(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059031
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20220405BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220405BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20220405BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220405BHJP
【FI】
F21V33/00 400
F21V23/00 120
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021895
(22)【出願日】2022-02-16
(62)【分割の表示】P 2018058763の分割
【原出願日】2018-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100200159
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 仁志
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 朋和
(72)【発明者】
【氏名】辻 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】石田 幸男
(57)【要約】
【課題】汎用性を向上させることができる照明装置を提供する。
【解決手段】照明バーは、照明部と、カメラと、隔壁と、カバー部材とを具備する。照明部は、複数の発光素子を有する。カメラは、照明部と長さ方向に並ぶ。隔壁は、遮光性であり、照明部とカメラとの間に配置される。カバー部材は、照明部、カメラおよび隔壁を覆う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と;
複数の発光素子を有する照明部と、この照明部と長手方向に並ぶカメラと、前記本体部との間に前記照明部及び前記カメラを覆うように配設されるカバー部材とを有し、前記本体部に保持される照明部と;
交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換し、前記照明部及び前記カメラのそれぞれに直流電流を供給する電源部と;
を具備することを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周囲を撮像可能なカメラを備えるいわゆるカメラ付き照明装置が知られている。かかる照明装置は、例えば街路灯として利用されるほか、工場での生産ラインの監視やオフィス内での従業員の状態監視などの用途にも導入されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のカメラ付き照明装置は、用途等に応じた構造をそれぞれ有しており、汎用性に乏しいものとなりがちであった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、汎用性を向上させることができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の照明装置は、本体部と、複数の発光素子を有する照明部と、この照明部と長手方向に並ぶカメラと、前記本体部との間に前記照明部及び前記カメラを覆うように配設されるカバー部材とを有し、前記本体部に保持される照明部と、交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換し、前記照明部及び前記カメラのそれぞれに直流電流を供給する電源部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、汎用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る照明装置の外観例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る照明装置を示す側面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る照明装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の第1変形例に係る照明装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の第2変形例に係る照明装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第2の実施形態に係る照明装置の外観例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係る照明装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施形態に係る照明バー50は、照明部2と、カメラ17と、隔壁32と、カバー部材30とを具備する。照明部2は、複数の発光素子14を有する。カメラ17は、照明部2と長さ方向に並ぶ。隔壁32は、遮光性であり、照明部2とカメラ17との間に配置される。カバー部材30は、照明部2、カメラ17および隔壁32を覆う。
【0010】
また、以下に説明する実施形態に係る照明バー50は、照明部2に供給された電力を電圧変換してカメラ17に供給する電圧変換部19をさらに具備する。
【0011】
また、以下に説明する実施形態に係る照明装置100は、照明バー50と、照明バー50を保持する本体部4とを具備する。
【0012】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下に示す各実施形態は、本発明が開示する技術を限定するものではない。また、各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る照明装置の外観例を示す斜視図である。
図2は、第1の実施形態に係る照明装置を示す側面図である。
図1、
図2に示すように、照明装置100は、本体部4、照明バー50を有する。照明装置100は、本体部4が天井面へ設置され、照明バー50から出力される光が照射面の一例である床面へと照射される天井直付けタイプの照明装置である。照明装置100は、例えば工場での生産ラインの監視やオフィス内での従業員の状態監視などの用途で主に屋内で使用される。
【0014】
なお、説明を分かりやすくするために、
図1には、鉛直下向きを正方向とし、鉛直上向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。また、X軸は照明装置100の長手方向に、Y軸は照明装置100の短手方向に、それぞれ沿うように図示している。かかる直交座標系は、後出の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。
【0015】
本体部4は、照明バー50を保持する。また、本体部4は、照明装置100を天井その他の所定の位置に取り付けるための取付部材を兼ねる。
【0016】
照明バー50は、発光ユニット2、カメラ17、隔壁32、カバー部材30を有する。
発光ユニット2は、照明部の一例である。発光ユニット2は、Y軸方向に沿うように配置された、長尺状のシャーシまたは基板(不図示)上に所定の間隔で配置された複数の発光素子(不図示)を有している。
【0017】
カメラ17は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary
Metal Oxide Semiconductor)など、電子的に画像を取得する撮像素子を備える。カメラ17は、レンズ17aを有し、上記した照射面と向かい合うように発光ユニット2のX軸負方向側に隣り合って配置される。
【0018】
隔壁32は、遮光性を有する板状の部材である。隔壁32は、照明バー50の短手方向、すなわちY軸方向に沿うように発光ユニット2とカメラ17との間に配置される。また、
図2に示すように、下端、すなわちZ軸負方向側の端部は、隔壁32の方がカメラ17のよりも高さh1の分だけ本体部4から離れて配置されている。すなわち、発光ユニット2は、
図2における一点鎖線で示される照射範囲L1でカメラ17側に光を照射する。このような隔壁32を配設することで、発光ユニット2から照射された光がカメラ17のレンズ17aにさらに入り込みにくくなり、カメラ17で撮像された画像の不具合を低減することができる。
【0019】
カバー部材30は、例えば、アクリルやポリカーボネート等の透光性の材料から作られている。カバー部材30は、フロスト処理が施されて発光ユニット2から出射される光を拡散する機能を有するようになっている。なお、カバー部材30に適宜拡散材や着色剤を混入させてもよい。
【0020】
カバー部材30は、本体部4との間に発光ユニット2、カメラ17および隔壁32を覆うように配設される。また、カバー部材30は、開口36と傾斜部35とを有する。開口36は、カバー部材30を厚み方向に貫通する貫通口であり、レンズ17aと対向する位置に設けられる。傾斜部35は、開口36の外面33側の周縁からカバー部材30の照射面側の端部である下端33aまで末広がり形状に傾斜するように設けられている。このように傾斜部35を設けることで、カメラ17は、
図2における二点鎖線で示される撮像可能範囲L2で撮像することができる。このような開口36および傾斜部35を有するカバー部材30を配設することで、カメラ17の撮像範囲を広くとることが可能となる。
【0021】
次に、
図3を用いて、照明装置100の機能的構成について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る照明装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【0022】
図3に示すように、照明装置100は、本体部4、照明バー50を備える。
【0023】
本体部4は、電源部11、蓄電部12を有する。電源部11は、交流電源22から供給された交流電力を直流電力に変換して出力する。交流電源22は、例えば商用電源である。
【0024】
また、電源部11は、蓄電部12の充放電動作を行う。蓄電部12は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池である。本実施形態の蓄電部12は、本体部4の内部に着脱可能な電池モジュールである。例えば停電により電源部11からの電力供給が遮断された場合には、蓄電部12に蓄えられた電力を利用して照明装置100を動作させることができる。
【0025】
また、電源部11は、点灯制御部13を有する。点灯制御部13は、電源部11から供給される直流電流を、所定の電圧(例えば、50V)で発光ユニット2へ給電し、発光素子14の点灯を制御する。
【0026】
照明バー50は、発光ユニット2、撮像ユニット3、電圧変換部19、記録スロット18を備える。
【0027】
発光ユニット2は、発光素子14を有する。発光素子14は、シャーシ上の配線パターンによりそれぞれ接続され点灯制御部13に接続されており、点灯制御部13から直流出力が供給され、点灯制御部13により点灯制御される。発光素子14は、例えばセラミックスで形成された本体に配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とを含む。
【0028】
LEDチップは、例えば、青色光を発する青色のLEDチップである。透光性樹脂には、蛍光体が混入されており、白色光を出射できるようにするために、青色の光とは補色の関係にある黄色系の光を放射する黄色蛍光体が使用されている。なお、LEDチップは、例えば赤色光や緑色光を発するものであってもよい。
【0029】
また、LEDは、LEDチップを直接発光ユニット2が有するシャーシまたは基板に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、特に限定されるものではない。
【0030】
電圧変換部19は、発光ユニット2側から入力された入力電源の電圧値を、撮像ユニット3の動作に適した電圧に変換し、撮像制御部16に出力する。電圧変換部19は、入力電源の電圧値を、例えば、10分の1(例えば、5V)に変換する。電圧変換部19は、例えば、FETなどのスイッチング素子を有しており、スイッチング素子をオン・オフすることによって直流電圧を降圧する。電圧変換部19は、例えば、降圧型のDC-DCコンバータである。
【0031】
撮像ユニット3は、撮像制御部16、カメラ17を有する。撮像制御部16は、電圧変換部19から供給される直流電流をカメラ17へ給電し、撮像を制御する。また、撮像制御部16は、カメラ17による撮像角度を制御する。また、撮像制御部16は、カメラ17で撮像された画像を記録スロット18に差し込まれた記録媒体21に記録させる。記録媒体21としては、例えばメモリカード、メモリスティック等の不揮発性メモリを使用することができる。
【0032】
このように第1の実施形態に係る照明バー50によれば、例えば本体部4のサイズに応じた照明装置100での適用が可能となり、汎用性を向上させることができる。
【0033】
(第1変形例)
図4は、第1の実施形態の第1変形例に係る照明装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図4に示す照明装置100は、照明バー50が電圧変換部19を有さない点で
図3に示す照明装置100と相違する。
【0034】
電源部11は、発光ユニット2および撮像ユニット3のそれぞれに、直流電流を供給する。また、電源部11は、点灯制御部13を有する。点灯制御部13は、電源部11から供給される直流電流を、所定の電圧(例えば、50V)で発光ユニット2が有する複数の発光素子14へ給電し、発光素子14の点灯を制御する。一方、撮像制御部16は、電源部11から供給される直流電流を所定の電圧(例えば、5V)でカメラ17へ給電し、撮像を制御する。かかる場合、発光ユニット2および撮像ユニット3のそれぞれに供給される直流電流の電圧変換は、例えば電源部11で行うことができる。
【0035】
(第2変形例)
図5は、第1の実施形態の第2変形例に係る照明装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図5に示す照明装置100は、電源部11を本体部4ではなく照明バー50が有する点で
図3に示す照明装置100と相違する。第2変形例に係る照明装置100によれば、電源部11も照明バー50とともに交換されることとなるため、例えば、照明装置100全体としての信頼性が向上する。
【0036】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る照明装置の外観例を示す斜視図である。
図6に示す照明バー50は、カメラ17が長さ方向の中央部に配置されている点を除き、
図1に示す照明バー50と同様の構成を有している。
図6に示す照明バー50は、カメラ17と、カメラ17を挟んで長さ方向に隣り合う第1発光ユニット2aおよび第2発光ユニット2bを有する。また、第1発光ユニット2aとカメラ17との間、カメラ17と第2発光ユニット2bとの間には、照明バー50の短手方向に沿うように隔壁32a、32bがそれぞれ設けられており、第1発光ユニット2a、隔壁32a、カメラ17、隔壁32bおよび第2発光ユニット2bをそれぞれ覆うようにカバー部材30が設けられている。
【0037】
図7は、第2の実施形態に係る照明装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図7に示す照明装置100は、電源部11が第1点灯制御部13aおよび第2点灯制御部13bを有する。また、照明バー50は、第1発光素子14aを有する第1発光ユニット2aと、第2発光素子14bを有する第2発光ユニット2bとを有する。第1点灯制御部13aは第1発光ユニット2aを、第2点灯制御部13bは、第2発光ユニット2bを、それぞれ独立して制御可能となるように構成されている。このように電源部11が第1発光ユニット2aおよび第2発光ユニット2bをそれぞれ独立して制御可能に構成されることにより、第1発光素子14aおよび第2発光素子14bに対する点灯制御の自由度が向上する。なお、
図7に示した例では、第1発光ユニット2aおよび第2発光ユニット2bをそれぞれ独立して制御可能に構成されたが、例えば
図3~
図5に例示したように点灯制御部13が第1発光ユニット2aおよび第2発光ユニット2bの両方を同様に制御可能に構成されてもよい。
【0038】
なお、上記した実施形態では、照明装置100は天井直付けタイプの照明装置として説明したが、これに限らず、例えば埋め込みタイプまたは吊り下げタイプであってもよい。
また、照明装置100は天井ではなく、例えば壁面に取り付けられてもよい。
【0039】
また、
図1では、カメラ17がX軸負方向側となるように照明バー50を配設させた例について示した。かかる照明バー50を、カメラ17がX軸正方向側となるようにZ軸を中心に180度回転させた場合であっても本体部4に取り付け可能となるように構成してもよい。これにより、例えば照明バー50の設置の自由度が向上する。
【0040】
実施形態に係る照明バー50は、照明部2と、カメラ17と、隔壁32と、カバー部材30とを具備する。照明部2は、複数の発光素子14を有する。カメラ17は、照明部2と長さ方向に並ぶ。隔壁32は、遮光性であり、照明部2とカメラ17との間に配置される。カバー部材30は、照明部2、カメラ17および隔壁32を覆う。これにより、汎用性を向上させることができる。
【0041】
また、実施形態に係る照明バー50は、照明部2に供給された電力を電圧変換してカメラ17に供給する電圧変換部19をさらに具備する。これにより、汎用性を向上させることができる。
【0042】
また、実施形態に係る照明装置100は、照明バー50と、照明バー50を保持する本体部4とを具備する。これにより、カメラ17を備えた照明バー50の着脱が容易となる。
【0043】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0044】
2 発光ユニット(照明部)
3 撮像ユニット
4 本体部
14 発光素子
17 カメラ
30 カバー部材
32 隔壁
50 照明バー
100 照明装置