(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059490
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】幼虫回収装置
(51)【国際特許分類】
A01K 67/033 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
A01K67/033 502
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167281
(22)【出願日】2020-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(71)【出願人】
【識別番号】519008810
【氏名又は名称】株式会社フライハイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】石川 光祥
(72)【発明者】
【氏名】加藤 高之
(72)【発明者】
【氏名】木下 敬介
(72)【発明者】
【氏名】山口 竜
(57)【要約】
【課題】 幼虫をより効率よく回収するための幼虫回収装置を提供する。
【解決手段】 幼虫の回収装置は、培地を堆積する底面と、培地を囲む側壁面と、天面と、を有する幼虫飼育用容器を有し、幼虫飼育用容器は、底面が地面に対して斜めになるように配置され、側壁面は斜めに持ち上がった部分に開口部が設けられている。他の実施形態に係る幼虫の回収装置は、培地を堆積する底面と、培地を囲む側壁面と、天面と、を有する幼虫飼育用容器を有し、底面は、培地が溜まる第1領域と、第1領域と側壁面との間の第2領域とを含み、第2領域は第1領域から側壁面にかけて勾配を形成する傾斜面を含み、側壁面は、傾斜面と接続する領域に開口部が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培地を堆積する底面と、前記培地を囲む側壁面と、天面と、を有する幼虫飼育用容器を有し、
前記幼虫飼育用容器は、前記底面が地面に対して斜めになるように配置され、前記側壁面は斜めに持ち上がった部分に開口部が設けられている、
ことを特徴とする幼虫の回収装置。
【請求項2】
培地を堆積する底面と、前記培地を囲む側壁面と、天面と、を有する幼虫飼育用容器を有し、
前記底面は、培地が溜まる第1領域と、前記第1領域と前記側壁面との間の第2領域とを含み、前記第2領域は前記第1領域から前記側壁面にかけて勾配を形成する傾斜面を含み、
前記側壁面は、前記傾斜面と接続する領域に開口部が設けられている、
ことを特徴とする幼虫の回収装置。
【請求項3】
上面が開口している幼虫回収部をさらに有し、
前記幼虫回収部が前記開口部に隣接して設けられている
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の幼虫の回収装置。
【請求項4】
前記側壁面に一方と前記一方の対向する他方とに一対の貫通孔が設けられている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の幼虫の回収装置。
【請求項5】
送風装置をさらに有し、
前記送風装置は前記一対の貫通孔の一方から送風するように設けられている、請求項4に記載の幼虫の回収装置。
【請求項6】
照明装置をさらに有し、
前記照明装置は開口部を照明するように設けられている、請求項4に記載の幼虫の回収装置。
【請求項7】
上端に設けられた開口部と、前記開口部を囲む傾斜面と、を有する幼虫回収部、を有することを特徴とする幼虫の回収装置。
【請求項8】
培地を堆積する底面と、前記培地を囲む側壁面とを有する幼虫飼育用容器、をさらに有し、
前記幼虫回収部は前記幼虫飼育用容器の内側に配置されることを特徴とする請求項7に記載の幼虫の回収装置。
【請求項9】
前記傾斜面は、下端から上端にかけて直線状の溝が設けられている、請求項7または8に記載の幼虫の回収装置。
【請求項10】
前記傾斜面は、下端から上端にかけてスパイラル状の溝が設けられている、請求項7または8に記載の幼虫の回収装置。
【請求項11】
前記開口部の内壁が垂直である、請求項7または8に記載の幼虫の回収装置。
【請求項12】
平板形状である本体と、前記本体の端部に配置され、前記本体の内側から外側に向かう溝が設けられている溝部材と、を含む幼虫飼育用容器、
を有することを特徴とする幼虫の回収装置。
【請求項13】
前記幼虫飼育用容器の縁部に設けられ上面が開口している幼虫回収部、
をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の幼虫の回収装置。
【請求項14】
前記溝部材の外側から前記幼虫飼育用容器の内側に向けて送風するように配置される送風機をさらに有する
ことを特徴とする請求項12又は13に記載される幼虫の回収装置。
【請求項15】
前記幼虫飼育用容器の内側を加湿するように配置される加湿器をさらに有する
ことを特徴とする請求項12乃至14の何れか1項に記載される幼虫の回収装置。
【請求項16】
前記幼虫飼育用容器の内側を覆い、前記溝部材の端部を露出するように設けられる遮光板と、
前記溝部材の端部を照明するように配置される照明装置と、
をさらに有する
ことを特徴とする請求項12乃至15の何れか1項に記載される幼虫の回収装置。
【請求項17】
前記幼虫飼育用容器の内側に設けられた一対の正極と負極とを有する電極と、
前記電極に電圧を印加する電圧印加装置と、
をさらに有し、
前記一対の正極と負極が前記溝部材の端部から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項12乃至16の何れか1項に記載される幼虫の回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の一つは、幼虫回収装置、より詳細には、イエバエなどの昆虫の幼虫回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
畜産規模の拡大に伴って大量に発生する家畜の排泄物を短期間に効率よく処理することは難しく、畜産農家にとって家畜の排泄物の処理が多大な負担となっている。そのような負担を軽減するために、特許文献1では、畜糞などの有機性廃棄物を昆虫の幼虫に食べさせることにより無害化あるいは低害化可能な昆虫バイオ処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イエバエなどの昆虫の幼虫を利用した有機性廃棄物処理を行う技術においては、有機性廃棄物を効率よく処理し、また当該有機性廃棄物処理を行った幼虫を効率よく回収する必要がある。本発明の一実施形態は、有機性廃棄物処理を行った幼虫をより効率よく回収するための幼虫回収装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る幼虫の回収装置は、培地を堆積する底面と、培地を囲む側壁面と、天面と、を有する幼虫飼育用容器を有し、幼虫飼育用容器は、底面が地面に対して斜めになるように配置され、側壁面は斜めに持ち上がった部分に開口部が設けられている。
【0006】
本発明の一実施形態に係る幼虫の回収装置は、培地を堆積する底面と、培地を囲む側壁面と、天面と、を有する幼虫飼育用容器を有し、底面は、培地が溜まる第1領域と、第1領域と側壁面との間の第2領域とを含み、第2領域は第1領域から側壁面にかけて勾配を形成する傾斜面を含み、側壁面は、傾斜面と接続する領域に開口部が設けられている。
【0007】
本発明の一実施形態に係る幼虫の回収装置は、上端に設けられた開口部と、開口部を囲む傾斜面と、を有する幼虫回収部、を有する。
【0008】
本発明の一実施形態に係る幼虫の回収装置は、平板形状である本体と、本体の端部に配置され、本体の内側から外側に向かう溝が設けられている溝部材と、を含む幼虫飼育用容器、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態に係る幼虫回収装置によれば、有機性廃棄物処理を行った幼虫を効率よく回収することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る幼虫回収装置を示す断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る幼虫回収装置を示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る幼虫回収装置を示す平面図および断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る幼虫回収装置を示す斜視図および断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る幼虫回収装置の幼虫回収部を示す斜視図および断面図である。
【
図6】本発明の変形例に係る幼虫回収装置を示す断面図である。
【
図7】本発明の変形例に係る幼虫回収装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0012】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0013】
本発明の一実施形態における幼虫回収装置は、イエバエなどの昆虫の幼虫に有機性廃棄物を食べさせて有機性廃棄物を処理する際に、有機性廃棄物が含まれる培地から蛹になる前の幼虫を回収するときに使用することができる。本明細書において幼虫を回収とは、有機性廃棄物から幼虫を取り除くことと、幼虫を集めることと、の少なくとも1つを含む。以下で説明される幼虫回収装置は、幼虫の習性を利用することでエネルギーの消費を伴わす、培地に生息する幼虫を回収することができる。なお、以下の説明では、昆虫の幼虫としてイエバエを例に説明するが、イエバエの他に、センチニクバエや水アブ等のハエ目に属する昆虫を利用することができる。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る幼虫回収装置を示す断面図である。以下、
図1を参照して、本実施形態に係る幼虫回収装置と幼虫回収装置を用いた幼虫の飼育及び回収方法の一例を説明する。
【0015】
[幼虫回収装置]
本実施形態に係る幼虫回収装置10は、幼虫飼育用容器100と、幼虫回収部110とを含む。幼虫飼育用容器100は、側壁に開口を有する矩形の箱形状であり、幼虫を飼育するための培地を堆積する底面101と、培地を囲む側壁面105と、培地を覆う天面107と、を有する。
【0016】
幼虫飼育用容器100の側壁面105の第1面には、開口部105aが配置される。開口部105aは、側壁面105が底面101と接続する領域に沿って配置される。すなわち、開口部105aは、底面101の端部を露出する。また、幼虫飼育用容器100は、底面101が地面(床面、水平面とされてもよい。)に対して斜めに傾斜するように配置される。幼虫飼育用容器100は、開口部105aが配置される側壁面105の第1面が地面から持ち上がった状態で配置される。幼虫飼育用容器100は、底面101を地面に対して斜めに傾斜するように、底面101の開口部105a側に支持部を有してもよい。
【0017】
幼虫飼育用容器100の側壁面105の第1面には、さらに貫通孔105bが設けられてもよい。幼虫飼育用容器100の側壁面105の第1面と対向する第2面には、貫通孔105cが配置されてもよい。貫通孔105bと貫通孔105cとは対向して配置されることが好ましい。
【0018】
幼虫回収装置10は、幼虫飼育用容器100の開口部105aに隣接して、幼虫回収部110が配置される。幼虫回収部110は、例えば、箱、または水をはった浅い水槽等であってもよい。幼虫回収部110は上面が開口している。幼虫回収部110の開口は、幼虫飼育用容器100の開口部105aの下に配置される。
【0019】
幼虫回収装置10は、幼虫飼育用容器100の開口部105aに隣接して照明装置130が配置されてもよい。照明装置130は、幼虫飼育用容器100の開口部105aを照射するように配置されることが好ましい。
【0020】
幼虫回収装置10は、幼虫飼育用容器100の貫通孔105bに隣接して送風機120が配置されてもよい。送風機120は、幼虫飼育用容器100の貫通孔105bから貫通孔105cに送風するように配置されることが好ましい。
【0021】
照明装置130、送風機120は両方が設置されていてもよいし、片方のみが設置されていてもよい。後述されるように、照明装置130、送風機120は幼虫の習性を利用して幼虫を培地から回収するときに使用することができる。また、送風機120は培地の環境を制御するために使用することができる。
【0022】
[幼虫の飼育及び回収方法]
本実施形態に係る幼虫回収装置10を用いた幼虫の飼育及び回収方法について説明する。幼虫飼育用容器100の底面101には幼虫を飼育するための培地が堆積される。培地は、例えば、畜糞、食品廃棄物、農業廃棄物の少なくとも一つを含む有機性廃棄物であってもよい。畜糞としては、例えば、牛糞、豚糞、鳥糞、虫糞等がある。食品廃棄物としては、例えば、野菜くず、豆腐くず、おから等がある。培地には、昆虫の卵または幼虫が接種される。本実施形態に係る幼虫飼育用容器100は、開口部105aが配置される側壁面105の第1面が持ち上がった状態で配置されることから、幼虫を飼育中の培地は、側壁面105の第1面を除く3面によって囲われ、天面107によって覆われる。このため、本実施形態に係る幼虫回収装置10は、幼虫の成長過程に応じて適切な培地温度および含水量に調整することが容易となる。幼虫回収装置10は、幼虫飼育用容器100の貫通孔105bに隣接して送風機120が配置されることで、適切な培地温度および含水量を調整することがさらに容易となる。
【0023】
幼虫飼育用容器100で育成した幼虫は、幼虫が蛹に変態する時(幼虫は孵化してから約7日目)の離散習性(蠕動離散習性)を利用して幼虫回収部110に回収する。培地中で飼育される幼虫は蛹になる場所を求めて活発にうねるように這うことで、斜めに傾斜する底面101を上り、開口部105aが配置される底面101の端部に移動する。開口部105aから落下した幼虫は、幼虫回収部110に収容される(
図1矢印方向)。
【0024】
本実施形態に係る幼虫回収装置10は、幼虫飼育用容器100の貫通孔105bから送風するように送風機120が配置されることで、幼虫飼育用容器100の開口部105a付近の培地の含水量を抑制することができる。活発に這いまわる幼虫は含水量が低い領域を好み移動することから、幼虫回収装置10は幼虫の回収効率を向上することができる。幼虫回収装置10は、幼虫飼育用容器100の開口部105aを照射するように照明装置130が配置されることで、幼虫飼育用容器100の開口部105a付近の照度を向上することができる。活発に這いまわる幼虫は明るい領域を好み移動することから、幼虫回収装置10は幼虫の回収効率を向上することができる。本実施形態に係る幼虫回収装置10は、幼虫をより良い状態で育成することができ、幼虫を効率よく回収することができる。
【0025】
なお、本実施形態に係る幼虫回収装置10は、幼虫飼育用容器100と、幼虫回収部110と、を1つずつ含む構成で示した。しかしながらこれに限定されず、幼虫回収装置10は、幼虫回収部110を含まなくてもよい。また、本実施形態に係る幼虫回収装置10は、幼虫飼育用容器100を複数含んでもよく、縦に積み重ねた多段式であってもよい。この場合、幼虫飼育用容器100と幼虫回収部110とは1対1でなくてもよく、開口部の位置を合わせることで、複数の幼虫飼育用容器100から1つの幼虫回収部110に幼虫を回収してもよい。
【0026】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る幼虫回収装置20は底面が壁面に向かって上り勾配を形成する傾斜面を有することが第1実施形態と相違する。このため第1実施形態と同様である部分は、繰り返しの説明は省略する。
図2は、本実施形態に係る幼虫回収装置を示す断面図である。以下、
図2を参照して、本実施形態に係る幼虫回収装置と幼虫回収装置を用いた幼虫の飼育及び回収方法の一例を説明する。
【0027】
[幼虫回収装置]
本実施形態に係る幼虫回収装置20は、幼虫飼育用容器200と、幼虫回収部210とを含む。幼虫飼育用容器200は、側壁に開口を有する矩形の箱形状であり、幼虫を飼育するための培地を堆積する底面201と、培地を囲む側壁面205と、培地を覆う天面207と、を有する。
【0028】
幼虫飼育用容器200の底面201は、第1領域201aと、第1領域201aと側壁面205の第1面との間に配置される第2領域201bと、を含む。第2領域201bは、第1領域201aから側壁面205の第1面にかけて上り勾配を形成する傾斜面を含む。第1領域201aと第2領域201bとは鈍角に接続する。第2領域201bと側壁面205の第1面(なお、第1面は、後述する開口部205aが一部または全部に配置される。)とは鈍角に接続する。第1領域201aと第2領域201bとが接続する角部は、第2領域201bと側壁面205の第1面とが接続する角部より大きい。幼虫飼育用容器200は、第1領域201aが地面に対して平行に、第2領域201bが地面に対して斜めに傾斜するように配置される。このため幼虫飼育用容器200は、第1領域201aに培地が溜まり、第2領域201bおよび側壁面205の第1面が持ち上がった状態で配置される。
【0029】
幼虫飼育用容器200の側壁面205の第1面には、開口部205aが配置される。開口部205aは、側壁面205の第1面と底面201の第2領域201bとが接続する領域に沿って配置される。すなわち、開口部205aは、第2領域201bの傾斜面の端部を露出する。
【0030】
幼虫飼育用容器200の側壁面205の第1面には、さらに貫通孔205bが配置されてもよい。幼虫飼育用容器200の側壁面205の第1面と対向する第2面には、貫通孔205cが配置されてもよい。貫通孔205bと貫通孔205cとは対向して配置されることが好ましい。
【0031】
幼虫回収装置20は、幼虫飼育用容器200の開口部205aに隣接して、幼虫回収部210が配置される。幼虫回収部210は、例えば、箱、または水をはった浅い水槽等であってもよい。幼虫回収部210は上面が開口している。幼虫回収部210の開口は、幼虫飼育用容器200の開口部205aの下に配置される。
【0032】
本実施形態に係る幼虫回収装置20は、地面に対して平行である第1領域201a、および底面201の一部に上り勾配を形成する第2領域201bを有することによって地面に対して平行である第1領域201aにおいて、培地の厚さを均一に保つことが可能である。幼虫は、水分が多すぎる領域においては呼吸がしにくい。水分の多い培地の厚さが厚いと幼虫の呼吸が困難となり、生存率が低下する。このため、培地の厚さを均一に保つことで、幼虫の生存率を高めることが可能である。
【0033】
[幼虫の飼育及び回収方法]
本実施形態に係る幼虫回収装置20を用いた幼虫の飼育及び回収方法について説明する。幼虫飼育用容器200の底面201第1領域201aには幼虫を飼育するための培地が堆積される。培地には、昆虫の卵または幼虫が接種される。本実施形態に係る幼虫飼育用容器200は、開口部205aが配置される側壁面205の第1面が持ち上がった状態で配置されることから、幼虫を飼育中の培地は、側壁面205の第1面を除く3面によって囲われ、天面207によって覆われる。このため、本実施形態に係る幼虫回収装置20は、幼虫の成長過程に応じて適切な培地温度および含水量に調整することが容易となる。幼虫回収装置20は、幼虫飼育用容器200の貫通孔205bに隣接して送風機220が配置されることで、適切な培地温度および含水量に調整することがさらに容易となる。
【0034】
幼虫飼育用容器200で育成した幼虫は、幼虫が蛹に変態する時の離散習性を利用して幼虫回収部210に回収する。培地中で飼育される幼虫は蛹になる場所を求めて活発にうねるように這うことで、斜めに傾斜する底面201第2領域201bを上り、開口部205aが配置される底面201第2領域201bの端部に移動する。開口部205aから落下した幼虫は、幼虫回収部210に移動する(
図2矢印方向)。本実施形態に係る幼虫回収装置20は、幼虫飼育用容器200の貫通孔205bから送風するように送風機220が配置されることで、幼虫飼育用容器200の開口部205a付近の培地の含水量を抑制することができる。活発に這いまわる幼虫は含水量が低い領域を好み移動することから、幼虫回収装置20は幼虫の回収効率を向上することができる。幼虫回収装置20は、幼虫飼育用容器200の開口部205aを照射するように照明装置230が配置されることで、幼虫飼育用容器200の開口部205a付近の照度を向上することができる。活発に這いまわる幼虫は明るい領域を好み移動することから、幼虫回収装置20は幼虫の回収効率を向上することができる。本実施形態に係る幼虫回収装置20は、幼虫をより良い状態で育成することができ、幼虫を効率よく回収することができる。
【0035】
なお、本実施形態に係る幼虫回収装置20は、幼虫飼育用容器200と、幼虫回収部210と、を1つずつ含む構成で示した。しかしながらこれに限定されず、幼虫回収装置20は、幼虫回収部210を含まなくてもよい。また、本実施形態に係る幼虫回収装置20は、幼虫飼育用容器200を複数含んでもよく、縦に積み重ねた多段式であってもよい。この場合、幼虫飼育用容器200と幼虫回収部210とは1対1でなくてもよく、開口部の位置を合わせることで、複数の幼虫飼育用容器200から1つの幼虫回収部210に幼虫を回収してもよい。
【0036】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る幼虫回収装置30は、全体的な形状が第1実施形態と相違する。
図3Aは、本実施形態に係る幼虫回収装置30を示す平面図である。
図3Bは、本実施形態に係る幼虫回収装置を示す断面図である。以下、
図3Aおよび
図3Bを参照して、本実施形態に係る幼虫回収装置と幼虫回収装置を用いた幼虫の飼育及び回収方法の一例を説明する。
【0037】
[幼虫回収装置]
本実施形態に係る幼虫回収装置30は、幼虫飼育用容器300と、幼虫回収部310とを含む。幼虫飼育用容器300は、矩形の平板形状である本体302と溝部材320とを含む。溝部材320は本体302の端部に配置される。本実施形態においては、2つの溝部材320を本体302の対向する2端に配置したが、溝部材320の数は特に限定しない。
【0038】
溝部材320は、平行に配置される複数の直線状の溝部320aを有する。各溝部320aは、溝部材320を配置した本体302の端部に対して略垂直になるように配置される。溝部320aの幅は、例えば、0.5cm以上1.0cm以下の範囲であることが好ましい。溝部320aの深さは、例えば、0.5cm以上であることが好ましい。溝部320aの幅および深さは、例えば回収する幼虫の胴囲によって適宜選択してもよい。この場合、溝部320aの幅は、例えば幼虫の胴体の最大径の2倍以上4倍以下の範囲であってもよい。溝部320aの深さは、例えば幼虫の胴体の最大径の2倍以上4倍以下の範囲であってもよい。例えば、イエバエの幼虫には足に当たるものがなく、全身を波打たせるようにうねらせて這う。このため、本実施形態に係る幼虫回収装置30は、溝部320aの深さが上記範囲内であることで、幼虫の移動を溝部320aの延在する方向(端部に対して略垂直)に誘導することができる。また、本実施形態に係る幼虫回収装置30は、溝部320aの幅が上記範囲内であることで、幼虫のうねりを溝部320aが延在する方向への移動に利用することができる。
【0039】
幼虫回収装置30は、幼虫飼育用容器300の溝部材320が配置される端部に隣接して、幼虫回収部310が配置される。幼虫回収部310は、例えば、箱、または水をはった浅い水槽等であってもよい。幼虫回収部310は上面が開口している。幼虫回収部310の開口は、幼虫飼育用容器300の溝部材320が配置される端部の下に配置される。
【0040】
なお、本実施形態の幼虫回収装置30は、第1実施形態と同様に、幼虫飼育用容器300の溝部材320の外側から幼虫飼育用容器の内側に向けて送風する送風機をさらに有してもよい。または、本実施形態の幼虫回収装置30は、第1実施形態と同様に、幼虫飼育用容器300の内側を覆い、溝部材320の端部を露出するように設けられる遮光板と、溝部材320の端部を照明するように配置される照明装置と、をさらに有してもよい。
【0041】
[幼虫の飼育及び回収方法]
本実施形態に係る幼虫回収装置30を用いた幼虫の飼育及び回収方法について説明する。幼虫飼育用容器300の中央部には幼虫を飼育するための培地が堆積される。培地は、本体302および溝部材320の上に堆積される。培地には、昆虫の卵または幼虫が接種される。本実施形態に係る幼虫飼育用容器300は、平面形状であることから、幼虫を飼育中の培地は、その重みによって溝部材320の溝部320aの延在する方向(
図3A矢印方向)に広がる。このため、本実施形態に係る幼虫回収装置30は、培地の温度および含水量を抑制することが容易となる。
【0042】
幼虫飼育用容器300で育成した幼虫は、幼虫が蛹に変態する時の離散習性を利用して幼虫回収部310に回収する。培地中で飼育される幼虫は蛹になる場所を求めて活発にうねるように這うことで、溝部320aに沿って移動し、幼虫飼育用容器300の溝部材320が配置される端部に移動する。幼虫飼育用容器300の溝部材320から落下した幼虫は、幼虫回収部310に移動する(
図3B矢印方向)。本実施形態に係る幼虫回収装置30は、幼虫を飼育中の培地が溝部320aの延在する方向に広がることで、幼虫飼育用容器300の溝部材320が配置される端部付近の培地の含水量を抑制することができる。活発に這いまわる幼虫は含水量が低い領域を好み移動することから、幼虫回収装置30は幼虫の回収効率を向上することができる。本実施形態に係る幼虫回収装置30は、幼虫を良い状態で育成することができ、幼虫をより効率よく回収することができる。
【0043】
なお、本実施形態に係る幼虫回収装置30は、1つの幼虫飼育用容器300と、2つの幼虫回収部310と、を含む構成で示した。しかしながらこれに限定されず、幼虫回収装置30は、幼虫回収部310を含まなくてもよい。また、本実施形態に係る幼虫回収装置30は、幼虫飼育用容器300を複数含んでもよく、縦に積み重ねた多段式であってもよい。この場合、幼虫飼育用容器300と幼虫回収部310とは1対2でなくてもよく、溝部材320の位置を合わせることで、複数の幼虫飼育用容器300から1つの幼虫回収部310に幼虫を回収してもよい。
【0044】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る幼虫回収装置60は、幼虫回収部と溝部材とが一体であること、および幼虫回収部610は、幼虫回収装置60の餌場に設けることが、第3実施形態と相違する。
図4Aは、本実施形態に係る幼虫回収装置を示す斜視図である。
図4Bは、本実施形態に係る幼虫回収装置を示す断面図である。以下、
図4Aおよび
図4Bを参照して、本実施形態に係る幼虫回収装置と幼虫回収装置を用いた幼虫の飼育及び回収方法の一例を説明する。
【0045】
[幼虫回収装置]
本実施形態に係る幼虫回収装置60は、幼虫飼育用容器600と、幼虫回収部610とを含む。幼虫飼育用容器600は、上面が開口している箱形状であり、幼虫を飼育するための培地を堆積する底面601と、培地を囲む側壁面605と、を有する。
【0046】
幼虫回収装置60は、幼虫飼育用容器600の内側、すなわち幼虫の餌場に幼虫回収部610が配置される。ここで
図5を用いて、幼虫回収部610の構成を説明する。
図5Aは、本実施形態に係る幼虫回収部を示す斜視図である。幼虫回収部610は、上面が開口した筒状の回収部613と、回収部613の周囲を囲む傾斜面620と、を含む。本実施形態においては、1つの幼虫回収部610を幼虫飼育用容器600の内側に配置したが、幼虫回収部610の数は特に限定しない。
【0047】
回収部613は上面が開口している。回収部613の開口は、幼虫回収部610の上端に配置される。回収部613は、回収部613の側面が回収部613の開口と回収部613の底面とを垂直に接続する円筒形状である。しかしながらこれに限定されず、回収部613は、例えば、底面611(下端)から回収部613の開口端(上端)にかけて狭まる円錐台形状であってもよい。また、開口は、平面視で円形に限定されず、三角形、四角形、又は多角形であってもよい。幼虫回収装置60はこのような構成を有することで、回収部613に回収した幼虫がふたたび幼虫飼育用容器600に戻ることを抑制することができる。
【0048】
幼虫飼育用容器600は、底面611よりも高い位置に回収部613の開口端が設けられ、底面611と開口端とを接続するように傾斜面620が設けられる。回収部613の開口端の径は底面611の径より小さい。このため回収部613の傾斜面620は、幼虫飼育用容器600の底面601から開口端にかけて上り勾配を形成する。なお、傾斜面620と底面611とのなす角度は、15度以上30度以下が好ましい。上記の角度が大きすぎると、幼虫が傾斜面620を登るのが困難である。また、上記の角度が小さすぎると、底面611の面積が大きくなると共に、幼虫が傾斜面620を登る道のりが長くなり、回収部613における幼虫の回収率が低減してしまう。
【0049】
傾斜面620は、底面611(下端)から回収部613の開口端(上端)にかけて配置される複数の直線状の溝部620aを有する。各溝部620aは、傾斜面620に沿って、底面611(下端)から回収部613の開口端(上端)にかけて最短距離で接続するように配置される。
【0050】
しかしながらこれに限定されず、各溝部620aは、底面611(下端)から回収部613の開口端(上端)にかけて配置されればよい。
図5Bは、本実施形態の変形例に係る幼虫回収部を示す斜視図である。本変形例に係る幼虫回収部610bにおいて、各溝部620bは、傾斜面620に沿って、底面611(下端)から回収部613の開口端(上端)にかけてスパイラル状に接続するように配置される。本変形例に係る幼虫回収部610bは、各溝部620bがスパイラル状に配置されることで、幼虫が傾斜面620を滑り落ち、ふたたび幼虫飼育用容器600に戻ることを抑制することができる。
【0051】
図5Cは、本実施形態の変形例に係る幼虫回収部を示す拡大断面図である。各溝部620bがスパイラル状の場合、溝部620bから幼虫が落下するのを防ぐため、溝部620bを底面と側面を有する構造とすることが好ましい。
【0052】
溝部620aの最小幅は、例えば、0.5cm以上1.0cm以下の範囲であることが好ましい。溝部620aの深さは、例えば、0.5cm以上であることが好ましい。溝部620aの幅および深さは、例えば回収する幼虫の胴囲によって適宜選択してもよい。この場合、溝部620aの最小幅は、例えば幼虫の胴体の最大径の2倍以上4倍以下の範囲であってもよい。溝部620aの深さは、例えば幼虫の胴体の最大径の2倍以上4倍以下の範囲であってもよい。
【0053】
幼虫回収装置60は、回収部613と、回収部613を囲む傾斜面620とを含んで構成されることで、幼虫飼育用容器600の中に設置することができ、設置位置を自由に決めることができる。そのため、幼虫飼育用容器600の培地の面積に応じて複数の幼虫回収装置60を適宜配置することができ、幼虫回収装置60の生産性を高めることができる。また、幼虫回収装置60は、従来の幼虫飼育用容器600として、従来のトレーを利用することが可能である。従来のトレーは側面が垂直構造であるため、幼虫が幼虫回収装置60の外部に漏れだすことを防ぐことができる。また、幼虫回収装置60は、幼虫回収部610を幼虫飼育用容器600の中に設置するため、幼虫の回収率を高めることができる。
【0054】
[幼虫の飼育及び回収方法]
本実施形態に係る幼虫回収装置60を用いた幼虫の飼育及び回収方法について説明する。幼虫飼育用容器600の内側には幼虫を飼育するための培地が堆積される。培地は、幼虫飼育用容器600底面601の上および幼虫回収部610の傾斜面620の上に堆積される。培地には、昆虫の卵または幼虫が接種される。傾斜面620の上に堆積される培地は、その重みによって底面601の方向に広がる。このため、本実施形態に係る幼虫回収装置60は、傾斜面620の上の培地の温度および含水量を抑制し、かつ底面601上の培地の温度および含水量を保持することが容易となる。
【0055】
幼虫飼育用容器600で育成した幼虫は、幼虫が蛹に変態する時の離散習性を利用して幼虫回収部610に回収する。培地中で飼育される幼虫は蛹になる場所を求めて活発にうねるように這うことで、傾斜面620の上で溝部620aに沿って移動し、幼虫回収部610の上端部に移動する。幼虫回収部610の上端部から落下した幼虫は、幼虫回収部610の回収部613に移動する(
図6B矢印方向)。本実施形態に係る幼虫回収装置60は、幼虫を飼育中の培地が溝部620aの上で底面601の方向に広がることで、幼虫回収部610の傾斜面620上端部付近の培地の含水量を抑制することができる。活発に這いまわる幼虫は含水量が低い領域を好み移動することから、幼虫回収装置60は幼虫の回収効率を向上することができる。本実施形態に係る幼虫回収装置60は、幼虫をより良い状態で育成することができ、幼虫をより効率よく回収することができる。
【0056】
<変形例>
図6および
図7を用いて、上述した各実施形態に係る幼虫回収装置の変形例について説明する。
図6は、本変形例に係る幼虫回収装置を示す断面図である。
図7は、本変形例に係る幼虫回収装置を示す斜視図である。本変形例に係る幼虫回収装置は、さらに各種制御装置を含む。これらの制御装置は上述した各実施形態に適宜組み合わせることができることから、制御装置以外の構成に関しては繰り返しの説明は省略する。
【0057】
図6に示すように、幼虫回収装置82は、幼虫飼育用容器820の傾斜面と対向する面に隣接して加湿器又は加水機823が配置されてもよい。加湿器又は加水機823は、幼虫飼育用容器820の内側から幼虫飼育用容器820の溝部が配置される傾斜面の外側に向けて加湿や加水をするように配置されることが好ましい。
【0058】
幼虫飼育用容器820の培地中で飼育される幼虫は蛹になる場所を求めて活発にうねるように這うことで、斜めに傾斜する傾斜面を上り、傾斜面の端部に移動する。傾斜面の端部から落下した幼虫は、幼虫回収部821に移動する。本実施形態に係る幼虫回収装置82は、幼虫飼育用容器820の傾斜面と対向する面側から加湿や加水をするように加湿器又は加水機823が配置されることで、幼虫飼育用容器820の傾斜面端部付近の培地の含水量を抑制することができる。活発に這いまわる幼虫は含水量が低い領域を好み移動することから、幼虫回収装置82は幼虫の回収効率を向上することができる。
【0059】
図7に示すように、幼虫回収装置84は、幼虫飼育用容器840の内側に電極843が配置されてもよい。電極843は電圧印加装置845に接続されてもよい。電極843は、幼虫飼育用容器840の幼虫飼育用容器840の傾斜面と対向する面側に隣接して配置されることが好ましい。すなわち、電極843は、幼虫飼育用容器840の溝部が配置される傾斜面から離れた位置に配置されることが好ましい。電極843は一対の正極と負極とを有し、電圧印加装置845はこれらの電極843に電圧を印加する。電圧印加は、常時印加してもよいし、連続的なパルス印加(数Hz~100Hz)、間欠的なパルス印加(例えば、1時間に1回の割合での電圧印加)でもよい。または、交流電流を印加してもよいし、間欠的に交流電流を印加してもよい。
【0060】
幼虫飼育用容器840の培地中で飼育される幼虫は蛹になる場所を求めて活発にうねるように這うことで、斜めに傾斜する傾斜面を上り、傾斜面の端部に移動する。傾斜面の端部から落下した幼虫は、幼虫回収部841に移動する。本実施形態に係る幼虫回収装置84は、幼虫飼育用容器840の傾斜面と対向する面側で電圧を印加するように電極843が配置される。幼虫は電圧が印加される領域から離れるように幼虫飼育用容器840の傾斜面端部に移動することから、幼虫回収装置84は幼虫の回収効率を向上することができる。
【0061】
本変形例に係る各幼虫回収装置82、84は、幼虫を効率よく回収することができる。
【0062】
分別した幼虫と培地(有機性廃棄物の残存物)とはそれぞれ別々に回収する。本実施形態に係る幼虫回収装置を用いた幼虫の飼育及び回収方法において回収される幼虫は、良い状態で育成されることから、1固体当たりの重量を向上することができる。幼虫は、より活発に蠕動することから、餌場からの回収効率を向上することができる。この結果、有機性廃棄物100%当たりの幼虫の回収量を向上することができる。回収された幼虫は、動物性たんぱく質源として例えば飼料などに利用することができる。回収される有機性廃棄物の残存物は、有機性廃棄物が幼虫によって食べられ、排泄された低濃度有機分解物である。本実施形態に係る幼虫回収装置を用いた幼虫の飼育及び回収方法において回収される有機性廃棄物の残存物は、幼虫がより良い状態で育成されることから、有機性廃棄物100%当たりの回収量を減少することができる。回収された有機性廃棄物の残存物は、加熱乾燥処理を行うことで、肥料原料として利用することができる。
【0063】
本発明の上述した実施形態および変形例を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0064】
上述した実施形態および変形例によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。