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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059458
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】インターホン機器
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20220406BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
H04M1/02 G
H04M9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167230
(22)【出願日】2020-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】西森 裕作
(72)【発明者】
【氏名】牧野 友哉
【テーマコード(参考)】
5K023
5K038
【Fターム(参考)】
5K023AA05
5K023BB06
5K023CC06
5K023EE13
5K023LL06
5K038AA07
5K038FF10
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でスピーカ部に係る音質を向上することができるインターホン機器を提供する。
【解決手段】前ケース2の裏面に、前側基板31と、前側基板31の後方を覆う前絶縁カバー33とを設置し、前絶縁カバー33を前側基板31の後面に近接させているとともに、前絶縁カバー33によりスピーカ13の後方をも覆っており、当該前絶縁カバー33におけるスピーカ13の後方となる箇所の一部を後方へ膨出させて、スピーカ13の後方に報音のための空間を形成するボックス部14を設けている。したがって、ボックス部14の内部空間が所謂スピーカユニットのエンクロージャとしての機能を果たすことになり、スピーカ部10に係る音声の音質を向上することができる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケース内に、前方へ向けてスピーカが設置されてなるインターホン機器であって、
前記本体ケースの内面に、基板と、前記基板の後方を覆う絶縁カバーとが設置され、前記絶縁カバーが前記基板の後面に近接しているとともに、
前記絶縁カバーが前記スピーカの後方をも覆っており、当該絶縁カバーにおける前記スピーカの後方となる箇所の少なくとも一部が後方へ膨出していることを特徴とするインターホン機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばインターホン親機等のスピーカが内蔵されたインターホン機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターホン親機等の一般的なインターホン機器では、インターホン機器の前面にスピーカ孔を設けるとともに、スピーカ孔の後側にスピーカを前方へ向けて設置する等して、通話のためのスピーカ部を設けている(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-8468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、スピーカ部から報音される音声の音質向上は、インターホン機器における一般的な課題であり、インターホン機器の薄型化に伴い、簡易な構成での音質向上の実現が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、簡易な構成でスピーカ部に係る音質を向上することができるインターホン機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、本体ケース内に、前方へ向けてスピーカが設置されてなるインターホン機器であって、本体ケースの内面に、基板と、基板の後方を覆う絶縁カバーとが設置され、絶縁カバーが基板の後面に近接しているとともに、絶縁カバーがスピーカの後方をも覆っており、当該絶縁カバーにおけるスピーカの後方となる箇所の少なくとも一部が後方へ膨出していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本体ケースの内面に、基板と、基板の後方を覆う絶縁カバーとを設置し、絶縁カバーを基板の後面に近接させているとともに、絶縁カバーによりスピーカの後方をも覆っており、当該絶縁カバーにおけるスピーカの後方となる箇所の少なくとも一部を後方へ膨出させている。したがって、絶縁カバーの膨出部分が所謂スピーカユニットのエンクロージャとしての機能を果たすことになり、スピーカ部に係る音声の音質を向上することができる。また、基板を覆う絶縁カバーを利用して音質の向上を図っているため、部品点数を増やす等することなく、簡易な構成で音質の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】インターホン親機の前面側を示した斜視説明図である。
図2】インターホン親機の後面側を示した斜視説明図である。
図3】分解状態にあるインターホン親機を前側から示した斜視説明図である。
図4】分解状態にあるインターホン親機を後側から示した斜視説明図である。
図5】前ケースの後面側を示した斜視説明図である。
図6】前絶縁カバーを前側から示した斜視説明図である。
図7】前絶縁カバーを後側から示した斜視説明図である。
図8】組み立て状態にある前ケースの後面側を示した説明図である。
図9図8中のA-A線断面におけるスピーカ部周りを示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるインターホン親機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、インターホン親機1の前面側を示した斜視説明図である。図2は、インターホン親機1の後面側を示した斜視説明図である。図3は、分解状態にあるインターホン親機1を前側から示した斜視説明図である。図4は、分解状態にあるインターホン親機1を後側から示した斜視説明図である。図5は、前ケース2の後面側を示した斜視説明図である。図6は、前絶縁カバー33を前側から示した斜視説明図である。図7は、前絶縁カバー33を後側から示した斜視説明図である。図8は、組み立て状態にある前ケース2の後面側を示した説明図である。図9は、図8中のA-A線断面におけるスピーカ部10周りを示した説明図である。
【0011】
インターホン親機1は、前側に配置される前ケース2、及び前ケース2の後側に組み付けられる後ケース3で構成される本体ケースを有してなるもので、本体ケースの前面略中央には、インターホン子機(図示せず)で撮像された映像等を表示する表示部4が設けられている。また、本体ケースの前面で表示部4の上隣には、インターホン子機との間で通話するためのマイク部(図示せず)が設けられている。一方、本体ケースの前面で表示部4の下側には、インターホン子機との間で通話するためのスピーカ部10が設けられている。さらに、本体ケースの前面には、インターホン子機からの呼び出しに対して応答する際に操作する応答ボタン5や、自身の設定等のための設定ボタンや非常時に操作する非常報知ボタン等の各種ボタン6、6・・が設けられている。そして、このようなインターホン親機1は、居室内の壁面等に設置されており、インターホン子機からの呼び出しに応じて表示部4に映像を表示するとともに、応答ボタン5が操作されたことをもって、インターホン子機との間での通話を可能な状態とする。
【0012】
ここで、本発明の要部となるスピーカ部10の構造について説明する。
まず、インターホン親機1の内部構造について大まかに説明すると、前ケース2の後面(本体ケースの内面)には前側基板31が、後ケース3の前面には後側基板32が夫々設置されている。また、前側基板31は、前ケース2の後面に組み付けられる前絶縁カバー33により後方を覆われている一方、後側基板32は、後ケース3の前面に組み付けられる後絶縁カバー34により前方を覆われている。そして、スピーカ部10は、前ケース2に開設されたスピーカ孔11、前ケース2の後面に設けられたスピーカ設置部12、スピーカ13、及び前絶縁カバー33に設けられたボックス部14等により構成される。
【0013】
スピーカ設置部12は、従来同様に前ケース2後面から後方へ突出する円筒部として形成されており、前ケース2におけるスピーカ設置部12内となる箇所に、左右方向へ延びるスリット状のスピーカ孔11が開設されている。また、前ケース2の後面に組み付けられる前絶縁カバー33は、前側基板31の後面に近接して前側基板31の後側を覆っており、スピーカ設置部12に設置されるスピーカ13についても覆っている。しかしながら、前絶縁カバー33におけるスピーカ13の後方となる箇所の一部(図8)は、後方へ膨出しており、当該膨出部分がボックス部14となっている。したがって、前絶縁カバー33を前ケース2の後面に組み付けると、スピーカ13の後方にボックス部14で囲まれた空間が形成され(図9)、ボックス部14が所謂スピーカユニットにおけるエンクロージャとして機能するようになっている。なお、前絶縁カバー33におけるボックス部14の周縁部分は、前方へ折れ曲がって前側基板31の後面に近接している。
【0014】
以上のような構成を有するインターホン親機1によれば、前ケース2の後面に、前側基板31と、前側基板31の後方を覆う前絶縁カバー33とを設置し、前絶縁カバー33を前側基板31の後面に近接させているとともに、前絶縁カバー33によりスピーカ13の後方をも覆っており、当該前絶縁カバー33におけるスピーカ13の後方となる箇所の一部を後方へ膨出させて、スピーカ13の後方に報音のための空間を形成するボックス部14を設けている。したがって、ボックス部14の内部空間が所謂スピーカユニットのエンクロージャとしての機能を果たすことになり、スピーカ部10に係る音声の音質を向上することができる。また、前側基板31を覆う前絶縁カバー33を利用して音質の向上を図っているため、部品点数を増やす等することなく、簡易な構成で音質の向上を実現することができる。
【0015】
なお、本発明に係るインターホン機器は、インターホン機器の全体的な構成は勿論、スピーカ部に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
【0016】
たとえば、上記実施形態では、本体ケースの前面にスピーカ孔を設けているが、本体ケースの側面や上面、下面等、前面以外の面にスピーカ孔を開設するとしても何ら問題はない。
また、上記実施形態では、スピーカの後方となる箇所の一部を後方へ膨出させてボックス部としているが、スピーカの後方となる箇所全てを後方へ膨出させてボックス部を設けるとしてもよく、スピーカの後方となる箇所のうちどの程度の部分を後方へ膨出させるかについては適宜設計変更可能である。
【0017】
さらに、上記実施形態では、前ケースと後ケースとを組み合わせて本体ケースを構成しているが、たとえば前ケースの前面に化粧パネルを取り付けて本体ケースを構成したり、前ケースと後ケースとの間に中央ケースを配置させる等、3部材以上のケース部材を組み合わせて本体ケースを構成してもよく、どのような本体ケースとするかについても適宜設計変更可能である。
さらに、上記実施形態ではインターホン親機について説明しているが、本発明は、スピーカが内蔵されているものであれば、インターホン子機等の他のインターホン機器に対しても好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0018】
1・・インターホン親機(インターホン機器)、2・・前ケース(本体ケース)、3・・後ケース、10・・スピーカ部、11・・スピーカ孔、12・・スピーカ設置部、13・・スピーカ、14・・ボックス部、31・・前側基板(基板)、33・・前絶縁カバー(絶縁カバー)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9