関する前記映像コンテンツの広告価値を評価する第3手段と、を備えるシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像コンテンツ内における広告の効果を測定するシステムが知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、顧客が広告を視聴した履歴を保存し、商品購入時の情報をもとに、広告の効果を測定するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-299122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、映像コンテンツとして、イベント等を撮影し、配信するものがある。このようなイベント等では、イベント自体にスポンサーがついていたり、プロ選手のようなイベントの参加者が、スポンサーからスポンサードされていたりすることがある。
このようなスポンサーの参加が増えることで、ますますイベントの配信が行われやすくなると考えられる。そのため、スポンサーに対し、広告の効果を可視化できるようにすることが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のプログラムは、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、配信元が配信する映像コンテンツに含まれる、クライアントに関する固有の情報を特定するステップと、特定した固有の情報の映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、固有の情報に関する映像コンテンツの広告価値を評価するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、取得した映像コンテンツに含まれるクライアントに関する固有の情報を特定し、その固有の情報の映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、映像コンテンツの広告価値を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】映像コンテンツの一例を示す図である。
図2】システム1全体の構成を示すブロック図である。
図3】端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図4】映像解析サーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
図5】映像解析サーバ20の記憶部に記憶されているコンテンツ情報データベース、視聴者情報データベース、操作履歴情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図6】映像解析サーバ20の記憶部に記憶されている映像解析情報データベース、固有情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図7】システム1の処理の全体を示す図である。
図8図7における映像コンテンツの解析処理の詳細を示す図である。
図9】映像コンテンツの解析結果を表示する画面の一例を示す図である。
図10図9における符号Gで示す表を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概要>
以下の実施形態では、配信元が配信する映像コンテンツを取得して解析し、映像コンテンツの広告価値を定量的に評価する本発明に係るシステム1について説明する。
映像コンテンツとは、例えば各種のイベントの様子を撮影した映像や、配信元が制作した配信動画を指す。
【0011】
各種のイベントとは、ゲーム大会、スポーツ大会、演奏会、展示会等のような野外又は屋内の会場で開催される催しを指す。また、イベントには、ゲーム大会のように、仮想空間内で行われるイベントも含む。
配信動画とは、視聴者に視聴させることを目的として制作された各種の動画を指す。
このようなイベントの開催、および配信動画の制作は、映像コンテンツに広告をだすことを見返りとしたスポンサーからの資金提供を受けて行われることが一般的である。
本システム1は、このような映像コンテンツにおける広告の価値を評価する。
【0012】
すなわち、この説明において、映像コンテンツの広告価値とは、スポンサー(クライアント)に関する固有の情報(広告を含む)が、どの程度映像コンテンツ中に露出しているのかを定量的に評価して、映像コンテンツが当該固有の情報を視聴者に対して訴求させることができる機能の大きさを意味する。
【0013】
この説明において、クライアントに関する固有の情報とは、クライアントの商品又は役務を表示する情報、若しくはこれらの広告を表示する情報であって、商品又は役務の出所表示である。
このような出所表示の具体例としては、企業名、商品名、役務(サービス)名、商品又は役務に関する商標、当該商標が付された商品、およびこれらの広告を含む。
【0014】
この説明におけるクライアントとは、映像コンテンツ内に広告をだすものを指す。なお、クライアントには、無償で広告を出すものも含まれる。
この説明における視聴者とは、映像コンテンツを視聴するものを指す。
この説明におけるユーザとは、本システム1を使用するものを指す。
【0015】
ここで、映像コンテンツおよび映像コンテンツ内の固有の表示について具体例を挙げて説明する。図1は、映像コンテンツの一例を示す図である。
図1Aに示す映像コンテンツは、ゲーム大会のイベントの様子を撮影した動画である。このイベントにおいて、出演者が使用するPCの裏面に、ロゴRが表示されている。このロゴが、クライアントに関する固有の情報を指す。
【0016】
図1Bに示す映像コンテンツは、講演会のイベントの様子を撮影した動画である。このイベントにおいて、出演者にペットボトルの水が支給されている。このペットボトルには、商品名を示すロゴRが表示されている。このロゴがクライアントに関する固有の情報を指す。
【0017】
また、その他の例として、クライアントからスポンサードされたイベントに参加する選手が、クライアントのロゴが入った衣類等のアイテムを装着していることがある。また、例えばイベントがゲーム大会の場合に、大会で用いるゲームコントローラ等の備品にクライアントのロゴが入っていることがある。このようなクライアントのロゴも、クライアントに関する固有の情報となる。
【0018】
また、イベントに参加する選手のエントリー名にチーム名が含まれており、チーム自体がクライアントによってスポンサードされていることがある。そして、チーム名にクライアントの企業名等の固有の表示が含まれていることがある。
また、大会の名称自体にクライアントの企業名等の固有の表示が含まれていることがある。これらのエントリー名、チーム名、大会名に含まれるクライアントの企業名も、クライアントに関する固有の情報となる。
また、映像コンテンツの表示画面の一部に映し出されるバナー広告として、スポンサーのロゴが表示される場合には、当該ロゴがクライアントに関する固有の情報となる。
【0019】
<システム1の全体構成>
図2は、実施形態におけるシステム1の全体の構成を表している。
【0020】
図2に示すように、システム1は、端末装置10と解析サーバ20と含む。端末装置10および映像解析サーバ20は、ネットワーク80を介して、外部の配信サーバ30と通信接続されている。
配信サーバ30は、映像コンテンツを視聴者が使用する視聴者端末に配信するサーバである。
【0021】
端末装置10は、ユーザが操作する装置である。このシステム1のユーザとは、クライアントに広告提供を進めるために、映像コンテンツの広告価値を評価するものである。なお、端末装置10を視聴者が用いて、映像コンテンツの視聴を行うこともできる。
端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCにより実現される。この他に、端末装置10は、移動体通信システム1に対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などとしてもよい。図1に端末装置10として示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0022】
端末装置10は、LAN(Local Area Network)ケーブルを利用した有線接続、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0023】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0024】
出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。
メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0025】
映像解析サーバ20は、配信サーバ30から配信された映像コンテンツの解析処理に関連する情報を管理する。
映像解析サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0026】
通信IF22は、映像解析サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置13、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置14とのインタフェースとして機能する。
【0027】
メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0028】
本実施形態において、各装置(端末装置、サーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体を1つの「情報処理装置」として把握することができ、システム1を複数の装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るシステム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力および/又はシステム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0029】
<端末装置10の構成>
図3は、端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、端末装置10は、有線接続部111と、有線接続部111に対応する有線通信部121と、アンテナ112と、アンテナ112に対応する無線通信部122と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19と、ディスプレイ130と、マイク140と、スピーカ150と、カメラ160と、を含む。
【0030】
端末装置10は、図3に図示していない機能および構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図3に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0031】
有線接続部111は、端末装置10が発する信号をサーバなどに送信する。また、有線接続部111は、映像解析サーバ20などから受信した受信信号を有線通信部121へ与える。
【0032】
有線通信部121は、端末装置10が他の機器と通信するため、有線接続部111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。有線通信部121は、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。有線通信部121は、端末装置10が送受信する信号の変復調、および周波数変換を行い、受信信号をプロセッサ19へ与える。
【0033】
ディスプレイ130は、プロセッサ19の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ130は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0034】
マイク140は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号をプロセッサ19へ与える。
【0035】
スピーカ150は、プロセッサ19から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0036】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0037】
記憶部16は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。
【0038】
プロセッサ19は、記憶部16に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。
プロセッサ19は、例えばアプリケーションプロセッサである。プロセッサ19は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193としての機能を発揮する。
【0039】
入力操作受付部191は、入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作としては、ユーザが映像コンテンツの解析を指示する操作を含む。
【0040】
送受信部192は、端末装置10が、映像解析サーバ20および配信サーバ30等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0041】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
データ処理部193は、映像解析サーバ20が解析した解析結果をディスプレイ130に表示する。
【0042】
<映像解析サーバ20の構成>
図4は、映像解析サーバ20の機能的な構成を示す図である。図4に示すように、映像解析サーバ20のメモリ25は、映像解析サーバ20が使用するデータおよびプログラム256を記憶する。
メモリ25は、使用するデータとして、コンテンツ情報データベース250と、視聴履歴情報データベース252と、映像解析情報データベース253と、固有情報データベース254と、学習済みモデル情報データベース255等を記憶する。
【0043】
コンテンツ情報データベース250は、映像コンテンツに関する各種の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0044】
視聴者情報データベース251は、視聴者に関する各種の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0045】
視聴履歴情報データベース252は、視聴者が視聴した履歴に関する各種の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0046】
映像解析情報データベース253は、システム1により映像コンテンツを解析した結果である各種の情報(解析パラメータ)を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0047】
固有情報データベース254は、クライアントに関する固有の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0048】
学習済みモデル情報データベース255は、映像コンテンツ内に含まれるクライアントに関する固有の情報を特定する学習済みモデルに関する情報を管理するためのデータベースである。
学習済みモデルは、例えばクライアントが経営する企業名、当該企業が提供する商品又は役務を示す商標(ロゴマークを含む)を示す商品名等を示す画像データに含まれる固有の情報を用いて学習される。固有情報データベース254を、学習済みモデルの学習に用いることができる。
【0049】
学習済みモデルの作成方法の具体例を説明する。学習済みモデルは、商品やその他の各種の備品に記されたロゴマーク等が表示された静止画および動画を用いて学習される。
このような静止画及び動画は、商品やその他の各種の備品に記されたロゴマーク等があらゆる角度から撮影されたデータになっている。
学習済みモデルは、これらの画像又は動画を教師データとして、映像コンテンツ内に固有の情報の少なくとも一部が表示された際に、映像コンテンツに表示されている時間帯を特定する。
【0050】
映像解析サーバ20は、このようにして、クライアントに関する固有の情報を学習済みモデルとして保持している。学習済みモデルは、予め学習された状態でメモリ25に記憶されてもよいし、適宜新たな教師データを用いて再学習されてもよい。
【0051】
本実施形態に係る学習済みモデルは、例えば、複数の関数が合成されたパラメータ付き合成関数である。パラメータ付き合成関数は、複数の調整可能な関数、およびパラメータの組合せにより定義される。本実施形態に係る学習済みモデルは、上記の要請を満たす如何なるパラメータ付き合成関数であってもよいが、多層のネットワークモデル(以下、多層化ネットワークと呼ぶ)であるとする。
多層化ネットワークを用いる学習済みモデルは、入力層と、出力層と、入力層と出力層との間に設けられる少なくとも1層の中間層あるいは隠れ層とを有する。学習済みモデルは、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールとしての利用が想定される。
【0052】
本実施形態に係る多層化ネットワークとしては、例えば、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)が用いられ得る。DNNとしては、例えば、画像を対象とする畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)を用いてもよい。
【0053】
受信制御モジュール291は、映像解析サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0054】
送信制御モジュール292は、映像解析サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0055】
視聴者情報取得モジュール293は、映像コンテンツを視聴する視聴者に関する各種情報を、配信サーバ30から取得する。
【0056】
視聴履歴情報取得モジュール294は、視聴者が視聴した映像コンテンツの視聴履歴に関する各種情報を、配信サーバ30から取得する。
【0057】
学習済みモデル情報参照モジュール295は、配信サーバ30から取得した映像コンテンツを学習済みモデルに入力し、映像コンテンツにおいて、クライアントに関する固有の情報が表示される部分の特定を行う。これにより、映像コンテンツのうち、クライアントに関する固有の情報が表示される時間帯が特定される。
【0058】
映像解析モジュール296は、映像コンテンツのうち、学習済みモデルにより特定された映像コンテンツにおける固有の情報が露出した時間帯について解析を行い、後述する映像解析結果の解析を行う。すなわち、映像解析モジュール296は、特定した固有の情報の映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、固有の情報に関する映像コンテンツの広告価値を評価する。
【0059】
ここで、露出の態様とは、映像コンテンツの再生の態様、又は固有の情報の表示の態様を含む。
映像コンテンツの再生の態様とは、映像コンテンツ自体の視聴時間、および平均同時視聴者数のうちの少なくとも一方を含む。
固有の情報の表示の態様とは、映像コンテンツにおける固有の情報の表示時間、表示サイズ、および表示頻度のうちの少なくともいずれか1つを含む。
【0060】
<データ構造>
図5は、映像解析サーバ20が記憶するコンテンツ情報データベース250、視聴者情報データベース251、視聴履歴情報データベース252のデータ構造の一例を示す図である。
【0061】
図5に示すように、コンテンツ情報データベース250は、項目「映像ID」と、項目「映像ジャンル」と、項目「内容種別」と、項目「映像タイプ」と、項目「総再生時間」と、項目「配信開始時期」と、項目「配信チャンネル」等を含む。
【0062】
項目「映像ID」は、視聴者が視聴した映像コンテンツを識別する情報である。
【0063】
項目「映像ジャンル」は、映像コンテンツの内容のジャンルに関する情報であり、視聴者情報データベース251におけるお気に入りジャンルに対応する情報である。
【0064】
項目「内容種別」は、映像コンテンツの内容の種類を示す情報である。内容種別としては、例えばゲーム大会の様子を撮影した動画であれば、内容種別が「大会」となり、ゲームの内容や攻略法を紹介する動画であれば、内容種別が「紹介」となる。
またスポーツの試合の動画の場合には、内容種別が「試合」となり、料理レシピの解説動画の場合には、「内容種別」がレシピとなる。
【0065】
項目「映像タイプ」は、リアルタイムでの中継動画か、編集された編集動画かを示す情報である。中継動画の場合には映像タイプが「中継」となり、編集動画の場合には、「編集」となる。
【0066】
項目「総再生時間」は、当該映像コンテンツの総再生時間を示す情報である。
【0067】
項目「配信開始時期」は、当該映像コンテンツの配信が開始される時期を示す情報である。
【0068】
項目「配信チャンネル」は、当該映像コンテンツが配信されているチャンネルに関する情報である。
【0069】
図5に示すように、視聴者情報データベース251は、項目「視聴者ID」と、項目「年齢」と、項目「性別」と、項目「住所」と、項目「お気に入りジャンル」と、項目「視聴開始時期」と、項目「使用デバイス」等を含む。
【0070】
項目「視聴者ID」は、視聴者それぞれを識別する情報である。
【0071】
項目「年齢」は、視聴者の年齢を示す情報である。
【0072】
項目「性別」は、視聴者の性別を示す情報である。
【0073】
項目「住所」は、視聴者の住所を示す情報である。
【0074】
項目「お気に入りジャンル」は、視聴者それぞれが特に好んで視聴する映像コンテンツのジャンル(ゲーム、スポーツ、グルメ、音楽等)を示す情報である。お気に入りジャンルは、視聴履歴を集計して決めてもよいし、視聴者がお気に入りとして登録した映像コンテンツのジャンルを集計して決めてもよい。
【0075】
項目「視聴開始時期」は、視聴者が、配信サービスの提供を受け始めた時期を示す情報である。
【0076】
項目「使用デバイス」は、視聴者が使用するデバイスを示す情報である。例えば、視聴者ID「U001」の視聴者はスマートフォンを利用して視聴しており、視聴者ID「U004」の視聴者は、PCを利用して視聴していることを示す。
【0077】
図5に示すように、視聴履歴情報データベース252は、項目「映像ID」と、項目「映像ジャンル」と、項目「内容種別」と、項目「映像タイプ」と、項目「視聴者ID」と、項目「視聴日時」と、項目「視聴時間」等を含む。
【0078】
項目「映像ID」は、視聴者が視聴した映像コンテンツを識別する情報である。
【0079】
項目「映像ジャンル」は、映像コンテンツの内容のジャンルに関する情報であり、視聴者情報データベース251におけるお気に入りジャンルに対応する情報である。
【0080】
項目「内容種別」は、映像コンテンツの内容の種類を示す情報である。内容種別としては、例えばゲーム大会の様子を撮影した動画であれば、内容種別が「大会」となり、ゲームの内容や攻略法を紹介する動画であれば、内容種別が「紹介」となる。
またスポーツの試合の動画の場合には、内容種別が「試合」となり、料理レシピの解説動画の場合には、「内容種別」がレシピとなる。
【0081】
項目「映像タイプ」は、リアルタイムでの中継動画か、編集された編集動画かを示す情報である。中継動画の場合には映像タイプが「中継」となり、編集動画の場合には、「編集」となる。
【0082】
項目「視聴者ID」は、当該映像コンテンツを視聴した視聴者を識別する情報である。
【0083】
項目「視聴日時」は、当該映像コンテンツを視聴者が視聴した日時を示す情報である。
【0084】
項目「視聴時間」は、当該映像コンテンツを視聴者が視聴した時間を示す情報である。
【0085】
図6は、映像解析サーバ20の記憶部に記憶されている映像解析情報データベース、固有情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【0086】
図6に示すように、映像解析情報データベース253は、項目「映像ID」と、項目「情報ID」と、「視聴者数」と、項目「表示回数」と、項目「平均表示サイズ」と、項目「表示時間/回」と、項目「合計表示時間」と、項目「広告価値」等を含む。
【0087】
項目「映像ID」は、解析した映像コンテンツを識別する情報である。
【0088】
項目「情報ID」は、映像コンテンツの価値評価に用いた固有の情報として、固有情報データベース254の情報IDを示す情報である。
【0089】
項目「視聴者数」は、映像コンテンツの視聴者数に関する情報であり、サブ項目「平均値」と、サブ項目「最大値」と、を含む。
サブ項目「平均値」は、同時に視聴している視聴者の平均人数である。平均人数は、視聴者数と時間との加重平均により算出される。
サブ項目「最大値」は、映像コンテンツの再生時間内における最も多い視聴者数を示す情報である。
【0090】
項目「表示回数」は、解析した映像コンテンツにおいて、クライアントに関する固有の情報が表示された回数を示す情報である。表示された回数とは、固有の表示が画面に登場してから表示され続けている間を1回として集計する。
【0091】
項目「平均表示サイズ」は、画面に表示されたロゴ等の平均サイズを表す情報である。サイズは、画面全体のサイズに対する固有の表示が占める割合で特定してもよい。また、予め定められた表示時画面サイズに対する、固有の表示のサイズを特定してもよい。
また、視聴デバイスの画面サイズを考慮して、一定以上のサイズを満たさない小型端末(スマートフォン等)を使用している場合には、視認性が悪いために、表示サイズを集計しない処理を行ってもよい。
【0092】
項目「平均表示時間」は、クライアントに関する固有の表示が表示された平均時間を示す情報である。
【0093】
項目「合計表示時間」は、項目「平均表示時間」の値と、当該映像コンテンツの「平均同時視聴者数」と、の積算により算出される値を示す情報である。
【0094】
項目「広告価値」は、前述した映像解析結果の各項目から総合的に評価される情報である。すなわち、映像コンテンツにおける、クライアントに関する固有の情報の広告としての機能を定量的に評価した情報である。
具体的には、「広告価値」は、映像コンテンツの配信元が提供する広告の費用を考慮して算出される。すなわち、配信元が設定している所定時間当たりの広告単価と、映像コンテンツ内におけるクライアントに関する固有の情報が露出した程度(時間およびサイズ)と、を考慮して算出される。
例えば、15秒の動画広告の広告費用に対して、映像コンテンツ内にクライアントに関する固有の情報が露出した時間と、画面全体のサイズに対する固有の表示が占める割合と、を考慮して算出される。
【0095】
図6に示すように、固有情報データベース254は、項目「情報ID」と、項目「クライアント名称」と、項目「商品/役務の区分」と、項目「商品等の内容」と、項目「商品/役務の名称」と、項目「商品の形態」と、項目「ロゴ情報」等を含む。
【0096】
項目「情報ID」は、固有の情報を識別する情報である。
【0097】
項目「クライアント名称」は、クライアントの名称を示す情報である。
【0098】
項目「商品/役務の区分」は、商品又は役務の別を示す情報である。
【0099】
項目「商品等の内容」は、商品又は役務の内容を示す情報である。
【0100】
項目「商品/役務の名称」は、商品又は役務の名称を示す情報である。
【0101】
項目「商品の形態」は、商品の形態を示す情報である。
【0102】
項目「ロゴ情報」は、商品に付されるロゴのイメージ情報である。
【0103】
なお、固有情報データベースは、例えば選手のユニフォーム(Tシャツ又は帽子等)にクライアントのロゴが付されているような場合、又は大会に使用する備品(モニタ又はコントローラ等)にクライアントのロゴが付されている場合において、予めそれらの情報を、固有の表示と関連付けて記憶しておいてもよい。
<動作>
以下、システム1が映像コンテンツにおけるクライアントに関する固有の情報を評価する処理について説明する。
【0104】
図7は、システム1の処理の全体を示す図である。図8は、図7における映像コンテンツの解析処理の詳細を示す図である。
【0105】
図7に示すように、最初に、操作者が端末装置10を操作して、映像コンテンツの解析指示を入力する(ステップS301)。端末装置10は、映像解析サーバ20に解析指示を送信する。
【0106】
ステップS301の後に、映像解析サーバ20は、配信サーバ30に対して映像コンテンツの取得指示を行う(ステップS201)。この際、映像解析サーバ20は、映像コンテンツの取得とともに、映像コンテンツに関する情報、および視聴履歴情報の取得を指示する。
【0107】
ステップS201の後に、配信サーバ30は、映像コンテンツを視聴履歴情報とともに、映像解析サーバ20に向けて送信する(ステップS101)。
ステップS101の後に、映像解析サーバ20は、配信サーバ30から送信された映像コンテンツを取得する。(ステップS202)
【0108】
ステップS202の後に、映像解析サーバ20は、映像コンテンツを解析する(ステップS203)。映像コンテンツの解析処理について詳述する。図8は、映像コンテンツの解析処理の詳細を示す図である。
【0109】
図8に示すように、映像解析処理では、まず、プロセッサ29の学習済みモデル情報参照モジュール295が、学習済みモデルに映像コンテンツを入力し、映像コンテンツに表示されるクライアントに関する固有の情報を特定する(ステップS2031)。
ステップS2031の後に、映像解析モジュール296が、映像コンテンツを解析し、特定されたクライアントに関する固有の情報について、表示回数を集計する(ステップS2032)。
【0110】
ステップS2032の後に、映像解析モジュール296が、映像コンテンツを解析し、固有の情報の表示サイズを測定する(ステップS2033)。この際、平均表示サイズの集計も行う。
ステップS2033の後に、映像解析モジュール296が、固有の情報の表示時間を集計する(ステップS2034)。この際、固有の情報の平均表示時間の値と、平均同時視聴者数の値とを用いて、視聴者全体における合計表示時間を算出する。平均同時視聴者数の値は、視聴履歴情報を参照する。
【0111】
ステップS2034の後に、映像解析モジュール296が、視聴者数を集計する。視聴者数は、平均値と最大値をそれぞれ算出する。
【0112】
ステップS2035の後に、映像解析モジュール296が、前述した各解析パラメータを用いて、映像コンテンツの広告価値を算出する(ステップS2036)。
すなわち、映像解析モジュール296は、既に算出した固有の情報の表示回数、表示サイズ、表示時間、および視聴履歴情報から得られる映像コンテンツの評価期間における平均同時視聴回数を用いて、総合的に広告価値を算出する。
【0113】
図7に示すように、ステップS203の後に、映像解析サーバ20は、端末装置10に対して解析結果を出力して提示する(ステップS204)。この際、映像コンテンツにおいて、固有の情報が表示された場面には、固有の情報を特定した学習済みモデル情報参照モジュール295により、タイムスタンプが記録されている。そして、このタイムスタンプを指定すると、映像コンテンツにおいて固有の情報が表示された場面を提示する。この内容については、画面例を用いて後述する。
【0114】
ステップS204の後に、端末装置10は、解析結果をディスプレイ130に表示する。この時の表示内容については、後述する。以上により、システム1による処理が終了する。
【0115】
<画面例>
次に、本システム1における解析結果の表示内容について説明する。図9は、映像コンテンツの解析結果を表示する画面の一例を示す図である。
図9に示すように、解析結果の表示画面では、映像コンテンツに関する解析結果である、映像解析情報がそれぞれ表示されている。図9の表示画面は、図5および図6に示した各データベースを参照して生成される。
【0116】
図9において符号Aで示す解析対象のフィルターでは、解析対象とする映像コンテンツの配信チャンネルや、解析対象とするクライアントに関する固有の表示を選択することができる。ここで選択した解析対象についての解析結果が、図9における他の欄に表示される。
図9において符号Bで示す評価期間の欄には、所定の期間において、映像コンテンツが配信されていた時期が表示されている。この情報は、視聴履歴情報から参照される。評価期間を指定することで、解析する期間を選択することができる。
【0117】
図9において符号Cで示す部分には、映像コンテンツを解析した結果として、「表示回数」、「平均同時視聴者数」、「平均表示サイズ」、「平均表示時間」、「合計表示回数」の各解析パラメータが表示されている。
【0118】
図9において符号Dで示す部分には、映像コンテンツを解析した最終的な結果として、広告価値の値が表示されている。
図9において符号Eで示す部分には、1日当たりの表示回数と平均同時視聴者数が表示されている。
図9において符号Fで示す部分には、解析した複数の広告価値の分布が円グラフで表示されている。ここでは、解析対象として符号A部で選択した映像コンテンツの配信チャンネルや、解析対象となるクライアントに関する固有の表示(製品、又はバナー広告の別)毎に、広告価値の大きさが円グラフで表示される。これにより、どの映像コンテンツにおけるどの固有の表示の広告価値が高いかを確認することができる。
【0119】
図9において符号Gで示す部分には、固有の情報の表示場面1回毎の広告価値(すなわち、固有の情報の位置を特定するタイムスタンプ毎の広告価値)が表形式で記載されている。この内容について、図10を用いて説明する。図10は、図9における符号Gで示す表を説明する図である。
【0120】
図10に示すように、この表では、固有の情報が表示された時間帯(タイムスタンプ)ごとに、サイズ、表示時間、視聴者数の平均値、視聴者数の最大値、解析対象、広告価値が記載されている。このうち、いずれかの時間帯を示す行にマウスオーバーすることで、その時の映像コンテンツの配信画面の様子を確認することができる。その画面の表示例を符号Hで示している。
【0121】
図9に示すように、符号Iには、解析結果のダウンロードを指示するボタンが表示されている。解析結果は、例えばCSVファイルとしてダウンロードすることができる。
【0122】
以上説明したように、本実施形態に係るシステム1によれば、配信元が配信する映像コンテンツの情報を取得し、取得した前記映像コンテンツに含まれる、クライアントに関する固有の情報を特定する。
そして、特定した固有の情報の映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、固有の情報に関する映像コンテンツの広告価値を評価する。このため、クライアントの商品等の出所表示である固有の情報が、映像コンテンツにおいて、どの程度、どのような態様で露出しているかを定量的に評価することができる。これにより、映像コンテンツの広告価値を定量的に評価することができる。
【0123】
また、固有の情報が、クライアントの商品又は役務を表示する情報、若しくはこれらの広告を表示する情報であって、商品又は役務の出所表示であるため、企業名や商品名など多岐に渡る広告機能のある情報について、映像コンテンツにどの程度含まれるかを評価することができる。
【0124】
また、映像コンテンツ自体の視聴時間、および平均同時視聴者数のうちの少なくとも一方を含む、前記映像コンテンツの再生の態様を含めて評価するので、視聴者全体に対して、どの程度クライアントに関する固有の情報が露出しているかを評価することができる。
【0125】
また、映像コンテンツにおける固有の情報の表示時間、表示サイズ、および表示頻度のうちの少なくともいずれか1つについて評価するので、映像コンテンツにおいて、どの程度クライアントに関する固有の情報が露出していたかを正確に評価することができる。
【0126】
また、映像コンテンツに表示され、かつ固有の情報が付された商品の映像コンテンツ内での使用の態様を評価するので、例えばロゴが付された飲料ボトルを映像コンテンツの出演者が飲むような特徴的な動きを検出して、広告価値として評価することができる。
【0127】
また、固有の情報を特定するステップでは、固有の情報を用いて学習された学習済みモデルに対して、映像コンテンツを入力することで、固有の情報を特定する。このため、予め学習済みモデルに対して、固有の情報として、企業名称、商品名称、商品ロゴの全部又は一部の情報のように、様々な情報を学習させておくことで、仮に固有の情報の一部のみが映像コンテンツに露出した場合であっても、正確に検出することができる。
【0128】
また、広告価値を評価するステップでは、表示回数、表示時間、および平均同時視聴者数のうちの少なくともいずれか1つを含む複数のパラメータを算出することにより、固有の情報に関する前記映像コンテンツの広告価値を評価する。このため、様々な角度から固有の情報がどの程度、映像コンテンツに露出しているかを確認し、広告価値を正確に評価することができる。
【0129】
また、算出した複数のパラメータそれぞれを表示して、映像コンテンツの広告価値の評価結果をクライアントに提示する。このため、映像コンテンツにおいて、固有の情報がどのように露出していたのかについて詳細に把握することができる。
【0130】
また、映像コンテンツにおいて、固有の情報が表示された場面にタイムスタンプを記録する。このため、タイムスタンプの履歴を確認することで、映像コンテンツのうち、固有の情報が露出していた場面を容易に確認することができる。
【0131】
また、タイムスタンプを指定すると、映像コンテンツにおいて固有の情報が表示された場面を提示する。このため、どのように固有の情報がでていたのかを映像コンテンツの動画により確認することで、固有の情報の露出態様を容易に把握することができる。
【0132】
<変形例>
本実施形態の変形例について説明する。すなわち、システム1は、以下のような態様を採用してもよい。
本発明は情報処理装置であって、このプログラムが予めインストールされていてもよいし、事後的にインストールされてもよいし、このようなプログラムを外部の非一時的な記憶媒体に記憶させてもよいし、クラウドコンピューティングで動作させてもよい。
【0133】
本発明は、コンピュータにクライアントに指導する内容を提示させるための方法であって、コンピュータを情報処理装置として機能させ、当該情報処理装置に、このプログラムが予めインストールされていてもよいし、事後的にインストールされてもよいし、このようなプログラムを外部の非一時的な記憶媒体に記憶させてもよいし、クラウドコンピューティングで動作させてもよい。
【0134】
本発明のプログラムにより実行される処理は、前述した実施形態の手順に限られず、技術的に矛盾しない範囲で、適宜変更をおこなってもよい。
実施形態で説明した各データベースの構造については、任意に管理項目を変更することができる。
【0135】
また、映像解析モジュール296が広告価値を算出するための各解析パラメータとしては、前述した項目に限られない。例えば、固有の情報の表示頻度を算出してもよい。
また、露出の態様として、映像コンテンツに表示され、かつ固有の情報が付された商品の映像コンテンツ内での使用の態様により、重みづけをしてもよい。例えば冒頭の図1Bの例のように、商品のロゴが付されたペットボトルの飲料を出演者が飲んだ場合に、所定の係数を用いて加算するような処理を行ってもよい。
【0136】
この場合には、学習済みモデルは、過去のイベント動画を教師データとして学習される。過去のイベント動画のうち、例えばペットボトルの飲料を出演者が飲んだ動作に、当該動作をタグ付けする。この教師データを用いて学習した学習モデルでは、映像コンテンツにおいて出演者が飲料飲む動作を検出することができる。すなわち、イベントの参加者の動作を特定することで、このタイミングでクライアントに関する固有の情報が画面に表れていることを推測する。
【0137】
また、本システムでは、固有の表示として例えば商品の画像が特定の条件(大きさ、表示時間など)を満たしたときに、該当する映像コンテンツの時間に、レコメンド表示をしてもよい。これにより、特に大きく表示された場面、長く表示された場面などを知ることができ、クライアントは広告を映像コンテンツに付すときに、より効果的な商品等の見せ方を検討することができる。
【0138】
また、図7に示したシステム1の処理のうち、映像コンテンツの解析指示(S301)、および映像コンテンツの取得指示(S201)を省略してもよい。
この場合には、実際に配信されている映像コンテンツの画像情報に対して学習済みモデルを用いた画像解析を行って、映像コンテンツの解析(ステップS203)を行ってもよい。この場合には、視聴者数に関する情報は、映像コンテンツ内に表示され、時々刻々と変化する視聴者数を読み取ることを算出することができる。
【0139】
また、映像コンテンツの画像情報に対して学習済みモデルを用いた画像解析を行う場合には、チャット欄に表示される各視聴者からのチャットメッセージ内容のテキスト情報を解析してもよい。すなわち、ある視聴者がクライアントの商品名やロゴに関するチャットメッセージを送信した場合には、映像コンテンツ内での広告機能がある表示として、広告価値に計上する処理を行うこともできる。
【0140】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0141】
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、
配信元が配信する映像コンテンツに含まれる、クライアントに関する固有の情報を特定するステップ(ステップS2031)と、
特定した固有の情報の映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、固有の情報に関する映像コンテンツの広告価値を評価するステップ(ステップS2035)と、を実行させる、プログラム。
【0142】
(付記2)
固有の情報とは、クライアントの商品又は役務を表示する情報、若しくはこれらの広告を表示する情報であって、商品又は役務の出所表示である、(付記1)に記載のプログラム。
【0143】
(付記3)
露出の態様とは、映像コンテンツ自体の視聴時間、および平均同時視聴者数のうちの少なくとも一方を含む、映像コンテンツの再生の態様を含む、(付記1)又は(付記2)に記載のプログラム。
【0144】
(付記4)
露出の態様とは、映像コンテンツにおける固有の情報の表示時間、表示サイズ、および表示頻度のうちの少なくともいずれか1つを含む、固有の情報の表示の態様を含む、(付記1)から(付記3)のいずれかに記載のプログラム。
【0145】
(付記5)
露出の態様とは、映像コンテンツに表示され、かつ固有の情報が付された商品の映像コンテンツ内での使用の態様を含む、(付記1)から(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
【0146】
(付記6)
固有の情報を特定するステップ(ステップS2031)では、固有の情報を用いて学習された学習済みモデルに対して、映像コンテンツを入力することで、固有の情報を特定する(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
【0147】
(付記7)
広告価値を評価するステップ(ステップS2035)では、
表示回数、表示時間、および平均同時視聴者数のうちの少なくともいずれか1つを含む複数のパラメータを算出することにより、固有の情報に関する映像コンテンツの広告価値を評価する、(付記1)から(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
【0148】
(付記8)
プロセッサに、
算出した複数のパラメータそれぞれを表示して、映像コンテンツの広告価値の評価結果をクライアントに提示するステップ(ステップS204)を実行させる、(付記7)に記載のプログラム。
【0149】
(付記9)
評価結果をクライアントに提示するステップ(ステップS204)では、
映像コンテンツにおいて、固有の情報が表示された場面にタイムスタンプを記録する、(付記8)に記載のプログラム。
【0150】
(付記10)
評価結果をクライアントに提示するステップ(ステップS204)では、
タイムスタンプを指定すると、映像コンテンツにおいて固有の情報が表示された場面を提示する、(付記9)に記載のプログラム。
【0151】
(付記11)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータが実行する方法であって、
プロセッサが、
配信元が配信する映像コンテンツの情報を取得するステップ(ステップS202)と、
取得した映像コンテンツに含まれる、クライアントに関する固有の情報を特定するステップ(ステップS2031)と、
特定した固有の情報の映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、固有の情報に関する映像コンテンツの広告価値を評価するステップ(ステップS2035)と、を実行する、方法。
【0152】
(付記12)
配信元が配信する映像コンテンツの情報を取得する第1手段と、
取得した映像コンテンツに含まれる、クライアントに関する固有の情報を特定する第2手段と、
特定した固有の情報の映像コンテンツによる露出の態様に基づいて、固有の情報に関する映像コンテンツの広告価値を評価する第3手段と、を備えるシステム。
【符号の説明】
【0153】
1 :システム
10 :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :映像解析サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
30 :配信サーバ
80 :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10