(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059406
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220406BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
A63F5/04 601B
A63F7/02 326Z
A63F7/02 334
A63F5/04 601C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167138
(22)【出願日】2020-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(72)【発明者】
【氏名】割石 健
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088BC56
2C088BC62
2C088EA10
2C182DA21
2C182DA25
2C182DA40
2C182DA42
(57)【要約】
【課題】基板対基板接続におけるコネクタ同士の接続を好適なものとするとともに、作業者が基板に触れることで発生する不具合の抑制を実現する基板ケースを備えた遊技機を提供する。
【解決手段】制御基板ケース41を備えた遊技機10であって、制御基板ケース41は、コネクタ102を搭載するサブ接続基板100と、コネクタ102と結合されるコネクタ205を搭載するサブ制御基板200と、サブ接続基板100及びサブ制御基板200が設置されるベース42と、サブ接続基板100の少なくとも一部を覆う第1カバー101と、サブ制御基板200の少なくとも一部を覆う第2カバー201と、を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板ケースを備えた遊技機であって、
前記基板ケースは、
第1コネクタを搭載する第1基板と、
前記第1コネクタと結合される第2コネクタを搭載する第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板が設置されるベース部と、
前記第1基板の少なくとも一部を覆う第1カバー部と、
前記第2基板の少なくとも一部を覆う第2カバー部と、を備えた、ことを特徴する遊技機。
【請求項2】
前記ベース部は、前記第1基板が設置される案内台を有し、
前記第1基板は、前記案内台に設置された状態で前記第2基板側に移動可能であり、
前記案内台は、前記第1基板が前記案内台に設置された状態で前記第2基板側に移動することにより前記第1コネクタが前記第2コネクタと結合可能であるように、前記第1基板の移動を規制し、
前記案内台は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合した状態において、前記第1基板と固着するための固着部を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1カバー部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合した状態から前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離する際の前記第1基板の移動方向である分離方向に対して略垂直である面を有する分離用カバー指掛部を有し、
前記ベース部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合した状態において、前記分離用カバー指掛部から前記分離方向に沿った位置付近であって前記第1カバー部の近傍に分離用ベース指掛部を有し、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合した状態において、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタに対する前記分離方向に沿った距離は、前記分離用ベース指掛部の方が前記分離用カバー指掛部よりも長い、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の電子基板を収容するために用いられる遊技機用基板ケースを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機であるスロットマシンやパチンコ機等には、役抽選、入賞判定及び遊技動作等の遊技における基本的な制御を行うメイン制御手段を備えたメイン制御基板や、遊技における演出の制御を行うサブ制御手段を備えたサブ制御基板等が搭載されている。また、これらの基板以外にも複数の基板が搭載されている。
【0003】
これらの基板同士を電気的に接続する場合は、ケーブルの両端にコネクタが設けられたハーネスを用いることがある。しかし、ハーネスによる接続は、ハーネスにノイズが乗りやすく、基板間の通信等においてノイズの影響が発生しやすいとの問題がある。この問題を解決するためには、例えば、いわゆる基板対基板接続(BtoB接続)を用いればよい。基板対基板接続とは、基板に搭載されたコネクタ同士を、ハーネスを介さず直接接続する方式の接続方式である。基板対基板接続を行う場合は、ハーネスを用いないことから、ノイズの影響を抑制できる。また、ハーネスによる接続は、基板間において高速通信を行う際に、ハーネス部分がボトルネックになるとの問題もある。この問題を解決するためにも、基板対基板接続を用いることが有効である。つまり、基板対基板接続を行う場合には、基板同士の距離を短くすることができるので、通信速度の減衰を抑制することができる。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2006-129923号公報)には、基板対基板接続により基板同士を電気的に接続している構成が記載されている。具体的には、共通基板と種類別基板とが、それぞれの基板に搭載されたコネクタ部品により直接接続されている構成が記載されている。また、これら共通基板及び種類別基板は共に、共通のベース部材及びカバー部材により収納されていることも記載されている。
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載された発明では、共通基板及び種類別基板のコネクタ部品同士を接続する際又は分離する際には、作業者の手指が基板に触れることとなり、基板に形成された電気回路や基板上に搭載された電子部品に手指を介して静電気が流れ込み、破損の原因となる可能性があるとの問題があった。
【0006】
このような問題を解消する方法として、例えば、特許文献2(特開平8-323018号公報)に記載されているように、基板対基板接続がなされる複数の基板において、それぞれの基板ごとにカバー部を設けることが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-129923号公報
【特許文献2】特開平8-323018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献2に記載された発明によれば、それぞれの基板ごとにカバー部を設け、各基板をそれぞれ各カバー部にネジ止めにより固定(設置)した構成であるため、各カバー部を製造する際にやむを得ず発生する製造上の誤差(製造誤差)がコネクタ同士を結合する係合部分において累積され、コネクタ同士を結合する係合部分において位置ずれが発生しやすくなるとの問題がある。具体的には、第1基板を固定するカバー部(第1カバー部)と第2基板を固定し第1カバー部とは異なるカバー部(第2カバー部)とを備えた基板ケースであるため、これらカバー部を製造する公差が例えば±0.5mmとすれば、第1カバー部で+0.5mmの誤差が発生し第2カバー部で-0.5mmの誤差が発生することを許容しなければならない。つまり、これらのカバー部に各基板をそれぞれ設置するとコネクタ同士の係合部分では誤差が累積されて、1mmの誤差が生じることとなり、コネクタ同士の適切な結合が困難となる。また、上記特許文献2に記載された発明によれば、コネクタ同士を結合した後、作業者が接触する等により、いずれか一方のカバー部が他方のカバー部から離間してしまうと、コネクタ同士の結合が分離するとの問題が発生するおそれがある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板対基板接続におけるコネクタ同士の接続を好適なものとするとともに、作業者が基板に触れることで発生する不具合の抑制を実現する基板ケースを備えた遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る遊技機は、
基板ケースを備えた遊技機であって、
前記基板ケースは、
第1コネクタを搭載する第1基板と、
前記第1コネクタと結合される第2コネクタを搭載する第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板が設置されるベース部と、
前記第1基板の少なくとも一部を覆う第1カバー部と、
前記第2基板の少なくとも一部を覆う第2カバー部と、を備えた、ことを特徴とする。
【0011】
このように、上記遊技機によれば、第1基板及び第2基板のいずれもが同一の部材であるベース部に設置されるので、第1基板と第2基板とが互いに異なる部材上に設けられた場合に比べて、第1コネクタと第2コネクタとを結合した場合の係合部分において位置ずれが発生しにくい。ここで、製造工程において生じる製造誤差は部品ごとに発生することから、部品点数が増加すると、その分製造誤差が累積されて大きな誤差となる。したがって、第1基板及び第2基板のいずれもが同一の部材であるベース部に設置されている上記発明によれば、第1基板と第2基板とが互いに異なる部材上に設けられた場合に比べて、製造誤差は生じにくく、第1コネクタと第2コネクタとを結合した場合の係合部分における位置ずれが発生しにくい。
【0012】
また、上記遊技機の構成とは異なり、第1基板と第2基板とが互いに異なる部材上に設けられた場合は、第1コネクタと第2コネクタとを結合した後、作業者が接触すること等により、これら第1基板及び第2基板が設けられた部材同士が互いに離間してしまった場合は、第1コネクタ及び第2コネクタの結合が分離するといった問題が発生するおそれがある。これに対して、上記発明によれば、第1基板及び第2基板のいずれもが同一の部材であるベース部に設置されるので、このような問題は発生しない。
【0013】
さらに、上記遊技機によれば、第1基板の少なくとも一部は第1カバー部により覆われているため、作業者は第1カバー部を把持することで、第1基板を移動させて第1コネクタと第2コネクタとを結合することができる。このように、作業者は第1基板に直接触れることなく、第1コネクタと第2コネクタとを結合できることから、作業者の手指から第1基板に静電気が流れ込んで故障するといった不具合が生じにくい。
【0014】
また、上記遊技機において、
前記ベース部は、前記第1基板が設置される案内台を有し、
前記第1基板は、前記案内台に設置された状態で前記第2基板側に移動可能であり、
前記案内台は、前記第1基板が前記案内台に設置された状態で前記第2基板側に移動することにより前記第1コネクタが前記第2コネクタと結合可能であるように、前記第1基板の移動を規制し、
前記案内台は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合した状態において、前記第1基板と固着するための固着部を有している、こととしてもよい。
【0015】
このように、上記遊技機によれば、案内台が固着部を有していることから、第1コネクタと第2コネクタとが結合した後は、速やかに固着部により第1基板と案内台とを固着することができる。このため、第1コネクタと第2コネクタとを結合する結合作業と、第1基板をベース部に固着するための固着作業と、を連続的に行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0016】
また、上記遊技機において、
前記第1カバー部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合した状態から前記第1コネクタと前記第2コネクタとを分離する際の前記第1基板の移動方向である分離方向に対して略垂直である面を有する分離用カバー指掛部を有し、
前記ベース部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合した状態において、前記分離用カバー指掛部から前記分離方向に沿った位置付近であって前記第1カバー部の近傍に分離用ベース指掛部を有し、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合した状態において、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタに対する前記分離方向に沿った距離は、前記分離用ベース指掛部の方が前記分離用カバー指掛部よりも長い、こととしてもよい。
【0017】
このように、上記遊技機によれば、結合された第1コネクタ及び第2コネクタを分離する際に作業者は、例えば、分離用カバー指掛部及び分離用ベース指掛部のそれぞれに指を掛けて、分離用カバー指掛部及び分離用ベース指掛部間の距離が短くなるように分離方向に沿った力をかけることで、第1コネクタ及び第2コネクタを容易に分離することができる。また、第1カバー部の近傍に分離用ベース指掛部が位置していることから、第1コネクタ及び第2コネクタが分離した直後に指を分離用ベース指掛部から第1カバー部に移動して、第1カバー部の2箇所を指で把持した状態に容易に移行することができる。このため、第1コネクタ及び第2コネクタが分離した直後に第1コネクタ及び第2コネクタ間の摩擦がなくなることから生じる第1カバー部にかかる力の変化に対しても、第1カバー部の2箇所を指で把持した状態に移行することで容易に対応することができ、第1カバー部を他の部材に接触させて破損する等の不具合を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る遊技機の内部構成を示す前扉が開かれた状態の斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニットの外観構成を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る制御基板ケースにおけるサブ接続基板及びサブ接続基板用カバーの構成を示す斜視図であって、
図5(a)はサブ接続基板及びサブ接続基板用カバーが分離した状態を示す斜視図であり、
図5(b)はサブ接続基板及びサブ接続基板用カバーが組み合わされた状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニットにおいてサブ接続基板及び第1カバーが設置される前の状態を示す拡大斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニットにおいてサブ接続基板及びサブ制御基板のコネクタが結合される前の状態を示す拡大斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニットにおいてサブ接続基板及びサブ制御基板のコネクタが結合された状態を示す拡大斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニットにおいてサブ接続基板とリブとの配置を示す図であって、
図9(a)はコネクタが結合される前の状態を示す拡大断面図であり、
図9(b)はコネクタが結合された後の状態を示す拡大断面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニットにおいてサブ接続基板及びサブ制御基板のコネクタの状態を示す図であって、
図10(a)はコネクタが結合される前の状態を示す拡大断面図であり、
図10(b)はコネクタが結合された後の状態を示す拡大断面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニットにおいてサブ接続基板及びサブ制御基板のコネクタが結合された状態の下方側を示す拡大斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニットにおいて第1カバーとベースとの配置を示すための図であって、
図12(a)はサブ接続基板及びサブ制御基板のコネクタが結合された状態を示す拡大斜視図であり、
図12(b)はサブ接続基板及びサブ制御基板のコネクタが分離された状態を示す拡大斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態に係るリブの配置について説明するための第2制御基板ユニットの拡大背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の遊技機の実施形態について、図面を参照しながら、具体的に説明する。なお、以下の説明において、本発明の実施形態に係る遊技機として回胴式遊技機(いわゆる、スロットマシン)であるパチスロ遊技機を例に挙げて説明するが、本発明の遊技機は、このパチスロ遊技機に限定されるわけではない。これ以外のパチスロ遊技機だけでなく、例えば、パチンコ遊技機等、パチスロ遊技機以外の遊技機であってもかまわない。また、金属等で作られた実在するメダル等を遊技媒体として利用せずに、電子データのみを取り扱うことで遊技を行うことができる、いわゆるメダルレスのパチスロ遊技機であってもかまわない。
【0020】
なお、本明細書において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10に向かって位置する遊技者から見て左側の方向を「左」方向とし、遊技者から見て右側の方向を「右」方向とする。同様に、「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の上方向や下方向を意味する。また、遊技機10の正面から遊技者に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、遊技機10における各部材の説明についても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材が遊技機10の所定位置に配置されている状態において遊技者から見た方向としている。
【0021】
また、図面においてx軸、y軸及びz軸を示している場合がある。図面において、x軸は遊技機における左右方向を示し、y軸は遊技機における前後方向を示し、z軸は遊技機における上下方向を示している。具体的には、x軸方向正側を遊技機の「右」側、x軸方向負側を遊技機の「左」側、y軸方向正側を遊技機の「後」側、y軸方向負側を遊技機の「前」側、z軸方向正側を遊技機の「上」側、z軸方向負側を遊技機の「下」側とする。
【0022】
(遊技機10の外観構成)
本実施形態1に係る遊技機の外観構成について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機10の外観構成を示す正面図である。また、
図2は、本発明の実施形態に係る遊技機10の内部構成を示す前扉10bが開かれた状態の斜視図である。
【0023】
図1に示すように、遊技機10は、その前面側に、メダルを投入するためのメダル投入口11と、メダルを払い出すためのメダル払出口12と、メダル払出口12から払い出されたメダルを貯留するメダル受け皿5と、外周面に図柄8が描かれていてこれら図柄8を変動表示する3つのリール14a、14b、14cと、映像演出を行うための液晶ディスプレイ16と、照明演出を行うための上部ランプ1、上サイドランプ2a、中サイドランプ2b及び下サイドランプ2cと、音声演出を行うためのスピ-カー17と、を備えている。なお、上サイドランプ2a、中サイドランプ2b、下サイドランプ2c及びスピ-カー17は、それぞれ左右に1つずつ配置されている。
【0024】
また、遊技機10は、操作部として、1遊技当たりの最大枚数(通常3枚)のメダルをベットするためのマックスベットボタン18と、ベットするメダルを1枚ずつ増加するためのシングルベットボタン19と、リール14a、14b、14cの回転を開始するためのスタートレバー20と、リール14a、14b、14cの回転をそれぞれ停止するための3つのストップボタン22a、22b、22cと、遊技中の所定の演出を切り替える等の遊技者が操作をするためのチャンスボタン7と、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン25と、メダルの貯留枚数を表示するクレジット枚数表示器26と、入賞成立時等において遊技機10から払い出されたメダルの払出枚数を表示する払出枚数表示器27と、を備えている。なお、クレジット枚数表示器26及び払出枚数表示器27は、それぞれ7セグメントの小型のLED(発光ダイオード)により構成されており、2桁の数字を表示可能である。
【0025】
第1リールであるリール14a、第2リールであるリール14b及び第3リールであるリール14cは、それぞれ、この順で、遊技者から見て左から右へと並んで配置されており、これらリール14a、14b、14cに対応してリール14a、14b、14cの回転を停止させるためのストップボタン22a、22b、22cも、遊技者から見て左から右へとこの順で並んで配置されている。
【0026】
この遊技機10は、ベットされたメダルの枚数が所定枚数(本実施形態では1枚)以上となった状態でスタートレバー20が操作されると、役抽選が実行されるとともにリール14a、14b、14cが一斉に回転を開始し、ストップボタン22a、22b、22cがそれぞれ操作されると、操作されたストップボタン22a、22b、22cに対応する各リール14a、14b、14cの回転が停止し、すべてのリール14a、14b、14cが停止したときにリール窓10eの有効ライン上に表示される図柄8の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合(入賞した場合)は、その役に応じた枚数のメダルが払い出される。なお、メダルのクレジット枚数が上限値(本実施形態では50枚)に達しているときには、ホッパーユニット36(
図2を参照)から送出されたメダルがメダル払出口12を通じて払い出されるようになっている。また、メダル払出口12から払い出されたメダルは、メダル受け皿5に貯留される。このように、クレジット枚数の上限値は決まっており、上限値を超えて遊技機10内にメダルを貯留することはできない。しかし、メダル投入口11にメダルが投入されるか、又は、入賞によってメダルが払い出された場合に、メダルのクレジット枚数が上限値に達していない場合は遊技機10内に貯留されて、メダルのクレジット枚数が増加する。
【0027】
ここで、リール14a、14b、14cの外周面には、例えば、「白セブン」、「赤セブン」、「バー1」、「バー2」、「チェリー」、「スイカ」、「リプレイ」、「ベル」、「ブランク」等の複数の図柄8が形成されている。これらの図柄8は、例えば、それぞれの絵柄がプリントされたテープをリール14a、14b、14cの外周面に貼付されることで形成されている。
【0028】
図2に示すように、遊技機10は、前方が開放された箱状である筺体本体10aと、筺体本体10aの前面側に開閉可能な状態で取り付けられた前扉10bとを有し、これら筺体本体10a及び前扉10bが遊技機筺体10dを構成する。この遊技機筐体10dの内部には、各種の機器が収容されている。本実施形態1において、遊技機筺体10dの内部には、第1制御基板ユニット30、第2制御基板ユニット40、電源ユニット33、コネクタユニット34、ホッパーユニット36及びリールユニット31等が納められている。また、遊技機筐体10dの内部には、投入されたメダルが正規のものか否かを選別するメダルセレクタ35も設置されている。
【0029】
第1制御基板ユニット30は、役抽選、入賞判定及び遊技動作等、遊技における基本的な制御を行う電子基板であるメイン制御基板を備えている。また、詳細は後述するが、第第2制御基板ユニット40は制御基板ケース(基板ケース)41(
図3を参照)を備えていて、この制御基板ケース41には、サブ接続基板(第1基板)100(
図5を参照)と、遊技における演出に関する制御及び液晶ディスプレイ16(
図1及び
図3を参照)及び液晶ディスプレイ16に表示される映像による演出に関する制御を行う電子基板であるサブ制御基板(第2基板)200(
図4を参照)と、サブ制御基板200から出力される液晶ディスプレイ16に映像を表示するための映像信号を液晶モジュール37(
図3を参照)へ伝達する中継基板としての役割を担う映像出力基板300(
図4を参照)と、が収納されている。なお、サブ接続基板100は、異なる機種において共通のサブ制御基板200及び映像出力基板300等を共通に利用するために、機種ごとに異なるインターフェースを整合させるために用いられる。つまり、異なる機種であっても共通のサブ制御基板200及び映像出力基板300を使用して、サブ接続基板100は機種ごとに異なるものとしている。これにより、低コストで遊技機10を製造することができる。
【0030】
また、サブ制御基板200は、映像出力基板300を介して映像信号等の各種信号を入出力する。このため、例えば、液晶モジュール37とインターフェースが異なる別の液晶モジュールを使用する場合や、可動役物を使用する場合等、サブ制御基板200の制御対象が変更となった場合であっても、映像出力基板300をはずして新たな制御対象に対応した中継基板をサブ制御基板200に接続することで、サブ制御基板200は共通に利用できることとなる。これにより、低コストで遊技機10を製造することができる。
【0031】
電源ユニット33は、遊技機10における各機器に電力を供給する電子基板である電源基板を備えている。コネクタユニット34は、特定の機器に接続されたケーブルを仲介する電子基板である仲介基板を備えている。リールユニット31は、リール14a、14b、14cの回転をそれぞれ独立して制御する電子基板であるリール駆動基板を備えている。ホッパーユニット36は、メダル投入口11(
図1を参照)に投入されたメダルを回収するとともに、メイン制御基板100からの信号に基づいてメダル払出口12(
図1を参照)へメダルを送出する制御を行う電子基板であるホッパー制御基板を備えている。
【0032】
(第2制御基板ユニット40の構成の説明)
本実施形態に係る第2制御基板ユニット40の構成について、図面を用いて説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニット40の外観構成を示す斜視図である。また、
図4は、本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニット40の構成を示す分解斜視図である。
【0033】
図2、
図3及び
図4に示すように、第2制御基板ユニット40は前扉10bに取り付けられる。第2制御基板ユニット40は、液晶ディスプレイ16を備える液晶モジュール37と、制御基板ケース41と、液晶モジュール37及び制御基板ケース41の間に配置され、これらと固定されている液晶ベース38と、を備えている。
【0034】
第2制御基板ユニット40において、液晶モジュール37が最も前側に配置され、その後ろに液晶ベース38が配置され、その後ろに制御基板ケース41が配置される。液晶ベース38に対して液晶モジュール37及び制御基板ケース41が固定設置され、液晶ベース38が前扉10bに設置されることにより、液晶モジュール37及び制御基板ケース41は前扉10bに固定される。
【0035】
液晶ディスプレイ16は液晶モジュール37において前側に配置されていて、上述したように、遊技機10の遊技者から見えるように外部に露出されている(
図1を参照)。また、制御基板ケース41は、ベース(ベース部)42、第1カバー(第1カバー部)101、第2カバー(第2カバー部)201、サブ接続基板100(
図5を参照)、サブ制御基板200及び映像出力基板300を備えている。具体的には、制御基板ケース41は、ベース42、第1カバー101及び第2カバー201内に、サブ接続基板100、サブ制御基板200及び映像出力基板300が収納されている構成である。なお、ベース42は、これら3つの基板であるサブ接続基板100、サブ制御基板200及び映像出力基板300に対して共通であり、ベース42上にサブ接続基板100、サブ制御基板200及び映像出力基板300が設置されている。これに対して、カバーは第1カバー101及び第2カバー201の2つであり、第1カバー101はサブ接続基板100に対するカバーであり、第2カバー201はサブ制御基板200及び映像出力基板300のカバーである。第1カバー101はサブ接続基板100の少なくとも一部を覆い、第2カバー201はサブ制御基板200及び映像出力基板300のそれぞれの少なくとも一部を覆う。より具体的には、第1カバー101は、第1カバー101の内壁の内側にサブ接続基板100の外縁がすべて収まるようにサブ接続基板100を覆っている(
図5(b)を参照)。また、第2カバー201は、サブ制御基板200及び映像出力基板300が後述するように基板対基板接続(BtoB接続)された状態における基板の外縁がすべて収まるように、サブ制御基板200及び映像出力基板300を覆っている。
【0036】
図4に示すように、ベース42の上方にサブ制御基板200及び映像出力基板300が設置され、これらを覆うように第2カバー201がベース42に取り付けられる。なお、サブ制御基板200上には放熱のためのヒートシンク202が配置され、第2カバー201にも制御基板ケース41内の熱を放熱するためのファン203が配置されている。またベース42に配置されているサブ制御基板200及び映像出力基板300において、サブ制御基板200上に配置されたコネクタ204と、映像出力基板300上に配置されたコネクタ301とは、結合されている。つまり、コネクタ204及びコネクタ301は、いわゆる基板対基板接続(BtoB接続)により電気的に接続されている。これにより、ハーネスにより接続する場合に比べてノイズの影響を抑制できる等の効果が期待できる。
【0037】
なお、詳細は後述するが、サブ接続基板100上に搭載されたコネクタ(第1コネクタ)102及びサブ制御基板200上に搭載されたコネクタ(第2コネクタ)205も、BtoB接続により電気的に接続されている。そのため、コネクタ102及びコネクタ205においてハーネスにより接続する場合に比べてノイズの影響を抑制できる等の効果が期待できる。
【0038】
また、詳細は後述するが、第1カバー101の前側(ベース42側)にはサブ接続基板100(
図5を参照)が仮固定されている。第1カバー101と一体となったサブ接続基板100が、ベース42に形成されたリブ401上に配置され、サブ接続基板100がリブ401に接した状態でサブ制御基板200側へと移動させられることにより、コネクタ102がコネクタ205に結合される。ここで、コネクタ102は第1カバー101のコネクタカバー部102aにより覆われている。なお、コネクタ205は第2カバー201のコネクタカバー部205aにより覆われている(
図7を参照)。
【0039】
(制御基板ケース41の組立構造の説明)
制御基板ケース41の組立構造について、さらに図面を追加して説明する。まず、ベース42に設置される、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100の構成について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る制御基板ケース41におけるサブ接続基板100及び第2カバー44の構成を示す斜視図であって、
図5(a)はサブ接続基板100及び第2カバー44が分離した状態を示す斜視図であり、
図5(b)はサブ接続基板100及び第2カバー44が組み合わされた状態を示す斜視図である。なお、
図5(a)及び
図5(b)は前側から第1カバー101及びサブ接続基板100を見た図である。
【0040】
制御基板ケース41を組み立てる際は、ベース42の後側(y軸方向正側)にサブ制御基板200及び映像出力基板300が設置され、さらにこれらを覆うように第2カバー201が設置された状態から、サブ接続基板100を仮固定した第1カバー101をベース42に設置する。なお、サブ接続基板100はサブ制御基板200及び映像出力基板300の下方(z軸方向負側)に位置する。
【0041】
まず、
図5(a)に示すように、分離された第1カバー101及びサブ接続基板100を、
図5(b)に示すように第1カバー101及びサブ接続基板100が一体となるように、第1カバー101にサブ接続基板100を仮固定する。以下に、サブ接続基板100が、第1カバー101に仮固定される構成について、サブ接続基板100及び第1カバー101の構成と合わせて説明する。第1カバー101の左右の内側には、内側へ突出する仮止部105が形成されている。また、第1カバー101の内側には仮止ピン106が前方向に突出するように形成されている。さらに、サブ接続基板100には仮止用貫通孔108が形成されている。また、後述するように、第1カバー101及び第1カバー101をベース42に固定するための固定用貫通孔107がサブ接続基板100には形成され、これら固定用貫通孔107に対応する固定用貫通孔109が第1カバー101には形成されている。つまり、各固定用貫通孔107に対応する各固定用貫通孔109は、第1カバー101にサブ接続基板100を仮固定した際に、互いに同じ位置となるように配置されている。
【0042】
第1カバー101にサブ接続基板100を仮固定する際は、サブ接続基板100が仮止部105よりも奥側に位置するように、第1カバー101内にサブ接続基板100を設置する。さらに、仮止用貫通孔108に仮止ピン106が挿入されることにより、
図5(a)に示すようにサブ接続基板100が第1カバー101に仮固定されることとなる。なお、サブ接続基板100のコネクタ102は第1カバー101のコネクタカバー部102aに位置することとなる。
【0043】
また、詳細は後述するが、第1カバー101には、ベース42の係止部404(
図6を参照)に係止される爪部104が形成されている。また、第1カバー101には可撓性を有する可撓部104aが形成されており、爪部104はその先端に設けられている。また、詳細は後述するが、第1カバー101には、ベース42の引掛部403(
図6を参照)が引っ掛かるための貫通孔である引掛孔103が形成されている。
【0044】
次に、一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101をベース42に取り付ける手順について、図を用いて説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニット40においてサブ接続基板100及び第1カバー101が設置される前の状態を示す拡大斜視図である。また、
図7は、本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニット40においてサブ接続基板100及びサブ制御基板200のコネクタ102、205が結合される前の状態を示す拡大斜視図である。また、
図8は、本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニット40においてサブ接続基板100及びサブ制御基板200のコネクタ102、205が結合された状態を示す拡大斜視図である。
【0045】
一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101をベース42に取り付けるには、まず、
図6に示すように、第2制御基板ユニット40において、サブ接続基板100及び第1カバー101以外は設置された状態とする。つまり、ベース42に、サブ制御基板200、映像出力基板300及び第2カバー201が設置された状態とする。
図6に示すように、ベース42には、ボス(固着部)402を有するリブ(案内台)401が形成されている。リブ401は、ベース42の主面(zx面)に対して略垂直方向に後側(y軸方向正側)に向かって形成された板状体である。また、リブ401の一部には、円柱状でありネジ穴を有するボス402が形成されている。具体的には、4つのボス402が形成されており、これら4つのボス402は、サブ接続基板100に形成された4つの固定用貫通孔107及び第1カバー101に形成された4つ固定用貫通孔109にそれぞれ対応している。詳細は後述するが、固定用貫通孔109及び固定用貫通孔107を貫通したネジ402a(
図9(b)を参照)がボス402に螺合されることによりベース42に、サブ接続基板100及び第1カバー101が固定される。なお、前後方向(y軸方向)に沿って、リブ401及びボス402を見た場合に、ボス402のネジ穴の中心点は、リブ401の幅方向の中心線上に配置されることが好ましい。
【0046】
リブ401及びボス402の高さは互いに等しく、リブ401及びボス402におけるzx面は平らである。なお、リブ401及びボス402の高さとは、リブ401及びボス402の設置面から後側であるy軸方向正側に向かった長さである。このような構成であることから、リブ401上にサブ接続基板100が設置された場合は、リブ401及びボス402がサブ接続基板100に接触することとなる。また、リブ401上においてサブ接続基板100をリブ401に接した状態で移動させることにより、サブ接続基板100の移動方向を規制することができる。つまり、リブ401に対してサブ接続基板100を摺動させることでサブ接続基板100を特定の方向に移動させることができる。このように、リブ401によって、サブ接続基板100の移動方向を規制し、サブ接続基板100を特定の方向に導くことができる。また、リブ401が形成されていることにより、ベース42の強度を向上させることができ、ベース42が撓んだり、破損したりすることを抑制することができる。
【0047】
また、ベース42には後側(y軸方向正側)に向かって突出する引掛部403が形成されている。詳細は後述するが、この引掛部403は、第1カバー101をベース42に設置する際に、第1カバー101の引掛孔103(
図7を参照)に嵌まることにより、引掛孔103に引っ掛かって第1カバー101がベース42からはずれて落下する等の不具合が生じることを抑制できる。また、ベース42には、貫通孔である係止部404が形成されている。詳細は後述するが、この係止部404は、第1カバー101がベース42に設置されてコネクタ102とコネクタ205とが結合された後に、ベース42から第1カバー101をはずしにくくするために、第1カバー101の爪部104を係止する。なお、上述したように、この爪部104は、第1カバー101に形成された可撓部104aの先端に設けられている。
【0048】
一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101をベース42に設置するためには、
図7に示すように、サブ接続基板100がリブ401に接するように、一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101をベース42に設置する。つまり、サブ接続基板100が第1カバー101及びベース42により覆われる状態となる。また、この際に、第1カバー101の引掛孔103にベース42の引掛部403が嵌まり込んで引っ掛るように第1カバー101を設置する。これにより、一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101が落下することを抑制できる。また、ベース42に対する、一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101の位置決めにもなる。なお、この状態では、コネクタ102とコネクタ205とは結合されていない。
【0049】
ここで、サブ接続基板100上に設置されている部品について説明する。サブ接続基板100上には、スイッチ120及びコネクタ121~132が設置されており、これらは第1カバー101を介して外部に露出されている。ここで、スイッチ120は、スピ―カー17から出音される音声演出の音量を調節するためのものである。また、コネクタ121~132は、第2制御基板ユニット40以外の機器との間で信号の送受信を設けるためのものである。
【0050】
図7に示す状態から、一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101が、サブ制御基板200側(コネクタ205側)にスライド移動させられることにより、
図8に示すように、コネクタ102とコネクタ205とが結合される。なお、引掛孔103及び引掛部403は、このようなサブ接続基板100及び第1カバー101の移動を阻害しない構成とされる。具体的には、一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101は、サブ接続基板100がリブ401接触した状態で上方であるz軸方向正側へと移動されることにより、コネクタ102とコネクタ205とが結合される。つまり、サブ接続基板100がリブ401上を摺動することにより、サブ接続基板100の移動方向が規制されて特定の方向(z軸方向正側)に移動し、コネクタ102がコネクタ205と結合する位置へと移動することとなる。これにより、作業者は容易に、コネクタ102とコネクタ205との結合作業を行うことができる。サブ接続基板100及び第1カバー101が一体化されていることから、作業者はサブ接続基板100には触れず、第1カバー101のみに触れてコネクタ102とコネクタ205との結合作業を行うことができる。これにより、作業者の手指等からサブ接続基板100に静電気が流れ込んで故障するといった不具合が生じにくい。
【0051】
また、
図8に示すように、サブ接続基板100がリブ401に接触された状態で、一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101が上方へ(サブ制御基板200側へ)スライドして移動されることにより、爪部104が係止部404に係止されて、第1カバー101をベース42に対して、下方に移動することが困難となる。具体的には、第1カバー101がベース42に対して上方に移動する際には、可撓部104aが撓むことにより爪部104が第1カバー101の移動を阻害することはないが、爪部104が係止部404に到達した際に、爪部104が係止部404に嵌まることで可撓部104aの撓みが解消され、爪部104が係止部404に係止されることとなる。そのため、コネクタ102とコネクタ205との結合された後は、爪部104が係止部404に係止されたことにより、第1カバー101をベース42に対して下方に移動させようとしても、爪部104が係止部404に係止されていることから、第1カバー101の移動が阻害されるため、第1カバー101の移動が困難である。
【0052】
ここで、
図7に示す状態及び
図8に示す状態における断面図を用いて、さらに詳細に、コネクタ102及びコネクタ205周辺の配置と、リブ401及びサブ接続基板100の周辺の配置について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニット40においてサブ接続基板100とリブ401との配置を示す図であって、
図9(a)はコネクタ102、205が結合される前の状態を示す拡大断面図であり、
図9(b)はコネクタ102、205が結合された後の状態を示す拡大断面図である。また、
図10は、本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニット40においてサブ接続基板100及びサブ制御基板200のコネクタ102、205の状態を示す図であって、
図10(a)はコネクタ102、205が結合される前の状態を示す拡大断面図であり、
図10(b)はコネクタ102、205が結合された後の状態を示す拡大断面図である。なお、
図9(a)及び
図10(a)は
図7の状態に対応し、
図9(b)及び
図10(b)は
図8の状態に対応する。
【0053】
図9(a)に示すように、コネクタ102及びコネクタ205が結合する前において、サブ接続基板100は、リブ401に接触するようにリブ401上に配置されている。また、上述したように、対応する固定用貫通孔107及び固定用貫通孔109が同じ位置に配置されているが、この状態ではこれらに対応するボス402の位置は異なる。この状態から、サブ接続基板100をリブ401に接触させたままで、一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101を上方(z軸方向正側)へとスライド移動させることにより、上述したようにコネクタ102及びコネクタ205が結合する。これにより、
図9(b)に示すように、対応する固定用貫通孔107、固定用貫通孔109及びボス402のネジ穴が同じ位置となる。つまり、固定用貫通孔107、固定用貫通孔109及びボス402のネジ穴が一体となり、これらに、第1カバー101側からネジ402aが挿入され、ネジ402aがボス402に螺合される。このように、固定用貫通孔107、固定用貫通孔109及びボス402にネジ402aが挿入されて螺合されることにより、第1カバー101、サブ接続基板100及びベース42は、ネジ止めにより一体に固定される。なお、それぞれ対応する固定用貫通孔107、固定用貫通孔109及びボス402は、上述したように4箇所あり、これら4箇所についてネジ402aによりネジ止めされる。このように、リブ401上に設置されたサブ接続基板100がスライド移動されて、コネクタ102及びコネクタ205が結合された状態で、固定用貫通孔107、固定用貫通孔109及びボス402のネジ穴が同じ位置となることから、作業者は、コネクタ102及びコネクタ205の結合作業を行った後に速やかに第1カバー101、サブ接続基板100及びベース42の固定作業を行うことができることから、作業効率を向上させることができる。
【0054】
また、リブ401にサブ接続基板100が接触するように、リブ401上にサブ接続基板100が設置された状態において、コネクタ102及びコネクタ205が結合する前は、
図10(a)に示すように、コネクタ102及びコネクタ205が互いに離間している。また、これらコネクタ102及びコネクタ205を覆うコネクタカバー部102a及びコネクタカバー部205aも互いに離間している。この状態から、サブ接続基板100をリブ401に接触させたままで、一体とされたサブ接続基板100及び第1カバー101を上方(z軸方向正側)へとスライド移動させることにより、サブ接続基板100の移動方向が規制されて特定の方向(z軸方向正側)に移動し、コネクタ102がコネクタ205と結合されるように近接していき、上述したようにコネクタ102及びコネクタ205が結合する。上述したように、リブ401に接触した状態でサブ接続基板100が上方に移動することにより、コネクタ102及びコネクタ205の配置において位置ずれが生じにくく、容易にコネクタ102及びコネクタ205が結合することとなる。また、コネクタ102及びコネクタ205が結合する際に、コネクタカバー部102aはコネクタカバー部205aの内側に嵌まり込むこととなる。つまり、コネクタカバー部102aの一部がコネクタカバー部205aとコネクタ205との間に位置することとなり、コネクタカバー部102a及びコネクタカバー部205aがオーバーラップする領域aが、コネクタ102及びコネクタ205を囲むように生じることとなる。このようにコネクタカバー部102a及びコネクタカバー部205aがオーバーラップすることにより、コネクタ102及びコネクタ205の接合部から制御基板ケース41内に異物が混入することを抑制できる。なお、この領域aのz軸方向に沿った長さは数ミリ程度とすればよい。
【0055】
本実施形態によれば、上述したように、BtoB接続されるコネクタ205及びコネクタ102をそれぞれ備えたサブ制御基板200及びサブ接続基板100は、いずれも同一のベース42上に設置されることとなる。これにより、例えば、ベース42を製造する公差が±0.5mmである場合は、コネクタ205及びコネクタ102の結合部分での製造誤差は±0.5mmの範囲内に収まることになる。そのため、コネクタ205及びコネクタ102同士の適切な結合を容易に実現できる。したがって、リブ401に接触させてサブ接続基板100をサブ制御基板200側にスライド移動させることにより、コネクタ205及びコネクタ102を容易に結合することができるため、作業効率が向上する。
【0056】
また、本実施形態によれば、上述したように、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100をベース42のリブ401に設置し、リブ401に接触させながら一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100をサブ制御基板200側である上方に移動させることにより、コネクタ205及びコネクタ102を容易に結合することができ、これにより制御基板ケース41を組み立てることができる。ここで、この作業における、作業者の具体的な作業動作について図面を用いて説明する。また、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を、ベース42からはずす具体的な作業動作についても図面を用いて説明する。
図11は、本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニット40においてサブ接続基板100及びサブ制御基板200のコネクタ102、205が結合された状態の下方側を示す拡大斜視図である。また、
図12は、本発明の実施形態に係る第2制御基板ユニット40において第1カバー101とベース42との配置を示すための図であって、
図12(a)はサブ接続基板100及びサブ制御基板200のコネクタ102、205が結合された状態を示す拡大斜視図であり、
図12(b)はサブ接続基板100及びサブ制御基板200のコネクタ102、205が分離された状態を示す拡大斜視図である。
【0057】
上述したように、作業者はサブ接続基板100に直接触れることなく、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を、ベース42に取り付けることができる。作業者はこの作業を行う際に、ベース42及び第1カバー101の少なくともいずれかに指を添えることにより、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100をベース42に取り付け、コネクタ205及びコネクタ102を結合することとなる。その手順について、以下に説明する。ここで、
図7、
図8及び
図11に示すように、ベース42及び第1カバー101には作業者の指が添えられる第1指掛部411、第2指掛部111、第3指掛部112、第4指掛部113、第5指掛部(分離用カバー指掛部)114、第6指掛部(分離用ベース指掛部)412及び第7指掛部115が形成されている。なお、第1指掛部411及び第6指掛部412はベース42に形成され、第2指掛部111、第3指掛部112、第4指掛部113、第5指掛部114及び第7指掛部115は第1カバー101に形成されている。
【0058】
図7、
図8及び
図11において、第1指掛部411は、ベース42の上側の左右端付近に一対で形成されており、コネクタ102の結合方向及び分離方向である上方(z軸方向正側)及び下方(z軸方向負側)に対して略垂直の面を有している。つまり、第1指掛部411はz軸方向に対して垂直であるxy面に略平行である面を有している。また、
図11において、第2指掛部111は、第1カバー101の下側の左右端付近に一対で形成されており、コネクタ102の結合・分離方向に対して略垂直の面を有している。つまり、第2指掛部111はxy面に略平行である面を有している。また、
図7、
図8及び
図11において、第3指掛部112は、第1カバー101のコネクタカバー部102aの左右端付近に一対で形成されており、コネクタ102の結合・分離方向に対して略垂直の面を有している。つまり、第3指掛部112はxy面に略平行である面を有している。また、第3指掛部112はコネクタカバー部102a(コネクタ102)の近傍に位置している。また、
図7、
図8及び
図11において、第4指掛部113は、第1カバー101の下側であって、第3指掛部112からコネクタ102の結合・分離方向(z軸方向)に沿った位置に形成されている。したがって、第3指掛部112と同様に第4指掛部113も一対で形成されている。
【0059】
図7、
図8及び
図11において、第5指掛部114は、第1カバー101において、可撓部104aの下方に形成されており、コネクタ102の結合・分離方向に対して略垂直の面を有している。つまり、第5指掛部114はxy面に略平行である面を有している。なお、可撓部104aは、第1カバー101の左右端に一対で形成されており、第5指掛部114はこれら可撓部104aのそれぞれの下方に位置し、可撓部104aに近接して形成されている。また、
図11において、第6指掛部412は、ベース42の下側の左右端付近に一対で形成されており、コネクタ102の結合・分離方向に対して略垂直の面を有している。つまり、第6指掛部412はxy面に略平行である面を有している。なお、第6指掛部412は、コネクタ102及びコネクタ205が結合された状態において、第5指掛部114からコネクタ102の結合・分離方向(z軸方向)に沿った位置に形成されている。また、第6指掛部412は第1カバー101の近傍に形成されている。また、コネクタ102及びコネクタ205が結合された状態において、コネクタ102及びコネクタ205に対する結合・分離方向(z軸方向)に沿った距離は、第6指掛部412の方が第5指掛部114よりも長い。
【0060】
また、
図11において、第7指掛部115は、第1カバー101の下側の左右端付近に一対で形成されており、コネクタ102の結合・分離方向に対して略垂直の面を有している。つまり、第7指掛部115はxy面に略平行である面を有している。なお、第7指掛部115は第2指掛部111の近傍に位置するが、第1カバー101の下方の左右端において、第7指掛部115の方が第2指掛部111よりも外側に位置しており、かつ、第7指掛部115は第6指掛部412の近傍に位置している。
【0061】
作業者は、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を、ベース42に取り付ける作業及び取りはずす作業を行う際に、これら第1指掛部411、第2指掛部111、第3指掛部112、第4指掛部113、第5指掛部114、第6指掛部412及び第7指掛部115のうち、適当ないずれかに指を添えて行うことで、容易に作業を行うことができる。以下に、具体的な作業手順について説明する。
【0062】
まず、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を、ベース42に取り付ける際は、
図7に示す状態とした後に、作業者は、一対の第1指掛部411に両手の人差し指をそれぞれ添えて、かつ、一対の第2指掛部111に両手の親指をそれぞれ添えて、親指を上方へと移動する。これにより、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100が上方へと移動する。このまま、コネクタ102とコネクタ205とが完全に結合するまで、親指を上方へと移動させてもよいが、コネクタ102とコネクタ205とを完全に結合させるためには、強めに力を加える必要があることから、コネクタ102とコネクタ205とが結合し始めて親指を上方に移動させる力を強くする必要がある時点で、添える指の位置を変更することが好ましい。具体的には、コネクタ102とコネクタ205とが結合し始めたところで、作業者は、一対の第3指掛部112に両手の人差し指をそれぞれ添えて、かつ、一対の第4指掛部113に両手の親指をそれぞれ添えるように指の位置を変更し、親指及び人差し指を一緒に上方へと移動するようにすることが好ましい。このように指の位置を変更することにより、指を添える位置がコネクタ102に近づくことから、力を加えやすく、容易にコネクタ102とコネクタ205とを結合させることができる。なお、第3指掛部112は、コネクタ102の左右端付近に形成されるとしたが、コネクタカバー部102aと隣接する位置に第3指掛部112が形成されることとしてもよいし、コネクタカバー部102aから数ミリ程度離間した位置に第3指掛部112が形成されていてもよい。第3指掛部112及び第4指掛部113は、コネクタ102とコネクタ205とを結合させる際に力を入れやすい位置に形成されればよい。
【0063】
なお、
図7に示す状態において、第1指掛部411及び第2指掛部111ではなく、第3指掛部112及び第4指掛部113に指をかけて一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を上方に移動させてコネクタ102とコネクタ205とを結合させてもよいが、第1カバー101の左右端を把持した方が、安定して一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を移動することが可能である。その後、第3指掛部112及び第4指掛部113を把持するように指の位置を変更することにより、コネクタ102とコネクタ205との結合が不完全になることを抑制することができる。また、コネクタ102とコネクタ205との結合が完了した際に、係止部404に爪部104が係止されて、第1カバー101がベース42からはずれにくくなる。このようにして、
図8に示す状態となり、制御基板ケース41の組み立てが完了する。
【0064】
次に、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を、ベース42からはずす作業について説明する。まず、
図8に示す状態において、作業者は、一対の第5指掛部114に両手の人差し指をそれぞれ添えて、かつ、一対の第6指掛部412に両手の親指をそれぞれ添える。この際に、人差し指により可撓部104aを前側(y軸方向負側)へと押す。つまり、可撓部104aをベース42(液晶ベース38)側へと押す。これにより可撓部104aが撓んで可撓部104aの先端の爪部104が前側に移動し、係止部404による係止が解除され、ベース42から第1カバー101を容易に下方に移動できる状態となる。このまま、作業者は、人差し指を下方へと移動させることにより、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を下方へと移動する。これにより、
図12(a)に示す状態から、
図12(b)に示すように、第1カバー101がベース42から下方にずれることとなる。そこで、作業者は第6指掛部412に沿えていた親指を第7指掛部115に沿えるように移動することが好ましい。なお、第6指掛部412は第7指掛部115の近傍に形成されており、容易に親指の移動が可能である。これにより、第1カバー101を人差し指及び親指により把持することとなり、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100が落下することを抑制することができる。このように、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を下方にスライド移動することにより、コネクタ102とコネクタ205とが分離した場合は、一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を後側へと移動させて、ベース42から取りはずせばよい。
【0065】
このように、本実施形態に係る制御基板ケース41において、ベース42に対して一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100を取り付ける作業及び取りはずす作業を容易に行うことができる。また、サブ接続基板100のコネクタ102とサブ制御基板200のコネクタ205とを容易に結合及び分離することができる。なお、ベース42に対する一体とされた第1カバー101及びサブ接続基板100の取付け作業及び取りはずし作業は、上述以外の方法であってもかまわない。例えば、上記説明では、親指と人差し指を用いて作業を行ったが、これら以外の指を用いてもよい。例えば、親指と中指を用いて作業を行ってもよい。また、指以外に手のひらを用いてもよいし、工具等を用いてもかまわない。
【0066】
(リブ401の配置についての説明)
上述したように、リブ401が設けられていることにより、サブ接続基板100を移動させる際に移動方向等を規制することができるが、これ以外に、リブ401が設けられていることによりサブ接続基板100を撓みにくくし、サブ接続基板100が破損することを抑制できるとの効果も奏する。そこで、リブ401の配置について、図面を用いて説明する。
図13は、本発明の実施形態に係るリブ401の配置について説明するための第2制御基板ユニット40の拡大背面図である。
【0067】
図13において、リブ401は第1カバー101及びサブ接続基板100により覆われており、実際には視認できないが破線により示している。
図13に示すように、リブ401はスイッチ120の前側(y軸方向正側)に配置されている。作業者がスイッチ120を操作する際にサブ接続基板100に前側への力が加わるが、このように、リブ401が設置されていることから、サブ接続基板100が撓むことが抑制される。このため、スイッチ120の操作がやりやすい。また、サブ接続基板100が撓むことにより破損することも抑制できる。
【0068】
また、コネクタ121、122が設置された箇所を囲むようにリブ401がサブ接続基板100の前側に形成されている。また、コネクタ123~126を囲むようにリブ401がサブ接続基板100の前側に形成されている。また、コネクタ127~129を囲むようにリブ401がサブ接続基板100の前側に形成されている。また、コネクタ130~132を囲むようにリブ401がサブ接続基板100の前側に形成されている。このように、リブ401が配置されていることにより、コネクタ121~132における結合及び分離作業において、サブ接続基板100が前側に撓むことが抑制される。このため、コネクタ121~132の結合作業及び分離作業がやりやすい。また、サブ接続基板100が撓むことにより破損することも抑制できる。
【0069】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0070】
10 遊技機 41 制御基板ケース
42 ベース 100 サブ接続基板
101 第1カバー 102 コネクタ
114 第5指掛部 200 サブ制御基板
201 第2カバー 205 コネクタ
401 リブ 402 ボス
412 第6指掛部