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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059216
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】治具
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20220406BHJP
   B66B 3/02 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
B66B7/00 Z
B66B7/00 M
B66B3/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020166809
(22)【出願日】2020-10-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520382916
【氏名又は名称】プラコー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】能美 康弘
(72)【発明者】
【氏名】岡部 良太
【テーマコード(参考)】
3F303
3F305
【Fターム(参考)】
3F303DA02
3F303DA07
3F305DA21
(57)【要約】
【課題】 操作盤の所望の位置に部品を容易に取り付けることができる治具を提供する。
【解決手段】 治具は、エレベータの操作盤に部品を取り付けるための治具であって、操作盤のプレートから突出するボタン部を内周部で保持する保持孔部と、部品が内部に配置され、操作盤へ向けて部品を内周部で案内する案内孔部と、を備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの操作盤に部品を取り付けるための治具であって、
前記操作盤のプレートから突出するボタン部を内周部で保持する保持孔部と、
前記部品が内部に配置され、前記操作盤へ向けて前記部品を内周部で案内する案内孔部と、を備える、治具。
【請求項2】
ボタンの表面に取り付けられる前記部品に対して、
前記案内孔部は、前記保持孔部に連通する、請求項1に記載の治具。
【請求項3】
前記部品を支持して前記操作盤へ向けて押すために、前記案内孔部の内部を移動可能な支持部と、
前記支持部に固定され、前記支持部が前記案内孔部の内部を移動するために操作される操作部と、をさらに備える、請求項1又は2に記載の治具。
【請求項4】
外周部に凹凸部を有する円形状の前記部品に対して、
前記案内孔部は、内周部に、前記凹凸部を周方向で引っ掛ける引掛部を備える、請求項1~3の何れか1項に記載の治具。
【請求項5】
前記引掛部は、前記案内孔部の内周部の下方に配置される、請求項4に記載の治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータの操作盤は、かごの内部に配置されるかご操作盤と、乗場に配置される乗場操作盤とを備えている(例えば、特許文献1)。ところで、最近、エレベータの操作盤に部品(例えば、ボタンプレート、点字プレート等)を取り付けることが要望されている。そして、操作盤の所望の位置に部品を取り付ける作業は、煩雑な作業となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-57067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、操作盤の所望の位置に部品を容易に取り付けることができる治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
治具は、エレベータの操作盤に部品を取り付けるための治具であって、前記操作盤のプレートから突出するボタン部を内周部で保持する保持孔部と、前記部品が内部に配置され、前記操作盤へ向けて前記部品を内周部で案内する案内孔部と、を備える。
【0006】
また、治具においては、ボタンの表面に取り付けられる前記部品に対して、前記案内孔部は、前記保持孔部に連通する、という構成でもよい。
【0007】
また、治具は、前記部品を支持して前記操作盤へ向けて押すために、前記案内孔部の内部を移動可能な支持部と、前記支持部に固定され、前記支持部が前記案内孔部の内部を移動するために操作される操作部と、をさらに備える、という構成でもよい。
【0008】
また、治具においては、外周部に凹凸部を有する円形状の前記部品に対して、前記案内孔部は、内周部に、前記凹凸部を周方向で引っ掛ける引掛部を備える、という構成でもよい。
【0009】
また、治具においては、前記引掛部は、前記案内孔部の内周部の下方に配置される、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、エレベータかごの内部概要図である。
図2図2は、図1のII-II線拡大断面図である。
図3図3は、一実施形態に係る治具の斜視図である。
図4図4は、同実施形態に係る治具の側面図である。
図5図5は、図3のV-V線断面図である。
図6図6は、同実施形態に係る治具の分解斜視図である。
図7図7は、同実施形態に係る治具によって操作盤に取り付けられる部品の正面図である。
図8図8は、同実施形態に係る治具の正面図である。
図9図9は、部品が治具の内部に配置された状態を示す縦断面図である。
図10図10は、治具がボタン部を保持した状態を示す縦断面図である。
図11図11は、図10の状態を示す背面図である。
図12図12は、治具が部品を移動させた状態を示す背面図である。
図13図13は、図12の状態を示す縦断面図である。
図14図14は、部品がボタンの表面に取り付けられた状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、治具における一実施形態について、図1図14を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0012】
まず、本実施形態に係る治具の各構成を説明するのに先立って、エレベータについて説明する。
【0013】
図1に示すように、エレベータは、例えば、かご11の内部に操作盤12を備えている。操作盤12は、例えば、表面が平面状であるプレート13と、少なくとも一つのボタン14とを備えている。なお、図示していないが、操作盤12は、例えば、乗場にも備えられている。
【0014】
操作盤12の構成は、特に限定されないが、例えば、図2(a)に示すように、ボタン14の一部は、プレート13から突出していてもよい。なお、操作盤12は、例えば、ボタン14に、プレート13から突出する方向の力を加えるにバネ材(図示していない)を備え、ボタン14は、プレート13に対して当該突出する方向に移動可能である、という構成でもよい。
【0015】
また、例えば、図2(b)に示すように、操作盤12は、ボタン14を囲うように外側に配置されるボタン枠15を備えており、ボタン14の一部及びボタン枠15の一部は、プレート13から突出している、という構成でもよい。なお、ボタン枠15は、例えば、図2(b)に示すように、プレート13と別の部品であってもよく、また、例えば、プレート13と同じ部品であってもよい。
【0016】
ところで、プレート13から突出している部分は、ボタン部12aという。例えば、図2(a)に係る操作盤12においては、ボタン部12aは、ボタン14の一部で構成され、図2(b)に係る操作盤12においては、ボタン部12aは、ボタン14の一部及びボタン枠15の一部で構成されている。
【0017】
図3図6に示すように、治具1は、操作盤12に部品20(図7参照)を取り付けるために用いられる治具1である。例えば、治具1は、本実施形態のように、本体2と、本体2に対して移動可能な可動体3とを備えていてもよい。そして、本体2は、例えば、ボタン部12aを保持する保持部4と、保持部4よりも後方に配置されるベース部5と、保持部4とベース部5とを接続する接続部6とを備えていてもよい。
【0018】
なお、各図、及び、以下の説明において、治具1の各方向D1~D3は、操作盤12に部品20を取り付けるときに、作業者(図11及び図12参照)から見た向きを基準にして定められる。第1横方向D1は、前後方向D1であり、第1横方向D1と直交する第2横方向D2は、左右方向D2であり、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する第3方向D3は、上下方向D3である。
【0019】
前後方向D1のうち、各図の矢印方向は、前方であり、各図の矢印方向と反対方向は、後方である。左右方向D2のうち、各図の矢印方向は、左方であり、各図の矢印方向と反対方向は、右方である。上下方向D3のうち、各図の矢印方向は、上方であり、各図の矢印方向と反対方向を下方である。なお、前後、左右、及び上下については、説明の便宜上で用いるためであって、実物において、前後が反対になったり、左右が反対になったり、そして、上下が反対になったりしてもよいことは勿論である。
【0020】
保持部4は、ボタン部12aを内周部で保持する保持孔部4aと、部品20が内部に配置され、部品20を内周部で案内する案内孔部4bとを備えている。また、保持部4は、例えば、本実施形態のように、操作盤12のプレート13の表面に接するプレート当接部4cと、操作盤12のボタン14の表面に接するボタン当接部4dと、案内孔部4bを外部へ開放する開放部4eとを備えていてもよい。
【0021】
保持孔部4aは、保持部4の前端に配置され、案内孔部4bは、保持孔部4aの後方に配置されている。そして、案内孔部4bは、保持孔部4aに連通している。なお、案内孔部4bは、例えば、保持部4の後端まで延びていてもよい。即ち、保持部4は、保持孔部4a及び案内孔部4bによって、前後方向D1に貫通されていてもよい。
【0022】
保持孔部4aの内周部がボタン部12aを保持するように、保持孔部4aの形状は、ボタン部12aの形状に対応して形成されている。例えば、本実施形態のように、ボタン部12aが円形状に形成されていることに対して、保持孔部4aは、前後方向D1視にて、円形状に形成されていてもよい。これにより、ボタン部12aが保持孔部4aの内部に嵌まることによって、ボタン部12aに対する保持孔部4aの左右方向D2及び上下方向D3の変位を規制することができる。
【0023】
案内孔部4bの内周部が部品20を案内するように、案内孔部4bの形状は、部品20の形状に対応して形成されている。例えば、本実施形態のように、部品20が円形状に形成されていることに対して、案内孔部4bは、前後方向D1視にて、円形状に形成されていてもよい。これにより、部品20が案内孔部4bの内部に嵌まることによって、部品20を前後方向D1に案内することができる。
【0024】
プレート当接部4cは、例えば、本実施形態のように、保持部4の前端面に配置され、プレート13の表面に接するように、平面状に形成されていてもよい。ボタン当接部4dは、例えば、本実施形態のように、保持孔部4aの後端部に配置され、ボタン14の表面の外周部に接するように、前後方向D1視にて環状に形成されていてもよい。
【0025】
開放部4eは、例えば、本実施形態のように、保持部4の上方に配置され、案内孔部4bの上部を開放していてもよい。そして、例えば、開放部4eは、案内孔部4bの内部に配置される部品20の少なくとも一部を上下方向D3視で露出するように、配置されていてもよい。
【0026】
ベース部5は、例えば、本実施形態のように、左右方向D2の両側に、把持される把持部5a,5aと、可動体3を操作するための貫通孔部5bと、治具1の水平度を示す水準器5cとを備えていてもよい。そして、例えば、ベース部5の左右方向D2の寸法は、保持部4の左右方向D2の寸法よりも、大きくなっており、把持部5aは、保持部4よりも、左右方向D2の外側に配置されている、という構成でもよい。
【0027】
可動体3は、部品20を支持して操作盤12へ向けて押すために、案内孔部4bの内部を移動可能な支持部3aと、支持部3aに固定され、支持部3aが案内孔部4bの内部を移動するために操作される操作部3bとを備えている。そして、可動体3は、操作されることによって、本体2に対して前後方向D1に移動する。
【0028】
支持部3aは、例えば、本実施形態のように、可動体3の前端部に配置されていてもよい。そして、支持部3aは、可動体3の位置に関わらず、案内孔部4bの内部に配置されていることが好ましい。また、部品20が表面から突出する突出部20a(図8参照)を有することに対して、支持部3aは、例えば、本実施形態のように、突出部20aを収容する凹部3dを備えていてもよい。
【0029】
操作部3bは、例えば、本実施形態のように、可動体3の後端面に配置されており、ベース部5の貫通孔部5bは、操作部3bを外部に露出させている、という構成でもよい。これにより、貫通孔部5bを経由して、操作部3bを後方から押し操作することができる。
【0030】
なお、特に限定されないが、可動体3、保持部4及びベース部5は、例えば、透明の材質で形成されていてもよい。これにより、案内孔部4bの内部に配置された部品20を、治具1の外部から視認することができる。
【0031】
また、本実施形態のように、接続部6は、前後方向D1へ延びており、可動体3は、接続部6に前後方向D1に案内される、という構成でもよい。例えば、接続部6は、可動体3に挿通されていてもよい。
【0032】
また、可動体3は、例えば、本実施形態のように、前後方向D1の移動を規制する規制部3cを備えていてもよい。例えば、規制部3cは、保持部4とベース部5との間に配置され、前後方向D1視にて、保持部4及びベース部5とそれぞれ重なっている、という構成でもよい。これにより、可動体3は、規制部3cが保持部4と当たる最前位置(図13参照)と、規制部3cがベース部5と当たる最後位置(図9及び図10参照)との間を、移動することができる。
【0033】
ところで、部品20は、図7に示すように、円形状の板状に形成される部品本体20bと、例えば、数字、点字、記号等を表示するために、部品本体20bから突出する突出部20aとを備えていてもよい。即ち、本実施形態の治具1によって操作盤12に取り付けられる部品20は、ボタン14の表面に取り付けられるボタンプレートである。
【0034】
部品本体20bは、外周部に凹凸部20cを備えている。なお、凹凸部20cは、例えば、本実施形態のように、凹部としてもよい。また、凹凸部20cは、例えば、部品本体20bの下方に配置されていてもよい。これにより、部品20がボタン14の表面に取り付けられたときに、凹凸部20cが視認され難い。
【0035】
それに対して、図8に示すように、案内孔部4bは、内周部に、部品20の凹凸部20cを周方向(具体的には、部品20の周方向、案内孔部4bの周方向)で引っ掛ける引掛部4fを備えている。そして、引掛部4fは、案内孔部4bの内周部の下方に配置されている。
【0036】
また、引掛部4fは、凹凸状に形成されている。例えば、本実施形態のように、凹凸部20cが凹部であることに対して、引掛部4fは、案内孔部4bの径方向の内方へ向けて突出する凸部としてもよい。なお、支持部3aは、例えば、本実施形態のように、引掛部4fに当たることを避けるために、下方に切欠部3fを備えていてもよい。
【0037】
また、引掛部4fは、例えば、本実施形態のように、前後方向D1に延びていてもよい。これにより、部品20が案内孔部4bに案内されるときに、引掛部4fが部品20の凹凸部20cを周方向で引っ掛けつつ、部品20の凹凸部20cは、引掛部4fに案内される。
【0038】
本実施形態に係る治具1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る治具1を用いて部品20を取り付ける方法について、図9図14を参照しながら説明する。
【0039】
図9に示すように、可動体3が最後位置に位置した状態で、部品20が案内孔部4bの内部に配置され、支持部3aが部品20を支持する(部品配置工程)。例えば、部品20を案内孔部4bの内部に配置した後で、可動体3を最後位置に移動させてもよく、また、例えば、可動体3を最後位置に移動させた後に、部品20を案内孔部4bの内部に配置してもよい。
【0040】
そして、本実施形態のように、例えば、部品20の裏面に、接着材21が着けられていてもよい。接着材21は、特に限定されないが、例えば、両面テープや、固化する液状の接着剤としてもよい。なお、例えば、部品20がボタン14に嵌め込められて固定される場合は、接着材21は、無くてもよい。
【0041】
また、このとき、部品20の外周部の一部(具体的には、上部)は、開放部4eによって、露出している。これにより、例えば、部品20の外周部に触れることによって、部品20を案内孔部4bに入れたり案内孔部4bから出したりすることができる。また、例えば、接着材21に剥離シートが着いている場合には、部品20を案内孔部4bの内部に配置させた後に、例えば、工具(例えば、ピンセット等)を用いて、剥離シートを容易に剥がすことができる。
【0042】
そして、図10に示すように、ボタン14が保持孔部4aの内部に嵌められることによって、ボタン14(ボタン部12a)は、保持孔部4aの内周部に保持される(ボタン保持工程)。なお、案内孔部4bが保持孔部4aに連通しているため、部品20を取り付ける位置は、保持孔部4aに保持される位置と同じである。これにより、操作盤12に対して部品20を容易に位置決めすることができる。
【0043】
このとき、プレート当接部4cは、プレート13の表面と接しており、ボタン当接部4dは、ボタン14の表面と接している。そして、例えば、プレート当接部4cとボタン当接部4dとの前後方向D1の距離は、ボタン14がプレート13から突出する量よりも小さくなっていてもよい。これにより、ボタン14が押されてプレート13に対して移動することによって、バネ材によってボタン14に戻る力が加えられるため、ボタン14は、ボタン当接部4dと加圧して接触する。
【0044】
また、このとき、例えば、図11に示すように、把持部5aが指で把持された状態で、プレート当接部4cは、プレート13の表面に押し付けられる。そして、把持部5aがプレート当接部4cよりも後方に配置されているため、プレート13と把持部5aとの間に空間が有する。
【0045】
これにより、例えば、把持部5aを把持する指先が把持部5aよりも前方に位置した状態で、当該操作を行うことができる。したがって、例えば、当該操作を容易に行うことができる。なお、このとき、治具1の水平度が水準器5cで確認されることによって、治具1の位置が決められる。
【0046】
そして、図12に示すように、貫通孔部5bの内部を経由して、操作部3bが操作される。このときも、プレート13と把持部5aとの間に空間が有するため、例えば、把持部5aを前方から右手の人差指及び中指で押さえつつ、右手の親指で操作部3bを押し操作することができる。したがって、例えば、当該操作を容易に行うことができる。
【0047】
そして、操作部3bが操作されることによって、図13に示すように、可動体3が本体2に対して前方へ移動する。これに伴って、支持部3aが案内孔部4bの内部を前方へ移動し、部品20は、支持部3aに押されて案内孔部4bの内部を前方へ移動する(部品取付工程)。このとき、部品20が案内孔部4bの内周部に案内されているため、ボタン14の表面まで部品20を案内することができる。
【0048】
しかも、引掛部4fが案内孔部4bの内周部の下方に配置されているため、部品20の自重によって、部品20の凹凸部20cは、引掛部4fに周方向で引っ掛けられている。これにより、部品20が案内孔部4bの内周部に案内されるときに、部品20が周方向で回転することを確実に抑制することができる。
【0049】
このように、部品20の凹凸部20cが下方に位置する状態で、部品20がボタン14へ向かって移動してボタン14の表面に取り付けられる。したがって、ボタン14に対する部品20の周方向の位置決めを容易に行うことができる。そして、図14に示すように、治具1が操作盤12から取り外されることによって、部品20がボタン14の表面に取り付けられる。このように、治具1を用いることによって、操作盤12の所望の位置に部品20を容易に取り付けることができる。
【0050】
以上より、本実施形態のように、治具1は、エレベータの操作盤12に部品20を取り付けるための治具1であって、前記操作盤12のプレート13から突出するボタン部12aを内周部で保持する保持孔部4aと、前記部品20が内部に配置され、前記操作盤12へ向けて前記部品20を内周部で案内する案内孔部4bと、を備える、という構成が好ましい。
【0051】
斯かる構成によれば、部品20が案内孔部4bの内部に配置され、ボタン部12aが保持孔部4aの内周部に保持されることによって、部品20が操作盤12に対して位置決めされる。そして、部品20が操作盤12へ向けて案内孔部4bの内周部に案内されることによって、操作盤12の所望の位置に部品20を容易に取り付けることができる。
【0052】
また、本実施形態のように、治具1においては、ボタン14の表面に取り付けられる前記部品20に対して、前記案内孔部4bは、前記保持孔部4aに連通する、という構成が好ましい。
【0053】
斯かる構成によれば、案内孔部4bが保持孔部4aに連通しているため、保持孔部4aに保持されるボタン部12aのボタン14の表面に、部品20が取り付けられる。これにより、部品20を取り付ける位置が、保持孔部4aに保持される位置と同じであるため、操作盤12に対して部品20を容易に位置決めすることができる。
【0054】
また、本実施形態のように、治具1は、前記部品20を支持して前記操作盤12へ向けて押すために、前記案内孔部4bの内部を移動可能な支持部3aと、前記支持部3aに固定され、前記支持部3aが前記案内孔部4bの内部を移動するために操作される操作部3bと、をさらに備える、という構成が好ましい。
【0055】
斯かる構成によれば、支持部3aが操作部3bに固定されているため、操作部3bが操作をされることによって、支持部3aは、案内孔部4bの内部を移動する。これにより、支持部3aが部品20を支持しつつ押すため、部品20は、案内孔部4bの内周部に案内される。
【0056】
また、本実施形態のように、治具1においては、外周部に凹凸部20cを有する円形状の前記部品20に対して、前記案内孔部4bは、内周部に、前記凹凸部20cを周方向で引っ掛ける引掛部4fを備える、という構成が好ましい。
【0057】
斯かる構成によれば、引掛部4fが、部品20の凹凸部20cを周方向で引っ掛けるため、部品20が案内孔部4bの内周部に案内されるときに、部品20が周方向で回転することを抑制することができる。これにより、操作盤12に対する部品20の周方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0058】
また、本実施形態のように、治具1においては、前記引掛部4fは、前記案内孔部4bの内周部の下方に配置される、という構成が好ましい。
【0059】
斯かる構成によれば、引掛部4fが案内孔部4bの内周部の下方に配置されているため、部品20の自重によって、部品20の凹凸部20cを引掛部4fに確実に引っ掛けることができる。これにより、部品20が案内孔部4bの内周部に案内されるときに、部品20が周方向で回転することを確実に抑制することができる。
【0060】
なお、治具1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、治具1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0061】
(1)上記実施形態に係る治具1においては、案内孔部4bは、保持孔部4aに連通している、という構成である。しかしながら、治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、案内孔部4bは、保持孔部4aから離れている、という構成でもよい。
【0062】
具体的には、例えば、部品20は、ボタン14の横に並ぶようにプレート13の表面に取り付けられる点字プレートであって、案内孔部4bは、保持孔部4aと左右方向D2に離れて配置されている、という構成でもよい。当該構成によれば、案内孔部4bの内部に部品20が配置され、保持孔部4aがボタン部12aを内周部で保持し、その後、部品20がボタン部12aの横のプレート13の位置へ向けて案内されて取り付けられる。
【0063】
(2)また、上記実施形態に係る治具1は、部品20aを押す支持部3aを備えている、という構成である。しかしながら、治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、部品20aは、直接に操作されて(例えば、指に直接触れられつつ押されて)、案内孔部4bの内部を移動する、という構成でもよい。
【0064】
(3)また、上記実施形態に係る治具1においては、案内孔部4bは、内周部に、凹凸部20cを周方向で引っ掛ける引掛部4fを備える、という構成である。しかしながら、治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、案内孔部4bは、引掛部4fを備えていない、という構成でもよい。なお、部品20が、円形状ではなく、例えば、多角形状又は楕円形状である場合には、案内孔部4bは、部品20が内部に嵌まるような形状に形成されることによって、部品20を周方向で引っ掛けることができる。
【0065】
(4)また、上記実施形態に係る治具1においては、引掛部4fは、案内孔部4bの内周部の下方に配置されている、という構成である。しかしながら、治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、引掛部4fは、案内孔部4bの内周部の上方又は側方に配置されている、という構成でもよい。
【0066】
(5)また、上記実施形態に係る治具1においては、保持孔部4aは、ボタン14を内周部で保持する、という構成である。しかしながら、治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、保持孔部4aは、ボタン枠15(図2(b)参照)を内周部で保持する、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…治具、2…本体、3…可動体、3a…支持部、3b…操作部、3c…規制部、3d…凹部、3f…切欠部、4…保持部、4a…保持孔部、4b…案内孔部、4c…プレート当接部、4d…ボタン当接部、4e…開放部、4f…引掛部、5…ベース部、5a…把持部、5b…貫通孔部、5c…水準器、6…接続部、11…かご、12…操作盤、12a…ボタン部、13…プレート、14…ボタン、15…ボタン枠、20…部品、20a…突出部、20b…部品本体、20c…凹凸部、21…接着材
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