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特開2022-59470電子ゲーム提供装置、電子ゲーム提供プログラム及び電子ゲーム提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059470
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】電子ゲーム提供装置、電子ゲーム提供プログラム及び電子ゲーム提供方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20220406BHJP
   A63F 13/825 20140101ALI20220406BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/825
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167246
(22)【出願日】2020-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北▲崎▼ 哲也
(72)【発明者】
【氏名】三本 明仁
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 大和
(72)【発明者】
【氏名】松本 吉高
(72)【発明者】
【氏名】鶴巻 禎
(57)【要約】
【課題】支援キャラクタの選択に伴って発生させるイベントが固定化されないようにする。
【解決手段】第1モードに割り当てられた育成モードパラメータの値を育成モードにおけるプレイの進行に応じて変更する第1パラメータ変更手段と、育成モードパラメータの値に応じて育成モードにおけるゲーム上のイベントを発生させるイベント発生手段と、イベントの進行に応じて育成キャラクタに割り当てられた対戦モードパラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段と、を備える電子ゲーム提供装置とする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが所有する育成キャラクタを育成する第1モードを有する電子ゲームを提供する電子ゲーム提供装置であって、
前記第1モードに割り当てられた第1パラメータの値を前記第1モードにおけるプレイの進行に応じて変更する第1パラメータ変更手段と、
前記第1パラメータの値に応じて前記第1モードにおけるゲーム上のイベントを発生させるイベント発生手段と、
前記イベントの進行に応じて前記育成キャラクタに割り当てられた第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段と、
を備えることを特徴とする電子ゲーム提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子ゲーム提供装置であって、
前記第1モードのゲームのプレイにおいて、前記育成キャラクタと共にプレイに参加させる支援キャラクタを設定する支援キャラクタ設定手段をさらに備え、
前記第1パラメータ変更手段は、前記支援キャラクタに割り当てられたパラメータに応じて前記育成キャラクタに割り当てられた前記第1パラメータの値を変更することを特徴とする電子ゲーム提供装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子ゲーム提供装置であって、
前記イベント発生手段は、前記育成キャラクタの属性に応じた内容の前記イベントを発生させることを特徴とする電子ゲーム提供装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置であって、
前記電子ゲームは、前記第1モードで育成された前記育成キャラクタを用いる育成以外の第2モードを有し、
前記第2パラメータは、前記第2モードにおけるゲームのプレイにおいて使用されることを特徴とする電子ゲーム提供装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置であって、
前記イベント発生手段は、前記第1パラメータの値が所定の基準値以上となった場合に前記イベントを発生させることを特徴とする電子ゲーム提供装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電子ゲーム提供装置であって、
前記基準値は、前記支援キャラクタ毎に割り当てられていることを特徴とする電子ゲーム提供装置。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置であって、
前記イベント発生手段は、前記第1パラメータの値に応じた確率で前記イベントを発生させることを特徴とする電子ゲーム提供装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供装置であって、
前記第1パラメータは、複数種類のパラメータを含むことを特徴とする電子ゲーム提供装置。
【請求項9】
プレイヤが所有する育成キャラクタを育成する第1モードを有する電子ゲームを提供する電子ゲーム提供プログラムであって、
コンピュータを、
前記第1モードに割り当てられた第1パラメータの値を前記第1モードにおけるプレイの進行に応じて変更する第1パラメータ変更手段と、
前記第1パラメータの値に応じて前記第1モードにおけるゲーム上のイベントを発生させるイベント発生手段と、
前記イベントの進行に応じて前記育成キャラクタに割り当てられた第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段と、
して機能させることを特徴とする電子ゲーム提供プログラム。
【請求項10】
プレイヤが所有する育成キャラクタを育成する第1モードを有する電子ゲームを提供する電子ゲーム提供方法であって、
前記第1モードに割り当てられた第1パラメータの値を前記第1モードにおけるプレイの進行に応じて変更する第1パラメータ変更ステップと、
前記第1パラメータの値に応じて前記第1モードにおけるゲーム上のイベントを発生させるイベント発生ステップと、
前記イベントの進行に応じて前記育成キャラクタに割り当てられた第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更ステップと、
を備えることを特徴とする電子ゲーム提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ゲーム提供装置、電子ゲーム提供プログラム及び電子ゲーム提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ゲームにおいて、通常の対戦モード以外にキャラクタに割り振られたゲーム上のパラメータを向上させる育成モードが設けられていることがある。このような育成モードにおいて、予め定められているイベントを発生させ、イベントにおける処理に応じて育成対象としているキャラクタのパラメータを変更させる処理が行われている(特許文献1)。
【0003】
ここで、複数の様々なイベントを予め用意したとしても、発生するイベントは固定化されているため、ユーザが何度もキャラクタを育成するうちに同じイベントの発生が繰り替えされ、ゲームに飽きてしまうおそれがある。そこで、ユーザが所有する複数のキャラクタの中からユーザによって選択された少なくとも1つのキャラクタをイベント発生用の支援キャラクタとして設定し、設定された支援キャラクタまたは複数の支援キャラクタの組み合わせに応じた特定のイベントを発生させる構成が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-33488号公報
【特許文献2】特開2014-233323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザがイベントを決定する支援キャラクタを設定する構成では、結局のところ設定された支援キャラクタによってイベントが固定化されてしまうという問題がある。また、ユーザが支援キャラクタを設定するという行為によって発生させるイベントの種類が限られてしまうという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様は、プレイヤが所有する育成キャラクタを育成する第1モードを有する電子ゲームを提供する電子ゲーム提供装置であって、前記第1モードに割り当てられた第1パラメータの値を前記第1モードにおけるプレイの進行に応じて変更する第1パラメータ変更手段と、前記第1パラメータの値に応じて前記第1モードにおけるゲーム上のイベントを発生させるイベント発生手段と、前記イベントの進行に応じて前記育成キャラクタに割り当てられた第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段と、
を備えることを特徴とする電子ゲーム提供装置である。
【0007】
ここで、前記第1モードのゲームのプレイにおいて、前記育成キャラクタと共にプレイに参加させる支援キャラクタを設定する支援キャラクタ設定手段をさらに備え、前記第1パラメータ変更手段は、前記支援キャラクタに割り当てられたパラメータに応じて前記育成キャラクタに割り当てられた前記第1パラメータの値を変更することが好適である。
【0008】
また、前記イベント発生手段は、前記育成キャラクタの属性に応じた内容の前記イベントを発生させることが好適である。
【0009】
また、前記電子ゲームは、前記第1モードで育成された前記育成キャラクタを用いる育成以外の第2モードを有し、前記第2パラメータは、前記第2モードにおけるゲームのプレイにおいて使用されることが好適である。
【0010】
また、前記イベント発生手段は、前記第1パラメータの値が所定の基準値以上となった場合に前記イベントを発生させることが好適である。
【0011】
また、前記基準値は、前記支援キャラクタ毎に割り当てられていることが好適である。
【0012】
また、前記イベント発生手段は、前記第1パラメータの値に応じた確率で前記イベントを発生させることが好適である。
【0013】
また、記第1パラメータは、複数種類のパラメータを含むことが好適である。
【0014】
本発明の別の態様は、プレイヤが所有する育成キャラクタを育成する第1モードを有する電子ゲームを提供する電子ゲーム提供プログラムであって、コンピュータを、前記第1モードに割り当てられた第1パラメータの値を前記第1モードにおけるプレイの進行に応じて変更する第1パラメータ変更手段と、前記第1パラメータの値に応じて前記第1モードにおけるゲーム上のイベントを発生させるイベント発生手段と、前記イベントの進行に応じて前記育成キャラクタに割り当てられた第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更手段と、して機能させることを特徴とする電子ゲーム提供プログラムである。
【0015】
本発明の別の態様は、プレイヤが所有する育成キャラクタを育成する第1モードを有する電子ゲームを提供する電子ゲーム提供方法であって、前記第1モードに割り当てられた第1パラメータの値を前記第1モードにおけるプレイの進行に応じて変更する第1パラメータ変更ステップと、前記第1パラメータの値に応じて前記第1モードにおけるゲーム上のイベントを発生させるイベント発生ステップと、前記イベントの進行に応じて前記育成キャラクタに割り当てられた第2パラメータの値を変更する第2パラメータ変更ステップと、を備えることを特徴とする電子ゲーム提供方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施の形態は、支援キャラクタを適用することによって電子ゲームにおいてイベントを発生させる可能性を高めると共に、支援キャラクタの選択に伴って発生させるイベントが固定化されないようにすることを目的の一つとする。本発明の実施の形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態における電子ゲーム提供システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態におけるサーバコンピュータの構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態におけるクライアントコンピュータの構成を示す図である。
図4】本発明の実施の形態における育成キャラクタデータベースの例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態における育成モードの進行例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態における育成モードパラメータデータベースの例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態における支援キャラクタデータベースの例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態における育成モードにおける処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施の形態におけるイベント発生データベースの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[システム構成]
本発明の実施の形態における電子ゲーム提供システム100は、図1に示すように、サーバ102及びクライアント104を含んで構成される。サーバ102とクライアント104は、インターネット等の情報通信網106を介して情報交換可能に接続される。
【0019】
なお、情報通信網106は、インターネットに限定されるものではなく、サーバ102とクライアント104との間を通信可能に相互に接続できるものであればよい。例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(LocalAreaNetwork)、無線LAN等であってもよく、又はインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0020】
サーバ102は、図2に示すように、処理部10、記憶部12、入力部14、出力部16及び通信部18を含んで構成される。処理部10は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部10は、記憶部12に記憶されている電子ゲーム提供プログラムを実行することによって、本実施の形態における電子ゲーム提供システム100においてクライアント104に対して電子ゲームを提供するための機能を実現する。記憶部12は、半導体メモリやメモリカード等の記憶手段を含む。記憶部12は、処理部10とアクセス可能に接続され、電子ゲーム提供プログラム、その処理に必要な情報を記憶する。入力部14は、情報を入力する手段を含む。入力部14は、例えば、管理者からの入力を受けるキーボード、タッチパネル、ボタン等を備える。出力部16は、管理者から入力情報を受け付けるためのユーザインターフェース画面(UI)等のサーバ102での処理結果を出力する手段を含む。出力部16は、例えば、管理者に対して画像を呈示するディスプレイを備える。通信部18は、情報通信網106を介して、クライアント104との情報の通信を行うインターフェースを含んで構成される。通信部18による通信は有線及び無線を問わない。
【0021】
サーバ102は、ゲームサービスを受ける各ユーザのクライアント104からの情報通信網106を介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報をデータベース等の記憶装置に蓄積して管理し、各ユーザに情報通信網106を介したゲームサービスを提供する。例えば、サーバ102は、各ユーザのクライアント104に対して、ゲームのシナリオの情報を追加的に配信するサービスを提供する。
【0022】
クライアント104は、図3に示すように、処理部20、記憶部22、入力部24、出力部26及び通信部28を含んで構成される。クライアント104は、通信端末とも称される。処理部20は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部20は、記憶部22に記憶されているクライアントプログラムを実行することによって、本実施の形態における電子ゲーム提供システム100における電子ゲームの端末としての機能を実現する。例えば、クライアントプログラムは、クライアント104においてウェブブラウザの機能を利用してクライアント104から提供されるゲームにおける入力処理や画像表示処理を実現する。記憶部22は、半導体メモリやメモリカード等の記憶手段を含む。記憶部22は、処理部20とアクセス可能に接続され、クライアントプログラム、その処理に必要な情報を記憶する。入力部24は、情報を入力する手段を含む。入力部24は、例えば、ユーザからの入力を受けるキーボード、タッチパネル、ボタン、モーションセンサー等を備える。出力部26は、ユーザから入力情報を受け付けるためのゲーム画面やユーザインターフェース画面(UI)等の画像情報を表示するディスプレイ、ゲーム進行時の効果音や音楽を出力する音声出力部等、クライアント104での処理に必要な情報を出力する手段を含む。通信部28は、情報通信網106を介して、サーバ102との情報の通信を行うインターフェースを含んで構成される。通信部28による通信は有線及び無線を問わない。
【0023】
クライアント104は、電子ゲームを提供するためのクライアントプログラムを実行可能な情報処理装置であれば様々なものを適用できる。例えば、クライアント104としては、据置型または携帯型のゲーム専用機、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(PersonalHandy-phoneSystem)端末、携帯情報端末(PDA:PersonalDigitalAssistant)、情報処理機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)等が適用できる。
【0024】
なお、クライアント104は、オンラインモードおよびオフラインモードの何れでもゲームを実行することが可能としてもよい。
【0025】
[ゲームの概要]
本実施の形態における電子ゲームは、2つのモードにおいてプレイされる。第1のモードは育成モードであり、第2のモードは対戦モードである。
【0026】
第1のモードである育成モードでは、プレイヤとなるユーザがキャラクタのパラメータを向上させるように育成する育成モードである。育成モードにおいて育成されたキャラクタは第2のモードである対戦モードのゲームにおいて使用することができることが好適である。すなわち、育成モードで向上させるパラメータは、対戦モードにおいて使用されるパラメータを含むことが好適である。
【0027】
第2のモードである対戦モードでは、プレイヤとなるユーザが所有するキャラクタを使用して、他のプレイヤやコンピュータのキャラクタと対戦するようにプレイする。例えば、対戦モードにおけるゲームの内容は、特に限定されるものではなく、スポーツゲーム、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲームといったように様々な対戦を対象とすることができる。
【0028】
[育成キャラクタ]
育成モードにおいて育成の対象となるキャラクタを育成キャラクタと呼ぶ。育成キャラクタは、プレイヤが電子ゲームにおける対戦モード及び育成モードをプレイする際に主役となるキャラクタに相当する。例えば、電子ゲームがスポーツゲームである場合、スポーツゲームにおけるプレイヤとなるキャラクタを育成キャラクタとすればよい。また、例えば、電子ゲームが漫画やアニメーションの原作に基づいて作成されている場合、原作の漫画やアニメーションのストーリーに出てくるキャラクタを育成キャラクタとしてもよい。
【0029】
育成キャラクタの各々には、図4に示すように、対戦モードにおいて使用できる特殊能力(忍術、魔法等)の種類、対戦モードにおいて使用される電子ゲーム上のパラメータ(例えば、キャラクタの体力を示すポイント、キャラクタに与えられた特殊能力を使用する能力を示すポイント、対戦モードにおけるプレイに影響を及ぼすポイント(経験値)等)、育成モードにおいて使用されるパラメータ(例えば、後述するイベント発生に関係するポイント等)が割り当てられる。以下、対戦モードにおいて使用される電子ゲーム上のパラメータを対戦モードパラメータと示し、育成モードにおいて使用されるパラメータを育成モードパラメータと示す。また、育成キャラクタデータベースには、育成キャラクタ毎にキャラクタの属性や取得の困難度を示すレア度等を関連付けて記憶させてもよい。
【0030】
図4の例では、育成キャラクタAに対して、特殊能力として能力a1及び能力a2が付与され、対戦モードパラメータとして体力ポイントが100、能力ポイントが50及び経験値が20に設定されている。キャラクタB及びキャラクタCについても同様である。ただし、育成キャラクタに割り当てられるパラメータの種類は、これらに限定されるものではなく、電子ゲームの内容に応じて適宜設定すればよい。
【0031】
育成キャラクタは、電子ゲームにおいて予め用意されたキャラクタとしてもよい。また、育成キャラクタは、電子ゲームにおいて予め用意された複数のキャラクタからプレイヤが選択できるようにしてもよい。また、育成キャラクタは、いわゆるガチャ等の抽選処理によって確率的にプレイヤに与えられるようにしてもよい。この場合、レア度が高いほどキャラクタが付与される確率をより低くすることが好適である。育成キャラクタがプレイヤに与えられると、図4に示したように、プレイヤ毎に育成キャラクタデータベースとして記憶部22に記憶される。
【0032】
また、プレイヤが既に所有しているキャラクタと同一のキャラクタがさらに与えられた場合、2つのキャラクタを合体させて1つのキャラクタとして扱うようにしてもよい。同一のキャラクタとは、例えば、キャラクタの種類及び希少度(レア度)が一致するキャラクタとすればよい。ただし、同一のキャラクタとして扱う条件は、これに限定されるものではない。
【0033】
この場合、クライアント104の処理部20は、2つのキャラクタを合体させる合体処理を実行する。合体処理により、合体後のキャラクタのパラメータを向上させるようにしてもよい。これによって、同一のキャラクタを取得する毎に合体処理が繰り返され、当該キャラクタのパラメータが向上することになり、対戦モードや育成モードにおいてプレイを有利に進行させることができるようになる。
【0034】
なお、合体処理は、自動的に実行されるのではなく、プレイヤの操作に基づいて実行されるようにしてもよい。また、異なるキャラクタの種類や異なる希少度のキャラクタ同士を合体させるようにしてもよい。
【0035】
[育成モードにおけるシナリオ]
育成モードでは、所定のシナリオを進めながら育成キャラクタを育成し、育成キャラクタのパラメータを向上させる。すなわち、シナリオとは、育成モードにおいてゲームの進行に合わせて展開させるゲームストーリである。育成モードでは、用意されたシナリオに沿って、当該シナリオの実行や結果に応じて対戦モードパラメータの値や育成モードパラメータの値を変更してキャラクタを育成させる。
【0036】
シナリオでは、ゲームに登場するキャラクタの役割、ゲーム中の演出効果、ゲーム内の選択肢等のゲームストーリに関連する様々な要素を含めることができる。例えば、電子ゲームがスポーツゲームである場合、育成モードでは当該スポーツのトレーニング、練習等を模擬したシナリオを準備し、当該シナリオの進行や結果に応じて対戦モードパラメータを変更することで育成キャラクタが成長するようにしてもよい。また、例えば、電子ゲームが漫画やアニメーションの原作に基づいて作成されている場合、原作の漫画やアニメーションのストーリーに沿ったシナリオを用意し、当該シナリオの進行や結果に応じて対戦モードパラメータを変更することで原作のストーリーに沿って育成キャラクタが成長するようにしてもよい。より具体的には、育成キャラクタの種類や育成キャラクタに割り当てられたパラメータの種類に対応させてシナリオを準備しておき、シナリオと育成キャラクタの種類との組み合わせに応じて育成キャラクタの育成速度が異なるようにする、シナリオと育成キャラクタに割り当てられたパラメータの種類との組み合わせに応じて特定の種類のパラメータの向上速度が変更される等としてもよい。
【0037】
育成モードにおけるシナリオでは、例えば、1つのシナリオの開始から終了までのゲーム上の期間をいくつかのターンに分けてシナリオを進行させる。育成キャラクタのゲーム内の行動を選択するためのコマンドを複数用意しておき、プレイヤに複数のコマンドの1つを選択させることによって各ターンを進行させる。例えば、「修行」コマンドを選択して、シナリオにおいて与えられた条件をクリアすることによって育成キャラクタのパラメータの値を向上させることができる。また、「休む」コマンドを選択することによって育成キャラクタの体力ポイントを回復させることができる。このように、プレイヤが何れかのコマンドを実行することによって、育成キャラクタに割り当てられているパラメータが変更される。このようなプレイが行われると1ターンが終了し、予め定められたターン数を超えるまでシナリオが進行する。
【0038】
育成モードでは、複数のシナリオを予め用意してもよい。この場合、プレイヤは、複数のシナリオから任意のシナリオを選択できるようにしてもよい。また、シナリオの種類を増加させるため、サーバ102からクライアント104へ追加のシナリオをダウンロードできるようにしてもよい。
【0039】
育成モードのシナリオの終了によって、育成キャラクタの育成が完了する。育成が完了した育成キャラクタは、プレイヤであるユーザの所有するキャラクタとして対戦モード等の別のモードで使用することができる。また、同一の育成キャラクタに対して同一又は異なるシナリオを繰り返してプレイすることで、育成キャラクタを繰り返して育成できるようにしてもよい。
【0040】
また、シナリオの開始から終了までの間には様々なイベントを発生させる。イベントにおけるプレイの内容やプレイの結果に応じて育成キャラクタの対戦モードパラメータの値を変更してキャラクタを育成させる。
【0041】
例えば、電子ゲームがスポーツゲームである場合、当該スポーツに関係するイベント(練習試合、ライバルとの対戦等)を発生させ、当該イベントの進行や結果に応じて対戦モードパラメータを変更することで育成キャラクタが成長するようにしてもよい。また、例えば、電子ゲームが漫画やアニメーションの原作に基づいて作成されている場合、原作の漫画やアニメーションのストーリーに沿ったイベント(ハプニング、対戦等)を発生させ、当該イベントの進行や結果に応じて対戦モードパラメータを変更することで原作のストーリーに沿って育成キャラクタが成長するようにしてもよい。
【0042】
イベントは、シナリオ毎に予め決められた固有イベントとして発生させるようにしてもよい。また、育成モードにおいて育成している育成キャラクタに対して割り当てられている育成モードパラメータの値に応じて発生させるイベントの内容やイベントの発生確率を変更してもよい。
【0043】
シナリオにおいてイベントを発生させるタイミングは任意に定めることができる。例えば、シナリオの開始から終了までのプレイのターンが所定回数行われた後にイベントを発生させるようにしてもよい。また、シナリオに沿ってゲームをプレイする際にプレイヤがコマンドを選択したタイミング、各ターンにおけるプレイの実行中の任意のタイミング、各ターンにおけるプレイが終了したタイミング等としてもよい。また、確率的にイベントを発生させるタイミングを設定してもよい。また、育成キャラクタに対して割り当てられている育成モードパラメータの値に応じてイベントを発生させるタイミングを変更してもよい。
【0044】
例えば、図5に示すように、1つのシナリオを4つのセクションに分割し、1つのセクションを10ターンで構成する。1つのセクションにおいて10ターンのプレイが終了すると、1つのイベントを発生させる。ただし、シナリオの構成は、これに限定されるものではなく、シナリオ内のセクションの数、セクション内のターンの数等は適宜変更してもよい。
【0045】
[育成モードパラメータ]
電子ゲーム提供システム100では、育成モードに対して育成モードパラメータが割り当てられる。育成モードでは、シナリオに沿って育成キャラクタを育成させていく際に育成モードパラメータが使用される。
【0046】
育成モードパラメータは、シナリオに沿って育成モードの電子ゲームを進行させる際にイベントを発生させるためのパラメータとして使用される。育成モードパラメータは、例えば図6に示すように、五行(火風雷土水)及び陰陽を含む複数のパラメータが育成モードパラメータデータベースとして記憶される。図6では、例示として、五行(火風雷土水)の各々のパラメータが6,3,1,5,4に設定されており、陰陽のパラメータが+2に設定されている。育成モードパラメータの初期値は、選択された育成キャラクタ、選択されたシナリオ等に応じて適宜設定すればよい。
【0047】
なお、育成モードパラメータは、育成キャラクタに割り当てるようにしてもよい。例えば、図4に示した育成キャラクタデータベースにおいて、育成キャラクタ毎に育成モードパラメータを割り当てるようにしてもよい。
【0048】
[支援キャラクタ]
上記のように、育成モードでは、シナリオの進行や結果に応じて育成モードパラメータを変更する処理が行われる。このとき、育成キャラクタと共に別のキャラクタを参加させることによって、シナリオやイベントの進行や結果に応じた育成モードパラメータの変更に与える影響を異ならせる。
【0049】
以下、育成モードパラメータに影響を与えるキャラクタを支援キャラクタと呼ぶ。支援キャラクタの各々には、図7に示すように、育成モードにおいて使用できる特殊能力、育成キャラクタの育成モードパラメータの変更に影響を与えるパラメータが割り当てられる。ここで、育成モードにおいて使用できる特殊能力とは、例えば、シナリオに沿って育成ゲームをプレイしているときに、育成キャラクタや支援キャラクタのパラメータを向上、回復等させる能力とすることができる能力である。また、育成モードパラメータの変更に影響を与えるパラメータは、育成キャラクタと共に支援キャラクタを参加させたときに育成モードパラメータの変更に与える影響度を示すパラメータである。以下、当該パラメータを支援パラメータと示す。
【0050】
図7の例では、支援キャラクタXに対して、特殊能力として育成モードにおいて支援キャラクタXと共に行動した育成キャラクタの経験値の獲得量が10%増加される能力が割り当てられている。また、支援キャラクタXに対して、支援パラメータが割り当てられている。支援キャラクタXに割り当てられた支援パラメータは、支援キャラクタXと共に行動した育成キャラクタに対して育成モードにおけるシナリオの進行や結果に応じて育成モードパラメータの向上に寄与する。例えば、支援キャラクタXの支援パラメータのうち五行の「火」のパラメータが6であるので、育成モードにおいて特定のシナリオの進行や結果が生じた場合に育成モードパラメータの五行の「火」のパラメータを6増加させることを意味する。支援キャラクタXの他の支援パラメータについても同様である。図7の支援キャラクタXの例では、育成モードにおいて特定のシナリオの進行や結果が生じた場合に育成モードパラメータの五行の「風」、「雷」、「土」、「水」のパラメータをそれぞれ2、1、1、1増加させる。また、育成モードにおいて特定のシナリオの進行や結果が生じた場合に育成モードパラメータの陰陽のパラメータを陽側に3増加させる。他の支援キャラクタの支援パラメータについても同様である。また、支援キャラクタYに対して、特殊能力として育成モードにおいて支援キャラクタXと共に行動した育成キャラクタ及び他の支援キャラクタの体力の回復が25%増加する能力が割り当てられている。
【0051】
なお、支援キャラクタに割り当てられる育成モード能力や支援パラメータはこれらに限定されるものではない。すなわち、育成モードの進行や結果に応じて、支援キャラクタと行動を共にする育成キャラクタや他の支援キャラクタのパラメータの変更に影響を及ぼすものであればよい。特に、支援キャラクタに割り当てられる育成モード能力や支援パラメータが、育成モードにおいてイベントの発生に影響を与える育成キャラクタのパラメータに影響を及ぼすことが好適である。
【0052】
例えば、支援キャラクタに対するパラメータとして、育成キャラクタのパラメータの増減割合を決定するような値を設定してもよい。例えば、支援キャラクタに対する五行(火、風、雷、土、水)のパラメータとして育成モードパラメータの五行(火、風、雷、土、水)のパラメータの増減割合を示す値を設定しておき、育成モードにおけるプレイの進行や結果又はイベントの進行や結果に応じて育成モードパラメータの五行(火、風、雷、土、水)のパラメータを支援キャラクタの五行(火、風、雷、土、水)の増減割合だけ増減させるようにしてもよい。
【0053】
支援キャラクタは、電子ゲームにおいて予め用意されたキャラクタとしてもよい。また、支援キャラクタは、電子ゲームにおいて予め用意された複数のキャラクタからプレイヤが選択できるようにしてもよい。また、支援キャラクタは、いわゆるガチャ等の抽選処理によって確率的にプレイヤに与えられるようにしてもよい。支援キャラクタがプレイヤに与えられると、プレイヤ毎に支援キャラクタデータベースとして記憶部22に記憶される。
【0054】
シナリオに参加させる支援キャラクタは、単一であっても複数であってもよい。シナリオに参加させる支援キャラクタは、プレイヤが所有するすべての支援キャラクタとしてもよい。また、シナリオに参加させる支援キャラクタは、シナリオの内容に応じてシステム側で自動的に選択してもよい。また、シナリオに参加させる支援キャラクタは、育成キャラクタの種類、属性及びレア度のいずれか1つ以上に応じてシステム側で自動的に選択してもよい。また、シナリオに参加させる支援キャラクタは、プレイヤが所有する支援キャラクタからプレイヤが選択するようにしてもよい。
【0055】
また、プレイヤが既に所有している支援キャラクタと同一の支援キャラクタがさらに与えられた場合、2つの支援キャラクタを合体させて1つの支援キャラクタとして扱うようにしてもよい。同一の支援キャラクタとは、例えば、支援キャラクタの種類及びレア度が一致する支援キャラクタとすればよい。ただし、同一の支援キャラクタとして扱う条件は、これに限定されるものではない。
【0056】
この場合、クライアント104の処理部20は、2つの支援キャラクタを合体させる合体処理を実行する。合体処理により、合体後の支援キャラクタのパラメータを向上させるようにしてもよい。これによって、同一の支援キャラクタを取得する毎に合体処理が繰り返され、当該支援キャラクタのパラメータが向上することになり、育成モードにおいてプレイを有利に進行させることができるようになる。
【0057】
なお、合体処理は、自動的に実行されるのではなく、プレイヤの操作に基づいて実行されるようにしてもよい。また、異なる支援キャラクタの種類や異なる希少度の支援キャラクタ同士を合体させるようにしてもよい。
【0058】
[育成モードにおける処理]
図8のフローチャートを参照して、育成モードにおける電子ゲーム提供方法を説明する。以下の説明では、電子ゲーム提供システム100において実行される電子ゲームの育成モードが開始された状態であるとして説明を行う。
【0059】
ステップS10では、育成キャラクタの選択が行われる。当該ステップにおける処理によって、電子ゲーム提供システム100は育成キャラクタ選択手段として機能する。
【0060】
クライアント104の処理部20は、プレイヤとなるユーザから育成の対象とする育成キャラクタの選択を受け付ける。例えば、記憶部22に予め記憶されている育成キャラクタデータベースを参照して、出力部26において既にプレイヤに付与されていて選択可能な育成キャラクタのリストを表示させ、当該リストに含まれる育成キャラクタの1つを選択させればよい。ただし、育成キャラクタの選択方法は、これに限定されるものではなく、育成モードにおいて育成対象となるキャラクタを選択できるものであればよい。
【0061】
ステップS12では、育成モードにおけるシナリオの選択が行われる。当該ステップにおける処理によって、電子ゲーム提供システム100はシナリオ選択手段として機能する。
【0062】
クライアント104の処理部20は、プレイヤから育成モードで進行させるシナリオの選択を受け付ける。例えば、出力部26を用いて、育成モードにおいて選択可能なシナリオの選択肢のリストを表示させ、当該リストに含まれるシナリオの1つを選択させればよい。ただし、シナリオの選択方法は、これに限定されるものではなく、育成モードにおいて進行させるシナリオを選択できるものであればよい。
【0063】
シナリオが選択されると、シナリオと育成キャラクタとの組み合わせに対して育成モードパラメータが割り当てられる。当該育成モードパラメータは、プレイされる育成モードのゲームにおいてイベントの発生条件として使用される。
【0064】
ステップS14では、支援キャラクタの設定が行われる。当該ステップにおける処理によって、電子ゲーム提供システム100は支援キャラクタ設定手段として機能する。
【0065】
クライアント104の処理部20は、記憶部22に予め記憶されている支援キャラクタデータベースを参照して、ステップS10において選択された育成キャラクタと共にステップS12において選択されたシナリオを進行させていく支援キャラクタを設定する。設定される支援キャラクタは、プレイヤが所有しているすべての支援キャラクタとしてもよいし、プレイヤが所有している支援キャラクタから選択してもよい。支援キャラクタを選択する場合、支援キャラクタは1つでもよいし、複数としてもよい。
【0066】
ここで、ステップS10において選択された育成キャラクタの種類や属性とステップS12において選択されたシナリオの種類や属性の少なくとも1つに応じて支援キャラクタを設定することが好適である。例えば、ステップS10において選択された育成キャラクタに属性が与えられている場合、当該属性と同じ属性を有する支援キャラクタを設定するようにしてもよい。また、例えば、ステップS12において選択されたシナリオの内容に応じて、当該内容に沿った支援キャラクタを設定するようにしてもよい。
【0067】
本実施の形態では、支援キャラクタの設定は、クライアント104の処理部20を用いて自動的に行う処理とした。ただし、これに限定されるものではなく、サーバ102の処理部10によって行ってもよいし、プレイヤに選択させるようにしてもよい。
【0068】
ステップS16では、消費アイテムの選択が行われる。当該ステップにおける処理によって、電子ゲーム提供システム100は消費アイテム選択手段として機能する。
【0069】
クライアント104の処理部20は、プレイヤから育成モードにおいて使用される消費アイテムの選択を受け付ける。消費アイテムは、育成モードにおける電子ゲームのプレイに影響を与えるアイテムである。消費アイテムは、例えば、育成キャラクタのパラメータを向上させるアイテム、支援キャラクタのパラメータを向上させるアイテム、育成モードにおいて育成キャラクタに与えられるゲーム上の効果を向上させるアイテム等が挙げられる。消費アイテムは、電子ゲームのプレイ中、ガチャ等の抽選、課金による購入によってプレイヤに与えられる。
【0070】
処理部20は、出力部26を用いてプレイヤが所有する消費アイテムのリストを表示させ、当該リストに含まれる消費アイテムの1つを選択させればよい。ただし、育成キャラクタの選択方法は、これに限定されるものではなく、育成モードにおいて育成対象となるキャラクタを選択できるものであればよい。選択された消費アイテムの電子ゲーム上の効果は、所定のタイミングで付与すればよい。
【0071】
ステップS18では、育成モードにおけるシナリオに沿ったプレイの実行が行われる。当該ステップにおける処理によって、電子ゲーム提供システム100はプレイ実行処理手段として機能する。
【0072】
クライアント104の処理部20は、ステップS12で選択されたシナリオの各ターンにおける処理を実行する。処理部20は、入力部24を用いてプレイヤからコマンドの入力を受け付ける。そして、入力されたコマンドに応じて、次のステップS20においてゲーム上の効果として育成キャラクタのパラメータ及び育成モードパラメータを変更する処理を行う。
【0073】
ステップS20では、育成キャラクタのパラメータ及び育成モードパラメータを変更する処理を行う。当該ステップにおける処理によって、電子ゲーム提供システム100は第1パラメータ変更手段として機能する。
【0074】
クライアント104の処理部20は、電子ゲーム上の効果として育成キャラクタのパラメータを変更する処理を行う。処理部20は、選択されたシナリオ、プレイヤから入力されたコマンド、育成キャラクタの種類、支援キャラクタの種類、支援キャラクタに割り当てられたパラメータの種類及び値に応じて育成キャラクタのパラメータを変更する。
【0075】
例えば、ステップS18において受け付けられたコマンドが「修行」コマンドであった場合、当該コマンドの入力によってシナリオに沿った所定の条件がクリアされると育成キャラクタの対戦モードパラメータの値を向上させる。また、ステップS18において受け付けられたコマンドが「休む」コマンドであった場合、育成キャラクタの対戦モードパラメータのうち体力ポイントを回復させる。ただし、入力されたコマンドに応じたパラメータの変更は、これらに限定されるものではなく、コマンドに応じて育成キャラクタのパラメータを変更する処理であればよい。
【0076】
また、本実施の形態では、育成キャラクタと共にゲームに参加させている支援キャラクタ、すなわちステップS14において選択された支援キャラクタの支援パラメータの値に応じて育成モードパラメータの変更が行われる。例えば、支援キャラクタの支援パラメータの種類及び値に応じて当該種類に対応する育成モードパラメータの値を変更する。
【0077】
具体例として、図4に示した育成キャラクタAと共に図7に示した支援キャラクタXが育成モードのゲームに参加している場合、支援キャラクタXの支援パラメータの五行(火、風、雷、土、水)の各々の値(6,2,1,1,1)に応じて、育成モードパラメータの五行(火、風、雷、土、水)の値をそれぞれ6,2,1,1,1だけ増加させる。また、図4に示した育成キャラクタAと共に図7に示した支援キャラクタXが育成モードのゲームに参加している場合、支援キャラクタXの支援パラメータの陰陽の値+3に応じて、育成モードパラメータの陰陽の値を3だけ増加させる。
【0078】
このとき、育成キャラクタと共に複数の支援キャラクタが育成モードのゲームに参加している場合、すなわちステップS14にて複数の支援キャラクタが設定された場合、当該複数の支援キャラクタの支援パラメータの値に応じて育成モードパラメータの値を変更することが好適である。例えば、パラメータの種類毎に、設定された複数の支援キャラクタの各々の支援パラメータの値の合計値に応じて育成モードパラメータの値を増減させればよい。また、例えば、パラメータの種類毎に、複数の支援キャラクタの各々の支援パラメータの値の平均値に応じて育成モードパラメータの値を増減させてもよい。
【0079】
ただし、育成キャラクタと共にゲームに参加している支援キャラクタの支援パラメータに基づいて育成モードパラメータを変更する処理はこれらに限定されるものではない。例えば、支援キャラクタの支援パラメータが増加割合を示す値として設定されている場合、育成モードパラメータを当該増加割合に応じて増減させるようにしてもよい。
【0080】
ステップS22では、所定のターン数に達したか判定する処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、電子ゲーム提供システム100はターン判定手段として機能する。
【0081】
クライアント104の処理部20は、育成モードのシナリオにおいて設定されたターン数のプレイが終了したか否かを判定する。プレイされたターン数が設定されたターン数以上であればステップS24に処理を移行させる。プレイされたターン数が設定されたターン数未満であればステップS16に処理を戻して、現在のセクションにおけるプレイを続行する。
【0082】
例えば、図5に示した育成モードの進行例であれば、各セクションにおけるプレイのターン数が10ターンに到達していればステップS24に処理を移行させ、10ターン未満であればステップS16に処理を戻す。
【0083】
ステップS24では、イベントを発生させる処理を行う。当該ステップにおける処理によって、電子ゲーム提供システム100はイベント発生手段として機能する。
【0084】
クライアント104の処理部20は、ステップS22において設定されたターン数以上のプレイが終了するとイベントを発生させる。イベントは、特に限定されるものではなく、イベントの進行又は結果に応じて電子ゲームにゲーム上の効果を与えるものであればよい。例えば、育成モードに参加している育成キャラクタに割り当てられたパラメータを変更する内容であることが好適である。
【0085】
イベントは、例えば、育成キャラクタが単独で行動するイベントとすることができる。具体例として、育成キャラクタが修行することによって育成キャラクタのパラメータを向上させる、育成キャラクタが栄養を補給することによって育成キャラクタのパラメータを回復させる等のイベントが挙げられる。また、プレイヤにガチャ等の抽選をプレイさせて、その結果に応じて育成キャラクタのパラメータを向上させたり、プレイヤにアイテムを付与したりするイベントとしてもよい。
【0086】
また、例えば、ゲーム上において育成キャラクタと支援キャラクタとが一緒に行動するようなイベントとしてもよい。具体例として、育成キャラクタと支援キャラクタとが一緒に修行したり、栄養を補給したりすることによって育成キャラクタのパラメータを向上させるようなイベントとしてもよい。
【0087】
発生させるイベントは、選択されたシナリオに応じて予め設定されたイベントとしてもよい。また、電子ゲームに参加している育成キャラクタの種類や支援キャラクタの種類又はこれらの組み合わせに応じて決定するようにしてもよい。
【0088】
また、育成モードパラメータの値に応じて発生させるイベントの内容やイベントの発生確率を変更してもよい。
【0089】
例えば、育成モードパラメータのうち所定の基準値以上であるパラメータに応じて発生させるイベントの内容を決定してもよい。具体例として、図6に示す育成モードパラメータの場合、図9のイベント発生データベースを参照して五行の火風雷土水のパラメータのうち火のパラメータ(パラメータ値6)に対する基準値が5であるとすると、火に関するイベント(例えば、火に関する修行イベント等)を発生させればよい。また、陰陽のパラメータについて、所定の基準値を超えている場合に陰陽に関するイベント(例えば、陰又は陽に関する修行イベント等)を発生させればよい。他の育成モードパラメータについても同様に処理すればよい。基準値を超える育成モードパラメータが存在しない場合、シナリオに沿って予め定めておいた固定イベントを発生させてもよいし、イベントを発生させないようにしてもよい。
【0090】
また、支援キャラクタに対して予めイベント発生の基準値を割り当てておき、育成モードパラメータが支援キャラクタに割り当てられたイベント発生の基準値以上となったときに支援キャラクタに関するイベントを発生させるようにしてもよい。例えば、育成キャラクタAと同行している支援キャラクタXに対してイベント発生の基準値として火のパラメータの基準値30及び陰のパラメータの基準値+3が割り当てられている場合、育成モードパラメータの火及び陰陽のパラメータのいずれかが当該基準値以上となった場合に支援キャラクタXと育成キャラクタAとに関するイベントを発生させる。
【0091】
なお、イベント発生判定のための基準値は、育成モードパラメータ毎に設定してもよいし、複数の育成モードパラメータに対して共通としてもよい。また、図9に示すように、イベント発生判定のための基準値は、育成キャラクタ毎に設定してもよいし、複数の育成キャラクタに対して共通としてもよい。
【0092】
また、1つの育成モードパラメータに対して複数の基準値を設けてもよい。例えば、1つの育成モードパラメータに対して、順に大きくなる基準値1、基準値2及び基準値3を設定しておき、当該育成モードパラメータの値が基準値1以上基準値2未満である場合には第1のイベントを発生させ、基準値2以上基準値3未満である場合には第2のイベントを発生させ、基準値3以上である場合には第3のイベントを発生されるようにしてもよい。なお、基準値の数は3に限定されるものではなく、他の数にしても同様に処理すればよい。
【0093】
また、複数の育成モードパラメータがそれぞれ基準値を超えている場合、基準値を超えている育成モードパラメータのうちいずれか1つに応じたイベントを発生させてもよいし、基準値を超えている育成モードパラメータのうち所定数のパラメータに応じてそれぞれイベントを発生させてもよいし、基準値を超えているすべての育成モードパラメータに応じてそれぞれイベントを発生させてもよい。
【0094】
また、育成モードパラメータのうち最も大きな値を有するパラメータの種類に応じて発生させるイベントの内容を決定してもよい。具体例として、図6に示す育成モードパラメータの場合、五行の火風雷土水のパラメータのうち最大値6を有するのは火のパラメータであるので、発生させるイベントを火に関するイベントとすればよい。また、育成モードパラメータのうち所定の基準値以上であるパラメータのうち最も大きな値を有するパラメータの種類に応じて発生させるイベントの内容を決定してもよい。具体例として、図9のイベント発生データベースを参照して、基準値を超えている火のパラメータ(パラメータ値6)と土のパラメータ(パラメータ値5)のうち最大値を有するのは火のパラメータであるので、発生させるイベントを火に関するイベントとすればよい。
【0095】
また、育成モードパラメータの値に応じて確率的に発生させるイベントの内容を決定してもよい。
【0096】
例えば、育成モードパラメータの値が予め定められた基準値以上である場合には第1の確率で当該育成モードパラメータに関するイベントを発生させ、基準値未満である場合には第1の確率とは異なる第2の確率で当該育成モードパラメータに関するイベントを発生させるようにしてもよい。具体例として、五行の火風雷土水のパラメータのうち火のパラメータに対する基準値が5であるとすると、育成キャラクタの火のパラメータの値が5以上であれば火に関するイベントを100%の確率で発生させ、5未満であれば50%の確率で発生させてもよい。他の育成モードパラメータについても同様に処理すればよい。
【0097】
また、例えば、育成モードパラメータの値に比例した確率でそれぞれの育成モードパラメータに対応するイベントを発生させるようにしてもよい。具体例として、図4の育成キャラクタAの五行の火風雷土水のパラメータがそれぞれ6,3,1,5,4である場合、それぞれ6/19,3/19,1/19,5/19,4/19の確率で内容が異なるイベント(例えば、火の修行イベント、風の修行イベント、雷の修行イベント、土の修行イベント、水の修行イベント等)を発生させるようにしてもよい。また、複数の属性の育成モードパラメータを組み合わせて確率を変動させるようにしてもよい。例えば、五行の火風雷土水のパラメータに基づくイベントの発生確率を陰陽のパラメータに応じて変動させてもよい。具体例として、陰陽のパラメータが陰側(負側)に大きくなるにつれて風、土、水に関するイベントの発生確率を増加させ、陽側(正側)に大きくなるにつれて火、雷に関するイベントの発生確率を増加させてもよい。
【0098】
また、育成モードパラメータを複数組み合わせて発生させるイベントの内容や発生確率を変更させる条件としてもよい。例えば、複数の育成モードパラメータの合計値や平均値等の統計値に応じて発生させるイベントの内容を決定してもよい。具体例として、複数の育成モードパラメータの合計値が予め設定された基準値以上であるか否かに応じて発生させるイベントの内容や発生確率を変更してもよい。また、具体例として、複数の育成モードパラメータの平均値が予め設定された基準値以上であるか否かに応じて発生させるイベントの内容や発生確率を変更してもよい。また、複数の育成モードパラメータの統計値に対して、上記のイベントの内容や発生確率に対する条件を適宜組み合わせてもよい。
【0099】
また、育成モードパラメータの値と育成キャラクタの種類、属性、レア度等の他のパラメータとの組み合わせに応じて発生させるイベントの内容や発生確率を変更させてもよい。例えば、育成キャラクタのレア度に応じて育成モードパラメータの値を補正して、当該補正された育成モードパラメータの値を用いて上記のいずれかの処理を適用してもよい。
【0100】
本実施の形態では、育成モードパラメータに応じて発生させるイベントを決定する様々な態様について示したが、上記の態様に限定されるものではなく、育成モードパラメータに応じて発生させるイベントの内容や発生確率を決定するものであればよい。
【0101】
ステップS26では、イベントに応じたパラメータの変更処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、電子ゲーム提供システム100は第2パラメータ変更手段として機能する。
【0102】
クライアント104の処理部20は、電子ゲーム上の効果として育成キャラクタのパラメータを変更する処理を行う。処理部20は、イベントの進行や結果に応じて育成キャラクタの対戦モードパラメータを変更する。このとき、イベントの進行が順調であったり、イベントが達成されたりした場合には、育成キャラクタのパラメータを向上させるように処理を行うことが好適である。ただし、当該ステップにおけるパラメータの変更処理は、特に限定されるものではない。
【0103】
ステップS28では、シナリオの終了判定が行われる。当該ステップにおける処理によって、電子ゲーム提供システム100はシナリオ終了判定手段として機能する。
【0104】
クライアント104の処理部20は、育成モードのシナリオにおいて設定されたすべてのセクションが終了したか否かを判定する。シナリオのすべてがプレイされた場合には処理を終了し、シナリオのすべてが終了していない場合にはステップS16に処理を戻して次のセクションにおけるプレイを続行する。
【0105】
以上のように、本実施の形態における電子ゲーム提供システム100では、育成モードパラメータの値に応じてイベントを発生させる。ここで、育成モードパラメータの値は、育成キャラクタと共にゲームに参加している支援キャラクタの特性に応じて変更される。したがって、支援キャラクタを参加させることによって電子ゲームにおいてイベントを発生させる可能性を高めると共に、支援キャラクタの選択に伴って発生させるイベントが固定化されないようにすることができる。
【0106】
なお、本実施の形態では、サーバ102とクライアント104を別のコンピュータによって実現するものとしたが、サーバ102の機能をクライアント104のいずれかによって実現するものとしてもよい。また、ゲームに参加する複数のクライアント104のうち、少なくとも1つのクライアント104をホスト端末とし、他のクライアント104をゲスト端末として分け、ゲスト端末において選択肢の選択を受け付けてホスト端末へ送信(ホスト端末を操作するプレイヤの選択肢も受け付ける)、ホスト端末において選択肢が所定の関係を満たすかを判定し、判定結果をゲスト端末に返し、ゲスト端末において判定結果に応じたゲーム上の効果を発生させる(別途、ホスト端末を操作するプレイヤに対しても判定結果に応じて効果を発生させる)ようにしてもよい。
【符号の説明】
【0107】
10 処理部、12 記憶部、14 入力部、16 出力部、18 通信部、20 処理部、22 記憶部、24 入力部、26 出力部、28 通信部、100 電子ゲーム提供システム、102 サーバ、104 クライアント、106 情報通信網。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9