(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059089
(43)【公開日】2022-04-12
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 23/04 20060101AFI20220405BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20220405BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220405BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220405BHJP
【FI】
F21V23/04 500
F21V23/06
F21V23/00 160
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024309
(22)【出願日】2022-02-18
(62)【分割の表示】P 2020145116の分割
【原出願日】2016-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】谷藤 直輝
(72)【発明者】
【氏名】池内 智之
(57)【要約】
【課題】無線モジュールにアンテナを内装した場合であっても無線通信の感度を確保可能な照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、複数のLED基板6と、LED基板6が一方面に配置されるヒートシンク5と、ヒートシンク5の裏面側の電源部7と、ヒートシンク5の裏面側の無線モジュール12とを有し、無線モジュール12は、無線回路基板と、アンテナ17と、これらを収容するケース13とを有し、ケース13は、無線回路基板を収容し、ヒートシンク5の裏面側に配置される本体部13bと、アンテナ17の少なくとも一部を収容し、アンテナ17を収容している部分が本体部13bから突出するように設けられたアンテナケース部13aとを有し、ヒートシンク5は、アンテナケース部13aのみが挿通するアンテナ挿通孔8bが設けられ、アンテナ挿通孔8bは複数のLED基板6の間に位置している。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLED素子が配設された複数のLED基板と、
前記LED基板が一方の面に配置される方形な金属からなる板状のヒートシンクと、
前記ヒートシンクの前記一方の面とは反対側である裏面側に設けられる電源部と、
前記ヒートシンクの前記裏面側に設けられる無線モジュールと、
を有し、
前記無線モジュールは、
無線通信機能を有する無線回路基板と、
アンテナと、
前記無線回路基板と前記アンテナとを収容するケースと、
を有し、
前記ケースは、
前記無線回路基板を収容し、前記ヒートシンクの前記裏面側に配置される本体部と、
前記アンテナの少なくとも一部を収容し、前記アンテナを収容している部分が前記本体部から突出するように設けられたアンテナケース部と、
を有し、
前記ヒートシンクは、前記アンテナケース部のみが挿通するアンテナ挿通孔が設けられ、
前記アンテナ挿通孔は前記複数のLED基板の間に位置している、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記アンテナの基点は前記本体部に位置し、
前記アンテナの端部は前記アンテナケース部に位置する、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記電源部と接続されるハーネスを有し、
前記無線回路基板は、前記ハーネスが接続されるコネクタを有する、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数のLED基板を覆う透光性のカバーパネルを有し、
前記アンテナ挿通孔及び前記アンテナケース部は前記カバーパネルで覆われている、
請求項1~3のいずれかに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光基板にLED基板を用いた照明装置に関し、例えば天井位置に取付けられる照明装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
照明に用いる発光源として発光ダイオード(以下、LED(Light Emitting Diode))が発光素子として注目され、基板上に複数のLED素子を配置したLED基板が発光基板として開発されている。そして、このようなLED基板を用いた照明装置が開発され、急速に普及している。このような照明装置としては、光の状態を調整する、所謂調光機能を備えたものがある。照明装置の調光は、例えば下記特許文献1に記載されるように、無線信号を受信して行われることが多い。特許文献1では、面状の無線アンテナを反射板に取付けて調光機能付きの照明装置を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような調光機能付きの照明装置において、室内側からの無線信号を受信するための無線モジュールに対するアンテナの位置が一意に固定されていると、当該照明装置におけるアンテナ配置が無線モジュール配置にのみ依存するため、アンテナ調整の柔軟性及び自由度が乏しくなるという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、発光基板にLED基板を用い、無線モジュールにアンテナを内装した場合であっても、無線通信の感度の確保を有利にすることが可能な照明装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、複数のLED素子が配設された複数のLED基板と、前記LED基板が一方の面に配置される方形な金属からなる板状のヒートシンクと、前記ヒートシンクの前記一方の面とは反対側である裏面側に設けられる電源部と、前記ヒートシンクの前記裏面側に設けられる無線モジュールと、を有し、前記無線モジュールは、無線通信機能を有する無線回路基板と、アンテナと、前記無線回路基板と前記アンテナとを収容するケースと、を有し、前記ケースは、前記無線回路基板を収容し、前記ヒートシンクの前記裏面側に配置される本体部と、前記アンテナの少なくとも一部を収容し、前記アンテナを収容している部分が前記本体部から突出するように設けられたアンテナケース部と、を有し、前記ヒートシンクは、前記アンテナケース部のみが挿通するアンテナ挿通孔が設けられ、前記アンテナ挿通孔は前記複数のLED基板の間に位置している、ことを特徴とする照明装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の照明装置では、アンテナが挿通するアンテナ挿通孔が複数のLED基板の間に位置しているため、無線通信の感度を確保する上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の照明装置の第1実施形態を示すスクエア型照明装置の分解斜視図である。
【
図2】
図1の照明装置に用いられる無線モジュールの分解斜視図である。
【
図3】
図1の照明装置に用いられる無線モジュールのケース内でのアンテナ配置例を示す模式図である。(a)は基本的なアンテナ配置例を示す模式図である。(b)はアンテナ線の長さを調整したアンテナ配置例を示す模式図である。(c)はアンテナ線の長さを調整し、かつ、アンテナ基点とアンテナ端部との位置を入れ替えたアンテナ配置例を示す模式図である。
【
図4】
図1の照明装置に
図2の無線モジュールを取付けた状態の斜視図である。
【
図6】
図1の照明装置のヒートシンクの室内側と反対側面の平面図である。
【
図7】
図6のヒートシンクに無線モジュールを第1の方向に配置した状態での平面図である。
【
図8】
図6のヒートシンクに無線モジュールを第2の方向に配置した状態での平面図である。
【
図9】
図1の照明装置の変形例におけるヒートシンク5の室内側と反対側面の平面図である。
【
図10A】本発明の照明装置の第2実施形態を示すグリッド型照明装置の分解斜視図である。
【
図11】
図10BのLEDユニットに用いられる無線モジュール内のアンテナ配置例を示す模式図である。
【
図12A】
図11の無線モジュールとは異なるアンテナ配置例を示す無線モジュール内のアンテナ配置例を示す模式図である。
【
図13】
図12Aの無線モジュールのアンテナ線の長さを調整したアンテナ配置例を示す模式図である。
【
図14】
図12Aの無線モジュールのアンテナ線の長さを調整し、かつ、アンテナ基点とアンテナ端部との位置を入れ替えたアンテナ配置例を示す模式図である。
【
図18】
図11の無線モジュールのケース内での他のアンテナ配置例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0010】
<第1実施形態>
以下に、本発明の照明装置の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
(スクエア型照明装置)
図1は、第1実施形態に係る照明装置1の分解斜視図である。第1実施形態に係る照明装置1は、室内側から見たとき方形な平板状のスクエア型照明装置である。第1実施形態に係る照明装置1は、例えば天井位置に取付けて使用されるものであり、図の下方が室内側に相当する。この照明装置1は、発光ユニットの一例であるLEDユニット2と、そのLEDユニット2を収容して例えば天井等の被取付部に取付けられる器具本体3とを備える。
【0011】
LEDユニット2は、方形な金属からなる略板状のヒートシンク5及び樹脂又は金属からなる側壁10aを含む筺体10と、そのヒートシンク5の室内側面に設けられた複数のLED基板6と、ヒートシンク5の室内側と反対側面に設けられたLED点灯装置7と、複数のLED基板6の室内側に設けられた反射シート8と、反射シート8の室内側に設けられて複数のLED基板6を覆う透光性のカバーパネル9と、筺体10に接続されカバーパネル9を支持する枠部18と、を備える。
なお、ヒートシンク5を形成する金属としては、例えばアルミニウム、ステンレス等を利用することができる。
【0012】
図1に示すように、複数のLED基板6の各々は、長尺な単一のLED基板であり、基板長尺方向に列をなすようにしてLED素子4が二列実装されている。そして、LED素子4の列が多数並列になるように複数のLED基板6を幅方向に並べてLEDユニット2の発光部が形成されている。
また、反射シート8は、LED基板6の室内側に配置され、ヒートシンク5に取付けられた全てのLED基板6を覆う大きさの方形に形成され、個々のLED素子4に対応する位置に、貫通孔であるLED露出孔8aが形成されている。LED基板6と反射シート8とを重ね合わせた状態にしたとき、LED素子4とLED露出孔8aとは同じ位置にあり、LED素子4はLED露出孔8aから室内側に露出する。
これらLED基板6と反射シート8は、ヒートシンク5に取付けられたとき、重ね合わせた状態となる。
【0013】
第1実施形態では、ヒートシンク5は、LED基板6が載置される底面5cと、この底面5cの端部から折り曲げられて室内側に延びる側面5bとを有し、底面5cには貫通孔であるアンテナ挿通孔5aが形成されている。アンテナ挿通孔5aは、幅方向に並べられたLED基板6同士の隙間の部分に位置している。また、LED基板6の室内側に配置される反射シート8にも、上記のLED露出孔8aとは別に、アンテナ挿通孔5aに対応する位置に、アンテナ挿通孔5aと同形状の貫通孔であるアンテナ挿通孔8bが形成されている。
アンテナ挿通孔5a及びアンテナ挿通孔8bについては後述する。
【0014】
また、ヒートシンク5は、樹脂若しくは金属からなる側壁10aが取付けられることで、方形な筺体10を形成する。この筺体10は、室内側と反対側に底面を有し、かつ、室内側に開口部を有する。そして、この筺体10の室内側開口部を覆うようにカバーパネル9が取付けられる。また、筺体10の底面であるヒートシンク5の室内側と反対側面中央部にはLED点灯装置7が取付けられる。LED点灯装置7は、外部電源からFケーブル等を介して照明装置1に供給された電力を複数のLED基板6に分配する電源回路を収容し、かつ、各LED基板6に実装される複数のLED素子4の発光状態を変更する発光状態変更機能を有する。なお、発光状態の変更の例としては、例えば、調色、調光、消灯、点灯等がある。
【0015】
更に、第1実施形態に係る照明装置1は、例えば室内側のスマートフォンやタブレット端末等から発信された発光状態を変更するための指示を含む無線信号を受信し、その受信信号に応じてLED点灯装置7に発光状態を変更するための信号を送信するための無線モジュール12を備えている。無線モジュール12は、LED点灯装置7に対して、有線、無線の少なくとも一方で接続可能であれば良い。また、照明装置1に対して着脱可能であっても良い。
LED点灯装置7は、無線モジュール12から送信された信号に応じて、LED基板6に実装される複数のLED素子4の発光状態を変更する。
【0016】
(無線モジュール)
図2は、第1実施形態に係る無線モジュール12の分解斜視図である。この無線モジュール12は、樹脂製のケース13内に、無線通信用の素子が実装された無線回路基板14と、その無線回路基板14上の素子が雑音の影響を受けないようにするためのシールド部材15と、LED点灯装置7との接続用ハーネスが接続されるコネクタ16と、無線回路基板14上の素子に電気的に接続されて無線回路基板14から延出する棒状のアンテナ17を有する。
【0017】
なお、無線回路基板14には、周知の無線回路技術を用いることができる。また、シールド部材15は、ステンレス等の金属であっても良いし、アンテナ感度を向上させるためにフィラーを分散したシート等であっても良い。また、アンテナ17は、折り返し可能であり、切断等により長さ調節も可能である。例えば、アンテナ17は、支持なしに自立できる程度に形状維持が可能なフレキシブルアンテナである。
【0018】
第1実施形態では、ケース13は、アンテナ17の少なくとも一部を収容可能なアンテナケース13aと、無線回路基板14が収容される本体部13bとを有する。アンテナケース13aは、ケース13の本体部13bから突出するように形成されている。この場合、ケース13の本体部13bを金属製とし、アンテナケース13aのみ樹脂製とすることも可能である。
【0019】
図3は、
図1の照明装置1に用いられる無線モジュール12のケース13内でのアンテナ配置例を示す模式図である。この無線モジュール12は、筺体10の底面であるヒートシンク5に略平行に取付けられる。
図3(a)に示すように、第1実施形態では、基本的に、アンテナ17は、アンテナ基点17aがケース13の本体部13b内に位置し、アンテナ端部17bがアンテナケース13a内に位置するように配置されている。
なお、他のアンテナ配置例として、
図3(b)に示すように、アンテナ線の長さを調整することで、アンテナ端部17bもケース13の本体部13b内に位置するようにしても良い。
また、
図3(c)に示すように、ケース13の本体部13b内において、アンテナ線の長さを調整し、かつ、アンテナ基点17aとアンテナ端部17bとの位置を入れ替えても良い。
このように、アンテナ17は、無線信号の受信感度を調整するため、無線回路基板14に対して給電点を基点に位置を任意に調整することができる。
【0020】
(照明装置と無線モジュールとの関係)
図4は、
図1の照明装置に
図2の無線モジュール12を取付けた状態の斜視図、
図5は、
図4の照明装置の断面図である。無線モジュール12は、アンテナケース13aをヒートシンク5のアンテナ挿通孔5a及び反射シート8のアンテナ挿通孔8bに挿通するようにして、LED点灯装置7と同様に、ヒートシンク5の室内側と反対側面に取付けられている。
第1実施形態では、無線モジュール12におけるケース13の本体部13bはヒートシンク5に対して室内側と反対側に配置され、アンテナケース13aはヒートシンク5のアンテナ挿通孔5a及び反射シート8のアンテナ挿通孔8bを挿通して室内側に突出している。そして、その結果、無線モジュール12のアンテナ17はヒートシンク5よりも室内側に配置されている。
例えば、室内側から無線信号が送信される場合、アンテナ17の近傍、特にアンテナ17の室内側に金属製、つまり導電性の物品があると、無線信号が金属製の物品に吸収され、アンテナ17の無線信号の受信感度が低下する可能性がある。
第1実施形態に係る照明装置1では、無線モジュール12のアンテナ17をヒートシンク5よりも室内側に配置することにより、金属からなる略板状のヒートシンク5に無線信号が吸収されることを回避し、簡易にして確実に、室内側からの無線信号の受信感度を確保することが可能となる。
【0021】
図6は、第1実施形態に係るヒートシンク5の室内側と反対側面の平面図である。
図7は、
図6のヒートシンク5に無線モジュール12を第1の方向に配置した状態での平面図である。
図8は、
図6のヒートシンク5に無線モジュール12を第2の方向に配置した状態での平面図である。
【0022】
図6に示すように、ヒートシンク5には、LED点灯装置7の近傍に、LED点灯装置7の長手方向に沿うように、スリット状の貫通孔であるアンテナ挿通孔5aが形成されている。このアンテナ挿通孔5aを挿通して、アンテナ端部17bが室内側に配置されている状態となれば良い。
【0023】
例えば、
図7に示すように、ヒートシンク5の室内側と反対側面において、ケース13の本体部13bよりも、アンテナケース13aのほうがLED点灯装置7に近くなるように、LED点灯装置7の長手方向に沿って無線モジュール12を取り付けても良い。この場合、電源回路を有するLED点灯装置7に対して、アンテナケース13aよりも、ケース13の本体部13bが離間する。
【0024】
若しくは、
図8に示すように、ヒートシンク5の室内側と反対側面において、アンテナケース13aよりも、ケース13の本体部13bのほうがLED点灯装置7に近くなるように、LED点灯装置7の長手方向に沿って無線モジュール12を取り付けても良い。この場合、電源回路を有するLED点灯装置7に対して、ケース13の本体部13bよりも、アンテナケース13aが離間する。
【0025】
第1実施形態では、
図7及び
図8に示すように、ヒートシンク5の室内側と反対側面において、LED点灯装置7とアンテナケース13aとの距離を考慮して無線モジュール12を取り付けることが可能である。これにより、照明装置1を設置する際の無線信号の受信感度の実測値に応じて、
図3(a)~(c)に示すアンテナ配置例のうち好適なものを採用した無線モジュール12を選択し、
図7又は
図8に示すように無線モジュール12を取り付ける方向を決定することができる。そのため、照明装置1を設置する際のアンテナ調整の柔軟性及び自由度が飛躍的に向上する。
【0026】
器具本体3は、底面と側壁とで囲まれた矩形の凹部を有する。この凹部はLEDユニット2を収容するためのスペースである。この凹部にLEDユニット2を収容する場合は、例えば、凹部の内側に面する係止部にバネ受け金具を取り付けておく。また、LEDユニット2のヒートシンク5の外側の側面に、バネの弾性力で2本のアーム部が横方向かつ互いに反対方向に広がるバネ金具を取り付けておく。バネ受け金具とバネ金具とを所定位置に取り付け、LEDユニット2のヒートシンク5の背面を器具本体3の凹部に対向させた状態で、LEDユニット2を器具本体3の凹部に収容すると、バネ金具の2本のアーム部が弾性力で横方向に広がり、バネ受け金具に係止される。これにより、LEDユニット2は器具本体3の凹部内に収容されて固定される。バネ金具の2本のアーム部を横方向に広げたり、狭めたりすることによって、LEDユニット2を器具本体3に着脱することができるので、例えば、LEDユニット2ごとの交換が可能である。
【0027】
(第1実施形態の効果)
このように、第1実施形態に係る照明装置1では、規定方向に列をなすようにしてLED素子4が実装されたLED基板6をLED素子4の列が並列になるように配置し、全てのLED素子4を覆う大きさの金属製のヒートシンク5をLED基板6に対して室内側と反対側に配置する。室内側からの無線信号を受信する無線モジュール12は、アンテナケース13aに棒状のアンテナ17を内装する。そして、アンテナ17がヒートシンク5よりも室内側に配置されるようにして、無線モジュール12におけるケース13の本体部13bをヒートシンク5に対して室内側と反対側位置に配置する。その結果、アンテナ17は金属製のヒートシンク5から室内側に離間するので、室内側からの無線信号の受信感度を確保する上で有利である。更に、LED点灯装置7や無線モジュール12に対して、アンテナ17の位置を任意に調整可能であるため、照明装置1を設置する際のアンテナ調整の柔軟性及び自由度が飛躍的に向上する。
【0028】
(変形例)
図9は、第1実施形態に係る変形例のヒートシンク5の室内側と反対側面の平面図である。変形例のヒートシンク5では、アンテナ挿通孔5aの候補を多数用意する。
これらのアンテナ挿通孔5aの候補は、あらかじめ全て開けられていても良い。若しくは、あらかじめ全て塞がれた状態で用意しておき、これらの候補の中から選択された箇所のみ開けてアンテナ挿通孔5aとして使用するようにしても良い。
これにより、無線モジュール12の柔軟性及び自由度が飛躍的に向上するため、照明装置を設置する際のアンテナ調整の柔軟性及び自由度を更に飛躍的に向上させることができる。
【0029】
<第2実施形態>
次に、本発明の照明装置の第2実施形態について図面を用いて説明する。
(グリッド型照明装置)
図10Aは、第2実施形態に係る照明装置1を示す分解斜視図である。
図10Bは、
図10Aの照明装置1のLEDユニット2を示す分解斜視図である。第2実施形態に係る照明装置1は、天井内に配設された2本1対のバーの間に取付けられる方形な長尺状のグリッド型照明装置である。なお、第2実施形態では、第1実施形態に係る照明装置1に対し、形状は異なっても、同等の機能を有する構成部材を備える。そのため、同等の機能の構成部材には同じ符号を附す。例えば、第2実施形態に係る照明装置1も、第1実施形態に係る照明装置1と同様に、例えば天井位置に取付けて使用されるものであり、図の下方が室内側に相当する。この照明装置1も、LEDユニット2と、そのLEDユニット2を収容して被取付部に取付ける器具本体3とを備える。
【0030】
第2実施形態に係るLEDユニット2も、第1実施形態に係るLEDユニット2と同様に、金属からなる略板状のヒートシンク5と、そのヒートシンク5の室内側面に設けられた複数のLED基板6と、ヒートシンク5の室内側と反対側面に設けられたLED点灯装置7と、複数のLED基板6の室内側に設けられた反射シート8と、反射シート8の室内側に設けられて複数のLED基板6を覆う透光性のカバーパネル9を備える。なお、第2実施形態に係る照明装置1のLED点灯装置7も、第1実施形態に係る照明装置1と同様に、電源回路を収容し、かつ、発光状態変更機能を有する。
【0031】
長尺なLED基板6には、基板長尺方向に列をなすようにしてLED素子4が二列実装されている。そして、第2実施形態では、LED素子4の列が4列並列になるように2つのLED基板6を幅方向に並べて発光部が形成されている。このLED基板6の室内側に配設される反射シート8は、ヒートシンク5に取付けられた全てのLED基板6を覆う大きさの方形に形成され、LED素子4が貫通する貫通孔が多数形成されている。これらLED基板6と反射シート8は、全てのLED素子4を覆う大きさの方形な金属からなる略板状のヒートシンク5に取付けられる。第2実施形態に係るヒートシンク5は、方形な樹脂製の枠体に取付けられることで、筺体10を形成する。この筺体10は、室内側と反対側に底面を有し、かつ、室内側に開口部を有する。一方、筺体10の室内側開口部を覆うようにカバーパネル9が取付けられる。
【0032】
また、筺体10の底面であるヒートシンク5の室内側と反対側面中央部にはLED点灯装置7が取付けられ、ヒートシンク5の長手方向両端部にバネ受け部材11が取付けられている。このバネ受け部材11は、天井に固定された器具本体3から垂下しているバネを引っ掛けるように構成されており、そのバネがバネ受け部材11に引っ掛かっている状態でLEDユニット2を天井側に押し上げると、バネがバネ受け部材11に係止してLEDユニット2が器具本体3に固定される。
【0033】
(無線モジュール)
図11は、
図10BのLEDユニット2に用いられる無線モジュール12内のアンテナ配置例を示す模式図である。
図12Aは、
図11の無線モジュール12とは異なるアンテナ配置例を示す無線モジュール12内のアンテナ配置例を示す模式図である。
図12Bは、
図12Aの無線モジュールの分解斜視図である。
図13は、
図12Aの無線モジュールのアンテナ線の長さを調整したアンテナ配置例を示す模式図である。
図14は、
図12Aの無線モジュールのアンテナ線の長さを調整し、かつ、アンテナ基点17aとアンテナ端部17bとの位置を入れ替えたアンテナ配置例を示す模式図である。
図12Bに示すように、第2実施形態に係る無線モジュール12も、基本的に、第1実施形態に係る無線モジュール12と同様に、樹脂製のケース13内に、無線通信用の素子が実装された無線回路基板14と、その無線回路基板14上の素子が雑音の影響を受けないようにするためのシールド部材15と、LED点灯装置7との接続用ハーネスが接続されるコネクタ16と、無線回路基板14上の素子に電気的に接続されて無線回路基板14から延出する棒状のアンテナ17を有する。
【0034】
図11、
図12A、
図12B、
図13及び
図14に示すように、第2実施形態に係る無線モジュール12では、ケース13の本体部13b内において、アンテナケース13aが存在しない位置にも、別途、アンテナ収容溝13cが設けられている。ここでは、方形のケース13の本体部13bの第1の辺に沿ってアンテナケース13aが設けられており、第1の辺に対向する第2の辺に沿ってアンテナ収容溝13cが設けられている。
【0035】
図11に示すように、第2実施形態でも、基本的に、第1実施形態と同様に、アンテナ17は、アンテナ基点17aがケース13の本体部13b内に位置し、アンテナ端部17bがアンテナケース13a内に位置するように配置されている。この場合、
図3に示すような第1実施形態と同様のアンテナ配置例が適用可能である。
【0036】
また、
図12A、
図12B、
図13及び
図14に示すように、ケース13の本体部13b内において、アンテナ収容溝13cに沿ってアンテナ17が配置されていても良い。この場合、アンテナケース13aを全く使用しない。
【0037】
例えば、
図12A及び
図12Bに示すように、アンテナ17は、アンテナ収容溝13cに沿って、ケース13の本体部13b内に収まるように配置されていても良い。
また、
図13に示すように、アンテナ線の長さを調整することで、アンテナ基点17aがアンテナ収容溝13cのうちアンテナケース13aに対して離間しかつ略平行な部分の半ばに位置し、アンテナ端部17bがアンテナ収容溝13cのうちアンテナケース13aに対して略直交する部分の半ばに位置するようにしても良い。
また、
図14に示すように、ケース13の本体部13b内において、アンテナ線の長さを調整し、かつ、アンテナ基点17aとアンテナ端部17bとの位置を入れ替えても良い。すなわち、アンテナ基点17aがアンテナ収容溝13cのうちアンテナケース13aに対して略直交する部分の半ばに位置し、アンテナ端部17bがアンテナ収容溝13cのうちアンテナケース13aに対して離間しかつ略平行な部分の半ばに位置するようにしても良い。
ここで、アンテナ収容溝13cは、アンテナ17の無線信号の受信感度を確保する観点から、アンテナ端部17bの位置する箇所に開口部を有していると好ましい。
また、図示しないが、アンテナケース13aとアンテナ収容溝13cとの両方にアンテナ17を配置することも可能である。
このように、アンテナ17は、無線信号の受信感度を調整するため、無線回路基板14に対して給電点を基点に位置を任意に調整することができる。
【0038】
また、第2実施形態に係る無線モジュール12は、カバー形状のケース13の一方が開口しており、ケース13の本体部13bが片面のみであるため、第1実施形態に係る無線モジュール12と比べて、厚さが小さい。
【0039】
(照明装置と無線モジュールとの関係)
図15は、
図10BのLEDユニット2に
図11~
図14のいずれかの無線モジュール12を取付けた状態の斜視図、
図16は、
図10BのLEDユニット2に
図11~
図14のいずれかの無線モジュール12を取付けた状態の平面図、
図17は、
図16のLEDユニット2の断面図である。第2実施形態では、無線モジュール12を、筺体10の側壁10aを挟んで、LED基板6が位置する側とは反対側である外側に取付ける。なお、筺体10の側壁10aには、その外側において室内側から筺体10の底面側に折り返された折り返し壁10bが設けられている。なお、
図15、
図17における枠部18は筺体10に取付けられてカバーパネル9を支持するものである。
第2実施形態では、無線モジュール12を、筺体10の側壁10aと折り返し壁10bとの間、例えば筺体10の側壁10aの「外壁」又は折り返し壁10bの「内壁」に取付ける。すなわち、無線モジュール12を、筺体10の側壁10aよりも「外側」かつ折り返し壁10bよりも「内側」に取付ける。
具体的には、
図15~
図17に示すように、筺体10の側壁10aと折り返し壁10bとの間には、本体部長手方向に長手で室内側に窪んだ凹部が形成されており、室内側と反対側からこの凹部内に、厚さの小さい無線モジュール12を嵌め込むようにして取付ける。
【0040】
なお、無線モジュール12を凹部内に取付ける際に、アンテナ17を最も室内側に近づけるか、若しくは最も室内側と反対側に近づけるか、すなわち最も室内側から遠ざけるかは任意である。したがって、第2実施形態においても、第1実施形態のように、照明装置1を設置する際の無線信号の受信感度の実測値に応じて、
図11~
図14に示すアンテナ配置例のうち好適なものを採用した無線モジュール12を選択し、その無線モジュール12を取り付ける方向を決定することができる。そのため、照明装置1を設置する際のアンテナ調整の柔軟性及び自由度が飛躍的に向上する。
【0041】
第2実施形態の器具本体3については、既存設備を転用可能であり、既存のグリッド型照明装置の器具本体と同様でも良い。また、外観形状は異なるが、LEDユニット2の取り付け方法については、第1実施形態の器具本体3と同様にすることができる。
【0042】
(第2実施形態の効果)
このように、第2実施形態に係る照明装置1では、室内側から見て、無線モジュール12のアンテナ17は金属製のヒートシンク5の外側に配置されるので、室内側からの無線信号の受信感度を確保する上で有利である。更に、LED点灯装置7や無線モジュール12に対して、アンテナ17の位置を任意に調整可能であるため、照明装置1を設置する際のアンテナ調整の柔軟性及び自由度が飛躍的に向上する。
【0043】
(変形例)
図18は、
図11の無線モジュール12のケース13内での他のアンテナ配置例を示す模式図である。
図18に示すように、この変形例では、無線モジュール12のケース13の本体部13bの内部の縁と中央付近とにアンテナ収容溝13cが設けられている。
具体的には、アンテナ収容溝13cは、アンテナケース13aと平行な第1の縁に沿って設けられたアンテナ収容溝13c1と、その第1の縁に対向する第2の縁に設けられたアンテナ収容溝13c2と、アンテナ収容溝13c1及びアンテナ収容溝13c2に対して略直交する方向に設けられたアンテナ収容溝13c3、アンテナ収容溝13c4、アンテナ収容溝13c5とを有する。
ここで、アンテナ収容溝13c3及びアンテナ収容溝13c4は、互いに対向するように、ケース13の本体部13bの内部の縁、例えば第1の縁及び第2の縁と略直交する方向の第3の縁及び第4の縁に沿って設けられている。アンテナ収容溝13c5は、ケース13の本体部13bの内部の中央付近に設けられている。
アンテナ17は、このようなアンテナ収容溝13cに対し、
図18(a)~(d)のいずれかに示すように配置することが可能である。この変形例では、アンテナケース13aにはアンテナ17を配置しない。
例えば、
図18(a)に示すように、アンテナ17は、アンテナ収容溝13c1とアンテナ収容溝13c4とに収容されるように配置されていても良い。
また、
図18(b)に示すように、アンテナ17は、アンテナ収容溝13c1とアンテナ収容溝13c3とに収容されるように配置されていても良い。
また、
図18(c)に示すように、アンテナ17は、アンテナ収容溝13c1とアンテナ収容溝13c5とに収容されるように配置されていても良い。
また、
図18(d)に示すように、アンテナ17は、アンテナ収容溝13c2とアンテナ収容溝13c5とに収容されるように配置されていても良い。
なお、図示したアンテナ配置例は一例に過ぎない。実際には、アンテナ収容溝13cに配置可能であれば、図示しない他のアンテナ配置例も許容される。必要であれば、アンテナ収容溝13c1~アンテナ収容溝13c5の全てにアンテナ17を配置することも可能である。
また、アンテナ基点17aとアンテナ端部17bとの位置については図示を省略しているが、
図3のアンテナ配置例と同様に、アンテナ基点17aとアンテナ端部17bとの位置は入れ替え可能であるものとする。
【0044】
<第3実施形態>
(グリッド型照明装置)
第3実施形態に係る照明装置1及びLEDユニット2自体は、
図10Aに示した第2実施形態に係る照明装置1及びLEDユニット2と同様である。
【0045】
(無線モジュール)
第3実施形態に係る無線モジュール12自体も、
図11~
図14等に示した第2実施形態に係る無線モジュール12と同様である。
【0046】
(照明装置と無線モジュールとの関係)
図19は、第3実施形態において、
図10BのLEDユニット2に
図11~
図14及び
図18のいずれかの無線モジュール12を取付けた状態の斜視図、
図20は、
図19のLEDユニット2の断面図である。第3実施形態でも、無線モジュール12を、筺体10の側壁10aを挟んで、LED基板6が位置する側とは反対側である外側に取付ける点では、第2実施形態と同様である。なお、筺体10の側壁10aには、その外側において室内側から筺体10の底面側に折り返された折り返し壁10bが設けられている。
しかし、第3実施形態では、第2実施形態と異なり、無線モジュール12を、筺体10の折り返し壁10bの「外壁」に取付ける。すなわち、無線モジュール12を、筺体10の折り返し壁10bよりも「外側」に取付ける。
具体的には、
図19及び
図20に示すように、室内側と反対側から、筺体10の折り返し壁10bの外側に、厚さの小さい無線モジュール12を貼り付けるようにして取付ける。
【0047】
なお、無線モジュール12を筺体10の折り返し壁10bの外側に取付ける際に、アンテナ17を最も室内側に近づけるか、若しくは最も室内側と反対側に近づけるか、すなわち最も室内側から遠ざけるかは任意である。したがって、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、照明装置1を設置する際の無線信号の受信感度の実測値に応じて、
図11~
図14に示すアンテナ配置例のうち好適なものを採用した無線モジュール12を選択し、その無線モジュール12を取り付ける方向を決定することができる。そのため、照明装置1を設置する際のアンテナ調整の柔軟性及び自由度が飛躍的に向上する。
【0048】
(第3実施形態の効果)
このように、第3実施形態に係る照明装置1では、室内側から見て、無線モジュール12のアンテナ17は金属製のヒートシンク5の外側に配置されるので、室内側からの無線信号の受信感度を確保する上で有利である。更に、LED点灯装置7や無線モジュール12に対して、アンテナ17の位置を任意に調整可能であるため、照明装置1を設置する際のアンテナ調整の柔軟性及び自由度が飛躍的に向上する。
【0049】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これらの説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。したがって、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例又は実施形態も網羅すると解すべきである。
【符号の説明】
【0050】
1 照明装置、2 LEDユニット、3 器具本体、4 LED素子、5 ヒートシンク、5a アンテナ挿通孔、6 LED基板、7 LED点灯装置、8 反射シート、8a LED露出孔、8b アンテナ挿通孔、9 カバーパネル、10 筺体、10a 側壁、10b 折り返し壁、11 バネ受け部材、12 無線モジュール、13 ケース、13a アンテナケース、13b 本体部、13c アンテナ収容溝、14 無線回路基板、15 シールド部材、16 コネクタ、17 アンテナ、18 枠部