(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059494
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、医用情報処理方法、医用情報処理プログラム、及び医用情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20220406BHJP
G16H 50/70 20180101ALI20220406BHJP
G16H 50/50 20180101ALI20220406BHJP
【FI】
G16H50/20
G16H50/70
G16H50/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167287
(22)【出願日】2020-10-01
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】520079164
【氏名又は名称】勝俣 良紀
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 良紀
(72)【発明者】
【氏名】白石 泰之
(72)【発明者】
【氏名】後藤 信一
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA04
5L099AA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】心臓に関連する診断支援情報を適切に提供する、医用情報処理装置、医用情報処理方法、医用情報処理プログラム及び医用情報処理システムを提供する。
【解決手段】医用情報処理装置100は、取得部111と、判定部113と、出力制御部114とを備える。取得部111は、第1対象者の第1拍動情報を取得し、判定部113は、複数の第2対象者の第2拍動情報と、複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いて機械学習された学習済みモデルに対して、第1拍動情報を入力することで、第1対象者の心拍に関する判定結果を生成する。出力制御部114は、判定結果に基づいて、第1対象者の診断を支援する診断支援情報を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1対象者の第1拍動情報を取得する取得部と、
複数の第2対象者の第2拍動情報と、前記複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いて機械学習された学習済みモデルに対して、前記第1拍動情報を入力することで、前記第1対象者の心拍に関する判定結果を生成する判定部と、
前記判定結果に基づいて、前記第1対象者の診断を支援する診断支援情報を出力する出力制御部と
を備える、医用情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記第1拍動情報として、少なくとも1心拍分の心電情報を取得する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の第2対象者の第2拍動情報と、前記複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いた機械学習によって、前記学習済みモデルを生成する学習部を更に備える、
請求項1又は2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記学習部は、心電波形のパターンを解析する第1学習モデルと、時系列データを解析する第2学習モデルとを含む機械学習によって、前記学習済みモデルを生成する、
請求項3に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記学習部は、前記第2拍動情報と前記関連情報とを含む学習用データに対して、前記機械学習として、前記第1学習モデル、前記第2学習モデル、前記第1学習モデル、前記第1学習モデル、及び前記第2学習モデルを順に実行することで、前記学習済みモデルを生成する、
請求項4に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記判定結果として、
前記第1対象者の心拍に関する現在の状態を表す現在状態情報、及び
前記第1対象者の心拍に関する将来の状態を表す将来状態情報、
のうち少なくとも一つを判定する、
請求項1~5のいずれか一つに記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記現在状態情報として、
前記第1対象者が所定の疾患であるか否かを示す情報、
前記第1対象者の心拍の状態に応じた治療方法を示す情報、
前記第1対象者の運動中の心拍の状態を示す情報、
のうち少なくとも一つを判定する、
請求項6に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記判定部は、
前記将来状態情報として、
前記第1対象者が心臓突然死によって亡くなるまでの期間を示す情報、
前記第1対象者が所定期間後に心臓突然死によって亡くなる確率を示す情報、
前記第1対象者が所定の心血管疾患を発症するまでの期間を示す情報、
前記第1対象者が所定期間後に所定の心血管疾患を発症する確率を示す情報、
前記第1対象者の現在の心血管疾患の状態が改善するまでの期間を示す情報、及び
前記第1対象者の現在の心血管疾患の状態が悪化するまでの期間を示す情報
のうち少なくとも一つを判定する、
請求項6又は7に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
前記判定結果に基づいて、運動提供装置における運動負荷の調整量を決定する決定部を更に備える、
請求項1~8のいずれか一つに記載の医用情報処理装置。
【請求項10】
前記出力制御部は、前記判定結果と既存の第1指標とを組み合わせた新たな第2指標を出力する、
請求項1~9のいずれか一つに記載の医用情報処理装置。
【請求項11】
第1対象者の第1拍動情報を取得し、
複数の第2対象者の第2拍動情報と、前記複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いて機械学習された学習済みモデルに対して、前記第1拍動情報を入力することで、前記第1対象者の心拍に関する判定結果を生成し、
前記判定結果に基づいて、前記第1対象者の診断を支援する診断支援情報を出力する
ことを含む、医用情報処理方法。
【請求項12】
第1対象者の第1拍動情報を取得し、
複数の第2対象者の第2拍動情報と、前記複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いて機械学習された学習済みモデルに対して、前記第1拍動情報を入力することで、前記第1対象者の心拍に関する判定結果を生成し、
前記判定結果に基づいて、前記第1対象者の診断を支援する診断支援情報を出力する
各処理をコンピュータに実行させる、医用情報処理プログラム。
【請求項13】
第1対象者の第1拍動情報を取得する取得部と、
複数の第2対象者の第2拍動情報と、前記複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いて機械学習された学習済みモデルに対して、前記第1拍動情報を入力することで、前記第1対象者の心拍に関する判定結果を生成する判定部と、
前記判定結果に基づいて、前記第1対象者の診断を支援する診断支援情報を出力する出力制御部と
を備える、医用情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理方法、医用情報処理プログラム、及び医用情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
循環器医療では、心室細動などの致死性の重症不整脈に突然見舞われて死に至る「心臓突然死」が問題となっている。心臓突然死は、例えば、植え込み型除細動器を患者の胸部に植え込んでおくことで、発生した重症不整脈に対処し、突然死を防ぐことができる。しかしながら、植え込み型除細動器の利用には費用がかかるうえ、植え込み時だけでなく電池交換時にも手術を要するなど、患者に様々な負担を強いることになる。このため、植え込み型除細動器は、心臓突然死の発生確率が高い患者に対して選択的に利用されるのが望ましい。
【0003】
また、循環器医療では、心疾患等により低下した心機能を改善するために、心臓リハビリテーション(「心リハ」とも表記する)が行われている。例えば、心リハとしては、自転車エルゴメーターやトレッドミル等の運動器具を用いた有酸素運動が行われる。心リハでは、心臓に過度の負担がかからないよう配慮する必要があるが、その一方で、心機能を向上させるために適度な負担をかける必要もある。このため、心リハは、医師や理学療法士等の医療従事者の監督のもと運動負荷(「運動レベル」とも表記する)が管理され、提供されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Shinichi Goto,Mai Kimura,Yoshinori Katsumata,Shinya Goto,Takashi Kamatani,Genki Ichihara,Seien Ko,Junichi Sasaki,Keiichi Fukuda,Motoaki Sano. “Artificial intelligence to predict needs for urgent revascularization from 12-leads electrocardiography in emergency patients” PLOS ONE | https://doi.org/10.1371/journal.pone.0210103 January 9, 2019.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、心臓突然死の発生を予測することは難しく、適切な患者に植え込み型除細動器を提供できているとは言い難い。また、体調は毎日変化するため、当日の体調に合わせた運動負荷を日々提供することは難しい。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、心臓に関連する診断支援情報を適切に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1対象者の第1拍動情報を取得する取得部と、複数の第2対象者の第2拍動情報と、前記複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いて機械学習された学習済みモデルに対して、前記第1拍動情報を入力することで、前記第1対象者の心拍に関する判定結果を生成する判定部と、前記判定結果に基づいて、前記第1対象者の診断を支援する診断支援情報を出力する出力制御部とを備える、医用情報処理装置である。
【0008】
また、本発明は、第1対象者の第1拍動情報を取得し、複数の第2対象者の第2拍動情報と、前記複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いて機械学習された学習済みモデルに対して、前記第1拍動情報を入力することで、前記第1対象者の心拍に関する判定結果を生成し、前記判定結果に基づいて、前記第1対象者の診断を支援する診断支援情報を出力することを含む、医用情報処理方法である。
【0009】
また、本発明は、第1対象者の第1拍動情報を取得し、複数の第2対象者の第2拍動情報と、前記複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いて機械学習された学習済みモデルに対して、前記第1拍動情報を入力することで、前記第1対象者の心拍に関する判定結果を生成し、前記判定結果に基づいて、前記第1対象者の診断を支援する診断支援情報を出力する各処理をコンピュータに実行させる、医用情報処理プログラムである。
【0010】
また、本発明は、第1対象者の第1拍動情報を取得する取得部と、複数の第2対象者の第2拍動情報と、前記複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いて機械学習された学習済みモデルに対して、前記第1拍動情報を入力することで、前記第1対象者の心拍に関する判定結果を生成する判定部と、前記判定結果に基づいて、前記第1対象者の診断を支援する診断支援情報を出力する出力制御部とを備える、医用情報処理システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、心臓に関連する診断支援情報を適切に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置により行われる学習時及び運用時の処理を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置における学習時の処理手順を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る学習部の処理を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る学習部の処理を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置における運用時の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る出力制御部の処理を説明するための図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る出力制御部の処理を説明するための図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置による効果を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置による効果を説明するための図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る運動提供装置及び医用情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係る学習済みモデルについて説明するための図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態に係る医用情報処理装置における運用時の処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第2の実施形態の変形例に係る学習部の処理を説明するための図である。
【
図16】
図16は、第2の実施形態の変形例に係る学習部の処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態に係る医用情報処理装置、医用情報処理方法、医用情報処理プログラム、及び医用情報処理システムを説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用可能である。
【0014】
(第1の実施形態)
図1を用いて、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100の構成例を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100の構成例を示す図である。なお、
図1の構成例はあくまで一例であり、実施形態は図示の内容に限定されるものではない。
【0015】
図1において、医用情報処理装置100は、医師等のユーザ(利用者)が操作する情報処理装置である。情報処理装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン、タブレット端末等が挙げられる。医用情報処理装置100は、拍動情報を処理する「拍動情報処理装置」、又は拍動情報を解析する「拍動情報解析装置」などと言い換えることができる。また、利用者としては、主に医師であるが、例えば、医療機関に勤務する医療従事者であっても良い。
【0016】
医用情報処理装置100は、入力部101、出力部102、通信部103、記憶部104、及び処理部110を備える。入力部101、出力部102、通信部103、記憶部104、及び処理部110は、互いに接続される。
【0017】
入力部101は、医用情報処理装置100のユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理部110に出力する電子機器である。例えば、入力部101は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。
【0018】
出力部102は、各種の情報を出力する電子機器である。例えば、出力部102は、情報を画像として出力するディスプレイ、音声として出力するスピーカ、振動パターンとして出力するバイブレータ等により実現される。
【0019】
通信部103は、医用情報処理装置100と外部装置との間で行われる通信を制御する電子機器である。例えば、通信部103は、心電計103aと任意の通信方式によって接続され、心電計103aとの間で各種の情報の送受信を行う。通信部103は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0020】
ここで、心電計103aは、対象者の心電信号(電位)を検出するセンサを備える心電図測定装置である。例えば、心電計103aは、対象者の12誘導心電図を記録する。具体的には、心電計103aは、対象者の心電信号を1000Hzで検出し、心電信号の時系列変化を表す心電情報を生成する。心電計103aは、生成した心電情報を医用情報処理装置100へ送信する。なお、心電情報は、心臓の拍動の様子を表す拍動情報の一例である。
【0021】
なお、心電計103aは、必ずしも医用情報処理装置100に接続されなくとも良い。例えば、心電計103aによって収集された心電情報は、DVD(Digital Versatile Disc)等、任意の可搬性記録媒体を介して医用情報処理装置100に格納されても良い。
【0022】
また、心電情報は、必ずしも心電計103aによって生成されなくても良い。例えば、心電情報は、医用情報処理装置100によって生成可能である。この場合、心電計103aは、対象者の心電信号を経時的に検出し、検出した心電信号を医用情報処理装置100へ送信する。医用情報処理装置100は、心電計103aから送信された心電情報に基づいて、心電情報を生成する。
【0023】
また、心電情報は、必ずしも12誘導心電図に限らず、ホルター心電図、1誘導(単誘導)心電図、加算平均心電図など、任意の方法で計測可能である。また、心電計103aは、対象者が装着可能なウェアラブル心電計であっても良い。また、心電情報は、安静時に計測された情報であっても良いし、運動時、或いは運動後に計測された情報であっても良い。
【0024】
記憶部104は、各種の情報を記憶する電子機器である。例えば、記憶部104は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。また、記憶部104は、処理部110がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。
【0025】
処理部110は、各種の情報処理機能を備えた電子機器(プロセッサ)である。例えば、処理部110は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路によって実現される。
【0026】
例えば、処理部110は、取得部111、学習部112、判定部113、及び出力制御部114を備える。取得部111、学習部112、判定部113、及び出力制御部114の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶部104に記憶されている。処理部110は、各処理機能に対応するプログラムを記憶部104から読み出して実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現することができる。なお、処理部110の各処理機能については、
図3を用いて後述する。
【0027】
なお、
図1に示した内容はあくまで一例であり、図示の内容に限定されるものではない。例えば、処理部110が備える取得部111、学習部112、判定部113、及び出力制御部114の各処理機能は、互いに統合・分散することができる。また、処理部110が備える取得部111、学習部112、判定部113、及び出力制御部114のうち一部の処理機能を、医用情報処理装置100とは別体として設けられた医用情報処理装置にて実行することも可能である。つまり、取得部111、学習部112、判定部113、及び出力制御部114の各処理機能は、複数の医用情報処理装置にて分散的に実行される医用情報処理システムとして実現することも可能である。
【0028】
図2を用いて、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100により行われる学習時及び運用時の処理を説明する。
図2は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100により行われる学習時及び運用時の処理を示す図である。
【0029】
図2の上段に示すように、学習時には、医用情報処理装置100は、例えば、対象者S-1~S-Nの拍動情報及び関連情報を学習用データ(訓練用データ)として用いて機械学習を行う。ここで、対象者S-1~S-Nの拍動情報は、例えば、心電計103aによって収集される心電情報である。また、対象者S-1~S-Nの関連情報は、例えば、「心臓突然死によって3年以内に亡くなったか否かを示す情報」である。医用情報処理装置100は、この機械学習により、対象者の心電情報の入力により、対象者が心臓突然死によって3年以内に亡くなるか否かを示す情報(判定結果)を出力する学習済みモデルを構築する。この学習済みモデルは、記憶部104に格納される。
【0030】
そして、
図2の下段に示すように、運用時には、医用情報処理装置100は、対象者S-Xの拍動情報を、学習時に構築した学習済みモデルに対して入力することで、学習済みモデルに対象者S-Xの判定結果を出力させる。そして、医用情報処理装置100は、学習済みモデルから出力された対象者S-Xの判定結果、つまり、対象者S-Xが心臓突然死によって3年以内に亡くなるか否かを示す情報をユーザに提示する。
【0031】
なお、
図2に示した内容はあくまで一例であり、図示の内容に限定されるものではない。例えば、
図2では、関連情報として「心臓突然死によって3年以内に亡くなったか否かを示す情報」を利用する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、関連情報としては、対象者の心拍に関する情報を広く適用可能である。関連情報の他の例については、後述する。
【0032】
以下、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100の各処理機能について説明する。以下では先ず、学習済みモデルを生成する学習時の処理について説明し、次に、学習済みモデルを用いて判定結果を出力する運用時の処理について説明する。
【0033】
なお、以下の実施形態において、対象者S-1~S-N、及び対象者S-Xは、典型的には心疾患を有する患者であるが、これに限定されるものではない。例えば、学習時における対象者S-1~S-Nは、心臓突然死によって亡くなった人物を含む集団であれば良い。また、運用時における対象者S-Xは、健常者であっても良い。
【0034】
また、以下の実施形態では、学習時における対象者S-1~S-Nと、運用時における対象者S-Xとを書き分けて説明する。対象者S-Xは、基本的には対象者S-1~S-Nとは別の人物であるが、対象者S-1~S-Nのうちいずれかと同一人物であっても良い。なお、対象者S-Xは、第1対象者とも記載する。対象者S-1~S-Nは、第2対象者とも記載する。
【0035】
図3を用いて、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100における学習時の処理手順を説明する。
図3は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100における学習時の処理手順を示すフローチャートである。
図3に示す処理は、例えば、機械学習を開始する旨の指示をユーザから受け付けた場合に開始される。
【0036】
図3に示すように、医用情報処理装置100において、処理部110は、処理タイミングか否かを判定する(ステップS101)。例えば、処理部110は、機械学習を開始する旨の指示をユーザから受け付けた場合に、処理タイミングであると判定する(ステップS101,Yes)。なお、機械学習を開始する旨の指示をユーザから受け付けるまでは、処理タイミングでないと判定し(ステップS101,No)、処理部110は、ステップS102以降の処理を実行せず、待機状態である。
【0037】
処理タイミングであると判定した場合(ステップS101,Yes)、取得部111は、対象者S-1~S-Nそれぞれの拍動情報及び関連情報を記憶部104から読み出す(ステップS102)。具体的には、取得部111は、対象者S-1~S-Nそれぞれについて、心電情報と、関連情報「心臓突然死によって3年以内に亡くなったか否かを示す情報」とを記憶部104から読み出す。なお、取得部111によって読み出される各種の情報(拍動情報及び関連情報)は、予め記憶部104に記憶されている。
【0038】
続いて、学習部112は、拍動情報及び関連情報を学習用データとした機械学習によって学習済みモデルを生成する(ステップS103)。具体的には、学習部112は、対象者S-1~S-Nそれぞれの心電情報と、関連情報「心臓突然死によって3年以内に亡くなったか否かを示す情報」とを用いて機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。
【0039】
図4及び
図5を用いて、第1の実施形態に係る学習部112の処理を説明する。
図4及び
図5は、第1の実施形態に係る学習部112の処理を説明するための図である。
【0040】
図4の上段に示すように、心電情報は、例えば、各対象者の心電信号(電位)が1msecごとに検出された心電波形として記録されている。学習部112は、この心電波形を数値データに変換する。具体的には、学習部112は、
図4の下段に示すように、ある10秒間に含まれる心電波形について、時間(計測時間)と電位とが対応付けられた時系列数値データに変換する。
【0041】
そして、学習部112は、10秒間の心電情報(時系列数値データ)に対して、関連情報に基づくラベリングを行う。例えば、学習部112は、心電情報の検出時点から起算して3年以内に心臓突然死によって対象者が亡くなった場合に、当該心電情報に対して「1」をラベリングする。また、学習部112は、心電情報の検出時点から起算して3年以内に心臓突然死によって対象者が亡くならなかった場合に、当該心電情報に対して「0」をラベリングする。
【0042】
このように、学習部112は、それぞれの対象者S-1~S-Nについて、10秒間の心電情報に対して、心臓突然死に基づくラベリングを行う。そして、学習部112は、ラベリングされた10秒間の心電情報を用いて機械学習を行って、学習済みモデルを生成する。
【0043】
例えば、学習部112は、
図5に示す学習モデルを用いて機械学習を行う。
図5において、「Convolution 1D(one-Dimensional)」は、心電波形のパターンを解析する学習モデル(第1学習モデル)であり、1次元畳み込みニューラルネットワークに対応する。また、「Bidirectional LSTM(Long Short-Term Memory)」は、時系列データを解析する学習モデル(第2学習モデル)であり、時系列データの各データについて、未来方向及び過去方向のそれぞれで連続するデータを学習する。なお、「ECG(Electrocardiogram)」は、学習用データである心電情報である。また、「Dense」は、全結合層である。また、「SCD(Sudden Cardiac Death)」は、心臓突然死によって所定期間内に無くなったか否かを示す情報である。
【0044】
図5に示す例では、学習部112は、学習用データに対して、「Convolution 1D」、「Bidirectional LSTM」、「Convolution 1D」、「Convolution 1D」、「Bidirectional LSTM」、及び「Dense」の順に実行し、学習済みモデルを生成する。
【0045】
このように、学習部112は、対象者S-1~S-Nの拍動情報と、対象者S-1~S-Nの心拍に関する関連情報とを用いた機械学習によって、学習済みモデルを生成する。
【0046】
なお、
図4及び
図5に示した内容はあくまで一例であり、図示の内容に限定されるものではない。例えば、
図4では、10秒間の心電情報が用いられる場合を説明したが、これに限らず、少なくとも1心拍分の心電情報があれば、任意の期間の心電情報が利用可能である。また、
図4では、1000Hzの心電情報が用いられる場合を説明したが、これに限らず、任意の時間間隔(周波数)で検出された心電情報が利用可能である。
【0047】
また、
図5に示した学習モデルの種類、数、及び順序については、任意に変更可能である。ただし、心電情報(時系列データ)を扱う場合には、学習部112は、心電波形のパターンを解析する学習モデルと、時系列データを解析する学習モデルとを含む機械学習を行うのが好適である。
【0048】
図3の説明に戻る。学習部112は、学習済みモデルを記憶部104に格納する(ステップS104)。記憶部104に格納された学習済みモデルは、任意のタイミングで読み出され、利用可能である。また、学習済みモデルは、医用情報処理装置100とは別体で設けられた任意の医用情報処理装置に転送・格納することで、転送先の医用情報処理装置においても利用可能である。
【0049】
図6を用いて、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100における運用時の処理手順を説明する。
図6は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100における運用時の処理手順を示すフローチャートである。
図6に示す処理は、例えば、診断支援情報を表示する旨の指示をユーザから受け付けた場合に開始される。
【0050】
図6に示すように、医用情報処理装置100において、処理部110は、処理タイミングか否かを判定する(ステップS201)。例えば、処理部110は、診断支援情報を表示する旨の指示をユーザから受け付けた場合に、処理タイミングであると判定する(ステップS201,Yes)。なお、診断支援情報を表示する旨の指示をユーザから受け付けるまでは、処理タイミングでないと判定し(ステップS201,No)、処理部110は、ステップS202以降の処理を実行せず、待機状態である。
【0051】
処理タイミングであると判定した場合(ステップS201,Yes)、取得部111は、対象者S-Xの拍動情報を記憶部104から読み出す(ステップS202)。例えば、取得部111は、対象者S-Xの心電情報を記憶部104から読み出すことで取得する。
【0052】
なお、対象者S-Xの心電情報は、リアルタイムで計測された情報であっても良いし、予め計測された情報であっても良い。また、ここで読み出される拍動情報は、学習用データで用いた拍動情報と同一条件(測定方法、期間、周波数等)で計測された情報であるのが好適である。
【0053】
続いて、判定部113は、対象者S-Xの拍動情報を学習済みモデルに入力することで、対象者S-Xの関連情報を判定する(ステップS203)。例えば、判定部113は、記憶部104から学習済みモデルを読み出す。そして、判定部113は、読み出した学習済みモデルに対して、取得部111によって取得された対象者S-Xの心電情報を入力することで、対象者S-Xの関連情報についての判定結果を学習済みモデルに出力させる。具体的には、学習済みモデルは、入力された対象者S-Xの心電情報が、「0」がラベリングされた心電情報に類似するか、「1」がラベリングされた心電情報に類似するかを判定し、判定結果として「0」又は「1」を出力する。その後、判定部113は、学習済みモデルから出力された判定結果を出力制御部114へ送る。
【0054】
なお、判定結果「1」は、対象者S-Xの心電情報が、3年以内に心臓突然死によって亡くなった対象者の心電情報に類似することを示す。また、判定結果「0」は、対象者S-Xの心電情報が、3年以内に心臓突然死によって亡くならなかった対象者の心電情報に類似することを示す。言い換えると、判定部113は、対象者S-Xが3年以内に心臓突然死によって亡くなるか否かを判定する。
【0055】
そして、出力制御部114は、対象者S-Xの関連情報(判定結果)に基づいて、診断支援情報を生成する(ステップS204)。例えば、出力制御部114は、対象者S-Xの判定結果に応じた治療方法を示す情報を生成する。
【0056】
図7を用いて、第1の実施形態に係る出力制御部114の処理を説明する。
図7は、第1の実施形態に係る出力制御部114の処理を説明するための図である。
図7には、関連情報に応じた治療方法が記憶されたテーブルT10を例示する。なお、テーブルT10は、例えば、記憶部104に予め記憶されている。
【0057】
図7に示すように、テーブルT10は、判定結果と、治療方法とが対応付けられた情報である。関連情報としては、例えば、学習済みモデルにより出力されるラベル「0」又は「1」が格納される。治療方法としては、例えば、植え込み型除細動器の利用が推奨されるか否かを示す情報が格納される。
【0058】
例えば、判定結果が「1」である場合には、出力制御部114は、テーブルT10を参照し、関連情報「1」に対応する治療方法「植え込み型除細動器推奨」を読み出す。また、判定結果が「0」である場合には、出力制御部114は、テーブルT10を参照し、関連情報「0」に対応する治療方法「植え込み型除細動器非推奨」を読み出す。
【0059】
なお、
図7に示した内容はあくまで一例であり、図示の内容に限定されるものではない。例えば、治療方法を示す情報は、診断支援情報の一例であるが、これに限定されるものではない。例えば、診断支援情報としては、判定結果に応じた生活を指導するための情報、判定結果に応じた運動時間など、任意の情報を設定し、テーブルT10に予め登録しておくことができる。
【0060】
そして、出力制御部114は、診断支援情報を表示する(ステップS205)。例えば、出力制御部114は、
図8に示すように、「3年以内に心臓突然死が発生する可能性が高いです。植え込み型除細動器による治療を推奨します。」というメッセージM10を、出力部102に表示させる。なお、
図8は、第1の実施形態に係る出力制御部114の処理を説明するための図である。
【0061】
なお、出力制御部114によって出力される診断支援情報は、
図8のメッセージM10に限定されるものではない。例えば、出力制御部114は、診断支援情報として、判定部113による判定結果、判定結果に応じた生活を指導するための情報、判定結果に応じた運動時間など、テーブルによって対応付け可能な任意の情報を出力可能である。一例を挙げると、出力制御部114は、メッセージM10を表示せず、対象者S-Xが3年以内に心臓突然死によって亡くなるか否かの判定結果のみを表示しても良い。
【0062】
上述してきたように、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100において、取得部111は、第1対象者の第1拍動情報を取得する。判定部113は、複数の第2対象者の第2拍動情報と、複数の第2対象者の心拍に関する関連情報とを用いて機械学習された学習済みモデルに対して、第1拍動情報を入力することで、第1対象者の心拍に関する判定結果を生成する。出力制御部114は、判定結果に基づいて、第1対象者の診断を支援する診断支援情報を出力する。これによれば、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100は、心臓に関連する診断支援情報を適切に提供することができる。
【0063】
例えば、医用情報処理装置100は、対象者の心電情報を学習済みモデルに入力することで、心臓突然死の発生に関する判定結果を生成し、ユーザに提示する。このため、ユーザは、心臓突然死の発生に関する判定結果を参照した上で患者に対して植え込み型除細動器を提供することができる。したがって、医用情報処理装置100は、心臓に関連する診断支援情報を適切に提供することができる。
【0064】
図9及び
図10を用いて、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100による効果を説明する。
図9及び
図10は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100による効果を説明するための図である。
【0065】
図9には、テストコホートにおけるROC(Receiver Operating Characteristic)曲線を示す。
図9において、破線は、従来利用されている駆出率(EF)とNYHA(New York Heart Association)分類によって描出したROC曲線である。また、実線は、駆出率(EF)とNYHA分類に加え、本実施形態に係る医用情報処理装置100(学習済みモデル)による心臓突然死の判定結果を踏まえて描出したROC曲線である。
【0066】
図9において、破線のROC曲線のAUC(Area Under the Curve)は、「0.56」であったが、実線のROC曲線のAUCは、「0.66」であった。この結果から、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、従来の心臓突然死の予測方法と比較して、心臓突然死を高確率で判定したと言える。
【0067】
また、
図10には、分位数を用いて心臓突然死と他の死亡(全死亡)の比率の比較を示す。
図10のグラフは、駆出率(EF)、NYHA分類、及び、医用情報処理装置100による心臓突然死の判定結果に基づいて心臓突然死による死亡確率を算出し、算出した死亡確率が低い方から順に「1st tertile」、「2nd tertile」、及び「3rd tertile」の3グループに分け、実際に心臓突然死で亡くなった人数と比率を示したものである。
【0068】
図10に示すように、3つのグループでは対象者の数は概ね同じであるにもかかわらず、死亡確率が最も高いと推定さえた「3rd tertile」において、心臓突然死で亡くなった人の比率が「27.1%」となり、他のグループと比較して有意な違いが認められた。この結果、本実施形態に係る医用情報処理装置100によって心臓突然死による死亡確率を算出し、「3rd tertile」に該当する対象者に植え込み型除細動器による治療を推奨することで、適切な患者に植え込み型除細動器を提供することが可能となる。
【0069】
なお、第1の実施形態では、拍動情報の一例として心電情報が利用される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。拍動情報としては、対象者の脈波信号の時系列変化を表す脈波情報が利用されても良い。脈波信号は、例えば、反射型又は透過型の光電脈波法によって検出される生体信号である。
【0070】
また、上記の実施形態では、判定結果が「0」又は「1」によって出力される場合を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、判定部113は、「0」及び「1」に限らず、連続的な値(スコア)を判定結果として出力することも可能である。具体的には、判定部113は、心電波形を任意数のカテゴリー(例えば、A、B、C、Dの4つのいずれか)に分類しておき、対象者S-Xの心電波形がいずれのカテゴリーに類似するかを判定結果として出力することもできる。また、判定部113は、例えば10~300の間のパラメータ(連続値)を心電波形に対して割り当てておき、対象者S-Xの心電波形が類似する心電波形に基づくパラメータを判定結果として出力することもできる。
【0071】
また、「医用」とは、対象者が患者に限定されることを意図したものではない。本実施形態に係る医用情報処理装置100の処理機能は、対象者の循環器疾患の発症予防や健康維持などに広く適用可能である。このため、本実施形態に係る医用情報処理装置100の処理機能は、対象者が健常者である場合にも適用可能である。
【0072】
(第1の実施形態の変形例1)
第1の実施形態では、対象者S-Xが3年以内に心臓突然死によって亡くなるか否かを判定する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、学習用データとして用いる関連情報として任意の情報を設定することで、拍動情報の入力によって設定された関連情報についての判定結果を得ることができる。
【0073】
例えば、判定部113は、判定結果として、第1対象者の心拍に関する現在の状態を表す「現在状態情報」、及び、第1対象者の心拍に関する将来の状態を表す「将来状態情報」のうち少なくとも一つを判定する。
【0074】
具体的には、現在状態情報として、第1対象者が所定の疾患であるか否かを示す情報(第1情報)、第1対象者の心拍の状態に応じた治療方法を示す情報(第2情報)、第1対象者の運動中の心拍の状態を示す情報(第3情報)のうち少なくとも一つが挙げられる。
【0075】
第1情報としては、例えば、対象者S-Xが心血管疾患の有無や精神状態を示す情報が挙げられる。心血管疾患は、不整脈(心房細動、房室ブロックなど)、狭心症、心筋梗塞などを含む。また、精神状態は、うつ病、認知症などの精神疾患、疲労度、ストレス度、睡眠不足などを含む。第2情報としては、例えば、カテーテル治療の有無を示す情報や、埋め込み型除細動器による治療の適否を示す情報、心移植の適応になるか否かを示す情報などが挙げられる。第3情報としては、例えば、対象者S-Xの運動中の心拍の状態が嫌気性代謝閾値、無酸素性作業閾値、乳酸蓄積開始点性閾値、及び呼吸性代償開始点のうち少なくとも一つに到達したか否かを示す情報である。
【0076】
また、将来状態情報として、第1対象者が心臓突然死によって亡くなるまでの期間を示す情報(第4情報)、第1対象者が所定期間後に心臓突然死によって亡くなる確率を示す情報(第5情報)、第1対象者が所定の心血管疾患を発症するまでの期間を示す情報(第6情報)、第1対象者が所定期間後に所定の心血管疾患を発症する確率を示す情報(第7情報)、第1対象者の現在の心血管疾患の状態(心不全、心収縮、運動耐容能など)が改善するまでの期間を示す情報(第8情報)、及び第1対象者の現在の心血管疾患の状態が悪化するまでの期間を示す情報(第9情報)のうち少なくとも一つが挙げられる。
【0077】
第4情報としては、第1の実施形態にて説明した「対象者S-Xが3年以内に心臓突然死によって亡くなるか否かを示す情報」が挙げられるが、亡くなるまでの期間については任意に設定可能である。第5情報としては、例えば、「対象者S-Xが3年後に心臓突然死によって亡くなる確率を示す情報」が挙げられるが、亡くなるまでの期間については任意に設定可能である。なお、「確率」は、例えば、入力された対象者S-Xの心電情報が、「1」がラベリングされた心電情報に類似する度合いに基づいて算出(スコア化)されるのが好適である。第6情報としては、「対象者S-Xが、所定期間以内に、不整脈、狭心症、心筋梗塞などを含む心血管疾患を発症するかを示す情報」が挙げられるが、発症するまでの期間については任意に設定可能である。第7情報としては、「対象者S-Xが、所定期間後に、不整脈、狭心症、心筋梗塞などを含む心血管疾患を発症する確率を示す情報」が挙げられるが、発症するまでの期間については任意に設定可能である。第8情報としては、「対象者S-Xが、所定期間以内に、心不全、心収縮、運動耐容能など現在の状態が改善するか否かを示す情報」が挙げられるが、改善するまでの期間については任意に設定可能である。第9情報としては、「対象者S-Xが、所定期間以内に、心不全、心収縮、運動耐容能など現在の状態が悪化するか否かを示す情報」が挙げられるが、悪化するまでの期間については任意に設定可能である。
【0078】
なお、第5情報及び第6情報については、心臓突然死に限らず、「全死亡(全ての原因による死亡)」であっても良い。また、期間については、拍動情報の検出時点を開始時点として起算するのが好適である。
【0079】
(第1の実施形態の変形例2)
また、医用情報処理装置100は、
図9及び
図10にて示した指標値を自動的に算出して出力することも可能である。つまり、出力制御部114は、判定結果と既存の指標(第1指標)とを組み合わせた新たな指標(第2指標)を算出する。そして、出力制御部114は、算出した新たな指標を出力する。
【0080】
例えば、判定部113は、判定結果として、対象者S-Xが3年以内に心臓突然死によって亡くなる可能性を示すスコアを出力する。このスコアは、例えば、3年以内に心臓突然死によって亡くなった対象者の心電波形との類似度に基づいて算出可能である。
【0081】
また、出力制御部114は、駆出率(EF)及びNYHA分類に基づく既存の第1指標を取得する。ここで、駆出率(EF)及びNYHA分類に基づく既存の第1指標は、判定部113によって得られるスコアと同様に、3年以内に心臓突然死によって亡くなる可能性を表すものであり、対象者S-XのEFと心不全のNYHA分類に基づいて公知の算出方法により算出される。第1指標は、ユーザによって入力されても良いし、第1指標を自動算出するアプリケーションから取得されても良い。
【0082】
そして、出力制御部114は、判定部113によって出力されたスコアと、第1指標とを組み合わせることで、新たな第2指標を算出する。第2指標は、例えば、平均や重み付け平均によって算出されても良いし、任意の関数に入力することで算出されても良い。そして、出力制御部114は、算出した第2指標を、診断支援情報として出力する。
【0083】
このように、医用情報処理装置100は、学習済みモデルによって得られるスコアを、同様の趣旨で算出される既存の指標と組み合わせることで、より正確な指標を算出し、出力することができる。
【0084】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、対象者の心電情報に基づいて心臓突然死の発生に関する判定結果を提示する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。第2の実施形態では、運動中の対象者の心電情報に基づいて嫌気性代謝閾値(AT:Anaerobic Threshold)を判定することで、運動負荷を適切に調整する場合を説明する。なお、嫌気性代謝閾値とは、運動負荷を徐々に上げていった際に、有酸素運動から無酸素運動に切り替わる転換点である。嫌気性代謝閾値より一段階程度軽い運動負荷であれば、心臓に過度の負担がかからない一方で、心機能を向上させるために適度な負担となると考えられる。
【0085】
図11を用いて、第2の実施形態に係る医用情報処理システム10の構成例を説明する。
図11は、第2の実施形態に係る医用情報処理システム10の構成例を示す図である。
【0086】
図11に示すように、例えば、医用情報処理システム10は、対象者S-Xの当日の体調に合わせた運動負荷での運動を提供するための装置群である。ここで、対象者S-Xは、例えば、心臓リハビリテーション(「心リハ」とも表記する)を行う者(例えば、心疾患患者)であるが、これに限定されるものではない。つまり、医用情報処理システム10は、当日の体調に合わせた運動負荷での運動を望む者であれば、心疾患患者に限らず健常者であっても利用可能である。
【0087】
医用情報処理システム10は、ウェアラブル心電計200、運動提供装置300、及び医用情報処理装置400を備える。ウェアラブル心電計200、運動提供装置300、及び医用情報処理装置400は、任意の通信方式により互いに通信可能に接続される。なお、対象者S-Xは、医用情報処理システム10の構成に含まれない。
【0088】
ウェアラブル心電計200は、対象者S-Xが装着可能な心電計である。例えば、ウェアラブル心電計200は、対象者S-Xの体表面に貼付可能なセンサ(電極)を備え、例えば、1誘導(単誘導)心電図法によって対象者S-Xの心電情報を収集する。ウェアラブル心電計200によって収集された対象者S-Xの心電情報は、医用情報処理装置400に送信され、記憶部404に格納される。なお、ウェアラブル心電計200は、対象者S-Xの運動中の心電情報を収集可能な点を除き、基本構成は
図1に示した心電計103aと同様であるので、説明を省略する。
【0089】
なお、ウェアラブル心電計200は、対象者S-Xが所持しているスマートフォンやタブレット端末、他のウェアラブルデバイスなどの情報処理装置と連携することで、心電情報を収集・送信可能な装置であっても良い。
【0090】
運動提供装置300は、運動負荷を調整可能な機能を備えた運動器具である。例えば、運動提供装置300は、トレッドミルである。なお、運動提供装置300は、トレッドミルに限らず、自転車エルゴメーターや他の有酸素運動を提供するための運動器具であっても良い。
【0091】
医用情報処理装置400は、対象者S-Xの運動中の拍動情報を入力することで、対象者S-Xの運動中の心拍の状態を示す情報を出力する学習済みモデルを備える情報処理端末である。情報処理装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン、タブレット端末等が挙げられる。例えば、対象者S-Xの心リハを監督する立場にある者(医師、理学療法士等)や、対象者S-Xの運動を指導する者(パーソナルトレーナー等)が操作する情報処理装置であっても良いし、ネットワーク上(クラウド上)に設けられたサーバ装置等であっても良い。
【0092】
図12を用いて、第2の実施形態に係る運動提供装置300及び医用情報処理装置400の構成例を説明する。
図12は、第2の実施形態に係る運動提供装置300及び医用情報処理装置400の構成例を示す図である。
【0093】
図12に示すように、運動提供装置300は、入力部301、出力部302、通信部303、記憶部304、及び処理部310を備える。入力部301、出力部302、通信部303、記憶部304、及び処理部310は、互いに接続される。なお、入力部301、出力部302、及び通信部303の基本構成は、入力部101、出力部102、及び通信部103の基本構成と同様であるので、説明を省略する。
【0094】
記憶部304の基本構成は、記憶部104の基本構成と同様である。記憶部304は、処理部310がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。
【0095】
処理部310の基本構成は、処理部110の基本構成と同様である。処理部310は、調整部311を備える。調整部311の処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶部304に記憶されている。処理部310は、調整部311の処理機能に対応するプログラムを記憶部304から読み出して実行することで、そのプログラムに対応する調整部311の処理機能を実現することができる。なお、調整部311の処理機能については、
図14を用いて後述する。
【0096】
医用情報処理装置400は、入力部401、出力部402、通信部403、記憶部404、及び処理部410を備える。入力部401、出力部402、通信部403、記憶部404、及び処理部410は、互いに接続される。なお、入力部401、出力部402、及び通信部403の基本構成は、入力部101、出力部102、及び通信部103の基本構成と同様であるので、説明を省略する。
【0097】
記憶部404の基本構成は、記憶部104の基本構成と同様である。記憶部404は、処理部410がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。例えば、記憶部404は、ウェアラブル心電計200によって収集された対象者S-Xの心電情報を記憶する。また、記憶部404は、学習済みモデルを記憶する。なお、記憶部404に記憶される学習済みモデルについては、
図13を用いて後述する。
【0098】
処理部410の基本構成は、処理部110の基本構成と同様である。処理部410は、取得部411、判定部412、決定部413、及び出力制御部414を備える。取得部411、判定部412、決定部413、及び出力制御部414の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶部404に記憶されている。処理部410は、取得部411、判定部412、決定部413、及び出力制御部414の各処理機能に対応するプログラムを記憶部404から読み出して実行することで、そのプログラムに対応する取得部411、判定部412、決定部413、及び出力制御部414の各処理機能を実現することができる。なお、取得部411、判定部412、決定部413、及び出力制御部414の各処理機能については、
図14を用いて後述する。
【0099】
図13を用いて、第2の実施形態に係る学習済みモデルについて説明する。
図13は、第2の実施形態に係る学習済みモデルについて説明するための図である。
【0100】
図13に示すように、第2の実施形態に係る学習済みモデルは、対象者S-1~S-Nそれぞれの運動中の心電信号に対して、換気性作業閾値(VT:Ventilation Threshold)に到達したか否かをラベリングした情報を学習用データとした機械学習によって生成されたものである。なお、換気性作業閾値とは、呼気中の二酸化炭素排出量又は換気量から決定した嫌気性代謝閾値(AT)である。
【0101】
具体的には、
図13の上段に示すように、負荷量を徐々に上げながら運動を行うと、換気性作業閾値(VT)に到達する。そこで、学習部112は、換気性作業閾値に到達済の心電信号に対して「1」をラベリングし、換気性作業閾値に未到達の心電信号に対して「0」をラベリングする。具体的には、学習部112は、単誘導心電図法によって得られた心電情報を30秒ごとに区切って時系列数値データ化する。そして、学習部112は、
図13の中段及び下段に示すように、換気性作業閾値を含む心電情報と、換気性作業閾値より後の心電情報とに対して「1」をラベリングし、換気性作業閾値に到達していない心電情報に対して「0」をラベリングする。そして、学習部112は、ラベリングされた30秒間の心電情報を用いて機械学習を行って、学習済みモデルを生成する。学習部112によって生成された学習済みモデルは、医用情報処理装置400に転送され、予め記憶部404に格納される。なお、第2の実施形態において、学習部112は、
図5に示した学習モデルと同様の学習モデルを適用可能であるが、他の学習モデルを適用することも可能である。
【0102】
図14を用いて、第2の実施形態に係る医用情報処理装置400における運用時の処理手順を説明する。
図14は、第2の実施形態に係る医用情報処理装置400における運用時の処理手順を示すフローチャートである。
図14に示す処理は、例えば、運動負荷の自動調整を開始する旨の指示をユーザから受け付けた場合に開始される。なお、第2の実施形態では、ユーザは、主には対象者S-Xであるが、心リハを監督する立場にある者(医師、理学療法士等)や、対象者Sの運動を指導する者(パーソナルトレーナー等)であっても良い。
【0103】
図14に示すように、医用情報処理装置400において、取得部411は、対象者S-Xの拍動情報を取得する(ステップS301)。例えば、取得部111は、対象者S-Xの心電情報を記憶部404から読み出すことで取得する。
【0104】
なお、対象者S-Xの心電情報は、リアルタイムで計測された情報であっても良いし、予め計測された情報であっても良い。また、ここで読み出される拍動情報は、学習用データで用いた拍動情報と同一条件(測定方法、期間、周波数等)で計測された情報であるのが好適である。
【0105】
続いて、判定部412は、対象者S-Xの拍動情報に基づいて、換気性作業閾値(VT)に到達しているか否かを判定する(ステップS302)。例えば、判定部412は、記憶部404から学習済みモデルを読み出す。そして、判定部412は、読み出した学習済みモデルに対して対象者S-Xの心電情報を入力することで、換気性作業閾値(VT)に到達しているか否かを示す判定結果を学習済みモデルに出力させる。
図13に示した例では、学習済みモデルは、換気性作業閾値(VT)に到達している場合には、判定結果「1」を出力し、換気性作業閾値(VT)に到達していない場合には、判定結果「0」を出力する。判定部412は、判定結果を決定部413に送る。なお、判定部412の処理は、判定対象となる関連情報が異なる点を除き、判定部113の処理と基本的に同様であるので、説明を省略する。
【0106】
換気性作業閾値(VT)に到達していないと判定された場合には(ステップS303,No)、決定部413は、現在の運動負荷を上げるように調整量を決定する。例えば、決定部413は、トレッドミルの速度や傾斜を上げるように調整量を決定する。調整量は、基準負荷量の15%が好適である。
【0107】
また、換気性作業閾値(VT)に到達していると判定された場合には(ステップS303,Yes)、決定部413は、現在の運動負荷を下げるように調整量を決定する。例えば、決定部413は、トレッドミルの速度や傾斜を下げるように調整量を決定する。調整量は、基準負荷量の15%が好適である。
【0108】
そして、出力制御部414は、決定部413によって決定された調整量を示す情報を、運動提供装置300に送信する(ステップS306)。なお、ここで送信される「調整量を示す情報」は、「+0.3度」、「-0.3度」等の調整量の値がそのまま送信されても良いし、「2.3度」、「1.7度」等の調整後の値が送信されても良い。
【0109】
運動提供装置300は、出力制御部414によって送信された調整量を示す情報を受信する(ステップS307)。
【0110】
そして、調整部311は、調整量を示す情報に基づいて、運動負荷を調整する(ステップS308)。例えば、調整部311は、「+0.3度」、「-0.3度」等の調整量の値が受信された場合には、現在の運動負荷に調整量を加算して、新たな運動負荷の値に調整する。また、調整部311は、「2.3度」、「1.7度」等の調整後の値が受信された場合には、調整後の値に調整する。
【0111】
また、処理部310は、運動負荷が調整された場合には、運動負荷が調整された旨を示すメッセージ(ポップアップ等)をディスプレイ(出力部302)に表示させる。例えば、処理部310は、「運動の負荷を軽くしました」と記載されたメッセージをディスプレイに表示させる。
【0112】
なお、運動負荷が調整された旨を示す情報は、必ずしもメッセージ表示によって通知されなくても良い。例えば、出力制御部414は、メッセージ表示、音声出力、及び振動パターンのうち少なくとも一つによって、運動負荷が調整された旨を示す情報を通知することができる。
【0113】
このように、医用情報処理システム10は、処理タイミングであると判定されるごとに、ステップS301~ステップS308の処理を繰り返し実行する。そして、医用情報処理システム10は、予め設定された運動時間が経過すると、
図14に示した処理を終了する。なお、処理の終了は、ユーザによるマニュアル操作によって行われても良い。
【0114】
上述してきたように、医用情報処理システム10は、判定結果に基づいて、運動提供装置300における運動負荷の調整量を決定する決定部413を更に備える。これによれば、医用情報処理システム10は、当日の体調に合わせた運動負荷での運動を提供することができる。したがって、医用情報処理システム10は、心臓に関連する診断支援情報を適切に提供することができる。
【0115】
(第2の実施形態の変形例)
第2の実施形態では、嫌気性代謝閾値を判定するための学習済みモデルを、
図5に示した学習モデルによって生成する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、嫌気性代謝閾値を判定するための学習済みモデルは、その目的に応じた学習モデルによって生成可能である。
【0116】
図15及び
図16を用いて、第2の実施形態の変形例に係る学習部112の処理を説明する。
図15及び
図16は、第2の実施形態の変形例に係る学習部112の処理を説明するための図である。
【0117】
図15において、「Input」は、入力される学習用データを示す。また、「1D Conv」は、心電波形のパターンを解析する学習モデルであり、1次元畳み込みニューラルネットワークに対応する。「size」は、フィルタサイズに対応する。「count」は、フィルタ数に対応する。フィルタサイズ及びフィルタ数は、
図15の例では任意数である。「1D Average pooling」は、1次元の平均プーリング層である。
【0118】
図15に示す例では、学習部112は、学習用データに対して、「1D Conv」を3回実行し、その後、「1D Average pooling」を実行することで、学習済みモデルを生成する。
【0119】
また、
図16において、「Pre-processing of ECG」は、学習用データとして入力される心電波形の時系列数値データを示す。「Conv Unit」は、心電波形のパターンを解析する学習モデルであり、畳み込みニューラルネットワークに対応する。「Conv Unit」の括弧内の数値は(size,count)に対応する。「LSTM」は、時系列データを解析する学習モデルであり、時系列データの各データについて、未来方向及び過去方向のそれぞれで連続するデータを学習する。「Exercise time」は、運動を開始してから各心電波形が検出されるまでの時間に対応する。「Age」は、各対象者の年齢である。「Sex」は、各対象者の性別である。「Concatenate」は、連結層であり、「LSTM」からの出力データに対して、「Exercise time」、「Age」、及び「Sex」を連結させる。「Dense 4096」は、出力数が4096の全結合層である。「Dense 1」は、出力数が1の全結合層である。
【0120】
図15に示す例では、学習部112は、学習用データに対して、フィルタサイズを「3×3」とし、フィルタ数を「64」から「2048」まで段階的に倍加させた6つの「Conv Unit」を順に実行し、その後、「LSTM」を実行する。そして、学習部112は、「Concatenate」を実行することで、「LSTM」からの出力データに対して、「Exercise time」、「Age」、及び「Sex」を連結させる。そして、学習部112は、「Dense 4096」及び「Dense 1」を順に実行し、学習済みモデルを生成する。
【0121】
このように、学習部112は、
図5に示した学習モデルに限らず、
図15又は
図16に示した学習モデルを実行可能である。なお、学習部112による学習モデルは、
図15、
図16に限定されるものでもなく、学習用データの種類や形式によって任意に設定可能である。
【0122】
(その他の実施形態)
上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてもよい。
【0123】
上述の実施形態は、以上の変形例と任意に組み合わせることができるし、以上の変形例同士を任意に組み合わせても良い。
【0124】
また、上述した実施形態の運動支援装置100で実行されるプログラム(運動支援プログラム)は、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD、USB(Universal Serial Bus)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良いし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、各種プログラムを、例えばROM等の不揮発性の記憶媒体に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0125】
10 医用情報処理システム
100,400 医用情報処理装置
101,301,401 入力部
102,302,402 出力部
103,303,403 通信部
104,304,404 記憶部
110,310,410 処理部
111,411 取得部
112 学習部
113,412 判定部
114,414 出力制御部
311 調整部
413 決定部