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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059293
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】自動取引システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/22 20120101AFI20220406BHJP
【FI】
G06Q20/22 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020166948
(22)【出願日】2020-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592052416
【氏名又は名称】株式会社 みずほ銀行
(71)【出願人】
【識別番号】508287965
【氏名又は名称】バンキングチャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】坂本 真樹
(72)【発明者】
【氏名】野崎 剛
(72)【発明者】
【氏名】小林 成美
(72)【発明者】
【氏名】荷山 晋一
(72)【発明者】
【氏名】大越 隆
(72)【発明者】
【氏名】井藤 勇一郎
(72)【発明者】
【氏名】田邉 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】遠山 茂
(72)【発明者】
【氏名】赤水 渉平
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】並べて配置した第1装置及び第2装置にて納付書に対する払込みを顧客口座からの引き落としにて行わせることを可能とするシステムの操作性を向上させる自動取引システムを提供する。
【解決手段】自動取引システム100は、納付書を読み取る自動取引装置1と、顧客口座取引を実行可能であって、自動取引装置と通信可能に並べて配置されるとともに、自動取引装置にて読み取られた納付書に記載された請求額の支払いを顧客口座からの引き落としにて行うことを可能とする現金自動預払装置2と、を備える。自動取引装置は、請求額を表示可能な表示部10を有し、現金自動預払装置は、支払いを行う際の案内を表示可能な表示部210を有する。表示部10及び表示部210のいずれか一方の表示部に、自動取引装置及び現金自動預払装置の内、表示部10及び表示部210の他方の表示部を有する装置に対しての操作を促す誘導画面を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
納付書を読み取る第1装置と、
顧客口座取引を実行可能であって、前記第1装置と通信可能に並べて配置されるとともに、当該第1装置にて読み取られた前記納付書に記載された請求額の支払いを顧客口座からの引き落としにて行うことを可能とする第2装置と
を備え、
前記第1装置は、前記請求額を表示可能な第1表示部を有し、
前記第2装置は、前記支払いを行う際の案内を表示可能な第2表示部を有し、
前記第1表示部及び前記第2表示部のいずれか一方の表示部に、前記第1装置及び前記第2装置の内、前記第1表示部及び前記第2表示部の他方の表示部を有する装置に対しての操作を促す誘導画面を表示する
自動取引システム。
【請求項2】
前記一方の表示部に前記誘導画面が表示されているときには、前記他方の表示部を有する装置は、ユーザの操作を受け付け可能な状態となるが、当該一方の表示部を有する装置は、ユーザの操作を受け付けない状態となる
請求項1に記載の自動取引システム。
【請求項3】
前記第2装置は、前記第2表示部に、前記第1装置にて前記納付書を読み取らせるべきときに前記誘導画面を表示し、
前記第1装置は、前記第1表示部に、前記第2装置にて前記支払いを行うべきときに前記誘導画面を表示する
請求項1又は2に記載の自動取引システム。
【請求項4】
前記第2表示部に前記誘導画面を表示しているときには、前記第1装置のみが、ユーザからの取引の取消指示を受け付け可能であり、
前記第1表示部に前記誘導画面を表示しているときには、前記第2装置のみが、前記取消指示を受け付け可能である
請求項3に記載の自動取引システム。
【請求項5】
前記第1装置は、前記納付書を読み取った後に前記取消指示を受け付けた場合には、当該納付書の返却処理が完了した後に、前記第2装置に当該返却処理が完了した旨を通知し、その後、前記第1表示部に前記誘導画面を表示する
請求項4に記載の自動取引システム。
【請求項6】
前記第2装置は、前記返却処理が完了した旨の通知を受信した後に、前記第2表示部に、当該第2装置に対する操作を受け付ける待機画面を表示する
請求項5に記載の自動取引システム。
【請求項7】
前記第2装置は、キャッシュカードを受け付けた後に、前記取消指示を受け付けた場合には、当該キャッシュカードの返却処理が完了した後に、前記第1装置に当該返却処理が完了した旨を通知するとともに前記第2表示部に前記誘導画面を表示する
請求項4に記載の自動取引システム。
【請求項8】
前記第1装置は、前記返却処理が完了した旨の通知を受信した後に、前記納付書を返却し、その後、前記第1表示部に、前記誘導画面を表示する
請求項7に記載の自動取引システム。
【請求項9】
前記第1装置は、当該第1装置に障害が生じた場合には、当該障害が生じた旨を前記第1表示部に表示するとともに前記第2装置に対して障害が生じた旨を通知し、
前記第2装置は、前記障害が生じた旨の通知を受信した場合には、当該障害が生じたことにより休止する旨を前記第2表示部に表示する
請求項1から8のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項10】
前記第1装置及び前記第2装置は、スピーカを有し、
前記一方の表示部に、前記他方の表示部を有する装置に対しての操作を促す前記誘導画面を表示するときに、当該一方の表示部を有する装置は、自身が有する前記スピーカから、当該他方の表示部を有する装置に対しての操作を促す音を出力する
請求項1から9のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等の金融機関に設置され、税金や公共料金等の払込取引を行う装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された自動取引装置は、表示入力部、帳票受付部、金銭収受部、印字部、テンキー、記憶部、制御部及び通信部を有して構成される。表示入力部は、操作者に対する情報の表示と、操作者からの操作・入力を受け付けるデバイスであって、例えばタッチパネル式液晶モニタである。帳票受付部は、操作者からの帳票の挿入を受け付けて、帳票の記載内容を読み取るデバイスであって、例えばカメラやドキュメントスキャナを内蔵している。金銭収受部は、操作者からの紙幣・硬貨の投入を受け付けて、利用者に対するお釣りの払い出しを行うデバイスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-197996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
税金や公共料金等の納付書等の読み取りを行う装置であって勘定系の処理を行うことができない第1装置を、勘定系の処理を行うことが可能な第2装置(例えば現金自動預払機(Automated Teller Machine))と通信可能にして、税金や公共料金等の支払いを顧客口座からの引き落としにて行えるようにすることが望まれている。そのため、第1装置と第2装置とを並べて配置し、ユーザが持参した税金や公共料金の納付書等の記載内容を第1装置にて読み取るとともに支払うべき金額を表示し、ユーザが第2装置を操作することで、キャッシュカード、通帳、スマートフォン等の携帯端末を用いて支払いを行えるように構成することも考えられる。そして、かかる構成である場合には、ユーザが第1装置及び第2装置を操作する際の操作性を向上させることが重要となる。
本発明は、並べて配置した第1装置及び第2装置にて納付書に対する払込みを顧客口座からの引き落としにて行わせることを可能とするシステムの操作性を向上させることができる自動取引システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的のもと完成させた本発明は、納付書を読み取る第1装置と、顧客口座取引を実行可能であって、前記第1装置と通信可能に並べて配置されるとともに、当該第1装置にて読み取られた前記納付書に記載された請求額の支払いを顧客口座からの引き落としにて行うことを可能とする第2装置とを備え、前記第1装置は、前記請求額を表示可能な第1表示部を有し、前記第2装置は、前記支払いを行う際の案内を表示可能な第2表示部を有し、前記第1表示部及び前記第2表示部のいずれか一方の表示部に、前記第1装置及び前記第2装置の内、前記第1表示部及び前記第2表示部の他方の表示部を有する装置に対しての操作を促す誘導画面を表示する自動取引システムである。
ここで、前記一方の表示部に前記誘導画面が表示されているときには、前記他方の表示部を有する装置は、ユーザの操作を受け付け可能な状態となるが、当該一方の表示部を有する装置は、ユーザの操作を受け付けない状態となっても良い。
また、前記第2装置は、前記第2表示部に、前記第1装置にて前記納付書を読み取らせるべきときに前記誘導画面を表示し、前記第1装置は、前記第1表示部に、前記第2装置にて前記支払いを行うべきときに前記誘導画面を表示しても良い。
また、前記第2表示部に前記誘導画面を表示しているときには、前記第1装置のみが、ユーザからの取引の取消指示を受け付け可能であり、前記第1表示部に前記誘導画面を表示しているときには、前記第2装置のみが、前記取消指示を受け付け可能であっても良い。
また、前記第1装置は、前記納付書を読み取った後に前記取消指示を受け付けた場合には、当該納付書の返却処理が完了した後に、前記第2装置に当該返却処理が完了した旨を通知し、その後、前記第1表示部に前記誘導画面を表示しても良い。
また、前記第2装置は、前記返却処理が完了した旨の通知を受信した後に、前記第2表示部に、当該第2装置に対する操作を受け付ける待機画面を表示しても良い。
また、前記第2装置は、キャッシュカードを受け付けた後に、前記取消指示を受け付けた場合には、当該キャッシュカードの返却処理が完了した後に、前記第1装置に当該返却処理が完了した旨を通知するとともに前記第2表示部に前記誘導画面を表示しても良い。
また、前記第1装置は、前記返却処理が完了した旨の通知を受信した後に、前記納付書を返却し、その後、前記第1表示部に、前記誘導画面を表示しても良い。
また、前記第1装置は、当該第1装置に障害が生じた場合には、当該障害が生じた旨を前記第1表示部に表示するとともに前記第2装置に対して障害が生じた旨を通知し、前記第2装置は、前記障害が生じた旨の通知を受信した場合には、当該障害が生じたことにより休止する旨を前記第2表示部に表示しても良い。
また、前記第1装置及び前記第2装置は、スピーカを有し、前記一方の表示部に、前記他方の表示部を有する装置に対しての操作を促す前記誘導画面を表示するときに、当該一方の表示部を有する装置は、自身が有する前記スピーカから、当該他方の表示部を有する装置に対しての操作を促す音を出力しても良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、並べて配置した第1装置及び第2装置にて納付書に対する払込みを顧客口座からの引き落としにて行わせることを可能とするシステムの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】自動取引システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】自動取引装置の構成を示すブロック図の一例である。
図3】現金自動預払装置の構成を示すブロック図の一例である。
図4】税金や公共料金等の払込取引の際の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図5】自動取引装置の表示入力部、及び、現金自動預払装置の表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
図6】自動取引装置の表示入力部、及び、現金自動預払装置の表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
図7】自動取引装置の表示入力部、及び、現金自動預払装置の表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
図8】自動取引装置の表示入力部、及び、現金自動預払装置の表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
図9】払込取引の際に取消画像が押された場合の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図10】表示入力部及び表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
図11】中止画像が押された場合の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図12】表示入力部及び表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
図13】自動取引装置に障害が発生した場合の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図14】表示入力部及び表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
図15】表示入力部及び表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
図16】自動取引装置が現金自動預払装置から完了通知を受信した後に障害が発生した場合の画面遷移の一例を示す図である。
図17】自動取引装置が現金自動預払装置から完了通知を受信した後に障害が発生した場合の画面遷移の一例を示す図である。
図18】現金自動預払装置に障害が発生した場合の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図19】表示入力部及び表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
図20】ネットワーク断が発生した場合の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図21】読取通知送信後にネットワーク断が発生したと判断した場合の表示入力部及び表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
図22】終了通知送信後にネットワーク断が発生したと判断した場合の表示入力部及び表示入力部に表示された画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
図1は、自動取引システム100の概略構成の一例を示す図である。
図2は、自動取引装置1の構成を示すブロック図の一例である。
図3は、現金自動預払装置2の構成を示すブロック図の一例である。
自動取引システム100は、税金や公共料金等の払込取引に用いられる自動取引装置1と、現金自動預払装置2とを備えている。自動取引装置1と現金自動預払装置2とは、ネットワーク3を介して互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク3は、自動取引装置1と現金自動預払装置2との間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)等であることを例示することができる。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。
【0009】
自動取引装置1は、ユーザ(操作者)が帳票を用いて支払いを行うための自動機である。帳票は、税金や公共料金等の、納付書や払込票であることを例示することができ、例えば、自動車税の納付書、水道料金の納付書、電話料金の払込票であることを例示することができる。以下では、納付書と払込票とを区別する必要がない場合には、納付書と払込票とをまとめて納付書と称する場合がある。
自動取引装置1は、ネットワーク4を介して、税金や公共料金等の管理を行う税公金管理サーバ5と互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク4は、自動取引装置1と税公金管理サーバ5との間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えばインターネット、WAN(Wide Area Network)であることを例示することができる。
【0010】
現金自動預払装置2は、ネットワーク6を介して、顧客の預金口座等を管理する装置である勘定系ホスト7と互いに通信を行うことが可能となっている。
【0011】
(自動取引装置1)
自動取引装置1は、特許文献1に記載された自動取引装置と同様に、表示入力部10、帳票受付部20と、印字部50と、記憶部70と、制御部80と、通信部90とを有している。ただし、自動取引装置1は、特許文献1に記載された自動取引装置と異なり、ユーザからのカード(例えば、キャッシュカード、クレジットカード)の挿入を受け付けて、情報の読み取りや書き込みを行う装置であるカード処理部や、ユーザからの紙幣や硬貨の投入を受け付けて、ユーザに対するお釣りの払い出しを行う装置である金銭収受部や、テンキーを有していない。以下の説明において、自動取引装置1と、特許文献1に記載された自動取引装置とで、同じ形状、機能を有する部材及び部位については同じ名称及び符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0012】
表示入力部10は、タッチパネル式の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等にて構成され、操作受付画面等の表示を行うとともに、ユーザの入力操作を受け付ける。
帳票受付部20は、例えばカメラやドキュメントスキャナを内蔵し、ユーザからの納付書の挿入を受け付けて、納付書の記載内容を読み取る。
印字部50は、レシート等の印字を行う。
記憶部70は、情報を記憶する装置であり、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等にて構成される。
【0013】
制御部80は、自動取引装置1の全体を制御する制御部であり、CPU(Central Processing Unit)(不図示)、ROM(Read Only Memory)(不図示)、RAM(Random Access Memory)(不図示)等を有している。制御部80のROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや記憶部70から読み出したアプリケーションプログラムを実行する。CPUがプログラムを実行することにより、以下に述べる、制御部80の機能が実現される。
【0014】
制御部80は、読取処理部81と、入力受付部83と、表示入力部10の表示画面の表示を制御する表示制御部88と、現金自動預払装置2に対して情報を出力する出力部89とを有している。
読取処理部81は、帳票受付部20を制御して、ユーザにより挿入された納付書に記載された宛名や請求額に関する情報を読み取る。読取処理部81は、光学文字認識(OCR)処理を行うことにより納付書に記載された情報を読み取ることを例示することができる。
入力受付部83は、ユーザについての情報の入力をユーザから受け付ける。具体的には、入力受付部83は、表示入力部10の表示画面11に表示された画像を介して、ユーザに関連する情報(例えば電話番号)の入力を受け付ける。
表示制御部88は、表示入力部10の表示画面に表示させるためのデータを表示入力部10に出力し、表示画面の表示を制御する。
出力部89は、読取処理部81が読み取った納付書に記載された情報(例えば宛名や請求額)や、入力受付部83が受け付けたユーザに関連する情報を、現金自動預払装置2に対して出力する。出力部89が出力する情報については後で詳述する。
【0015】
通信部90は、ネットワーク3を介して現金自動預払装置2と互いに通信を行うための通信インターフェース(以下、「通信I/F」と称する場合がある。)と、ネットワーク4を介して税公金管理サーバ5と互いに通信を行うための通信I/Fとを有している。
【0016】
(現金自動預払装置2の構成)
現金自動預払装置2は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)等を有して、装置全体を制御する制御部280と、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等にて構成され、データ等の記憶に用いられる記憶部270とを備えている。
また、現金自動預払装置2は、タッチパネル式の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等にて構成され、操作受付画面や画像の表示を行うとともに、ユーザの入力操作を受け付ける表示入力部210を備えている。
また、現金自動預払装置2は、自動取引装置1や勘定系ホスト7等との通信に用いられる通信部290を備えている。通信部290は、通信インターフェース(通信I/F)であることを例示することができる。
また、現金自動預払装置2は、貨幣の入金を受け付けたり、貨幣の出金を行ったりする貨幣処理ユニット240を備えている。
また、現金自動預払装置2は、ユーザからのカード(例えば、キャッシュカード)の挿入を受け付けて、情報の読み取りや書き込みを行うデバイスであるカード処理部250を備えている。
【0017】
制御部280のROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや記憶部270から読み出したアプリケーションプログラムを実行する。CPUがプログラムを実行することにより、以下に述べる、制御部280の機能が実現される。
制御部280は、入金処理を貨幣処理ユニット240に行わせる入金処理部281と、出金処理を貨幣処理ユニット240に行わせる出金処理部282とを有している。
また、制御部280は、表示入力部210の表示画面の表示を制御する表示制御部283を有している。表示制御部283は、例えば、納付書に記載された宛名や請求額等を表示入力部210の表示画面に表示させる。
また、制御部280は、自動取引装置1に対して情報を出力する出力部284を有している。出力部284が出力する情報については後で詳述する。
【0018】
以上のように構成された自動取引システム100においては、自動取引装置1にて納付書を読み取ることが可能なように構成され、自動取引装置1にて読み取られた納付書に記載された請求額の支払いを、現金自動預払装置2にて行うことが可能なように構成されている。また、現金自動預払装置2は、支払いを、現金で行わせることが可能なように構成されている。また、現金自動預払装置2は、支払いを、キャッシュカード、通帳、スマートフォン等の携帯端末を用いて、顧客の預金口座(顧客口座)からの引き落としにて行わせることが可能なように構成されている。また、自動取引システム100においては、自動取引装置1及び現金自動預払装置2の内、いずれか一方の装置のみが、ユーザからの操作を受け付けることが可能なように構成されている。
また、本実施の形態に係る自動取引システム100においては、図1に示すように、自動取引システム100の前方に立ったユーザから見て左側に自動取引装置1が設置され、ユーザから見て右側に現金自動預払装置2が設置されている。
【0019】
(処理手順)
以下に、自動取引装置1と現金自動預払装置2とで行う税金や公共料金等の払込取引の際の処理手順について説明する。
図4は、税金や公共料金等の払込取引の際の処理手順を示すシーケンス図の一例である。図4は、払込取引が正常に行われた場合の例を示している。
図5図6図7図8は、自動取引装置1の表示入力部10、及び、現金自動預払装置2の表示入力部210に表示された画面の一例を示す図である。図5図6図7図8の(a)、(c)、(e)は、自動取引装置1の表示入力部10の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。図5図6図7図8の(b)、(d)、(f)は、現金自動預払装置2の表示入力部210の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
【0020】
自動取引システム100をユーザが利用していないときには、自動取引装置1及び現金自動預払装置2は、取引待ちの待機状態となる。
自動取引装置1においては、自動取引装置1及び現金自動預払装置2が待機状態である場合、表示制御部88は、表示入力部10の表示画面11に、図5(a)に例示した、現金自動預払装置誘導画面310を表示する(S401)。自動取引装置1は、現金自動預払装置誘導画面310に、現金自動預払装置2にてユーザに操作を行ってもらうべく、「右側の装置で操作を行ってください」との文言を表示するとともに、現金自動預払装置2が設置されている右側を指し示す記号の現金自動預払装置誘導画像301を表示する。
【0021】
現金自動預払装置2においては、待機状態である場合、表示制御部283は、表示入力部210の表示画面211に、図5(b)に例示した、待機画面410を表示する(S402)。現金自動預払装置2は、待機画面410に、取引を受け付けるために、「いらっしゃいませ。ご希望のお取引ボタンをおしてください」との文言を記載するとともに、税公金の納付書の読取を受け付ける「税公金納付書読取」と記載された税公金選択画像411と、税公金の納付以外のその他の取引を受け付ける「その他の取引」と記載されたその他選択画像412とを表示する。
【0022】
自動取引システム100が待機状態であるときに現金自動預払装置2の表示画面211に表示された税公金選択画像411が押されて税公金納付書読取を受け付けた(S403)場合、現金自動預払装置2は、自動取引装置1に対して、税公金選択画像411が押された旨の情報及び時刻に関する情報を含む選択通知を送信する(S404)。なお、現金自動預払装置2は、選択通知の送信前に、通信を開始する旨のOPEN信号を自動取引装置1に送信する。そして、現金自動預払装置2は、表示入力部210の表示画面211に、図5(d)に例示した納付書挿入誘導画面420を表示する(S405)。現金自動預払装置2は、納付書挿入誘導画面420に、ユーザに次の操作を依頼するために、「納付書または払込票を入れてください」との文言を表示する。また、現金自動預払装置2は、納付書挿入誘導画面420に、納付書または払込票を入れるべき対象を示す文言である、「左側の装置に入れてください」を表示するとともに、自動取引装置1が設置されている左側を指し示す記号の取引装置誘導画像401を表示する。
【0023】
自動取引装置1は、選択通知を受信する(S406)と、表示入力部10の表示画面11に、図5(c)に例示した取扱媒体不可画面320を表示する(S407)。自動取引装置1は、取扱媒体不可画面320に、ユーザへのお願いを依頼する文言である、「ご利用上のお願い」を表示する。また、自動取引装置1は、取扱媒体不可画面320に、自動取引装置1にて取り扱うことができない納付書の状態を例示するとともに、ユーザが持参した納付書が例示した状態ではないことの確認をお願いする文言を表示する。また、自動取引装置1は、取扱媒体不可画面320に、取引をやめることを受け付ける「やめる」と記載されたやめる画像321と、状態を確認したことを受け付ける「確認」と記載された確認画像322と、係員を呼ぶことを受け付ける「係員呼出」と記載された係員呼出画像302とを表示する。
【0024】
自動取引装置1は、確認画像322が押された場合、表示入力部10の表示画面11に、図5(e)に例示した、納付書の挿入を依頼する納付書挿入依頼画面330を表示し(S408)、納付書を受け付ける。自動取引装置1は、納付書挿入依頼画面330に、ユーザに納付書の挿入を依頼する文言である、「納付書または払込票を入れてください」を表示する。また、自動取引装置1は、納付書挿入依頼画面330に、納付書の挿入の仕方を説明するための説明画像を表示する。また、自動取引装置1は、納付書挿入依頼画面330に、係員呼出画像302と、取引を取り消すことを受け付ける「取消」と記載された取消画像303とを表示する。
【0025】
自動取引装置1は、帳票受付部20に納付書が挿入された場合に、帳票受付部20は納付書の記載内容を読み取る(S409)。そして、自動取引装置1は、表示入力部10の表示画面11に、図6(a)に例示した納付書確認画面340を表示する(S410)。自動取引装置1は、納付書確認画面340に、ユーザに取引内容の確認を依頼する文言である、「お支払い内容を確認してください」を表示する。また、自動取引装置1は、納付書確認画面340に、取引内容を確認したことを受け付ける「確認」と記載された確認画像341と、係員呼出画像302と、取消画像303とを表示する。
【0026】
自動取引装置1は、確認画像341が押された場合、表示入力部10の表示画面11に、図6(c)に例示した電話番号入力画面350を表示する(S411)。自動取引装置1は、電話番号入力画面350に、ユーザに電話番号の入力を依頼する文言である、「電話番号を入力してください」を表示する。また、自動取引装置1は、電話番号入力画面350に、0~9までのそれぞれの数字が記載された画像と、ハイフン(-)が記載された画像と、入力された数字又はハイフンを表示する入力欄を表示する。図6(c)に例示した電話番号入力画面350においては、入力欄に、ユーザによって「012-3456-7890」が入力された例を示している。また、自動取引装置1は、電話番号入力画面350に、電話番号を入力したため次の処理に進むべき依頼を受け付ける「次へ」と記載された次へ画像351と、係員呼出画像302と、取消画像303とを表示する。
【0027】
自動取引装置1は、電話番号入力画面350にて次へ画像351が押された場合、納付書の読み取り等の処理を問題なく行った旨の情報を含む読取通知を現金自動預払装置2に送信する(S412)。
【0028】
現金自動預払装置2は、読取通知を受信した(S413)後に、通信を終了する旨のCLOSE信号を自動取引装置1に送信する(S414)。そして、現金自動預払装置2は、CLOSE信号を送信した後、表示入力部210の表示画面211に、図6(f)に例示した、内容確認画面430を表示する(S415)。現金自動預払装置2は、内容確認画面430に、ユーザへのお願いを依頼する文言である、「内容をご確認のうえ、間違いがなければ[進む]ボタンを押してください」を表示する。また、現金自動預払装置2は、内容確認画面430に、自動取引装置1にて読み取られた名前及び請求金額と、入力された電話番号とを表示するとともに、確認後に次の処理に進むべき依頼を受け付ける「進む」と記載された進む画像431と、「取引中止」と記載された中止画像402とを表示する。
現金自動預払装置2は、自動取引装置1に対して、選択通知を送信した(S404)後、内容確認画面430を表示するまで、表示入力部210の表示画面211に、納付書挿入誘導画面420を表示したままにする(図5(f)、図6(b)、図6(d)参照)。
【0029】
自動取引装置1は、CLOSE信号を受信した(S416)後に、帳票受付部20における納付書の挿入口を閉じるとともに、表示入力部10の表示画面11に、図6(e)に例示した支払い誘導画面360を表示する(S417)。自動取引装置1は、支払い誘導画面360に、支払い及び支払いをすべき対象を示す文言である、「右側の装置でお支払いを行ってください」を表示するとともに、現金自動預払装置誘導画像301を表示する。
【0030】
現金自動預払装置2は、内容確認画面430にて進む画像431が押された場合、支払い処理を実行する(S418)。
支払い処理においては、現金自動預払装置2は、先ず、表示入力部210の表示画面211に、現金にて支払うか、又は、キャッシュカードにて支払うかをユーザに選択させる選択画面(不図示)を表示する。
そして、ユーザによりキャッシュカードにて支払うことが選択された場合、現金自動預払装置2は、表示入力部210の表示画面211に、図7(b)に例示した、カード挿入誘導画面440を表示する。現金自動預払装置2は、カード挿入誘導画面440に、キャッシュカードの挿入をお願いする文言である、「キャッシュカードをお入れください」を表示する。また、現金自動預払装置2は、カード挿入誘導画面440に、中止画像402を表示する。
【0031】
そして、キャッシュカードが挿入された場合には、現金自動預払装置2は、表示入力部210の表示画面211に、暗証番号を入力すべき旨を表示する。その後、暗証番号が入力された場合には、現金自動預払装置2は、勘定系ホスト7と通信を行い、キャッシュカードを認証するとともに、当該ユーザの預金口座に請求額以上の貯金があるか否かを確認する。そして、現金自動預払装置2は、当該ユーザの預金口座に請求額以上の貯金がある場合には、当該請求額を預金口座から引き落とす決済を行うとともに、キャッシュカードを出し、完了通知を自動取引装置1に送信する(S419)。他方、現金自動預払装置2は、当該ユーザの預金口座に請求額以上の貯金がない場合には、貨幣処理ユニット240の貨幣挿入口を開くとともに、キャッシュカードへの不足金額以上の入金を要求する、そして、入金された場合には、現金自動預払装置2は、キャッシュカードを出し、完了通知を自動取引装置1に送信する(S419)。ユーザによりキャッシュカードにて支払うことが選択された場合、現金自動預払装置2は、このようにして、支払い処理を完了させる。
【0032】
一方、ユーザにより現金にて支払うことが選択された場合、現金自動預払装置2は、貨幣処理ユニット240の貨幣挿入口を開くとともに、表示入力部210の表示画面211に、支払金額や入金された金額、及び、貨幣挿入口を閉じるべき依頼を受け付ける「閉じる」と記載された閉じる画像(不図示)を表示する。閉じる画像が押された場合、現金自動預払装置2は、入金された現金を計数する。そして、入金額と請求額とが一致する場合、言い換えれば釣銭がない場合には、現金自動預払装置2は、入金処理が完了した旨の通知である完了通知を自動取引装置1に送信する(S419)。入金額と請求額とが一致しない場合であって、釣銭がある場合には、現金自動預払装置2は、釣銭を払い出して貨幣処理ユニット240の貨幣挿入口を開くとともに、表示入力部210の表示画面211に釣銭を受け取る旨を表示する。そして、現金自動預払装置2は、釣銭が受け取られた場合には、貨幣挿入口を閉じるとともに、完了通知を自動取引装置1に送信する(S419)。他方、入金額と請求額とが一致しない場合であって、入金額が請求額に満たない場合には、再度、貨幣挿入口を開くとともに、支払金額や入金された金額、及び、閉じる画像を表示する。その後、現金自動預払装置2は、入金額と請求額とが一致するか、又は、入金額が請求額よりも多くなるまで、上記処理を繰り返す。ユーザにより現金にて支払うことが選択された場合、現金自動預払装置2は、このようにして、支払い処理を完了させる。
【0033】
現金自動預払装置2は、完了通知を自動取引装置1に送信する前に、通信を開始する旨のOPEN信号を自動取引装置1に送信する。そして、現金自動預払装置2は、完了通知を自動取引装置1に送信した後、表示入力部210の表示画面211に、図7(d)に例示した領収書受取誘導画面450を表示する(S420)。現金自動預払装置2は、領収書受取誘導画面450に、ユーザに次の操作を依頼するために、「領収書をお受け取りください」との文言を表示する。また、現金自動預払装置2は、領収書受取誘導画面450に、領収書を受け取るべき対象を示す文言である、「左側の装置からお受け取りください」との文言を表示するとともに、取引装置誘導画像401を表示する。
また、現金自動預払装置2は、支払い処理が完了するまでに表示入力部210の表示画面211に表示する各種画面に中止画像402を表示する。中止画像402が押された場合の処理については後で詳述する。
【0034】
自動取引装置1は、現金自動預払装置2からOPEN信号及び完了通知を受信した(S421)場合、納付書の所定位置に領収印を押印するとともに、納付書から領収書を切り離す処理を行う(S422)。自動取引装置1は、この処理を実行中に、表示入力部10の表示画面11に、図7(c)に例示した処理中画面370を表示する。自動取引装置1は、処理中画面370に、ユーザに処理中であることを伝える文言である、「処理中です しばらくお待ちください」を表示する。また、自動取引装置1は、処理中画面370に、納付書への押印及び納付書から領収書を切り離している様子を絵で示す画像を表示する。
【0035】
自動取引装置1は、領収印の押印、領収書の切り離し処理を終えた後に、領収書を、帳票受付部20の入出口から排出し、ユーザに返却する(S423)。自動取引装置1は、領収書を、帳票受付部20の入出口から排出しているときに、表示入力部10の表示画面11に、図7(e)に例示した受取誘導画面380を表示する。自動取引装置1は、受取誘導画面380に、ユーザに領収書を受け取ることをお願いする文言である、「領収書をお受け取りください」を表示するとともに、領収書が排出されている場所を示す画像を表示する。
【0036】
そして、自動取引装置1は、ユーザにより、帳票受付部20の入出口から領収書が引き抜かれた場合には、取引が終了した旨の通知である終了通知を現金自動預払装置2に送信する(S424)。また、自動取引装置1は、領収書が引き抜かれた後に、表示入力部10の表示画面11に、図8(a)に例示した終了画面390を表示する。自動取引装置1は、終了画面390に、「ご利用ありがとうございました」という文言を表示する。
【0037】
現金自動預払装置2は、終了通知を受信した(S425)後に、通信を終了する旨のCLOSE信号を自動取引装置1に送信する(S426)。そして、現金自動預払装置2は、待機状態となり、表示入力部210の表示画面211に図8(d)に示した待機画面410を表示する(S427)。
自動取引装置1は、CLOSE信号を受信した後(S428)に、待機状態となり、表示入力部10の表示画面11に現金自動預払装置誘導画面310を表示する(S429)。
【0038】
以上説明したように、自動取引システム100は、納付書を読み取る第1装置の一例としての自動取引装置1と、自動取引装置1と通信可能に並べて配置されるとともに、自動取引装置1にて読み取られた納付書に記載された請求額の支払いをキャッシュカードにて行うことを可能とする第2装置の一例としての現金自動預払装置2とを備える。自動取引装置1は、請求額を表示可能な第1表示部の一例としての表示入力部10を有し、現金自動預払装置2は、支払いを行う際の案内を表示可能な第2表示部の一例としての表示入力部210を有する。そして、表示入力部10及び表示入力部210のいずれか一方の表示部(例えば表示入力部10)に、自動取引装置1及び現金自動預払装置2の内、表示入力部10及び表示入力部210の他方の表示部(例えば表示入力部210)を有する装置(例えば現金自動預払装置2)に対しての操作を促す誘導画面(例えば支払い誘導画面360)を表示する。
【0039】
このように構成された自動取引システム100によれば、自動取引装置1と現金自動預払装置2とが並べて配置されるとともに、税金や公共料金等を自動的にキャッシュカードにて支払うことが可能なように構成されているので、利便性が向上する。また、互いに、他方の装置に対しての操作を促す誘導画面を表示するので、操作性が向上する。また、自動取引装置1は、ユーザからのカードの挿入を受け付けて、情報の読み取りや書き込みを行うカード処理部や、ユーザからの紙幣や硬貨の投入を受け付けて、ユーザに対するお釣りの払い出しを行う金銭収受部を有していないので、これらカード処理部や金銭収受部を有する装置よりも簡易かつ低廉な構成とすることができる。
【0040】
そして、自動取引システム100においては、一方の表示部(例えば表示入力部10)に誘導画面が表示されているときには、他方の表示部(例えば表示入力部210)を有する装置(例えば現金自動預払装置2)は、ユーザの操作を受け付け可能な状態となるが、当該一方の表示部を有する装置(例えば自動取引装置1)は、ユーザの操作を受け付けない状態となる。これにより、ユーザに、どちらの装置を操作すれば良いかを把握し易くすることができるので、操作性が向上する。
【0041】
例えば、表示入力部210には、自動取引装置1にて納付書を読み取らせるべきときに納付書挿入誘導画面420を表示する。これにより、ユーザに、自動取引装置1に対して納付書を挿入することを把握し易くすることができる。
表示入力部10には、現金自動預払装置2にて支払いを行うべきときに支払い誘導画面360を表示する。これにより、ユーザに、現金自動預払装置2に対して、例えばキャッシュカードを挿入する等することを把握し易くすることができる。
【0042】
(自動取引装置1での取消)
次に、自動取引装置1と現金自動預払装置2とで行う税金や公共料金等の払込取引の際に取消画像303が押された場合の処理について説明する。
図9は、払込取引の際に取消画像303が押された場合の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図10は、表示入力部10及び表示入力部210に表示された画面の一例を示す図である。図10の(a)、(c)、(e)は、自動取引装置1の表示入力部10の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。図10の(b)、(d)、(f)は、現金自動預払装置2の表示入力部210の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
以下には、図4図8を用いて説明した正常処理と異なる点について説明し、同じ処理や画面表示については同じ名称及び符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0043】
自動取引装置1は、納付書確認画面340に表示された取消画像303又は電話番号入力画面350に表示された取消画像303が押された(S901)場合、納付書を、帳票受付部20の入出口から排出し、ユーザに返却する(S902)。自動取引装置1は、納付書を、帳票受付部20の入出口から排出しているときに、表示入力部10の表示画面11に、図10(c)に例示した納付書受取誘導画面1010を表示する。自動取引装置1は、納付書受取誘導画面1010に、ユーザに納付書を受け取ることをお願いする文言である、「納付書をお受け取りください」を表示するとともに、納付書が排出されている場所を示す画像を表示する。
【0044】
そして、自動取引装置1は、ユーザにより、帳票受付部20の入出口から納付書が引き抜かれた場合、言い換えれば、納付書の返却処理が完了した場合には、取消画像303が押され、納付書の返却処理が完了した旨の通知である取消通知を現金自動預払装置2に送信する(S903)。その後、自動取引装置1は、表示入力部10の表示画面11に、図8(a)に例示した終了画面390を表示する。
【0045】
現金自動預払装置2は、取消通知を受信した(S904)後に、通信を終了する旨のCLOSE信号を自動取引装置1に送信する(S426)。そして、現金自動預払装置2は、待機状態となり、表示入力部210の表示画面211に待機画面410を表示する(S427)。
自動取引装置1は、CLOSE信号を受信した後(S428)に、待機状態となり、表示入力部10の表示画面11に現金自動預払装置誘導画面310を表示する(S429)。
【0046】
このように、自動取引装置1は、納付書を読み取った後に取消指示を受け付けた場合には、納付書の返却処理が完了した後に、現金自動預払装置2に返却処理が完了した旨を通知するとともに表示入力部10に現金自動預払装置誘導画面310を表示する(S429)。これにより、納付書がユーザにより取り忘れられることが抑制される。
また、現金自動預払装置2は、返却処理が完了した旨の通知を受信した後に、表示入力部210に、現金自動預払装置2に対する操作を受け付ける待機画面410を表示する(S427)。これにより、自動取引装置1に挿入された納付書の返却が終わった後に、次のユーザの操作を受け付けることが可能となる。
【0047】
なお、図9及び図10には、電話番号入力画面350に表示された取消画像303が押された場合の処理を例示しているが、納付書確認画面340に表示された取消画像303が押された場合には、自動取引装置1は、電話番号入力画面350を表示することなく、納付書をユーザに返却するとともに、納付書受取誘導画面1010を表示すると良い。
【0048】
現金自動預払装置2は、自動取引装置1に対して選択通知を送信した(S404)後、待機画面410を表示するまで、表示入力部210の表示画面211に、納付書挿入誘導画面420を表示したままにするが、納付書挿入誘導画面420には、中止画像402や、取引を取り消すことを受け付けるための画像(例えば取消画像303)を表示しない。すなわち、自動取引システム100においては、表示入力部210に納付書挿入誘導画面420を表示しているときには、自動取引装置1のみが、ユーザからの取引の取消指示を受け付け可能である。これにより、ユーザに、どちらの装置において取消指示をすれば良いかを把握し易くすることができるので、操作性が向上する。
【0049】
(現金自動預払装置2での取消)
次に、現金自動預払装置2に表示された中止画像402が押された場合の処理について説明する。
図11は、中止画像402が押された場合の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図12は、表示入力部10及び表示入力部210に表示された画面の一例を示す図である。図12の(a)、(c)、(e)は、自動取引装置1の表示入力部10の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。図12の(b)、(d)、(f)は、現金自動預払装置2の表示入力部210の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
以下には、図4図8を用いて説明した正常処理と異なる点について説明し、同じ処理や画面表示については同じ名称及び符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0050】
現金自動預払装置2は、支払い処理実行中に表示画面211に表示する操作画面(例えばカード挿入誘導画面440)に表示された中止画像402が押された(S1101)場合、既に挿入されたキャッシュカード等の媒体を返却する返却処理を行う(S1102)。この返却処理においては、既にキャッシュカードが挿入されている場合には、キャッシュカードを返却する処理であり、現金自動預払装置2は、キャッシュカードを排出しているときに、表示入力部210の表示画面211に、図12(d)に例示したカード受取誘導画面1210を表示する。現金自動預払装置2は、カード受取誘導画面1210に、ユーザにキャッシュカードを受け取ることをお願いする文言である、「キャッシュカードをお受け取りください」を表示するとともに、キャッシュカードが排出されている場所を示す画像を表示する。他方、既に貨幣処理ユニット240に硬貨又は紙幣が投入されている場合には、現金自動預払装置2は、返却処理において、硬貨又は紙幣を返却する。そして、返却するときに、現金自動預払装置2は、表示入力部210の表示画面211に、「硬貨又は紙幣をお受け取りください」という文言とともに、硬貨又は紙幣が排出されている場所を示す画像を表示した画面を表示する。
【0051】
現金自動預払装置2は、返却処理を行った後、中止画像402が押された旨の通知である中止通知を現金自動預払装置2に送信する(S1103)。なお、現金自動預払装置2は、中止通知を自動取引装置1に送信する前に、通信を開始する旨のOPEN信号を自動取引装置1に送信する。そして、現金自動預払装置2は、中止通知を自動取引装置1に送信した後、表示入力部210の表示画面211に、図12(f)に例示した納付書受取誘導画面1220を表示する(S1104)。現金自動預払装置2は、納付書受取誘導画面1220に、「納付書をお受け取りください」との文言を表示する。また、現金自動預払装置2は、納付書受取誘導画面1220に、「左側の装置からお受け取りください」との文言を表示するとともに、取引装置誘導画像401を表示する。
【0052】
自動取引装置1は、現金自動預払装置2からOPEN信号及び中止通知を受信した(S1105)場合、納付書を、帳票受付部20の入出口から排出し、ユーザに返却する(S1106)。図12(e)に示すように、自動取引装置1は、納付書を、帳票受付部20の入出口から排出しているときに、表示入力部10の表示画面11に、図10(c)に例示した納付書受取誘導画面1010を表示する。
【0053】
そして、自動取引装置1は、ユーザにより、帳票受付部20の入出口から納付書が引き抜かれた場合には、取引が終了した旨の通知である終了通知を現金自動預払装置2に送信する(S424)。また、自動取引装置1は、納付書が引き抜かれた後に、表示入力部10の表示画面11に、図8(a)に例示した終了画面390を表示する。
【0054】
現金自動預払装置2は、終了通知を受信した(S425)後に、CLOSE信号を自動取引装置1に送信し(S426)、待機状態となり、表示入力部210の表示画面211に図8(d)に示した待機画面410を表示する(S427)。
自動取引装置1は、CLOSE信号を受信した後(S428)に、待機状態となり、表示入力部10の表示画面11に現金自動預払装置誘導画面310を表示する(S429)。
【0055】
このように、現金自動預払装置2は、例えばキャッシュカードを受け付けた後に、取消指示を受け付けた場合には、キャッシュカードの返却処理が完了した後に、自動取引装置1に当該返却処理が完了した旨を通知するとともに表示入力部210に納付書受取誘導画面1220を表示する(S1104)。これにより、現金自動預払装置2に挿入されたキャッシュカードがユーザにより取り忘れられることが抑制される。
また、自動取引装置1は、返却処理が完了した旨の通知を受信した後に、納付書を返却し、その後、表示入力部10に、現金自動預払装置誘導画面310を表示する。これにより、現金自動預払装置2に挿入されたキャッシュカード等の返却が終わった後に、次のユーザの操作を受け付けることが可能となる。
なお、現金自動預払装置2にキャッシュカード等が挿入される前、例えば内容確認画面430に表示された中止画像402が押された場合には、現金自動預払装置2は、返却処理を行うことなく、中止通知を自動取引装置1に送信する(S1103)と良い。
【0056】
自動取引装置1は、現金自動預払装置2に対して読取通知を送信した(S412)後、納付書受取誘導画面1220を表示するまで、表示入力部10の表示画面11に、支払い誘導画面360を表示したままにするが、支払い誘導画面360には取消画像303を表示しない。すなわち、自動取引システム100においては、表示入力部10に支払い誘導画面360を表示しているときには、現金自動預払装置2のみが、取引の取消指示を受け付け可能である。これにより、ユーザに、どちらの装置において取消指示をすれば良いかを把握し易くすることができるので、操作性が向上する。
【0057】
なお、上述した処理は、払込取引の際に取消画像303が押された場合の処理であるが、現金自動預払装置2での支払い処理が適切に終了しなかった場合も同様に処理すると良い。
例えば、キャッシュカードが挿入されたものの、当該キャッシュカードに係る預金口座に請求額以上の貯金がなく、不足金額以上の入金を要求したにもかかわらず、所定期間内に入金されない場合には、取引不成立として、現金自動預払装置2は、既に挿入されたキャッシュカード等の媒体を返却する返却処理を行う(S1102)。同様に、貨幣処理ユニット240に貨幣が投入されたものの、入金額が請求額に満たないため、追加の入金を要求したにもかかわらず、所定期間内に入金されない場合には、取引不成立として、現金自動預払装置2は、既に投入された貨幣を返却する返却処理を行う(S1102)。そして、自動取引装置1及び現金自動預払装置2は、図11図12を用いて説明したS1102以降の処理を行うと良い。
【0058】
(自動取引装置1に障害発生)
次に、自動取引装置1に障害が発生した場合の処理について説明する。
図13は、自動取引装置1に障害が発生した場合の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図14図15は、表示入力部10及び表示入力部210に表示された画面の一例を示す図である。図14図15の(a)、(c)、(e)は、自動取引装置1の表示入力部10の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。図14図15の(b)、(d)、(f)は、現金自動預払装置2の表示入力部210の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
以下には、図4図8を用いて説明した正常処理と異なる点について説明し、同じ処理や画面表示については同じ名称及び符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0059】
自動取引装置1は、例えばユーザが帳票受付部20に納付書を挿入した後に、障害が発生した場合には、表示入力部10の表示画面11に、図14(c)に例示した障害報知画面1410を表示する(S1301)。自動取引装置1は、障害報知画面1410に、障害が発生したことを報知するための、「エラーが発生しました」という文言を表示する。また、自動取引装置1は、障害報知画面1410に、係員が対応することを報知するための、「申し訳ありませんがお取り扱いできません 係員が参りますのでしばらくお待ちください」という文言を表示する。また、自動取引装置1は、障害が発生した場合に、障害が発生した旨の障害発生通知を現金自動預払装置2に送信する(S1302)。
【0060】
現金自動預払装置2は、障害発生通知を受信した(S1303)後に、通信を終了する旨のCLOSE信号を自動取引装置1に送信する(S1304)。そして、現金自動預払装置2は、表示入力部210の表示画面211に、図14(f)に例示した休止画面1420を表示する(S1305)。現金自動預払装置2は、休止画面1420に、取り扱いができないことを報知するための、「休止中 申し訳ありません ただいまお取り扱いができません」という文言を表示する。そして、現金自動預払装置2は、係員による対処を待つ状態となる。
【0061】
自動取引装置1は、CLOSE信号を受信した後(S1306)に、帳票受付部20における納付書の挿入口を閉じ、係員による対処を待つ状態となる。その後、自動取引装置1は、係員が予め定められた操作をした場合(例えば扉を開いて予め定められたボタンを押した場合)には、表示入力部10の表示画面11に、図15(a)に例示した障害原因報知画面1430を表示する(S1307)。その後、障害が解消した場合には、自動取引装置1は、待機状態となり、表示入力部10の表示画面11に現金自動預払装置誘導画面310を表示する(S429)。また、現金自動預払装置2は、障害が解消した場合には、待機状態となり、表示入力部210の表示画面211に待機画面410を表示する(S427)。現金自動預払装置2は、障害発生通知を受信した(S1303)後、障害が解消するまで休止画面1420を表示したままにする。
【0062】
なお、障害は、帳票受付部20に対してユーザにより挿入された納付書が内部で詰まることや、自動取引装置1に設けられた扉が開いたことであることを例示することができる。
図14図15には、ユーザが帳票受付部20に納付書を挿入した後に、納付書が詰まった場合の画面遷移を示している。
【0063】
このように、自動取引装置1は、障害が生じた場合には、表示入力部10に障害が生じた旨を表示する(S1301)とともに現金自動預払装置2に対して障害が生じた旨を通知し(S1302)、現金自動預払装置2は、障害が生じた旨の通知を受信した(S1303)場合には、表示入力部210に障害が生じたことにより休止する旨を表示する(S1305)。これにより、自動取引装置1に障害が生じた場合に、自動取引装置1及び現金自動預払装置2の両方の装置を使用することができないことをユーザに報知することが可能となる。
【0064】
図16図17は、自動取引装置1が現金自動預払装置2から完了通知を受信した後に障害が発生した場合の画面遷移の一例を示す図である。図16図17の(a)、(c)、(e)は、自動取引装置1の表示入力部10の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。図16図17の(b)、(d)、(f)は、現金自動預払装置2の表示入力部210の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。この場合の障害としては、例えば、納付書の所定位置に領収印を押印することができない場合、納付書から領収書を切り離すことができない場合、領収書が詰まった場合であることを例示することができる。
図16(c)に示すように、自動取引装置1が納付書から領収書を切り離す処理を行っているときに、自動取引装置1に障害が発生した場合には、図14(c)に例示した障害報知画面1410を表示する。また、自動取引装置1は、障害発生通知を現金自動預払装置2に送信する。
図16(f)に示すように、現金自動預払装置2は、障害発生通知を受信した後に、表示入力部210の表示画面211に、図14(f)に例示した休止画面1420を表示する。
【0065】
自動取引装置1は、係員が予め定められた操作をした場合(例えば扉を開いて予め定められたボタンを押した場合)には、表示入力部10の表示画面11に、図17(a)に例示した障害原因報知画面1810を表示する。その後、障害が解消した場合には、自動取引装置1は、待機状態となり、表示入力部10の表示画面11に現金自動預払装置誘導画面310を表示する(図17(c)参照)。また、現金自動預払装置2は、障害が解消した場合には、待機状態となり、表示入力部210の表示画面211に待機画面410を表示する(図17(f)参照)。現金自動預払装置2は、障害発生通知を受信した後、障害が解消するまで休止画面1420を表示したままにする(図16(f)、図17(b)、図17(d)参照)。
【0066】
(現金自動預払装置2に障害発生)
次に、現金自動預払装置2に障害が発生した場合の処理について説明する。
図18は、現金自動預払装置2に障害が発生した場合の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図19は、表示入力部10及び表示入力部210に表示された画面の一例を示す図である。図19の(a)、(c)、(e)は、自動取引装置1の表示入力部10の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。図19の(b)、(d)、(f)は、現金自動預払装置2の表示入力部210の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
以下には、図4図8を用いて説明した正常処理と異なる点について説明し、同じ処理や画面表示については同じ名称及び符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0067】
図19(d)に示すように、現金自動預払装置2は、例えば支払い処理実行中に障害が発生した場合には、表示入力部210の表示画面211に、図14(c)に例示した障害報知画面1410と同様の障害報知画面2010を表示する(S1901)。また、現金自動預払装置2は、障害が発生した場合に、障害が発生した旨の障害発生通知を自動取引装置1に送信する(S1902)。なお、現金自動預払装置2は、障害発生通知を自動取引装置1に送信する前に、OPEN信号を自動取引装置1に送信する。障害は、ユーザにより挿入されたキャッシュカードが内部で詰まることや、投入された紙幣が内部で詰まることであることを例示することができる。
【0068】
自動取引装置1は、現金自動預払装置2から障害発生通知及びOPEN信号を受信した(S1903)場合、障害発生通知を受信した旨の受信通知を現金自動預払装置2に送信する(S1904)。なお、自動取引装置1は、現金自動預払装置2から障害発生通知及びOPEN信号を受信した(S1903)場合、自動取引装置1を休止状態にしてから、受信通知を現金自動預払装置2に送信しても良い。また、図19(e)に示すように、自動取引装置1は、表示入力部10の表示画面11に、図14(c)に例示した障害報知画面1410を表示する(S1905)。そして、自動取引装置1は、係員による対処を待つ状態となる。
【0069】
現金自動預払装置2は、自動取引装置1から受信通知を受信した(S1906)場合、係員による対処を待つ状態となる。その後、現金自動預払装置2は、係員が予め定められた対処を行い、障害が解消した場合には、待機状態となり、表示入力部210の表示画面211に待機画面410を表示する(S427)。また、自動取引装置1は、障害が解消した場合には、待機状態となり、表示入力部10の表示画面11に現金自動預払装置誘導画面310を表示する(S429)。
【0070】
このように、現金自動預払装置2は、障害が生じた場合には、表示入力部210に障害が生じた旨を表示する(S1901)とともに自動取引装置1に対して障害が生じた旨を通知し(S1902)、自動取引装置1は、障害が生じた旨の通知を受信した(S1903)場合には、表示入力部10に障害が生じたことにより休止する旨を表示する(S1905)。これにより、現金自動預払装置2に障害が生じた場合に、自動取引装置1及び現金自動預払装置2の両方の装置を使用することができないことをユーザに報知することが可能となる。
【0071】
なお、上述した例においては、自動取引装置1及び現金自動預払装置2が、それぞれ独立して障害が解消される例を示しているが、特にかかる態様に限定されない。自動取引装置1及び現金自動預払装置2のいずれか一方の装置に障害が発生した後に障害が解消した場合には、当該一方の装置は、障害が解消した旨の通知を他方の装置に送信し、当該他方の装置は、障害が解消した旨の通知を受信した後に待機状態となっても良い。
【0072】
(ネットワーク断発生)
次に、自動取引装置1と現金自動預払装置2との間のネットワーク3に、例えば断線が生じる等して、自動取引装置1と現金自動預払装置2とが通信を行えない状態であるネットワーク断が発生した場合の処理について説明する。
自動取引装置1は、電話番号入力画面350にて次へ画像351が押された場合、読取通知を現金自動預払装置2に送信する(S412)。また、自動取引装置1は、ユーザにより、帳票受付部20の入出口から領収書が引き抜かれた場合、終了通知を現金自動預払装置2に送信する(S424)。そして、ネットワーク断が発生していない場合、自動取引装置1は、CLOSE信号を受信する(S416、S428)。そのため、自動取引装置1は、読取通知又は終了通知を現金自動預払装置2に送信後、予め定められた期間内に現金自動預払装置2からCLOSE信号を受信しない場合には、ネットワーク断が発生したと判断することが可能となる。そして、自動取引装置1は、ネットワーク断が発生したと判断した場合には、表示入力部10の表示画面11に、所定の画面を表示する。なお、予め定められた期間は、5秒であることを例示することができる。
【0073】
図20は、ネットワーク断が発生した場合の処理手順を示すシーケンス図の一例である。
図21は、読取通知送信後にネットワーク断が発生したと判断した場合の表示入力部10及び表示入力部210に表示された画面の一例を示す図である。
図22は、終了通知送信後にネットワーク断が発生したと判断した場合の表示入力部10及び表示入力部210に表示された画面の一例を示す図である。
図21図22の(a)、(c)、(e)は、自動取引装置1の表示入力部10の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。図21図22の(b)、(d)、(f)は、現金自動預払装置2の表示入力部210の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
以下には、図4図8を用いて説明した正常処理と異なる点について説明し、同じ処理や画面表示については同じ名称及び符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0074】
自動取引装置1は、電話番号入力画面350にて次へ画像351が押された場合、読取通知を現金自動預払装置2に送信する(S412)。その後、自動取引装置1は、予め定められた期間内に現金自動預払装置2からCLOSE信号を受信しない場合には、ネットワーク断が発生したと判断して、図14(c)に例示した障害報知画面1410を表示する(S2101)(図21(c)参照)。そして、自動取引装置1は、係員による対処を待つ状態となる。その後、自動取引装置1は、係員が予め定められた操作をした場合(例えば扉を開いて予め定められたボタンを押した場合)には、表示入力部10の表示画面11に、図21(e)に例示した障害原因報知画面2210を表示する(S2102)。その後、障害が解消した場合には、自動取引装置1は、待機状態となり、表示入力部10の表示画面11に現金自動預払装置誘導画面310を表示する(S429)。
【0075】
また、現金自動預払装置2においては、係員が、予め定められた操作(例えばネットワーク3に用いられる通信線を接続)を行うとともに、強制的に待機状態とし、表示入力部210の表示画面211に待機画面410を表示させる(S427)。
【0076】
また、図示はしていないが、自動取引装置1は、終了通知を現金自動預払装置2に送信(S424)後、予め定められた期間内に現金自動預払装置2からCLOSE信号を受信しない場合には、ネットワーク断が発生したと判断する。自動取引装置1は、納付書が引き抜かれた後に、表示入力部10の表示画面11に終了画面390を表示することから、終了画面390を表示しているときにネットワーク断が発生したと判断する。そして、その後、自動取引装置1は、図22(c)に示すように、図14(f)に例示した休止画面1420を表示する。そして、自動取引装置1は、係員による対処を待つ状態となる。その後、自動取引装置1は、係員が予め定められた操作をした場合(例えば扉を開いて予め定められたボタンを押した場合)には、表示入力部10の表示画面11に、図22(e)に例示した障害原因報知画面2310を表示する。その後、障害が解消した場合には、自動取引装置1は、待機状態となり、表示入力部10の表示画面11に現金自動預払装置誘導画面310を表示する(S429)。
【0077】
また、現金自動預払装置2においては、係員が、予め定められた操作(例えばネットワーク3に用いられる通信線を接続)を行うとともに、強制的に待機状態とし、表示入力部210の表示画面211に待機画面410を表示させる(S427)。
【0078】
このように、自動取引装置1は、ユーザが自動取引装置1で納付書を読み取らせたり電話番号を入力したりしているときにネットワーク断が発生した場合には、表示入力部10に障害が生じた旨を表示する(S2101)。これにより、ユーザに自動取引装置1を使用することができないことを報知することが可能となる。そして、ユーザが自動取引装置1で納付書を読み取らせたり電話番号を入力したりしているときにネットワーク断が発生した場合には、現金自動預払装置2は、表示入力部210の表示画面211に、納付書挿入誘導画面420を表示しているので、ユーザは、現金自動預払装置2に対して操作できないことを把握可能である。それゆえ、ネットワーク断が発生した場合に、ユーザに無駄な操作を行わせることを抑制できる。
【0079】
また、自動取引装置1は、ユーザが自動取引装置1で領収書の受け取りを行っているときにネットワーク断が発生した場合には、表示入力部10に障害が生じた旨を表示する。これにより、ユーザは、自動取引装置1に障害が発生したことを知ることが可能となる。そして、ユーザが自動取引装置1で領収書の受け取りを行っているときにネットワーク断が発生した場合には、現金自動預払装置2は、表示入力部210の表示画面211に、領収書受取誘導画面450を表示しているので、ユーザは、現金自動預払装置2に対して操作できないことを把握可能である。それゆえ、ネットワーク断が発生した場合に、ユーザに無駄な操作を行わせることを抑制できる。
【0080】
(音による報知)
自動取引装置1は、スピーカを有し、表示入力部10の表示画面11への表示に加えて、又は、表示に代えて、スピーカから音を出力するようにしても良い。例えば、自動取引装置1は、支払い誘導画面360を表示するとともに、スピーカを介して、支払い誘導画面360に表示された文言である、「右側の装置でお支払いを行ってください」を音で出力しても良い。
また、自動取引装置1は、取扱媒体不可画面320を表示するとともに、スピーカを介して、取扱媒体不可画面320に表示された文言である、「納付書が以下のような状態でないことを確認してください」等を音で出力しても良い。かかる場合、自動取引装置1は、選択通知を受信したタイミングで音の出力を開始し、確認画像322が押されたら音の出力を停止すると良い。
【0081】
また、現金自動預払装置2は、スピーカを有し、表示入力部210の表示画面211への表示に加えて、又は、表示に代えて、スピーカから音を出力するようにしても良い。例えば、現金自動預払装置2は、納付書挿入誘導画面420を表示するとともに、スピーカを介して、納付書挿入誘導画面420に表示された文言である、「納付書または払込票を入れてください」や「左側の装置に入れてください」を音で出力しても良い。また、現金自動預払装置2は、領収書受取誘導画面450を表示するとともに、スピーカを介して、領収書受取誘導画面450に表示された文言である、「領収書をお受け取りください」や「左側の装置からお受け取りください」を音で出力しても良い。
【0082】
また、自動取引装置1は、納付書を読み取っているときには、スピーカを介して、例えば「読取中です」等、処理している内容を説明する文言を音で出力しても良い。また、自動取引装置1は、スピーカを介して、処理している内容を説明する文言に加えて、又は、文言に代えて、音楽や効果音を出力しても良い。
また、自動取引装置1は、納付書に領収印を押すとともに、納付書から領収書を切り離す処理を行っているときには、スピーカを介して、例えば「領収書発行中です」等、処理している内容を説明する文言を音で出力しても良いし、処理している内容を説明する文言に加えて、又は、文言に代えて、音楽や効果音を出力しても良い。かかる場合、自動取引装置1は、完了通知を受信したタイミングで音の出力を開始し、領収書が抜き取られたら音の出力を停止すると良い。
【0083】
また、現金自動預払装置2は、内容確認画面430を表示するとともに、スピーカを介して、内容確認画面430に表示された文言である、「内容を確認のうえ、間違いがなければ「進む」ボタンを押してください」を音で出力しても良い。かかる場合、現金自動預払装置2は、読取通知を受信したタイミングで音の出力を開始し、進む画像431が押されたら音の出力を停止すると良い。
【0084】
(点滅表示)
自動取引装置1は、ユーザの操作を促す画像を点滅しても良い。例えば、自動取引装置1は、取扱媒体不可画面320に表示された確認画像322や、納付書確認画面340に表示された確認画像341や、電話番号入力画面350に表示された次へ画像351を点滅しても良い。また、画像の点滅は、音の出力とともに行っても良い。
同様に、現金自動預払装置2は、ユーザの操作を促す画像を点滅しても良い。例えば、現金自動預払装置2は、内容確認画面430に表示された進む画像431を点滅しても良い。また、進む画像431の点滅は、音の出力とともに行っても良い。
【0085】
(設置場所)
上述した実施の形態においては、図1に示すように、自動取引システム100の前方に立ったユーザから見て左側に自動取引装置1が設置され、右側に現金自動預払装置2が設置されているが、特にこの配置に限定されない。
例えば、自動取引システム100の前方に立ったユーザから見て右側に自動取引装置1が設置され、左側に現金自動預払装置2が設置されていても良い。この設置態様である場合には、自動取引装置1が表示する現金自動預払装置誘導画面310や支払い誘導画面360において、「右側の装置」ではなく「左側の装置」と表示するとともに、現金自動預払装置誘導画像301は、現金自動預払装置2が設置されている左側を指し示す記号であると良い。また、現金自動預払装置2が表示する納付書挿入誘導画面420や領収書受取誘導画面450において、「左側の装置」ではなく「右側の装置」と表示するとともに、取引装置誘導画像401は、自動取引装置1が設置されている右側を指し示す記号であると良い。
【0086】
また、自動取引装置1と現金自動預払装置2とが、正面同士が対向するように向かい合わせに設置されていても良い。この設置態様である場合には、自動取引装置1が表示する現金自動預払装置誘導画面310や支払い誘導画面360において、「右側の装置」ではなく「後側の装置」と表示するとともに、現金自動預払装置誘導画像301は、現金自動預払装置2が設置されている後側を指し示す記号であると良い。また、現金自動預払装置2が表示する納付書挿入誘導画面420や領収書受取誘導画面450において、「左側の装置」ではなく「後側の装置」と表示するとともに、取引装置誘導画像401は、自動取引装置1が設置されている後側を指し示す記号であると良い。
【0087】
(時刻同期)
自動取引装置1は、現金自動預払装置2との間で時刻同期を行っても良い。例えば、自動取引装置1は、現金自動預払装置2から、時刻に関する情報を含む選択通知を受信した(S406)ときに、自身が有する時刻と、受信した時刻とを比較し、ずれがある場合には、自身が有する時刻を、受信した時刻に置き換えると良い。また、自動取引装置1は、自身が有する時刻と、現金自動預払装置2から受信した時刻との間に、予め定められた時間(例えば5分)以上のずれがあった場合には、表示入力部10の表示画面11に警告画面を表示しても良い。例えば、自動取引装置1の制御部80は、予め定められた時間以上のずれがあった場合に、警告フラグをセットするとともに、係員が例えば扉を開くためのキーを回したときに、表示入力部10に警告画面を表示すると良い。自動取引装置1は、警告画面に、「時刻同期処理で大幅な時刻変更を行いました。度々同様の警告画面が表示される場合、保守部門へ電話連絡願います。」という文言を表示することを例示することができる。一般的に、大幅な時刻ずれが発生するのは、CPU基板の電池切れ等の要因があり、放置しておくと機械の故障に繋がるおそれがあるが、上述した警告画面を表示することにより、故障を未然に防ぐことが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
1…自動取引装置、2…現金自動預払装置、3,4,6…ネットワーク、5…税公金管理サーバ、7…勘定系ホスト、10,210…表示入力部、11,211…表示画面、100…自動取引システム、310…現金自動預払装置誘導画面、360…支払い誘導画面、380…受取誘導画面、410…待機画面、420…納付書挿入誘導画面、440…カード挿入誘導画面、450…領収書受取誘導画面、1010,1220…納付書受取誘導画面、1210…カード受取誘導画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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