IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 長野計器株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-圧力検出素子 図1
  • 特開-圧力検出素子 図2
  • 特開-圧力検出素子 図3
  • 特開-圧力検出素子 図4
  • 特開-圧力検出素子 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059145
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】圧力検出素子
(51)【国際特許分類】
   G01L 9/00 20060101AFI20220406BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
G01L9/00 305A
H01L29/84 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020166695
(22)【出願日】2020-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】000150707
【氏名又は名称】長野計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 雅司
(72)【発明者】
【氏名】今井 敦
【テーマコード(参考)】
2F055
4M112
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB20
2F055CC02
2F055DD05
2F055EE25
2F055FF17
2F055GG11
2F055HH05
4M112AA01
4M112BA07
4M112CA03
4M112EA03
4M112EA13
4M112FA01
(57)【要約】
【課題】応答性が悪化することを抑制でき、かつ、検出感度の低下を抑制できる圧力検出素子を提供すること。
【解決手段】圧力検出素子1は、第1基板電極22を有する第1基板2と、第2基板電極32を有する第2基板3と、第1ダイアフラム電極部42および第2ダイアフラム電極部43を有する感応部4とを備える。そして、第1基板2の第1基板本体部21には、第1基板本体部21を貫通する第1圧力導入孔23と、第1ダイアフラム電極部42と対向する面に設けられ第1圧力導入孔23と連通する第1溝部24と、が形成される。また、第2基板3の第2基板本体部31には、第2基板本体部31を貫通する第2圧力導入孔33と、第2ダイアフラム電極部43と対向する面に設けられ第2圧力導入孔33と連通する第2溝部34と、が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状に形成されたダイアフラム部と、前記ダイアフラム部の一方の面に配置される第1ダイアフラム電極部と、前記ダイアフラム部の他方の面に配置される第2ダイアフラム電極部と、前記ダイアフラム部の周縁部に設けられる接合部と、を有する感応部と、
板状に形成され前記感応部の前記接合部の一方の面に接合される第1基板本体部と、前記第1基板本体部の前記第1ダイアフラム電極部と対向する面に配置される第1基板電極と、を有する第1基板と、
板状に形成され前記感応部の前記接合部の他方の面に接合される第2基板本体部と、前記第2基板本体部の前記第2ダイアフラム電極部と対向する面に配置される第2基板電極と、を有する第2基板と、を備え、
前記第1基板本体部には、前記第1基板本体部を貫通する第1圧力導入孔と、前記第1ダイアフラム電極部と対向する面に設けられ前記第1圧力導入孔と連通する第1溝部と、が形成され、
前記第2基板本体部には、前記第2基板本体部を貫通する第2圧力導入孔と、前記第2ダイアフラム電極部と対向する面に設けられ前記第2圧力導入孔と連通する第2溝部と、が形成される
ことを特徴とする圧力検出素子。
【請求項2】
請求項1に記載の圧力検出素子において、
前記第1溝部は、前記第1基板電極に覆われており、
前記第2溝部は、前記第2基板電極に覆われている
ことを特徴とする圧力検出素子。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の圧力検出素子において、
前記第1溝部は、前記第1圧力導入孔から前記接合部との接合箇所に向かって直線状に形成され、
前記第2溝部は、前記第2圧力導入孔から前記接合部との接合箇所に向かって直線状に形成される
ことを特徴とする圧力検出素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力検出素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図4に示すような静電容量型の圧力検出素子100が知られている。図4に示す圧力検出素子100は、第1基板120と、第2基板130と、感応部140とを備える。第1基板120は、板状に形成された第1基板本体部121と、第1基板本体部121の感応部140と対向する面に配置される第1基板電極122とを有し、第1基板本体部121を貫通する第1圧力導入孔123が形成される。第2基板130は、板状に形成された第2基板本体部131と、第2基板本体部131の感応部140と対向する面に配置される第2基板電極132とを有し、第2基板本体部131を貫通する第2圧力導入孔133が形成される。感応部140は、板状に形成されたダイアフラム部141と、ダイアフラム部141の第1基板本体部121と対向する面に配置される第1ダイアフラム電極部142と、ダイアフラム部141の第2基板本体部131と対向する面に配置される第2ダイアフラム電極部143と、第1基板本体部121および第2基板本体部131と接合する接合部144とを有する。
【0003】
そして、圧力検出素子100では、図5に示すように、ダイアフラム部141に過大な圧力が作用したり、負圧が作用したりした際に、ダイアフラム部141が第1基板本体部121に配置された第1基板電極122に接触することで、過大な圧力や負圧によってダイアフラム部141が損傷してしまうことを防止できるようにしている。
【0004】
ところで、図4、5に示すような圧力検出素子100では、ダイアフラム部141と第1基板電極122とが接触した後、過大な圧力や負圧が解放された際に、密閉空間との圧力差が生じ、図5に示すようにダイアフラム部141と第1基板電極122とが密着してすぐに剥離せず、応答性が悪くなってしまうといった問題があった。
【0005】
このようなダイアフラムと電極との密着による応答性の悪化を防止できる技術として、特許文献1に記載された圧力検出素子が知られている。
特許文献1の圧力検出素子では、2つの基板のそれぞれに複数の圧力導入孔を設けているので、ダイアフラムと電極とが接触しても、密閉空間が形成されず、圧力差が生じないため、これらが密着してしまうことを抑制でき、応答性が悪化することを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-356563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の圧力検出素子では、基板に複数の圧力導入孔を設ける必要があることから、電極の有効面積が減少してしまい、検出感度を最大限に得られていないといった問題があった。
【0008】
本発明の目的は、応答性が悪化することを抑制でき、かつ、検出感度の低下を抑制できる圧力検出素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の圧力検出素子は、板状に形成されたダイアフラム部と、前記ダイアフラム部の一方の面に配置される第1ダイアフラム電極部と、前記ダイアフラム部の他方の面に配置される第2ダイアフラム電極部と、前記ダイアフラム部の周縁部に設けられる接合部と、を有する感応部と、板状に形成され前記感応部の前記接合部の一方の面に接合される第1基板本体部と、前記第1基板本体部の前記第1ダイアフラム電極部と対向する面に配置される第1基板電極と、を有する第1基板と、板状に形成され前記感応部の前記接合部の他方の面に接合される第2基板本体部と、前記第2基板本体部の前記第2ダイアフラム電極部と対向する面に配置される第2基板電極と、を有する第2基板と、を備え、前記第1基板本体部には、前記第1基板本体部を貫通する第1圧力導入孔と、前記第1ダイアフラム電極部と対向する面に設けられ前記第1圧力導入孔と連通する第1溝部と、が形成され、前記第2基板本体部には、前記第2基板本体部を貫通する第2圧力導入孔と、前記第2ダイアフラム電極部と対向する面に設けられ前記第2圧力導入孔と連通する第2溝部と、が形成されることを特徴とする。
【0010】
本発明では、第1基板本体部において、第1ダイアフラム電極部と対向する面に、第1圧力導入孔と連通する第1溝部が形成される。これにより、仮に、第1圧力導入孔または第2圧力導入孔を介して、過大な圧力や負圧がダイアフラム部に作用して、ダイアフラム部の第1ダイアフラム電極部と、第1基板の第1基板電極とが接触したとしても、第1ダイアフラム電極部と第1基板電極が配置された第1基板本体部との間に密閉空間が形成されてしまうことを防止できる。そのため、第1ダイアフラム電極部と第1基板電極とがすぐに剥離せずに応答性が悪くなってしまうことを抑制できる。
同様に、本発明では、第2基板本体部において、第2ダイアフラム電極部と対向する面に、第2圧力導入孔と連通する第2溝部が形成されるので、第2ダイアフラム電極部と第2基板電極が配置された第2基板本体部との間に密閉空間が形成されてしまうことを防止できる。そのため、第2ダイアフラム電極部と第2基板電極とがすぐに剥離せずに応答性が悪くなってしまうことを抑制できる。
【0011】
また、本発明では、第1基板および第2基板のそれぞれにおいて、特許文献1のように圧力導入孔を複数設けることを要しないので、複数の圧力導入孔によって有効な電極面積が減少してしまうことを抑制できる。そのため、検出感度が低下してしまうことを抑制できる。
【0012】
さらに、特許文献1の圧力検出素子では、小型化すると接着剤で固定するエリアの確保が困難となり、感応部周縁に沿った圧力導入孔を塞いでしまい、応答性が悪くなる。一方、本発明では、圧力導入孔を複数設けることを要しないので、圧力検出素子を小型化しても接着エリアを確保できる。
【0013】
本発明の圧力検出素子において、前記第1溝部は、前記第1基板電極に覆われており、前記第2溝部は、前記第2基板電極に覆われていることが好ましい。
この構成では、第1基板および第2基板において、第1溝部および第2溝部も電極に覆われているので、第1溝部および第2溝部に相当する箇所も有効に活用することができる。そのため、第1溝部および第2溝部によって有効な電極面積が減少してしまうことを抑制できる。
【0014】
本発明の圧力検出素子において、前記第1溝部は、前記第1圧力導入孔から前記接合部との接合箇所に向かって直線状に形成され、前記第2溝部は、前記第2圧力導入孔から前記接合部との接合箇所に向かって直線状に形成されることが好ましい。
この構成では、第1溝部および第2溝部が直線状に形成されるので、当該第1溝部および第2溝部を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態に係る圧力検出素子の概略を示す断面図。
図2】前記実施形態の圧力検出素子の概略を示す断面図。
図3】前記実施形態の第1基板の概略を示す斜視図。
図4】従来の圧力検出素子の概略を示す断面図。
図5】従来の圧力検出素子の概略を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2は、本実施形態の圧力検出素子1の概略を示す断面図である。
図1、2に示すように、本実施形態の圧力検出素子1は、第1基板2と、第2基板3と、感応部4とを備え、静電容量型の圧力検出素子である。
【0017】
[第1基板2]
図3は、第1基板2の概略を示す斜視図である。なお、図3は、圧力検出素子1の内側(感応部4の側)から第1基板2を見た斜視図である。また、第2基板3は、感応部4を挟んで第1基板2と対称となるように形成されている。
図1図3に示すように、第1基板2は、第1基板本体部21と、第1基板電極22とを有する。
第1基板本体部21は、ガラス等の絶縁性部材から板状に形成されている。そして、第1基板本体部21の感応部4と対向する面には、感応部4との間に静電容量を生じさせるための第1基板電極22が配置されている。本実施形態では、第1基板電極22は、フォトリソグラフィによりパターニングされた金属蒸着膜によって形成されている。
【0018】
また、第1基板本体部21には、当該第1基板本体部21を貫通する第1圧力導入孔23が中央部に形成されている。本実施形態では、第1圧力導入孔23は、断面視で台形状に形成されており、外側から内側に向かうにしたがって径が小さくなるように構成されている。
さらに、本実施形態では、第1基板本体部21には、感応部4と対向する面に、第1圧力導入孔23と連通する第1溝部24が形成されている。具体的には、第1溝部24は、第1圧力導入孔23から後述する感応部4の接合部44の接合箇所に向かって直線状に形成されている。例えば、第1溝部24は、フォトリソグラフィによるエッチング加工等の加工技術により第1基板本体部21に形成されている。
そして、本実施形態では、第1圧力導入孔23および第1溝部24は、第1基板電極22に覆われている。
【0019】
[第2基板3]
第2基板3は、前述したように感応部4を挟んで第1基板2と対称になるように形成されており、第2基板本体部31と、第2基板電極32とを有する。
第2基板本体部31は、ガラス等の絶縁性部材から板状に形成されている。そして、第2基板本体部31の感応部4と対向する面には、感応部4との間に静電容量を生じさせるための第2基板電極32が配置されている。本実施形態では、第2基板電極32は、フォトリソグラフィによりパターニングされた金属蒸着膜によって形成されている。
【0020】
また、第2基板本体部31には、当該第2基板本体部31を貫通する第2圧力導入孔33が中央部に形成されている。本実施形態では、第2圧力導入孔33は、断面視で台形状に形成されており、外側から内側に向かうにしたがって径が小さくなるように構成されている。
さらに、本実施形態では、第2基板本体部31には、感応部4と対向する面に、第2圧力導入孔33と連通する第2溝部34が形成されている。具体的には、第2溝部34は、第2圧力導入孔33から後述する感応部4の接合部44の接合箇所に向かって直線状に形成されている。例えば、第2溝部34は、フォトリソグラフィによるエッチング加工等の加工技術により第2基板本体部31に形成されている。
そして、本実施形態では、第2圧力導入孔33および第2溝部34は、第2基板電極32に覆われている。
【0021】
[感応部4]
感応部4は、導電性が付与されたシリコンから形成され、所定厚のシリコン素材の中央部分をフォトリソグラフィによるエッチング加工等の加工技術により薄肉部を形成し、これをダイアフラム部41とした構成である。つまり、感応部4は、ダイアフラム部41の第1基板2と対向する面が第1ダイアフラム電極部42を構成し、第2基板3と対向する面が第2ダイアフラム電極部43を構成する。これにより、第1基板2の第1基板電極22と感応部4の第1ダイアフラム電極部42との間に静電容量が生じ、第2基板3の第2基板電極32と感応部4の第2ダイアフラム電極部43との間に静電容量が生じる構成となっている。そのため、本実施形態の圧力検出素子1は、このような静電容量の変化を検出することにより、ダイアフラム部41に作用する圧力を検出可能とされている。
【0022】
また、感応部4は、厚肉部とされたダイアフラム部41の周縁部が、第1基板2および第2基板3と接合する接合部44とされている。すなわち、本実施形態では、第1基板2の第1基板本体部21は、感応部4の接合部44の一方の面に接合され、第2基板3の第2基板本体部31は、感応部4の接合部44の他方の面に接合される。
なお、感応部4は、上記構成に限られるものではない。例えば、感応部4は、絶縁性のシリコン等から形成され、ダイアフラム部41の第1基板2と対向する側に第1ダイアフラム電極部42が設けられ、第2基板3と対向する側に第2ダイアフラム電極部43が設けられていてもよい。つまり、感応部4は、ダイアフラム部41の第1基板2と対向する側に第1ダイアフラム電極部42が配置され、第2基板3と対向する側に第2ダイアフラム電極部43が配置されていればよい。
【0023】
[感応部4の動作について]
次に、感応部4の動作について説明する。
図1に示す圧力検出素子1のダイアフラム部41に対して、図中の上側に向かって過大な圧力が作用したり、負圧が作用したりした場合、図2に示すように、ダイアフラム部41が第1基板本体部21に配置された第1基板電極22に接触する。これにより、過大な圧力や負圧によってダイアフラム部41が過剰に変形してしまうことがないので、ダイアフラム部41の損傷を抑制できる。
【0024】
そして、本実施形態では、第1基板本体部21において、第1ダイアフラム電極部42と対向する面に、第1圧力導入孔23と連通する第1溝部24が形成されている。そのため、図2に示すように、ダイアフラム部41と第1基板電極22とが接触した状態において、第1溝部24と第1圧力導入孔23とが連通しているので、第1ダイアフラム電極部42と第1基板電極22との間に密閉空間が形成されることを抑制できる。そのため、ダイアフラム部41に作用していた過大な圧力や負圧が解放された際に、密閉空間との圧力差が生じることで、ダイアフラム部41と第1基板電極22とが密着してすぐに剥離しなくなってしまうことを抑制できる。
【0025】
同様に、本実施形態では、第2基板本体部31において、第2ダイアフラム電極部43と対向する面に、第2圧力導入孔33と連通する第2溝部34が形成されているので、ダイアフラム部41に作用していた過大な圧力や負圧が解放された際に、密閉空間との圧力差が生じることで、ダイアフラム部41と第2基板電極32とが密着してすぐに剥離しなくなってしまうことを抑制できる。
【0026】
[実施形態の効果]
以上のような本実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、第1基板本体部21において、第1ダイアフラム電極部42と対向する面に、第1圧力導入孔23と連通する第1溝部24が形成される。これにより、第1圧力導入孔23または第2圧力導入孔33を介して、過大な圧力や負圧がダイアフラム部41に作用して、ダイアフラム部41の第1ダイアフラム電極部42と、第1基板2の第1基板電極22とが接触したとしても、第1ダイアフラム電極部42と第1基板電極22が配置された第1基板本体部21との間に密閉空間が形成されてしまうことを防止できる。そのため、第1ダイアフラム電極部42と第1基板電極22とがすぐに剥離せずに応答性が悪くなってしまうことを抑制できる。
同様に、本実施形態では、第2基板本体部31において、第2ダイアフラム電極部43と対向する面に、第2圧力導入孔33と連通する第2溝部34が形成されるので、第2ダイアフラム電極部43と第2基板電極32が配置された第2基板本体部31との間に密閉空間が形成されてしまうことを防止できる。そのため、第2ダイアフラム電極部43と第2基板電極32とがすぐに剥離せずに応答性が悪くなってしまうことを抑制できる。
【0027】
また、本実施形態では、第1基板2および第2基板3のそれぞれにおいて、圧力導入孔を複数設けることを要しないので、複数の圧力導入孔によって有効な電極面積が減少してしまうことを抑制できる。そのため、検出感度が低下してしまうことを抑制できる。
さらに、本実施形態では、圧力導入孔を複数設けることを要しないので、圧力検出素子1を小型化しても接着エリアを確保できる。
【0028】
(2)本実施形態では、第1基板2および第2基板3において、第1溝部24および第2溝部34も電極に覆われているので、第1溝部24および第2溝部34に相当する箇所も有効に活用することができる。そのため、第1溝部24および第2溝部34によって有効な電極面積が減少してしまうことを抑制できる。
【0029】
(3)本実施形態では、第1溝部24および第2溝部34が直線状に形成されるので、当該第1溝部24および第2溝部34を容易に形成することができる。
【0030】
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、第1基板本体部21に第1溝部24が1つ形成されていたが、これに限定されない。例えば、第1溝部は、第1基板本体部において放射状に複数設けられていてもよい。
同様に、前記実施形態では、第2基板本体部31に第2溝部34が1つ形成されていたが、これに限定されない。例えば、第2溝部は、第2基板本体部において放射状に複数設けられていてもよい。
さらに、第1基板本体部および第2基板本体部のいずれか一方に、溝部が形成されていてもよい。
【0031】
前記実施形態では、第1溝部24は直線状に形成されていたが、これに限定されない。例えば、第1溝部は曲線状に形成されていてもよい。すなわち、第1溝部は、第1ダイアフラム電極部と第1基板電極とが接触した際に、第1ダイアフラム電極部と第1基板本体部との間に密閉空間が形成されてしまうことを抑制できる流路として構成されていればよい。
同様に、前記実施形態では、第2溝部34は直線状に形成されていたが、これに限定されない。例えば、第2溝部は曲線状に形成されていてもよい。すなわち、第2溝部は、第2ダイアフラム電極部と第2基板電極とが接触した際に、第2ダイアフラム電極部と第2基板本体部との間に密閉空間が形成されてしまうことを抑制できる流路として構成されていればよい。
【0032】
前記実施形態では、第1圧力導入孔23は、断面視で台形状に形成されており、外側から内側に向かうにしたがって径が小さくなるように構成されていたが、これに限定されない。例えば、第1圧力導入孔は、断面視で長方形状に形成されていてもよい。
同様に、第2圧力導入孔33は、断面視で台形状に形成されており、外側から内側に向かうにしたがって径が小さくなるように構成されていたが、これに限定されない。例えば、第2圧力導入孔は、断面視で長方形状に形成されていてもよい。
【0033】
前記実施形態では、第1圧力導入孔23および第1溝部24は、第1基板電極22に覆われていたが、これに限定されない。例えば、第1圧力導入孔や第1溝部が電極に覆われない場合も、本発明に含まれる。
同様に、前記実施形態では、第2圧力導入孔33および第2溝部34は、第2基板電極32に覆われていたが、これに限定されない。例えば、第2圧力導入孔や第2溝部が電極に覆われない場合も、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
1…圧力検出素子、2…第1基板、3…第2基板、4…感応部、21…第1基板本体部、22…第1基板電極、23…第1圧力導入孔、24…第1溝部、31…第2基板本体部、32…第2基板電極、33…第2圧力導入孔、34…第2溝部、41…ダイアフラム部、42…第1ダイアフラム電極部、43…第2ダイアフラム電極部、44…接合部。
図1
図2
図3
図4
図5