(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059119
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】製品・サービスの導入診断システム及び導入診断方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220406BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020166648
(22)【出願日】2020-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】518118828
【氏名又は名称】アイティクラウド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】黒野 源太
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大造
(72)【発明者】
【氏名】日下 諒子
(72)【発明者】
【氏名】下山 裕貴
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】製品・サービスの導入診断システムを提供する。
【解決手段】本システムは、製品又はサービスのレビュー情報と、レビュー情報を投稿したレビュアーが属する事業者の規模及び業種を含むレビュアー属性情報とを記憶しておき、ユーザの事業者の規模及び業種にマッチングするレビュアー属性情報を有するレビュー情報群を用いて製品又はサービスの導入診断処理を行う。レビュー項目として、製品又はサービスのカテゴリ毎に機能に関する評価項目が複数設定され、また、製品又はサービスの満足度に関する評価項目が複数設定されている。診断制御部は、満足度に関する評価項目を選択可能に制御し、機能に関する評価項目のうち、1つ又は複数の機能を必須機能項目として選択可能に制御する。そして、抽出されたレビュー情報を用いて、満足度評価項目及び必須機能項目に基づく導入診断処理を行い、製品又はサービスの導入診断結果を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業活動で使用する製品又はサービスの導入診断システムであって、
製品又はサービスのレビュー情報と、前記レビュー情報を投稿したレビュアーが属する事業者の規模及び業種を含むレビュアー属性情報と、を記憶する記憶部と、
導入診断を希望するユーザが属する事業者の規模及び業種を受け付け、受け付けたユーザの事業者の規模及び業種にマッチングするレビュアー属性情報を有するレビュー情報を抽出し、抽出されたレビュー情報群を用いて製品又はサービスの導入診断処理を行う診断制御部と、を有し、
前記製品又はサービスは、予め設定されたカテゴリに分類され、レビュー項目として、カテゴリ毎に製品又はサービスの機能に関する評価項目が複数設定されているとともに、製品又はサービスの満足度に関する評価項目が複数設定されており、
前記診断制御部は、
前記満足度に関する評価項目を選択可能に制御する満足度評価項目選択部と、
前記機能に関する評価項目のうち、1つ又は複数の機能を必須機能項目として選択可能に制御する機能選択部と、
前記抽出されたレビュー情報を用いて、前記満足度評価項目及び前記必須機能項目に基づく導入診断処理を行い、製品又はサービスの導入診断結果を生成する導入診断部と、
を備えることを特徴とする導入診断システム。
【請求項2】
前記満足度に関する評価項目は、製品又はサービスの使いやすさ、機能への満足度、導入のしやすさ、管理のしやすさ、サポート品質、費用対効果の満足度の各評価項目のうち、2つ以上を含み、
前記満足度評価項目選択部は、複数の異なる前記満足度に関する評価項目を選択可能に制御する第1処理、又は複数の異なる前記満足度に関する評価項目の優先順位を選択可能に制御する第2処理を遂行することを特徴とする請求項1に記載の導入診断システム。
【請求項3】
前記機能選択部は、前記機能に関する評価項目のうち、必須機能項目以外に1つ又は複数の機能を任意機能項目として選択可能に制御し、
前記導入診断部は、前記抽出されたレビュー情報を用いて、前記満足度評価項目、前記必須機能項目及び前記任意機能項目に基づく導入診断処理を行い、製品又はサービスの導入診断結果を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の導入診断システム。
【請求項4】
前記導入診断部は、
製品又はサービスが、選択された前記満足度に関する評価項目に対する評価値に基づく満足度評価点数を算出する第1処理、
製品又はサービスが、選択された前記必須機能項目を備えている数又は/及び選択された前記必須機能項目に対する評価値に基づく必須機能評価点数を算出する第2処理、及び
前記第1処理の結果及び前記第2処理の結果を用いて、各製品又はサービスの前記ユーザに対する導入マッチング率を算出する第3処理、を遂行し、
さらに、製品又はサービス別の各導入マッチング率を含む前記導入診断結果を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の導入診断システム。
【請求項5】
事業活動で使用する製品又はサービスの導入診断を行う管理装置によって実行されるプログラムであって、前記管理装置に、
導入診断を希望するユーザが操作する端末から、ユーザが属する事業者の規模及び業種を受け付け、製品又はサービスのレビュー情報を投稿したレビュアーが属する事業者の規模及び業種を含むレビュアー属性情報と、受け付けた前記ユーザの事業者の規模及び業種とをマッチングして、レビュー情報群を抽出する第1機能と、
抽出されたレビュー情報群を用いて製品又はサービスの導入診断処理を行う第2機能と、を実現させ、
前記製品又はサービスは、予め設定されたカテゴリに分類され、レビュー項目として、カテゴリ毎に製品又はサービスの機能に関する評価項目が複数設定されているとともに、製品又はサービスの満足度に関する評価項目が複数設定されており、
前記第2機能は、
前記満足度に関する評価項目を選択可能に制御する第3機能と、
前記機能に関する評価項目のうち、1つ又は複数の機能を必須機能項目として選択可能に制御する第4機能と、
前記抽出されたレビュー情報を用いて、前記必須機能項目及び前記満足度評価項目に基づく導入診断処理を行い、製品又はサービスの導入診断結果を生成する第5機能と、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
事業活動で使用する製品又はサービスの導入診断方法であって、
導入診断を希望するユーザが操作する端末から、ユーザが属する事業者の規模及び業種を受け付ける第1ステップと、
製品又はサービスの満足度に関する評価項目を選択可能に制御する第2ステップと、
予め設定されたカテゴリに分類された製品又はサービスの機能に関する評価項目のうち、1つ又は複数の機能を必須機能項目として選択可能に制御する第3ステップと、
前記機能に関する評価項目及び前記満足度に関する評価項目がレビュー項目として含まれるレビュー情報を投稿したレビュアーが属する事業者の規模及び業種を含むレビュアー属性情報と、受け付けた前記ユーザの事業者の規模及び業種とをマッチングしてレビュー情報群を抽出する第4ステップと、
抽出されたレビュー情報群を用いて、前記必須機能項目及び前記満足度評価項目に基づく導入診断処理を行い、製品又はサービスの導入診断結果を生成する第5ステップと、
を含むことを特徴とする導入診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業活動で使用・利用する製品やサービスを導入するにあたり、事業者に適合する製品・サービスを診断する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、口コミやレビューといった個人評価の投稿サイトや、商品紹介(商品購入)ページに口コミやレビューを表示するECサイトがある。口コミやレビューといった情報(以下、レビュー情報と称する)は、近年、製品やサービスを選ぶ上で重要なファクターとなっており、例えば、購入を希望する商品を検討する上で、レビュー情報を参考にしている。
【0003】
また、特許文献1に記載のように、他のユーザによる評価を用いて、商品を推薦する技術も提案されている。特許文献1は、評価コメント内の評価表現を示す評価表現テキストから語句セットを抽出し、語句セットと商品とを紐付けることで、語句セットに対応する商品検索ができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のレコメンド技術は、個人向け(個人消費者向け)の技術であり、例えば、ユーザ個人の趣味や嗜好、閲覧履歴や購入履歴などのユーザアクションを蓄積し、類似する他のユーザのユーザアクションを参考に、レコメンドを行うものである。この技術は、統計的手法又は機械学習的手法であり、個人的なユーザアクションの蓄積が必要である。
【0006】
一方で、事業活動で使用する製品やサービスに対しては、上記従来のレコメンド技術は不向きである。例えば、事業活動に必要な製品やサービスは、頻繁に導入するわけではなく、ユーザアクションの蓄積はほぼ皆無である。
【0007】
特に、レコメンド処理の過程がブラックボックス化されており、なぜその商品がレコメンドされたのかを、レコメンドを受けた側は把握できない。言い換えれば、個人向けであるため、レコメンドされた理由をユーザが把握する必要がなかったとも言える。しかしながら、事業者は、事業活動で使用する製品やサービスを導入するにあたり、その商品が事業活動にどのように適合しているかを把握することは、重要である。このため、一方的な提示に過ぎない従来のレコメンド技術は、事業活動で使用する製品やサービスを導入する際の診断機能としては、不向きである。つまり、事業活動の設備投資として導入する製品やサービスは、個人消費とは異なり、他の事業者との類似性を求めるものではなく、事業活動に対する有益性(主に投資対効果)が求められるからである。
【0008】
さらに、上述のように、レビュー情報を使った製品検索機能を提供する技術もあるが、例えば、評価ランクが高い順・低い順に、または満足度が高い順・低い順といった、ソート技術に留まっている。したがって、レビュー情報の評価項目や評価ランクで検索や絞り込みができても、事業活動で使用する製品やサービスを導入する際の診断機能としては、不向きである。
【0009】
また、従来、レビュー情報を投稿したレビュアーの属性が把握できないという課題もある。レビュー情報は、投稿するレビュアーの属性に左右される。つまり、レビューを行うレビュアーの背景(例えば、事業者の業種や事業活動に対する設備投資の規模や製品の使い方など)が異なれば、同じ製品でも、おのずとレビュー情報の内容(評価)も異なる。このため、レビュアーの事業的な属性を把握しないと、自分の事業に適合しないレビュー情報を含む情報群により、ズレた導入診断(提案)となってしまう。
【0010】
このように、事業活動で使用する製品やサービスの導入に対するレコメンドは、従来なかった事業活動に対する有益性の「診断要素」が必要であり、ソート技術や検索、絞り込みに、レビュー情報が使えるだけでは、事業者に適合する製品・サービスを提案することができない課題があった。また、自分の事業に適合する事業的なレビュアー属性を有するレビュー情報群を用いた導入製品やサービスの評価・診断を行うことができない課題があった。
【0011】
そこで、本発明は、事業者に適合するレビュー情報群を用いて、事業者に対して事業活動で使用する製品やサービスを診断する診断機能を備える製品・サービスの導入診断システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、事業活動で使用する製品又はサービスの導入診断システムであり、製品又はサービスのレビュー情報と、レビュー情報を投稿したレビュアーが属する事業者の規模及び業種を含むレビュアー属性情報と、を記憶する記憶部、及び導入診断を希望するユーザが属する事業者の規模及び業種を受け付け、受け付けたユーザの事業者の規模及び業種にマッチングするレビュアー属性情報を有するレビュー情報を抽出し、抽出されたレビュー情報群を用いて製品又はサービスの導入診断処理を行う診断制御部を有する。
【0013】
ここで、製品又はサービスは、予め設定されたカテゴリに分類され、レビュー項目として、カテゴリ毎に製品又はサービスの機能に関する評価項目が複数設定されているとともに、製品又はサービスの満足度に関する評価項目が複数設定されている。
【0014】
そして、診断制御部は、満足度に関する評価項目を選択可能に制御する満足度評価項目選択部と、機能に関する評価項目のうち、1つ又は複数の機能を必須機能項目として選択可能に制御する機能選択部と、抽出されたレビュー情報を用いて、満足度評価項目及び必須機能項目に基づく導入診断処理を行い、製品又はサービスの導入診断結果を生成する導入診断部と、を備える。
【0015】
(2)上記(1)において、満足度に関する評価項目は、製品又はサービスの使いやすさ、機能への満足度、導入のしやすさ、管理のしやすさ、サポート品質、費用対効果の満足度の各評価項目のうち、2つ以上を含むように構成することができる。そして、満足度評価項目選択部は、複数の異なる満足度に関する評価項目を選択可能に制御する第1処理、又は複数の異なる満足度に関する評価項目の優先順位を選択可能に制御する第2処理を遂行することができる。
【0016】
(3)上記(1)又は(2)において、機能選択部は、機能に関する評価項目のうち、必須機能項目以外に1つ又は複数の機能を任意機能項目として選択可能に制御することができる。導入診断部は、抽出されたレビュー情報を用いて、必須機能項目、任意機能項目、及び満足度評価項目に基づく導入診断処理を行い、製品又はサービスの導入診断結果を生成することができる。
【0017】
(4)上記(1)から(3)において、導入診断部は、以下の処理を遂行することができる。
(a)製品又はサービスが、選択された満足度に関する評価項目に対する評価値に基づく満足度評価点数を算出する第1処理、
(b)製品又はサービスが、選択された必須機能項目を備えている数又は/及び選択された必須機能項目に対する評価値に基づく必須機能評価点数を算出する第2処理、
(c)第1処理の結果及び第2処理の結果を用いて、各製品又はサービスのユーザに対する導入マッチング率を算出する第3処理、を遂行し、
製品又はサービス別の各導入マッチング率を含む前記導入診断結果を生成するように構成することができる。
【0018】
(5)本発明のプログラムは、事業活動で使用する製品又はサービスの導入診断を行う管理装置によって実行され、管理装置に以下の機能を実現させる。
導入診断を希望するユーザが操作する端末から、ユーザが属する事業者の規模及び業種を受け付け、製品又はサービスのレビュー情報を投稿したレビュアーが属する事業者の規模及び業種を含むレビュアー属性情報と、受け付けたユーザの事業者の規模及び業種とをマッチングして、レビュー情報群を抽出する第1機能、及び抽出されたレビュー情報群を用いて製品又はサービスの導入診断処理を行う第2機能。
【0019】
ここで、製品又はサービスは、予め設定されたカテゴリに分類され、レビュー項目として、カテゴリ毎に製品又はサービスの機能に関する評価項目が複数設定されているとともに、製品又はサービスの満足度に関する評価項目が複数設定されており、上記第2機能は、満足度に関する評価項目を選択可能に制御する第3機能と、機能に関する評価項目のうち、1つ又は複数の機能を必須機能項目として選択可能に制御する第4機能と、抽出されたレビュー情報を用いて、必須機能項目及び満足度評価項目に基づく導入診断処理を行い、製品又はサービスの導入診断結果を生成する第5機能と、を含むように構成することができる。
【0020】
(6)本発明は、事業活動で使用する製品又はサービスの導入診断方法であり、以下のステップを含む。
導入診断を希望するユーザが操作する端末から、ユーザが属する事業者の規模及び業種を受け付ける第1ステップ、
製品又はサービスの満足度に関する評価項目を選択可能に制御する第2ステップ、
予め設定されたカテゴリに分類された製品又はサービスの機能に関する評価項目のうち、1つ又は複数の機能を必須機能項目として選択可能に制御する第3ステップ、
機能に関する評価項目及び満足度に関する評価項目がレビュー項目として含まれるレビュー情報を投稿したレビュアーが属する事業者の規模及び業種を含むレビュアー属性情報と、受け付けたユーザの事業者の規模及び業種とをマッチングしてレビュー情報群を抽出する第4ステップ、及び、
抽出されたレビュー情報群を用いて、必須機能項目及び満足度評価項目に基づく導入診断処理を行い、製品又はサービスの導入診断結果を生成する第5ステップ。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、導入診断を希望する事業者の規模及び業種とレビュアー属性とをマッチングしてレビュー情報群を抽出するので、主観的要素を低減させ、事業者と適合する事業活動の実績(活用実態)に基づいた情報群を抽出することができる。このため、導入診断希望者の事業規模に見合った製品やサービスの導入診断が可能となる。
【0022】
そして、導入診断希望者が事業の有益性を求める観点から選択した事業活動での必須機能項目及び重視する満足度に関する評価項目を用い、事業規模に見合った製品やサービスを評価して導入診断するので、自社特有の要望、事業方針や事業規模等に則した有益性の高い製品やサービスを提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態の製品又はサービスの導入診断機能を含む製品レビューシステムのネットワーク構成図である。
【
図2】第1実施形態の製品レビュー・診断管理装置の構成ブロック図である。
【
図3】第1実施形態の製品情報、レビュアー情報(レビュアー属性)、及び製品レビュー情報の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態の製品カテゴリ別の機能評価項目例1を示す図である。
【
図5】第1実施形態の製品カテゴリ別の機能評価項目例2を示す図である。
【
図6】第1実施形態の製品レビュー投稿画面における機能評価項目の評価値入力例を示す図である。
【
図7】第1実施形態の製品レビュー投稿画面における満足度評価項目の評価値入力例を示す図である。
【
図8】第1実施形態の導入診断受付画面例を示す図である。
【
図9】第1実施形態の導入診断受付画面の変形例を示す図である。
【
図10】第1実施形態の導入診断処理の詳細フローを示す図である。
【
図11】第1実施形態のマッチング率でランキングした製品一覧表の一例である。
【
図12】第1実施形態の導入診断結果の一例を示す図である。
【
図13】第1実施形態のシステムフローを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(第1実施形態)
図1から
図13は、第1実施形態を説明するための図である。
図1は、製品レビュー・診断管理装置100(以下、管理装置という)を中心とした本システムのネットワーク構成図であり、以下の説明では、製品又はサービスの導入診断機能を備える製品レビューシステムを一例に説明する。
【0025】
本システムは、事業活動で使用する製品又はサービスのレビュー情報をレビュアーから受け付け、そのレビュー情報を蓄積及びWebサイト訪問者に提供する製品レビューシステムであり、導入検討を行う事業者(導入診断希望者)に、レビュー情報を用いた導入診断サービスを提供する。
【0026】
事業活動で使用する製品又はサービスは、例えば、IT(Information Technology)分野を一例に挙げることができる。ビジネス向けのハードウェア機器やソフトウェア(アプリケーションプログラム)などのIT製品と、クラウドサービスなどのITサービスがある。なお、クラウドサービスとは、インターネット等のネットワーク上に置かれたサーバ等が提供するリソースを使用するサービス態様であり、例えば、Webメールシステムやストレージシステムなどがある。
【0027】
一方で、IT製品といっても多様な種類、態様があり、製品とサービスの区別は必ずしも明確にする必要はなく、例えば、インストール不要なWeb会議システムは、クラウドサービスであり、モジュールインストールが必要なWeb会議システムは製品であってもよい。したがって、本実施形態の製品又はサービスとは、事業活動で使用するビジネスツールである。なお、以下の説明では、製品又はサービスを、便宜のため、製品と称している。
【0028】
<システム構成>
図1に示すように、管理装置100は、レビュアーが操作するレビュアー端末300及び導入診断希望者のユーザ端末500それぞれとネットワークを通じて接続され、レビュアーに対し、登録された製品に対するレビュー投稿機能を提供し、導入診断希望者に対し、レビュー投稿機能によって蓄積されるレビュー情報を用いた導入診断機能を提供する。導入診断希望者は、導入診断機能のユーザとして本サービスを利用する。なお、レビュアーが導入診断希望者となるケースや導入診断希望者がレビュアーとなるケースも含まれる。
【0029】
レビュアー端末300及びユーザ端末500は、スマートフォンなどの多機能携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型端末などの持ち運び可能な携帯端末(モバイル端末)、ノート型コンピュータ、デスクトップコンピュータなどである。端末300,500は、通信機能、演算機能及び入力機能を備え、IP(Internet protocol)網又は移動通信回線網(Mobile communication network)を通じて管理装置100に接続し、データ通信を行うことができる。
【0030】
レビュアー及びユーザは共に、事業活動を営む事業者又は当該事業者に雇用され、業務に従事している従業員である。レビュアーは、レビュアー属性として、自身が所属する(または経営する)事業者の規模及び業種が管理装置100に登録される。本実施形態では、規模として、少なくとも従業員数を含む情報であればよく、従業員数と共に、資本金、営業所の数、従業員の年齢層などの各種情報を、事業者の「規模」に関する情報として適用してもよい。これらの属性は、レビュアー属性と紐付けられ、後述するように、レビュー情報のマッチングに適宜使用することができる。
【0031】
業種とは、事業や営業の種類であり、例えば、小売・卸売、飲食・宿泊、サービス、IT・広告・マスコミ、コンサル・会計・法務関連、人材、病院・福祉・介護、不動産、金融・保険、教育・学習、建設・建築、運輸、製造・機械、電気・ガス・水道、農林水産、鉱業、官公庁、組合・団体・協会などがある。しかしながら、これらの例示に限らず、多様な業種を適宜又は任意に設定することができる。なお、業種は、大分類、中分類、小分類などの体系化された情報であってもよく、大分類の業種は、中分類及び小分類の業種との連関関係を含み、中分類の業種は、小分類との連関関係を含むように構成することができる。
【0032】
図2は、管理装置100の構成ブロック図である。管理装置100は、レビュー投稿機能を提供する制御装置110及び記憶装置120と、導入診断機能を提供する制御装置150及び記憶装置160と、を備えている。通信装置130は、レビュアー端末300側の通信制御を行う第1通信インタフェースと、ユーザ端末500側の通信制御を行う第2通信インタフェースとを備え、それぞれのデータ通信を制御する。
【0033】
≪レビュー投稿機能の説明≫
制御装置110は、製品情報管理部111、レビュアー管理部112、製品レビュー登録部113、及び製品レビュー提供部114を含んで構成されている。
【0034】
製品情報管理部111は、製品情報の登録処理と、製品分類情報の設定・編集処理とを遂行する。製品情報112は、製品名、製品紹介(機能説明を含む製品アピール情報など)、後述する製品カテゴリを含み、製品ID別に記憶される。製品情報管理部111は、例えば、所定の入力画面を通じた製品情報の登録制御を行うことができ、本システムの運営管理者や製品提供側の担当者が管理装置100にアクセスして製品情報を登録することができる。
【0035】
製品分類情報は、本運営管理者が独自に各製品を複数のカテゴリに分類した情報であり、例えば、Web会議システム、オンラインストレージなどの分類を設定して登録することができる。製品分類についても、例えば、「情報共有」という上位の製品カテゴリを設定し、「情報共有」内に、コラボレーション、オンライン会議、コンテンツ管理、デザインソフト、ビジネスプロセス、その他の情報共有といった中位分類に細分化し、さらに「オンライン会議」の下位分類として、Web会議、ウェビナー、Web面接、その他オンライン会議などを設定することができる。
【0036】
本システムに登録される製品は、製品分類情報の下位分類のいずれか1つに分類され、例えば、製品情報の登録処理の際に予め生成された製品分類情報の下位分類を選択可能に制御することで、製品カテゴリとの紐付けを行うことができる。
【0037】
なお、上位の製品カテゴリや中位分類の製品カテゴリは、例えば、事業活動でよくある課題や目的を設定してもよい。具体的には、「働き方改革・生産性の向上」という上位分類に対して「テレワーク(在宅勤務)の導入」の中位分類が紐付き、中位分類の下位分類として「Web会議」が紐付けられるようにカテゴライズすることもできる。
【0038】
図4は、製品カテゴリ別の機能評価項目例1を示す図である。
図4の例は、製品カテゴリ「Web会議」には、「会議機能」と「資料共有」の機能が設定され、「会議機能」は、さらに、音声/ビデオ会議、テキストチャット、スケジュール設定、録音、録画、ミュート、投票、モバイルデバイス対応、在籍確認(プレゼンス)の詳細な機能評価項目が設定されている。また、「資料共有」は、スライドショー、デスクトップ/アプリケーション画面共有、ファイル共有/送受信、オンライン上でのメモ書き、といった機能評価項目が設定されている。
【0039】
図5は、製品カテゴリ別の機能評価項目例2を示す図である。
図4の例は、製品カテゴリ「オンラインストレージ」には、「ファイル共有機能」、「コラボレーション機能」、「管理、セキュリティ機能」が設定されている。「ファイル共有機能」は、Webインタフェースでの利用、多様なファイル形式への対応、ファイルの検索・分類、バージョン管理、同期ツールの詳細な機能評価項目が設定されている。また、「コラボレーション機能」は、ファイル更新通知、コメント機能、ゲスト招待といった機能評価項目が設定されている。「管理、セキュリティ機能」は、ユーザ管理、アクセス制御、モバイルデバイス制限、二要素認証、デバイスデータの遠隔削除、ログ管理の各機能評価項目が設定されている。
【0040】
これらの機能評価項目は、製品カテゴリ毎に異なる項目が設定され、各製品の評価に必要な機能項目として本システムの運営管理側が独自に設定した項目であり、かつレビュー投稿機能で提供されるレビュー項目として、当該製品が属する製品カテゴリに応じて設定された機能に関する評価項目が複数設定されている。
【0041】
レビュー投稿機能を提供するにあたり、製品情報管理部111は、製品情報の登録、製品分類情報、製品分類別の機能評価項目の各設定処理を遂行し、レビュープラットフォームを形成する。
【0042】
レビュアー管理部112は、レビューを行うユーザの登録処理を行う。特に本実施形態では、レビュアー属性として、氏名、電話番号、所属企業情報(企業名、本社所在地、拠点名、部署名、従業員規模、業種、職種、役職、勤務開始日など)を登録するように制御する。レビュアー管理部112は、
図3に示すように、氏名、電話番号、所属企業情報の入力を所定の画面を通じて受け付け、レビュアーID別にレビュアー情報112として記憶する。
【0043】
製品レビュー登録部113は、レビュー投稿Webサイトとして、所定の画面を通じ、レビュー項目として設定された当該製品が属する製品カテゴリの複数の機能評価項目に対する評価値入力を受け付け、入力された評価値を機能評価項目別に記憶する。例えば、段階評価で1~5がレベルを選択可能に制御し、選択されたレベル値を評価値として受け付けることができる。レベル5を最高評価として、レベル4、レベル3、レベル2、最後に最低評価としてレベル1を設定することができる。段階評価以外にも、10点満点や100点満点で点数を付ける点数評価であってもよい。機能項目の各評価として数値化された評価手法であればよい。
【0044】
図6は、製品レビュー投稿画面における機能評価項目の評価値入力例を示す図である。
図6に示すように、複数の各機能評価項目に対して、評価値を1から5段階で選択可能な目盛りオブジェクトが表示され、レビュアーは、目盛りオブジェクトで視覚的に評価値を入力する。なお、
図6の例では、評価ができない場合に選択する「わからない」ボタンも含まれている。これは、レビュアーがその機能を使ったことがないときに、「わからない」ボタンを押して、評価を保留することができるようにしている。上述した点数評価においても、「わからない」ボタンを設けて、評価を保留にすることも可能である。
【0045】
また、本実施形態では、事業活動で使用した製品に対する満足度評価項目も、レビュー項目として設定される。満足度評価項目は、「製品又はサービスの使いやすさ」、「機能への満足度」、「導入のしやすさ」、「管理のしやすさ」、「サポート品質」、「費用対効果の満足度」の複数の各評価項目を含む。満足度評価項目についても、機能評価項目同様に、段階評価や点数評価による数値化された評価手法を採用することができる。レビュアーは、導入した製品を事業活動で使用した実績値として、各満足度評価項目の評価値を選択又は入力する。
【0046】
図7は、製品レビュー投稿画面における満足度評価項目の評価値入力例を示す図である。
図7の例示も、
図6に示した評価値入力と同様の構成であり、複数の各満足度評価項目に対して、評価値を1から5段階で選択可能な目盛りオブジェクトが表示され、レビュアーは、目盛りオブジェクトで視覚的に評価値を入力することができる。
【0047】
なお、レビュー項目としては、機能評価項目及び満足度評価項目以外にも、レビューした製品の利用期間や、その製品を導入した経緯(例えば、他製品・サービスからの乗り換えか否かなど)に関する情報も、レビュー情報として受け付けるように制御することができる。また、テキスト入力欄を適宜設けてレビュアーが自由に感想を述べることができるようにしてもよい。
【0048】
本実施形態は、レビュー対象の製品は、予め設定された製品カテゴリに分類され、レビュー項目として、製品カテゴリ毎に属する製品の機能に関する評価項目が複数設定され、かつ当該製品の満足度に関する評価項目が複数設定されている。
図3の例において、レビュアーから受け付けた製品レビュー情報123は、製品ID別に、製品の満足度に関する各レビュー結果と、機能項目評価の各レビュー結果とが含まれており、レビューしたレビュアーも紐付けられている。このように、複数の機能評価項目及び複数の満足度に関する評価項目を含む製品レビュー情報123と、この製品レビュー情報123を投稿したレビュアーが属する事業者の規模及び業種を含むレビュアー属性情報122とが、紐付けられている。
【0049】
製品レビュー提供部114は、記憶装置120に蓄積・格納された製品情報121、製品レビュー情報(
図3参照)を用い、Webサイトとして製品レビューの閲覧制御を行う。製品レビュー提供部114は、レビュアー端末300、導入診断希望者のユーザ端末500及び他の端末からの閲覧要求に対し、各種Webページを提供して表示制御を行うと共に、Webページ上に表示される製品情報に対してレビュー情報を表示する制御を行う。
【0050】
≪導入診断機能の説明≫
制御装置150は、診断制御部151を備える。診断制御部151は、診断受付部151A、満足度評価項目選択部151B、機能選択部151C、導入診断部151Dを含む。
【0051】
本実施形態の導入診断機能は、
図8に例示する各種受付画面を通じて、導入診断希望者であるユーザから導入診断処理に必要な情報(ユーザ情報)を受け付ける。診断受付部151Aは、
図8に示すように、製品のカテゴリ(下位分類)、例えば、上述した「Web会議」が表示された製品カテゴリ選択画面を、ユーザ端末500に表示させる。ユーザは、導入を希望する製品カテゴリを選択する。
【0052】
次に、診断受付部151Aは、会社規模(従業員数)、業種の各リスト選択機能を含む画面をユーザ端末500に提供し、画面を通じてユーザの事業活動における規模及び業種を受け付ける。なお、リスト選択方式ではなく、ユーザによるテキスト入力方式であってもよい。
【0053】
満足度評価項目選択部151Bは、満足度に関する評価項目を選択できるように、「製品又はサービスの使いやすさ」、「機能への満足度」、「導入のしやすさ」、「管理のしやすさ」、「サポート品質」、「費用対効果の満足度」の各評価項目を含む満足度評価項目選択画面をユーザ端末500に提供する。ユーザは、事業活動で使用する際に、どの観点での満足度を重視(優先)するのかをこれらの評価項目の中から、1つ又は複数選択することができる。選択された満足度評価項目は、満足度優先項目として抽出される。
図8の例では、3つの満足度評価項目が選択された態様を例示している。
【0054】
なお、満足度評価項目選択制御は、6つの評価項目を上から順に並び替え可能に制御することもでき、例えば、選択された3つの満足度評価項目に対し、上から並び順に優先度が高いものとして、ユーザの満足度評価項目の優先度を取得できるように制御することができる。また、
図8の例のように、各評価項目の中から複数選択できるように制御する場合、各満足度評価項目の優先度をすべて同じものとして取得するように構成することができる。
【0055】
さらに、満足度に関するすべての評価項目を選択できるように制御することも可能であり、この場合においても、前者のようにすべて同じ優先度として取り扱うようにしたり、後者のように並び替えによる優先度取得が可能となるように制御したりすることができる。本実施形態の満足度評価項目選択部151Bは、複数の異なる満足度に関する評価項目を選択可能に制御する第1処理、又は/及び複数の異なる満足度に関する評価項目の優先順位を選択可能に制御する第2処理を遂行することができる。
【0056】
機能選択部151Cは、製品カテゴリ選択画面で選択された製品カテゴリについて、
図4,
図5に例示した製品カテゴリ別の機能評価項目を抽出し、機能選択画面を生成して、ユーザ端末500に提供する。
図8の例は、各機能に対し、「必須」、「あると良い」、「不要」をそれぞれ選択可能な画面例であり、1つの機能に対し、必須機能選択(「必須」ボタン)、オプション機能選択(「あると良い」ボタン)、不要選択(「不要ボタン」)のいずれかを行うことができる。
【0057】
ユーザは、事業活動で使用する際に必ず備えて欲しい機能を1つ又は複数選択することができ、選択された機能項目は、必須機能項目として抽出される。また、機能選択部151Cは、事業活動で使用する際にあると良い機能を1つ又は複数選択することができ、選択された機能項目は、オプション機能項目として抽出される。なお、「不要ボタン」を選択しなくても、「必須ボタン」及び「あると良いボタン」の双方が選択されていない場合は、自動的にその機能は「不要」として取り扱うことができる。
【0058】
機能選択部151Cは、製品カテゴリに従う各機能項目に対し、1つ又は複数の必須機能項目を選択できるようにし、かつ必須機能項目として選択されなかった機能に関する評価項目のうち、1つ又は複数の機能をオプション機能項目として選択できるように、制御する。
図8の例は、必須機能項目選択とオプション機能項目選択とを統合し、1つの画面で各機能に対して複数の選択肢を設ける構成であるが、例えば、
図9に示すように、必須機能選択画面とオプション機能選択画面とに分けた受付画面を提供することもできる。
図9の変形例では、まず、ユーザは、必須機能選択画面で、製品カテゴリに属する各機能を必須機能として選択し、続いて、オプション機能選択画面で、必須機能項目として選択されなかった各機能に関する評価項目のうち、1つ又は複数の機能をオプション機能項目として選択することができる。両画面で選択されなかった機能項目は、「不要」として取り扱われる。
【0059】
導入診断機能は、ユーザから、導入診断を希望する製品カテゴリ、自身の事業規模、業種、必須機能、オプション機能、重視する満足度をユーザ情報161として取得し、導入診断部151Dが、レビュアー情報122及び製品レビュー情報123を用いて導入診断処理を行い、診断結果を生成する。
【0060】
図10は、本実施形態の導入診断処理の詳細フローを示す図である。
【0061】
導入診断部151Dは、受付画面で選択された製品カテゴリの製品レビュアー情報において、受付画面で選択された導入診断希望者の「規模」と「業種」にマッチングするレビュアー属性情報を有する(同じレビュアー属性が投稿した)製品レビュー情報群を抽出する(S1)。
【0062】
事業者の規模及び業種がマッチングする範囲は、基本的にレビュアー属性を登録する際の規模(従業員数)の選択肢と、ユーザ情報161として取得する際の受付画面での選択肢が同じであれば、同じであれば、同じ選択肢の規模のレビュアー属性を有する製品レビュー情報を抽出すればよい。また、選択ではなく、従業員数を入力して受け付ける場合は、予めマッチング許容範囲を設定しておき、入力された従業員数を中心にマッチング許容範囲に入る規模のレビュアー属性を有する製品レビュー情報を抽出すればよい。
【0063】
以下、抽出された製品レビュー情報群を製品別にグループ化し、製品別の製品レビュー情報群を用いて、各製品が導入診断希望者に適合する製品であるかの診断処理を行う。
【0064】
導入診断部151Dは、製品別に、選択された必須機能毎の評価点数を算出する必須機能評価点数算出処理を行う(S2)。例えば、必須機能「音声/ビデオ会議」についての評価値を、製品別に集計し、その平均点を算出することができる。選択された必須機能すべてに対して行う。
【0065】
同様に、導入診断部151Dは、製品別に、選択されたオプション機能毎の評価点数を算出するオプション機能評価点数算出処理を行う(S3)。例えば、オプション機能「テキストチャット」についての評価値を、製品別に集計し、その平均点を算出することができる。選択されたオプション機能すべてに対して行う。
【0066】
なお、製品によっては、必須機能及びオプション機能として選択された機能を備えていない場合もある。この場合の評価点数は、「0(その機能を備えていない)」として処理することができる。また、
図6及び
図7で示した「わからない」ボタンによる評価は、機能は備えているが、評価点数は「0」として取り扱うことができる。一方で、評価点数を「0」としての取り扱い以外に、計算対象から除外するように構成してもよい。例えば、選択された必須機能項目が5つあり、そのうち1つの必須機能項目に対して評価点数が「0」の製品については、残りの4つの必須機能項目を分母とする平均点を算出することができる。つまり、備えていない機能項目は、評価点数自体の計算対象から除外してその製品を評価することができる。この場合、後述するように、選択された必須機能項目を備えていないとして、評価点数とは別に、必須機能項目を備えていないマイナス評価値を総合点数に反映して、全ての必須機能項目を備えている製品よりもマッチング率が低くなるように制御することができる。
【0067】
導入診断部151Dは、製品別に、選択された満足度の優先項目毎の評価点数を算出する満足度評価点数算出処理を行う(S4)。例えば、製品別に、「製品又はサービスの使いやすさ」、「機能への満足度」、「導入のしやすさ」、「管理のしやすさ」、「サポート品質」、「費用対効果の満足度」を集計し、その平均点を算出することができる。これを選択された満足度評価項目すべてに対して行う。
【0068】
導入診断部151Dは、必須機能評価点数、オプション機能評価点数、及び満足度評価点数を用いて、各製品の総合点数を算出する(S5)。総合点数の算出方法は、任意であり、例えば、各評価点数を加算したり、評価点数毎に所定の重み値を適用し、所定の項目の点数がより反映される総合点数算出構成とすることもできる。
【0069】
必須機能評価点数は、例えば、減算方式で、その製品が、全ての必須機能を備えており、かつ各必須機能に対する評価値が満点の場合を最高点として、各必須機能に対する評価値が低くなればなるほど、点数が減算されたり、必須機能を備えていない数に応じて点数が減算されたりするように算出することができる。逆に、加算方式で、必須機能を備えている数が多いほど評価点が多くなるように算出したり、必須機能に対する評価値が満点に近いほど、評価点が高くなるように算出したりしてもよい。オプション機能評価点数についても同様である。
【0070】
したがって、導入診断部151Dは、製品が、選択された必須機能項目を備えているかを判定し、必須機能項目を備えている数に基づく診断結果を評価点数として生成し、さらに備えている必須機能項目の各評価値を反映した、必須機能評価点数を算出する。
【0071】
満足度評価点数は、優先度に応じた重み付けを適用することができる。例えば、6つの満足度評価項目のうち3つを選択し、優先順位を付けるケースでは、一位から順に高い配点を割り当てるように構成することができる。このとき、選択されなかった満足度評価項目は、除外することができる。
【0072】
導入診断部151Dは、各製品の総合点数を用いて、ユーザに対する各製品のマッチング率を算出する。マッチング率は、満点を基準とした総合点数の割合である。
図11は、マッチング率でランキングした製品一覧表の一例である。
【0073】
また、
図12は、導入診断結果の一例を示す図である。本実施形態の導入診断結果は、「マッチする理由」のコメント生成処理を行い、マッチング率及びコメントを含む導入診断結果を生成して、ユーザに提供する。導入診断結果は、ユーザ別に、記憶装置162の診断結果162として記憶される。また、
図12の例では、ユーザが選択した必須機能及びオプション機能の各項目について、評価点数算出処理において算出された各項目の評価点数(平均点)が、ステータスバーで点数表示されている。
【0074】
コメント生成処理は、ユーザが選択した必須機能をいくつ備えているか、ユーザが選択したオプション機能をいくつ備えているか、必須機能又はオプション機能において、最も評価が高い機能はどれか、などの各コメントを自動的に生成することができる。
【0075】
図12において、「選択した必須機能の5つの機能を完備」、「オプション機能は、4つ保持」などのコメントが含まれる。上述のように、導入診断処理では、各製品に対してユーザが選択した各機能を備えている数を把握しているので、機能装備数を含むコメントを生成することができる。また、ユーザが選択した各機能において、最も高い評価の機能を1つ又は複数ピックアップし、
図12のように「〇〇機能、〇〇共有機能の評価が最も高い」というコメントも生成することができる。
【0076】
満足度評価項目についてもコメントを生成することができる。例えば、ユーザが選択した満足度評価項目を対象に、所定値以上の評価をしたレビュアー属性の業種や規模を抽出する。そして、「IT・広告・マスコミの業種で、100人以上の企業からの評価が最も高い」というコメントを生成することができる。
【0077】
このように本実施形態は、
(a)製品が、選択された満足度評価項目に対する評価値に基づく満足度評価点数を算出する処理と、
(a-1)製品が、選択された必須機能項目を備えている数及び選択された必須機能項目に対する評価値に基づく必須機能評価点数を算出する処理と、
(b)製品が、選択されたオプション機能項目を備えている数および選択されたオプション機能項目に対する評価値に基づくオプション機能評価点数を算出する処理と、を遂行する。
(c)そして、各製品のユーザに対する導入マッチング率を算出する処理を行い、製品の各導入マッチング率を含む導入診断結果を生成する。なお、(a)、(a-1),(b)の各算出ステップの順序は任意である。
【0078】
図13は、本システムの全体フローを示す図である。管理装置100は、Webサイトで公開する製品情報の登録を受け付け、レビュー受付準備処理を行う(S101)。レビュアーは、管理装置100に接続してログイン認証を受けてログインする(S102,S301)。このとき、レビュアー属性情報の登録が済んでいないレビュアーについては、レビュー投稿を許可する前に、ユーザ登録を行う。
【0079】
レビュアーは、製品を選択し、選択した製品に対するレビュー投稿要求を行う(S302,S303)。管理装置100は、レビュー登録画面をレビュアー端末300に提供し、レビュー投稿画面の制御を行い、画面を通じて入力された製品レビュー情報を受け付ける(S104,S304)。管理装置100は、レビュー情報の入力が終了すると、投稿したレビュアーと紐付けて製品レビュー情報の登録処理を行う(S105,S305)。
【0080】
導入診断希望者であるユーザは、ユーザ端末500から管理装置100にアクセスし、診断要求を送信する(S501)。管理装置100は、
図9に示した各受付画面を通じてユーザ情報を取得する(S106,S502)。管理装置100は、受け付けたユーザ情報を用い、蓄積された製品レビュー情報に基づく導入診断処理を行い(S107)、診断結果をユーザ端末500に提供する(S108)。ユーザ端末500には、
図11及び
図12に示す各診断結果が表示される(S503)。なお、
図9に示した各受付画面の画面遷移順序、すなわち、ユーザ情報及び各種評価項目選択の受付順序は、任意であり、例えば、ユーザ情報の受付を最後にしたり、先に機能評価項目の選択を受け付けたりするように制御してもよい。
【0081】
このように本実施形態は、製品レビューWebサイトで蓄積される製品レビュー情報を用いた、事業活動で使用する製品又はサービスの導入診断システムを提供する。
【0082】
そして、導入診断を希望する事業者の規模及び業種とレビュアー属性とをマッチングして製品レビュー情報群を抽出するので、主観的要素を低減させ、事業者と適合する事業活動の実績(活用実態)に基づいた情報群を抽出することができる。このため、導入診断希望者の事業規模に見合った製品やサービスの導入診断が可能となる。
【0083】
そして、導入診断希望者が事業の有益性を求める観点から選択した事業活動での必須機能項目、オプション機能項目及び重視する満足度に関する評価項目を用い、事業規模に見合った製品やサービスを評価して導入診断するので、自社特有の要望、事業方針や事業規模等に則した有益性の高い製品やサービスが提案される。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、導入診断機能において、オプション機能の選択及びオプション機能の評価値算出は、省略することができる。すなわち、必須機能評価項目及び満足度評価項目で導入診断機能を構成することができる。このように構成しても、上述と同様の効果を得ることができる。
【0085】
また、導入診断処理として、必須機能評価点数、オプション機能評価点数及び満足度評価点数を用いた態様を一例に説明したが、これら以外の評価要素を加えた導入診断処理を行ってもよい。例えば、製品レビューのレビュー項目として、レビュアーから製品に対する全体の総合評価を受け付けるように構成することができ、この全体の総合評価の平均点も、評価点数として組み込んだ導入診断処理を行うこともできる。
【0086】
また、システム全体構成として、レビュー投稿機能を備えるシステム例を説明したが、レビュー投稿機能と導入診断機能とが別々のWebサイト(別々のWebサーバ)であってもよい。すなわち、導入診断機能において、外部又は内部参照可能な製品レビュー情報を利用できればよく、レビュー投稿機能自体を必須とするシステム構成でなくてもよい。つまり、本導入診断システムは、1つ又は複数の製品レビューWebサイトそれぞれと連携して導入診断機能を提供することができる。
【0087】
また、上記説明では、レビュー投稿機能の機能評価項目数と、導入診断機能でユーザが選択可能な機能評価項目数とが同じ態様を一例に説明したが、導入診断機能でユーザが選択可能な機能評価項目数が、レビュー投稿機能の機能評価項目数の中から選ばれた一部の項目(少ない項目数)であってもよい。
【0088】
また、
図8に示すように、ユーザ属性を入力する画面、満足度評価項目選択画面、機能選択画面の各画面において、「診断する」ボタンが設けられている。本発明の導入診断処理としては、製品カテゴリ選択後に、ユーザ属性だけを用いて導入診断を行うことができる。この場合、選択された満足度評価項目及び選択された機能評価項目に対する評価点数に対する重み付けがなく、純粋なユーザ属性に見合う導入診断結果が提供される。なお、ユーザ属性だけで導入診断を行う場合は、ユーザ属性に該当する製品レビューを絞り込んだ上で、上述した各製品の総合評価だけを用いて導入診断するように構成してもよい。また、ユーザ属性と満足度評価項目を用いて導入診断を行うこともできる。この場合は、選択された満足度評価項目の評価点数に対する重み付けが考慮された診断結果が提供される。
【0089】
また、管理装置100の各機能は、プログラムによって実現可能であり、各機能を実現するために予め用意されたコンピュータプログラムが補助記憶装置に格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行することで、各部の機能を動作させることができる。
【0090】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD-ROM等の光ディスク、DVD-ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【符号の説明】
【0091】
100 製品レビュー・診断管理装置
110 制御装置(レビュー投稿機能)
111 製品情報管理部
112 レビュアー管理部
113 製品レビュー登録部
114 製品レビュー提供部
120 記憶装置
121 製品情報
122 レビュアー情報(レビュアー属性)
123 製品レビュー情報
130 通信装置
150 制御装置(導入診断機能)
151 診断制御部
151A 診断受付部
151B 満足度評価項目選択部
151C 機能選択部
151D 導入診断部
160 記憶装置
161 ユーザ情報
162 診断結果
300 レビュアー端末
500 ユーザ端末(診断希望者)