(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059584
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】3次元プリンタを使用したマイクロ溶接
(51)【国際特許分類】
B23K 28/00 20060101AFI20220406BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220406BHJP
【FI】
B23K28/00 Z
B33Y10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159903
(22)【出願日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】17/061,213
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・エム.・ルフェーヴル
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・ケイ.・ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ジェイ.・マッコンビル
(72)【発明者】
【氏名】チュウ-ホン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】シーミット・プラハラジ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】3次元(3D)プリンタを使用して2つ以上の部品を互いにマイクロ溶接するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】方法は、移動経路に沿って第1の部品を移動させることを含む。この方法はまた、3次元(3D)プリンタを使用して液体金属の液滴を第1の部品上に導入することも含む。この液体金属の液滴は、固化して、第1の部品に接合されている第2の部品を形成する。この方法はまた、第2の部品を第3の部品に機械的に接合することも含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
移動経路に沿って第1の部品を移動させることと、
3次元(3D)プリンタを使用して液体金属の液滴を前記第1の部品上に導入することであって、前記液体金属の前記液滴は、固化して、前記第1の部品に接合されている第2の部品を形成する、ことと、
前記第2の部品を第3の部品に機械的に接合することと、を含む、方法。
【請求項2】
ロボットアームを使用して前記第1の部品が前記移動経路に沿って移動させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロボットアームを使用して前記第1の部品が前記移動経路に沿って移動させられる間、前記第1の部品はグリッパによって把持され、前記グリッパは、前記ロボットアームに連結されているか、又は前記ロボットアームと一体である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ロボットアーム、前記グリッパ、又はその両方を使用して、前記第2の部品及び前記第3の部品が互いに機械的に接合される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の部品及び前記第3の部品が手動で互いに機械的に接合される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の部品が前記移動経路に沿って移動する間、前記液体金属の前記液滴が前記第1の部品上に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の部品が第1の材料で作製され、前記第3の部品が第3の材料で作製され、前記第1の材料及び前記第3の材料が異種である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記液体金属の前記液滴が、前記第3の材料よりも前記第1の材料により適合する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の部品が、アルミニウム、銅、鋼、亜鉛、ニッケル、又はこれらの組み合わせを含み、前記第3の部品が、チタン、タングステン、鋼、真鍮、青銅、炭化ケイ素、セラミック、ガラス、石、セメント、シリコーン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の部品及び前記第3の部品が互いに機械的に接合されるとき、前記第1の部品は前記第3の部品と接触しない、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
方法であって、
第1の部品及び第2の部品を、前記第1の部品の端部が前記第2の部品の端部に面して隣接するように、互いに対する相対位置に保持することと、
前記第1の部品及び前記第2の部品が前記相対位置に保持されている間に、前記第1の部品及び前記第2の部品を移動経路に沿って移動させることと、
前記第1の部品及び前記第2の部品が前記相対位置に保持されている間に、3次元(3D)プリンタを使用して液体金属の液滴を前記第1の部品及び前記第2の部品上に導入することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記液体金属の前記液滴は、冷却固化し、前記第1の部品及び前記第2の部品を互いに接合して、突き合わせ継手アセンブリを生成し、前記突き合わせ継手アセンブリの厚さは、約3mm~約50mmである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記液体金属の前記液滴は、冷却固化し、前記第1の部品及び前記第2の部品を互いにマイクロ溶接して、突き合わせ接合アセンブリを生成し、前記突き合わせ継手アセンブリの厚さは、約0.2mm~約2mmである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の部品の前記端部が、前記第2の部品の前記端部と接触している、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の部品の前記端部と前記第2の部品の前記端部との間に間隙が画定され、前記間隙の幅が、約0.1mm~約5mmである、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の部品の前記端部と前記第2の部品の前記端部との間の距離が、前記第1の部品及び前記第2の部品の中央部分から離れる方向に前記第1の部品及び前記第2の部品の外側表面に向かって進むにつれて増加するように、前記第1の部品及び前記第2の部品の前記端部が面取りされる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記液体金属の前記液滴を導入することが、
液滴の第1のセットを前記第1の部品及び前記第2の部品上に導入することと、
液滴の第2のセットを前記第1の部品及び前記第2の部品上に導入することであって、液滴の前記第2のセットは、前記第1の端部及び前記第2の端部が面取りされていることに起因して、液滴の前記第1のセットよりも大きい幅を有する、ことと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
液滴の前記第1のセットが、少なくとも部分的に液滴の前記第2のセットの間に位置付けられている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記液体金属の前記液滴を導入することが、液滴の第3のセットを前記第1の部品及び前記第2の部品上に導入することを含み、液滴の前記第3のセットは、前記第1の端部及び前記第2の端部が面取りされていることに起因して、液滴の前記第2のセットよりも大きい幅を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
液滴の前記第2のセットが、少なくとも部分的に液滴の前記第3のセットの間に位置付けられている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
方法であって、
第1の部品及び第2の部品を、前記第1の部品の端部が前記第2の部品の端部に面して隣接するように、互いに対する相対位置に保持することと、
前記第1の部品及び前記第2の部品が前記相対位置に保持されている間に、前記第1の部品及び前記第2の部品を移動経路に沿って移動させることと、
前記第1の部品及び前記第2の部品が前記相対位置に保持されている間に、3次元(3D)プリンタを使用して液体金属の液滴の第1のセット及び第2のセットを前記第1の部品及び前記第2の部品上に堆積させることであって、前記液滴の前記第1のセット及び前記第2のセットが第1の方向に堆積され、かつ前記液滴の前記第1のセット及び前記第2のセットが、前記第1の方向とは異なる第2の方向に配置される、ことと、を含む、方法。
【請求項22】
前記液体金属の前記液滴の前記第1のセット及び前記第2のセットは、冷却固化し、前記第1の部品及び前記第2の部品を互いに接合して、突き合わせ継手アセンブリを生成し、前記突き合わせ継手アセンブリの厚さは、約0.2mm~約2mmである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の部品の前記端部が、前記第2の部品の前記端部と接触している、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の部品の前記端部と前記第2の部品の前記端部との間に間隙が画定され、前記間隙の幅が、約0.1mm~約5mmである、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の部品の前記端部と前記第2の部品の前記端部との間の距離が、前記第1の部品及び前記第2の部品の中央部分から離れる方向に前記第1の部品及び前記第2の部品の外側表面に向かって進むにつれて増加するように、前記第1の部品及び前記第2の部品の前記端部が面取りされる、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の方向が前記第1の方向に対向する、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
移動させること及び堆積させることが、
前記第1の部品及び前記第2の部品を前記第2の方向に移動させ、それと同時に前記液体金属の前記液滴の前記第1のセットを前記第1の部品及び前記第2の部品上に前記第1の方向に堆積させることと、
前記液体金属の前記液滴の前記第1のセットが堆積された後に、前記第1の部品及び前記第2の部品を前記第1の方向に移動させることと、を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
移動させること及び堆積させることが、
前記第1の部品及び前記第2の部品を前記第2の方向に移動させ、それと同時に、液滴の前記第2のセットが液滴の前記第1のセットに向かって進んで堆積されるように、前記液体金属の前記液滴の前記第2のセットを前記第1の部品及び前記第2の部品上に前記第1の方向に堆積させることを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
液滴の前記第1のセットと液滴の前記第2のセットとの間に間隙が存在しない、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
液滴の前記第1のセットと液滴の前記第2のセットとの間に間隙が存在し、移動させること及び堆積させることが、
前記液体金属の前記液滴の前記第2のセットが堆積された後に、前記第1の部品及び前記第2の部品を前記第1の方向に移動させることと、
前記第1の部品及び前記第2の部品を前記第2の方向に移動させ、それと同時に前記液体金属の前記液滴の第3のセットを前記第1の部品及び前記第2の部品上に前記第1の方向に堆積させることであって、前記液体金属の前記液滴の前記第3のセットが、液滴の前記第1のセットと液滴の前記第2のセットとの間の前記間隙内に堆積され、前記液体金属の前記液滴の前記第3のセットが、液滴の前記第1のセットに向かってかつ液滴の前記第2のセットから離れる方向に進んで堆積される、ことと、を更に含む、請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、概して、3次元(3D)印刷に関し、より具体的には、3Dプリンタを使用して2つ以上の部品を互いにマイクロ溶接するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タングステン不活性ガス(TIG)溶接又はマイクロTIG溶接としても知られる、ガスタングステンアーク溶接(GTAW)は、溶接部を生成するために非消耗タングステン電極を使用するアーク溶接プロセスである。溶接領域及び電極は、不活性シールドガス(例えば、アルゴン又はヘリウム)によって酸化又は他の大気汚染から保護され、通常は溶加材が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
GTAWは、ステンレス鋼並びにアルミニウム、マグネシウム、及び銅合金などの非鉄金属の薄い断面を溶接するために最も一般的に使用される。このプロセスは、被覆アーク溶接及びガスメタルアーク溶接などの競合プロセスと比べて、溶接をより細かく制御する能力を操作者に与え、より強力かつより高品質の溶接を可能にする。しかしながら、GTAWは、比較的複雑であり、習得が難しく、その上、ほとんどの他の溶接技術よりも遅い(例えば、2cm/分未満)。
【0004】
以下は、本教示の1つ以上の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。この概要は、広範な概略ではなく、本教示の主要な又は重要な要素を識別することも、本開示の範囲を明示することも意図していない。むしろ、その主要な目的は、単に、後に提示される詳細な説明の序文として、簡略化された形態で1つ以上の概念を提示するだけである。
【0005】
システムが開示される。このシステムは、第1の部品及び第2の部品が互いに接触している間、液体金属を第1の部品及び第2の部品上に導入するように構成されている3次元(3D)プリンタを含む。液体金属は、続いて固化し、第1の部品及び第2の部品を互いに接合して、アセンブリを生成する。
【0006】
別の実施形態では、システムは、第1の部品及び第2の部品を互いに対する相対位置に把持するように構成されたグリッパを含む。このシステムはまた、グリッパが第1の部品及び第2の部品を互いに対する相対位置に維持する間にグリッパ、第1の部品、及び第2の部品を3次元で移動させるように構成されたアームも含む。このシステムはまた、アームがグリッパ、第1の部品、及び第2の部品を移動させるのと同時に液体金属の液滴を第1の部品及び第2の部品上に導入するように構成された3次元(3D)プリンタも含む。この3Dプリンタは、約1cm/秒~約25cm/秒の速度にて、約300Hz~約700Hzの頻度で液体金属の液滴を導入して、液体金属の実質的に連続した線を第1の部品及び第2の部品上に形成するように構成されており、液滴間の間隔は約0.3mm~約0.7mmである。液体金属の液滴は、約200μm~約500μmの平均断面長、及び約0.10mg~約0.30mgの平均質量を有する。液体金属は、固化し、第1の部品及び第2の部品を互いに接合して、アセンブリを生成する。
【0007】
方法もまた開示される。この方法は、互いに接触している第1の部品及び第2の部品を保持することを含む。この方法はまた、第1の部品及び第2の部品が互いに接触している間に、第1の部品及び第2の部品を移動経路に沿って移動させることも含む。この方法はまた、第1の部品及び第2の部品が互いに接触している間に、3次元(3D)プリンタを使用して液体金属の液滴を第1の部品及び第2の部品上に導入することも含む。この液体金属は、固化して、第1の部品及び第2の部品をその位置で互いに接合し、それにより、アセンブリを形成する。
【0008】
別の実施形態では、方法は、第1の部品及び第2の部品を互いに対する相対位置に保持することを含む。この方法はまた、第1の部品及び第2の部品が相対位置に保持されている間に、第1の部品及び第2の部品を移動経路に沿って移動させることも含む。この方法はまた、第1の部品及び第2の部品が相対位置に保持されている間に、3次元(3D)プリンタを使用して液体金属の液滴を第1の部品、第2の部品、又はその両方上に導入することも含む。
【0009】
別の実施形態では、方法は、移動経路に沿って第1の部品を移動させることを含む。この方法はまた、3次元(3D)プリンタを使用して液体金属の液滴を第1の部品上に導入することも含む。この液体金属の液滴は、固化して、第1の部品に接合されている第2の部品を形成する。この方法はまた、第2の部品を第3の部品に機械的に接合することも含む。
【0010】
別の実施形態では、方法は、第1の部品及び第2の部品を、第1の部品の端部が第2の部品の端部に面して隣接するように、互いに対する相対位置に保持することを含む。この方法はまた、第1の部品及び第2の部品が相対位置に保持されている間に、第1の部品及び第2の部品を移動経路に沿って移動させることも含む。この方法はまた、第1の部品及び第2の部品が相対位置に保持されている間に、3次元(3D)プリンタを使用して液体金属の液滴を第1の部品及び第2の部品上に導入することも含む。
【0011】
別の実施形態では、方法は、第1の部品及び第2の部品を、第1の部品の端部が第2の部品の端部に面して隣接するように、互いに対する相対位置に保持することを含む。この方法はまた、第1の部品及び第2の部品が相対位置に保持されている間に、第1の部品及び第2の部品を移動経路に沿って移動させることも含む。この方法はまた、第1の部品及び第2の部品が相対位置に保持されている間に、3次元(3D)プリンタを使用して液体金属の液滴の第1及び第2のセットを第1の部品及び第2の部品上に堆積させることも含む。液滴の第1及び第2のセットは、第1の方向に堆積され、液滴の第1及び第2のセットは、第1の方向とは異なる第2の方向に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本教示の実施形態を示し、説明と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0013】
【
図1】
図1は、一実施形態による、3次元(3D)プリンタ及び可動アームを含む、マイクロ溶接するためのシステムの概略断面図を示す。
【0014】
【
図2】
図2は、一実施形態による、可動アームの概略斜視図を示す。
【0015】
【
図3A】
図3Aは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの部品を互いにマイクロ溶接してタブとスロットのアセンブリを形成することができるように、2つの部品を把持/保持するアームのグリッパの概略断面図を示す。
【0016】
【
図3B】
図3Bは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの部品を互いにマイクロ溶接して突き合わせ継手アセンブリを形成することができるように、2つの部品を把持/保持するグリッパの概略断面図を示す。
【0017】
【
図3C】
図3Cは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの部品を互いにマイクロ溶接して重ね継手アセンブリを形成することができるように、2つの部品を把持/保持するグリッパの概略断面図を示す。
【0018】
【
図3D】
図3Dは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの部品を互いにマイクロ溶接して角継手アセンブリを形成することができるように、2つの部品を把持/保持するグリッパの概略断面図を示す。
【0019】
【
図3E】
図3Eは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの部品を互いにマイクロ溶接してT継手アセンブリを形成することができるように、2つの部品を把持/保持するグリッパの概略断面図を示す。
【0020】
【
図3F】
図3Fは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの部品を互いにマイクロ溶接して縁継手アセンブリを形成することができるように、2つの部品を把持/保持するグリッパの概略断面図を示す。
【0021】
【
図3G】
図3Gは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの部品を互いにマイクロ溶接し、更に追加の材料を一方又は両方の部品に堆積させて第3の部品を形成することができるように、2つの部品を把持/保持するグリッパの概略断面図を示す。
【0022】
【
図3H】
図3Hは、一実施形態による、3Dプリンタが第2の部品を第1の部品上に印刷できるように、第1の部品を把持/保持するグリッパの概略断面図を示し、第2の部品は、第3の部品と機械的に接合されるように構成されている。
【0023】
【
図4A】
図4Aは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの厚い部品を互いにマイクロ溶接して突き合わせ継手アセンブリを形成することができるように、2つの厚い部品を把持/保持するグリッパの概略断面図を示す。より具体的には、
図4Aは、2つの部品上に堆積された、液体金属の液滴の第1のセットを示し、
図4Bは、2つの部品上に堆積された、液体金属の液滴の第2のセットを示し、
図4Cは、2つの部品上に堆積された、液体金属の液滴の第3のセットを示す。
【
図4B】
図4Bは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの厚い部品を互いにマイクロ溶接して突き合わせ継手アセンブリを形成することができるように、2つの厚い部品を把持/保持するグリッパの概略断面図を示す。より具体的には、
図4Aは、2つの部品上に堆積された、液体金属の液滴の第1のセットを示し、
図4Bは、2つの部品上に堆積された、液体金属の液滴の第2のセットを示し、
図4Cは、2つの部品上に堆積された、液体金属の液滴の第3のセットを示す。
【
図4C】
図4Cは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの厚い部品を互いにマイクロ溶接して突き合わせ継手アセンブリを形成することができるように、2つの厚い部品を把持/保持するグリッパの概略断面図を示す。より具体的には、
図4Aは、2つの部品上に堆積された、液体金属の液滴の第1のセットを示し、
図4Bは、2つの部品上に堆積された、液体金属の液滴の第2のセットを示し、
図4Cは、2つの部品上に堆積された、液体金属の液滴の第3のセットを示す。
【0024】
【
図5A】
図5Aは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの薄い部品を互いにマイクロ溶接して突き合わせ継手アセンブリを形成することができるように、2つの薄い部品を把持/保持するグリッパの概略斜視図を示す。より具体的には、
図5A及び
図5Bは、第1の順序で堆積された、液体金属の液滴の複数のセットを示し、
図5Cは、第2の異なる順序で堆積された、液体金属の液滴の複数のセットを示す。
【
図5B】
図5Bは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの薄い部品を互いにマイクロ溶接して突き合わせ継手アセンブリを形成することができるように、2つの薄い部品を把持/保持するグリッパの概略斜視図を示す。より具体的には、
図5A及び
図5Bは、第1の順序で堆積された、液体金属の液滴の複数のセットを示し、
図5Cは、第2の異なる順序で堆積された、液体金属の液滴の複数のセットを示す。
【
図5C】
図5Cは、一実施形態による、3Dプリンタが2つの薄い部品を互いにマイクロ溶接して突き合わせ継手アセンブリを形成することができるように、2つの薄い部品を把持/保持するグリッパの概略斜視図を示す。より具体的には、
図5A及び
図5Bは、第1の順序で堆積された、液体金属の液滴の複数のセットを示し、
図5Cは、第2の異なる順序で堆積された、液体金属の液滴の複数のセットを示す。
【0025】
【
図6】
図6は、一実施形態による、2つ以上の部品を互いに接合(例えば、マイクロ溶接)するための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで、本教示の例示の実施形態を詳細に参照し、この実施例を添付図面に示す。可能な限り、同じ参照番号が、同じ、類似、又は同様の部分を指すように図面全体にわたって使用される。
【0027】
図1は、一実施形態による、2つの部品を互いに接合(例えば、マイクロ溶接)するためのシステム100の概略断面図を示す。システム100は、3Dプリンタ105を含んでよい。3Dプリンタ105は、液体金属及びその合金を噴射して何層にも重ねて3D金属物体を形成するのに適した、磁気流体力学(MHD)プリンタであってもよく、又はそれを含んでもよい。後述するように、3Dプリンタ105は更に、又は代わりに、液体金属及びその合金を噴射して2つ以上の部品を互いに接合(例えば、マイクロ溶接)するように構成されていてもよい。したがって、3D金属物体は、2つ以上の部品を互いに接合(例えば、マイクロ溶接)するために使用される溶接材料であってもよく、又はそれを含んでもよい。
【0028】
3Dプリンタ105は、エンクロージャ110を含んでもよい。エンクロージャ110は、下部ブロック112及び上部ブロック114を含んでもよい。下部ブロック112及び/又は上部ブロック114は、内容積部(雰囲気とも呼ばれる)を画定してもよい。後述するように、冷却流体(例えば、水)が、印刷動作中の3Dプリンタ105を冷却するために内容積部を通って循環してよい。3Dプリンタ105はまた、下部ブロック112の、上部ブロック114とは反対側に位置付けられたフロントプレート116を含んでもよい。フロントプレート116は、セラミック材料で作製されてよい。
【0029】
3Dプリンタ105はまた、エジェクタ(ルツボスリーブとも呼ばれる)120を含んでもよい。図示のように、エジェクタ120は、少なくとも部分的にエンクロージャ110の内容積部内に位置付けられてよい。他の実施形態では、エジェクタ120は、エンクロージャ110の外側に位置付けられてよい。エジェクタ120は、窒化ホウ素で作製されてよい。エジェクタ120はまた、内容積部(空洞とも呼ばれる)を画定してもよい。エジェクタ120の内容積部は、それに導入されたアルゴン又は窒素などのガスを有してよい。エジェクタ120はまた、下部ブロック112、フロントプレート116、又はその両方を通って延在し得る、ノズル122を含んでもよい。
【0030】
3Dプリンタ105はまた、少なくとも部分的にエンクロージャ110の内容積部内に位置付けられたキャップ124を含んでもよい。例えば、キャップ124は、少なくとも部分的に上部ブロック114とエジェクタ120との間に位置付けられてよい。
【0031】
3Dプリンタ105はまた、上部ブロック114及び/又はキャップ124を通ってエジェクタ120の内容積部内に延在するフィードスルー126を含んでもよい。図示のように、印刷材料130が、フィードスルー126を通ってエジェクタ120の内容積部内に導入されてよい。印刷材料130は、金属、ポリマーなどであってもよく、又はこれらを含んでもよい。例えば、印刷材料130は、アルミニウム(例えば、4008/356、6061、7075など)、銅、鋼、亜鉛合金、ニッケル合金などであってもよく、又はこれらを含んでもよい。
図1に示される例では、印刷材料130は、アルミニウム(例えば、アルミニウムワイヤのスプール)であってもよく、又はそれを含んでもよい。
【0032】
3Dプリンタ105はまた、1つ以上の加熱要素140を含んでもよい。加熱要素140は、グラファイトコイルであってもよく、又はそれを含んでもよい。図示のように、加熱要素140は、少なくとも部分的にエンクロージャ110の内容積部内に、かつ少なくとも部分的にエジェクタ120の外側(例えば、周囲)に位置付けられてよい。他の実施形態では、加熱要素140は、エンクロージャ110の外側に位置付けられてよい。加熱要素140は、印刷材料130を溶融させるように構成されており、それにより、エジェクタ120の内容積部内で印刷材料130を固体材料から液体材料(例えば、液体アルミニウム)132に変換する。
【0033】
3Dプリンタ105はまた、溶融高さセンサ142を含んでもよい。溶融高さセンサ142は、上部ブロック114の上方に位置付けられてよく、エジェクタ120内の液体金属132の高さ及び/又は体積を(例えば、レーザを使用して)測定するように構成されてよい。
【0034】
3Dプリンタ105はまた、少なくとも部分的にエジェクタ120の周囲に巻き付けられている1つ以上の金属コイル150を含んでもよい。電源がコイル150に連結され、コイル150に電流を供給するように構成されていてもよい。一実施形態では、電源は、階段関数直流(DC)電圧プロファイル(例えば、電圧パルス)をコイル150に提供するように構成されてよく、コイル150は増加する磁場を生成し得る。増加する磁場は、エジェクタ120内に起電力を生じさせ得、引いては液体金属132内に誘導電流を生じさせ得る。液体金属132内の磁場及び誘導電流は、ローレンツ力として知られる、半径方向内向きの力を液体金属132に生成し得る。ローレンツ力は、ノズル122の入口に圧力を生成する。この圧力は、液体金属132を1つ以上の液滴134の形態でノズル122を通して噴射させる。
【0035】
3Dプリンタ105はまた、少なくとも部分的にエンクロージャ110の内容積部内に位置付けられたスリーブ160を含んでもよい。スリーブ160は、少なくとも部分的にエジェクタ120とコイル150との間に(例えば、半径方向に)位置付けられた金めっき石英スリーブであってもよく、又はそれを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、アルゴン又は窒素などのシールドガスが、エジェクタ120とスリーブ160との間に位置付けられてよい。
【0036】
システム100はまた、可動アーム200を含んでもよい。アーム200は、少なくとも部分的に3Dプリンタ105の上方又は下方に位置付けられてよい。例えば、アーム200は、少なくとも部分的にノズル122の上方又は下方に位置付けられてよい。アーム200は、後述するように、3Dプリンタ105が2つ以上の部品を互いに接合(例えば、マイクロ溶接)する間、それらの部品を保持するように構成されているグリッパ(固定具とも呼ばれる)250を含んでよい。アーム200は、ノズル122に対して相対的に(例えば、ノズル122の上方又は下方に)グリッパを位置付けてよい。アーム200は、グリッパ250及びその中の2つ以上の部品を1、2、又は3次元で移動させるように構成されてよい。アーム200は更に、又は代わりに、グリッパ250及びその中の2つ以上の部品を1、2、又は3次元で枢動又は回転させるように構成されてよい。一実施形態では、アーム200及び/又はグリッパ250は、それに連結された及び/又はその中に位置付けられたヒータ252を有してよい。
【0037】
システム100はまた、3Dプリンタ105、アーム200、又はその両方を制御するように構成され得るコンピューティングシステム170を含んでもよい。例えば、コンピューティングシステムは、ノズル122からの液滴134の吐出を制御し、かつアーム200の移動を制御するように構成されてよい。したがって、以下でより詳細に論じられるように、コンピューティングシステム170は、アーム200に、グリッパ250及びその中の部品をノズル122の下方で所定の移動経路を通って移動させ、それと同時に、3Dプリンタ105に、液滴134を部品上に噴射/堆積させて部品を互いに接合(例えば、マイクロ溶接)するように構成されてよい。
【0038】
図2は、一実施形態による、アーム200の概略斜視図を示す。アーム200は、ベース210、1つ以上のセグメント(2つが図示されている:220、230)、1つ以上のジョイント(5つが図示されている:241~245)、グリッパ250、又はこれらの組み合わせを含んでよい。図示の実施形態では、ベース210は、ジョイントのうちの1つ以上(例えば、ジョイント241、242)を介して第1のアーム220の第1の端部222に連結されてよく、第1のアーム220の第2の端部224は、ジョイントのうちの1つ以上(例えば、ジョイント243)を介して第2のアーム230の第1の端部232に連結されてよく、第2のアーム230の第2の端部234は、ジョイントのうちの1つ以上(例えば、ジョイント244、245)を介してグリッパ250に連結されてよい。
【0039】
第1のジョイント241は、矢印271によって示されるように、ベース210及び/又は第1のセグメント220が、ベース210を通る長手方向中心軸線261を中心に枢動又は回転することを可能にしてよい。第2のジョイント242は、矢印272によって示されるように、第1のセグメント220が、第1のセグメント220の第1の端部222を通る軸線262を中心に枢動又は回転することを可能にしてよい。軸線261、262は、互いに対して実質的に垂直であってよい。第3のジョイント243は、矢印273によって示されるように、第2のセグメント230が、第1のセグメント220の第2の端部224及び/又は第2のセグメント230の第1の端部232を通る軸線263を中心に枢動又は回転することを可能にしてよい。軸線262、263は、互いに対して実質的に平行であってよい。第4のジョイント244は、矢印274によって示されるように、グリッパ250が、第2のセグメント230の第2の端部234を通る軸線264を中心に枢動又は回転することを可能にしてよい。軸線263、264は、互いに対して実質的に平行であってよい。第5のジョイント245は、矢印275によって示されるように、グリッパ250が、第2のセグメント230の第2の端部234を通る軸線265を中心に枢動又は回転することを可能にしてよい。軸線264、265は、互いに対して実質的に垂直であってよい。
【0040】
したがって、上述したように、セグメント220、230及びジョイント241~245は、グリッパ250が、3Dプリンタ105に対して(例えば、ノズル122に対して)1、2、又は3次元で移動、枢動、及び/又は回転することを可能にしてよい。別の実施形態では、ノズル122は更に、又は代わりに、アーム200に対して(例えば、グリッパ250に対して)1、2、又は3次元で移動、枢動、又は回転するように構成されてもよい。
【0041】
図3A~
図3Fは、一実施形態による、3Dプリンタ105によって堆積される溶接材料340によって部品が互いに接合(例えば、マイクロ溶接)され得るように、2つ以上の部品を把持/保持するグリッパ250の概略図を示す。部品及び/又は溶接材料340は、金属、ポリマー、セラミック、又はこれらの組み合わせから作製されてよい。一実施形態では、部品及び/又は溶接材料340は、互いに溶接適合性のある材料から作製されてよい。例えば、部品及び/又は溶接材料340は、同じ材料から作製されてよい。部品及び/又は溶接材料340のための材料は、アルミニウム(例えば、4008/356、6061、7075など)、銅、鋼、亜鉛合金、ニッケル合金などであってもよく、又はそれを含んでもよい。一実施例では、部品は、予め切断されたシート材、鋳物、バー若しくはプレート材、管材、予め加工された、ないしは別の方法で形成された構成要素などであってもよく、又はそれを含んでもよい。
【0042】
より具体的には、
図3Aは、少なくとも部分的にグリッパ250内に位置付けられた(例えば、グリッパ250によって把持/保持されている)2つの部品310A、320Aの概略断面図を示す。図示のように、第1の部品310Aはスロット312Aを含んでよく、第2の部品320Aは、少なくとも部分的にスロット312A内に位置付けられるように構成されているタブ322Aを含んでよい。例えば、タブ322Aはスロット312A内に挿入されてよく、グリッパ250は、部品310A、320Aを互いに対してこの位置に保持してよい。次いで、3Dプリンタ105は、液滴134を部品310A、320A上に堆積させてよい。より具体的には、3Dプリンタ105は、液滴134を部品310Aと320Aとの交差部上に堆積させてよい。液滴134は、固化して、部品310A、320Aをタブとスロットのアセンブリ330Aとして互いに接合(例えば、マイクロ溶接)する溶接材料340を形成してよい。
【0043】
図3Bは、少なくとも部分的にグリッパ250内に位置付けられた(例えば、グリッパ250によって把持/保持されている)2つの部品310B、320Bの別の概略断面図を示す。図示のように、第1の部品310の端部312Bは、第2の部品320Bの端部322Bに隣接して位置付けられてよい。端部312B、322Bは、端部312Bと322Bとの間に間隙が存在するように、所定の距離(例えば、約0.1mm~約5mm、又は約0.5mm~約2mm)で離間されてよく、グリッパ250は、部品310B、320Bを互いに対してこの位置に保持してよい。次いで、3Dプリンタ105は、液滴134が両方の端部312B、322Bと接触するように、液滴134を部品310Bと320Bとの間の間隙内に堆積させてよい。液滴134は、固化して、部品310B、320Bを突き合わせ継手アセンブリ330Bとして互いに接合(例えば、マイクロ溶接)する溶接材料340を形成してよい。
【0044】
図3Cは、少なくとも部分的にグリッパ250内に位置付けられた(例えば、グリッパ250によって把持/保持されている)2つの部品310C、320Cの別の概略断面図を示す。部品310C、320Cは、少なくとも部分的に互いに重なり合っていてよい。例えば、第1の部品310Cの側部312Cは、第2の部品320Cの側部322Cと接触していてよい。グリッパ250は、部品310C、320Cを互いに対してこの位置に保持してよい。次いで、3Dプリンタ105は、液滴134の第1のセットを第1の部品310Cの側部312C及び第2の部品320Cの端部324Cと接触するように堆積させ、液滴134の第2のセットを第2の部品320Cの側部322C及び第1の部品310Cの端部314Cと接触するように堆積させてよい。液滴134は、固化して、部品310C、320Cを重ね継手アセンブリ330Cとして互いに接合(例えば、マイクロ溶接)する溶接材料340を形成してよい。
【0045】
図3Dは、少なくとも部分的にグリッパ250内に位置付けられた(例えば、グリッパ250によって把持/保持されている)2つの部品310D、320Dの別の概略断面図を示す。図示のように、第1の部品310Dの端部312Dは、第2の部品320Dの側部324Dと接触していてよい。この特定の実施形態では、端部312Dは、第2の部品320Dの中央部326Dよりも第2の部品320Dの端部322Dの近くに位置してよい。グリッパ250は、部品310D、320Dを互いに対してこの位置に保持してよい。次いで、3Dプリンタ105は、液滴134を第1の部品310Dの側部314D、315D及び第2の部品320Dの側部324Dと接触するように堆積させてよい。液滴134は、固化して、部品310D、320Dを角継手アセンブリ330Dとして互いに接合(例えば、マイクロ溶接)する溶接材料340を形成してよい。
【0046】
図3Eは、少なくとも部分的にグリッパ250内に位置付けられた(例えば、グリッパ250によって把持/保持されている)2つの部品310E、320Eの別の概略断面図を示す。図示のように、第1の部品310Eの端部312Eは、第2の部品320Eの側部324Eと接触していてよい。この特定の実施形態では、端部312Eは、第2の部品320Eの中央部326Eに又はそこに近接して位置してよい。グリッパ250は、部品310E、320Eを互いに対してこの位置に保持してよい。次いで、3Dプリンタ105は、液滴134を第1の部品310Eの側部314E、315E及び第2の部品320Eの側部324Eと接触するように堆積させてよい。液滴134は、固化して、部品310E、320EをT継手アセンブリ330Eとして互いに接合(例えば、マイクロ溶接)する溶接材料340を形成してよい。
【0047】
図3Fは、少なくとも部分的にグリッパ250内に位置付けられた(例えば、グリッパ250によって把持/保持されている)2つの部品310F、320Fの別の概略断面図を示す。図示のように、第1の部品310Fの側部314Fは、第2の部品320Fの側部324Fと接触していてよい。この実施形態では、第2の部品320Fは、実質的に湾曲し、かつ/又はL字型であるが、他の実施形態では、第2の部品320Fは、実質的に真っ直ぐであってもよい。次いで、3Dプリンタ105は、液滴134を部品310F、320Fの端部312F、322Fと接触するように堆積させてよい。液滴134は、固化して、部品310F、320Fを縁継手アセンブリ330Fとして互いに接合(例えば、マイクロ溶接)する溶接材料340を形成してよい。少なくとも1つの実施形態では、液滴134も溶接材料340も、部品310F、320Fの側部314F、315F、324F、325Fと接触しなくてよい。
【0048】
図3Gは、少なくとも部分的にグリッパ250内に位置付けられた(例えば、グリッパ250によって把持/保持されている)2つの部品310G、320Gの別の概略断面図を示す。第1及び第2の部品310G、320Gは、シート材であってもよく、又はそれを含んでもよい。第1の部品310Gは、第2の部品320Gと接触していてよい。3Dプリンタ105は、液滴134の第1のセットを部品310G、320Gが互いに接触する場所に近接して部品310G、320G上に堆積させてよい。液滴134の第1のセットは、固化して、部品310G、320Gを互いに接合(例えば、マイクロ溶接)してアセンブリを形成する溶接材料340を形成してよい。
【0049】
加えて、部品310G、320Gが互いに接合される前又は後に、プリンタ105はまた、液滴134の第2のセットを第1の部品310G、第2の部品320G、又はその両方上に堆積させてもよい。図示の実施例では、液滴134の第2のセットは、第1の部品310G上に堆積されてよいが、第2の部品320G上には堆積されない。別の実施例では、液滴134の第2のセットは、第2の部品320G上に堆積されてよいが、第1の部品320G上には堆積されない。更に別の実施例では、液滴134の第2のセットは、両方の部品310G、320Gと接触してよい。液滴134の第2のセットは、冷却固化して、第3の部品350Gを形成してよい。図示の実施例では、第3の部品350Gは、第1の部品310Gと接合されるが、第2の部品320Gとは接合されない。この特定の実施例では、液滴134の第2のセットも第3の部品350Gも、部品310G、320Gを互いに接合するために使用されなくてよい。換言すれば、第3の部品350Gは、部品310G、320Gを互いに接合することとは異なる機能を果たしてよい。
【0050】
図3Hは、少なくとも部分的にグリッパ250内に位置付けられた(例えば、グリッパ250によって把持/保持されている)第1の部品310Hの別の概略断面図を示す。上記の実施例のうちの1つ以上では、部品310A~310G、320A~320G及び/又は溶接材料340は、互いに溶接適合性のある材料から作製される。例えば、部品310A~310G、320A~320G及び/又は溶接材料340は、同じ材料から作製されてよい。
【0051】
しかしながら、
図3Hの実施例では、部品のうちの1つ320Hは、他の部品310H及び/又は溶接材料340と溶接適合性のない(又は溶接適合性の低い)材料から作製される。例えば、第2の部品320Hは、第1の部品310H及び/又は溶接材料340とは異なる材料から作製されてよい。換言すれば、溶接材料340は、第2の部品320Hに結合しなくてよく、第1の部品310Hには結合する。その結果、溶接材料340が第2の部品320Hとの十分な結合を形成しなくてよいため、部品310H、320Hは、上述したのと同じ方法で互いに接合(例えば、マイクロ溶接)されなくてよい。
【0052】
第1の部品310H及び/又は溶接材料340は、アルミニウム(例えば、4008/356、6061、7075など)、銅、鋼、亜鉛合金、ニッケル合金などから作製されてよい。第2の部品320Hは、MHDプロセスによって生成される高熱(例えば、500℃+)と変形又は劣化なしに接触していることができる材料から作製されてよい。例えば、第2の部品320Hは、チタン、タングステン、ステンレス鋼、真鍮、青銅、炭化ケイ素、セラミック、ガラス、天然石、セメント、シリコーンなどから作製されてよい。
【0053】
第2の部品320Hは、(図示されるように)グリッパ250の外側に位置付けられてもよく、又は第2の部品320Hは、少なくとも部分的にグリッパ250内に位置付けられてもよい(図示せず)。溶接材料340は、第1の部品310H上に堆積されてよく、溶接材料340は、冷却固化して、第1の部品310Hに接合(例えば、マイクロ溶接)されている第3の部品350Hを形成してよい。第3の部品350Hは、(例えば、蟻継手、ピン式継手、テーパ形状のほぞ継ぎ、テーパ形状の実矧ぎなどを介して)第2の部品320Hと機械的に接合/係止するように成形及びサイズ決めされてよい。したがって、第3の部品350Hは、第1及び第2の部品310H、320Hを互いに機械的に接合/係止してアセンブリを形成するために使用されてよい。一実施例では、第2及び第3の部品320H、350Hは、3Dプリンタ105、アーム200、グリッパ250、又はこれらの組み合わせを使用して、互いに機械的に接合/係止されてよい。別の実施例では、第2及び第3の部品320H、350Hは、一方又は両方がグリッパ250から取り外された後に、手動で互いに機械的に接合/係止されてよい。別の実施形態では、接合部は更に、又は代わりに、締結具(例えば、ねじ、リベット、ピンなど)と共に保持されてもよく、3Dプリンタ105は、溶接材料340を堆積させて締結具を接合部に組み込んでよい。
【0054】
図4A~
図4Cは、互いに接合(例えば、マイクロ溶接)されて突き合わせ継手アセンブリを形成している2つの厚い部品410、420の概略断面図を示す。部品410、420は、プレートであってもよく、又はそれを含んでもよい。部品410、420は、約1mm~約50mm又は約3mm~約50mmの厚さ454を有してよい。部品410、420の端部412、422は面取りされてよい。したがって、端部412の上面414は、端部422の上面424に対して角度450に配向されてよい。角度450は、約10°~約150°、約30°~約120°、又は約50°~約90°であってよい。同様に、端部412の下面416は、端部422の下面426に対して角度452に配向されてよい。角度452は、約10°~約150°、約30°~約120°、又は約50°~約90°であってよい。
【0055】
一実施形態では、端部412、422は互いに接触していてよい。図示のように、別の実施形態では、端部412、422は、互いに隣接して(例えば、互いに面して)いてよいが、端部412と422との間に間隙が存在してもよい。間隙は、約0.1mm~約5mm、又は約0.5mm~約3mmであってよい。
図4Aに示されるように、液滴の第1のセット134Aは、少なくとも部分的に端部412と422との間に堆積されてよい。液滴の第1のセットは、両方の端部412、422と接触してよい。液滴の第1のセット134Aは、端部412、422の内側(例えば、中央部分)に近接して(例えば、端部412、422の面取りされた点に近接して)位置付けられてよい。
【0056】
図4Bに示されるように、液滴の第1のセット134Aが堆積された後に、液滴の第2のセット134Bが堆積されてよい。液滴の第2のセット134Bは、少なくとも部分的に端部412と422との間に位置付けられてよい。液滴の第2のセット134Bは、両方の端部412、422と接触してよい。液滴の第2のセット134Bは、少なくとも部分的に液滴の第1のセット134Aの周囲に位置付けられてよい。例えば、
図4Bに示されるように、液滴の第2のセット134Bは、液滴の第1のセット134Aの上方及び/又は下方に位置付けられてよい。端部412、422が配向される角度450、452により、液滴の第2のセット134Bは、液滴の第1のセット134Aよりも大きい幅を有してよい。
【0057】
図4Cに示されるように、液滴の第2のセット134Bが堆積された後に、液滴の第3のセット134Cが堆積されてよい。液滴の第3のセット134Cは、少なくとも部分的に端部412と422との間に位置付けられてよい。液滴の第3のセット134Cは、両方の端部412、422と接触してよい。液滴の第3のセット134Cは、少なくとも部分的に液滴の第1のセット134A及び/又は液滴の第2のセット134Bの周囲に位置付けられてよい。例えば、
図4Cに示されるように、液滴の第3のセット134Cは、液滴の第2のセット134Bの上方及び/又は下方に位置付けられてよい。液滴の第3のセット134Cは、端部412、422の外側部分に近接して、かつ端部412、422の中央部分に対して遠位に位置付けられてよい。換言すれば、液滴の第3のセット134Cは、部品410、420の上面及び/又は下面に近接して位置付けられてよい。端部412、422が配向される角度450、452により、液滴の第3のセット134Cは、液滴の第2のセット134Bよりも大きい幅を有してよい。
【0058】
液滴134A~134Cは、冷却固化して、部品410、420を突き合わせ継手アセンブリとして互いに接合(例えば、マイクロ溶接)する溶接材料340を形成してよい。一実施形態では、液滴の第1のセット134Aは、液滴の第2のセット134Bが堆積される前に少なくとも部分的に冷却及び/又は固化してよく、液滴の第2のセット134Bは、液滴の第3のセット134Cが堆積される前に少なくとも部分的に冷却及び/又は固化してよい。別の実施形態では、液滴の第2のセット134Bは、液滴の第1のセット134Aが依然として実質的に液体状態にある間、液滴の第1のセット134A上に堆積されてよく、液滴の第3のセット134Cは、液滴の第2のセット134Aが依然として実質的に液体状態にある間、液滴の第2のセット134B上に堆積されてよい。この実施形態では、液滴134A~134Cは、一緒に冷却固化してよい。
【0059】
図5A~
図5Cは、互いに接合(例えば、マイクロ溶接)されて突き合わせ継手アセンブリ530を形成している2つの薄い部品510、520の概略斜視図を示す。部品510、520は、プレートであってもよく、又はそれを含んでもよい。部品510、520は、約0.2mm~約2mmの厚さ554を有してよい。部品510、520の端部512、522は面取りされてよい。例えば、端部は、端部間の距離が垂直方向に(例えば、上の方に)進むにつれて増加するように、互いに対してある角度に配向されてよい。角度は、約10°~約150°、約30°~約120°、又は約50°~約90°であってよい。
【0060】
図5A及び
図5Bに示すように、液滴は、複数のセット(4つが図示されている:134A~134D)に堆積されてよい。液滴の各セット134A~134Dは、第1の方向560に堆積されてよいが、液滴のセット134A~134Dは、第1の方向560とは異なる(例えば、第1の方向560に対向する)第2の方向562に順序付け/配置されてもよい。換言すれば、以下に記載される理由により、液滴の異なるセット134A~134Dは、互いに直接隣接して印刷されない。
【0061】
図示の実施例では、アーム200は、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第2の方向562に移動させて、液滴の第1のセット134Aが、矢印571によって示されるように、第1の方向560に堆積されることを可能にしてよい。液滴の第1のセット134Aが堆積された後、アーム200は、
図5Bの矢印581によって示されるように、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第1の方向560に移動させてよい。次いで、アーム200は、液滴の第2のセット134Bが液滴の第1のセット134Aに向かって進むように、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第2の方向562に移動させて、液滴の第2のセット134Bが、矢印572によって示されるように、第1の方向560に堆積されることを可能にしてよい。液滴の第2のセット134Bが堆積された後、アーム200は、
図5Bの矢印582によって示されるように、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第1の方向560に移動させてよい。次いで、アーム200は、液滴の第3のセット134Cが液滴の第2のセット134Bに向かって進むように、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第2の方向562に移動させて、液滴の第3のセット134Cが、矢印573によって示されるように、第1の方向560に堆積されることを可能にしてよい。液滴の第3のセット134Cが堆積された後、アーム200は、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第1の方向560に移動させてよい。次いで、アーム200は、液滴の第4のセット134Dが液滴の第3のセット134Cに向かって進むように、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第2の方向562に移動させて、液滴の第4のセット134Dが、矢印574によって示されるように、第1の方向560に堆積されることを可能にしてよい。
【0062】
したがって、液滴のセット134A~134Dは、第2の方向562に以下の順序で配置されてよい:液滴の第1のセット134A、液滴の第2のセット134B、液滴の第3のセット134C、液滴の第4のセット134D。液滴のセット134A~134Dは、部品510、520を互いに接合(例えば、マイクロ溶接)して突き合わせ継手アセンブリ530を形成する溶接材料340を形成するために、冷却固化してよい。
【0063】
図5Cでは、液滴のセット134A~134Dは、
図5A及び
図5Bと同様に、第1の方向560に堆積されてよいが、液滴のセット134A~134Dは、異なる順序で配置されてよい。より具体的には、液滴のセット134A~134Dは、第2の方向562に以下の順序で配置されてよい:液滴の第1のセット134A、液滴の第3のセット134C、液滴の第2のセット134B、液滴の第4のセット134D。このような操作を行うことの利点は、接合される部品510、520への熱入力をより均一に分散させることである。これは、直前に接合したセクションと次に接合するセクションとの間を空けておき、後でそこに戻って、最初に迂回した領域を完成させることによって行われる。これは、熱応力による部分変形のリスクが低減されるため、薄い金属をマイクロ溶接する際に有利である。液滴のセット134A~134Dは、部品510、520を互いに接合(例えば、マイクロ溶接)して突き合わせ継手アセンブリ530を形成する溶接材料340を形成するために、冷却固化してよい。
【0064】
図示の実施例では、アーム200は、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第2の方向562に移動させて、液滴の第1のセット134Aが、矢印571によって示されるように、第1の方向560に堆積されることを可能にしてよい。液滴の第1のセット134Aが堆積された後、アーム200は、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第1の方向560に移動させてよい。次いで、アーム200は、液滴の第2のセット134Bが液滴の第1のセット134Aに向かって進むように、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第2の方向562に移動させて、液滴の第2のセット134Bが、矢印572によって示されるように、第1の方向560に堆積されることを可能にしてよい。しかしながら、液滴の第1のセット134Aと液滴の第2のセット134Bとの間に間隙が存在してよい。液滴の第2のセット134Bが堆積された後、アーム200は、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第1の方向560に移動させてよい。次いで、アーム200は、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第2の方向562に移動させて、液滴の第3のセット134Cが液滴の第1のセット134Aと液滴の第2のセット134Bとの間の間隙内に堆積されることを可能にしてよい。液滴の第3のセット134Cは、液滴の第3のセット134Cが液滴の第1のセット134Aに向かってかつ液滴の第2のセット134Bから離れる方向に進むように、矢印573によって示されるように、第1の方向560に堆積されてよい。液滴の第3のセット134Cが堆積された後、アーム200は、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第1の方向560に移動させてよい。次いで、アーム200は、液滴の第4のセット134Dが液滴の第2のセット134Bに向かって進むように、グリッパ250及び部品510、520をノズル122に対して第2の方向562に移動させて、液滴の第4のセット134Dが、矢印574によって示されるように、第1の方向560に堆積されることを可能にしてよい。
【0065】
図6は、一実施形態による、2つ以上の部品を互いに接合(例えば、マイクロ溶接)するための方法600のフローチャートを示す。方法600の例示的な順序を以下に提供するが、1つ以上の工程が、異なる順序で実行されても、同時に実行されても、繰り返されても、省略されてもよい。方法600は、システム100によって実行されてよい。
【0066】
方法600は、602において、グリッパ250を使用して2つ以上の部品を互いに対する相対位置に保持することを含んでよい。一方又は両方の部品は、グリッパ250によって保持/把持されてよい。例示的な位置は
図3A~
図3Hに示されている。部品は、互いに接触して保持されてもよく、又は部品は、その間に約0.1mm~約5mmの小さな間隙を有して保持されてもよい。
【0067】
方法600はまた、604の時点で、アーム200及び/又はグリッパ250の移動経路を決定することを含んでもよい。例えば、コンピューティングシステム170は、ノズル122に対するアーム200及び/又はグリッパ250のコンピュータ数値制御(CNC)された移動経路を決定してよい。移動経路は、部品の互いに対する相対位置(例えば、グリッパ250内)、部品の互いに対する向き、ノズル122に対する部品の位置、ノズル122に対する部品の向き、部品のサイズ、部品の形状、部品の材料、又はこれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0068】
方法600はまた、606の時点で、アーム200を使用してグリッパ250を移動経路に沿って移動させることを含んでもよい。移動経路は、アーム200が3Dプリンタ105に対して(例えば、ノズル122に対して)グリッパ250(及び部品)の位置を1、2、又は3次元でどのように移動させるかを決定してよい。移動経路は更に、又は代わりに、アーム200が3Dプリンタ105に対して(例えば、ノズル122に対して)グリッパ250(及び部品)を1、2、又は3次元でどのように回転又は枢動させるかを決定してもよい。
【0069】
この工程は、ノズル122と部品との間の相対移動を引き起こしてよい。図示の実施形態では、部品はグリッパ250によって把持されてよく、部品及びグリッパ250は、ノズル122が実質的に静止したまま、移動経路を通って移動してよい。別の実施形態では、3Dプリンタ105及び/又はノズル122は、アーム200に連結され、部品が実質的に静止したまま、アーム200を使用して移動経路を通って移動させられてよい。
【0070】
アーム200が、グリッパ250を、移動経路を通って移動させると、部品上での液滴134/溶接材料340を受容する位置(例えば、部品間の交差部)が、ノズル122の前(例えば、下方)を通過する。移動経路を通って移動する間、ノズル122と、部品上での液滴134/溶接材料340を受容する位置(例えば、部品間の交差部)との間の距離は、約0.5mm~約10mm、又は約1mm~約5mmに維持されてよい。例えば、距離は、実質的に一定のままであってよい。
【0071】
方法600はまた、608の時点で、一方又は両方の部品を加熱することを含んでもよい。一実施形態では、部品は、グリッパ250によって把持される前に加熱されてよい。別の実施形態では、部品は、グリッパ250によって把持されている間に、グリッパ250に連結され、かつ/又はグリッパ250内に位置付けられているヒータ252によって加熱されてよい。部品は、液体金属の液滴134が部品上に噴射/堆積される前に、約100℃~約600℃、約300℃~約550℃、又は約400℃~約500℃の温度に加熱されてよい。
【0072】
方法600はまた、610の時点で、3Dプリンタ105を使用して液体金属の液滴134を部品(例えば、部品間の交差部を含む)上に噴射/堆積させることを含んでもよい。液滴134は、約100μm~約800μm又は約200μm~約500μmの平均断面長(例えば、直径)を有してよい。滴134は、約0.05mg~約0.50mg、約0.10mg~約0.30mg、又は約0.15mg~約0.20mgの質量を有してよい。液滴134は、約50Hz~約1000Hz又は約100Hz~約500Hzの速度で噴射/堆積されてよい。液滴134間の間隔は、約0.1mm~約2mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.5mm~約1mm、又は約1mm~約2mmであってよい。
【0073】
少なくとも1つの実施形態では、工程606、608、及び/又は610は、同時に実行されてよい。その結果、液滴134は、部品(部品間の交差部を含む)上に液体金属の線を形成するように堆積されてよい。線は、連続的であってもよく、又は間に間隙を有する別々の区間にあってもよい(すなわち、離間した液滴134)。線は、真っ直ぐであっても湾曲していてもよい。線は、約0.1cm/秒~約25cm/秒、約0.5cm/秒~約1cm/秒、約1cm/秒~約3cm/秒、約3cm/秒~約5cm/秒、約5cm/秒~約10cm/秒、又は約10cm/秒~約25cm/秒の速度で形成されてよい。これは、従来のTIGマイクロ溶接技術よりも速い。例えば、液滴134は、液滴間の間隔が約0.5mmの約500Hzの速度で噴射/堆積されてよく、その結果、線は約10cm/秒~約25cm/秒の速度で形成される。線は、約1mm~約100cm、約1mm~約1cm、約1cm~約10cm、又は約10cm~約100cmの長さを有してよい。線は、約0.4mm~約2mm又は約0.55mm~約1.5mmの幅を有してよい。例えば、公称又は平均幅は約0.7mmであってよい。線は、約0.01mm~約0.4mm又は約0.03mm~約0.24mmの高さを有してよい。例えば、公称又は平均高さは約0.15mmであってよい。
【0074】
液滴134によって形成された液体金属の線は、固化して溶接材料340の線を形成してよく、この線は、部品を互いに接合(例えば、マイクロ溶接)してアセンブリを形成してよい。これは、マイクロ構造溶接と呼ばれることがある。方法600はまた、612の時点で、グリッパ250からアセンブリを取り外すことを含んでもよい。次いで、方法600は、602にループバックし、新しい/異なる部品を用いて繰り返してよい。
【0075】
本教示の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは近似値であるが、特定の実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、それぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じるある特定の誤差を本質的に含む。更に、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に包摂される任意の及び全ての小範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、「10未満」の範囲は、0の最小値と10の最大値との間の(0の最小値と10の最大値とを含む)任意の及び全てのサブ範囲、すなわち、0以上の最小値及び10以下の最大値を有する任意の及び全てのサブ範囲、例えば、1~5を含み得る。
【0076】
本教示は、1つ以上の実装態様に対して示されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、示された実施例に対して変更及び/又は修正が行われ得る。例えば、プロセスが一連の行為又は事象として説明されているが、本教示は、そのような行為又は事象の順序によって限定されないことが理解され得る。いくつかの行為は、本明細書に記載されるものとは異なる順序で、及び/又は別の他の行為若しくは事象と同時に生じ得る。また、全てのプロセス段階が、本教示の1つ以上の態様又は実施形態に従う方法を実装するのに必要とされ得るわけではない。構造的物体及び/若しくは処理段階が追加され得るか、又は既存の構造的物体及び/若しくは処理段階が除去若しくは修正され得ることが理解され得る。更に、本明細書に描写される行為のうちの1つ以上は、1つ以上の別個の行為及び/又は局面において実行されてもよい。更に、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」という用語、又はこれらの変形が発明を実施するための形態及び特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、そのような用語は、「含む(comprising)」という用語と同様の手法での包含であることが意図される。「少なくとも1つの」という用語は、列挙された項目のうちの1つ以上が選択され得ることを意味するように使用される。更に、本明細書における説明及び特許請求の範囲において、2つの材料に対して使用される「上」という用語、他方「上」の一方は、材料間の少なくとも一部の接触を意味し、一方、「の上」は、材料が、近接しているが、場合によっては、接触が可能であるが必要とされないように、1つ以上の追加の介在材料に近接していることを意味する。「上(on)」又は「の上(over)」のいずれも、本明細書で使用される際に任意の指向性を暗示しない。「共形」という用語は、下にある材料の角度が共形材料によって維持される被覆材料を説明する。「約」という用語は、変更が、示された実施形態に対してプロセス又は構造の不適合とならない限り、列挙される値が少し変更され得ることを示す。「連結する」、「連結されている」、「接続する」、「接続」、「接続されている」、「接続して」、及び「接続している」という用語は、「直接接続する」又は「1つ以上の中間要素又は部材を介して接続する」ことを指す。最後に、「例示の」又は「例示的な」という用語は、説明が理想的であることを意味するのではなく一例として使用されることを示す。本教示の他の実施形態は、本明細書及び本明細書での本開示の慣行を考慮して当業者に明らかであり得る。本明細書及び実施例は、単に例示として見なされることが意図され、本教示の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。