(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059631
(43)【公開日】2022-04-13
(54)【発明の名称】動物用重量測定システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A01K 29/00 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
A01K29/00 E
A01K29/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019026
(22)【出願日】2022-02-09
(62)【分割の表示】P 2021567492の分割
【原出願日】2020-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2019237625
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518247173
【氏名又は名称】株式会社RABO
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伊豫 愉芸子
(57)【要約】
【課題】複数種類の重量を測定可能な重量測定システムを提供すること。
【解決手段】本開示は動物用の重量測定システムであって、重量測定手段から重量データを取得する重量データ取得部と、取得した前記重量データから前記動物の行動に関する測定対象の重量を算出する重量算出部と、前記動物に係る行動測定データに基づいて、前記動物の時系列行動データを生成する行動データ生成部と、を備えることを特徴とする、重量測定システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物用の重量測定システムであって、
重量測定手段から重量データを取得する重量データ取得部と、
取得した前記重量データから前記動物の行動に関する測定対象の重量を算出する重量算出部と、
前記動物に係る行動測定データに基づいて、前記動物の時系列行動データを生成する行動データ生成部と、
を備えることを特徴とする、重量測定システム。
【請求項2】
前記時系列行動データに応じて、前記重量算出部が算出した重量情報の確からしさを評価する重量情報評価部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の重量測定システム。
【請求項3】
前記時系列行動データに応じて、前記重量算出部が算出した重量情報の測定対象をさらに特定する重量種別特定部をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の重量測定システム。
【請求項4】
前記重量算出部が測定した重量に係る個体を識別する個体識別部をさらに備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の重量測定システム。
【請求項5】
前記個体識別部は、前記時系列行動データに応じて、前記重量算出部が測定した重量に係る個体を識別することを特徴とする、請求項4に記載の重量測定システム。
【請求項6】
前記測定対象の重量を含む重量情報をユーザ端末に出力する表示制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の重量測定システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記重量情報を、前記行動データに基づく行動情報とともに出力することを特徴とする、請求項6に記載の重量測定システム。
【請求項8】
前記重量データ取得部は、二以上の前記重量測定手段から重量データを取得し、
前記重量算出部は、前記各重量測定手段から取得した前記重量データからそれぞれ前記測定対象の重量を算出し、
前記表示制御部は、算出した各測定対象の前記重量情報を一つの時系列に並べて表示することを特徴とする、請求項6に記載の重量測定システム。
【請求項9】
算出された前記重量に基づいて、前記動物の異常を検出する異常検出部をさらに備えることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の重量測定システム。
【請求項10】
動物の行動に関する測定対象についての方法であって、
重量測定手段から重量データを取得することと、
取得した前記重量データから前記動物の行動に関する測定対象の重量を算出することと、
前記動物に係る行動測定データに基づいて、前記動物の時系列行動データを生成することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は動物用重量測定システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ペットの排尿量を測定可能なトイレが提案されている。
【0003】
特許文献1には、猫の動物用トイレと、管理サーバとを含む猫の動物用トイレ使用状況管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した技術は、排尿量しか測定できないものであり、飼い主のニーズを十分満たすものではなかった。
【0006】
そこで、本開示は、飼い主の希望に合わせて測定対象を変更可能な重量測定システム及び方法を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、動物用の重量測定システムであって、重量測定手段から重量データを取得する重量データ取得部と、取得した前記重量データから前記動物の行動に関する測定対象の重量を算出する重量算出部と、前記動物に係る行動測定データに基づいて、前記動物の時系列行動データを生成する行動データ生成部と、を備えることを特徴とする、重量測定システムが得られる。
【0008】
また、本開示によれば、動物の行動に関する測定対象についての方法であって、重量測定手段から重量データを取得することと、取得した前記重量データから前記動物の行動に関する測定対象の重量を算出することと、前記動物に係る行動測定データに基づいて、前記動物の時系列行動データを生成することと、を含む、方法が得られる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、飼い主の希望に合わせて食事量や排泄量といった測定対象を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施の形態によるシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施の形態によるシステムの構成例を示す図である。
【
図3】本開示の一実施の形態による宅内における動物のセンシングを説明する概念図である。
【
図4】本開示の一実施の形態によるサーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施の形態によるサーバのソフトウェア構成例を示す図である。
【
図6】本開示の一実施の形態による重量情報の構成例を示す図である。
【
図7】本開示の一実施の形態による摂食量の測定方法を説明する図である。
【
図8】本開示の一実施の形態による排泄量の測定方法を説明する図である。
【
図9】本開示の一実施の形態による体重の測定方法を説明する図である。
【
図10】本開示の一実施の形態による摂食量の測定方法を説明する図である。
【
図11】本開示の一実施の形態による個体識別方法を説明する図である。
【
図12】本開示の一実施の形態による処理のフローを示した図である。
【
図13】本開示の一実施の形態による行動種別の分析の流れについての説明図である。
【
図14】本開示の一実施の形態による入力されたデータ分析について説明する図である。
【
図16】本開示の一実施の形態による画面表示例である。
【
図17】本開示の一実施の形態による変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態の内容を列記して説明する。本開示は、以下のような構成を備える。
(項目1)
動物用の重量測定システムであって、
重量測定手段から重量データを取得する重量データ取得部と、
取得した前記重量データから前記動物の行動に関する測定対象の重量を算出する重量算出部と、
前記動物に係る行動測定データに基づいて、前記動物の時系列行動データを生成する行動データ生成部と、
を備えることを特徴とする、重量測定システム。
(項目2)
前記時系列行動データに応じて、前記重量算出部が算出した重量情報の確からしさを評価する重量情報評価部をさらに備えることを特徴とする、項目1に記載の重量測定システム。
(項目3)
前記時系列行動データに応じて、前記重量算出部が算出した重量情報の測定対象をさらに特定する重量種別特定部をさらに備えることを特徴とする、項目1又は2に記載の重量測定システム。
(項目4)
前記重量算出部が測定した重量に係る個体を識別する個体識別部をさらに備えることを特徴とする、項目1~3のいずれかに記載の重量測定システム。
(項目5)
前記個体識別部は、前記時系列行動データに応じて、前記重量算出部が測定した重量に係る個体を識別することを特徴とする、項目4に記載の重量測定システム。
(項目6)
前記測定対象の重量を含む重量情報をユーザ端末に出力する表示制御部をさらに備えることを特徴とする、項目1~5のいずれかに記載の重量測定システム。
(項目7)
前記表示制御部は、前記重量情報を、前記行動データに基づく行動情報とともに出力することを特徴とする、項目6に記載の重量測定システム。
(項目8)
前記重量データ取得部は、二以上の前記重量測定手段から重量データを取得し、
前記重量算出部は、前記各重量測定手段から取得した前記重量データからそれぞれ前記測定対象の重量を算出し、
前記表示制御部は、算出した各測定対象の前記重量情報を一つの時系列に並べて表示することを特徴とする、項目6に記載の重量測定システム。
(項目9)
算出された前記重量に基づいて、前記動物の異常を検出する異常検出部をさらに備えることを特徴とする、項目1~8のいずれかに記載の重量測定システム。
(項目10)
動物の行動に関する測定対象についての方法であって、
重量測定手段から重量データを取得することと、
取得した前記重量データから前記動物の行動に関する測定対象の重量を算出することと、
前記動物に係る行動測定データに基づいて、前記動物の時系列行動データを生成することと、
を含む、方法。
【0012】
<実施の形態の詳細>
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
<概要>
本開示の実施の形態によるシステムは、重量センサを備える重量測定手段8から得られる重量データを利用してペットなどの動物の健康管理をするものである。重量測定手段8は、例えば、動物の重量を測定するデバイスである。重量測定手段8の装置の構成は特に限定されず、例えば、動物が載置される台と、該台が受ける力を計測するセンサと、を備えうる。台とセンサとは必ずしも一体でなくてもよい。重量測定手段8は、例えば、体重計等であり得る。重量測定手段8は、用途に応じて、トイレ、食器、水入れ等のペット用アイテムをのせることができる形状を備えていればよい。重量測定手段8の形状は、例えば
図1のようにボード型である。本開示の重量測定システムは、重量測定手段8が取得する時系列の重量データから、動物の体重、排泄物の量(便・尿)、食事量(ごはん・水)等を算出し、重量情報としてユーザに提供するためのものである。合わせて、動物に装着した加速度センサ等から得られる該動物の行動に関する行動測定データを分析することによって特定した行動データを用いることによって、算出した重量情報の精度を向上させることができる。本開示の重量測定システムは、選択された測定モードに沿って測定対象を変更することができるので、重量測定手段8の用途を限定することなく、ユーザが測定したい対象を自由に選ぶことができる。これらの動物に関する各種重量を日常的に測定することによって、動物の健康管理をすることが可能となる。
【0014】
<構成>
図2に示すように、サービス提供システムは、サービスを提供するサーバ1と、サーバ1に、インターネット等のネットワークを介して接続される、重量測定手段8、通信端末2、ユーザ端末3を含む。また、サーバ1は、ネットワークを介して分析サーバ4と接続している。
図2には、説明の便宜のために、各々1つの重量測定手段8、通信端末2、ユーザ端末3及び分析サーバ4が図示されているが、各々複数の端末が、本システムのネットワークに接続可能である。
【0015】
サーバ1は、サービスを、アプリケーションを介してユーザ端末3に対して提供することができる。ユーザ端末3は、アプリケーションをサーバ1または別のサーバからダウンロードし、このアプリケーションを実行し、ブラウザ等のウェブページの閲覧ソフトウェアを介してサーバ1にアクセスすることで、サーバ1と情報を送受信することでき、また、サービスを受けることが可能となる。
【0016】
通信端末2は、重量測定手段8及び動物、例えばネコ6に装着された加速度センサ(センサ5の一例)と近距離無線通信を行うことで、重量データ及び行動測定データを取得することができる。より具体的には、まず、
図3に示すように、ネコ6に対し、首輪状(またはペンダント状)のウェアラブルデバイスが取り付けられる。ウェアラブルデバイスには、センサ5として、加速度センサ及び/または温度センサが内蔵される。なお、センサ5を実現する装置は限定されず、例えば、その他動物による運動や生理現象をセンシングするセンサであれば特に限定されない。また、センサ5は、ネコ6等の動物に取り付けられることが想定されるが、かかるセンサ5は、動物に取り付けられるものでなくてもよいし、動物の体内等に付されるものであってもよい。重量測定手段8及びセンサ5は、データをBLUETOOTH(登録商標) LAW ENERGY(BLE)等の近距離無線通信を通じて、同じ宅内に設置される受信装置7に送信し、受信装置7は、ルータ等の通信端末2にデータを転送し、通信端末2は、データをネットワークを介してサーバ1に送信する。なお、重量測定手段8及びセンサ5は、データをBLUETOOTH(登録商標) LAW ENERGY(BLE)等の近距離無線通信を通じて、ユーザ端末3に直接送信することとしてもよい。ここで、受信装置7は、一例として、Linux(登録商標)をベースとするオペレーションシステムを搭載し、また、気温を測定する温度センサ等各種センサを搭載することができる。しかしながら、かかる装置は、組み込みのチップセット等、OSを搭載しないものであってももちろんよい。
【0017】
加速度センサ5は、
図3に示すように、互いに直交する3軸方向(x軸、y軸、z軸方向)の加速度を検出するセンサであり、ネコの首部に装着する首輪に内蔵される。
図3に示すように、ネコの前後方向をX方向、左右方向をY方向、上下方向をZ方向と定義し、ネコの動きに応じて各方向の加速度信号が検出できるよう首輪をネコに取り付ける。センサの種類はこれに限らず、ジャイロセンサやモーションセンサ等、ネコの動きに関する情報を取得できるあらゆるセンシング装置を採用可能である。
【0018】
図2に戻り、ユーザ端末3は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよいし、或いはスマートフォン、タブレット、携帯端末、その他情報端末等であってもよい。
【0019】
図4は、本開示の第1の実施の形態によるサーバ1の機能ブロック図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0020】
図示されるように、サーバ1は、データベース(図示せず)と接続されシステムの一部を構成する。サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0021】
サーバ1は、少なくとも、制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0022】
制御部10は、サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0023】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0024】
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベース(図示せず)がストレージ12に構築されていてもよい。
【0025】
送受信部13は、サーバ1をネットワークに接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0026】
入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0027】
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0028】
図5は、本開示の重量測定システムのサーバのソフトウェア構成例を示す図である。サーバは、測定モード入力受付部51、測定モード判断部52、重量データ取得部53、行動測定データ検出部54、行動データ生成部55、行動データ管理部56、重量算出部57、重量情報評価部58、重量種別特定部59、個体識別部60、異常検出部61、表示制御部62、測定モード情報記憶部71、重量データ記憶部72、基本データ記憶部73、行動測定データ記憶部74、行動データ記憶部75、重量情報記憶部76を備える。
【0029】
なお、測定モード入力受付部51、測定モード判断部52、重量データ取得部53、行動測定データ検出部54、行動データ生成部55、行動データ管理部56、重量算出部57、重量情報評価部58、重量種別特定部59、個体識別部60、異常検出部61、表示制御部62は、サーバが備える制御部10がストレージ12に記憶されているプログラムをメモリ11に読み出して実行することにより実現され、測定モード情報記憶部71、重量データ記憶部72、基本データ記憶部73、行動測定データ記憶部74、行動データ記憶部75、重量情報記憶部76は、メモリ11およびストレージ12の少なくともいずれかにより提供される記憶領域の一部として実現される。
【0030】
測定モード情報記憶部71は、測定モードに関する情報を記憶する。測定モードは、1つ以上の測定モードが登録される。測定モードは、少なくとも1つ以上の測定対象を特定する。代表的なものとして、食事量を測定する食事量測定モード、摂水量を測定する摂水量測定モード、排便量を測定する排便量測定モード、排尿量を測定する排尿量測定モード、体重を測定する体重測定モード等があり、これらを組み合わせることができる。測定モード情報記憶部71には、各モードのID、モード名、測定対象、重量データから測定対象の重量を算出処理する際に必要となるアルゴリズム等が記憶される。
【0031】
重量データ記憶部72は、重量データ取得部53が取得した重量データを各重量測定手段8ごとに記憶する。重量データは、時間データとともに記憶される時系列データであることが好ましい。
【0032】
行動データ記憶部75は、行動データ生成部55が生成した行動データを記憶する。後述するように、行動データは、時間データとともに記憶される時系列データであることが好ましい。重量データと行動データとは、連動して分析されるべきデータ同士を関連付けるID等を付与してもよい。例えば、同じユーザが所有する重量測定手段8から得られる重量データと、当該ユーザが飼育する動物の行動データとが関連付けられるようにしてもよい。他にも一つの重量測定手段8から得られる重量データが、複数個体の動物の行動データと関連付けられてもよい。
【0033】
重量情報記憶部76は、重量算出部57が算出した重量情報を記憶する。
図6は、重量情報記憶部76に記憶される重量情報の構成例である。例えば、測定日時ごとに、測定対象と、測定対象の重量(例:食事量)が重量情報の一部として格納されてよい。この他に、重量情報は、多頭飼いの場合は個体名や個体IDの情報を含んでもよい。
【0034】
測定モード入力受付部51は、ユーザから複数の測定モードのうち、選択する測定モードの入力を受け付ける。入力は、重量測定手段8に備え付けられるボタンやタッチパネルによって行われてもよいし、ユーザ端末によって入力されてもよい。
【0035】
測定モード判断部52は、ユーザからの選択入力を受けることなく、自動的に測定モードを設定する場合に用いられる。測定モード判断部52は、重量測定手段8の上にのせられたアイテムの重さによって、測定モードを判断することができる。例えば、測定モード判断部52は、あらかじめユーザが使用し得るトイレ、食器、水入れ、ベッド等の重さを記憶しておき、重量測定手段8の上にのせられたアイテムの重さから、それがトイレ、食器、水入れ、ベッドのいずれであるかを判断する。そして、測定モード判断部52は、トイレがのせられた場合は排泄物測定モード、食器がのせられた場合は食事量測定モード、水入れがのせられた場合は摂水量測定モード、食器と水入れの双方がのせられた場合は食事量&摂水量測定モード等、アイテムごとに設定された測定モードを選択することができる。
【0036】
重量データ取得部53は、重量測定手段8から重量データを取得する。重量測定手段8とサーバとは通信ネットワークにより接続される。重量データは、時系列に取得されることが好ましい。取得された重量データは、時間情報とともに重量データ記憶部72に格納される。
【0037】
行動測定データ検出部54は、センサ5によって検出され、通信端末2を介して送信された行動測定データを、サーバ1の送受信部13を介して受信する。行動測定データは、動物に係る行動測定データであり、動物に設けられるセンサ5から得られるデータである。行動測定データとしては、例えば、加速度や温度(体温)等、センサ5の出力データであり得る。受信された行動測定データは、サーバ1に内蔵されるストレージ12の行動測定データ記憶部74に格納されてもよいし、または、
図1において示す、分析サーバ4に内蔵されるストレージに格納されてもよい。
【0038】
行動データ生成部55は、受信した行動測定データを基に、
図2において示すように、分析サーバ4と連携しながら(または、本行動データ生成部55における単独の処理によって)、ネコの行動データを生成する。また、行動データ管理部56は、生成された行動データを行動データ記憶部75に格納し、かかる行動データを管理する。行動データ生成部55が生成する行動データは、例えば、時系列の行動データである。
【0039】
ここで、行動データは、行動データ記憶部75に格納される、運動データ、睡眠データ、食事データ、トイレデータ、位置データ等を含み得る。より具体的には、運動データとして、運動の有無および時間とともに1日においてどれくらいの活動をしているのかといった集計データが含まれ得る。また、睡眠データとして、睡眠の有無と時間とともに1日においてどれくらいの睡眠をしているのかといった集計データが含まれ得る。また、食事データとして、食事行動の有無と時間とともに食事を何回食べたか、いつ食べたかといった集計データ、および/または摂水行動の有無と時間とともに水を何回飲んだか、いつ飲んだかといった集計データが含まれ得る。また、トイレデータとして、排便行動の有無と時間とともに排便を何回したか、いつしたかといった集計データ、および/または排尿行動の有無と時間とともに排尿を何回したか、いつしたかといった集計データ、が含まれ得る。また、位置データとして、どの方向に移動したか、どの位置にいたかが含まれ得る。また、その他のデータとして、水を何回飲んだか、いつ飲んだか等が含まれ得る。また、図示しないが、計測時のネコの体温、また、ネコのいる室温等周辺環境に関するデータを取得し、行動データ記憶部75に格納することができる。
【0040】
また、基本データ記憶部73は、動物の基本情報を記憶する。基本データは、動物の名前、種類、年齢、性別、居住地(エリア)、健康情報、飼い主情報等を含み得る。健康情報としては、通院歴、病歴等が挙げられる。また、飼い主情報としては、飼い主の性別、年齢、職業等の情報が挙げられる。
【0041】
重量算出部57は、重量データ取得部53が取得した重量データを分析して、測定モードに沿って目的の重量情報を出力する。以下に、各測定モードにおける重量の算出方法の一例を示す。
【0042】
<食事量・摂水量・体重測定モード>
図7は、食事量・摂水量・体重を測定する場合の例を示す。動物が食事又は水を飲むために重量測定手段8の上にのった場合、時系列の重量データは例えば
図7に示すような挙動を示す。具体的には、動物が重量測定手段8の上にのる前の時点での重量と、動物がのった時の重量との差ΔW1は、動物の体重となり得る。また、動物が重量測定手段8の上にのる前の時点での重量と、動物が食事・摂水を終わって降りた時点での重量との差ΔW2は、餌又は水の減少量、すなわち摂食量・摂水量となり得る。動物が重量測定手段8の上にのっている最中に、動物が動くことによって重量データに変動が生じる場合は、重量データの時系列における平均値や、一定時間以上動きがなくなった時の重量データを採用する等、適宜最適な値を採用することができる。
【0043】
<排泄量・体重測定モード>
図8は、排泄量・体重を測定する場合の例を示す。動物が排便又は排尿するために重量測定手段8の上のトイレに入った場合、時系列の重量データは例えば
図8に示すような挙動を示す。動物がトイレに入った時の重量と、動物がトイレから出たときの重量との差ΔW3は、動物の体重となり得る。体重は、動物がトイレに入る前の時点での重量と、トイレに入った直後の重量との差であってもよい。また、動物がトイレに入る前の時点での重量と、動物がトイレから出た後の時点での重量との差ΔW4は、排泄量となり得る。動物がトイレの中に入っている最中に、動物が動くことによって重量データに変動が生じる場合は、重量データの時系列における平均値や、一定時間以上動きがなくなった時の重量データを採用する等、適宜最適な値を採用することができる。
【0044】
<体重測定モード>
図9は、体重を測定する場合の例を示す。動物がベッドで睡眠をとったりくつろいだりするために重量測定手段8の上のベッド等にのった場合、時系列の重量データは例えば
図9に示すような挙動を示す。動物がベッドに入った時の重量と、動物がベッドから出たときの重量との差ΔW5は、動物の体重となり得る。
【0045】
以上のように、重量算出部57は、時系列の重量データの変化から、各種測定対象の重量を推定することができる。測定対象の種類とその算出方法は上述したものに限られず、任意に設定することができる。
【0046】
重量情報評価部58は、重量情報の確からしさを評価する。重量情報評価部58は、重量算出部57が算出した重量情報と行動データを突き合わせて、重量情報の確からしさを評価することができる。重量情報評価部58は、測定対象の重量情報が取得された時間(t1~t2)における行動データを行動データ記憶部75から参照し、その時の動物の行動が重量情報の測定対象と合致しているかを確認する。例えば、食事量測定モードで測定している場合に、重量データが変動したときは、前述したように重量データの変化量を「食事量」として判断するが、
図10のようにその時間帯(t1~t2)における行動データが「食事」を示していれば、当該重量情報は食事量であることが確からしいと判断できる。一方で、その時間帯における行動データが「食事」ではない場合(例えば「遊んでいる」など)は、当該重量情報は食事量を示すものではない可能性があると判断する。このように、重量情報評価部58は、重量情報と同時間帯における行動データが重量情報と合致している場合に、当該重量情報が確からしいと判断し、合致していない場合に当該重量情報を不確かなデータとしてタグ付けしたり、削除したりすることができる。
【0047】
また、重量情報評価部58は、過去の重量データに基づいて重量情報の確からしさを判断してもよい。重量情報評価部58は、過去の実績から各測定対象についてとり得る重量の数値範囲を決めておき、測定した重量が当該範囲外であった場合はエラーとして判断してもよい。また、過去の重量データを教師データとして機械学習することによって基準重量データを作成し、当該基準重量データから変動率が大きい場合にエラーとして判断することもできる。
【0048】
重量種別特定部59は、ごはんを食べているときと水を飲んでいるとき、または、排便をしているときと排尿をしているときを区別することができる場合は、重量算出部57が算出した重量情報をさらに具体的に特定することができる。例えば、重量種別特定部59は、行動データによって種別の特定をすることができる。例えば食事量・摂水量・体重測定モードで、重量測定手段8の上に食器と水入れの両方を置いた場合、ΔW2は食事量と摂水量のいずれかもしくは両方の合計を示している。ここで、t1~t2における行動データが「食事」を示していれば、ΔW2は食事量であると判断することができる。同様に、排泄量・体重測定モードにおいて、ΔW4は排便量、排尿量のいずれかもしくは両方の合計を示しているが、当該重量データが取得された時間帯における行動データが「排便」であった場合、ΔW4は排便量であると判断することができる。このように、重量種別特定部59は、同時間帯における行動データから、重量情報の測定対象をより具体的に特定することができる。
【0049】
重量種別特定部59は、過去の重量データに基づいて重量種別を特定してもよい。例えば、過去の実績から各測定対象についてとり得る重量の数値範囲を決めておき、測定した重量の種別を特定してもよい。また、過去の重量データであって、重量種別(食事または飲水、便または尿、など)が分かっているデータを教師データとして機械学習することによって、各重量種別の基準重量データを作成し、測定した重量データの重量種別を推定してもよい。
【0050】
個体識別部60は、例えば、多頭飼いの場合に、重量算出部57が算出した重量情報が、どの個体に紐づくかを判断することができる。個体識別部60は、測定対象の重量データが取得された時間帯(t1~t2)における、各個体の行動データを参照し、重量情報が紐づけられるべき個体を特定する。
図11に示す例においては、t1~t2における個体A、個体Bの行動データから、重量測定手段8が取得した重量データは、食事をしていた個体Aものであることを判断する。このように、個体識別部60は、重量情報ごとに合致する行動データを示す個体を選択し、重量情報に個体情報を付与することができる。
【0051】
また、個体識別部60は、各個体のセンサから得られる加速度データ等の波形情報から個体を識別してもよい。同じ行動であっても、個体ごとに波形に固有の特徴が出ることが知られている。測定対象の重量データが取得された時間帯における行動波形データについて、あらかじめ登録した各個体の行動ごとの波形と照らし合わせて特徴を比較することによって、個体を識別することができる。
【0052】
個体の識別方法としては、上記載方法の他に、各種の方法を採用してもよい。例えば、個体の識別は、重量測定手段8を撮影することのできる画像取得手段によって得られた画像情報を分析することによって行ってもよい。より具体的には、ビデオカメラなどの画像取得手段が経時的に動画像を撮影し、重量測定手段8の上にのっている個体が画像認識によって識別される。個体識別部60は、測定対象の重量データが取得された時刻における画像データから、重量情報が紐づけられるべき個体を特定することができる。
【0053】
個体識別部60は、動物の首輪等から個体情報を含むデータをBLUETOOTH LAW ENERGY(BLE)等の電波強度の強弱から得られる情報によって、重量測定手段8の近くにいる個体を識別してもよい。重量測定手段8若しくはその近傍に、BLEの受信手段を備えておき、より近くにいる個体を認識することができる。
【0054】
個体識別部60は、動物の体重の情報によって個体を識別することとしてもよい。あらかじめ個体の体重を登録しておき、各測定モードで体重を算出した際に、当該登録体重の情報を参照することによって、個体を識別することができる。
【0055】
以上のように個体識別部60は複数の方法によって個体を識別することができるが、このうち一つ以上を採用することができ、複数の方法を組み合わせて個体識別を行ってもよい。
【0056】
異常検出部61は、算出した各重量情報が所定の条件を満たした場合に、ユーザに異常を知らせる。たとえば、それぞれの測定対象(食事量・食事回数、摂水量・食事回数、排便量・食事回数、排尿量・食事回数、体重)について、適正範囲をあらかじめ設定しておき、当該範囲未満、若しくはより高い数値を示す場合には、かkる測定値は「異常」と判断される。異常検出部61が異常と判断した場合は、例えば、分析サーバ4や重量測定手段8等がユーザ端末に異常を判断したことを示す情報を送信することとしてもよい。
【0057】
表示制御部62は、ユーザ端末3のディスプレイに表示される画面を構成するデータを生成する。表示制御部62は、算出した重量情報を時間情報とともに表示することが好ましい。また、
図16に示すように、重量情報を行動情報とともに表示することがさらに好ましい。
【0058】
図12は、本開示の一実施の形態における処理のフローチャートである。
【0059】
まず、ユーザが測定モードを選択して入力することによって、測定モード入力受付部51は測定モードを受け付ける(S101)。測定モードの選択は、ユーザが重量測定手段8を初めて使用し始める際に行う他、測定対象を変更したいタイミングで任意に行う。例えば、重量測定手段8に設けられた表示部に設定可能な測定モードが表示され、ユーザが選択できるようにしてもよい。また、ユーザ端末上に設定可能な測定モードが表示され、ユーザが選択した情報を測定モード入力受付部51が受け取ってもよい。
【0060】
測定モードは、測定モード入力受付部51がユーザによる入力を受け付ける代わりに、測定モード判断部52によって設定されてもよい。重量測定手段8の上に測定対象に合わせてベッド、食器、水入れ等のアイテムが置かれていてもよい。測定モード判断部52は、重量測定手段8に置かれたアイテムの重さを測定し、あらかじめ登録された各アイテムの重量と照らし合わせることによってどのアイテムが置かれたかを認識する。そして、置かれたアイテムごとに測定モードを設定する。なお、アイテムが何も置かれない場合は、体重のみを測定するモードであると判断してもよい。測定モードは、一つ以上の測定対象を定めることができればよく、測定対象は任意に組み合わせることができる。
【0061】
続いて、重量データ取得部53は、重量測定手段8が測定した重量データを経時的に取得する。重量データは、時間情報とともに重量データ記憶部72に格納される(S102)。
【0062】
重量算出部57は、取得した重量データから、設定された測定モードに基づいて、所定の測定対象の重量を算出する(S103)。
【0063】
行動データとの紐づけを行わない場合は、S103で算出した重量を含む重量情報を重量情報記憶部76に格納し、所定のタイミングでユーザ端末に出力する(S105)。
【0064】
一方、行動データとの紐づけを行う場合は、重量データの取得とは並行して、動物の行動データの生成を行う。行動データの生成については、後述する(S201~S203)。
【0065】
重量情報評価部58は、測定対象の重量データが測定された時間における行動データを行動データ記憶部75から読み出し、重量情報の確からしさを評価する(S104)。同時間帯における行動データが測定対象と整合する場合は、当該重量情報が確からしいと評価し、一方で整合しない場合は、当該重量情報を誤った情報であると判断する。また、重量種別特定部59は同様に、測定対象の重量データが測定された時間における行動データを行動データ記憶部75から読み出し、行動データから食事と摂水の区別、及び排便と排尿の区別が可能である場合は、測定した重量データの測定対象をより具体的に特定する(S104)。
【0066】
また、多頭飼いの場合は、個体識別部60は、重量情報を行動データと紐づけることによって、重量情報に係る個体を特定する(S104)。個体識別部60は、測定対象の重量データが測定された時間における行動データを行動データ記憶部75から読み出し、同時間帯における行動データが測定対象と整合する個体を特定する。個体の識別は、行動データによらず、画像解析やBLE等の電波強度、重量によって行ってもよい。表示制御部は、個体ごとの重量情報を出力する。
【0067】
以下、行動データの生成フローについて説明する。まず、行動データ生成部22は、行動測定データ検出部54において検出された測定データを確認する(S201)。
【0068】
続いて、行動データ生成部22は、測定データを基に行動種別を判定する(S202)。行動種別の判定方法は、いくつかの既知の行動分析方法によって実現し得るが、例えば、加速度センサ5から得られたxyz軸方向の加速度データ(Gx、Gy、Gz)を、ウェーブレット変換を用いて、振動をもった信号を時刻毎に周期と振幅に分解し、各々の時刻における信号の周期性を行動スペクトルとして認識し、スペクトルの類似性に従って、事前に登録した行動要素と比較することで行動を分類することができる。
【0069】
事前に登録した行動要素の情報が無い場合は、新しい行動要素として認識し、後述の異常行動を示すデータとして分類することができる。かかる異常行動を示すデータは、、例えば、獣医師に提供することができる。または、例えば、加速度センサ5から得られた加速度データをフーリエ変換し、時間軸に沿って算出される周波数成分の平均値やピーク値を、同じまたは別のネコの行動種別(運動、睡眠、食事、トイレ等)に対応する既知の周波数と比較することで行動を特定したり、加速度成分を高速フーリエ変換(FFT)することにより算出された周波数成分を基に、特徴的な波形やスペクトル値を抽出し、同じまたは別のネコの行動種別(運動、睡眠、食事、トイレ等)に対応する既知の特徴的波形またはスペクトル値と比較することで、行動を特定することができる。また、加速度センサで算出される、各軸方向の姿勢(θx、θy、θz)からネコの姿勢を把握することで、行動種別を推測することもできる。
【0070】
行動種別が判定されると、行動データ生成部55は、行動種別を示すデータを行動データとして、測定データを測定した日時(または受信した日時、行動データを生成した日時)とともに生成する(S203)。
【0071】
ここで、行動種別の分析の流れについて、
図13を参照して更に説明を行う。加速度センサから取得した加速度データ101に対して、上述したウェーブレット変換により得られたスペクトルデータ又はフーリエ変換等により得られた成分データにすべくデータの前処理を行う。このように前処理されたデータは、続いて、二値モデル群によるスコアリング103がされる。本実施の形態による二値モデルは、WALKモデル、RUNモデル、EATモデル、STAYモデルなどと言った具体的に表現(解釈)可能な活動のモデルと比較分析し、前処理データ102のうち特定の部分がどの行動と推測できるかをスコアリングする。例えば、
図14に示されるように、入力されたデータを各モデルで分析することにより確からしさをスコアリングする。図示されている例においては、「歩く」が91、「走る」が62、「食べる」が21、「止まる」が8であり、最も高いスコアは「歩く」の91であるため、二値モデル群によるスコアリング結果としては「歩く」という行動に分類される。
【0072】
続いて、
図13に戻り、多値モデル群によるスコアリング104が行われる。本実施の形態による多値モデル群によるスコアリングは、二値モデルにより得られた結果が拮抗していた場合などに、どちらの二値モデル群による結果を優先させるべきかを機械学習に基づいて判定する。例えば、
図14よる例では、「歩く」が91、「走る」が62という結果化がでており、「走る」という評価のスコアも比較的高い。この場合、過去の二値モデル群への入力データと判定結果の組み合わせから今回のケースで優先すべきはいずれの二値モデルなのかどうかを判定する。このように、本実施の形態においては、各行動の判定に特化した二値モデル群の結果を多値モデル群によって更に評価を行うことにより、データの正確性を向上させている。
【0073】
図13に戻り、判定された行動をルールベースに基づきさらに補正をおこなう。例えば、猫の行動上一定時間継続することが多いような「食べる」や「寝る」などの判定区間中に、突発的に「走る」などの通常起こりにくい行動を二値モデルが判定した場合、もしくは判定不能な場合に、この区間の二値モデルの予測結果を棄却し、ルールによって他の行動と推定する補正を行う。補正が完了すると、当該行動に予め登録されていた行動ラベルの付与106がなされる。
【0074】
本実施の形態においては、特に、各動物の個体差や環境による個別的要因に対応するため、ユーザからのフィードバック107を受けることとしている。具体的には、
図15に示されるように、自己の管理している動物を観察等しながら、現在の行動を(手動により)記録する。当該記録と加速度センサのデータを関連付けることにより、目視等による教師データを収集することができる。このようにして得られたフィードバックデータ108は、蓄積され、二値モデル群のモデルの精度を上げるために利用される。
【0075】
<変形例>
重量測定手段8を複数使用する場合について説明する。本変形例においては、一人のユーザが複数の重量測定手段8のそれぞれに異なる動物用アイテムをのせて異なる測定対象を測定することができる。一例を
図17に示す。第一の重量測定手段8に食器と水入れをのせて食事・摂水・体重測定モードとし、第二の重量測定手段8にトイレをのせて排泄量・体重測定モードとする。重量データごとに測定対象の重量を算出し、第一の重量情報及び第二の重量情報を生成する。そして、表示制御部62は、各重量情報を併せて一つの時系列に並べ、ユーザに提供することができる。当該変形例によれば、複数の測定対象の重量データを同時に取得することが可能である。
【0076】
上述した実施の形態は、本開示の理解を容易にするための例示に過ぎず、本開示を限定して解釈するためのものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本開示にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
1 サーバ
2 通信端末
3 ユーザ端末
4 分析サーバ
5 センサ
6 動物
7 受信装置
8 重量測定手段