(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059362
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】結束補助装置とその装置を有する結束機とリネンシステム
(51)【国際特許分類】
B65B 13/20 20060101AFI20220406BHJP
B65B 63/02 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
B65B13/20
B65B63/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167054
(22)【出願日】2020-10-01
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】597090907
【氏名又は名称】東都フォルダー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】特許業務法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 祐介
【テーマコード(参考)】
3E052
3E056
【Fターム(参考)】
3E052AA31
3E052BA16
3E052CA13
3E052CB04
3E052CB05
3E052CB07
3E052DB04
3E052EA01
3E052FA18
3E052GA01
3E052HA11
3E052KA20
3E052LA20
3E056AA19
3E056BA13
3E056CA15
3E056DA03
3E056FF01
3E056FG02
3E056FH01
(57)【要約】
【課題】従来の結束機であっても積み重ねた布類を結束する場合に可及的に結束不良を生じさせない結束補助装置と、その装置を有する結束機と、リネリネンテムを提供する。
【解決手段】
積み重ねた布類を紐掛けするための結束機に搬送したときに、結束機によって結束する際に当該積み重ねた布類を押圧する押さえ部と、押さえ部によって押圧された布類を結束するために使用する結束補助部材と、を有し、押さえ部によって布類を押圧するとともに、結束機によって紐掛けするときに、結束補助部材にその紐が係合する結束補助装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚積み重ねた布類を紐掛けするための結束機に搬送したときに、前記結束機によって結束する際に当該複数枚積み重ねた布類を押圧する押さえ部と、
前記押さえ部によって押圧された前記複数枚積み重ねた布類を結束するために使用する結束補助部材と、を有し、
前記押さえ部によって複数枚積み重ねた布類を押圧するとともに、前記結束機によって紐掛けするときに、前記結束補助部材にその紐が係合する結束補助装置。
【請求項2】
前記結束補助部材は、前記紐が係合する棒状部材と、前記棒状部材を突出させるための駆動部と、を有し、
前記結束機によって紐掛けするときに、前記駆動部が駆動することによって前記結束補助部材における棒状部材が突出し、前記棒状部材に、その紐が係合する請求項1記載の結束補助装置。
【請求項3】
前記結束補助部材は、前記押さえ部に取り付けられている請求項1または2記載の結束補助装置。
【請求項4】
前記押さえ部は、第1ローラと第2ローラと、前記第1ローラと第2ローラとを連結する連結部とをさらに有し、
前記結束補助部材は、前記連結部に取り付けられている請求項3に記載の結束補助装置。
【請求項5】
前記押さえ部は、前記布類を押圧するために上下動するとともに、前記結束補助部材は、前記押さえ部の上下動する動作に追従する請求項1記載の結束補助装置。
【請求項6】
前記請求項1から5のいずれかに記載の結束補助装置と、を有する結束機。
【請求項7】
少なくとも、折りたたんだ布類を複数枚積み重ねる折畳装置と、前記請求項1から5のいずれかに記載の結束補助装置と、結束機とを有するリネンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折りたたんだ複数の布類を結束する結束機に使用する結束補助装置と、その結束補助装置を有する結束機と、それらを含むリネンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
顧客であるホテルや病院等で使用されたいわゆるリネンサプライ業で扱うリネン製品には、例えば、シーツやベッドカバー、大小のタオルその他各種の布類がある。リネンサプライ業の業者はこれらの布類を顧客先から回収し、洗濯、アイロン掛けの上、折り畳む工程を経て顧客先に配達する作業を繰り返す。すなわち、タオル、バスタオルなどの布類を、2つ折り、3つ折り、フレンチ折、四つ折り等の所定形状に折りたたみ、その折りたたんだ布類を複数積み上げたうえで、結束機により所定枚数ごとに紐をかけられて上述の顧客に納品する。
【0003】
このとき最終工程で使用される結束機について、例えば、実開平5-54210号公報において、「固定テ-ブルと補助テ-ブルの間の隙間 を跨いで結束位置に置かれた被結束物にクラッチの作動 により紐掛けを行ない且つ結束するようになっている結束機械において、前記固定テ-ブル上にリミットスイッチが設置され、被結束物が結束位置に置かれると被結束物は前記リミットスイッチに当って前記前記クラッチを作動するようになっていることを特徴とする結束機械」が開示されている。
【0004】
このようにリネンサプライ業における最終工程で使用される結束機は、汎用品であるために、柔軟性を有する布類を複数積み重ねて結束する場合には必ずしも適していない。すなわち、汎用品の結束機は、書籍や紙類などの比較的固いものを結束する際に使用するものである。しかしながらリネンサプライ業において結束する対象となるものは、所定の形状に折り畳まれた布類を複数枚積み重ねたものであり、結束する紐をその複数枚積み重ねた布類にかけた場合において、複数枚積み重ねた布類が変形するために紐かけ時の張力が安定しない。このため、紐かけがうまくいかず、その紐がきつく結ばれ、複数枚積み重ねた布類がたわんだ状態のなるといった結束不良や、あるいは逆に、その紐を結び目が、解けたり、積み重ねた複数の布類がその結んだ紐から脱落する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、従来の結束機であっても複数枚積み重ねた布類を結束する場合に可及的に結束不良を生じさせない結束補助装置と、その装置を有する結束機と、リネリネンテムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は研究開発の結果前記の課題を解決するために、第1観点の結束補助装置は、複数枚積み重ねた布類を紐掛けするための結束機に搬送したときに、結束機によって結束する際に当該複数枚積み重ねた布類を押圧する押さえ部と、押さえ部によって押圧された布類を結束するために使用する結束補助部材と、を有し、押さえ部によって複数枚積み重ねた布類を押圧するとともに、結束機によって紐掛けするときに、結束補助部材にその紐が係合するというものである。
【0008】
また、第2観点の結束補助装置は、第1観点において、結束補助部材は、紐が係合する棒状部材と、棒状部材を突出可能に取り付ける駆動部と、を有し、結束機によって紐掛けするときに、結束補助部材における棒状部材に、その紐が係合するというものである。
【0009】
また、第3観点の結束補助装置は、第1観点または第2観点において、結束補助部材は、前記押さえ部に取り付けられているというものである。
【0010】
また、第4観点の結束補助装置は、第3観点において、押さえ部は、第1ローラと第2ローラと、第1ローラと第2ローラとを連結する連結部とをさらに有し、結束補助部材は、連結部に取り付けられているというものである。
【0011】
また、第5観点の結束補助装置は、第1観点において、押さえ部は、複数枚積み重ねた布類を押圧するために上下動するとともに、結束補助部材は、押さえ部の上下動する動作に追従するというものである。
【0012】
また、第6観点の結束機は、第1観点から第5観点の結束補助装置と、を有するというものである。
【0013】
また、第7観点のリネンシステムは、少なくとも、折りたたんだ布類を複数枚積み重ねる折畳装置と、第1観点から第5観点の結束補助装置と、結束機とを有するというものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、従来の結束機であっても複数枚積み重ねた布類を結束する場合に可及的に結束不良を生じさせない結束補助装置と、結束補助装置と、その装置を有する結束機と、リネリネンテムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施例の結束補助装置と結束機との側面図である。
【
図2】第1実施例の結束補助装置と結束機との平面図である。
【
図3】補助コンベアと、結束補助装置と結束機との平面概念図である。
【
図4】Aは、押さえ部の側面図である。Bは、押さえ部の平面図である
【
図5】押さえ部と上下移動部との正面概念図である。Bは、押さえ部と上下移動部との側面概念図である。Cは、押さえ部と上下移動部との平面概念図である。
【
図6】複数枚積み重ねた布類を配置した状態の結束補助装置と結束機との側面図である。
【
図7】Aは、第1実施例の結束補助装置を使用して結束機で結束する前の状態を示した図である。Bは、結束機で結束しようとする状態を示した図である。
【
図8】Aは、
図6のVIII方向から見た結束機で結束しようとする状態を示した正面図である。BはAのVIII部分の拡大図である。
【
図9】Aは、第1実施例の結束補助装置を使用して第2位置に搬送しようとする状態を示した図である。Bは、第1実施例の結束補助装置を使用して第2位置に搬送した状態を示した図である。
【
図10】Aは、第1実施例の結束補助装置を使用して第2位置において結束機で結束使用とする状態を示した図である。Bは、第2位置において結束機で結束した状態を示した図である。
【
図11】第2実施例の結束補助装置と結束機との側面図である。
【
図12】第2実施例の結束補助装置と結束機との平面図である。
【
図13】
図11において、XIII方向から見た第2実施例の結束補助装置と結束機と背面図である。
【
図14】
図11において、XVI方向から見た第2実施例の結束補助装置と結束機と正面図である。
【
図15】折畳装置と結束補助装置と結束機とを有するリネンシステムの側面図である。
【
図16】折畳装置と結束補助装置と結束機とを有するリネンシステムの平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図示の実施形態を参照して、第1実施例の結束補助装置10について説明する。第1実施例の結束補助装置10は、結束機300に配置することができる。ここで結束機300について簡単に説明する。結束機300については公知のものであり、正面視において円形の軌道Kを周回するように回転する紐案内アーム310を有し、紐Rを、2つ折り、3つ折り、フレンチ折、四つ折り等の所定形状に折りたたんだ布類を複数枚積み重ねた布類100(以下複数枚積み重ねた布類100とする場合がある)に巻き付けるように回転するとともに、その紐Rを所定の位置に位置決めする、紐押さえ釦330と、紐Rを所定方向Lに押し付ける紐押部材340と、その紐Rを結び付ける結束機構350と、を有するものである(
図8参照)。なお結束機300は、補助コンベア360を有し、送りコンベア201と面一に配置されている(
図1、2、3参照)。なお、複数枚積み重ねた布類100は、コンベア400から送りコンベア201を経て、上述の、補助コンベア360に搬送される。コンベア400および送りコンベア201については後述する。
【0017】
また、結束機300は本体コンベア370を有し、補助コンベア360との隙間を埋める渡しプレート301をさらに有する。この渡しプレート301は、補助コンベア360に取り付けられており、本体コンベア370とは分離した状態で取り付けられている。このように、渡しプレート301を有することで、本体コンベア370から、補助コンベア360へ、スムースにその布類100を搬送することができる(
図1、2、3参照)。また、補助コンベア360と、本体コンベア370との間に、紐案内アーム310が周回する軌道Kが位置している(
図1、8参照)。この紐案内アーム310が周回する軌道Kに沿って紐Rが案内さることで、その紐Rが、結束しようとするものに巻きつけられ、その軌道K内に配置されたものを結束することができる。この点は従来の結束機と同様である。
【0018】
第1実施例の結束補助装置10は、送りコンベア201から所定形状に折りたたんだ布類を複数枚積み重ねた布類100を結束機300で結束する際に使用するものであり、送りコンベア201の上方に配置する押さえ部20と、結束補助部材30とを有する。
【0019】
押さえ部20は、送りコンベア201と補助コンベア360の上方に配置され、複数枚積み重ねた布類100を押圧するために後述する上下移動部250によって上方から下方に移動するものである。押さえ部20は、図示しないモーター類の原動部によって回転する、第1ローラ21と第2ローラ22とを有し、その第1ローラ21と第2ローラ22に複数のベルトからなるベルト部23が巻きつくように配置されている。その第1ローラ21と第2ローラ22の駆動によりベルト部23が回転する。これにより、送りコンベア201によって、複数枚積み重ねた布類100が搬送する動作を妨げないようにし、その複数枚積み重ねた布類100が、めくれることを防止している。なお、
図1において、実線で示した押さえ部20は上方に位置した状態を表し、破線で示した押さえ部20は下方に位置した状態を表している。
【0020】
また、押さえ部20は上記の通り、複数のベルトからなるベルト部23が巻きつくように配置され、第1ローラ21と第2ローラ22に、複数のベルトからなるベルト部23が巻きつくように配置されているいわばコンベアであることから、押さえ部20を下方に移動することでその複数のベルト23が、複数枚積み重ねた布類100を押圧するときに、その複数のベルト部23が撓むことで、適度な押圧力を得ることができる(
図4A、B参照)。
【0021】
第1実施例の結束補助装置10における結束補助部材30は、押さえ部20に配置されている。具体的には、結束補助部材30は第1ローラ21と第2ローラ22とを連結する連結部24に配置されている。また、結束補助部材30は、駆動部31と棒状部材33とを有し、駆動部31が、連結部24に取り付けられており、その駆動部31によって、棒状部材33が、結束機300が配置されている方向(後方R)に突出するように構成されている。駆動部31は、エアシリンダーが好ましく、また、図示しないが電動シリンダーやソレノイドでも好ましい。
【0022】
なお、押さえ部20は、複数枚積み重ねた布類100を識別するセンサー26が配置されている。このセンサー26は、押さえ部20の下面から複数枚積み重ねた布類100を検知するものであり、押さえ部20が、下降する際に複数枚積み重ねた布類100の上面を検知するものである(
図4B参照)。この検知した複数枚積み重ねた布類100の位置から、さらに任意に設定する位置においてさらに下降した位置で押さえ部20を停止させることで複数枚積み重ねた布類100を押圧する。すなわち、上方に位置する押さえ部20は、下降し、その下降した押さえ部20’は、複数積み重ねた布類100を、若干押しつぶすように配置する(
図6参照)。
【0023】
また、押さえ部20は、上下移動部250によって上下動する。上下移動部250は、駆動するためのモーター251と、そのモーター251によって回転するギヤーボックス252と、そのギヤーボックス252、252と、そのギヤーボックス252、252同士を連結するシャフト253と、そのギヤーボックス252、252と噛み合う、ギヤーシャフト254、254とを有する。具体的にはモーター251が回転することによって、ギヤーボックス252、252内の図示しない歯車が回転することによってそれと噛み合う、ギヤーシャフト254、254が上下動し、そのギヤーシャフト254、254と接続された押さえ部20が上下動するという構成である(
図5A、B、C等参照)。また、このように押さえ部20が上下動するときに、その上限と下限とを制御する上限センサー260と下限センサー261とを有する。
【0024】
次に上記構成の第1実施例の結束補助装置10の動作について説明する。送りコンベア201によって、複数枚積み重ねた布類100が結束機300(後方R)の方向に搬送され所定の位置で停止した状態において、押さえ部20が、複数枚積み重ねた布類100上に配置される。その状態において、押さえ部20が、上下移動部250によって下降する。これにより、複数枚積み重ねた布類100を押圧することで、その布類100を圧迫する(
図7A参照)。
【0025】
上述の搬送によって、コンベア201から補助コンベア360、渡しプレート301および本体コンベア370上にかけて複数枚積み重ねた布類100が配置される。このとき、紐案内アーム310が回転する軌道K内に複数枚積み重ねた布類100の所定部分101が配置されている。その後、結束補助部材30における棒状部材33が、駆動部31によって、結束機300(後方R)の方向に突出する。
【0026】
上記の通り、押さえ部20によって圧縮された布類100は、渡しプレート301上に配置された状態となる。この状態で、結束機300における紐案内アーム310が、紐Rを伴った状態で紐案内アーム310が回転する軌道Kに沿って回転する(
図7B参照)。
図8A、Bに示すように、結束機300の正面視において、紐Rが、布類100に巻き付けられ、その巻き付けられた紐Rが、布類100における右下部101と右上部102と接触するように配置されるとともに、布類100の左上部103および左下部104とは接触せず、その布類100の左上部103に替えて、結束補助部材30における棒状部材33と係合する。また、左下部104に替えて、紐押さえ釦330と係合するとともにその紐Rを紐押部材340によって所定方向に押し付けると(
図8A、B矢印参照)、その紐Rが押し付けられ、その押し付けられた紐Rを結び付ける結束機構350によってその紐Rの両端部が結び付けられる(
図9A参照)。
【0027】
このとき、布類100の第1の結束する紐Rは、上述の通り、結束機300の正面視において、その紐Rが、布類100の右下部101と右上部102と接触するように配置されるとともに、結束補助部材30における棒状部材33と紐押さえ釦330と係合する。このとき、棒状部材33と、紐押さえ釦330との位置は、位置決めされているために、棒状部材33と、紐押さえ釦330との2点間の紐Rの張力の変動が少なく、可及的に結束不良を生じさせないものとなる(
図8A、B参照)。この点、棒状部材33が存在しない状態においては、布類100と、紐押さえ釦330との2点間の紐Rの張力が、布類100が押しつぶされることによる変動が多く結束不良が生じる可能性が大きいものとなる。従って一旦結束された布類100の結束不良を生じる恐れを可及的に軽減することができる。
【0028】
その後、結束補助部材30における棒状部材33が、駆動部31によって、結束機300と反対の方向(前方F)に引っ込む。その後押さえ部20が、上下移動部250によって上昇し、再び送りコンベア201によって、複数枚積み重ねた布類100が結束機300の方向に搬送される。このとき、渡しプレート301ごと、布類100が、紐Rで結束されるが、複数枚積み重ねた布類100が結束機300の方向に搬送される。このとき上記の通り、渡しプレート301は、本体コンベア370とは分離した状態で補助コンベア360に取り付けられていることから、その搬送により、渡しプレート301から紐Rが外れる(
図9A参照)。このように渡しプレート301が配置されていることにより、補助コンベア360と本体コンベア370との間の隙間が埋められるとともに、渡しプレート301ごと紐Rで結束されているので、柔軟な布類100をさらに確実に結束することができる。
【0029】
布類100が、第2の所定の位置である第2位置102に停止した状態において押さえ部20が、複数枚積み重ねた布類100上に配置される。その状態において、押さえ部20が、上下移動部250によって再び下降する(
図9B参照)。これにより、複数枚積み重ねた布類100を再び押圧することで、その布類100を圧縮する。その後、再度結束機300によって、上述と同様に布類100の第2位置102を、結束機300における紐案内アーム310が、紐Rを伴った状態で軌道Kに沿って回転する。これにより、上記と同様に紐Rで結束する(
図10A、B参照)。その後結束された布類100は、本体コンベア370上を移動する。その後、顧客のもとへ出荷される。
【0030】
このとき、布類100における第2位置102の紐R2についても、上記と同様に、棒状部材33と、紐押さえ釦330との2点間の紐R2の張力の変動が少なく、可及的に結束不良を生じさせないものとなる。この点、棒状部材33が存在しない状態においては、布類100と、紐押さえ釦330との2点間の紐R2の張力が、布類100が押しつぶされることによる変動が多く結束不良が生じる可能性が大きいものとなる。従って一旦結束された布類100の結束不良を生じる恐れを可及的に軽減することができることは上記と同様である(
図8A、B参照)。
【0031】
また、第2実施例の結束補助装置12は、折畳装置200における送りコンベア201から送り出される所定形状に折りたたんだ布類を複数枚積み重ねた布類100を結束機300で結束する際に使用するものであり、送りコンベア201上に配置する第2押さえ部60と、第2結束補助部材70とを有する。なお、第1実施例の結束補助装置10と第2実施例の結束補助装置12との相違点は、第2結束補助部材70が、第2押さえ部60とは別体で構成されている点にある。第2押さえ部60は上下移動部250によって上下動する構成は同様である(
図11参照)。
【0032】
第2押さえ部60は、図示しないモーター類の原動部によって回転する第1ローラ61と第2ローラ62に、複数のベルトからなるベルト部63が配置さている点は、第1実施例の結束機10と同様である。また、第2押さえ部60は複数枚積み重ねた布類100を下方に押し付けるものであり、上方または下方に移動させるための上下移動部250を有する。また、第1ローラ61と第2ローラ62とを連結する第2連結部64を有する。なお、第1実施例で説明した上下移動部250と第2実施例の結束補助装置12の上下移動部250と同一の構成である。この上下移動部250によって、第2押さえ部60は、上下に移動する(
図11参照)。なお、
図12から14において、上下移動部250は省略する。
【0033】
第2結束補助部材70は、電動アクチュエーター71によって上下動可能に配置されたテーブル部72を有している。また、そのテーブル部72に取り付けられている第2駆動部81を有し、その第2駆動部81に、第2棒状部材83を出没可能に取り付けられている。なお、上記の通り、第2押さえ部60は、上下移動部250に取り付けられており、その上下移動部250によって上下動する第2押さえ部60の動きに同期するように電動アクチュエーター71が配置されている。すなわち、上述の第2連結部64に、磁石であるマグネット部65を配置するとともに、テーブル72にそのマグネット部65の磁力を検知する磁気検出スイッチ74を配置する。また、第2駆動部81は、エアシリンダーが好ましく。また、図示しないが電動シリンダーやソレノイドでも好ましい。
【0034】
上記構成の第2押さえ部60が、布類100を押圧するために第1実施例と同様の上下移動部250によって上方の第2押さえ部60'が、下降すると、その電動アクチュエーター71によって上下動可能に配置されたテーブル部72も下降しマグネット部65の磁力を、磁気検出スイッチ74が検出することによって、そのテーブル部72の下降が停止する。このように、第2棒状部材83を有するテーブル部72は、第2押さえ部60が上下する動きと同期するように構成されている。よって、第2押さえ部60はその布類100を押圧するために上下動するとともに、結束補助部材70は、その第2押さえ部60の上下動する動作に追従するというものである。
【0035】
次に上記構成の第2実施例の結束補助装置12の動作について説明する。送りコンベア201によって、複数枚積み重ねた布類100が結束機300の方向に搬送され所定の位置で停止した状態において、第2押さえ部60が、複数枚積み重ねた布類100上に配置される。その状態において、第2押さえ部60が、上下移動部250によって下降する。これにより、複数枚積み重ねた布類100を押圧することで、その布類100を圧縮する。その時、上記の通り、電動アクチュエーター71によって上下動可能に配置されたテーブル部72も下降しマグネット部65の磁力を、磁気検出スイッチ74が検出することによって、テーブル部72の下降が停止し、第2押さえ部60の近傍に、そのテーブル部72が配置される。
【0036】
上述の搬送によって、コンベア201から補助コンベア360上に搬送され、渡しプレート301が配置されている紐案内アーム310が回転する軌道K内に複数枚積み重ねた布類100の所定部分101が配置されている。その後、第2結束補助部材70における第2棒状部材73が、第2駆動部81によって、結束機300の方向に突出する。
【0037】
第2押さえ部60によって圧縮された布類100は、渡しプレート301上に差し掛かるように配置された状態となる。この状態で、結束機300における紐案内アーム310が、紐Rを伴った状態で回転する。
図14に示すように、結束機300の正面視において、紐Rが、布類100の右下部101と右上部102と接触するように配置されるとともに、布類100の左上部103および左下部104とは接触せず、布類100の左上部103に替えて、結束補助部材30における棒状部材33と係合する。また、左下部104に替えて、紐押さえ釦330と係合するとともにその紐Rを紐押部材340によって所定方向に押し付けると(
図14矢印参照)、その紐Rを結び付ける結束機構350によってその紐Rの両端部が結び付けられる。
【0038】
その後、第2結束補助部材70における第2棒状部材83が、第2駆動部81によって、結束機300と反対の方向に引っ込む。すなわち元の位置に配置される。その後第2押さえ部60が、上昇するとともに、その動作にテーブル部72が追従し、第2押さえ部60の近傍に、そのテーブル部72が配置される。
【0039】
このとき、布類100の第1の結束する紐Rは、上述の通り、結束機300の正面視(
図14)において、紐Rが、布類100の右下部101と右上部102と接触するように配置されるとともに、結束補助部材30における棒状部材33と紐押さえ釦330と係合する。このとき、第2棒状部材73と、紐押さえ釦330との位置は、確定しているために、布類100のつぶれ具合によってもその位置は変動することがなく、可及的に結束不良を生じさせないものとなる。図示しないが布類100における第2の位置において結束する紐についても同様である。
【0040】
なお、リネンサプライ業において、顧客であるホテルや病院等で使用されたシーツやベッドカバー、大小のタオルその他各種の布類を回収し、洗濯し、図示しないアイロナーでアイロンがけしたのちに、折畳装置200によって、所定形状に折りたたんだ布類を所定枚数ごとに積み重ねる。その複数枚積み重ねた布類100をコンベア400で搬送し、送りコンベア201から上述の結束補助装置10あるいは第2実施例の結束補助装置12と、結束機300と、を有するリネンシステム500を経て出荷されるというものである。このようにリネンシステム500は、2つ折り、3つ折り、フレンチ折りといった所定形状を有するように折りたたんだ布類を複数積み上げる折畳装置200と、第1実施例の結束補助装置10または、第2実施例の結束補助装置12と、結束機300とを有するものである。また、リネンシステム500は、さらにコンベア400と、送りコンベア201とを有する場合がある(
図15、16参照)。
【符号の説明】
【0041】
10 第1実施例の結束補助装置
12 第2実施例の結束補助装置
20 押さえ部
21 第1ローラ
22 第2ローラ
23 ベルト部
24 連結部
30 結束補助部材
31 駆動部
33 棒状部材
60 第2押さえ部
70 第2結束補助部材
61 第1ローラ
62 第2ローラ
63 ベルト部
64 第2連結部
70 第2結束補助部材
71 電動アクチュエーター
72 テーブル部
81 第2駆動部
83 第2棒状部材
100 複数枚積み重ねた布類
200 折畳装置
201 送りコンベア
250 上下移動部
300 結束機
301 渡しプレート
310 紐案内アーム
330 紐押さえ釦
340 紐押部材
350 結束機構
360 補助コンベア
370 本体コンベア
500 リネンシステム