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特開2022-59513記憶媒体処理システムとデータ構造と記憶媒体処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059513
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】記憶媒体処理システムとデータ構造と記憶媒体処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220406BHJP
   B02C 25/00 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
G06Q50/10
B02C25/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167316
(22)【出願日】2020-10-01
(71)【出願人】
【識別番号】505144533
【氏名又は名称】オリックス環境株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】谷本 護
(72)【発明者】
【氏名】滝本 智明
(72)【発明者】
【氏名】窪島 崇
【テーマコード(参考)】
4D067
5L049
【Fターム(参考)】
4D067FF01
4D067GA16
4D067GA20
4D067GB05
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】記憶媒体処理作業全体を動画像で、時刻情報及び位置情報を付帯情報として撮影し、消磁や破壊といった個別処理前のタイミングを静止画像で、時刻情報及び位置情報を付帯情報として撮影し、動画像と静止画像の付帯情報を照合することで、処理対象となった記憶媒体を実際に処理したことを高精度で確認することが可能な記憶媒体処理システムを提供する。
【解決手段】記憶媒体7を処理する処理装置1a,1bと、作業状況の動画像を、時刻情報10と位置情報11を付帯させながら撮影して動画像情報8を得る第1の撮影装置2と、記憶媒体を処理する前のタイミングで時刻情報16と位置情報17を付帯させながら撮影して静止画像情報14を得る第2の撮影装置4と、動画像情報8の時刻情報10及び位置情報11と静止画像情報14の時刻情報16と位置情報17を照合する情報照合部23を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体を消磁及び/又は破壊する処理装置と、この処理装置を用いて前記記憶媒体を消磁及び/又は破壊する作業状況の動画像を、時刻情報と位置情報を付帯させながら作業時間中連続的に撮影して動画像情報を得る第1の撮影装置と、前記記憶媒体を消磁及び/又は破壊する処理前のタイミングで前記記憶媒体の静止画像を、時刻情報と位置情報を付帯させながら撮影して静止画像情報を得る第2の撮影装置と、前記動画像情報と予め付与されたキー情報を紐付けると共に前記静止画像情報と前記キー情報を紐付ける情報生成部と、前記キー情報をキーとして前記動画像情報に付帯される前記時刻情報及び前記位置情報と前記静止画像情報に付帯される前記時刻情報と前記位置情報をそれぞれ照合する情報照合部と、この情報照合部で照合された結果を出力する出力部と、を有することを特徴とする記憶媒体処理システム。
【請求項2】
前記記憶媒体の個体識別記号を読み取って個体識別情報を得る読取装置を備え、前記情報生成部は前記キー情報を前記個体識別情報に紐付け、前記出力部は照合された前記結果及び前記個体識別情報を出力することを特徴とする請求項1記載の記憶媒体処理システム。
【請求項3】
前記処理装置、前記第1の撮影装置、前記第2の撮影装置は移動可能なコンテナ内に設置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記憶媒体処理システム。
【請求項4】
記憶媒体を消磁及び/又は破壊する作業状況を時刻情報と位置情報を付帯させながら作業時間中連続的に撮影して得られた動画像情報と、前記記憶媒体を消磁及び/又は破壊する処理前のタイミングで時刻情報と位置情報を付帯させながら撮影して得られた静止画像情報と、を有し、前記動画像情報と前記静止画像情報に共通のキー情報を紐付けたことを特徴とする記憶媒体処理用のデータ構造。
【請求項5】
前記記憶媒体の個体識別記号を読み取って得られた個体識別情報を有し、この個体識別情報に前記キー情報を紐付けたことを特徴とする請求項4記載の記憶媒体処理用のデータ構造。
【請求項6】
記憶媒体を消磁及び/又は破壊する記憶媒体処理方法であって、前記記憶媒体を消磁及び/又は破壊する作業状況の動画像を、時刻情報と位置情報を付帯させながら作業時間中連続的に撮影して動画像情報を得る第1の撮影工程と、前記記憶媒体を消磁及び/又は破壊する処理前のタイミングで前記記憶媒体の静止画像を、時刻情報と位置情報を付帯させながら撮影して静止画像情報を得る第2の撮影工程と、前記動画像情報と予め付与されたキー情報を紐付けると共に前記静止画像情報と前記キー情報を紐付ける情報生成工程と、前記キー情報をキーとして前記動画像情報に付帯される前記時刻情報及び前記位置情報と前記静止画像情報に付帯される前記時刻情報と前記位置情報をそれぞれ照合する情報照合工程と、この情報照合工程で照合された結果を出力する出力工程と、を有することを特徴とする記憶媒体処理方法。
【請求項7】
前記記憶媒体の個体識別記号を読み取って個体識別情報を得る読取工程を備え、前記情報生成工程は前記キー情報を前記個体識別情報にも紐付け、前記出力工程は、照合された前記結果及び前記個体識別情報を出力することを特徴とする請求項6記載の記憶媒体処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は事業所や工場等の建物内及び特に移動車内に設置され記憶媒体を消磁及び/又は破壊する処理システムであって、作業中に撮影される映像及び画像に時刻情報と位置情報を含めることで、消磁/破壊時刻及び消磁/破壊場所と被処理物の照合を行い、被処理物が確実に処理(消磁/破壊)されたことを高精度に管理する記憶媒体処理システムとデータ構造及び記憶媒体処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業、自治体、政府機関等では機密文書や機密事項を記録した媒体を保管期間が過ぎた場合等必要に応じて機械を用いて細断、破壊あるいは消磁して廃棄してきた。また、大量の処分が必要な場合には、専門の業者に細断、破壊あるいは消磁と廃棄を委託することで人件費や時間を節約していた。
しかしながら、昨今業者が適切に処理していなかったことから、個人情報等の秘密情報が漏洩する事故や事件が発生しており社会問題化している。
そこで、実際にシュレッダーで細断、破壊、消磁あるいは廃棄されたことを情報として残す発明がなされてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、「文書管理システムおよび文書廃棄装置」という名称で、文書が廃棄された廃棄時刻を取得する廃棄時刻情報取得手段と廃棄時刻情報取得手段により取得された廃棄時刻を管理情報の一つとして記憶する文書管理情報記憶手段を備えた発明が開示されている。
この発明では、管理情報として廃棄時刻を管理でき、廃棄時刻を確認することができる。
【0004】
また、特許文献2には、「スキャナー付シュレッダ及びスキャナー付シュレッダによる機密書類管理システム」という名称で、機密書類を1枚宛に分離してカッターへ送給する間に、その1枚の機密書類の表・裏面を各別にスキャンするスキャナーを備えている。このスキャナーによって、機密書類を細断する前に1枚宛(ずつ)その表・裏面の各イメージ情報をデジタル信号に変換して入力・記憶・保存するようにしたものである。
この発明では、機密書類を細断する前に1枚宛その表・裏面のイメージ情報を得るため、実際に細断された文書の内容を1枚宛保存でき、細断実行の確認が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-99140号公報
【特許文献2】特開2009-11942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、管理情報として廃棄時刻情報を取得しているものの、その時刻に廃棄した何らかの文書が存在しているという事実のみが存在するものであり、実際に廃棄された文書が管理対象と同一であるという確証は得ることができないという課題があった。
また、特許文献2に開示される技術では、シュレッダにかける直前にスキャナーで機密書類を1枚ずつ分離しながらスキャンするため、システムの構造上、確かにシュレッダにかけた書類の内容は確認することが可能である。しかしながら、このシステムの構造自体がスキャナとシュレッダを組み合わせるという複雑さを備えており、そのシステムはもちろん、その管理にも利用者の人的及び経済的な負担が生じてしまうという課題があった。さらに、機密文書を廃棄する目的でシュレッダにかけるにも関わらず、スキャンによって機密情報がそのままコピーされてしまい、シュレッダで処理された後に再度そのスキャン情報を機密情報として管理する必要があり、そもそも機密情報の廃棄ができていないという課題があった。
【0007】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、記憶媒体処理作業全体を動画像で、時刻情報及び位置情報を付帯情報として撮影し、消磁や破壊といった個別処理前のタイミングを静止画像で、時刻情報及び位置情報を付帯情報として撮影し、動画像と静止画像の付帯情報を照合することで、処理対象となった記憶媒体を実際に処理したことを高精度で確認することが可能な記憶媒体処理システムとデータ構造と記憶媒体処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、第1の発明である記憶媒体処理システムは、記憶媒体を消磁及び/又は破壊する処理装置と、この処理装置を用いて前記記憶媒体を消磁及び/又は破壊する作業状況の動画像を、時刻情報と位置情報を付帯させながら作業時間中連続的に撮影して動画像情報を得る第1の撮影装置と、前記記憶媒体を消磁及び/又は破壊する処理前のタイミングで前記記憶媒体の静止画像を、時刻情報と位置情報を付帯させながら撮影して静止画像情報を得る第2の撮影装置と、前記動画像情報と予め付与されたキー情報を紐付けると共に前記静止画像情報と前記キー情報を紐付ける情報生成部と、前記キー情報をキーとして前記動画像情報に付帯される前記時刻情報及び前記位置情報と前記静止画像情報に付帯される前記時刻情報と前記位置情報をそれぞれ照合する情報照合部と、この情報照合部で照合された結果を出力する出力部と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の記憶媒体処理システムでは、記憶媒体を消磁及び/又は破壊する処理装置を用いた作業状況を第1の撮影装置が時刻情報と位置情報を付帯情報として含めて動画像として撮影して動画像情報を得るように作用する。動画像情報には連続的に一連の作業が収められる。一方、第2の撮影装置は、記憶媒体を処理装置を用いて消磁及び/又は破壊する処理前のタイミングで時刻情報と位置情報を付帯情報として含めて記憶媒体の静止画像を撮影し静止画像情報を得るように作用する。さらに、情報生成部が予め付与されたキー情報を用いて動画像情報と静止画像情報に紐付けるように作用し、情報照合部は動画像情報と静止画像情報との間で双方の時刻情報と位置情報を照合するように作用し、出力部はその照合結果を出力するように作用する。
本願における「消磁及び/又は破壊」とは、消磁と破壊のいずれか一方かあるいはその両方を意味し、破壊は、物理的な破壊の他化学的な破壊を含み、また、細断や破砕を含む概念である。また、本願における「作業」は、消磁及び/又は破壊といった個別の処理に加えて、準備のための前処理や片付けや廃棄のための後処理も含めた一連の処理を総括するものとして使用している。「位置情報」とは全地球測位システム(GPS)を用いて得られる全地球測位情報を意味し、具体的には緯度及び経度の数値からなる情報である。さらに、「時刻情報及び位置情報を付帯情報として撮影」するとは撮影されて得られる動画像又は静止画像自体のメタデータとして、時刻情報と位置情報が付加されるように撮影することを意味している。したがって、動画像情報及び静止画像情報はいずれも時刻情報及び位置情報と一体不可分に構成されている。
また、共通のキー情報を動画像情報と静止画像情報に紐付けるので、情報照合部は、被照合対象として共通のキー情報で紐付けされた動画像情報と静止画像情報を抽出しつつ、それぞれの時刻情報と位置情報を照合するように作用する。
【0009】
また、第2の発明である記憶媒体処理システムは、第1の発明において、前記記憶媒体の個体識別記号を読み取って個体識別情報を得る読取装置を備え、前記情報生成部は前記キー情報を前記個体識別情報に紐付け、前記出力部は照合された前記結果及び前記個体識別情報を出力することを特徴とするものである。
上記構成の記憶媒体処理システムでは、第1の発明の作用に加えて、読取装置が記憶媒体の個体識別記号を読み取って個体識別情報を得るように作用し、情報生成部は共通のキー情報を個体識別情報にも紐付けるように作用する。また、出力部は照合された結果の他に個体識別情報も出力するように作用する。
「個体識別記号」とは、個体を識別可能な記号をはじめ、数字、文字の他、例えば1次元コードや2次元コードのように意味を付された図形を含む概念である。
【0010】
第3の発明である記憶媒体処理システムは、第1又は第2の発明において、前記処理装置、前記第1の撮影装置、前記第2の撮影装置は移動可能なコンテナ内に設置されることを特徴とするものである。
上記構成の記憶媒体処理システムでは、第1又は第2の発明の作用に加えて、移動可能なコンテナが、場所を選ぶことなく記憶媒体を消磁処理や破壊処理するように作用する。また、第1の撮影装置及び第2の撮影装置は、コンテナの移動先で時刻情報と位置情報を付帯させながら動画像及び静止画像をそれぞれ撮影するように作用する。
なお、「コンテナ」とは一般的には内部に物を収納するための容器を意味するが、本願では移動可能であれば、「容器」に限定せずいわゆるプレハブ小屋や組立ユニットを用いた小屋や建屋をも含む概念である。
【0011】
そして、第4の発明である記憶媒体処理用のデータ構造は、記憶媒体を消磁及び/又は破壊する作業状況を時刻情報と位置情報を付帯させながら作業時間中連続的に撮影して得られた動画像情報と、前記記憶媒体を消磁及び/又は破壊する処理前のタイミングで時刻情報と位置情報を付帯させながら撮影して得られた静止画像情報と、を有し、前記動画像情報と前記静止画像情報に共通のキー情報を紐付けたことを特徴とするものである。
上記構成の記憶媒体処理用のデータ構造では、動画像情報と静止画像情報はいずれも時刻情報及び位置情報と一体不可分に構成され、さらに、動画像情報と静止画像情報は共通のキー情報によって紐付けされていることから、共通のキー情報から動画像情報と静止画像情報を抽出し、それぞれの時刻情報と位置情報を照合可能に作用する。
【0012】
第5の発明である記憶媒体処理用のデータ構造は、第4の発明において、前記記憶媒体の個体識別記号を読み取って得られた個体識別情報を有し、この個体識別情報に前記キー情報を紐付けたことを特徴とするものである。
上記構成の記憶媒体処理用のデータ構造においては、第4の発明の作用に加えて、さらに共通のキー情報を個体識別情報に紐付けるので、動画像情報と静止画像情報に加えて個体識別情報も抽出可能に作用する。
【0013】
第6の発明である記憶媒体処理方法は、記憶媒体を消磁及び/又は破壊する記憶媒体処理方法であって、前記記憶媒体を消磁及び/又は破壊する作業状況の動画像を、時刻情報と位置情報を付帯させながら作業時間中連続的に撮影して動画像情報を得る第1の撮影工程と、前記記憶媒体を消磁及び/又は破壊する処理前のタイミングで前記記憶媒体の静止画像を、時刻情報と位置情報を付帯させながら撮影して静止画像情報を得る第2の撮影工程と、前記動画像情報と予め付与されたキー情報を紐付けると共に前記静止画像情報と前記キー情報を紐付ける情報生成工程と、前記キー情報をキーとして前記動画像情報に付帯される前記時刻情報及び前記位置情報と前記静止画像情報に付帯される前記時刻情報と前記位置情報をそれぞれ照合する情報照合工程と、この情報照合工程で照合された結果を出力する出力工程と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の記憶媒体処理方法では、第1の撮影工程が時刻情報と位置情報を付帯させた作業状況の動画像情報を得るように作用し、第2の撮影工程が同様に消磁及び/又は破壊する処理前のタイミングの静止画像情報を得るように作用する。さらに、情報生成工程は、共通のキー情報を動画像情報と静止画像情報に紐付けることで、このキー情報を用いて動画像情報と静止画像情報を抽出可能に作用する。さらに、情報照合工程では、キー情報を用いて動画像情報と静止画像情報を抽出し、それぞれに付帯される時刻情報と位置情報を照合するように作用する。出力工程はその照合結果を出力するように作用する。
【0014】
第7の発明である記憶媒体処理方法は、第6の発明において、前記記憶媒体の個体識別記号を読み取って個体識別情報を得る読取工程を備え、前記情報生成工程は前記キー情報を前記個体識別情報にも紐付け、前記出力工程は、照合された前記結果及び前記個体識別情報を出力することを特徴とするものである。
上記構成の記憶媒体処理方法では、第5の発明の作用に加えて、読取工程では記憶媒体の個体識別記号を読み取って個体識別情報を得るように作用し、情報生成工程が動画像情報や静止画像情報と共通のキー情報を用いて個体識別情報にも紐付けるように作用する。さらに、出力工程は照合された結果の他に個体識別情報も出力するように作用する。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明に係る記憶媒体処理システムでは、記憶媒体に対する一連の処理全体の作業を通じて時刻情報と位置情報を付帯させた動画像情報と、消磁及び/又は破壊する処理前のタイミングで撮影し時刻情報と位置情報を付帯させて得られた静止画像情報のそれぞれの時刻情報と位置情報を照合することで、それらの動画像と静止画像が、時刻と位置を同じくして撮影されたものであることが確認でき、静止画像に写っている記憶媒体が、そのまま処理される状況を動画像で確認できるので、被処理対象である記憶媒体が確かにその時刻にその場所で処理されたことを高い精度で確認できる。
【0016】
第2の発明に係る記憶媒体処理システムでは、第1の発明の効果に加えて、個体識別情報も動画像情報と静止画像情報に紐付けられるので、個体識別情報も併せて確認することが可能であり、動画像情報及び静止画像情報と照合することが可能であるので処理済であることのより精度の高い確認が可能である。
【0017】
第3の発明に係る記憶媒体処理システムでは、第1又は第2の発明の効果に加えて、時刻情報と位置情報を付帯させた動画像情報を得ることが可能な第1の撮影装置と、同様に時刻情報と位置情報を付帯させた静止画像情報を得ることが可能な第2の撮影装置と移動可能なコンテナが相俟って、コンテナで処理装置を移動させて消磁及び/又は破壊処理を行っても、記憶媒体に対する一連の処理全体の作業を通じて時刻情報と位置情報を付帯させた動画像情報と、消磁及び/又は破壊する処理前のタイミングで撮影し時刻情報と位置情報を付帯させて得られた静止画像情報のそれぞれの時刻情報と位置情報を照合することで、記憶媒体が確かにその時刻にその移動先で処理されたことを高い精度で確認することが可能である。
【0018】
第4の発明に係る記憶媒体処理用のデータ構造では、第1の発明と同様に、被処理対象である記憶媒体が確かにその時刻にその場所で処理されたことを高い精度で確認することが可能である。
【0019】
第5の発明に係る記憶媒体処理用のデータ構造では、第2の発明と同様に、処理済であることのより精度の高い確認が可能である。
【0020】
第6の発明に係る記憶媒体処理方法では、第1の発明と同様に、被処理対象である記憶媒体が確かにその時刻にその場所で処理されたことを高い精度で確認することが可能である。
【0021】
第7の発明に係る記憶媒体処理方法では、第2の発明と同様に、処理済であることのより精度の高い確認が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムの概念図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムを使用している状態を示す概念図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムを用いて記憶媒体に対する一連の処理工程を示す作業フロー図であり、本発明の第2の実施の形態に係る記憶媒体処理方法の概念図でもある。
図4】本発明の第3の実施の形態に係る記憶媒体処理用のデータ構造を示す概念図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムを用いて得られた記憶媒体の処理に関する情報を照合して記憶媒体が適切に処理されたことを確認する工程を示す作業フロー図であり、本発明の第2の実施の形態に係る記憶媒体処理方法の概念図でもある。
図6】本発明の第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムを用いて得られた照合結果をコンピュータの出力画面に表示した状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムについて図1を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムの概念図である。
図1において、記憶媒体処理システム1は、記憶媒体7の処理装置として消磁装置1a及び破壊装置1bと、動画像撮影装置2、読取装置3、静止画像撮影装置4、制御装置5及びデータベース6を備えている。また、制御装置5は、入力部19と出力部20、さらに、情報生成部22と情報照合部23を有する情報処理部21を備えている。
動画像撮影装置2は、記憶媒体7に対する一連の処理工程全体を動画撮影するためのもので、付帯情報9として、すなわちメタデータとして作業時刻情報10と作業位置情報11を備えた作業動画像情報8を得ることができる。具体的にはGPS機能を備えたビデオカメラや動画像撮影機能とGPS機能を備えたスマートフォン等が該当する。なお、動画像撮影装置2のGPS機能は衛星による測位に基づく正確な位置情報のほか、GPSの基本時刻系をベースに得られる正確な時刻情報も受信可能なので、作業動画像情報8に作業時刻情報10及び作業時位置情報11を付帯させることが可能である。なお、時刻情報についてはGPSの基本時刻系に代えてNITZ(Network Identify and Time Zone)規格に対応可能な機能を用いてもよい。
記憶媒体7とはハードディスクやSDカードなどの磁気記憶媒体の他、DVDやブルーレイディスクのような光記憶媒体等も含み、記憶方式を限定するものではない。
読取装置3は、被処理対象である記憶媒体7及びこれを収容しているコンピュータのSN(Serial Number:シリアル番号)に関する個体識別情報(コンピュータSN情報12及び記憶媒体SN情報13)を得ることができる。一般的にはコンピュータや記憶媒体7では製造メーカによって付される固有のSNが文字やコードで示されているので、これらを読み取ることでその個体を識別する情報を得るものである。読取装置3としてはOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)機能を備えたイメージスキャナーや、記憶媒体7やコンピュータのSNが1次元コードで表現されてシール化されて表面に貼付されていることが多いことから1次元コードや2次元コードを読み取り可能なコードリーダーを採用することができる。
【0024】
静止画像撮影装置4は、記憶媒体7に対する個別の処理工程のタイミングで静止画撮影するためのもので、付帯情報15として時刻情報16と位置情報17を備えた静止画像情報14を得ることができる。具体的にはGPS機能を備えたカメラや静止画像撮影機能及びGPS機能を備えたスマートフォン等が該当する。静止画像撮影装置4もGPS機能を備えることで動画像撮影装置2と同様の機能を発揮することができる。また、動画像撮影装置2と静止画像撮影装置4の時刻情報はGPSからの情報あるいはNITZ規格の機能からの情報であることから常に同一であり、それぞれの時刻情報の補正や調整を行う必要がない。
個別の処理工程としては、コンピュータから記憶媒体を取り出してコンピュータの外観とコンピュータのSNと記憶媒体のSNを撮影する工程、コンピュータのSNと記憶媒体のSNを読み取る工程、記憶媒体の消磁を行う工程、記憶媒体の物理的破壊を行う工程がある。本実施の形態では、消磁装置1aと破壊装置1bの両方を備えているが、いずれか一方の装置を備えていてもよい。
制御装置5の入力部19は、記憶媒体関連情報18や動画像撮影装置2で得られた付帯情報9付きの作業動画像情報8、読取装置3で得られたコンピュータSN情報12及び記憶媒体SN情報13、さらに、静止画像撮影装置4で得られた付帯情報15付きの静止画像情報14、あるいはデータベース6に格納するためのデータ等、さらにはシステムの利用者による情報生成部22や情報照合部23及び出力部20に対する動作の指示情報(指示命令)を入力するものである。記憶媒体関連情報18には、コンピュータを使用していた管理者(管理会社)によって付されているコンピュータや記憶媒体7に対する独自の識別コードやコンピュータや記憶媒体7に固有のSNに関する情報が含まれる。
また、入力部19は動画像撮影装置2や読取装置3あるいは静止画像撮影装置4で得られた情報を入力して情報処理部21で処理するが、これらの情報の入力を行うための装置との接続は有線によっても無線によってもよい。
情報処理部21を構成する情報生成部22は、入力部19を介して入力された作業動画像情報8、コンピュータSN情報12、記憶媒体SN情報13及び静止画像情報14に対して、予め記憶媒体7の一連の処理のために定められデータベース6に格納されるIDコード25を読み出して紐付け、それぞれの情報をデータベース6に読み出し可能に格納するものである。
また、情報照合部23は、IDコード25を紐付けられて格納された作業動画像情報8及び静止画像情報14a-14c、さらにそれぞれの付帯情報9及び付帯情報15a-15cをデータベース6から読み出し、それらを照合し、その照合結果及び照合確認情報を出力部20に送出するものである。
【0025】
出力部20は、情報照合部23で得られた照合結果や照合確認情報を出力(表示)したり、入力部19を介して入力される情報を表示して入力作業に供することも可能であるし、同様に情報生成部22によって実行される情報処理の過程や情報照合部23によって実行される情報処理の過程も表示したり、あるいは、データベース6内に格納される情報を制御装置5によって検索して、その過程や結果を表示することも可能である。
なお、入力部19としては、データ受信部としての他の装置や情報通信ネットワークからの受信端子が相当し、出力部20としてはディスプレイ装置や情報通信ネットワークへの送信端子やデータ送信部として他の装置へデータを転送するトランスミッタのようなものが考えられる。すなわち、図1の構成要素が一体でなくとも入力部2と出力部3を分離して別体に設けて、有線又は無線で情報を情報処理部21との間で送受信するシステムとしても可能である。
データベース6には、IDコード25をはじめ、これらに紐付けられる情報として、付帯情報15a-15cを備えた静止画像情報14a-14c、コンピュータSN情報12、記憶媒体SN情報13及び付帯情報9を備えた作業動画像情報8が読み出し可能に格納されている。格納されている個々の情報については、本実施の形態に係る記憶媒体処理システム1を用いて記憶媒体7に対して実行される一連の処理工程について、図3を参照しながら説明する際に併せて説明する。
なお、IDコード25は、例えばバーコードのような1次元コードやQRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)のような2次元コードのように意味を付された図形を含む概念であるが、これらのコードに限定するものではなく、当然、数字や文字、記号の羅列からなるものであってもよい。
【0026】
次に、図1に加えて図2及び図3を参照しながら記憶媒体処理システム1を用いて記憶媒体7に対して実行される一連の処理工程について説明する。図2は本発明の第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システム1を使用している状態を示す概念図であり、図3は記憶媒体処理システム1を用いて記憶媒体に対する一連の処理工程を示す作業フロー図であり、本発明の第2の実施の形態に係る記憶媒体処理方法の概念図でもある。
図2において、記憶媒体処理システム1を使用する場所として想定しているのは、例えば移動コンテナ30の内部である。本システムは移動することで顧客である企業や公官庁の建物の近くまで移動し、処理を希望する記憶媒体7を移動コンテナ30内に運び入れて消磁装置1aや破壊装置1bで処理した上で、処分場まで移動して最終的に廃棄することを主として想定している。移動して顧客の近くで記憶媒体7を回収して処理することで、顧客自ら処理する必要がなく、顧客による立会いも容易であるし、顧客の希望に応じて処理後の記憶媒体7も引き渡すことが可能であることから、利便性を顧客に訴求することが可能である。もちろん、移動コンテナ30であることから、顧客の建物の近くで処理や廃棄の必要もなくシステムの運営者側にとって都合のよい場所で処理や廃棄を行うことも可能である。いずれの場所に移動したとしても、記憶媒体処理システム1では、付帯情報9として、すなわちメタデータとして作業時刻情報10と作業位置情報11を備えた作業動画像情報8を得ることができる動画像撮影装置2と付帯情報15として時刻情報16と位置情報17を備えた静止画像情報14を得ることができる静止画像撮影装置4を備えていることから、どの時刻にどの場所で処理されたかについての特定が可能である。
図2では記憶媒体7の処理を行う作業者31のみが示されているが、顧客の近くまで移動していることから顧客に立ち会ってもらうことも容易である。顧客が立ち会うことで実際に記憶媒体7が安全に処理されたか否かの確認を顧客自身で行うことが可能となる。
【0027】
また、移動コンテナ30内には一連の処理工程全体の作業の間に全体を撮影することができる動画像撮影装置2が移動コンテナ30内の上方に設置・固定されており、テーブル24上に記憶媒体処理システム1の制御装置5とデータベース6が、図中ではコンピュータ32に格納される形で設置されている。動画像撮影装置2や読取装置3あるいは静止画像撮影装置4はコンピュータ32と別個の独立した装置として設けられているが、これらの装置も機能を発揮できるのであればコンピュータ32に内蔵されていてもよい。図2は、作業者31が記憶媒体7の表面に貼付された記憶媒体7のSNを静止画像撮影装置4で撮影している様子を示している。動画像撮影装置2は一連の処理工程全体を撮影できるような位置に設置されるのであれば移動コンテナ30内での位置は限定されず、また、固定はなるべく行うことが望ましいが、作業中に撮影されない部分が存在しないようにするのであれば位置情報17を備えて撮影されることから移動コンテナ30内を多少移動させてもよい。
本実施の形態では、移動コンテナ30内に記憶媒体処理システム1を構築しているが、移動コンテナ30内に限らず専用の工場や室内に設置してもよいことは言うまでもない。また、制御装置5とデータベース6はコンピュータ32に格納される場合の他、ネットワークを介した外部サーバ、すなわちクラウド上に形成されていてもよい。
次に、図3を参照しながら、記憶媒体処理システム1を用いて記憶媒体7に対して実行される一連の処理工程について説明する。
【0028】
この図3は、第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システム1を用いた一連の処理工程を説明する図であると同時に、第2の実施の形態に係る記憶媒体処理方法を説明するための図でもある。したがって、この図を参照しながら記憶媒体処理システム1における記憶媒体7の処理の流れを説明することは記憶媒体処理方法の実施の形態について説明することと同義である。
なお、図3において、Sで示す工程に関する記載を覆うようにして破線で示しているのは図1,2に示される記憶媒体処理システム1の構成要素であり、符号を同一としている。また、PCとあるのはパーソナルコンピュータの略語であるが、本願ではパーソナルコンピュータに限定するものではなく広くコンピュータを意味している。
図3において、まず、ステップS0として、予め作業前に用意したIDコードを表示したシールをPCに貼付する。可能であればシールでなくとも油性マーカ等を使ってPCへ手書きしてもよい。また、PCに関する情報を入手し、IDコード25と一緒にPC情報も入力部19から制御装置5に入力される。その際、情報生成部22がIDコード25とPC情報を紐付けしてデータベース6に格納する。このステップS0で入力されたPC情報とは、予め顧客によって提示されたコンピュータSN情報や記憶媒体SN情報、あるいはコンピュータ外観画像情報が該当するが、その他にも顧客独自の管理番号等が該当する。図1では、これらの情報が得られなかったことを想定しているためステップS0で入手されるPC情報については記載されていない。
【0029】
次に、ステップS1は、一連の処理工程を実行するに際し、準備ができた段階で動画像撮影装置2による作業動画像の撮影を開始する工程である。この動画像撮影はPCや記憶媒体7を個々に撮影するものではなく、処理状況を全体的にいわば監視するように行うものである。動画像は、常に作業時刻情報10と作業時位置情報11を付帯情報9としながら撮影され、動画像を構成する各フレーム画像に対してこれらの付帯情報9が記録されることになる。したがって、フレーム画像毎に静止画像撮影装置4によって撮影される静止画像情報14の付帯情報15である時刻情報16や位置情報17と照合することが可能となる。なお、本実施の形態においては動画像撮影装置2による作業動画像の撮影開始をステップS0の後にしたが、ステップS0の前に行ってもよい。
ステップS2は、PCから記憶媒体7を取り出す工程であり、この前の工程で動画像撮影を開始しているので、記憶媒体7をPCから分解して取り出したかが動画像で記録可能である。取り出した後には、記憶媒体7の枚数を確認し、それぞれIDコード25を表示したシールを記憶媒体7に貼付する。この場合もシール貼付に代えて手書きしてもよい。シールでも手書きでもなるべく記憶媒体7のSNの近傍に配置させて、後の工程で静止画像撮影装置4による記憶媒体7のSNを撮影する際に、IDコード25とSNが同時に撮影されることが望ましい。さらに、シールでも手書きでもなるべく大きく表示され、IDコード25が動画像撮影装置2で撮影された作業動画像内でも確認可能であることがより望ましい。
【0030】
ステップS3は、静止画像撮影装置4でPCの外観画像、PCのSN画像及び記憶媒体7のSNを撮影する工程である。この工程は、消磁処理や破壊処理の行程前に被処理対象を特定するためのものであり、図中、かっこ書きでIDが記載されているのはステップS2で貼付されたIDコード25を含めて撮影することを意味している。撮影によって、付帯情報15aとして処理前時刻情報16aと処理前位置情報17aを備えたコンピュータ外観画像情報27、コンピュータSN情報28及び記憶媒体SN情報29という処理前静止画像情報14aを得ることができる。付帯情報15aをメタデータとして備えることで、PCの外観画像、PCのSN及び記憶媒体7のSNを撮影した時刻と位置を知ることができる。
静止画像撮影装置4は処理前静止画像情報14aと付帯情報15aを、入力部19を介して情報生成部22に送信する。
なお、PC及び記憶媒体7のSNを撮影する際には、静止画像と動画像でPCや記憶媒体7の比較が容易となるように、SNが確認可能であることは必須であるがなるべく周囲が含まれるように撮影されることが望ましい。以下の静止画像撮影装置4による撮影時も同様である。
【0031】
ステップS4は、処理前静止画像情報14aと付帯情報15aを受信した情報生成部22が、データベース6からIDコード25を読み出し、これを処理前静止画像情報14aに紐付けてデータベース6に格納する工程である。処理前静止画像情報14aをIDコード25に紐付けることで、他のPCの記憶媒体7の処理における処理前静止画像情報14aに対して処理中の処理前静止画像情報14aを識別することが可能となる。
ステップS5は、読取装置3がPCと記憶媒体7のSNを読み込む工程である。この工程はステップS0でPC情報として、予め顧客によって提示されたコンピュータSN情報や記憶媒体SN情報がなかった場合に必要な工程であり、既にこれらの情報が正しく取得されているような場合には基本的には実行する必要はないと考えられるが、より正確を期すためには省略することなく実行して顧客から提示された情報との照合を行うことが望まれる。したがって、既に図1を参照しながら説明したデータベース6に格納されるコンピュータSN情報12と記憶媒体SN情報13は顧客から得たものである場合と読取装置3によって読み取られた場合の2通りがあるが、区別しながら併存させることが望ましい。
読取装置3は読み込んだコンピュータSN情報12と記憶媒体SN情報13を、入力部19を介して情報生成部22に送信する。
ステップS6は、コンピュータSN情報12と記憶媒体SN情報13を受信した情報生成部22が、データベース6からIDコード25を読み出し、これをコンピュータSN情報12と記憶媒体SN情報13に紐付けてデータベース6に格納する工程である。コンピュータSN情報12と記憶媒体SN情報13をIDコード25に紐付けることで、他の処理のものに対して処理中のコンピュータSN情報12と記憶媒体SN情報13を識別可能となる。なお、ステップS5及びステップS6はステップS3とステップS4の前に行ってもよい。
【0032】
ステップS7は、記憶媒体7を消磁する処理を行うタイミングで実行される工程で、静止画像撮影装置4によって、記憶媒体7の消磁処理前のSN画像を撮影する工程である。動画像撮影装置2とは別個の静止画像撮影装置4によって撮影することから、記憶媒体7に近づけて撮影することが可能で、記憶媒体7のSNを確認可能に撮影することが可能である。また、SNに近づけてIDコード25が表示されているとIDコード25も同時に撮影することも可能である。撮影によって、付帯情報15bとして消磁時刻情報16bと消磁時位置情報17bを備えた消磁時静止画像情報14bを得ることができる。また、付帯情報15bをメタデータとして備えることで、記憶媒体7のSNを撮影した時刻と位置を知ることができる。 静止画像撮影装置4は消磁時静止画像情報14bと付帯情報15bを、入力部19を介して情報生成部22に送信する。
なお、後述するが、この工程で撮影された静止画像と既に撮影中である動画像に関する情報の照合を行う。そのため、静止画像撮影装置4による記憶媒体7のSN撮影の状況は動画像の撮影でも確認できることが特に望ましい。すなわち、動画像撮影装置2の被写体として作業員が記憶媒体7及び静止画像撮影装置4を持って撮影している状況が明確に含まれることが望ましい。また、動画像撮影装置2は、静止画像撮影装置4による撮影からその後に消磁装置1a内へ収容され、次の消磁処理工程が終了する状況まで、そのまま一度も撮影範囲から記憶媒体7が外れるあるいは人や物によって遮られることなく撮影することが望ましい。このなお書きの部分は後のステップS10でも同様である。
また、記憶媒体7を消磁する処理を行うタイミングで実行するというのは、消磁処理の直前である他、消磁処理の直前に加えて直後の記憶媒体7の消磁確認時の両方の意味を含む。したがって、図3には示していないが、実行が消磁処理の直前と直後の消磁確認時の両方である場合には、ステップS8の後に再度ステップS7を実行してからステップS9へ進むことになる。
【0033】
ステップS8は、静止画像撮影装置4によって記憶媒体7のSNの撮影を終えた後に実行される消磁装置1aによる消磁処理工程である。この消磁処理工程には記憶媒体7が消磁されたことを確認する工程も含まれる。
ステップS9は、消磁時静止画像情報14bと付帯情報15bを受信した情報生成部22が、データベース6からIDコード25を読み出し、これを消磁時静止画像情報14bに紐付けてデータベース6に格納する工程である。消磁時静止画像情報14bをIDコード25に紐付けることで、他のPCの記憶媒体7の処理における消磁時静止画像情報14bに対して処理中の消磁時静止画像情報14bを識別することが可能となる。
ステップS10は、記憶媒体7を破壊する処理を行うタイミングで実行される工程で、静止画像撮影装置4によって、記憶媒体7の破壊処理前のSN画像を撮影する工程である。ステップS7と同様に静止画像撮影装置4によって撮影することから、記憶媒体7に近づけて撮影することが可能で、記憶媒体7のSNを確認可能に撮影することが可能である。また、SNに近づけてIDコード25が表示されているとIDコード25も同時に撮影することも可能である。撮影によって、付帯情報15cとして破壊時刻情報16cと破壊時位置情報17cを備えた破壊時静止画像情報14cを得ることができる。また、付帯情報15cをメタデータとして備えることで、記憶媒体7のSNを撮影した時刻と位置を知ることができる。 静止画像撮影装置4は破壊時静止画像情報14cと付帯情報15cを、入力部19を介して情報生成部22に送信する。
なお、記憶媒体7を破壊する処理を行うタイミングで実行するというのは、破壊処理の直前である他、破壊処理の直前に加えて直後の記憶媒体7の破壊確認時の両方の意味を含む。したがって、図3には示していないが、実行が破壊処理の直前と直後の破壊確認時の両方である場合には、ステップS11の後に再度ステップS10を実行してからステップS12へ進むことになる。
【0034】
ステップS11は、静止画像撮影装置4によって記憶媒体7のSNの撮影を終えた後に実行される破壊装置1bによる破壊処理工程である。この破壊処理工程には記憶媒体7が破壊されたことを確認する工程も含まれる。なお、本実施の形態では破壊として物理的な破壊や細断あるいは破砕を示しているが、化学的に溶解する等の方法でもよく破壊には化学的処理も含んでいる。
ステップS12は、破壊時静止画像情報14cと付帯情報15cを受信した情報生成部22が、データベース6からIDコード25を読み出し、これを破壊時静止画像情報14cに紐付けてデータベース6に格納する工程である。破壊時静止画像情報14cをIDコード25に紐付けることで、他のPCの記憶媒体7の処理における破壊時静止画像情報14cに対して処理中の破壊時静止画像情報14cを識別することが可能となる。
ステップS13は、作業動画の撮影終了工程である。一連の処理を終えたことから作業全体が終了したため動画像撮影装置2による動画撮影を終了するものである。動画像撮影装置2は作業時刻情報10と作業時位置情報11を備えた付帯情報9をメタデータとする作業動画像情報8を、入力部19を介して情報生成部22に送信する。
ステップS14は、作業動画像情報8と付帯情報9を受信した情報生成部22が、データベース6からIDコード25を読み出し、これを作業動画像情報8に紐付けてデータベース6に格納する工程である。作業動画像情報8をIDコード25に紐付けることで、他のPCの記憶媒体7の処理における作業動画像情報8に対して処理中の作業動画像情報8を識別することが可能となる。
以上が第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムを用いて記憶媒体に対する一連の処理工程についての説明である。
本実施の形態では処理の内容として消磁処理と破壊処理の2種類の処理を実行して説明したが、依頼者の求めに応じていずれか一方のみの処理を行ってもよい。すなわち、記憶媒体処理方法の実施の形態については、消磁処理のみの場合、破壊処理のみの場合及び消磁処理と破壊処理の両方の場合が存在する。但し、2種類の処理を実行する場合は、破壊すると消磁処理ができないことから、消磁処理を先に行いその後に破壊処理を行う必要がある。
【0035】
次に、図4を参照しながら第3の実施の形態に係る記憶媒体処理用のデータ構造について説明する。図4は本発明の第3の実施の形態に係る記憶媒体処理用のデータ構造を示す概念図である。
図4において、記憶媒体処理用のデータ構造26は、複数のPCの記憶媒体7に対して、いずれPCの記憶媒体7の処理に関する情報であるかを識別するためにPC毎あるいは記憶媒体7毎にIDコード25を付しており、このIDコード25に対して、コンピュータSN情報12、記憶媒体SN情報13、記憶媒体7に対する処理前静止画像情報14a、作業動画像情報8、消磁時静止画像情報14b及び破壊時静止画像情報14cが紐付けされている。このうち、作業動画像情報8、処理前静止画像情報14a、消磁時静止画像情報14b及び破壊時静止画像情報14cには、それぞれ付帯情報9、付帯情報15a、付帯情報15b及び付帯情報15cが含まれているので、実質的にはこれらの付帯情報9、付帯情報15a-15cもIDコード25に紐付けられているのと同義である。
【0036】
このようなデータ構造26では、既に説明したとおり、動画像撮影装置2によって作業全体を通じて得られる作業動画像情報8の付帯情報9と、静止画像撮影装置4によって個々の処理で得られる処理前静止画像情報14a、消磁時静止画像情報14b及び破壊時静止画像情報14cの付帯情報15a-15cとが1つのIDコード25で紐付けされていることから、これら一連のデータセットを構成するデータ構造26内で、情報照合部23による情報の照合が可能である。具体的には後述するが、例えば作業動画像情報8の作業時刻情報10と作業時位置情報11と、消磁時静止画像情報14bの消磁時刻情報16bと消磁時位置情報17bから、まず、消磁時刻情報16bを抽出してこれを作業時刻情報10と照合して同時刻の作業動画像情報8を抽出することで、消磁時静止画像情報14bの撮影時に作業動画像情報8ではどのような動画像が撮影されたかが動画像のフレーム画像単位で把握可能である。そして、その後に作業時刻情報10と消磁時位置情報17bを照合してそれぞれの撮影時の位置情報が一致しているか否かを確認することで、作業動画像情報8と消磁時静止画像情報14bが同時刻かつ同位置で確認可能である。その際の動画像のコマ画像と静止画像の画像を同時に出力部20から表示することで、消磁処理直前あるいは直後の記憶媒体7が不整合なく撮影されていることが確認できれば、その後に作業動画像情報8でそのまま記憶媒体7が消磁されたことを確認することで、高い精度で確実に記憶媒体7が消磁されたことになる。このことは、作業動画像情報8及び付帯情報9と、処理前静止画像情報14aや破壊時静止画像情報14c及び付帯情報15aや付帯情報15cとを用いても同様である。
すなわち、本実施の形態に係る記憶媒体処理用のデータ構造26のように作業全体の動画像情報と作業を構成する処理毎の静止画像情報を時刻情報と位置情報をメタデータとして付帯させることで時刻と位置を特定可能であるため、高精度の処理完了確認が可能となる。
【0037】
次に、図1乃至図3に加えて図5及び図6を参照しながら第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムを用いて得られた記憶媒体の処理に関する情報を照合して記憶媒体が適切に処理されたことを確認する工程について説明する。
図5は本発明の第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムを用いて得られた記憶媒体の処理に関する情報を照合して記憶媒体が適切に処理されたことを確認する工程を示す作業フロー図であり、本発明の第2の実施の形態に係る記憶媒体処理方法の概念図でもある。図6は本発明の第1の実施の形態に係る記憶媒体処理システムを用いて得られた照合結果をコンピュータの出力画面に表示した状態を示す概念図である。
【0038】
これまで説明した一連の処理作業によって記憶媒体7の消磁及び破壊が完了し、必要な情報がデータベース6に格納されている状態となっている。図5では、一連の処理工程に関係する管理者がデータベース6に格納されているデータを用いて記憶媒体7の消磁処理や破壊処理が実際に実行されているかについての確認を行うための工程が示されている。
図5において、ステップS1aは、IDコード25が入力部19を介して情報照合部23に入力され、情報照合部23がIDコード25をキー情報として、データベース6から消磁時静止画像情報14bを読み出す工程である。次に、ステップS2aは、同様に情報照合部23がIDコード25をキー情報として、データベース6から作業動画像情報8を読み出す工程である。
その後のステップS3aは、情報照合部23が消磁時静止画像情報14bの付帯情報15bと作業動画像情報8の付帯情報9を照合する工程である。情報照合部23による照合とは、具体的には、消磁時静止画像情報14bの付帯情報15bのうち、まず消磁時刻情報16bを読取り、この消磁時刻情報16bの時刻と同時刻の作業時刻情報10を抽出する第1の照合工程、そして、その作業時刻情報10に対応する作業動画像情報8中のフレーム画像を抽出する第2の照合工程、さらに、情報照合部23は消磁時位置情報17bを読み出して、先ほどの消磁時刻情報16bの時刻と同時刻の作業時刻情報10に対応する作業時位置情報11を抽出する第3の照合工程の3段階の工程がある。
なお、動画像撮影装置2のGPS機能による衛星からの位置情報の受信間隔によっては消磁時刻情報16bの時刻と同時刻の作業時刻情報10を抽出できないかあるいは作業時刻情報10を抽出できても同時刻の作業時刻情報10に対応する作業時位置情報11を抽出できない可能性がある。その場合には、情報照合部23は静止画像撮影装置4によって撮影された静止画像情報14の時刻情報16との同時刻の概念として、照合の精度を考慮しながら所望に設定される時間幅を持たせて同時刻とすることが望ましい。この時間幅は少なくとも衛星からの位置情報の受信間隔であることが必要である。
したがって、第1の照合工程で消磁時刻情報16bの時刻を基準に同時刻の作業時刻情報10を抽出できない場合には、消磁時刻情報16bの時刻の前後に時間幅を持たせて、その時間幅内の作業時刻情報10を抽出し、第2の照合工程では抽出された時間幅内の作業時刻情報10に対するそれぞれのフレーム画像を抽出し、そして、第3の照合工程で先の時間幅内の作業時刻情報10に対応する作業時位置情報11を抽出する。このような照合工程を行うことで、時間幅内に少なくとも1つの作業時位置情報11が含まれることになる。一方、第1の照合工程で作業時刻情報10を抽出でき、第2の照合工程でその作業時刻情報10に対応する作業動画像情報8中のフレーム画像を抽出できても、第3の照合工程で作業時刻情報10に対応する同時刻の作業時位置情報11を抽出できない場合には、その時間幅内における作業時位置情報11を抽出することで、時間幅内に少なくとも1つの作業時位置情報11が含まれることになる。なお、動画像撮影装置2のGPS機能による衛星からの位置情報の受信間隔の間で位置情報が更新されずに作業時位置情報11が維持されているような場合は作業時刻情報10に対応する同時刻の作業時位置情報11を受信間隔内でみかけ上受信できているので、第3の照合工程でその作業時位置情報11を採用するとよい。
【0039】
そして、ステップS4aは、情報照合部23による照合結果の出力部20への送出と出力部20からの照合結果の出力工程である。具体的には、情報照合部23は、消磁時静止画像情報14bと作業動画像情報8中のフレーム画像、消磁時刻情報16bと同時刻の作業時刻情報10、消磁時位置情報17bと作業時刻情報10に対応する作業時位置情報11の少なくとも3つの情報を対比させて出力部20へ送出する。その後、出力部20はこれらの対比された3つの情報を出力する。一般的には例えば図6に示すようなコンピュータ32の出力画面33である。
【0040】
図6に示された出力画面33はステップS4aの際の表示であり、出力画面33には上部に照合のために選択されたIDコード25が表示されている。また、出力画面33の左側には消磁処理の直前の作業動画像情報8及びその下方に付帯情報9として作業時刻情報10と作業時位置情報11が表示されている。作業動画像情報8では作業者31が記憶媒体7を静止画像撮影装置4で撮影している様子が示されている。付帯情報9はいずれも衛星から受信された情報であり、作業時刻情報10として撮影時刻、作業時位置情報11としては撮影された地点の緯度と経度がGPS情報として表示されている。
一方、右側には消磁処理直前に動画像撮影装置2によって撮影されて得られた作業動画像情報8内に写っている記憶媒体7を、静止画像撮影装置4が同時刻に撮影して得られた消磁時静止画像情報14bが表示されている。作業動画像情報8では処理の様子の全体が撮影されているので記憶媒体7表面に貼付されているIDコード25のシールや画像としての記憶媒体SN情報34の表示のような細かな情報は視認できないが、消磁時静止画像情報14bでは視認可能である。また、破壊時静止画像情報14cの下方には付帯情報15bとして消磁時刻情報16bと消磁時位置情報17bが表示されている。さらに、その下方には読取装置3で読み取ったコンピュータSN情報12と記憶媒体SN情報13がIDコード25と紐付けられていることから出力画面33にも表示されている。なお、符号34も符号13も記憶媒体SN情報であるが、符号34は画像としての記憶媒体SN情報であり、符号13は1次元コードへの変換前の数字を表している。また、消磁時静止画像情報14bは処理前のものであることから、基本的には記憶媒体SN情報34は記憶媒体SN情報29と同一の画像となるが、それぞれの撮影時刻が異なることからそれぞれの静止画像に付帯する時刻情報が異なる。また、処理前静止画像情報14aと消磁時静止画像情報14bの撮影位置が異なれば位置情報も異なることになる。
出力画面33の消磁時刻情報16bと作業時刻情報10を比較すると時刻のずれはないが、これは先に説明したとおり、静止画像撮影装置4が記憶媒体7を撮影した時刻において、動画像撮影装置2では作業時位置情報11を受信しており、その時刻の作業時位置情報11を照合によって得ているのでそのまま得られた作業時刻情報10と作業時位置情報11が照合結果として表示されているものである。
【0041】
次に、ステップS5aについて説明する。ステップS5aは照合確認情報出力工程である。ステップS4aで説明したとおり、出力画面33に照合結果が表示されるが、ステップS5aではステップS4aの後に、管理者が作業時刻情報10を基準として、その後に記憶媒体7が作業動画像情報8で連続した状態で消磁装置1aに投入され、消磁後に消磁装置1aから取り出され、消磁が完了していることを検査するまで動画像が連続していることを確認する。このような管理者による一連の動作は、入力部19から管理者による静止画像及び動画像に関する再生指示情報が情報照合部23に対して入力され、情報照合部23が消磁時静止画像情報14b及び付帯情報15bを固定したまま所望の時刻での作業動画像情報8を出力部20へ出力することで可能となる、すなわち出力画面33に表示することで可能である。また、管理者によって確認された出力画面33における表示やその後の作業時刻情報10を基準とした消磁前、消磁中、消磁後の検査までの一連の作業動画像情報8は情報照合部23から出力部20へ出力されると同時にあるいは独立した所望のタイミングで情報照合部23からデータベース6にも照合確認情報として読み出し可能に保存することが可能である。なお、データベース6に保存する場合には情報照合部23は、情報生成部22がIDコード25をデータベース6から読み出して照合確認情報に紐付けてからデータベース6に保存するとよい。
一連の管理者の照合・確認動作によれば、出力画面33に示された消磁時静止画像情報14b中の記憶媒体7の消磁が完了したことが高精度で確認可能である。これは、作業動画像情報8に付帯された作業時刻情報10と作業時位置情報11を消磁時静止画像情報14bの消磁時刻情報16bと消磁時位置情報17bを照合することで、高い確率で、同時刻、同位置で撮影された画像であると認められるためである。
なお、出力部20による出力としては図6に示されるコンピュータ32の出力画面33に限定するものではなく、出力部20から外部に照合結果に関する情報を送信してもよく遠隔の出力装置で表示されるようにしてもよい。また、情報照合部23からデータベース6に保存された照合確認情報も出力部20を介して外部に送信可能としてもよい。
【0042】
次に、図5に戻ってステップS6a以下の工程について説明を続ける。
ステップS6aは、ステップS1aと同様の工程で、処理の内容が消磁から破壊に変わるものである。すなわち、IDコード25が入力部19を介して情報照合部23に入力され、情報照合部23がIDコード25をキー情報として、データベース6から破壊時静止画像情報14cを読み出す工程である。次に、ステップS7aは、同様に情報照合部23がIDコード25をキー情報として、データベース6から作業動画像情報8を読み出す工程である。
その後のステップS8aは、情報照合部23が破壊時静止画像情報14cの付帯情報15cと作業動画像情報8の付帯情報9を照合する工程である。情報照合部23による照合とは、ステップS3aで説明した3段階の工程において、消磁時静止画像情報14bに代えて破壊時静止画像情報14cを、付帯情報15bに代えて付帯情報15cを、消磁時刻情報16bに代えて破壊時刻情報16cを、消磁時位置情報17bに代えて破壊時位置情報17cを用いて説明が可能であるのでその説明を省略する。
【0043】
そして、ステップS9aは、情報照合部23による照合結果の出力部20への送出と出力部20からの照合結果の出力工程である。このステップS9aの説明も消磁時静止画像情報14bに代えて破壊時静止画像情報14cを、付帯情報15bに代えて付帯情報15cを、消磁時刻情報16bに代えて破壊時刻情報16cを、消磁時位置情報17bに代えて破壊時位置情報17cを用いて説明が可能であるのでその説明を省略する。図6に示されるコンピュータ32の出力画面33の説明においても同様である。
【0044】
最後にステップS10aは、ステップS5aと同様の照合確認情報出力工程である。ステップS9aで説明したとおり、出力画面33に照合結果が表示されるが、ステップS10aではステップS9aの後に、管理者が作業時刻情報10を基準として、その後に記憶媒体7が作業動画像情報8で連続した状態で破壊装置1bに投入され、破壊後に破壊装置1bから取り出され、破壊が完了していることを検査するまで動画像が連続していることを確認する。但し、管理者による記憶媒体7の破壊の完了の確認は消磁とは異なり、記憶媒体7の破壊後は原形を留めないことが一般的であり、IDコード25や記憶媒体SN情報34をはじめ記憶媒体7の形態は破壊されて視認できないので、破壊前に破壊装置1bの屑回収容器が空であることを撮影し、破壊後にその屑回収容器に破壊後の記憶媒体7が屑となって回収されていることを動画像撮影装置2で撮影する等して、その作業動画像情報8を出力部20から出力させる。
すなわち、入力部19から管理者による静止画像及び動画像に関する再生指示情報が情報照合部23に対して入力され、情報照合部23が破壊時静止画像情報14c及び付帯情報15cを固定したまま破壊前の屑回収容器が空であることがわかる時刻から連続して破壊後の屑回収容器内に記憶媒体7の屑が回収されている状況までの所望の時刻で作業動画像情報8を出力部20、すなわち出力画面33へ出力することが可能である。また、管理者によって確認された出力画面33における表示やその後の作業時刻情報10を基準とした消磁前、消磁中、消磁後の検査までの一連の作業動画像情報8は情報照合部23から出力部20へ出力されると同時にあるいは独立した所望のタイミングで情報照合部23からデータベース6にも照合確認情報として読み出し可能に保存することが可能である。なお、データベース6に保存する場合には情報照合部23は、情報生成部22がIDコード25をデータベース6から読み出して照合確認情報に紐付けてからデータベース6に保存するとよい。
ステップS10aの一連の管理者の照合・確認動作によれば、出力画面33に示された破壊時静止画像情報14c中の記憶媒体7の破壊が完了したことが高精度で確認可能である。
なお、出力部20による出力としては図6に示されるコンピュータ32の出力画面33に限定するものでないことはステップS5aで説明したとおりである。
また、管理者は記憶媒体7の消磁又は破壊処理を請け負う企業の管理者又は記憶媒体7の消磁又は破壊処理を依頼する企業の管理者のいずれでもよい。前者の場合はステップS4a及びステップS8aで出力部20から出力された照合確認情報を依頼企業へ送ることで確かに記憶媒体7が処理されたことをお知らせすることが可能であり、後者の場合は本実施の形態に係る記憶媒体処理システム1に外部からのアクセス権を付与する等して操作可能とし、依頼企業の管理者自らが消磁時静止画像情報14bの付帯情報15bと作業動画像情報8の付帯情報9を照合し、記憶媒体7の処理の完了の確認によって得られる照合確認情報も出力部20を介してダウンロードすることが可能となる。
以上説明したとおり、本実施の形態に係る記憶媒体処理システム1、記憶媒体処理用のデータ構造26及び記憶媒体処理方法では、顧客から依頼を受けて記憶媒体7を消磁処理及び破壊処理する際に、実際に消磁処理及び破壊処理が完遂されたか否かの確認のために顧客側の立会人や管理者を設けなくとも、いつどこで処理が実行されたかの確認が高精度で可能である。また、記憶媒体処理システム1を移動コンテナ30内に設けることで消磁処理や破壊処理を実行する場所の候補が拡がり、顧客の近傍に限らず、システム運営側の利益に沿うように場所を移動させることが可能である。その際にもいつどこで処理されたかの確認は高精度で可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項7に記載された発明は、記憶媒体が確実に処理されて記憶されていたいデータを安全に廃棄したことを高い精度で確認可能とする記憶媒体処理システム、記憶媒体処理用のデータ構造及び記憶媒体処理方法として広く一般企業や公官庁をはじめとする公的機関、個人情報を取り扱う病院や学校等の機関や団体においても広く利用が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…記憶媒体処理システム 1a…消磁装置 1b…破壊装置 2…動画像撮影装置 3…読取装置 4…静止画像撮影装置 5…制御装置 6…データベース 7…記憶媒体 8…作業動画像情報 9…付帯情報 10…作業時刻情報 11…作業時位置情報 12…コンピュータSN情報 13…記憶媒体SN情報 14…静止画像情報 14a…処理前静止画像情報 14b…消磁時静止画像情報 14c…破壊時静止画像情報 15,15a~15c…付帯情報 16…時刻情報 16a…処理前時刻情報 16b…消磁時刻情報 16c…破壊時刻情報 17…位置情報 17a…処理前位置情報 17b…消磁時位置情報 17c…破壊時位置情報 18…記憶媒体関連情報 19…入力部 20…出力部 21…情報処理部 22…情報生成部 23…情報照合部 24…テーブル 25…IDコード 26…データ構造 27…コンピュータ外観画像情報 28…コンピュータSN情報 29…記憶媒体SN情報 30…移動コンテナ 31…作業者 32…コンピュータ 33…出力画面 34…記憶媒体SN情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6